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特許7467738物品管理方法、物品管理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】物品管理方法、物品管理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20240408BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023100382
(22)【出願日】2023-06-19
【審査請求日】2023-06-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398006855
【氏名又は名称】株式会社アルプス物流
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】今戸 英伸
(72)【発明者】
【氏名】矢内 均
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-010618(JP,A)
【文献】特開2007-217094(JP,A)
【文献】特開2015-043138(JP,A)
【文献】特開2006-243821(JP,A)
【文献】特開2018-046337(JP,A)
【文献】国際公開第2005/115890(WO,A1)
【文献】特開2019-101188(JP,A)
【文献】特開2021-128367(JP,A)
【文献】特開2006-163288(JP,A)
【文献】特開2017-052649(JP,A)
【文献】特開2021-127225(JP,A)
【文献】国際公開第2019/207801(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品管理装置が行う物品管理方法であって、
前記物品管理装置は、入庫した物品に関する情報を記憶する管理データベースにアクセス可能であり、
前記物品が含まれる貨物には、納品書が付属し、
前記納品書は、付属する前記貨物中の前記物品に関する物品情報を含んだ納品書情報を示し、
1つの前記物品情報は、1つの物品種類識別情報を含み、
前記物品種類識別情報は、前記物品の種類を識別するための情報であり、
個々の前記貨物には、貨物ラベルと識別ラベルとが貼られており、
前記貨物ラベルは、貼られた前記貨物中の前記物品に関する前記物品情報の少なくとも一部を含んだ貨物ラベル情報を示し、
前記識別ラベルは、個々の前記貨物を一意的に識別するための貨物識別情報を示し、
前記納品書が撮像された納品書画像を取得する第1画像取得工程と、
取得された前記納品書画像に基づいて、前記納品書に示された前記納品書情報を取得する第1情報取得工程と、
前記貨物が撮像された貨物画像であって、前記貨物に貼られた前記貨物ラベルの画像と前記貨物に貼られた前記識別ラベルの画像とを含む1以上の前記貨物画像を前記貨物ごとに取得する第2画像取得工程と、
取得された前記貨物画像に基づいて、前記貨物ラベルに示された前記貨物ラベル情報と、前記識別ラベルに示された前記貨物識別情報とを取得する第2情報取得工程と、
取得された前記納品書情報に含まれる1つの前記物品情報と、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれる1以上の前記貨物について取得された1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合するか判定する第1整合判定工程と、
前記納品書情報に含まれる1つの前記物品情報と1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第1整合判定工程において判定した場合、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれる1以上の前記貨物の各々について、取得された前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報と、取得された前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録する登録工程とを有し、
前記納品書情報は、個々の注文を識別するための注文識別情報を含み、
1つの前記物品情報は、1つの前記注文識別情報に対応付けられており、
前記物品情報に含まれた前記物品種類識別情報と前記物品情報に対応付けられた前記注文識別情報との組み合わせが、前記物品情報ごとに異なっており、
前記注文識別情報と前記物品情報とを含んだ入庫データを取得する入庫データ取得工程と、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に対応する前記入庫データを、前記納品書情報に含まれる前記注文識別情報に基づいて特定する入庫データ特定工程と、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に含まれる前記物品情報と、前記入庫データ特定工程において特定した前記入庫データに含まれる前記物品情報とが整合するか判定する第2整合判定工程とを含み、
前記登録工程は、前記入庫データ特定工程において特定した前記入庫データに含まれる前記物品情報と前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第2整合判定工程において判定し、かつ、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に含まれる前記物品情報と前記第2情報取得工程において取得した前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第1整合判定工程において判定した場合に、前記貨物ラベル情報の前記物品情報と前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録することを含み、
前記貨物ラベルは、1以上の貨物ラベル項目を含み、
前記貨物ラベル情報は、前記貨物ラベルにおける少なくとも一部の前記貨物ラベル項目に関する情報を含み、
前記貨物ラベルが持つ貨物ラベル形式であって、前記貨物ラベルに含まれる1以上の前記貨物ラベル項目の位置と範囲に関する前記貨物ラベル形式が、前記物品種類識別情報と対応付けられており、
前記第2情報取得工程は、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報の前記物品情報に含まれる前記物品種類識別情報に対応付けられた前記貨物ラベル形式を特定する工程と、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報の前記物品情報に関わる前記物品が含まれた1以上の前記貨物の各々について、特定した前記貨物ラベル形式と、前記第2画像取得工程において取得した前記貨物画像とに基づいて、少なくとも一部の前記貨物ラベル情報を取得する工程とを含み、
前記入庫データ取得工程において取得した前記入庫データの前記物品情報に含まれる前記物品種類識別情報が、予め前記貨物ラベル形式に対応付けられたものであるか判定する入庫データ判定工程と、
予め前記貨物ラベル形式に対応付けられていない前記物品種類識別情報が前記入庫データに含まれていると判定した場合、入庫作業を行う作業者に対して情報を表示する表示装置において当該判定結果に関する情報を表示させる第4情報表示工程とを有する、
物品管理方法。
【請求項2】
前記納品書情報に含まれる前記物品情報と前記入庫データに含まれる前記物品情報とが整合すると前記第2整合判定工程において判定した場合、入庫作業を行う作業者に対して情報を表示する表示装置において、整合すると判定した当該物品情報と、当該物品情報に対応付けられた前記注文識別情報とを表示させる第5表示工程を有する、
請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項3】
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が複数の前記貨物に含まれている場合、前記第2画像取得工程において当該複数の貨物の前記貨物画像を順次に取得する処理と並行して、前記第2情報取得工程において個々の前記貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得する処理を実行する、
請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項4】
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が複数の前記貨物に含まれている場合、前記第2情報取得工程において個々の前記貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得する処理と並行して、前記第1整合判定工程において前記貨物ラベル情報の前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とが整合するかを前記貨物ごとに判定する処理を実行する、
請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項5】
前記第2画像取得工程は、入庫作業を行う作業者によってカメラの撮像操作が行われる度に、前記カメラで撮像された前記貨物画像を取得することを含み、
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が複数の前記貨物に含まれている場合、1つの前記貨物について前記撮像操作が行われる度に、当該1つの貨物について前記第2情報取得工程により取得した1つの前記貨物ラベル情報に含まれる少なくとも一部の前記物品情報を、前記作業者に対して情報を表示する表示装置において表示させる第1情報表示工程を有する、
請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項6】
前記第2情報取得工程は、前記第1情報表示工程において前記表示装置に表示させた1つの前記貨物ラベル情報の前記物品情報を修正するように求める前記作業者の修正指示が入力された場合、当該修正指示に応じて当該1つの貨物ラベル情報を修正することを含む、
請求項5に記載の物品管理方法。
【請求項7】
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が含まれた全ての前記貨物の前記貨物画像を前記第2画像取得工程において取得し、かつ、前記第2情報取得工程において当該全ての貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得した場合において、当該全ての貨物における少なくとも一部の前記貨物について取得した前記貨物ラベル情報の前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とに不整合があると前記第1整合判定工程において判定した場合、入庫作業を行う作業者に対して情報を表示する表示装置において、前記不整合があることを示す情報を表示させる第2情報表示工程を有し、
前記第1整合判定工程は、前記第2情報表示工程において表示された前記不整合を是正するために、前記第2情報取得工程において取得した少なくとも1つの前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報を修正するように求める前記作業者の修正指示が入力された場合、当該少なくとも1つの前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報を当該修正指示に応じて修正した後、当該全ての貨物について取得された1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とが整合するかを再度判定することを含む、
請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項8】
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が含まれた全ての前記貨物の前記貨物画像を前記第2画像取得工程において取得し、かつ、前記第2情報取得工程において当該全ての貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得した場合において、当該全ての貨物における少なくとも一部の前記貨物について取得した前記貨物ラベル情報の前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とに不整合があると前記第1整合判定工程において判定したならば、入庫作業を行う作業者に対して情報を表示する表示装置において、前記不整合があることを示す情報を表示させる第2情報表示工程を有し、
前記第2画像取得工程は、前記第2情報表示工程において表示された前記不整合を是正するために、1つの前記貨物について再度撮像された前記貨物画像を再取得することを含み、
前記第2情報取得工程は、前記第2画像取得工程において再取得された当該1つの貨物の前記貨物画像に基づいて、当該1つの貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を再取得することを含み、
前記第1整合判定工程は、前記第2情報取得工程において再取得された前記貨物ラベル情報を含む当該全ての貨物の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とが整合するかを再度判定することを含む、
請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項9】
前記第1情報取得工程は、前記第1画像取得工程において取得された1つの前記納品書画像が示す前記納品書情報に含まれた前記物品情報の文字列の行数を示す前記作業者の指示が入力された場合、当該入力された指示と当該1つの納品書画像とに基づいて当該1つの納品書情報を取得することを含む、
請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項10】
前記納品書情報は、個々の注文を識別するための注文識別情報を含み、
1つの前記物品情報は、1つの前記注文識別情報に対応付けられており、
前記物品情報に含まれた前記物品種類識別情報と前記物品情報に対応付けられた前記注文識別情報との組み合わせが、前記物品情報ごとに異なっており、
前記第1情報取得工程は、前記第1画像取得工程において取得された1以上の前記納品書画像に基づいて前記納品書情報を取得することを含み、
前記第2画像取得工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報が複数の前記物品情報を含む場合、当該複数の物品情報の各々について、1以上の前記貨物の前記貨物画像を取得することを含み、
前記第2情報取得工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報が複数の前記物品情報を含む場合、当該複数の物品情報の各々について、1以上の前記貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得することを含み
前記第1整合判定工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報が複数の前記物品情報を含む場合、当該複数の物品情報の各々について、前記納品書情報の1つの前記物品情報と、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれた1以上の前記貨物について取得した1以上の前記貨物ラベル情報の前記物品情報とが整合するか判定することを含み、
前記登録工程は、前記納品書情報が含んだ複数の前記物品情報における少なくとも1つの前記物品情報が1以上の前記貨物ラベル情報の前記物品情報と整合すると判定した場合、当該少なくとも1つの物品情報に関わる前記物品が含まれた1以上の前記貨物の各々について、前記貨物画像に基づいて取得した前記貨物ラベル情報の前記物品情報と、前記貨物画像に基づいて取得した前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録することを含む、
請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項11】
前記第2画像取得工程は、入庫作業を行う作業者によってカメラの撮像操作が行われる度に、前記カメラで撮像された前記貨物画像を取得することを含み、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報における1つの前記物品情報について前記貨物画像を取得する前記第2画像取得工程が行われる場合、前記作業者に対して情報を表示する表示装置において、当該1つの物品情報に対応付けられた1つの前記注文識別情報を表示させる第3情報表示工程を有する、
請求項10に記載の物品管理方法。
【請求項12】
物品管理装置が行う物品管理方法であって、
前記物品管理装置は、入庫した物品に関する情報を記憶する管理データベースにアクセス可能であり、
前記物品が含まれる貨物には、納品書が付属し、
前記納品書は、付属する前記貨物中の前記物品に関する物品情報を含んだ納品書情報を示し、
1つの前記物品情報は、1つの物品種類識別情報を含み、
前記物品種類識別情報は、前記物品の種類を識別するための情報であり、
個々の前記貨物には、貨物ラベルと識別ラベルとが貼られており、
前記貨物ラベルは、貼られた前記貨物中の前記物品に関する前記物品情報の少なくとも一部を含んだ貨物ラベル情報を示し、
前記識別ラベルは、個々の前記貨物を一意的に識別するための貨物識別情報を示し、
前記納品書が撮像された納品書画像を取得する第1画像取得工程と、
取得された前記納品書画像に基づいて、前記納品書に示された前記納品書情報を取得する第1情報取得工程と、
前記貨物が撮像された貨物画像であって、前記貨物に貼られた前記貨物ラベルの画像と前記貨物に貼られた前記識別ラベルの画像とを含む1以上の前記貨物画像を前記貨物ごとに取得する第2画像取得工程と、
取得された前記貨物画像に基づいて、前記貨物ラベルに示された前記貨物ラベル情報と、前記識別ラベルに示された前記貨物識別情報とを取得する第2情報取得工程と、
取得された前記納品書情報に含まれる1つの前記物品情報と、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれる1以上の前記貨物について取得された1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合するか判定する第1整合判定工程と、
前記納品書情報に含まれる1つの前記物品情報と1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第1整合判定工程において判定した場合、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれる1以上の前記貨物の各々について、取得された前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報と、取得された前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録する登録工程とを有し、
前記納品書情報は、個々の注文を識別するための注文識別情報を含み、
1つの前記物品情報は、1つの前記注文識別情報に対応付けられており、
前記物品情報に含まれた前記物品種類識別情報と前記物品情報に対応付けられた前記注文識別情報との組み合わせが、前記物品情報ごとに異なっており、
前記第1情報取得工程は、前記第1画像取得工程において取得された1以上の前記納品書画像に基づいて前記納品書情報を取得することを含み、
前記第2画像取得工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報が複数の前記物品情報を含む場合、当該複数の物品情報の各々について、1以上の前記貨物の前記貨物画像を取得することを含み、
前記第2情報取得工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報が複数の前記物品情報を含む場合、当該複数の物品情報の各々について、1以上の前記貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得することを含み
前記第1整合判定工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報が複数の前記物品情報を含む場合、当該複数の物品情報の各々について、前記納品書情報の1つの前記物品情報と、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれた1以上の前記貨物について取得した1以上の前記貨物ラベル情報の前記物品情報とが整合するか判定することを含み、
前記登録工程は、前記納品書情報が含んだ複数の前記物品情報における少なくとも1つの前記物品情報が1以上の前記貨物ラベル情報の前記物品情報と整合すると判定した場合、当該少なくとも1つの物品情報に関わる前記物品が含まれた1以上の前記貨物の各々について、前記貨物画像に基づいて取得した前記貨物ラベル情報の前記物品情報と、前記貨物画像に基づいて取得した前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録することを含み、
前記第2画像取得工程は、入庫作業を行う作業者によってカメラの撮像操作が行われる度に、前記カメラで撮像された前記貨物画像を取得することを含み、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報における1つの前記物品情報について前記貨物画像を取得する前記第2画像取得工程が行われるとき、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれた前記貨物を撮像するために前記カメラを操作している前記作業者に対して情報を表示する表示装置において、当該1つの物品情報に対応付けられた1つの前記注文識別情報を表示させる第3情報表示工程を有する、
物品管理方法。
【請求項13】
物品管理装置であって、
入庫した物品に関する情報を記憶する管理データベースにアクセス可能な第1処理部と、
前記第1処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する第1記憶部とを有し、
前記プログラムは、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載された方法の各工程を前記第1処理部に行わせる前記命令を含み、
前記第1処理部が前記プログラムの前記命令を実行する、
物品管理装置。
【請求項14】
請求項1~請求項12のいずれか一項に記載された方法の各工程を行う手段を備えた
物品管理装置。
【請求項15】
物品管理装置が実行可能な命令を含むプログラムであって、
請求項1~請求項12のいずれか一項に記載された方法の各工程を前記物品管理装置に行わせる前記命令を含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の入庫の管理に関する処理を行う物品管理装置、物品管理システム、物品管理方法及び物品管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
倉庫などに貨物として物品が入庫した場合、入庫した貨物の内容を確認する入庫検収作業が行われる。この入庫検収作業では、貨物に添付された納品書と、貨物に貼り付けられた貨物ラベル(製品ラベルなど)とを照合して、納品書に記載された物品の情報(品番、数量など)と、貨物ラベルに記載された物品の情報とが一致しているか確認される。また、納品書の情報が入庫データとして電子メールなどにより事前に提供される場合は、納品書に記載された情報と入庫データとを照合する作業も実施される。
【0003】
入庫検収作業の後、貨物を倉庫などの所定の場所に格納する作業が実施され、納品書の情報(又は入庫データの情報)や格納場所の情報が倉庫管理システムに登録される。また、この登録情報を記載した現品票が印刷されて、納品書の代わりに貨物に添付される。このとき、貨物ラベルと現品票とを照合する作業が実施される。
【0004】
出荷指示書により物品の出荷を指示された場合、倉庫などの格納場所から貨物をピッキングする作業が実施される。このピッキング作業では、出荷指示書に記載される情報とピッキングした貨物の貨物ラベルに記載される情報とを照合する作業が行われる。また、最終的に物品を出荷する出荷検収作業においても、出荷指示書に記載される情報と貨物ラベルに記載される情報とを照合する作業が行われる。
【0005】
上述した従来の物品の管理方法では、倉庫などに貨物として物品を入庫してから出荷するまでの間、紙の書類(納品書、出荷指示書)に記載された情報と貨物に貼り付けられた貨物ラベルの情報とを照合する作業が何度も行われる。一般的に、この照合の作業は目視で行われる場合があるため、作業者の負担が大きくミスを生じやすいという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するため、下記の特許文献に記載される物品管理方法では、貨物の中の物品に関する物品情報と、個々の貨物を一意的に識別するための貨物識別情報とが管理データベースに関連付けて登録される。貨物識別情報は、貨物に貼り付けられた識別ラベルにおいて示された情報(バーコードなど)であり、目視によらず読み取ることが可能である。これにより、倉庫などに貨物として入庫した物品を管理する場合において、目視による照合作業の負担を減らすことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2023-010618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この特許文献に記載される物品管理方法では、撮像された納品書の画像に基づいて取得される納品書情報と、撮像された貨物の画像(貨物ラベルの画像)に基づいて取得される貨物ラベル情報との整合性が判定される。すなわち、納品書の画像から取得した納品書情報に含まれる物品情報(品番、数量など)と、貨物の画像(貨物ラベルの画像)から取得した貨物ラベル情報に含まれる物品情報(品番、数量など)とが整合しているか判定される。ここで両者が整合していると判定された場合、貨物の画像(識別ラベルの画像)から取得した貨物識別情報と、貨物の画像(貨物ラベルの画像)から取得した貨物ラベル情報に含まれる物品情報とが管理データベースに関連付けて登録される。
【0009】
ところで、1つの納品書に関わる物品は1つの貨物のみに含まれているとは限らず、複数の貨物に含まれている場合がある。この場合、上記の特許文献に記載される物品管理方法では、入庫された複数の貨物の各々について、貨物の画像に基づいて貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理と、納品書情報と貨物ラベル情報との整合性を判定する処理とが行われる。この場合、1つの貨物を撮像した画像が得られる度に、貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理と、整合性を判定する処理とが行われ、この判定結果が不整合であった場合には、貨物ラベル情報に含まれる物品情報を修正したり、貨物の画像を再取得したりする処理が更に行われる。しかしながら、貨物の画像から貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理には、無線等により画像のデータを転送する処理や、画像に含まれる情報(文字、光学コードなど)を読み取る処理が含まれており、これらの処理において時間がかかり易い。そのため、入庫作業を行う作業者は、1つの貨物を撮像する度にこのような処理時間を待たなくてはならなくなり、貨物の数が多くなるほど円滑な入庫作業を行い難くなる場合がある。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、1つの納品書に関わる物品が複数の貨物に含まれて入庫される場合でも円滑に入庫作業を行うことができる物品管理方法、物品管理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、物品管理装置が行う物品管理方法であって、前記物品管理装置は、入庫した物品に関する情報を記憶する管理データベースにアクセス可能であり、前記物品が含まれる貨物には、納品書が付属し、前記納品書は、付属する前記貨物中の前記物品に関する物品情報を含んだ納品書情報を示し、個々の前記貨物には、貨物ラベルと識別ラベルとが貼られており、前記貨物ラベルは、貼られた前記貨物中の前記物品に関する前記物品情報の少なくとも一部を含んだ貨物ラベル情報を示し、前記識別ラベルは、個々の前記貨物を一意的に識別するための貨物識別情報を示し、前記納品書が撮像された納品書画像を取得する第1画像取得工程と、取得された前記納品書画像に基づいて、前記納品書に示された前記納品書情報を取得する第1情報取得工程と、前記貨物が撮像された貨物画像であって、前記貨物に貼られた前記貨物ラベルの画像と前記貨物に貼られた前記識別ラベルの画像とを含む1以上の前記貨物画像を前記貨物ごとに取得する第2画像取得工程と、取得された前記貨物画像に基づいて、前記貨物ラベルに示された前記貨物ラベル情報と、前記識別ラベルに示された前記貨物識別情報とを取得する第2情報取得工程と、取得された前記納品書情報に含まれる1つの前記物品情報と、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれる1以上の前記貨物について取得された1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合するか判定する第1整合判定工程と、前記納品書情報に含まれる1つの前記物品情報と1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第1整合判定工程において判定した場合、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれる1以上の前記貨物の各々について、取得された前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報と、取得された前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録する登録工程とを有し、前記納品書情報は、個々の注文を識別するための注文識別情報を含み、1つの前記物品情報は、1つの前記注文識別情報に対応付けられており、前記物品情報に含まれた前記物品種類識別情報と前記物品情報に対応付けられた前記注文識別情報との組み合わせが、前記物品情報ごとに異なっており、前記注文識別情報と前記物品情報とを含んだ入庫データを取得する入庫データ取得工程と、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に対応する前記入庫データを、前記納品書情報に含まれる前記注文識別情報に基づいて特定する入庫データ特定工程と、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に含まれる前記物品情報と、前記入庫データ特定工程において特定した前記入庫データに含まれる前記物品情報とが整合するか判定する第2整合判定工程とを含み、前記登録工程は、前記入庫データ特定工程において特定した前記入庫データに含まれる前記物品情報と前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第2整合判定工程において判定し、かつ、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に含まれる前記物品情報と前記第2情報取得工程において取得した前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第1整合判定工程において判定した場合に、前記貨物ラベル情報の前記物品情報と前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録することを含み、前記貨物ラベルは、1以上の貨物ラベル項目を含み、前記貨物ラベル情報は、前記貨物ラベルにおける少なくとも一部の前記貨物ラベル項目に関する情報を含み、前記貨物ラベルが持つ貨物ラベル形式であって、前記貨物ラベルに含まれる1以上の前記貨物ラベル項目の位置と範囲に関する前記貨物ラベル形式が、前記物品種類識別情報と対応付けられており、前記第2情報取得工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報の前記物品情報に含まれる前記物品種類識別情報に対応付けられた前記貨物ラベル形式を特定する工程と、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報の前記物品情報に関わる前記物品が含まれた1以上の前記貨物の各々について、特定した前記貨物ラベル形式と、前記第2画像取得工程において取得した前記貨物画像とに基づいて、少なくとも一部の前記貨物ラベル情報を取得する工程とを含み、前記入庫データ取得工程において取得した前記入庫データの前記物品情報に含まれる前記物品種類識別情報が、予め前記貨物ラベル形式に対応付けられたものであるか判定する入庫データ判定工程と、予め前記貨物ラベル形式に対応付けられていない前記物品種類識別情報が前記入庫データに含まれていると判定した場合、入庫作業を行う作業者に対して情報を表示する表示装置において当該判定結果に関する情報を表示させる第4情報表示工程とを有する、物品管理方法である。
【0012】
本発明の第2の態様は、入庫した物品に関する情報を記憶する管理データベースにアクセス可能な第1処理部と、前記第1処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する第1記憶部とを有し、前記プログラムは、上記第1の態様に係る方法の各工程を前記第1処理部に行わせる前記命令を含み、前記第1処理部が前記プログラムの前記命令を実行する物品管理装置である。
【0013】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様に係る方法の各工程を行う手段を備える物品管理装置である。
【0014】
本発明の第4の態様は、物品管理装置が実行可能な命令を含むプログラムであって、上記第1の態様に係る方法の各工程を前記物品管理装置に行わせる前記命令を含むプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、1つの納品書に関わる物品が複数の貨物に含まれて入庫される場合でも円滑に入庫作業を行うことができる物品管理方法、物品管理装置及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態に係る物品管理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2Aは、物品管理装置の構成の一例を示す図である。図2Bは、端末装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、物品管理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、納品書の画像から納品書情報を取得する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、納品書の画像から納品書情報を取得する処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、貨物の画像から貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図7図7A図7Cは、端末装置の画面の一例を示す図である。
図8図8A図8Cは、端末装置の画面の一例を示す図である。
図9図9A図9Cは、端末装置の画面の一例を示す図である。
図10図10A図10Cは、端末装置の画面の一例を示す図である。
図11図11A図11Cは、端末装置の画面の一例を示す図である。
図12図12は、納品書の画像から納品書情報を取得する処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本実施形態に係る物品管理システムの構成の一例を示す図である。図1に示す物品管理システムは、貨物7に入れられて倉庫などに入庫した物品を管理するシステムであり、物品管理装置1と端末装置2を有する。物品管理装置1と端末装置2は、インターネットなどの通信ネットワーク9を介して互いに通信可能である。
【0018】
本実施形態において、物品が含まれる貨物7には、納品書6が付属する。1つ又は複数の貨物7に対して1つの納品書6が付属する。
【0019】
納品書6が示す情報(以下「納品書情報」と記す場合がある。)は、納品書6に付属する1以上の貨物7に含まれた物品に関する物品情報を含む。物品情報は、例えば品番、型番、品名、型名、ロット番号、物品の数量などを含む。
【0020】
また納品書情報は、個々の注文を識別するための注文識別情報を含む。注文識別情報は、例えば注文番号などを含む。
【0021】
本実施形態では、1つの物品情報が1つの物品種類識別情報を含んでいる。物品種類識別情報は、物品の種類を識別するための情報であり、例えば品番、型番、品名、型名などを含む。
【0022】
また本実施形態では、1つの物品情報が1つの注文識別情報に対応付けられている。物品情報に含まれた物品種類識別情報と、物品情報に対応付けられた注文識別情報との組み合わせは、物品情報ごとに異なっている。1つの納品書6の示す納品書情報が複数の物品情報を含む場合、この複数の物品情報は、物品種類識別情報(例えば品番)と注文識別情報(例えば注文番号)との組み合わせが互いに異なっている。
例えば、納品書情報に2つの物品情報X1、X2が含まれており、物品情報X1と物品情報X2には同一の品番Yが含まれているものとする。また、物品情報X1には注文番号Z1が対応付けられ、物品情報X2には注文番号Z2が対応付けられているものとする。この場合、物品情報X1における物品種類識別情報と注文識別情報との組み合わせは<品番Y,注文番号Z1>であり、物品情報X2における物品種類識別情報と注文識別情報との組み合わせは<品番Y,注文番号Z2>である。従って、物品種類識別情報と注文識別情報との組み合わせが2つの物品情報X1、X2において異なっている。
【0023】
物品が入れられた貨物7には、図1に示すように、貨物ラベル71と識別ラベル72が貼られている。
【0024】
貨物ラベル71が示す情報(以下「貨物ラベル情報」と記す場合がある。)は、貼られた貨物7に含まれる物品に関する物品情報の少なくとも一部を含んでいる。貨物ラベル情報の物品情報は、例えば、その貨物ラベル71が貼られた貨物7に入れられている物品の物品種類識別情報(品番、型番、品名など)や数量などを含む。
【0025】
識別ラベル72は、個々の貨物7を一意的に識別するための貨物識別情報を示す。貨物ラベル71が貨物7の発送元によって貼られたラベルであるのに対し、識別ラベル72は入庫作業を行う作業者や機械によって貼られたラベルである。作業者は、入庫作業を行う際、予め準備された識別ラベル72を各貨物7に貼り付ける。これにより、個々の貨物7を識別ラベル72の貨物識別情報によって識別することが可能となる。
【0026】
物品管理装置1は、貨物7に入れられて倉庫などに入庫した物品の管理に関する処理を行う装置であり、所定の情報を記憶したデータベース(以下「DB」と省略して記載する場合がある。)にアクセス可能である。図1の例において、物品管理装置1は、管理データベース3、納品書形式データベース4、貨物ラベル形式データベース5にアクセス可能である。物品管理装置1は、1以上の任意の通信手段を介してこれらのデータベースにアクセスしてよい。この通信手段は、LANやインターネットなどの通信ネットワークを含んでもよい。通信手段は、有線でも無線でもよく、その両方を含んでいてもよい。また物品管理装置1は、図示しない任意の情報処理装置(クラウドサーバなど)を介してこれらのデータベースにアクセスしてもよい。
【0027】
管理DB3は、入庫した物品に関する情報を記憶する。例えば管理DB3は、個々の貨物7を識別するための貨物識別情報に関連付けて、貨物7の中の物品に関する物品情報(品番、数量、ロット番号など)や、倉庫などにおける貨物7の格納場所に関する情報などを記憶する。
【0028】
納品書形式DB4は、納品書6が持つ形式(納品書形式)に関する情報を記憶する。納品書形式は、納品書に含まれる1以上の項目(納品書項目)の位置と範囲に関する形式である。例えば納品書形式DB4は、納品書6の納品書形式を識別する納品書形式識別情報に関連付けて、納品書6に記載された納品書項目(注文番号、品番、数量、ロット番号、事業者名、事業者を表すロゴなど)に関する情報、納品書6における各項目の位置と範囲に関する情報、納品書6に含まれた罫線に関する情報、納品書6のサイズに関する情報などを記憶する。納品書形式は、納品書6の画像に基づいて納品書情報を取得する際に用いられる。
【0029】
なお、1次元の光学コード(バーコードなど)や2次元の光学コード(QRコード(登録商標)、Data Matrix(登録商標)、PDF417など)が納品書6に含まれる場合、納品書形式DB4は、これらの光学コードに関する情報(光学コードの種類、光学コードに含まれる個々の情報を識別するための識別子の情報、光学コードの編集情報など)を記憶してもよい。
【0030】
貨物ラベル形式DB5は、個々の貨物7に貼り付けられた製品ラベルなどの貨物ラベル71が持つ形式(貨物ラベル形式)に関する情報を記憶する。貨物ラベル形式は、貨物ラベル71に含まれる1以上の項目(貨物ラベル項目)の位置と範囲に関する形式である。例えば貨物ラベル形式DB5は、貨物ラベル71の貨物ラベル形式を識別する貨物ラベル形式識別情報に関連付けて、貨物ラベル71に記載された貨物ラベル項目(品番、数量、ロット番号、事業者名、事業者を表すロゴなど)に関する情報、貨物ラベル71における各項目の位置と範囲に関する情報、貨物ラベル71に含まれた罫線に関する情報、貨物ラベル71のサイズに関する情報などを記憶する。
【0031】
本実施形態において、貨物ラベル形式DB5は、物品種類識別情報(品番など)と貨物ラベル形式識別情報とを関連付けて記憶する。すなわち、貨物ラベル形式DB5においては、貨物ラベル形式と物品種類識別情報(品番など)とが対応付けられている。納品書情報に含まれる物品種類識別情報が判明した場合、貨物ラベル形式DB5を参照することにより、その物品種類識別情報に対応付けられた貨物ラベル形式を特定することが可能となる。特定した貨物ラベル形式は、貨物ラベル71の画像に基づいて貨物ラベル情報を取得する際に用いられる。
【0032】
なお、1次元の光学コード(バーコードなど)や2次元の光学コード(QRコード(登録商標)、Data Matrix(登録商標)、PDF417など)が貨物ラベル71に含まれる場合、貨物ラベル形式DB5は、これらの光学コードに関する情報(光学コードの種類、光学コードに含まれる個々の情報を識別するための識別子の情報、光学コードの編集情報など)を記憶してもよい。
【0033】
図2Aは、物品管理装置1の構成の一例を示す図である。図2Aに示す物品管理装置1は、通信部11と、第1記憶部17と、第1処理部18を有する。
【0034】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(端末装置2など)と通信を行う。例えば通信部11は、ネットワークインターフェースカードなどの通信機器を含んでよい。
【0035】
第1記憶部17は、第1処理部18が実行可能な命令を含んだプログラムPG1、第1処理部18の処理に使用されるデータ、第1処理部18の処理で生成されたデータなどを記憶する。例えば第1記憶部17は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、SSD、ハードディスクなど、1以上の任意の記憶装置を含んでよい。第1記憶部17の記憶装置は、1以上の任意のデータ伝送手段を介して第1処理部18に接続されてよい。
【0036】
第1処理部18は、第1記憶部17に記憶されるプログラムPG1の命令に従って処理を実行する。例えば第1処理部18は、1以上のプロセッサ(CPU、マイクロプロセッサ、DSPなど)を含んでよい。第1処理部18の1以上のプロセッサがそれぞれプログラムの命令に従って処理を実行することにより、第1処理部18は1以上のコンピュータとして動作する。なお第1処理部18は、少なくとも一部の処理をプロセッサの代わりに専用のハードウェア(FPGA、ASICなど)で実行してもよい。
【0037】
第1処理部18は、端末装置2が撮像した納品書6の画像(以下、「納品書画像」と記す場合がある。)を取得し、取得した納品書画像に基づいて、納品書情報(注文番号、品番、数量、ロット番号など)を取得する。納品書情報は、納品書6に示された1以上の物品情報と1以上の注文識別情報とを含む。例えば納品書情報は、これらの情報を表す文字(印字した文字、手書き文字など)や光学コード(バーコード、QRコード(登録商標)など)を含む。
【0038】
また、第1処理部18は、個々の注文を識別するための注文識別情報(例えば注文番号)と物品情報とを含んだ入庫データを予め取得する。第1処理部18は、納品書情報に含まれる注文識別情報(例えば注文番号)に基づいて、納品書画像から取得した納品書情報に対応する入庫データを特定する。すなわち、第1処理部18は、納品書情報に含まれるものと同一の注文識別情報が含まれた入庫データを、この納品書情報に対応する入庫データとして特定する。第1処理部18は、この特定した入庫データに含まれる物品情報と、納品書画像から取得した納品書情報に含まれる物品情報とが整合するか判定する。
【0039】
なお、第1処理部18は、納品書画像から取得した納品書情報に対応する入庫データを注文識別情報によって特定できない場合(例えば同一の注文識別情報が複数の入庫データに含まれている場合など)、端末装置2から入力される作業者の指示に応じて入庫データの特定を行ってもよい。例えば、第1処理部18は、納品書画像から取得した納品書情報に対応する入庫データの候補のリストを端末装置2において表示させ、このリストの中から1つの入庫データを選択する作業者の指示を端末装置2から入力し、入力した指示に従って入庫データを特定してもよい。
【0040】
更に、第1処理部18は、端末装置2が撮像した貨物7の画像(以下、「貨物画像」と記す場合がある。)を取得し、取得した貨物画像に基づいて、貨物ラベル71に示された貨物ラベル情報(品番、数量、ロット番号など)と、識別ラベル72に示された貨物識別情報を取得する。
端末装置2において撮像される貨物画像には、図1に示すように、貨物7に貼られた貨物ラベル71と識別ラベル72が含まれる。貨物ラベル情報は、貨物ラベル71に示された物品情報(貨物7の中の物品に関する情報)を含む。例えば貨物ラベル情報は、文字(印字した文字、手書き文字など)や光学コード(バーコード、QRコード(登録商標)など)を含む。貨物識別情報は、個々の貨物7を一意的に識別するための情報であり、例えば光学コード(バーコード、QRコード(登録商標)など)を含む。
そして、第1処理部18は、納品書画像から取得した納品書情報の物品情報と、貨物画像から取得した貨物ラベル情報の物品情報とが整合するか判定する。
【0041】
第1処理部18は、納品書画像から取得した納品書情報の物品情報と貨物画像から取得した貨物ラベル情報の物品情報とが整合すると判定し、かつ、納品書画像から取得した納品書情報の物品情報と注文番号などに基づいて特定した入庫データに含まれる物品情報とが整合すると判定した場合に、貨物画像から取得した貨物識別情報と、上記の判定において整合していると判定された物品情報(品番、数量、ロット番号など)とを関連付けて管理DB3に登録する。管理DB3に登録する物品情報は、例えば、貨物画像から取得した貨物ラベル情報に含まれる物品情報でよい。
【0042】
なお入庫データが提供されない場合、第1処理部18は、納品書画像から取得した納品書情報の物品情報と貨物画像から取得した貨物ラベル情報の物品情報とが整合すると判定したことを条件に、貨物画像から取得した貨物識別情報と貨物ラベル情報の物品情報とを関連付けて管理DB3に登録してもよい。
また第1処理部18は、入庫データが提供されない場合、納品書画像から取得した納品書情報の物品情報に含まれる所定の納品書項目の情報(例えば品番など)が適切か否か判定し、この判定において適切であると判定された納品書情報のみを管理DB3に登録するようにしてもよい。例えば、所定の納品書項目として適切な既知の情報のリストが第1記憶部17や図示しないデータベースに記憶されており、第1処理部18は、納品書画像から取得した納品書情報の物品情報に含まれる所定の納品書項目の情報がこのリストに含まれている場合、当該情報を適切であると判定する。
【0043】
端末装置2は、入庫作業を行う作業者によって操作されるスマートフォンやタブレットなどの装置であり、撮像機能と通信機能を備える。図2Bは、端末装置2の構成の一例を示す図である。図2Bに示す端末装置2は、通信部21と、入力部22と、撮像部23と、表示部24と、音入出力部25と、第2記憶部27と、第2処理部28を有する。
【0044】
通信部21は、通信ネットワーク9を介して他の装置(物品管理装置1など)と通信を行う。例えば通信部21は、ネットワークインターフェースカードなどの通信機器を含んでよい。
【0045】
入力部22は、作業者の指示に応じた情報を入力する機器であり、例えばタッチパネル、ボタン、スイッチなどを含む。
撮像部23は、画像を撮像する撮像装置であり、例えばカメラを含む。
表示部24は、画像を表示する表示装置であり、例えば液晶パネルや有機ELパネルなどを含む。
音入出力部25は、音を入出力する装置であり、例えばスピーカとマイクを含む。
【0046】
第2記憶部27は、第2処理部28が実行可能な命令を含んだプログラムPG2、第2処理部28の処理に使用されるデータ、第2処理部28の処理で生成されたデータなどを記憶する。例えば第2記憶部27は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、SSD、ハードディスクなど、1以上の任意の記憶装置を含んでよい。第2記憶部27の記憶装置は、1以上の任意のデータ伝送手段を介して第2処理部28に接続されてよい。
【0047】
第2処理部28は、第2記憶部27に記憶されるプログラムPG2の命令に従って処理を実行する。例えば第2処理部28は、1以上のプロセッサ(CPU、マイクロプロセッサ、DSPなど)を含んでよい。第2処理部28の1以上のプロセッサがそれぞれプログラムの命令に従って処理を実行することにより、第2処理部28は1以上のコンピュータとして動作する。なお第2処理部28は、少なくとも一部の処理をプロセッサの代わりに専用のハードウェア(FPGA、ASICなど)で実行してもよい。
【0048】
第2処理部28は、プログラムPG2に基づいて入庫した物品の管理に関する処理を実行すると、表示部24の画面の表示や音入出力部25が発する音などにより、納品書6の画像を撮像するように促す指示を出力し、この指示に応じて撮像された納品書画像を物品管理装置1に送信する。また第2処理部28は、表示部24の画面の表示や音入出力部25が発する音などにより、個々の貨物7の画像(貨物ラベル71の画像と識別ラベル72の画像を含む1以上の貨物画像)を撮像するように促す指示を出力し、この指示に応じて撮像された各貨物7の貨物画像を物品管理装置1に送信する。
【0049】
図3は、図1に示すシステムにおける物品管理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0050】
物品管理装置1の第1処理部18は、個々の注文を識別するための注文識別情報と納品書情報とを含んだ入庫データを取得する(ST100)。例えば第1処理部18は、CSV形式などのファイルから入庫データをインポートして、第1記憶部17に一時的に保存する。
【0051】
物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST100において取得した入庫データの物品情報に含まれる物品種類識別情報(品番など)が、予め貨物ラベル形式に対応付けられたものであるか判定する(ST102)。例えば第1処理部18は、入庫データの物品情報に含まれる物品種類識別情報が、貨物ラベル形式DB5において貨物ラベル形式に対応付けられているか判定する。貨物ラベル形式DB5において貨物ラベル形式に対応付けられていない未登録の物品種類識別情報が入庫データに含まれる場合(ST102のYes)、第1処理部18は、端末装置2の表示部24において当該判定結果に関する情報を表示させる(ST103)。例えば第1処理部18は、貨物ラベル形式に対応付けられていない未登録の物品種類識別情報(品番など)と、この物品種類識別情報が含まれた入庫データの情報を端末装置2の表示部24において表示させる。表示部24の表示を見た作業者は、貨物ラベル形式に対応付けられていない未登録の物品種類識別情報が含まれた入庫データについては、入庫作業の対象から事前に除外したり、貨物ラベル形式と物品種類識別情報との対応付けを事前に貨物ラベル形式DB5へ登録したりすることが可能になる。これにより、後に行われる入庫作業(表示部24のカメラによる納品書画像や貨物画像の撮像など)が無駄になることを回避できる。
【0052】
入庫データの物品情報に含まれる物品種類識別情報が貨物ラベル形式に対応付けられている場合(ST102のNo)、端末装置2の第2処理部28は、表示部24の画面や音入出力部25のスピーカなどにおいて、納品書6の撮影を促す指示を出力する。この指示に促された作業者によって撮像部23のカメラに対する所定の撮像操作が行われると、第2処理部28は納品書6の画像を撮像し、撮像した納品書画像を物品管理装置1に送信する(ST105)。
【0053】
物品管理装置1の第1処理部18は、撮像部23のカメラで撮像された納品書画像を端末装置2から取得する。第1処理部18は、端末装置2から取得した納品書画像に基づいて、納品書6に示された納品書情報(注文番号、品番、数量、ロット番号など)を取得する(ST110)。
【0054】
例えばステップST110において、第1処理部18は、端末装置2から取得した納品書画像に対して光学文字認識処理を実施することにより、納品書6に示された納品書情報の文字情報を取得する。この場合、第1処理部18は、納品書6の画像に対する光学文字認識処理を通信ネットワーク9に接続される他のサーバ装置において実施させ、その光学文字認識処理の結果として得られた文字情報をサーバ装置から取得してもよい。このサーバ装置は、自社運用型(オンプレミス)の装置でもよいし、外部の事業者が運用するクラウド型の装置でもよい。第1処理部18は、複数の光学文字認識処理部(サーバ装置、アプリケーションプログラムなど)がある場合、その中から作業者の指示に応じて1つを選択し、選択した光学文字認識処理部によって納品書画像の文字情報を取得してもよい。
【0055】
また第1処理部18は、第1記憶部17に記憶する学習済モデルを用いて、納品書6の納品書形式を識別する処理を行う。この学習済モデルは、与えられた納品書6の画像から納品書6の納品書形式を識別する(例えば納品書形式識別情報を出力する)ように機械学習されたモデルである。学習済モデルは、例えばディープラーニングにより生成された多層ニューラルネットワークを構成するモデルでもよい。第1処理部18は、端末装置2から取得した納品書画像をこの学習済モデルに適用することによって、納品書6の納品書形式を識別する。第1処理部18は、学習済モデルにより識別した納品書6の納品書形式に関する情報(各納品書項目の位置と範囲に関する情報など)を納品書形式DB4から取得する。
【0056】
そして第1処理部18は、光学文字認識処理により取得した文字情報と、納品書形式DB4から取得した納品書6の納品書形式に関する情報とに基づいて、納品書6に示された納品書情報を取得する。
【0057】
なお、納品書6が1次元や2次元の光学コードを含む場合、第1処理部18は、この光学コードをデコードすることにより情報を取得する。光学コードのデコード処理において、第1処理部18は、納品書形式DB4に登録された納品書6の中の光学コードに関する情報(光学コードの種類、光学コードに含まれる個々の情報を識別するための識別子の情報、光学コードの編集情報など)を参照してもよい。光学コードに関する情報は、納品書形式DB4とは異なるデータベースに記憶されていてもよい。
【0058】
また、第1記憶部17に記憶する学習済モデルは、与えられた納品書6の画像から納品書6の納品書形式に関する情報を直接推定して出力するように生成されていてもよい。この場合、第1処理部18は、端末装置2から取得した納品書画像をこの学習済モデルに対して適用することにより、納品書形式DB4の代わりに学習済モデルから納品書6の形式に関する情報を取得してもよい。
【0059】
他方、上記のような学習済モデルを持たない場合、物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2において入力される作業者の指示に応じて、納品書6の納品書形式に関する情報を納品書形式DB4から取得し、取得した納品書形式に関する情報と、光学文字認識処理により取得した文字情報とに基づいて、納品書6に示された納品書情報を取得するようにしてもよい。
例えば、端末装置2の第2処理部28は、納品書画像を物品管理装置1へ送信する場合に、入力部22において入力される作業者の指示に応じて、納品書6の納品書形式を指定する情報(例えば納品書形式識別情報)を物品管理装置1へ送信する。物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2を操作する作業者により指定された納品書6の納品書形式に関する情報を納品書形式DB4から取得する。例えば、第1処理部18は、取得した納品書6の納品書形式に関する情報における罫線の情報と、納品書6の画像に表れる罫線との関係から、納品書6の各納品書項目の範囲を特定し、特定した範囲に含まれる文字情報から、納品書6の各納品書項目の情報を取得する。あるいは、第1処理部18は、納品書6の画像に表れる各文字の位置座標(納品書6の所定の位置を原点に設定した場合の座標)を取得し、取得した各文字の位置座標に基づいて各文字が納品書6のどの納品書項目に含まれるかを判定し、この判定結果に基づいて納品書6の各納品書項目の情報を取得してもよい。
【0060】
またステップST110において、第1処理部18は、納品書6の納品書形式に関する情報における納品書情報の各納品書項目(注文番号、品番、数量、ロット番号など)に関する情報を、端末装置2の表示部24に表示させてもよい。
例えば、第1処理部18は、納品書6の納品書形式に関する情報における納品書情報の各納品書項目の名称と範囲に関する情報を、端末装置2に送信する。この情報を受信した端末装置2の第2処理部28は、表示部24に表示させた納品書6の画像の上に、納品書情報の各納品書項目の名称と範囲を重ねて表示させる。あるいは、第2処理部28は、表示部24に表示させた納品書6の画像とは別のウィンドウに納品書情報の各納品書項目の名称と範囲を表示させてもよい。
【0061】
この場合、第2処理部28は、入力部22において入力される作業者の指示に応じて、納品書6の画像の上に重ねて表示させた各納品書項目の名称や各納品書項目の範囲を修正してもよい。また、第2処理部28は、入力される作業者の指示に応じて、納品書6の画像の上に新たな納品書項目の情報(納品書項目の名称、納品書項目の範囲)を追加してもよい。第2処理部28は、作業者の指示に応じて修正されたり追加されたりした納品書6の納品書項目に関する情報(納品書項目の名称、納品書項目の範囲)を、物品管理装置1に送信する。物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2から受信したこの情報に応じて、納品書6の納品書形式に関する情報を更新し、更新した納品書形式に関する情報と文字情報とに基づいて、納品書6に示された納品書情報を取得する。
【0062】
なお、納品書6の納品書形式に関する情報(端末装置2を操作する作業者の指示に応じた修正や追加があった場合は、その修正や追加に応じた更新後の情報)と、端末装置2において撮像された納品書6の画像との組み合わせは、上述した学習済モデルを生成するための教師データとして用いることが可能である。従って、物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST110において得られたこの教師データ(納品書6の納品書形式に関する情報と納品書画像との組み合わせ)を、第1記憶部17や他の記憶装置(データベースなど)に保存してもよい。
【0063】
上述のようにして納品書情報が取得されると、次に第1処理部18は、納品書情報に含まれる注文識別情報(注文番号など)に基づいて、納品書画像から取得した納品書情報に対応する入庫データを特定する(ST115)。
【0064】
納品書6に対応する入庫データを特定すると、次に第1処理部18は、この特定した入庫データに含まれる物品情報と、納品書6の画像から取得した納品書情報に含まれる物品情報とが整合するか判定する(ST125)。例えば第1処理部18は、特定した入庫データに含まれる物品情報と納品書画像から取得した納品書情報に含まれる物品情報とが一致する場合、これらの物品情報が整合すると判定する。
【0065】
ステップST125において物品情報が不整合であると判定した場合(ST125のNo)、第1処理部18は、所定のエラー処理を実行する(ST135)。例えば第1処理部18は、入庫データの物品情報と納品書情報の物品情報とが不整合であることを知らせるエラー通知を端末装置2に送信する。このエラー通知を受信した端末装置2の第2処理部28が、エラー通知を表示部24において表示させたり、エラーを知らせる音を音入出力部25において出力させたりする。
【0066】
なお、第1処理部18は、特定した入庫データの物品情報において指定される物品の数量に比べて、納品書6の画像から取得した納品書情報の物品情報において指定される物品の数量が少ない場合でも、物品情報の他の項目(品番など)が一致しているならば、これらの物品情報が整合すると判定してもよい。これにより、例えば入庫データの物品情報において指定された数量の物品が複数回に分けて入庫される場合において、入庫データの物品情報と納品書情報の物品情報とが不整合であると判定されないようにすることができる。
【0067】
ステップST125において物品情報が整合していると判定した場合(ST125のYes)、第1処理部18は、納品書情報を第1記憶部17に一時的に保存する(ST130)。
【0068】
またこの場合、第1処理部18は、ステップST125において整合していると判定した納品書情報の物品情報と、当該物品情報に対応付けられた注文識別情報とを、端末装置2の表示部24において表示させる(例えば、後述する図8Bの画面Eにおける領域E4)。これにより、作業者は、納品書画像から納品書情報を正しく取得できたこと、及び、納品書6と入庫データとが整合していることを、端末装置2の表示部24の画面において確認できるため、適切な入庫作業を行い易くなる。
【0069】
物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST125において物品情報が整合すると判定した場合、その旨を知らせる通知を端末装置2に送信する。この通知を受信した端末装置2の第2処理部28は、表示部24の画面や音入出力部25のスピーカなどにおいて貨物7(貨物ラベル71及び識別ラベル72を含む範囲)の撮影を促す指示を出力する。この指示に促された作業者が撮像部23のカメラに対して所定の撮像操作を行うと、第2処理部28は貨物7の画像を撮像し、撮像した貨物画像を物品管理装置1に送信する(ST140)。
【0070】
識別ラベル72は、貨物ラベル71が貼り付けられた貨物7の入庫後、貨物7において貨物ラベル71と近い場所に貼り付けられる。貨物7への識別ラベル72の貼り付け作業は、遅くとも、端末装置2において貨物7の画像を撮影する直前までに行えばよい。例えば、ステップST125において納品書情報が整合した旨の通知が端末装置2において受信された後に識別ラベル72の貼り付け作業を行なえば、納品書情報の不整合が判定された貨物7への識別ラベル72の貼り付けを回避できる。
【0071】
物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2において撮像された貨物画像(貨物ラベル71画像及び識別ラベル72の画像を含む1以上の貨物画像)を貨物7ごとに取得する。第1処理部18は、取得した貨物画像に含まれる貨物ラベル71の画像に基づいて貨物ラベル情報(品番、数量、ロット番号など)を取得し、取得した貨物画像に含まれる識別ラベル72の画像に基づいて貨物識別情報を取得する(ST145)。
【0072】
例えばステップST145において、第1処理部18は、端末装置2から取得した貨物画像に含まれる識別ラベル72の画像に基づいて、識別ラベル72に示された貨物識別情報を取得する。識別ラベル72に示された貨物識別情報がバーコードなどの所定の光学コードである場合、第1処理部18は、所定の光学コードに対応した所定のデコード処理によって、光学コードが表す情報(文字、数字、記号など)を復号する。
【0073】
またステップST145において、第1処理部18は、端末装置2から取得した貨物画像に含まれる貨物ラベル71の画像に対して光学文字認識処理を実施することにより、貨物ラベル71に示された貨物ラベル情報の文字情報を取得する。この場合、第1処理部18は、貨物画像に対する光学文字認識処理を通信ネットワーク9に接続される他のサーバ装置において実施させ、その光学文字認識処理の結果として得られた文字情報をサーバ装置から取得してもよい。第1処理部18は、複数の光学文字認識処理部(サーバ装置、アプリケーションプログラムなど)がある場合、その中から作業者の指示に応じて1つを選択し、選択した光学文字認識処理部によって貨物画像の文字情報を取得してもよい。
【0074】
また第1処理部18は、第1記憶部17に記憶する学習済モデルを用いて、貨物ラベル71の貨物ラベル形式を識別する処理を行う。この学習済モデルは、与えられた貨物7の画像から貨物ラベル71の貨物ラベル形式を識別する(例えば貨物ラベル形式識別情報を出力する)ように機械学習されたモデルである。学習済モデルは、例えばディープラーニングにより生成された多層ニューラルネットワークを構成するモデルでもよい。第1処理部18は、端末装置2から取得した貨物画像をこの学習済モデルに適用することによって、貨物ラベル71の貨物ラベル形式を識別する。第1処理部18は、学習済モデルにより識別した貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報(各貨物ラベル項目の位置と範囲に関する情報など)を貨物ラベル形式DB5から取得する。
【0075】
そして第1処理部18は、光学文字認識処理により取得した文字情報と、貨物ラベル形式DB5から取得した貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報とに基づいて、貨物7に示された貨物ラベル情報を取得する。
【0076】
なお、貨物ラベル71が1次元や2次元の光学コードを含む場合、第1処理部18は、この光学コードをデコードすることにより情報を取得する。光学コードのデコード処理において、第1処理部18は、貨物ラベル形式DB5に登録された貨物ラベル71の中の光学コードに関する情報(光学コードの種類、光学コードに含まれる個々の情報を識別するための識別子の情報、光学コードの編集情報など)を参照してもよい。光学コードに関する情報は、貨物ラベル形式DB5とは異なるデータベースに記憶されていてもよい。
【0077】
また、第1記憶部17に記憶する学習済モデルは、与えられた貨物7の画像から貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報を直接推定して出力するように生成されていてもよい。この場合、第1処理部18は、端末装置2から取得した貨物画像をこの学習済モデルに対して適用することにより、貨物ラベル形式DB5の代わりに学習済モデルから貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報を取得してもよい。
【0078】
他方、上記のような学習済モデルを持たない場合、物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2において入力される作業者の指示に応じて、貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報を貨物ラベル形式DB5から取得し、取得した貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報と、光学文字認識処理により取得した文字情報とに基づいて、貨物ラベル71に示された貨物ラベル情報を取得するようにしてもよい。
例えば、端末装置2の第2処理部28は、貨物7の画像を物品管理装置1へ送信する場合に、入力部22において入力される作業者の指示に応じて、貨物ラベル71の貨物ラベル形式を指定する情報(例えば貨物ラベル形式識別情報)を物品管理装置1へ送信する。物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2を操作する作業者により指定された貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報を貨物ラベル形式DB5から取得する。第1処理部18は、例えば、端末装置2から取得した貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報における罫線の情報と、貨物ラベル71の画像に表れる罫線との関係から、貨物ラベル71の各貨物ラベル項目の範囲を特定し、特定した範囲に含まれる文字情報から、貨物ラベル71の各貨物ラベル項目の情報を取得する。あるいは、第1処理部18は、貨物ラベル71の画像に表れる各文字の位置座標(貨物ラベル71の所定の位置を原点に設定した場合の座標)を取得し、取得した各文字の位置座標に基づいて各文字が貨物ラベル71のどの貨物ラベル項目に含まれるかを判定し、この判定結果に基づいて貨物ラベル71の各貨物ラベル項目の情報を取得してもよい。
【0079】
またステップST145において、第1処理部18は、貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報における貨物ラベル情報の各貨物ラベル項目(品番、数量、ロット番号など)に関する情報を、端末装置2の表示部24に表示させてもよい。
例えば、第1処理部18は、貨物ラベル形式に関する情報における貨物ラベル情報の各貨物ラベル項目の名称と範囲に関する情報を、端末装置2に送信する。この情報を受信した端末装置2の第2処理部28は、表示部24に表示させた貨物ラベル71の画像の上に、貨物ラベル情報の各貨物ラベル項目の名称と範囲を重ねて表示させる。あるいは、第2処理部28は、表示部24に表示させた貨物ラベル71の画像とは別のウィンドウに貨物ラベル情報の各貨物ラベル項目の名称と範囲を表示させてもよい。
【0080】
この場合、第2処理部28は、入力部22において入力される作業者の指示に応じて、貨物ラベル71の画像の上に重ねて表示させた各貨物ラベル項目の名称や各貨物ラベル項目の範囲を修正してもよい。また、第2処理部28は、入力される作業者の指示に応じて、貨物ラベル71の画像の上に新たな貨物ラベル項目の情報(貨物ラベル項目の名称、貨物ラベル項目の範囲)を追加してもよい。第2処理部28は、作業者の指示に応じて修正されたり追加されたりした貨物ラベル71の貨物ラベル項目に関する情報(貨物ラベル項目の名称、貨物ラベル項目の範囲)を、物品管理装置1に送信する。物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2から受信したこの情報に応じて、貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報を更新し、更新した貨物ラベル形式に関する情報と文字情報とに基づいて、貨物ラベル71に示された貨物ラベル情報を取得する。
【0081】
なお、貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報(端末装置2を操作する作業者の指示に応じた修正や追加があった場合は、その修正や追加に応じた更新後の情報)と、端末装置2において撮像された貨物7の画像との組み合わせは、上述した学習済モデルを生成するための教師データとして用いることが可能である。従って、物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST145において得られたこの教師データ(貨物ラベル71の貨物ラベル形式に関する情報と貨物7の画像との組み合わせ)を、第1記憶部17や他の記憶装置(データベースなど)に保存してもよい。
【0082】
上述したステップST145の処理において、納品書情報の1つの物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合、物品管理装置1の第1処理部18は、複数の貨物7の貨物画像を端末装置2から取得する。この場合、第1処理部18は、複数の貨物7の貨物画像を順次に端末装置2から取得する処理と並行して、個々の貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理を実行する。すなわち、第1処理部18は、端末装置2から複数の貨物7の貨物画像を順次に取得しながら、これと並行して、貨物画像から貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する上述の処理を実行する。これにより作業者は、撮像部23において複数の貨物7の貨物画像を撮影する際に、各貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報が物品管理装置1において取得されるのを待つことなく、複数の貨物7の撮像操作を連続して行うことが可能になる。
【0083】
また、物品管理装置1の第1処理部18は、納品書情報の1つの物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合、1つの貨物7について端末装置2の撮像部23で撮像操作が行われる度に、当該1つの貨物7について取得した1つの貨物ラベル情報に含まれる少なくとも一部の物品情報を端末装置2の表示部24において表示させてもよい。例えば、1つの貨物7について端末装置2の撮像部23で撮像操作が行われたことにより、当該1つの貨物7の貨物画像を端末装置2から取得した場合、物品管理装置1の第1処理部18は、この貨物画像に基づいて取得した貨物ラベル情報に含まれる物品の数量や品番を、端末装置2の表示部24において表示させてもよい(例えば、後述する図9Cの画面Jにおける領域J7)。これにより作業者は、端末装置2の撮像部23において貨物7の貨物画像を撮像する度に、撮像した貨物ラベル71に示されている物品情報(数量、品番など)が正しく取得されているかを端末装置2の表示部24の画面で確認できるので、作業性が向上する。例えば貨物ラベル71に手書きの文字が記入されている場合、文字認識の精度が低くなるため、貨物ラベル71の画像から誤った貨物ラベル情報が取得され易くなる。このような場合、作業者は、取得された貨物ラベル情報を端末装置2の表示部24で確認し、現物の貨物ラベル71の文字と比較することにより、取得された貨物ラベル情報の誤りを早期に発見できる。従って、後述するエラー処理(ST180)が行われることによる作業の手戻りが回避され易くなる。また、誤った貨物ラベル情報に基づいて入庫検査に合格してしまうリスクが回避され易くなる。
【0084】
更に、物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2の表示部24に表示させた1つの貨物ラベル情報の物品情報(数量、品番など)を修正するように求める作業者の修正指示を端末装置2から受信した場合(例えば、後述する図9Cの画面JにおけるボタンJ8が押下された場合)、当該修正指示に応じて当該1つの貨物ラベル情報を修正してもよい。これにより作業者は、撮像した貨物画像の貨物ラベル71に示されている物品情報(数量、品番など)が間違って取得されていることを端末装置2の表示部24の画面で確認したとき、これを直ぐに正しい物品情報へ修正することが可能となる。従って、後述するステップST170の判定における不整合を回避し易くなり、作業効率の低下を抑制できる。
【0085】
1以上の貨物7の貨物画像から貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得すると、次に第1処理部18は、取得した貨物ラベル情報に含まれる物品情報と、ステップST130で保存した納品書情報に含まれる物品情報とが整合するか判定する(ST170)。例えば第1処理部18は、取得した1以上の貨物7の貨物ラベル情報における物品情報(品番、数量、ロット番号など)と、ステップST130で保存した納品書情報における物品情報(品番、数量、ロット番号など)とが一致する場合、これらの物品情報が整合すると判定する。
【0086】
納品書情報の1つの物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合、物品管理装置1の第1処理部18は、全ての貨物7について貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得した後で整合性の判定処理(ST170)を実行してもよいし、個々の貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理と並行して整合性の判定処理(ST170)を実行してもよい。後者の場合、端末装置2から貨物画像を取得する処理(ST145)と、貨物画像から貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理(ST145)と、納品書情報に対する貨物ラベル情報の整合性を判定する処理(ST170)とがそれぞれ並行して実行されることになるため、ステップST170の整合性の判定結果が迅速に得られ易くなる。
【0087】
ステップST175において貨物ラベル情報の物品情報と納品書情報の物品情報とが整合していると判定した場合(ST175のYes)、第1処理部18は、この整合した物品情報と、ステップST145で取得した貨物識別情報とを関連付けて管理DB3に登録する(ST185)。管理DB3に登録する物品情報は、例えば、ステップST145で取得した貨物ラベル情報に含まれる物品情報でよい。この場合、第1処理部18は、ステップST185において貨物識別情報に関連付けられた貨物ラベル情報の物品情報が管理DB3に登録されたことを端末装置2に通知し、端末装置2の第2処理部28は、この通知を表示部24に表示させる(ST190)。
【0088】
ステップST175において納品書情報の物品情報と貨物ラベル情報の物品情報とが不整合であると判定した場合(ST175のNo)、第1処理部18は、所定のエラー処理を実行する(ST180)。例えば第1処理部18は、納品書情報の物品情報と貨物ラベル情報の物品情報とが不整合であることを知らせるエラー通知を端末装置2に送信し、端末装置2の第2処理部28がこのエラー通知を表示部24に表示さたり、エラーを知らせる音を音入出力部25において出力させたりする。
【0089】
以上説明したように、本実施形態によれば、貨物7の中の物品に関する物品情報と、個々の貨物7を一意的に識別するための貨物識別情報とが関連づけられて管理DB3に登録される。貨物識別情報は、貨物7に貼り付けられた識別ラベル72において示された情報であり、目視によらず読み取ることが可能である。例えばバーコードなどの光学コードによって貨物識別情報を表した場合、貨物識別情報はバーコードリーダーなどの装置で簡単に読み取ることができる。従って、倉庫などに貨物7として入庫した物品を管理する場合において、目視による照合作業の負担を大幅に減らすことができる。
【0090】
例えば、貨物ラベル71の物品情報が記載された出荷指示書に、この物品情報と関連付けられた出荷指示番号をバーコードなどで印刷することにより、出荷指示書に印刷した出荷指示番号は、出荷指示書に記載された物品情報を間接的に表すことになる。従って、出荷指示書の出荷指示番号と、貨物ラベル71の貨物識別情報とをそれぞれバーコードリーダーなどで読み取り、出荷指示書から読み取った出荷指示番号に関連付けられている物品情報と、貨物ラベル71から読み取った貨物識別情報に関連付けられている物品情報とをコンピュータで照合するようにすれば、出荷指示書に記載された物品情報と貨物ラベル71に示された貨物ラベル情報とを目視で照合する面倒な作業を省略することが可能になる。
【0091】
このように、目視による照合作業を省略できることから、倉庫などに貨物として入庫した物品の管理に関わる作業負担を効果的に軽減できる。また、目視の照合作業によるミスが無くなることから、正確で品質の高い物品の管理を行うことができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、貨物ラベル71と識別ラベル72を含む貨物7の画像から貨物ラベル情報と貨物識別情報が取得され、貨物ラベル情報に基づいた物品情報が貨物識別情報に関連付けられて管理DB3に登録される。そのため、物品情報と貨物識別情報とを関連付けるために目視の照合作業を行う必要がなくなり、物品情報と貨物識別情報との関連付けのミスを効果的に抑えることができる。
【0093】
更に、本実施形態によれば、納品書情報の1つの物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合、複数の貨物7の貨物画像を順次に端末装置2から取得する処理と並行して、個々の貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理が実行される。これにより、各貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報が物品管理装置1において取得されるのを待つことなく、複数の貨物7の撮像操作を連続して行うことが可能になるため、1つの納品書6に関わる物品が複数の貨物7に含まれて入庫される場合でも円滑に入庫作業を行うことができる。
【0094】
なお、ステップST145(図3)において取得する貨物ラベル情報と貨物識別情報は、共通の貨物7の画像に基づいて取得してもよいし、それぞれ別に撮影された貨物7の画像に基づいて取得してもよい。すなわち、物品管理装置1の第1処理部18は、貨物ラベル71の画像と識別ラベル72の画像を両方含んだ共通の貨物7の画像から貨物ラベル情報と貨物識別情報を取得してもよいし、別に撮影された貨物7の画像(貨物ラベル71の画像を含んだ貨物7の画像、識別ラベル72の画像を含んだ貨物7の画像)から貨物ラベル情報と貨物識別情報をそれぞれ取得してもよい。
【0095】
ここで、上述した図3のフローチャートに示す物品管理方法のより具体的な処理の例について、図4図6のフローチャートを参照して説明する。
【0096】
まず、納品書6の画像から納品書情報を取得する処理(ST110、図3)の一例について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0097】
端末装置2の第2処理部28は、入力部22において入力した作業者の指示に応じて、納品書情報の取得対象となる納品書6の納品書形式を選択する(ST200)。例えば第2処理部28は、納品書形式DB4に登録された複数の納品書形式の中から、特定の納品書形式を指定するための情報(納品書形式指定情報)を入力部22において入力し、物品管理装置1に送信する。納品書形式指定情報は、例えば物品の種類を識別する情報(品番など)や、物品の仕入先に関する情報を含んでもよい。
【0098】
図7Aは、ステップST200において納品書形式指定情報を入力する場合の端末装置2の画面例を示す。図7Aに示す画面Aは、仕入先の企業名の一覧が表示される領域A1を有する。領域A1に表示される一覧の中から1つの仕入先を選択する作業者の操作がなされると、端末装置2の第2処理部28は、作業者が選択した仕入先の情報を納品書形式指定情報として物品管理装置1に送信する。
【0099】
物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2から納品書形式指定情報を入力すると(ST205)、この納品書形式指定情報が指定する納品書形式を持った納品書6の見本用画像を端末装置2へ送信し、端末装置2の表示部24において表示させる(ST210、ST215)。例えば納品書形式DB4には、納品書形式ごとに納品書6の見本用画像(サムネイル画像)が登録されている。物品管理装置1の第1処理部18は、納品書形式指定情報が指定する納品書形式について納品書形式DB4に登録された見本用画像を取得して端末装置2に送信する。
【0100】
端末装置2の第2処理部28は、表示部24において表示した見本用画像に係る納品書形式が、納品書情報の取得対象となる納品書6の納品書形式として適切なものか否か示す作業者の指示を入力部22において入力する。納品書6の実物と表示部24に表示される見本用画像とを見比べた結果、両者の納品書形式が一致していると判断された場合、見本用画像に係る納品書形式が適切なものであることを示す作業者の指示が入力される。
【0101】
図7Bは、ステップST215において納品書6の見本用画像を表示する場合の端末装置2の画面例を示す。図7Bに示す画面Bの中央付近には、納品書6の見本用画像が表示される。画面BにおいてボタンB1が押下された場合、見本用画像に係る納品書形式が適切なものでない(ST220のNo)。この場合、端末装置2の第2処理部28はステップST200に戻り、図7Aの画面において納品書形式の選択をやり直す。他方、画面BにおいてボタンB2が押下された場合、見本用画像に係る納品書形式は適切である(ST220のYes)。この場合、第2処理部28はステップST225に移行して、納品書6の撮影を行う。
【0102】
図7Cは、ステップST225において納品書6を撮像する場合の端末装置2の画面例を示す。図7Cに示す画面Cは、端末装置2の撮像部23において撮像を行う際に起動されるアプリケーションプログラム(カメラアプリ)の表示領域C1を有する。端末装置2の第2処理部28は、この表示領域C1において被写体の画像を表示し、所定の撮像操作(例えばカメラのシャッターを示すボタンを押す操作など)が行われた場合、表示中の被写体の画像を撮像する。画面CにおいてボタンC2が押下された場合、第2処理部28はステップST200に戻り、図7Aの画面において納品書形式の選択をやり直す。
【0103】
図8Aは、図7Cに示す画面C(ST225、図4)のカメラアプリの表示領域C1において納品書6の画像を撮像した場合に表示される端末装置2の画面例を示す。図8Aに示す画面Dの中央付近には、ステップST225において撮像した納品書6の画像(プレビュー)が表示される。このプレビューの上側には、被写体の納品書6が示す納品書情報(注文番号、品番、数量など)に含まれた文字列の行数を入力するための領域D4が設けられている。この領域D4には、作業者によって、納品書6における文字列の行数(各行の文字列が1つの物品情報に対応する場合は、物品情報の数)が入力される。
【0104】
図8AにおいてボタンD2が押下されると、端末装置2の第2処理部28はステップST225(図7Cの画面C)に戻り、納品書6の画像の撮像をやり直す。図8AにおいてボタンD3が押下されると、端末装置2の第2処理部28はステップST225(図7Cの画面C)に戻り、納品書情報の取得対象となる別の納品書6の画像の撮像を行う。これにより、第2処理部28は、2以上の納品書画像を撮影することができる。図8AにおいてボタンD1が押下されると、第2処理部28は、撮像した被写体の画像(納品書画像)を物品管理装置1へ送信するとともに、各納品書画像について領域C4に入力された文字列の行数を物品管理装置1へ送信する。なお、端末装置2の第2処理部28は、2以上の納品書画像を撮像する場合、ボタンD3が押下される度に、撮像した納品書画像と文字列の行数を物品管理装置1へ送信してもよい。
【0105】
物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST230において、端末装置2が撮像した納品書画像と、納品書6の文字列の行数を取得する。納品書画像は、端末装置2に表示させた見本用画像(図7B)が示す納品書6と同じ納品書形式を持つものとして端末装置2を操作する作業者により確認された画像である。
【0106】
物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST205において端末装置2から入力した納品書形式指定情報が指定する納品書形式(納品書6における各納品書項目の位置と範囲に関する形式)と、ステップST230において端末装置2から取得した納品書画像とに基づいて、少なくとも一部の納品書情報を取得する(ST235)。
【0107】
例えば物品管理装置1の第1処理部18は、納品書形式指定情報が指定する一の納品書形式について予め与えられた学習済モデル(第1学習済モデル)に対して、端末装置2から取得した納品書画像を適用することにより、端末装置2から取得した納品書画像における1以上の納品書項目の画像範囲を特定する。第1学習済モデルは、一の納品書形式を持つ納品書6の画像から、この納品書6における1以上の納品書項目に対応した1以上の画像範囲を特定するように、所定の機械学習アルゴリズムを用いて生成されたモデルである。第1学習済モデルの生成に用いる機械学習アルゴリズムは任意でよく、例えば多層ニューラルネットワークをディープラーニングにより学習させるアルゴリズムなどでもよい。例えば納品書形式DB4には、納品書形式ごとに第1学習済モデルが登録されている。第1処理部18は、納品書形式指定情報が指定する納品書形式について納品書形式DB4に登録された第1学習済モデルを使用して、端末装置2が撮像した納品書画像における1以上の納品書項目の画像範囲を特定する。
そして第1処理部18は、特定した1以上の画像範囲の各々から、画像範囲に対応する納品書項目の情報を取得する。例えば第1処理部18は、特定した各画像範囲について光学文字認識処理を実施することにより、この画像範囲に含まれた納品書項目の文字情報を取得する。
【0108】
なお、物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST235において納品書画像に基づいて納品書情報を取得する場合、納品書情報に含まれる文字列の画像範囲を特定して文字認識の精度が高くなるように、作業者によって指定された納品書6の文字列の行数(図8Aの画面Dの領域D4)を用いて納品書情報を取得する。例えば第1処理部18は、第1学習済モデルを使用して納品書画像における1以上の納品書項目の画像範囲を特定する場合に、作業者によって指定された納品書情報の文字列の行数に基づいて、各行の文字列(1以上の納品書項目)の画像範囲を特定する。
【0109】
以上説明したように、図4のフローチャートに示した処理では、納品書6の画像から納品書情報を取得する場合に、端末装置2を操作する作業者が入力した納品書形式指定情報(仕入先の企業名など)によって、納品書情報の取得対象の納品書6が持つ納品書形式が指定され、この指定された納品書形式から第1学習済モデルが定まる。そして、端末装置2が撮像した納品書画像をこの第1学習済モデルに対して適用することにより、納品書画像における1以上の納品書項目の画像範囲が特定される。この処理では、納品書形式ごとに生成された第1学習済モデルを用いて納品書情報が取得されるため、納品書形式を限定せずに生成された学習済モデルを用いる場合に比べて、納品書画像から精度の高い納品書情報を取得することができる。
【0110】
また図4のフローチャートに示した処理では、端末装置2に表示させた見本用画像(図7B)が示す納品書6と同じ納品書形式を持つものとして端末装置2を操作する作業者により確認された納品書6の画像に基づいて、納品書情報が取得される。そのため、端末装置2を操作する作業者の確認が無い場合に比べて、第1学習済モデルにより取得される納品書情報の正確性を高めることができる。
【0111】
更に図4のフローチャートに示した処理では、納品書画像に基づいて納品書情報を取得する際に、作業者によって指定された納品書情報の文字列の行数が用いられる。具体的には、納品書画像における1以上の納品書項目の画像範囲を特定する処理において、作業者により指定された納品書情報の文字列の行数に基づいて画像範囲が特定される。これにより、納品書6に印字された文字が小さい場合でも、必要な納品書情報を精度よく取得することができる。
【0112】
次に、図5のフローチャートを参照して、納品書6の画像から納品書情報を取得する処理(ST110、図3)の一変形例を説明する。図4のフローチャートに示す処理では、端末装置2を操作する作業者が入力した納品書形式指定情報によって納品書6の納品書形式が指定されるが、図5のフローチャートに示す処理では、端末装置2が撮像した納品書6の画像に基づいて納品書形式が判別される。
【0113】
端末装置2の第2処理部28は、例えば図7Cに示す画面Cにおいて納品書画像を撮像し、物品管理装置1に送信する(ST300)。
【0114】
物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST305において、端末装置2が撮像した納品書6の画像を取得する。第1処理部18は、この取得した納品書6の画像に基づいて、画像中の納品書6が持つ納品書形式を判別する(ST310)。例えば第1処理部18は、納品書6の画像からこの画像中の納品書6が持つ納品書形式を判別するように生成された第3学習済モデルに対して、端末装置2が撮像した納品書6の画像を適用することにより、端末装置2が撮像した画像中の納品書6の納品書形式を判別する。第3学習済モデルの生成に用いる機械学習アルゴリズムは任意でよく、例えば多層ニューラルネットワークをディープラーニングにより学習させるアルゴリズムなどでもよい。
【0115】
物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST310において納品書形式を判別すると、この納品書形式を持った納品書6の見本用画像を端末装置2へ送信し、端末装置2の表示部24において表示させる(ST315、ST320)。例えば第1処理部18は、ステップST310で判別した納品書形式について納品書形式DB4に登録される見本用画像を取得して端末装置2に送信する。
【0116】
端末装置2の第2処理部28は、ステップST320において納品書6の見本用画像を表示する場合、例えば図7Bの画面Bを表示する。画面BにおいてボタンB1が押下された場合、見本用画像に係る納品書形式が適切なものでないため(ST325のNo)、第2処理部28はステップST300に戻り、図7Cの画面において納品書6の画像の撮像をやり直す。他方、画面BにおいてボタンB2が押下された場合、見本用画像に係る納品書形式は適切であるため(ST325のYes)、そのことを通知する応答を物品管理装置1に送信する。
【0117】
物品管理装置1の第1処理部18は、納品書6の見本用画像を表示させた端末装置2から、見本用画像が示す納品書6の納品書形式が適切であることを示す応答を入力した場合(ST330)、ステップST305において入力した納品書6の画像(端末装置2が撮像した納品書画像)と、ステップST310において判別した納品書形式(納品書6における各納品書項目の位置と範囲に関する形式)とに基づいて、少なくとも一部の納品書情報を取得する(ST335)。例えば第1処理部18は、判別した納品書形式について予め与えられた第1学習済モデルに対して、端末装置2から入力した納品書6の画像を適用することにより、端末装置2から取得した納品書画像における1以上の納品書項目の画像範囲を特定し、特定した1以上の画像範囲の各々から、画像範囲に対応する納品書項目の情報を取得する。この画像範囲を特定する処理において、第1処理部18は、作業者により指定された納品書情報の文字列の行数に基づいて画像範囲を特定する。
【0118】
以上説明したように、図5のフローチャートに示した処理では、端末装置2が撮像した納品書6の画像に基づいて、この画像中の納品書6が持つ納品書形式が判別される。従って、作業者が納品書形式指定情報を入力する手間を省くことが可能となり、作業者の作業負担を軽減できる。
【0119】
また、図5のフローチャートに示した処理においても、納品書形式ごとに生成された第1学習済モデルを用いて納品書情報が取得されるため、納品書形式を限定せずに生成された学習済モデルを用いる場合に比べて、納品書6の画像から精度の高い納品書情報を取得することができる。
【0120】
更に、図5のフローチャートに示した処理では、端末装置2に表示させた見本用画像(図7B)が示す納品書6の納品書形式が適切であることを端末装置2を操作する作業者が確認した場合に、この納品書形式について生成された第1学習済モデルを用いて納品書情報が取得される。そのため、端末装置2を操作する作業者の確認が無い場合に比べて、第1学習済モデルにより取得される納品書情報の正確性を高めることができる。なお、第3学習済モデルによる納品書形式の判別精度が十分に高い場合は、ステップST320、ST325における見本用画像の確認は省略してもよく、これにより見本用画像を確認する作業者の手間を削減することができる。
【0121】
次に、入庫データと納品書情報との整合判定の結果が得られた場合(ST125、図3)、判定結果に応じて端末装置2に表示される画面の例と物品管理装置1の処理の例について、図8B図9Aを参照して説明する。
【0122】
図8Bは、ステップST110(図3図5)において取得した納品書情報の物品情報と、ステップST115において特定した入庫データの物品情報とが整合すると判定した場合に(ST125のYes、図3)、物品管理装置1の第1処理部18が端末装置2において表示させる画面の一例を示す。図8Bに示す画面Eは、入庫時の注意事項が表示される領域E1と、貨物ラベル情報を取得するステップST145の処理(図3図6図7)に移行するためのボタンE2を含む。
【0123】
また図8Bに示す画面Eは、ステップST125において整合していると判定した納品書情報の物品情報(品番、数量)と、当該物品情報に対応付けられた注文識別情報(注文番号)とを表示する領域E4を含む。作業者は、領域E4に表示された物品情報(品番、数量)と注文識別情報(注文番号)を現物の納品書6と見比べることにより、納品書画像から納品書情報を正しく取得できたことを確認できるとともに、この納品書情報が入庫データに整合していることを確認できる。
【0124】
図8Cは、納品書情報の物品情報と入庫データの物品情報とが整合しないと判定した場合に(ST125のNo、図3)、物品管理装置1の第1処理部18が端末装置2において表示させる画面の一例を示す。図8Cに示す画面Fを端末装置2において表示させた場合、第1処理部18はステップST135(図3)のエラー処理へ移行する。
【0125】
図8Cの画面Fには、納品書情報の物品情報と入庫データの物品情報とが不整合と判定された理由が表示される。図8Cの例では、2つの納品書について取得した2つの納品書情報の各々について、入庫データとの不整合の理由が画面Fに表示されている。入庫データとの不整合が判定された2つの納品書情報に対応する2つのボタンF1又はF2のいずれかが押下されると、端末装置2の第2処理部28は、押下されたボタンに対応する納品書情報を修正するための画面G(図9A)を表示部24において表示する。
図8Cの画面FにおいてボタンF3が押下されると、第2処理部28はステップST200(図4)に移行して、図7Aに示す画面Aを表示部24に表示する。
図8Cの画面FにおいてボタンF4が押下されると、第2処理部28はステップST225(図4)に移行して、図7Cに示す画面Cを表示部24に表示する。
【0126】
図9Aは、納品書情報と入庫データとの不整合を判定した際のエラー処理(ST135、図3)において、取得した納品書情報の修正を行う場合の端末装置2の画面例を示す図である。図9Aに示す画面Gは、納品書情報に含まれる物品情報の各々について不整合の判定がなされた理由を表示する領域G1と、各物品情報に含まれる個々の情報(注文番号、品番、数量など)を修正する際に文字等を入力するための入力欄G2~G4とを有する。画面GにおけるボタンG5が押下されると、入力欄G2~G4に入力された各物品情報の修正内容を含む情報が、納品書情報の修正指示として物品管理装置1に送信される。物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST135(図3)のエラー処理において、各物品情報の修正指示を端末装置2から入力すると、ステップST120(図3)に戻る。第1処理部18は、ステップST120において、端末装置2からの修正指示に応じて修正した納品書情報の物品情報と入庫データの物品情報とが整合するか再び判定する。
【0127】
本実施形態の上述したエラー処理(ST135、図3)では、ステップST120の判定処理において納品書情報の物品情報と入庫データの物品情報との不整合が判定された場合に、納品書情報の物品情報が端末装置2からの修正指示に応じて修正され、その修正後の納品書情報についてステップST120の判定処理が再度実施される。これにより、納品書6の汚れなどによって納品書情報の取得がうまくいかない場合には、納品書情報を手動で変更した上で処理を続行することができる。
【0128】
また、本実施形態の上述したエラー処理(ST135、図3)では、ステップST120において納品書情報の物品情報と入庫データの物品情報とが整合すると判定された場合に、貨物ラベル情報を取得するステップST145の処理(図3図6)が実行される。従って、ステップST120の判定処理の結果(整合/不整合)に応じて、ステップST145の判定処理における作業者の作業(貨物ラベル71の画像の撮像など)が無駄になることを防止できる。
【0129】
次に、貨物7の画像から貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理(ST145、図3)の一例について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6に示すフローチャートは、ステップST125(図3)において入庫データと整合することが判定された1以上の納品書6について検品を行う場合の処理を示す。
【0130】
物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST125(図3)において入庫データと整合することが判定され、ステップST130(図3)において保存された1以上の納品書6についての情報を端末装置2に提供する(ST137)。端末装置2の第2処理部28は、物品管理装置1から提供された1以上の納品書6についての情報を表示部24において表示し、表示部24の画面において作業者に対して、検品を行う納品書6と物品情報の選択を促す。この画面において検品対象の納品書6と物品情報が作業者により選択されると、端末装置2の第2処理部28は、選択された納品書6と物品情報を物品管理装置1に通知する(ST138)。
【0131】
図9Bは、ステップST138(図6)において端末装置2の表示部24に表示される画面の例を示す。図9Bに示す画面Hには、ステップST125(図3)において入庫データと整合することが判定された1以上の納品書情報に含まれる1以上の物品情報を表す情報が表示される。図9Bの例において、画面Hには、2つの納品書6に対応する2つ項目(「納品書1」「納品書2」)が表示される。一方の納品書6の項目(「納品書1」)には、3つの部品情報を示す3つのボタン(H1~H3)が含まれる。ボタンH1及びボタンH2が示す2つの物品情報は、同じ品番(物品種類識別情報)を含み、かつ、対応付けられた注文番号(注文識別情報)が互いに異なっている。ボタンH3が示す物品情報は、ボタンH1及びボタンH2の物品情報とは異なる品番(物品種類識別情報)を含んでいる。このように画面Hでは、ステップST125(図3)において入庫データと整合することが判定された1以上の納品書情報に含まれる1以上の物品情報の各々について、品番(物品種類識別情報)と注文番号(注文識別情報)との組み合わせが表示されている。
【0132】
図9Bの画面Hにおけるこれらのボタン(H1~H3)の右横には、貨物ラベル情報の物品情報に含まれた数量と、納品書情報の物品情報に含まれた数量との関係が表示される。前者の数量が「/」の左側に表示され、後者の数量が「/」の右側に表示される。図9Bの例では、貨物ラベル情報が未だ取得されていないため、貨物ラベル情報の物品情報に含まれた数量がすべてゼロになっているが、後述するステップST435において貨物ラベル情報が取得された場合、取得された貨物ラベル情報の物品情報に含まれる数量が「/」の左側に表示される。納品書情報の物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合、複数の貨物7について取得した複数の貨物ラベル情報の物品情報に含まれる数量の合計が計算され、「/」の左側に表示される。貨物ラベル情報の物品情報に含まれた数量と納品書情報の物品情報に含まれた数量とが一致した場合、「/」の左側の数量と右側の数量が同じになる。
【0133】
端末装置2の第2処理部28は、図9Bの画面HにおいてボタンH1~H3のいずれかが押下された場合、押下されたボタンに対応する納品書6及び物品情報が作業者により選択されたことを物品管理装置1に通知する(ST138)。物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST138において端末装置2から通知された納品書6の物品情報に含まれる1つの物品種類識別情報に対応付けられた1つの貨物ラベル形式を特定する(ST400)。例えば第1処理部18は、当該1つの物品種類識別情報に対応付けられた貨物ラベル形式の情報を貨物ラベル形式DB5から取得する。
【0134】
端末装置2の第2処理部28は、ステップST138において納品書6と物品情報が選択されると、図9Cの画面Jに移行する。第2処理部28は、この画面Jにおいて、貨物7の画像に含まれる貨物ラベル71及び識別ラベル72の少なくとも一方に表れた文字を光学文字認識処理によって読み取るための貨物7の静止画を撮像部23により撮像する(ST430)。
【0135】
図9Cに示す画面Jは、撮像部23において撮像を行う際に起動されるカメラアプリの表示領域J1を有する。この表示領域J1において被写体の画像を表示させた状態で、表示領域J1の下側にあるボタンJ4が押下されると、端末装置2の第2処理部28は、表示領域J1に表示中の被写体の画像を撮像する。第2処理部28は、撮像した貨物7の静止画を物品管理装置1に送信する。
【0136】
物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2が撮像した貨物7の静止画を取得すると、この取得した静止画に含まれる貨物ラベル71及び識別ラベル72の少なくとも一方に表れた文字を光学文字認識処理によって読み取る処理を行う(ST435)。
【0137】
すなわち、物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST400において特定した貨物ラベル形式(貨物ラベル71における各貨物ラベル項目の位置と範囲に関する形式)と、ステップST435において端末装置2から取得した貨物7の画像(貨物ラベル71の画像を含む静止画)とに基づいて、少なくとも一部の貨物ラベル情報を取得する。
例えば第1処理部18は、ステップST400において特定した貨物ラベル形式について予め与えられた学習済モデル(第2学習済モデル)に対して、端末装置2が撮像した貨物7の画像(貨物ラベル71の画像を含む静止画)を適用することにより、端末装置2から取得した貨物7の画像における1以上の貨物ラベル項目の画像範囲を特定する。第2学習済モデルは、一の貨物ラベル形式を持つ貨物ラベル71の画像から、この貨物ラベル71における1以上の貨物ラベル項目に対応した1以上の画像範囲を特定するように、所定の機械学習アルゴリズムを用いて生成されたモデルである。第2学習済モデルの生成に用いる機械学習アルゴリズムは任意でよく、例えば多層ニューラルネットワークをディープラーニングにより学習させるアルゴリズムなどでもよい。例えば貨物ラベル形式DB5には、貨物ラベル形式ごとに第2学習済モデルが登録されている。第1処理部18は、ステップST400で特定した貨物ラベル形式について貨物ラベル形式DB5に登録される第2学習済モデルを使用して、端末装置2が撮像した貨物7の画像に含まれる貨物ラベル71に応じた貨物ラベル情報を取得する。
そして第1処理部18は、特定した1以上の画像範囲の各々から、画像範囲に対応する貨物ラベル項目の情報を取得する。例えば第1処理部18は、特定した各画像範囲について光学文字認識処理を実施することにより、この画像範囲に含まれた貨物ラベル項目の文字情報を取得する。
【0138】
なお、物品管理装置1の第1処理部18は、識別ラベル72に現れた文字を光学文字認識処理によって読み取る場合、識別ラベル72の画像から識別ラベル72中の文字の画像範囲を特定するように生成された学習済モデル(識別ラベル用学習済モデル)を用いてもよい。例えば第1処理部18は、端末装置2から入力した識別ラベル72の画像を識別ラベル用学習済モデルに対して適用することにより、識別ラベル72中の文字の画像範囲を特定し、この特定した画像範囲について光学文字認識処理を実施することにより、この画像範囲に含まれた識別ラベル72中の文字情報を取得してもよい。
【0139】
端末装置2の第2処理部28は、ステップST430における静止画の撮像に続けて、貨物7の画像に含まれる貨物ラベル71及び識別ラベル72の少なくとも一方に表れた光学コードをデコードするための貨物7の動画を撮像する(ST440)。例えば第2処理部28は、図9Cの画面Jの表示領域J1に貨物7を表示させた状態でボタンJ4が押下されて貨物7の静止画を撮像すると、続けて図10Bに示す画面Lに移行し、貨物7の動画の撮像を行う。図10Bの画面Lは、光学コードを読み取るための動画の撮影を行うカメラアプリの表示領域L1を有する。第2処理部28は、表示領域L1に表示された貨物7の動画を物品管理装置1にストリーミング送信する。
【0140】
物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2からストリーミング送信される貨物7の動画を取得すると、この取得した動画に含まれる貨物ラベル71及び識別ラベル72の少なくとも一方に表れた光学コード(バーコードなど)をデコードする処理を行う(ST445)。第1処理部18は、この光学コードのデコード処理によって、貨物識別情報及び貨物ラベル情報のそれぞれ少なくとも一部を取得する。例えば第1処理部18は、ステップST435の光学文字認識処理によって貨物ラベル情報を取得し、ステップST445のデコード処理によって貨物識別情報を取得してもよい。
【0141】
図10Bの画面LにおいてボタンL2が押下されると、端末装置2の第2処理部28は、表示領域L1に映し出された貨物7の動画のストリーミング送信を終了し、図9Cの画面Jに再び移行する。これにより、端末装置2は、次の貨物7の撮像が可能な状態となる。ステップST138(図6)で選択された納品書6の物品情報に関わる物品が他の貨物7にも含まれている場合(ST450のYes)、端末装置2の第2処理部28は上述したステップST430及びST440と同様の処理により、他の貨物7の画像(静止画、動画)を撮像して、物品管理装置1に送信する。物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2における貨物7の画像の撮像が終了していない場合(ST460のNo)、上述したステップST435及びST445と同様の処理により、端末装置2から取得した貨物7の画像(静止画、動画)に基づいて貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する。
【0142】
ステップST138(図6)で選択された納品書6の1つの物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合、物品管理装置1の第1処理部18は、貨物7の画像(静止画、動画)を端末装置2から取得して貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理(ST435、ST445)を繰り返し行うことになる。この場合、第1処理部18は、複数の貨物7の画像を順次に端末装置2から取得する処理と並行して、個々の貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理を実行する。すなわち、第1処理部18は、端末装置2から複数の貨物7の画像(静止画、動画)を順次に取得しながら、これと並行して、取得した貨物7の画像から貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する上述の処理を実行する。端末装置2と物品管理装置1との通信速度が遅い場合や、物品管理装置1における処理(光学文字認識処理など)が遅い場合でも、作業者は、各貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報が物品管理装置1において取得されるのを待つことなく、複数の貨物7の撮像操作(ST430、ST440)を連続して行うことができる。
【0143】
図9Cに示す画面Jは、ステップST138(図6)で選択された1つの物品情報について撮像を行った貨物7の個数を表示する領域J5を有する。端末装置2の第2処理部28は、ステップST430及びST440において1つの貨物7の画像(静止画、動画)を撮像する度に、領域J5において表示する貨物7の個数を1ずつ増やす。これにより、作業者は、ステップST138(図6)で選択した1つの物品情報について何個の貨物7を撮像したかを正しく把握しながら作業を進めることができる。
【0144】
また、図9Cに示す画面Jは、ステップST138で選択された1つの物品情報について貨物7の撮像作業を行っている場合に、その物品情報に対応付けられた注文識別情報(図9Cの例では注文番号)を表示する領域J6を有する。すなわち、物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST138で選択された1つの物品情報に対応付けられた注文識別情報(注文番号など)が領域J6に含まれるように画面Jを生成し、端末装置2の表示部24において表示させる。これにより作業者は、注文識別情報(注文番号など)が異なる複数の物品情報についてそれぞれ検品作業(貨物7の撮像作業)を行う場合に、作業中の貨物7がどの注文識別情報(注文番号)に対応付けられた物品情報に関わる貨物7であるかを正しく把握することが可能になる。そのため、無関係な貨物7を撮像してしまうミスを効果的に回避できる。
【0145】
更に、図9Cに示す画面Jは、ステップST138で選択された1つの物品情報について複数の貨物7の撮像作業を行っている場合に、撮像済みの貨物7について取得された貨物ラベル情報の物品情報(図9Cの例では、直前に撮像された貨物7に含まれる物品の数量)を表示する領域J7を有する。すなわち、物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST138で選択された1つの物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合、1つの貨物7について端末装置2の撮像部23で撮像操作が行われる度に、当該1つの貨物7について取得した1つの貨物ラベル情報に含まれる少なくとも一部の物品情報(物品の数量など)が領域J7に含まれるように画面Jを生成し、端末装置2の表示部24において表示させる。これにより作業者は、1つの物品情報について複数の貨物7の撮像を順次に行う場合、撮像した貨物ラベル71に示されている貨物ラベル情報の物品情報(物品の数量など)が正しく取得されているかを端末装置2の表示部24の画面で確認することができる。
【0146】
しかも、図9Cに示す画面Jは、領域J7に表示される1つの貨物ラベル情報の物品情報(図9Cの例では、直前に撮像された貨物7に含まれる物品の数量)を修正するためのボタンJ8を含む。ボタンJ8が押下されると、端末装置2の第2処理部28は、領域J7に表示される1つの貨物ラベル情報の物品情報(物品の数量)を修正するための図示しない画面を表示部24において表示し、この画面に入力された作業者の修正指示を物品管理装置1に送信する。物品管理装置1の第1処理部18は、この作業者の修正指示を端末装置2から受信した場合、当該修正指示に応じて当該1つの貨物ラベル情報の物品情報を修正する。これにより作業者は、撮像した貨物ラベル71に示されている貨物ラベル情報の物品情報(物品の数量など)が間違って取得されていることを画面Jで確認したとき、これを直ぐに正しい物品情報へ修正することが可能となる。
【0147】
端末装置2の第2処理部28は、図9Cに示す画面JにおいてボタンJ3が押下されると、ステップST138で選択された1つの物品情報に関わる物品が含まれた全ての貨物7の撮像作業が終了したことを物品管理装置1に通知する(ST455)。物品管理装置1の第1処理部18は、この撮像終了の通知を端末装置2から受信すると(ST460のYes)、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報に関わる物品が含まれた全ての貨物7について取得した貨物ラベル情報の物品情報と、選択された納品書6の当該1つの物品情報(納品書情報に含まれる1つの物品情報)とが整合しているか判定する(ST170)。
【0148】
例えば物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST435において取得された各貨物7の貨物ラベル情報の物品情報に含まれる物品種類識別情報(品番など)と、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報に含まれる物品種類識別情報(品番など)とが一致しているか確認し、いずれかの貨物7について物品種類識別情報の不一致が確認された場合、納品書6と貨物ラベル71が不整合であると判定する(ST175のNo)。
また、第1処理部18は、ステップST435において取得された各貨物7の貨物ラベル情報の物品情報に含まれる物品の数量と、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報に含まれる物品の数量とを比較し、いずれかの貨物7の貨物ラベル情報における物品の数量が納品書6における物品の数量より大きい場合、納品書6と貨物ラベル71が不整合であると判定する(ST175のNo)。
更に、第1処理部18は、ステップST435において取得された各貨物7の貨物ラベル情報に含まれる注文識別情報(注文番号など)と、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報に対応付けられた注文識別情報(注文番号など)とが一致しているか確認し、いずれかの貨物7について注文識別情報の不一致が確認された場合、納品書6と貨物ラベル71が不整合であると判定する(ST175のNo)。
【0149】
物品管理装置1の第1処理部18は、納品書6と貨物ラベル71が不整合であると判定した場合(ST175のNo)、所定のエラー処理を実行する(ST180)。第1処理部18は、ステップST180のエラー処理に移行すると、ステップST145で取得した貨物ラベル情報を修正するために作業者が与えた修正指示を端末装置2から入力し、この修正指示に応じて修正した貨物ラベル情報についてステップST170の整合判定を再度行う。
【0150】
図10Aは、ステップST180のエラー処理へ移行した場合の端末装置2の画面を例示する図である。物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST180のエラー処理へ移行すると、例えば図10Aに示す画面Kを端末装置2の表示部24において表示させる。すなわち第1処理部18は、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報に関わる物品が含まれた全ての貨物7の貨物画像を取得し、かつ、当該全ての貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得した場合において(ST145)、当該全ての貨物7における少なくとも一部の貨物7について取得した貨物ラベル情報の物品情報とステップST138で選択された納品書6の当該1つの物品情報とに不整合があると判定した場合(ST175のNo)、端末装置2の表示部24において、不整合があることを示す画面K(図10A)を表示させる。
【0151】
図10Aに示す画面Kでは、ステップST170において不整合と判定された1つの貨物7の貨物ラベル情報が修正可能に表示される。図10Aの例では、ステップST445で読み取られた光学コード(バーコード)のデータを修正するための入力欄K1と、ステップST435で取得された物品情報を修正するための入力欄K2~K4が画面Kに設けられている。図10Aの画面KのボタンK7が押下されると、端末装置2の第2処理部28は、作業者によって画面Kの各入力欄(K1~K4)に入力された貨物ラベル情報の修正指示を物品管理装置1に送信する。
【0152】
物品管理装置1の第1処理部18は、画面Kに入力された修正指示を端末装置2から入力すると、修正指示に応じて修正された貨物ラベル情報に基づいてステップST170の判定処理を再度行う。すなわち、第1処理部18は、画面Kが示す1つの貨物ラベル情報の不整合を是正するために、ステップST145で取得した当該1つの貨物ラベル情報を修正するように求める作業者の修正指示(入力欄K1~K4に入力された修正指示)を端末装置2から入力した場合、当該1つの貨物ラベル情報に含まれる物品情報を当該修正指示に応じて修正する。そして第1処理部18は、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報に関わる物品が含まれた全ての貨物7について取得した貨物ラベル情報の物品情報と、当該全ての貨物7について取得された貨物ラベル情報に含まれる物品情報(当該1つの貨物ラベル情報については修正後の物品情報)とが整合するかを再度判定する(ST170)。修正後の貨物ラベル情報に含まれる物品情報が依然として納品書6の物品情報と不整合である場合(ST175のNo)、第1処理部18は、この貨物ラベル情報の修正指示を入力する図10Aの画面Kを端末装置2において再度表示させる。また、修正後の貨物ラベル情報に含まれる物品情報が納品書6の物品情報と整合したものの、他の貨物ラベル情報の物品情報が納品書6の物品情報と不整合である場合(ST175のNo)、第1処理部18は、当該他の貨物ラベル情報の修正指示を入力する図10Aの画面Kを端末装置2において更に表示させる。
【0153】
1つの貨物ラベル情報の修正指示を入力する図10Aの画面KにおいてボタンK6が押下されると、端末装置2の第2処理部28は図9Cの画面Jに移行して、当該1つの貨物ラベル情報に対応する貨物7の画像を再度撮像し、撮像した貨物画像を物品管理装置1に送信する(ST430、ST440)。物品管理装置1の第1処理部18は、当該1つの貨物ラベル情報の不整合を是正するために再度撮像された貨物7の画像を端末装置2から再取得すると、再取得した貨物7の画像に基づいて貨物ラベル情報及び貨物識別情報を再取得する(ST435、ST445)。そして第1処理部18は、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報に関わる物品が含まれた全ての貨物7について取得した貨物ラベル情報の物品情報と、当該全ての貨物7について取得された貨物ラベル情報に含まれる物品情報(当該1つの貨物ラベル情報については再取得後の物品情報)とが整合するかを再度判定する(ST170)。再取得後の貨物ラベル情報に含まれる物品情報が依然として納品書6の物品情報と不整合である場合(ST175のNo)、第1処理部18は、この貨物ラベル情報の修正指示を入力する図10Aの画面Kを端末装置2において再度表示させる。また、修正後の貨物ラベル情報に含まれる物品情報が納品書6の物品情報と整合したものの、他の貨物ラベル情報の物品情報が納品書6の物品情報と不整合である場合(ST175のNo)、第1処理部18は、当該他の貨物ラベル情報の修正指示を入力する図10Aの画面Kを端末装置2において更に表示させる。
【0154】
物品管理装置1の第1処理部18は、1つの貨物ラベル情報の修正指示を入力する図10Aの画面KにおいてボタンK5が押下されると、端末装置2において図10Bの画面Lを表示させるとともに、ステップST445に戻って、当該1つの貨物ラベル情報に対応する1つの貨物7の動画を再取得する。画面LのボタンL2が押下されると、第1処理部18は、当該1つの貨物7について再取得した動画に基づいて光学コードのデコードを行い、デコードにより得られた光学コードの情報を再取得する(ST445)。
【0155】
ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報と、ステップST145において取得された各貨物7の貨物ラベル情報の物品情報とが整合している場合、物品管理装置1の第1処理部18は、全ての貨物7について取得した貨物ラベル情報の物品情報に基づいて算出される全貨物の物品の総数量(各貨物7に含まれた物品の数量の合計)と、ステップST138で選択された納品書6の当該1つの物品情報に含まれる物品の数量とを照合する。第1処理部18は、この照合の結果において両者が一致している場合、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報と、当該1つの物品情報に関わる物品が含まれた全ての貨物7について取得した貨物ラベル情報の物品情報とが最終的に整合していると判定する(ST175のYes)。
【0156】
物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報とステップST145において取得した全ての貨物ラベル情報の物品情報とが整合していると判定した場合(ST175のYes)、選択された納品書6の当該1つの物品情報に関わる物品が含まれた全ての貨物7について、それぞれ、貨物7の画像に基づいて取得した貨物ラベル情報の物品情報と、貨物7の画像に基づいて取得した貨物識別情報とを関連付けて管理DB3に登録する(ST185)。また第1処理部18は、注文番号ごとに実績データを作成し、作成した実績データを管理DB3に登録してもよい。
この場合、第1処理部18は、貨物識別情報に関連付けられた貨物ラベル情報の物品情報が管理DB3に登録されたことを端末装置2に通知し、端末装置2の第2処理部28はこの通知を表示部24に表示させる(ST190)。図11Aは、ステップST190において端末装置2に表示される画面の一例を示す。図11Aに示す画面Nでは、管理DB3に登録された貨物ラベル情報の物品情報における物品種類識別情報(品番)、物品の総数量、シリアル番号が表示される。画面N(図11A)においてボタンN1が押下されると、第1処理部18は端末装置2の画面を図9Bの画面Hに戻す。
【0157】
他方、物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報と、当該1つの物品情報に関わる物品が含まれた全ての貨物7について取得した貨物ラベル情報の物品情報とが最終的に整合していないと判定した場合(ST175のNo)、ステップST180のエラー処理において、図10Cに示す画面Mを端末装置2に表示させる。画面Mには、納品書情報と貨物ラベル情報の物品情報が不整合であった理由が表示されるとともに、貨物ラベル情報の物品情報における物品種類識別情報(品番)と物品の総数量が表示される。画面MにおいてボタンM1が押下されると、第1処理部18は、カメラアプリを起動した画面J(図9C)を端末装置2に表示させ、端末装置2において全ての貨物7の撮像を再度行わせるとともに(ST430、ST440)、撮像された貨物7の画像に基づいて貨物ラベル情報及び貨物識別情報を再度取得する(ST435、ST445)。画面MにおいてボタンM2が押下されると、第1処理部18は端末装置2の画面を後述する図11Bの画面Oに移行させる。
【0158】
物品管理装置1の第1処理部18は、画面H(図9B)で選択された納品書6の1つの物品情報に整合する1以上の貨物ラベル情報の物品情報を管理DB3へ登録した場合(ST185)、選択された納品書情報の中に未だ貨物ラベル情報との整合判定を行っていない物品情報があれば(ST195のYes)、この未判定の物品情報についてステップST137以降の処理を再度繰り返す。
【0159】
物品管理装置1の第1処理部18は、図9Bの画面Hにおいて、複数の物品情報における個々の物品情報を表す情報(図9Bの例ではボタンH1~H3)を、ステップST170の判定処理において納品書情報の物品情報と貨物ラベル情報の物品情報とが整合するとの判定結果が得られたか否か判別可能な態様で端末装置2の表示部24に表示させる(ST138)。例えば第1処理部18は、画面Hにおいて表示する物品情報のボタンの色を、ステップST170において整合すると判定されたか否かに応じて異なる色で表示する。また第1処理部18は、ステップST170において整合すると判定された物品情報のボタンについては、ステップST138において作業者が選択できないようにする。これにより、ステップST138において端末装置2から物品管理装置1へ入力される作業者の選択指示は、ステップST110(図3図5)で取得した1以上の納品書情報に含まれる1以上の物品情報のうち、ステップST170の判定処理において整合するとの判定結果が得られていない物品情報についての選択指示となる。物品管理装置1の第1処理部18は、端末装置2から物品情報の選択指示(ST138)を入力する度に、上述したステップST145の処理を繰り返す。
【0160】
図9Bの画面HにおいてボタンH5が押下されたとき、物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST110(図3)で取得した1以上の納品書情報に含まれる複数の物品情報の一部に未だステップST170の判定が行われていないものがあれば、図11Bの画面Oを端末装置2に表示させる。図11Bの画面OにおいてボタンO1が押下されると、第1処理部18は端末装置2の画面を図9Bの画面Hに戻す。図11Bの画面OにおいてボタンO2が押下されると、第1処理部18は、端末装置2の画面を図7Aの画面Aに戻す。この場合、ステップST170の判定が行われた物品情報については、ステップST185の処理によって既に管理DB3へ登録されている。ステップST170の判定が行われていない残りの物品情報については、他の方法(例えば管理DB3へ作業者が直接入力するなど)により管理DB3へ登録されることになる。
他方、第1処理部18は、図9Bの画面HにおいてボタンH5が押下されたとき、ステップST110(図3)で取得した1以上の納品書情報に含まれる全ての物品情報についてのST170の判定結果が整合を示すものであった場合、図11Cの画面Pを端末装置2に表示させる。画面PにおいてボタンP1が押下された場合、第1処理部18は、端末装置2の画面を図7Aに示す画面Aに戻す。
【0161】
以上説明したように、図6のフローチャートで示した処理では、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合、当該複数の貨物7の各々について、貨物7の画像に基づいて貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理(ST435、ST445)が行われる。各貨物7について貨物ラベル情報及び貨物識別情報が取得されると、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報と、当該1つの物品情報に関わる物品が含まれた複数の貨物7について取得された複数の貨物ラベル情報の物品情報とが整合するか判定する処理(ST170)が行われる。そして、ステップST138で選択された納品書6の1つの物品情報と複数の貨物ラベル情報の物品情報とが整合すると判定された場合、当該1つの物品情報に関わる物品が含まれた複数の貨物7の各々について、貨物7の画像に基づいて取得した貨物ラベル情報の物品情報と、貨物7の画像に基づいて取得した貨物識別情報とを関連付けて管理DB3に登録する処理(ST185)が行われる。これにより、納品書情報の1つの物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合でも、複数の貨物7における貨物ラベル情報と納品書情報との整合を判定し、この判定にパスした各貨物7の貨物ラベル情報の物品情報と貨物識別情報とを関連付けて管理DB3に登録することができる。
【0162】
また、図6のフローチャートで示した処理では、物品情報に含まれる物品種類識別情報に応じて、物品種類識別情報に対応付けられた貨物ラベル形式が特定され、この特定された貨物ラベル形式から第2学習済モデルが定まる。そして、端末装置2が撮像した貨物7の画像(貨物ラベル71を含む画像)をこの第2学習済モデルに対して適用することにより、貨物7の画像における1以上の貨物ラベル項目の画像範囲が特定され、特定された1以上の画像範囲の各々から、画像範囲に対応する貨物ラベル項目の情報が光学文字認識処理などにより取得される。この処理では、貨物ラベル形式ごとに生成された第2学習済モデルを用いて貨物ラベル情報が取得されるため、貨物ラベル形式を限定せずに生成された学習済モデルを用いる場合に比べて、貨物7の画像に含まれる貨物ラベル71から精度の高い貨物ラベル情報を取得することができる。
【0163】
また、図6のフローチャートに示した処理では、光学文字認識処理によって貨物ラベル71や識別ラベル72に表れる文字を読み取るための貨物7の静止画が端末装置2において撮像され、この静止画の撮像に続けて、貨物ラベル71や識別ラベル72に表れる光学コードをデコードするための貨物7の動画が端末装置2において撮像される。そして物品管理装置1において、撮像された貨物7の静止画に基づいて、貨物ラベル情報及び貨物識別情報のそれぞれ少なくとも一部が光学文字認識処理により取得され、撮像された貨物7の動画に基づいて、貨物ラベル情報及び貨物識別情報のそれぞれ少なくとも一部が光学コードのデコード処理により取得される。従って、貨物7の静止画の撮像と動画の撮像とを連続的に実施することにより、この静止画と動画に基づいて得られる貨物ラベル情報と貨物識別情報との関連付けを確保することができる。
なお、図6のフローチャートに示した処理では、光学文字認識処理に用いられる貨物7の静止画の撮像に続けて光学コードをデコードに用いる貨物7の動画の撮像が行われるが、この例とは逆に、貨物7の動画の撮像に続けて貨物7の静止画の撮像が行われてもよい。
【0164】
また、図6のフローチャートで示した処理では、ステップST120において入庫データに整合すると判定された1以上の納品書情報に複数の物品情報が含まれている場合、当該複数の物品情報の各々について、貨物7の画像に基づいて1以上の貨物ラベル情報及び1以上の貨物識別情報を取得する処理(ST435、ST445)が行われ、更に、当該複数の物品情報の各々について、納品書情報の1つの物品情報と、当該1つの物品情報に関わる物品が含まれた1以上の貨物7について取得した1以上の貨物ラベル情報の物品情報とが整合するか判定する処理(ST170)が行われる。そして、当該複数の物品情報における少なくとも1つの物品情報が1以上の貨物ラベル情報の物品情報と整合すると判定された場合、当該少なくとも1つの物品情報に関わる物品が含まれた1以上の貨物7の各々について、貨物7の画像に基づいて取得した貨物ラベル情報の物品情報と、貨物7の画像に基づいて取得した貨物識別情報とを関連付けて管理DB3に登録する処理(ST185)が行われる。これにより、ステップST120において入庫データに整合すると判定された1以上の納品書情報に複数の物品情報が含まれている場合でも、当該複数の物品情報の各々について、貨物ラベル情報と納品書情報との整合を判定し、この判定にパスした貨物ラベル情報の物品情報を貨物識別情報に関連付けて管理DB3に登録することができる。
【0165】
また、図6のフローチャートで示した処理では、ステップST138(図6)で選択された納品書6の1つの物品情報に関わる物品が複数の貨物7に含まれている場合、複数の貨物7の画像を順次に端末装置2から取得する処理と並行して、個々の貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理が実行される。これにより、各貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報が物品管理装置1において取得されるのを待つことなく、複数の貨物7の撮像操作を連続して行うことが可能になるため、1つの納品書6に関わる物品が複数の貨物7に含まれて入庫される場合でも円滑に入庫作業を行うことができる。
【0166】
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0167】
貨物は、例えば物品を収容した段ボール箱やプラスチックコンテナでもよい。
【0168】
端末装置は、作業者によって携帯可能なスマートフォンなどの装置に限らず、固定的に設置されたカメラ装置でもよい。例えば、搬送ローラー上で搬送される貨物を固定されたカメラ装置(端末装置)により自動的に撮像し、撮像した貨物の画像(貨物ラベル及び識別ラベルを含む画像)をカメラ装置(端末装置)から物品管理装置へ自動的に送信するようにしてもよい。
【0169】
納品書を撮像する端末装置と、貨物を撮像する撮像装置は、同一の装置でもよいし、異なる装置でもよい。
【0170】
図3のステップST110やステップST145の処理において光学文字認識処理を行う場合、光学文字認識処理の結果として得られた文字情報を端末装置2において表示し、端末装置2に入力される作業者の指示に応じて、光学文字認識処理の結果の文字情報を修正できるようにしてもよい。
【0171】
図3のステップST110やステップST145の処理において光学文字認識処理を行う場合、端末装置2に入力される作業者の指示に応じて、光学文字認識処理を行う画像の範囲を再設定できるようにしてもよい。
【0172】
図3のステップST110やステップST145の処理において光学文字認識処理を行う場合、光学文字認識処理を行う画像において、処理対象の文字列を任意の図形(例えば矩形の図形)により囲んで端末装置2に表示させてもよい。
【0173】
納品書に複数の注文番号が混在しており、注文番号毎に貨物7が入庫する場合、各注文番号に対応する貨物7に対して図3のステップST140~ST190の処理を実行してよい。
【0174】
納品書において1つの注文番号に複数の品番が対応しており、品番毎に貨物7が入庫する場合、各品番に対応する貨物7に対して図3のステップST140~ST190の処理を実行してよい。
【0175】
納品書に1つの注文番号と1つの品番が記載されており、この1つの品番に対して複数の貨物7が入庫する場合、入庫する複数の貨物7の各々に対して図3のステップST140~ST190の処理を実行してよい。
【0176】
図3のステップST105やステップST140において、端末装置2が対象物(納品書6、貨物7)を撮像する場合に、入力される作業者の指示に応じて、撮像を繰り返しやり直すこと(撮像した画像をキャンセルして新たな画像を撮像すること)ができるようにしてもよい。
【0177】
入庫データにおける入庫予定の物品の数量が納品書に記載される物品の数量より多い場合、同じ注文識別情報(例えば注文番号)に対応した貨物7について図3のステップST185の処理(管理DB3に物品情報を登録する処理)を実行する度に、入庫データにおける入庫予定の物品の数量から、管理DB3に登録した物品情報における物品の数量(入庫が確定した物品の数量)を減算し、減算後の残数(入庫予定の物品の残数)を端末装置2に表示するようにしてもよい。また、この減算を行う度に、入庫データにおける入庫予定の物品の数量を、減算後の残数(入庫予定の物品の残数)に更新してもよい。これにより、同じ注文識別情報の貨物7が入庫する度に、入庫データにおける入庫予定の物品の数量が、入庫した貨物7に含まれる物品の数ずつ減っていくことになる。
【0178】
納品書6が存在せず、入庫データのみ取得される場合は、図3に示すフローチャートにおけるステップST105~ST130の処理を省略してもよい。この場合、物品管理装置1の第1処理部18は、ステップST170において、貨物7の画像から取得した貨物ラベル情報に含まれる物品情報と、ステップST100で取得した入庫データに含まれる物品情報とが整合するか判定し、これらの物品情報が整合すると判定した場合、ステップST185の処理を実行してよい。
【0179】
他方、納品書6は存在するが注文識別情報(注文番号など)が納品書6に記載されておらず、注文識別情報に紐づけられた入庫データが提供されない場合がある。このような場合、物品管理装置1の第1処理部18は、入庫データと納品書とを照合する処理(ST100~ST103、ST115~ST125:図3)を省略し、その代わりに、ステップST110において納品書の撮像画像から取得された納品書情報における所定の納品書項目(品番など)の情報が適切か否かを判定する処理を行ってもよい。
例えば、納品書情報における所定の納品書項目の情報として適切な既知の情報のリスト(品番のリストなど)が、第1記憶部17や図示しないデータベースに記憶されていてもよい。この場合、第1処理部18は、納品書画像から取得した納品書情報に含まれる所定の納品書項目の情報が、このリストに登録されているか確認すればよい。納品書情報に含まれる情報がリストに登録されている場合、第1処理部18は当該情報を適切であると判定し、ステップST130(図3)以降の処理を実行してよい。
【0180】
図4に示すフローチャートでは、端末装置2から入力した納品書形式指定情報により指定される納品書形式に基づいて納品書6の画像における各納品書項目の画像範囲の位置と範囲を特定し、特定した画像範囲から各納品書項目の情報を取得しているが、本発明はこの例に限定されない。すなわち、納品書6に光学コード(バーコードなど)が含まれている場合は、図6のステップST435、ST445における処理と同様に、納品書6の静止画から光学文字認識処理によって納品書情報を取得する工程と、納品書6の動画から光コードをデコードして納品書情報を取得する工程とを別に実行してもよい。
【0181】
図12は、納品書6の画像から納品書情報を取得する処理(ST110、図3)の一変形例を説明するためのフローチャートである。図12に示すフローチャートは、図4のフローチャートにおけるステップST225をステップST225A及びST225Bに置き換え、図4のフローチャートにおけるステップST230及びST235を削除し、ステップST240及びST245を追加したものであり、他のステップは図4に示すフローチャートと同じである。
図12のフローチャートにおけるステップST225A、ST225B、ST240、ST245は、それぞれ、図6のフローチャートにおけるステップST430、ST440、ST435、ST445に対応する。すなわち、前者(図12)の各ステップは、後者(図6)の各ステップにおける貨物7の画像(静止画、動画)を納品書6の画像(静止画、動画)と読み替え、貨物ラベル情報を納品書情報と読み替えたものに相当する。
【0182】
図12のフローチャートにおいて、第1処理部18は、端末装置2が撮像した納品書6の静止画を取得し、取得した納品書6の静止画に基づいて、納品書6の静止画に含まれる納品書6に表れた文字を光学文字認識処理により読み取る(ST240)。また第1処理部18は、端末装置2が撮像した納品書6の動画を取得し、取得した納品書6の動画に基づいて、納品書6の動画に含まれる納品書6に表れた光学コードをデコードする(ST245)。端末装置2では、納品書6の静止画を撮像するステップST225Aと、納品書6の動画を撮像するステップST225Bが連続して行われる。
【0183】
図6のフローチャートの例では、ステップST145における各貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報の取得後にステップST170の整合判定処理が行われているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態において、ステップST170の整合判定処理は、ステップST145において各貨物7の貨物ラベル情報及び貨物識別情報を取得する処理と並行に行われてもよい。これにより、ステップST170の整合性の判定結果が迅速に得られ易くなる。
【0184】
上述した実施形態では、端末装置2において納品書6の画像や貨物7の画像が撮像されているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態において、納品書6の画像や貨物7の画像は物品管理装置1に設けられた撮像装置のカメラにより撮像されてもよい。また、上述した実施形態において物品管理装置1により実行されている処理の少なくとも一部は端末装置2において実行されてもよい。
【0185】
以下、本実施形態に関連する付記を記す。
[1]
物品管理装置が行う物品管理方法であって、
前記物品管理装置は、入庫した物品に関する情報を記憶する管理データベースにアクセス可能であり、
前記物品が含まれる貨物には、納品書が付属し、
前記納品書は、付属する前記貨物中の前記物品に関する物品情報を含んだ納品書情報を示し、
1つの前記物品情報は、1つの物品種類識別情報を含み、
前記物品種類識別情報は、前記物品の種類を識別するための情報であり、
個々の前記貨物には、貨物ラベルと識別ラベルとが貼られており、
前記貨物ラベルは、貼られた前記貨物中の前記物品に関する前記物品情報の少なくとも一部を含んだ貨物ラベル情報を示し、
前記識別ラベルは、個々の前記貨物を一意的に識別するための貨物識別情報を示し、
前記納品書が撮像された納品書画像を取得する第1画像取得工程と、
取得された前記納品書画像に基づいて、前記納品書に示された前記納品書情報を取得する第1情報取得工程と、
前記貨物が撮像された貨物画像であって、前記貨物に貼られた前記貨物ラベルの画像と前記貨物に貼られた前記識別ラベルの画像とを含む1以上の前記貨物画像を前記貨物ごとに取得する第2画像取得工程と、
取得された前記貨物画像に基づいて、前記貨物ラベルに示された前記貨物ラベル情報と、前記識別ラベルに示された前記貨物識別情報とを取得する第2情報取得工程と、
取得された前記納品書情報に含まれる1つの前記物品情報と、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれる1以上の前記貨物について取得された1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合するか判定する第1整合判定工程と、
前記納品書情報に含まれる1つの前記物品情報と1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第1整合判定工程において判定した場合、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれる1以上の前記貨物の各々について、取得された前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報と、取得された前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録する登録工程とを有する、
物品管理方法。
[2]
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が複数の前記貨物に含まれている場合、前記第2画像取得工程において当該複数の貨物の前記貨物画像を順次に取得する処理と並行して、前記第2情報取得工程において個々の前記貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得する処理を実行する、
[1]に記載の物品管理方法。
[3]
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が複数の前記貨物に含まれている場合、前記第2情報取得工程において個々の前記貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得する処理と並行して、前記第1整合判定工程において前記貨物ラベル情報の前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とが整合するかを前記貨物ごとに判定する処理を実行する、
[2]に記載の物品管理方法。
[4]
前記第2画像取得工程は、入庫作業を行う作業者によってカメラの撮像操作が行われる度に、前記カメラで撮像された前記貨物画像を取得することを含み、
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が複数の前記貨物に含まれている場合、1つの前記貨物について前記撮像操作が行われる度に、当該1つの貨物について前記第2情報取得工程により取得した1つの前記貨物ラベル情報に含まれる少なくとも一部の前記物品情報を、前記作業者に対して情報を表示する表示装置において表示させる第1情報表示工程を有する、
[1]~[3]のいずれか1つに記載の物品管理方法。
[5]
前記第2情報取得工程は、前記第1情報表示工程において前記表示装置に表示させた1つの前記貨物ラベル情報の前記物品情報を修正するように求める前記作業者の修正指示が入力された場合、当該修正指示に応じて当該1つの貨物ラベル情報を修正することを含む、
[4]に記載の物品管理方法。
[6]
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が含まれた全ての前記貨物の前記貨物画像を前記第2画像取得工程において取得し、かつ、前記第2情報取得工程において当該全ての貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得した場合において、当該全ての貨物における少なくとも一部の前記貨物について取得した前記貨物ラベル情報の前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とに不整合があると前記第1整合判定工程において判定した場合、入庫作業を行う作業者に対して情報を表示する表示装置において、前記不整合があることを示す情報を表示させる第2情報表示工程を有し、
前記第1整合判定工程は、前記第2情報表示工程において表示された前記不整合を是正するために、前記第2情報取得工程において取得した少なくとも1つの前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報を修正するように求める前記作業者の修正指示が入力された場合、当該少なくとも1つの前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報を当該修正指示に応じて修正した後、当該全ての貨物について取得された1以上の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とが整合するかを再度判定することを含む、
[1]~[5]のいずれか1つに記載の物品管理方法。
[7]
前記納品書情報の1つの前記物品情報に関わる前記物品が含まれた全ての前記貨物の前記貨物画像を前記第2画像取得工程において取得し、かつ、前記第2情報取得工程において当該全ての貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得した場合において、当該全ての貨物における少なくとも一部の前記貨物について取得した前記貨物ラベル情報の前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とに不整合があると前記第1整合判定工程において判定したならば、入庫作業を行う作業者に対して情報を表示する表示装置において、前記不整合があることを示す情報を表示させる第2情報表示工程を有し、
前記第2画像取得工程は、前記第2情報表示工程において表示された前記不整合を是正するために、1つの前記貨物について再度撮像された前記貨物画像を再取得することを含み、
前記第2情報取得工程は、前記第2画像取得工程において再取得された当該1つの貨物の前記貨物画像に基づいて、当該1つの貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を再取得することを含み、
前記第1整合判定工程は、前記第2情報取得工程において再取得された前記貨物ラベル情報を含む当該全ての貨物の前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報と前記納品書情報の当該1つの物品情報とが整合するかを再度判定することを含む、
[1]~[6]のいずれか1つに記載の物品管理方法。
[8]
前記第1情報取得工程は、前記第1画像取得工程において取得された1つの前記納品書画像が示す前記納品書情報に含まれた前記物品情報の文字列の行数を示す前記作業者の指示が入力された場合、当該入力された指示と当該1つの納品書画像とに基づいて当該1つの納品書情報を取得することを含む、
[1]~[7]のいずれか1つに記載の物品管理方法。
[9]
前記納品書情報は、個々の注文を識別するための注文識別情報を含み、
1つの前記物品情報は、1つの前記注文識別情報に対応付けられており、
前記物品情報に含まれた前記物品種類識別情報と前記物品情報に対応付けられた前記注文識別情報との組み合わせが、前記物品情報ごとに異なっており、
前記注文識別情報と前記物品情報とを含んだ入庫データを取得する入庫データ取得工程と、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に対応する前記入庫データを、前記納品書情報に含まれる前記注文識別情報に基づいて特定する入庫データ特定工程と、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に含まれる前記物品情報と、前記入庫データ特定工程において特定した前記入庫データに含まれる前記物品情報とが整合するか判定する第2整合判定工程とを含み、
前記登録工程は、前記入庫データ特定工程において特定した前記入庫データに含まれる前記物品情報と前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第2整合判定工程において判定し、かつ、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報に含まれる前記物品情報と前記第2情報取得工程において取得した前記貨物ラベル情報に含まれる前記物品情報とが整合すると前記第1整合判定工程において判定した場合に、前記貨物ラベル情報の前記物品情報と前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録することを含む、
[1]~[8]のいずれか1つに記載の物品管理方法。
[10]
前記貨物ラベルは、1以上の貨物ラベル項目を含み、
前記貨物ラベル情報は、前記貨物ラベルにおける少なくとも一部の前記貨物ラベル項目に関する情報を含み、
前記貨物ラベルが持つ貨物ラベル形式であって、前記貨物ラベルに含まれる1以上の前記貨物ラベル項目の位置と範囲に関する前記貨物ラベル形式が、前記物品種類識別情報と対応付けられており、
前記第2情報取得工程は、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報の前記物品情報に含まれる前記物品種類識別情報に対応付けられた前記貨物ラベル形式を特定する工程と、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報の前記物品情報に関わる前記物品が含まれた1以上の前記貨物の各々について、特定した前記貨物ラベル形式と、前記第2画像取得工程において取得した前記貨物画像とに基づいて、少なくとも一部の前記貨物ラベル情報を取得する工程とを含み、
前記入庫データ取得工程において取得した前記入庫データの前記物品情報に含まれる前記物品種類識別情報が、予め前記貨物ラベル形式に対応付けられたものであるか判定する入庫データ判定工程と、
予め前記貨物ラベル形式に対応付けられていない前記物品種類識別情報が前記入庫データに含まれていると判定した場合、入庫作業を行う作業者に対して情報を表示する表示装置において当該判定結果に関する情報を表示させる第4情報表示工程とを有する、
[9]に記載の物品管理方法。
[11]
前記納品書情報に含まれる前記物品情報と前記入庫データに含まれる前記物品情報とが整合すると前記第2整合判定工程において判定した場合、入庫作業を行う作業者に対して情報を表示する表示装置において、整合すると判定した当該物品情報と、当該物品情報に対応付けられた前記注文識別情報とを表示させる第5表示工程を有する、
[9]又は[10]に記載の物品管理方法。
[12]
前記納品書情報は、個々の注文を識別するための注文識別情報を含み、
1つの前記物品情報は、1つの前記注文識別情報に対応付けられており、
前記物品情報に含まれた前記物品種類識別情報と前記物品情報に対応付けられた前記注文識別情報との組み合わせが、前記物品情報ごとに異なっており、
前記第1情報取得工程は、前記第1画像取得工程において取得された1以上の前記納品書画像に基づいて前記納品書情報を取得することを含み、
前記第2画像取得工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報が複数の前記物品情報を含む場合、当該複数の物品情報の各々について、1以上の前記貨物の前記貨物画像を取得することを含み、
前記第2情報取得工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報が複数の前記物品情報を含む場合、当該複数の物品情報の各々について、1以上の前記貨物の前記貨物ラベル情報及び前記貨物識別情報を取得することを含み
前記第1整合判定工程は、前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報が複数の前記物品情報を含む場合、当該複数の物品情報の各々について、前記納品書情報の1つの前記物品情報と、当該1つの物品情報に関わる前記物品が含まれた1以上の前記貨物について取得した1以上の前記貨物ラベル情報の前記物品情報とが整合するか判定することを含み、
前記登録工程は、前記納品書情報が含んだ複数の前記物品情報における少なくとも1つの前記物品情報が1以上の前記貨物ラベル情報の前記物品情報と整合すると判定した場合、当該少なくとも1つの物品情報に関わる前記物品が含まれた1以上の前記貨物の各々について、前記貨物画像に基づいて取得した前記貨物ラベル情報の前記物品情報と、前記貨物画像に基づいて取得した前記貨物識別情報とを関連付けて前記管理データベースに登録することを含む、
[1]~[11]のいずれか1つに記載の物品管理方法。
[13]
前記第2画像取得工程は、入庫作業を行う作業者によってカメラの撮像操作が行われる度に、前記カメラで撮像された前記貨物画像を取得することを含み、
前記第1情報取得工程において取得した前記納品書情報における1つの前記物品情報について前記貨物画像を取得する前記第2画像取得工程が行われる場合、前記作業者に対して情報を表示する表示装置において、当該1つの物品情報に対応付けられた1つの前記注文識別情報を表示させる第3情報表示工程を有する、
[12]に記載の物品管理方法。
[14]
物品管理装置であって、
入庫した物品に関する情報を記憶する管理データベースにアクセス可能な第1処理部と、
前記第1処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する第1記憶部とを有し、
前記プログラムは、[1]~[13]のいずれか1つに記載された方法の各工程を前記第1処理部に行わせる前記命令を含み、
前記第1処理部が前記プログラムの前記命令を実行する、
物品管理装置。
[15]
[1]~[13]のいずれか1つに記載された方法の各工程を行う手段を備えた
物品管理装置。
[16]
物品管理装置が実行可能な命令を含むプログラムであって、
[1]~[13]のいずれか1つに記載された方法の各工程を前記物品管理装置に行わせる前記命令を含む
プログラム。
【符号の説明】
【0186】
1…物品管理装置、11…通信部、17…第1記憶部、18…第1処理部、2…端末装置、21…通信部、22…入力部、23…撮像部、24…表示部、25…音入出力部、27…第2記憶部、28…第2処理部、3…管理データベース、4…納品書形式データベース、5…貨物ラベル形式データベース、6…納品書、7…貨物、71…貨物ラベル、72…識別ラベル、9…通信ネットワーク
【要約】
【課題】倉庫などに貨物として入庫した物品の管理に関わる作業負担を軽減できる物品管理装置を提供する。
【解決手段】貨物7の中の物品に関する物品情報と、個々の貨物7を一意的に識別するための貨物識別情報とが関連づけられて管理DB3に登録される。貨物識別情報は、貨物7に貼り付けられた識別ラベル72において示された情報であり、目視によらず読み取ることが可能である。例えばバーコードなどの光学コードによって貨物識別情報を表した場合、貨物識別情報はバーコードリーダーなどの装置で簡単に読み取ることができる。従って、倉庫などに貨物7として入庫した物品を管理する場合において、目視による照合作業の負担を大幅に減らすことができる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12