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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】較正回路、メモリ及び較正方法
(51)【国際特許分類】
   H03K 5/156 20060101AFI20240408BHJP
   H03K 5/05 20060101ALI20240408BHJP
   G06F 1/04 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
H03K5/156
H03K5/05
G06F1/04 510
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022552390
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 CN2021105250
(87)【国際公開番号】W WO2022088749
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】202011173755.3
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】田 凱
(72)【発明者】
【氏名】汪 玉霞
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0117887(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0177172(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0195240(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 5/00-5/26
G06F 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
較正回路であって、
第1発振信号及び第2発振信号を受信し、第1内部信号及び第2内部信号を出力するように構成される差動入力回路であって、前記第1発振信号と前記第2発振信号は、同じ周波数で逆位相であり、前記第1発振信号のデューティサイクル及び前記第2発振信号のデューティサイクルは第1所定範囲内にある、差動入力回路と、
前記差動入力回路の出力端子に接続され、前記第1内部信号のデューティサイクル及び/又は前記第2内部信号のデューティサイクルを比較するように構成される、比較ユニットと、
前記比較ユニット及び前記差動入力回路に接続され、前記比較ユニットの出力結果に従って前記差動入力回路を制御することにより、前記第1内部信号のデューティサイクル及び/又は前記第2内部信号のデューティサイクルを第2所定範囲に達させるように構成される、ロジックユニットと、を備え、
前記ロジックユニットは、
前記第1内部信号のデューティサイクル及び/又は第2内部信号のデューティサイクルを調整するように構成されるカウンタを備え、
前記比較ユニットは、サンプリングクロックによって駆動され、前記サンプリングクロックの周波数は、前記第1内部信号の周波数及び/又は第2内部信号の周波数より低く、
前記カウンタは計算器クロックによって駆動され、前記計算器クロックの周波数は、前記第1内部信号の周波数及び/又は第2内部信号の周波数より低く、
前記サンプリングクロックの周波数は、前記計算器クロックの周波数と同じであり、
前記差動入力回路は、更に、第1外部信号及び第2外部信号を受信するように構成され、前記第1外部信号と前記第2外部信号は、同じ周波数で逆位相であり、
前記較正回路は、更に、分周器と、第5レジスタグループと、セレクタと、を備え、
前記分周器は、外部クロック信号を受信して、前記サンプリングクロック及び前記計算器クロックを生成するように構成され、
前記第5レジスタグループは、前記分周器に接続され、前記サンプリングクロックの周波数及び前記計算器クロックの周波数を設定するように構成され、
前記第1発振信号、前記第2発振信号、前記第1外部信号、及び前記第2外部信号はすべて前記セレクタを介して前記差動入力回路に接続され、前記第1発振信号と前記第2発振信号を第1差動対信号とし、前記第1外部信号と前記第2外部信号を第2差動対信号とし、前記セレクタは、前記第1差動対信号及び前記第2差動対信号のうちの1つを選択して前記差動入力回路に入力するように構成され、
前記セレクタの制御端子は、較正イネーブル信号を受信し、前記較正イネーブル信号が低レベルのとき、前記第1外部信号及び第2外部信号を前記差動入力回路に入力し、前記較正イネーブル信号が高レベルのとき、前記第1発振信号及び第2発振信号を前記差動入力回路に入力するように構成され、
第1発振信号及び第2発振信号は、メモリに組み込まれた発振回路によって提供される、前記較正回路。
【請求項2】
前記比較ユニットは、
第1入力端子及び第2入力端子を備える積分ユニットであって、前記第1入力端子は、前記第1内部信号又は前記第2内部信号のうちの一方を受信するように構成され、前記第2入力端子は、前記第2内部信号又は前記第1内部信号のうちの他方を受信するように構成される、積分ユニットと、
前記積分ユニットの出力端子に接続されるコンパレータと、を備える、
請求項1に記載の較正回路。
【請求項3】
前記積分ユニットの第1入力端子は、反転識別信号が低レベルのときに前記第1内部信号を受信し、前記反転識別信号が高レベルのときに前記第2内部信号を受信するように構成され、
前記積分ユニットの第2入力端子は、前記反転識別信号が低レベルのときに前記第2内部信号を受信し、前記反転識別信号が高レベルのときに前記第1内部信号を受信するように構成される、
請求項2に記載の較正回路。
【請求項4】
前記ロジックユニットは更に、
記反転識別信号が低レベルのとき、前記コンパレータの出力に従って前記カウンタの第1値を記憶するように構成される第1レジスタグループと、
前記反転識別信号が高レベルのとき、前記コンパレータの出力に従って前記カウンタの第2値を記憶するように構成される第2レジスタグループと、
前記第1レジスタグループ及び前記第2レジスタグループに接続され、前記第1レジスタグループ及び前記第2レジスタグループの出力に対して加減乗除演算を実行するように構成される演算コンポーネントと、
前記演算コンポーネントに接続され、前記演算コンポーネントの出力結果を記憶するように構成される第3レジスタグループと、を備える、
請求項3に記載の較正回路。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれか一項に記載の較正回路を備える、メモリ。
【請求項6】
較正方法であって、
差動入力回路が、第1発振信号及び第2発振信号を受信し、第1内部信号及び第2内部信号を出力することであって、前記第1発振信号と前記第2発振信号は、同じ周波数で逆位相であり、前記第1発振信号及び前記第2発振信号のデューティサイクルは第1所定範囲内にある、ことと、
比較ユニットが、前記第1内部信号及び前記第2内部信号を受信し、前記第1内部信号のデューティサイクル又は前記第2内部信号のデューティサイクルを比較することと、
ロジックユニットが、前記比較ユニットの出力結果に従って前記差動入力回路を制御することにより、前記第1内部信号のデューティサイクル及び/又は前記第2内部信号のデューティサイクルを第2所定範囲に達させることと、を含み、
前記ロジックユニットが、カウンタを備え、前記ロジックユニットが、前記比較ユニットの出力結果に従って前記差動入力回路を制御することは、
カウンタにより差動入力回路を制御することにより、第1内部信号のデューティサイクル及び第2内部信号のデューティサイクルを調整することを含み、
前記比較ユニットは、サンプリングクロックによって駆動され、前記サンプリングクロックの周波数は、前記第1内部信号の周波数及び/又は第2内部信号の周波数より低く、
前記カウンタは計算器クロックによって駆動され、前記計算器クロックの周波数は、前記第1内部信号の周波数及び/又は第2内部信号の周波数より低く、
前記サンプリングクロックの周波数は、前記計算器クロックの周波数と同じであり、
前記差動入力回路は、更に、第1外部信号及び第2外部信号を受信し、前記第1外部信号と前記第2外部信号は、同じ周波数で逆位相であり、
前記較正方法は、
分周器が、外部クロック信号を受信して、前記サンプリングクロック及び前記計算器クロックを生成することと、
第5レジスタグループが、前記サンプリングクロックの周波数及び前記計算器クロックの周波数を設定することと、
前記第1発振信号と前記第2発振信号を第1差動対信号とし、前記第1外部信号と前記第2外部信号を第2差動対信号とし、セレクタが、前記第1差動対信号及び前記第2差動対信号のうちの1つを選択して前記差動入力回路に入力することと、を更に含み、
前記セレクタの制御端子は、較正イネーブル信号を受信し、前記較正イネーブル信号が低レベルのとき、前記第1外部信号及び第2外部信号を前記差動入力回路に入力し、前記較正イネーブル信号が高レベルのとき、前記第1発振信号及び第2発振信号を前記差動入力回路に入力し、
第1発振信号及び第2発振信号は、メモリに組み込まれた発振回路によって提供される、前記較正方法。
【請求項7】
前記比較ユニットが、前記第1内部信号及び第2内部信号を受信することは、
入力された反転識別信号が低レベルのとき、前記比較ユニットは第1内部信号のデューティサイクルを比較することと、
入力された反転識別信号が高レベルのとき、前記比較ユニットは第2内部信号のデューティサイクルを比較することと、を含み、
前記ロジックユニットが更に、第1レジスタグループと、第2レジスタグループとを備え、前記ロジックユニットが、前記比較ユニットの出力結果に従って前記差動入力回路を制御することは、
反転識別信号が低レベルのとき、前記カウンタはUからVまでカウントし、カウンタの値がUである場合、前記第1内部信号のデューティサイクルはX%であり、カウンタの値がVである場合、前記第1内部信号のデューティサイクルはY%であり、前記比較ユニットの出力結果が低レベルから高レベルに変更されるとき、このときの前記カウンタに対応するカウンタ値を前記第1レジスタグループに記憶することと、
前記反転識別信号が高レベルのとき、カウンタはUからVまでカウントし、カウンタの値がUである場合、前記第2内部信号のデューティサイクルはY%であり、カウンタの値がVである場合、前記第2発振信号のデューティサイクルはX%であり、前記比較ユニットの出力結果が高レベルから低レベルに変更されるとき、このときの前記カウンタに対応するカウンタ値を前記第2レジスタグループに記憶することと、を更に含み、
前記U及び前記Vは両方とも整数であり、前記Uは前記Vより小さく、前記X及び前記Yは両方とも正整数であり、前記Xは50より小さく、前記Yは50より大きい、
請求項に記載の較正方法。
【請求項8】
前記ロジックユニットは更に、演算コンポーネントと、第3レジスタグループとを備え、前記ロジックユニットが、前記比較ユニットの出力結果に従って前記差動入力回路を制御することは、
前記演算コンポーネントが、前記第1レジスタグループ及び前記第2レジスタグループの出力に対して加減乗除演算を実行し、得られた数値Hを前記第3レジスタグループに記憶することを更に含み、
前記Hは整数であり、前記Hは前記U以上で前記V以下であり、前記Hに対応する前記第1内部信号のデューティサイクルは、前記第2所定範囲内にある、
請求項7に記載の較正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年10月28日に中国特許局に提出された、出願番号が202011173755.3であり、発明の名称が「較正回路、メモリ及び較正方法」である中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照により本願に援用される。
【0002】
本願実施例は、較正回路、メモリ及び較正方法に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
半導体メモリは、検索可能なデータを記憶するために、多くの電子システムで使用されている。電子システムのより高速で、より大きなデータ容量及びより少ない電力を消費することに対する需要が高まるにつれて、変化し続ける需要を満たすために、半導体メモリは、より高速でより少ない電力を使用して、より多くのデータを記憶する必要がある。
【0004】
通常、メモリにコマンド(commands)、メモリアドレス(memory address)及びクロック(clocks)を提供することによって、半導体メモリを制御し、各種コマンド、メモリアドレス及びクロックは、メモリコントローラ(memory controller)によって提供されることができる。これらの3つのタイプの信号は、メモリを制御して、各種の記憶動作を実行することができ、例えば、メモリからデータを読み取る読み取り動作、及びデータをメモリに記憶する書き込み動作などを実行することができる。メモリによって受信された「関連コマンド」に関連する既知のタイミングに基づいて、メモリとメモリコントローラの間でデータを伝送する。具体的には、命令及びアドレスを計時するためのシステムクロック(system clock)をメモリに提供することができ、更に、データクロック(data clock)をメモリに提供することもでき、当該データクロックは、データの読み取りのタイミング及びデータの書き込みのタイミングとして使用される。更に、メモリは、コントローラにデータを伝送するタイミングとして、コントローラにクロックを提供することもできる。メモリに提供される外部クロックは、内部クロックを生成するために使用され、これらの内部クロックは、メモリの記憶動作中に各種の内部回路のタイミングを制御する。メモリの動作中の内部回路のタイミングは重要であり、内部クロックの偏差は誤った動作を引き起こす可能性があり、クロックの偏差は、デューティサイクル歪みを含み、即ち、クロック信号のデューティサイクルが、所定のデューティサイクルから外れている。
【0005】
したがって、メモリは、DCA機能及びDCM機能を備える必要があり、即ち、メモリは、デューティサイクル調節(DCA:Duty Cycle Adjust)回路及びデューティサイクル監視(DCM:Duty Cycle Monitor)回路を備える必要があり、デューティサイクル調節回路は、外部クロックによって生成された内部クロックのデューティサイクルを調節するように構成され、デューティサイクル監視回路は、クロックのデューティサイクルが所定のデューティサイクルから外れているか否かを監視するように構成される。
【発明の概要】
【0006】
本願実施例は、較正回路を提供し、前記較正回路は、第1発振信号及び第2発振信号を受信し、第1内部信号及び第2内部信号を出力するように構成される差動入力回路であって、前記第1発振信号と前記第2発振信号は、同じ周波数で逆位相であり、前記第1発振信号のデューティサイクル及び前記第2発振信号のデューティサイクルは、第1所定範囲内にある、差動入力回路と、前記差動入力回路の出力端子に接続され、前記第1内部信号のデューティサイクル及び/又は前記第2内部信号のデューティサイクルを比較するように構成される比較ユニットと、前記比較ユニット及び前記差動入力回路に接続され、前記比較ユニットの出力結果に従って前記差動入力回路を制御することにより、前記第1内部信号のデューティサイクル及び/又は前記第2内部信号のデューティサイクルを第2所定範囲に達させるように構成される、ロジックユニットと、を備える。
【0007】
本願実施例は更に、上記の較正回路を備えるメモリを提供する。
【0008】
本願実施例は更に、較正方法を提供し、前記較正方法は、差動入力回路が、第1発振信号及び第2発振信号を受信し、第1内部信号及び第2内部信号を出力することであって、前記第1発振信号及び前記第2発振信号は、同じ周波数で逆位相であり、前記第1発振信号及び第2発振信号のデューティサイクルは第1所定範囲内にある、ことと、比較ユニットが前記第1内部信号及び前記第2内部信号を受信し、前記第1内部信号のデューティサイクル又は前記第2内部信号のデューティサイクルを比較することと、ロジックユニットが前記比較ユニットの出力結果に従って前記差動入力回路を制御することにより、前記第1内部信号のデューティサイクル及び/又は第2内部信号のデューティサイクルを第2所定範囲に達させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の1つの実施例による較正回路の機能ブロック図である。
図2】本願の1つの実施例による較正回路の例示的な構造図である。
図3】本願の別の実施例による較正方法の例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つ又は複数の実施例は、それに対応する図面を参照して例示的に説明され、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、図面において同じ参照番号を有する要素は、類似した要素を示し、特に明記しない限り、図面における図は、縮尺への制限を構成するものではない。
【0011】
背景技術から分かるように、現在、メモリの動作周波数は益々速くなり、したがって、入力信号のデューティサイクルに対する要件も益々厳しくなり、要件を満たすDCA機能及びDCM機能を使用して、入力信号のデューティサイクルを較正及び監視することは非常に重要である。更に、メモリは、外部クロック信号を受信して内部クロック信号を生成するように構成される差動入力回路を備え、差動入力回路の固有の回路特性は、内部クロック信号のデューティサイクル偏差を引き起こす可能性がある。デューティサイクル偏差に対する差動入力回路の影響が時間内に検出及び較正されない場合、メモリの読み書き性能に影響を及ぼす。
【0012】
上記の問題を解決するために、本願実施例は、較正回路を提供し、第1所定範囲のデューティサイクルを有する第1発振信号及び第2発振信号が差動入力回路を介して入力された後、第1内部信号及び第2内部信号が出力され、当該第1内部信号及び第2内部信号は、メモリをテストするときに採用される実際の入力信号として使用されることができ、比較ユニットにより、第1内部信号及び第2内部信号のデューティサイクルを検出し、ロジックユニットは、検出結果に基づいて差動入力回路を制御することにより、第1内部信号のデューティサイクル及び第2内部信号のデューティサイクルが第2所定範囲内に安定化されるのを確保し、当該第1内部信号及び第2内部信号を使用してテストすることにより、テスト結果の精度を向上させることができる。更に、当該較正回路は、DCM機能及びDCM機能を備え、差動入力回路の動作状態を較正することができ、そのため、デューティサイクル偏差に対する差動入力回路の影響を低減又は回避し、当該較正回路を備えるメモリの読み書き性能を向上させることができる。
【0013】
本願実施例の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、以下に図面を参照して本願の各実施例を詳細に説明する。しかし、当業者であれば理解できるように、本願の各実施例では、読者に本願をより良く理解させるために、多くの技術的詳細が提供されているが、これらの技術的詳細及び以下の各実施例に基づく様々な変更及び修正なしにも、本願で主張される技術的解決策を実現することができる。
【0014】
図1は、本願の1つの実施例による較正回路の機能ブロック図であり、図2は、本願の1つの実施例による較正回路の例示的な構造図である。
【0015】
図1及び図2を参照すると、本実施例では、較正回路は、差動入力回路101、比較ユニット102、及びロジックユニット103を備え、差動入力回路101は、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-を受信し、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を出力するように構成され、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-は、同じ周波数で逆位相であり、第1発振信号OSC+のデューティサイクル及び第2発振信号OSC-のデューティサイクルは第1所定範囲内にある。比較ユニット102は、差動入力回路101の出力端子に接続され、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び/又は第2内部信号IBO-のデューティサイクルを比較するように構成される。ロジックユニット103は、比較ユニット102及び差動入力回路101に接続され、比較ユニット102の出力結果に従って差動入力回路101を制御することにより、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び/又は第2内部信号IBO-のデューティサイクルを第2所定範囲に達させるように構成される。
【0016】
当該較正回路は、メモリに組み込まれることができ、外部クロック信号を受信して内部クロック信号を生成することができるだけでなく、テスト用の第1発振信号及び第2発振信号を受信して第1内部信号及び第2内部信号を生成することができ、第1内部信号のデューティサイクル及び第2内部信号のデューティサイクルを第2所定範囲内に安定化させることができ、それにより、メモリテストのテスト結果の精度を向上させる。更に、較正回路は、メモリのデューティサイクル較正機能とデューティサイクル監視機能、及び差動入力回路の較正機能を実現することができ、これにより、差動入力回路によるクロック信号へのデューティサイクル偏差の問題を回避することができる。
【0017】
以下では、図面を参照して本実施例による較正回路を詳細に説明する。
【0018】
第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-は、差動化されたクロック信号であり、且つ、第1発振信号OSC+のデューティサイクル及び第2発振信号OSC-のデューティサイクルは第1所定範囲内にあり、つまり、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-は高品質信号である。一例では、第1所定範囲は48%~52%であり得る。
【0019】
更に、本実施例では、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-は、高周波特性を有し得、つまり、第1発振信号OSC+の周波数及び第2発振信号OSC-の周波数は、メモリが読み書きするのに必要なクロック信号の周波数と同等であり、ここでの同等とは、周波数が同じであるか、周波数の差がテスト許可範囲内にあることを指し得る。例えば、第1発振信号OSC+の周波数と第2発振信号OSC-の周波数は、3.2GHz又は4.8GHz、更には6.4GHzに達することができる。
【0020】
更に、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-は、メモリに組み込まれた発振回路によって提供されることができる。
【0021】
本実施例では、差動入力回路101は、入力バッファ(IB:Input Buffer)を備えることができ、前記入力バッファは、差動化された第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-を受信し、差動化された第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を出力するように構成される。
【0022】
更に、本実施例では、差動入力回路101は、更に、第1外部信号PAD+及び第2外部信号PAD-を受信するように構成されることができ、第1外部信号の周波数は第2外部信号の周波数と同じで逆位相であり、つまり、第1外部信号PAD+及び第2外部信号PAD-も差動信号である。それに対応して、較正回路は更に、セレクタ111を備え、第1発振信号OSC+、第2発振信号OSC-、第1外部信号PAD+、及び第2外部信号PAD-はすべて、セレクタ111を介して差動入力回路101に接続され、第1発振信号OSC+と第2発振信号OSC-を第1差動対信号とし、第1外部信号PAD+と第2外部信号PAD-を第2差動対信号とし、セレクタ111は、第1差動対信号及び第2差動対信号のうちの1つを選択して差動入力回路101に入力するように構成される。
【0023】
差動入力回路101が固有の回路特性を有するため、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-のデューティサイクルが要件を満たしていても、差動入力回路101によって出力される第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルが外れる可能性がある。したがって、比較ユニット102を採用して、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルを検出する。
【0024】
第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-が差動信号であるため、第1内部信号IBO+のデューティサイクルと第2内部信号IBO-のデューティサイクルとの合計は100%であり、比較ユニット102を設置することにより、差動化された第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルの大きさを検出する。具体的には、比較ユニット102が第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び/又は第2内部信号IBO-のデューティサイクルを比較することは、以下3つの状況のうちの少なくとも1つを含む。
【0025】
比較ユニット102は、第1内部信号IBO+のデューティサイクルを比較する。具体的には、比較ユニット102は、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2所定範囲に達したか否かを比較し、第2所定範囲は第1所定範囲と同じであってもよく、例えば、当該第2所定範囲は48%~52%であり得る。比較ユニット102が、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2所定範囲内にあることを検出した場合、第2内部信号IBO-のデューティサイクルも第2所定範囲内にあることを示し、比較ユニット102が、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2所定範囲内にないことを検出した場合、第2内部信号IBO-のデューティサイクルも第2所定範囲内にないことを示す。
【0026】
比較ユニット102は、第2内部信号IBO-のデューティサイクルを比較する。具体的には、比較ユニット102は、第2内部信号IBO-のデューティサイクルが第2所定範囲内に達したか否かを比較し、当該第2所定範囲は48%~52%であり得る。比較ユニット102が、第2内部信号IBO-のデューティサイクルが第2所定範囲内にあることを検出した場合、第1内部信号IBO+のデューティサイクルも第2所定範囲内にあることを示し、比較ユニット102が、第2内部信号IBO-のデューティサイクルが第2所定範囲内にないことを検出した場合、第1内部信号IBO+のデューティサイクルも第2所定範囲内にないことを示す。
【0027】
比較ユニット102は、第1内部信号IBO+のデューティサイクルと第2内部信号IBO-のデューティサイクルとを比較する。具体的には、比較ユニット102は、第1内部信号IBO+のデューティサイクルと第2内部信号IBO-のデューティサイクルとの差値が所定の差値範囲内にあるか否かを取得し、当該所定の差値範囲は-4%~4%であり得、比較ユニット102が、当該差値が所定の差値範囲内にあることを検出した場合、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルが第2所定範囲内にあることを示し、そうでない場合、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルが第2所定範囲に達していないことを示す。
【0028】
上記の第2所定範囲及び所定の差値範囲の数値範囲はすべて例示的な説明に過ぎず、本実施例は、第2所定範囲及び所定の差の範囲を限定しなく、メモリの実際性能要件に応じて第2所定範囲及び所定の差値範囲を合理的に設定することができることに留意されたい。
【0029】
本実施例では、比較ユニット102は、積分ユニット112と、コンパレータ122とを備え、積分ユニット112は、第1入力端子3及び第2入力端子4を備え、第1入力端子3は、第1内部信号IBO+又は第2内部信号IBO-のうちの一方を受信するように構成され、第2入力端子4は、第1内部信号IBO+又は第2内部信号IBO-のうちの他方を受信するように構成され、コンパレータ122は、積分ユニット112の出力端子に接続される。
【0030】
具体的には、積分ユニット112は2つの積分回路を備え、第1入力端子3は、一方の積分回路の入力端子として使用され、第2入力端子4は、他方の積分回路の入力端子として使用される。コンパレータ122は、2つの積分回路の出力を比較し、高レベル又は低レベルを出力するように構成される。
【0031】
より具体的には、比較ユニット102において、2つの積分回路により、入力された第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-に対して積分演算を実行し、積分演算の結果はコンパレータ122に入力され、コンパレータ122によって比較結果を出力する。
【0032】
例えば、第1内部信号IBO+が正の端子(duty+)であり、第2内部信号IBO-が負の端子(duty-)である場合、一例では、コンパレータ122の出力が高レベルのとき、これは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2内部信号IBO-のデューティサイクルより大きいことを示し、コンパレータ122の出力が低レベルのとき、これは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2内部信号IBO-のデューティサイクルより小さいことを示す。
【0033】
上記の比較ユニット102の出力結果と、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルとの間の対応関係は例示的なものに過ぎず、本実施例は、異なる出力結果が、第1内部信号IBO+のデューティサイクルと第2内部信号IBO-のデューティサイクルとの間の異なる対応関係に対応することが保証できれば、高レベル及び低レベルと、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルとの間の対応関係を限定しないことに留意されたい。
【0034】
図2に示されるように、比較ユニット102の出力結果は、サンプリングクロックclk1によってサンプリング及び出力することができる。本実施例では、比較ユニット102は、1つのサンプリングクロックclk1によって駆動され、サンプリングクロックclk1の周波数は、第1内部信号IBO+の周波数及び/又は第2内部信号IBO-の周波数より低い。サンプリングクロックclk1の周波数が速いほど、サンプリング誤差が大きくなり、サンプリングクロックclk1の周波数が遅いほど、サンプリング誤差が小さくなるが、テストの時間が長くなる。したがって、サンプリング誤差及びテスト時間に応じて、サンプリングクロックclk1の最適な周波数を総合的に選択することができる。
【0035】
本実施例では、クロック生成回路は更に、外部クロック信号CLKを受信し、サンプリングクロックclk1を生成するように構成される分周器104を備える。当該外部クロック信号CLKは、試験機によって提供されたものであってもよいし、メモリによって提供されたものであってもよい。
【0036】
更に、上記の分析から分かるように、サンプリングクロックclk1の周波数が調整可能である場合、実際の状況に応じてサンプリングクロックclk1の異なる周波数を選択することができ、よって、本実施例では、クロック生成回路は更に、第5レジスタグループ105を備えることができ、第5レジスタグループ105は、分周器104に接続され、サンプリングクロックの周波数を設定するように構成される。第5レジスタグループ105はモードレジスタであり得る。
【0037】
比較ユニット102の固有特性が入力偏差を引き起こす可能性があり、したがって、比較ユニット102自体の入力偏差によるテスト結果への誤差を排除するために、本実施例において、比較ユニット102は、第1入力端子3及び第2入力端子4が互換可能であるように構成されることができる。具体的には、比較ユニット102は、以下のように構成される。
【0038】
積分ユニット112の第1入力端子3は、反転識別信号が低レベルのときに第1内部信号IBO+を受信し、反転識別信号が高レベルのときに第2内部信号IBO-を受信するように構成され、積分ユニット112の第2入力端子4は、反転識別信号が低レベルのときに第2内部信号IBO-を受信し、反転識別信号が高レベルのときに第1内部信号IBO+を受信するように構成される。ここで、メモリはモードレジスタを備え、当該反転識別信号は、モードレジスタによって提供されることができ、例えば、LPDDR4又はLPDDR5又はLPDDR6において、反転識別信号は、DCM MR OP[1]として定義することができ、DCM MR OP[1]=0であることは、反転識別信号が低レベルであることを表し、DCM MR OP[1]=1であることは、反転識別信号が高レベルであることを表す。
【0039】
ロジックユニット103は、比較ユニット102の検出結果に基づいて差動入力回路101を制御し、差動入力回路101の回路特性を調整することにより、調整後の差動入力回路101によって出力される第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルが第2所定範囲内に達するようにする。
【0040】
具体的には、ロジックユニット103は、カウンタ113と、第1レジスタグループ123と、第2レジスタグループ133とを備え、カウンタ113は、第1内部信号IBO+及び/又は第2内部信号IBO-のデューティサイクルを調節するように構成され、第1レジスタグループ123は、反転識別信号が低レベルのとき、コンパレータ122の出力に従って、カウンタ113の第1値を記憶するように構成され、第2レジスタグループ133は、反転識別信号が高レベルのとき、コンパレータ122の出力に従って、カウンタ113の第2値を記憶するように構成される。
【0041】
具体的には、カウンタ113の作用は、差動入力回路101の回路特性を調節し、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルを変更することを含み、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルの変化は、単調変化であり、例えば、1つのカウント周期において、デューティサイクルは、最小から最大に変化するか、最大から最小に変化する。1つのカウント周期において、コンパレータ122の出力結果は、唯一の反転点を有し、当該反転点に対応するカウンタ113の値は、差動入力回路101によって出力される第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルを第2所定範囲に最も近接させる設定であり、この値をカウンタ113の値として第1レジスタグループ123又は第2レジスタグループ133に記憶する。
【0042】
より具体的には、反転識別信号が低レベルのとき、コンパレータ122の出力に従ってカウンタ113の第1値を記憶し、当該第1値を第1レジスタグループ123に記憶し、反転識別信号が高レベルのとき、コンパレータ122の出力に従ってカウンタ113の第2値を記憶し、当該第2値を第2レジスタグループ133に記憶する。理解を容易にするために、ロジックユニット103の動作原理を以下に詳細に説明する。
【0043】
反転識別信号が低レベルのとき、積分ユニット112の第1入力端子3は第1内部信号IBO+を受信し、第2入力端子4は第2内部信号IBO-を受信し、カウンタ113はカウントし始め、例えば、カウンタ113は、1つのカウント周期内において、0から31までカウントし、その間、差動入力回路101によって出力される第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルも最小値から最大値に変化するか(例えば40%から60%に変化する)又は最大値から最小値に変化する。このように、1つのカウント周期において(例えば、0から31まで)、コンパレータ122は、唯一の反転点を有し、当該反転点に対応するカウンタ113の値が第1値であり、当該第1値は、差動入力回路101によって出力される第1内部信号IBO+のデューティサイクルを第2所定範囲に最も近接させる設定であり、例えば、デューティサイクルを50%に最も近接させる設定であり得、当該第1値は、第1レジスタグループ123に記憶される。
【0044】
反転識別信号が高レベルのとき、積分ユニット112の第1入力端子3は第2内部信号IBO-を受信し、第2入力端子4は第1内部信号IBO+を受信し、即ち、比較ユニット102の入力端子が互換され、カウンタ113は、新しいカウント周期に入り、例えば、0から31まで再カウントし、同様に、コンパレータ122の出力反転点に対応するカウンタ113の第2値は、第2レジスタグループ133に記憶される。
【0045】
前述した、0から31までのカウント周期は、例示的な説明に過ぎず、本実施例では、カウンタ113のカウント方式に対して限定しなく、加算カウンタに加えて、カウンタ113はまた、減算カウンタであり得、連続的に増加又は減少するというカウント方式であってもよいし、段階的に増加又は減少するというカウント方式であってもよいことに留意されたい。
【0046】
比較ユニット102の第1入力端子3と第2入力端子4は互換され、2回カウントすることで差動入力回路101を制御する方式により、比較ユニット102自体の入力偏差による悪影響を排除し、テスト結果の精度を更に向上させることができる。
【0047】
更に、ロジックユニット103は更に、演算コンポーネント143と、第3レジスタグループ153とを備え、演算コンポーネント143は、第1レジスタグループ123及び第2レジスタグループ133に接続され、第1レジスタグループ123及び第2レジスタグループ133の出力に対して加減乗除演算を実行するように構成され、第3レジスタグループ153は、演算コンポーネント143に接続され、演算コンポーネント143の出力結果を記憶するように構成される。
【0048】
具体的には、第1レジスタグループ123の出力とは、第1レジスタグループ123に記憶された第1値を指し、第2レジスタグループ133の出力とは、第2レジスタグループ133に記憶された第2値を指す。本実施例では、演算コンポーネント143は、第1値と第2値を加算してから2で除算して平均値を求め、当該平均値は、演算コンポーネント143の出力結果として使用され、当該平均値は第3レジスタグループ153に記憶される。当該平均値は、比較ユニット102自体の入力偏差が既に排除されたものであるため、当該平均値は、差動入力回路101によって出力される第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルを第2所定範囲に最も近接させる設定であり、例えば、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルを50%に最も近接させる設定である。
【0049】
当該平均値は、第1値と第2値を加算してから2で除算した値の小数点以下を切り上げた整数であってもよいし、第1値と第2値を加算してから2で除算した値の小数点以下を切り捨てた整数であってもよいことを理解されたい。
【0050】
本実施例では、第1値と第2値を平均することを例として説明したが、他の実施例では、他の演算方式を採用して、第1値及び第2値に対して演算を実行することができることに留意されたい。
【0051】
第1レジスタグループ123、第2レジスタグループ133及び第3レジスタグループ153はすべて、モードレジスタであり得る。
【0052】
本実施例では、カウンタ113は、1つの計算器クロックによって駆動され、計算器クロックの周波数は、第1内部信号IBO+の周波数及び/又は第2内部信号IBO-の周波数より低い。計算器クロックの周波数は調整可能であり、差動入力回路101の速度を調整することにより、計算器クロックの周波数を合理的に選択することができる。
【0053】
更に、サンプリングクロックの周波数は、計算器クロックの周波数と同じであってもよい。分周器は、更に、外部クロック信号を受信し、サンプリングクロック及び計算器クロックを生成するように構成され、同様に、第5レジスタグループは、更に、計算器クロックの周波数を設定するように構成される。
【0054】
第3レジスタグループ153に記憶された値は、差動入力回路101の設定に対応し、この場合、差動入力回路101のデューティサイクル選択は、カウンタ113から第3レジスタグループ153に切り替えられ、これにより、差動入力回路が、最適なデューティサイクルの第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を固定的に出力するようにする。差動入力回路101が最適なデューティサイクルの第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を固定的に出力している間、比較ユニット102は、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び/又は第2内部信号IBO-のデューティサイクルを持続的に比較することができ、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルが所定範囲から外れると、この問題を時間内に検出することができることを理解されたい。
【0055】
更に、本実施例では、セレクタ111の制御端子は、較正イネーブル信号dcaを受信し、前記較正イネーブル信号dcaが低レベルのとき、第1外部信号PAD+及び第2外部信号PAD-が差動入力回路101に入力され、前記較正イネーブル信号dcaが高レベルのとき、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-が差動入力回路101に入力される。
【0056】
較正イネーブル信号dcaが高レベルのとき、較正回路は、デューティサイクル較正状態に入り、それに対応して、デューティサイクル較正又はデューティサイクル調整の実行のために、初期デューティサイクルを有する第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-が差動入力回路101に入力され、これにより、DCA機能を実現し、較正イネーブル信号dcaが低レベルになると、較正回路は、デューティサイクル較正状態を終了し、デューティサイクル検出又はデューティサイクル監視の実行のために、第1外部信号PAD+及び第2外部信号PAD-が差動入力回路101に入力され、これにより、DCM機能を実現する。
【0057】
本実施例による較正回路は、差動入力回路101、比較ユニット102及びロジックユニット103により、メモリ内部で安定した第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を生成することができ、当該第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-は、メモリの高周波動作信号の要件を満たすため、メモリをテストするためのテスト入力信号として使用することができ、これにより、メモリは、それ自体に組み込まれた自己テスト機能を実現することができ、追加の試験機を利用してテスト入力信号を提供する必要がなく、その一方で、試験機が高周波のテスト入力信号を提供できないという問題が解决される。
【0058】
一方、当該較正回路は、差動入力回路101を較正することもでき、当該較正回路をメモリに適用する場合、差動入力回路101自体によるデューティサイクル偏差を低減することができ、これにより、メモリの読み書き動作性能を向上させることができ、例えば、ノイズ許容値が向上し、信号の完全性が向上する。
【0059】
更に、本実施例では、比較ユニット102は、差動入力回路101の出力を検出し、ロジックユニット103は、比較ユニット102の出力結果に基づいて差動入力回路101を制御することにより、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルを第2所定範囲内となるように安定させるのを保証し、それにより、テスト精度へのデューティサイクル偏差の悪影響を回避し、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を利用してメモリをテストするテスト精度を向上させる。例えば、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルが50%であるように正確に制御することができる。
【0060】
一方、本実施例による較正回路はまた、デューティサイクル監視機能及びデューティサイクル較正機能を有する。
【0061】
それに対応して、本願実施例は更に、上記の実施例による較正回路を備えるメモリを提供する。具体的には、当該メモリは、DRAM、SRAM、MRAM、FeRAM、PCRAM、NAND、NORなどのメモリであり得る。
【0062】
上記の分析から分かるように、メモリ内部で、テスト用の高速の第1内部信号及び第2内部信号を生成することができ、第1内部信号及び第2内部信号のデューティサイクルを第2所定範囲内に維持することができ、そのため、追加の試験機を利用してテスト信号を提供する必要がなく、したがって、メモリをテストするテスト精度を向上させるのに役立つ。
【0063】
それに対応して、本願実施例は、更に、較正方法を提供する。図3は、本願の1つの実施例による較正方法の例示的なフローチャートである。以下では、図面を参照して本願実施例における較正方法を詳細に説明する。当該較正方法は、上記の実施例による較正回路を利用して実行できることに留意されたい。
【0064】
図2及び図3を参照すると、本実施例では、較正方法は、以下のステップを含み得る。
【0065】
ステップS1において、差動入力回路が、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-を受信し、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-は、同じ周波数で逆位相であり、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-のデューティサイクルは第1所定範囲内にあり、差動入力回路が、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を出力する。
【0066】
具体的には、第1発振信号OSC+及び第2発振信号OSC-は、安定したデューティサイクルを有する信号であり、例えば、第1発振信号OSC+のデューティサイクル及び第2発振信号OSC-のデューティサイクルは両方とも50%である。
【0067】
ステップS2において、比較ユニットが、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を受信し、第1内部信号IBO+のデューティサイクル又は第2内部信号IBO-のデューティサイクルを比較する。
【0068】
差動入力回路によって出力された第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルは、偏差が生じる可能性があり、例えば、第1内部信号IBO+デューティサイクルが40%になり、第2内部信号IBO-デューティサイクルが60%になる。
【0069】
具体的には、反転識別信号が低レベルのとき、比較ユニットは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルを比較し、反転識別信号が高レベルのとき、比較ユニットは、第2内部信号IBO-のデューティサイクルを比較する。
【0070】
比較ユニットは、積分ユニットと、コンパレータとを備え、前記積分ユニットは、第1入力端子及び第2入力端子を備え、前記第1入力端子は、第1内部信号IBO+又は第2内部信号IBO-のうちの一方を受信するように構成され、第2入力端子は、第2内部信号IBO-又は第1内部信号IBO+のうちの他方を受信するように構成され、前記コンパレータは、積分ユニットの出力端子に接続される。
【0071】
反転識別信号が低レベルのとき、第1入力端子は第1内部信号IBO+を受信し、第2入力端子は第2内部信号IBO-を受信し、コンパレータは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルを比較し、対応する出力を行い、コンパレータが第1内部信号IBO+のデューティサイクルを比較することは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルを第2内部信号IBO-のデューティサイクルと比較すること、又は、第1内部信号IBO+のデューティサイクルを所定のデューティサイクルと比較することであり得る。
【0072】
反転識別信号が高レベルのとき、第1入力端子は第2内部信号IBO-を受信し、第2入力端子は第1内部信号IBO+を受信し、コンパレータは、第2内部信号IBO-のデューティサイクルを比較し、対応する出力を行い、コンパレータが第2内部信号IBO-のデューティサイクルを比較することは、第2内部信号IBO-のデューティサイクルを第1内部信号IBO+のデューティサイクルと比較すること、又は、第2内部信号IBO-のデューティサイクルを所定のデューティサイクルと比較することであり得る。
【0073】
比較ユニットの出力結果は、第1内部信号IBO+のデューティサイクルと第2内部信号IBO-のデューティサイクルとの間の差値を表す。例えば、比較ユニットの出力結果が高レベルのとき、これは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2内部信号IBO-のデューティサイクルより大きいことを示し、比較ユニットの出力結果が低レベルのとき、これは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2内部信号IBO-のデューティサイクルより小さいことを示す。
【0074】
ステップS3において、ロジックユニットが、比較ユニットの出力結果に従って差動入力回路を制御することにより、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び/又は第2内部信号IBO-のデューティサイクルを第2所定範囲に達させる。
【0075】
具体的には、ロジックユニットは、カウンタと、第1レジスタグループと、第2レジスタグループとを備える。カウンタにより差動入力回路を制御することにより、第1内部信号IBO+のデューティサイクル及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルを調整する。
【0076】
反転識別信号が低レベルのとき、カウンタはUからVまでカウントし、カウンタの値がUである場合、第1内部信号IBO+のデューティサイクルはX%であり、カウンタの値がVである場合、第1内部信号IBO+のデューティサイクルはY%であり、比較ユニットの出力結果が低レベルから高レベルに変更されるとき、このときのカウンタに対応するカウンタ値を前記第1レジスタグループに記憶する。例えば、Uは0であり得、Vは7であり得、Xは40であり得、Yは60であり得る。
【0077】
反転識別信号が高レベルのとき、カウンタはUからVまでカウントし、カウンタの値がUである場合、第2内部信号IBO-のデューティサイクルはY%であり、カウンタの値がVである場合、第2内部信号IBO-のデューティサイクルはX%であり、比較ユニットの出力結果が高レベルから低レベルに変更されるとき、このときのカウンタに対応するカウンタ値を第2レジスタグループに記憶する。例えば、Uは0であり得、Vは7であり得、Xは40であり得、Yは60であり得る。
【0078】
より具体的には、例えば、反転識別信号が低レベルのとき、第1入力端子は第1内部信号IBO+を受信し、第2入力端子は第2内部信号IBO-を受信し、カウンタは、1つのカウント周期で0から7までカウントし、比較ユニットの出力結果が低レベルのとき、これは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2内部信号IBO-のデューティサイクルより小さいことを示し、比較ユニットの出力結果が高レベルのとき、これは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2内部信号IBO-のデューティサイクルより大きいことを示す。したがって、比較ユニットの出力結果が低レベルから高レベルにジャンプするのに対応する1つの反転点があり、例えば、このときのカウンタの値が3である場合、当該反転点に対応するカウンタのカウンタ値3を第1値として第1レジスタグループに記憶する。
【0079】
例えば、反転識別信号が高レベルのとき、第1入力端子は第2内部信号IBO-を受信し、第2入力端子は第1内部信号IBO+を受信し、カウンタは、1つのカウント周期で0から7までカウントし、比較ユニットの出力結果が高レベルのとき、これは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2内部信号IBO-のデューティサイクルより小さいことを示し、比較ユニットの出力結果が低レベルのとき、これは、第1内部信号IBO+のデューティサイクルが第2内部信号IBO-のデューティサイクルより大きいことを示す。したがって、比較ユニットの出力結果が高レベルから低レベルにジャンプするのに対応する1つの反転点があり、例えば、このときのカウンタの値が4である場合、当該反転点に対応するカウンタのカウンタ値4を第2値として第2レジスタグループに記憶する。
【0080】
反転識別信号が低レベルのとき、カウンタは0から7までカウントし、第1内部信号IBO+のデューティサイクルは単調変化することに留意されたい。例えば、第1内部信号IBO+のデューティサイクルは所定のステップ幅で増加することができ、例えば、カウンタのカウンタ値が1増加するたびに、第1内部信号IBO+のデューティサイクルは((60-40)/8)%増加する。同様に、反転識別信号が高レベルのとき、カウンタは0から7までカウントし、第2内部信号IBO-のデューティサイクルは単調変化し、例えば、第2内部信号IBO-のデューティサイクルは所定のステップ幅で増加することができ、例えば、カウンタのカウンタ値が1増加するたびに、第1内部信号IBO+のデューティサイクルは((60-40)/8)%増加する。
【0081】
ロジックユニットは更に、演算コンポーネントと、第3レジスタグループとを備え、演算コンポーネントは、第1レジスタグループ及び第2レジスタグループの出力に対して加減乗除演算を実行し、得られた数値Hを第3レジスタグループに記憶し、ここで、Hは正整数であり、HはU以上でV以下である。
【0082】
本実施例では、数値Hは、第1値と第2値を加算してから2で除算したものであり、即ち、数値Hは、第1値と第2値の平均であり、当該数値Hは、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を第2所定範囲に達させる設定に対応し、例えば、Hは(3+4)/2に等しく、即ち、Hは3.5に等しく、Hはまた、4に切り上げられるか3に切り捨てられることができる。つまり、数値Hに対応する、第1内部信号IBO+のデューティサイクルは、第2所定範囲内にあり、当該第2所定範囲は、48%~52%であり得、例えば50%であり得る。
【0083】
数値Hを取得した後、差動入力回路はカウンタによって制御されなくなり、代わりに、数値Hが差動入力回路の設定として使用され、これにより、差動入力回路が所定のデューティサイクルの第1内部信号IBO+を出力するようにし、それに対応して、第2内部信号IBO-も、デューティサイクルの要件を満たす信号である。
【0084】
本実施例による較正方法の技術案は、高速で高品質な第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-を生成でき、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-は、安定したデューティサイクルを有するクロック信号であり、第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-は、メモリの読み書き動作に必要なクロック信号として使用することができる。更に、当該較正方法により、差動入力回路を較正し、デューティサイクルに対する差動入力回路の影響を時間内に検出し、差動入力回路によって出力される第1内部信号IBO+及び第2内部信号IBO-のデューティサイクルが第2所定範囲に達することを確保することができる。例えば、図2及び図3を参照すると、本実施例による較正方法により、第1内部信号IBO+のデューティサイクルは40%から50%に調節され、第2内部信号IBO-のデューティサイクルは60%から50%に調節される。このようにして、差動入力回路101によるクロックデューティサイクルの偏差を排除することができる。
【0085】
当業者なら理解できるように、上記の各実施形態は、本願を実現するための特定の実施例であり、実際の応用では、本願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その形式と詳細に種々な変更を加えることができる。当業者は、本願実施例の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変形及び修正を行うことができ、したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲に従うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本願実施例において、較正回路は、第1発振信号及び第2発振信号を受信し、第1内部信号及び第2内部信号を出力するように構成される差動入力回路であって、前記第1発振信号及び前記第2発振信号は、同じ周波数で逆位相であり、前記第1発振信号のデューティサイクル及び前記第2発振信号のデューティサイクルは第1所定範囲内にある、差動入力回路と、前記差動入力回路の出力端子に接続され、前記第1内部信号のデューティサイクル及び/又は前記第2内部信号のデューティサイクルを比較するように構成される比較ユニットと、前記比較ユニット及び前記差動入力回路に接続され、前記比較ユニットの出力結果に従って前記差動入力回路を制御することにより、前記第1内部信号のデューティサイクル及び/又は前記第2内部信号のデューティサイクルを第2所定範囲に達させるように構成されるロジックユニットと、を備える。このようにして、本願実施例による較正回路は、第1発振信号及び第2発振信号に基づいて差動の内部信号を生成することができるだけでなく、デューティサイクル監視及びデューティサイクル較正の機能を備え、較正回路によって生成された第1内部信号及び第2内部信号のデューティサイクルが第2所定範囲内に安定化されるのを確保することができ、それに対応して、当該第1内部信号及び第2内部信号を採用してメモリをテストするとき、入力信号のデューティサイクル偏差によるテスト偏差の問題を回避するに役立ち、メモリをテストするテスト精度を向上させる同時に、メモリにデューティサイクル監視及びデューティサイクル較正の機能を実現させることもできる。
図1
図2
図3