(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】外科用ステープラナイフ運動制御
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
A61B17/072
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023030787
(22)【出願日】2023-03-01
(62)【分割の表示】P 2020524066の分割
【原出願日】2018-10-26
【審査請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2017-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ワイズ・オースティン・イー
(72)【発明者】
【氏名】ハンター・モーガン・アール
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-176673(JP,A)
【文献】特開2016-131883(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3135225(EP,A2)
【文献】国際公開第2015/199866(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 ー A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
シャフトと、
前記シャフトから遠位に延びるエンドエフェクタであって、複数のステープルを含むステープルカートリッジを備える、エンドエフェクタと、
ハードストップと、
前記ステープルカートリッジから前記ステープルを配備するためにホーム位置から遠位移動可能な発射アセンブリであって、前記ホーム位置で前記ハードストップに当接するように構成され、カムスロットを含む発射部材を備える、発射アセンブリと、
前記カムスロット内に受容可能なカム機構を備えるロックアウト爪と、を備え、前記カム機構は、前記発射アセンブリの前記遠位移動中に前記カムスロットから係合解除されるように構成され、前記カム機構は、前記発射アセンブリの前記ホーム位置への復帰中に前記カムスロットに再係合するように構成されて
おり、
前記カムスロットは、前記カム機構を案内して、前記ロックアウト爪が前記発射部材の前記遠位移動を可能にする第1の位置と、前記ロックアウト爪が前記発射部材に引っかかって係合して前記発射部材の更なる前記遠位移動を防止する第2の位置との間で、前記ロックアウト爪を回転させ、前記発射部材の前記遠位移動が、前記ロックアウト爪を前記第1の位置から前記第2の位置へと回転させる、外科用器具。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが、未発射位置と発射位置との間で前記発射アセンブリによって移動可能なスレッドを備え、前記スレッドは、前記スレッドが前記未発射位置にある間に、前記ロックアウト爪が前記第2の位置に到達するのを防止するように構成されている、請求項
1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記スレッドが、前記スレッドから近位に延びるロックアウトバイパス機構を備え、前記ロックアウトバイパス機構は、前記スレッドが前記未発射位置にある間に、前記ロックアウト爪の前記第2の位置に向かう前記回転を中断するように構成されている、請求項
2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記ホーム位置における前記ハードストップへの前記発射アセンブリの前記当接を検出するように構成されたセンサを更に備える、請求項
3に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記発射部材が、前記発射部材から横方向に突出するロックアウト部材を備え、前記ロックアウト爪は、前記ロックアウト爪が前記第2の位置にあるときに前記ロックアウト部材に引っかかって係合するように構成されたロック機構を備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記ロック機構がフック形状である、請求項5に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、また、様々な状況において、組織をステープル留めしかつ切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
【
図1】本開示の少なくとも1つの態様に係る、外科用器具の斜視図を示す。
【
図2】組み立てられていない構成における、
図1の外科用器具の、交換可能なシャフトアセンブリの部分斜視図及びハンドルの斜視図を示す。
【
図3】
図1の外科用器具のエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図5】
図1の外科用器具のスレッド、発射部材、及びロックアウト爪の斜視図を示す。
【
図6】未発射ステープルカートリッジの非存在下での、ホーム位置からの発射部材の前進を示す、
図1の外科用器具の部分断面図である。
【
図7】未発射ステープルカートリッジの非存在下での、ホーム位置からの発射部材の前進を示す、
図1の外科用器具の部分断面図である。
【
図8】未発射ステープルカートリッジの非存在下での、ホーム位置からの発射部材の前進を示す、
図1の外科用器具の部分断面図である。
【
図9】未発射ステープルカートリッジの存在下での、ホーム位置からの発射部材の前進を示す、
図1の外科用器具の部分断面図である。
【
図10】未発射ステープルカートリッジの存在下での、ホーム位置からの発射部材の前進を示す、
図1の外科用器具の部分断面図である。
【
図11】未発射ステープルカートリッジの存在下での、ホーム位置からの発射部材の前進を示す、
図1の外科用器具の部分断面図である。
【
図12】発射部材のホーム位置への復帰を示す、
図1の外科用器具の部分断面図である。
【
図13】発射部材のホーム位置への復帰を示す、
図1の外科用器具の部分断面図である。
【
図14】発射部材のホーム位置への復帰を示す、
図1の外科用器具の部分断面図である。
【
図15】ロックアウト爪に対する
図1の外科用器具の発射部材の4つの連続位置を示す。
【
図16】
図1の外科用器具の制御回路の論理図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に記載され図示された実施形態が非限定的な例であり、したがって、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細が代表的及び例示的であり得ることを理解するであろう。特許請求の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0004】
用語「備える(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、開放型の連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を有するが、それらの1つ以上のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の素子は、それら1つ以上の特徴を有するが、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0005】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0006】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手術を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば開腹外科手術と関連するものを含む、多くの外科手術及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、自然開口部を通じて、組織内に形成された切開又は穿刺穴を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分又はエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入されてもよく、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入されてもよい。
【0007】
本開示の様々な態様が、リニアステープラに関連して本明細書に記載されているが、これらの態様は、例えば、円形ステープラ及び/又は湾曲ステープラなどの他の外科用ステープラにおいて同様に実装することができる。また、本開示の様々な態様がハンドヘルド器具に関連して記載されているが、これらの態様は、ロボット外科用システムにおいて同様に実装することができる。様々な適切なロボット外科用システムが、2011年5月27日出願の、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」と題する、米国特許出願公開第2012/0298719号、現在は米国特許第9,072,535号に開示されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
主に
図1~
図3を参照すると、外科用器具10は、シャフト11と、シャフト11から延びるエンドエフェクタ12とを備える。エンドエフェクタ12は、第1の顎部14と、第2の顎部15とを備える。第1の顎部14は、ステープルカートリッジ16を備える。ステープルカートリッジ16は、第1の顎部14のカートリッジパン又はチャネル17へ挿入可能であり、かつ第1の顎部14のカートリッジパン又はチャネル17から取り外し可能であるが、ステープルカートリッジ16が第1の顎部から取り外し可能ではない、又は第1の顎部から少なくとも容易に交換可能ではない、他の実施形態が想到される。第2の顎部15は、ステープルカートリッジ16から排出されたステープルを変形させるよう構成されたアンビル18を備える。第2の顎部15は、閉鎖軸を中心にして、第1の顎部14に対して枢動可能であるが、第1の顎部14が第2の顎部15に対して枢動可能である、他の実施形態が想到される。外科用器具10は、エンドエフェクタ12がシャフト11に対して回転又は関節運動することを可能にするように構成された関節継手20を更に備える。エンドエフェクタ12は、関節継手20を通って延びる関節軸を中心にして回転可能である。関節継手を含まない他の実施形態も想到される。
【0009】
図2を参照すると、様々な実施例では、外科用器具10は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドルアセンブリ29を備えるハウジング19を含む。ハウジング19は、エンドエフェクタ12及びシャフト11の少なくとも一部分を含む交換式シャフトアセンブリ36に動作可能に取り付けられるように構成されている。本開示に従って、様々な形態の交換式シャフトアセンブリが、ロボット制御された外科用システム及びハンドヘルド器具と関連させて効果的に使用され得る。したがって、「ハウジング」という用語は、交換式シャフト組立体を作動させるために利用できる少なくとも1つの制御運動を生成及び加えるように構成された少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似部分を包含することができる。「フレーム」という用語は、ハンドヘルド外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するために使用され得るロボットシステムの一部分を表す場合もある。交換式シャフト組立体は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されている、様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。
【0010】
図3及び
図4を参照すると、ステープルカートリッジ16は、カートリッジ本体21を備える。カートリッジ本体21は、近位端部22、遠位端部23、及び近位端部22と遠位端部23との間に延びるデッキ24を含む。使用に際し、ステープルカートリッジ16は、ステープル留めされる組織の第1の側に配置され、アンビル18は組織の第2の側に配置される。アンビル18は、ステープルカートリッジ16に向かって移動され、組織をデッキ24に対して圧縮し、クランプする。その後、カートリッジ本体21に取り外し可能に格納されたステープル(図示せず)を組織中に配備することができる。カートリッジ本体21は、その内部に画定されたステープル空洞26を含み、ステープルは、ステープル空洞26内に取り外し可能に格納される。ステープル空洞26は、一般に、6つの長手方向列に配置される。ステープル空洞26の3つの列は、長手方向スロット27の第1の側に配置され、ステープル空洞26の3つの列は、長手方向スロット27の第2の側に配置される。ステープル空洞26及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0011】
以下により詳細に記載されるように、外科用器具10は、組織切断よりも先に組織ステープル留めを行うために注意深く調整された発射機構を使用することによって、組織をステープル留め及び切断する。組織切断を、組織ステープル留めの前に行うか、又は組織ステープル留めなしに行う場合の回避を確実にするために、外科用器具10は様々な安全機構を備えている。
【0012】
ステープルカートリッジ16のステープルは、一般に、カートリッジ本体21内にステープルドライバ(図示せず)によって支持される。ドライバは、第1の、すなわち未発射位置と、ステープル空洞26からステープルを排出する、第2の、すなわち発射位置との間で移動可能である。ドライバは、カートリッジ本体21の底部周辺に延びるパン又は保持具によってカートリッジ本体21内に保持され、カートリッジ本体21を把持し、保持具をカートリッジ本体21に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。ドライバは、スレッド32(
図4)によってそれらの未発射位置とそれらの発射位置との間で移動可能である。スレッド32は、近位端部22に隣接した近位位置と遠位端部23に隣接した遠位位置との間で移動可能である。スレッド32は、ドライバの下で摺動し、ドライバ、及びその上に支持されたステープルをアンビル18に向かって持ち上げるように構成された複数の傾斜面33を備える。
【0013】
上記に加えて、スレッド32は、発射部材25によって遠位に移動される。発射部材25は、スレッド32に接触し、近位端部22に隣接する近位位置40(
図4)から遠位端部23に隣接する遠位位置に向かってスレッド32を押すように構成されている。カートリッジ本体21内に画定された長手方向スロット27は、発射部材25を受容するように構成されている。アンビル18は、発射部材25を受容するように構成されたスロットも含む。発射部材25は、第1の顎部14と係合する第1のカム34、及び第2の顎部15と係合する第2のカム35を更に備える。発射部材25が遠位に前進されると、第1のカム34及び第2のカム35は、ステープルカートリッジ16のデッキ24とアンビル18との間の距離、すなわち組織の間隙を制御することができる。発射部材25はまた、ステープルカートリッジ16とアンビル18との中間に捕捉された組織に切り込みを入れるように構成されたナイフ37も備える。
【0014】
シャフト11は、発射部材25から近位に延びる長手方向に往復する積層された発射バー39を通してハウジング19からの発射運動を取り囲み、案内する。具体的には、シャフト11は、発射バー39を受容する長手方向発射バースロットを含む。発射バー39は、
図4に示されるような関節継手20を通過することを意図しない用途において、固体発射バー又は他の材料と置換されてもよいことを理解されたい。
【0015】
主に
図4及び
図5を参照すると、外科用器具10は、発射部材25が未発射ステープルカートリッジ16の非存在下で前進するのを防止するように構成された発射ロックアウト機構45を含む。発射ロックアウト機構45は、
図9~
図11に示すように、スレッド32が近位、初期、又は未発射位置に配置されたときにのみバイパスされ得る。発射ロックアウト機構45は、シャフト11に固定され得るピボット47を中心にして回転可能なロックアウト爪46を含む。
図4に示す例では、ピボット47は、発射バー39によって画定される長手方向軸に対して横方向に延びる。ピボット47は、発射部材25の近位の位置に懸架される。
【0016】
上記に加えて、ロックアウト爪46は、ベース48と、発射部材25をまたぐベース48から遠位に延びる2つのアーム49とを含む。アーム49の各々は、対応するカムスロット51内に受容されるように構成されたカム機構50を含む。カムスロット51は、発射部材25の反対側に画定される。
図4の実施例では、ベース48はピボット47に対して回転可能である。しかしながら、他の実施例では、ベース48は、ピボット47と一体であってもよく、又はピボット47に取り付けられてもよく、そのため、2つが、発射バー39によって画定される長手方向軸を横断する軸を中心に共に回転可能である。アーム49の各々は、その遠位部分にロック機構52を更に含む。ロック機構52は、第1のカム34から離れて、第2のカム35に向かって屈曲される。特定の実施例では、
図4に示すように、ロック機構は、フック形状を形成し、ロック機構52は、ロック翼53と嵌合係合を形成するように適合されたロック機構52の受容部分69内で発射部材25のロックアウト翼53を捕捉することによって、発射部材25の前進を停止又は阻止することを可能にする。しかしながら、様々な実施例において、ロック機構52は、他の形状を含んでもよく、かつ/又は他の方向に屈曲されてもよい。
【0017】
主に
図6~8を参照すると、発射ロックアウト機構45は、発射部材25の制限された運動を可能にし、これを超えると、未発射ステープルカートリッジ16の非存在下で、発射部材25は、ロックアウト爪46のロック機構52によって停止又は遮断される。
図6は、静止位置又は初期位置にある発射部材25を示しており、ロック機構52は、
図4に示すように、発射部材25の反対側の対応する保持ポケット54内に受容される。保持ポケット54内にある間、ロック機構52は、発射部材25の任意の不測の動きに抵抗することによって、発射部材25を静止位置又は初期位置に維持する。不測の動きは、発射機構内の任意の緩みに起因して生じ得る。保持ポケット54は、発射部材25が発射バー39によって前進されるまで、発射部材25が静止位置又は初期位置に留まることを確実にする。
【0018】
図7は、静止位置又は初期位置に対して遠位のわずかに前進した位置にある発射部材25を示す。発射バー39による発射部材25の遠位前進により、ロック機構52は保持ポケット54から係合解除される。更に、発射部材25のそのような遠位前進により、カムスロット51がカム機構50を所定の経路で駆動させ、それにより、ロックアウト爪46をピボット47を中心にして反時計回り方向に回転させる。未発射のステープルカートリッジ16の非存在下、又は近位、初期、若しくは未発射位置に配置されたスレッドの非存在下において、ロックアウト爪46の回転は、
図8に示すように、ロック機構52を発射部材25のロックアウト翼53とロック係合するように導く。言い換えると、発射部材の初期の前進25は、未発射ステープルカートリッジ16の非存在下、又は近位、初期、若しくは未発射位置に配置されたスレッドの非存在下において、発射ロックアウト機構45を自動的に作動させて、発射部材25の更なる前進を遮断、停止、又は少なくともその前進に抵抗する。
【0019】
図9~
図11は、多くの点で
図6~
図8に示す順序と類似している発射部材25の位置のシーケンスを示す。しかしながら、差異は、第1の顎部14に取り付けられた未発射ステープルカートリッジ16の存在下にあることである。
図9は、静止位置又は初期位置にある発射部材25を示し、ロック機構52が対応する保持ポケット54内に受容されている。更に、スレッド32は、近位、初期、又は未発射位置に示されている。
【0020】
図7は、静止位置又は初期位置に対して遠位のわずかに前進した位置にある発射部材25を示す。発射バー39による発射部材25の遠位前進により、ロック機構52は保持ポケット54から係合解除される。更に、発射部材25のそのような遠位前進により、カムスロット51がカム機構50を所定の経路で駆動させ、それにより、ロックアウト爪46をピボット47を中心に反時計回り方向に回転させる。スレッド32は、ロック機構52をインターセプトしてロック機構52がロックアウト翼53と係合することを防止するように構成されたロックアウトバイパス機構57を含む。言い換えると、ロックアウト爪46は、スレッド32のロックアウトバイパス機構57に対して静止するように構成されており、スレッド32を用いて発射部材25を更に前進させることを可能にして、
図11に示すようにステープルカートリッジ16の発射を完了する。
【0021】
図12~
図14は、ステープルカートリッジ16の発射の完了後の発射バー39による発射部材25の初期位置又は静止位置への後退を表す発射部材25の位置のシーケンスを示す。
図12は、ロックアウト爪46に再係合する発射部材25のロックアウト翼53を示す。ロックアウト翼53は、発射部材25が初期位置又は静止位置に向かって後退される際に、ロック機構52を持ち上げるように構成された近位傾斜部分58を備える。近位傾斜部分58は、ロック機構52の外側リブ60の平坦な又は少なくとも実質的に平坦な部分59と係合して、時計回り方向におけるロックアウト爪46の回転を引き起こす。
【0022】
図13に示すように、発射部材25が近位方向に移動し続けると、ロック機構52はロックアウト翼53をクリアする。更に、カム機構50は、カムスロット51によって再係合され、カムスロット51は、
図14に示すように、カム機構50を駆動させ、発射部材25が初期位置又は静止位置に達するまで、ロックアウト爪46を枢動部47を中心にして時計回り方向に更に回転させる。ロック機構52はまた、保持ポケット54に戻される。発射部材25の任意の追加の近位移動は、発射バー39を、発射部材25の任意の更なる近位移動から防止するように構成されたハードストップ61(
図14)に当接させる。
図14に示す実施例では、ハードストップ61は、シャフト11内に画定された機械的機構であり、発射部材25の更なる近位移動を中断、停止、及び/又は遮断する発射バー39の更なる近位移動を中断、停止、及び/又は遮断するように構成されている。しかしながら、特定の実施例では、ハードストップ61は、発射部材25と直接係合するように構成され得る。
【0023】
図16を参照すると、様々な実施例において、発射バー39の移動、ひいては、発射部材25は、発射バー39に動作可能に連結されたモータ71によって駆動される。モータ71は、モータドライバ72によって制御される。
図16は、発射部材25の初期位置又は静止位置への復帰を検出し、モータ71を停止させるように構成された、回路65の論理図を示す。回路65は、プロセッサ67及びメモリ68を備えたコントローラ66を含む。
【0024】
モータドライバ72は、コントローラ66からの入力に基づいて、モータ71の回転を制御して発射バー39、ひいては、発射部材25を前進及び後退させるように構成することができる。1つ以上のセンサ70は、初期位置又は静止位置における発射部材25の存在を検出するように構成することができる。コントローラ66は、初期位置又は静止位置における発射部材25の存在を示す、センサ70からのフィードバック入力を受信するように構成されてもよい。コントローラ66はまた、発射部材25が初期位置又は静止位置に戻されたことを示すセンサ70からの入力を受信したことに応答して、モータドライバ72にモータ71を停止させるように構成されてもよい。メモリ68は、評価においてコントローラ66によって使用され得る技術、式、及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
【0025】
少なくとも1つの例では、発射部材25の初期位置又は静止位置への復帰は、発射部材25の経路内のハードストップ61上に配置されたロードセルからの入力に基づいて判定することができる。発射バー39がロードセル及びハードストップ61に当接すると、ロードセルは、発射バー39によってハードストップ61に対して加えられる力の増加を検出する。コントローラ66は、所定の閾値と比較することができるロードセルからの入力を受信する。コントローラ66は、ロードセルからの入力が所定の閾値以下であるとき、発射部材25が初期位置又は静止位置に到達したと判定する。そのような判定に応答して、コントローラ66はモータ71を停止させる。
【0026】
図15を参照すると、位置76~79のシーケンス75は、ステープルカートリッジ16を発射するための発射バー39による発射部材25の前進中の、発射部材25とロックアウト爪46との間の相互作用を示す。位置は、上部から下部に時系列的に順序付けられている。第1の位置又は上部位置76において、発射部材25は、初期位置又は静止位置にあり、上述のように、ロックアウト爪46のロック機構52は、保持ポケット54内に受容される。第2の位置77では、発射部材25はわずかに遠位に前進し、ロック機構52が保持ポケット54から出る際、ロックアウト爪46のアーム49を互いから離れて、外向きに屈曲させる。
【0027】
図5に示すように、カムスロット51は、ホッケースティックと同様の形状を有する。カムスロット51は、発射部材25の本体内に、その反対側に画定される。カムスロット51の各々は、湾曲部分51bの一方の端部から延びる水平又は少なくとも実質的に水平な近位部分51aを有する湾曲部分51bと、湾曲部分51bの他方の端部から延びる傾斜した遠位部分51cとを含む。近位部分51a及び遠位部分51cは、それらの間に90°を超える角度(α)を画定する。
図15に示すように、第3の位置78では、カム機構50は、アーム49が互いに向かって内側に屈曲するにつれて、カムスロット51の遠位部分51cにスナップ嵌めされる。発射部材25が第2の位置77から第3の位置78に移行すると、ロックアウト爪46のアーム49は屈曲して、カム機構50が、保持ポケット54とカムスロット51の遠位部分51cとの間に延びるリブ80を越えて交差することを可能にする。
【0028】
上述のように、カムスロット51に対するカム機構50の運動は、ロックアウト爪46の反時計回りの回転を案内及び/又は駆動する。発射部材25が発射バー39によって遠位に前進されると、未発射ステープルカートリッジ16の非存在下において、カム機構50は、湾曲部分51bに向かって、次いで近位部分51aに向かって案内される。更に、未発射のステープルカートリッジ16の非存在下において、ロック機構52はロックアウト翼53と係合し、発射部材25の更なる遠位移動を防止するため、カム機構50は近位部分51aから出るのを防止される。一方、未発射のステープルカートリッジ16の存在下において、カム機構50は湾曲部分51bに向かって案内されるが、近位部分51aに到達しない。代わりに、ロックアウト爪46のアーム49は、第4の位置79に示されるように、もう一度屈曲して、カム機構50が近位部分51aに到達する前にカムスロット51から係合解除することを可能にする。未発射のステープルカートリッジ16の存在下において、スレッド32のロックアウトバイパス機構57は、ロックアウト爪46のロック機構52がロックアウト翼53と係合することを防止し、発射部材25を更に前進させて発射シーケンスを完了させることを可能にする。
【0029】
特定の実施形態と共に本明細書で様々なデバイスについて説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ以上の実施形態で、任意の適切な様式で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上のその他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体的に又は部分的に組み合わされてよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能(複数可)を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形形態を全て包含することが意図される。
【0030】
本明細書に開示されるデバイスは、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0031】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線、γ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0032】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
【0033】
その全体又は部分において本明細書に参照によって組み込まれるものとする全ての特許、刊行物、又はその他の開示文献は、組み込まれる資料が本開示に記載される既存の定義、記述、又はその他の開示内容と矛盾しない範囲においてのみ本明細書に組み込まれるものとする。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【実施例】
【0034】
実施例1-外科用器具であって、エンドエフェクタと、エンドエフェクタ内で発射運動を生じさせるように遠位移動可能な発射部材と、ロックアウト爪と、を備える、外科用器具。発射部材は、カムスロットを備える。ロックアウト爪は、カムスロット内に受容可能なカム機構を備える。カムスロットは、カム機構を案内して、ロックアウト爪が発射部材の遠位方向への移動を可能にする第1の位置と、ロックアウト爪が発射部材の遠位移動を防止する第2の位置との間で、ロックアウト爪の回転を引き起こすように構成されている。
【0035】
実施例2-エンドエフェクタは、未発射位置と発射位置との間で移動可能なスレッドを備える、実施例1に記載の外科用器具。
【0036】
実施例3-スレッドは、スレッドが未発射位置にある間に、ロックアウト爪が第2の位置に到達するのを防止するように構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
【0037】
実施例4-スレッドは、スレッドから近位に延びるロックアウトバイパス機構を備え、ロックアウトバイパス機構は、スレッドが未発射位置にある間に、ロックアウト爪の第2の位置に向かう回転を中断するように構成されている、実施例2又は3に記載の外科用器具。
【0038】
実施例5-ロックアウト爪の第2の位置に向かう回転は、スレッドが発射位置にある間、ロックアウトバイパス機構によって中断されない、実施例4に記載の外科用器具。
【0039】
実施例6-発射部材は、発射部材から横方向に突出するロックアウト部材を備え、ロックアウト爪は、ロックアウト爪が第2の位置にあるときにロックアウト部材と係止係合するように構成されたロック機構を備える、実施例1、2、3、4、又は5に記載の外科用器具。
【0040】
実施例7-ロックアウト部材は翼形状を備える、実施例6に記載の外科用器具。
【0041】
実施例8-ロックアウト部材は、近位部分と、近位部分よりも大きいサイズの遠位部分と、を備える、実施例6又は7に記載の外科用器具。
【0042】
実施例9-ロック機構は、ロックアウト部材の遠位部分と嵌合係合するように適合された受容部分を備える、実施例8に記載の外科用器具。
【0043】
実施例10-前記カムスロットは、第1のスロット部分と、第1のスロット部分と鈍角を画定する第2のスロット部分と、を備える、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、又は9に記載の外科用器具。
【0044】
実施例11-発射部材は切断部材を備える、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10に記載の外科用器具。
【0045】
実施例12-ロックアウト爪は遠位ロック機構を備え、発射部材は、ロックアウト爪が第1の位置にある間に遠位ロック機構を固定するように構成された保持ポケットを備える、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の外科用器具。
【0046】
実施例13-外科用器具であって、シャフトと、シャフトから遠位に延びるエンドエフェクタと、ハードストップと、発射アセンブリと、ロックアウト爪と、を備える、外科用器具。エンドエフェクタは、複数のステープルを含むステープルカートリッジを備える。発射アセンブリは、ステープルカートリッジからステープルを配備するためにホーム位置から遠位移動可能である。発射アセンブリは、ホーム位置でハードストップに当接するように構成されている。発射アセンブリは、カムスロットを含む発射部材を備える。ロックアウト爪は、カムスロット内に受容可能なカム機構を備える。カム機構は、発射アセンブリの遠位移動中にカムスロットから係合解除されるように構成されている。カム機構は、発射アセンブリのホーム位置への復帰中にカムスロットに再係合するように構成されている。
【0047】
実施例14-カムスロットは、カム機構を案内して、ロックアウト爪が発射部材の遠位移動を可能にする第1の位置と、ロックアウト爪が発射部材の遠位移動を防止する第2の位置との間で、ロックアウト爪の回転を引き起こすように構成されている、実施例13に記載の外科用器具。
【0048】
実施例15-エンドエフェクタは、未発射位置と発射位置との間で発射アセンブリによって移動可能なスレッドを備え、スレッドは、スレッドが未発射位置にある間に、ロックアウト爪が第2の位置に到達するのを防止するように構成されている、実施例14に記載の外科用器具。
【0049】
実施例16-スレッドは、スレッドから近位に延びるロックアウトバイパス機構を備え、ロックアウトバイパス機構は、スレッドが未発射位置にある間に、ロックアウト爪の第2の位置に向かう回転を中断するように構成されている、実施例15に記載の外科用器具。
【0050】
実施例17-ホーム位置におけるハードストップへの発射アセンブリの当接を検出するように構成されたセンサを更に備える、実施例13、14、15、又は16に記載の外科用器具。
【0051】
実施例18-外科用器であって、シャフトと、シャフトから遠位に延びるエンドエフェクタと、発射アセンブリと、ロックアウト爪と、を備える、外科用器具。エンドエフェクタは、複数のステープルを含むステープルを備える。発射アセンブリは、ステープルカートリッジからステープルを配備するためにホーム位置から遠位移動可能である。発射アセンブリは、発射部材を備える。発射部材は、カムスロットと保持ポケットと、を備える。ロックアウト爪は、保持ポケット内に受容可能なロック機構と、カムスロット内に受容可能なカム機構と、を備える。カム機構は、発射アセンブリの遠位移動中にカムスロットから係合解除するように構成されている。カム機構は、発射アセンブリのホーム位置への復帰中にカムスロットに再係合するように構成されている。カムスロットは、発射アセンブリのホーム位置への復帰中に、ロック機構を保持ポケット内に案内するように構成される。
【0052】
実施例19-発射部材がロックアウト翼を備え、ロックアウト爪がロック機構を備え、ロックアウト翼が、カム機構をカムスロットに再係合させるために、発射アセンブリのホーム位置への復帰中にロック機構を持ち上げるように構成されている、実施例18に記載の外科用器具。
【0053】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタ内で発射運動を生じさせるように遠位移動可能な発射部材であって、カムスロットを備える、発射部材と、
前記カムスロット内に受容可能なカム機構を備えるロックアウト爪と、を備え、前記カムスロットは、前記カム機構を案内して、前記ロックアウト爪が前記発射部材の前記遠位移動を可能にする第1の位置と、前記ロックアウト爪が前記発射部材の前記遠位移動を防止する第2の位置との間で、前記ロックアウト爪の回転を引き起こすように構成されている、外科用器具。
(2) 前記エンドエフェクタが、未発射位置と発射位置との間で移動可能なスレッドを備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記スレッドは、前記スレッドが前記未発射位置にある間に、前記ロックアウト爪が前記第2の位置に到達するのを防止するように構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記スレッドが、前記スレッドから近位に延びるロックアウトバイパス機構を備え、前記ロックアウトバイパス機構は、前記スレッドが前記未発射位置にある間に、前記ロックアウト爪の前記第2の位置に向かう前記回転を中断するように構成されている、実施態様3に記載の外科用器具。
(5) ロックアウト爪の前記第2の位置に向かう前記回転は、前記スレッドが前記発射位置にある間、前記ロックアウトバイパス機構によって中断されない、実施態様4に記載の外科用器具。
【0054】
(6) 前記発射部材が、前記発射部材から横方向に突出するロックアウト部材を備え、前記ロックアウト爪は、前記ロックアウト爪が前記第2の位置にあるときに前記ロックアウト部材と係止係合するように構成されたロック機構を備える、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記ロックアウト部材が翼形状を備える、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 前記ロックアウト部材が、近位部分と、前記近位部分よりも大きいサイズの遠位部分と、を備える、実施態様6に記載の外科用器具。
(9) 前記ロック機構が、前記ロックアウト部材の前記遠位部分と嵌合係合するように適合された受容部分を備える、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記カムスロットが、第1のスロット部分と、前記第1のスロット部分と鈍角を画定する第2のスロット部分と、を備える、実施態様1に記載の外科用器具。
【0055】
(11) 前記発射部材が切断部材を備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(12) 前記ロックアウト爪が遠位ロック機構を備え、前記発射部材は、前記ロックアウト爪が前記第1の位置にある間に前記遠位ロック機構を固定するように構成された保持ポケットを備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(13) 外科用器具であって、
シャフトと、
前記シャフトから遠位に延びるエンドエフェクタであって、複数のステープルを含むステープルカートリッジを備える、エンドエフェクタと、
ハードストップと、
前記ステープルカートリッジから前記ステープルを配備するためにホーム位置から遠位移動可能な発射アセンブリであって、前記ホーム位置で前記ハードストップに当接するように構成され、カムスロットを含む発射部材を備える、発射アセンブリと、
前記カムスロット内に受容可能なカム機構を備えるロックアウト爪と、を備え、前記カム機構は、前記発射アセンブリの前記遠位移動中に前記カムスロットから係合解除されるように構成され、前記カム機構は、前記発射アセンブリの前記ホーム位置への復帰中に前記カムスロットに再係合するように構成されている、外科用器具。
(14) 前記カムスロットは、前記カム機構を案内して、前記ロックアウト爪が前記発射部材の前記遠位移動を可能にする第1の位置と、前記ロックアウト爪が前記発射部材の前記遠位移動を防止する第2の位置との間で、前記ロックアウト爪の回転を引き起こすように構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記エンドエフェクタが、未発射位置と発射位置との間で前記発射アセンブリによって移動可能なスレッドを備え、前記スレッドは、前記スレッドが前記未発射位置にある間に、前記ロックアウト爪が前記第2の位置に到達するのを防止するように構成されている、実施態様14に記載の外科用器具。
【0056】
(16) 前記スレッドが、前記スレッドから近位に延びるロックアウトバイパス機構を備え、前記ロックアウトバイパス機構は、前記スレッドが前記未発射位置にある間に、前記ロックアウト爪の前記第2の位置に向かう前記回転を中断するように構成されている、実施態様15に記載の外科用器具。
(17) 前記ホーム位置における前記ハードストップへの前記発射アセンブリの前記当接を検出するように構成されたセンサを更に備える、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 外科用器具であって、
シャフトと、
前記シャフトから遠位に延びるエンドエフェクタであって、複数のステープルを含むステープルカートリッジを備える、エンドエフェクタと、
前記ステープルカートリッジから前記ステープルを配備するためにホーム位置から遠位移動可能な発射アセンブリであって、発射部材を備え、前記発射部材が、
カムスロットと、
保持ポケットと、を備える、発射アセンブリと、
ロックアウト爪であって、
前記保持ポケット内に受容可能なロック機構と、
前記カムスロット内に受容可能なカム機構と、を備える、ロックアウト爪と、を備え、前記カム機構は、前記発射アセンブリの前記遠位移動中に前記カムスロットから係合解除するように構成され、前記カム機構は、前記発射アセンブリの前記ホーム位置への復帰中に前記カムスロットに再係合するように構成され、前記カムスロットは、前記発射アセンブリの前記ホーム位置への前記復帰中に、前記ロック機構を前記保持ポケット内に案内するように構成されている、外科用器具。
(19) 前記発射部材がロックアウト翼を備え、前記ロックアウト爪がロック機構を備え、前記ロックアウト翼は、前記カム機構を前記カムスロットに再係合させるために、前記発射アセンブリの前記ホーム位置への前記復帰中に前記ロック機構を持ち上げるように構成されている、実施態様18に記載の外科用器具。