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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】タンク及び記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
B41J2/175 169
B41J2/175 115
B41J2/175 141
B41J2/175 171
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022108515
(22)【出願日】2022-07-05
(62)【分割の表示】P 2021099951の分割
【原出願日】2015-10-30
(65)【公開番号】P2022128519
(43)【公開日】2022-09-01
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】島田 皓樹
(72)【発明者】
【氏名】松村 英明
(72)【発明者】
【氏名】新町 昌也
(72)【発明者】
【氏名】木村 征道
(72)【発明者】
【氏名】久保川 潤一
(72)【発明者】
【氏名】木内 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恭平
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-290582(JP,A)
【文献】特開2006-110959(JP,A)
【文献】特開2014-151512(JP,A)
【文献】特開平04-247942(JP,A)
【文献】特開平06-226990(JP,A)
【文献】特開平08-187874(JP,A)
【文献】特開2010-036457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク容器を備えインクを収容可能なタンクであって、
前記タンク容器は、
前記タンク容器の第1面から外側に開口する第1開口部と、前記第1面と対向する第2面に第1側壁と、を備えインクを収容する第1収容室と、
前記第1収容室へインクを注入するための注入部と、
前記タンク容器の前記第2面から外側に開口する第2開口部と、前記第1面に第2側壁と、を備え空気を収容する第2収容室と、を有し、
前記タンクは、前記第1開口部と前記第2開口部とを封止する封止部材を有することを特徴とするタンク。
【請求項2】
前記注入部は、ユーザによって取り付け及び取り外しが可能なキャップによりキャップされることを特徴とする請求項1に記載のタンク。
【請求項3】
前記注入部は、前記第1面及び前記第2面と異なる第3面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のタンク。
【請求項4】
前記第1収容室と前記第2収容室は仕切り部によって仕切られていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項5】
タンク容器を備えインクを収容可能なタンクを有し、前記タンクから供給されたインクを吐出する吐出ヘッドにより画像を記録する記録装置であって、
前記タンク容器は、
前記タンク容器の第1面から外側に開口する第1開口部と、前記第1面と対向する第2面に第1側壁と、を備えインクを収容する第1収容室と、
前記第1収容室へインクを注入するための注入部と、
前記タンク容器の前記第2面から外側に開口する第2開口部と、前記第1面に第2側壁と、を備え空気を収容する第2収容室と、を有し、
前記タンクは、前記第1開口部と前記第2開口部とを封止する封止部材を有することを特徴とする記録装置。
【請求項6】
タンク容器を備えインクを収容可能なタンクであって、
前記タンク容器は、
前記タンク容器の第1面から外側に開口する第1開口部と、前記第1面と対向する第2面に第1側壁と、を備えインクを収容する第1収容室と、
前記タンク容器の前記第1面から外側に開口する第2開口部と、前記第2面に第2側壁と、を備え空気を収容する第2収容室と、を有し、
前記タンクは、
前記第2開口部を封止せず前記第1開口部を封止する第1封止部材と、
前記第1開口部を封止せず前記第2開口部を封止する第2封止部材と、を有することを特徴とするタンク。
【請求項7】
前記第1収容室と前記第2収容室は仕切り部によって仕切られていることを特徴とする請求項6に記載のタンク。
【請求項8】
タンク容器を備えインクを収容可能なタンクを有し、前記タンクから供給されたインクを吐出する吐出ヘッドにより画像を記録する記録装置であって、
前記タンク容器は、
前記タンク容器の第1面から外側に開口する第1開口部と、前記第1面と対向する第2面に第1側壁と、を備えインクを収容する第1収容室と、
前記タンク容器の前記第1面から外側に開口する第2開口部と、前記第2面に第2側壁と、を備え空気を収容する第2収容室と、を有し、
前記タンクは、前記第2開口部を封止せず前記第1開口部を封止する第1封止部材と、前記第1開口部を封止せず前記第2開口部を封止する第2封止部材と、を有することを特徴とする記録装置。
【請求項9】
前記第1収容室と前記第2収容室は仕切り部によって仕切られていることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項10】
前記吐出ヘッドを備えることを特徴とする請求項8または9に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出して画像を記録する録装置に用いられるンク、及び該ンクを備える録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インクを収容するインク収容室と、インク収容室に設けられたインク供給口と、インク消費に伴って外部の空気をインク収容室に導入する大気開放流路と、大気開放流路の途中に設けられた空気室とを備えたインクタンクが開示されている。
【0003】
当該インクタンクによれば、環境温度の変化等によってインク収容室内の空気が熱膨張しインク収容室内のインクが大気開放流路を逆流したとしても、空気室にインクが収容されることで、インクが外部に漏れ出すことを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-253328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のインクタンクは、製造工程においてインク収容室の開口部と空気室の開口部とを覆う蓋部を設けて接着する必要がある。このとき、インク収容室と空気室との間において、熱溶着や超音波溶着における接着不良や、段差、凹部などの部品不良等があった場合、蓋部が正常に接着されず接着面に隙間が生じてしまうおそれがある。このような隙間が生じてしまうと、空気が大気開放流路からではなく当該隙間部分からインク収容室内に入ってしまう。その結果、インクが外部に漏れ出すことを防止するという空気室の機能が十分に発揮されないおそれがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑み、インクタンクの蓋部が正常に接着されているか否かを検査可能なインクタンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るタンクは、タンク容器を備えインクを収容可能なタンクであって、前記タンク容器は、前記タンク容器の第1面から外側に開口する第1開口部と、前記第1面と対向する第2面に第1側壁と、を備えインクを収容する第1収容室と、前記第1収容室へインクを注入するための注入部と、前記タンク容器の前記第2面から外側に開口する第2開口部と、前記第1面に第2側壁と、を備え空気を収容する第2収容室と、を有し、前記タンクは、前記第1開口部と前記第2開口部とを封止する封止部材を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インクタンクの蓋部が正常に接着されているか否かを検査可能なインクタンクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係るインクタンクが用いられるインクジェット記録装置の模式断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るインクタンクの斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るインクタンクの側面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るインクタンクのリーク検査時の模式図である。
図5】従来技術に係るインクタンクの斜視図及び側面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るインクタンクの斜視図である。
図7】本発明の第3実施形態に係るインクタンクの斜視図である。
図8】本発明の第4実施形態に係るインクタンクの斜視図である。
図9】本発明の第5実施形態に係るインクタンクが用いられるインクジェット記録装置の模式断面図である。
図10】本発明の第5実施形態に係るインクタンクの斜視図である。
図11】本発明の第5実施形態に係るインクタンクの側面図である。
図12】本発明の第5実施形態に係るインクタンクのリーク検査時の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクタンク(インクカートリッジ)が用いられるインクジェット記録装置の模式断面図である。インクジェット記録装置1は、記録媒体(シート)Pが積載されるカセット2と、記録媒体Pを給送する給送ローラ3と、記録媒体Pを搬送する搬送ローラ4と、インクを吐出する吐出口が配された記録ヘッド10と、記録媒体Pを排出する排出ローラ6とを有する。
【0012】
カセット2に積載された記録媒体Pは、給送ローラ3によって1枚ずつ分離され、紙ガイドに案内されながら、搬送ローラ4まで給送される。搬送ローラ4に到達した記録媒体Pは、搬送ローラ4とピンチローラ5とによって挟持され、プラテン8に下方から支持されながら、記録ヘッド10と対向する位置まで搬送される。記録ヘッド10は、キャリッジに着脱自在に搭載されている。キャリッジは、記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動可能に支持されている。搬送された記録媒体Pは、キャリッジが移動しながら記録ヘッド10によりインクが吐出され、1バンド分の画像が形成される。1バンド分の画像が形成された記録媒体は、次の1バンド分の画像を形成するために所定の搬送量ずつ間欠的に搬送される。この間欠搬送動作と画像形成動作とを交互に繰り返すことによって、記録媒体全体に画像が形成される。画像が形成された記録媒体Pは、排出ローラ6と拍車7とによって挟持して搬送され、不図示の排出トレイへ排出される。
【0013】
次に本発明の第1実施形態に係るインクタンクの構成について説明する。
【0014】
図2は、本発明の第1実施形態に係るインクタンクの斜視図である。図2(b)は、図2(a)を反対側から見たときの斜視図である。また、図3は、本実施形態に係るインクタンクの側面図である。図3(a)は、図2においてインクタンク21をA1方向から見たときの側面図である。図3(b)は、図2においてインクタンク21をA2方向から見たときの側面図である。
【0015】
インクタンク21は、キャリッジに設けられた装着部に着脱可能に装着される。インクタンク21は、対応するインク色(例えば、ブラックBk、シアンC、マゼンタM、イエローY)毎にそれぞれ装着される。インクタンク21は、記録ヘッド10へ供給されるインクを収容する。インクタンク21は、タンク容器22と、第1蓋部23と、第2蓋部24とによって構成される。インクタンク21は、インクを収容する空間であるインク収容室(第1収容室)201と、空気を収容する空間である空気収容室(第2収容室)202とを有する。空気収容室202は、インク収容室201よりも上方に設けられている。インク収容室201と空気収容室202との間は、仕切り壁26によって仕切られている。インク収容室201の開口部は第1蓋部23に覆われている。空気収容室202の開口部は第2蓋部24に覆われている。インク収容室201の底面には、インク収容室201と記録ヘッド10のインク受け部とを接続し連通するためのインク供給口25が設けられている。また、空気収容室202の上面には、大気と連通しインク収容室201内のインクの消費に伴って外部の空気をインク収容室201内に導入可能な大気導入口27が設けられている。インク収容室201と空気収容室202との間の仕切り壁26には、微小連通部(連通路)28が設けられている。この連通路28によりインク収容室201と空気収容室202とは連通している。インク収容室201は、連通路28と空気収容室202を介して、大気導入口27において大気と連通している。空気収容室202は、通常は空気を収容しているが、インク収容室201内の空気が熱膨張する等してインクが連通路28を逆流したときに、インクが外部へ漏れ出さないように、内部にインクを収容することができる。
【0016】
インク収容室201を形成するタンク容器22と第1蓋部23、及び、空気収容室202を形成するタンク容器22と第2蓋部24は、それぞれ超音波溶着や熱溶着等の手段によって接着される。接着後は、それぞれが正常に接着されているかを検査するために後述するリーク検査(リークチェック)が行う。リーク検査は、インクタンク21の接着面に隙間がないかを検査するものである。仮に、隙間があれば、インクタンク21内のインクが外部に漏れ出る、熱膨張等によって逆流したインクを空気収容室202に収容できない等の問題が生じるおそれがある。
【0017】
次に、本実施形態におけるリーク検査の方法について説明する。図4は、本実施形態に係るインクタンクのリーク検査時の模式図である。本実施形態では、リーク検査時に、インクタンク21の大気導入口27には加圧ポンプ151を取り付ける。また、インクタンク21のインク供給口25には圧力測定機152を取り付ける。そして、加圧ポンプ151によりインクタンク21の内部に空気を送り込みながら、圧力測定機152によりインクタンク21の内部の圧力を測定する。このとき、インクタンク21の内部の圧力が増加していれば、接着面は隙間なく正常に接着されていることが分かる。一方、インクタンク21の内部に空気を送り込んでも内部の圧力が増加しなければ、インクタンク21の接着面から外部へ空気が漏れ出している(リークしている)ことが分かる。
【0018】
従来のインクタンク31は、図5に示すように、インク収容室301と空気収容室302とを覆う1枚の蓋部33を、タンク容器32に接着する構成であった。このような構成のインクタンク31では、上記のリーク検査を行った場合、タンク容器32と蓋部33の外周部分が正常に接着されているか否かを検査することはできる。しかし、インク収容室301と空気収容室302と仕切る仕切り壁36と蓋部33との間が正常に接着されているか否かを検査することはできない。
【0019】
本実施形態では、インク収容室201の開口部と空気収容室202の開口部とが異なる面に形成され、インク収容室201の開口部を覆う第1蓋部23と、空気収容室202の開口部を覆う第2蓋部24とがそれぞれ別々にタンク容器22に接着されている。そのため、上記のリーク検査において、タンク容器22の外周部分だけでなく、第1蓋部23と仕切り壁26との間、及び、第2蓋部24と仕切り壁26との間が正常に接着されているか否かも検査することができる。この結果、機能が保証されたインクタンクを判別することが可能となる。
【0020】
以上、本実施形態に係るインクタンクによれば、上述したリーク検査によりインクタンクの蓋部が正常に接着されているか否かを検査可能となる。
【0021】
なお、本発明においては、インクタンクに設けられた空間は、インク収容室と空気収容室とに限ることはなく、第1収容室にインクを保持する負圧発生部材を収容し、第2収容室に第1収容室に供給されるインクを収容する構成としても良い。この場合でも、第1実施形態の場合と同様、2つの蓋部によって第1収容室、第2収容室を形成することができるため、同様のリーク検査により機能が保証されたインクタンクを判別することができる。
【0022】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0023】
図6は、本発明の第2実施形態に係るインクタンク41の斜視図である。本実施形態に係るインクタンク41は、第1実施形態とは、インク収容室401の開口部と空気収容室402の開口部の向きが異なっている。本実施形態では、インク収容室401は、インクタンク41の側面に開口部を有している。一方、空気収容室402は、インクタンク41の底面に開口部を有している。したがって、インク収容室401の開口部を覆う第1蓋部43は側面から接着され、空気収容室402の開口部を覆う第2蓋部44は底面から接着される。
【0024】
インクタンク41をこのように構成にした場合においても、図4で示したリーク検査によって、第1蓋部43と仕切り壁46との間、及び、第2蓋部44と仕切り壁46との間が正常に接着されているか否かを検査することができる。
【0025】
以上、本実施形態においても第1実施形態と同様に本発明の効果を得ることができる。
【0026】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0027】
図7は、本発明の第3実施形態に係るインクタンク51の斜視図である。本実施形態に係るインクタンク51は、インク収容室501の開口部と空気収容室502の開口部とをそれぞれインクタンク51の同一の向きの側面に設けている。そして、インク収容室501と空気収容室502を仕切る仕切り壁56の間に段差を設ける構成としている。このような構成として、インク収容室501の開口部と空気収容室502の開口部とを1つの蓋部で接着するのではなく、それぞれの開口部毎に第1蓋部53と第2蓋部54とを接着するようにしている。第1蓋部53は、空気収容室502の開口部にかからずにインク収容室501の開口部を覆う。第2蓋部54は、インク収容室501の開口部にかからずに空気収容室502の開口部を覆う。このように、インク収容室501は、タンク容器52と第1蓋部53とにより空間が形成される。また、空気収容室502は、タンク容器52と第2蓋部54とにより空間が形成される。インク収容室501と空気収容室502とは連通路58により連通している。
【0028】
インクタンク51をこのような構成にした場合においても、図4で示したリーク検査によって、第1蓋部53と仕切り壁56との間、及び、第2蓋部54と仕切り壁56との間が正常に接着されているか否かを検査することができる。
【0029】
以上、本実施形態においても上記実施形態と同様に本発明の効果を得ることができる。
【0030】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0031】
図8は、本発明の第4実施形態に係るインクタンク61の斜視図である。本実施形態に係るインクタンク61は、インク収容室601の開口部と空気収容室602の開口部とをそれぞれインクタンク51の同一の向きの側面に設けている。また、インク収容室501と空気収容室502を仕切る仕切り壁56との間に段差は設けられていない。しかし、仕切り壁66に対して第1蓋部63と第2蓋部64とをそれぞれ別々に接着する構成としている。第1蓋部63は、空気収容室602の開口部にかからずにインク収容室601の開口部を覆う。第2蓋部64は、インク収容室601の開口部にかからずに空気収容室602の開口部を覆う。このように、インク収容室601は、タンク容器62と第1蓋部63とにより空間が形成される。また、空気収容室602は、タンク容器62と第2蓋部64とにより空間が形成される。インク収容室601と空気収容室602とは連通路68により連通している。
【0032】
インクタンク61をこのような構成にした場合においても、図4で示したリーク検査によって、第1蓋部63と仕切り壁66との間、及び、第2蓋部64と仕切り壁66との間が正常に接着されているか否かを検査することができる。
【0033】
以上、本実施形態においても上記実施形態と同様に本発明の効果を得ることができる。
【0034】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0035】
図9は、本発明の第5実施形態に係るインクタンクが用いられるインクジェット記録装置の模式断面図である。本実施形態におけるインクジェット記録装置101は、装置本体の前面にインクタンク112が備え付けられている。インクタンク112は、対応するインク色(例えば、ブラックBk、シアンC、マゼンタM、イエローY)毎にそれぞれ備え付けられている。インクタンク112とキャリッジに搭載された記録ヘッド110は、供給チューブ111によって接続されている。インクタンク112の内部に収容されたインクは、供給チューブ111を介して記録ヘッド110へ供給される。
【0036】
図10は、本発明の第5実施形態に係るインクタンクの斜視図である。図10(b)は、図10(a)を反対側から見たときの斜視図である。また、図11は、本実施形態に係るインクタンクの側面図である。図11(a)は、図10においてインクタンク112をC1方向から見たときの側面図である。図11(b)は、図10においてインクタンク112をC2方向から見たときの側面図である。
【0037】
インクタンク112の上面には、図10(a)に示すように、ユーザーがインクを注入するためのインク注入口71が設けられている。インク注入口71には、インク注入口71を塞ぐためのタンクキャップ113が取り付けられている。ユーザーは、インクタンク112内のインク量が少なくなった場合等に、タンクキャップ113を取り外してインク注入口71を露出させ、インクをそのインク注入口71から注入することで、インクタンク112内にインクを補充することができる。
【0038】
インクタンク112は、タンク容器72と、第1蓋部73と、第2蓋部74とによって構成される。インクタンク112は、インクを収容する空間であるインク収容室(第1収容室)701と、空気を収容する空間である空気収容室(第2収容室)702とを有する。空気収容室702は、インク収容室701よりも上方に設けられている。インク収容室701と空気収容室702との間は、仕切り壁76によって仕切られている。インク収容室701の開口部は第1蓋部73に覆われている。空気収容室702の開口部は第2蓋部74に覆われている。インク収容室701の底面付近には、インク収容室701と記録ヘッドとを連通させる供給チューブを接続するためのインク供給口75が設けられている。また、空気収容室702の上面には、大気と連通しインク収容室701内のインクの消費に伴って外部の空気をインク収容室701内に導入可能な大気導入口77が設けられている。インク収容室701と空気収容室702との間の仕切り壁76には、微小連通部(連通路)78が設けられている。この連通路78によりインク収容室701と空気収容室702とは連通している。インク収容室701は、連通路78と空気収容室702を介して、大気導入口77において大気と連通している。空気収容室702は、通常は空気を収容しているが、インク収容室701内の空気が熱膨張する等してインクが連通路28を逆流したときに、インクが外部へ漏れ出さないようにインクを収容することができる。
【0039】
次に、本実施形態におけるリーク検査の方法について説明する。図12は、本実施形態に係るインクタンクのリーク検査時の模式図である。本実施形態では、リーク検査時に、インクタンク112の大気導入口77には加圧ポンプ161を取り付ける。また、インクタンク112のインク供給口75には圧力測定機152を取り付ける。また、インクタンク112のインク注入口71はバルブ163により閉塞させる。そして、加圧ポンプ161によりインクタンク112の内部に空気を送り込みながら、圧力測定機162によりインクタンク112の内部の圧力を測定する。このとき、インクタンク112の内部の圧力が増加していれば、接着面は隙間なく正常に接着されていることが分かる。一方、インクタンク112の内部に空気を送り込んでも内部の圧力が増加しなければ、インクタンク121の接着面から外部へ空気が漏れ出している(リークしている)ことが分かる。
【0040】
本実施形態では、インク収容室701の開口部と空気収容室702の開口部とが異なる面に形成され、インク収容室701の開口部を覆う第1蓋部73と、空気収容室702の開口部を覆う第2蓋部74とがそれぞれ別々にタンク容器72に接着されている。そのため、上記のリーク検査において、タンク容器72の外周部分だけでなく、第1蓋部73と仕切り壁76との間、及び、第2蓋部74と仕切り壁76との間が正常に接着されているか否かも検査することができる。この結果、機能が保証されたインクタンクを判別することが可能となる。
【0041】
以上、本実施形態に係るインクタンクによれば、上述したリーク検査によりインクタンクの蓋部が正常に接着されているか否かを検査可能となる。
【符号の説明】
【0042】
21 インクタンク
22 タンク容器
23 第1蓋部
24 第2蓋部
25 インク供給口
26 仕切り壁
27 大気導入口
28 連通路
201 インク収容室
202 空気収容室
図1
図2
図3
図4
図5
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図12