(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20240408BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20240408BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240408BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240408BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240408BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1334
G02F1/1368
F21S2/00 431
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022576712
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 JP2022001738
(87)【国際公開番号】W WO2022158477
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2021008034
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 天風
(72)【発明者】
【氏名】奥山 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸次朗
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-16724(JP,A)
【文献】特開2009-38006(JP,A)
【文献】特開平8-220536(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0079240(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/1334
G02F 1/1368
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項12】
さらに、前記第1基板と前記第2基板とを接着し前記液晶層を封止するシールを備え、
前記第2透明基板は、前記シールから前記第2側面に向かって延出した第2部分を有し、
前記枠状部は、前記第2部分に重なることなく、前記シールに重なっている、請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射光を散乱する散乱状態と入射光を透過する透明状態とを切り替え可能な高分子分散液晶を用いた装置が提案されている。一例では、液晶パネルに重なる導光板の段差部に光源を備えた液晶モジュールにおいて、光源からの光を拡散する技術が開示されている。また、他の例では、第1表示パネルと第2表示パネルとの間に偏光板を備えた表示装置において、第1表示パネルの液晶層は筋状のポリマーと液晶分子とを含み、ポリマーの延出方向が偏光板の透過軸と直交する、技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-107229号公報
【文献】特開2019-174531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の目的は、輝度の均一性を向上することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、
表示装置は、第1透明基板と、前記第1透明基板の上において複数の画素の各々に配置された画素電極と、を備えた第1基板と、第2透明基板と、前記複数の画素に亘って配置された共通電極と、を備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、筋状のポリマー及び液晶分子を含む液晶層と、第1側面と、前記第1側面とは反対側の第2側面と、前記第1側面と前記第2側面とに交差し、かつ前記第1透明基板または前記第2透明基板に対向する側に位置する内面と、を有する第3透明基板と、前記内面に配置され、前記第3透明基板の屈折率よりも低い屈折率を有する透明層と、前記第1側面に沿って配置された発光素子と、を備え、前記透明層は、前記第1側面から前記第2側面に向かって延出した帯状部と、前記帯状部を囲む枠状に形成された枠状部と、を備え、前記帯状部は、前記枠状部から離間し、前記帯状部の前記第1側面の側の幅は、前記帯状部の前記第2側面の側の幅よりも大きい。
【発明の効果】
【0006】
実施形態によれば、輝度の均一性を向上することが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した画素PXの一例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した第1基板SUB1に配置される絶縁膜ILの一例を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した第1基板SUB1を含む表示パネルPNLの一例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示した表示装置DSPの主要部を示す分解斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示した導光素子LGと表示パネルPNLとが重なった状態を示す平面図である。
【
図7】
図7は、帯状部41の第1端部411を拡大した平面図である。
【
図8】
図8は、帯状部41の第2端部412を拡大した平面図である。
【
図9】
図9は、表示装置DSPの第2方向Yに沿った断面図である。
【
図10】
図10は、表示装置DSPの第1方向Xに沿った断面図である。
【
図11】
図11は、第1画素電極PE1を含む表示装置DSPの断面図である。
【
図12】
図12は、第2画素電極PE2を含む表示装置DSPの断面図である。
【
図13】
図13は、導光素子LGと第1基板SUB1の主要部とが重なった状態の他の構成例を示す平面図である。
【
図14】
図14は、入光部からの距離に対する輝度の関係を示す図である。
【
図15】
図15は、他の構成例における表示装置DSPの第2方向Yに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本実施形態においては、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面を見ることを平面視という。
【0010】
本実施形態においては、表示装置DSPの一例として、高分子分散型液晶を適用した液晶表示装置について説明する。表示装置DSPは、高分子分散液晶層(以下、単に液晶層LCと称する)を備えた表示パネルPNLと、配線基板1と、ICチップ2と、発光モジュール100と、を備えている。
【0011】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、シールSEと、を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、X-Y平面に沿った平板状に形成されている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、平面視で、重畳している。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シールSEによって接着されている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持され、シールSEによって封止されている。
【0012】
図1において拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32と、を含んでいる。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマー31は、第1方向Xに沿って延出した筋状に形成され、第2方向Yに並んでいる。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。ポリマー31及び液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。
【0013】
一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。液晶層LCに電圧が印加されていない状態(初期配向状態)では、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの光軸は互いにほぼ平行であり、液晶層LCに入射した光は、液晶層LCをほとんど透過する(透明状態)。液晶層LCに電圧が印加された状態では、液晶分子32の配向方向が変化し、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差する。このため、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。
【0014】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAと、を備えている。シールSEは、非表示部NDAに位置している。表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。
【0015】
図1において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素電極PEに対して共通に設けられている。画素電極PEの各々は、第3方向Zにおいて共通電極CEと対向している。液晶層LC(特に、液晶分子32)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0016】
後に説明するが、第1基板SUB1は、走査線G、信号線S、スイッチング素子SW、及び、画素電極PEを備え、第2基板SUB2は、共通電極CEを備えている。第1基板SUB1において、走査線G及び信号線Sは、配線基板1あるいはICチップ2と電気的に接続されている。
【0017】
第1基板SUB1は第1透明基板10を備え、第2基板SUB2は第2透明基板20を備えている。第1透明基板10は、第1方向Xに沿った側面101及び102と、第2方向Yに沿った側面103及び104と、を有している。第2透明基板20は、第1方向Xに沿った側面201及び202と、第2方向Yに沿った側面203及び204と、を有している。
図1に示す構成例では、平面視で、側面102及び202、側面103及び203、及び、側面104及び204は、それぞれ重畳しているが、重畳していなくてもよい。側面201は、平面視で、側面101と表示部DAとの間に位置している。第1基板SUB1は、側面101と側面201との間に延出部Exを有している。つまり、延出部Exは、第1基板SUB1のうち第2基板SUB2と重畳しない部分に相当する。
【0018】
図1に示す構成例では、表示パネルPNLは、第1方向Xに延びた長方形状に形成されている。つまり、側面101及び102、及び、側面201及び202は、表示パネルPNLの長辺に沿って形成された側面であり、側面103及び104、及び、側面203及び204は、表示パネルPNLの短辺に沿って形成された側面である。なお、表示パネルPNLは、第2方向Yに延びた長方形状に形成されてもよいし、正方形状に形成されてもよいし、他の多角形状、あるいは、円形状、楕円形状などの他の形状に形成されてもよい。
【0019】
配線基板1及びICチップ2は、延出部Exに実装されている。配線基板1は、例えば折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。ICチップ2は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。なお、ICチップ2は、配線基板1に実装されてもよい。
図1に示す構成例では、複数の配線基板1が適用されているが、単一の配線基板1が適用されてもよい。また、複数のICチップ2が適用されているが、単一のICチップ2が適用されてもよい。
【0020】
発光モジュール100の詳細については後述するが、発光モジュール100は、表示パネルPNLの側面(あるいは基板側面)に沿って配置されている。
図1に示す構成例では、発光モジュール100は、平面視で延出部Exに重畳し、第2透明基板20の側面201に沿って配置されている。
【0021】
なお、発光モジュール100は、表示パネルPNLの他の側面に沿って配置されてもよく、例えば、他の側面102及び202に沿って配置されてもよいし、他の側面103及び203に沿って配置されてもよいし、他の側面104及び204に沿って配置されてもよい。
また、発光モジュール100は、第1透明基板10及び第2透明基板20のいずれかの側面に向かって発光してもよいし、第1透明基板10及び第2透明基板20の双方の側面に向かって発光してもよいし、さらに他の基板(例えば後述する第3透明基板)の側面に向かって発光してもよい。但し、発光モジュール100が側面103または104に沿って配置される場合、液晶層LCのポリマー31は、第2方向Yに沿って延出した筋状に形成され、且つ、液晶分子32は、その長軸が第2方向Yに沿うように配向される。
また、表示装置DSPは、複数の発光モジュールを備えていてもよい。例えば、表示装置DSPは、
図1に示す発光モジュール100の他に、側面102及び202に沿って配置された他の発光モジュールを備えていてもよい。
【0022】
図2は、
図1に示した画素PXの一例を示す平面図である。第1基板SUB1は、複数の走査線Gと、複数の信号線Sと、スイッチング素子SWと、一点鎖線で示す画素電極PEと、を備えている。
【0023】
複数の走査線Gは、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。複数の信号線Sは、複数の走査線Gと交差し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。ここでは、走査線Gの延出方向を第1方向Xとし、信号線Sの延出方向を第2方向Yとする。本明細書において、画素PXとは、隣接する2本の走査線Gと、隣接する2本の信号線Sとで規定された領域に相当する。
【0024】
スイッチング素子SWは、走査線G及び信号線Sの交差部に配置されている。スイッチング素子SWは、半導体層SCを備えている。半導体層SCは、走査線Gと一体のゲート電極SWGに重畳している。信号線Sと一体のソース電極SWS、及び、ドレイン電極SWDは、それぞれ半導体層SCと電気的に接続されている。画素電極PEは、隣接する走査線Gの間、及び、隣接する信号線Sの間に配置されている。画素電極PEは、ドレイン電極SWDに重畳し、コンタクトホールCHを介してスイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0025】
図3は、
図2に示した第1基板SUB1に配置される絶縁膜ILの一例を示す平面図である。絶縁膜ILは、各画素PXにおいて、開口部OPを規定する格子状に形成されている。すなわち、絶縁膜ILは、第1方向Xに沿って延出した部分ILXと、第2方向Yに沿って延出した部分ILYと、を有している。絶縁膜ILは、走査線G、信号線S、及び、スイッチング素子SWにそれぞれ重畳している。一点鎖線で示す画素電極PEは、開口部OPに重畳するように配置されている。画素電極PEの周縁部は、部分ILX及び部分ILYに重畳している。絶縁膜ILは、例えば有機絶縁膜であるが、無機絶縁膜であってもよい。
【0026】
図4は、
図3に示した第1基板SUB1を含む表示パネルPNLの一例を示す断面図である。
図4は、
図3に示したA-B線に沿った断面図に相当する。
【0027】
第1基板SUB1は、第1透明基板10と、絶縁膜11及び12と、信号線Sと、絶縁膜ILと、容量電極Cと、画素電極PEと、配向膜AL1と、を備えている。絶縁膜11は、第1透明基板10の上に配置されている。なお、
図3等に示した走査線Gは、第1透明基板10と絶縁膜11との間に配置されている。信号線Sは、絶縁膜11の上に配置され、絶縁膜ILの部分ILYによって覆われている。容量電極Cは、開口部OPにおいて絶縁膜11の上に配置され、絶縁膜12によって覆われている。また、容量電極Cは、部分ILYの上に配置され、部分ILYを挟んで信号線Sと対向している。画素電極PEは、開口部OPにおいて絶縁膜12の上に配置され、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PEは、絶縁膜12を挟んで容量電極Cと対向し、画素PXの容量CSを形成している。なお、容量電極Cは、画素電極PEの一部に重畳する開口部を有していてもよい。
図2に示したコンタクトホールCHは、絶縁膜12を貫通するものである。配向膜AL1は、液晶層LCに接している。
【0028】
第2基板SUB2は、第2透明基板20と、共通電極CEと、配向膜AL2と、を備えている。共通電極CEは、第2透明基板20の第1基板SUB1と対向する側に配置され、配向膜AL2によって覆われている。なお、第2基板SUB2において、スイッチング素子SW、走査線G、及び、信号線Sの直上にそれぞれ遮光層が配置されてもよい。また、第2透明基板20と共通電極CEとの間、あるいは、共通電極CEと配向膜AL2との間に、透明な絶縁膜が配置されてもよい。共通電極CEは、液晶層LCを挟んで複数の画素電極PEと対向している。また、共通電極CEは、容量電極Cと電気的に接続されており、容量電極Cとは同電位である。配向膜AL2は、液晶層LCに接している。
液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に配置されている。
【0029】
第1透明基板10及び第2透明基板20は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板である。絶縁膜11は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な無機絶縁膜である。絶縁膜ILは、例えば、アクリル樹脂などの透明な有機絶縁膜である。絶縁膜12は、シリコン窒化物などの透明な無機絶縁膜である。容量電極C、画素電極PE、及び、共通電極CEは、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。配向膜AL1及びAL2は、例えば、X-Y平面に沿った配向規制力を有する水平配向膜である。一例では、配向膜AL1及びAL2は、第1方向Xに沿って配向処理されている。なお、配向処理とは、ラビング処理であってもよいし、光配向処理であってもよい。
【0030】
図5は、
図1に示した表示装置DSPの主要部を示す分解斜視図である。表示装置DSPは、点線で示す表示パネルPNLの他に、導光素子LGを備えている。導光素子LGは、第3透明基板30と、透明層40と、を備えている。導光素子LGは、第3方向Zにおいて表示パネルPNLに対向している。
【0031】
第3透明基板30は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板であり、屈折率n1を有している。一例では、第3透明基板30は、複数の基板を貼り合わせたものではなく、単一基板である。第3透明基板30は、内面30Aと、内面30Aの反対側の外面30Bと、側面301乃至304と、を有している。内面30A及び外面30Bは、X-Y平面とほぼ平行な面である。内面30Aは、表示パネルPNLと向かい合っている。側面301は第1側面に相当し、側面302は第1側面とは反対側の第2側面に相当する。内面30Aは、側面301及び側面302と交差している。
【0032】
図5に示す構成例では、第3透明基板30は、表示パネルPNLと同様に、第1方向Xに延びた長方形状に形成されている。つまり、側面301及び302は、第3透明基板30の長辺に沿って形成された側面であり、第1方向Xに延出している。また、側面303及び304は、第3透明基板30の短辺に沿って形成された側面であり、第2方向Yに延出している。
【0033】
透明層40は、内面30Aに配置されている。透明層40は、屈折率n2を有している。屈折率n2は、屈折率n1より低い(n1>n2)。透明層40は、第1方向Xに並んだ複数の帯状部41と、複数の帯状部41を囲む枠状部42と、を有している。
【0034】
帯状部41の各々は、第2方向Yに延出している。あるいは、帯状部41は、側面301の側から側面302の側に向かって先細るように延出している。つまり、帯状部41の第1方向Xに沿った幅Wに関して、側面301の側の幅W1は、側面302の側の幅W2より大きい(W1>W2)。このため、隣接する帯状部41の第1方向Xに沿った間隔Dに関して、側面301の側の間隔D1は、側面302の側の間隔D2より小さい(D2>D1)。隣接する帯状部41に関して、側面301の側では互いに接していてもよいし、離間していてもよい。
【0035】
枠状部42は、側面301乃至304に沿って連続的に延びた枠状に形成されている。なお、枠状部42の外縁42Aは、側面301乃至304よりも内側に位置している。
図5に示す構成例では、枠状部42の各部分の幅に関して、側面301に沿う部分の幅W11は、側面302に沿う部分の幅W12、側面303に沿う部分の幅W13、及び、側面304に沿う部分の幅W14の各々より大きい。幅W12乃至W14は、同等であってもよいし、互いに異なっていてもよい。なお、枠状部42の幅とは、各部分の延出方向に直交する方向の長さに相当する。
【0036】
帯状部41の各々は、枠状部42から離間している。隣接する帯状部41の間(特に側面302の側)、及び、帯状部41と枠状部42との間では、内面30Aが透明層40から露出している。
【0037】
第3透明基板30は、例えば、ガラスや、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)などの有機材料によって形成されている。透明層40は、例えば、シロキサン系樹脂や、フッ素系樹脂などの有機材料によって形成されている。第3透明基板30の屈折率n1は約1.5程度であり、透明層40の屈折率n2は1.0~1.4程度である。第3透明基板30は、後述する透明接着層ADにより、透明層40を挟んで表示パネルPNL(第1透明基板10または第2透明基板20)に接着される。
【0038】
発光モジュール100は、複数の発光素子LDと、配線基板Fと、を備えている。発光素子LDは、それぞれ配線基板Fに電気的に接続されている。複数の発光素子LDは、第1方向Xに沿って間隔をおいて並び、第2方向Yにおいて側面301と向かい合っている。発光素子LDは、例えば、発光ダイオードである。発光素子LDは、詳述しないが、赤発光部、緑発光部、及び、青発光部を備えている。発光素子LDは、側面301に向かって発光し、出射された光は、第2方向Yを示す矢印の向きに沿って進行する。
【0039】
図6は、
図5に示した導光素子LGと表示パネルPNLとが重なった状態を示す平面図である。ここでは、表示パネルPNLのうち、第1基板SUB1の主要部を図示している。
【0040】
帯状部41は、側面301の側の第1端部411と、側面302の側の第2端部412と、エッジ413及び414と、を有している。第1端部411は、第1方向Xに延出している。エッジ413及び414は、第1方向X及び第2方向Yとは異なる方向に延出している。
図6に示す構成例では、帯状部41は、第1端部411を底辺とし、第2端部412を頂点とし、エッジ413及び414を斜辺とする三角形状に形成されている。第1方向Xに並んだ複数の帯状部41は、それぞれ同様の三角形状に形成されている。隣接する帯状部41の第1端部411は接しているが、離間していてもよい。
【0041】
なお、エッジ413及び414は、直線状に形成されてもよいし、曲線状に形成されてもよい。また、帯状部41は、三角形状に限らず、他の多角形状に形成されてもよい。
【0042】
ここで、導光素子LGと表示パネルPNLとが重なった状態において、特に、第1基板SUB1の主要部と透明層40の各部との関係に着目する。平面視において、複数の帯状部41は表示部DAに重なり、枠状部42は非表示部NDAに重なっている。
【0043】
第1基板SUB1は、枠状部42で囲まれた内側において、複数の走査線Gと、複数の画素電極PEと、を備えている。複数の走査線Gは、第2方向Yにおいて、一定の間隔をおいて並んでいる。複数の画素電極PEは、第1方向X及び第2方向Yにおいて、それぞれ一定の間隔をおいて並んでいる。
【0044】
複数の走査線Gは、側面301の側において枠状部42に最も近接する第1走査線G1と、側面302の側において枠状部42に最も近接する第2走査線G2と、第1走査線G1に隣接する走査線G3と、第2走査線G2に隣接する走査線G4と、を有している。複数の画素電極PEは、側面301の側において枠状部42に最も近接する第1画素電極PE1と、側面302の側において枠状部42に最も近接する第2画素電極PE2と、を有している。
【0045】
第1画素電極PE1は、第1走査線G1と走査線G3との間に位置している。第2画素電極PE2は、走査線G4と第2走査線G2との間に位置している。第1走査線G1は、側面301の側において枠状部42と第1画素電極PE1との間に位置している。第2走査線G2は、側面302の側において第2画素電極PE2と枠状部42との間に位置している。
【0046】
なお、第1走査線G1及び第2走査線G2のいずれか一方は、表示部DAに位置するスイッチング素子の制御に関与しないダミー線の場合があり得る。例えば、第1走査線G1が第1画素電極PE1を制御するスイッチング素子と電気的に接続されている場合、第2画素電極PE2を制御するスイッチング素子は、走査線G4と電気的に接続され、第2走査線G2はダミー線に相当する。
【0047】
帯状部41の各々は、複数の走査線G及び複数の画素電極PEと交差している。画素電極PEの各々は、隣接する2つの帯状部41に重なっている。換言すると、1つの帯状部41は、第1方向Xに隣接する2つの画素電極PEに跨って配置されている。また、画素電極PEの各々は、透明層40が存在しない透明層40の開口部40Aに重なっている。開口部40Aとは、隣接する帯状部41の隙間、あるいは、内面30Aのうち透明層40から露出した領域に相当する。
【0048】
表示部DAにおいて、第1画素電極PE1及び第2画素電極PE2に着目する。第1画素電極PE1が帯状部41に重なる面積は、第2画素電極PE2が帯状部41に重なる面積より大きい。また、第1画素電極PE1が開口部40Aに重なる面積は、第2画素電極PE2が開口部40Aに重なる面積より小さい。後述するが、帯状部41を含む透明層40に重なる領域は発光素子LDからの光がほとんど入射しない領域に相当し、開口部40Aに重なる領域は発光素子LDからの光が入射可能な領域に相当する。
【0049】
図7は、帯状部41の第1端部411を拡大した平面図である。第1端部411は、第1走査線G1に重なっている。すなわち、第1走査線G1は、第1方向Xに沿ったエッジG1A及びG1Bを有している。第1走査線G1の中心線G1Cは、エッジG1A及びエッジG1Bの各々から等距離に位置している。第1方向Xに延出する第1端部411は、エッジG1AとエッジG1Bとの間に位置している。また、第1端部411は、中心線G1Cに重なる場合もあり得る。
第2方向Yにおいて、第1端部411と枠状部42との間隔D11は、隣接する走査線G1及びG3の間隔D10より小さい。
【0050】
図8は、帯状部41の第2端部412を拡大した平面図である。第2端部412は、第2走査線G2に重なっている。すなわち、第2走査線G2は、第1方向Xに沿ったエッジG2A及びG2Bを有している。第2走査線G2の中心線G2Cは、エッジG2A及びエッジG2Bの各々から等距離に位置している。第2端部412は、エッジG2AとエッジG2Bとの間に位置している。また、第2端部412は、中心線G2Cに重なる場合もあり得る。なお、第2端部412は、走査線G4に重なっていてもよい。
第2方向Yにおいて、第2端部412と枠状部42との間隔D12は、隣接する走査線G2及びG4の間隔D10より小さい。
【0051】
図9は、表示装置DSPの第2方向Yに沿った断面図である。
図9は、
図6に示したC-D線に沿った断面図に相当する。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを図示している。
【0052】
図9に示す構成例は、第3透明基板30が透明接着層ADにより第2透明基板20に接着された例に相当する。つまり、内面30Aは、第3方向Zにおいて第2透明基板20に対向している。帯状部41及び枠状部42を含む透明層40は、第2透明基板20と第3透明基板30との間に位置し、内面30Aに接している。透明接着層ADは、第2透明基板20のほぼ全面に接し、また、透明層40を覆っている。枠状部42の外縁42Aと側面301との間、外縁42Aと側面302との間、及び、帯状部41と枠状部42との間においては、透明接着層ADは、内面30Aに接している。
【0053】
シールSEは、第3方向Zにおいて枠状部42に重なっている。第2透明基板20は、第2方向Yにおいて、シールSEから側面301に向かって延出した第1部分211と、シールSEから側面302に向かって延出した第2部分212と、を有している。側面301は、側面201の直上に位置している。第1部分211は、第2透明基板20のうち、側面201とシールSEとの間の領域に相当する。側面302は、側面102及び202の直上に位置している。第2部分212は、第2透明基板20のうち、側面202とシールSEとの間の領域に相当する。
【0054】
側面301の側においては、枠状部42は、液晶層LC、シールSE、及び、第1部分211に重なっている。また、外縁42Aと側面301との間の透明接着層ADは、第1部分211に重なっている。第1部分211と第1透明基板10との間には空気層が介在している。
【0055】
側面302の側においては、枠状部42は、第2部分212に重なることなく、液晶層LC及びシールSEに重なっている。また、外縁42Aと側面302との間の透明接着層ADは、第2部分212に重なっている。第2部分212と第1透明基板10との間には空気層が介在している。
【0056】
表示部DAでは、複数の画素電極PE、液晶層LC、及び、共通電極CEは、第3方向Zおいて帯状部41に重なっている。非表示部NDAには、表示に寄与しないダミーの画素電極が配置される場合があるが、図示を省略している。
【0057】
第1透明基板10、第2透明基板20、及び、透明接着層ADの各々の屈折率は、第3透明基板30の屈折率n1と同等であり、透明層40の屈折率n2より高い。なお、ここでの「同等」とは、屈折率差がゼロの場合に限らず、屈折率差が0.03以下の場合を含む。
【0058】
発光モジュール100において、発光素子LDは、第2方向Yにおいて側面301と対向している。
図9に示す構成例では、発光素子LDは、側面201と対向することなく側面301と対向しているが、側面201及び側面301の双方と対向していてもよい。
【0059】
次に、
図9を参照しながら、発光素子LDからの出射光について説明する。
発光素子LDは、側面301に向けて光L1を出射する。発光素子LDと側面301との間に空気層が存在するため、発光素子LDから出射された光L1は、側面301で屈折し、第3透明基板30に入射する。第3透明基板30に入射した光L1のうち、第3透明基板30から透明層40に向かって進行する光は、第3透明基板30と透明層40との界面で反射される。また、第3透明基板30に入射した光L1のうち、外面30Bに向かって進行する光は、第3透明基板30と空気層との界面で反射される。
このように、光L1は、透明層40が存在する領域では、繰り返し反射されながら第3透明基板30の内部を進行する。
【0060】
進行する光L1のうち、透明層40が存在しない領域(
図6に示した開口部40A)、つまり、第3透明基板30と透明接着層ADとが接する領域に向かって進行する光は、第3透明基板30の内面30Aから出射し、透明接着層ADを介して第2透明基板20を透過する。つまり、このような光L1の一部は、表示パネルPNLに入射する。
【0061】
発光素子LDに近接した領域(側面301の側)においては、発光素子LDからの光L1の表示パネルPNLへの入射が抑制される一方で、発光素子LDから離間した領域(側面302の側)においては、光L1の表示パネルPNLへの入射が促進される。なお、発光素子LDに近接した領域においては、光L1が表示パネルPNLに全く入射しないわけではなく、
図6に示したように、隣接する帯状部41の隙間から光L1が表示パネルPNLに入射可能である。
【0062】
表示パネルPNLに入射した光L1は、透明状態の画素(画素電極PEと共通電極CEとの間の電位差がしきい値未満である画素)を透過し、散乱状態の画素(画素電極PEと共通電極CEとの間の電位差がしきい値以上である画素)で散乱される。
【0063】
このように第2透明基板20に導光素子LGが接着された表示装置DSPにおいては、第1透明基板10の側から観察可能であるとともに、第3透明基板30の側からも観察可能である。また、表示装置DSPは、いわゆる透明ディスプレイであり、第1透明基板10の側から観察した場合であっても、第3透明基板30の側から観察した場合であっても、表示装置DSPを介して、表示装置DSPの背景を観察可能である。
【0064】
図10は、表示装置DSPの第1方向Xに沿った断面図である。
図10は、
図6に示したE-F線に沿った断面図に相当する。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを図示している。
シールSEは、第3方向Zにおいて枠状部42に重なっている。第2透明基板20は、第1方向Xにおいて、シールSEから側面303に向かって延出した第3部分213と、シールSEから側面304に向かって延出した第4部分214と、を有している。側面303は、側面103及び203の直上に位置している。第3部分213は、第2透明基板20のうち、側面203とシールSEとの間の領域に相当する。側面304は、側面104及び204の直上に位置している。第4部分214は、第2透明基板20のうち、側面204とシールSEとの間の領域に相当する。
【0065】
側面303の側においては、枠状部42は、第3部分213に重なることなく、液晶層LC及びシールSEに重なっている。また、外縁42Aと側面303との間の透明接着層ADは、第3部分213に重なっている。第3部分213と第1透明基板10との間には空気層が介在している。
【0066】
側面304の側においては、枠状部42は、第4部分214に重なることなく、液晶層LC及びシールSEに重なっている。また、外縁42Aと側面304との間の透明接着層ADは、第4部分214に重なっている。第4部分214と第1透明基板10との間には空気層が介在している。
【0067】
ここで、発光素子LDからの光L1に関して、表示パネルPNLへの入射の抑制、及び、入射の促進について
図11及び
図12を参照しながら説明する。
【0068】
図11は、第1画素電極PE1を含む表示装置DSPの断面図である。
図11は、
図6に示したG-H線に沿った断面図に相当する。
第1画素電極PE1は、第3方向Zにおいて2つの帯状部41と重なっている。また、第1画素電極PE1は、第3方向Zにおいて開口部40Aと重なっている。開口部40Aは、第1方向Xに沿った幅W21を有している。幅W21は、隣接する帯状部41の間隔に相当する。
【0069】
図12は、第2画素電極PE2を含む表示装置DSPの断面図である。
図12は、
図6に示したI-J線に沿った断面図に相当する。
第2画素電極PE2は、第3方向Zにおいて2つの帯状部41と重なっている。また、第2画素電極PE2は、第3方向Zにおいて開口部40Aと重なっている。開口部40Aは、第1方向Xに沿った幅W22を有している。幅W22は、幅W21より大きい。換言すると、第2画素電極PE2に重なる帯状部41の面積は、第1画素電極PE1に重なる帯状部41の面積より小さい。
【0070】
第3透明基板30を第2方向Yに沿って伝播する光L1は、上記の通り、第3透明基板30と透明層40との界面で全反射され、開口部40Aにおいて液晶層LCに入射可能となる。このため、比較的小さな開口部40Aと第1画素電極PE1との間の液晶層LCへの光L1の入射が抑制され、比較的大きな開口部40Aと第2画素電極PE2との間の液晶層LCへの光L1の入射が促進される。
【0071】
ここで、第1画素電極PE1の上の液晶層LCに入射する光L1の照明光量と、第2画素電極PE2の上の液晶層LCに入射する光L1の照明光量とを比較する。発光素子LDに近接した領域における光L1の輝度を第1輝度と称し、発光素子LDから離間した領域における光L1の輝度を第2輝度と称する。発光素子LDからの光L1は発光素子LDから離間するにしたがって減衰するため、第2輝度は第1輝度より低い。
【0072】
上記の通り、第1画素電極PE1と透明層40とが重なる面積は、第2画素電極PE2と透明層40とが重なる面積より大きい。つまり、光L1が第1画素電極PE1の上に入射可能な開口部40Aの面積は、光L1が第2画素電極PE2の上に入射可能な開口部40Aの面積より小さい。一方で、第1画素電極PE1の上に入射可能な光L1の第1輝度は、第2画素電極PE2に入射可能な光L1の第2輝度より高い。このため、第1画素電極PE1及び第2画素電極PE2における照明光量を同等化することができる。
【0073】
このように、本実施形態によれば、側面301に近接する領域では、画素電極PEに重なる透明層40の面積が大きく、表示パネルPNLへの入射が抑制される。一方で、側面302の近接する領域では、画素電極PEに重なる透明層40の面積が小さく、表示パネルPNLへの光L1の入射が促進される。
【0074】
また、表示部DAにおいて、第2方向Yに並んだ画素電極PEの各々と透明層40とが重なる面積は、光L1の輝度が第2方向Yに沿って低下するのに合わせて最適化されている。したがって、表示部DAのほぼ全域に亘って、一画素電極PEあたりの照明光量を均一化することができる。つまり、表示装置DSPの面内での輝度の均一性を向上することができる。これにより、照明光のムラに起因した表示品位の低下を抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、透明層40のうち、帯状部41は、枠状部42から離間している。このため、透明層40をパターニングする際、帯状部41の各々を所望の形状に加工しやすくなる。また、帯状部41の形状のばらつきに起因した輝度ムラの発生を抑制することができる。
【0076】
さらに、本実施形態によれば、枠状部42の外縁42Aは、第3透明基板30の側面301乃至304の各々よりも内側に位置している。このため、透明層40をパターニングした後に、第3透明基板30をカットする際、透明層40の影響を受けずに、スムースにカットすることができる。
【0077】
また、外縁42Aと側面301乃至304との間には、透明接着層ADが存在するもの、透明層40が存在しない。しかしながら、このような透明層40が存在しない領域においては、第1透明基板10と第2透明基板20と間に空気層が介在している。このため、透明接着層ADを透過して第2透明基板20に到達した光L1は、第2透明基板20と空気層との界面で反射される。つまり、光L1の外部への漏れ出しを抑制することができ、光の損失が抑制される。
【0078】
また、本実施形態によれば、透明層40のうち、枠状部42が非表示部NDAに配置されているため、光L1が非表示部NDAに位置する各種配線やシールに向かって入射するのを抑制することができる。このため、非表示部NDAでの不所望な散乱や、不所望な吸収による光の損失が抑制される。
【0079】
図13は、導光素子LGと第1基板SUB1の主要部とが重なった状態の他の構成例を示す平面図である。
図13に示す構成例は、
図6に示した構成例と比較して、帯状部41の各々が台形状に形成された点で相違している。すなわち、第1端部411及び第2端部412の各々は、第1方向Xに延出している。第1端部411が台形の下底に相当し、第2端部412が台形の上底に相当する。このような構成例においても、上記の構成例と同様の効果が得られる。
【0080】
図14は、入光部からの距離に対する輝度の関係を示す図である。図の横軸は、入光部である側面301からの第2方向Yに沿った距離を示している。図の縦軸は、全画素PXを散乱状態に設定した場合の散乱輝度を示している。
【0081】
図中のRefで示す線は、透明層40を備えていない導光素子LGを適用した比較例に相当する。側面301の近傍において、輝度のピークが出現し、側面301から離れるにしたがって急激に輝度が低下している。側面301の近傍と、側面302の近傍とでは、大きな輝度差が生じていることが確認された。
【0082】
図中のAで示す線は、
図6に示したような三角形状の帯状部41を備えた導光素子LGを適用した構成例に相当する。図中のBで示す線は、
図13に示したような台形状の帯状部41を備えた導光素子LGを適用した構成例に相当する。いずれの場合も、側面301の近傍に大きな輝度のピークは出現せず、また、急激な輝度の低下も抑制されている。そして、側面301の近傍と、側面302の近傍との輝度差は、比較例より低減されていることが確認された。
【0083】
図15は、他の構成例における表示装置DSPの第2方向Yに沿った断面図である。
図15は、
図6に示したC-D線に沿った断面図に相当する。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを図示している。
【0084】
図15に示す構成例は、第3透明基板30が透明接着層ADにより第1透明基板10に接着された例に相当する。つまり、内面30Aは、第3方向Zにおいて第1透明基板10に対向している。帯状部41及び枠状部42を含む透明層40は、第1透明基板10と第3透明基板30との間に位置し、内面30Aに接している。透明接着層ADは、第1透明基板10のほぼ全面に接し、また、透明層40を覆っている。枠状部42の外縁42Aと側面301との間、外縁42Aと側面302との間、及び、帯状部41と枠状部42との間においては、透明接着層ADは、内面30Aに接している。
【0085】
このように第1透明基板10に導光素子LGが接着された表示装置DSPにおいては、第2透明基板20の側から観察可能であるとともに、第3透明基板30の側からも観察可能である。また、表示装置DSPは、第2透明基板20の側から観察した場合であっても、第3透明基板30の側から観察した場合であっても、表示装置DSPを介して、表示装置DSPの背景を観察可能である。
【0086】
このような構成例においても、上記の構成例と同様の効果が得られる。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によれば、輝度の均一性を向上することが可能な表示装置を提供することができる。
【0088】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル
DA…表示部 NDA…非表示部 PX…画素
SUB1…第1基板 PE…画素電極 SUB2…第2基板 CE…共通電極
LC…液晶層 31…ポリマー 32…液晶分子
LG…導光素子 AD…透明接着層
10…第1透明基板 20…第2透明基板 30…第3透明基板
30A…内面 301乃至304…側面
40…透明層 41…帯状部 411…第1端部 412…第2端部
42…枠状部 42A…外縁
100…発光モジュール LD…発光素子