(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】板材を製造するための方法、板材及び板材を備える家具
(51)【国際特許分類】
B29C 51/12 20060101AFI20240408BHJP
A47B 96/20 20060101ALI20240408BHJP
A47B 13/08 20060101ALI20240408BHJP
A47B 3/083 20060101ALI20240408BHJP
A47B 3/06 20060101ALI20240408BHJP
B29C 51/10 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B29C51/12
A47B96/20 C
A47B13/08 A
A47B3/083
A47B3/06 Z
B29C51/10
(21)【出願番号】P 2022567111
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(86)【国際出願番号】 CN2021116043
(87)【国際公開番号】W WO2022095572
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】202011217914.5
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521358693
【氏名又は名称】ニュー-テック インテグレーション (シアメン) カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レン,ルハオ
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特公昭51-013494(JP,B1)
【文献】特開2000-157346(JP,A)
【文献】特開2012-096403(JP,A)
【文献】実開平05-034925(JP,U)
【文献】特開平11-075941(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0084214(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 63/00-63/48
B29C 51/00-51/46
A47B 96/20
A47B 13/08
A47B 3/083
A47B 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと前記フレームを被覆するプラスチック板材とを含む板材を製造するための方法であって、
外縁に突出部が形成される前記フレームを、形状が前記フレームの形状とマッチングする金型の頂部に置くステップであって、前記突出部が、板材を成型する延在方向に沿って外方へ突出するとともに、前記金型に対して外方へ突出している、ステップと、
プラスチック素材板を、前記フレームが取り付けられた前記金型の頂面に置くとともに、前記板材の延在方向に垂直な方向に沿って吸引力を与えることによって、前記プラスチック素材板がフレームと金型に被覆するように、真空成型プロセスによって前記プラスチック素材板を成型する、ステップと、
前記フレームと前記プラスチック素材板が離型するように、前記金型を前記板材の延在方向に垂直な方向に沿って移動させる、ステップと、
トリミング後のプラスチック素材板が、少なくとも前記フレームの前記突出部の外向き面を被覆することを保証し、前記フレームをトリミング後のプラスチック素材板内に嵌め置くことを確保できるように、前記プラスチック素材板をカットしトリミングする、ステップと、を含
み、
前記トリミングステップは、前記プラスチック素材板における、前記突出部の下方に位置し且つ前記フレームの外側壁に貼り付けるための部分に位置する切断跡に沿って前記プラスチック素材板をカットすることを含み、
前記フレームの内面には、フレームの頂壁から垂直に下方へ向けて延在する内壁が設置されており、前記方法は、前記トリミングステップ後、前記プラスチック素材板の切断跡を隠すように、前記内壁の下端を外方且つ上方へ巻上することを含む、
板材を製造するための方法。
【請求項2】
前記金型の底部辺縁には、前記金型の本体を囲む段差が設置されており、前記フレームは、前記金型の本体を囲んでマッチング可能に、前記段差に置かれるように構成される、請求項1に記載の板材を製造するための方法。
【請求項3】
前記金型の頂面は、真空成型された前記プラスチック素材板が、対応する位置において波紋形に形成されるように、凹凸で平らでない面である、請求項2に記載の板材を製造するための方法。
【請求項4】
前記金型は、横方向と縦方向を備える矩形であり、作られた板材の頂面が前記凹凸で平らでない面に形成されるように、前記金型の頂面に、前記縦方向において間隔を開けて配置され、且つそれぞれ前記横方向に沿って延在する複数の稜状凸起が形成される、請求項3に記載の板材を製造するための方法。
【請求項5】
作られた板材の頂面が波紋形の円滑曲面を具備するように、前記金型の頂面は、波紋形の円滑曲面である、請求項2に記載の板材を製造するための方法。
【請求項6】
前記方法は、
金属フレームを選んで前記フレームとすることと、
ポリプロピレン板を選んで前記プラスチック素材板とすることと、
真空吸引の方式によって前記プラスチック素材板を真空成型することと、を含む、請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載の板材を製造するための方法。
【請求項7】
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の方法で製造された板材であって、
前記板材は、プラスチック板材とフレームとを含み、前記プラスチック板材が真空成型されて内部に前記フレームが被覆されている、板材。
【請求項8】
請求項
7に記載の板材を含む、家具。
【請求項9】
前記家具は箱であり、前記板材が前記箱の側壁の少なくとも一部である、請求項
8に記載の家具。
【請求項10】
前記プラスチック板材は波紋形の円滑曲面を有するように真空成型され、前記家具が椅子であり、前記板材が前記椅子の座部として形成される、請求項
8に記載の家具。
【請求項11】
前記家具が机であり、前記机が天板と脚を含み、
前記天板は、
互いに接合される少なくとも二層の板材を含み、対向する一対の平行辺縁を備え、且つ、前記一対の平行辺縁での厚さが中間位置での厚さよりも小さい、天板
主体と、
前記天板主体を囲むとともに、前記天板主体の対応辺縁に接合でき、且つ、前記天板主体の前記一対の平行辺縁に対応する部分に、前記天板主体に向けて開口し、前記平行辺縁の延在方向に沿って延在する凹溝が形成されている、天板枠と、を含み、
前記凹溝の開口の寸法と前記天板主体における前記一対の平行辺縁での厚さが一致し、これによって、前記天板主体と前記天板枠を組み立てるように、前記天板主体の前記一対の平行辺縁が前記天板枠の対応する凹溝に挿入できるとともに、前記凹溝において前記平行辺縁の延在方向に沿って摺動でき、
前記天板主体が、少なくとも二層の前記板材が接合されることによって形成される、請求項
8に記載の家具。
【請求項12】
前記天板は、少なくとも二つの互いに対し折り畳み可能な天板ユニットを含み、各天板ユニットが、それぞれ、一対の互いに組み合わせる前記天板枠と前記天板主体とを含む、請求項1
1に記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具分野に関し、具体的に、板材を製造するための方法、板材及び板材を備える家具に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活の物質文化に対するニーズの高まりに従い、ホームファニシング製品への要求も増々強くなってきている。消費者は、段々、機能性が高く、安定性が高く、同時に良いデザインを兼備するホームファニシング製品を選ぶような傾向にある。しかしながら、従来の家具では、洗練されたデザインを求めるために、真空成型プロセスを採用して板材を製造するようなものが少なくないが、従来の真空成型プロセスが、真空吸引が終わった後、離型が必要となり、プラスチック板材のみを保留しており、このような設置は、最後に得られた板材の強度が不十分になり、家具強度への使用者の需求を満たせない可能性がある。
【0003】
そこで、少なくとも、上記問題の一部を解决するために、板材を製造するための方法、板材及び板材を備える家具を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、板材を製造するための方法、板材及び板材を備える家具を提供することである。本発明により提供される、板材を製造する方法によれば、プラスチック板材内にフレームが被覆される製造プロセスを比較的に高効率で簡単に実現できることで、真空成型された板材が、スムーズな外形を備えるし、良い強度を備える。それからの使用において、板材が変形し難く、板材の使用寿命を延ばすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一形態は、板材を製造するための方法を提供し、前記板材は、横方向と縦方向からなる板状構造であり、前記板材は、フレームと前記フレームを被覆するプラスチック板材とを含み、前記方法は、外縁に突出部が形成される前記フレームを、形状が前記フレームの形状とマッチングする金型の頂部に置き、そのうち、前記突出部が、板材を成型する延在方向に沿って前記金型に対して外方へ突出する、ステップと、プラスチック素材板を、前記フレームが取り付けられた前記金型の頂面に置くとともに、前記板材の延在方向に垂直な方向に沿って吸引力を与えることによって、前記プラスチック素材板がフレームと金型に被覆するように、真空成型プロセスによって前記プラスチック素材板を成型する、ステップと、前記フレームと前記プラスチック素材板が離型するように、前記金型を前記板材の延在方向に垂直な方向に沿って移動させる、ステップと、トリミング後のプラスチック素材板が、少なくとも前記フレームの前記突出部を被覆することを保証し、前記フレームをトリミング後のプラスチック素材板内に嵌め置くことを確保できるように、前記プラスチック素材板をカットしトリミングする、ステップと、を含む。
【0006】
一つの実施形態において、前記金型の底部辺縁には、前記金型の本体を囲む段差が設置されており、前記フレームは、前記金型の本体を囲んてマッチング可能に、前記段差に置かれるように構成される。
【0007】
一つの実施形態において、前記金型の頂面は、真空成型された前記プラスチック素材板が、対応する位置において波紋形に形成されるように、凹凸で平らでない面である。
【0008】
一つの実施形態において、前記金型は、横方向と縦方向に限定される矩形であり、作られた板材の頂面が前記凹凸で平らでない面に形成されるように、前記金型の頂面に、前記縦方向において間隔を開けて配置され、且つそれぞれ前記横方向に沿って延在する複数の稜状凸起が形成される。
【0009】
一つの実施形態において、作られた板材の頂面が波紋形の円滑曲面に形成するように、前記金型の頂面は、波紋形の円滑曲面である。
【0010】
一つの実施形態において、前記トリミングステップは、前記プラスチック素材板における前記突出部の底面に貼り付ける部分に位置する切断跡に沿って前記プラスチック素材板をカットすることを含む。
【0011】
一つの実施形態において、前記トリミングステップは、前記プラスチック素材板における、前記突出部の下方に位置し且つ前記フレームの外側壁に貼り付けるための部分に位置する切断跡に沿って前記プラスチック素材板をカットすることを含む。
【0012】
一つの実施形態において、前記フレームの内面には、フレームの頂壁から垂直に下方へ向けて延在する内壁が設置されており、前記方法は、前記トリミングステップ後、前記プラスチック素材板の切断跡を隠すように、前記内壁の下端を外方且つ上方へ巻上することを含む。
【0013】
一つの実施形態において、前記方法は、金属フレームを選んで前記フレームとすることと、ポリプロピレン板を選んで前記プラスチック素材板とすることと、真空吸引の方式によって前記プラスチック素材板を真空成型することと、を含む。
【0014】
本発明の第二形態によれば、上記の形態のうちいずれ一項に記載の方法で製造される板材を提供し、前記板材は、プラスチック板材とフレームとを含み、前記プラスチック板材が真空成型されて内部に前記フレームが被覆される。
【0015】
本発明の第三形態によれば、家具を提供し、前記家具が上記形態に記載の板材を含む。
【0016】
一つの実施形態において、前記家具は箱であり、前記板材が前記箱の側壁の少なくとも一部である。
【0017】
一つの実施形態において、前記プラスチック板材は波紋形の円滑曲面を有するように真空成型され、前記家具が椅子であり、前記板材が前記椅子の座部として形成される。
【0018】
一つの実施形態において、前記家具が机であり、前記机が天板と脚を含み、前記天板は、
互いに接合される少なくとも二層の板材を含み、対向する一対の平行辺縁を備え、且つ、前記一対の平行辺縁での厚さが中間位置での厚さよりも小さい、天板本体と、
前記天板主体を囲むとともに、前記天板主体の対応辺縁に接合でき、且つ、前記天板主体の前記一対の平行辺縁に対応する部分に、前記天板主体に向けて開口し、前記平行辺縁の延在方向に沿って延在する凹溝が形成されている、天板枠と、を含み、
そのうち、前記凹溝の開口の寸法と前記天板主体における前記一対の平行辺縁での厚さが一致し、これによって、前記天板主体と前記天板枠を組み立てるように、前記天板主体の前記一対の平行辺縁が前記天板枠の対応する凹溝に挿入できるとともに、前記凹溝において前記平行辺縁の延在方向に沿って摺動でき、
そのうち、前記天板主体が、少なくとも二層の前記板材が接合されることによって形成される。
【0019】
一つの実施形態において、前記天板は、少なくとも二つの互いに対し折り畳み可能な天板ユニットを含み、各天板ユニットが、それぞれ、一対の組み合わせる前記天板枠と前記天板主体とを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明により提供される、板材を製造する方法によれば、真空吸引が終わった後、金属フレームをプラスチック板材内に保留できることで、真空成型された板材が、スムーズな外形を備えるし、良い強度を備える。それからの使用において、板材が変形し難く、板材の使用寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の上述及び他の目的、特徴、利点と機能を理解しやすいために、図面に示す好適な実施形態を参照することができる。図面において、同一符号が同一部材を指すとする。当業者であれば、図面が本発明の好適な実施形態を模式的に説明するためのものであり、本発明の範囲を制限する作用が一切に具備しなく、図面において、各部材が比率に従い描かれていないと、理解すべきである。
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の第一実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つのステップの模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の第一実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つのステップの模式図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の第一実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つのステップの模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の第一実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つのステップの模式図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の第一実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つのステップの模式図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の第一実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つのステップの模式図である。
【
図7】
図7は、本発明による第一実施形態における家具の模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図9】
図9は、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図12A】
図12Aは、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図13A】
図13Aは、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図14】
図14は、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図15】
図15は、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図16A】
図16Aは、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図17A】
図17Aは、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図18A】
図18Aは、本発明の第二実施形態による板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップの模式図である。
【
図19】
図19は、本発明による第三実施形態における家具の模式図である。
【
図20】
図20は、本発明による第四実施形態における家具の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここで説明されるのは、本発明による好適な実施形態のみであり、当業者であれば、前記好適な実施形態に基づき、本発明を実現できる他の形態を想到でき、前記他の形態も、本発明の範囲に入る。
【0024】
本発明は、板材を製造するための方法、板材及び板材を備える家具を提供する。
図1乃至
図7は、本発明による第一実施形態が示されており、
図8乃至
図13Cは、本発明による第二実施形態が示されており、
図14乃至
図19は、本発明による第三実施形態が示されている。なお、本明細書に記載された「プラスチック素材板」と「プラスチック板材」は、同一部材が異なる段階にあるときの名称であり、製造過程では、「プラスチック素材板」と呼ばれ、最後成型の板材では、「プラスチック板材」と呼ばれる。そして、本明細書に記載された方向に関する用語は、例示的に説明するためであり、制限的に説明するためではなく、本明細書に記載された方向に関する用語に関して、図面に示す方向を参照しながら理解すればよい。
【0025】
以下、まず
図1乃至
図7を参照しながら、本発明による第一実施形態を説明する。
図1、
図2、
図3A、
図4、
図5A、
図6Aは、第一実施形態における板材を製造する方法において順番に行われた幾つかのステップが示されている。
【0026】
まず、
図1を参照し、本実施形態が製造しようとする板材1(板材1の完成品が
図7に示されている)は、フレーム12を含み、フレーム12が略矩形に形成され、フレーム12が、横方向D2に沿って延在する三つの横向ビーム122と縦方向D1に沿って延在する二つの縦向ビーム121とを備える。最後製造された板材1の形状は、ほぼフレーム12の形状に類似し、即ち、製造された板材1も、横方向D2と縦方向D1により限定される板状構造に形成され、このため、板材1の延在方向に垂直な方向が、
図1に示す第三方向D3と理解でき、第三方向D3が、横方向D2に垂直するとともに、縦方向D1に垂直する。
【0027】
図1に示すステップにおいて、まず、前記フレーム12を、形状が前記フレーム12の形状とマッチングする金型2の頂部に置く。好ましいのは、前記金型2の底部の辺縁には、前記金型2の本体21を囲む段差部22が設置され、前記フレーム12は、前記金型2の本体21を囲んでマッチング可能に、前記段差部22に置かれるように構成される。そして、金型2の本体21は、さらに、縦方向D1の中間位置に隙間23が設置され、これは、フレーム12の中央の横向ビーム122をマッチング可能に容納するためである。このような設置によって、フレーム12が金型2に適切に嵌め置くことができ、金型2とともに、離脱可能な一つの全体に形成される。
【0028】
同様に、好ましいのは、金型2の頂面に、前記縦方向D1において間隔を開けて配置され、且つそれぞれ前記横方向D2に沿って延在する複数の稜状凸起54が形成され、その作用の詳細について後述する。
【0029】
図2を参照し、フレーム12を金型2の頂部に取り付けた後、次のステップには、プラスチック素材板11を前記フレーム12が取り付けられた前記金型2の頂面に置く。プラスチック素材板11は、例えば、ポリプロピレン板であってもよい。
【0030】
図3Aに示されるように、次のステップには、前記板材1の延在方向に垂直な方向に沿って、即ち第三方向D3に沿って吸引力を(例えば、真空成型の方式によって)与え、真空成型プロセスによって前記プラスチック素材板11を成型することで、前記プラスチック素材板11をフレーム12と金型2に被覆させ、これで、
図3A乃至
図3Cに示されるように、フレーム12と金型2との組合の頂面と側面が、いずれも、プラスチック素材板11に密着することになる。金型2の頂面が凹凸で平らでない面であるため、金型2上で真空成型されたプラスチック素材板11も、凹凸で平らでない形状に形成される。このように設置する理由として、真空吸引ステップが熱加工であり、離型後のプラスチック素材板11が冷却後に收縮することに対して、もしプラスチック素材板11に上記のような凹凸模様が備えると、これらの凹凸部分がプラスチック素材板11の收縮量を補うことができ、冷却收縮後のプラスチック素材板11をフレーム12の外に密着的に被覆させることを実現できるからである。
【0031】
図3Bと
図3Cは、フレーム12と金型2との組合がプラスチック素材板11に密着することをもっと詳しく示す模式図である。
【0032】
図3Cによれば、フレーム12の辺縁に突出部123が設置され、突出部123が板材1に平行な延在方向に沿って金型2に対して突出されることが分かる。
図3Cに示す断面図において、突出部が縦方向D1に沿って金型2に対して突出されているが、フレーム12の縦向ビーム121には、横方向D2に沿って金型2に対して突出される突出部が設置されてもよい。真空吸引ステップ後のプラスチック素材板11が内部に突出部123が被覆され、プラスチック素材板11が、突出部123の頂面、側面及び底面のいずれにも密着し、突出部123がプラスチック素材板11内に嵌め置かれ、これによって、プラスチック素材板11内から離脱できない。本明細書に記載された突出部の外向き面とは、突出部における外側へ向く面であり、それが突出部の底面と側面を含むと理解すればよい。
【0033】
図4は次のステップを示す。
図4に示すステップにおいて、前記フレーム12と前記プラスチック素材板11が離型するように、前記金型2を前記板材1の延在方向に垂直な方向に沿って移動(具体的に、第三方向D3に沿って下方へ移動)させる。フレーム12の突出部123がプラスチック素材板11に嵌め置かれているため、フレーム12がプラスチック素材板11から脱落することがない。
【0034】
図5Aと
図5Bは、離型後のプラスチック素材板11の模式図である。特に、
図5Bを参照すると、プラスチック素材板11が突出部123の頂面と底面を被覆することによって、フレーム12が第三方向D3においてプラスチック素材板11に対して移動できないように制限されているとわかる。フレーム12とプラスチック素材板11が全体的な組合関係にあるため、フレーム12は横方向D2と縦方向D1においてもプラスチック素材板11に対して移動できない。従って、フレーム12は、プラスチック素材板11から取り出すことができず、この時、プラスチック素材板11は、すでに、フレーム12とともに離脱不能な一つの全体に形成された。
【0035】
次のステップには、少なくとも、トリミング後のプラスチック素材板11が前記フレーム12の前記突出部123を被覆することを保証し、前記フレーム12をプラスチック素材板11内に嵌め置くことを確保できるように、前記プラスチック素材板11をカットしトリミングする。トリミングステップの完成後、製造済の板材1を得られる。
図6A乃至
図6Cは、製造済の板材1が示される詳細図である。
【0036】
前記トリミングステップは、切断跡112に沿って前記プラスチック素材板11をカットすることを含み、
図6Cに示されるように、前記切断跡112が、前記プラスチック素材板11における前記突出部123の底面に貼り付ける部分に位置してもよい。このように設置することによって、プラスチック板材(つまり、最後成型後のプラスチック素材板11)が、フレーム12の突出部123の底側に位置する部分を含み、当該部分は、突出部123への支持と位置制限の機能を果たせ、フレーム12がプラスチック板材1に対して脱落することを回避できる。
【0037】
以上のステップを経って製造された板材1は、例えば、
図7に示す箱3に適用でき、板材1が、箱3の側壁として形成されてもよい。
【0038】
図8乃至
図13Cは、本発明による第二実施形態が示される。第二実施形態は、第一実施形態に類似し、説明の簡潔のため、第二実施形態における第一実施形態と同一又は類似する部分の説明を省略する。
【0039】
図8は、第二実施形態における板材4を製造する方法の一つ目のステップが示され、当該ステップには、前記フレーム42を第三方向D3に沿って下方へ向けて、形状が前記フレーム42の形状とマッチングする金型5の頂部に置く。フレーム42は、二つの縦向ビーム421と三つの横向ビーム422とを含む。第一実施形態と異なる点は、第二実施形態における金型5に段差部が設置されておらず、フレーム42が金型5の周囲を合わせるように囲るが、フレーム42が縦方向D1における中間位置の横向ビーム422を備える一方、金型5が横向ビーム422に対応する隙間53を備えるため、当該中間位置の横向ビーム422が金型5の隙間53内に嵌め入れることができ、これによって、フレーム42と金型5とが離脱可能な一つの全体に組み立てる。金型5の頂面には、複数の稜状凸起54が設置されている。
【0040】
図9と
図10Aは、順番に次のステップが示され、つまり、プラスチック素材板41を、前記フレーム42が取り付けられた前記金型5の頂面に置き、前記板材4の延在方向に垂直な方向に沿って吸引力を与え、真空成型プロセスによって前記プラスチック素材板41を成型することで、前記プラスチック素材板41をフレーム42と金型5に被覆させる。
【0041】
図10Bと
図10Cは、
図10Aの詳細図である。
図10Cによれば、フレーム42が、板材4に平行する延在方向に沿って金型5に対して外方へ突出する突出部423を備え、真空成型後のプラスチック素材板41が突出部423を密着的に被覆し、これによって、フレーム42がプラスチック素材板41に対して固定されるとわかる。そして、本実施形態において、フレーム42の内壁424の頂端が突出部423に固定される一方、内壁424の底端が自由端である。
【0042】
図11Aは、金型5を第三方向D3に沿って下方へ向けてプラスチック素材板41とフレーム42から離脱するステップが示され、
図11Bと
図11Cは、離型後のプラスチック素材板41とフレーム42が示される詳細模式図である。
図11Cによれば、フレーム42の突出部423がプラスチック素材板41内に制限されることによって、フレーム42がプラスチック素材板41から離脱することができないとわかる。そして、離型後、フレーム42の内壁424の自由端は、他のいずれの部件にも接触しない。
【0043】
離型後に、トリミングステップが行い、
図12A乃至
図12Cが、トリミング後のプラスチック素材板41と金型5が示される。
図12Cを参照し、トリミング時の切断跡412は、プラスチック素材板41における、突出部423の下方に位置し且つフレーム42の外側壁に貼り付けるための部分に位置する。このとき、フレーム42の内壁424の自由端は、下方へ向けてプラスチック素材板41の切断跡412に対して突出する。
【0044】
好ましいのは、
図13A乃至
図13Cを参照し、トリミング後、前記プラスチック素材板41の切断跡412を隠すように、前記内壁424の自由端を外方且つ上方へ巻上するという操作をする。
図13Cを参照し、プラスチック素材板41が依然としてフレーム42の突出部423を被覆する一方、フレーム42の内壁424が外方且つ上方へ巻上してプラスチック素材板41の切断跡412を隠した。このように設置することによって、板材4がより良い外形特点を備えるとともに、使用中、使用者がプラスチック素材板41をその切断跡412でフレーム42から剥離しにくく、このため、フレーム42とプラスチック素材板41との接続の頑丈性をさらに保証できる。そして、フレーム42の巻上辺部が内部にプラスチック素材板41の切断跡412を隠すことによって、切断跡412が使用者に傷つけし難く、このため、製品により高い安全性を持つ。
【0045】
図14乃至
図18Cは、本発明による第三実施形態が示される。第三実施形態は、第一実施形態に類似し、説明の簡潔のため、第三実施形態における第一実施形態と同一又は類似する部分の説明を省略する。
【0046】
図14は、第三実施形態における板材7(板材7の完成品が
図19に示されている)を製造する方法の一つ目のステップが示され、当該ステップには、前記フレーム72を形状が前記フレーム72の形状とマッチングする金型8の頂部に置く。フレーム72は、二つの縦向ビーム721と二つの横向ビーム722とを含み、金型8の辺縁に金型8の本体81を囲む段差部82が設置され、フレーム72を段差部82に置くことができる。
【0047】
図15、
図16Aは、順番に次のステップが示され、つまり、プラスチック素材板71を、前記フレーム72が取り付けられた前記金型8の頂面に置き、前記板材7の延在方向に垂直な方向に沿って吸引力を与え、真空成型プロセスによって前記プラスチック素材板71を成型することで、前記プラスチック素材板71をフレーム72と金型8に被覆させる。
【0048】
図16Bと
図16Cは、真空吸引ステップ後のプラスチック素材板71とフレーム72と金型8との組合の模式図であり、
図16Cを参照し、プラスチック素材板71がフレーム72と金型8との組合の頂面と側面に密着し、それらを内部に被覆すると分かる。本実施形態におけるフレーム72の突出部723は、断面が円弧形に形成され、このため、突出部723が角を具備しないと理解すればよく、良い手触りを備える。真空成型のプラスチック素材板71が突出部723に密着することによって、その内部に突出部723を備えるフレーム72が制限される。
【0049】
図17Aは、金型8を第三方向D3に沿って下方へ向けてプラスチック素材板71とフレーム72から離脱するステップが示され、
図17Bと
図17Cは、離型後のプラスチック素材板71とフレーム72が示される詳細模式図である。
図17Cによれば、フレーム72の突出部723がプラスチック素材板71内に制限されることによって、フレーム72がプラスチック素材板71から離脱することができないとわかる。
【0050】
離型後に、トリミングステップが行い、
図18A乃至
図18Cが、トリミング後のプラスチック素材板71と金型8が示される。
図18Cを参照し、トリミング時の切断跡712は、プラスチック素材板71における、突出部723の下方に位置し且つフレーム72の外側壁に貼り付けるための部分に位置し、これによって、少なくともトリミング後のプラスチック素材板71が前記フレーム72の前記突出部723を被覆することを保証し、前記フレーム72をプラスチック素材板71内に嵌め置くことを確保できる。
【0051】
第三実施形態において、金型8の頂面は、波紋形の円滑曲面であるため、作られた板材7の頂面も、波紋形の円滑曲面に形成される。
【0052】
図19は、第三実施形態により提供される方法で製造された板材7が適用できる家具が示され、当該家具が椅子9であってもよく、板材7が座部であってもよい。
【0053】
図20乃至
図24は、本発明による第四実施形態が示される。当該実施形態において、本発明により提供される方法で製造された板材が机100の製造に適用される。
図20を参照し、本実施形態における机100は、天板と脚103を含む。天板は、軸線102回り、互いに対し折り畳み可能な二つの天板ユニット101を含み、他の実施形態において、天板ユニット101が三つ以上であってもよい。
【0054】
図21乃至
図22は、
図20における一つの天板ユニット101の組立模式図である。図面によれば、各天板ユニット101のそれぞれが、組み合わせる天板枠1011と天板主体1012とを含み、前記天板枠1011の一対の対向する辺縁は、対向して設置され当該辺縁に沿って延在するスライド溝が備え、前記天板主体1012の辺縁が前記スライド溝に対応することによって、前記天板主体1012が前記スライド溝に沿って前記天板枠1011外から、前記天板枠1011と完全に接合されるまで摺動できる、と分かる。天板枠1011は、一対の辺縁ビーム1011aと一つの中間ビーム1011bとを備え、スライド溝が、一対の辺縁ビーム1011aにおける互いに対向する側面に形成されている。
【0055】
図23と
図24を参照し、天板主体1012は、少なくとも二層の板材が接合されることによって形成され、本実施形態において、平面板材1012bと段ボール板材1012aである。
図24には、平面板材1012bと段ボール板材1012aが接合されて天板主体1012を形成し、天板主体1012の辺縁が天板枠1011のスライド溝内に嵌合される状態が示されている。
【0056】
図23、24を参照し、天板主体1012は、互いに接合される少なくとも二層の板材が備えるとともに、対向する一対の平行辺縁において特殊な設置が存在し、そのうち、天板主体1012は、一対の平行辺縁での厚さが天板主体1012の中間位置での厚さよりも小さいと分かる。天板框1011は、天板主体1012を囲むとともに、天板主体1012の対応辺縁に接合でき、そのうち、天板框1011における天板主体1012の一対の平行辺縁に対応する部分には、天板主体1012に向けて開口し、平行辺縁の延在方向に沿って延在する凹溝(それがスライド溝を構成する)が形成されており、そのうち、凹溝の開口の寸法と天板主体1012における一対の平行辺縁での厚さが一致し、これによって、天板主体1012と天板枠1011を組み立てるように、天板主体1012の一対の平行辺縁が天板枠1011の対応する凹溝に挿入できるとともに、凹溝において平行辺縁の延在方向に沿って摺動できる。
【0057】
なお、上記の「少なくとも二層の板材」は、前記真空成型プロセスで成型されたものが、当該真空成型プロセスに基にして他の改進が行われてもよく、例えば、さらに、補強又はカッティングを行うことによって、当該板材の外形が他の真空成型の板材と異なるようにする。
【0058】
本発明により提供される、板材を製造する方法は、真空吸引が終わった後、金属フレームをプラスチック板材内に保留できることによって、真空成型された板材が、スムーズな外形を備えるし、良い強度を備える。それからの使用において、板材が変形し難く、板材の使用寿命を延ばすことができる。
【0059】
本発明のいくつの実施形態に関する上記説明は、相関分野の当業者に対して説明するためであり、本発明を単一の実施形態まで排除又は制限するためではない。上記のように、上記分野における当業者は、本発明の多数の代替形態と変形形態を想到できる。そこで、いくつかの代替実施形態を具体的に説明したが、当業者は他の実施形態を、想到でき、或いは容易に開発できる。本発明は、ここで説明されたすべての代替形態、改進形態と変形形態、及び上記のように説明された本発明の思想と範囲に入る他の実施形態を、含むである。