(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】放射線撮影装置
(51)【国際特許分類】
G01T 7/00 20060101AFI20240408BHJP
A61B 6/42 20240101ALI20240408BHJP
【FI】
G01T7/00 A
A61B6/42 500S
A61B6/42 500W
(21)【出願番号】P 2023019141
(22)【出願日】2023-02-10
(62)【分割の表示】P 2022041003の分割
【原出願日】2018-03-20
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正隆
(72)【発明者】
【氏名】竹内 敦史
(72)【発明者】
【氏名】近藤 弘人
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 七平
(72)【発明者】
【氏名】中山 明哉
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勝志
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-178308(JP,A)
【文献】特開2010-014531(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0301803(US,A1)
【文献】特許第7043305(JP,B2)
【文献】特許第7230256(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00-7/12
A61B 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を検出する放射線検出センサと、
前記放射線検出センサを収容する筐体と、を有する放射線撮影装置であって、
前記筐体は、窓部を有し、
前記窓部の外側面に直交する方向で見た場合に、該放射線撮影装置の状態を示す光源およびワイヤレスデータ送信部のうち少なくとも何れかと、ワイヤレス受電部とが前記窓部と重なり合う位置に配置されていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項2】
放射線に基づき放射線画像を取得するための放射線撮影装置であって、
放射線を検出する放射線検出センサと、
前記放射線撮影装置の状態を示す光源と、
無線給電を受け付けるための無線受電部と、
前記放射線検出センサと前記光源と前記無線受電部とを収容する筐体と、を有し、
前記筐体は、開口部を有する導電性の第1の筐体部と、前記開口部を覆う非導電性の
透過部とを有し、
前記
透過部の外側面に直交する方向で見た場合に、前記光源および前記無線受電部は前記
透過部と重なり合う位置に配置されていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項3】
放射線に基づき放射線画像を取得するための放射線撮影装置であって、
放射線を検出する放射線検出センサと、
外部装置と通信するための無線通信部と、
無線給電を受け付けるための無線受電部と、
前記放射線検出センサと前記無線通信部と前記無線受電部とを収容する筐体と、を有し、
前記筐体は、開口部を有する導電性の第1の筐体部と、前記開口部を覆う非導電性の
透過部とを有し、
前記
透過部の外側面に直交する方向で見た場合に、前記無線通信部および前記無線受電部は前記
透過部と重なり合う位置に配置されていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項4】
放射線に基づき放射線画像を取得するための放射線撮影装置であって、
放射線を検出する放射線検出センサと、
前記放射線検出センサを支持する基台と、
前記放射線撮影装置の状態を示す光源と、
無線給電を受け付けるための無線受電部と、
前記放射線検出センサと前記基台と前記光源と前記無線受電部とを収容する筐体と、を有し、
前記筐体は、開口部を有する導電性の第1の筐体部と、前記開口部を覆う非導電性の
透過部とを有し、
前記光源および前記無線受電部は、前記
透過部と前記基台の間に配置されていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記放射線を前記放射線検出センサに入射させるための入射部と、前記入射部の反対側に位置する底部と、を有する形状であり、
前記
透過部は、前記底部の一部を構成することを特徴とする請求項2乃至
4のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項6】
前記筐体は、前記放射線を放射線検出センサに入射させるための入射部と、前記入射部の反対側に位置する底部と、前記入射部と前記底部をつなぐ側部とを有する形状であり、
前記
透過部は、前記底部の一部と前記側部の一部をまたがる領域を構成することを特徴とする請求項2乃至
4のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項7】
前記筐体は、前記放射線を放射線検出センサに入射させるための入射部と、前記入射部の反対側に位置して且つ前記放射線撮影装置を設置する設置面の側に位置する底部と、を有する形状であり、
前記
透過部は、前記放射線撮影装置が前記設置面に設置された状態において前記設置面に対して間隔をあけて対向する領域を構成することを特徴とする請求項2乃至
4のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項8】
前記
透過部は、単一の部材で構成されることを特徴とする請求項2乃至
7のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項9】
前記
透過部の少なくとも一部は光透過性を有することを特徴とする請求項2乃至
8のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項10】
前記第1の筐体部の少なくとも一部は、炭素繊維強化プラスチックで構成されることを特徴とする請求項2乃至
9のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項11】
前記第1の筐体部の少なくとも一部は、マグネシウムおよびアルミニウムのいずれか一方の単体部材またはマグネシウムおよびアルミニウムのいずれか一方を含む合金部材で構成されることを特徴とする請求項2乃至
9のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項12】
前記無線受電部が電力を受電するときに用いる周波数帯域と、前記無線通信部が通信するときに用いる周波数帯域とは異なる周波数帯域であることを特徴とする請求項3
に記載の放射線撮影装置。
【請求項13】
前記
透過部を構成する少なくとも1つの部材は前記第1の筐体部を構成する少なくとも1つの部材に対して、接着剤による接着、テープによる接合、ビスによる締結、または一体成型されていることを特徴とする請求項2乃至
12のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物を透過した放射線の強度分布を検出して放射線画像を得る放射線撮影装置が、工業用の非破壊検査や医療診断の場で広く一般に利用されている。
特許文献1には、放射線センサパネルや電気基板に必要な電力を得ると共に、防水や漏電の防止を実現するためにワイヤレスで受電を行う放射線撮影装置が開示されている。
特許文献2には、ワイヤレス充電と共に、ワイヤレスでのデータ転送を実施するワイヤレス受給電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-166691号公報
【文献】特開2014-068471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放射線撮影装置は、撮影するとき等に衝撃力や外力が負荷されることが想定される。したがって、強度を向上させるために、放射線撮影装置の筐体はアルミニウムやマグネシウム等の金属合金やCFRP等により形成される場合がある。金属合金やCFRPは導電性を有することから、ワイヤレスでのデータ転送や充電に用いる電磁波を遮蔽してしまい、転送効率が低下してしまう。そのため、ワイヤレスでデータ転送や充電を実施する場合には、筐体の一部を非導電性の材料で構成した窓部を設ける必要がある。また、金属合金やCFRPは光透過性がないために、LED等の光源によるインジケータを配置する場合にも、筐体の一部を光透過性のある材料で構成した窓部を設ける必要がある。このような窓部を多く配置すると、筐体に穴が複数設けられてしまい、不連続な強度面が多く発生してしまい、放射線撮影装置の強度が低下してしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、放射線撮影装置の強度の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、放射線を検出する放射線検出センサと、前記放射線検出センサを収容する筐体と、を有する放射線撮影装置であって、前記筐体は、窓部を有し、前記窓部の外側面に直交する方向で見た場合に、該放射線撮影装置の状態を示す光源およびワイヤレスデータ送信部のうち少なくとも何れかと、ワイヤレス受電部とが前記窓部と重なり合う位置に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、放射線撮影装置の強度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態の放射線撮影装置の一例を示す外観図である。
【
図3】第1の実施形態の変形例である放射線撮影装置の一例を示す外観図である。
【
図4】変形例である放射線撮影装置の一例を示す断面図である。
【
図5】第2の実施形態の放射線撮影装置の一例を示す断面図である。
【
図6】第3の実施形態の放射線撮影装置の一例を示す外観図である。
【
図8】放射線撮影システムの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。ただし、各実施形態に示す寸法や構造の詳細は、本文および図中に示す限りではない。また、以下で述べる放射線とは、X線に限られず、α線、β線、γ線、粒子線、宇宙線等も含まれるものとする。
【0010】
(第1の実施形態)
図1から
図4を用いて、第1の実施形態における放射線撮影装置100について説明する。
図1(a)は、放射線の入射方向から見た放射線撮影装置100の一例を示す外観図である。
図1(b)は、
図1(a)の反対側から見た放射線撮影装置100の一例を示す外観図である。
図2(a)は、
図1(a)におけるI-I線に沿って切断した断面を矢印方向から見た断面図である。
図2(b)は、ワイヤレス受電部8とLED9を
図2(a)の矢印Ar1方向から見たときの外観図である。
図2(c)は、
図2(a)のうちLED9の周辺を拡大した拡大図である。
【0011】
放射線撮影装置100は、放射線発生装置(不図示)によって照射され、被写体を透過した放射線に応じた放射線画像を取得する。放射線撮影装置100は、取得した放射線画像データを、外部装置に転送したり、外部の表示装置等に表示したりする。
放射線撮影装置100は、放射線検出パネル1、制御基板2、二次電池4、支持基台5、緩衝材6、筐体7、ワイヤレス受電部8、LED9、アンテナ10等を有する。
【0012】
放射線検出パネル1は入射した放射線を画像信号に変換する。放射線検出パネル1は、放射線の入射される側が検出面である。放射線検出パネル1は、ガラス基板上に複数の光電変換素子が二次元状に配置されたセンサ基板1aと、センサ基板1a上に配置された蛍光体層1bと、蛍光体層1b上に配置された蛍光体保護膜1cとを有する。センサ基板1a上に配置される複数の光電変換素子は、MIS型、PIN型の可視光を検出し得る変換素子が用いられる。蛍光体保護膜1cは、蛍光体層1bを保護する。蛍光体保護膜1cは、防湿性が比較的高い材料が用いられる。
【0013】
放射線検出パネル1は、入射した放射線を放射線画像として画像化が可能な有効撮影領域を有する。また、放射線検出パネル1は、放射線の入射方向から見て、複数の光電変換素子が配置された平面上の全ての領域、あるいは、その一部の領域が有効撮影領域として設定される。
上述の構成により、放射線検出パネル1は、入射した放射線によって蛍光体層1bが発光し、当該発光した光をセンサ基板1a上に配置された光電変換素子が電気信号に変換する。ただし、放射線検出パネル1は、蛍光体層1bと光電変換素子の代わりに、放射線を直接、電気信号に変換する直接変換型の変換素子を用いてもよい。
また、放射線検出パネル1は、フレキシブル回路基板3を介して、制御基板2と電気的に接続されている。
【0014】
制御基板2は、放射線検出パネル1によって変換された電気信号を読み出し、読み出した電気信号を処理する。制御基板2は、当該電気信号をデジタル信号に変換することで放射線画像データを取得する。制御基板2は、制御部の一例に対応する。
二次電池4は、放射線検出パネル1および制御基板2の動作に用いる電力を供給する。二次電池4はバッテリとしての機能を有する。二次電池4は、例えば、リチウムイオン電池、電気二重層コンデンサ、全固体電池等が用いられる。
【0015】
支持基台5は、筐体7内で放射線撮影装置100の構成部品を支持する。支持基台5は、基板支持部51と、脚部52とを有する。基板支持部51は、例えば平板状に形成され、放射線の入射面側で放射線検出パネル1を支持する。また、基板支持部51は、放射線検出パネル1を支持する面とは反対側の面で制御基板2および二次電池4等を支持する。脚部52は、放射線検出パネル1を支持する面とは反対側の面から延出し、筐体7に接合される。
緩衝材6は、放射線検出パネル1を外力から保護する。緩衝材6は、放射線検出パネル1の検出面と筐体7との間に配置される。
【0016】
筐体7は、放射線撮影装置100の構成部品を収容する。
筐体7は、略直方体であって、放射線の入射方向から見て長辺と短辺とを有する略矩形状である。筐体7は、放射線が入射する入射部71と、放射線検出パネル1を挟んで入射部71の反対側に位置する底部72と、入射部71と底部72とを接続する複数(例えば4つ)の側部73とを有する。筐体7は、例えば、底部72および側部73を一体とし、別体の入射部71を接合することで構成することができる。
【0017】
入射部71は、放射線が入射される。入射部71は、外部に露出する表面(外側面)が略平らな略板状である。入射部71は、放射線を入射させるため、放射線の透過率が比較的高いことが好ましい。更に、入射部71は、重量が軽く、かつ衝撃に対して一定の強度を確保できることが好ましい。入射部71は、例えば、樹脂材料やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)等が用いられる。
入射部71の表面には、有効撮影領域の中心部や有効撮影領域の範囲を示すための指標711が表記される。指標711は塗装あるいは印刷処理によって形成される。ユーザは指標711を視認することで、有効撮影領域の中心部や有効撮影領域を容易に認識することができる。なお、指標711は、ユーザが有効撮影領域の中心部や有効撮影領域の範囲を認識できればよく、例えば、放射線検出パネル1の方向に窪んだ段差等であってもよい。
【0018】
底部72は、入射部71の反対側から放射線撮影装置100の構成部品を覆う。底部72は、外部に露出する表面(外側面)が略平らな略板状である。底部72は、入射部71に対して略平行である。
側部73は、側方から放射線撮影装置100の構成部品を覆う。側部73は、外部に露出する表面(外側面)が略平らな略板状である。側部73は、入射部71および底部72に対して略直交している。
底部72および側部73は、落下や衝撃等に対する強度、運搬時の負担軽減を目的とした軽量化、および、操作性の高さが確保されていることが好ましい。底部72および側部73は、例えば、マグネシウムやアルミニウム等の金属合金、CFRPや繊維強化樹脂等が用いられる。なお、底部72および側部73は、筐体7の外部から受けるノイズを効果的に低減するためにSUS430等の透磁率が比較的高い材料を用いてもよい。
【0019】
ワイヤレス受電部8は、ワイヤレスで送電される電力を受電することで、二次電池4を充電する。すなわち、二次電池4を適切に充電し、撮影時に十分な電力量を保持しておくことで、ユーザは円滑に放射線撮影を行うことができる。ワイヤレス受電部8は、制御基板2によって電力の受電が制御される。
LED9は、放射線撮影装置100の状態を示すインジケータとして機能する。例えば、LED9は、放射線撮影装置100が起動している状態や動作の状態をユーザに示すために光を発する。また、LED9は、光源の一例である。
アンテナ10は、ワイヤレスで外部装置との間でデータを送受信する。アンテナ10は、制御基板2によって外部装置との間のデータの送受信が制御される。アンテナ10は、ワイヤレス送受信部あるいはワイヤレスデータ送信部の一例である。
【0020】
ここで、筐体7を導電性の材料で構成した場合、ワイヤレス受電部8による電力の受電の効率、アンテナ10によるデータの転送の効率が低下してしまう。また、筐体7を光透過性のない材料で構成した場合、ユーザがLED9の光を認識できない。したがって、筐体7に窓部を設けて、データ、電力および光を伝達させる効率を向上させることが考えられる。一方、窓部は筐体7の一部に穴を設ける必要があることから、放射線撮影装置100の構造が不連続となり、窓部の近辺に応力集中が発生しやすい。また、筐体7自体の剛性が低下してしまうために、放射線撮影装置100の強度が低下してしまう。放射線撮影装置100は撮影するとき等に衝撃力や外力が負荷されることが想定されるため、破損しないような十分な強度が求められる。
【0021】
本実施形態の筐体7は、窓部による強度の低下を抑制する構成を有する。
図1および
図2に示すように、筐体7は、2つの窓部11A、11Bを有する。窓部11A、11Bは、矩形状の筐体7の4つの角部のうち一つの角部に近接して配置される。具体的には、窓部11Aは底部72に配置され、窓部11Bは短辺側の側部73に配置される。窓部11Aと窓部11Bとは、筐体7の短辺の辺に沿った方向において同一の位置あるいは筐体7の短辺の辺に沿った方向において重なり合う位置に配置される。窓部11Aは、底部72に連続し、底部72に略平行な略板状である。また、窓部11Bは、側部73に連続し、側部73に略平行な略板状である。
【0022】
図2(a)、(c)に示すように、窓部11Aの内側には、ワイヤレス受電部8、LED9、および、アンテナ10が配置される。
図2(a)に示す矢印Ar1方向から見ると、窓部11Aに対して、ワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10が重なり合って配置される。すなわち、窓部11Aの外側面に対して直交する方向から見ると、窓部11Aに対してワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10が重なり合って配置される。具体的には、窓部11Aの内側面に沿ってワイヤレス受電部8とLED9とが配置され、窓部11Aの内側面から離れた位置にアンテナ10が配置される。したがって、窓部11Aは、ワイヤレス受電部8により電力を受電するための窓部、LED9の光を透過させるための窓部、および、アンテナ10によりデータを転送するための窓部の機能を担っている。特に、窓部11Aは、内側面に接してワイヤレス受電部8とLED9とが配置されていることから、主にワイヤレス受電部8およびLED9のための窓部として機能する。
一方、窓部11Bの内側には、アンテナ10が配置される。
図2(a)に示す矢印Ar2方向から見ると、窓部11Bに対して、アンテナ10が重なり合って配置される。すなわち、窓部11Bの外側面に対して直交する方向から見ると、窓部11Bに対してアンテナ10が重なり合って配置される。具体的には、窓部11Bの内側面から離れた位置にアンテナ10が配置される。したがって、窓部11Bは、アンテナ10によりデータを転送するための窓部の機能を担っている。
【0023】
ここで、ワイヤレス受電部8およびLED9は重なり合って構成されている。具体的には、ワイヤレス受電部8と窓部11Aの内側面との間に位置するようにLED9が配置される。
図2(b)は、
図2(a)の矢印Ar1方向から見た、ワイヤレス受電部8およびLED9の構成を示す図である。
図2(b)に示すように、LED9はワイヤレス受電部8の略中央に位置する。また、ワイヤレス受電部8はLED9を実装する基板91よりも大きく、基板91を筐体7の内側から覆うように窓部11Aの内側に配置される。このように、ワイヤレス受電部8およびLED9を構成することで、ワイヤレス受電部8およびLED9の窓部を一つの窓部11Aで共通化することができると共に、窓部11Aのサイズを小さくすることができる。したがって、筐体7の強度が低下することを抑制することができる。また、上述したようにワイヤレス受電部8およびLED9を配置することで、別々に配置する場合よりも省スペース化を図ることができ、放射線撮影装置100を小型化することができる。
【0024】
また、アンテナ10は、基板支持部51のうち放射線検出パネル1を支持する面とは反対側の面で支持される。
図2(a)に示すように、矢印Ar1方向から見て、アンテナ10は、ワイヤレス受電部8およびLED9と重なり合わない位置に配置される。また、アンテナ10は、窓部11Aおよび窓部11Bのそれぞれ内側に位置する。したがって、2つの窓部11A、11Bを通してデータが転送されるので、アンテナ10の放射範囲を広げることができる。
なお、窓部11Aのみでアンテナ10の放射特性を十分に得られる場合には、筐体7は窓部11Bを有していなくてもよい。この場合、ワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10の窓部を一つの窓部11Aで共通化することができる。したがって、筐体7の強度が低下することを更に抑制することができる。
【0025】
ここで、窓部11Aは、LED9の光をユーザが視認できるように、少なくとも一部が光透過性のある材料で構成される。例えば、窓部11Aは樹脂や繊維強化樹脂等を用い、窓部11Aの全てあるいは一部を光透過部とする。
窓部11Aの一部を光透過部にする場合には、異種材成形等によって、光透過性のある材料と光透過性のない材料とを一体で成形することで構成できる。あるいは、光透過性のある材料と光透過性のない材料とを別々に成形して、接着剤、工業用テープまたは超音波溶着等により両者を接合することで構成してもよい。
【0026】
なお、窓部11Aの全てを光透過性のある材料で構成した場合には、窓部11Aの外側面または内側面に塗装、印刷、遮光性のあるシート等を配置することで、透過させたくない位置での透過を防止したり、透過する光の量を調整したりすることができる。
一方、窓部11BはLED9の窓部として機能しない。したがって、窓部11Bは、光透過性のある材料で構成する必要はなく、少なくとも一部が非導電性の材料であればよい。
また、窓部11A、11Bは電力やデータが転送される効率が著しく低下しないように適した厚みに設定される。また、窓部11Aは、LED9の光を透過させるために適した厚みに設定される。
【0027】
また、筐体7に窓部11A、11Bを設けるには、窓部11A、11Bを筐体7に対して、接着剤、工業用テープ等で接合したりビス等で締結したりする。このとき、窓部11A、11Bと、筐体7との間に防水パッキンを介在させたり、防水両面テープ等で取り付けたりすることで防水性を向上させることができる。また、筐体7に窓部11A、11Bを組み込んだアウトサート成形や異種材成形により一体で成形することで筐体7を構成してもよい。一体で成形することで、筐体7と窓部11A、11Bとの間の界面強度が向上し、放射線撮影装置100の強度を向上させることができる。
【0028】
このように、一つの窓部11Aの内側面に接するようにワイヤレス受電部8およびLED9を配置することで、ワイヤレス受電部8の窓部と、LED9の窓部とを共通化させることができ、筐体7に設ける窓部の数を少なくすることができる。また、一つの窓部11Aの内側に、ワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10を配置することで、ワイヤレス受電部8の窓部と、LED9の窓部と、アンテナ10の窓部とを共通化させることができ、筐体7に設ける窓部の数を少なくすることができる。したがって、筐体7の強度が低下することを抑制することができる。また、窓部11Aの外側面に対して直交する方向から見た場合に、窓部11Aに対してワイヤレス受電部8を重なり合うように配置することで、ワイヤレス受電部8が電力を受電するときの効率を向上させることができる。同様に、窓部11Aに対してLED9を重なり合うように配置することで、LED9の視認性を向上させることができる。同様に、窓部11Aに対してアンテナ10を重なり合うように配置することで、アンテナ10によるデータの転送の効率を向上させることができる。
【0029】
なお、本実施形態では、一つ窓部11Aにワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10を配置する場合について説明したが、この場合に限られず、LED9およびアンテナ10の何れかと、ワイヤレス受電部8とを配置するようにしてもよい。
【0030】
次に、第1の実施形態の変形例としての放射線撮影装置110について
図3および
図4を参照して説明する。
図1および
図2に示す放射線撮影装置100は底部72に窓部11Aを有し、側部73に窓部11Bを有する構成であったが、
図3および
図4に示す放射線撮影装置110は傾斜部74に窓部11Cを有する。
図1および
図2と同様の構成は、同一符号を付している。
【0031】
図3(a)は、放射線の入射方向から見た放射線撮影装置110の一例を示す外観図である。
図3(b)は、
図3(a)の反対側から見た放射線撮影装置110の一例を示す外観図である。
図4(a)は、
図3(a)におけるII-II線に沿って切断した断面を矢印方向から見た断面図である。
図4(b)は、
図4(a)のうちLED9の周辺を拡大した拡大図である。
本実施形態の放射線撮影装置110の筐体7は、底部72と側部73との間に傾斜部74を有する。傾斜部74は、底部72と側部73とを連続してつなぐ繋ぎ部として機能する。ここで、連続してつなぐとは、底部72と側部73との間で、再び底部72あるいは側部73が介在しないことを意味する。
傾斜部74は、底部72および側部73に対して傾斜する。また、傾斜部74は筐体7の略全周に亘って連続して形成される。また、
図4(a)に示すように、傾斜部74は、外部に露出する表面(外側面)が略平らな略板状である。
【0032】
本実施形態の筐体7は、1つの窓部11Cを有する。窓部11Cは、矩形状の筐体7のうち短辺側であって短辺の辺に沿った方向の長さの略中央に配置される。また、
図4(a)に示すように、窓部11Cは、筐体7の底部72と側部73とに亘って形成される。具体的には、窓部11Cは、傾斜部74に連続し、傾斜部74に略平行な略板状の第1の部位111Cを有する。また、窓部11Cは、底部72に連続して底部72に略平行な略板状の第2の部位112Cと、側部73に連続して側部73に略平行な略板状の第3の部位113Cとを有する。
【0033】
図4(a)、(b)に示すように、窓部11Cの内側には、ワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10が配置される。
図4(a)に示す矢印Ar1方向および矢印Ar2方向の何れの方向から見ても、窓部11Cに対して、ワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10が重なり合って配置される。また、第1の部位111Cの外側面に対して直交する方向から見ると、第1の部位111Cに対してワイヤレス受電部8およびLED9が重なり合って配置される。また、第2の部位112Cの外側面に対して直交する方向から見ると、第2の部位112Cに対してアンテナ10が重なり合って配置される。具体的には、第1の部位111Cの内側面に沿ってワイヤレス受電部8とLED9とが配置され、第2の部位112Cの内側面に沿ってアンテナ10が配置される。したがって、窓部11Cは、ワイヤレス受電部8のための窓部、LED9のための窓部およびアンテナ10のための窓部の機能を担っている。なお、上述した
図2と同様に、ワイヤレス受電部8およびLED9は重なり合って構成されている。
【0034】
このように、一つの窓部11Cにワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10を配置することで、ワイヤレス受電部8の窓部とLED9の窓部とアンテナ10の窓部とを共通化させることができ、筐体7に設ける窓部の数を少なくすることができる。したがって、筐体7の強度が低下することを抑制することができる。また、窓部11Cが底部72および側部73に亘って位置しているので、窓部11Cを底部72や側部73のみに形成する場合に比べて、ワイヤレス受電部8が電力を広く受電できると共に、LED9の視認性およびアンテナ10の放射特性を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、ワイヤレス受電部8およびLED9が重なり合って構成されている場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、ワイヤレス受電部8およびアンテナ10が重なり合う構成、LED9およびアンテナ10が重なり合う構成、および、ワイヤレス受電部8、LED9、アンテナ10の全てが重なり合う構成であってもよい。このように構成することで、省スペース化を図ることができ、窓部11A、11B、11Cのサイズをより小さくすることができる。
なお、上述した変形例では、窓部11Cは、第1の部位111Cを有する場合について説明したが、この場合に限られず、第1の部位111Cを有さずに、第2の部位112Cと第3の部位113Cとが連続して形成されていてもよい。
【0036】
ここで、ワイヤレス受電部8とアンテナ10とが近接している場合には、互いに動作が干渉して誤動作してしまう虞がある。したがって、次のような干渉を抑制する方法を適用してもよい。
まず、第1として、放射線撮影装置100、110では、ワイヤレス受電部8がワイヤレスで電力を受電するときに用いる周波数帯域と、アンテナ10がワイヤレスでデータを転送するときに用いる周波数帯域とが異なるように設定する。このように、ワイヤレス受電部8およびアンテナ10において、それぞれ周波数帯域が異なるように設定することで、互いの動作への干渉を抑制させることができる。
【0037】
第2として、放射線撮影装置100、110の制御基板2は、ワイヤレス受電部8とアンテナ10とを同時に動作しないように制御し、ワイヤレスで電力を受電するときの期間と、アンテナ10がデータを転送するときの期間とが重なり合わないようにする。具体的には、制御基板2は、アンテナ10によりデータを外部に転送している期間では、ワイヤレス受電部8がワイヤレスで電力を受電しないように制御する。一方、制御基板2は、アンテナ10によりデータを転送していない期間でのみ、ワイヤレス受電部8がワイヤレスで電力を受電するように制御する。このように、ワイヤレス受電部8とアンテナ10とを同時に動作しないように制御することで、互いの動作への干渉を抑制させることができる。したがって、安定したデータの転送が可能であると共にワイヤレスでの受電の効率を向上させることができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図5を用いて、第2の実施形態における放射線撮影装置120について説明する。
図5(a)は、放射線撮影装置120の一例を示す断面図である。
図5(b)は、
図5(a)のうちLED9の周辺を拡大した拡大図である。なお、第1の実施形態と同様の構成は同一符号を付している。
【0039】
放射線撮影装置120は、LED9と放射線検出パネル1との間に位置する遮光シート12を有する。遮光シート12は遮光層の一例に対応する。遮光シート12は、ワイヤレス受電部8よりも大きく、ワイヤレス受電部8を筐体7の内側から覆うように窓部11Aの内側に配置される。ここで、LED9はワイヤレス受電部8と窓部11Aの内側面との間に位置することから、遮光シート12はワイヤレス受電部8を介してLED9を筐体7の内側から覆う。
【0040】
遮光シート12は、LED9の光が放射線検出パネル1に到達しないように遮光する。上述したように、放射線検出パネル1では、入射された放射線によって蛍光体層1bが発光し、当該発光した光をセンサ基板1a上の光電変換素子が電気信号に変換する。したがって、LED9の光が、放射線検出パネル1の周囲から入り込んでしまうと、放射線画像に意図しない影響を与えてしまう。
LED9と放射線検出パネル1との間に遮光シート12を配置することで、放射線検出パネル1にLED9の光が到達しないようにすることができる。また、遮光シート12は窓部11Aの内側に配置されることから、窓部11Aのうち遮光シート12が配置される領域では、外部から光を透過させないようにし、漏光を防止することができる。
【0041】
なお、遮光シート12は、磁性をもった磁性シートであってもよい。磁性シートにすることで、ワイヤレスで電力を受電するときに発生する磁界の一部を磁性シートに沿うような磁界の向きに変えることができ、放射線撮影装置100内への磁界の侵入を抑制することができる。また、放射線撮影装置100内に金属材料等がある場合、金属材料によって発生する、ワイヤレスで電力を受電するときの磁界に反発するような反発磁界の影響を抑制することができる。したがって、ワイヤレスでの受電の効率を向上させることができる。また、放射線検出パネル1や制御基板2への磁界の影響を抑制することができ、放射線画像のノイズ等を低減することができる。
【0042】
(第3の実施形態)
図6および
図7を用いて、第3の実施形態における放射線撮影装置130について説明する。
図6(a)は、放射線の入射方向から見た放射線撮影装置130の一例を示す外観図である。
図6(b)は、
図6(a)の反対側から見た放射線撮影装置130の一例を示す外観図である。
図7(a)は、
図6(a)におけるIII-III線に沿って切断した断面を矢印方向から見た断面図である。
図7(b)は、
図7(a)のうちLED9の周辺を拡大した拡大図である。なお、第1の実施形態と同様の構成は同一符号を付している。
【0043】
本実施形態の放射線撮影装置130の筐体7は、第1の傾斜部74と、第2の傾斜部75とを有する。
第1の傾斜部74は、底部72と側部73との間に位置する。第1の傾斜部74は、底部72と側部73とを連続してつなぐ繋ぎ部として機能する。第1の傾斜部74は、底部72と側部73に対して傾斜する。第1の傾斜部74は、外部に露出する表面(外側面)が略平らな略板状である。
第2の傾斜部75は、入射部71と側部73との間に位置する。第2の傾斜部75は、入射部71と側部73とを連続してつなぐ繋ぎ部として機能する。第2の傾斜部75は、入射部71と側部73に対して傾斜する。第2の傾斜部75は、外部に露出する表面(外側面)が略平らな略板状である。
第1の傾斜部74および第2の傾斜部75は、筐体7の略全周に亘って連続して形成される。
【0044】
本実施形態の筐体7は、1つの窓部11Dを有する。窓部11Dは、矩形状の筐体7のうち短辺側であって短辺の辺に沿った長さの略中央に配置される。また、
図7(a)に示すように、窓部11Dは、筐体7の入射部71と底部72とに亘って形成される。具体的には、窓部11Dは、側部73に連続し、側部73と略平行な略板状の第1の部位111Dを有する。また、窓部11Dは、第1の傾斜部74に連続して第1の傾斜部74に略平行な略板状の第2の部位112Dと、第2の傾斜部75に連続して第2の傾斜部75に略平行な略板状の第3の部位113Dとを有する。更に、窓部11Dは、支持部114Dを有する。
【0045】
図7(a)に示すように、窓部11Dの内側には、ワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10が配置される。
図7(a)に示す矢印Ar1方向および矢印Ar2方向の何れの方向から見ても、窓部11Dに対して、ワイヤレス受電部8、LED9およびアンテナ10が重なり合って配置される。また、第1の部位111Dの外側面に対して直交する方向から見ると、第1の部位111Dに対してワイヤレス受電部8およびLED9が重なり合って配置される。また、第2の部位112Dの外側面に対して直交する方向から見ると、第2の部位112Dに対してアンテナ10が重なり合って配置される。具体的には、第1の部位111Dの内側面に沿ってワイヤレス受電部8とLED9とが配置され、第2の部位112Dの内側面に沿ってアンテナ10が配置される。
ここで、窓部11Dは入射部71と底部72とに亘って位置しているので、窓部11Dを放射線撮影装置130の様々な方向から視認することができる。したがって、インジゲータとして機能するLED9の視認性を向上させることができる。また、ワイヤレス受電部8が電力を広く受電できると共に、アンテナ10の放射特性を向上させることができる。
【0046】
一方、窓部11Dが入射部71と底部72とに亘っていることで、窓部11Dが大きくなってしまい、窓部11D自体の強度が低下してしまう虞がある。本実施形態の窓部11Dは支持部114Dが第2の部位112Dの内側面と第3の部位113Dの内側面との間に配置される。支持部114Dは、例えば、略柱状または略板状である。このように、支持部114Dを有することで窓部11Dの剛性を向上させて、窓部11Dの強度の低下を抑制させることができる。
また、支持部114Dは、LED9と放射線検出パネル1との間に配置されている。したがって、支持部114Dを略板状にして遮光性を有するように構成することで、LED9の光が放射線検出パネル1に到達しないように遮光することができる。
【0047】
次に、放射線撮影システム140について説明する。
図8は、放射線撮影システム140の構成の一例を示す断面図である。
放射線撮影システム140は、放射線撮影装置130と、ワイヤレス送電ユニット150とを有する。なお、放射線撮影装置130は、上述した構成と同様であり、同一符号を付している。
ワイヤレス送電ユニット150は、ワイヤレス受電部8に対してワイヤレスで電力を送電する。ワイヤレス送電ユニット150は、ワイヤレス送電部21と、制御基板22と、筐体23とを有する。
【0048】
ワイヤレス送電部21は、外部から電力が供給されることでワイヤレス受電部8に対して電力を送電する。制御基板22は、ワイヤレス送電部21を制御する。筐体23は、ワイヤレス送電ユニット150の構成部品を収容する。
ここで、ワイヤレス充電を実施する場合には、ワイヤレス送電部21とワイヤレス受電部8とが対面するように、ワイヤレス送電ユニット150を放射線撮影装置130の筐体7の窓部11Dに近接して配置する。この場合、放射線撮影装置130の窓部11Dがワイヤレス送電ユニット150により覆われてしまい、ユーザがLED9の光を視認することができない虞がある。
【0049】
本実施形態のワイヤレス送電ユニット150の筐体23は、放射線撮影装置130の筐体7の窓部11Dを覆う少なくとも一部に光透過部24を有する。光透過部24は、略板状であり、光透過性のある材料で構成する。ここで、光透過部24は、第1の透過部241と、第2の透過部242と、第3の透過部243とを有する。第1の透過部241は、内側にワイヤレス送電部21が配置される。第2の透過部242および第3の透過部243は、それぞれ第1の透過部241に連続すると共に第1の透過部241に略直交する。
したがって、ワイヤレス充電を実施するために、ワイヤレス送電ユニット150を放射線撮影装置130の筐体7の窓部11Dに近接して配置した場合であっても、ユーザは光透過部24を通してLED9の光を視認することができる。
【0050】
なお、ワイヤレス充電を実施するときに筐体7の窓部11Dがワイヤレス送電ユニット150により覆われてしまう場合には、次のような方法を適用してもよい。
まず、第1として、放射線撮影装置130の制御基板2は、ワイヤレス受電部8がワイヤレスで電力を受電する場合には、LED9を発光しないように制御する。このように、LED9を発光しないことで省電力化を図ることができる。
第2として、放射線撮影装置130が複数のLED9を有するように構成する。放射線撮影装置130の制御基板2は、ワイヤレス受電部8がワイヤレスで電力を受電する場合に、複数のLED9のうちワイヤレス送電ユニット150により覆われてしまうLED9を発光させずに、ユーザが視認できるLED9を発光するように制御する。このように、LED9を制御することで、ユーザは放射線撮影装置130の状態を確認できると共に省電力化を図ることができる。
【0051】
なお、本実施形態では、窓部11Dが筐体7の入射部71と底部72とに亘って形成される場合について説明したが、この場合に限られず、側部73と入射部71とに亘って形成されていてもよい。
また、本実施形態では、第2の部位112Dが第1の傾斜部74に連続し、第1の傾斜部74に略平行である場合について説明したが、この場合に限られず、底部72と連続し、底部72と略平行であってもよい。
また、本実施形態では、第3の部位113Dが第2の傾斜部75に連続し、第2の傾斜部75に略平行である場合について説明したが、この場合に限られず、入射部71と連続し、入射部71と略平行であってもよい。
【0052】
以上、本発明を各実施形態に基づいて詳述したが、本発明は上述した実施形態に限られず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明の範疇に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態および各実施形態の変形例を適宜組み合わせることも可能である。
なお、本実施形態で説明したワイヤレスでの充電方式は、特に限定するものではなく、電磁誘導方式、電界方式、共鳴方式等を適宜、選択して適用することができる。
また、本実施形態で説明したワイヤレスでのデータの転送方式は、特に限定するものではなく、近接から長距離、また転送速度も含めて、各ワイヤレス転送に関する規格や方式等を適宜、選択して適用することができる。また、可視光や赤外光等による転送方式であってもよい。
また、本実施形態では筐体7が長辺と短辺とを有する略矩形状である場合について説明したが、正方形であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1:放射線検出パネル 2:制御基板 3:フレキシブル回路基板 4:二次電池 5:支持基台 7:筐体 71:入射部 72:底部 73:側部 74:傾斜部(第1の傾斜部) 75:傾斜部(第2の傾斜部) 8:ワイヤレス受電部 9:LED 10:アンテナ 11A~11D:窓部 12:遮光シート 24:光透過部 100、110、120、130:放射線撮影装置 140:放射線撮影システム 150:ワイヤレス送電ユニット