(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】水耕栽培機
(51)【国際特許分類】
A01G 31/04 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
A01G31/04 Z
(21)【出願番号】P 2022132229
(22)【出願日】2022-08-23
(62)【分割の表示】P 2021548223の分割
【原出願日】2020-02-18
【審査請求日】2022-09-05
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521362379
【氏名又は名称】ハイドログリーン,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グロース,ディール
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】リビングストン,クレイグ
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/030524(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
様々な種子を水耕栽培する水耕種子栽培システムであって、
複数の苗床を提供するための長さおよび幅を有する複数の高さ位置で構成可能なフレーム構造と
、
種子ベルトローラと前記苗床によって支持された動きを有する種子ベルトであって、前記苗床の上の種子の水耕栽培を支持し、栽培される前後に前記種子を動かすための種子ベルトと、
前記苗床の長さに沿う第1の方向に前記種子ベルトを動かすために動作可能な種子ベルト駆動機構と、
前記第1の方向と反対方向の第2の方向に前記種子ベルトを動かすために動作可能な種子ベルトローラ駆動機構と、
種子源に接続された取入れ口と、
前記種子ベルト駆動機構による前記種子ベルトの前記第1の方向の動きの間に前記種子ベルトの上へ前記種子を放出するための放出端と、を有する種まき機であって、前記種まき機の前記放出端からの前記種子の放出中に前記放出端が前記種子ベルトに対して隣接する位置に配置される前記種まき機と、
前記種子ベルトの上の前記種子に灌水するために前記苗床に構成された複数の液体分配器と、
前記種子ベルトローラに隣接して配置された前記苗床の放出口側と、を特徴とし、前記種子ベルトの動きの間に前記苗床の前記放出口側で種子栽培物が収穫され、前記種子栽培物の収穫の間に
前記種子ベルトローラ駆動機構によって前記第2の方向に動いている前記種子ベルトから前記種まき機の前記放出端が離隔して配置される、水耕種子栽培システム。
【請求項2】
前記種まき機および前記フレーム構造に駆動機構が動作可能に接続されて、前記第1の方向の動きの間に前記種子ベルトの上へ前記種子を分注するための前記種子ベルトに対して前記隣接する位置へ前記種まき機の前記放出端を回転させる、請求項1に記載の水耕種子栽培システム。
【請求項3】
前記種まき機は、前記種子ベルトの上への前記種子の放出中には垂直に近くなるよう向けられる、請求項1に記載の水耕種子栽培システム。
【請求項4】
前記種まき機は、前記種子ベルトからの前記種子栽培物の収穫中には水平に近くなるよう向けられる、請求項1に記載の水耕種子栽培システム。
【請求項5】
前記種まき機は、前記複数の苗床のうちの2つの間に配置される、請求項1に記載の水耕種子栽培システム。
【請求項6】
前記種まき機の前記放出端は、前記苗床の幅にわたって配置されて前記第1の方向の動きの間に前記種子ベルトの幅にわたって前記種子を均一に分注するための開口を有する、請求項1に記載の水耕種子栽培システム。
【請求項7】
前記種まき機の前記放出端は、前記第1の方向の動きの間に前記種子を前記苗床の上に均一に行き渡らせるための種子レーキを含む、請求項1に記載の水耕種子栽培システム。
【請求項8】
前記種まき機の前記放出端は、前記第1の方向の動きの間に前記種子を前記苗床の上の複数の畝に分離するための種子レーキを含む、請求項1に記載の水耕種子栽培システム。
【請求項9】
様々な種子を水耕栽培するための水耕種子栽培機であって、
複数の苗床を有するフレーム構造であって、各々の苗床が前記フレーム構造の長さおよび幅にわたって配置されるフレーム構造と、
前記複数の苗床の各々の上の種子ベルトであって、
少なくとも一つの種子ベルトローラと前記苗床によって支持された動きを有するとともに荷降ろし位置と積込み位置とを有する種子ベルトと、
前記種子ベルトを前記荷降ろし位置
から前記積込み位置
まで動かすために前記種子ベルトに動作可能に取り付けられた種子ベルト駆動機構
と、
前記種子ベルトを前記積込み位置から前記荷降ろし位置まで動かすために前記種子ベルトに動作可能に取り付けられた種子ベルトローラ駆動機構であって、前記種子ベルトが前記荷降ろし位置から前記積込み位置までの第1の方向
に前記種子ベルト駆動機構の動作によって動き、前記積込み位置から前記荷降ろし位置までの
、前記第1の方向とは反対方向の第2の方向に
前記種子ベルトローラ駆動機構の動作によって動く種子ベルト駆動機構と、
種子源に接続された取入れ口と前記種子ベルトの上へ種子を放出するための放出端とを有する種子分注器を備えた種まき機であって、前記種子ベルトが前記第1の方向に動作しているときに前記放出端が前記種子ベルトの上面に近接する種子放出方向と、前記種子ベルトが前記第2の方向に動作しているときに前記放出端が前記種子ベルトの前記上面から離隔して配置される種子充填方向と、を有する種まき機と、
前記種子ベルトの上の前記種子に灌水するために前記苗床に構成された複数の液体分配器と、
前記種子ベルトローラに隣接して配置された前記苗床の放出口側と、を特徴とし、前記種子ベルトの動きの間に前記苗床の前記放出口側で種子栽培物が収穫され、前記種子ベルトが前記第2の方向に動作しているときに前記種まき機が前記種子充填方向にある、水耕種子栽培機。
【請求項10】
前記種子ベルトに隣接して動作可能に配置され、前記種子ベルトの前記第2の方向の動きの間に降ろされた種子栽培物を分離するための裁断器をさらに備え、前記裁断器は、前記種子ベルトから前記種子栽培物を受け取る取入れ口と、前記種子栽培物の分離された部分を分配するための放出口とを有する、請求項9に記載の水耕種子栽培装置。
【請求項11】
前記種子分注器に動作可能に取り付けられ、前記第1の方向に動作しているときに前記種子ベルトの上へ分注される前記種子の厚さを制御するために前記種子放出方向にある前記種子分注器の前記放出端の前記種子ベルトに対する位置を制御する支持板をさらに備える、請求項9に記載の水耕種子栽培装置。
【請求項12】
前記複数の液体分配器は、前記種まき機が前記種子充填方向にあるときに前記種子に灌水する、請求項9に記載の水耕種子栽培装置。
【請求項13】
前記種子は、前記種子放出方向と前記種子充填方向の双方において、前記取入れ口と放出口の間で前記種子分注器に充填されている、請求項9に記載の水耕種子栽培装置。
【請求項14】
前記種子分注器は、前記種子ベルトが前記第2の方向に動作しているときに前記種子充填方向において略水平の向きを有する、請求項9に記載の水耕種子栽培装置。
【請求項15】
前記種子分注器は、前記種子ベルトが前記第1の方向に動作しているときに前記種子放出方向において略垂直の向きを有する、請求項9に記載の水耕種子栽培装置。
【請求項16】
様々な種子を水耕栽培する方法であって、
水平に配置された複数の苗床であって、各々が長さおよび幅を有してフレーム構造によって動作可能に支持された複数の苗床を設けることと、
種子を受け取るために前記水平に配置された前記苗床の前記長さに沿って種子ベルトの上面を上方に向けるために前記種子ベルトを
種子ベルト駆動機構に
よって少なくとも1回動かすことと、
種子分注器の放出端を前記種子ベルトにすぐ隣接した位置に配置するために前記種子分注器
の放出端を第1の回転位置へ回転させることと、
前記苗床において前記種子分注器に前記種子を充填して前記種子分注器から前記種子ベルトの上へ前記種子を分注するために駆動機構を作動させることと、
前記種子ベルトの上の前記種子に灌水するために複数の液体分配器を振動させることと、
前記種子ベルト
を種子栽培物を荷下ろしするための他の配置へ
種子ベルトローラ
駆動機構に
よって少なくとももう1回動かすことと、を特徴とする、種子を水耕栽培する方法。
【請求項17】
前記種子分注器
の前記放出端を前記第1の回転位置へ回転させるために駆動機構を作動させることをさらに含む、請求項16に記載の種子を水耕栽培する方法。
【請求項18】
駆動機構を作動させることにより前記種子ベルトを前記少なくとも1回動かすことをさらに含む、請求項16に記載の種子を水耕栽培する方法。
【請求項19】
前記種子分注器の前記放出端を前記種子ベルトから離隔させて配置するための第2の回転位置へ前記種子分注器
の前記放出端を回転させるために前記駆動機構を作動させることをさらに含む、請求項16に記載の種子を水耕栽培する方法。
【請求項20】
駆動機構を作動させることにより前記種子ベルトを前記少なくとももう1回動かすことをさらに含む、請求項16に記載の種子を水耕栽培する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の提示
本出願は、内容すべてが全体として参照により本明細書に組み込まれている、2019年2月19日に「HYDROPONIC GROWER」という名称で出願された米国仮特許出願第62/807,623号に対する優先権を主張する、2021年8月17日に出願された日本国特許出願第2021-548223号の分割出願であって、日本国特許出願第2021-548223号は、国内移行済み出願(371出願)であり、2020年2月18日に出願された国際特許出願第PCT/US20/18595号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、水耕栽培機に関する。排他的ではないがより詳細には、本開示は、水耕栽培装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
水耕種子栽培は、多くの理由でますます関心を集めている。場合により、種子を育てるための増え続けるコストは、法外な高さになっている。種子を育てるための代替の方策が、いち早く最優先課題になりつつある。種子を栽培するための投入の欠乏ならびにこれらおよび他の投入のコストもまた、種子の水耕栽培への関心の増大に寄与している。他の課題には、労働コスト、労働者の利用可能性、栽培した生産物の一貫性、農地の利用可能性の縮小およびコストの増大、カーボンフットプリントの削減、非常に人口密度の高い地域での食料の利用可能性、ならびにホールフードに関する公益が含まれる。さらに、既存の水耕システムでは、種子を水耕栽培するための費用効果の高い解決策に対する現在の課題および必要性が解決されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本開示の目的、特徴、または利点は、種子を栽培するための既存の水耕および非水耕プロセスの欠点に対処する水耕栽培装置、システム、および方法を提供することである。
【0005】
多くの場合、水耕システムは、種子生産量および投資利益率を不可欠の要因にすることなく開発および販売される。言い換えれば、既存のシステムは、群のサイズに適するように容易に調節することができない。
【0006】
したがって、本開示の別の目的、特徴、または利点は、所望される特有の種子生産量に適するように完全に調節可能であり、他の水耕および非水耕種子栽培の選択肢と比較したときに考慮される投資基準における利益を満たす水耕栽培装置、システム、および方法を提供することである。
【0007】
種子を栽培する上で重要な要因は、投入のコストである。水の利用可能性およびコストは、ますます重要になっている。水耕種子栽培および非水耕種子栽培のどちらにとっても、水および/または液体の保全は最優先課題である。重要な、確かに関連する考察対象となる他の投入には、種子を水耕栽培するプロセスにおける種子のコストおよび種子の保存が含まれる。さらなる他の投入または課題には、必要とされる動作占有面積または床面積、必要とされる電気、および必要性およびコストに従って投入および生産を調節する能力、比較的低い動作コストで種子を水耕栽培しながら健康な種子栽培物または生きた緑餌を年365日提供するためのプロセスへの関連する投入が潤沢であるか否かが含まれる。
【0008】
したがって、本開示の別の目的、特徴、または利点は、種子を水耕栽培するためのプロセスに関連する各課題および他の要因または課題に対処する解決策を提供することによって、種子を水耕栽培するために必要とされる投入に対する投資利益率を最大化する水耕栽培装置、システム、および方法を提供することである。
【0009】
本開示のさらなる目的、特徴、または利点は、種子の前処理および後処理、種子の栽培、ならびにプロセスで使用される他の投入の管理のための費用効果の高い解決策を提供しながら、水耕種子栽培機に必要な変動を満たすための調節式システムとして設計された水耕栽培装置、システム、および方法を提供することである。
【0010】
本開示のさらに別の目的、特徴、または利点は、発芽している穀粒もしくは種子のタイプまたは最終生産物の用途に応じて3から7日間またはより短いもしくはより長い周期で収穫することができるオオムギおよびコムギなどの小さい穀粒または種子のための水耕栽培機を提供することである。
【0011】
本開示のさらに別の目的、特徴、または利点は、収穫ボタンを押すことによってシステムが種子の収穫、洗浄、種まき、および再成長を繰り返し行う完全に自動化されたシステムを提供することである。
【0012】
本開示のこれらおよび/または他の目的、特徴、または利点のうちの一つ以上が、以下の本明細書および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示は、水耕栽培機を提供する。水耕栽培機は、種子栽培システム、装置、および方法である。
【0014】
水耕システムは、たとえば、一つ以上の苗床を提供するための長さおよび幅を有する一つ以上の高さ位置で構成可能なフレーム構造を含む種子栽培システムとすることができる。少なくとも一つのローラによって、各苗床の周りに種子ベルトを回転可能に支持することができる。種子ベルトは、一つ以上の苗床の上で種子を水耕栽培するように構成される。種子ベルトモータおよび駆動機構を、種子ベルトモータによって動作可能になるように構成することができる。駆動機構は、種子ベルトを回転させるように動作可能に取り付けられる。種まき機が、苗床の上に回転可能に取り付けられており、種まき機は、種子ホッパなどの種子源66に接続された取入れ口と、種子ベルト上へ種子を分注するための放出端とを有するように構成することができる。種子栽培システムは、降ろされた種子栽培物を横断方向に裁断するように液体を放出する液体ノズルを各々有する一つ以上の第1の裁断器を含む。一つ以上の第1の裁断器は、少なくとも部分的にフレーム構造の幅にわたって横断方向に動くように構成されたキャリッジに動作可能に取り付けることができる。種子栽培システムはまた、降ろされた種子栽培物を横方向に裁断するように液体を放出するための液体ノズルを各々有する一つ以上の第2の裁断器を有するように構成することができる。一つ以上の第2の裁断器は、フレーム構造の幅にわたって隔置することができる。
【0015】
水耕システムは、たとえば、様々な種子を水耕栽培するための水耕種子栽培機を含む種子栽培装置とすることができる。水耕種子栽培機は、フレーム構造によって動作可能に支持された複数の苗床を含むことができ、各苗床は、フレーム構造の長さおよび幅にわたって配置される。種子ベルトが、複数の苗床の各々において、種子栽培位置への積込み位置と種子栽培位置からの荷降ろし位置との間で動作可能である。種子栽培位置への積込み位置と種子栽培位置からの荷降ろし位置との間で種子ベルトを回転させるように、種子ベルトモータを種子ベルトに動作可能に取り付けることができる。降ろされた種子栽培物を第1の方向に沿って裁断するように、液体ノズルを種子ベルトに隣接して動作可能に取り付けることができる。液体ノズルは、降ろされた種子栽培物を裁断するように液体を放出するための放出口と、加圧液体源に動作可能に接続された入口とを有するように構成することができる。
【0016】
水耕システムは、たとえば様々な種子を水耕栽培する方法など、種子を水耕栽培する方法とすることができる。この方法は、フレーム構造によって動作可能に支持された長さおよび幅を各々有する一つ以上の苗床を設けることを含むことができる。工程は、たとえば、一つ以上の苗床の各々の周りで、種子栽培位置への積込み位置と種子栽培位置からの荷降ろし位置との間で種子ベルトを回転させることと、種子ベルトの上へ種子を放出して、一つ以上の苗床の上で種子を水耕栽培することと、液体流が液体ノズルを出る経路を通って種子栽培物を降ろし、降ろされた種子栽培物を第1の方向に裁断することとを含むことができる。
【0017】
本開示の図示の態様について、参照により本明細書に組み込まれている添付の図面を参照して、以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の例示的な態様による水耕栽培機の側面斜視図である。
【
図5】本開示の例示的な態様による積込み位置にある種子ベルトの上面斜視図である。
【
図6】本開示の例示的な態様による荷降ろし位置にある種子ベルトの上面斜視図である。
【
図7】本開示の例示的な態様による水耕栽培機の種子ベルトリターンシステムの斜視図である。
【
図8】種子ベルトリターンシステムの上面図である。
【
図9】種子ベルトリターンシステムの端面図である。
【
図10】本開示の例示的な態様による水耕栽培機の種子ベルト駆動システムの斜視図である。
【
図11】クラッチが係合されている単一の種子ベルト駆動機構を示す種子ベルト駆動システムの斜視図である。
【
図12】クラッチが切断されている単一の種子ベルト駆動機構を示す種子ベルト駆動システムの別の斜視図である。
【
図13】本開示の例示的な態様による水耕栽培機の裁断器の上面図である。
【
図15】本開示の例示的な態様による水耕栽培機の種子分注システムの斜視図である。
【
図16】単一の種子分注機構を示す種子分注システムの斜視図である。
【
図17】単一の種子機構および種子ステージングカラムを示す種子分注システムの斜視図である。
【
図18】本開示の例示的な態様による水耕栽培機の種子洗浄器の斜視図である。
【
図19】照明システムを示す水耕栽培機の一部分の側面斜視図である。
【
図20】灌水システムを示す水耕栽培機の一部分の側面斜視図である。
【
図21】別の灌水システムを示す水耕栽培機の一部分の側面斜視図である。
【
図22】
図21の灌水システムをさらに示す水耕栽培機の一部分の端面斜視図である。
【
図23】別の灌水システムを示す水耕栽培機の一部分の側面斜視図である。
【
図24】本開示の例示的な態様による水耕栽培機のための液体の散布、処理、収集、および再循環の概略図である。
【
図25】本開示の例示的な態様による水耕栽培機のためのコントローラ、駆動機構、および電力印加システムの概略図である。
【
図26】本開示の例示的な態様による水耕栽培機のための種子および栽培植物の処理および栽培システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、たとえば、水耕栽培装置、システム、および方法を提供する。概して、水耕栽培装置、システム、および方法は、必要性および/または必要性の変化、投入のタイプおよび/もしくはコストならびに/または投入のタイプおよび/もしくはコストの変化、水耕栽培機を収納するための利用可能な占有面積および/または利用可能な占有面積の変化、群のサイズおよび/またはサイズの変化、利用可能な労働者の数および/または利用可能な労働者の数の変化、気候および/または気候の変化、栽培機の割当て可能な資源および/または栽培機の割当て可能な資源の変化に従って、動作、構成、および拡大縮小することができる。以下の内容は、本開示の水耕栽培装置、システム、および方法のうちの一つ以上に対する例示的な態様および説明である。
【0020】
I.水耕栽培機
図1から
図26は、例示的な態様による水耕栽培機10の図的表現である。様々な図に示す栽培機10は、複数の垂直部材12および複数の水平部材14を含み、これらの部材は、一つ以上の苗床18を有する直立型種子栽培台16を形成するように、取外し可能に相互接続される。各垂直部材12は、高さ調整可能な脚部20において下部で終端するように構成することができる。各脚部20は、種子栽培台16の一つの垂直部材12の別の垂直部材12に対する相対垂直位置または高さを変化させるように調整することができる。水平部材14は、一つ以上の長手方向部材24に取外し可能に相互接続された一つ以上の横方向部材を含むように構成することができる。1対の垂直部材12が、横方向部材22によって横方向に分離され、それによって種子栽培台16の幅または奥行を画定する。栽培機10の少なくとも一つの態様では、横方向部材22は、種子栽培台16の幅/奥行が2フィートから最大で8フィートの範囲となり、特有の応用例ではより幅広くなることができるように構成することができる。一態様では、栽培台16は、幅6フィートである。栽培機10の他の構成では、たとえば、栽培機10を収納する構造に対する所望の種子栽培生産量および占有面積に基づいて、6から8フィートを超える幅/奥行も企図される。より狭い幅/奥行が必要とされる場合、横方向部材22は、種子栽培台16の幅/奥行が6フィート未満、さらには特有の応用例では2フィート未満になるように構成することができる。部材12、14、22、および24は、栽培機10を形成する他の部材を含めて、ステンレス鋼、軟鋼(粉末塗装)、軟鋼(亜鉛めっき)、亜鉛めっき鋼、溶融亜鉛めっき鋼、および同様の金属/金属合金組成物から構成することができるが、本明細書に明示的に提供するものに限定されるものではない。栽培機10の部材は、ベイクオン粉末塗料、液体塗料、高温亜鉛めっき仕上げ、および/またはステンレス鋼仕上げを含むことができる。企図される部分はすべて、正確なCAD図面仕様にレーザ裁断し、適当な形状に曲げることができ、たとえば軟鋼の場合、粉末塗装または亜鉛めっきまたは塗装することができる。したがって、栽培機10は保守が少なくて済み、腐食性の環境を含む様々な環境内で長期使用が可能である。また理想的には、各横方向部材22は、栽培機10の素早い組立て、解体、および再組立てを可能にするために、さねはぎ接続などのコネクタ26によって、垂直部材12に取外し可能に相互接続される。さねはぎ接続が指定されているが、本開示では、本開示の構成要素、部分構成要素、およびアセンブリを相互接続するための他のコネクタ、付属品、および取付け手段も企図される。たとえば、スロットおよび/またはボルト構造を使用して、栽培機10の構成要素を取外し可能に一体に固定することができる。水平部材14は、横方向部材22および長手方向部材24を含むことができる。本明細書に記載するように、横方向部材22はまた、横断方向部材としても説明される。長手方向部材24は、一つ以上のコネクタ26によって、横方向部材22に取外し可能に相互接続される。理想的には、横方向部材22は、栽培機10の素早い組立て、解体、および再組立てを可能にするために、さねはぎ接続によって長手方向部材24に取外し可能に相互接続される。さねはぎ接続26が指定されているが、本開示では、本開示の構成要素、部分構成要素、およびアセンブリを相互接続するための他のコネクタ、付属品、および固定手段も企図される。長手方向部材24は、横方向に種子栽培台16の奥行/幅にわたって、概ね等しく隔置される。少なくとも一つの態様によれば、長手方向部材24は、各苗床18の重量を最善に保持するために、最大6インチだけ隔置される。長手方向部材24に対する他の間隔距離も企図される。たとえば、長手方向部材24は、3インチなど、互いにより近づけて隔置することができ、または8インチ以上など、より遠くに離して隔置することができる。長手方向部材24の間隔は、苗床18を支持するための下張り床を提供する。
【0021】
垂直部材12の長さは、種子栽培台16の高さを大まかに決定する。垂直部材12の高さを調整することによって、種子栽培台16の高さを調整することができる。種子栽培台16の高さは、たとえば、栽培機10を収納する構造の所望の種子栽培生産量および利用可能な占有面積に従って構成することができる。垂直に構築された種子栽培台16は、一つ以上の苗床18を有するように構成することができる。少なくとも一つの構成では、種子栽培台16は、一つから六つの苗床18を有するように構成することができる。別の構成では、種子栽培台16は、一つから七つの苗床18を有するように構成することができる。別の構成では、種子栽培台16は、七つ以上の苗床18を有するように構成することができる。苗床18の数は、栽培機10を収納する構造の必要性および利用可能な占有面積に従って増大または減少させることができる。場合により、種子栽培台16は、八つ以上、九つ以上、またはさらには10個以上の苗床18、またはさらには13個以上の苗床18を有するように構成することができる。種子は、高さ、追加の栄養素、灌水、照明などに応じて、およそ5から7日で十分に成長した状態まで水耕栽培することができる。苗床18の数は、種子が植物を成熟まで成長させるのに必要な時間に基づいて構成することができる。たとえば、栽培機10は、種子栽培が6日間の周期で行われる場合、六つの苗床18を有するように構成することができ、したがって6日間の給餌周期で毎日一つの苗床18から栽培植物を収穫することができる。栽培機10は、7日間の給餌周期の場合、一つの床18から毎日収穫することによって、七つの苗床18を有するように構成することができる。より多くの成熟した植物が必要とされる場合、操作者は、各床18の栽培時間を増大させることができる。たとえば、各苗床18に対して6日間の栽培周期の場合、ウシ、ウマ、大型のブタ、ヒツジ、ヤギなど、すべてのタイプの中型から大型の動物への給餌に好適な栽培植物が得られる。同様に、各苗床18に対して3日間の栽培周期の場合、家禽およびブタなど、小型から中型の動物への給餌に好適な栽培植物が得られる。垂直空間が制限されている場合、苗床18間の間隔もまた、種子栽培台16の苗床18の数を決定することができる。たとえば、垂直間隔が制限されているとき、苗床18間の間隔を増大させることで、種子栽培台16の苗床18の数を減少させることができる。別法として、垂直間隔が制限されているとき、苗床18間の間隔を減少させることで、種子栽培台16の苗床18の数を増大させることができる。
【0022】
種子栽培台16の長さは、水平部材14の長さによって概ね決定される。1対の垂直部材12が、一つ以上の水平部材14によって取外し可能に相互接続されて、種子栽培台16の径間を形成する。足場板と同様に、水平部材14は、概して苗床18用の下張り床を形成するように構成される。苗床18の長さは、水平部材14の長さによって概ね決定される。少なくとも一つの構成では、水平部材14は長さ8フィートである。栽培台16は、一つ以上の8フィート区間25から構成することができる。区間25の長さは、長さ8フィート以上または長さ8フィート以下に変更することができる。一態様では、各区間が長さ8フィートである。たとえば、栽培台16は、一つの8フィート区間、二つの8フィート区間、三つの8フィート区間、四つの8フィート区間、五つの8フィート区間、六つの8フィート区間、またはそれ以上を構成することができる。これは、種子栽培台16が、8フィート、16フィート、24フィート、32フィート、40フィート、48フィート、またはそれ以上の全長を有するように構成することができることを意味する。当然ながら、栽培機10を収納する構造の所望の栽培種子生産量および利用可能な占有面積に従って、他の長さも企図される。
【0023】
種子栽培台16の寸法は、栽培機10を収納する構造の必要性、所望の栽培植物生産量、利用可能な占有面積などに従って構成可能である。種子栽培台16の構成要素の各々は、種子栽培台16を調節することができ、それによって拡大縮小可能な栽培機10を提供することができるように構成される。たとえば、苗床18の長さは、栽培機10を収納する構造の必要性、所望の栽培植物生産量、利用可能な占有面積などに従って構成可能とすることができる。少なくとも一つの構成では、苗床18の各区間25の長さは、8フィート区間25の数を増大させることによって、8フィートから16フィート、16フィートから24フィート、24フィートから32フィート、32フィートから40フィート、40フィートから48フィートなどの長さで拡大縮小可能とすることができる。別法として、苗床18の長さは、苗床18の長さを変更することによって、栽培機10を収納する構造の必要性、所望の栽培植物生産量、利用可能な占有面積に従って構成可能とすることができ、苗床18の長さは、8フィート区間25の数を減少させることによって、48フィートから40フィート、40フィートから32フィート、32フィートから24フィート、24フィートから16フィート、16フィートから8フィートなどの長さで拡大縮小可能とすることができる。ここに寸法が提供されているが、本開示では、栽培機10の拡大縮小可能性において他の増分も企図される。コネクタ26のタイプにより、栽培機10の素早い組立て、解体、および再組立てが可能になる。さらに、コネクタ26および栽培機10の全体的な設計により、栽培機10を収納する構造の必要性、所望の栽培植物生産量、利用可能な占有面積、および本明細書に記載する他の考慮基準に適するように、栽培機10のサイズ/スケールの素早い拡大または縮小が可能になる。例として、栽培機10は、8フィートの種子栽培台16として構成することができ、設計は高度に拡大縮小可能であるため、16、24、32、48フィート、またはそれ以上の種子栽培台16など、より大きい種子栽培台16に迅速に変換することができる。同様に、より大きい種子栽培台16は、栽培機10を収納する構造の必要性の減少、所望の栽培植物生産量、もしくは利用可能な占有面積の変化、または本明細書に記載する他の考慮基準の変化に対応するように、より小さい種子栽培台16として迅速に再構成することができる。組み立てられたとき、種子栽培台16を変更しまたは平らにする必要が生じることがある。脚部20は、各種子栽培台16の高さ位置を調整するように調整可能である。
【0024】
II.苗床、種子ベルト、および駆動機構
各苗床18は、種子栽培台16によって動作可能に支持された種子フィルムなどの種子ベルト28を含む。種子ベルト28は、種子栽培台16の幅/奥行に従って構成することができる。例として、種子ベルト28の幅/奥行は、種子栽培台16の幅/奥行の変化に従って変更することができる。種子フィルムなどの種子ベルト28は、ビニル、ポリカーボネート、ゴム、ニトリルゴム、ポリ塩化ビニル、または他の同様の材料から構成することができる。種子ベルト28の材料は、鶏糞ベルトに使用される材料などのポリカーボネートまたはポリプロピレン材料から作られたフィルム材料とすることができる。種子ベルト28の材料は、液体に対して疎水性、半疎水性、または透過性を有することができる。少なくとも一つの態様では、種子ベルト28の上で液体を維持するために、疎水性の材料を用いることができる。別の態様では、液体が種子ベルト28を通過することを可能にするために、透過性または半透過性の材料を用いることができる。両者の利点および欠点は、本明細書に論じる。一態様では、種子ベルト28は不連続であり、離れたまたは分離された末端部32Aおよび32Bを有する。種子ベルト28は、少なくとも苗床18の長さと、概ね苗床18の幅とを有し、種子を保持する苗床を提供するように構成される。種子ベルト28は、苗床18にわたって動くように構成される。種子ベルト28は、水平部材14の上に載っており、水平部材14の上を摺動する。種子ベルト28と水平部材14との間には、種子ベルト28が束縛されたり動かなくなったりすることなく水平部材14の上を摺動することが可能になるように、一つ以上のスキッドまたはスキッド板(図示せず)を配置することができる。加えて、種子ベルト28を設置する前、または種子ベルト28がローラ30に巻き取られているときに、一つ以上の潤滑剤を水平部材14に散布することができる。
【0025】
種子ベルト28の動きを提供するために、種子ベルト28の末端部32Aは、ローラ30に動作可能に取り付けられる。ローラ30は、苗床18の端部に、1対の垂直部材12間の幅にわたって構成される。種子ベルト28は、種子ベルト28が第1の方向に動いているとき、ローラ30に巻き取られている。種子ベルト28の末端部32Bは、連結部34を有するように構成される。連結部34は、好ましくは、種子ベルトの末端部32Bの幅にわたって固定される。種子ベルト28は、第1の方向とは反対の第2の方向に種子ベルト28の末端部32Bを引っ張ることによって、ローラ30から繰り出される。このようにして、末端部32Bは、本明細書に論じる目的で、第1および第2の両方向に苗床18の長さにわたって動く。本開示では、離れた別個の(たとえば、末)端部を有する不連続ベルトとして構成された種子ベルト28が企図されるが、本開示の少なくとも一態様では、種子ベルト28は、末端部32Aおよび32Bが互いから分離され、連結部34によって相互接続された不連続ベルトとして構成することができる。連結部34は、ケーブル、ワイア、ロープ、ブラケット、または他の同様の連結部材とすることができる。種子ベルト28の末端部32間に、一つ以上の連結部34を相互接続することができる。種子ベルト28および連結部34はともに、連続ベルトを構成することができる。したがって、種子ベルト28は、マット部分36および連結部分34を含む。種子ベルト28は、苗床18によって支持される。種子ベルト28のマット部分36および一つ以上の連結部34は、苗床18によって動作可能に支持することができる。種子ベルト28のマット部分36は、ローラに巻き取られている。一態様では、ローラ30は、ベルトローラとして構成することができる。一態様では、ローラ30は、ローラ30への巻取りおよびローラ30からの繰出しのとき、ベルト28のより良好な追従を提供するように、苗床18の端部に沿って位置を調整可能である。本開示では、ベルトローラについて説明するが、動いているときの種子ベルト28の回転、位置合わせ、および追従を補助するように構成された他のローラタイプも企図される。種子ベルト28の末端部32Bは、種子ベルトがローラ30に巻き取られているときに末端部32Bとともに動くように動作可能に取り付けられたプッシュバー35を有するように構成することができる。プッシュバー35は、種子ベルト28の幅にわたって配置されており、ローラ30に向かう種子栽培の動きを補助し、第1および第2の方向の動き中に種子ベルト28の末端部32Bを安定させることを支援する。
【0026】
ローラ30の回転および第1の方向における種子ベルトの動きは、ローラ30を回転させるように動作可能に接続または構成された駆動機構37Aを使用して実現することができる。種子ベルト28の末端部32Bに取り付けられた連結部34およびプッシュバー35の両方が、種子ベルト28の末端部32Bとともに第2の方向に動くことは、リール31を回転させるように動作可能に接続または構成された駆動機構37Bを使用して実現することができる。ベルトリターン26のケーブル33が、種子ベルト28を第2の方向に動かすようにリール31に巻き取られている。ケーブル33は、駆動機構37Bの動作下で種子ベルト28を第2の方向に動かすように連結部34およびリール31に動作可能に取り付けられる。駆動機構37Aおよび37Bは、電気式、空圧式、油圧式、またはさらには手動で動力供給されるモータとすることができる。一態様では、駆動機構37Aおよび37Bは、種子栽培台16から離れたまたは種子栽培台16に付属する電源によって動力供給される電気モータである。電気モータは、断続負荷12VDC、10+アンペアのモータなどの高トルクモータとすることができる。たとえば、駆動機構37Aは、収穫中に種子ベルト28上でより重い負荷を動かすために、独立した電源および12Vモータの代わりに使用される16Vモータに電気的に接続することができる。電気モータは、自動または手動のコントローラ140によって制御することができる。ローラ30のトルクを管理するように、駆動機構37Aとローラ30との間にクラッチ29Aを構成することができる。クラッチ29Bもまた、リール31のトルクを管理するように、駆動機構37Bとリール31との間に構成することができる。クラッチ29Aおよび29Bは、電気式、空圧式、油圧式、またはさらには手動で動力供給することができる。一態様では、クラッチ29Aおよび29Bは、対向するクラッチ板27Aおよび27AAならびにクラッチ板27Bおよび27BBを係合および切断するように、空圧源74Aおよび74Bによって空圧式に駆動される。各クラッチのクラッチ板は、平面の、起伏のある、または歯状の表面外形を有することができる。駆動機構37A、駆動機構37B、ならびにクラッチ29Aおよび29Bを動作させるための動力(たとえば、空圧源74Aおよび74B)は、任意の数の電源から得ることができる。たとえば、種子栽培台16は、電気化学源または電力貯蔵デバイス138などの交流(AC)電流源または直流(DC)源である電源とともに動作可能に構成することができる。それだけに限定されるものではないが、太陽光発電、グリッドパワー、自己発電、または手動操作を含む他の電源も企図される。一態様では、電力変換器136を使用して、交流が直流電力に変換される。電力変換器136からの直流電力は、栽培機および栽培機を動作させる電気システムに動力供給するために使用される。直流電力を使用した栽培機10の運用には、たとえば、操作者または保守要員にとって命にかかわる感電の可能性を最小化/除去することを含めて、いくつかの利益がある。加えて、電池などの一つ以上の電気化学セルまたは電力貯蔵デバイス138に交流電力を充電することができ、停電中にはこれを放電して、栽培機10に電力を提供することができる。一態様では、栽培機10は、電力のない状態で、または停電中に、12から16時間、またはそれ以上にわたって動作することができる。
【0027】
種子ベルト28が第1の方向に動かされるとき、ローラ30と駆動機構37Aとの間に動作可能に取り付けられたクラッチ29Aは、係合され(すなわち、クラッチ板27Aおよび27AAがともに締結される、
図11参照)、駆動機構37Bとリール31との間に動作可能に取り付けられたクラッチ29Bは、切断され(すなわち、クラッチ板27Bおよび27BBが互いから解放される、
図8参照)、種子ベルト28は、駆動機構37Aの作動によってローラ30に巻き取られ、コネクタ26のケーブル33は、リール31から繰り出される。逆に、種子ベルト28が第2の方向に動かされるとき、ローラ30と駆動機構37Aとの間に動作可能に取り付けられたクラッチ29Aは、切断され(すなわち、クラッチ板27Aおよび27AAが互いから解放される、
図12参照)、駆動機構37Bとリール31との間に動作可能に取り付けられたクラッチ29Bは、係合され(すなわち、クラッチ板27Bおよび27BBがともに締結される、
図9参照)、種子ベルト28は、ローラ30から繰り出され、コネクタ26のケーブル33は、駆動機構37Bの作動によってリール31に巻き取られる。種子ベルト28は、駆動機構37Aまたは37Bを動作させることによって、荷降ろし位置と積込み位置との間、およびこれらの間の連続位置間を動く。種子ベルト28が苗床18の上に位置し、かつ末端部32Bがリール31に近接しているとき、種子ベルト28は、「積込み位置」にある(たとえば、
図5参照)。逆に、末端部32Bがローラ30に近接しており、かつ種子ベルト28がローラ30に巻き取られているとき、種子ベルト28は、「荷降ろし位置」にある(たとえば、
図6参照)。苗床18の両端に近接して、一つ以上のリミットスイッチを配置することができる。リミットスイッチは、種子ベルト28の動きを監視するように動作可能に取り付けることができる。リミットスイッチは、種子ベルト28の末端部32Bで連結部34またはプッシュバー35に動作可能に取り付けられた一つ以上のスイッチ部材45によって作動させることができる。一態様では、リミットスイッチは、ローラ30およびリール31に対する末端部32Bの位置を監視することができる。たとえば、末端部32Bがローラ30に近接したとき、駆動機構37Aをオフにし、かつ/またはクラッチ29Aを切断して、種子ベルト28の動きを停止することができる。逆に、末端部32Bがリール31に近接したとき、ベルトリターン26の駆動機構37Bをオフにし、かつ/またはクラッチ29Bを切断して、種子ベルト28の動きを停止することができる。種子ベルト28を動かす前に、コントローラ140は、駆動機構37Aおよび/または駆動機構37Bを起動して、種子ベルト28から張力を取り除き、クラッチ29Aおよび/またはクラッチ29Bがそれぞれの駆動機構37Aまたは37Bに対して係合または切断されることを可能にすることができる。各クラッチ29Aおよび29Bは、クラッチ29Bを駆動機構37Bから切断する前に駆動機構37Aが苗床28を動かすことを防止し、またはクラッチ29Aを駆動機構37Aから切断する前に駆動機構37Bが苗床28を動かすことを防止するために、クラッチ位置を検証するための一つ以上のセンサを含むことができる。種子ベルト28の動きを監視および制御し、駆動機構37A-Bを監視および制御し、クラッチ29A-Bを監視および制御するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0028】
III.種子に対する液体散布
各苗床18は、各種子ベルト28の上に配置された種子に灌水するように各苗床18の上に動作可能に構成された液体散布器38A、38B、および38Cを含む。液体散布器38Aは、種子ベルト28の少なくとも一つの縦方向の縁に隣接して構成される。液体散布器38Aはまた、種子ベルト28の少なくとも一つの横方向の縁に隣接して動作可能に構成することができる。好ましくは、液体散布器38Aは、種子ベルト28の縦方向の縁に隣接して構成され、それによって種子ベルト28および種子ベルト28の上に配置された種子にドリップフラッド灌水を提供する。液体散布器38Aは、液体ガイド39と、液体出口42を有する液体分配器40Aとを含み、液体出口42は、概して山(より高い)および谷(より低い)部分を提供する鋸歯状または波状の外形などの概して起伏のある外形を有している。液体散布器38Aは、液体収集器46または配管された液体源43などの液体源43からの液体を運ぶように構成された液体管路41Aを含むことができる。液体は、一つ以上の開口を通って液体管路41Aを出て、液体管路41Aを出るときに液体ガイド39および液体分配器40Aによって捕捉される。液体管路41A内の一つ以上の開口は、設定された時間枠にわたって既知のまたは定量化可能な量の液体を液体ガイド39内へ断続的に滴らせる液体ドリッパとして構成することができる。一つ以上の開口は、液体管路41Aの長さに沿って断続的に構成することができ、または液体管路41Aの長さに沿ってグループごとに分散させることができる。液体管路41A内の一つ以上の開口は、水を苗床18へ等しく分散させて液体を各苗床18上へゆっくりと滴らせるように動作可能に構成することができる。水耕栽培の初期段階中には、種子を濡れた状態で維持することが重要である。種子を濡らすために水の層47を提供する種子ベルトのドリップ灌水は、液体散布器38Aを動作させることによって実現される。液体散布器38Aは、手動で、または制御システム140によって動作させられる一つ以上のコントローラを使用して自動で動作させることができる。一つ以上の液体バルブのオンおよびオフ位置を制御することによって、液体散布器38Aによって種子に灌水するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0029】
ドリップまたはフラッド灌水は、制御された、さらには分配による流れで、苗床18上の種子に液体を提供することができる。液体分配器40Aは、液体が液体管路41Aを出るときに液体を収集するように適合された液体ガイド39(たとえば、フード部分)を有するように構成することができる。収集された液体は、液体分配器40Aによって均一に分散され、液体出口42を介して液体分配器40Aを出て種子ベルト28上に落ちる。少なくとも一つの態様によれば、液体は、液体出口42の谷(より低い)部分を通って種子ベルト28上に落ちる。このようにして、出ていく液体は、種子ベルト28にわたって均一に分散される。液体散布器38Aは、概して、種子ベルト28の縦方向の縁から種子ベルト28に灌水するように構成される。液体散布器38Aは、概して種子ベルト28の高さより上の高さで、種子ベルト28の縦方向の縁に沿って動作可能に構成することができる。一態様では、液体分配器40Aは、種子ベルト28の縦方向の縁から内方へ延び、それによって種子ベルト28の中心に向かう方向へ、種子ベルト28の縦方向の縁からさらに距離をあけて液体出口42を配置するように動作可能に構成することができる。別の態様では、液体分配器40Aは、液体出口42に向かう液体の動きを促すため、下向きの外形を有するように構成することができる。少なくとも一つの設計によれば、液体分配器40Aから出た液体は、種子ベルト28の上で、種子ベルト28の上の種子塊の下および/またはその間を進む。液体散布器38の他の構成も本明細書で企図される。たとえば、一つの設計では、液体は、液体管路41Aを通って液体散布器38に入り、複数の開口を通って液体管路41Aを出る。液体管路41Aからの液体は、まとまって小さい液溜りを形成し、液体分配器40Aの長さにわたって液体の均衡な分配をもたらす。この小さい液溜りが満杯になったとき、液体は、液体出口42の歯同士の間など、液体出口42から溢れ出る。このようにして、液体は、種子栽培台16の各苗床18の全長にわたって等しく分散される。液体出口42から出た液体は、各苗床18の種子ベルト28上へ滴り落ち、種子ベルト28上の種子の塊の下を流れて種子に水分を与える。種子ベルト28上の種子の根系は、毛細管作用とともに、種子を通って液体を持ち上げて、すべての種子および/または植物に水を与える。
【0030】
液体散布器38Bが、各苗床18の上に配置される。液体散布器38Bは、液体源43に動作可能に配管された液体管路41B内に動作可能に構成された複数の液体分配器40Bを含む。液体分配器40Bは、各種子ベルト28の上に配置された種子に噴霧灌水するための単一または2重帯の噴霧ヘッド/先端部などの噴霧ヘッドとすることができる。一態様では、複数の液体管路41Bが、各苗床18の上に隔置された配列で配置される。各液体管路41Bは、苗床18の長さを横断し、液体源43に接続するように配管される。他の液体管路41Bは、苗床18の幅を横断するように構成することができる。液体は、各種子ベルト28の上の種子に噴霧灌水するように、各液体分配器40Bから放出される。別の態様では、各液体管路41Bは、各種子ベルト28の上の種子の表面積全体に及ぶように、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、またはそれ以上の移動半径にわたって、前後に振動させられる。2重角度の噴霧ヘッドが液体分配器40Bに使用される場合、各液体管路41Bの振動行程を低減させることができ、それによって液体散布器38Bの摩擦、摩耗、および引き裂けを低減させることができる。駆動機構37Cは、各管路を移動半径にわたって振動または回転させるように、各液体管路41Aに動作可能に接続することができる。液体散布器38Bは、制御システム140によって動作させられる一つ以上のコントローラを使用して、手動または自動で動作させることができる。液体散布器38Bを使用して種子ベルト28に灌水するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0031】
液体散布器38Cが、各苗床18の上に配置される。液体散布器38Cは、液体源43に動作可能に配管された液体管路41C内に動作可能に構成された複数の液体分配器40Cを含む。液体分配器40Cは、各種子ベルト28の上に配置された種子に噴霧灌水するための単一または2重角度のヘッドなどの噴霧ヘッドとすることができる。一態様では、液体管路41Cが、各苗床18の上にローラ30および種子分注器52に近接して配置されており、概して各苗床18の幅を横断する。各液体管路41Cは、液体源43に接続するように配管される。液体は、種子分注器52から各種子ベルト28上へ放出されるとすぐに種子に噴霧灌水するように、各液体分配器40Cから放出される。液体管路41Cは、各苗床28の下面に静止した状態で取り付けることができる。別法として、液体管路41Cは、種子分注器52から各種子ベルト28の上に放出された種子のより大きい表面積に及ぶように、液体管路41Bと同様に、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、またはそれ以上の移動半径にわたって、前後に振動させることができる。2重帯の噴霧ヘッド/先端部が液体分配器40Cに使用される場合、各液体管路41Cの振動行程を低減させることができ、それによって液体散布器38Cの摩擦、摩耗、および引き裂けを低減させることができる。振動が所望される場合、液体散布器38Bを作動させるための駆動機構37Cと同種の駆動機構を使用して、液体散布器38Cを作動させることができる。液体散布器38Cは、制御システム140によって動作させられる一つ以上のコントローラを使用して、手動または自動で動作させることができる。液体散布器38Cを使用して種子ベルト28に灌水するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0032】
液体散布器38Dは、ローラ30に隣接して配置されており、種子ベルト28のローラ30への巻取りおよびローラ30からの繰出しの際、種子ベルト28に液体を誘導するための一つ以上の液体分配器40Dを含む。液体散布器38Dは、ローラ30に巻き取る前に、種子ベルト28から破片、汚染物質、かび、菌類、細菌、および他の異物/不要物質を取り除くように構成される。液体散布器38Dはまた、ローラ30から種子ベルト28を繰り出している間に、種子ベルト28から破片、汚染物質、かび、菌類、細菌、および他の異物/不要物質を取り除くように構成される。液体分配器40Dは、ローラ30に噴霧するための単一または2重角度のヘッドなどの噴霧ヘッドとすることができる。液体管路41Dは、液体源43に接続するように配管される。一態様では、液体散布器38Dに提供される液体は、種子ベルト28上の細菌、菌類、またはかびを死滅させるために、塩素または過酸化水素などの一つ以上の添加物または消毒剤を含むことができる。一態様では、過酸化水素は、かび胞子、菌類、または細菌を死滅させる一方で、種子ベルト28上に存在する善玉菌が消毒プロセス中に破壊されるのを防止するための消毒剤として使用される。液体散布器38Dはまた、種子が種子分注器52から種子ベルト28上へ解放されるとき、消毒剤によって種子に灌水するために使用することができる。消毒剤は、種子ベルト28上の種子を消毒するために使用することができる。コントローラ140によって動作可能な時間遅延を使用して、新鮮な水の灌水を施す前に消毒剤が所望の時間にわたって種子上に留まることを可能にすることができる。液体散布器38Dは、制御システム140によって動作させられる一つ以上のコントローラを使用して、手動または自動で動作させることができる。液体散布器38Dを使用して種子ベルト28に洗浄、スケール除去、および消毒を施すプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0033】
液体散布器38A-Dを使用した液体散布の継続時間およびタイミングは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。液体散布器38Aは、苗床28への種まきの直後に、種子を液体で濡らすように動作させることができる。栽培の初期、中期、および後期の段階の種子に、液体散布器38Aを使用して灌水することができる。液体散布器38Bもまた、苗床28への種まきの直後に、種子を液体で濡らすように動作させることができる。また栽培の初期、中期、および後期の段階の種子に、液体散布器38Bを使用して灌水することもできる。液体散布器38A-Dは、同時に、断続的に、交互に、また互いに独立して動作させることができる。種子栽培の初期段階中には、発芽を促すために、種子を最もよく濡らすように、両方の液体散布器38A-Bが動作させられる。栽培の後期段階中には、液体散布器38Aを使用して、液体散布器38Bより多く灌水することができる。別法として、種子栽培物の浸潤の度合いに応じて、液体散布器38Bを使用して、液体散布器38Aより多く灌水することができる。液体散布器38Cは、苗床28への種まきおよび第2の方向への苗床28の移動中に、苗床18の上に分注された種子に噴霧して種子を液体で濡らすように動作させることができる。一態様では、液体散布器38Cに提供される液体は、種子内の細菌、菌類、またはかびを死滅させるために、塩素または過酸化水素などの一つ以上の添加物または消毒剤を含むことができる。一態様では、過酸化水素は、かび胞子、菌類、または細菌を死滅させる一方、種子内に存在する善玉菌が消毒プロセス中に破壊されるのを防止するための消毒剤として使用される。液体散布器38A-Dに提供される液体は、消毒剤および/または栄養素などの添加物を含むこともできる。液体散布器38A-Dから分注される液体には、健康な植物の成長を促し、かつ/または収穫された種子における所望の栄養素の存在を増大させるために、一般に知られている植物栄養素などの栄養素を加えることができる。液体散布器38C-Dはまた、ローラ30への巻取りまたはローラ30からの繰出しの前および/または後に、種子ベルト28を衛生化するために使用することができる。
【0034】
各液体分配器38A-Dによって使用される液体内に一つ以上の消毒剤を含むことによって、液体分配器38A-Dおよびその様々な構成要素を、栽培機10の他の構成要素とともに衛生化することができる。たとえば、栽培機10によって使用される液体内に一つ以上の消毒剤を含むことによって、液体ガイド39、液体管路41A-D、液体出口42、排水溝44、液体収集器46、種子ベルト28、液体分配器40A-C、および栽培機10の他の構成要素を衛生化することができる。別の態様では、種まきおよび収穫の前、途中、または後に、液体散布器38A-Dを使用して、種子ベルト28を洗浄および衛生化することができる。灌水および裁断のための液体を運び、または一つ以上の苗床18および裁断器100からの灌水もしくは裁断流出水を受け取る栽培機10のあらゆる構成要素を消毒または衛生化するように、離れた液体分配器またはマニホルドを構成することができる。
【0035】
IV.照明
各苗床18は、種子ベルト28の上の種子または種子塊の水耕栽培を容易にするために、種子ベルト28の上の種子に照明する光源49を収納する一つ以上の照明要素48を含む。照明要素48は、各苗床18の上に直接/間接的に動作可能に配置される。照明要素48は、コントローラ140を使用して、高さ位置ごとにオフおよびオンにすることができる。照明要素48は、電気化学源もしくは電力貯蔵デバイス138、電源差込み口、および/または太陽光発電によって動力供給することができる。一態様では、照明要素48は、直流電力によって動力供給される。企図される照明要素48には、たとえば、ハロゲン化物、ナトリウム、蛍光性、およびLEDのストリップ/パネル/ロープが含まれるが、本明細書に明示的に提供するものに限定されるものではない。一つ以上の反射器(図示せず)を用いて、各苗床18の上に配置されていない遠隔源からの光の向きを変えることもできる。照明要素48は、コントローラ140、タイマ、ユーザインターフェースによって、または遠隔で動作可能に制御することができる。照明要素48の動作は、栽培機10の一つ以上の動作によって引き起こすことができる。たとえば、種子ベルト28の動作は、照明要素48の動作を引き起こすことができる。苗床18に照明するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。一態様では、照明要素48は、低熱放射で全紫外(UV)スペクトルの発光ダイオードであり、コントローラ140によって周期的にオフおよびオンにされ、好ましくは24時間周期で18時間はオン、6時間はオフにされる。
【0036】
V.種まき
これらの図は、例示的な態様による種まき機50の図的表現を提供する。種まき機50は、種子ホッパなどの種子源66に接続するように構成された取入れ口54と、種子ベルト28上へ種子を分注するための放出口56とを有する種子分注器52を含む。種子分注器52は、苗床18の幅にわたって延びるように構成することができ、ローラ30またはリール31に隣接する各苗床18の一端に近接して各苗床18の上に配置することができる。一態様では、種子分注器52は、種子ベルト28がローラ30から繰り出されて、末端部32Bがリール31の方へ引っ張られるとき、種子ベルト28上へ種子を分注するように、ローラ30に近接して各苗床18上に配置される。フレックスオーガなどのオーガ58が、取入れ口54内に配置されており、種子源66からの種子を計量して計量開口55および放出口56から出すように、駆動機構37Dによって駆動される。各種子分注器52は、苗床18の上に回転可能に取り付けられており、放出口56が種子ベルト28に密接に隣接して配置され、かつ種子分注器52が垂直近くに向けられる第1の位置と、放出口56が種子ベルト28の上に配置され、かつ水平位置近くに向けられる第2の位置との間で、駆動機構37Eによって回転させられる。種子分注器52は、計量されて種子ベルト28上へ落とされる種子をさらに制御するために、種子をオーガ58から放出口56へ所望のパターンまたは方向で案内または誘導するように、オーガ58と放出口56との間に隔置された一つ以上の脈、隆起、チャネル、ダクト、または要素61を含むことができる。動いている種子ベルト28上へ種子が分注される間、種子ベルト28上で種子分注器56の放出口56を支持して種子ベルト28から適切に隔置するように、各種子分注器52の放出口56に支持板60を動作可能に取り付けることができる。動いている種子ベルト28上へ種子が分注される間、種子ベルト28の幅にわたって種子を均一にならすように、各種子分注器52の放出口56に種子レーキ62を動作可能に取り付けることもできる。種子レーキ62は、種子を畝に分離して、散水を促す。駆動機構37Dおよび37Eは、電気式、空圧式、油圧式、またはさらには手動で動力供給されるモータとすることができる。一態様では、駆動機構37Dおよび37Eは、空圧源74からの圧縮空気によって空圧式で駆動される。駆動機構37Eの場合、放出口56を第1の位置と第2の位置との間で回転させるために、苗床18および種子分注器52に空圧シリンダを動作可能に取り付けることができる。空圧駆動機構は、種子分注器52の重量および動きを最もよく支持するために、各苗床18の幅の中間に配置することができる。駆動機構37Eは、空圧源74からの圧縮空気によって動作させることができる。駆動機構37Dを制御し、駆動機構37Eを制御することによって種子分注器52を回転させることによって、オーガ58によって種子を計量するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。加えて、種子分注器52内の種子の高さを監視するように、一つ以上のセンサ69を種子分注器52内で構成することができる。たとえば、種子分注器52内の種子高さが特定の水準を下回って低下し、センサによって検出されたとき、種まき中に種子ベルト28の幅全体にわたって種子の均等な分布を保証するために、種子分注器52が再び種子で充填されるのを待つように、種子ベルト28の動きを停止することができる。センサ69は、種子の存在を検出するのに好適な圧力、光、音、または他のタイプのセンサとすることができる。センサ69は、種子の存在を検出するのに好適な圧力スイッチ、光スイッチ、音スイッチ、または他のタイプのスイッチなどのスイッチとすることができる。取入れ口54と放出口56との間の種子分注器に種子を充填することで、種子分注器が満杯になったことを示すようにセンサ69を作動させることができ、それによってコントローラ140の動作可能な制御下でオーガ58をオフにすることができる。センサ、リレー、配線、コネクタ、および他の機材の数を低減させるために、センサを一つ以上のタイマと組み合わせて動作させることができる。駆動機構37Dの動作は、種子分注器内の一つ以上のセンサ69からのフィードバックによって制御することができる。たとえば、種子分注器内の種子の高さが特定の水準を下回って低下したとき、種子ベルト28が動いている間または停止されている間に、駆動機構37Dを作動させて種子を種子分注器52に入れ、種子分注器52を種子で充填することができる。
【0037】
種まき機50はまた、種子源66から各種子分注器52の取入れ口54へ種子を運搬するための種子コンベア64を含む。種子コンベア64は、種子源66と種子分注器52との間に動作可能に取り付けられた一つ以上の区間の導管を含むことができる。種子源66は、種子ホッパとすることができ、種子ホッパの上端を通して、種子が種子ホッパ内へ導入される。企図される種子には、たとえば、コムギ、オオムギ、アルファルファ、クローバ、エンバク、モロコシ、青物野菜、エンドウ、ヒマワリ、ソバ、キビ、アサ、マイクログリーン、背の低い野菜、およびライが含まれるが、本明細書に明示的に提供するものに限定されるものではない。種子は、所望の栄養素および消化パラメータの種子ブレンドを作るために、種子の混合物を含むことができる。たとえば、オオムギおよびエンドウなどの種子ブレンドを使用して、栽培植物内の栄養素含有量(たとえば、オメガ含有量)を増大させることができる。栽培植物は、飼料、植物油、食料保存料および添加物、医療用途、栄養補助食品、プロテイン製品、化粧品、および他の用途に使用することができる。種子コンベア64の一つ以上の区間の導管は、種子を種子コンベア64の導管に通すためのオーガ68を含むことができ、これは、羽根付きまたは螺旋形のオーガを定位置で回転させることなどによって行われる。別の態様では、断続的に隔置された単体の羽根またはガスケット70を使用して、種子が種子コンベア64に通され、羽根またはガスケット70は、ドローケーブル72に固定されており、ドローケーブル72は、駆動機構37Fによって種子コンベア64の導管を通って引っ張られる。種子はまた、空圧源74からの圧縮空気を使用して種子コンベア64を通して計量することができる。駆動機構37Fは、電気式、空圧式、油圧式、またはさらには手動で動力供給されるモータとすることができる。駆動機構37Fを制御することによってオーガ68またはガスケット70によって種子を運搬するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0038】
種まき機50は、種子コンベア64内に動作可能に配置された種子洗浄器76を含むことができる。多くの場合、生またはバルク種子は、破片および他の汚染物質を含む。種子洗浄器76は、種子を種子分注器52へ運搬する前に、破片および汚染物質を種子から除去する。種子洗浄器76は、種子入口80および種子放出口82を有する分離器ハウジング78を含み、種子入口80と種子放出口82との間には、一つ以上のオーガ84が、導管86内に垂直に配置されており、導管86は、羽根88の直径を有する。羽根88は、好ましくは不連続であり、それによって断続的に隔置された羽根の区間同士の間に、種子、破片、および汚染物質が一つの高さ位置の羽根から次の高さ位置の羽根へ自由落下するための間隙を残す。真空管路90が、種子入口80またはその付近に動作可能に接続され、反対側の端部は真空源92に接続される。種子は、種子コンベア64を通って種子洗浄器76内へ種子入口80から導入され、羽根88を降下して、各オーガ84の羽根88の間隙同士の間を自由落下する。破片および汚染物質は、真空管路90内へ吸い込まれ、種子は、破片および汚染物質のない状態で種子放出口を通って降下し、破片および汚染物質は、ゴミ容器94内へ吸引される。吸引された破片は、コンベアベルト124、126上へ放出することができ、裁断された栽培植物部分とともに放出することができる。破片は、種子からの殻の形をしていることが多く、概ね粗飼料に基づいており、動物に与えることができる。落ちた種子は、破片および汚染物質より大きい質量を有しており、したがって種子は真空管路によって吸引されない。手動でまたはコントローラ140によって制御される真空管路90上のバルブ98を開くと、分離器ハウジング78内の吸引力を減少させることができ、またはバルブ98を閉じると、吸引力を増大させることができる。洗浄された種子は、種子放出口82を出て、各種子分注器52と連通するように動作可能に接続されたステージングカラム96へ、種子コンベア64によって機械的に運搬される。種子は、種子が各種子ベルト28上へ分注されるとき、ステージングカラム96から各種子分注器52内へ引き込まれる。ステージングカラム96は、種子の分注中、種子コンベア64から種子を充填し続ける。場合により、種子は、種子も吸引しなければ吸引することができないほど大きい破片を含む。種子放出口82の出口には、種子洗浄器76を通過する際に吸引することができないほど大きい破片を選別するために、スクリーン(図示せず)を動作可能に配置することができる。種子洗浄器76内の種子にUV光を照射して種子上の細菌を死滅させるように、一つ以上のUV照明要素を動作可能に構成することができる。バルブ98の開閉位置の制御、種子へのUV光の照射、および種子洗浄器76の一般的な動作によって、種子洗浄器76によって種子を洗浄するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0039】
VI.裁断
これらの図は、例示的な態様による裁断器100の図的表現を提供する。各苗床18が、裁断器100を含む。裁断器100は、荷降ろし板102を含み、荷降ろし板102は、ローラ30に隣接して栽培機10に動作可能に取り付けられており、発芽した種子、根の塊、茎部分、および葉からなる栽培植物を収穫するために苗床18の幅にわたって延びる。本開示の目的で、発芽した種子、根の塊、茎部分、および葉を参照するとき、「栽培植物」という用語が使用される。栽培植物とは、栽培機10から収穫されたものである。荷降ろし板102を再び参照すると、板は、入口側104と放出口側106との間に隔置された両側の外縁部103A-Bを含むように構成される。放出板は、種子ベルト128と概ね同じ幅を有する。入口側104は、種子ベルト28の方を向いており、降ろされた栽培植物を受け取るように、ローラ30にすぐ隣接して配置される。放出口側106は、外方を向いており、裁断された栽培植物を降ろすように、ローラ30から離れる方へ延びる。少なくとも一つの高圧液体ノズル108が、荷降ろし板102の上面に動作可能に取り付けられており、入口側104と放出口側106との間の幅の概ね中間に配置される。液体ノズル108は、高圧液体流を直接上方へ誘導するように向けられている。一つ以上のポート107が、放出口側106と液体ノズル108との間で幅にわたって荷降ろし板102を通って延びる。一態様では、ポート107は、液体流が通過するのにちょうど十分な幅の狭いチャネルとして構成され、概ね荷降ろし板102の幅にわたって延び、ノズル108と放出口側106との間に配置される。荷降ろし板102の下面には、荷降ろし板102の下面に動作可能に取り付けられたキャリッジ112に、少なくとも二つの高圧液体ノズル110が動作可能に取り付けられる。一態様では、キャリッジ112は、たとえば一つ以上の滑り軸受を使用して、一つ以上の案内シャフト113に動作可能に取り付けられる。液体ノズル110は、荷降ろし板102内のポート107を通って高圧液体流を直接上方へ誘導するように向けられている。駆動機構37Gが、第1の位置と第2の位置との間でキャリッジ112を作動させるように、キャリッジ112に動作可能に取り付けられる。駆動機構37Gは、ACもしくはDC電流で動作する高トルク電気モータ、または空圧/油圧モータもしくはシリンダとすることができる。一態様では、電気モータは、断続負荷12VDC、10+アンペアのモータとすることができる。第1の位置と第2の位置との間のキャリッジ112の動きにより、液体ノズル110のうちの第1の液体ノズルが、ポート107の概ね半分にわたって動き、液体ノズル110のうちの第2の液体ノズルが、ポート107の概ね残り半分にわたって動く。別法として、降ろされた栽培植物の幅にわたって裁断するために、単一の液体ノズルまたは複数の液体ノズルをキャリッジ112に取り付けることができる。駆動機構37Gは、電気式、空圧式、油圧式、またはさらには手動で動力供給されるモータとすることができる。一態様では、駆動機構37Gは、電池または共用サービスラインへ差し込まれたAC-DC電力変換器136などの電源からの直流電力によって電気的に駆動される。駆動機構37Gを制御して、第1の位置と第2の位置との間で相反する第1および第2の方向にキャリッジ112の動きを制御するように、一つ以上のスイッチまたはセンサ(図示せず)を動作可能に構成することができる。一態様では、キャリッジ112は、荷降ろし板102の下面上を幅にわたって動く。キャリッジ112の第1の位置で、液体ノズル110のうちの第1の液体ノズルは、外縁部103Aにほぼ隣接して位置し、液体ノズル112のうちの第2の液体ノズルは、荷降ろし板102の概ね中間に位置する。キャリッジ112の第2の位置で、液体ノズル110のうちの第1の液体ノズルは、荷降ろし板102の概ね中間に位置し、液体ノズル110のうちの第2の液体ノズルは、外縁部103Bにほぼ隣接して位置する。動作中、液体ノズル110は、駆動機構37Gの作動によって、キャリッジの第1の位置と第2の位置との間を前後に往復する。キャリッジ112を第1の位置と第2の位置との間で動かすように駆動機構37Gを作動させるプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。このようにして、動作の際、液体ノズル108は、降ろされた栽培植物を第1の方向に裁断し、液体ノズル110は、液体ノズル108の第1の方向とは反対の第2の方向に、降ろされた栽培植物を裁断する。
【0040】
一態様では、液体ノズル108は、降ろされた栽培植物の中間点に沿って長手方向に裁断し、液体ノズル110は、降ろされた栽培植物の幅にわたって横断方向に裁断する。このようにして、降ろされた栽培植物は、種子ベルト28上の栽培植物の質量より小さい部分に裁断される。栽培植物の各裁断片の長さは、種子ベルト28の速度の増大もしくは減少、またはキャリッジ112の往復速度の増大もしくは減少によって制御することができる。栽培植物の裁断片のサイズを増大させるには、種子ベルト28またはキャリッジ112の速度を低減させることができる。別法として、栽培植物の裁断片のサイズを減少させるには、種子ベルト28またはキャリッジ112の速度を増大させることができる。種子ベルト28およびキャリッジ112の速度を制御するように駆動機構37Aおよび37Gを制御するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0041】
本明細書に論じるように、液体ノズル110を有するキャリッジ112は、荷降ろし板102の下面に動作可能に固定されており、カバー板114を使用して、液体ノズル108および液体ノズル110からの液体による下からの影響から保護される。荷降ろし板102とカバー板114との間の距離115は、5から8.5インチ、4から7.5インチ、6から9.5インチの範囲とすることができる。一態様では、板102および114間の距離115は、より背の高い栽培植物が裁断のために板102および114間を通過することを可能にするために、少なくとも8.5インチである。
【0042】
液体源43から液体を受け取る高圧ポンプなどのポンプ116を、たとえば可撓性の高圧ホースを使用して、液体ノズル110および液体ノズル112と液体連通するように、動作可能に配管することができる。ポンプ116は、少なくとも一つのモードにおいて、2000から2,500psi(lbf/in2:重量ポンド毎平方インチ)で動作することができる。別のモードでは、ポンプは、2000psiより低いまたは2,500psiより高い圧力で動作することができる。一態様では、ポンプ116は、4ガロン/分の液体流量において、液体ノズルを2,200psiで動作させるように構成される。高圧バルブなどの一つ以上のバルブ118を、液体ノズル108と液体ノズル110との間に流体連通するように配管することができる。バルブ118は、手動で、またはコントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/もしくは遠隔制御装置によって電子式に制御することができる。
【0043】
VII.液体散布、処理、収集、および再循環
これらの図は、栽培機10に対する液体の処理、収集、および再循環の図的表現を提供する。栽培機10に液体を供給するために、液体源43が必要とされる。液体源43と液体連通するように、一つ以上のポンプが配管される。一態様では、高圧ポンプ116は、液体源43と液体連通するように配管される。液体ノズル108および液体ノズル110は、ポンプ116と液体連通するように配管される。ポンプ116と液体ノズル108および液体ノズル110との間に、一つ以上の可撓性の高圧ホースを動作可能に構成することができる。ポンプ116は、少なくとも一つのモードにおいて、2000から3,000psiで動作することができる。別のモードでは、ポンプは、2000psiより低いまたは3,000psiより高い圧力で動作することができる。一態様では、ポンプ116は、4ガロン/分の液体流量において、液体ノズル108、110を2,200psiで動作させるように構成される。別の態様では、ポンプ116は、4から6ガロン/分の液体流量において、液体ノズル108、110を2,500psiで動作させるように構成される。
【0044】
各苗床18上の各ノズルへの液体流を制御するために、一つ以上のバルブ118を、ポンプ116と液体ノズル108および液体ノズル110との間に液体連通するように動作可能に配管することができる。各裁断器100において、液体を収集するように、一つ以上の排水溝を動作可能に構成することができる。収集された液体は、排水溝と下水道または液体収集器46との間に動作可能に接続された一つ以上の排水管路を通過することができる。
【0045】
ポンプ120もまた、液体源43と液体連通するように配管することができる。液体散布器38A、液体散布器38B、液体散布器38C、および液体散布器38Dは各々、ポンプ120と直接、または液体分配マニホルド132を介して液体連通するように配管することができる。ポンプ120と液体散布器38A、液体散布器38B、液体散布器38C、および液体散布器38Dとの間には、各苗床18上の各液体散布器への液体流を制御するように、一つ以上の液体導管を動作可能に構成することができる。ポンプ120と液体散布器38A、液体散布器38B、液体散布器38C、および液体散布器38Dとの間に配置された一つ以上またはすべての液体導管と液体連通するように、一つ以上の添加物または消毒剤源134を動作可能に配管することができる。一態様では、液体散布器38Cに取り付けられた液体導管と液体連通するように動作可能に配管された消毒剤または添加物源134は、液体散布器38Cを通って液体消毒剤を分注するために、塩素または過酸化水素などの一つ以上の消毒剤を保持するように構成することができる。排水溝44が、液体散布器38A、液体散布器38B、液体散布器38C、および液体散布器38Dからの液体を収集するように、各苗床18に動作可能に構成される。収集された液体は、排水溝44と下水道または液体収集器46との間に動作可能に接続された一つまたは排水管路を通過することができる。たとえば、排水溝44の方へ傾斜させることができる各苗床18の各種子ベルト28にわたって液体が流れるとき、液体を必要とするあらゆる植物が、その液体を利用する。あらゆる未使用の液体は、種子ベルト28を流れ続けて排水溝44へ流れ出ることができる。排水溝44に入った後、液体は、所有者/操作者の判断に基づいて、システムがどのように配管されているかに応じて、配管された接続を通って液体収集器46または下水道に入る。一つの設計によれば、排水溝44は、栽培機10の垂直部材12に動作可能に取り付けることができ、水平面に対する排水溝44の向きは、出口または排水口への排水溝44内の液体流を制御するように構成することができる。液体散布器38B、液体散布器38C、液体散布器38D、および液体散布器38Eは、液体散布器38Aから液体を収集して再循環させるために使用されるものと同じシステムを使用して収集して再循環させることができる。液体散布器38Eは、液体分配器40Eから液体を分注して液体を排水溝44内へ噴霧し、それによって排水溝44を洗浄するように、液体管路41D内へ配管することができる。排水溝44を消毒するために液体散布器38Eから分注される液体には、消毒剤を含むことができる。
【0046】
液体収集器46は、流出液体の収集および再循環または廃棄のために、排水溝44または栽培機10の他の排水管路に接続するように動作可能に配管することができる。液体収集器46は、上に配置された苗床18から落ちてくる液体を受けるための開いた上部を有するように構成することができる。液体収集器46は、ポンプ120からのポンプ圧力を受けて、液体散布器38A、液体散布器38B、液体散布器38C、液体散布器38D、液体散布器38E、および裁断器100から収集された液体を再循環させるように動作可能に配管することができる。液体収集器46内の液体に添加物を組み合わせて、液体散布器38A、液体散布器38B、および液体散布器38Cへ再循環し、所望の添加物を有する液体を種子に灌水することができる。液体収集器46は、沈殿タンクとして構成することができ、沈殿タンクでは、沈殿物および他の粒子状物質が、液体散布器38A、液体散布器38B、および液体散布器38Cへ再循環される前に液体から分離される。液体収集器46は、小さい沈殿タンクとともに、50ガロン、75ガロン、100ガロン、またはそれ以上の容量のタンクなどのマルチガロンタンクとして単独で構成することができる。液体収集器46内で収集された液体は、排水溝内へ放出または廃棄する前に、24時間周期、48時間周期、72時間周期などにわたって保持して再循環させることができる。液体収集器46は、破片および種子を捕捉して、それらが種子栽培台16の配管された排水システムに入るのを防止するために、その上にスクリーン材料を含む付属品(たとえば、プラスチックスクリーン)を有するように構成することができる。液体散布器38A、液体散布器38B、液体散布器38C、液体散布器38D、および液体散布器38E内へ直接または間接的に、添加物を導入することができる。企図される添加物には、たとえば、植物の成長の促進、液体飼料中のビタミンおよびミネラルの増大、かつ/または種子栽培物の栄養価の増大のために、タンク内へ加えられる添加物が含まれるが、本明細書に明示的に提供するものに限定されるものではない。塩素または過酸化水素などの一つ以上の消毒剤は、液体散布器液体散布器38A、液体散布器38B、および液体散布器38C内へ導入することができる。種子の栽培植物への健康な発育および成長を支援するために、種子の発芽および成長のための栄養素もまた、液体散布器38A、液体散布器38B、液体散布器38C、および液体散布器38D内へ導入することができる。液体の処理、収集、および再循環を行うプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0047】
VIII.裁断された栽培植物の処理
裁断された栽培植物は、重力を受けて各苗床18からコンベアベルト124上へ落下して、別のコンベアベルト126へ流れ込み、別のコンベアベルト126は、一態様では、裁断された栽培植物を輸送するための縦型ミキサ、フロントエンドローダ、手押し車、または他のコンテナ内へ降ろす。コンベアベルト124、126は、駆動機構37Hによって作動させることができる。駆動機構37Gは、電気式、空圧式、油圧式、またはさらには手動で動力供給されるモータとすることができる。駆動機構37Gを制御することによって、裁断された栽培植物をコンベアベルト124、126によって運搬するプロセスは、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。栽培植物の裁断片をより高い高さまで上方へ運搬することが所望される場合、コンベアベルト126は、栽培植物の裁断片をコンベアベルト126上に静止した状態で維持しながら上昇するために、直立した隆起を有するように構成することができる。コンベアベルト126の形状は、コンベアベルト126が上昇している間に栽培植物の裁断片を静止した状態でさらに把持および維持するように変更することができる。たとえば、隆起に切込みを入れることができ、したがってコンベアベルト126は、急斜面などを上昇するとき、静止した植物片がベルトから落下するのを防ぐために、栽培植物の裁断片を包みまたは取り囲むように、平坦な形状からU字形に対応することができる。複数の栽培機が並んで構成される場合、裁断された栽培植物は、各栽培機10からコンベアベルト124上へ落下して、コンベアベルト126へ流れ込む。
【0048】
IX.電源
栽培機10に動力供給するために、電力会社からの110Vまたは220Vサービスなどの電源128を使用することができる。電源128は、水力電力、バイオマス木材、バイオマス廃棄物、バイオマス生物燃料、風力、地熱、および/または太陽光などの再生可能な電源から得ることができる。電源128は、直流または交流源とすることができる。一態様では、栽培機10は、一つ以上の駆動機構37A-Hに直流で電力供給するために、AC/DC電力変換器136を含む。少なくとも一つの構成によれば、一つ以上の駆動機構37A-Hの各々は、一つ以上のDCモータを駆動するために、独立した電力変換器136から直流を受け取ることができる。必要とされる場合、各モータへのアンペア数を増大させることで、各モータの駆動トルクを増大させることができる。各モータおよび各モータへのアンペア数の制御動作は、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。直流電源を使用することで、栽培機10の操作者または所有者に被害またはさらには死をもたらし得る感電または感電死を低減させ、さらに解消することができる。電源128は、一つ以上の電気化学セルまたは電力貯蔵デバイス138とすることができる。電気化学セルまたは電力貯蔵デバイス138は、電力会社または再生可能な電源からの電力によって充電することができる。停電の場合、栽培機10は、一つ以上の電気化学セル、電力貯蔵デバイス138、および/または再生可能な電源からの電力を使用して動作させることができる。電源128は、空圧または油圧エネルギー源に動力供給するように構成することができる。一態様では、電源128は、一つ以上の駆動機構37A-Hに空圧式に動力供給するように、空気圧縮器などの空圧源74を動作させる。別の態様では、電源128は、一つ以上の駆動機構37A-Hを油圧式に動力供給するように、油圧ポンプなどの油圧源130を動作させる。電力または機構の障害の場合、駆動機構37A-Hを手動で動作させることもできる。一態様では、一つ以上の駆動機構37A-Hに、電源128からの交流を動力供給することができる。記載するタイプの電源128は、クラッチ29A-B、照明要素48、真空源92、ポンプ116、およびポンプ120を作動させるように動作可能に接続することができる。それだけに限定されるものではないが、栽培機10の駆動機構37A-H、クラッチ29A-B、照明要素48、真空源92、ポンプ116、油圧源130、空圧源74、およびポンプ120を含めて、スイッチ、リレー、電圧電流レギュレータ、および他の電気構成要素は、コントローラ140、グラフィカルユーザインターフェース、および/または遠隔制御装置によって自動化することができる。
【0049】
本開示は、本明細書に記載する特定の態様に限定されるものではない。特に、本開示では、種子を栽培するための既存の水耕および非水耕プロセスの欠点に対処する水耕栽培装置、システム、および/または方法に本開示の態様を適用することができる方法のタイプについて、多数の変形例が企図される。上記の説明は、例示および説明を目的として提示されている。網羅的な一覧であること、または開示する厳密な形態に本開示のいくらかを限定することを意図したものではない。他の代替形態または例示的な態様も、本開示に包含されると見なされることが企図される。本説明は、本開示の態様、プロセス、または方法の単なる例である。任意の他の修正、置換え、および/または追加を加えることができ、これらは本開示の意図した精神および範囲内であることが理解されよう。上記のため、本開示は、少なくとも意図した目的のすべてを実現することが理解されよう。
【0050】
前述の詳細な説明は、本開示を実施するためのわずかな数の態様であり、範囲を限定することを意図したものではない。以下の特許請求の範囲は、さらなる詳細によって開示された本開示のいくつかの態様を記載する。