(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】作業機の診断支援装置
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20240408BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
E02F9/26 Z
E02F9/20 Z
(21)【出願番号】P 2022568300
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(86)【国際出願番号】 JP2021045029
(87)【国際公開番号】W WO2022124322
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2020205221
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】梅林 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】大南 功
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-020914(JP,A)
【文献】特開2020-040519(JP,A)
【文献】特開2016-024513(JP,A)
【文献】特開2015-045145(JP,A)
【文献】国際公開第2013/047408(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/26
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、
前記表示装置を制御する制御装置と、
前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、
作業者からの入力を受け付ける入力部と、
前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、を備え、
前記制御装置は、
前記撮像装置が撮像した撮像画像における複数の特徴点と、前記図面データにおける前記各特徴点に対応する対応点とのマッチング結果に基づいて、前記撮像画像に前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を重ねる場合の縮尺及び角度を演算し、演算した前記縮尺及び前記角度に基づいて、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させ、前記撮像画像が変化すると、
前記縮尺及び前記角度を再演算し、前記撮像画像の変化に応じて前記図面データで示された部品を前記撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に追随して表示させる作業機の診断支援装置。
【請求項2】
前記記憶装置は複数の作業機の図面データを記憶しており、
前記入力部は、作業者からの作業機の識別情報の入力を受け付け、
前記データ抽出部は、前記識別情報に対応する図面データを抽出する請求項1に記載の作業機の診断支援装置。
【請求項3】
作業機を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、
前記表示装置を制御する制御装置と、
前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、
作業者からの入力を受け付ける入力部と、
前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面デ
ータを抽出するデータ抽出部と、
前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、を備え、
前記制御装置は、
前記情報取得部が前記作業機で生じた複数のエラーに関する情報を取得した場合に、それら複数のエラーに関する情報を前記表示装置に表示させ、前記表示装置に表示させた複数のエラーに関する情報の中から前記入力部を介して作業者が選択したエラーに対応する部品を前記診断対象の部品として特定し、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させる作業機の診断支援装置。
【請求項4】
作業機を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、
前記表示装置を制御する制御装置と、
前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、
作業者からの入力を受け付ける入力部と、
前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、
前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、を備え、
前記記憶装置は、複数の前記エラーに関する情報の優先順位を記憶しており、
前記制御装置は、
前記情報取得部が前記作業機で生じた複数のエラーに関する情報を取得した場合に、それら複数のエラーに関する情報のうち前記優先順位の高い情報に対応する部品を前記診断対象の部品として特定し、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させる作業機の診断支援装置。
【請求項5】
作業機を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、
前記表示装置を制御する制御装置と、
前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、
作業者からの入力を受け付ける入力部と、
前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、を備え、
前記記憶装置は、前記作業機の予測故障内容を記憶し、
前記制御装置は、
前記作業機の状態に応じた1または複数の前記予測故障内容を前記表示装置に表示させるとともに、表示させた前記予測故障内容に対する前記入力部を介した作業者の選択入力に基づいて前記診断対象の部品を特定し、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させる作業機の診断支援装置。
【請求項6】
作業機を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、
前記表示装置を制御する制御装置と、
前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、
作業者からの入力を受け付ける入力部と、
前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、を備え、
前記記憶装置は、前記作業機に対する複数の診断内容を記憶し、
前記制御装置は、
前記作業機の状態に応じた1または複数の前記診断内容を前記表示装置に表示させるとともに、表示させた診断内容に対する前記入力部を介した作業者の診断入力に基づいて前記診断対象の部品を特定し、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させる作業機の診断支援装置。
【請求項7】
作業機を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、
前記表示装置を制御する制御装置と、
前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、
作業者からの入力を受け付ける入力部と、
前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、を備え、
前記記憶装置は、複数の診断内容の優先順位を記憶しており、
前記制御装置は、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させ、
前記作業機の状態に応じた前記診断内容が複数存在する場合に、それら複数の診断内容のうち前記優先順位の高い診断内容から順に前記表示装置に表示させる作業機の診断支援装置。
【請求項8】
通信装置を備え、
前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記エラーに関する情報を前記サーバに送信する請求項
3又は4に記載の作業機の診断支援装置。
【請求項9】
前記記憶装置は、複数の前記予測故障内容の優先順位を記憶しており、
前記制御装置は、前記作業機の状態に応じた前記予測故障内容が複数存在する場合に、それら複数の前記予測故障内容を前記優先順位の高い予測故障内容から順に前記表示装置に表示させる請求項
5に記載の作業機の診断支援装置。
【請求項10】
前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、
通信装置と、
を備え、
前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記選択入力に対応する予想故障内容を前記サーバに送信する請求項
5または9に記載の作業機の診断支援装置。
【請求項11】
前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、
通信装置と、
を備え、
前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記予測故障内容を前記サーバから取得して前記記憶装置に記憶させる請求項
5または9に記載の作業機の診断支援装置。
【請求項12】
前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、
通信装置と、
を備え、
前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記診断入力に対応する情報を前記サーバに送信する請求項
6に記載の作業機の診断支援装置。
【請求項13】
前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、
通信装置と、
を備え、
前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記作業機の診断内容を前記サーバから自動的に取得して前記記憶装置に記憶させる請求項
6または
7に記載の作業機の診断支援装置。
【請求項14】
前記記憶装置は、前記作業機に関するマニュアルを示すマニュアルデータを記憶し、
前記制御装置は、前記部品に対応する前記マニュアルデータを前記表示装置に表示させる請求項1~
13のいずれか1項に記載の作業機の診断支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機の診断支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バックホー等の作業機の故障支援システムとして、特許文献1が知られている。
特許文献1のシステムは、作業機の各部位における動作状況を電子メールにてサーバに送信する送信手段と、サーバにアクセス可能なコンピュータとを備え、コンピュータは、取り込まれた動作状況に基づいて作業機の故障を自動的に推定する故障推定部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国公開特許公報「特開2014-25343号公報」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、作業機の動作状況から故障を推定することができ、作業者は、システムが推定した故障に基づいて部品を交換することができる。しかしながら、作業者が作業機の部品を交換するためには、交換する部品の位置を把握しなければならず、従来、作業者は、マニュアルを見て部品の位置を把握して、作業機の部品を交換しているのが実情である。
【0005】
しかしながら、作業者がマニュアル等によって部品の配置を把握することは、時間がかかるうえ、マニュアルと部品交換の対象となる作業機とが一致していなければ、実際の部品の位置とマニュアルに示された部品の位置とが異なることがあり、部品交換の手間がかかっていた。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、簡単に部品の位置を把握することができる作業機の診断支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す通りである。
作業機の診断支援装置は、作業機を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、作業者からの入力を受け付ける入力部と、前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、を備え、前記制御装置は、前記撮像装置が撮像した撮像画像における複数の特徴点と、前記図面データにおける前記各特徴点に対応する対応点とのマッチング結果に基づいて、前記撮像画像に前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を重ねる場合の縮尺及び角度を演算し、演算した前記縮尺及び前記角度に基づいて、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させ、前記撮像画像が変化すると、前記縮尺及び前記角度を再演算し、前記撮像画像の変化に応じて前記図面データで示された部品を前記撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に追随して表示させる。
前記記憶装置は複数の作業機の図面データを記憶しており、前記入力部は、作業者からの作業機の識別情報の入力を受け付け、前記データ抽出部は、前記識別情報に対応する図面データを抽出してもよい。
【0007】
作業機の診断支援装置は、作業機を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、作業者からの入力を受け付ける入力部と、前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を
取得する情報取得部と、を備え、前記制御装置は、前記情報取得部が前記作業機で生じた複数のエラーに関する情報を取得した場合に、それら複数のエラーに関する情報を前記表示装置に表示させ、前記表示装置に表示させた複数のエラーに関する情報の中から前記入力部を介して作業者が選択したエラーに対応する部品を前記診断対象の部品として特定し、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させる。
また、作業機の診断支援装置は、作業機を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、作業者からの入力を受け付ける入力部と、前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、を備え、前記記憶装置は、複数の前記エラーに関する情報の優先順位を記憶しており、前記制御装置は、前記情報取得部が前記作業機で生じた複数のエラーに関する情報を取得した場合に、それら複数のエラーに関する情報のうち前記優先順位の高い情報に対応する部品を前記診断対象の部品として特定し、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させる。
また、作業機の診断支援装置は、作業機を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、作業者からの入力を受け付ける入力部と、前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、を備え、前記記憶装置は、前記作業機の予測故障内容を記憶し、前記制御装置は、前記作業機の状態に応じた1または複数の前記予測故障内容を前記表示装置に表示させるとともに、表示させた前記予測故障内容に対する前記入力部を介した作業者の選択入力に基づいて前記診断対象の部品を特定し、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させる。
【0008】
また、作業機の診断支援装置は、作業機を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、作業者からの入力を受け付ける入力部と、前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、を備え、前記記憶装置は、前記作業機に対する複数の診断内容を記憶し、前記制御装置は、前記作業機の状態に応じた1または複数の前記診断内容を前記表示装置に表示させるとともに、表示させた診断内容に対する前記入力部を介した作業者の診断入力に基づいて前記診断対象の部品を特定し、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させる。
また、作業機の診断支援装置は、作業機を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した前記作業機の画像を表示する表示装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、前記作業機の図面データを記憶する記憶装置と、作業者からの入力を受け付ける入力部と、前記記憶装置に記憶された前記図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部と、を備え、前記記憶装置は、複数の診断内容の優先順位を記憶しており、前記制御装置は、前記表示装置に、前記データ抽出部が抽出した図面データで示
された部品を、前記撮像装置が撮像した撮像画像に描写された前記作業機の画像における当該部品の搭載位置に、重ねて表示させ、前記作業機の状態に応じた前記診断内容が複数存在する場合に、それら複数の診断内容のうち前記優先順位の高い診断内容から順に前記表示装置に表示させる。
【0009】
また、作業機の診断支援装置は、通信装置を備え、前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記エラーに関する情報を前記サーバに送信する。
【0010】
また、前記記憶装置は、複数の前記予測故障内容の優先順位を記憶しており、前記制御装置は、前記作業機の状態に応じた前記予測故障内容が複数存在する場合に、それら複数の前記予測故障内容を前記優先順位の高い予測故障内容から順に前記表示装置に表示させる。
また、作業機の診断支援装置は、前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、通信装置と、を備え、前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記選択入力に対応する予想故障内容を前記サーバに送信する。
【0011】
また、作業機の診断支援装置は、前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、通信装置と、を備え、前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記予測故障内容を前記サーバから取得して前記記憶装置に記憶させる。
【0012】
また、作業機の診断支援装置は、前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、通信装置と、を備え、前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記診断入力に対応する情報を前記サーバに送信する。
【0013】
また、作業機の診断支援装置は、前記作業機から送信された当該作業機で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部と、通信装置と、を備え、前記情報取得部は、前記通信装置を用いた所定のサーバと所定の通信方式での通信が可能になったときに、前記作業機の診断内容を前記サーバから自動的に取得して前記記憶装置に記憶させる。
また、前記記憶装置は、前記作業機に関するマニュアルを示すマニュアルデータを記憶し、前記制御装置は、前記部品に対応する前記マニュアルデータを前記表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単に部品の位置を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】作業機と図面データとの関連性を示す図である。
【
図4】作業機とマニュアルデータとの関連性を示す図である。
【
図8】
図7とは異なる確認画面M4を示す図である。
【
図10A】作業機を正面側から撮像した撮像画像G1と部品G10とを示す図である。
【
図10B】
図10Aから作業機を正面として右側に移動したときの撮像画像G1と部品G10とを示す図である。
【
図10C】作業機の側面に移動したときの撮像画像G1と部品G10とを示す図である。
【
図11】撮像画像G1と、図面データの線画D1とのマッチングを説明する説明図である。
【
図12】作業機の診断支援装置の一連の流れを示すフローチャートである。
【
図13】変形例における作業機の診断支援装置のブロック図である。
【
図14】変形例における作業機の診断支援装置の一連の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る作業機の診断支援装置について説明する。
本発明に係る作業機は、例えば、バックホー、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ等の建設機械や、トラクタ、コンバイン、芝刈り機等の農業機械、或いはその他の各種産業機械である。
図15は、作業機1の一例としてコンパクトトラックローダを示している。作業機はトラックローダに限定されず、例えば、トラクタ、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ、バックホー等であってもよい。尚、本実施形態においては、作業機1の運転席13に着座した運転者(オペレータ)が向く方向(
図15の左側)を前方といい、その反対方向(
図15の右側)を後方という。また、運転者の左側(
図15の手前側)を左方といい、運転者の右側(
図15の奥側)を右方という。
【0017】
図15に示すように、作業機1は、機体2と、この機体2に装着した作業装置3と、機体2を支持する走行装置4と、を備えている。機体2の上部には、キャビン5が搭載されている。キャビン5の後部は、支持ブラケット(図示せず)に支持されており、支持軸(図示せず)回りに揺動自在である。キャビン5の前部は、機体2の前部において支持可能である。
キャビン5内には運転席13が設けられている。運転席13の一方側(例えば、左側)には、走行装置4を操作するための走行用操作装置14が配置されている。
走行装置4は、クローラ式走行油圧装置により構成されている。走行装置4は、機体2の左側の下方及び機体2の右側の下方に設けられている。
【0018】
作業装置3は、ブーム22Lと、ブーム22Rと、ブーム22L及びブーム22Rの先端に装着したバケット23(作業具)と、を備えている。ブーム22Lは、機体2の左側に配置されている。ブーム22Rは、機体2の右側に配置されている。ブーム22Lとブーム22Rとは、当該ブーム22L及びブーム22Rの間に設けられた連結体(図示せず)によって相互に連結されている。ブーム22L及びブーム22Rは、それぞれ第1リフトリンク24及び第2リフトリンク25に支持されている。ブーム22L及びブーム22Rの基部側と機体2の後下部との間には、複動式油圧シリンダからなるリフトシリンダ26がブーム22L及びブーム22Rに対応して設けられている。このため、ブーム22L及びブーム22Rは、リフトシリンダ26が同時に伸縮することによって、同時に上下に揺動動作する。ブーム22L及びブーム22Rの先端側には、それぞれ装着ブラケット27が、横軸回りに回動自在に枢支連結されている。また、装着ブラケット27には、バケット23の背面側が取り付けられている。
【0019】
また、装着ブラケット27と、ブーム22L及びブーム22Rの先端側中途部と、の間には、複動式油圧シリンダからなるチルトシリンダ28が、ブーム22L及びブーム22Rに対応して介装されている。バケット23は、チルトシリンダ28の伸縮によって揺動動作(スクイ・ダンプ動作)する。
バケット23は、装着ブラケット27に着脱自在である。装着ブラケット27は、バケット23を取り外すことで、各種のアタッチメント(油圧アクチュエータを有する油圧駆動式の作業具)を取り付けることができ、掘削以外の各種の作業(又は他の掘削作業)を行うことができる。
【0020】
機体(車体)2の底壁上の後側には原動機が設けられている。原動機は、ディーゼルエンジン、モータジェネレータ等である。機体2の底壁上の前側には燃料タンクと作動油タンクとが設けられている。
また、作業機1には、上述した走行装置4及び原動機の他に、油圧ポンプ、コントロールバルブ(制御弁)、油圧シリンダ(リフトシリンダ26、チルトシリンダ28)等の油圧機器、ラジエータ、オイルタンク、油圧ポンプ、バッテリー、エアコンユニット、及びセンサ等の様々な部品(機器)が搭載されている。
【0021】
図1は、作業機1の診断支援装置40を示している。作業機1の診断支援装置40は、タブレット、スマートフォン、又はノートパソコン等の持ち運びが可能な携帯端末である。
作業機1の診断支援装置40は、撮像装置41と、表示装置42と、記憶装置43、制御装置44と、を備えている。撮像装置41は、CCDカメラ、赤外線カメラ等のカメラで構成されている。撮像装置41は、診断支援装置40の筐体に取り付けられ、カメラを被写体に向けることで、被写体を撮像することが可能である。
【0022】
表示装置42は、液晶パネル、有機ELパネル等で構成されていて、様々な情報を表示可能である。表示装置42は、例えば、撮像装置41で撮像した撮像画像G1を表示することができる。記憶装置43は、不揮発性のメモリ等から構成されていて、様々なアプリケーションソフト、様々なデータを記憶している。
制御装置44は、CPU等から構成されていて、診断支援装置40の制御、即ち撮像装置41、表示装置42及び記憶装置43の様々な制御を行う。
【0023】
作業機1の診断支援装置40の記憶装置43には、作業機1の故障を診断するアプリケーションソフト(故障診断ソフト)が記憶されていて、制御装置44は、当該故障診断ソフトを起動すると、故障診断を行う診断支援装置40として動作する。
以下、作業機1の診断支援装置40について詳しく説明する。
図2に示すように、記憶装置43は、作業機1に関する情報(機械情報)を記憶している。機械情報は、例えば、作業機1の機種、モデル(型番)、シリアル番号(識別情報)等の固有情報、並びに故障のエラーコード(エラー)、エラーコード(エラー)の詳細な内容(エラー内容)、及び部品毎の故障内容を示す診断情報を含んでいる。記憶装置43が記憶している固有情報は、複数の作業機1毎に異なっており、記憶装置43は、診断情報を当該固有情報に対応付けて記憶している。
【0024】
図3に示すように、記憶装置43は、複数の図面データを記憶している。複数の図面データは、作業機1の全体及び部品等を線画で表したCADデータであって、例えば、二次元のCADデータ、三次元のCADデータ等である。複数の図面データは、固有情報と対応付けられていて、制御装置44は、固有情報を取得すると、取得した固有情報に対応した図面データを記憶装置43から抽出することができる。例えば、型番が「CTL95」、シリアル番号が「KJ-1400001」である場合、制御装置44は、KB2の図面データを記憶装置43から抽出することができる。
【0025】
図4に示すように、記憶装置43は、作業機1に関するマニュアルデータを記憶している。マニュアルデータは、作業機1の操作方法、作業機1の部品の仕様、形状、型番など部品の詳細等を示すデータである。
制御装置44は、記憶装置43に記憶された故障診断ソフトを起動すると、表示装置42に故障の診断に関する様々な画面を表示させる。具体的には、制御装置44は、故障診断ソフトを起動すると、表示装置42にホーム画面(図示省略)を表示させる。また、表示装置42がホーム画面を表示している状態において、作業者が診断支援装置40に所定の操作を行うと、
図5に示すように、制御装置44は、表示装置42に入力画面M1を表示させる。
【0026】
図5の入力画面M1は、機種を入力する機種入力部51と、モデル(型番)を入力するモデル入力部52と、シリアル番号(識別情報)を入力するシリアル番号入力部53と、作業機1の累積稼働時間(アワメータ)を入力する時間入力部54と、を含んでいる。このため、入力画面M1の機種入力部51、モデル入力部52、及びシリアル番号入力部53等の固有情報が入力されることによって、制御装置44は、当該入力された情報に基づいて、記憶装置43から情報を取得して、作業機1を特定することができる。言い換えると、制御装置44は、記憶装置43に記憶された機械情報から情報を抽出し、当該固有情報を対応付けられている診断情報及び図面データを取得することができる。また、制御装置44は、シリアル番号入力部53に入力されたシリアル番号のみに基づいて、作業機1を特定することができる。
【0027】
図5に示すように、入力画面M1には、コードボタン55が表示されている。作業者が診断支援装置40を操作してコードボタン55を選択すると、撮像装置41が起動する。撮像装置41は、作業機1に張り付けられたバーコード、QRコード(登録商標)等を撮像することで、制御装置44は、当該撮像装置41が撮像したバーコード、QRコード(登録商標)等が示す固有情報を読み込むことができる。これにより、制御装置44は、読み込んだ固有情報に基づいて作業機1を特定することができる。
【0028】
以下、説明の便宜上、制御装置44が固有情報に基づいて特定した作業機1のことを「特定作業機」ということがある。
制御装置44は、作業機1を特定すると、
図6に示すように、表示装置42に選択画面M2を表示させる。選択画面M2は、エラー(エラーコード)又は故障内容を選択する故障選択部58と、故障を検索する検索条件の入力を受け付ける故障検索部59と、を含んでいる。
【0029】
故障選択部58は、特定作業機に対応付けられた複数のエラー(エラーコード)を含むエラーの一覧を表示する。例えば、
図2に示すように、型番が「CTL95」、シリアル番号が「KJ-1258991」が特定作業機W1である場合、制御装置44は、CTL95及びKJ-1258991の診断情報X1を検索し、検索した診断情報X1の中から特定作業機W1に生じたエラー(エラーコード)の一覧を抽出し、表示装置42の故障選択部58に抽出したエラーを表示させる。故障選択部58は、作業者の選択指示を受け付け、制御装置44は、当該選択指示に応じて、エラーの一覧の中から詳細表示対象とするエラーを選択することができる。
【0030】
なお、記憶装置43は、複数のエラーに予め診断或いは修理の優先順位を設定して記憶しているような構成であってもよい。斯かる場合において、特定作業機W1に複数のエラーが生じていると、制御装置44は、優先順位の高いエラーに対応する部品を診断対象の部品として特定し、表示装置42に表示させる。当該エラーの優先順位は、例えば、診断作業、或いは修理、又は交換作業が容易な順に設定してもよいし、診断作業、或いは修理、又は交換作業に要する時間に応じて設定してもよいし、診断作業、或いは修理、又は交換作業にかかる費用に応じて設定してもよいし、交換部品の入手に要する時間に応じて設定してもよいし、これらを組み合わせて設定してもよい。
【0031】
また、表示装置42は、故障検索部59に部品の名称等を入力されると、当該部品に関する複数の故障内容を故障選択部58に表示する。故障内容とは、部品毎に予測される故障の内容を示している。このため、特定作業機W1に生じたエラーが記憶装置43に記録されていない場合などに、表示装置42は、故障検索部59に入力された部品の名称などに基づいて、記憶装置43に記憶された機械情報から情報を抽出し、当該部品から予測される故障内容を故障選択部58に表示することができる。
【0032】
例えば、故障検索部59に油圧ポンプという部品の名称を入力されると、表示装置42は、油圧ポンプに対して予測される故障内容(予測故障内容)を故障選択部58に表示する。これにより、作業機1に備えられる部品毎に予想される故障内容(予測故障内容)を把握することができる。斯かる場合、故障選択部58は、作業者の選択指示に応じて、予測故障内容の一覧表から詳細表示対象とする予測故障内容を選択することができる。
【0033】
なお、記憶装置43が、複数の予想故障内容に予め診断又は修理の優先順位を設定して記憶しており、作業機1の状態に対応する予測故障内容が複数存在する場合、制御装置44は、優先順位の高い予想故障内容から順に表示装置42に表示させるようにしてもよい。斯かる場合において、表示装置42が表示した予想故障内容に対する作業者の入力に応じて、制御装置44は、診断対象の部品を特定し、当該特定した診断対象の部品を表示装置42に表示させる。
【0034】
上述した優先順位は、例えば、診断作業、或いは修理、又は交換作業が容易な順に設定してもよいし、診断作業、或いは修理、又は交換作業に要する時間に応じて設定してもよいし、診断作業、或いは修理、又は交換作業にかかる費用に応じて設定してもよいし、交換部品の入手に要する時間に応じて設定してもよいし、これらを組み合わせて設定してもよい。
【0035】
故障選択部58において、詳細表示対象とするエラー又は予測故障内容が選択されると、
図7に示すように、制御装置44は、表示装置42に確認画面M3を表示させる。確認画面M3は、詳細表示部61を含んでいる。詳細表示部61は、故障選択部58においてエラー(エラーコード)が選択された場合は、エラーの詳細な情報を表示する。一方、詳細表示部61は、故障選択部58において予測故障内容が選択された場合は、予測故障内容の詳細を表示する。
【0036】
図6に示すように、作業者が選択画面M2の故障選択部58に表示されたエラーのうち、油圧ポンプに関するエラーを選択した場合、例えば
図7に示すように、詳細表示部61は、油圧ポンプの出力が低下していることを表示する。また、故障選択部58において、油圧ポンプの予測故障内容が選択されると、詳細表示部61は、油圧ポンプの故障の詳細な内容が表示される。
【0037】
また、故障選択部58において、エラー又は予測故障内容が選択されると、制御装置44は、表示装置42に、
図7の確認画面M3の他に、
図8に示す確認画面M4を表示させることが可能である。確認画面M3又は確認画面M4のどちらを表示するかは、表示装置42に対する操作によって切り換えることができる。
図8に示すように、確認画面M4は、マニュアル表示部62と、表示ボタン63と、を含んでいる。マニュアル表示部62は、マニュアルデータに示された複数の部品の中から、エラーに対応する部品に関するデータ、又は予測故障内容に対応する部品に関するデータを表示する。例えば、マニュアル表示部62は、部品の名称、部品の外形、部品図(部品同士のつながり又は組付けを示す図)を表示する。
【0038】
例えば、
図8に示すように、故障選択部58において、選択されたエラーが油圧ポンプである場合、又は予測故障内容が油圧ポンプに関するものである場合、制御装置44は、記憶装置43に記憶されているマニュアルデータに示された複数の部品の中から、油圧ポンプのデータ(油圧ポンプの名称、油圧ポンプの外形、及び油圧ポンプの部品図)を抽出する。制御装置44は、油圧ポンプのデータを抽出すると、表示装置42のマニュアル表示部62に、油圧ポンプの名称、油圧ポンプの外形、及び油圧ポンプの部品図を表示させる。また、マニュアル表示部62は、表示した部品、即ち
図8の例においては、油圧ポンプに関する様々な説明文を表示する。
【0039】
さて、表示装置42が確認画面M4を表示している場合に、作業者が表示ボタン63を選択操作すると、
図9に示すように、制御装置44は、表示装置42に仮想画面M5を表示させる。仮想画面M5は、撮像装置41が撮像した作業機の撮像画像G1に、故障選択部58で選択されたエラーに対応する部品G10、又は予測故障内容に対応する部品G10を重ねて表示する画面である。
図10A~
図10Cに示すように、撮像装置41で撮像した作業機の撮像画像G1a、G1b、G1cが変化すると、制御装置44は、仮想画面M5において、撮像画像G1(G1a、G1b、G1c)の変化に応じて部品G10(G10a、G10b、G10c)が追随して表示される。なお、仮想画面M5の一部は、撮像画像G1及び当該撮像画像G1に重ねて表示した部品G10に加えて、部品G10或いは部品G10の点検、修理、又は交換等を行うための手順を示す図や説明文を表示してもよい。
【0040】
次に、制御装置44と表示装置42との関係について詳しく説明する。
図1に示すように、制御装置44は、情報取得部44Aと、診断部44Bと、データ抽出部44Cと、を含んでいる。情報取得部44A、診断部44B、及びデータ抽出部44Cは、制御装置44に設けられた電気電子回路、記憶装置43に格納されたアプリケーションソフト等で構成されている。
【0041】
情報取得部44Aは、作業機1に関する情報を取得可能であって、例えば作業機1の部品のエラー又は予測故障内容に関する情報を取得する。具体的には、情報取得部44Aは、入力画面M1において、機種、モデル(型番)、及びシリアル番号(識別情報)などの固有情報が入力されると、当該入力された固有情報を取得する。また、情報取得部44Aは、選択画面M2において、作業者によって部品に対応付けられたエラー(エラーコード)又は予測故障内容が選択されると、当該選択されたエラー又は予測故障内容を取得する。
【0042】
診断部44Bは、情報取得部44Aが取得した固有情報から作業機1を特定し、特定した特定作業機W1の診断情報を、記憶装置43から抽出する。例えば、
図2に示すように、型番が「CTL95」、シリアル番号が「KJ-1258991」の特定作業機W1である場合、診断部44Bは、「CTL95」及び「KJ-1258991」に対応付けられた診断情報X1のエラー(エラーコード)の一覧を、記憶装置43から抽出する。診断部44Bが特定作業機W1のエラーの一覧を抽出すると、上述したように、選択画面M2の故障選択部58は、エラーの一覧を表示する。
【0043】
診断部44Bは、情報取得部44Aがエラーの一覧の中から、作業者が選択したエラーを取得すると、記憶装置43に記憶されている診断情報X1の中から、作業者が選択したエラーに対応するエラーの詳細情報を抽出し、確認画面M3の詳細表示部61に表示させる。また、診断部44Bは、情報取得部44Aがエラーの一覧の中から作業者が選択したエラーを取得すると、マニュアルデータの中から作業者が選択したエラーに対応するデータ(部品の名称、部品の外形、部品図)を抽出し、確認画面M4のマニュアル表示部62に表示させる。
【0044】
また、診断部44Bは、情報取得部44Aが予測故障内容の一覧の中から作業者が選択した予測故障内容を取得すると、診断情報の中から、作業者が選択した予測故障内容に対応する詳細情報を抽出し、確認画面M3の詳細表示部61に表示させる。また、診断部44Bは、情報取得部44Aが予測故障内容の一覧の中から作業者が選択した予測故障内容を取得すると、マニュアルデータの中から作業者が選択した予測故障内容に対応するデータ(部品の名称、部品の外形、部品図)を抽出し、確認画面M4のマニュアル表示部62に表示させる。
【0045】
データ抽出部44Cは、記憶装置43に記憶された複数の図面データの中から、エラーに対応する部品、又は予測故障内容に対応する部品を有する図面データを抽出する。例えば、
図3に示すように、型番が「CTL95」、シリアル番号が「KJ-1258991」の特定作業機W1である場合、データ抽出部44Cは、「CTL95」及び「KJ-1258991」に対応付けられた図面データ(KB1)を抽出し、抽出した図面データ(KB1)を表示装置42に転送する。
【0046】
図9の仮想画面M5に示すように、表示装置42は、データ抽出部44Cが抽出した図面データにおいて、エラーに対応する部品G10、又は予測故障内容に対応する部品G10を、撮像画像G1に描写された作業機1に重ねて表示する。具体的には、
図11に示すように、抽出された図面データの線画をD1、撮像画像をG1とした場合、制御装置44は、撮像画像G1における特徴点(特徴量)Qn(n=1,2,3,4・・・)を抽出し、図面データをD1において特徴点(特徴量)Qnに対応する対応点Rn(n=1,2,3,4・・・)を演算する。なお、
図11では、説明の便宜上、n=1~7とした場合のQn、Rnを示している。
【0047】
制御装置44は、撮像画像G1の特徴点(特徴量)Qnと、図面データの線画D1の対応点Rnとから、撮像画像G1に部品G10を重ねる場合の縮尺及び角度等を演算し、演算した縮尺及び角度によって、部品G10を撮像画像G1上に表示する。つまり、制御装置44は、撮像画像G1と、図面データの線画D1とをマッチングさせることによって、部品G10を表示する。
【0048】
制御装置44は、
図10A~
図10Cに示すように、撮像画像G1(G1a、G1b、G1c)が変化する毎に、図面データの線画D1とのマッチングを行うことで、縮尺及び角度を決定し、表示装置42は、撮像画像G1上に部品G10(G10a、G10b、G10c)を追随させながら表示を行う。なお、制御装置44が、撮像画像G1に重ねて表示させる部品G10等の画像を点滅させたり、作業者が認識しやすい色に着色したり、輪郭を太線で表示するなどの強調表示を行うようにしてもよい。
【0049】
上述した例では、制御装置44が、表示装置42に表示されたエラー一覧または予測故障内容の一覧の中から、作業者が選択したエラーまたは予測故障内容に対応する部品を診断対象の部品として特定する場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、記憶装置43が複数の診断内容を記憶し、制御装置44が1または複数の診断内容を表示装置42に表示させるとともに、表示装置42が表示した診断内容に対する作業者の診断入力に基づいて診断対象の部品を特定してもよい。また、制御装置44は、表示装置42が表示した診断内容に対する作業者の診断入力に応じて、更なる診断内容を表示装置42に表示させるというように、所謂対話形式で診断を行うことで診断対象とする部品を特定するようにしてもよい。
【0050】
また、記憶装置43が複数の診断内容に優先順位を設定して記憶し、作業機1の状態に対応する複数の診断内容が存在する場合に、制御装置44が、優先順位の高い診断内容から順に表示装置42に表示させるようにしてもよい。斯かる場合、制御装置44は、表示装置42が表示した診断内容に対する作業者の入力に応じて、診断対象の部品を特定し、表示装置42に表示させる。当該優先順位は、例えば、診断作業が容易な順に設定してもよく、診断作業に要する時間に応じて設定してもよい。また、優先順位は、診断の結果、修理作業又は交換作業が必要になった場合に当該作業に要する時間、当該作業にかかる費用、交換部品の入手に要する時間等に応じて設定してもよく、これらを組み合わせて設定してもよい。
【0051】
以下、
図12を用いて、診断支援装置40が作業機1の故障を診断する一連の流れを説明する。まず、制御装置44は、記憶装置43に記憶された故障診断ソフトを起動すると(S1,Yes)、表示装置42にホーム画面(図示省略)を表示させる(S2)。また、表示装置42がホーム画面を表示している状態において(S2)、作業者が診断支援装置40(表示装置42)に所定の操作を行うと(S3,Yes)、制御装置44は、表示装置42に入力画面M1を表示させる(S4)。
【0052】
表示装置42が入力画面M1を表示している状態において(S4)、作業者が診断支援装置40(表示装置42)に所定の操作を行い、固有情報を入力すると(S5,Yes)、制御装置44は、入力された固有情報に基づいて、記憶装置43から固有情報に対応する機械情報を抽出して作業機1を特定する(S6)。具体的には、制御装置44の情報取得部44Aは、入力された固有情報を取得する(S6a)。また、情報取得部44Aが固有情報を取得すると(S6a)、制御装置44の診断部44Bは、情報取得部44Aが取得した固有情報に基づいて、作業機1を特定し、記憶装置43から固有情報に対応する機械情報を抽出することで、特定作業機W1の診断情報を抽出する(S6b)。これにより、制御装置44は、作業機1を特定する(S6)。
【0053】
また、制御装置44が作業機1を特定すると(S6)、制御装置44は、表示装置42に選択画面M2を表示させる(S7)。表示装置42が選択画面M2を表示すると(S7)、制御装置44は、作業者から故障選択部58への選択指示があるか否かを確認する(S8)。
制御装置44は、作業者から故障選択部58への選択指示があると確認した場合(S8,Yes)、表示装置42に確認画面M3又は確認画面M4を表示させる(S9)。具体的には、情報取得部44Aは、故障選択部58への選択指示、即ちエラーまたは予測故障内容を取得する(S9a)。情報取得部44Aが、エラーまたは予測故障内容を取得すると(S9a)、診断部44Bは、記憶装置43に記憶されている情報(診断情報)からエラーに対応するデータ、又は予測故障内容に対応するデータを抽出し、表示装置42に確認画面M3又は確認画面M4を表示させる(S9b)。また、診断部44Bがデータを抽出すると(S9b)、データ抽出部44Cが、記憶装置43に記憶された図面データの中から、エラーに対応する部品、又は予測故障内容に対応する部品を有する図面データを抽出する(S9c)。
【0054】
また、制御装置44は、作業者から故障選択部58への選択指示を確認していない場合(S8,No)、作業者から故障検索部59への部品の名称等の入力があるか否かを確認する(S10)。制御装置44は、作業者から故障検索部59への部品の名称等の入力があると確認した場合(S10,Yes)、当該入力された部品の名称等に基づいて、記憶装置43から部品に対応する機械情報を抽出して、当該部品から予測される故障内容を故障選択部58に表示させる(S11)。
【0055】
また、制御装置44は、表示装置42が確認画面M4を表示しているか否かを確認する(S12)。表示装置42が確認画面M4を表示している場合(S12,Yes)、制御装置44は、表示ボタン63が選択操作されたか否かを確認する(S13)。制御装置44は、表示ボタン63が選択操作されたことを確認した場合(S13,Yes)、S9cでデータ抽出部44Cが抽出した図面データに基づいて、表示装置42に仮想画面M5を表示させる(S14)。
【0056】
上述した実施形態では、表示装置42に、作業機1の固有情報と、部品のエラー又は予測故障内容に関する情報と、を入力することによって、制御装置44は、エラー及び固有情報を取得し、撮像画像G1上に部品G10を表示するようにしていたが、
図1に示すように、作業機1に診断支援装置40と通信可能な通信部35を設けることで、診断支援装置40は、通信部35を介して、作業機1から直接、エラー及び固有情報を取得してもよい。
【0057】
具体的には、作業者が作業機1の診断支援装置40に対して所定の操作を行い、診断支援装置40は、通信部35と通信を行う。通信部35は、作業機1において、エラー等の稼働情報と予め記憶されている固有情報(機種、モデル(型番)、シリアル番号(識別情報))を診断支援装置40に送信する。このため、診断支援装置40の情報取得部44Aは、エラー及び固有情報を通信部35から取得することができる。これにより、入力画面M1に情報を入力したり、選択画面M2においてエラーを選択することを省略することができる。
【0058】
診断支援装置40は、通信部35を介してエラー及び固有情報を取得すると、上述した実施形態と同様に、エラーの詳細情報、マニュアルデータの中から作業者が選択したエラーに対応するデータ(部品の名称、部品の外形、部品図)等を表示装置42に表示させる。また、表示装置42は、撮像画像G1上にエラーに対応する部品G10を表示する。
つまり、
図14に示すように、上述した実施形態における一連の流れのうち(
図12参照)、当該変形例においては、S2~S9がS20~S24となる点で異なる。
【0059】
具体的には、制御装置44は、記憶装置43に記憶された故障診断ソフトを起動すると(S1,Yes)、制御装置44は、作業者が所定の操作を行っているか否かを確認する(S20)。制御装置44は、作業者が所定の操作を行っていると確認した場合(S20,Yes)、通信部35を介して、作業機1と通信を行い、稼働情報及び固有情報の要求を行う(S21)。制御装置44が稼働情報及び固有情報の要求を行うと(S21)、作業機1は、通信部35を介して、制御装置44へ稼働情報及び固有情報を送信する(S22)。
【0060】
作業機1が制御装置44へ稼働情報及び固有情報を送信すると(S22)、制御装置44は、作業機1から送信された固有情報に基づいて、当該固有情報に対応する機械情報を記憶装置43から抽出して作業機1を特定する(S23)。具体的には、制御装置44の情報取得部44Aは、入力した固有情報を取得する(S23a)。また、情報取得部44Aが固有情報を取得すると(S23a)、制御装置44の診断部44Bは、情報取得部44Aが取得した固有情報に基づいて、作業機1を特定し、記憶装置43から固有情報に対応する機械情報を抽出することで、特定作業機W1の診断情報を抽出する(S23b)。これにより、制御装置44は、作業機1を特定する(S23)。
【0061】
また、制御装置44は、作業機1を特定すると(S23)、表示装置42に確認画面M3又は確認画面M4を表示させる(S24)。具体的には、情報取得部44Aは、稼働情報に基づいてエラーを取得する(S24a)。情報取得部44Aが、エラーを取得すると(S24a)、診断部44Bは、記憶装置43に記憶されている情報(診断情報)からエラーに対応するデータを抽出し、表示装置42に確認画面M3又は確認画面M4を表示させる(S24b)。また、診断部44Bがデータを抽出すると(S24b)、データ抽出部44Cが、記憶装置43に記憶された図面データの中から、エラーに対応する部品、又は予測故障内容に対応する部品を有する図面データを抽出する(S24c)。
【0062】
また、
図13に示すように、診断支援装置40が通信装置36を備え、この通信装置36を用いて通信ネットワーク上のサーバ70と所定の通信方式(例えばWi-Fi(登録商標)等)で通信可能になったときに、制御装置44が、上述した作業者が選択したエラー、予測故障情報、診断入力を示す情報などをサーバ70に自動的に送信するようにしてもよい。
【0063】
また、診断支援装置40が通信装置36を備え、この通信装置36を用いて通信ネットワーク上のサーバ70と所定の通信方式(例えばWi-Fi(登録商標)等)で通信可能になったときに、情報取得部44Aが、上述した予想故障内容、診断内容などを自動的に受信し、記憶装置43に記憶させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、撮像画像G1上に、エラーに対応する部品G10を重ねて表示していたが、撮像画像G1を非表示にすることによって、図面データの線画D1のみを表示してもよい。斯かる場合において、表示装置42は、撮像画像G1と部品G10とを重ねて表示するモードと、部品G10を含む図面データの線画D1のみを表示するモードとを切り換え可能である。
【0064】
上述した作業機1の診断支援装置40は、作業機1を撮像する撮像装置41と、撮像装置41が撮像した作業機1の画像を表示する表示装置42と、表示装置42を制御する制御装置44と、作業機1の図面データを記憶する記憶装置43と、作業者からの入力を受け付ける入力部と、記憶装置43に記憶された図面データの中から、診断対象の部品に対応する図面データを抽出するデータ抽出部44Cと、を備え、制御装置44は、表示装置42に、データ抽出部44Cが抽出した図面データで示された部品G10を、撮像装置41が撮像した撮像画像に描写された作業機1の画像における当該部品G10の搭載位置に、重ねて表示させる。これによれば、撮像装置41が作業機1を撮像することにより、表示装置42の作業機1の撮像画像G1に部品G10が重ねて表示されるため、作業者は、部品の位置を簡単に把握することができる。例えば、部品を交換する場合、部品を修理する場合などに、作業者は、部品G10の位置がどこであるかを簡単に把握することができる。
【0065】
また、制御装置44は、作業機1の撮像画像が変化すると、撮像画像の変化に応じて図面データで示された部品G10を撮像画像に描写された作業機1の画像における当該部品G10の搭載位置に追随して表示させる。これによれば、作業機1の図面データを用いて簡単に、作業機1のどの位置に部品G10があるかを仮想的に表示でき、作業者は、容易に部品F10の位置を把握することができる。
また、作業機1の診断支援装置40は、作業機1から送信された当該作業機1で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部44Aを備え、制御装置44は、診断対象の部品G10を情報取得部44Aが取得したエラーに関する情報に基づいて特定する。これによれば、作業者は、簡単にエラーに対応する部品G10を特定することができる。
【0066】
また、制御装置44は、情報取得部44Aが作業機1で生じた複数のエラーに関する情報を取得した場合に、それら複数のエラーに関する情報を表示装置42に表示させ、表示装置42に表示させた複数のエラーに関する情報の中から入力部を介して作業者が選択したエラーに対応する部品G10を診断対象の部品G10として特定する。これによれば、複数のエラーが発生した場合に、複数のエラーの中から作業者等が選んだエラーに対応する部品G10を特定して、表示装置42に表示することができる。
【0067】
また、記憶装置43は、複数のエラーに関する情報の優先順位を記憶しており、制御装置44は、情報取得部44Aが作業機1で生じた複数のエラーに関する情報を取得した場合に、それら複数のエラーに関する情報のうち優先順位の高い情報に対応する部品G10を診断対象の部品G10として特定する。これによれば、複数のエラーがある場合に、優先されるエラーに対応する部品の診断を行うことができる。
また、作業機1の診断支援装置40は、通信装置36を備え、情報取得部44Aは、通信装置36を用いた所定のサーバ70と所定の通信方式での通信が可能になったときに、エラーに関する情報をサーバ70に送信する。これによれば、サーバ70側でエラーを収集することができる。
【0068】
また、記憶装置43は、作業機1の予測故障内容を記憶し、制御装置44は、作業機の状態に応じた1または複数の予測故障内容を表示装置42に表示させるとともに、表示させた予測故障内容に対する入力部を介した作業者の選択入力に基づいて診断対象の部品G10を特定する。これによれば、複数の予測故障内容がある場合に、複数の予測故障内容の中から作業者等が選んだ予測故障内容に対応する部品G10を特定して、表示装置42に表示することができる。
【0069】
また、記憶装置43は、複数の予測故障内容の優先順位を記憶しており、制御装置44は、作業機1の状態に応じた予測故障内容が複数存在する場合に、それら複数の予測故障内容を優先順位の高い予測故障内容から順に表示装置に表示させる。これによれば、複数の予測故障内容がある場合に、優先順位の高い予測故障情報を簡単に把握することができる。
【0070】
また、作業機1の診断支援装置40は、作業機1から送信された当該作業機1で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部44Aと、通信装置36と、を備え、情報取得部44Aは、通信装置36を用いた所定のサーバ70と所定の通信方式での通信が可能になったときに、選択入力に対応する予想故障内容をサーバ70に送信する。これによれば、サーバ70側で予測故障内容を収集することができる。
【0071】
また、作業機1の診断支援装置40は、作業機1から送信された当該作業機1で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部44Aと、通信装置36と、を備え、情報取得部44Aは、通信装置36を用いた所定のサーバ70と所定の通信方式での通信が可能になったときに、予測故障内容をサーバ70から取得して記憶装置43に記憶させる。これによれば、サーバ70側で予測故障内容を収集することができる。
【0072】
また、記憶装置43は、作業機1に対する複数の診断内容を記憶し、制御装置44は、作業機の状態に応じた1または複数の診断内容を表示装置42に表示させるとともに、表示させた診断内容に対する入力部を介した作業者の診断入力に基づいて診断対象の部品G10を特定する。これによれば、診断内容を簡単に表示することができる。
また、記憶装置43は、複数の診断内容の優先順位を記憶しており、制御装置44は、作業機の状態に応じた診断内容が複数存在する場合に、それら複数の診断内容のうち優先順位の高い診断内容から順に前記表示装置に表示させる。これによれば、複数の診断内容がある場合に、作業者は、優先順位の高い診断内容を簡単に把握することができる。
【0073】
また、作業機1の診断支援装置40は、作業機1から送信された当該作業機1で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部44Aと、通信装置36と、を備え、情報取得部44Aは、通信装置36を用いた所定のサーバ70と所定の通信方式での通信が可能になったときに、診断入力に対応する情報をサーバ70に送信する。これによれば、診断内容をサーバ70で収集することができる。
【0074】
また、作業機1の診断支援装置40は、作業機1から送信された当該作業機1で生じたエラーに関する情報を取得する情報取得部44Aと、通信装置36と、を備え、情報取得部44Aは、通信装置36を用いた所定のサーバ70と所定の通信方式での通信が可能になったときに、作業機1の診断内容をサーバ70から自動的に取得して記憶装置43に記憶させる。これによれば、診断内容をサーバ70で収集することができる。
【0075】
また、記憶装置43は、作業機1に関するマニュアルを示すマニュアルデータを記憶し、制御装置44は、部品G10に対応するマニュアルデータを表示装置42に表示させる。これによれば、作業者は、対象の部品G10に対応するマニュアルデータを容易に参照することができる。このため、作業者は、部品G10の位置がどこであるかを簡単に把握するだけでなく、作業を円滑に行うことができる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
1 :作業機
2 :機体
3 :作業装置
4 :走行装置
35 :通信部
36 :通信装置
40 :診断支援装置
41 :撮像装置
42 :表示装置
43 :記憶装置
44 :制御装置
44A :情報取得部
44B :診断部
44C :データ抽出部
51 :機種入力部
52 :モデル入力部
53 :シリアル番号入力部
54 :時間入力部
55 :コードボタン
58 :故障選択部
59 :故障検索部
61 :詳細表示部
62 :マニュアル表示部
63 :表示ボタン
70 :サーバ
D1 :線画
Dn :対応点
G1 :撮像画像
G10 :部品
M1 :入力画面
M2 :選択画面
M3 :確認画面
M4 :確認画面
M5 :仮想画面
W1 :特定作業機