(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】アタッチメント及びアタッチメントを備えた手持ち型電動工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20240408BHJP
B25B 21/00 20060101ALI20240408BHJP
B23B 45/00 20060101ALI20240408BHJP
B23Q 5/04 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B25B21/00 H
B23B45/00 C
B23Q5/04 520C
(21)【出願番号】P 2021565108
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2020062927
(87)【国際公開番号】W WO2020229363
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】102019112260.0
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019113212.6
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518361790
【氏名又は名称】フェスツール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ラウテンシュレガー、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ザイラー、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】グミュンダー、ベンノ
(72)【発明者】
【氏名】ツィーグラー、ステファン
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02949431(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02383076(EP,A2)
【文献】米国特許第09956676(US,B2)
【文献】欧州特許出願公開第02942159(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B25B 21/00
B23B 45/00
B23Q 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち型電動工具(200
)用のアタッチメントであって
、前記アタッチメント(10、110、310)が作業工具(9)を駆動するための、駆動素子(11)を備えた駆動部分(14)と出力素子(21)を備えた出力部分(15)を有し
、前記駆動素子(11)が、前記アタッチメント(10、110、310)を駆動するための前記手持ち型電動工具(200)の機械出力素子(221)と連結可能であって、
前記駆動素子(11)の回転軸(D1)に対して前記出力素子(21)の回転軸(D2)が角度を有するように前記出力素子(21)を駆動するための歯車装置(60)を介して前記出力素子(21)と接続又は連結されていて
、前記駆動部分(14)が
前記電動工具(200)の駆動面に、前記アタッチメント(10、110、310)を取外し可能かつ
前記アタッチメント(10、110、310)の角度位置決め軸(W)に対して回転不能に前記手持ち型電動工具(200)に装着するための装着装置(30、130、330)を有するものであって、前記出力部分(15)が前記駆動部分(14)に対して、前記角度位置決め軸(W)を中心として互いに異なる少なくとも2つの角度位置(W1、W2)に回転移動可能であり、
前記アタッチメントが各角度位置(W1、W2)に前記アタッチメント(10、110、310)の角度固定装置(70、170、370)を用いて固定可能であり、前記角度固定装置(70、170、370)は駆動側角度固定本体(71、171、371)と出力側角度固定本体(72、172、372)を有
し、前記両角度固定本体の少なくとも一方(72、172、372)が前記もう一方の角度固定本体(71、171、371)に対し、前記アタッチメント(10、110、310)の操作装置(90、190、390)の操作素子(91、191、391)を介して、前記両角度固定本体(71、72、171、172、371、372)が前記駆動部分(14)に対して前記出力部分(15)を回転不能に固定する角度固定位置(V)と、前記両角度固定本体(71、72、171、172、371、372)が前記駆動部分(14)に対する前記角度位置決め軸(W)を中心とした前記出力部分(15)の回転移動を許可する角度移動位置(E)の間で、移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って移動可能であることを特徴とする、アタッチメント。
【請求項2】
前記角度固定位置(V)において、前記両角度固定本体(71、72、171、172、371、372)が形状結合式に互いに係合していて、かつ/又は前記角度移動位置(E)において、前記両角度固定本体(71、72、171、172、371、372)が係合解除されていることを特徴とする、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記駆動側角度固定本体(71、171、371)が前記駆動部分(14)において前記角度位置決め軸(W)に対して回転不能に配置され、かつ/若しくは前記駆動部分(14)に組み込まれていること、並びに/又は前記出力側角度固定本体(72、172、372)が前記出力部分(15)において前記角度位置決め軸(W)に対して回転不能に配置され、かつ/若しくは前記出力部分(15)に組み込まれていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記移動路(VB1、VB2、VB3)が前記角度位置決め軸(W)に対して横に、かつ/又は前記角度位置決め軸(W)に対して放射状に、かつ/又は前記角度位置決め軸(W)の周囲に弓形に延在することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記装着装置(30、130、330)及び/又は前記角度固定装置(70、170、370)が前記駆動面に、前記角度位置決め軸(W)に対して回転移動が防止された状態で前記アタッチメントを前記手持ち型電動工具(200)
に保持する目的で
、前記手持ち型電動工具(200)又は前記アタッチメントの前記駆動部分(14)の相補的回転移動防止輪郭(233)への係合のための回転移動防止輪郭(33)を有することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記回転移動防止輪郭(33)が、前記角度位置決め軸(W)と平行である差込み軸(SA)又は前記角度位置決め軸(W)と平行に方向付け部品を有する差込み軸(SA)に沿った差込み方向における差込み動作によって、前記相補的回転移動防止輪郭(233)と係合可能であることを特徴とする、請求項5に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記装着装置(30、130、330)が、差込み軸(SA)に沿った差込み方向において、前記手持ち型電動工具(200)における支持のための支持面(32)と、固定位置において前記差込み方向とは逆に前記手持ち型電動工具(200)において前記アタッチメント(10、110、310)を引抜き不能に保持する目的で、固定位置と解放位置の間で移動可能な、少なくとも1つの掛止輪郭(35)を備えた少なくとも1つのロック本体(37、137、337)を有し、前記輪郭が前記固定位置においては前記手持ち型電動工具(200)の相補的掛止輪郭(235)と係合していて、前記手持ち型電動工具(200)から前記アタッチメント(10、110)を取り外すための前記解放位置においては、前記相補的掛止輪郭(235)と係合解除されていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記ロック本体(37、137、337)が前記差込み軸(SA)又は角度位置決め軸(W)を中心として回転可能に保持されたリング本体であり、かつ/又は前記掛止輪郭(35)がバヨネット輪郭(36)であり、かつ/又は前記ロック本体(37、137、337)が、前記差込み方向と同方向に延びる回転軸を中心として回転可能に保持されていることを特徴とする、請求項7に記載のアタッチメント。
【請求項9】
前記駆動側角度固定本体(71、171、371)と前記回転移動防止本体(31、131)が、堅固及び/若しくは回転不能及び/若しくは摺動不能に接続されているか、若しくは一体であり、かつ/又は前記駆動側角度固定本体(71、171、371)が前記回転移動防止本体(31、131)を形成し、かつ/又は前記回転移動防止輪郭(33)が前記駆動側角度固定本体(71、171、371)にあることを特徴とする、請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項10】
前記回転移動防止本体(31、131)及び/又は前記駆動側角度固定本体(71、171、371)が前記角度位置決め軸(W)に対して、回転移動防止位置(DS)と回転許可位置(DF)の間で可動に前記アタッチメント(10、110、310)に保持されていて
、前記回転移動防止輪郭(33)が、前記回転移動防止位置(DS)においては前記相補的回転移動防止輪郭(233)に向かって移動されていて、また前記回転許可位置(DF)においては前記相補的回転移動防止輪郭(233)から離れて移動されていて、かつ/又は前記回転移動防止輪郭(33)が、前記回転移動防止位置(DS)において前記手持ち型電動工具(200)の前記相補的回転移動防止輪郭(233)に係合する目的で、前記回転許可位置(DF)におけるより更に前記駆動面の前に突出することを特徴とする、請求項5から請求項9のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項11】
前記出力側角度固定本体(72、172,372)が、前記角度固定装置(70、170、370)の前記角度固定位置(V)において、前記回転移動防止本体(31、131、331)を前記回転移動防止位置(DS)において不動に固定し、かつ/又は前記角度移動位置(E)において前記回転移動防止本体(31、131、331)の前記回転許可位置(DF)への運動を許可することを特徴とする、請求項5から請求項10のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項12】
前記操作素子(91、191、391)が前記回転移動防止本体(31、131、331)を前記回転許可位置(DF)へと連動させて移動するために前記本体と動作的に連結されていて、かつ/又は、前記操作素子(91、191、391)と前記回転移動防止本体(31、131、331)の間に、前記回転移動防止本体(31、131、331)を前記回転移動防止位置(DS)から前記回転許可位置(DF)に移動するための解放歯車装
置が配置されていることを特徴とする、請求項5から請求項11のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項13】
前記操作素子(91、191、391)と前記少なくとも1つの移動可能な回転移動防止本体(31、131、331)の間に、前記少なくとも1つの、移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って移動可能な角度固定本体(72、172、372)の、前記角度固定位置(V)から前記角度移動位置(E)への移動を、前記回転移動防止本体(31、131、331)の、前記回転移動防止位置(DS)から前記回転許可位置(DF)への移動の前に可能にする隙間の存在することを特徴とする、請求項5から請求項12のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項14】
前記回転移動防止本体(31、131、331)に対して、スプリング組立体によって前記回転移動防止位置(DS)にスプリング力が加えられていることを特徴とする、請求項5から請求項13のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項15】
前記アタッチメントが前記角度固定装置(70、170、370)を前記角度固定位置(V)へと操作するためのスプリング組立体を有することを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項16】
前記スプリング組立体が前記角度固定装置(70、170、370)の前記角度固定位置(V)への移動の意味において前記操作装置(90、190、390)の前記操作素子(91、191、391)に作用し、かつ/又は、前記スプリング組立体に、前記角度位置決め軸(W)が中を貫通しているコイルばね若しくはねじりばねが含まれることを特徴とする、請求項15に記載のアタッチメント。
【請求項17】
前記操作装置(90、190、390
)が手動で操作可能であり、かつ/又は環状若しくは部分環状に前記角度位置決め軸(W)の周囲に延在し、かつ/又は操作リングを含むことを特徴とする、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項18】
前記操作素子(91、191、391)と前記操作素子(91、191、391)を介して操作するべき前記角度固定本体の間に、第1の運動方向における前記操作素子(91、191、391)の運動を、操作するべき前記角度固定本体の、第2の運動方向への運動へと力を方向転換するための動力伝達装
置が配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項19】
前記操作素子(91、191、391)が、操作するべき前記角度固定本体に対して横
に可動に、かつ/又は前記角度位置決め軸(W)に対して直線的及び/若しくはこれと平行に、かつ/又
は回転可能に、前記アタッチメント(10、110、310)に保持されていることを特徴とする、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項20】
前記操作素子(91、191、391)が前記角度位置決め軸(W)を中心として回転可能に保持されていて、前記角度位置決め軸(W)を中心として前記出力部分(15)を連動させて回転するための、少なくとも1つの連動回転輪郭(410R、410L)を有することを特徴とする、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項21】
前記少なくとも1つの連動回転輪郭(410R、410L)が前記出力部分(15)との回転係合に至る前に、前記操作素子(91、191、391)が前記角度固定位置(V)に属する回転位置から前記角度移動位置(E)に属する回転位置へと回転移動可能であるように、前記操作素子(91、191、391)が、前記出力部分(15)に対して前記角度位置決め軸(W)を中心とした回転運動のための回転用隙間を有することを特徴とする、請求項20に記載のアタッチメント。
【請求項22】
前記操作素子(91、191、391)が少なくとも1つの角度固定本
体と堅固に接続されている、又は一体であることを特徴とする、請求項1から請求項21のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項23】
一方の角度固定本体(71)が、もう一方の角度固定本体(72)に対して放射状外側に配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項22のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項24】
前記角度固定本体の少なくとも1つ(72
)又は唯一の放射状内側の角度固定本体がスリーブ本体として形成されていて、若しくはスリーブ本体によって形成されていて、かつ/又は前記本体を前記アタッチメントの駆動素子(11)が貫通していることを特徴とする、請求項1から請求項23のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項25】
前記角度固定本体の少なくとも1つ(71、171、371
)が、掛止玉であり、若しくはこれを含み、かつ/又は前記角度固定本体(71、72、171、172、371、372)の少なくとも1
つが、放射状に可動な前記角度固定本体(71、72、171、172、371、372)を収容するための球面キャロットを有することを特徴とする、請求項1から請求項24のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項26】
前記移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って移動可能かつ
、前記少なくとも1つの角度固定本体(71、171、371)が、前記操作装置(90、190、390)を介して操作可能かつ
、少なくとも2
つの角度固定本体(71、171)から成る組立体の構成要素と成り、前記角度固定本体が前記角度位置決め軸(W)に対して相互に角距離を有し、前記移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って
、可動に保持されていることを特徴とする、請求項1から請求項25のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項27】
出力側角度固定本体(72、172、372)が前記角度位置決め軸(W)に対して放射状に不動であり、かつ/又は前記駆動部分(14)に対して前記角度位置決め軸(W)と平行に摺動可能に保持されていて、前記駆動側角度固定本体(71、171、371)が前記少なくとも1つの、前記移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って
、可動に保持された角度固定本体を含む、又はそれによって形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項26のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項28】
請求項1から請求項27のいずれか一項に記載のアタッチメント(10、110、310)を備えた手持ち型電動工具(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち型電動工具、特に電動ドライバ又は電動ドリル用のアタッチメントであって、その際、該アタッチメントが作業工具を駆動するための、駆動素子を備えた駆動部分と出力素子を備えた出力部分を有し、その際、該駆動素子が、アタッチメントを駆動するための手持ち型電動工具の機械出力素子と連結可能であって、上記出力素子を駆動するための歯車装置を介して上記出力素子と接続又は連結されていて、またその際、該駆動部分が駆動面に、該アタッチメントを取外し可能かつ角度位置決め軸に対して回転不能に手持ち型電動工具に装着するための装着装置を有する、アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
そうしたアタッチメントは例えば欧州特許出願公開第2383076号明細書に記載されている。該アタッチメントは、駆動素子と出力素子が互いに対して角度を成している回転軸を中心として回転し、アングルギアを介して互いに連結されている、いわゆるアングルアタッチメントである。機械回転軸すなわち駆動回転軸に対して出力素子の回転軸を変更するためには、アタッチメントを手持ち型電動工具から若干緩めて、手持ち型電動工具において他の角度位置に再び固定する。該取扱いは当然若干手数がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
したがって本発明の課題は改善されたアタッチメントを提供することである。
【0005】
上記の課題を解決するために、冒頭に記載の方式のアタッチメントにおいて、出力部分が駆動部分に対して、角度位置決め軸を中心として互いに異なる少なくとも2つの角度位置に回転移動可能であり、駆動側角度固定本体と出力側角度固定本体を有する角度固定装置を用いて該各角度位置に固定可能であり、その際、両角度固定本体の少なくとも一方がもう一方の角度固定本体に対し、アタッチメントの操作装置の操作素子を介して、両角度固定本体が駆動部分に対して出力部分を回転不能に固定する角度固定位置と、両角度固定本体が駆動部分に対する角度位置決め軸を中心とした出力部分の回転移動を許可する角度移動位置の間で、移動路に沿って移動可能であることが予定されている。
【0006】
駆動側角度固定本体は、駆動部分において例えば角度位置決め軸に対して回転不能に配置され、かつ/又は駆動部分に組み込まれている。出力側角度固定本体は、主として出力部分に回転不能に配置され、かつ/又は出力部分に組み込まれている。
【0007】
角度固定位置において、両角度固定本体は主として形状結合式に互いに係合している。角度移動位置において、両角度固定本体は主として係合解除されている。角度移動位置において一方の角度固定本体がもう一方の角度固定本体に対して可動であり、かつ/又は両角度固定本体が互いに対して可動であると有利である。主として、一方の角度固定本体が角度移動位置においてもう一方の角度固定本体の相対運動を可能にし、かつ/又は許容する。
【0008】
少なくとも一方又は両方の角度固定本体が互いに対して可動である移動路は、異なる方向に延在し得る。例えば、該移動路は角度位置決め軸に対して放射状に延在する。したがって、例えば一方の角度固定本体、特に出力側角度固定本体が、角度位置決め軸に対して放射状に、もう一方の角度固定本体、例えば駆動側角度固定本体に対して移動可能、つまり例えば角度位置決め軸等に対して放射状外側から放射状内側に向かって移動可能であり得る。該移動路が角度位置決め軸に対して横に延在することも可能である。更に、円形路又は湾曲路が移動路として可能である。したがって例えば、該移動路が角度位置決め軸の周囲に弓形及び/又は円形に延在することを予定しておくことができる。
【0009】
駆動側角度固定本体は角度位置決め軸に対して回転不能に駆動部分に配置しておくことができる。しかし駆動側角度固定本体が駆動部分に対し、角度位置決め軸に対して回転不能な位置に移動され得ることも可能である。例えば、駆動側角度固定本体は角度位置決め軸に対して回転不能な位置と角度位置決め軸に対して回転可能な位置の間で移動し得ることが可能である。それには例えば操作装置が使用され得る。特に、駆動側角度固定本体が、手持ち型電動工具と回転不能に接続された位置と手持ち型電動工具に対して回転可能な位置の間で角度位置決め軸に対して移動可能に、アタッチメントに、特にそのアタッチメントハウジングに保持されていることが有利に予定されている。有利に、駆動側角度固定本体は前述の両方の位置の間で直線摺動可能に、アタッチメント若しくはそのアタッチメントハウジングに沿って、又はアタッチメントのアタッチメントハウジングに対して保持されている。
【0010】
上記の課題を解決するために、そうしたアタッチメントを備えた手持ち型電動工具も用意されている。
【0011】
本発明は有利に、手持ち型電動工具、特に電動ドライバ又は電動ドリル用のアタッチメントであって、その際、該アタッチメントが作業工具を駆動するための、駆動素子を備えた駆動部分と出力素子を備えた出力部分を有し、その際、該駆動素子が、アタッチメントを駆動するための手持ち型電動工具の機械出力素子と連結可能であって、上記出力素子を駆動するための歯車装置を介して上記出力素子と接続又は連結されていて、その際、該駆動部分が駆動面に、該アタッチメントを取外し可能に手持ち型電動工具に装着するための装着装置を有し、またその際、出力部分が駆動部分に対して、角度位置決め軸を中心として互いに異なる少なくとも2つの角度位置に回転移動可能で、角度固定装置を用いて該各角度位置に固定可能であり、該角度固定装置が、駆動部分において角度位置決め軸に対して回転不能に配置された駆動側角度固定本体及び/又は駆動部分に組み込まれた駆動側角度固定本体と、出力部分に回転不能に配置された出力側角度固定本体及び/又は出力部分に組み込まれた出力側角度固定本体を有し、両角度固定本体が、角度固定位置においては形状結合式に互いに係合していて、出力部分を駆動部分に対して回転不能に固定し、角度移動位置においては係合解除されていて、出力部分の駆動部分に対する角度位置決め軸を中心とした回転移動が許可されていて、その際、両角度固定本体の少なくとも一方がもう一方の角度固定本体に対して、特に角度位置決め軸に対して放射状に、角度固定位置と角度移動位置の間で可動に保持され、アタッチメントの操作装置の操作素子を介して角度移動位置と角度固定位置の間で移動可能である、アタッチメントにも関する。
【0012】
根本概念は、アタッチメントが駆動部分と出力部分を有し、その際、駆動素子の回転軸に対して出力素子の回転軸の配置を変更、例えば他の角度位置(例えばアングルアタッチメントの場合)又は他の平行な位置(例えば偏心アタッチメントの場合)に移動するために、出力部分が駆動部分に対して角度位置決め軸を中心として傾転可能又は回転移動可能であることである。角度位置決め軸に対する固定又は掛止は確実かつ容易な方法で、詳しくは、操作素子を用いて操作することのできる、少なくとも1つの、例えば放射状に移動可能若しくは回転可能な角度固定本体、又は複数の移動可能な角度固定本体を用いて成功する。
【0013】
角度位置決め軸に対する角度固定本体の、例えば角度位置決め軸に対して横に延びる、例えば放射状の相対移動、又は角度位置決め軸を中心とした弓形の相対移動によって、角度位置決め軸を中心とした高トルクの支持が有利に可能になる。
【0014】
主として出力部分は専ら角度位置決め軸を中心としてのみ駆動部分に対して回転移動可能又は傾転可能である。角度位置決め軸は主として、出力部分が駆動部分に対して揺動可能又は回転可能である個別又は唯一の軸である。
【0015】
アタッチメントが手持ち型電動工具に装着されていれば、角度位置決め軸は主として駆動素子の回転軸及び/又は機械出力素子の機械回転軸と同軸である。
【0016】
アタッチメントは例えばいわゆる偏心アタッチメントであり、これは、駆動素子の回転軸と出力素子の回転軸が互いに平行であるが、偏心していることを意味する。
【0017】
更に、アタッチメントがアングルアタッチメントであることが有利であり、これは駆動素子と出力素子の回転軸が互いに対して角度を成していて、特に互いに対して直角を成していることを意味する。他の角度位置すなわち角度配置が可能である。
【0018】
更に、駆動素子と出力素子の間の歯車装置が回転数又はトルクを変更する特性を持たないと有利であり、これは、駆動素子と出力素子の回転数及び/又はトルクが等しいことを意味する。しかし、駆動素子と出力素子の間の歯車装置は増速装置又は減速装置でもあり得、これは、アタッチメントの歯車装置が駆動素子の回転数を出力素子に対して減少又は増加させることを意味する。原則的に切替え可能な歯車装置も考えられ、これは、駆動素子と出力素子の間の異なる伝達比が切替え可能であることを意味する。
【0019】
装着装置及び/又は角度固定装置は駆動面に、角度位置決め軸に対して回転移動が防止された状態でアタッチメントを手持ち型電動工具に、特にその機械ハウジングに保持する目的で、回転移動防止輪郭、特に回転移動防止輪郭を備えた回転移動防止本体を、手持ち型電動工具又はアタッチメントの駆動部分の相補的回転移動防止輪郭への係合のために備えている。回転移動防止輪郭は、有利に、相補的回転移動防止輪郭の正面つまり前面に係合するために設けられている。相補的回転移動防止輪郭は例えば、手持ち型電動工具の、機械出力素子が配置された前面つまり正面に設けられている。しかし、相補的回転移動防止輪郭をアタッチメントの駆動部分に対して不動に配置しておくことも可能である。例えば相補的回転移動防止輪郭をアタッチメントのハウジングに、又はハウジングの内部空間に配置しておくことができる。回転移動防止輪郭は主として環状又は部分環状に駆動素子の周囲に延在する。相補的回転移動防止輪郭が環状又は部分環状に機械出力素子の周囲に延在すると、同じく有利である。回転移動防止輪郭及び/又は相補的回転移動防止輪郭には、例えば歯部又は歯車が含まれる。少なくとも1つの形状結合突出部とそれに適合する形状結合受け部の、互いに補完的な、かつ/又は互いに形状結合式に適合する他の対形成も、回転移動防止輪郭と相補的回転移動防止輪郭として問題なく適していることが理解される。回転移動防止輪郭が1つの回転移動防止突出部若しくは1つの回転移動防止受け部だけを含むこと、又は該輪郭をそれによって形成しておくことができることが理解される。回転移動防止輪郭は例えば駆動側角度固定本体に配置されている。しかし、回転移動防止輪郭は駆動側角度固定本体から独立した回転移動防止本体、特に装着装置の回転移動防止本体に配置しておくこともできる。
【0020】
ここで、角度固定装置が、例えば手持ち型電動工具における角度位置決め軸に対する回転移動防止を実現するために、装着装置の構成要素と成り得ることに言及しておく。しかし更に、装着装置及び/又は装着装置の部品、例えば回転移動防止本体も、角度固定装置の構成要素であり得る。しかし、装着装置が角度固定装置から独立して、手持ち型電動工具における角度位置決め軸に対する回転移動不能な固定を行うことも可能である。
【0021】
回転移動防止輪郭が、角度位置決め軸と平行である差込み軸又は角度位置決め軸と平行に方向付け部品を有する差込み軸に沿った差込み方向における差込み動作によって、相補的回転移動防止輪郭と係合可能であると有利である。特に、差込み軸が機械出力素子の機械回転軸と平行、及び/又はアタッチメントの駆動素子の回転軸と平行、及び/又は角度位置決め軸と平行であると有利である。
【0022】
更に、駆動部分が装着装置を用いて手持ち型電動工具と接続されている場合、又は接続されたままである場合に、角度位置決め軸に対し出力部分を駆動部分に対して固定又は掛止するための角度固定装置が、角度固定位置と角度移動位置の間で移動可能であると有利である。
【0023】
更に、装着装置が、手持ち型電動工具の機械ハウジングに対して不動な装着部分又は機械ハウジングに堅固に配置された装着部分と係合してアタッチメントを装着するために装備され、かつ/又は形成されていると有利である。
【0024】
装着装置が、差込み方向において、かつ/又は差込み軸に対して、手持ち型電動工具にアタッチメントを支持するための支持面を有すると有利である。より好ましいのは、支持面が差込み方向又は差込み軸に対して不動にアタッチメントに配置されている場合である。回転移動防止輪郭は支持面に対して不動であり得る。しかし、上述の回転移動防止輪郭が支持面に対して可動で、特に直線的に可動であることも可能である。
【0025】
差込み方向は主として、既述の差込み軸及び/若しくは角度位置決め軸及び/若しくは機械出力素子の機械回転軸と平行若しくは同軸に、並びに/又はアタッチメントの駆動素子の回転軸と平行に延在する。支持面には、既述の回転移動防止輪郭を配置しておくことができる。手持ち型電動工具は主として、装着装置の支持面を支持するために、それに対して補完的な支持本体を有する。手持ち型電動工具の相補的回転移動防止輪郭は有利に手持ち型電動工具の支持本体に配置されている。
【0026】
主として、装着装置が、固定位置において差込み方向とは逆に手持ち型電動工具においてアタッチメントを引抜き不能に保持する目的で、固定位置と解放位置の間で移動可能な、少なくとも1つの掛止輪郭を備えた少なくとも1つのロック本体を有し、該輪郭が固定位置においては手持ち型電動工具の相補的掛止輪郭と係合していて、手持ち型電動工具からアタッチメントを取り外すための解放位置においては相補的掛止輪郭と係合解除されていることが予定されている。
【0027】
便宜上、ロック本体が差込み軸又は角度位置決め軸を中心として回転可能に保持されたリング本体であり、かつ/又は掛止輪郭がバヨネット輪郭であり、かつ/又はロック本体が差込み方向と同方向に延びる回転軸を中心として回転可能に保持されていることが予定されている。例えば、ロック本体は2つ以上のバヨネット輪郭が配置されたリング本体として形成されている。バヨネット輪郭つまり掛止輪郭は例えば、回転軸に対して環状に上り勾配又は下り勾配である傾斜面又は締付け面を有する。
【0028】
回転移動防止本体と駆動側角度固定本体が互いに独立した部品であることが可能である。例えば回転移動防止本体はアタッチメントのハウジング面に配置しておくこと、又は該ハウジングの中に堅固に、若しくは回転不能に、しかし例えば直線的には可動に配置しておくことができる。その場合、駆動側角度固定本体が角度位置決め軸に対して回転不能に、かつ/又は角度位置決め軸と平行に摺動不能に、回転移動防止本体と接続されていることが有利である。駆動側角度固定本体が回転移動防止本体を形成すること、又はこれと一体であることも可能である。
【0029】
回転移動防止本体は角度位置決め軸に対して回転不能及び摺動不能にアタッチメントに配置しておくことができる。しかし、回転移動防止本体及び/又は駆動側角度固定本体が角度位置決め軸に対して、特に回転移動防止位置と回転許可位置の間で直線的に可動にアタッチメントに保持されていることも可能であり、その際回転移動防止輪郭は、回転移動防止位置においては相補的回転移動防止輪郭に向かって移動されていて、特に相補的回転移動防止輪郭に係合し、また回転許可位置においては相補的回転移動防止輪郭から離れて移動されていて、特に相補的回転移動防止輪郭と係合解除されている。例えば、回転移動防止輪郭は、回転移動防止位置において手持ち型電動工具の相補的回転移動防止輪郭に係合する目的で、回転許可位置におけるより更に駆動面の前に突出する。特に、駆動側角度固定本体によって形成された回転移動防止本体は、そのように可動に回転移動防止位置と回転許可位置の間で移動可能であり得る。回転移動防止本体が回転許可位置と回転移動防止位置の間で移動可能である場合にも、そして正にその場合に、装着装置が、回転移動防止本体の回転許可位置と回転移動防止位置の間における摺動又は移動時に、手持ち型電動工具の機械ハウジングに対してアタッチメントを不動に保持する目的で形成されていると有利である。
【0030】
更に、出力側角度固定本体が、角度固定装置の角度固定位置において、特に駆動側角度固定本体によって形成された回転移動防止本体を回転移動防止位置において不動に固定し、かつ/又は角度移動位置において回転移動防止本体の回転許可位置への運動を許可すると有利である。回転許可位置は例えば角度移動位置に相当し、回転移動防止位置は角度固定位置に相当する。
【0031】
有利に、出力側角度固定本体が、回転移動防止本体を回転許可位置から回転移動防止位置に移動するために形成されていることが予定されている。例えば傾斜面又はそうした他の操作面を、出力側角度固定本体と回転移動防止本体の間に設けておくことができる。
【0032】
回転移動防止本体を回転移動防止位置から回転許可位置に移動するために、専用の操作ハンドルを備えておくことができる。例えばグリップ素子又はそうした他の操作ハンドルを回転移動防止本体と接続しておくこと、又は動作的に連結しておくことができる。しかし、より好ましいのは、操作素子が回転移動防止本体を回転許可位置へと連動させて移動するために該本体と動作的に連結されている場合である。この場合操作素子は角度固定装置の角度固定本体の移動とそれに加えて回転移動防止本体の移動を行う。
【0033】
更に、操作素子と回転移動防止本体及び/又は操作するべき角度固定本体の間に、回転移動防止本体又は角度固定本体を回転移動防止位置から回転許可位置に移動するための解放歯車装置が配置されていることが有利に予定されている。解放歯車装置には、例えば1つ以上の傾斜面が含まれる。解放歯車装置は例えば力の増幅及び/又は力の方向転換の意味において、例えば操作素子の回転操作を回転移動防止本体の直線運動に方向転換し得る。したがって、解放歯車装置には例えば方向転換歯車装置及び/又は力を増幅させる歯車装置等が含まれる。ここで、回転移動防止本体と駆動側角度固定本体が主として一体であり、又は互いに堅固に接続されていることを、もう一度述べておく。
【0034】
回転移動防止本体に対して、スプリング組立体によって回転移動防止位置にスプリング力が加えられていると有利である。スプリング組立体には例えば1つ以上のスプリング、特にコイルばねが含まれる。スプリング組立体は主として、回転移動防止本体がアタッチメント又はそのハウジングにおいて直線的に可動に保持されている直線軸に沿って作用する。該直線軸は主として、アタッチメントが手持ち型電動工具に挿入され得る差込み軸に相当する。
【0035】
より好ましい概念によって、操作素子と該少なくとも1つの移動可能な回転移動防止本体の間に、該少なくとも1つの移動可能な角度固定本体の角度固定位置から角度移動位置への移動を、回転移動防止本体の回転移動防止位置から回転許可位置への移動の前に可能にする隙間の存在することが予定される。したがって、つまり例えば、操作素子はまず1つ以上の出力側角度固定本体を角度固定位置から角度移動位置に移動すること、又は出力側角度固定本体の角度固定位置から角度移動位置への移動を許可することが可能である。その後、回転移動防止本体の回転移動防止位置から回転許可位置への移動が行われ得る、又はこれが行われる。
【0036】
上述の解放歯車装置は例えば、回転移動防止本体の回転移動防止位置から回転許可位置への移動時に、上記のスプリング組立体の力に逆らって支えるように作用する。
【0037】
該スプリング組立体が例えば第1のスプリング組立体と成るのに対し、以下に更に記載されている、角度固定装置の角度固定位置への操作に使用され、かつ/又は操作素子に直接作用するスプリング組立体は、第2のスプリング組立体と成る。
【0038】
角度固定装置が手動又は電動で角度固定位置から角度移動位置に、またその逆に操作され得ることが、原則的に可能である。しかし、アタッチメントが角度固定装置を角度固定位置へと操作するためのスプリング組立体を有すると有利である。該スプリング組立体には例えば1つ以上のコイルばね又はねじりばねが含まれる。特に、該スプリング組立体に、角度位置決め軸が中を貫通しているスプリング、特にコイルばね又はねじりばねが含まれると有利である。該スプリング、例えばねじりばね又はコイルばねは、主としてほぼ操作素子の直径に相当する直径である。角度固定装置はスプリング組立体によって言わば確実に角度固定位置の方向に動かされる。ねじりばねとしては、例えば1つ以上の巻きを有するレッグスプリングが問題なく可能である。
【0039】
スプリング組立体が駆動側角度固定素子及び/又は出力側角度固定素子に直接作用することが可能である。より好ましいのは、スプリング組立体が、角度固定装置の角度固定位置への移動の意味において操作装置の操作素子に作用する場合である。
【0040】
操作素子の実施態様において多様な可能性が示されている。例えば操作素子は操作スライダ、操作レバー、操作リング等として形成しておくことができる。操作素子が環状又は部分環状に角度位置決め軸の周囲に延在すると有利である。例えば、操作素子はリング本体として形成されている。装着装置の環状又は部分環状のロック本体と環状又は部分環状の操作素子が、角度位置決め軸に対して、並びに/又は機械出力素子及び/若しくは駆動素子の機械回転軸に対して、並んで、特に直接隣接して配置されていると特に有利である。
【0041】
更に、操作装置、特に操作素子が電動で、例えば調節磁石、サーボモータ等を用いて操作されていることが可能である。しかし、より好ましいのは手動の概念である。例えば、操作装置の操作素子が手動で、特に専ら手動でのみ操作可能であると有利である。
【0042】
原則的に、操作素子が直接、すなわち間に歯車装置を挟まないで、操作するべき角度固定本体に作用することが可能である。しかし、操作するべき角度固定本体と該角度固定本体を操作する操作素子の間に、操作素子及び操作するべき角度固定本体の運動方向の力を方向転換するための、動力伝達装置、特に傾斜面歯車装置及び/又は方向転換歯車装置が配置されていると有利である。例えば方向転換歯車装置は、第1の運動方向における操作素子の運動、特に操作素子の回転運動を、第2の運動方向における操作される角度固定本体の運動、特に直線運動に方向転換する。動力伝達装置は例えば力の方向を転換すること、及び/又は操作素子の力を増幅することができる。動力伝達装置は例えば、角度固定装置の角度固定位置から角度移動位置への移動のための解放歯車装置であり得る、又はこれを含み得る。動力伝達装置は、角度固定装置の角度移動位置から角度固定位置への移動のための固定歯車装置でもあり得る、又はこれも含み得る。
【0043】
アタッチメントは主としてアタッチメントハウジングを有する。
【0044】
操作素子は例えばアタッチメントハウジング、及び/又は駆動部分、及び/又は出力部分に対して可動に保持され、例えば直線摺動可能及び/又は回転可能に保持されている。
【0045】
操作素子が少なくとも1つの方向付け部品を用いて、角度位置決め軸に対して放射状に、例えば角度位置決め軸に対して正確に放射状に操作され得ることが可能である。より好ましいのは、操作素子が、操作するべき角度固定本体に対して横に、特に直角に横に、アタッチメント又はアタッチメントのアタッチメントハウジング又は駆動部分又は出力部分に保持されている場合である。横に可動な軸受構造は例えば滑り軸受構造及び/又はピボット軸受構造、特に角度位置決め軸を中心としたピボット軸受構造であり得る、又はこれらを含み得る。操作素子がアタッチメント及び/又はそのアタッチメントハウジングに対して直線状に保持されていると、更に有利である。操作素子の、アタッチメント又はアタッチメントハウジングにおける角度位置決め軸との平行な保持が、更に有利である。操作素子がアタッチメント又はそのアタッチメントハウジングに回転可能に、例えば角度位置決め軸を中心として回転可能に保持されていることが、更に可能である。
【0046】
操作素子が角度位置決め軸を中心として回転可能に、特に駆動部分に対して回転可能に保持されていると有利である。特にこの実施態様の場合は、操作素子が、角度位置決め軸を中心として出力部分を連動させて回転するための、少なくとも1つの連動回転輪郭を有すると有利である。出力部分は、該連動回転輪郭のための少なくとも1つの連動回転用の相補的輪郭を有する。より好ましいのは、例えば角度位置決め軸に対して角距離を有し、かつ/又は角度位置決め軸に対して環状に配置されている、複数の連動回転輪郭と連動回転用の相補的輪郭である。該少なくとも1つの連動回転輪郭は例えば、該少なくとも1つの連動回転用の相補的輪郭に当接する回転ストッパとして形成しておくことができる。該少なくとも1つの連動回転用の相補的輪郭は例えば、アタッチメントハウジングの出力部分のハウジング部分に配置された連動回転用の相補的輪郭を有する。該少なくとも1つの連動回転用の相補的輪郭は、出力部分と回転不能に接続又は回転連結された連動回転本体に、例えば操作素子を介して操作可能な角度固定本体に配置された連動回転用の相補的輪郭も含むこと、又は有することができる。例えば、この連動回転本体又は角度固定本体は角度位置決め軸に対して回転不能に出力部分に配置、又は出力部分と回転連結されている。連動回転本体又は角度固定本体は角度位置決め軸と平行に、出力部分に対して可動に保持しておくことができる。該少なくとも1つの連動回転輪郭は、連動回転本体又は角度固定本体すなわちその連動回転用の相補的輪郭に当接すると、角度位置決め軸を中心とした回転の意味において連動回転本体又は角度固定本体を連動させて移動し、該本体の側は更に出力部分を角度位置決め軸を中心として回転移動する。
【0047】
主として、該少なくとも1つの連動回転輪郭が出力部分との回転係合に至る前に、操作素子が角度固定位置に属する回転位置から角度移動位置に属する回転位置へと回転移動可能であるように、操作素子が、出力部分に対して角度位置決め軸を中心とした回転運動のための回転用隙間を有することが予定されている。したがって、つまり、操作素子の更なる回転によって出力部分が角度位置決め軸を中心として回転移動される前に、まず角度固定を解放することができる。
【0048】
操作素子と一体の、又は直接運動連結された、特に回転連結された角度固定本体、例えば出力側角度固定本体が、操作素子を介して操作可能な角度固定本体を角度固定位置において支持、特に掛止する少なくとも1つの支持面を有すると有利である。該支持面はロック面とも呼ばれ得る。複数の支持面が、特に角度位置決め軸に対して角距離を空けて、角度固定本体に配置されていると有利である。該支持面の各々に、もう一方の角度固定本体、例えば駆動側角度固定本体の相補的支持面が対応付けられている。該支持面と該対応付けられた相補的支持面は、主として角度位置決め軸に対して直交又はほぼ直交する。
【0049】
操作素子の連動回転輪郭と各支持面の間に角距離が、操作素子が角距離分回転移動可能であるように存在し、その際該支持面が相補的支持面から離れて移動可能であり、連動回転輪郭が角度位置決め軸を中心とした出力部分の回転移動のために出力部分との回転係合に至る前に、角度固定装置が角度固定位置から角度移動位置に移動可能であると、又は移動されていると有利である。
【0050】
より好ましいのは、該操作素子が少なくとも2つの連動回転輪郭を有し、その間にそれぞれ特に同じ角距離で1つの支持面が設けられている場合である。該連動回転輪郭を用いて、該操作素子が出力部分を互いに反対の回転方向に連動させて移動すること、又は回転操作することができる。
【0051】
1つの実施形態によって、該操作素子が少なくとも1つの角度固定本体、例えば出力側角度固定本体と一体であること、又は堅固に接続されていることが予定され得る。
【0052】
主として、角度固定本体の一方は、角度位置決め軸に対して放射状内側に、もう一方は放射状外側に配置されている。角度位置決め軸に対して放射状に保持された角度固定本体が放射状内側の角度固定本体であるのに対し、角度位置決め軸に対して放射状に不動な角度固定本体は放射状外側に配置されていることが可能である。両方の角度固定本体、出力側角度固定本体と駆動側角度固定本体が、角度位置決め軸に対して放射状に移動可能であり、保持されていることが、更に考えられる。より好ましいのは、角度位置決め軸に対して、放射状に移動可能な該少なくとも1つの角度固定本体が、もう一方の角度固定本体に対して放射状外側に配置されている、図面に示された概念である。
【0053】
該角度固定本体の一方又は両方、特に唯一の放射状内側の角度固定本体又は放射状内側の角度固定本体の1つは、例えばスリーブ本体として形成しておくこと、又はスリーブ本体によって形成しておくことができる。角度固定本体の1つ、例えばスリーブ本体の中に、シャフト本体、特にアタッチメントの駆動素子が通されていると有利である。
【0054】
更に、角度固定本体の少なくとも1つ、特に角度位置決め軸に対して放射状に移動可能な少なくとも1つの角度固定本体が掛止玉若しくは固定玉であると、又はこれを含むと有利である。しかし、玉の代わりに、ローラ又はそうした他の転動体も角度固定本体として適している。
【0055】
便宜上、角度固定本体の少なくとも1つ、特に角度位置決め軸に対して放射状に不動な唯一の角度固定本体又は角度固定本体の1つが、放射状に可動な角度固定本体を収容するための球面キャロットを有することが予定されている。
【0056】
角度固定位置における角度固定装置の固定又は掛止は、2つの角度固定本体、すなわち出力側角度固定本体と駆動側角度固定本体から成る対形成によって、問題なく実現され得る。しかしより好ましいのは、移動路に沿って移動可能かつ、例えば角度位置決め軸を中心として回転可能又は角度位置決め軸に対して放射状に可動な該少なくとも1つの角度固定本体が、操作装置を介して操作可能かつ、特に角度位置決め軸の周囲に環状に配置された少なくとも2つ、主として少なくとも3つの角度固定本体から成る組立体の構成要素と成り、該角度固定本体が角度位置決め軸に対して相互に角距離を有し、それぞれ可動に、特に放射状に、角度位置決め軸に対して可動に保持されている場合である。該角度固定本体は保持本体に不動に配置しておくことができる。更に、角度固定本体が複数の支持面又は角度固定面を有し、これらが周囲方向に環状に、又は角度固定本体が回転可能である回転軸、例えば角度位置決め軸の周囲に角距離を空けて配置されていることが可能である。
【0057】
駆動側角度固定本体が角度位置決め軸に対して放射状に可動な角度固定本体であることは、確かに可能である。しかし、有利な概念によって、出力側角度固定本体が角度位置決め軸に対して放射状に不動であり、駆動側角度固定本体が、該少なくとも1つの、移動路に沿って可動に保持された角度固定本体を含むこと、又はそれによって形成されていることが予定される。例えば上記少なくとも1つの、移動路に沿って可動な角度固定本体は、角度位置決め軸を中心として回転可能又は角度位置決め軸に対して放射状に可動である。
【0058】
角度固定本体の一方、例えば駆動側角度固定本体が、もう一方の角度固定本体、例えば出力側角度固定本体の案内路又は案内リンクに係合する少なくとも1つのリンク本体、特に放射状突出部を有すると有利である。より好ましいのは、複数の、例えば環状又は放射状に配置されたリンク従動部又は放射状突出部、及び対応付けられた案内路又は案内リンクである。それぞれの案内リンク又は案内路には、主として、駆動側角度固定本体を角度固定位置において支持又は掛止するための支持輪郭及び/又はロック輪郭、例えば支持面又はロック面が設けられている。支持輪郭又はロック輪郭に、リンク従動部が角度固定位置において支持される。更に、それぞれの案内路又は案内リンクには、有利に、リンク従動部が角度移動位置において支持され得る解放輪郭、例えば解放用支持面が含まれる。解放輪郭と支持輪郭又はロック輪郭の間に、各案内リンク又は案内路は主として調節傾斜、特に互いに対向する調節傾斜を有し、これに沿って、リンク従動部が角度移動位置と角度固定位置の間の移動時に滑動する。
【0059】
更に、駆動側角度固定本体が駆動部分に対して直線摺動可能に、例えば駆動素子の回転軸と平行及び/又は角度位置決め軸と平行に保持されていると有利である。
【0060】
以下に本発明の実施例が図面を基に解説される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】手持ち型電動工具とアタッチメントから成るシステムの斜透視図である。
【
図2】
図1のシステムにおいて、アタッチメントが手持ち型電動工具に取り付けられていて、角度位置決め軸に対して第1の角度位置にある図である。
【
図3】
図2のシステムにおいて、アタッチメントが第2の角度位置にある図である。
【
図4】
図2の切断線A‐Aに沿った
図2のアタッチメントの、角度固定装置の角度固定位置における断面図である。
【
図5】角度固定装置がその角度移動位置にある、
図4のアタッチメントの後部の部分断面図である。
【
図6】上述の図のアタッチメントの斜透視図法における分解立体図である。
【
図7】上述の図のアタッチメントの回転移動防止本体とハウジング本体の斜透視図である。
【
図8】
図7の回転移動防止本体の側面斜視図である。
【
図9】手持ち型電動工具と更なるアタッチメントから成るシステムの斜透視図である。
【
図10】
図9のシステムにおいて、アタッチメントが手持ち型電動工具に取り付けられていて、角度位置決め軸に対して第1の角度位置にある図である。
【
図11】
図10のシステムにおいて、アタッチメントが第2の角度位置にある図である。
【
図12】
図10の切断線B‐Bにほぼ沿った
図10のアタッチメントの、角度固定装置の角度固定位置における断面図である。
【
図13】角度固定装置がその角度移動位置にある、
図12のアタッチメントの後部の部分断面図である。
【
図15】手持ち型電動工具と更なるアタッチメントから成るシステムの斜透視図である。
【
図16】
図15のシステムにおいて、アタッチメントが手持ち型電動工具に取り付けられていて、角度位置決め軸に対して第1の角度位置にある図である。
【
図17】
図16のシステムにおいて、アタッチメントが第2の角度位置にある図である。
【
図18】
図16の切断線C‐Cにほぼ沿った
図16のアタッチメントの、角度固定装置の角度固定位置における断面図である。
【
図19】角度固定装置がその角度移動位置にある、
図18のアタッチメントの後部の部分断面図である。
【
図22】
図21の組立体であるが、反対の側を示す斜透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
アタッチメント10、110、310と共に使用するための手持ち型電動工具200には、駆動モータ210が中に配置された駆動セクション202を備えた機械ハウジング201が含まれる。駆動セクション202からグリップ部203が突出し、これには例えば、操作者が駆動モータ210のスイッチの入切を行い、又はその回転数に影響を及ぼす目的で操作するためのスイッチ212が配置されている。
【0063】
グリップ部203には、更に、駆動モータ210並びに必要に応じて手持ち型電動工具200の制御用及び/又は監視用部品に電気エネルギーを供給可能なエネルギー貯蔵装置211、例えばバッテリパックが配置されている。しかし、エネルギー貯蔵装置211の代替又は補完として、手持ち型電動工具200への供給用の電源ケーブル又はそうした他の供給装置を装備しておくこともできる。
【0064】
駆動モータ210は直接又は歯車装置214を介して、作業工具、例えばドライバビット、ドリル等を収容するための工具収容部220を駆動する。工具収容部220は駆動モータ210によって機械回転軸Dを中心として回転駆動可能である。回転方向切替えスイッチ213を用いて、駆動モータ210の回転方向が設定可能かつ変更可能である。
【0065】
工具収容部220は、機械ハウジング201の駆動セクション202のネックセクションの前に突出する機械出力素子221の前部の自由端領域に設けられている。
【0066】
機械出力素子221の放射状外周面には、例えばアタッチメントのロック素子用の掛止受け部として適している保持凹部222がある。しかし本明細書では、以下に解説されている手持ち型電動工具200のアタッチメント10、110、310を装着するために、例えばプレート状の支持本体230が装備されている。機械出力素子221は支持本体230の前に突出する。
【0067】
支持本体230の正面231には、アタッチメントを支持するための支持面232が設けられている。支持面232には、アタッチメントを回転移動が防止された状態で支持する目的でアタッチメントの回転移動防止輪郭の係合に用いられる相補的回転移動防止輪郭233、例えば凹部つまり形状結合受け部234が有利に設けられている。形状結合受け部234は機械回転軸Dの周囲に放射状に延在する。より好ましいのは、形状結合受け部234が互いに対して同じ角距離を有する場合である。
【0068】
支持本体230の前に、相補的掛止輪郭235、例えばバヨネット輪郭236が放射状外側に向かって突出する。支持本体230の周囲に環状の凹部237が延在し、それによって、アタッチメントの挿入又は取付け時にその掛止輪郭を相補的掛止輪郭235の間へと凹部237に差し込むことができ、機械回転軸Dを中心とした回転移動によって、相補的掛止輪郭235、つまりバヨネット輪郭236と後部係合することができる。
【0069】
アタッチメント10、110、310の駆動面12には駆動素子11が装備されていて、その連動回転輪郭13は、アタッチメント10、110、310が手持ち型電動工具200に装着されていれば、又は手持ち型電動工具200に装着されれば、手持ち型電動工具200の連動回転輪郭223と係合している、又は係合可能である。駆動素子11の連動回転輪郭13は例えば多角形、特に六角形である。
【0070】
駆動素子11は歯車装置60を介して出力素子21と回転連結されている。駆動素子11の回転軸D1は出力素子21の回転軸D2に対して角度を成していて、例えば直角を成している。歯車装置60は本明細書では回転数の変更又はトルクの変更を行わず、又は引き起こさず、単なるアングルギアである。
【0071】
駆動素子11には、例えば、歯車装置60の傘歯車62と噛合する傘歯車61が装備されている。代替案であって図面には示されていない実施形態において、例えば回転軸D1とD2は互いに平行であるが、同軸ではない。そうしたアタッチメントは例えばいわゆる偏心アタッチメントである。
【0072】
駆動素子11はアタッチメント10、110、310の駆動部分14に、出力素子21はアタッチメント10、110、310の出力部分15に装備されている。出力部分15の出力面16において、各出力素子21に、作業工具9、例えばドライバビット、ドリル又はドリル用ホルダを保持し収容するための工具収容部20が1つ配置されている。工具収容部20の内周面に連動回転輪郭23、例えば歯状輪郭が備わっていて、その中に例えばドライバビット等が組み込まれ得る。出力素子21の放射状外周面には保持凹部22が配置されていて、これを用いて、例えばドリルヘッド又はそうした他の工具ホルダがアタッチメント10、110、310に固定又は掛止され得る。機能的には保持凹部22、例えば環状溝は、工具収容部220の保持凹部222に相当し、それによって、それ自体機械出力素子221に配置可能なアタッチメントの、例えば、ドリルチャック又はジョーチャックを備えたヘッドが、選択的に工具収容部220又は工具収容部20に装着可能である。
【0073】
連動回転輪郭13は駆動素子11の自由端領域に、特に駆動素子11のシャフトセクション17の自由端領域に配置されている。
【0074】
シャフトセクション17は軸受18、118、318及び19を用いて、アタッチメント10、110、310のアタッチメントハウジング50、150、350に沿って、又はアタッチメントハウジング50、150、350に対して、回転可能に保持されている。
【0075】
軸受18、118、318及び19はアタッチメントハウジング50、150、350のセクション51に位置し、アタッチメントハウジング50、150、350の、出力素子21が回転可能に保持されたセクション52は、上記のセクションに対して角度を成している。セクション52には、出力素子21が軸受28、29を用いて回転可能に保持されている。
【0076】
出力素子21は軸受29を用いて直接アタッチメントハウジング50、150、350に回転可能に保持されている。一方の端部領域に出力素子21は工具収容部20を有し、これとは逆の出力素子21のもう一方の端部領域に傘歯車62、及び収容部25の開口部が設けられていて、この中に支持シャフト26が収容されている。支持シャフト26は出力素子21のシャフトセクション24と同軸、つまり回転軸D2と同軸に延在する。支持シャフト26の一方の端部は出力素子21に、もう一方の端部は、アタッチメントハウジング50、150、350の軸受収容部53に収容された軸受28に支持される。
【0077】
軸受28は例えば滑り軸受であり、それに対して軸受29は玉軸受である。
【0078】
軸受29はアタッチメントハウジング50、150、350の軸受収容部54に保持されている。
【0079】
軸受29はアタッチメントハウジング50、150、350の正面つまり出力面16の近くに位置する。
【0080】
出力面16には、更に、ハウジング50、150、350を閉鎖するためのキャップ59が、主として軸受29を保持する目的でも、装備されている。
【0081】
アタッチメント10の軸受19は、軸受収容部55において直接アタッチメントハウジング50に支持されている。それに対して軸受18は、アタッチメントハウジング50の収容部56に収容された支持挿入物57に保持されている。例えば、軸受収容部55と収容部56は同軸であるだけではなく、直径も同じである。主として、支持挿入物57は軸受19を軸受収容部55において支持又は保持する。
【0082】
アタッチメント110の場合、支持挿入物157はアタッチメントハウジング150の収容部56に収容されていて、支持挿入物に軸受19用の軸受収容部155が設けられている。したがって、つまり支持挿入物157は軸受19に至るまで、そして直接傘歯車61に至るまで延在する。
【0083】
支持挿入物157には、更に、駆動側角度固定本体171を角度位置決め軸W又は回転軸D1を中心として回転可能に保持するための軸受収容部156が設けられている。
【0084】
駆動側角度固定本体171には、更に、駆動素子11のシャフトセクション17を直接保持するための軸受収容部118が設けられていて、すなわち軸受収容部118においてシャフトセクション17は例えば滑り軸受の方式で、回転可能に保持されている。しかし、アタッチメントハウジング50に対してシャフトセクション17を回転可能に保持するために、例えば玉軸受18といった玉軸受もそこで問題なく可能である。
【0085】
アタッチメント310の軸受19、318は、アタッチメントハウジング350のセクション51の軸受収容部355と356に収容され、保持されている。
【0086】
アタッチメント10、110、310を手持ち型電動工具200に装着するために、装着装置30、130、330が使用される。
【0087】
装着装置30、130、330には、支持面32の前に突出する回転移動防止輪郭33を備えた回転移動防止本体31、131、331が含まれる。回転移動防止輪郭33が、差込み軸SAに沿った手持ち型電動工具200におけるアタッチメント10、110、310の挿入によって、相補的回転移動防止輪郭233との係合に至ると、支持面32は支持面232における支持に用いられる。回転移動防止輪郭34には、例えば、相補的回転移動防止輪郭233の形状結合受け部234との係合に至り得る形状結合突出部34が含まれる。形状結合突出部34の間には形状結合凹部があり、この中に、相補的回転移動防止輪郭233の形状結合突出部が係合し得る。回転移動防止輪郭33、233には、例えば歯部又は歯車が含まれる。回転移動防止輪郭33が相補的回転移動防止輪郭233と係合していれば、アタッチメント10、110、310は差込み軸SAに対して回転移動不能に手持ち型電動工具200に装着されている。
【0088】
差込み軸SAは、例えば機械回転軸D又は回転軸D1と同軸又は平行である。
【0089】
アタッチメント10、110、310が手持ち型電動工具200に挿入された差込み軸SAに沿った差込み方向に、アタッチメント10、110、310は支持面32、232を用いて相接して支持されている。
【0090】
上記の差込み方向とは逆に、つまり手持ち型電動工具200において差込み軸SAに対してアタッチメント10、110、310を引抜き不能に装着するために、ロック本体37、137、337を用いた掛止が作用する。ロック本体37、137、337は相補的掛止輪郭235と係合するための掛止輪郭35を有する。掛止輪郭35には例えばバヨネット輪郭36が含まれ、これは、差込み軸SAを中心としたロック本体37、137、337の回転運動によって、バヨネット輪郭236と係合又は係合解除され得る。バヨネット輪郭36はバヨネット輪郭236を通過して手持ち型電動工具200の凹部237に差し込まれ、ロック本体37、137、337が差込み軸SAを中心として回転移動されることによって、相補的バヨネット輪郭236と係合され得る。係合解除は相応にロック本体37、137、337を差込み軸SAを中心として逆の回転方向に回転移動することによって行われる。
【0091】
ロック本体37、137、337は、掛止輪郭35つまりバヨネット輪郭36が配置されたスリーブセクション38を有する。
【0092】
ロック本体37のスリーブセクション38の前に連動回転輪郭39が放射状外側に向かって突出し、該輪郭が連動回転本体42の連動回転輪郭43と係合していて、それにより、連動回転本体42の回転移動によって、スリーブセクション38は差込み軸SAを中心として回転移動可能である。
【0093】
連動回転本体42の側はグリップ素子46に回転移動不能に保持されている。例えば、グリップ素子46はリング本体として形成されている。有利に連動回転本体42の放射状外側に連動回転輪郭44が配置されていて、これがグリップ素子46の内周面に設けられた連動回転輪郭48と係合している。
【0094】
グリップ素子46は操作素子46とも呼ばれ得る。グリップ素子46の放射状外周面には、操作者が把持でき、グリップ素子46したがって連動回転本体42の回転移動に適したグリップ輪郭47、例えば波形起伏等が設けられている。
【0095】
ロック本体37は、連動回転本体42の段部43Aとロック本体37の間にサンドイッチ状に配置された支持本体40を用いて連動回転本体42に支持されている。支持本体40は段部41を有し、これにロック本体37が、連動回転輪郭39が配置されたフランジセクション39Aを用いて支持される。
【0096】
支持本体40とロック本体37は、ロック本体37のフランジセクション39Aに支持され、連動回転本体42の収容部43Bに係合する保持リング45、例えばスプリットリングを介して、連動回転本体42に保持されている。収容部43Bは連動回転本体42の放射状内周面に、例えば環状溝の方式で配置されている。
【0097】
連動回転本体42したがってロック本体37は差込み軸SAを中心として回転可能に角度固定装置70のガイド本体73に保持されている。ガイド本体73は出力部分15と堅固に、詳しくはネジ88Bを用いて接続されていて、該ネジはガイド本体73のネジ受け部88Aを貫通して更なるガイド本体80のネジ受け部88に螺合されている。
【0098】
ガイド本体80は、アタッチメントハウジング50を螺合しているネジ89を用いて、アタッチメントハウジング50と堅固に接続されている。ネジ89は例えばアタッチメントハウジング50のセクション51の正面58Aのネジ受け部58に螺合されている。
【0099】
例えばガイド本体73は、スリーブセクション73Bの前に放射状外側に向かって突出するフランジ突出部73Aを有する。フランジ突出部73Aの放射状外周面には例えば、この点では軸受本体でもある連動回転本体42の内周面が、回転可能に保持されている。
【0100】
ガイド本体73の正面73Cと支持本体40の間に軌道盤49が配置されていて、それによって、支持本体40は差込み軸SAを中心として回転可能にガイド本体73に支持されている。
【0101】
出力部分15は駆動部分14に対して、本明細書では回転軸D1又は差込み軸SAと同軸である角度位置決め軸Wを中心として傾転可能であり、それによって、回転軸D2は言わば回転軸D1すなわち角度位置決め軸Wを中心として傾転され得る。
【0102】
具体例として示した角度位置W1とW2において、出力部分15は駆動部分14に対して角度固定装置70を用いて固定可能である。角度固定装置70が出力部分15を駆動部分14に対して固定する更なる角度位置が可能であるが、図面には示されていない。
【0103】
角度固定装置70には駆動部分14に組み込まれた駆動側角度固定本体71、例えば玉が含まれ、これはガイド本体73においてガイド74に導かれている。玉つまり駆動側角度固定本体71は、ガイド74において移動路VB1に沿って回転軸Dすなわち差込み軸SAに対して放射状に移動することができ、それによって、出力側角度固定本体72の固定受け部76内に侵入して、該固定本体を角度位置決め軸Wに沿った直線移動に対して不動に固定するために、まず、放射状内側に向かってガイド本体73の貫通孔75の中に突出する。これは角度固定位置Vに相当し、これに関しては
図4を参照のこと。それに対して角度移動位置Eにおいては、玉つまり駆動側角度固定本体71がガイド74の中に移動されていて、いずれにしても出力側角度固定本体72の固定受け部76と係合解除されていて、それにより、該固定本体は角度位置決め軸W又は差込み軸SAに沿って直線的に移動可能である。
【0104】
出力側角度固定本体72は回転移動防止本体31によって形成される。回転移動防止本体31は詳しくはその正面に回転移動防止輪郭33を有し、該輪郭は、角度固定位置Vにおいて相補的回転移動防止輪郭233と係合していて、又は係合可能であり、その結果、相補的回転移動防止輪郭233と係合解除されている。したがって、つまり角度位置決め軸Wに沿った回転移動防止本体31の直線移動によって、詳しくは回転移動防止輪郭33が手持ち型電動工具200の相補的回転移動防止輪郭233と係合解除されていることにより、出力部分15が駆動部分14に対して回転移動可能であること、又は、詳しくは回転移動防止輪郭33が相補的回転移動防止輪郭233と係合していることにより、出力部分15が角度位置決め軸Wに対して回転移動不能に駆動部分14に対して固定されていることが保証される。
【0105】
回転移動防止本体31すなわち出力側角度固定本体72は、ガイド本体73及びガイド本体80において角度位置決め軸Wに対して直線的に摺動可能に保持されている。ガイド本体80には、ガイド突出部82の間に位置するガイド受け部81が設けられている。ガイド突出部82は回転移動防止本体31つまり出力側角度固定本体72におけるガイド受け部84に係合する。ガイド受け部84の間に、回転移動防止突出部とも呼ばれ得るガイド突出部83が配置されていて、これはガイド本体80のガイド受け部81に係合する。ガイド突出部83は回転移動防止本体31つまり出力側角度固定本体72の角度位置決め軸W又は回転軸D1に対して放射状外周面に延在する。
【0106】
ガイド本体80のガイド突出部82の正面には、ネジ88B用のネジ受け部88が設けられていて、該ネジを用いて詳しくはガイド本体73がガイド本体80と堅固に接続されている。
【0107】
両ガイド本体80、73は出力側角度固定本体72つまり回転移動防止本体31を角度位置決め軸Wに対して直線的に導く。
【0108】
ここで、例えば角度固定本体71の操作のために、電動アクチュエータ71A、例えば電磁石等が装備されていることが原則的に可能である。しかし本明細書では、手動の、詳しくは操作装置90を用いた操作概念が示されている。操作装置90には、操作素子91、例えば、操作輪郭92、特に傾斜面を有するリングが含まれ、該輪郭を用いて玉つまり出力側角度固定本体72をガイド74の中へと、したがって出力側角度固定本体72の固定受け部76と係合するよう移動することができ、その結果、該本体は角度位置決め軸Wに対して不動に固定されている。固定受け部76は例えば環状溝として、全体としてスリーブ形状である出力側角度固定本体72の外周面に形成されている。ここで、出力側角度固定本体72が駆動素子11用の貫通孔を有すること、すなわち該本体を駆動素子が貫通していることに言及しておく。
【0109】
操作素子91の操作には、グリップ素子93、例えば、操作素子91と堅固に接続されている、又は一体であるリング本体が用いられる。グリップ素子93には、アタッチメント10の放射状外周面において操作者が容易に到達可能なグリップ輪郭94、例えば操作突起、波形起伏等が配置されている。主としてガイド本体80は、グリップ輪郭94が係合し得る凹所85を有する。凹所85は例えばグリップ素子93を角度位置決め軸Wと平行に導くためのガイド受け部を形成し、これは、操作輪郭92を角度位置決め軸Wと平行に移動するために、グリップ素子93の直線移動によって操作素子91が角度位置決め軸Wと平行に移動されることを意味する。
【0110】
操作素子91には、スプリング組立体97を用いて角度固定位置Vに相当する位置に力が加えられている。スプリング組立体97には例えば、ガイド本体80のスプリング収容部86Bに収容されていて、その一方がスプリング収容部86に、例えば底部領域に支持されるコイルばね98が含まれ、ガイド本体80をアタッチメントハウジング50に装着するためのネジ89が該領域を通して装備されている。もう一方では、スプリング98はグリップ素子93に対して角度固定位置Vの方向に力を加えるために、該素子の段部95に支持される。スプリング98の力とは逆に、グリップ素子93は、支持面32から離れる方向に、つまりアタッチメントハウジング50に向かって、ガイド本体80のストッパ87に当接するまで移動され得る。ストッパ87は例えば凹所85の底部領域に位置する。より好ましいのは、グリップ素子93が角度位置決め軸Wに対して角距離を空けて複数のグリップ輪郭94、例えばグリップ素子93の互いに対向する2つの側に設けられたグリップ輪郭94を有する場合である。
【0111】
ここで、例えばアタッチメント10を角度位置決め軸Wを中心として相応に回転移動することによって、形状結合突出部34が、それぞれ傾斜面として形成されている形状結合受け部234の縁部に沿って滑動し、それによって回転移動防止本体31すなわち出力側角度固定本体72は相補的掛止輪郭235と係合解除され得る。
【0112】
しかし、より好ましくは能動的操作、詳しくは操作装置90を用いた操作が予定されている。
【0113】
手順は以下の通りである。
【0114】
まず、操作輪郭92が角度固定装置70の角度移動位置Eの方向に操作され、すなわち玉つまり出力側角度固定本体72がガイド74の中に到達し得る。角度移動位置Eに属する位置への、すなわちストッパ87の方向への操作素子91の更なる移動時に、操作素子91の放射状の周囲に装備された連動本体79、例えばリング本体又は操作素子91のそれ以外の連動輪郭が、詳しくは連動本体79が回転移動防止本体31の前に放射状外側に突出する連動突出部78に当接することによって、回転移動防止本体31つまり出力側角度固定本体72を角度移動位置Eの方向に共に動かす。連動突出部78は例えばフランジ突出部として形成されていて、特にガイド突出部83の前に放射状外側に向かって突出する。
【0115】
角度移動位置Eの方向への回転移動防止本体31つまり出力側角度固定本体72の上記の動きによって、駆動側角度固定本体71つまり玉は解放輪郭72、例えば出力側角度固定本体72の外周面における環状セクションの領域に到達し、それによって、該固定本体したがって出力部分15は位置決め軸Wにおいて回転移動可能である。
【0116】
角度固定装置70には駆動部分14に組み込まれた駆動側角度固定本体71、例えば玉が含まれ、これはガイド本体73においてガイド74に導かれている。ガイド74は回転軸Dに対して放射状に延び、ガイド本体73の貫通孔75から該本体の放射状外周にまで延在する。
【0117】
玉つまり駆動側角度固定本体71は、ガイド74において回転軸Dすなわち差込み軸SAに対して放射状に移動することができ、それによって、出力側角度固定本体72の固定受け部76内に侵入して、該固定本体を角度位置決め軸Wに沿った直線移動に対して不動に固定するために、まず、放射状内側に向かってガイド本体73の貫通孔75の中に突出する。これは角度固定位置Vに相当し、これに関しては
図4を参照のこと。それに対して、角度移動位置Eにおいては、玉つまり駆動側角度固定本体71がガイド74の中に移動されていて、いずれにしても出力側角度固定本体72の固定受け部76と係合解除されていて、それにより、該固定本体は角度位置決め軸W又は差込み軸SAに沿って直線的に移動可能である。
【0118】
出力側角度固定本体72は回転移動防止本体31によって形成される。回転移動防止本体31は詳しくはその正面に回転移動防止輪郭33を有し、該輪郭は、角度固定位置Vにおいて相補的回転移動防止輪郭233と係合していて、又は係合可能であり、その結果、相補的回転移動防止輪郭233と係合解除されている。したがって、つまり角度位置決め軸Wに沿った回転移動防止本体31の直線移動によって、詳しくは回転移動防止輪郭33が回転許可位置DFにおいて手持ち型電動工具200の相補的回転移動防止輪郭233と係合解除されていることにより、出力部分15が駆動部分14に対して回転移動可能であること、又は、詳しくは回転移動防止輪郭33が回転移動防止位置DSにおいて相補的回転移動防止輪郭233と係合していることにより、出力部分15が角度位置決め軸Wに対して回転移動不能に駆動部分14に対して固定されていることが保証される。
【0119】
回転移動防止本体31すなわち出力側角度固定本体72は、ガイド本体73及びガイド本体80において角度位置決め軸Wに対して直線的に摺動可能に保持されている。ガイド本体80には、ガイド突出部82の間に位置するガイド受け部81が設けられている。ガイド突出部82は回転移動防止本体31つまり出力側角度固定本体72におけるガイド受け部84に係合する。ガイド受け部84の間に、回転移動防止突出部とも呼ばれ得るガイド突出部83が配置されていて、これはガイド本体80のガイド受け部81に係合する。ガイド突出部83は回転移動防止本体31つまり出力側角度固定本体72の角度位置決め軸W又は回転軸D1に対して放射状外周面に延在する。
【0120】
ガイド本体80のガイド突出部82の正面には、ネジ88B用のネジ受け部88が設けられていて、該ネジを用いて詳しくはガイド本体73がガイド本体80と堅固に接続されている。したがって、つまり両ガイド本体80、73は出力側角度固定本体72つまり回転移動防止本体31を角度位置決め軸Wに対して直線的に導く。ここで、例えば角度固定本体71の操作のために、電動アクチュエータ、例えば電磁石等が装備されていることが原則的に考えられる。しかし本明細書では、手動の、詳しくは操作装置90を用いた操作概念が示されている。操作装置90には、操作素子91、例えば、操作輪郭92を有するリングが含まれ、該輪郭を用いて玉つまり出力側角度固定本体72をガイド74の中へと、したがって出力側角度固定本体72の固定受け部76と係合するよう移動することができ、その結果、該本体は角度位置決め軸Wに対して不動に固定されている。固定受け部76は例えば環状溝として、全体としてスリーブ形状である出力側角度固定本体72の外周面に形成されている。
【0121】
操作輪郭92は例えば傾斜面である、又はこれを含む。操作輪郭92は角度位置決め軸Wに対して斜めに延在する。
【0122】
出力側角度固定本体72は駆動素子11用の貫通孔を有する。出力側角度固定本体72を駆動素子が貫通している。
【0123】
操作素子91の操作には、グリップ素子93、例えば、操作素子91と堅固に接続されている、又は一体であるリング本体が用いられる。グリップ素子93には、アタッチメント10の放射状外周面において操作者が容易に到達可能なグリップ輪郭94、例えば操作突起、波形起伏等が配置されている。
【0124】
主としてガイド本体80は、グリップ輪郭94が係合し得る凹所85を有する。凹所85は例えばグリップ素子93を角度位置決め軸Wと平行に導くためのガイド受け部を形成し、これは、操作輪郭92を角度位置決め軸Wと平行に移動するために、グリップ素子93の直線移動によって操作素子91が角度位置決め軸Wと平行に移動されることを意味する。
【0125】
操作素子91には、スプリング組立体97を用いて角度固定位置Vに相当する位置に力が加えられている。スプリング組立体97には例えば、ガイド本体80のスプリング収容部86Bに収容されていて、その一方がスプリング収容部86に、例えば底部領域に支持されるコイルばね98が含まれ、ガイド本体80をアタッチメントハウジング50に装着するためのネジ89が該領域を通して装備されている。もう一方では、スプリング98はグリップ素子93に対して角度固定位置Vの方向に力を加えるために、該素子の段部95に支持される。スプリング98の力とは逆に、グリップ素子93は、支持面32から離れる方向に、つまりアタッチメントハウジング50に向かって、ガイド本体80のストッパ87に当接するまで移動され得る。ストッパ87は例えば凹所85の底部領域に位置する。より好ましいのは、グリップ素子93が角度位置決め軸Wに対して角距離を空けて複数のグリップ輪郭94、例えばグリップ素子93の互いに対向する2つの側に設けられたグリップ輪郭94を有する場合である。
【0126】
ここで、例えばアタッチメント10を角度位置決め軸Wを中心として相応に回転移動することによって、形状結合突出部34が、それぞれ傾斜面として形成されている形状結合受け部234の縁部に沿って滑動し、それによって回転移動防止本体31すなわち出力側角度固定本体72は相補的掛止輪郭235と係合解除され得る。
【0127】
しかし、より好ましくは能動的操作、詳しくは操作装置90を用いた操作が予定されている。
【0128】
手順は以下の通りである。
【0129】
まず、操作輪郭92が角度固定装置70の角度移動位置Eの方向に操作され、すなわち玉つまり出力側角度固定本体72がガイド74の中に到達し得る。角度移動位置Eに属する位置への、すなわちストッパ87の方向への操作素子91の更なる移動時に、操作素子91の放射状の周囲に装備された連動本体79、例えばリング本体又は操作素子91のそれ以外の連動輪郭が、詳しくは連動本体79が回転移動防止本体31の前に放射状外側に突出する連動突出部78に当接することによって、回転移動防止本体31つまり出力側角度固定本体72を角度移動位置Eの方向に共に動かす。連動突出部78は例えばフランジ突出部として形成されていて、特にガイド突出部83の前に放射状外側に向かって突出する。
【0130】
角度移動位置Eの方向への回転移動防止本体31つまり出力側角度固定本体72の上記の動きによって、駆動側角度固定本体71つまり玉は解放輪郭72、例えば出力側角度固定本体72の外周面における環状セクションの領域に到達し、それによって、該固定本体したがって出力部分15は位置決め軸Wにおいて回転移動可能である。
【0131】
角度移動位置Eにおいて、支持面32、232は互いに接触を維持していて、すなわちアタッチメント10は差込み軸SAに沿って手持ち型電動工具200に支持されていて、互いに後部係合している掛止輪郭35、235を用いて手持ち型電動工具200と、支持軸又は差込み軸SAに対して手持ち型電動工具200と引抜き不能に接続されている。したがって、つまり角度位置決め軸Wに対する回転移動防止は、角度固定装置70の解放すなわち角度固定位置Vから角度移動位置Eへの該装置の移動によって、その際同時に装着装置30をその装着位置又は固定位置から解放位置に移動する必要なく、解放され得る。出力部分15は駆動部分14に対して角度位置決め軸Wを中心として、装着装置30を解放する必要なく、移動又は回転移動することができる。
【0132】
アタッチメント110、310の場合は、手持ち型電動工具200に装着するための装着装置130、330を備えていて、これは機能的には装着装置30と同じである。
【0133】
装着装置130、330のロック本体137、337はスリーブセクション38を有し、その内周面には、掛止輪郭35詳しくはバヨネット輪郭36が、相補的掛止輪郭235すなわちバヨネット輪郭236と後部係合するために設けられている。更に、装着装置30には、手持ち型電動工具200の支持面232における支持のための支持面32、並びに回転移動防止輪郭33、例えば各形状結合突出部34の間に形状結合受け部を備えた形状結合突出部34を有する支持本体131が含まれる。回転移動防止輪郭33は、手持ち型電動工具200の相補的回転移動防止輪郭233への係合に用いられ、前者は回転移動防止位置DSにおいて後者に係合する。したがって、つまりアタッチメント110は差込み軸SAに沿った差込み動作によって手持ち型電動工具200に挿入可能であり、その際、その後支持面32,232は相接して支持され、回転移動防止輪郭33、233は差込み軸SAを中心とした回転移動に対する回転移動防止となり、その結果、差込み軸SAを中心としたロック本体137の回転移動によって、手持ち型電動工具200における差込み軸SAに対するアタッチメント110の引抜き不能な装着が、詳しくは掛止輪郭35、235が互いに後部係合に至ることによって、実現されている。
【0134】
ロック本体137、337は、装着装置130、330の操作のために装備され、アタッチメントハウジング150、350に回転可能に保持されているグリップ素子146、346に接続されている。
【0135】
グリップ素子146、346の外周面には、例えば、操作者によって把持されるグリップ輪郭147、347が備わっていて、これは、差込み軸SAを中心としたグリップ素子146、346したがってロック本体137、337の操作すなわち回転を目的として装備されている。
【0136】
アタッチメント110、310は、同時に角度位置決め軸Wである差込み軸SAに対して、異なる角度位置において手持ち型電動工具200に取り付けられ得る。その際、歯車すなわち回転移動防止輪郭33が異なる角度位置において、相補的回転移動防止輪郭233に係合し、その後装着装置130、330がそれに応じて固定若しくは解放又は掛止若しくは掛止解除される。
【0137】
アタッチメント110の場合は、以下が予定されている。回転移動防止輪郭33、233が互いに係合を維持していて、すなわちアタッチメント110が手持ち型電動工具200に掛止されている掛止位置又は手持ち型電動工具200に装着されている装着位置に留まっている場合にも、アタッチメント110においては角度位置決め軸Wを中心とした角度移動が可能であり、すなわち出力部分15、特にアタッチメントハウジング150が駆動部分14に対して角度位置決め軸Wを中心として回転移動され得る。
【0138】
グリップ素子146は段部143Aを有し、これに支持本体140が支持されていて、更に支持本体の側はリング本体つまりロック本体137を支持する。ネジ145はロック本体137のネジ受け部139、並びに支持本体140のネジ受け部142を通って差し込まれ、グリップ素子146のネジ受け部143に螺合されている。ロック本体137のネジ受け部139はロック本体137のフランジセクションに設けられていて、該セクションは支持本体140の正面つまり支持面に支持され、更に該面の側は段部143Aに支持されている。
【0139】
角度固定装置170には、角度位置決め軸に対して回転不能かつ摺動不能に回転移動防止本体131と接続された駆動側角度固定本体171、並びに出力側角度固定本体172、例えば玉が含まれ、これは出力部分15において角度位置決め軸Wに対して放射状に保持されていて、したがって角度位置決め軸Wに対して放射状の移動路VB2に沿って移動可能である。出力側角度固定本体172が駆動側角度固定本体171の角度固定受け部176と係合していれば、出力部分は駆動部分14に対し角度位置決め軸Wに対して回転不能に掛止又は固定されていて、すなわち角度固定装置170はその角度固定位置Vにある。それに対して出力側角度固定本体172つまり玉は、駆動側角度固定本体171の角度固定受け部176と係合解除されていれば、角度移動位置Eにあり、出力部分15は駆動部分14に対して角度位置決め軸Wを中心として傾転され得る。
【0140】
出力側角度固定本体172は、ガイド本体173の、角度位置決め軸Wに対して放射状に延びるガイド74において可動に、角度固定位置Vと角度移動位置Eの間で保持されている。角度固定位置Vにおいて出力側角度固定本体172はガイド74から出て、貫通孔174の中に突出し、そこで駆動側角度固定本体171の角度固定受け部176の中に侵入し、該固定本体をガイド本体173に対して回転不能に固定、特に掛止する。
【0141】
ガイド本体173はアタッチメントハウジング150と堅固に接続されている。ガイド本体173は支持本体157によって形成される、又は支持本体と堅固に接続されている。例えば、支持挿入物157又はガイド本体173がアタッチメントハウジング150のセクション51に差し込まれていて、その際、アタッチメントハウジング150の差込み受け部の内周面における回転移動防止輪郭58Bが、支持挿入物157の放射状外周面における回転移動防止輪郭158との係合に至り、該挿入物を角度位置決め軸Wに対して回転移動が防止された状態でアタッチメントハウジング150に保持する。
【0142】
回転移動防止輪郭158の前に、フランジセクション158Bが放射状外側に向かって突出し、これに、ネジ89用の貫通孔158Cが設けられていて、該ネジは貫通孔158Cを貫通して、アタッチメントハウジング150の正面58Aにおけるネジ受け部58に螺合されている。正面58Aにおいて、支持挿入物157すなわちガイド本体173のフランジセクションつまりフランジ突出部158Bが支持される。
【0143】
駆動側角度固定本体171は、角度位置決め軸Wに対して回転不能に、かつ角度位置決め軸Wと平行に摺動不能に、回転移動防止本体131と接続されている。スリーブセクション177Aに回転移動防止輪郭177が配置されていて、該輪郭はこれに対して補完的な、回転移動防止本体131の収容部の内周面における回転移動防止輪郭178と係合し、該収容部に駆動側角度固定本体171が差し込まれている。保持リング179、例えばスプリットリング等、並びに、回転移動防止本体131と駆動側角度固定本体171において支持され、相接して支持し合い、角度位置決め軸Wに対して横に延びる段部輪郭は、回転移動防止本体131に対する駆動側角度固定本体171の支持と摺動防止保持の意味において同様に作用する。原則的に、回転移動防止本体131と駆動側角度固定本体171が一体であることも可能である。
【0144】
出力側角度固定本体172は、操作装置190を用いて操作可能である。操作装置190には操作本体191、例えば、操作輪郭92を備えたリング本体が含まれる。操作輪郭92は角度位置決め軸Wに対して斜めに延び、傾斜面歯車装置つまり動力伝達装置の構成要素となる傾斜面であり、該装置を用いて出力側角度固定本体172がその角度移動位置Eから角度固定位置Vへと操作可能である。角度位置決め軸Wと平行に矢印方向Pへの操作によって(
図13を参照)、操作輪郭92は、出力側角度固定本体172の角度位置決め軸Wに対して放射状外側に向かう移動を許可し、それによって角度固定受け部176との係合解除に至り得る。
【0145】
角度固定位置Vの方向に、つまり矢印Pの矢印方向とは逆に、操作素子191にはスプリング組立体197によって力が加えられている。スプリング組立体197はスプリング198、例えばコイルばねを有し、これは一方では回転移動防止本体131に、もう一方では操作素子191に支持される。
【0146】
例えば、回転移動防止本体131のスリーブセクション132はスプリング198の内部空間に侵入し、該スプリングは回転移動防止本体131のフランジセクション139に支持される。
【0147】
操作素子191の操作のために、グリップ素子193、例えばリング本体が備わっている。グリップ素子193は例えばグリップ輪郭194、特に突起又はそうした他の突出する輪郭を有し、これを操作者がグリップ素子193したがって操作素子191を角度位置決め軸Wと平行に摺動する目的で把持することができる。
【0148】
アタッチメント310の場合は、操作素子346とロック本体337は互いに堅固に接続され、例えば形状結合式に相接して保持されている。例えば、ロック本体337の放射状及び/又は環状の突出部が、操作素子346の、環状の、又は放射状内側に開放された収容部346Aに係合する。ロック本体337には、軸受収容部338が設けられていて、これに支持本体又は軌道輪とも呼ばれ得る環状の軸受本体340が係合する。軸受収容部338は、ロック本体337と接続され、例えば収容部346Aに収容されてもいるリング本体339によって閉鎖されている。リング本体339とロック本体337は軸受本体340をサンドイッチ状に収容する。
【0149】
軸受本体340、例えばリングは、ネジ345を用いてハウジング350と接続されている。例えばネジ345はガイド本体373の正面358Aにおけるネジ受け部358に螺合されている。ガイド本体373は主としてハウジング350によって形成、又はこれに堅固に配置されている。
【0150】
したがって、つまりロック本体337は回転軸D1又は角度位置決め軸W又は差込み軸SAを中心として、回転可能にアタッチメントハウジング350に保持されていて、それによって、該本体の回転移動により、装着装置30が上記の回転軸の周囲で手持ち型電動工具200において掛止可能又は掛止解除可能である。その際、角度固定装置370がその角度固定位置Vにあれば、アタッチメント310の回転移動防止輪郭33は、手持ち型電動工具200の回転移動防止輪郭32との形状結合式で回転移動が防止された状態の係合に至り、それによって、アタッチメント310は角度位置決め軸W又は回転軸D1を中心として回転移動不能に手持ち型電動工具200に保持されている。
【0151】
ハウジング350は主として2つの部品から成り、ハウジング部分350A、350Bを含み、これらはハーフシェルの形式で相接して継合されている。例えばネジ350Cはハウジング部分350Bにおける相応のネジ受け部を通って差し込まれ、ハウジング部分350Aにおけるネジドームつまりネジ受け部に螺合されている。ハウジング350はアタッチメント310の可動部品、例えば歯車装置60、角度固定装置370等を取り囲む。
【0152】
角度固定装置370は駆動側角度固定本体371を有し、該本体の、駆動面12に面する側に回転移動防止輪郭33、したがってつまり形状結合突出部34を有し、それによって、角度位置決め軸Wに対して回転移動が防止された状態で手持ち型電動工具200に支持され得る。駆動側角度固定本体371は同時に回転移動防止本体331と成る。
【0153】
出力部分15には出力側角度固定本体372が組み込まれていて、これは角度位置決め軸W又は回転軸D1を中心として回転可能に出力部分15に保持されている。
【0154】
回転移動防止輪郭33は、同時に回転移動防止位置DSである角度固定位置Vにおいて、手持ち型電動工具200の相補的回転移動防止輪郭233に係合し、同時に回転許可位置DFである角度移動位置Eにおいては、相補的回転移動防止輪郭233と係合解除されている。
【0155】
ガイド本体373はアタッチメントハウジング350のセクション51に配置されている。
【0156】
ガイド本体373は操作装置390の操作素子391を貫通し、該本体の正面358Aは該素子の前に突出し、それによって該本体はそこでグリップ素子346を回転可能に保持するための、特に、ガイド本体373に装着されていて、グリップ素子346を回転可能に保持している軌道輪つまり軸受本体340を保持するための、軸受部分を提供する。
【0157】
ガイド本体373は主として、駆動側角度固定本体371用のリニア軸受373Aを形成し、又は含み、該固定本体は調節軸Lに対して摺動可能にリニア軸受373Aに保持されている。駆動側角度固定本体371の調節軸Lに沿った移動によって、回転移動防止輪郭33を相補的回転移動防止輪郭233と係合又は係合解除することができ、つまり角度固定位置V又は角度移動位置Eが設定され得る。
【0158】
駆動側角度固定本体371、つまりこれと一体の又は堅固に接続された回転移動防止本体331には、スプリング組立体331Aによって角度固定位置Vへと力が加えられている。スプリング組立体331Aには例えばスプリング331B、特にコイルばねが含まれ、これは出力部分15に支えられている。例えば、アタッチメントハウジング350、特にそのセクション51は、特にポケットの形式のスプリング収容部331Cを有し、この中にスプリング331Bが収容されている。
【0159】
スプリング331Bは駆動側角度固定本体371を支持輪郭376において支持する。支持輪郭376は例えば角度位置決め軸Wに対して放射状外側に向かって突出する突出部の方式で形成されている。この突出部は例えば駆動側角度固定本体371のスリーブ本体373Bの前に突出する。スリーブ本体373Bの正面において、例えば回転移動防止輪郭373が設けられている。スリーブ本体373Bは貫通孔を有し、この中に駆動素子11が係合する。
【0160】
放射状突出部377は同時にガイド突出部と成り、これはガイド本体373のガイド受け部387に係合し、そこで軸Lつまり角度位置決め軸Wに対して直線的に導かれている。したがって、支持輪郭376又は放射状突出部377は同時に、駆動側角度固定本体371をアタッチメントハウジング350及び/又は出力部分15に対して回転不能に保持する回転移動防止輪郭と成る。それにも関わらず角度固定本体371は直線軸Lに対して摺動可能にガイド本体373に保持されている。ここでスプリング組立体373Aは回転移動防止本体331すなわち角度固定本体371に対して角度固定位置Vの方向に力を加え、該位置において回転移動防止輪郭33は相補的回転移動防止輪郭233と係合している、又はこれとの係合に至る。
【0161】
言わば角度固定位置Vの解放、すなわち角度固定装置370の角度移動位置Eの方向への移動には、操作装置390が用いられる。その操作素子391には操作リング393が含まれ、その放射状外周面にはグリップ輪郭394が配置されている。操作リング393は、直線軸Lに対して駆動側角度固定本体372を移動する目的で、アタッチメント310の駆動部分14と出力部分15に対して、角度位置決め軸W又は長手方向軸Lを中心として回転可能に保持され、例えばガイド本体373の外周面に回転可能に保持されている。
【0162】
操作素子391、つまり操作リング393は、出力側角度固定本体372と一体である、又は堅固に接続されている。例えば出力側固定本体372は操作素子391と堅固に接続された部品として実現されている、又は両部品は一体である。
【0163】
出力側角度固定本体372は角度位置決め軸Wを中心として回転可能、したがって駆動側角度固定本体371に対して弓形の、特に環状又は円環状の移動路VB3を中心として移動可能又は回転可能である。
【0164】
操作素子391は動力伝達装置400、例えば力の方向転換及び/又は増幅を行う歯車装置を介して、角度固定本体371に作用する。動力伝達装置400は、駆動用固定本体371の支持輪郭376、特に放射状突出部377に作用する傾斜面歯車装置である、又は傾斜面歯車装置を有する。
【0165】
操作リング393の内周面には支持面401が設けられていて、これは角度固定位置Vにおいて支持輪郭376を支持する、つまり回転移動防止輪郭33を相補的回転移動防止輪郭233と係合した状態に保持する。主として角度位置決め軸Wに対して直交する支持面401の横に、固定用調節傾斜面402が延在し、これは許可用支持面403に移行する。許可用支持面403は角度移動位置Eに属する。つまり操作リング393したがって出力側角度固定本体372が角度位置決め軸Wを中心として回転方向DR又はDLに回転移動されると、突出部377すなわち支持輪郭376が、支持面401から調節傾斜面402を通って支持面403に、またその逆に至り、その際、角度固定本体371は角度固定位置Vと角度移動位置Eの間で移動される。角度移動位置Eから角度固定位置Vの方向への移動時に、動力伝達装置400は固定歯車装置の意味で作用する。
【0166】
しかし、操作素子391は、操作装置390の角度固定位置Vから角度移動位置Eの方向への移動用にも形成されている。つまり動力伝達装置400は解放歯車装置にも成る。角度固定本体371の突出部377は詳しくは固定用調節傾斜面に対向する解放用調節傾斜面404、並びに許可用支持面403に対向する解放用支持面405において支持される。上述の各面の間に、挿入開口部406に開口しているガイド溝407が設定されていて、その先端面は連動回転ストッパ410によって制限されていて、主としてつまりほぼ袋小路と成る。突出部377は挿入開口部406を通り抜けてガイド溝407に挿入可能である、又は挿入されている。
【0167】
スプリング組立体397は操作素子391に対して角度固定位置Vの方向に力を加える。スプリング組立体397には、例えばねじりばね398が含まれ、これは支持端398Aを用いてアタッチメントハウジング350、例えばセクション51に支持され、また支持セクション398Bを用いて操作素子391に支持されている。スプリング組立体397の力とは逆に、操作素子391は角度固定位置Vに属する回転位置から、角度移動位置Eに属する回転位置に移動可能であり、その際、操作素子391は角度固定本体372を用いて角度固定本体371を角度固定位置Vから角度移動位置Eの方向に操作する。
【0168】
つまり、角度移動位置Eにおいて、突出部377は連動回転ストッパ410に当接する。操作素子391の、所望の回転方向DR又はDLへの更なる回転によって、突出部377は、連動回転ストッパ410の互いに対向する面に配置された連動回転輪郭410R又は410Lに当接し、それによって、角度固定本体371を回転方向DR又はDLへと連動させて移動する。該固定本体の側は、確かに長手方向軸Lに対して摺動可能ではあるが、同軸に対して回転移動不能に、また特に角度位置決め軸Wに対しても回転移動不能に出力部分15に支持されていて、それによって、操作素子391の回転方向DR又はDLへの回転移動によって出力部分15は相応に連動して回転される。したがって、詳しくは操作者が操作素子391の操作によってまず角度固定を解放し、つまり角度固定装置370を角度移動位置Eに移動し、それに続く、特に連続的な操作素子391の更なる回転によって、出力部分15を角度位置決め軸Wを中心として駆動部分14に対して回転移動することによって、操作動作は極めて簡単である。この操作機能を操作装置390は両方の回転方向DRとDLにおいて備えている。
【0169】
それに続く、駆動部分14に対する、したがって手持ち型電動工具200に対する出力部分15の角度固定は、詳しくは操作者が操作素子391を解放し、それによって、スプリング組立体397により、該素子の、角度固定位置Vに属する位置に力が加えられていること、つまり該素子が角度固定の意味において作用することによって、特に容易に成功する。ここで回転移動防止輪郭33、233が角度位置決め軸Wに対して互いに適合する回転位置にあれば、スプリング組立体331Aと397は、駆動部分14に対する出力部分15の係止と回転不能な掛止の意味において作用する。出力部分15は言わば所望の回転位置において係着する。
【0170】
図19においては、出力素子321が回転軸D2Eを中心として回転可能に保持されている偏心アタッチメントが図示されている。回転軸D1とD2は例えば互いに平行であるが、その長手方向に対して横に相互に偏心している。回転軸D2Eは例えば回転軸D1に対して角度位置決め軸Wを中心として回転可能であるが、常に該回転軸と平行に延在する。
【0171】
駆動側角度固定本体71、171、371は回転移動防止本体31、131、331と堅固に接続されている、又はこれらと一体である。したがって、該固定本体は機械側の相補的回転移動防止輪郭233と、角度位置決め軸Wに対して回転移動が防止された状態で係合され得る。各アタッチメント10、110、310の内部における言わば内部回転移動防止もまた容易である。つまり例えば角度固定本体71、171、371がその回転移動防止輪郭33を用いて、駆動部分14に対して不動な、いずれにしても角度位置決め軸Wに対して回転移動不能な相補的回転移動防止輪郭と、相補的回転移動防止輪郭233の方式で係合、又は係合解除されれば、上述の概念もまた容易に実施可能である。これは例えば、装着装置30、130、330の領域の辺りにおいて不動に、参照符号433で図示されている相補的回転移動防止輪郭が相補的回転移動防止輪郭233の方式で配置されていることであると、考えることができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 手持ち型電動工具(200)、特に電動ドライバ又は電動ドリル用のアタッチメントであって、その際、前記アタッチメント(10、110、310)が作業工具(9)を駆動するための、駆動素子(11)を備えた駆動部分(14)と出力素子(21)を備えた出力部分(15)を有し、その際、前記駆動素子(11)が、前記アタッチメント(10、110、310)を駆動するための前記手持ち型電動工具(200)の機械出力素子(221)と連結可能であって、前記出力素子(21)を駆動するための歯車装置(60)を介して前記出力素子(21)と接続又は連結されていて、またその際、前記駆動部分(14)が駆動面に、前記アタッチメント(10、110、310)を取外し可能かつ角度位置決め軸(W)に対して回転不能に前記手持ち型電動工具(200)に装着するための装着装置(30、130、330)を有するものであって、前記出力部分(15)が前記駆動部分(14)に対して、前記角度位置決め軸(W)を中心として互いに異なる少なくとも2つの角度位置(W1、W2)に回転移動可能であり、駆動側角度固定本体(71、171、371)と出力側角度固定本体(72、172、372)を有する角度固定装置(70、170、370)を用いて各角度位置(W1、W2)に固定可能であり、その際、前記両角度固定本体の少なくとも一方(72、172、372)が前記もう一方の角度固定本体(71、171、371)に対し、前記アタッチメント(10、110、310)の操作装置(90、190、390)の操作素子(91、191、391)を介して、前記両角度固定本体(71、72、171、172、371、372)が前記駆動部分(14)に対して前記出力部分(15)を回転不能に固定する角度固定位置(V)と、前記両角度固定本体(71、72、171、172、371、372)が前記駆動部分(14)に対する前記角度位置決め軸(W)を中心とした前記出力部分(15)の回転移動を許可する角度移動位置(E)の間で、移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って移動可能であることを特徴とする、アタッチメント。
[2] 前記角度固定位置(V)において、前記両角度固定本体(71、72、171、172、371、372)が形状結合式に互いに係合していて、かつ/又は前記角度移動位置(E)において、前記両角度固定本体(71、72、171、172、371、372)が係合解除されていることを特徴とする、[1]に記載のアタッチメント。
[3] 前記駆動側角度固定本体(71、171、371)が前記駆動部分(14)において前記角度位置決め軸(W)に対して回転不能に配置され、かつ/若しくは前記駆動部分(14)に組み込まれていること、並びに/又は前記出力側角度固定本体(72、172、372)が前記出力部分(15)において前記角度位置決め軸(W)に対して回転不能に配置され、かつ/若しくは前記出力部分(15)に組み込まれていることを特徴とする、[1]又は[2]に記載のアタッチメント。
[4] 前記移動路(VB1、VB2、VB3)が前記角度位置決め軸(W)に対して横に、かつ/又は前記角度位置決め軸(W)に対して放射状に、かつ/又は前記角度位置決め軸(W)の周囲に弓形に延在することを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[5] 前記装着装置(30、130、330)及び/又は前記角度固定装置(70、170、370)が前記駆動面に、前記角度位置決め軸(W)に対して回転移動が防止された状態で前記アタッチメントを前記手持ち型電動工具(200)に、特にその機械ハウジング(201)に保持する目的で、特に回転移動防止本体(31、131、331)に配置された、前記手持ち型電動工具(200)又は前記アタッチメントの前記駆動部分(14)の相補的回転移動防止輪郭(233)への係合のための回転移動防止輪郭(33)を有することを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[6] 前記回転移動防止輪郭(33)が、前記角度位置決め軸(W)と平行である差込み軸(SA)又は前記角度位置決め軸(W)と平行に方向付け部品を有する差込み軸(SA)に沿った差込み方向における差込み動作によって、前記相補的回転移動防止輪郭(233)と係合可能であることを特徴とする、[5]に記載のアタッチメント。
[7] 前記装着装置(30、130、330)が、差込み軸(SA)に沿った差込み方向において、前記手持ち型電動工具(200)における支持のための支持面(32)と、固定位置において前記差込み方向とは逆に前記手持ち型電動工具(200)において前記アタッチメント(10、110、310)を引抜き不能に保持する目的で、固定位置と解放位置の間で移動可能な、少なくとも1つの掛止輪郭(35)を備えた少なくとも1つのロック本体(37、137、337)を有し、前記輪郭が前記固定位置においては前記手持ち型電動工具(200)の相補的掛止輪郭(235)と係合していて、前記手持ち型電動工具(200)から前記アタッチメント(10、110)を取り外すための前記解放位置においては、前記相補的掛止輪郭(235)と係合解除されていることを特徴とする、[1]から[6]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[8] 前記ロック本体(37、137、337)が前記差込み軸(SA)又は角度位置決め軸(W)を中心として回転可能に保持されたリング本体であり、かつ/又は前記掛止輪郭(35)がバヨネット輪郭(36)であり、かつ/又は前記ロック本体(37、137、337)が、前記差込み方向と同方向に延びる回転軸を中心として回転可能に保持されていることを特徴とする、[7]に記載のアタッチメント。
[9] 前記駆動側角度固定本体(71、171、371)と前記回転移動防止本体(31、131)が、堅固及び/若しくは回転不能及び/若しくは摺動不能に接続されているか、若しくは一体であり、かつ/又は前記駆動側角度固定本体(71、171、371)が前記回転移動防止本体(31、131)を形成し、かつ/又は前記回転移動防止輪郭(33)が前記駆動側角度固定本体(71、171、371)にあることを特徴とする、[5]から[8]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[10] 前記回転移動防止本体(31、131)及び/又は前記駆動側角度固定本体(71、171、371)が前記角度位置決め軸(W)に対して、回転移動防止位置(DS)と回転許可位置(DF)の間で可動に前記アタッチメント(10、110、310)に保持されていて、その際前記回転移動防止輪郭(33)が、前記回転移動防止位置(DS)においては前記相補的回転移動防止輪郭(233)に向かって移動されていて、また前記回転許可位置(DF)においては前記相補的回転移動防止輪郭(233)から離れて移動されていて、かつ/又は前記回転移動防止輪郭(33)が、前記回転移動防止位置(DS)において前記手持ち型電動工具(200)の前記相補的回転移動防止輪郭(233)に係合する目的で、前記回転許可位置(DF)におけるより更に前記駆動面の前に突出することを特徴とする、[5]から[9]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[11] 前記出力側角度固定本体(72、172,372)が、前記角度固定装置(70、170、370)の前記角度固定位置(V)において、前記回転移動防止本体(31、131、331)を前記回転移動防止位置(DS)において不動に固定し、かつ/又は前記角度移動位置(E)において前記回転移動防止本体(31、131、331)の前記回転許可位置(DF)への運動を許可することを特徴とする、[5]から[10]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[12] 前記操作素子(91、191、391)が前記回転移動防止本体(31、131、331)を前記回転許可位置(DF)へと連動させて移動するために前記本体と動作的に連結されていて、かつ/又は、前記操作素子(91、191、391)と前記回転移動防止本体(31、131、331)の間に、前記回転移動防止本体(31、131、331)を前記回転移動防止位置(DS)から前記回転許可位置(DF)に移動するための解放歯車装置、特に傾斜面歯車装置が配置されていることを特徴とする、[5]から[11]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[13] 前記操作素子(91、191、391)と前記少なくとも1つの移動可能な回転移動防止本体(31、131、331)の間に、前記少なくとも1つの、移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って移動可能な角度固定本体(72、172、372)の、前記角度固定位置(V)から前記角度移動位置(E)への移動を、前記回転移動防止本体(31、131、331)の、前記回転移動防止位置(DS)から前記回転許可位置(DF)への移動の前に可能にする隙間の存在することを特徴とする、[5]から[12]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[14] 前記回転移動防止本体(31、131、331)に対して、スプリング組立体によって前記回転移動防止位置(DS)にスプリング力が加えられていることを特徴とする、[5]から[13]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[15] 前記アタッチメントが前記角度固定装置(70、170、370)を前記角度固定位置(V)へと操作するためのスプリング組立体を有することを特徴とする、[1]から[14]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[16] 前記スプリング組立体が前記角度固定装置(70、170、370)の前記角度固定位置(V)への移動の意味において前記操作装置(90、190、390)の前記操作素子(91、191、391)に作用し、かつ/又は、前記スプリング組立体に、前記角度位置決め軸(W)が中を貫通しているコイルばね若しくはねじりばねが含まれることを特徴とする、[15]に記載のアタッチメント。
[17] 前記操作装置(90、190、390)、特に前記操作素子(91、191、391)が手動で操作可能であり、かつ/又は環状若しくは部分環状に前記角度位置決め軸(W)の周囲に延在し、かつ/又は操作リングを含むことを特徴とする、[1]から[16]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[18] 前記操作素子(91、191、391)と前記操作素子(91、191、391)を介して操作するべき前記角度固定本体の間に、第1の運動方向における前記操作素子(91、191、391)の運動を、操作するべき前記角度固定本体の、第2の運動方向への運動へと力を方向転換するための動力伝達装置、特に傾斜面歯車装置及び/又は方向転換歯車装置が配置されていることを特徴とする、[1]から[17]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[19] 前記操作素子(91、191、391)が、操作するべき前記角度固定本体に対して横に、特に直角に横に可動に、かつ/又は前記角度位置決め軸(W)に対して直線的及び/若しくはこれと平行に、かつ/又は特に前記角度位置決め軸(W)を中心として回転可能に、前記アタッチメント(10、110、310)に保持されていることを特徴とする、[1]から[18]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[20] 前記操作素子(91、191、391)が前記角度位置決め軸(W)を中心として回転可能に保持されていて、前記角度位置決め軸(W)を中心として前記出力部分(15)を連動させて回転するための、少なくとも1つの連動回転輪郭(410R、410L)を有することを特徴とする、[1]から[19]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[21] 前記少なくとも1つの連動回転輪郭(410R、410L)が前記出力部分(15)との回転係合に至る前に、前記操作素子(91、191、391)が前記角度固定位置(V)に属する回転位置から前記角度移動位置(E)に属する回転位置へと回転移動可能であるように、前記操作素子(91、191、391)が、前記出力部分(15)に対して前記角度位置決め軸(W)を中心とした回転運動のための回転用隙間を有することを特徴とする、[20]に記載のアタッチメント。
[22] 前記操作素子(91、191、391)が少なくとも1つの角度固定本体、特に前記出力側角度固定本体(72、172、372)と堅固に接続されている、又は一体であることを特徴とする、[1]から[21]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[23] 一方の角度固定本体(71)が、もう一方の角度固定本体(72)に対して放射状外側に配置されていることを特徴とする、[1]から[22]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[24] 前記角度固定本体の少なくとも1つ(72)、特に放射状内側の角度固定本体の1つ又は唯一の放射状内側の角度固定本体がスリーブ本体として形成されていて、若しくはスリーブ本体によって形成されていて、かつ/又は前記本体を前記アタッチメントの駆動素子(11)が貫通していることを特徴とする、[1]から[23]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[25] 前記角度固定本体の少なくとも1つ(71、171、371)、特に前記角度位置決め軸(W)に対して放射状に移動可能な前記少なくとも1つの角度固定本体が、掛止玉であり、若しくはこれを含み、かつ/又は前記角度固定本体(71、72、171、172、371、372)の少なくとも1つ、特に前記角度位置決め軸(W)に対して放射状に不動な角度固定本体が、放射状に可動な前記角度固定本体(71、72、171、172、371、372)を収容するための球面キャロットを有することを特徴とする、[1]から[24]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[26] 前記移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って移動可能かつ、特に前記角度位置決め軸(W)に対して放射状に可動な、前記少なくとも1つの角度固定本体(71、171、371)が、前記操作装置(90、190、390)を介して操作可能かつ、特に前記角度位置決め軸(W)の周囲に環状に配置された少なくとも2つ、主として少なくとも3つの角度固定本体(71、171)から成る組立体の構成要素と成り、前記角度固定本体が前記角度位置決め軸(W)に対して相互に角距離を有し、前記移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って、特に前記角度位置決め軸(W)に対してそれぞれ放射状に、可動に保持されていることを特徴とする、[1]から[25]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[27] 出力側角度固定本体(72、172、372)が前記角度位置決め軸(W)に対して放射状に不動であり、かつ/又は前記駆動部分(14)に対して前記角度位置決め軸(W)と平行に摺動可能に保持されていて、前記駆動側角度固定本体(71、171、371)が前記少なくとも1つの、前記移動路(VB1、VB2、VB3)に沿って、特に回転可能若しくは前記角度位置決め軸(W)に対して放射状に、可動に保持された角度固定本体を含む、又はそれによって形成されていることを特徴とする、[1]から[26]のいずれか一項に記載のアタッチメント。
[28] [1]から[27]のいずれか一項に記載のアタッチメント(10、110、310)を備えた手持ち型電動工具(200)。