(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】顕微鏡対物レンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 21/02 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
G02B21/02
(21)【出願番号】P 2023205704
(22)【出願日】2023-12-05
【審査請求日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】202310729717.9
(32)【優先日】2023-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520357958
【氏名又は名称】ジョウシュウシ エーエーシー レイテック オプトロニクス カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】山崎郁
(72)【発明者】
【氏名】岩崎高
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第114415361(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110286481(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0162933(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104280870(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114236800(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113031240(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111552058(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111381354(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡対物レンズであって、
前記顕微鏡対物レンズは、出射側から物体側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ、正の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、負の屈折力を有する第6レンズ、負の屈折力を有する第7レンズ、負の屈折力を有する第8レンズ、正の屈折力を有する第9レンズ、負の屈折力を有する第10レンズ、正の屈折力を有する第11レンズ、および正の屈折力を有する第12レンズ
から構成され、
ここで、前記顕微鏡対物レンズの焦点距離がfであり、前記第9レンズ、前記第10レンズ、前記第11レンズ、および前記第12レンズからなるレンズ群の焦点距離がf9-12であり、前記第7レンズと前記第8レンズとの合成焦点距離がf78であり、前記第7レンズの軸上厚さがd13であり、前記第8レンズの軸上厚さがd15であり、前記第7レンズの物体側面から前記第8レンズの出射面側までの軸上距離がd14であり、前記第11レンズの出射面の中心曲率半径がR21であり、前記第11レンズの物体側面の中心曲率半径がR22であり、前記顕微鏡対物レンズの開口数がNAであり、前記顕微鏡対物レンズの作動距離がWDであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
0.09≦F9-12/F≦0.15
-1.35≦f78/(d13+d14+d15)≦-0.95
-7.00≦R21/R22≦-2.00;
0.20≦NA*f/WD≦0.26
【請求項2】
前記第5レンズの出射面の中心曲率半径がR9であり、前記第5レンズの焦点距離がf5であり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
0.90≦R9/f5≦3.00
【請求項3】
前記第1レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、前記第1レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第1レンズの焦点距離がf1であり、前記第1レンズの出射面の中心曲率半径がR1であり、前記第1レンズの物体側面の中心曲率半径がR2であり、前記第1レンズの軸上厚さがd1であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
0.08≦f1/f≦0.27
-1.83≦(R1+R2)/(R1-R2)≦-0.56
0.01≦d1/TTL≦0.03
【請求項4】
前記第2レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、前記第2レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第2レンズの焦点距離がf2であり、前記第2レンズの出射面の中心曲率半径がR3であり、前記第2レンズの物体側面の中心曲率半径がR4であり、前記第2レンズの軸上厚さがd3であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
0.09≦f2/f≦0.30
-1.09≦(R3+R4)/(R3-R4)≦-0.02
0.01≦d3/TTL≦0.03
【請求項5】
前記第3レンズの出射面は近軸位置で凹面であり、前記第3レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、
前記第3レンズの焦点距離がf3であり、前記第3レンズの出射側の中心曲率半径がR5であり、前記第3レンズの物体側面の中心曲率半径がR6であり、前記第3レンズの軸上厚さがd5であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
-0.23≦f3/f≦-0.07
-0.26≦(R5+R6)/(R5-R6)≦0.53
0.00<d5/TTL≦0.01
【請求項6】
前記第4レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、
前記第4レンズの焦点距離がf4であり、前記第4レンズの出射面の中心曲率半径がR7であり、前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径がR8であり、前記第3レンズの軸上厚さがd7であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
-0.28≦f4/f≦-0.05
0.09≦(R7+R8)/(R7-R8)≦4.94
0.00<d7/TTL≦0.02
【請求項7】
前記第5レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、前記第5レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第5レンズの焦点距離がf5であり、前記第5レンズの出射面の中心曲率半径がR9であり、前記第5レンズの物体側面の中心曲率半径がR10であり、前記第5レンズの軸上厚さがd9であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
0.03≦f5/f≦0.10
-0.65≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.89
0.01≦d9/TTL≦0.04
【請求項8】
前記第6レンズの出射面は近軸位置で凹面であり、
前記第6レンズの焦点距離がf6であり、前記第6レンズの出射面の中心曲率半径がR11であり、前記第6レンズの物体側面の中心曲率半径がR12であり、前記第6レンズの軸上厚さがd11であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
-0.22≦f6/f≦-0.04
-5.23≦(R11+R12)/(R11-R12)≦-0.13
0.00<d11/TTL≦0.01
【請求項9】
前記第7レンズの物体側面が近軸位置で凹面であり、
前記第7レンズの焦点距離がf7であり、前記第7レンズの出射面の中心曲率半径がR13であり、前記第7レンズの物体側面の中心曲率半径がR14であり、前記第7レンズの軸上厚さがd13であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
-1.04≦f7/f≦-0.14
0.38≦(R13+R14)/(R13-R14)≦6.21
0.00<d13/TTL≦0.02
【請求項10】
前記第8レンズの出射面は近軸位置で凹面であり、前記第8レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、
前記第8レンズの焦点距離がf8であり、前記第8レンズの出射側の中心曲率半径がR15であり、前記第8レンズの物体側の中心曲率半径がR16であり、前記第8レンズの軸上厚さがd15であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
-0.27≦f8/f≦-0.04
-1.72≦(R15+R16)/(R15-R16)≦-0.52
0.00<d15/TTL≦0.01
【請求項11】
前記第9レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、
前記第9レンズの焦点距離がf9であり、前記第9レンズの出射側の中心曲率半径がR17であり、前記第9レンズの物体側面の中心曲率半径がR18であり、前記第9レンズの軸上厚さがd17であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
0.10≦f9/f≦2.22
-22.38≦(R17+R18)/(R17-R18)≦0.75
0.01≦d17/TTL≦0.05
【請求項12】
前記第10レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、
前記第10レンズの焦点距離がf10であり、前記第10レンズの出射面の中心曲率半径がR19であり、前記第10レンズの物体側面の中心曲率半径がR20であり、前記第10レンズの軸上厚さがd19であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
-0.90≦f10/f≦-0.23
0.50≦(R19+R20)/(R19-R20)≦6.77
0.00<d19/TTL≦0.01
【請求項13】
前記第11レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、前記第11レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第11レンズの焦点距離がf11であり、前記第11レンズの出射側の中心曲率半径がR21であり、前記第11レンズの物体側面の中心曲率半径がR22であり、前記第11レンズの軸上厚さがd21であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
0.07≦f11/f≦0.24
0.17≦(R21+R22)/(R21-R22)≦1.12
0.03≦d21/TTL≦0.10
【請求項14】
前記第12レンズの出射面は近軸位置で凹面であり、前記第12レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第12レンズの焦点距離はf12であり、前記第12レンズの出射側の中心曲率半径はR23であり、前記第12レンズの物体側面の中心曲率半径はR24であり、次の関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
0.16≦f12/f≦0.63
0.59≦(R23+R24)/(R23-R24)≦3.06
0.01≦d23/TTL≦0.05
【請求項15】
前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズ、前記第6レンズ、前記第7レンズ、前記第8レンズ、前記第9レンズ、前記第10レンズ、前記第11レンズ、および前記第12レンズは、いずれもガラス材質である、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズ分野に関し、特に顕微鏡などの装置に適した顕微鏡対物レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顕微鏡レンズの需要は高まっているが、一般的な顕微鏡レンズでは光学構造上の制約により、微視的な範囲に収差が発生する。一方、顕微鏡レンズは複数枚のレンズで構成されるため、その長さは必然的に影響を受ける。また、顕微鏡レンズの構造が長いため作動距離を短くし、倍率の分解能も作動距離の影響を受け、操作者の使用に不利である。
【0003】
技術の発展とユーザニーズの多様化に伴い、顕微鏡レンズの観察品質に対する科学研究の要求はますます高まり、優れた光学特性、低収差、長い作動距離の特性を有する顕微鏡レンズが切実に求められている。
【発明の概要】
【0004】
本発明では上記問題に鑑み、良好な光学性能を有するとともに、低収差という設計要件を満たすことができる顕微鏡対物レンズを提供することを目的とした。
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本発明の一実施形態は、顕微鏡対物レンズを提供する。前記顕微鏡対物レンズは、出射側から物体側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ、正の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、負の屈折力を有する第6レンズ、負の屈折力を有する第7レンズ、負の屈折力を有する第8レンズ、正の屈折力を有する第9レンズ、負の屈折力を有する第10レンズ、正の屈折力を有する第11レンズ、および正の屈折力を有する第12レンズを備え、
ここで、前記顕微鏡対物レンズの焦点距離がfであり、前記第9レンズ、前記第10レンズ、前記第11レンズ、および前記第12レンズからなるレンズ群の焦点距離がf9-12であり、前記第7レンズと前記第8レンズとの合成焦点距離がf78であり、前記第7レンズの軸上厚さがd13であり、前記第8レンズの軸上厚さがd15であり、前記第7レンズの物体側面から前記第8レンズの出射面側までの軸上距離がd14であり、前記第11レンズの出射面の中心曲率半径がR21であり、前記第11レンズの物体側面の中心曲率半径がR22であり、前記顕微鏡対物レンズの開口数がNAであり、前記顕微鏡対物レンズの作動距離がWDであり、次の関係式を満たす。
0.09≦F9-12/F≦0.15
-1.35≦f78/(d13+d14+d15)≦-0.95
-7.00≦R21/R22≦-2.00;
0.20≦NA*f/WD≦0.26
【0006】
好ましくは、前記第5レンズの出射面の中心曲率半径がR9であり、前記第5レンズの焦点距離がf5であり、次の関係式を満たす。
0.90≦R9/f5≦3.00
【0007】
好ましくは、前記第1レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、前記第1レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第1レンズの焦点距離がf1であり、前記第1レンズの出射面の中心曲率半径がR1であり、前記第1レンズの物体側面の中心曲率半径がR2であり、前記第1レンズの軸上厚さがd1であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
0.08≦f1/f≦0.27
-1.83≦(R1+R2)/(R1-R2)≦-0.56
0.01≦d1/TTL≦0.03
【0008】
好ましくは、前記第2レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、前記第2レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第2レンズの焦点距離がf2であり、前記第2レンズの出射面の中心曲率半径がR3であり、前記第2レンズの物体側面の中心曲率半径がR4であり、前記第2レンズの軸上厚さがd3であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
0.09≦f2/f≦0.30
-1.09≦(R3+R4)/(R3-R4)≦-0.02
0.01≦d3/TTL≦0.03
【0009】
好ましくは、前記第3レンズの出射面は近軸位置で凹面であり、前記第3レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、
前記第3レンズの焦点距離がf3であり、前記第3レンズの出射側の中心曲率半径がR5であり、前記第3レンズの物体側面の中心曲率半径がR6であり、前記第3レンズの軸上厚さがd5であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-0.23≦f3/f≦-0.07
-0.26≦(R5+R6)/(R5-R6)≦0.53
0.00<d5/TTL≦0.01
【0010】
好ましくは、前記第4レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、
前記第4レンズの焦点距離がf4であり、前記第4レンズの出射面の中心曲率半径がR7であり、前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径がR8であり、前記第3レンズの軸上厚さがd7であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-0.28≦f4/f≦-0.05
0.09≦(R7+R8)/(R7-R8)≦4.94
0.00<d7/TTL≦0.02
【0011】
好ましくは、前記第5レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、前記第5レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第5レンズの焦点距離がf5であり、前記第5レンズの出射面の中心曲率半径がR9であり、前記第5レンズの物体側面の中心曲率半径がR10であり、前記第5レンズの軸上厚さがd9であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
0.03≦f5/f≦0.10
-0.65≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.89
0.01≦d9/TTL≦0.04
【0012】
好ましくは、前記第6レンズの出射面は近軸位置で凹面であり、
前記第6レンズの焦点距離がf6であり、前記第6レンズの出射面の中心曲率半径がR11であり、前記第6レンズの物体側面の中心曲率半径がR12であり、前記第6レンズの軸上厚さがd11であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-0.22≦f6/f≦-0.04
-5.23≦(R11+R12)/(R11-R12)≦-0.13
0.00<d11/TTL≦0.01
【0013】
好ましくは、前記第7レンズの物体側面が近軸位置で凹面であり、
前記第7レンズの焦点距離がf7であり、前記第7レンズの出射面の中心曲率半径がR13であり、前記第7レンズの物体側面の中心曲率半径がR14であり、前記第7レンズの軸上厚さがd13であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-1.04≦f7/f≦-0.14
0.38≦(R13+R14)/(R13-R14)≦6.21
0.00<d13/TTL≦0.02
【0014】
好ましくは、前記第8レンズの出射面は近軸位置で凹面であり、前記第8レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、
前記第8レンズの焦点距離がf8であり、前記第8レンズの出射側の中心曲率半径がR15であり、前記第8レンズの物体側面の中心曲率半径がR16であり、前記第8レンズの軸上厚さがd15であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-0.27≦f8/f≦-0.04
-1.72≦(R15+R16)/(R15-R16)≦-0.52
0.00<d15/TTL≦0.01
【0015】
好ましくは、前記第9レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、
前記第9レンズの焦点距離がf9であり、前記第9レンズの出射側の中心曲率半径がR17であり、前記第9レンズの物体側面の中心曲率半径がR18であり、前記第9レンズの軸上厚さがd17であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
0.10≦f9/f≦2.22
-22.38≦(R17+R18)/(R17-R18)≦0.75
0.01≦d17/TTL≦0.05
【0016】
好ましくは、前記第10レンズの物体側面は近軸位置で凹面であり、
前記第10レンズの焦点距離がf10であり、前記第10レンズの出射面の中心曲率半径がR19であり、前記第10レンズの物体側面の中心曲率半径がR20であり、前記第10レンズの軸上厚さがd19であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
-0.90≦f10/f≦-0.23
0.50≦(R19+R20)/(R19-R20)≦6.77
0.00<d19/TTL≦0.01
【0017】
好ましくは、前記第11レンズの出射面は近軸位置で凸面であり、前記第11レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第11レンズの焦点距離がf11であり、前記第11レンズの出射側の中心曲率半径がR21であり、前記第11レンズの物体側面の中心曲率半径がR22であり、前記第11レンズの軸上厚さがd21であり、前記顕微鏡対物レンズの光学全長がTTLであり、次の関係式を満たす。
0.07≦f11/f≦0.24
0.17≦(R21+R22)/(R21-R22)≦1.12
0.03≦d21/TTL≦0.10
【0018】
好ましくは、前記第12レンズの出射面は近軸位置で凹面であり、前記第12レンズの物体側面は近軸位置で凸面であり、
前記第12レンズの焦点距離はf12であり、前記第12レンズの出射側の中心曲率半径はR23であり、前記第12レンズの物体側面の中心曲率半径はR24であり、次の関係式を満たす。
0.16≦f12/f≦0.63
0.59≦(R23+R24)/(R23-R24)≦3.06
0.01≦d23/TTL≦0.05
【0019】
好ましくは、前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズ、前記第6レンズ、前記第7レンズ、前記第8レンズ、前記第9レンズ、前記第10レンズ、前記第11レンズ、および前記第12レンズは、いずれもガラス材質である。
本発明の有益な効果は、本発明による顕微鏡対物レンズが優れた光学特性、低収差特性を有し、光学顕微鏡対物レンズに特に適していることである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の実施形態における技術手段をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明する。なお、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施形態にすぎない。当業者は、創造的な作業を行うことなく、これらの図面に基づいてほかの図面を得ることができる。
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る顕微鏡対物レンズの構成模式図である。
【
図2】
図1に示めされる顕微鏡対物レンズの軸方向収差模式図である。
【
図3】
図1に示めされる顕微鏡対物レンズの倍率収差模式図である。
【
図4】
図1に示される顕微鏡対物レンズの像面湾曲および歪みの模式図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る顕微鏡対物レンズの構成模式図である。
【
図6】
図5に示めされる顕微鏡対物レンズの軸方向収差模式図である。
【
図7】
図5に示めされる顕微鏡対物レンズの倍率収差模式図である。
【
図8】
図5に示される顕微鏡対物レンズの像面湾曲および歪みの模式図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る顕微鏡対物レンズの構成模式図である。
【
図10】
図9に示めされる顕微鏡対物レンズの軸方向収差模式図である。
【
図11】
図9に示めされる顕微鏡対物レンズの倍率収差模式図である。
【
図12】
図9に示される顕微鏡対物レンズの像面湾曲および歪みの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の目的、技術手段および利点をより明確にするために、以下、本発明の様々な実施形態を添付図面と併せて詳細に説明する。なお、当業者であれば、本発明の様々な実施形態において、読者が本発明をより良く理解できるようにするために、多くの技術的詳細が提案されていることを理解することができる。しかしながら、これらの技術的詳細および以下の実施形態に基づく種々の変形および変更がなくても、本発明が保護されると主張する技術的解決策を実現することができる。
【0023】
(第1実施形態)
添付図面を参照すると、本発明は、顕微鏡対物レンズ10を提供する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る顕微鏡対物レンズ10を示し、この顕微鏡対物レンズ10は、出射側から物体側へ順に12枚のレンズを備える。具体的には、前記顕微鏡対物レンズ10は、出射側から像側へ順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、絞りST、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、第7レンズL7、第8レンズL8、第9レンズL9、第10レンズL10、第11レンズL11、第12レンズL12および物体面OBを備える。
【0024】
本実施形態では、第1レンズL1はガラス材質であり、第2レンズL2はガラス材質であり、第3レンズL3はガラス材質であり、第4レンズL4はガラス材質であり、第5レンズL5はガラス材質であり、第6レンズL6はガラス材質であり、第7レンズL7はガラス材質であり、第8レンズL8はガラス材質であり、第9レンズL9はガラス材質であり、第10レンズL10はガラス材質である、第11レンズL11はガラス材質、第12レンズL12はガラス材質である。
【0025】
本実施形態では、前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第9レンズL9、前記第10レンズL10、前記第11レンズL11、および前記第12レンズL12からなるレンズ群の焦点距離をf9-12と定義し、次の関係式を満たす:0.09≦f9-12/f≦0.15。物体側端の前記第9レンズL9、前記第10レンズL10、前記第11レンズL11、および前記第12レンズL12からなるレンズ群と光学系の焦点距離との比の範囲を規定することにより、入射光線の十分な収束性を確保することができる。
【0026】
前記第7レンズL7と前記第8レンズL8との合成焦点距離をf78とし、前記第7レンズL7の軸上厚みをd13とし、前記第8レンズL8の軸上厚みをd15とし、前記第7レンズL7の物体側面から前記第8レンズL8の出射面までの軸上距離をd14と定義し、次の関係式を満たす:-1.35≦f78/(d13+d14+d15)≦-0.95。また、前記第7レンズL7と前記第8レンズL8とからなる組み合わせレンズの焦点距離と厚みとの比の範囲を規定することにより、十分な屈折力を確保しながら、適切な厚みを維持することができ、収差を|Distortion|≦0.5%に補正するのに有利である。
【0027】
前記第11レンズL11の出射面の中心曲率半径をR21と定義し、前記第11レンズL11の物体側面の中心曲率半径をR22と定義し、次の関係式を満たす:-7.00≦R21/R22≦-2.00。前記第11レンズL11の形状を規定することにより、条件式の範囲内でレンズを通過する光線の偏在度合いを緩和し、球面収差の低減と色収差の補正に有効であり、色収差を|LC|≦2.4μmとすることができる。
【0028】
前記顕微鏡対物レンズ10の開口数をNAとし、前記顕微鏡対物レンズ10の作動距離(前記第12レンズL12の物体側面から物体面OBまでの軸上距離)をWDとし、前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfと定義し、次の関係式を満たす:0.20≦NA*f/WD≦0.26。顕微鏡対物レンズ10の開口数と解像度が満足する条件を規定することにより、範囲内では顕微鏡対物レンズ10の開口数が相対的に大きく、より強い解像度を実現する。
【0029】
前記第5レンズL5の出射面の中心曲率半径をR9とし、前記第5レンズL5の焦点距離をf5とし、次の関係式を満たす:0.90≦R9/f5≦3.00。レンズの焦点距離の合理的な配分と光線の出射面形状の制御により、レンズ群間の光線のスムーズな移行に有利であり、収差を補正して高解像度を実現するとともに、レンズが組立過程で発生する傾き/偏芯などの公差感度の問題を低減することができる。
【0030】
本実施形態では、第1レンズL1の出射面は近軸位置で凸面であり、第1レンズL1の物体側面は近軸位置で凸面であり、第1レンズL1は正の屈折力を有する。
【0031】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第1レンズの焦点距離をf1と定義し、次の関係式を満たす:0.08≦f1/f≦0.27。第1レンズL1の正の屈折力が規定され、顕微鏡対物レンズ10の光学全長の合理的な制御に有利である。また、好ましくは、0.12≦f1/f≦0.21を満たす。
【0032】
前記第1レンズL1の出射面の中心曲率半径をR1とし、前記第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径をR2と定義し、次の関係式を満たす:-1.83≦(R1+R2)/(R1-R2)≦-0.56。第1レンズL1の形状を合理的に制御することで、第1レンズL1が系統的に球面収差を効果的に補正できるようにする。好ましくは、-1.14≦(R3+R4)/(R3-R4)≦-0.70を満たす。
【0033】
前記第1レンズL1の軸上厚みをd1とし、顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.01≦d1/TTL≦0.03。これにより、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御するのに有利である。
【0034】
本実施形態では、第2レンズL2の出射面は近軸位置で凸面であり、第2レンズL2の物体側面は近軸位置で凸面であり、第2レンズL2は正の屈折力を有する。
【0035】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第2レンズL2の焦点距離をf2と定義し、次の関係式を満たす:0.09≦f2/f≦0.30。第2レンズL2の正のディオプトリ(Focal power)を適正な範囲に制御することにより、光学システムの収差を補正するのに有利である。また、好ましくは、0.14≦f2/f≦0.24を満たす。
【0036】
前記第2レンズL2の出射面の中心曲率半径をR3とし、前記第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径をR4と定義し、次の関係式を満たす:-1.09≦(R3+R4)/(R3-R4)≦-0.02。第2レンズL2の形状を規定することにより、範囲内であれば、軸上色収差の問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、-0.68≦(R3+R4)/(R3-R4)≦-0.03を満たす。
【0037】
前記第2レンズL2の軸上厚さをd3とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLとし、次の関係式を満たす:0.01≦d3/TTL≦0.03。これにより、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御することに有利である。また、好ましくは、0.01≦d3/TTL≦0.02を満足する。
【0038】
この実施形態では、第3レンズL3の出射面は近軸位置で凹面であり、物体側面は近軸位置で凹面であり、第3レンズL3は負の屈折力を有する。
【0039】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第3レンズL3の焦点距離をf3と定義し、次の関係式を満たす:-0.23≦f3/f≦-0.07。ディオプトリの適正な配分により、システムがより良好な結像品質と低感度を有する。また、好ましくは、-0.14≦f3/f≦-0.09を満足する。
【0040】
前記第3レンズL3の出射面の中心曲率半径をR5とし、前記第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径をR6とし、次の関係式を満たす:-0.26≦(R5+R6)/(R5-R6)≦0.53。これにより、第3レンズL3の形状を効果的に制御することができ、第3レンズL3の成形に有利であり、第3レンズL3の表面曲率が過度に大きくなることによる成形不良を回避することができる。また、好ましくは、-0.16≦(R5+R6)/(R5-R6)≦0.42を満足する。
【0041】
前記第3レンズL3の軸上厚みをd5とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.00<d5/TTL≦0.01。これにより、条件式の範囲内であり、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御することができる。
【0042】
本実施形態において、前記第4レンズL4の出射面は近軸位置で凸面であり、前記第4レンズL4の物体側面は近軸位置で凹面であり、前記第4レンズL4は負の屈折力を有する。他の任意の実施形態において、前記第4レンズL4の出射面および物体側面は、他の凹面や凸面の分布で設置されてもよい。
【0043】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第4レンズL4の焦点距離をf4と定義し、次の関係式を満たす:-0.28≦f4/f≦-0.05。ディオプトリの合理的な配分により、システムがより良好な結像品質と低感度を有する。また、好ましくは、-0.18≦f4/f≦-0.07を満足する。
【0044】
前記第4レンズL4の出射面の中心曲率半径をR7とし、前記第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径をR8と定義し、次の関係式を満たす:0.09≦(R7+R8)/(R7-R8)≦4.94。前記第4レンズL4の形状を規定することにより、範囲内にある場合は小型化を図りつつ、軸外画角の収差補正などに有利である。また、好ましくは、0.14≦(R7+R8)/(R7-R8)≦3.95を満足する。
【0045】
前記第4レンズL4の軸上厚さをd7とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLとし、次の関係式を満たす:0.00<d7/TTL≦0.02。条件式の範囲内であれば、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御することに資する。また、好ましくは、d7/TTL=0.01を満たす。
【0046】
本実施形態において、前記第5レンズL5の出射面は近軸位置で凸面であり、前記第5レンズL5の物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第5レンズL5は正の屈折力を有する。
【0047】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第5レンズL5の焦点距離をf5と定義し、次の関係式を満たす:0.03≦f5/f≦0.10。第5レンズL5に対する限定により、顕微鏡対物レンズ10の光角を効果的に緩やかにし、公差感度を低下させるのに有効である。また、好ましくは、0.04≦f5/f≦0.08を満足する。
【0048】
前記第5レンズL5の出射面の中心曲率半径をR9とし、前記第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径をR10とし、次の関係式を満たす:-0.65≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.89。第5レンズL5の形状を規定することにより、条件の範囲内である場合、軸外画角の収差などの問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、-0.41≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.71を満たす。
【0049】
前記第5レンズL5の軸上厚みをd9とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.01≦d9/TTL≦0.04。これにより、条件式の範囲内であり、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御することができる。また、好ましくは、0.02≦d9/TTL≦0.03を満たす。
【0050】
本実施形態において、第6レンズL6の出射面は近軸位置で凹面であり、物体側面は近軸位置で凹面であり、第6レンズL6は負の屈折力を有する。他の任意の実施形態において、前記第6レンズL6の出射面および物体側面は、他の凹面や凸面の分布で設置されてもよい。
【0051】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第6レンズL6の焦点距離をf6と定義し、次の関係式を満たす:-0.22≦f6/f≦-0.04。ディオプトリの合理的な配分により、システムがより良好な結像品質と低感度を有する。また、好ましくは、-0.14≦f6/f≦-0.04を満足する。
【0052】
前記第6レンズL6の出射側の中心曲率半径をR11とし、前記第6レンズL6の物体側面の中心曲率半径をR12とし、次の関係式を満たす:-5.23≦(R11+R12)/(R11-R12)≦-0.13。第6レンズL6の形状を規定することにより、条件の範囲内である場合、軸外画角の収差などの問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、-3.27≦(R11+R12)/(R11-R12)≦-0.16を満たす。
【0053】
前記第6レンズL6の軸上厚みをd11とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLと定義し、次の関係式を満たす:0.00<d11/TTL≦0.01。これにより、条件式の範囲内であり、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御するのに有利である。また、好ましくは、d11/TTL=0.01を満足する。
【0054】
本実施形態において、前記第7レンズL7の出射面は近軸位置で凹面であり、前記第7レンズL7の物体側面は近軸位置で凹面であり、第7レンズL7は負の屈折力を有する。他の任意の実施形態において、前記第7レンズL7の出射面および物体側面は、他の凹面や凸面の分布で設置されてもよい。
【0055】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第7レンズL7の焦点距離をf7と定義し、次の関係式を満たす:-1.04≦f7/f≦-0.14。ディオプトリの合理的な配分により、より良好な結像品質と低感度を有するシステムとする。また、好ましくは、-0.65≦f7/f≦-0.18を満足する。
【0056】
前記第7レンズL7の出射面の中心曲率半径をR13とし、前記第7レンズL7の物体側面の中心曲率半径をR14とし、次の関係式を満たす:0.38≦(R13+R14)/(R13-R14)≦6.21。前記第7レンズL7の形状を規定することにより、条件の範囲内にある場合は、小型化を図りつつ、軸外画角の収差などの問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、0.60≦(R13+R14)/(R13-R14)≦4.97を満足する。
【0057】
前記第7レンズL7の軸上厚さをd13とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLとし、次の関係式を満たす:0.00<d13/TTL≦0.02。条件式の範囲内であり、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御することに資する。また、好ましくは、d13/TTL=0.01を満足する。
【0058】
本実施形態において、前記第8レンズL8の出射面は近軸位置で凹面であり、前記第8レンズL8の物体側面は近軸位置で凹面であり、第8レンズL8は負の屈折力を有する。
【0059】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第8レンズL8の焦点距離をf8と定義し、次の関係式を満たす:-0.27≦f8/f≦-0.04。ディオプトリの合理的な配分により、より良好な結像品質と低感度を有するシステムとする。また、好ましくは、-0.17≦f8/f≦-0.05を満足する。
【0060】
前記第8レンズL8の出射面の中心曲率半径をR15とし、前記第8レンズL8の物体側面の中心曲率半径をR16とし、次の関係式を満たす:-1.72≦(R15+R16)/(R15-R16)≦-0.52。第8レンズL8の形状を規定することにより、条件の範囲内である場合、小型化を図りつつ、軸外画角の収差などの問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、-1.08≦(R15+R16)/(R15-R16)≦-0.65を満たす。
【0061】
前記第8レンズL8の軸上厚さをd15とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLとし、次の関係式を満たす:0.00<d15/TTL≦0.01。条件式の範囲内であり、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御するのに有利である。
【0062】
本実施形態において、前記第9レンズL9の出射面は近軸位置で凸面であり、前記第9レンズL9の物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第9レンズL9は正の屈折力を有する。また、他の任意の実施形態において、第9レンズL9の出射面および物体側面は、他の凹面や凸面の分布で設置されてもよい。
【0063】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第9レンズL9の焦点距離をf9と定義し、次の関係式を満たす:0.10≦f9/f≦2.22。ディオプトリの合理的な配分により、より良好な結像品質と低感度を有するシステムとする。また、好ましくは、0.17≦f9/f≦1.78を満足する。
【0064】
前記第9レンズL9の出射面の中心曲率半径をR17とし、前記第9レンズL9の物体側面の中心曲率半径をR18とし、次の関係式を満たす:-22.38≦(R17+R18)/(R17-R18)≦0.75。第9レンズL9の形状を規定することにより、条件の範囲内にある場合は、小型化を図りつつ、軸外画角の収差などの問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、-13.99≦(R17+R18)/(R17-R18)≦0.60を満足する。
【0065】
前記第9レンズL9の軸上厚さをd17とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLとし、次の関係式を満たす:0.01≦d17/TTL≦0.05。これにより、条件式の範囲内であり、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御するのに有利である。また、好ましくは、0.01≦d17/TTL≦0.04を満足する。
【0066】
この実施形態では、前記第10レンズL10の出射面は近軸位置で凹面であり、前記第10レンズL10の物体側面は近軸位置で凹面であり、第10レンズL10は負の屈折力を有する。また、他の任意の実施形態において、第10レンズL10の出射面および物体側面は、他の凹面や凸面の分布で設置されてもよい。
【0067】
顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、第10レンズL10の焦点距離をf10と定義し、次の関係式を満たす:-0.90≦f10/f≦-0.23。ディオプトリの合理的な配分により、より良好な結像品質と低感度を有するシステムとする。また、好ましくは、-0.56≦f10/f≦-0.29を満たす。
【0068】
前記第10レンズL10の出射面の中心曲率半径をR19とし、前記第10レンズL10の物体側面の中心曲率半径をR20とし、次の関係式を満たす:0.50≦(R19+R20)/(R19-R20)≦6.77。第10レンズL10の形状を規定することにより、条件の範囲内にある場合は、小型化を図りつつ、軸外画角の収差などの問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、0.80≦(R19+R20)/(R19-R20)≦5.42を満足する。
【0069】
前記第10レンズL10の軸上厚さをd19とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLとし、次の関係式を満たす:0.00<d19/TTL≦0.01。これにより、条件式の範囲内であり、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御するのに有利である。
【0070】
本実施形態において、前記第11レンズL11の出射面は近軸位置で凸面であり、前記第11レンズL11の物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第11レンズL11は正の屈折力を有する。
【0071】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第11レンズL11の焦点距離をf11と定義し、次の関係式を満たす:0.07≦f11/f≦0.24。ディオプトリの合理的な配分により、より良好な撮像画質と低感度を有するシステムとする。また、好ましくは、0.12≦f11/f≦0.19を満たす。
【0072】
前記第11レンズL11の出射面の中心曲率半径をR21とし、前記第11レンズL11の物体側面の中心曲率半径をR22とし、次の関係式を満たす:0.17≦(R21+R22)/(R21-R22)≦1.12。第11レンズL11の形状を規定することにより、条件の範囲内にある場合は、小型化を図りつつ、軸外画角の収差などの問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、0.27≦(R21+R22)/(R21-R22)≦0.90を満足する。
【0073】
前記第11レンズL11の軸上厚さをd21とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLとし、次の関係式を満たす:0.03≦d21/TTL≦0.10。これにより、条件式の範囲内であり、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御するのに有利である。また、好ましくは、0.05≦d21/TTL≦0.08を満足する。
【0074】
本実施形態において、前記第12レンズL12の出射面は近軸位置で凹面であり、前記第12レンズL12の物体側面は近軸位置で凸面であり、第12レンズL12は正の屈折力を有する。
【0075】
前記顕微鏡対物レンズ10の焦点距離をfとし、前記第12レンズL12の焦点距離をf12と定義し、次の関係式を満たす:0.16≦f12/f≦0.63。ディオプトリの合理的な配分により、より良好な結像品質と低感度を有するシステムとする。また、好ましくは、0.25≦f12/f≦0.50を満たす。
【0076】
前記第12レンズL12の出射面の中心曲率半径をR23とし、前記第12レンズL12の物体側面の中心曲率半径をR24とし、次の関係式を満たす:0.59≦(R23+R24)/(R23-R24)≦3.06。第12レンズL12の形状を規定ことにより、条件の範囲内にある場合は、小型化を図りつつ、軸外画角の収差などの問題を補正するのに有利である。また、好ましくは、0.95≦(R23+R24)/(R23-R24)≦2.44を満足する。
【0077】
前記第12レンズL12の軸上厚さをd23とし、前記顕微鏡対物レンズ10の光学全長をTTLとし、次の関係式を満たす:。0.01≦d23/TTL≦0.05。これにより、条件式の範囲内であり、顕微鏡対物レンズ10の光学全長を合理的に制御するのに有利である。また、好ましくは、0.02≦d23/TTL≦0.04を満たす。
【0078】
本実施形態において、前記第1レンズL1、前記第2レンズL2、前記第3レンズL3、前記第4レンズL4、前記第5レンズL5、前記第6レンズL6、前記第7レンズL7、前記第8レンズL8、前記第9レンズL9、前記第10レンズL10、前記第11レンズL11、および前記第12レンズL12は、いずれもガラス材質である。
【0079】
顕微鏡対物レンズ10は、良好な光学性能を有するとともに、小型化、低歪みの設計要件を満たすことができる。この顕微鏡対物レンズ10の特性によれば、顕微鏡対物レンズ10は特に高画素の顕微鏡対物レンズに適する。
【0080】
顕微鏡対物レンズ10を使用する場合、物体の光線は物体面OBから顕微鏡対物レンズ10に入射し、左側から平行光として出射する。光学設計の場合に光路は逆であり、左側から平行光を入射し、右側(物体面OB)に集光して結像する。
【0081】
以下、本発明の顕微鏡対物レンズ10を実施例により説明する。なお、焦点距離、軸上距離、中心曲率半径、軸上厚みの単位はmmである。
【0082】
TTL:全光学長(第1レンズL1の出射面から物体面OBまでの軸上距離)、単位はmmである;
【0083】
WD:作動距離(第12レンズL12の物体側面から物体面OBまでの軸上距離)。
【0084】
表1および表2に、本発明の第1実施形態に係る顕微鏡対物レンズ10の設計データを示す表である。
【0085】
【0086】
ここで、各符号の意味は以下のとおりである。
ST:絞り;
Gn:第nレンズ;
R:光学面の中心における曲率半径;
R1:第1レンズL1の出射面の中心曲率半径;
R2:第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径;
R3:第2レンズL2の出射面の中心曲率半径;
R4:第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径;
R5:第3レンズL3の出射面の中心曲率半径;
R6:第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径;
R7:第4レンズL4の出射面の中心曲率半径;
R8:第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径;
R9:第5レンズL5の出射面の中心曲率半径;
R10:第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径;
R11:第6レンズL6の出射面の中心曲率半径;
R12:第6レンズL6の物体側面の中心曲率半径;
R13:第7レンズL7の出射面の中心曲率半径;
R14:第7レンズL7の物体側面の中心曲率半径;
R15:第8レンズL8の出射面の中心曲率半径;
R16:第8レンズL8の物体側面の中心曲率半径;
R17:第9レンズL9の出射面の中心曲率半径;
R18:第9レンズL9の物体側面の中心曲率半径;
R19:第10レンズL10の出射面の中心曲率半径;
R20:第10レンズL10の物体側面の中心曲率半径;
R21:第11レンズL11の出射面の中心曲率半径;
R22:第11レンズL11の物体側面の中心曲率半径;
R23:第12レンズL12の出射面の中心曲率半径;
R24:第12レンズL12の物体側面の中心曲率半径;
d:レンズの軸上厚み、レンズ間の軸上距離;
d1:第1レンズL1の軸上厚み;
d2:第1レンズL1の物体側面から第2レンズL2の出射面までの軸上距離;
d3:第2レンズL2の軸上厚み;
d4:第2レンズL2の物体側面から第3レンズL3の出射面までの軸上距離;
d5:第3レンズL3の軸上厚み;
d6:第3レンズL3の物体側面から絞りSTの出射面までの軸上距離;
dST-4:絞りSTの物体側面から第4レンズL4の出射面までの軸上距離;
d7:第4レンズL4の軸上厚み;
d8:第4レンズL4の物体側面から第5レンズL5の出射面までの軸上距離;
d9:第5レンズL5の軸上厚み;
d10:第5レンズL5の物体側面から第6レンズL6の出射面までの軸上距離;
d11:第6レンズL6の軸上厚み;
d12:第6レンズL6の物体側面から第7レンズL7の出射面までの軸上距離;
d13:第7レンズL7の軸上厚み;
d14:第7レンズL7の物体側面から第8レンズL8の出射側面までの軸上距離;
d15:第8レンズL8の軸上厚み;
d16:第8レンズL8の物体側面から第9レンズL9の出射側面までの軸上距離;
d17:第9レンズL9の軸上厚み;
d18:第9レンズL9の物体側面から第10レンズL10の出射面までの軸上距離;
d19:第10レンズL10の軸上厚み;
d20:第10レンズL10の物体側面から第11レンズL11の出射面までの軸上距離;
d21:第11レンズL11の軸上厚み;
d22:第11レンズL11の物体側面から第12レンズL12の出射面までの軸上距離;
d23:第12レンズL12の軸上厚み;
d24:第12レンズL12の物体側面から物体面OBまでの軸上距離;
nd:d線の屈折率;
nd1:第1レンズL1のd線の屈折率;
nd2:第2レンズL2のd線の屈折率;
nd3:第3レンズL3のd線の屈折率;
nd4:第4レンズL4のd線の屈折率;
nd5:第5レンズL5のd線の屈折率;
nd6:第6レンズL6のd線の屈折率;
nd7:第7レンズL7のd線の屈折率;
nd8:第8レンズL8のd線の屈折率;
nd9:第9レンズL9のd線の屈折率;
nd10:第10レンズL10のd線の屈折率;
nd11:第11レンズL11のd線の屈折率;
nd12:第12レンズL12のd線の屈折率;
vd:アッベ数;
v1:第1レンズL1のアッベ数;
v2:第2レンズL2のアッベ数;
v3:第3レンズL3のアッベ数;
v4:第4レンズL4のアッベ数;
v5:第5レンズL5のアッベ数;
v6:第6レンズL6のアッベ数;
v7:第7レンズL7のアッベ数;
v8:第8レンズL8のアッベ数;
v9:第9レンズL9のアッベ数;
v10:第10レンズL10のアッベ数;
v11:第11レンズL11のアッベ数;
v12:第12レンズL12のアッベ数。
【0087】
図2および
図3は、波長656nm、588nm、486nmの光が第1実施形態の顕微鏡対物レンズ10を通過した後の軸方向収差および倍率色収差を示す模式図である。
図4は、波長588nmの光が第1実施形態の顕微鏡対物レンズ10を通過した後の像面湾曲および歪みを示す模式図である。
図4における像面湾曲Sは弧矢方向の像面湾曲であり、Tは子午方向の像面湾曲である。
【0088】
後に現れる表4には、各実施例1、2、3における各種の数値と条件式で規定されたパラメータに対応する値が示めされる。
【0089】
表4に示されるように、第1実施形態は各条件式を満足する。
【0090】
本実施形態において、前記顕微鏡対物レンズ10の入瞳直径ENDPが8.508mmであり、全視野像高IHが12.000mmであり、開口数NAが0.022mmであり、対角線方向の視野角FOVが7.26°である。前記顕微鏡対物レンズ10は、低歪みの設計要件を満たし、軸上・軸外色収差が十分に補正され、優れた光学特性を有する。
【0091】
(第2実施形態)
第2実施形態は、基本的に第1実施形態と同様であり、符号は第1実施形態と同じ意味を表すため、以下では相違点のみを列挙する。
【0092】
本実施形態では、前記第4レンズL4の出射面は近軸位置で凹面であり、前記第6レンズL6の物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第7レンズL7の出射面は近軸位置で凸面であり、前記第9レンズL9の物体側面は近軸位置で凹面であり、前記第10レンズL10の出射面は近軸位置で凸面である。
【0093】
図5は本発明の第2実施形態に係る顕微鏡対物レンズ20を示す図である。
【0094】
表2は、本発明の第2実施形態に係る顕微鏡対物レンズ20の設計データを示す表である。
【0095】
【0096】
図6および
図7は、波長656nm、588nm、486nmの光が第2実施形態の顕微鏡対物レンズ20を通過した後の軸方向収差および倍率色収差を示す模式図である。
図8は、波長588nmの光が第2実施形態の顕微鏡対物レンズ20を通過した後の像面湾曲および歪みを示す模式図である。
図8における像面湾曲Sは弧矢方向の像面湾曲であり、Tは子午方向の像面湾曲である。
【0097】
表4に示されるように、第2実施形態は各条件式を満足する。
【0098】
本実施形態において、前記顕微鏡対物レンズ20の入瞳直径ENDPが9.780mmであり、全視野像高IHが12.000mmであり、開口数NAが0.025mmであり、対角線方向の視野角FOVが7.26°である。前記顕微鏡対物レンズ20は、低歪みの設計要件を満たし、軸上・軸外色収差が十分に補正され、優れた光学特性を有する。
【0099】
(第3の実施形態)
第3実施形態は、基本的に第1実施形態と同様であり、符号は第1実施形態と同じ意味を表すため、以下では相違点のみを列挙する。
【0100】
本実施形態では、前記第4レンズL4の出射面は近軸位置で凹面であり、前記第6レンズL6の物体側面は近軸位置で凸面であり、前記第7レンズL7の出射面は近軸位置で凸面であり、前記第9レンズL9の物体側面は近軸位置で凹面であり、前記第10レンズL10の出射面は近軸位置で凸面である。
【0101】
図9は本発明の第3実施形態に係る顕微鏡対物レンズ30を示す図である。
【0102】
表3は、本発明の第3実施形態に係る顕微鏡対物レンズ30の設計データを示す表である。
【0103】
【0104】
図10および
図11は、波長656nm、588nm、486nmの光が第3実施形態の顕微鏡対物レンズ30を通過した後の軸方向収差および倍率色収差を示す模式図である。
図12は、波長588nmの光が第3実施形態の顕微鏡対物レンズ30を通過した後の像面湾曲および歪みを示す模式図である。
図12における像面湾曲Sは弧矢方向の像面湾曲であり、Tは子午方向の像面湾曲である。
【0105】
以下、表4には、上記条件式に従って本実施形態における各条件式に対応する値を示される。本実施形態に係る顕微鏡対物レンズ40が上記条件式を満足することは明らかである。
【0106】
本実施形態において、前記顕微鏡対物レンズ40の入瞳直径ENDPが11.033mmであり、全視野像高IHが12.000mmであり、開口数NAが0.028mmであり、対角線方向の視野角FOVが7.26°である。前記顕微鏡対物レンズ40は、低歪みの設計要件を満たし、軸上・軸外色収差が十分に補正され、優れた光学特性を有する。
【0107】
【0108】
上記の各実施形態は、本発明を実現するための具体的な実施形態であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、実用化において形態および細部において様々な変更を加えることが可能であることは、当業者には理解され得る。
【要約】 (修正有)
【課題】良好な光学性能を有するとともに、低収差という設計要件を満たすことができる顕微鏡対物レンズを提供する。
【解決手段】この顕微鏡対物レンズは、出射側から物体側へ順に、第1レンズから第12レンズまでの合計12枚のレンズを備える。顕微鏡対物レンズの焦点距離がfであり、開口数がNAであり、作動距離がWDである。第1レンズから第4レンズからなるレンズ群の焦点距離がf1-4であり、第7レンズと第8レンズの合成焦点距離がf78であり、第7レンズ、第8レンズの軸上厚さがd13、d15であり、第7レンズから第8レンズまでの軸上距離がd14であり、第11レンズの出射面、物体側面の中心曲率半径がR21、R22であり、次の関係式を満たす:0.09≦f1-4/f≦0.15;-1.35≦f78/(d13+d14+d15)≦-0.95;-7.00≦R21/R22≦-02.00;0.20≦NA*f/WD≦0.26。
【選択図】
図1