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特許7467658検出システム用の洗浄装置および検出システムを洗浄する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】検出システム用の洗浄装置および検出システムを洗浄する方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20240408BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B60S1/62 120B
B08B3/02 F
B08B3/02 G
B60S1/62 120C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022552674
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2021051713
(87)【国際公開番号】W WO2021175513
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】20305219.6
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ラドゥ-ジョルジュ、ブチェ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ、ブーヒラー
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-193323(JP,A)
【文献】特開2015-224032(JP,A)
【文献】特開2013-100077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0265048(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/62
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の検出システム(2)用の洗浄装置(1)であって、前記検出システム(2)に空気及び液体を噴射するように構成される空気回路(4)及び液体回路(7)を備え、前記洗浄装置(1)が第1のチャンバ(6)と第2のチャンバ(9)とを備え、前記第1のチャンバ(6)が空気及び液体のうちの一方によって充填されるように構成され、前記第2のチャンバ(9)が前記空気及び液体のうちの他方によって充填されるように構成される、洗浄装置(1)において、前記第1及び第2のチャンバ(6,9)の総容積が固定され、前記洗浄装置(1)は、前記第1及び第2のチャンバ(6,9)のうちの一方の容積を変化させて、前記第1及び第2のチャンバ(6,9)のうちの他方の圧力を変化させるように構成され
前記空気回路(4)が空気流弁(10)を備え、
前記第1及び第2のチャンバ(6,9)の総容積が硬質ハウジング(61)によって画定され、前記第2のチャンバ(9)の容積は、前記硬質ハウジング(61)の内側に配置される可撓性ソケット(91)によって画定され、
前記硬質ハウジング(61)は、第1の端壁から第2の端壁まで延び、
前記可撓性ソケット(91)は、前記第1の端壁の側に位置する第1の端部と、前記第2の端壁の側に位置する第2の端部と、を含み、
前記空気流弁(10)は、前記硬質ハウジング(61)の前記第1の端壁に配置され、
前記液体回路(7)は、前記硬質ハウジング(61)の前記第2の端壁を通って前記第2のチャンバ(9)の前記第2の端部に連結されていることを特徴とする、洗浄装置(1)。
【請求項2】
前記第1のチャンバ(6)が空気により充填されるように構成され、前記第2のチャンバ(9)が液体により充填されるように構成される、請求項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項3】
前記第2のチャンバ(9)は、前記第1のチャンバ(6)の容積を減少させて前記第1のチャンバ(6)内の充填空気の圧力を増大させるべく前記第2のチャンバ(9)内の充填液体に起因して容積が拡張されるように構成される、請求項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項4】
前記空気流弁(10)が前記第1のチャンバ(6)を空気により充填するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項5】
車両内の検出システム(2)用の洗浄装置(1)であって、前記検出システム(2)に空気及び液体を噴射するように構成される空気回路(4)及び液体回路(7)を備え、前記洗浄装置(1)が第1のチャンバ(6)と第2のチャンバ(9)とを備え、前記第1のチャンバ(6)が空気及び液体のうちの一方によって充填されるように構成され、前記第2のチャンバ(9)が前記空気及び液体のうちの他方によって充填されるように構成される、洗浄装置(1)において、前記第1及び第2のチャンバ(6,9)の総容積が固定され、前記洗浄装置(1)は、前記第1及び第2のチャンバ(6,9)のうちの一方の容積を変化させて、前記第1及び第2のチャンバ(6,9)のうちの他方の圧力を変化させるように構成され
前記空気回路(4)が空気流弁(10)を備え、
前記第1及び第2のチャンバ(6,9)の総容積が硬質ハウジング(61)によって画定され、前記第2のチャンバ(9)の容積は、前記硬質ハウジング(61)の内側に配置される可撓性ソケット(91)によって画定され、
前記硬質ハウジング(61)は、第1の端壁から第2の端壁まで延び、
前記可撓性ソケット(91)は、前記第1の端壁の側に位置する第1の端部と、前記第2の端壁の側に位置する第2の端部と、を含み、
前記空気流弁(10)は、前記空気回路(4)上に配置され、
前記空気回路(4)は、前記硬質ハウジング(61)を通って前記第2のチャンバ(9)に連結され、
前記液体回路(7)は、前記硬質ハウジング(61)の前記第2の端壁に連結されていることを特徴とする、洗浄装置(1)。
【請求項6】
前記第1のチャンバ(6)が液体により充填されるように構成され、前記第2のチャンバが空気により充填されるように構成される、請求項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項7】
前記第1のチャンバ(6)は、前記第2のチャンバ(9)の容積を減少させて前記第2のチャンバ(9)内の充填空気の圧力を増大させるべく前記第1のチャンバ(6)内の充填液体に起因して容積が拡張されるように構成される、請求項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項8】
前記空気流弁(10)が前記第2のチャンバ(9)を空気により充填するように構成される、請求項5から7のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記空気回路(4)が空気ノズル(5)及び第1の電動弁(11)を備え、前記空気回路(4)内の空気循環が前記第1の電動弁(11)に依存する、請求項1から8のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項10】
前記液体回路(7)が液体ノズル(8)及び第2の電動弁(12)を備え、前記液体回路(7)内の液体循環が前記第2の電動弁(12)に依存する、請求項1から9のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の洗浄装置(1)によって実行される検出システム(2)を洗浄する方法であって、
液体により充填される前記第1及び第2のチャンバ(6,9)のうちの他方の容積を拡張させることによって前記第1及び第2のチャンバ(6,9)のうちの一方に充填される空気を圧縮させる第1のステップと、
前記空気回路(4)を開くことによって前記検出システム(2)に空気を噴射する第2のステップと、
を含む洗浄方法。
【請求項12】
前記液体回路(7)を開くことによって前記検出システム(2)に液体を噴射する更なるステップを含み、そのような更なるステップが前記第1のステップの前に又は前記第1のステップと同時に行なわれる、請求項11に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の検出システムの分野に関する。より詳細には、本発明は、車両の検出システム用の洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ますます多くの車両には、検出システム、例えば最近の多くの車両に存在する駐車支援システム又はライダー(LIDAR)システムが実装される。そのため、これらの検出システムをどのように洗浄するかについての課題が急速に求められてきた。
【0003】
検出システムの視野を遮る可能性がある検出領域の汚染の場合に、検出システムの検出領域に液体、例えば幾らかの水又は洗浄液を噴射することができる洗浄装置を使用することが知られている。また、例えば雨の場合に検出領域に落下する可能性がある液体の任意の液滴を排出するために、検出領域の幾らかの圧縮空気を噴射することができる洗浄装置を使用することも知られている。理想的には、洗浄装置は、検出システムの動作に影響を及ぼし得るあらゆる状況に対処するために、液体及び圧縮空気の両方を噴射することができるべきである。
【0004】
これらの機能を確保するために、洗浄装置は、液体回路及び空気回路を備えなければならない。液体は、そのような液体の移動を開始する液体タンク及びポンプのおかげで、液体回路を通じて循環することができる。圧縮空気は、空気回路を介して圧縮空気を送る圧縮機によって生成され得る。そのような実施形態は、検出システムが車両の小さな部分、例えばサイドミラーに配置される場合に問題となり得る。検出システムの周囲に場所がないため、そのような洗浄装置の全ての部分を配置することは困難であり得る。洗浄装置の幾つかの要素を検出システムから遠く離して配置するために、例えば複数のホースを用いて両方の回路を広げることができる。そのような解決策は、特に圧力がカバーする距離と共に急速に減少する圧縮空気に関して、両方の噴射が距離に起因して効果的でなくなるため、満足のいくものではない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、空気及び液体を検出システムに噴射するように構成される空気回路及び液体回路を備える車両内の検出システム用の洗浄装置を提供することによってこの問題を解決し、洗浄装置は第1のチャンバ及び第2のチャンバを備える。第1のチャンバは、空気及び液体のうちの一方によって充填されるように構成され、第2のチャンバは、前記空気及び液体のうちの他方によって充填されるように構成される。第1及び第2のチャンバの総容積は固定され、また、洗浄装置は、第1及び第2のチャンバのうちの一方の容積を変化させて第1及び第2のチャンバのうちの他方の圧力を変化させるように構成される。
【0006】
空気の圧縮は、第1及び第2のチャンバの両方の相互作用によってもたらされる。より詳細には、一方のチャンバを液体により充填することにより、他方のチャンバ内の空気が圧縮される。したがって、そのような洗浄装置は、機能的であるように且つ液体及び圧縮空気の両方の噴射を制御できるように液体源のみを必要とする。その結果、スペースを取らず、それにより、圧縮空気源に連結された洗浄装置を通常は受け入れることができない車両の小さな部分に洗浄装置を配置できる。
【0007】
検出システムは、任意のタイプのセンサ又は送信機を備えることができる。検出システムは、例えば、電荷結合素子センサ、赤外線センサ、又は、LIDARシステムとなり得る。これらのタイプの検出システムは、検出システムの最適な動作を確保するために常に清浄且つ透明でなければならない検出領域を備える。
【0008】
洗浄装置の液体回路は、検出領域に幾らかの水又は洗浄液を噴射できるようにする。洗浄装置の空気回路は、検出領域に圧縮空気を噴射できるようにする。圧縮空気は、雨の場合に検出領域から水又は洗浄液を排出できるようにする。検出領域上に残る液滴を排出するために、液体噴射後に圧縮空気を検出領域上に噴射することができる。
【0009】
空気回路及び液体回路は、空気及び液体をそれぞれそれらが検出領域に噴射されるまで導くホースを備えることができる。空気回路は、空気を収容するように構成されるチャンバに連結され、また、液体回路は、液体を収容するように構成されるチャンバに連結される。
【0010】
本発明の一態様によれば、空気回路が空気ノズル及び第1の電動弁を備え、空気回路内の空気循環が第1の電動弁に依存する。空気ノズルは、検出システムの検出領域の近くに配置される。また、空気ノズルは検出領域へと向けられる。空気ノズルと検出領域との間の近接は、効率的に圧縮空気を噴射するが空気ノズルが検出領域の視野を妨げることなく噴射するのに十分でなければならない。
【0011】
第1の電動弁は、空気回路上に配置されるとともに、2つの位置、すなわち、空気回路内の圧縮空気の循環を例えば空気ノズルまで許可する開位置と、空気回路内の圧縮空気の循環を禁止する閉位置とで切り換えられ得る。第1の電動弁は、制御ユニットによって遠隔制御され得る電気部品を備える。第1の電動弁を開閉するのは制御ユニットである。第1の電動弁が開位置にあるとき、圧縮空気は、第1の電動弁の流動部分により、第1の電動弁を通じて循環する。言い換えると、制御ユニットは、第1の電動弁の電気部品を介して流動部分を開閉することができる。
【0012】
第1の電動弁が閉じられると、第1の電動弁は、空気の外側アクセスを閉じることによって空気の圧縮にも関与する。空気が圧縮されて検出システムの検出領域にいつでも噴射できる状態になると、第1の電動弁が開き、圧縮空気が空気ノズルまで高圧で空気回路に供給される。
【0013】
本発明の一態様によれば、液体回路が液体ノズル及び第2の電動弁を備え、液体回路内の液体循環が第2の電動弁に依存する。空気ノズルとして、液体ノズルは、検出システムの視野を妨げることなく、検出システムの検出領域へと向けられる。
【0014】
第2の電動弁は、第1の電動弁と同様であってもよい。第2の電動弁は、開閉するために制御ユニットによって操作される。したがって、第2の電動弁は、検出領域への液体噴射を許可又は禁止する。
【0015】
本発明の一態様によれば、空気回路は空気流弁を備える。空気流弁は、周囲空気が空気回路に入ることを許可するように構成される弁である。空気が空気流弁によって空気回路に入ると、空気はこの同じ空気流弁によって出ることができない。したがって、空気が圧縮されると、空気は空気流弁によって出ることができない。圧縮空気が検出領域に噴射されるように排出された時点で、圧力が正常に戻り、空気は空気流弁を介して入ることによって新しくされる。
【0016】
その機能を確保するために、空気流弁は、空気の圧縮が行なわれる空気回路の部分へのアクセスを与えることができ、検出領域への圧縮空気の噴射時の空気回路内の圧縮空気の方向に関して第1の電動弁の上流側に配置され得る。
【0017】
空気流弁は、ひいては空気フィルタを備えることができる。空気フィルタは、空気流弁によって空気回路の内部に入る周囲空気を濾過する機能を有する。したがって、空気フィルタは、空気回路内に入る虞があって空気回路内に障害をもたらし得る粒子を排除する。
【0018】
本発明の一態様によれば、第1のチャンバが空気によって充填されるように構成され、第2のチャンバが液体によって充填されるように構成される。
【0019】
本発明の第1の実施形態では、空気を収容するのが第1のチャンバである。この第1の実施形態によれば、第1のチャンバは空気回路の一部であり、この部分は第1のチャンバから空気ノズルまで延在する。第2のチャンバは液体回路の一部であり、この部分は、場合によっては液体ノズルまで液体を導く必要もある。そのため、液体回路は、液体を第2のチャンバに導く第1の通路と、液体を液体ノズルに導くとともに第2の電動弁を備える第2の通路との2つの通路に分割される。
【0020】
本発明の一態様によれば、第2のチャンバは、第1のチャンバの容積を減少させて第1のチャンバ内の充填空気の圧力を増大させるべく第2のチャンバ内の充填液体に起因して容積が拡張されるように構成され得る。
【0021】
前述のように、第1及び第2のチャンバの総容積は固定される。したがって、液体が第2のチャンバを充填すると、第2のチャンバが拡張し、同時に第1のチャンバの容積が減少する。第1のチャンバが空気を収容しているため、そのような空気は、第2のチャンバの拡張に起因して圧縮され、第1の電動弁が閉じられて、空気流弁が空気の放出を禁止する。空気は、第2のチャンバの拡張中に第1のチャンバ内にますます集中される。空気が十分に圧縮されると、第1の電動弁が開かれ、圧縮空気は、空気ノズルによって噴射されるべく第1のチャンバから排出される。
【0022】
本発明の一態様によれば、空気流弁を第1のチャンバの壁に配置することができる。前述したように、洗浄装置の第1の実施形態によれば、第1のチャンバが空気により充填されるように構成される。したがって、周囲空気が空気流弁によって第1のチャンバの内部に入ることができる限り、空気流弁を第1のチャンバの任意の壁に配置することができる。
【0023】
本発明の一態様によれば、空気流弁は、第1のチャンバを空気により充填するように構成され得る。圧縮空気が噴射されるべく第1のチャンバから排出された時点で、第1のチャンバ内に空気は存在しなくなる。更に、第2のチャンバは、もはや液体により充填されず、その初期の縮こまった位置を回復するために収縮している。その状況では、第1のチャンバ内の圧力が正常に戻り、空気は空気流弁によって第1のチャンバ内に入ることができる。したがって、第1のチャンバ内の空気は、検出領域における圧縮空気の別の潜在的な噴射のために新しくされる。
【0024】
本発明の一態様によれば、第1のチャンバを液体により充填されるように構成することができ、第2のチャンバを空気により充填されるように構成することができる。
【0025】
洗浄装置のこの第2の実施形態において、第2のチャンバは、空気噴射が必要な場合に圧縮されるようになっている空気を貯蔵する。したがって、初期位置では、すなわち、第2のチャンバが空気を収容する際、第2のチャンバは全体的に拡張される。第2のチャンバは、空気回路に連結され、空気回路の一部である。第2のチャンバを空気回路の残りの部分に連結するために、それらの間の接続は、第1のチャンバを画定する硬質ハウジングの壁を通過することができる。
【0026】
本発明の一態様によれば、第1のチャンバは、第2のチャンバの容積を減少させて第2のチャンバ内の充填空気の圧力を増大させるべく第1のチャンバ内の充填液体に起因して容積が拡張されるように構成される。
【0027】
洗浄装置のこの第2の実施形態では、第1及び第2のチャンバの総容積が固定されるため、第1のチャンバの容積が拡張されると、空気を収容する第2のチャンバの容積が減少される。
【0028】
したがって、洗浄装置が検出システムの検出領域に幾らかの圧縮空気を噴射する必要がある場合には、第1のチャンバが液体により充填される。液体は、第1のチャンバが拡張されるまで第1のチャンバを充填する。第1のチャンバが充填され続けると、充填液体が第2のチャンバに圧力を加える。そのような圧力により、第2のチャンバは、変形されて内部の空気を圧縮する。
【0029】
第1の実施形態として、第1の電動弁は閉じられており、空気流弁は任意の空気放出を禁止する。空気が十分に圧縮されると、第1の電動弁が開かれ、圧縮空気が空気ノズルによって噴射されるべく第2のチャンバから排出される。
【0030】
本発明の一態様によれば、空気流弁を空気回路上に配置することができる。第2のチャンバは第1のチャンバの内側にあり、周囲空気は、空気流弁が第1のチャンバの壁のいずれかにある場合、第2のチャンバの内側に入ることができない。洗浄装置の第2の実施形態において、空気流弁は、周囲空気にアクセス可能な空気回路上に配置されなければならない。第1の電動弁が閉じられる場合でも第2のチャンバとの連結を成すべく、空気流弁は、検出領域への圧縮空気の噴射時の空気回路内の圧縮空気の方向に関して第1の電動弁の上流側に配置されなければならない。
【0031】
本発明の一態様によれば、空気流弁は、空気によって第2のチャンバを充填するように構成され得る。第1のチャンバを伴う洗浄装置の第1の実施形態として、圧縮空気が検出システムの検出領域に噴射されるべく第2のチャンバから排出された時点で、第2のチャンバ内の圧力が通常に戻り、一部の周囲空気が空気流弁によって第2のチャンバ内に入ることができる。液体はもはや第2のチャンバを押圧しないため、空気が第2のチャンバを充填することができ、それにより、第2のチャンバがその最大拡張に回復するまで第2のチャンバが拡張される。拡張中、第2のチャンバは、液体が液体回路の第1の通路で戻るように、第1のチャンバの内側にある液体を押し戻す。第2のチャンバが完全に拡張されると、洗浄装置は別の潜在的な圧縮空気噴射の準備が整う。
【0032】
本発明の一態様によれば、第1及び第2のチャンバの総容積は、硬質ハウジングによって画定され、第2のチャンバの容積は、硬質ハウジングの内側に配置される可撓性ソケットによって画定される。
【0033】
そのような硬質ハウジングの寸法及び形状は、第2のチャンバを画定する可撓性ソケットを硬質ハウジングの内側に配置できる限り、様々となり得る。硬質ハウジングを例えば硬質ポリマーから形成することができる。また、硬質ハウジングは、洗浄装置の空間的拡張を最適化するために、その形状又は寸法によって外部環境に適合させることもできる。
【0034】
第2のチャンバを画定する可撓性ソケットは、可撓性ポリマーから形成可能であり、例えばゴムの状態となり得る。可撓性ソケットが空である場合、すなわち、その内部に流体又は空気が何ら存在しない場合、可撓性ソケットはそれ自体で縮こまる。可撓性ソケットは、流体又は空気がその内部に入ると拡張することができる。第2のチャンバは、第1のチャンバの内側に配置されなければならない。言い換えると、可撓性ソケットは、その最大拡張状態で、硬質ハウジングの内側に配置されなければならない。
【0035】
このとき、第1のチャンバの容積は、硬質ハウジング内の第2のチャンバを画定する可撓性ソケットによって占有されない残りの空間によって画定される。
【0036】
また、本発明は、前述の洗浄装置によって実行される検出システムを洗浄する方法であって、
-液体により充填される第1及び第2のチャンバのうちの他方の容積を拡張させることによって第1及び第2のチャンバのうちの一方に充填される空気を圧縮させる第1のステップと、
-空気回路を開くことによって検出システムに空気を噴射する第2のステップと、
を含む方法も網羅する。
【0037】
そのような方法は、洗浄装置が、検出システムの検出領域に対して幾らかの圧縮空気を吹き付けて、任意の雨滴又はその洗浄液滴を排出できるようにする。
【0038】
第1のステップは、本発明の第1の実施形態では第1のチャンバ又は本発明の第2の実施形態では第2のチャンバである、空気を収容する第1及び第2のチャンバのうちの一方で空気を圧縮することにある。各実施形態に関して、空気は、液体を収容する第1及び第2のチャンバのうちの他方の容積の増大によって圧縮される。容積の増大は、液体を収容する第1及び第2のチャンバのうちの他方を充填する液体の量に対するものである。
【0039】
第1の実施形態では、液体が第2のチャンバの拡張を引き起こす。言い換えると、充填液体が第2のチャンバの容積を増大させる。
【0040】
第2の実施形態では、第1のチャンバの容積が増大する。第2のチャンバを押圧することにより、液体が第2のチャンバの容積を減少させ、したがって、第1のチャンバの容積を増大させる。
【0041】
第2のステップは、圧縮空気をいつでも検出領域に噴射できる状態にあるときに、第1のステップが終了した時点で行なわれる。空気回路、より詳細には第1の電動弁が開かれ、それにより、空気回路を通じて空気ノズルまで圧縮空気が排出される。
【0042】
本発明の一態様によれば、洗浄方法は、液体回路を開くことによって検出システムに液体を噴射する更なるステップを含み、そのような更なるステップは、第1のステップの前に又は第1のステップと同時に行なわれる。より詳細には、第2の電動弁を介した液体回路の第2の通路が開かれる。液体は、液体回路の第2の通路を通じて循環し、検出領域を洗浄するために液体ノズルによって検出システムに噴射される。
【0043】
そのような更なるステップは、第1のステップの前に又は第1のステップと同時に起こらなければならない。実際に、検出領域が液体及び圧縮空気の両方によって噴射される必要がある場合、液体噴射は、圧縮空気噴射の前に又は圧縮空気噴射と同時に起こる。このように、検出領域は、最初に液体噴射によって洗浄される。検出領域上に維持される液体噴射のいかなる液滴も排出するために、その後又は同時に圧縮空気噴射が起こる。
【0044】
本発明の他の特徴、詳細及び利点は、以下に与えられる本発明の明細書から推測することができる。様々な実施形態が図に表わされる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】サイドミラーに含まれる検出システム用の洗浄装置の第1の実施形態を示す。
図2】洗浄装置の幾つかの特性を詳述するために洗浄装置の第1の実施形態を異なる画角から示す。
図3】検出システムの詳細図を示す。
図4】第1の段階中の第1の実施形態に係る第1のチャンバ及び第2のチャンバの概略図を示す。
図5】第2の段階中の第1の実施形態に係る第1のチャンバ及び第2のチャンバの概略図を示す。
図6】第3の段階中の第1の実施形態に係る第1のチャンバ及び第2のチャンバの概略図を示す。
図7】第4の段階中の第1の実施形態に係る第1のチャンバ及び第2のチャンバの概略図を示す。
図8】第1の段階中の第2の実施形態に係る第1のチャンバ及び第2のチャンバの概略図を示す。
図9】第2の段階中の第2の実施形態に係る第1のチャンバ及び第2のチャンバの概略図を示す。
図10】第3の段階中の第2の実施形態に係る第1のチャンバ及び第2のチャンバの概略図を示す。
図11】第4の段階中の第2の実施形態に係る第1のチャンバ及び第2のチャンバの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、車両に含まれる洗浄装置1の第1の実施形態を示す。洗浄装置1は、検出システム2を洗浄するために検出システム2に幾らかの液体及び幾らかの圧縮空気を噴射することができる。より詳細には、例えば検出システム2の視野の障害の場合に洗浄される必要があり得るのは、検出システム2の検出領域である。洗浄装置1は、車両内のユーザによって行なわれる手動操作によって作動され得る。例えば、検出領域が遮られることを示すコマンドを洗浄装置1に送信することができるセンサを検出システム2が備える場合、洗浄装置1を自動的な態様で作動させることもできる。図1において、洗浄装置1及び検出システム2はサイドミラー3上に配置される。検出システム2は、明瞭な視野を有するべくサイドミラー3を通過する。洗浄装置1は、主にサイドミラー3の後方に配置される。それにもかかわらず、検出システム2を備える車両の任意の部分に洗浄装置1を配置することが可能である。
【0047】
液体及び圧縮空気の両方を噴射するために、洗浄装置は、空気回路4及び液体回路7を備える。洗浄装置1の第1の実施形態によれば、空気回路4は、第1のチャンバ6から空気ノズル5まで延在するダクトを成す。
【0048】
液体回路7を車両に配置された任意の液体タンクに連結することができ、液体の循環を例えばポンプによって開始することができる。液体タンク及びポンプは図1に示されない。そのような液体は、幾らかの水又は幾らかの洗浄液であってもよい。液体回路7は、第1の通路71と第2の通路72とに分割される。液体回路7の第1の通路71は、液体を第2のチャンバ9に導く。
【0049】
第1の及び第2のチャンバ6,9の総容積は、硬質ハウジング61によって画定される。洗浄装置1の機械的拡張を制限するために、硬質ハウジング61は、洗浄装置1が配置される車両の部品、ここでは図1に係るサイズミラー3の形態を形作るように構成され得る。硬質ハウジング61は、例えば硬質ポリマーであってもよい。
【0050】
洗浄装置1の第1の実施形態によれば、第2のチャンバ9は、可撓性ソケット91によって画定される容積92、又はより正確には内容積92を画定し、また、第1のチャンバ6は、硬質ハウジング61内の第2のチャンバ9によって占有されない残りの空間によって画定される容積62、又はより正確には内容積62を画定する。第1のチャンバ6は、ここでは空気により充填されるように構成される。
【0051】
可撓性ソケット91は、可撓性ポリマー、例えばゴムの状態である。その可撓性のおかげにより、可撓性ソケット91は、流体によるその充填時にそれ自体拡張することができる。したがって、第2のチャンバ9の容積92は、第2のチャンバ9の内部に収容される流体の量にしたがって増減することができる。図1では、可撓性ソケット91が完全に拡張される。
【0052】
第2のチャンバ9は、硬質ハウジング61の内部に配置される。図1において、第2のチャンバ9は、明確にするために透明性によって実質的に視認可能である。洗浄装置1の第1の実施形態によれば、第2のチャンバ9は、例えば液体、水又は洗浄液により充填されるように構成される。液体が第2のチャンバ9を充填すると、第2のチャンバは、それ自体拡張し、第1のチャンバ6の容積62を満たす。したがって、第1のチャンバ6内に収容された空気が第2のチャンバ9の拡張によって圧縮される。
【0053】
洗浄装置1が作動されると、より詳細には検出システム2に対して幾らかの空気を噴射する必要がある場合、空気は、第1のチャンバ6から空気ノズル5へと空気回路4に沿って循環する。検出システム2に圧縮空気を噴射するために、空気ノズル5はサイドミラー3を通過する必要がある。
【0054】
空気回路4は第1の電動弁11を備える。第1の電動弁11は、第1のチャンバ6と空気ノズル5との間に配置される。第1の電動弁11が開いているとき、例えば第1のチャンバ6内の空気が圧縮された時点で、空気は第1のチャンバ6から空気ノズル5へと循環することができる。第1の電動弁11が閉じられると、第1のチャンバ6と第1の電動弁nとの間に空気が維持される。第1の電動弁nについては更に詳細に説明する。
【0055】
洗浄装置1は空気流弁10を備える。第1の実施形態において、空気流弁10は、第1のチャンバ6の硬質ハウジング6iの壁に配置される。空気流弁10は、第1のチャンバ6内への周囲空気の進入を許可し、第1のチャンバ6内に収容される空気の流出を禁止する。したがって、第1のチャンバ6の内部で空気を圧縮することができ、第1の電動弁nが閉じられて、空気流弁10が任意の空気放出を禁止する。空気ノズル5によって圧縮空気が噴射された時点で、第1のチャンバ6内の空気は、空気流弁10を介して流入することによって新しくされる。
【0056】
液体回路7の第2の通路72は、液体ノズル8まで延びている。空気ノズル5のように、液体ノズル8は、検出システム2に対して液体を噴射できるようにサイドミラー3を通過する必要がある。液体噴射は、第2の電動弁12によって制御される。第1の電動弁11のように、第2の電動弁12は、液体ノズル8まで第2の通路72全体に沿った液体の循環を許可する機能を有する。第2の電動弁12の開閉は、洗浄されるべき検出システム2の必要性に依存する。第2の電動弁12は、第1の電動弁11と同一とすることができ、これについても更に詳細に説明する。
【0057】
検出システム2を洗浄する必要があるとき、洗浄装置1は、液体ノズル8によって液体を噴射することによって始動する。その後、洗浄装置1は、検出システム2の検出領域上に留まる可能性がある液体の任意の液滴を検出システム2から吹き飛ばすために、空気ノズル5によって圧縮空気を噴射する。この場合、液体は、液体回路7の第1の通路71及び第2の通路72の両方を循環する。
【0058】
別の状況では、例えば雨天の場合、洗浄装置1は、検出システム2上にあるあらゆる雨滴を吹き飛ばさなければならない。この場合、空気ノズル5のみを作動させる必要がある。これにより、液体は、液体回路7の第1の通路71のみを循環する。
【0059】
図2は、第1の実施形態に係る洗浄装置1のみを示し、2つの電動弁を詳細に説明できるようにする。第1の電動弁11及び第2の電動弁12は2つの部分に分割される。各電動弁は、電気部分13及び流動部分14を備える。
【0060】
電気部分13は、電動弁の開閉に関与する幾つかの電気部品及び電子部品を含む。電気部分13は電気コンセント15を備える。電気コンセント15は、電動弁と図2には示されないユニットとの間の連結を行なうコネクタを受けるように構成される。制御ユニットは、両方の電動弁を同時に制御することができる。より詳細に、制御ユニットは、各電動弁の流動部分14を開閉することができる。
【0061】
流動部分14は、各流体が通過している電動弁の部分である。第1の電動弁11は、空気回路4に配置され、圧縮空気の横断を制御する。第2の電動弁12は、液体回路7の第2の通路72に配置され、液体の横断を制御する。
【0062】
各電動弁の各流動部分14は、流体ダクト16と、流体入口17と、流体出口18とを備える。各回路内の各流体は、流体入口17、流体ダクト16及び流体出口18をこの順序で通過することによって各電動弁を横切る。電気部分13によって開閉されるのが流体ダクト16である。流体ダクト16が閉じられると、流体が電動弁の流体入口17で遮断される。電動弁が開かれると、流体は、電動弁を横切り、流体出口18を介して関連する回路のノズルまで導かれる。
【0063】
流体ダクト16は、流体入口17から気密性を確保するプラグ19までその主方向で延在される。流体出口18は、流体ダクト16に対して垂直に配置される。
【0064】
空気流弁10は空気フィルタ20を備える。空気流弁10を通過する任意の周囲空気も空気フィルタ20も通過する。空気フィルタ20は、空気を濾過して、空気回路4内の空気が例えば空気回路4を塞ぐ危険性がある任意の粒子から浄化されるようにする。
【0065】
図3は、空気ノズル5及び液体ノズル8によって噴射される検出システム2の図である。図3では、検出システム2が検出領域21を備える小型カメラによって表わされる。検出領域21は、例えばカメラレンズに対応することができる。検出システム2にとって最適な視野を維持し検出システムを動作させ続けるために洗浄されなければならないのが検出領域21である。
【0066】
空気ノズル5及び液体ノズル8は、検出システム2の両側に配置される。それにもかかわらず、2つのノズルを異なるように配置することが可能であり、その本質は、検出システム2の視野を妨げず、各ノズルを検出領域21へと正しく方向付けることである。
【0067】
空気ノズル5は、空気回路4の側に配置され、検出システム2の検出領域21に圧縮空気51を噴射することができる。液体ノズル8は、液体回路の第2の通路72の側に配置され、検出システム2の検出領域21に液体81を噴射することができる。両方の噴射は、両方の電動弁の開放に依存する。第1の電動弁は、空気回路4における圧縮空気51の循環を許可し、一方、第2の電動弁は、液体回路の第2の通路72における液体81の循環を許可する。
【0068】
空気ノズル5は、例えば雨天中、又は液体ノズル8からくる液体噴射の直後に、検出領域21上に存在する液滴を排出するために単独で動作され得る。
【0069】
図4図7は、検出システムに幾らかの圧縮空気を噴射するための洗浄装置の第1の実施形態に係る第1のチャンバ6と第2のチャンバ9との相互作用の進行を示す。なお、第1実施形態によれば、第1のチャンバ6が空気を収容するように構成され、第2のチャンバが液体を収容するように構成される。
【0070】
図4において、第1のチャンバ6、より詳細には硬質ハウジング61内の第2のチャンバ9によって占有されない残りの空間によって画定される容積62は、常圧の空気で満たされている。第2のチャンバ9は空であり、可撓性ソケット91がそれ自体縮こまっている。第2のチャンバ9の容積92は、ゼロ又は著しくゼロの値を有する。第1の電動弁11は、閉位置で図4に概略的に示される。図4によれば、ある量の圧縮空気を検出システムに噴射するために手動又は自動コマンドが実行されている。そのため、液体流は、第2のチャンバ9を充填するために液体回路の第1の通路71から来ている。
【0071】
図5では、液体が第2のチャンバ9を充填する。そのため、可撓性ソケット91は、それ自体拡張し、図5では最大拡張として見える。可撓性ソケット91の充填は、第2のチャンバ9の容積92を増大させ、第1のチャンバ6の容積62を減少させ、これは、硬質ハウジング61の総容積から第2のチャンバ9の容積92を差し引いたものに対応する。液体回路の第1の通路71を通過する液体流は連続的であるため、可撓性ソケット91はその最大拡張に維持される。
【0072】
第1の電動弁11は閉じたままである。したがって、第1のチャンバ6の内部の空気は、第1のチャンバ6の容積62の一部の自由空間内及び第1のチャンバ6と第1の電動弁11との間の空気回路4の一部において圧縮される。第1のチャンバ6内に含まれる空気の高い圧力は、空気流弁10による空気の出入りを禁止する。したがって、図5では、圧縮空気が密封された受容器内に収容される。
【0073】
図6において、圧縮空気は、検出システムに噴射されるべくいつでも第1のチャンバ6から排出できる状態にある。第1の電動弁11は制御ユニットによって開かれる。その結果、圧縮空気は、噴射されるべく第1の電動弁11を通じて空気回路4に入る。圧縮空気が第1のチャンバ6から排出された時点で液体流が最大拡張に達する。
【0074】
液体の流れの中断は、図7に示されるように、第2のチャンバ9の容積92の減少をもたらす。そのような減少は、図4に示されるように、もはや液体の流れを受けず、その初期位置を徐々に回復し、それ自体縮こまる可撓性ソケット91に起因する。可撓性ソケット91は、第2のチャンバ9の容積92に収容される液体を液体回路の第1の通路71に押し戻す。
【0075】
第2のチャンバ9の容積92の減少は、第1のチャンバ6の容積62の増大をもたらす。したがって、第1のチャンバ6が常圧を回復し、周囲空気が空気流弁10によって第1のチャンバ6の容積62の内部に徐々に入る。第1の電動弁11が閉じられると、空気流弁10によって入る空気は、第1のチャンバ6内及び第1のチャンバ6と第1の電動弁11との間の空気回路4の部分内に維持される。したがって、空気は、検出システムへの圧縮空気の将来の噴射のために第1のチャンバ6の内側で新しくされる。
【0076】
図8図11は、洗浄装置の第2の実施形態に係る第1のチャンバ6と第2のチャンバ9との相互作用の進行を示す。第1の実施形態とは逆に、第2の実施形態では、第1のチャンバ6が液体を収容するように構成され、第2のチャンバ9が空気を収容するように構成される。そのような置き換えは、特に各回路と各チャンバとの間の接続に関して、洗浄装置の第1の実施形態との幾つかの違いをもたらす。
【0077】
したがって、この第2の実施形態において、空気回路4は、空気回路4が第1のチャンバ6の硬質ハウジング61を横切るように、第2のチャンバ9を備える。空気流弁10は、周囲空気にアクセスするために、第2のチャンバ9と第1の電動弁11との間で、空気回路4に配置されている。対照的に、液体回路が第1のチャンバ6を含み、液体回路の第1の通路71が硬質ハウジング61に連結される。しかし、第1の実施形態のように、空気が液体によって圧縮される。
【0078】
図8では、第2のチャンバ9が空気で満たされている。そのような空気は、その最大拡張状態にある可撓性ソケット91を充填する。第1の電動弁11が閉じられ、空気は空気流弁10によって出ることができない。第1の実施形態のように、空気を圧縮させるために、液体流が第1の通路71内を循環する。第2の実施形態によれば、液体は、第1のチャンバ6の容積62を充填し、第2のチャンバ9の周囲全体を流れる。
【0079】
液体が第1のチャンバ6の容積62を充填し続けるにつれて、図9に示されるように、液体が第2のチャンバ9に圧力を加えることになる。液体は、可撓性ソケット91を押圧し、第1のチャンバ6の容積62を増大させることによって第2のチャンバ9の容積92を減少させる。第2のチャンバ9の容積の損失92は、第2のチャンバ9の内部に収容される空気を圧縮し、第1の電動弁11が閉じられ、空気流弁10が空気放出を禁止する。
【0080】
圧縮空気が噴射される準備が整うと、図10に示されるように、第1の電動弁11は開いている。圧縮空気は、空気ノズルによって検出システムの検出領域に噴射されるべく第2のチャンバ9から排出される。したがって、空気が排出されると、液体は、それ自体縮こまるライトソケット91を完全に又はほぼ完全に押圧する。
【0081】
その後、図11によれば、液体の流れが停止され、液体はもはや第2のチャンバ9を押圧せず、その圧力が正常に戻る。空気流弁10は、周囲空気が空気回路4の内部、より詳細には第2のチャンバ内及び第2のチャンバ9と閉鎖される第1の電動弁11との間の空気回路4の一部に入ることができるようにする。第2のチャンバ9の内部に周囲空気が入ると、可撓性ソケット91は第1のチャンバ6の内部で拡張することができる。したがって、可撓性ソケット91は、第1のチャンバ6内の液体を液体回路の第1の通路71に押し戻す。可撓性ソケット91がその最大拡張状態にあるとき、洗浄装置は、検出システムへの圧縮空気の将来の噴射の準備ができている。
【0082】
以上から分かるように、本発明は、液体及び圧縮空気の両方を検出システムに噴射することができ、そのような圧縮空気がそのような液体の圧力によって生成される、検出システム用の洗浄装置を提供する。
【0083】
しかしながら、本明細書に記載されて例示される手段及び構成に本発明を限定することはできず、本発明は、任意の均等な手段又は構成及びそのような手段の任意の技術的に作用する組み合わせにも及ぶ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11