(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】ファイバーリンク上でRFにおける光パワーを増加させるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/2575 20130101AFI20240408BHJP
【FI】
H04B10/2575 120
(21)【出願番号】P 2022509151
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 EP2020072822
(87)【国際公開番号】W WO2021028556
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-04-08
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】306032578
【氏名又は名称】レオナルド・ユーケー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Leonardo UK Ltd
【住所又は居所原語表記】1 Eagle Place,St.James’s,London,SW1Y 6AF,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フリント、イアン
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08059969(US,B1)
【文献】特開2010-021868(JP,A)
【文献】特開平08-274712(JP,A)
【文献】特開平08-163029(JP,A)
【文献】特開2018-074477(JP,A)
【文献】特開2013-090217(JP,A)
【文献】特開平09-023192(JP,A)
【文献】特開平06-268590(JP,A)
【文献】特表2017-528997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/2575
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波無線周波数(RF)信号を搬送するための光リンク(10)を含むシステムであって、前記光リンクは、
光の複数の異なる波長を生成するための複数のレーザー光源(L
1~L
n)と、
多重化された光ビームを与えるために光の前記複数の波長を多重化するためのマルチプレクサ(11)と、
前記多重化された光ビーム上に前記マイクロ波RF信号を課すために、前記多重化された光ビームを変調するための変調器(13)と、
光入力と電気出力とを有するフォトダイオード受信機(14)と、前記フォトダイオード受信機が、前記変調された多重化された光ビームの少なくとも一部分を受信することと、それの電気出力において前記マイクロ波RF信号を出力することとを行うように構成され、前記光入力において受信された前記変調された多重化された光ビームの前記少なくとも一部分の光パワーは、それの光の複数の構成波長の組み合わされた光パワーに等しいことを特徴とし、
ここにおいて、光の前記複数の異なる波長は、各々、前記フォトダイオード受信機(14)によって分解され得る周波数よりも大きい周波数において、前記多重化された光ビーム内で生じる光の前記複数の異なる波長間のビートが起こるのに十分な波長分離によって、他のものから分離される、
を備える、システム。
【請求項2】
光の前記複数の波長を生成するための前記複数のレーザー光源(L
1~L
n)が、各々、両端値を含む範囲1530nm~1610nm内の異なる波長を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記変調された多重化された光ビームを複数の
変調されたビームにスプリットするように構成された変調後スプリッタ(16)と、前記複数の
変調されたビームのうちの1つを受信するように各々が構成された、複数のフォトダイオード受信機(14、14A)とを備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のフォトダイオード受信機(14、14A)からの前記電気出力を組み合わせるように構成されたRFコンバイナ(17)を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
複数のRFミキサ(17、17A)と、複数の局部発振器(19)とを備え、前記複数の局部発振器(19)の各々が、異なるRF周波数のLO信号を与えるように構成され、各RFミキサ(17、17A)が、前記マイクロ波RF信号をダウンコンバートまたはアップコンバートするように、前記複数のフォトダイオード受信機(14、14A)のうちの異なる1つからの前記電気出力と、前記複数の局部発振器(19)のうちの異なる1つからの前記LO信号とを受信し、混合するように構成された、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記多重化された光
ビームを第1の多重化された光チャネルと第2の多重化された光チャネルとにスプリットするように構成された波長非依存スプリッタを備え、
前記変調器が、前記第1の多重化された光チャネル上に前記マイクロ波無線周波数信号を課すために、前記第1の多重化された光チャネルを変調するように構成され、
前記フォトダイオード受信機が、
前記変調された第1の多重化された光チャネルを受信するように構成された第1の光入力と、
前記第2の多重化された光チャネルを受信するように構成された第2の光入力と
を有するバランスドフォトダイオード受信機を備え、
前記バランスドフォトダイオード受信機が、相対強度雑音RINを除去するために前記第1および第2の光入力に対してコモンモード除去機能を行うように構成された、
請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記変調後スプリッタが、前記変調された
第1の多重化された光
チャネルを
前記複数の
変調されたビームにスプリットするように構成され、
前記光リンクが、前記第2の多重化された光チャネルを複数のビームにスプリットするように構成されたさらなる光スプリッタを備え、
前記複数のフォトダイオード受信機が、複数のバランスドフォトダイオード受信機を備え、
前記バランスドフォトダイオード受信機が、各々、それらの
それぞれの第1の入力において、前記
複数の変調された
ビームのうちの
異なる1つを受信することと、それらの第2の入力において、前
記複数の
変調されたビームのうちの
異なる1つを受信することとを行うように構成された、
請求項3に従属する場合の請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記変調器が、前記マイクロ波RF信号をアップコンバートまたはダウンコンバートする目的で、前記多重化された光ビーム上に局部発振器からの第1のLO RF信号を課すようにも構成された、請求項1から7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
光の前記複数の波長からのさらなる多重化された光ビームを与えるための前記マルチプレクサを含む手段と、
前記さらなる多重化された光ビーム上に前記マイクロ波無線周波数信号を課すために、前記多重化された光ビームを変調するためのさらなる変調器と
を備え、
ここにおいて、前記さらなる変調器が、同じく前記さらなる多重化された光ビーム上に第2のLO RF信号を課すように構成され、前記第1のLO RF信号と前記第2のLO RF信号とが、異なる周波数のものであり、
ここにおいて、前記システムが、前記変調されたさらなる多重化された光ビームを受信するように構成されたさらなるフォトダイオード受信機を備える、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
空中または海洋プラットフォーム上に取り付けられたアンテナと、同じく前記空中または海洋プラットフォーム上に取り付けられた処理システムとの間でRF信号を搬送するように構成された、請求項1から9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
光リンクを介してマイクロ波無線周波数(RF)信号を伝達するための方法であって、前記方法が、
多重化された光ビームを与えるために複数のレーザーからの光の複数の波長を多重化することと、
前記多重化された光ビーム上に前記マイクロ波RF信号を課すために、前記多重化された光ビームを変調することと、
光入力と電気出力とを有するフォトダイオード受信機を、前記変調された多重化された光ビームの少なくとも一部分を受信することと、それの電気出力において前記マイクロ波RF信号を出力することとを行うために使用することと
を備え、前記光入力において受信された前記変調された多重化された光ビームの前記少なくとも一部分の光パワーは、それの光の複数の構成波長の組み合わされた光パワーに等しいことを特徴とし、
ここにおいて、光の複数の異なる波長は、各々、前記フォトダイオード受信機によって分解され得る周波数よりも大きい周波数において、前記多重化された光ビーム内で生じる光の前記複数の異なる波長間のビートが起こるのに十分な波長分離によって、他のものから分離される、方法。
【請求項12】
ショット雑音が主雑音源である信号対雑音比を増加させるように、マイクロ波無線周波数(RF)信号を搬送するための光リンクを備えるシステムを設計および構築する方法であって、前記方法は、
信号対ショット雑音比により、前記システムの出力において許容できる雑音フロアレベルを与えるために、前記光リンクを通して送信されるべき必須の光パワーを識別することと、
前記光リンクについて前記識別された光パワーを与えるために、前記光リンクが必要とするレーザーの数を、前記レーザーの光出力パワーに基づいて決定することと、
前記マイクロ波RF信号を前記レーザーの1つまたは複数の出力ビーム上に変調するために前記光リンクが必要とする変調器の数を、各変調器の最大光入力レベルに基づいて決定することと、
前記マイクロ波RF信号を搬送するために変調された1つまたは複数の光ビームを受信し、電気信号に変換するために前記光リンクが必要とするフォトダイオード受信機の数を決定することと、フォトダイオード受信機の前記数が、出力品質の劣化の前の各フォトダイオード受信機の最大光入力レベルに基づいて決定される、
レーザー、変調器およびフォトダイオード受信機の前記決定された数で前記光リンクを構築することと、ここにおいて、変調器および/またはフォトダイオード受信機の前記数が1よりも大きい、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
RFシステム内で、たとえば、極めてしばしば何メートルも離れていることがあるアンテナと信号処理システムとの間でRF信号を搬送するために、同軸ケーブルリンクの代わりに光ファイバーリンクを使用することに対する関心がある。同軸ケーブルと比較して、光リンクは、低減されたパワー損失、およびRF周波数に依存しない性能の可能性を与える。さらに、光ファイバーは、同軸ケーブルと比較して比較的軽く、小さく、電磁干渉をより受けにくい。
【0002】
RF信号を搬送するための知られている光リンクは、光ビームを与えるためのレーザーを備える。RF信号は、電気光学変調器によってビーム上に(imposed)課され、一例は、光ビームの振幅を変調することによってRF信号を課すマッハツェンダー変調器である。変調された光ビームは、リンクのファイバーに沿って光検出器の光入力に送信され、光検出器は、アナログ電気出力を通してRF信号を出力する。
【0003】
光リンクにおける信号対雑音比を改善することが、光変調器を通過する光ビームのπの位相変化を誘起するために必要とされる電圧Vπを低下させることによって、光リンクに結合される、雑音を低減することまたはRFパワーを増加させることのいずれかを伴う。後者の手法は、今日とられる通常のルートとなっている。
【0004】
高品質光アナログリンクでは、雑音の主な要因は、レーザー光の振幅の変動(揺らぎ)である、相対強度雑音(RIN)である。すべてのRIN雑音ではないにしても、その大部分がレーザーから派生する。RINは、バランスド光検出器受信機を使用して改善され得る。RINが改善されると、次の制限ファクタはショット雑音である。ショット雑音のレベルは、システムの光パワーに依存し、原則として、より高い光パワーがより低いショット雑音につながる。
【0005】
より広く利用可能で、より費用がかからない光学的構成要素、たとえばレーザー、特に、C帯域およびL帯域中で、すなわち、1530nm~1610nmの間で動作するように設計されたものの多くが、比較的低い(10mW~100mW)最大動作パワーを有する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ショット雑音を低減するための、ファイバーリンク上のRFにおける増加された光パワーを可能するために考案された。
【0007】
本発明によれば、請求項1に記載のマイクロ波無線周波数(RF)信号を搬送するための光リンクシステムを含むシステムが提供される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、請求項12に記載の光リンクを備えるシステムを設計および構築する方法が提供される。
【0009】
以下は、本発明のいずれの態様にも適用され得る。
【0010】
複数のレーザーを多重化することは、リンクの光パワーを増加させながら、依然として、ビームが、広く利用可能であり、比較的安価に取得され得る、比較的低いパワーのレーザーから得られることを可能にする。さらに、より低いパワーのレーザーは、より高いパワーのレーザーまたは光増幅器よりも低い信号対雑音比を有する傾向がある。たとえば、各々が100mWの10個のレーザーを多重化することによって、約1Wの光信号を与えることが可能である。理論上、これは、100mW信号上で、信号対雑音比において約10dBのショット雑音の低減を与える。
【0012】
波長の分離は、好都合には、10x(ADCまたはフォトダイオードの周波数分解能/光周波数)×光のnm単位の波長である。したがって、C帯域電気通信の場合、2GHzまで適切に分解することができるフォトダイオードまたはADCを使用することは、10x(2E9/2e14)*1550nm=0.1nmであることに等しい。これは、少なくとも0.1nmだけ他のレーザーから分離された波長のビームを出力するように各レーザーを選択することによって、達成され得る。同様に、一般的な、高速フォトダイオードの20GHz分解能の場合、波長は、1nm離れている必要がある。
【0013】
レーザーの異なる周波数は、レーザーの組み合わせられた光パワーに対応する光束をもつビームのみを受けるフォトダイオード受信機の(1つまたは複数の)フォトダイオードによって、検出可能でない。
【0014】
好都合には、各レーザーは、1530nm~1610nmの間の波長をもつビームを出力する。1530nm~1610nmの間の波長をもつレーザーを選択することは、いくつかの利点を有する。第1に、多くの市販の電気光学変調器は、この帯域上で著しく変化しない性能を有する。さらに、(C帯域およびL帯域に対応する)この帯域中で動作する光学的構成要素は、よく発達しており、比較的安価で、概して、互いに互換性がある。さらに、この帯域中で動作する光学的構成要素は、集積光チップ上に容易に設けられ得る。
【0015】
マルチプレクサは、波長分割多重化を使用してビームを多重化し得る。
【0016】
多重化されたビームの各々の偏光は、好都合には、実質的に同じである。これは、電気光学変調器が同様の方法で各ビームを変調することを保証する。
【0017】
電気光学変調器は、マッハツェンダー変調器を備え得る。光リンクは、複数の変調器を備え得る。多重化された信号は、いずれか1つの変調器がハンドリングするには多重信号の光パワーが大きすぎる場合、複数の変調器間で分割され得る。ここで、したがって、各変調器は、分割された多重化された信号のうちの異なる1つ上にRF信号を課すか、またはRF信号の一部分を課すか、または分割された多重化された信号のうちの異なる1つ上に課すように適応され得る。
【0018】
たとえば、電気光学変調器は、デュアル並列マッハツェンダー電気光学変調器を備え得る。これは、たとえばマイクロ波無線周波数信号をアップコンバートまたはダウンコンバートする目的で、多重化された光信号上に2つのRF信号を課すことを可能にする。
【0019】
フォトダイオード受信機がバランスドフォトダイオード受信機を備える場合、バランスドフォトダイオード受信機の2つの入力への2つのチャネルのRF経路長が、コモンモード除去を保証するために、実質的に同じであることが好ましい。また、変調器とフォトダイオードとの間の共通RF経路長は、RF信号内の異なるRF波長の分散を回避する。
【0020】
システムは、光ビーム、たとえばRF信号がその上に変調された多重化されたビームのサブ分割を受信するように各々が適応された、複数のフォトダイオード受信機を備え得る。
【0021】
第1の多重化された光チャネル上に複数のRF信号、たとえば、マイクロ波RF信号、およびマイクロ波RF信号をアップコンバートまたはダウンコンバートする目的でのLO信号を課すことが望まれる場合、変調器は、複数の(たとえばデュアル)並列マッハツェンダー変調器を備え得る。この構成は、各フォトダイオード受信機における光パワーを低減し、それにより、より低い最大光パワー定格をもつフォトダイオード受信機の使用を可能にする。
【0022】
システムが複数のフォトダイオード受信機を備える場合、システムは、複数のフォトダイオード受信機からの電気出力を組み合わせるように構成されたRFコンバイナを備え得る。RFコンバイナは、たとえばウィルキンソンコンバイナ、ランゲコンバイナ、または任意の他の好適なコンバイナを使用して実装され得る。
【0023】
代替的に、システムは、複数のRFミキサと、複数の局部発振器とを備え得、複数の局部発振器の各々は、異なるRF周波数のLO信号を与えるように構成され、各RFミキサは、RFマイクロ波信号をダウンコンバートまたはアップコンバートするように、複数のフォトダイオード受信機のうちの異なる1つからの電気出力と、複数の局部発振器のうちの異なる1つからのLO信号とを受信し、混合するように構成される。これは、電気的領域におけるアップまたはダウンコンバージョンの手段を与える。
【0024】
変調後スプリッタは、波長非依存であり、たとえば部分反射性ミラー、融合されたファイバーカプラ、またはデマルチプレクサによって実装され得る。
【0025】
システムは、多重化された光信号を第1の多重化された光チャネルと第2の多重化された光チャネルとにスプリットするように構成された波長非依存スプリッタを備え得、変調器は、第1の多重化された光チャネル上にマイクロ波無線周波数信号を課すために、第1の多重化された光チャネルを変調するように構成され、フォトダイオード受信機は、変調された第1の多重化された光チャネルを受信するように構成された第1の光入力と、第2の多重化された光チャネルを受信するように構成された第2の光入力とを有するバランスドフォトダイオード受信機を備え、バランスドフォトダイオード受信機は、相対強度雑音RINを除去するために入力に対してコモンモード除去機能を行うように構成される。
【0026】
変調後光スプリッタは、変調された多重化された光ビームを複数のビームにスプリットするように構成され得、光リンクシステムは、第2の多重化された光チャネルを複数のビームにスプリットするように構成されたさらなる光スプリッタを備え、複数のバランスドフォトダイオード受信機は、各々、それらの第1の入力において、スプリットされた第1の変調された多重光チャネルのうちの1つを受信することと、それらの第2の入力において、スプリットされた第2の複数の光チャネルのうちの1つを受信することとを行うように構成される。
【0027】
さらなる光スプリッタは、波長非依存であるかまたはデマルチプレクサであり得るが、その光スプリッタは、通常、光スプリッタと同じであることになる。
【0028】
変調器は、マイクロ波RF信号をアップコンバートまたはダウンコンバートする目的で、多重化された光ビーム上に局部発振器からの第1のLO RF信号を課すようにも構成される。
【0029】
システムは、光の複数の波長からのさらなる多重化された光ビームを与えるためのマルチプレクサを含む手段と、さらなる多重化された光ビーム上にマイクロ波無線周波数信号を課すために、多重化された光ビームを変調するためのさらなる変調器とを備え得、ここにおいて、さらなる変調器は、同じくさらなる多重化された光ビーム上に第2のLO RF信号を課すように構成され、第1のLO RF信号と第2のLO RF信号とは、異なる周波数のものであり、ここにおいて、システムは、変調されたさらなる多重化された光ビームを受信するように構成されたさらなるフォトダイオード受信機を備える。
【0030】
一適用例では、システムは、空中または海洋プラットフォーム上に取り付けられたアンテナと、同じく前記空中または海洋プラットフォーム上に取り付けられた処理システムとの間で、またはその逆で、RF信号を搬送するように構成され得る。
【0031】
本発明の別の態様によれば、請求項11に記載の光リンクを介してマイクロ波無線周波数(RF)信号を伝達するための方法が提供される。
【0032】
次に、本発明が、例として以下の図を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】RFマイクロ波信号を搬送するように構成された光リンクシステムの概略図。
【
図2】RFマイクロ波信号を搬送するように構成された異なる光リンクシステムの概略図。
【
図3】RFマイクロ波信号を搬送するように構成された第3の異なる光リンクシステムの概略図。
【
図4】RFマイクロ波信号を搬送するように構成された第4の異なる光リンクシステムの概略図。
【
図5】RFマイクロ波信号を搬送するように構成された第5の異なる光リンクシステムの概略図。
【
図6】RFマイクロ波信号を搬送するように構成された第6の異なる光リンクシステムの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
概して、RF信号を搬送するための光リンクは、光ビームを出力するレーザーと、RF信号を搬送するために光ビームを変調する電気光学変調器と、変調された光ビームを受信し、RF信号を表す電気信号を出力する光受信機とを備える。たとえばバランスドフォトダイオード受信機を使用することによって、RIN雑音が低減されたシステムでは、ショット雑音が、光リンクの出力における信号対雑音比の一因となる主雑音である。
【0035】
以下で、光リンクを通して光パワーを増加させることによって信号対雑音比を増加させるための例示的なシステムが説明される。光パワー、すなわち、リンクを通って進む光子の数の増加は、その増加が、信号レベルとショット雑音の両方を増加させるが、信号レベルが、より大きい程度で増加されるので、信号対雑音比を増加させる。
【0036】
光パワーを増加させることは、使用されるレーザーのパワーを増加させることを通して行われるか、または、通常、より好都合には、以下の例において説明されるように、多重化されたビームを形成するために複数のレーザーからの出力を互いに組み合わせることによって行われ得る。事実上、問題は、たいていの市販の変調器およびフォトダイオードが、高い光パワー、たとえば1W超のビームにおいて動作するように設計されていない(破滅的に機能しないかまたは準最適な出力を与えるかのいずれかである)ことである。
図2~
図6は、いずれも過負荷がかからないように、複数の変調器および/または光検出器間で光パワーが分割され得る、例示的なアーキテクチャを提供する。
【0037】
これらのシステムを設計するとき、光リンクを通して送信されるべき必要とされる光パワーは、どの許容できる信号対雑音比が出力において必要とされるかに基づいて、決定される。
【0038】
この情報を使用して、
- レーザーの必要とされる数が、レーザーの出力パワー、およびシステム設計にとって重要な任意の他のファクタ、たとえばコスト、レーザー効率、物理的サイズなどに基づいて、必要とされる光パワー(ワット数)を与えるために、決定され得る、
- 変調器の必要とされる数が、変調器の光入力パワー定格に基づいて決定され得る
- 光検出器(たとえばバランスド光検出器)の必要とされる数が、光検出器の光入力パワー定格に基づいて決定され得る。
【0039】
変調器および光検出器の決定された数を使用して、いずれも、それらの光入力パワー定格よりも大きい光パワーをそれらの入力において有しないように、変調器および/または光検出器の各々の間で光パワーを分割するために、光スプリッタの必要な数および配置が決定される。
【0040】
図1を参照すると、アンテナ100において受信されたマイクロ波RF信号を処理システム200に搬送するための光リンクシステム10を組み込んだ無線リンクシステムが示されている。例示的な適用例は、アンテナ100が通常何メートルも処理システム200から離れている、空中または海洋プラットフォーム上での使用、あるいは受信装置が通常収容されるタワーのベースまで、受信されたRF信号が搬送される必要がある、モバイルフォンタワー上での使用を含む。
【0041】
光リンクシステム10は、複数のレーザーL1~Ln、好ましくは少なくとも4つのレーザー、ただし、はるかに多くなり得る、と、波長分割マルチプレクサ(mux)11と、スプリッタ12と、電気光学変調器13と、バランスドフォトダイオード受信機14とを備える。バランスドフォトダイオード受信機14の電気出力によって与えられる、光リンクシステム10のアナログ電気出力は、信号処理システム200にデジタル入力を与えるために、アナログデジタル変換器15に随意に供給される。
【0042】
レーザーL1~Lnの各々は、両端値を含む範囲1530nm~1610nm内にある波長のビームを出力するように適応される。各レーザーL1~Lnの出力は、マルチプレクサ11による波長分割多重化を使用して一緒に多重化される。各レーザーL1~Lnによって出力されるビームの波長は、mux11においてビームを多重化することから生じるビート周波数が、バランスドフォトダイオード受信機14によって検出可能な範囲よりも高いことを保証する量だけ、他のものとは異なる。
【0043】
市販の12ビットADC15は、現在、2GHzまで分解することが可能である。したがって、そのようなデバイスが使用される場合、ビート周波数が2GHzを上回ることが好ましい。これを達成するために、少なくとも0.1nmの、各レーザー波長間の分離が好ましい。
【0044】
mux11の多重化されたビーム出力は、単一のファイバーに沿ってスプリッタ12に搬送される。スプリッタ12は、多重化されたビームを各々が搬送する2つのチャネルを与えるために、多重化されたビームをスプリットする、たとえば、良好なパワーハンドリングを提供する融合されたファイバーカプラによって実装される、波長非依存スプリッタである。
【0045】
スプリッタ12の第1の出力は、光入力を変調器13に与え、変調器13は、変調器13の電気入力を通して受信されたアンテナ100からのRF信号を、第1のチャネルのビームの振幅を変調することによって課すように構成される。変調器13は、マッハツェンダー変調器を備え得る。
【0046】
変調器13の出力は、バランスドフォトダイオード受信機14の第1の光入力において受信される。変調されていない第2のチャネルは、基準チャネルとして働き、バランスドフォトダイオード受信機14の第2の光入力において受信される。
【0047】
従来の形態のものである、バランスドフォトダイオード受信機14は、第1のチャネルと第2のチャネルの両方上に存在することになる、レーザーL1..Lnの相対強度雑音(RIN)を除去するために、それの入力において受信された多重化された光信号を使用してコモンモード除去機能を行うように構成され、変調器13によって第1のチャネル上に課されたRF信号に等しい電気アナログ信号を出力する。
【0048】
バランスドフォトダイオード受信機14は、多重化されたビームの異なる波長を区別することができないので、それが検出するすべてが、各入力におけるレーザーの組み合わせられた光強度の実質的に1/2である光強度をもつ変調された光ビームである。
【0049】
一構成では、第1のチャネルと第2のチャネルとは、別個のファイバーによって搬送される。とはいえ、課される変調の程度がビームの偏光の角度により変動するという、マッハツェンダー変調器の特性を利用することによって、単一のファイバーに沿って2つのチャネルを搬送することが可能であり得る。したがって、一方の偏光チャネルは、変調されないが、コモンモード除去のための基準として働くために、本質的に同じファイバー遅延を有することになる。この効果を利用するために、一方または両方のチャネルの偏光が、互いに異なるように変更される。第1のチャネルの偏光は、それが、RF信号を搬送するために変調器13によって変調されることになるように、選択されるが、第2のチャネルの偏光は、それが、変調されることなしに変調器13を通過するように、選択される。
【0050】
第1の光入力における第1のチャネルの光パワーと第2の光入力における第2のチャネルの光パワーとは、実質的に同じであること、すなわちレーザーの組み合わせられた総光強度の実質的に1/2であることが好都合である。第1のチャネル中のいくらかの光パワーが変調器13において失われるので、スプリッタ12は、変調器13における損失を補償するために、スプリッタ11の出力における第1のチャネルの光パワーを第2のチャネルよりも大きくするように、多重化されたビームを非対称的にスプリットするように構成され得る。
【0051】
図2は、2つのさらなる波長非依存スプリッタ16A 16Bと、さらなるバランスドフォトダイオード受信機14Aとを含む異なる実施形態20を示す。
【0052】
2つの変調された第1のチャネルと2つの変調されていない基準チャネルとを与えるように、さらなるスプリッタのうちの第1のもの16Aは、変調された第1のチャネル、すなわち、変調器13からの出力の後のものをスプリットし、第2のさらなるスプリッタ16Bは第2のチャネルをスプリットする。
【0053】
2つのフォトダイオード受信機14、14Aの電気出力は、処理システム200にアナログ電気入力を与えるために、たとえばウィルキンソンカプラ(ただし、他の好適なRF組合せ回路が当業者に知られる)によって実装された電気アナログコンバイナ17によって組み合わせられる。RF信号は、両方のフォトダイオード受信機の出力において存在するので、それらの出力を組み合わせることは、処理システム200に与えられる信号強度を増加させる。
【0054】
図2の構成は、各フォトダイオードにおける光強度を低減する手段を与える。これは、第1のチャネルおよび第2のチャネルの光パワーがフォトダイオードの最大動作能力よりも大きくなることを可能にする。変調器は、一般に、フォトダイオードよりもはるかに大きい光パワーをハンドリングすることが可能であることに留意されたい。
【0055】
第1のチャネルおよび第2のチャネルをスプリットするという概念が、さらにとられ得る。たとえば、第1のチャネルおよび第2のチャネルの各々を4つまたはそれ以上の進路にスプリットするために、追加のスプリッタが使用され得、スプリットされたチャネルの各々を受信するために追加のバランスドフォトダイオード受信機が使用される。
【0056】
図3は、波長非依存スプリッタ16A 16Bを使用する代わりに、システム30が、第1のチャネルをスプリットするための第1のデマルチプレクサ(demux)18Aと第2のチャネルをスプリットするための第2のdemux18Bとを備える点で、
図2とは異なる、光リンクの別の異なる実施形態30を示す。第1のdemuxは、各々が、多重化された波長のうちの1つまたは複数から構成される、2つの出力を与えるために、変調された第1のチャネルをスプリットする
。システム
は、3つ以上のレーザーを備
え、両方の出力ではないにしても、少なくとも一方の出力が、複数の多重化された波長から構成され、各波長が、出力のうちの一方のみにおいて見つかる。波長非依存スプリッタに優先してdemuxを使用することの利点は、波長が正確に分離され得るので、光パワースプリッティングの制御の改善である。レーザーの各々は、実質的に同じ光パワーを有するビームを出力し得、その場合、ビームは、スプリットされたビームのうちの1つが他のものよりも多くの構成波長から構成されたことを保証することによって、非対称にスプリットされ得る。代替的に、レーザーは、異なる光パワーのビームを出力し得、これは、スプリットされたビーム内のパワーが、光パワーにおいて異なるが、各々が同数の波長から構成されることを可能にすることになる。
【0057】
第1のチャネルおよび第2のチャネルを3つ以上にスプリットすることが望まれる場合、追加のdemuxが使用され得る。
【0058】
図4は、両方のバランスドフォトダイオード14A 14Bの電気出力を組み合わせる単一の電気RFコンバイナ17を備える代わりに、システムが、RF信号をダウンコンバートするためのRFミキサとして機能する2つの電気コンバイナ17A 17Bを備えることを除いて、
図3の実施形態と同様のさらなる異なる実施形態を示す。
【0059】
電気コンバイナのうちの第1のもの17Aは、バランスドフォトダイオードのうちの一方の電気出力を受信し、それを、第1の局部発振器19AからのRF LO信号と混合するように構成される。
【0060】
電気コンバイナのうちの第2のもの17Bは、他方のバランスドフォトダイオードの電気出力と第2の局部発振器19BからのRF LO信号とを受信するように構成される。
【0061】
RF LO信号からの出力の周波数は、アンテナ100を通して受信されたRF信号をアップコンバートまたはダウンコンバートするために選択され、たとえば、したがって、それは、ADC15によって処理され得る。異なる周波数のLO RF信号を課す並列RFミキサの使用は、アンテナにおいて受信された広帯域(すなわち、単一のADCによって分析され得る範囲よりも複数倍広い)RF信号が処理されることを可能にする。
【0062】
一変形態では、LO信号とのRFの混合は、光領域において行われ得る。変調器13は、WO2006/102678において説明されるように、受信されたRF信号と、局部発振器からの内部で派生したRF信号の両方を課すように適応され得る。これを実装する一構成が
図5に示されている。
【0063】
リンク50は、複数のレーザーL1~Lnを備える。レーザーL1~Lnの出力は、多重化され、チャネルの2つのペア、すなわち、合計4つのチャネルを形成するためにスプリットされる。チャネルの各ペアは、多重化された波長の同じ組合せを備える。
【0064】
これらの4つのチャネルの作成は、様々な異なる方法で達成され得る。
図5の例において実装される方法では、レーザーL
1~L
nの出力は、波長分割マルチプレクサ(mux)51によって多重化され、多重ビームは、波長非依存スプリッタ52によって2つにスプリットされる。デマルチプレクサ53A、53Bは、4つのチャネルを与えるように、スプリッタ52からの2つの出力の各々を2つにスプリットする。各デマルチプレクサ53A 53Bの出力は、各ペアの1つのチャネルを与える。
【0065】
同じ結果を取得する別の手段は、異なるレーザー出力を各々多重化する2つのマルチプレクサ51と、マルチプレクサから出力された2つのチャネルの各々をスプリットするための波長非依存スプリッタとを使用することであろう。様々な他の構成が可能である。
【0066】
第1のdemux 53Aから出力されたチャネルは、アンテナ100からのRF信号をその上に課すために、それぞれの第1の変調器54Aおよび第2の変調器54Bによって変調される。さらに、各変調器54A 54Bは、異なる局部発振器から出力されたRF信号をも課す。それぞれのLOからのRF信号の周波数は異なる。各チャネル上に2つの別個のRF信号を課すために、変調器54A 54Bの各々は、デュアル並列マッハツェンダー変調器を備え得る。
【0067】
2つの変調器54A 54Bからの出力は、別個のバランスドフォトダイオードの第1の入力において受信され、第2のdemux53Bから出力されたチャネルは、前記バランスドフォトダイオードの第2の入力において受信される。このようにして、各バランスドフォトダイオード受信機は、それの2つの入力において光波長の同じ組合せを受信し、すなわち複数のレーザーのうちのレーザーの同じ組合せから得られた光を受信することになる。これは、これらのレーザーに関連するRINがバランスドフォトダイオード受信機において相殺することになることを保証する。
【0068】
出願人にとって現在利用可能なレーザーの場合、RINは、それの除去のためにバランスドフォトダイオードの使用を正当化するほど十分に大きい。しかしながら、低いRINがあまり重要でない適用例では、または、著しく低減されたRINをもつレーザーが将来において開発された場合、バランスドフォトダイオード検出器は省かれ得る。
【0069】
図6は、そのような事例において使用され得るリンクのさらなる例を示す。リンクは、複数のレーザーL
1~L
nと、波長分割マルチプレクサ(mux)61と、電気光学変調器62と、demux63と、複数のフォトダイオード受信機64A、64Bとを備える。
【0070】
複数のレーザーからの出力は、多重ビームを与えるためにmux61によって多重化される。変調器62は、多重化されたビームを変調する。demux63は、変調された多重ビームを2つまたはそれ以上の(この場合、2つの)変調されたビームにスプリットし、スプリットされたビームの各々は、フォトダイオードによって受信される。RF信号は、各フォトダイオードの電気出力において出力され、アナログRFコンバイナ65によって組み合わせられる。
【0071】
アンテナから信号処理システムへのRF信号の搬送に関して例が説明されたが、リンクは、反対方向においてRF信号を搬送するように適応され得る。ここで、したがって、
図5および
図6のミキサは、アンテナによるブロードキャストのために処理信号からのRF信号をアップコンバートするために使用され得る。
【0072】
システムは、2つのロケーション間でRF信号を搬送するための無線リンクとしてのもの以外の目的で使用され得ることが可能である。たとえば、システムは、RF信号を処理すること、たとえばアップコンバートまたはダウンコンバートすることを行うために使用される、無線回路の回路フラグメントとして使用され得る。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
マイクロ波無線周波数(RF)信号を搬送するための光リンクを含むシステムであって、前記光リンクシステムは、
光の複数の波長を生成するための複数のレーザー光源と、
多重化された光ビームを与えるために光の前記複数の波長を多重化するためのマルチプレクサと、
前記多重化された光ビーム上に前記マイクロ波無線周波数信号を課すために、前記多重化された光ビームを変調するための変調器と、
光入力と電気出力とを各々が有する複数のフォトダイオード受信機と、各フォトダイオード受信機が、前記変調された多重化された光ビームの少なくとも一部分を受信することと、それの電気出力において前記マイクロ波無線周波数信号を出力することとを行うように構成された、
を備える、システム。
[C2]
光の前記複数の波長を生成するための前記複数のレーザー光源が、各々、両端値を含む範囲1530nm~1610nm内の異なる波長を生成する、C1に記載のシステム。
[C3]
前記変調された多重化された光ビームを複数のビームにスプリットするように構成された変調後スプリッタと、前記複数のビームのうちの1つを受信するように各々が構成された、前記複数のフォトダイオード受信機とを備える、C1または2に記載のシステム。
[C4]
前記複数のフォトダイオード受信機からの前記電気出力を組み合わせるように構成されたRFコンバイナを備える、C3に記載のシステム。
[C5]
複数のRFミキサと、複数の局部発振器とを備え、前記複数の局部発振器の各々が、異なるRF周波数のLO信号を与えるように構成され、各RFミキサが、前記RFマイクロ波信号をダウンコンバートまたはアップコンバートするように、前記複数のフォトダイオード受信機のうちの異なる1つからの前記電気出力と、前記複数の局部発振器のうちの異なる1つからの前記LO信号とを受信し、混合するように構成された、C3に記載のシステム。
[C6]
前記変調後スプリッタがデマルチプレクサを備える、C3、4または5に記載のシステム。
[C7]
前記多重化された光信号を第1の多重化された光チャネルと第2の多重化された光チャネルとにスプリットするように構成された波長非依存スプリッタを備え、
前記変調器が、前記第1の多重化された光チャネル上に前記マイクロ波無線周波数信号を課すために、前記第1の多重化された光チャネルを変調するように構成され、
前記フォトダイオード受信機が、
前記変調された第1の多重化された光チャネルを受信するように構成された第1の光入力と、
前記第2の多重化された光チャネルを受信するように構成された第2の光入力と
を有するバランスドフォトダイオード受信機を備え、
前記バランスドフォトダイオード受信機が、相対強度雑音RINを除去するために前記入力に対してコモンモード除去機能を行うように構成された、
C1から5のいずれかに記載のシステム。
[C8]
前記変調後光スプリッタが、前記変調された多重化された光ビームを複数のビームにスプリットするように構成され、
前記光リンクシステムが、前記第2の多重化された光チャネルを複数のビームにスプリットするように構成されたさらなる光スプリッタを備え、
前記複数のバランスドフォトダイオード受信機が、各々、それらの第1の入力において、前記スプリットされた第1の変調された多重光チャネルのうちの1つを受信することと、それらの第2の入力において、前記スプリットされた第2の複数の光チャネルのうちの1つを受信することとを行うように構成された、
C3および6に記載のシステム。
[C9]
前記さらなる光スプリッタがデマルチプレクサを備える、C4および8に記載のシステム。
[C10]
前記変調器が、前記マイクロ波RF信号をアップコンバートまたはダウンコンバートする目的で、前記多重化された光ビーム上に局部発振器からの第1のLO RF信号を課すようにも構成された、C1から9のいずれかに記載のシステム。
[C11]
光の前記複数の波長からのさらなる多重化された光ビームを与えるための前記マルチプレクサを含む手段と、
前記さらなる多重化された光ビーム上に前記マイクロ波無線周波数信号を課すために、前記多重化された光ビームを変調するためのさらなる変調器と
を備え、
ここにおいて、前記さらなる変調器が、同じく前記さらなる多重化された光ビーム上に第2のLO RF信号を課すように構成され、前記第1のLO RF信号と前記第2のLO RF信号とが、異なる周波数のものであり、
ここにおいて、前記システムが、前記変調されたさらなる多重化された光ビームを受信するように構成されたさらなるフォトダイオード受信機を備える、
C10に記載のシステム。
[C12]
空中または海洋プラットフォーム上に取り付けられたアンテナと、同じく前記空中または海洋プラットフォーム上に取り付けられた処理システムとの間でRF信号を搬送するように構成された、C1から11のいずれかに記載のシステム。
[C13]
光リンクを介してマイクロ波無線周波数(RF)信号を伝達するための方法であって、前記方法が、
多重化された光ビームを与えるために複数のレーザーからの光の複数の波長を多重化することと、
前記多重化された光ビーム上に前記マイクロ波無線周波数信号を課すために、前記多重化された光ビームを変調することと、
光入力と電気出力とを有するフォトダイオード受信機を、前記変調された多重化された光ビームの少なくとも一部分を受信することと、それの電気出力において前記マイクロ波無線周波数信号を出力することとを行うために使用することと
を備える、方法。
[C14]
ショット雑音が主雑音源である信号対雑音比を増加させるように、マイクロ波無線周波数(RF)信号を搬送するための光リンクを備えるシステムを設計および構築する方法であって、前記方法は、
前記信号対ショット雑音比により、前記システムの出力においてリンクに許容できる雑音フロアレベルを与えるために、前記光リンクを通して送信されるべき必須の光パワーを識別することと、
前記光リンクについて前記識別された光パワーを与えるために、前記光リンクが必要とするレーザーの数を、それらの光出力パワーに基づいて決定することと、
前記RF信号を前記レーザーの1つまたは複数の出力ビーム上に変調するために前記光リンクが必要とする変調器の数を、各変調器の最大光入力レベルに基づいて決定することと、
前記RF信号を搬送するために変調された1つまたは複数の光ビームを受信し、電気信号に変換するために前記光リンクが必要とするフォトダイオード受信機の数を決定することと、フォトダイオード受信機の前記数が、出力品質の劣化の前の各フォトダイオード受信機の最大光入力レベルに基づいて決定される、
レーザー、変調器およびフォトダイオード受信機の前記決定された数で前記光リンクを構築することと、ここにおいて、変調器および/またはフォトダイオード受信機の前記数が1よりも大きい、
を備える、方法。