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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023500241
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2021006180
(87)【国際公開番号】W WO2022176127
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】大西 正志
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昂太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 将也
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-165432(JP,A)
【文献】特開2002-176289(JP,A)
【文献】特開2004-296982(JP,A)
【文献】特開2014-103256(JP,A)
【文献】特開2012-156463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が収納されたテープを繰り出しながら当該テープによりヘッドに対して部品を供給するテープフィーダが配置された部品供給部を備え、基台上の空間である作業ステージ内を移動可能な前記ヘッドにより、前記部品供給部の前記テープフィーダから部品を吸着して基板に実装する部品実装装置であって、
前記作業ステージ内に配置され、前記ヘッドが吸着した部品であって実装不可と判定された廃棄部品を受け入れる受入口を備えた廃棄部と、
前記受入口から廃棄部に受け入れられた廃棄部品を回収するために前記作業ステージの外側に設けられた部品回収部と、
前記廃棄部品を、前記廃棄部から前記部品回収部に案内する部品ガイド部と、を備え
前記部品回収部は、前記ヘッドによる部品取出し後の使用済みテープが回収されるテープ回収エリアであり、
当該部品実装装置はさらに、前記テープフィーダから繰り出される使用済みテープを前記テープ回収エリアに案内するテープガイド部を備え、
前記廃棄部は、廃棄部品を受け入れる上向きに開口する前記受入口を有するとともに傾斜した内底面を有する廃棄ボックスであり、
前記テープガイド部は、前記テープフィーダから送出される使用済みテープを受け入れるテープ受け入れ口と、当該受け入れ口から受け入れた使用済みテープを下方に案内する、上下方向に延びる垂直部分とを有し、
前記テープガイド部の前記垂直部分に、前記廃棄ボックスの前記内底面に沿って案内される廃棄部品を導入する導入口が設けられることにより、前記部品ガイド部として前記テープガイド部が共用されている、ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の部品実装装置において、
前記部品ガイド部は、廃棄部品がその自重で前記部品回収部に移動するように構成されている、ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の部品実装装置において、
前記基台は、前記ヘッドを含む部品実装用の設備が配置されるテーブル部を有し、
前記部品ガイド部は、前記テーブル部を貫通してその下方に廃棄部品を案内するように構成されている、ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項4】
請求項に記載の部品実装装置において、
前記テープ回収エリアは、前記使用済みテープを回収するテープ回収ボックスの内部である、ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項5】
請求項に記載の部品実装装置において、
前記廃棄部は、前記テープガイド部に隣接して設けられている、ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項6】
請求項に記載の部品実装装置において、
前記導入口を開閉する扉部材が備えられている、ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項7】
請求項に記載の部品実装装置において、
前記テープガイド部の途中であって、前記導入口よりも前記テープ回収エリア側の位置で、前記使用済みテープを切断するテープ切断装置と、
前記扉部材を開閉駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記テープ切断装置によるテープ切断動作時以外のときに前記導入口が開くように前記駆動部を制御する、ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項8】
請求項に記載の部品実装装置において、
前記テープ回収ボックス内は、使用済みテープが収容されるテープ収容部と、廃棄部品が収容される部品収容部とに区画されており、
前記部品ガイド部は、前記部品収容部に廃棄部品を案内するように構成されている、ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項9】
請求項に記載の部品実装装置において、
前記テープフィーダから繰り出される使用済みテープを前記テープ回収ボックスに案内するテープガイド部を備え、
前記部品ガイド部として前記テープガイド部が共用されており、
前記テープ回収ボックス内は、使用済みテープが収容されるテープ収容部と、廃棄部品が収容される部品収容部とに区画されており、
前記テープガイド部には、使用済みテープと廃棄部品とを、前記テープ収容部と前記部品収容部とに仕分ける仕分け部が備えられている、ことを特徴とする部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給部からヘッドによって取り出された部品が欠陥部品などであった場合に、当該部品を廃棄する廃棄部が備えられた部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドが移動しながら部品供給部から部品を吸着し、当該部品をプリント基板等の基板上に搬送して実装する部品実装装置が公知である。
【0003】
部品実装装置では、基板への部品の実装に先立ち、ヘッドによる部品の吸着状態が撮像され、その画像に基づき実装の可否が判定される。例えば部品が欠陥品であると認められる場合や、部品の吸着状態が実装不可能なレベルである場合には、実装不可と判定される。実装不可と判定された部品は、基板に実装されることなく、基台上に設けられた廃棄ボックス(廃棄部)に廃棄される。
【0004】
例えば特許文献1には、廃棄ボックスを備えた部品実装装置が開示されている。廃棄ボックスは、基板搬送装置の側方に、上向きに開口する状態で配置されており、実装不可と判定された部品は、前記開口を通じて廃棄ボックス内に廃棄される。
【0005】
廃棄ボックスに廃棄された部品は、基板搬送装置によって搬送してくる部品排出用基板に移し替えられ、この部品排出用基板によって装置外部に搬出されて回収される。この移し替えのために、部品実装装置には、廃棄ボックスの姿勢を変化させるための機構が備えられている。
【0006】
しかしながら、このように廃棄ボックスの姿勢を変化させるには、当該廃棄ボックスとヘッドとの干渉を避ける必要がある。従って、廃棄ボックスの部品を装置外部に搬出して回収するには、基板(部品実装基板)の生産を実質的に中断する必要があり、基板の生産性を阻害するという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-129846号公報
【発明の概要】
【0008】
本発明は、基板の生産性を阻害することなく、廃棄部に廃棄された部品を回収することを目的とする。
【0009】
そして、本発明は、基台上の空間である作業ステージ内を移動可能なヘッドにより、部品供給部から部品を吸着して基板に実装する部品実装装置であって、前記作業ステージ内に配置され、前記ヘッドが吸着した部品であって実装不可と判定された廃棄部品を受け入れる受入口を備えた廃棄部と、前記受入口から廃棄部に受け入れられた廃棄部品を回収するために前記作業ステージの外側に設けられた部品回収部と、前記廃棄部品を、前記廃棄部から前記部品回収部に案内する部品ガイド部と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る部品実装装置を示す平面図である。
図2図2は、前記部品実装装置の正面図である。
図3図3は、前記部品実装装置の要部縦断面図(図1のIII-III線に沿った断面図)である。
図4図4は、図3の要部拡大図である。
図5図5は、第2実施形態に係る部品実装装置の要部縦断面図である。
図6図6は、第3実施形態に係る部品実装装置の要部縦断面と制御系の一部を示す図である。
図7図7は、第4実施形態に係る部品実装装置の要部縦断面図である。
図8図8は、第5実施形態に係る部品実装装置の要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
【0012】
[部品実装装置の全体構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る部品実装装置1Aを示す平面図であり、図2は、部品実装装置1Aの正面図である。また、図3は、部品実装装置の要部縦断面図(図1のIII-III線に沿った断面図)である。
【0013】
図中には、方向関係の明確化のためにXYZ軸を示している。X方向は水平面と平行な方向であり、Y方向は水平面上でX方向と直交する方向であり、Z方向はX方向及びY方向にそれぞれ直交する方向(上下方向)である。
【0014】
部品実装装置1Aは、基台2を有している。基台2は、平面視長方形又は正方形のテーブル部3を備えた、箱型の金属構造体である。基台2の上面、つまりテーブル部3の上面3aに、基板搬送機構5、部品供給部6、ヘッドユニット10及び部品認識カメラ16などの生産設備が配置されている。
【0015】
基板搬送部5は、X方向に互いに延在する一対のコンベア5aを備えている。各コンベア5aは、いわゆるベルトコンベアである。基板搬送部5は、例えば、図1の左側(X1側)から基板Pを受け入れて作業位置(同図に示す基板Pの位置)に搬送し、実装作業終了後、基板Pを作業位置から同図の左側(X2側)に搬出する。
【0016】
部品供給部6は、基板搬送部5の両側(Y方向両側)に各々配置されている。部品供給部6には、基板搬送機構5に沿って並ぶ複数のテープフィーダ7が配置されている。テープフィーダ7は、一定間隔で小片状の部品が収納されたテープ8を繰り出しながら、ヘッドユニット10に対して部品(電子部品)を供給する。
【0017】
図3に概略的に示すように、テープフィーダ7は、テープ送り機構を備えたフィーダ本体部7aと、テープ8が巻回されたリール7bとを備え、前記テープ送り機構により、リール7bからテープ8を引き出しながら、当該テープ8をフィーダ本体部7aのY1側(すなわち基板搬送機構5の側)に送り出す。これにより、フィーダ本体部7aの前端近傍の部品取出部に順次部品を配置する。
【0018】
図示を省略するが、テープ8は、部品が収納されたキャリアテープと、収納部品を塞ぐようにキャリアテープに貼着されたカバーテープとで構成されている。テープフィーダ7は、このテープ8を簡潔的に送り出しつつカバーテープをキャリアテープから引き剥がす、又は切開する。これにより、ヘッドユニット10による部品取出しが可能となる状態で、前記部品取出部に部品が配置される。なお、部品取出し後のキャリアテープ(使用済みテープという)は、後記テープガイド部30によってテーブル部3の下側に案内され、後記テープ回収ボックス38に回収される。
【0019】
ヘッドユニット10は、テープフィーダ7から部品を取出して基板Pに実装(搭載)するものである。ヘッドユニット10は、ヘッドユニット駆動機構12の作動により、X方向及びY方向に移動する。ヘッドユニット駆動機構12は、X-Yロボットで構成されている。すなわち、ヘッドユニット駆動機構12は、テーブル部3の上面3aに設置された一対の高架フレームに各々固定された固定レール13に沿ってY方向に移動するビーム14と、このビーム14に沿ってX方向に移動する図外のユニット支持部とを備える。当該ユニット支持部にヘッドユニット10が組付けられている。そして、図外のサーボモータによりビーム14及びユニット支持部材が各々駆動されることにより、ヘッドユニット10がX方向及びY方向の任意の位置に移動する。
【0020】
ヘッドユニット10には、Z方向(上下方向)に延びる複数の軸状のヘッド11が備えられている。当例では、X方向に一列に並ぶ7つのヘッド11が備えられている。各ヘッド11の先端には、部品吸着用のノズルが備えられている。各ヘッド11のノズルは、切替バルブを介して図外の負圧発生部及び正圧(エア)発生部に連通している。ノズル先端に負圧が供給されることにより、ヘッド11によって部品が吸着、保持され、ノズル先端に正圧(エア)が供給されることにより、ヘッド11による部品の吸着、保持状態が解除される。
【0021】
基板搬送機構5と各部品供給部6との間には、部品認識カメラ16が各々配置されている。部品認識カメラ16は、ヘッドユニット10の各ヘッド11に吸着された部品を撮像するためのカメラである。部品認識カメラ16は、CCD等の撮像素子を備えた照明付きのカメラであり、テーブル部3の上面3aに上向きに設置されている。部品の実装動作中は、部品認識カメラ16が撮像した画像データに基づき、各ヘッド11が吸着した部品の基板Pへの実装の可否が判定される。
【0022】
なお、図2に示すように、基台2には、その上部空間、すなわちヘッドユニット10やヘッドユニット駆動機構12が作動する空間である作業ステージStを外部から遮断するための箱型のカバー部材17が組付けられている。なお、図2中の符号18は、カバー部材17に取り付けられた液晶ディスプレイ等の表示装置18であり、各種作業情報がこの表示装置を通じてオペレータに報知される。
【0023】
[部品供給部6の構成]
図3に示すように、部品供給部6には、テープフィーダ7の支持台であるフィーダバンク20と、テープフィーダ7から送出される使用済みテープ8aを案内するテープガイド部30と、このテープガイド部30に案内される使用済みテープ8aをその途中で細断(切断)するカッターユニット22(本発明の「テープ切断装置」に相当する)と、実装不可と判定された部品を受け入れる廃棄ボックス40とが備えられている。なお、図2では、便宜上、部品供給部6のフィーダバンク20やカッターユニット22が省略された状態で、テープガイド部30及び廃棄ボックス40が概略的に示されている。
【0024】
フィーダバンク20は、Y方向に間隔を隔てた状態でテーブル部3の上面3aに立設された一対の脚部(図示省略)と、これら脚部の上端部に亘って橋架された板状のフィーダ支持部21とを備えた門型形状の構造物である。フィーダ支持部21の上面には、Y方向に延在する複数のスロットが形成されている。テープフィーダ7は、その底部(フィーダ本体部7aの底部)が当該スロットに挿入された状態でフィーダ支持部21に支持されている。これにより、複数のテープフィーダ7が、X方向に位置決めされた、整列状態でフィーダ支持部21に支持されている。
【0025】
カッターユニット22は、テーブル部3の上面3aであって、フィーダバンク20の一対の脚部と、フィーダ支持部21とによって囲まれた空間に配置されている。
【0026】
カッターユニット22は、上下方向(Z方向)に貫通する通路24aを備えた箱型のフレーム24と、前記通路24a内に配置されたカッター27と、当該カッター27を作動させるエアシリンダ25とを備えている。
【0027】
使用済みテープ8aは、後記テープガイド部30により、前記通路24aを通過するように案内され、カッターユニット22は、カッター27の作動により、通路24a内の使用済みテープ8aを切断する。詳しくは、カッター27は、通路24aを挟んで片側(図3ではY1側)配置される固定刃27bと、固定刃27bに対してY方向に移動する可動刃27aとを含む。可動刃27aは、フレーム24にスライド可能に支持されたスライド部材26に固定されている。このスライド部材26がエアシリンダ25により駆動されることにより、可動刃27aがスライド部材26と共に通路24aをY方向に横切って移動し、当該可動刃27aと固定刃27bとで通路24a内の使用済みテープ8aを挟み込んで切断する。
【0028】
なお、カッターユニット22は、フィーダバンク20に支持された複数のテープフィーダ7から送出される複数本の使用済みテープ8aを一括して切断し得るように、フィーダバンク20のテープフィーダ7の配設領域に亘ってX方向に延在する。すなわち、カッターユニット22の前記通路24aやカッター27は、当該領域に亘ってX方向に延在している。
【0029】
テープガイド部30は、テープフィーダ7から送出される使用済みテープ8aを、テーブル部3を貫通してその下方に案内するように構成されている。図3に示すように、テープガイド部30は、テーブル部3より上側の第1ガイド部32と、主にテーブル部3より下側の第2ガイド部36とを含む。第1ガイド部32は、使用済みテープ8aをカッターユニット22まで案内する部分であり、第2ガイド部36は、カッターユニット22で切断された使用済みテープ8aを、テーブル部3の下方に配置されるテープ回収ボックス38まで案内する部分である。
【0030】
第1ガイド部32及び第2ガイド部36は、X軸方向に細長い断面長方形の筒状部材であり、フィーダバンク20に支持された複数のテープフィーダ7から送出される複数本の使用済みテープ8aを一括して案内し得るように形成されている。
【0031】
なお、使用済みテープ8aは、第1ガイド部32、カッターユニット22(通路24a)及び第2ガイド部36を通じてテープ回収ボックス38に案内されるため、カッターユニット22もテープガイド部30の一部を構成している。よって、カッターユニット22は、テープガイド部30の途中に設けられていると言える。
【0032】
図3に示すように、第1ガイド部32は、フィーダバンク20に固定される上側ガイド部33と、この上側ガイド部33の下端に連続する下側ガイド部34とを含む。
【0033】
上側ガイド部33は、上下方向(Z方向)に略真っ直ぐに延びている。上側ガイド部33のうちテープフィーダ7に対向する側面の上部(Y2側の側面上部)には、X方向に細長いスリット状のテープ受入口31が設けられている。下側ガイド部34は、上側ガイド部33の下端から装置外側(Y2側)に向かって斜め下向きに延びており、その下端は、カッターユニット22のフレーム24に繋がっている。
【0034】
テーブル部3のうち、カッターユニット22の通路24aに対応する位置には、開口部3bが形成されている。この開口部3bを通じて、カッターユニット22のフレーム24に第2ガイド部36の上端部が繋がっている。第2ガイド部36は、開口部3bの位置から装置外側(Y2側)に向かって斜め下向きに延びており、その下端部は、テープ回収ボックス38の上面に形成された回収口38aのやや上方に位置している。
【0035】
図3に示すように、使用済みテープ8aは、テープフィーダ7の先端(Y1側の端部)からほぼ水平に送出され、受入口31を通じて上側ガイド部33(第1ガイド部32)に受け入れられる。上側ガイド部33に受け入れられた使用済みテープ8aは、受入口31に対向する側面33a(図4参照)でその進行方向を下方に変換されながら、下側ガイド部34を通じてカッターユニット22の通路24aに案内される。通路24aに案内された使用済みテープ8aは、カッターユニット22により定寸に切断された後、第2ガイド部36を通じてテープ回収ボックス38に収容される。
【0036】
なお、基台2のY2側の側面には、図2に示すように、観音開き型の扉4が設けられている。この扉4を開くことにより、テープ回収ボックス38に外部からアクセスし、当該テープ回収ボックス38を引き出せるように構成されている。
【0037】
廃棄ボックス40(本発明の「廃棄部」に相当する)は、ヘッド11によりテープフィーダ7から取り出された部品が欠陥部品と判定された場合、若しくは当該部品の吸着状態が実装不可能なレベルであると判定された場合に、当該部品を受け入れる部材である。なお、このような判定は、ヘッド11によるテープフィーダ7からの部品取出し後、部品認識カメラ16が撮像した当該部品の画像データに基づき図外の制御装置が行う。
【0038】
図3及び図4に示すように、廃棄ボックス40は、テープガイド部30の第1ガイド部32に隣接して設けられている。詳しくは、廃棄ボックス40は、上側ガイド部33のY1側(基板搬送機構5の側)に隣接する位置であって、当該上側ガイド部33のX2側の端部近傍の位置に設けられている。
【0039】
廃棄ボックス40は、上向きに開口する受入口42を備えた、X方向に細長い断面長方形の箱型の形状を有している。図2に示すように、受入口42の開口幅Waはヘッドユニット10におけるヘッド配領域の幅寸法Wbよりも適度に大きく設定されている。これにより、廃棄ボックス40は、その上方にヘッドユニット10が配置された状態で、全ヘッド11の吸着部品を同時に受け入れ可能となっている。
【0040】
廃棄ボックス40は、上側ガイド部33に固定されている。廃棄ボックス40と上側ガイド部33とは、これらの下部側面に形成された開口部35(本発明の「導入口」に相当する)を通じて互いに連通している。つまり、廃棄ボックス40に廃棄される部品は、当該廃棄ボックス40から上側ガイド部33に導入される。
【0041】
図4に示すように、廃棄ボックス40の内底面43は、Y1側からY2側(開口部35の側)に向かって先下がりに傾斜し、開口部35の下縁部に滑らかに繋がっている。従って、廃棄ボックス40に廃棄される部品はその自重で円滑に上側ガイド部33に導入される。
【0042】
なお、廃棄ボックス40の内部には仕切板44が設けられている。仕切板44は、内底面43で跳ね反った部品が衝突するように、廃棄ボックス40の内側面のうち、Y2側の内側面の上部からY1側に向かって下向きに延びている。これにより、内底面43で勢いよく部品が跳ね反った場合でも、当該部品が受入口42から外部に飛び出ることが抑制される。
【0043】
[作用効果等]
以上のような部品実装装置1Aでは、ヘッド11によりテープフィーダ7から取り出された部品が欠陥部品と判定された場合や、ヘッド11による部品の吸着状態が実装不可能なレベルであると判定された場合、当該部品は、部品供給部6に設けられた廃棄ボックス40に廃棄される。この場合、廃棄ボックス40に廃棄された部品Np(適宜、廃棄部品Npという)は、既述の通り、廃棄ボックス40からテープガイド部30(上側ガイド部33)に導入されて、当該テープガイド部30によりテーブル部3の下方に案内されて、テープ回収ボックス38に収容される。
【0044】
つまり、この部品実装装置1Aでは、廃棄ボックス40を動かすことなく、廃棄部品Npを作業ステージStの外側に案内して回収することができる。そのため、廃棄部品Npを回収する際に、従来のように、実装作業を中断する必要がなく、従って、この部品実装装置1Aによれば、基板の生産性を阻害することなく、廃棄ボックス40に廃棄された部品Npを回収することができる。
【0045】
特に、この部品実装装置1Aでは、既述の通り、廃棄ボックス40に廃棄された部品Npは、廃棄ボックス40からテープガイド部30(上側ガイド部33)に導入されて、使用済みテープ8aと共にテープ回収ボックス38に回収される。つまり、廃棄部品Npを回収するための専用の部品回収ボックスや、廃棄ボックス40から当該部品回収ボックスに廃棄部品Npを案内するための専用の部品ガイド部を設けることなく、廃棄部品Npを作業ステージStの外側に案内して回収することができる。従って、この部品実装装置1Aによれば、使用済みテープ8aを回収するための既存の設備、すなわちテープガイド部30やテープ回収ボックス38を有効に利用した合理的な構成で廃棄部品Npを回収することができるという利点もある。
【0046】
また、この部品実装装置1Aでは、廃棄ボックス40の内底面43が、図4に示すように、Y1側からY2側(開口部35の側)に向かって先下がりに傾斜するとともに、開口部35の下縁部に滑らかに連続している。これにより、廃棄ボックス40に廃棄される部品Npが、円滑に上側ガイド部33に導入される。
【0047】
従って、この部品実装装置1Aによれば、既述のように、廃棄ボックス40内に廃棄部品Npが滞ることを抑制して、円滑かつ速やかに廃棄ボックス40からテープガイド部30に廃棄部品Npを導入すること、ひいては円滑かつ速やかに廃棄部品Npを回収することができるという利点もある。
【0048】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係る部品実装装置1Bの要部縦断面図であり、同図は、第1実施形態の図4に対応する断面図である。第2実施形態に係る部品実装装置1Bは、次の点で、第1実施形態の部品実装装置1Aと構成が相違する。
【0049】
第2実施形態では、図5に示すように、上側ガイド部33(テープガイド部30)に、当該上側ガイド部33と廃棄ボックス40とを連通する開口部35を開閉する扉部材46が備えられている。扉部材46は、開口部35に対応する形状を有した樹脂又はアルミニウム合金等からなる板状部材であり、当該開口部35の上側縁部に、垂下する状態で回動可能に支持されている。
【0050】
つまり、廃棄ボックス40内の廃棄部品Npの量が所定重量未満のときには、図5の実線に示すように、扉部材46が自重で垂下した状態となってY2側(上側ガイド部33の側)から開口部35を閉じ、所定重量以上の廃棄部品Npが廃棄ボックス40内に溜まると、図5の一点鎖線に示すように、廃棄部品Npの重みでY2側(上側ガイド部33の側)に扉部材46が揺動して開口部35を開く。
【0051】
以上のような第2実施形態の部品実装装置1Bによると、開口部35に扉部材46が設けられているため、テープフィーダ7から送出される使用済みテープ8aが、開口部35から廃棄ボックス40内に入り込むことが防止される。例えば、扉部材46が無い場合、テープフィーダ7から送出される使用済みテープ8aの先端が反り返っているような特殊な状況が生じると、開口部35から廃棄ボックス40に使用済みテープ8aが侵入することが考えられるが、第2実施形態の部品実装装置1Bによれば、そのような事態が未然に防止される。
【0052】
なお、既述の通り、廃棄ボックス40の内底面43は傾斜しており、廃棄ボックス40内に廃棄部品Npがある状態では、当該廃棄部品Npが自重で扉部材46を押圧し、扉部材46は常に開方向の力を受ける。そのため、所定重量以上の廃棄部品Npが廃棄ボックス40内に廃棄されると、速やかに扉部材46が揺動して開口部35が開放される。従って、扉部材46によって開口部35を開閉するように構成しながらも、廃棄ボックス40に必要以上に廃棄部品Npが留まることはない。
【0053】
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態に係る部品実装装置1Cの要部縦断面図であり、同図は、第1実施形態の図3に対応する断面図である。
【0054】
第3実施形態の部品実装装置1Cは、テープガイド部30(上側ガイド部33)と廃棄ボックス40とを連通する開口部35が扉部材46により開閉可能に構成されている点で第2実施形態の部品実装装置1Bと構成が共通する。しかし、第3実施形態では、扉部材46を駆動するためのモータ等のアクチュエータ48(本発明の「駆動部」に相当する)が設けられている。アクチュエータ48は、部品実装装置1Cの動作を統括的に制御する制御装置50に電気的に接続されている。これにより、扉部材46の駆動、つまり扉部材46による開口部35の開閉が、当該制御装置50により制御される。
【0055】
制御装置50は、さらにカッターユニット22の駆動を制御する。具体的には、前記エアシリンダ25に対するエアの給排を切り替える電磁バルブ49を制御することにより、カッターユニット22の駆動を制御する。
【0056】
ここで、制御装置50は、カッターユニット22の作動時、すなわちカッターユニット22による使用済みテープ8aの切断動作時以外のときにのみ、前記開口部35が開くように、扉部材46及びカッターユニット22の駆動を制御する。これにより、開口部35が開放されて廃棄部品Npがテープガイド部30に導入されているときには、カッターユニット22が停止状態、詳しくは、図6に示すように、固定刃27bに対して可動刃27aがY2方向に離間し、これにより通路24aが開通している状態が保たれる。
【0057】
以上のような第3実施形態の部品実装装置1Cによると、開口部35に扉部材46が設けられているため、テープフィーダ7から送出される使用済みテープ8aが、開口部35から廃棄ボックス40内に入り込むことが防止される。
【0058】
しかも、既述の通り、開口部35が開放されて廃棄部品Npがテープガイド部30に導入されているときには、カッターユニット22が停止状態に保たれるため、開口部35からテープガイド部30に導入される廃棄部品Npがカッター27に噛み込むことが防止される。従って、廃棄部品Npがカッター27に噛み込むことによって、可動刃27aや固定刃27bに刃こぼれが生じたり、可動刃27a(スライド部材26)に作動不良が生じることが未然に防止される。
【0059】
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態に係る部品実装装置1Dの要部縦断面図であり、同図は、第1実施形態の図3に対応する断面図である。第4実施形態に係る部品実装装置1Dは、次の点で、第1実施形態の部品実装装置1Aと構成が相違する。
【0060】
第4実施形態では、図7に示すように、テープ回収ボックス38の内部が、仕切板38bによって、Y2側のテープ収容部381とY1側の部品収容部382とに仕切られている。部品収容部382は、テーブル部3の開口部3bの略真下に位置しており、テープ収容部381は、開口部3bの真下よりもY2側にオフセットされている。
【0061】
また、テープガイド部30の第2ガイド部36は、開口部3bの位置から装置外側(Y2側)に向かって斜め下向きに延びている点で第1実施形態と同じであるが、その下端部は、テープ収容部381のみに対応する位置に配置されている。詳しくは、第2ガイド部36のY方向に互いに対向する一対の側壁部37a、37bのうち、Y1側に位置する側壁部37bの下端が仕切板38bの上端に対向する位置、又は仕切板38bの上端より若干Y2側に位置するように配置されている。
【0062】
また、第2ガイド部36のY1側の前記側壁部37bのうち、テーブル部3の開口部3bと部品収容部382との間に位置する領域、すなわち傾斜した部分には、仕分け部371が設けられている。仕分け部371は、第2ガイド部36に沿って案内される使用済みテープ8aと廃棄部品Npとを、テープ収容部381と部品収容部382とに仕分ける部分である。仕分け部371は、メッシュ状の多孔質板で形成されている。仕分け部371の孔の大きさは、廃棄部品Npのみ透過を許容し、切断後の使用済みテープ8aは透過できない大きさに設定されている。
【0063】
第4実施形態の部品実装装置1Dの構成では、テープフィーダ7から送出される使用済みテープ8aは、テープガイド部30に沿ってテープ回収ボックス38に案内されて、図7中の一点鎖線矢印に示すように、第2ガイド部36の下端からテープ収容部381に収容される。一方、廃棄ボックス40からテープガイド部30に導入された廃棄部品Npは、図7中に破線矢印で示すように、第2ガイド部36に沿って案内される際に、仕分け部371から下方に落下し、これにより部品収容部382に収容される。つまり、これにより、使用済みテープ8aと廃棄部品Npとが、テープ収容部381と部品収容部382とに仕分けられる。
【0064】
以上のような第4実施形態の部品実装装置1Dによると、使用済みテープ8aと廃棄部品Npとを共にテープガイド部30によってテープ回収ボックス38に案内しながらも、既述の通り、使用済みテープ8aと廃棄部品Npとを仕分けた状態で回収することができる。そのため、テープ回収ボックス38に回収した使用済みテープ8a及び廃棄部品Npを廃棄する際に、それらをいちいち分別する必要がなく、当該廃棄作業の効率化を図ることができるという利点がある。
【0065】
[第5実施形態]
図8は、第5実施形態に係る部品実装装置1Eの要部縦断面図であり、同図は、第1実施形態の図2に対応する断面図である。図8図2と同様に、便宜上、部品供給部6のフィーダバンク20やカッターユニット22を省略した状態で、テープガイド部30及び廃棄ボックス40を概略的に示している。
【0066】
第5実施形態に係る部品実装装置1Eは、次の点で、第1実施形態の部品実装装置1Aと構成が相違する。
【0067】
第5実施形態では、テープ回収ボックス38の内部のX2方向の端部に、仕切板38cによって仕切られた部品収容部382が形成されている。すなわち、テープ回収ボックス38の内部は、仕切板38cによって、X2方向端部に位置する部品収容部382と、それ以外のテープ収容部381とに仕切られている。
【0068】
また、テープガイド部30のX2方向端部に、仕切板32a、36aによって仕切られたガイド部321、361が形成されている。詳しくは、テープガイド部30のうち第1ガイド部32のX2方向端部に、仕切板32aによって仕切られた通路321が形成され、第2ガイド部36のX2方向端部に、仕切板36aによって仕切られた通路361が形成されている。
【0069】
さらに、廃棄ボックス40の内底面43は、Y1側からY2側に向かって先下がりに傾斜しているばかりでなく、図8に示すように、X1側からX2側に向かっても先下がりに傾斜している。これにより、廃棄ボックス40の内底面43が漏斗状の形状となっている。そして、内底面43の最も低い部分が前記通路321に対応しており、テープガイド部30の上側ガイド部33のうち、当該通路321の部分と廃棄ボックス40とが前記開口部35で連通している。
【0070】
この第5実施形態の部品実装装置1Eでは、テープフィーダ7から送出される使用済みテープ8aは、テープガイド部30のうち、通路321、361以外の部分に沿ってテープ回収ボックス38に案内され、当該テープ回収ボックス38のテープ収容部381に収容される。一方、廃棄ボックス40に廃棄され部品Npは、開口部35を通じて通路321に導入される。そして、当該通路321及び通路361に沿ってテープ回収ボックス38に案内され、当該テープ回収ボックス38の前記部品収容部382に収容される。つまり、この第5実施形態も第4実施形態と同様に、使用済みテープ8aと廃棄部品Npは、テープ収容部381と部品収容部382とに仕分けられた状態で回収される。
【0071】
従って、この第5実施形態の部品実装装置1Eも、第4実施形態の部品実装装置1Dと同様に、テープ回収ボックス38に回収した使用済みテープ8a及び廃棄部品Npを廃棄する際に、それらをいちいち分別する必要がなく、当該廃棄作業の効率化を図ることができる。
【0072】
なお、仕切板32a、36aによって仕切られることによりテープガイド部30内に形成された通路321、361は、既述の通り、廃棄ボックス40に廃棄された部品Npのみをテープ回収ボックス38(部品収容部382)に案内する通路である。つまり、当該通路321、361は部品ガイド部と言える。従って、第5実施形態の部品実装装置1Eは、テープガイド部30に部品ガイド部が一体形成された構成と言うことができる。
【0073】
[変形例等]
以上説明した部品実装装置1A~1Eは、本発明に係る部品実装装置の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような構成も適用可能である。
【0074】
(1)実施形態の部品実装装置1A~1Eは、何れも、廃棄ボックス40に廃棄された部品Npを回収するために、テープガイド部30及びテープ回収ボックス38が兼用された構成である。しかし、テープガイド部30及びテープ回収ボックス38とは別に、廃棄ボックス40に廃棄される部品Npを回収するめの専用の部品ガイド部及び部品回収ボックス(部品回収部)が別途備えられた構成であってもよい。この場合、例えばテーブル部3の下方に、部品回収ボックスを設置し、廃棄ボックス40に廃棄される部品Npを、カッターユニット22を経由することなく作業ステージStからテーブル部3の下方に案内する部品ガイド部を設けるようにしてもよい。
【0075】
(2)実施形態の部品実装装置1A~1Eでは、廃棄ボックス40に廃棄される部品Npをテープ回収ボックス38に案内して収容するように構成されている。しかし、テープ回収ボックス以外に、使用済みテープ8aを回収するためのエリアが部品実装装置に設けられている場合には、当該テープ回収エリアに廃棄部品Npを案内するように構成してもよい。例えば、テーブル部3の下方領域に、使用済みテープ8aを収集しながら搬出する、ベルトコンベアなどの搬出装置が備えられている場合には、当該搬出装置における使用済みテープ8aの受入エリアに廃棄部品Npを案内するように構成してもよい。
【0076】
(3)実施形態の部品実装装置1A~1Eでは、廃棄ボックス40に廃棄される部品Npをテーブル部3の下方に案内している。しかし、作業ステージStの外側に廃棄部品Npを案内して回収できれば、その案内先は必ずしもテーブル部3の下方に限定されない。例えば、テーブル部3の上面3aに作業ステージSt以外の外部領域がある場合には、廃棄ボックス40に廃棄される部品Npを、スロープ状の部品ガイド部により前記外部領域に案内して回収するように構成してもよい。
【0077】
以上説明した本発明をまとめると以下の通りである。
【0078】
本発明の一局面に係る部品実装装置は、基台上の空間である作業ステージ内を移動可能なヘッドにより、部品供給部から部品を吸着して基板に実装する部品実装装置であって、前記作業ステージ内に配置され、前記ヘッドが吸着した部品であって実装不可と判定された廃棄部品を受け入れる受入口を備えた廃棄部と、前記受入口から廃棄部に受け入れられた廃棄部品を回収するために前記作業ステージの外側に設けられた部品回収部と、前記廃棄部品を、前記廃棄部から前記部品回収部に案内する部品ガイド部と、を備える。
【0079】
この部品実装装置によれば、従来装置のように、廃棄部(廃棄ボックス)の廃棄部品を回収する際に当該廃棄部を動かす必要がない。つまり、廃棄部とヘッドとが干渉するおそれがなく、部品回収の際に基板の生産を中断する必要がない。従って、基板の生産性を阻害することなく、廃棄部の廃棄部品を回収することが可能となる。
【0080】
この部品実装装置において、前記部品ガイド部は、廃棄部品がその自重で前記部品回収部に移動するように構成されている。
【0081】
この構成によれば、動力を用いることなく、廃棄部から部品回収部に速やかに廃棄部品を案内して回収することが可能となる。
【0082】
上記各態様の部品実装装置において、前記基台は、前記ヘッドを含む部品実装用の設備が配置されるテーブル部を有し、前記部品ガイド部は、前記テーブル部を貫通してその下方に廃棄部品を案内するように構成されている。
【0083】
この構成によれば、廃棄部の廃棄部品をより短距離で作業ステージの外側に案内することが可能となる。
【0084】
上記各態様の部品実装装置において、前記部品供給部には、部品が収納されたテープを繰り出しながら当該テープにより前記ヘッドに対して部品を供給するテープフィーダが配置され、前記部品回収部は、前記ヘッドによる部品取出し後の使用済みテープが回収されるテープ回収エリアである。例えば、前記テープ回収エリアは、前記使用済みテープを回収するテープ回収ボックスの内部である。
【0085】
この構成によれば、廃棄部品を使用済みテープと共に回収することが可能な合理的な構成が達成される。
【0086】
この場合には、前記テープフィーダから繰り出される使用済みテープを前記テープ回収エリアに案内するテープガイド部を備え、前記部品ガイド部として前記テープガイド部が共用されているのが好適である。
【0087】
この構成によれば、合理的な構成で廃棄部品を回収することが可能となる。
【0088】
また、この場合には、前記廃棄部は、前記テープガイド部に隣接して設けられているのが好適である。
【0089】
この構成によれば、部品ガイド部単体の部分、つまり、テープガイド部を共用しない部分が可及的に短くなる。
【0090】
この場合、前記テープガイド部の途中に、前記廃棄部から当該テープガイド部に廃棄部品を導入する導入口と、この導入口を開閉する扉部材とが備えられていてもよい。
【0091】
この構成によれば、テープガイド部から導入口を通じて廃棄部に使用済みテープが入り込むことを防止することが可能となる。
【0092】
さらにこの場合には、前記テープガイド部の途中であって、前記導入口よりも前記テープ回収エリア側の位置で、前記使用済みテープを切断するテープ切断装置と、前記扉部材を開閉駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記テープ切断装置によるテープ切断動作時以外のときに前記導入口が開くように前記駆動部を制御する。
【0093】
この構成によれば、テープ切断装置に廃棄部品が詰まってトラブルを誘発することを抑制することが可能となる。
【0094】
なお、上記部品実装装置において、前記テープ回収ボックス内は、使用済みテープが収容されるテープ収容部と、廃棄部品が収容される部品収容部とに区画されており、前記部品ガイド部は、前記部品収容部に廃棄部品を案内するように構成されているのが好適である。
【0095】
この構成によれば、使用済みテープと廃棄部品とを分別した状態で回収することが可能となる。
【0096】
また、上記部品実装装置においては、前記テープフィーダから繰り出される使用済みテープを前記テープ回収ボックスに案内するテープガイド部を備え、前記部品ガイド部として前記テープガイド部が共用されており、前記テープ回収ボックス内は、使用済みテープが収容されるテープ収容部と、廃棄部品が収容される部品収容部とに区画されており、前記テープガイド部には、使用済みテープと廃棄部品とを、前記テープ収容部と前記部品収容部とに仕分ける仕分け部が備えられている。
【0097】
この構成によれば、部品ガイド部としてテープガイド部を共用しながら、使用済みテープと廃棄部品とを分別した状態で回収することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8