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特許7467622タッチスクリーンモジュール用シール、タッチスクリーンモジュール、モニタ、およびモニタを組み立てるための方法
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  • 特許-タッチスクリーンモジュール用シール、タッチスクリーンモジュール、モニタ、およびモニタを組み立てるための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】タッチスクリーンモジュール用シール、タッチスクリーンモジュール、モニタ、およびモニタを組み立てるための方法
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20240408BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240408BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
F16J15/10 T
F16J15/10 D
F16J15/10 C
G06F3/041 400
G06F3/044 120
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022526185
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 CN2019116292
(87)【国際公開番号】W WO2021087871
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】501276371
【氏名又は名称】フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ブレーム、ビンフリード
(72)【発明者】
【氏名】ゲルケ、ゲサ
(72)【発明者】
【氏名】リャン、ジョンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、マオソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェン、チャオウェイ
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/114763(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0121677(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/10
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチディスプレイパネルであって、
タッチスクリーンモジュールと、
前記タッチスクリーンモジュールを保持するためのハウジングと、
を備え、
前記タッチスクリーンモジュールは、透明カバーと、前記タッチスクリーンモジュール用のシールと、をさらに備え、
前記シールは、
前記タッチスクリーンモジュールの少なくとも縁部に配置されるように構成された第1の側部と、
前記第1の側部の反対側の第2の側部と、
を備え、
前記第2の側部は、前記第2の側部の外側部分が締まり嵌め方式で前記ハウジングと嵌合し、前記第2の側部の内側部分の少なくとも一部分が非締まり嵌め方式で前記ハウジングと嵌合するように構成され
前記シールの外面は、嵌合状態のとき前記ハウジングの外面と同一平面であり、
前記シールは、前記透明カバーの外縁に配置され、接着剤が、前記透明カバーの内側と前記ハウジングの対応する部分との間に塗布され、
前記第1の側部は、前記透明カバーを支持するための段差部分を形成するようにL字型構造の形態で構成される、
タッチディスプレイパネル
【請求項2】
前記シールは弾性があり、および、
前記シールは、シリコンゴムで作られている、
請求項1に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項3】
前記第2の側部の前記外側部分のみが、前記締まり嵌め方式で前記ハウジングと嵌合するように構成され、および、
前記第2の側部の前記内側部分の少なくとも一部分は、隙間嵌め方式で前記ハウジングと嵌合するように構成される、
請求項1または2に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項4】
前記第2の側部の前記外側部分は、前記ハウジングと封止接触するための接触リムを備える、
請求項3に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項5】
前記第2の側部の前記内側部分は、前記隙間嵌め方式で前記ハウジングと嵌合するように構成される、
請求項に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項6】
前記L字型構造の角部は、嵌合状態のとき前記透明カバーから離隔するように構成され
前記段差部分には、前記透明カバーと封止接触するための封止部分が設けられ、および、
前記透明カバーはガラスカバーである、
請求項1、2、4、5のいずれか一項に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項7】
前記封止部分は、少なくとも1つの圧縮可能な突出部を備え、および、
前記段差部分には、前記嵌合状態のとき前記封止部分によって発生する応力を低減するための応力低減構造が設けられている、
請求項6に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項8】
前記圧縮可能な突出部は、円弧形状の突出部として構成され、および、
前記応力低減構造は、前記封止部分に隣接する凹部を備える、
請求項7に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項9】
前記凹部は、前記封止部分の下方に配置され、および、
前記凹部は、半円形断面を有するように構成される、
請求項8に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項10】
前記シールの少なくとも1つの長手方向湾曲セグメントには、前記嵌合状態のとき前記長手方向湾曲セグメントに発生する応力を解放するための応力解放構造が設けられている、
請求項1、2、4、5、7~9のいずれか一項に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項11】
前記少なくとも1つの長手方向湾曲セグメントは、前記シールの角部を備える、
請求項10に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項12】
前記応力解放構造は、前記シールの長手方向に沿って延在する少なくとも1つの溝を備える、
請求項10に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項13】
前記タッチスクリーンモジュールは、投影型静電容量方式タッチスクリーンモジュールである、
請求項1、2、4、5、7~9、11、12のいずれか一項に記載のタッチディスプレイパネル
【請求項14】
前記タッチディスプレイパネルは、モニタとして構成される、
請求項1、2、4、5、7~9、11、12のいずれか一項に記載のタッチディスプレイパネル。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のタッチディスプレイパネルを組み立てるための方法であって、
請求項1~14のいずれか一項に記載の前記タッチディスプレイパネルの前記タッチスクリーンモジュールを提供することと、
前記ハウジングを膨張させるように加熱することと、
前記膨張したハウジングを前記タッチスクリーンモジュール上に嵌合させることと、
前記ハウジングを冷却することと、
を行うステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンモジュール用シール、タッチスクリーンモジュール、モニタ、およびモニタを組み立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチディスプレイパネルは、現在、様々な用途において広く使用されており、例えば、透析処置をモニタリングするための医療用モニタとして使用されている。
【0003】
タッチディスプレイパネルは、通常、タッチスクリーンモジュール、例えば、投影型静電容量方式タッチスクリーンモジュールと、タッチスクリーンモジュールを保持するハウジングとを備える。一例として、投影型静電容量方式タッチスクリーンモジュールは、フォーム接着(foam bonding)によってカバーガラスおよび液晶ディスプレイ(LCD)と一体化される。ハウジングは、通常、射出成形によってプラスチックから作られる。水分および他の望ましくない物質、例えば消毒薬が、タッチディスプレイパネルの内部に入ることを防止するために、投影型静電容量方式タッチスクリーンモジュールとハウジングとの間の間隙を封止するためのシールとしてシリコンゴムが使用される。さらに、投影型静電容量方式タッチスクリーンモジュールをハウジングに接着するために接着剤が使用される。
【0004】
しかしながら、そのような既知のタッチディスプレイパネルは、埃や液体が間隙にたまることがあるため、依然として防水性および衛生上の問題がある。さらに、このような堆積は、タッチディスプレイパネルの見た目を悪くし、また洗浄が容易ではない。特に医療分野では非常に不利である。
【0005】
ダブルショット成形などの他の技術的解決手段では、高価なツールを使用する必要があり、またゴムの過度の変形を生じさせる可能性があり、この変形により、カバーガラスに対する応力が大きくなり、それによってタッチスクリーンモジュールがハウジングから脱落するリスクが生じる。
【発明の概要】
【0006】
先行技術に存在する問題に鑑みて、本発明の目的は、改善されたタッチスクリーンモジュール用シール、対応するタッチスクリーンモジュール、対応するモニタ、およびモニタを組み立てるための対応する方法を提供することである。
【0007】
本目的を達成するために、第1の態様において、タッチスクリーンモジュール用のシールが提供され、本シールは、タッチスクリーンモジュールの少なくとも縁部に配置されるように構成された第1の側部と、第1の側部の反対側の第2の側部とを備え、ここにおいて、第2の側部は、第2の側部の外側部分が締まり嵌め方式でハウジングと嵌合し、第2の側部の内側部分の少なくとも一部分が非締まり嵌め方式でハウジングと嵌合するように構成される。
【0008】
任意選択の実施形態によれば、シールは弾性があり、および/またはシールはシリコンゴムで作られている。
【0009】
任意選択の実施形態によれば、第2の側部の外側部分のみが締まり嵌め方式でハウジングと嵌合するように構成され、および/または第2の側部の内側部分の少なくとも一部分は隙間嵌め方式でハウジングと嵌合するように構成される。
【0010】
任意選択の実施形態によれば、第2の側部の外側部分は、ハウジングと封止接触するための接触リムを備え、および/または第2の側部の内側部分は、隙間嵌め方式でハウジングと嵌合するように構成される。
【0011】
任意選択の実施形態によれば、第1の側部は、タッチスクリーンモジュールの透明カバーを支持するための段差部分を形成するようにL字型構造の形態で構成される。
【0012】
任意選択の実施形態によれば、L字型構造の角部は、嵌合状態のとき透明カバーから離隔するように構成され、および/または段差部分には、透明カバーと封止接触するための封止部分が設けられ、および/または、透明カバーはガラスカバーである。
【0013】
任意選択の実施形態によれば、封止部分は、少なくとも1つの圧縮可能な突出部を備え、および/または段差部分には、嵌合状態のとき封止部分によって発生する応力を低減するための応力低減構造が設けられている。
【0014】
任意選択の実施形態によれば、圧縮可能な突出部は、円弧形状の突出部として構成され、および/または応力低減構造は、封止部分に隣接する凹部を備える。
【0015】
任意選択の実施形態によれば、凹部は、封止部分の下方に配置され、および/または凹部は、半円形断面を有するように構成される。
【0016】
任意選択の実施形態によれば、シールの少なくとも1つの長手方向湾曲セグメントには、嵌合状態のとき該湾曲セグメントに発生する応力を解放するための応力解放構造が設けられている。
【0017】
任意選択の実施形態によれば、少なくとも1つの長手方向湾曲セグメントは、シールの角部を備え、および/または応力解放構造は、シールの長手方向に沿って延在する少なくとも1つの溝を備える。
【0018】
第2の態様では、タッチスクリーンモジュールが提供され、本タッチスクリーンモジュールは、上述のシールを備える。
【0019】
任意選択の実施形態によれば、タッチスクリーンモジュールは、投影型静電容量方式タッチスクリーンモジュールである。
【0020】
第3の態様では、モニタが提供され、本モニタは、上述のタッチスクリーンモジュールを備える。
【0021】
第4の態様では、上述のモニタを組み立てるための方法が提供され、本方法は、上述のタッチスクリーンモジュールを提供することと、ハウジングを膨張させるように加熱することと、膨張したハウジングをタッチスクリーンモジュール上に嵌合させることと、ハウジングを冷却することと、を行うステップを備える。
【0022】
本発明によれば、本シールにより、望ましくない物質がシールにたまり、モニタの内部に入ることを防止する良好な封止効果を達成することができるだけでなく、シールによって発生する応力に起因して透明カバーがハウジングから脱落することも防止することができる。さらに、モニタの迅速かつ容易な組み立てプロセスを達成することができる。
【0023】
本発明およびその利点について、図面を参照していくつかの好ましい例示的な実施形態の以下の詳細な説明を解釈することによってさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】モニタ、例えば透析処置をモニタリングするための医療用モニタとして使用することができるタッチディスプレイパネルを例示的に示す。
図2図1に示されるタッチディスプレイパネルの部分断面図を示す。
図3】本発明の例示的な実施形態によるシールをより明確に例示するためのタッチディスプレイパネルの拡大部分断面図を示す。
図4】シールの1つの長手方向湾曲セグメントを上面図で示す。
図5】モニタを組み立てるための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のいくつかの例示的な実施形態について、以下、本発明の基本概念をより理解するために図面を参照してより詳細に説明する。
【0026】
図1は、モニタ、例えば透析処置をモニタリングするための医療用モニタとして使用することができるタッチディスプレイパネル1を例示的に示し、図2は、タッチディスプレイパネル1の部分断面図を示す。
【0027】
図1および図2に示されるように、タッチディスプレイパネル1は、主に、タッチスクリーンモジュール11と、タッチスクリーンモジュール11を保持するためのハウジング12とを備え、ここにおいて、タッチスクリーンモジュール11はさらに、タッチスクリーンモジュール本体111と、タッチスクリーンモジュール11の縁部に配置されたシール112とを備えてよく、該シール112は、より具体的には、嵌合状態のときハウジング12とタッチスクリーンモジュール本体111との間の隙間を封止するようにハウジング12とタッチスクリーンモジュール本体111との間に配置される。
【0028】
好ましくは、シール112の外面は、嵌合状態のときハウジング12の外面と同一平面である。
【0029】
図2に示されるように、タッチスクリーンモジュール本体111はさらに、透明カバー1111、好ましくはガラスカバーと、透明カバー1111によって覆われた液晶ディスプレイ1112とを備えてよく、嵌合状態のとき、タッチスクリーンモジュール11をハウジング12に接着するために接着剤13が使用される。好ましくは、シール112は透明カバー1111の外縁に配置され、接着剤13は透明カバー1111の内側とハウジング12の対応する部分との間に塗布され、液晶ディスプレイ1112と透明カバー1111とはフォーム接着によって互いに接着されてよい。
【0030】
図3は、本発明の例示的な実施形態によるシール112をより明確に例示するためのタッチディスプレイパネル1の拡大部分断面図を示す。図3に示されるように、シール112は主に、タッチスクリーンモジュール11の少なくとも1つの縁部に配置されるように構成された第1の側部1121と、第1の側部1121の反対側の第2の側部1122とを備え、ここにおいて、第2の側部1122は、第2の側部1122の外側部分1123が締まり嵌め方式でハウジング12と嵌合し、第2の側部1122の内側部分1124の少なくとも一部分が非締まり嵌め方式でハウジング12と嵌合するように構成される。
【0031】
当業者であれば、専門用語「外側部分1123」および「内側部分1124」において使用される「外側」および「内側」という用語が、タッチディスプレイパネル1の嵌合状態に対するものであることを容易に理解することができる。具体的には、内側部分1124のほうが、外側部分1123よりもタッチディスプレイパネル1の内部の近くに位置している。
【0032】
さらに、圧縮されていない、すなわち自由状態にある外側部分1123は、図3において破線L1で示されている。
【0033】
外側部分1123における締まり嵌めにより、望ましくない物質がシール112の外側部分1123とハウジング12との間の界面に入ることを防止する緊密な封止効果を外側部分1123において達成することができる。さらに、内側部分1124における非締まり嵌めは、透明カバー1111の内側に最終的に加えられる応力を低減するように外側部分1123の局所的な変形に部分的に対応することができる。
【0034】
また、当業者であれば、外側部分1123における締まり嵌めが、許容範囲内のサイズのばらつきに対応することができることを理解することができる。すなわち、外側部分1123における締まり嵌めは、ハウジング12、タッチスクリーンモジュール本体111、およびシール112のうちの少なくとも1つのデビエーション(deviation)を補償することもできる。さらに、シール112の高さのうちの一部分のみ、すなわち外側部分1123のみを締まり嵌めで保つことにより、上述のように内側部分1124が外側部分1123の局所的な変形に対応することができるので、組み立てプロセスをより容易にすることができる。
【0035】
さらに、主な封止力が、水平方向、すなわち透明カバー1111に平行な方向に発生し、水平方向に垂直な垂直方向には小さい封止力のみが発生し、それにより接着剤13の引張応力が最小限になる。
【0036】
明らかに、シール112は弾性があり、特にシリコンゴムで作られていることが有利である。
【0037】
本発明の例示的な実施形態によれば、第2の側部1122の外側部分1123のみが、締まり嵌め方式でハウジング12と嵌合するように構成され、および/または第2の側部1122の内側部分1124の少なくとも一部分が、隙間嵌め方式でハウジング12と嵌合するように構成されており、これは、組み立てプロセスおよび透明カバー1111に対する応力の低減のためにより有利である。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によれば、図3に示されるように、第2の側部1122の外側部分1123は、ハウジング12と封止接触するための接触リム1125を備え、および/または第2の側部1122の内側部分1124は、隙間嵌め方式でハウジング12と嵌合するように構成される。
【0039】
図2および図3に示されるように、第1の側部1121は、好ましくは、タッチスクリーンモジュール11の透明カバー1111を支持するための段差部分1126を形成するようにL字型構造の形態で構成される。
【0040】
本発明の例示的な実施形態によれば、L字型構造の角部1127は、嵌合状態のとき透明カバー1111から離隔するように構成され、これにより、組み立てプロセスをより容易にすることができる。
【0041】
追加の封止構造として、段差部分1126には、透明カバー1111と封止接触するための封止部分1128が設けられてよく、これは、液体、例えば水がタッチディスプレイパネル1の内部に侵入することを防止するためのさらに信頼性の高い封止効果を達成することができる。
【0042】
本発明の例示的な実施形態によれば、封止部分1128は、少なくとも1つの圧縮可能な突出部を備える。圧縮されていない、すなわち自由状態にある圧縮可能な突出部は、図3において破線L2で示されており、圧縮可能な突出部は、好ましくは、図3に示されるように嵌合状態のとき平らにされることができる。一例として、圧縮可能な突出部は、円弧形状の突出部として構成される。
【0043】
また図3に示されるように、段差部分1126には、嵌合状態のとき封止部分1128によって発生する応力を低減するための応力低減構造1129が設けられ、これにより、透明カバー1111の内側に最終的に作用する応力をさらに低減することができる。
【0044】
本発明の例示的な実施形態によれば、応力低減構造1129は、封止部分1128に隣接する凹部1130を備える。
【0045】
好ましくは、凹部1130は封止部分1128の下方に配置され、および/または凹部1130は半円形断面を有するように構成される。
【0046】
図1に示されるように、シール112は、タッチスクリーンモジュール11の外縁に沿って長手方向に延在し、その結果、シール112は、応力集中が生じる長手方向湾曲セグメント1131を有する可能性があり得る。この場合、1つの長手方向湾曲セグメント1131を上面図で示す図4に示されるように、シール112の少なくとも1つの長手方向湾曲セグメント1131には、嵌合状態のとき該湾曲セグメントに発生する応力を解放するための応力解放構造1132が設けられる。
【0047】
例えば、シール112はリング形状に構成されてよい。すなわち、シール112は、タッチスクリーンモジュール本体111の周囲全体を囲む。この場合、少なくとも1つの長手方向湾曲セグメント1131は、シール112の4つの角部を備える。
【0048】
当業者であれば、シール112が、タッチスクリーンモジュール本体111の周囲の一部分のみを囲むように構成されてもよいことを理解することができる。この場合、タッチスクリーンモジュール本体111の周囲全体を囲むために複数のシール112が必要となる。例えば、タッチスクリーンモジュール本体111の周囲全体を囲むように、各々が角部を備える4つのシール112を組み合わせてもよい。この配置構成では、好ましくは、すべてのシール112の角部に応力解放構造1132が設けられる。
【0049】
本発明の例示的な実施形態によれば、応力解放構造1132は、図4に示されるように、シール112の長手方向に沿って延在する少なくとも1つの溝1133を備える。
【0050】
本発明はまた、上述のシール112を備えるタッチスクリーンモジュール11と、そのようなタッチスクリーンモジュール11を備えるモニタとを提案する。
【0051】
さらに、本発明はまた、モニタを組み立てるための方法を提案する。方法のフローチャートを示す図5に示されるように、本方法は、S1)タッチスクリーンモジュール11を提供することと、S2)ハウジング12を膨張させるように加熱することと、S3)膨張したハウジング12をタッチスクリーンモジュール11上に嵌合させることと、S4)ハウジング12を冷却することと、を行うステップを備える。
【0052】
ハウジング12、特にプラスチックのハウジングを膨張させるように加熱すると、組み立てプロセスが容易になる。さらに、冷却後、ハウジング12はタッチスクリーンモジュール11をしっかりと保持することになるので、シール112は良好な封止効果を達成することができる。
【0053】
特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は例としてのみ提示されており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物は、本発明の趣旨および範囲内に入る修正、置換、および変更をすべて網羅することを意図している。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] タッチスクリーンモジュール用のシールであって、
前記タッチスクリーンモジュールの少なくとも縁部に配置されるように構成された第1の側部と、
前記第1の側部の反対側の第2の側部と、
を備え、
前記第2の側部は、前記第2の側部の外側部分が締まり嵌め方式でハウジングと嵌合し、前記第2の側部の内側部分の少なくとも一部分が非締まり嵌め方式で前記ハウジングと嵌合するように構成される、シール。
[2] 前記シールは弾性があり、および/または、
前記シールは、シリコンゴムで作られている、
[1]に記載のシール。
[3] 前記第2の側部の前記外側部分のみが、前記締まり嵌め方式で前記ハウジングと嵌合するように構成され、および/または、
前記第2の側部の前記内側部分の少なくとも一部分は、隙間嵌め方式で前記ハウジングと嵌合するように構成される、
[1]または[2]に記載のシール。
[4] 前記第2の側部の前記外側部分は、前記ハウジングと封止接触するための接触リムを備え、および/または、
前記第2の側部の前記内側部分は、前記隙間嵌め方式で前記ハウジングと嵌合するように構成される、
[3]に記載のシール。
[5] 前記第1の側部は、前記タッチスクリーンモジュールの透明カバーを支持するための段差部分を形成するようにL字型構造の形態で構成される、
[1]~[4]のいずれか一項に記載のシール。
[6] 前記L字型構造の角部は、嵌合状態のとき前記透明カバーから離隔するように構成され、および/または、
前記段差部分には、前記透明カバーと封止接触するための封止部分が設けられ、および/または、
前記透明カバーはガラスカバーである、
[5]に記載のシール。
[7] 前記封止部分は、少なくとも1つの圧縮可能な突出部を備え、および/または、
前記段差部分には、前記嵌合状態のとき前記封止部分によって発生する応力を低減するための応力低減構造が設けられている、
[6]に記載のシール。
[8] 前記圧縮可能な突出部は、円弧形状の突出部として構成され、および/または、
前記応力低減構造は、前記封止部分に隣接する凹部を備える、
[7]に記載のシール。
[9] 前記凹部は、前記封止部分の下方に配置され、および/または、
前記凹部は、半円形断面を有するように構成される、
[8]に記載のシール。
[10] 前記シールの少なくとも1つの長手方向湾曲セグメントには、前記嵌合状態のとき前記長手方向湾曲セグメントに発生する応力を解放するための応力解放構造が設けられている、
[1]~[9]のいずれか一項に記載のシール。
[11] 前記少なくとも1つの長手方向湾曲セグメントは、前記シールの角部を備え、および/または、
前記応力解放構造は、前記シールの長手方向に沿って延在する少なくとも1つの溝を備える、
[10]に記載のシール。
[12] タッチスクリーンモジュールであって、前記タッチスクリーンモジュールは、[1]~[11]のいずれか一項に記載のシールを備える、タッチスクリーンモジュール。
[13] 前記タッチスクリーンモジュールは、投影型静電容量方式タッチスクリーンモジュールである、
[12]に記載のタッチスクリーンモジュール。
[14] モニタであって、前記モニタは、[12]または[13]に記載のタッチスクリーンモジュールを備える、モニタ。
[15] [14]に記載のモニタを組み立てるための方法であって、
[12]または[13]に記載の前記タッチスクリーンモジュールを提供することと、
前記ハウジングを膨張させるように加熱することと、
前記膨張したハウジングを前記タッチスクリーンモジュール上に嵌合させることと、
前記ハウジングを冷却することと、
を行うステップを備える、方法。
図1
図2
図3
図4
図5