(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】エンドカバーアセンブリ、電池セル、電池パック及び装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/107 20210101AFI20240408BHJP
H01M 50/179 20210101ALI20240408BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20240408BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240408BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20240408BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240408BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240408BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240408BHJP
【FI】
H01M50/107
H01M50/179
H01M50/188
H01M50/548 201
H01M50/559
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/184 D
(21)【出願番号】P 2022560275
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2020119199
(87)【国際公開番号】W WO2021203642
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】202010275768.5
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ユエンバオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,チュエンクン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,プオン
(72)【発明者】
【氏名】ジアーン,リーンイエン
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-036504(JP,A)
【文献】中国実用新案第209401723(CN,U)
【文献】特開2010-238653(JP,A)
【文献】国際公開第2014/033822(WO,A1)
【文献】特開2019-083151(JP,A)
【文献】国際公開第2014/118965(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206574778(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルのハウジングを閉鎖するためのエンドカバーアセンブリであって、
取付貫通孔を有するカバーアセンブリであって、前記取付貫通孔は自体の軸方向に沿って前記カバーアセンブリを貫通するカバーアセンブリと、
前記取付貫通孔に取り付けられる端子アセンブリと、
前記取付貫通孔をシールするためのシール部材と、
前記端子アセンブリと前記カバーアセンブリの少なくとも一つに設置される第1の連通流路であって、前記第1の連通流路は、前記シール部材によるシールが失効した時、前記第1の連通流路によって、前記ハウジングの内部と外部が前記取付貫通孔を介して連通するように構成される第1の連通流路とを含
み、
前記端子アセンブリは、端子本体と第1の端子延伸部とを含み、前記端子本体は、前記取付貫通孔を通過し、前記第1の端子延伸部は、前記端子本体の外周面から外へ延伸するとともに、前記カバーアセンブリの前記軸方向に沿う外側に固定され、
前記カバーアセンブリは、カバープレートと第1の絶縁部材とを含み、前記第1の絶縁部材の少なくとも一部は、前記第1の端子延伸部と前記カバープレートとの間に位置し、
前記取付貫通孔は、第1の孔部分と第2の孔部分とを含み、前記第1の孔部分は、前記軸方向に沿って前記カバープレートを貫通し、前記第2の孔部分は、前記第1の孔部分と連通し、且つ前記軸方向に沿って前記第1の絶縁部材を貫通し、
前記第1の絶縁部材と前記端子本体との間に設けられる第1の貫通構造をさらに含み、前記第1の連通流路は、前記第1の貫通構造を介して前記第1の孔部分と連通する、エンドカバーアセンブリ。
【請求項2】
前記シール部材は、前記端子本体と前記第1の孔部分の孔壁との間に位置し、且つ前記端子本体は、前記第1の孔部分の孔壁とともに前記シール部材を押圧することによって前記取付貫通孔をシールする、請求項
1に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の連通流路は、前記第1の絶縁部材と前記カバープレートとの間に位置する、請求項
2に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の連通流路の一端は前記第1の孔部分と連通し、他端は前記ハウジングの外部と連通する、請求項
3に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の連通流路は、前記第1の絶縁部材と前記第1の端子延伸部との間に位置する、請求項
2に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の連通流路の一端は前記第2の孔部分と連通し、他端は前記ハウジングの外部と連通する、請求項
5に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の貫通構造は、前記軸方向に沿って前記第2の孔部分の孔壁を貫通し、且つ前記端子本体から離れて凹む凹部となるように構成される、請求項
2~6のいずれか一項に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の連通流路は、溝又は粗面となるように構成される、請求項1に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項9】
前記シール部材の少なくとも一部は、前記端子本体と前記第2の孔部分の孔壁との間に位置し、且つ前記第1の端子延伸部は、前記カバープレートとともに、前記軸方向に沿って、前記シール部材の前記端子本体と前記第2の孔部分の孔壁との間に位置する部分を押圧する、請求項
1に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の連通流路は、前記第1の絶縁部材と前記カバープレートとの間に位置し、及び/又は、前記第1の連通流路は、前記第1の絶縁部材と前記第1の端子延伸部との間に位置する、請求項
9に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の連通流路の一端は前記第2の孔部分と連通し、他端は前記ハウジングの外部と連通する、請求項
10に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項12】
前記端子アセンブリは、第2の端子延伸部をさらに含み、前記端子本体の外周面から外へ延伸し、前記第2の端子延伸部は、前記カバープレートの前記軸方向に沿う内側に固定され、
前記カバーアセンブリは、第2の絶縁部材をさらに含み、少なくとも一部は、前記第2の端子延伸部と前記カバープレートとの間に位置し、
前記取付貫通孔は、第3の孔部分をさらに含み、前記第3の孔部分は、前記第1の孔部分と連通し、且つ前記軸方向に沿って第2の絶縁部材を貫通する、請求項
1に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項13】
前記シール部材の少なくとも一部は、前記端子本体と前記第3の孔部分の孔壁との間に位置し、且つ前記第2の端子延伸部は、前記カバープレートとともに、前記軸方向に沿って、前記シール部材の前記端子本体と前記第3の孔部分の孔壁との間に位置する部分を押圧する、請求項
12に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項14】
前記第1の連通流路は、前記第1の絶縁部材と前記カバープレートとの間に位置する、請求項
13に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項15】
前記第1の連通流路の一端は前記第3の孔部分と連通し、他端は前記ハウジングの内部と連通する、請求項
14に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項16】
前記シール部材は、前記端子本体と前記第1の孔部分の孔壁との間に位置し、
前記エンドカバーアセンブリは、前記第2の端子延伸部と前記第2の絶縁部材の少なくとも一つに設置されるか、又は前記第2の絶縁部材と前記カバープレートとの間に設置される第2の連通流路をさらに含み、
ここで、前記第2の連通流路は、前記ハウジングの内部を前記第3の孔部分と連通させるように構成される、請求項
12に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項17】
前記シール部材の少なくとも一部は、前記第2の端子延伸部と前記第3の孔部分の孔壁との間に位置し、前記エンドカバーアセンブリは、
前記第2の端子延伸部と前記第2の絶縁部材の少なくとも一つに設置されることによって、前記第2の端子延伸部と前記第2の絶縁部材との間のシールを破って、前記ハウジングの内部を前記第3の孔部分と連通させる第2の連通流路をさらに含む、請求項
12に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項18】
前記第2の絶縁部材と前記端子本体との間に設けられることによって、前記第2の絶縁部材と前記端子本体との間のシールを破る第2の貫通構造をさらに含む、請求項
12~
17のいずれか一項に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項19】
前記第2の貫通構造は、前記軸方向に沿って前記第3の孔部分の孔壁を貫通し、且つ前記端子本体から離れて凹む凹部となるように構成される、請求項
18に記載のエンドカバーアセンブリ。
【請求項20】
ハウジングと請求項1~
19のいずれか一項に記載のエンドカバーアセンブリとを含み、前記ハウジングは開口を有し、前記エンドカバーアセンブリは前記開口を閉鎖する、電池セル。
【請求項21】
請求項
20に記載の電池セルを含む、電池パック。
【請求項22】
請求項
21に記載の電池パックを含む、電力消費装置。
【請求項23】
電池セルの製造装置であって、
開口を有するハウジングを提供するように構成されるハウジング提供モジュールと、
前記開口を閉鎖するエンドカバーアセンブリを提供するように構成されるエンドカバー提供モジュールとを含み、ここで、前記エンドカバーアセンブリは、
取付貫通孔を有するカバーアセンブリであって、前記取付貫通孔は自体の軸方向に沿って前記カバーアセンブリを貫通するカバーアセンブリと、
前記取付貫通孔に取り付けられる端子アセンブリと、
前記取付貫通孔をシールするためのシール部材と、
前記端子アセンブリ及び/又は前記カバーアセンブリに設置される第1の連通流路であって、前記第1の連通流路は、前記シール部材によるシールが失効した時、前記第1の連通流路によって、ハウジングの内部と外部が前記取付貫通孔を介して連通するように構成される第1の連通流路とを含
み、
前記端子アセンブリは、端子本体と第1の端子延伸部とを含み、前記端子本体は、前記取付貫通孔を通過し、前記第1の端子延伸部は、前記端子本体の外周面から外へ延伸するとともに、前記カバーアセンブリの前記軸方向に沿う外側に固定され、
前記カバーアセンブリは、カバープレートと第1の絶縁部材とを含み、前記第1の絶縁部材の少なくとも一部は、前記第1の端子延伸部と前記カバープレートとの間に位置し、
前記取付貫通孔は、第1の孔部分と第2の孔部分とを含み、前記第1の孔部分は、前記軸方向に沿って前記カバープレートを貫通し、前記第2の孔部分は、前記第1の孔部分と連通し、且つ前記軸方向に沿って前記第1の絶縁部材を貫通し、
前記第1の絶縁部材と前記端子本体との間に設けられる第1の貫通構造をさらに含み、前記第1の連通流路は、前記第1の貫通構造を介して前記第1の孔部分と連通する、電池セルの製造装置。
【請求項24】
電池セルの製造方法であって、
開口を有するハウジングを提供することと、
前記開口を閉鎖するエンドカバーアセンブリを提供することとを含み、ここで、前記エンドカバーアセンブリは、
取付貫通孔を有するカバーアセンブリであって、前記取付貫通孔は自体の軸方向に沿って前記カバーアセンブリを貫通するカバーアセンブリと、
前記取付貫通孔に取り付けられる端子アセンブリと、
前記取付貫通孔をシールするためのシール部材と、
前記端子アセンブリ及び/又は前記カバーアセンブリに設置される第1の連通流路であって、前記第1の連通流路は、前記シール部材によるシールが失効した時、前記第1の連通流路によって、ハウジングの内部と外部が前記取付貫通孔を介して連通するように構成される第1の連通流路とを含
み、
前記端子アセンブリは、端子本体と第1の端子延伸部とを含み、前記端子本体は、前記取付貫通孔を通過し、前記第1の端子延伸部は、前記端子本体の外周面から外へ延伸するとともに、前記カバーアセンブリの前記軸方向に沿う外側に固定され、
前記カバーアセンブリは、カバープレートと第1の絶縁部材とを含み、前記第1の絶縁部材の少なくとも一部は、前記第1の端子延伸部と前記カバープレートとの間に位置し、
前記取付貫通孔は、第1の孔部分と第2の孔部分とを含み、前記第1の孔部分は、前記軸方向に沿って前記カバープレートを貫通し、前記第2の孔部分は、前記第1の孔部分と連通し、且つ前記軸方向に沿って前記第1の絶縁部材を貫通し、
前記第1の絶縁部材と前記端子本体との間に設けられる第1の貫通構造をさらに含み、前記第1の連通流路は、前記第1の貫通構造を介して前記第1の孔部分と連通する、電池セルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、CN出願番号が202010275768.5で、出願日が2020年4月9日である出願を基礎として、その優先権を主張しており、該CN出願の開示内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
【0002】
本開示は、電池分野に関し、具体的にはエンドカバーアセンブリ、電池セル、電池パック及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、エネルギー密度が高く、環境にやさしいなどの利点を有するため、携帯電話やノートパソコンなどの電子装置に幅広く応用されている。ここ数年、環境問題、ガソリン価格問題及びエネルギー貯蔵問題に対応するために、二次電池の応用は、ハイブリッド電気自動車、電気自動車及びエネルギー貯蔵システムにも急速に拡大している。
【0004】
二次電池内部の電気エネルギーを外部に取り出すために、電池のトップカバーには、取付貫通孔が開設される。二次電池の内部に電解液が充填され、電解液が外部に漏れて安全上の事故を引き起こすことを防止するために、関連技術においては、シール部材を使用して取付貫通孔をシールする。二次電池の組み立てを完了した後、検査機器を利用してシール部材のシール性能を検査する。
【0005】
発明者の発見によると、関連技術には、少なくとも以下の問題が存在する。検査機器によるシール性の検査に合格した場合でも、二次電池を一定期間使用した後、ガス漏れや液漏れが発生することがあり、それによって二次電池の安全性能に影響を与える。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、エンドカバーアセンブリの構造を最適化するためのエンドカバーアセンブリ、電池セル、電池パック及び装置を提供する。
【0007】
本開示の実施例は、エンドカバーアセンブリを提供し、該エンドカバーアセンブリは、
取付貫通孔を有するカバーアセンブリであって、取付貫通孔はその軸方向に沿ってカバーアセンブリを貫通するカバーアセンブリと、
取付貫通孔に取り付けられる端子アセンブリと、
取付貫通孔をシールするように構成されるシール部材と、
第1の連通流路は端子アセンブリとカバーアセンブリの少なくとも一つに設置される第1の連通流路であって、第1の連通流路の一端は取付貫通孔と連通し、他端は外部と連通する第1の連通流路とを含む。
【0008】
いくつかの実施例において、端子アセンブリは、
取付貫通孔を通過する端子本体と、
端子本体の外周面から外へ延伸するとともに、カバーアセンブリの軸方向に沿う一方側に固定される端子延伸部とを含む。
【0009】
いくつかの実施例において、シール部材は、端子本体と取付貫通孔の内壁との間に位置し、且つ端子本体は、取付貫通孔の内壁とともにシール部材を押圧することによって、取付貫通孔をシールする。
【0010】
いくつかの実施例において、第1の連通流路は、端子延伸部のカバーアセンブリに近い表面に設置され、且つ凹む溝となるように構成される。
【0011】
いくつかの実施例において、第1の連通流路の一端は取付貫通孔と連通し、第1の連通流路の他端は端子延伸部のエッジまで延伸する。
【0012】
いくつかの実施例において、カバーアセンブリは、
カバープレートと、
カバープレートと密着され、且つ端子延伸部とカバープレートとの間に位置する第1の絶縁部材とを含み、取付貫通孔は自体の軸方向に沿ってカバープレートと第1の絶縁部材を貫通し、
ここで、第1の連通流路は、カバープレートの端子延伸部に近い表面に設置され、且つ凹む溝となるように構成され、及び/又は、第1の連通流路は、第1の絶縁部材の表面に設置され、且つ凹む溝となるように構成される。
【0013】
いくつかの実施例において、第1の連通流路の一端は取付貫通孔と連通し、且つ取付貫通孔から離れる方向に向かって端子延伸部の外部まで延伸する。
【0014】
いくつかの実施例において、端子延伸部は二つであり、二つの端子延伸部は第1の延伸部と第2の延伸部を含み、第1の延伸部と第2の延伸部はそれぞれカバーアセンブリの軸方向に沿う両側に位置し、
シール部材の少なくとも一部は取付貫通孔の外に位置し、且つ第1の延伸部とカバーアセンブリとの間に位置し、第1の延伸部は、カバーアセンブリとともにシール部材を押圧することによって取付貫通孔をシールする。
【0015】
いくつかの実施例において、第1の連通流路は、第2の延伸部のカバーアセンブリに近い表面に設置され、且つ凹む溝となるように構成される。
【0016】
いくつかの実施例において、第1の連通流路の一端は取付貫通孔と連通し、第1の連通流路の他端は第2の延伸部のエッジまで延伸する。
【0017】
いくつかの実施例において、カバーアセンブリは、
カバープレートを含み、取付貫通孔は自体の軸方向に沿ってカバープレートを貫通し、
ここで、第1の連通流路は、カバープレートの第2の延伸部に近い表面に設置され、且つ凹む溝となるように構成される。
【0018】
いくつかの実施例において、第1の連通流路の一端は取付貫通孔と連通し、第1の連通流路の他端は第2の延伸部の外部まで延伸する。
【0019】
本開示の実施例は、本開示のいずれか一つの技術案によるエンドカバーアセンブリを含む電池セルをさらに提供する。
【0020】
本開示の実施例は、本開示のいずれか一つの技術案による電池セルを含む電池パックをさらに提供し、電池セルは電気エネルギーを提供する。
【0021】
本開示の実施例は、本開示のいずれか一つの技術案による電池パックを電源とする装置をさらに提供する。
【0022】
エンドカバーアセンブリが使用状態にある時、エンドカバーアセンブリの取付貫通孔の軸方向に沿う一方側は電池セルの内部で、エンドカバーアセンブリの軸方向に沿う他側は電池セルの外部である。上記技術案によるエンドカバーアセンブリに、第1の連通流路が設置されており、シール部材によるシールが失効した時、第1の連通流路によってカバーアセンブリの取付貫通孔の軸方向に沿う両側は連通し、つまり電池セルの内部と電池セルの外部とは連通し、即ち上記技術案は、電池セル上に検査を実現可能な流路が設置されており、該流路によって、シール部材によるシールが失効した時、電池セルにダミーシール現象が発生したかどうかを識別することができ、それによって電池セルの品質と性能を向上させる。
【0023】
本開示は、電池セルのハウジングを閉鎖するためのエンドカバーアセンブリを提供し、該エンドカバーアセンブリは、
取付貫通孔を有するカバーアセンブリであって、取付貫通孔は自体の軸方向に沿ってカバーアセンブリを貫通するカバーアセンブリと、
取付貫通孔に取り付けられる端子アセンブリと、
取付貫通孔をシールするためのシール部材と、
端子アセンブリとカバーアセンブリの少なくとも一つに設置される第1の連通流路であって、第1の連通流路は、シール部材によるシールが失効した時、第1の連通流路によって、ハウジングの内部と外部が取付貫通孔を介して連通するように構成される第1の連通流路とを含む。
【0024】
エンドカバーアセンブリが使用状態にある時、エンドカバーアセンブリの取付貫通孔の軸方向に沿う一方側はハウジングの内部で、エンドカバーアセンブリの軸方向に沿う他側はハウジングの外部である。上記技術案によるエンドカバーアセンブリに、第1の連通流路が設置されており、シール部材によるシールが失効した時、第1の連通流路と取付貫通孔が貫通しており、第1の連通流路自体も貫通しており、取付貫通孔自体も貫通しているため、電池セルの内部と電池セルの外部とが連通するようになる。以上から分かるように、上記技術案は、電池セル上に検査を実現可能な第1の連通流路が設置されており、該第1の連通流路によって、シール部材によるシールが失効した時、電池セルのダミーシール現象を破ることができ、それによって電池セルの品質と性能を向上させる。
【0025】
いくつかの実施例において、前記端子アセンブリは、端子本体と第1の端子延伸部とを含み、前記端子本体は、前記取付貫通孔を通過し、前記第1の端子延伸部は、前記端子本体の外周面から外へ延伸するとともに、前記カバーアセンブリの前記軸方向に沿う外側に固定され、
前記カバーアセンブリは、カバープレートと第1の絶縁部材とを含み、前記第1の絶縁部材の少なくとも一部は、前記第1の端子延伸部と前記カバープレートとの間に位置し、
前記取付貫通孔は、第1の孔部分と第2の孔部分とを含み、前記第1の孔部分は、前記軸方向に沿って前記カバープレートを貫通し、前記第2の孔部分は、前記第1の孔部分と連通し、且つ前記軸方向に沿って前記第1の絶縁部材を貫通する。
【0026】
上記構造を採用したエンドカバーアセンブリは、構造がよりコンパクトで確実である。
【0027】
いくつかの実施例において、ここで、前記シール部材は、前記端子本体と前記第1の孔部分の孔壁との間に位置し、且つ前記端子本体は、前記第1の孔部分の孔壁とともに前記シール部材を押圧することによって前記取付貫通孔をシールする。上記構造を採用することで、シールリングに対する効果的な固定を実現する。
【0028】
いくつかの実施例において、ここで、第1の連通流路は、第1の絶縁部材とカバープレートとの間に位置する。上記技術案は、第1の絶縁部材とカバープレートの間で形成されるダミーシールを効果的に破ることができる。
【0029】
いくつかの実施例において、ここで、第1の連通流路の一端は第1の孔部分と連通し、他端はハウジングの外部と連通する。上記技術案は、ダミーシール現象を効果的に破ることができる。
【0030】
いくつかの実施例において、ここで、第1の連通流路は、第1の絶縁部材と第1の端子延伸部との間に位置する。上記技術案は、第1の絶縁部材と第1の端子延伸部の間で形成されるダミーシールを効果的に破ることができる。
【0031】
いくつかの実施例において、ここで、第1の連通流路の一端は第2の孔部分と連通し、他端はハウジングの外部と連通する。上記技術案は、第1の連通流路の構造が合理的であり、ダミーシール現象を効果的に破ることができる。
【0032】
いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリは、
第1の絶縁部材と端子本体との間に設けられる第1の貫通構造をさらに含み、第1の連通流路は、第1の貫通構造を介して第1の孔部分と連通する。上記技術案は、第1の絶縁部材と端子本体との間のダミーシール現象を効果的に破る。
【0033】
いくつかの実施例において、ここで、第1の貫通構造は、軸方向に沿って第2の孔部分の孔壁を貫通し、且つ端子本体から離れて凹む凹部となるように構成される。上記技術案は、第1の貫通構造が加工しやすい。
【0034】
いくつかの実施例において、ここで、第1の連通流路は、溝又は粗面となるように構成される。上記技術案は、加工しやすい。
【0035】
いくつかの実施例において、ここで、シール部材の少なくとも一部は、端子本体と第2の孔部分の孔壁との間に位置し、且つ第1の端子延伸部は、カバープレートとともに、軸方向に沿って、シール部材の端子本体と第2の孔部分の孔壁との間に位置する部分を押圧する。上記技術案は、シール部材に対する効果的な取付けと固定を実現する。
【0036】
いくつかの実施例において、ここで、第1の連通流路は、第1の絶縁部材とカバープレートとの間に位置し、及び/又は、第1の連通流路は、第1の絶縁部材と第1の端子延伸部との間に位置する。上記技術案は、第1の連通流路の設置位置の違いによって、第1の絶縁部材とカバープレートとの間のダミーシール、第1の絶縁部材と第1の端子延伸部との間のダミーシールを効果的に破る。
【0037】
いくつかの実施例において、ここで、第1の連通流路の一端は第2の孔部分と連通し、他端はハウジングの外部と連通する。上記技術案は、第1の連通流路の構造が合理的である。
【0038】
いくつかの実施例において、ここで、前記端子アセンブリは、第2の端子延伸部をさらに含み、前記端子本体の外周面から外へ延伸し、前記第2の端子延伸部は、前記カバープレートの前記軸方向に沿う内側に固定され、
前記カバーアセンブリは、第2の絶縁部材をさらに含み、少なくとも一部は、前記第2の端子延伸部と前記カバープレートとの間に位置し、
前記取付貫通孔は、第3の孔部分をさらに含み、前記第3の孔部分は、前記第1の孔部分と連通し、且つ前記軸方向に沿って第2の絶縁部材を貫通する。上記技術案は、エンドカバーアセンブリの構造がより豊富で、性能がより優れている。
【0039】
いくつかの実施例において、ここで、前記シール部材の少なくとも一部は、前記端子本体と前記第3の孔部分の孔壁との間に位置し、且つ前記第2の端子延伸部は、前記カバープレートとともに、前記軸方向に沿って、前記シール部材の前記端子本体と前記第3の孔部分の孔壁との間に位置する部分を押圧する。上記技術案は、シール部材に対する効果的な取付けと固定を実現する。
【0040】
いくつかの実施例において、ここで、前記第1の連通流路は、前記第1の絶縁部材と前記カバープレートとの間に位置する。上記技術案は、第1の連通流路の設置方式がより合理的である。
【0041】
いくつかの実施例において、前記第1の連通流路の一端は前記第3の孔部分と連通し、他端は前記ハウジングの内部と連通する。
【0042】
いくつかの実施例において、前記シール部材は、前記端子本体と前記第1の孔部分の孔壁との間に位置し、前記エンドカバーアセンブリは、
前記第2の端子延伸部と前記第2の絶縁部材の少なくとも一つに設置されるか、又は前記第2の絶縁部材と前記カバープレートとの間に設置される第2の連通流路をさらに含み、
ここで、前記第2の連通流路は、前記ハウジングの内部を前記第3の孔部分と連通させるように構成される。
【0043】
いくつかの実施例において、前記シール部材の少なくとも一部は、前記第2の端子延伸部と前記第3の孔部分の孔壁との間に位置し、前記エンドカバーアセンブリは、
前記第2の端子延伸部と前記第2の絶縁部材の少なくとも一つに設置されることによって、前記第2の端子延伸部と前記第2の絶縁部材との間のシールを破って、前記ハウジングの内部を前記第3の孔部分と連通させる第2の連通流路をさらに含む。
【0044】
いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリは、前記第2の絶縁部材と前記端子本体との間に設けられることによって、前記第2の絶縁部材と前記端子本体との間のシールを破る第2の貫通構造をさらに含む。
【0045】
いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリであって、ここで、前記第2の貫通構造は、前記軸方向に沿って前記第3の孔部分の孔壁を貫通し、且つ前記端子本体から離れて凹む凹部となるように構成される。
【0046】
本開示の実施例は、ハウジングと、本開示のいずれか一つの技術案によるエンドカバーアセンブリとを含む電池セルをさらに提供し、ハウジングは開口を有し、エンドカバーアセンブリは開口を閉鎖する。
【0047】
本開示の実施例は、本開示のいずれか一つの技術案による電池セルを含む電池パックをさらに提供する。
【0048】
本開示の実施例は、本開示のいずれか一つの技術案による電池パックを含む電力消費装置をさらに提供する。
【0049】
本開示の実施例は、電池セルの製造装置をさらに提供し、該電池セルの製造装置は、
開口を有するハウジングを提供するように構成されるハウジング提供モジュールと、
開口を閉鎖するエンドカバーアセンブリを提供するように構成されるエンドカバー提供モジュールとを含み、ここで、エンドカバーアセンブリは、
取付貫通孔を有するカバーアセンブリであって、取付貫通孔は自体の軸方向に沿ってカバーアセンブリを貫通するカバーアセンブリと、
取付貫通孔に取り付けられる端子アセンブリと、
取付貫通孔をシールするためのシール部材と、
端子アセンブリ及び/又はカバーアセンブリに設置される第1の連通流路であって、第1の連通流路は、シール部材によるシールが失効した時、第1の連通流路によって、ハウジングの内部と外部が取付貫通孔を介して連通するように構成される第1の連通流路とを含む。
【0050】
本開示の実施例は、電池セルの製造方法をさらに提供し、該電池セルの製造方法は、
開口を有するハウジングを提供することと、
開口を閉鎖するエンドカバーアセンブリを提供することとを含み、ここで、エンドカバーアセンブリは、
取付貫通孔を有するカバーアセンブリであって、取付貫通孔は自体の軸方向に沿ってカバーアセンブリを貫通するカバーアセンブリと、
取付貫通孔に取り付けられる端子アセンブリと、
取付貫通孔をシールするためのシール部材と、
端子アセンブリ及び/又はカバーアセンブリに設置される第1の連通流路であって、第1の連通流路は、シール部材によるシールが失効した時、第1の連通流路によって、ハウジングの内部と外部が取付貫通孔を介して連通するように構成される第1の連通流路とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本開示のいくつかの実施例による自動車の構造模式図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施例による電池パックの分解模式図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施例による電池セルの斜視模式図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施例による電池セルの分解模式図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施例による電池セルの上面模式図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施例による、第1の連通流路がカバープレートに設けられたエンドカバーアセンブリの分解模式図である。
【
図10】
図9に示されるエンドカバーアセンブリの上面模式図である。
【
図12】
図9における第1の絶縁部材の斜視模式図である。
【
図13】本開示のさらなるいくつかの実施例による、第1の連通流路が弧状溝であるエンドカバーアセンブリの斜視模式図である。
【
図14】本開示の別の実施例による、第1の連通流路が第1の絶縁部材に設けられたエンドカバーアセンブリの分解模式図である。
【
図15】
図14に示されるエンドカバーアセンブリの上面模式図である。
【
図17】本開示の別のいくつかの実施例によるエンドカバーアセンブリの分解模式図である。
【
図18】
図17に示されるエンドカバーアセンブリの断面模式図である。
【
図19】本開示のまたいくつかの実施例による、第1の連通流路がカバープレートに設けられた単極柱エンドカバーアセンブリの分解模式図である。
【
図22】
図19に示されるエンドカバーアセンブリの上面模式図である。
【
図26】本開示のいくつかの実施例による、第1の連通流路が第1の延伸部に設けられたエンドカバーアセンブリの分解模式図である。
【
図27】
図26に示されるエンドカバーアセンブリの上面模式図である。
【
図29】本開示のいくつかの実施例による、第1の連通流路が第1の延伸部に設けられた単極柱エンドカバーアセンブリの分解模式図である。
【
図30】
図29に示されるエンドカバーアセンブリの上面模式図である。
【
図32】本開示の別の実施例による、シールリングがT字状リングであるエンドカバーアセンブリの部分拡大模式図である。
【
図33】本開示のまた別の実施例による、シールリングがT字状リングであるエンドカバーアセンブリの部分拡大模式図である。
【
図34】本開示のさらに別の実施例によるエンドカバーアセンブリの斜視模式図である。
【
図35】本開示の別の実施例によるエンドカバーアセンブリの構造模式図である。
【
図36】本開示のまた別の実施例によるエンドカバーアセンブリの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下は、
図1~
図36によって本開示による技術案についてより詳細に説明する。
【0053】
本開示の各実施例の技術案をより明瞭に記述するために、
図2において座標系を確立し、以下の電池パック100の各方位についての記述は該座標系に基づいて行う。
図2を参照して、X軸は、電池パック100の長手方向である。Y軸は、水平面内においてX軸に垂直であり、Y軸は、電池パック100の幅方向を示す。Z軸は、X軸とY軸で形成される平面に垂直であり、Z軸は、電池モジュールの高さ方向を示す。本開示の記述において、用語「上」、「下」は、いずれもZ軸方向に対するものである。ケース20の長手方向は電池パック100の長手方向と一致し、ケース20の幅方向は電池パック100の幅方向と一致し、ケース20の高さ方向は電池パック100の高さ方向と一致する。
【0054】
本開示の実施例の記述において、さらに説明すべきこととして、特に明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的な接続であってもよく、間接的な接続であってもよい。当業者にとって、本開示における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解されてもよい。
【0055】
本開示の記述において、理解すべきこととして、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語で指示される方位や位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、単に本開示の説明の便宜上、説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成と操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本開示の保護内容を限定するものではない。
【0056】
図2~
図4を参照して、関連技術において、電池セル10の内部に電解液が充填されている。発明者の発見によると、電池セル10に漏れが発生する位置が複数あり、一つの位置は、液漏れが発生する可能性がある注液孔であり、もう一つの位置は、液漏れが発生する可能性があるカバープレート513と端子本体521との間の隙間である。関連技術では、注液孔による液漏れの原因と解決のみが分析されている。実際の製品の使用過程において、もう一つの現象も存在する。即ち製品の出荷時に、シール性検査に合格できるが、一定期間使用した後、また漏れの現象が発生する。発明者は、長期的で創造的な努力を経て、以下のことを発見した。カバープレート513と端子本体521との間のシール部材53にシールが失効した状況又は取り付けられていない状況が発生した場合、電池セル10のエンドカバーアセンブリ5における一部の部品がプラスチック材質を採用し、プラスチック材質が一定の圧縮変形量を有するため、プラスチック材質の圧縮変形により電池セル10のダミーシール現象の発生を引き起こす。即ち、実際には、電池セル10のシールする必要のある部位はシールされておらず、しかしプラスチック材質の変形によって、電池セル10全体がシール状態、即ちダミーシール状態を呈する。出荷検査において、電池セル10が実際の使用状況ではないため、上記ダミーシール現象により、電池セル10は、出荷時のシール性検査要求を満たすことができるが、製品の正常使用の需要を満たすことができない。本開示による技術案は、電池セル10のエンドカバーアセンブリ5におけるダミーシール現象の発生を識別することができるため、上記状況の発生を大幅に減少させ、電池セル10の性能を向上させる。
【0057】
以下は、本開示の各実施例の技術案を詳細に説明する。
【0058】
図1を参照して、本開示のいくつかの実施例は、電池パック100を電源として使用する装置を提供する。該装置は電池パック100を含む。該装置は、例えば新エネルギー自動車、船舶、スマート電気キャビネットなどである。電池パック100は、電源供給部品として、装置の様々な電子素子に必要な電気エネルギーを提供する。
【0059】
図2を参照して、いくつかの実施例において、電池パック100は、一つ又は複数の電池モジュールを含む。各電池モジュールの間は電気的に接続され、例えば直列接続、並列接続又は直並列接続されることによって、必要な電池パック100の電気特性パラメータを実現する。
【0060】
依然として
図2を参照して、各電池モジュールはいずれも一つ又は複数の電池セル10を含む。複数の電池セル10は列をなして設置され、必要に応じて電池セル10を1列又は複数列設置してもよい。各電池セル10の間は電気的に接続され、例えば並列接続、直列接続又は直並列接続されることによって、必要な電気特性パラメータを実現する。
【0061】
図2を参照して、以下は、電池パック100の各電池セル10の配列方式を説明する。
【0062】
いくつかの実施例において、電池パック100の各電池セル10は、ケース20の長手方向Xに沿って配列される。電池パック100の幅方向、即ちY軸方向に沿って6列の電池セルアセンブリが設置される。実際の応用において、他の列数を設置してもよい。必要に応じて、電池パック100の高さ方向、即ち
図2におけるZ軸方向に、1層又は複数層の電池セルを設置してもよい。
【0063】
図3~
図8を参照して、以下は、電池セル10のいくつかの実現形態を説明する。
【0064】
本開示のいくつかの実施例は、ハウジング1と、電極アセンブリ4と、正極エンドカバーアセンブリ2と、負極エンドカバーアセンブリ3とを含む電池セル10を提供する。
【0065】
図4~
図6を参照して、ハウジング1はキャビティ11を有する。ハウジング1の両端はいずれも開口されている。電極アセンブリ4は、ハウジング1のキャビティに取り付けられる。正極エンドカバーアセンブリ2は、ハウジング1の一端の開口部に設置されることによって、ハウジング1の一端の開口を閉鎖するとともに、正極エンドカバーアセンブリ2は、電極アセンブリ4の正極タブ40に電気的に接続される。負極エンドカバーアセンブリ3は、ハウジング1の他端に設置されることによって、ハウジング1の他端の開口を閉鎖するとともに、負極エンドカバーアセンブリ3は、電極アセンブリ4の負極タブ40に電気的に接続される。
【0066】
電極アセンブリ4の作製方式は、積層型と捲回型とを含む。
図7を参照して、積層型電極アセンブリ4は、正極板41と、負極板42と、セパレータ43とを所定寸法のサイズに裁断し、続いて正極板41と、セパレータ43と、負極板42とを重ね合わせて電極アセンブリ4にする。
図8を参照して、捲回型電極アセンブリ4は、正極板41と、負極板42と、セパレータ43とを捲回して成形されるものである。以下のいくつかの実施例において、電池セル10は、捲回型を採用した電極アセンブリ4を例にすると、ハウジング1も円柱形である。エンドカバーアセンブリ5は、ハウジング1の両端の開口形状と嵌合するために、いずれも概ね円形である。
【0067】
正極エンドカバーアセンブリ2と負極エンドカバーアセンブリ3の少なくとも一つは、以下に説明するエンドカバーアセンブリ5の実現形態を採用し、即ちエンドカバーアセンブリ5に第1の連通流路54が設置される。以下は、第1の連通流路54の設置位置の異なりに基づき、場合分けして詳しく説明する。
【0068】
図9~
図12を参照して、本開示のいくつかの実施例は、カバーアセンブリ51と、端子アセンブリ52と、シール部材53と、第1の連通流路54とを含むエンドカバーアセンブリ5を提供する。第1の連通流路54は、端子アセンブリ52とカバーアセンブリ51の少なくとも一つに設置される。第1の連通流路54の一端は取付貫通孔512と連通し、他端は外部と連通する。いわゆる外部とは、エンドカバーアセンブリ5を電池セル10に使用した後の電池セル10の外部のことを指す。
【0069】
いくつかの実施例において、
図9に示される方向を例にし、カバーアセンブリ51は、第1の絶縁部材514と、第1の絶縁部材514の下方に位置するカバープレート513と、カバープレート513の下方に位置する第2の絶縁部材516とを含む。カバーアセンブリ51は、取付貫通孔512を有し、取付貫通孔512は、その軸方向に沿ってカバーアセンブリ51を貫通する。即ち、取付貫通孔512は、第1の絶縁部材514とカバープレート513と第2の絶縁部材516の三方を貫通する。
【0070】
図9~
図12を参照して、いくつかの実施例において、取付貫通孔512は、第2の孔部分512aと、第1の孔部分512bと、第3の孔部分512cとの三つの連通する部分を含む。ここで、第2の孔部分512aは第1の絶縁部材514に設置され、第1の孔部分512bはカバープレート513に設置され、第3の孔部分512cは第2の絶縁部材516に設置される。
【0071】
取付貫通孔512の数は、後に詳しく説明する端子アセンブリ52の端子本体521の数と一致する。いくつかの実施例において、端子アセンブリ52は、一つの端子本体521を含んでもよく、二つ以上の端子本体521を含んでもよい。該エンドカバーアセンブリ5を正極エンドカバーアセンブリ2として使用すれば、エンドカバーアセンブリ5は、二つの正極端子本体521を含む。該エンドカバーアセンブリ5を負極エンドカバーアセンブリ3として使用すれば、エンドカバーアセンブリ5は、二つの負極端子本体521を含む。
図9~
図11は、二つの端子本体521の実現形態を示している。これらの実現形態において、電極アセンブリ4は、捲回型の成形方式を採用している。二つの端子本体521を採用した構造では、二つの取付貫通孔512は、第1の絶縁部材514の中心に対して、対称に設置されてもよく、又は非対称に設置されてもよい。端子アセンブリ52は、二つの端子本体521の構造を採用することで、エンドカバーアセンブリ5を取り付けた後に、ハウジング1に対して回転するなどの現象が発生することを防止することができる。
【0072】
図9~
図12を参照して、端子アセンブリ52は、取付貫通孔512に取り付けられる。端子アセンブリ52は、端子本体521と端子延伸部522とを含む。端子本体521は、取付貫通孔512を通過する。端子延伸部522は二つであってもよく、二つの端子延伸部522は、それぞれ端子本体521の軸方向に沿う両端に位置する。二つの端子延伸部522と端子本体521との接続関係は独立しており、互いに影響しない。例えば、そのうちの一方の端子延伸部522と端子本体521とは一体的であり、他方の端子延伸部522と端子本体521は、カシメなどの方式によって固定的に接続される。各端子延伸部522は、端子本体521の外周面から外へ延伸し、即ち端子延伸部522の径方向のサイズが端子本体521の径方向のサイズよりも大きい。各端子延伸部522は、カバーアセンブリ51の軸方向に沿う一方側に固定される。
図11に示される方向を例にし、下方に位置する端子延伸部522と端子本体521とは一体的で、該端子延伸部は、第2の延伸部522bとも呼ばれる。上方に位置する端子延伸部522は端子押さえ板であり、端子押さえ板と端子本体521は、カシメによって固定的に接続される。端子押さえ板は、第1の延伸部522aとも呼ばれる。端子押さえ板の材質として、金属導電性材質、例えばアルミニウムなどを選択してもよい。
【0073】
引き続き
図9~
図12を参照して、第2の延伸部522bは、電極アセンブリ4のタブ40に電気的に接続され、第1の延伸部522aは、他の部品、例えば他の電池セル10に電気的に接続するためのものである。
【0074】
図9~
図12を参照して、第1の絶縁部材514は、長方形の薄板状構造を採用している。第2の孔部分512aは、第1の絶縁部材514に設置される。
図9~
図11に示されるそれらの実施例において、第1の絶縁部材514に第1の連通流路54が設置されていない。理解できるように、第1の絶縁部材514の二つの表面の少なくとも一つの表面に第1の連通流路54を設置してもよい。
【0075】
第1の絶縁部材514の材質として、ポリプロピレン(Polypropylene、PPと略する)、ポリカーボネート(Polycarbonate、PCと略する)、ポリフルオロアルコキシ(Polyfluoroalkoxy、PFAと略する)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride、PVCと略する)、ポリエチレン(polyethylene、PEと略する)、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PETと略する)などの絶縁且つ耐電解液性の材料を選択してもよい。
【0076】
図9~
図12を参照して、カバープレート513は、第1の絶縁部材514と第2の絶縁部材516との間に位置し、第2の絶縁部材516は、第1の絶縁部材514とともにカバープレート513を挟み込む。第2の絶縁部材516は、カバープレート513の電極アセンブリ4に向かう側に位置し、第1の絶縁部材514は、カバープレート513の電極アセンブリ4から離れる側に位置する。カバープレート513は、円形の薄板となるように構成される。カバープレート513に取付貫通孔512の第1の孔部分512bが設置され、該第1の孔部分512bにシール部材53が取り付けられる。第2の絶縁部材516と、第1の絶縁部材514と、シール部材53との協働によって、カバープレート513と端子本体521を絶縁隔離し、正負極における短絡の発生を防止し、端子本体521の取り付けを安定化させる。
【0077】
引き続き
図9~
図12を参照して、シール部材53は、取付貫通孔512をシールするように構成される。いくつかの実施例において、シール部材53は、端子本体521と取付貫通孔512の第1の孔部分512bの内壁との間に位置し、且つ端子本体521は、取付貫通孔512の第1の孔部分512bの内壁とともにシール部材53を押圧することによって、取付貫通孔512をシールする。取付貫通孔512の第1の孔部分512bの内壁は第1の斜面R1を有し、端子本体521は第2の斜面R2を有し、第1の斜面R1と第2の斜面R2は対向して設置される。シール部材53が第1の斜面R1と第2の斜面R2との間に位置することによって、第1の斜面と第2の斜面はシール部材53を押圧する。第1の斜面R1が第2の斜面R2とともに押圧することによって、シール部材53のシール効果を実現する。
【0078】
シール部材53はO型リングを採用し、O型リングは、取付貫通孔512のカバープレート513に位置する第1の孔部分512bに取り付けられ、O型リングは、端子本体521とカバープレート513との間に位置することによって、電池セル10内部の電解液が取付貫通孔512を介して漏れることを防止する役割を果たす。シール部材53の中部に孔が設置される。端子本体521は、上記の第3の孔部分512cとシール部材53の孔を通過し、続いて第1の絶縁部材514の第2の孔部分512aを通過する。
【0079】
以上に説明したように、シール部材53の取り付けが不確実であり、シール部材53が失効し、シール部材53が取り付けられていないなどの現象が発生した場合、第1の絶縁部材514により、電池セル10におけるダミーシール現象の発生を引き起こす。ダミーシールされた電池セル10は出荷時のシール性検査要求を満たすことができるが、実際に使用する時に、漏れ現象が発生してしまう。該現象を識別するために、いくつかの実施例において、カバープレート513に第1の連通流路54が設置される。第1の連通流路54によって、カバーアセンブリ51の軸方向に沿う両側は連通するようになる。エンドカバーアセンブリ5の使用時に、カバーアセンブリ51の軸方向に沿う一方側は電池セル10の内部で、カバーアセンブリ51の軸方向に沿う他側は電池セル10の外部である。第1の連通流路54によって、カバーアセンブリ51の軸方向に沿う両側は連通するようになり、つまり電池セル10の内部と電池セル10の外部は連通するようになる。即ち、上記技術案は、電池セル10上に一本の検査流路を設置し、該検査流路は、シール部材53によるシールが失効した時、電池セル10に発生したダミーシール現象を識別するためのものである。シール部材53によるシールの失効は、シール部材53の未装着、シール部材53の装着不良、シール部材53の劣化失効などの状況を含む。
【0080】
カバープレート513に第1の連通流路54が設置されるという前提で、正常な場合、シール部材53が確実に取り付けられ、且つ性能が正常であれば、シール部材53は、取付貫通孔512の第2の端と第1の端を遮断するように阻止することによって、取付貫通孔512の第1の端と第2の端は連通しない。この場合、取付貫通孔512の第1の端が外部と直接導通するか、又は一定の圧力で外部と導通しても、取付貫通孔512の第2の端が外部と導通することはない。しかし、以上に説明した、シール部材53の失効によるダミーシール現象が発生した場合、第1の絶縁部材514によってエンドカバー全体がダミーシール状態を呈するが、カバープレート513に第1の連通流路54が設置されているため、第1の連通流路54によって電池セル10の内部と外部は連通し、この場合、電池セル10に対してシール性検査を行う時、第1の連通流路54により電池セル10に漏れ現象があることを検出可能であるため、電池セル10のエンドカバーアセンブリ5におけるダミーシール現象の発生を効果的に識別することができる。上記検査操作は、エンドカバーアセンブリ5を生産する過程において実現することができ、このように、エンドカバーアセンブリ5の生産段階で不合格のエンドカバーアセンブリ5を識別することができ、それによって後続の電池セル10の組み立てプロセスにおいて、電池セル10に対するシール検査の操作を省くことができ、電池セル10の生産プロセスが最適化される。そして、不合格のエンドカバーアセンブリ5が後続のプロセス段階に入ることによる種々の弊害も低減される。
【0081】
第1の連通流路54の設置方式は複数あり、いくつかの実施例において、第1の連通流路54は、ストレート溝又は弧状溝となるように構成される。
図9~
図12に示されるいくつかの実施例において、第1の連通流路54は、ストレート溝となるように構成される。
図13に示されるいくつかの実施例において、第1の連通流路54は、弧状溝となるように構成される。
【0082】
いくつかの実施例において、第1の連通流路54の深さは0.3mm~0.5mmである。例えば0.3mm、0.4mm、0.5mmである。
【0083】
いくつかの実施例において、第1の連通流路54の深さは0.3mm~1mmである。例えば0.3mm、0.5mm、0.7mm、0.9mm、1mmである。
【0084】
いくつかの実施例において、第1の連通流路54の一端は取付貫通孔512と連通し、第1の連通流路54の他端はカバープレート513のエッジに向かって延伸し、例えば第2の延伸部522bの鉛直投影領域のエッジまで延伸する。
【0085】
同一の取付貫通孔512に対して、それと連通する第1の連通流路54の数は一本又は複数本であってもよく、各第1の連通流路54は、取付貫通孔512の周方向に沿って間隔をおいて設置される。
図9及び
図13に示されるそれらの実施例において、第1の連通流路54はいずれも二本設置され、二本の第1の連通流路54は、略180°の間隔をおいて設置される。各第1の連通流路54の長さは、第2の延伸部522の電池の鉛直方向、即ちZ方向における投影領域を超えない。
【0086】
図9~
図12を参照して、第2の絶縁部材516は、環状構造を採用してもよい。第3の孔部分512cは、第2の絶縁部材516に設置される。第2の絶縁部材516は絶縁基板516bを含み、絶縁基板516bは円形である。絶縁基板516bの第1の表面のエッジに制限部材が固定され、制限部材の形状は大半の円環である。絶縁基板516bの第1の表面は電極アセンブリ4に向かい、絶縁基板516bの第2の表面はカバープレート513に向かい、第2の表面と第1の表面は平行であり、いずれも絶縁基板516bの最大延在面である。絶縁基板516bの第1の表面にさらに支持部材516dが設置され、支持部材516dは弧状となるように構成される。支持部材516dと、絶縁基板516bと、制限リングとはいずれも同心に設置される。第2の絶縁部材516の制限部材は、電極アセンブリ4に当接する。第2の絶縁部材516の支持部材516dは、コネクタシート517に当接する。コネクタシート517は、電極アセンブリのタブ40と端子本体521を電気的に接続するためのものである。
【0087】
第2の絶縁部材516の材質は、第1の絶縁部材514と同じであってもよい。
【0088】
図14~
図16を参照して、別のいくつかの実施例において、第1の連通流路54の設置位置は、以上に説明した設置位置と異なっている。これらの実施例において、第1の連通流路54は第1の絶縁部材514に設置される。第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514のカバープレート513に向かう表面に設置され、即ち第1の連通流路54は第1の絶縁部材514の上面に設置され、即ち
図14~
図16に示すとおりである。又は、第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514のカバープレート513から離れる表面に設置され、即ち第1の絶縁部材514の下面に設置される。又は、第1の絶縁部材514の上下面にいずれも第1の連通流路54が設置される。説明すべきこととして、第1の絶縁部材514に第1の連通流路54が設置されている場合、カバープレート513に第1の連通流路54を設置してもよく、第1の連通流路54を設置しなくてもよい。
【0089】
第1の絶縁部材514に設置される第1の連通流路54は、ストレート溝又は弧状溝となるように構成される。ストレート溝の構造は、上記の
図9~
図12に示される構造を参照してよい。弧状溝の構造は、
図13に示される構造を参照してよい。
【0090】
第1の絶縁部材514に設置される第1の連通流路54の数は一本又は複数本であってもよく、これらの第1の連通流路54はいずれも同一の取付貫通孔512と連通する。各第1の連通流路54は、取付貫通孔512の周方向に沿って間隔をおいて設置される。
【0091】
以上に説明した第1の連通流路54の長さ、幅、深さは、同様に本実施例に適用するため、ここで説明を省略する。
【0092】
図17と
図18を参照して、以下は、カバーアセンブリ51が他の構造形式を採用した時の第1の連通流路54の設置方式を説明する。
【0093】
いくつかの実施例において、カバーアセンブリ51はカバープレート513を含み、カバープレート513は絶縁材質を採用する。そのため、第1の連通流路54は、カバープレート513の上面又は下面に設置されてもよい。
図17と
図18に示されるそれらの実施例において、第1の連通流路54がカバープレート513の下面に設置されることを例とする。
【0094】
同一の取付貫通孔512に対して、それと連通する第1の連通流路54の数は一本又は複数本であってもよい。各第1の連通流路54は、取付貫通孔512の周方向に沿って間隔をおいて設置される。
【0095】
以上に説明した第1の連通流路54の長さ、幅、深さは、同様に本実施例に適用するため、ここで説明を省略する。
【0096】
図19~
図25を参照して、本開示のまたいくつかの実施例は、単極柱を有するエンドカバーアセンブリ5を提供する。いわゆる単極柱のエンドカバーアセンブリ5とは、各エンドカバーアセンブリ5に含まれる端子本体521の数が1個であることを指す。
【0097】
図19~
図25を参照して、エンドカバーアセンブリ5は、カバーアセンブリ51と、端子アセンブリ52と、シール部材53と、第1の連通流路54とを含む。
【0098】
取付貫通孔512は、第2の孔部分512aと、第1の孔部分512bと、第3の孔部分512cとの三つの連通する部分を含む。ここで、第2の孔部分512aは第1の絶縁部材514に設置され、第1の孔部分512bはカバープレート513に設置され、第3の孔部分512cは第2の絶縁部材516に設置される。取付貫通孔512は一つであり、端子アセンブリ52の単極柱構造に対応する。
【0099】
引き続き
図19~
図25を参照して、第2の端子延伸部522bは、電極アセンブリ4のタブ40に電気的に接続され、第1の端子延伸部522aは、他の部品、例えば他の電池セル10に電気的に接続するためのものである。第1の端子延伸部522aは、長方形の板状構造を採用している。
【0100】
引き続き
図19~
図25を参照して、第1の絶縁部材514は、長方形の薄板状構造を採用している。第2の孔部分512aは、第1の絶縁部材514に設置される。理解できるように、
図19~
図25に示されるそれらの実施例において、第1の絶縁部材514に第1の連通流路54が設置されていない。しかし、他のいくつかの実施例において、第1の絶縁部材514に第1の連通流路54が設置されてもよい。第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514の第2の延伸部522bに向かう表面(即ち
図19に示される上面)に位置し、又は、第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514のカバープレート513に向かう表面(即ち
図19に示される下面)に位置し、又は、第1の絶縁部材514の上下面にいずれも第1の連通流路54が設置される。
【0101】
図19~
図25を参照して、カバープレート513は、第1の絶縁部材514と第2の絶縁部材516との間に位置し、第2の絶縁部材516は、第1の絶縁部材514とともにカバープレート513を挟み込む。第2の絶縁部材516は、カバープレート513の電極アセンブリ4に向かう一方側に位置し、第1の絶縁部材514は、カバープレート513の電極アセンブリ4から離れる一方側に位置する。カバープレート513は、長方形の薄板となるように構成される。カバープレート513に取付貫通孔512の第1の孔部分512bが設置され、該第1の孔部分512bは、シール部材53と端子本体521を取り付けるためのものである。
【0102】
図20、
図24と
図25を参照して、これらの実施例において、シール部材53はT型シールリングを採用している。シール部材53は環状部531とシール部532を含み、両方はシールして接続される。環状部531は取付貫通孔512の第1の孔部分512bに位置し、シール部532は取付貫通孔512の外部に位置し、且つシール部532は、端子アセンブリ52の第1の延伸部522aとカバープレート513によって押し固められる。シール部532は、平らなものであってもよく、又は段差を設けてもよく、シール部532はシールする役割を果たす。環状部531と、取付貫通孔512の第1の孔部分512bの内壁及び端子本体521の外壁との間は、一定の隙間を有してもよい。第1の延伸部522aは、カバーアセンブリ51とともにシール部材53を押圧することによって取付貫通孔512をシールする。
【0103】
第2の絶縁部材516と、第1の絶縁部材514と、シール部材53との協働によって、カバープレート513と端子本体521を絶縁隔離し、端子本体521とカバープレート513における短絡の発生を防止し、端子本体521の取り付けを安定化させる。
【0104】
図19~
図25を参照して、第1の連通流路54は、カバープレート513の第1の絶縁部材514に向かう表面、即ちカバープレート513の上面に設置されてもよい。T型シールリングを採用した場合、第1の連通流路54は、カバープレート513の下面でなく、カバープレート513の上面に設置され、上記設置方式によって、T型シールリングは正常にシールする効果を奏することができ、以上に説明した第1の連通流路54による検査機能の実現を図ることもできる。
【0105】
又は、第1の連通流路54は、カバープレート513の第2の絶縁部材516に向かう表面、即ちカバープレート513の下面に設置されてもよい。又は、カバープレート513の上下面にいずれも第1の連通流路54が設置される。
【0106】
又は、第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514の第2の延伸部522bに向かう表面に設置され、且つ溝となるように構成され、即ち第1の連通流路54は第1の絶縁部材514の上面に設けられる。又は、第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514のカバープレート513に向かう表面に設置され、且つ溝又は粗面となるように構成される。即ち、第1の連通流路54は第1の絶縁部材514の下面に設けられる。又は、第1の絶縁部材514の上下面にいずれも第1の連通流路54が設置される。いわゆる粗面とは、粗さが設定値より大きい表面を指し、平面又は非平面であってもよい。設定値として、例えば粗さRaが0.8um以上となるように設定し、粗面を拡大して観察すると、粗面が凹凸のある表面であることが分かる。
【0107】
説明すべきこととして、第1の絶縁部材514とカバープレート513上の第1の連通流路54は独立しており、互いに影響しない。第1の絶縁部材514とカバープレート513上に同時に第1の連通流路54を設置してもよく、そのうちの一方にのみ第1の連通流路54を設置してもよい。第1の連通流路54はいずれもシール部532のシール位置の下流に位置する。
【0108】
シール部材53としてT型シールリングを採用するこれらの実施例において、第1の連通流路54の長さ、幅、深さは、以上の説明を参照されたい。ここで説明を省略する。
【0109】
上記技術案において、第1の連通流路54は取付貫通孔512と連通し、第1の連通流路54は端子アセンブリ52とカバーアセンブリ51の少なくとも一つに設置される。シール部材53によるシールが失効した時、第1の連通流路54によって、エンドカバーアセンブリ5の軸方向に沿う両側は取付貫通孔512を介して連通するため、ダミーシール現象を効果的に識別することができる。
【0110】
以下は、第1の連通流路54が端子アセンブリ52に設置される実現形態を説明する。
【0111】
まず、端子アセンブリ52が二つの端子本体を含む実現形態を説明する。
図26~
図28を参照して、いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリ5は、カバーアセンブリ51と、端子アセンブリ52と、シール部材53と、第1の連通流路54とを含む。端子アセンブリ52は、二つの端子本体521を含む。
【0112】
いくつかの実施例において、
図26に示される方向を例にし、カバーアセンブリ51は、第1の絶縁部材514と、第1の絶縁部材514の上方に位置するカバープレート513と、カバープレート513の上方に位置する第2の絶縁部材516とを含む。カバーアセンブリ51は、取付貫通孔512を有し、取付貫通孔512は、その軸方向に沿ってカバーアセンブリ51を貫通する。即ち、取付貫通孔512は、第1の絶縁部材514とカバープレート513と第2の絶縁部材516の三方を貫通する。
【0113】
図26~
図28を参照して、いくつかの実施例において、取付貫通孔512は、第2の孔部分512aと、第1の孔部分512bと、第3の孔部分512cとの三つの連通する部分を含む。ここで、第2の孔部分512aは第1の絶縁部材514に設置され、第1の孔部分512bはカバープレート513に設置され、第3の孔部分512cは第2の絶縁部材516に設置される。
【0114】
いくつかの実施例において、取付貫通孔512は二つであり、各取付貫通孔512は、端子アセンブリ52の一つの端子本体521に対応する。端子アセンブリ52は、端子本体521と端子延伸部522とを含む。端子本体521は、取付貫通孔512を通過する。端子延伸部522は二つであってもよく、二つの端子延伸部522は、それぞれ端子本体521の軸方向に沿う一端に位置し、即ち第1の端子延伸部522aと第2の端子延伸部522bはそれぞれカバーアセンブリ51の軸方向に沿う両側に位置する。
【0115】
図26と
図28を参照して、第1の連通流路54は、第1の端子延伸部522aの第1の絶縁部材514に向かう表面に設けられる。第1の連通流路54は溝となるように構成され、即ち第1の連通流路54はカバープレート513に向かい、そして第1の連通流路54が凹む方向は、カバープレート513から離れる方向に向かって凹む。
【0116】
いくつかの実施例において、第1の連通流路54の一端は取付貫通孔512と連通し、且つ取付貫通孔512から離れる方向に向かって第1の端子延伸部522aのエッジまで延伸する。
【0117】
別のいくつかの実施例において、カバープレート513は第1の端子延伸部522aの表面に向かい、第1の絶縁部材514の両側の表面のいずれか一つ、又は任意の数又は全部に第1の連通流路54が設置されてもよい。第1の連通流路54の一端は取付貫通孔512と連通し、且つ取付貫通孔512から離れる方向に向かって第1の端子延伸部522aのエッジ又は外部まで延伸する。
【0118】
第1の連通流路54が第1の端子延伸部522aに設置されるこれらの実施例において、第1の連通流路54の設置本数、配置方式、長さ、幅、深さは、以上の説明を参照されたい。矛盾がない限り、いずれも適用できるため、ここで説明を省略する。
【0119】
別のいくつかの実施例において、カバーアセンブリ51はカバープレート513を含むが、第1の絶縁部材514と第2の絶縁部材516を含まない。これらの実施例において、カバープレート513の第2の延伸部522bに向かう表面に第1の連通流路54が設置される。
【0120】
以下は、端子アセンブリ52が単極柱である実現形態を説明する。
【0121】
図29~
図31を参照して、いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリ5は、カバーアセンブリ51と、端子アセンブリ52と、シール部材53と、第1の連通流路54とを含む。端子アセンブリ52は、一つの端子本体521を含むため、単極柱エンドカバーアセンブリ5である。
図29を参照して、該実施例のエンドカバーアセンブリ5に対応する電極アセンブリ4は、積層型の電極アセンブリ4を採用している。
【0122】
正極端子アセンブリ52と負極端子アセンブリ52のカバープレート513と第2の絶縁部材516とは一体に接続される。正極端子アセンブリ52と負極端子アセンブリ52の他の部分の構造は類似している。正極端子アセンブリ52と負極端子アセンブリ52の構造については、いずれもここで説明したエンドカバーアセンブリ5を参照されたい。
【0123】
図29~
図31を参照して、エンドカバーアセンブリ5は、カバーアセンブリ51と、端子アセンブリ52と、シール部材53と、第1の連通流路54とを含む。
【0124】
図29に示される方向を例にし、カバーアセンブリ51は、第1の絶縁部材514と、第1の絶縁部材514の下方に位置するカバープレート513と、カバープレート513の下方に位置する第2の絶縁部材516とを含む。カバーアセンブリ51は、取付貫通孔512を有し、取付貫通孔512は、その軸方向に沿ってカバーアセンブリ51を貫通する。即ち、取付貫通孔512は、第1の絶縁部材514とカバープレート513と第2の絶縁部材516の三方を貫通する。
【0125】
引き続き
図29を参照して、取付貫通孔512は、第2の孔部分512aと、第1の孔部分512bと、第3の孔部分512cとの三つの連通する部分を含む。ここで、第2の孔部分512aは第1の絶縁部材514に設置され、第1の孔部分512bはカバープレート513に設置され、第3の孔部分512cは第2の絶縁部材516に設置される。取付貫通孔512は一つであり、端子アセンブリ52の単極柱構造に対応する。
【0126】
図29~
図31を参照して、第1の絶縁部材514は、長方形の薄板状構造を採用している。第2の孔部分512aは、第1の絶縁部材514に設置される。理解できるように、
図29~
図31に示されるそれらの実施例において、第1の絶縁部材514に第1の連通流路54が設置されていない。しかし、他のいくつかの実施例において、第1の絶縁部材514に第1の連通流路54が設置されてもよい。第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514の第2の延伸部522bに向かう表面、即ち
図29に示される上面に位置し、又は、第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514のカバープレート513に向かう表面、即ち
図29に示される下面に位置し、又は、第1の絶縁部材514の上下面にいずれも第1の連通流路54が設置される。
【0127】
図29~
図31を参照して、カバープレート513は、第1の絶縁部材514と第2の絶縁部材516との間に位置し、第2の絶縁部材516は、第1の絶縁部材514とともにカバープレート513を挟み込む。第2の絶縁部材516は、カバープレート513の電極アセンブリ4に向かう一方側に位置し、第1の絶縁部材514は、カバープレート513の電極アセンブリ4から離れる一方側に位置する。カバープレート513は、長方形の薄板となるように構成される。カバープレート513に取付貫通孔512の第1の孔部分512bが設置され、該第1の孔部分512bは、シール部材53と端子本体521を取り付けるためのものである。
【0128】
図29~
図31を参照して、シール部材53はT型シールリングを採用している。シール部材53は環状部531とシール部532を含み、両方はシールして接続される。環状部531は取付貫通孔512の第1の孔部分512bに位置し、シール部532は取付貫通孔512の外部に位置し、且つシール部532は、端子アセンブリ52の第2の端子延伸部522bとカバープレート513によって押し固められる。シール部532は、平らなものであってもよく、又は段差を設けてもよく、シール部532はシールする役割を果たす。環状部531と、取付貫通孔512の第1の孔部分512bの内壁及び端子本体521の外壁との間は、一定の隙間を有してもよい。第1の延伸部522aは、カバーアセンブリ51とともにシール部材53を押圧することによって取付貫通孔512をシールする。
【0129】
第2の絶縁部材516と、第1の絶縁部材514と、シール部材53との協働によって、カバープレート513と端子本体521を絶縁隔離し、端子本体521とカバープレート513における短絡の発生を防止し、端子本体521の取り付けを安定化させる。
【0130】
図29~
図31を参照して、第1の連通流路54は、カバープレート513の第1の絶縁部材514に向かう表面、即ちカバープレート513の上面に設置されてもよい。又は、第1の連通流路54は、カバープレート513の第2の絶縁部材516に向かう表面、即ちカバープレート513の下面に設置されてもよい。又は、カバープレート513の上下面にいずれも第1の連通流路54が設置される。
【0131】
又は、第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514の第1の延伸部522aに向かう表面に設置され、且つ溝となるように構成され、即ち第1の連通流路54は第1の絶縁部材514の上面に設けられる。又は、第1の連通流路54は、第1の絶縁部材514のカバープレート513に向かう表面に設置され、且つ溝となるように構成され、即ち第1の連通流路54は第1の絶縁部材514の下面に設けられる。又は、第1の絶縁部材514の上下面にいずれも第1の連通流路54が設置される。
【0132】
説明すべきこととして、第1の絶縁部材514とカバープレート513上の第1の連通流路54は独立しており、互いに影響しない。第1の絶縁部材514とカバープレート513上に同時に第1の連通流路54を設置してもよく、そのうちの一方にのみ第1の連通流路54を設置してもよい。
【0133】
シール部材53としてT型シールリングを採用するこれらの実施例において、第1の連通流路54の設置本数、配置方式、長さ、幅、深さは、以上の説明を参照されたい。ここで説明を省略する。
【0134】
別のいくつかの実施例において、カバーアセンブリ51はカバープレート513を含むが、第1の絶縁部材514と第2の絶縁部材516を含まない。これらの実施例において、カバープレート513の第2の延伸部522bに向かう表面に第1の連通流路54が設置される。第1の連通流路54は、カバープレート513の第2の延伸部522bに近い表面に設置され、且つ凹む溝となるように構成される。そして、第2の延伸部522b上に第1の連通流路54を設置してもよく、設置しなくてもよい。
【0135】
いくつかの実施例において、第1の連通流路54の一端は取付貫通孔512と連通し、第1の連通流路54の他端は第1の端子延伸部522aの外部まで延伸する。
【0136】
説明すべきこととして、以上に説明した各実施例において、端子アセンブリ52に第1の連通流路54を設置する方案と、カバーアセンブリ51に第1の連通流路54を設置する方案とは、互いに衝突しない限り、方案を任意に重ねて、組み合わせてもよい。
【0137】
図33~
図34を参照して、いくつかの実施例において、シール部材53は、端子本体521と第1の孔部分512bの孔壁との間に位置する。即ちシール部材53はO型リングを採用する。エンドカバーアセンブリは、第2の連通流路55をさらに含む。第2の連通流路55は、第2の端子延伸部522bと第2の絶縁部材516の少なくとも一つに設置され、又は、第2の絶縁部材516とカバープレート513との間に設置される。ここで、第2の連通流路55は、ハウジング1の内部を第3の孔部分512cと連通させるように構成される。電池セルにおいて、二つのタイプのダミーシールが存在しうる。一つは、取付貫通孔512と電池セルの外部環境とを連通させないダミーシールであり、二つは、取付貫通孔512と電池セルのキャビティとを連通させないダミーシールである。第2の連通流路55を設置することで、取付貫通孔512と電池セルのキャビティとの間の各接触位置に存在しうるダミーシールを破ることができ、カバーアセンブリ51の各部分の接合面、カバーアセンブリ51と第2の端子延伸部522bとの接合面のうち、電池ハウジング内部に位置する面は、いずれもダミーシールを形成する可能性があり、これらの位置にいずれも第2の連通流路55を設置してもよい。言い換えれば、電池セルのハウジング内部における、接触嵌合によりダミーシールを形成するか、又は形成する可能性のあるいかなる位置にも、第2の連通流路55を設置してもよい。
【0138】
図35~
図36を参照して、いくつかの実施例において、シール部材53はT型シールリングを採用している。シール部材53の少なくとも一部は、第2の端子延伸部522bと第3の孔部分512cの孔壁との間に位置する。エンドカバーアセンブリは第2の連通流路55をさらに含み、第2の連通流路55は第2の端子延伸部522bと第2の絶縁部材516の少なくとも一つに設置されることによって、第2の端子延伸部522bと第2の絶縁部材516との間のシールを破って、ハウジング1の内部を第3の孔部分512cと連通させる。第2の連通流路55の構造は必要に応じて設置され、その寸法は電池セルの構造によって決定される。
【0139】
第2の連通流路55を設置する各実施例において、エンドカバーアセンブリは第2の貫通構造519をさらに含み、第2の貫通構造519は第2の絶縁部材516と端子本体521との間に設けられることによって、第2の絶縁部材516と端子本体521との間のシールを破る。又は、第1の貫通構造518は、第3の孔部分512cの孔径より孔径が僅かに大きい貫通孔である。
【0140】
第2の貫通構造519を設置することで第2の絶縁部材516と端子本体521との間の隙間が増加し、それによって両方の間でダミーシールが形成し難くなる。
【0141】
いくつかの実施例において、第2の貫通構造519は、軸方向に沿って第3の孔部分512cの孔壁を貫通し、且つ端子本体521から離れて凹む凹部となるように構成される。凹部の数は、一つ又は複数であってもよい。凹部の形状、寸法は、いずれも必要に応じて設定することができる。複数の凹部は連結されてもよく、間隔をおいて配置されてもよい。
【0142】
以上に説明した各実施例において、端子本体521は、コネクタシート517を介して電極アセンブリ4に電気的に接続される。ここで説明するコネクタシート517の実現形態は、以上の各実施例に適用できる。コネクタシート517は、第1の接続部と、第2の接続部と、第3の接続部とを含む。第1の接続部と第3の接続部は、第2の接続部を介して接続される。第1の接続部、第2の接続部及び第3の接続部の三方は、一体的なものであってもよく、一体に固定されてもよい。第3の接続部と端子本体521は、一体に固定される。電池セル10の取り付けを完了した後、コネクタシート517の第1の接続部は折り曲げられた状態にあり、第1の接続部は、第3の接続部と略平行である位置まで折り曲げられる。第1の接続部は、電極アセンブリ4のタブ40に電気的に接続される。
【0143】
以上に説明したエンドカバーアセンブリ5は、同時に正極電極端子と負極電極端子に適用する。そして、正極エンドカバーアセンブリ2と負極エンドカバーアセンブリ3の実現形態は、互いに影響することがなく、互いに独立している。例えば、正極エンドカバーアセンブリ2に第1の連通流路54を設置するが、負極エンドカバーアセンブリ3に第1の連通流路54を設置せず、又は、正極エンドカバーアセンブリ2と負極エンドカバーアセンブリ3の第1の連通流路54の設置位置、数、配列方式は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0144】
図32を参照して、別のいくつかの実施例において、シール部材53はT字状リングを採用している。カバープレート513に第1の連通流路54が設置され、シールリング53がなく又はシールリング53が失効した場合、第1の連通流路54によって電池セル10の内部と外部は連通し、この場合、電池セル10に対してシール性検査を行う時、第1の連通流路54により電池セル10に漏れ現象があることを検出可能であるため、電池セル10のエンドカバーアセンブリ5におけるダミーシール現象の発生による後続のリスクを回避する。
【0145】
またいくつかの実施例において、シール部材53はT字状リングを採用する。カバープレート513に第1の連通流路54が設置され、シールリング53がなく又はシールリング53が失効した場合、第1の連通流路54によって電池セル10の内部と外部は連通し、この場合、電池セル10に対してシール性検査を行う時、第1の連通流路54により電池セル10に漏れ現象があることを検出可能であるため、電池セル10のエンドカバーアセンブリ5におけるダミーシール現象の発生による後続のリスクを回避する。
【0146】
図34を参照して、いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリは第1の貫通構造518をさらに含み、第1の貫通構造518は第1の絶縁部材514と端子本体521との間に設けられ、第1の連通流路54は第1の貫通構造518を介して第1の孔部分512bと連通する。第1の貫通構造518は、第1の絶縁部材514と端子本体521の間のダミーシールを破るためのものである。第1の貫通構造518は、カバーアセンブリ51と端子本体521の間のダミーシールを破るためのものである。該タイプのダミーシールは、主にカバーアセンブリ51が塑性材料を採用することによるものである。組み立てる時、カバーアセンブリ51の取付貫通孔512と端子本体521の間で締まり嵌めと似たように形成すること、又は一部の領域で締まり嵌めを形成することは、いずれもダミーシールを引き起こす可能性がある。第1の貫通構造518を設置することでカバーアセンブリ51と端子本体521との間の取り付け隙間は大きくなる。
【0147】
第1の貫通構造518は複数の実現形態を有し、いくつかの実施例において、第1の貫通構造518は軸方向に沿って第2の孔部分512aの孔壁を貫通し、第1の貫通構造518は端子本体521から離れて凹む凹部となるように構成される。第1の貫通構造518は、第1の孔部分512bの周方向に沿って複数設置されてもよく、各第1の貫通構造518の間隔は等しいか、又は僅かに異なっている。第1の貫通構造518の幅の寸法は、第1の絶縁部材514の第2の孔部分512aの寸法と適合する。又は、第1の貫通構造518は、第2の孔部分512aの孔径より孔径が僅かに大きい貫通孔である。
【0148】
本開示の実施例は、ハウジング提供モジュールとエンドカバー提供モジュールとを含む電池セルの製造装置をさらに提供する。ハウジング提供モジュールは、開口を有するハウジング1を提供するように構成され、エンドカバー提供モジュールは、開口を閉鎖するエンドカバーアセンブリを提供するように構成される。ここで、エンドカバーアセンブリは、カバーアセンブリ51と、端子アセンブリ52と、シール部材53と、第1の連通流路54とを含む。カバーアセンブリ51は、取付貫通孔512を有し、取付貫通孔512は自体の軸方向に沿ってカバーアセンブリ51を貫通する。端子アセンブリ52は、取付貫通孔512に取り付けられ、シール部材53は、取付貫通孔512をシールするためのものである。第1の連通流路54は、端子アセンブリ52及び/又はカバーアセンブリ51に設置される。第1の連通流路54は、シール部材53によるシールが失効した時、第1の連通流路54によって、ハウジング1の内部と外部が取付貫通孔512を介して連通するように構成される。エンドカバーアセンブリの詳細な説明について、以上の記述を参照されたい。ここで説明を省略する。
【0149】
本開示のまた別の実施例は、以上に説明した電池セルを製造するために、電池セルの製造方法を提供する。前記方法は、以下のステップを含む。
【0150】
まず、ハウジング1を提供する。ハウジング1は、開口を有する。
【0151】
次に、エンドカバーアセンブリを提供する。エンドカバーアセンブリは、ハウジング1の開口を閉鎖する。ここで、エンドカバーアセンブリは、カバーアセンブリ51と、端子アセンブリ52と、シール部材53と、第1の連通流路54とを含む。カバーアセンブリ51は、取付貫通孔512を有し、取付貫通孔512は自体の軸方向に沿ってカバーアセンブリ51を貫通する。端子アセンブリ52は、取付貫通孔512に取り付けられる。シール部材53は、取付貫通孔512をシールするためのものである。第1の連通流路54は、端子アセンブリ52及び/又はカバーアセンブリ51に設置される。第1の連通流路54は、シール部材53によるシールが失効した時、第1の連通流路54によって、ハウジング1の内部と外部が取付貫通孔512を介して連通するように構成される。
【0152】
本開示の記述において、理解すべきこととして、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語で指示される方位や位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、単に本開示の説明の便宜上且つ説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成と操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本開示の保護範囲を限定するものではない。
【0153】
最後に説明すべきこととして、以上の実施例は、本開示の技術案を説明するためにのみ用いられ、それを限定するものではない。好ましい実施例を参照しながら本開示について詳細に説明したが、当業者であれば当然理解できるように、本開示の技術案の精神から逸脱することなく、本開示の具体的な実施形態を修正し、又はその一部の技術的特徴に対して同等に置換を行うことができ、それらは全て本開示の特許請求の範囲に属する。