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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240408BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240408BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240408BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/30 338
G02F1/1368
H01L29/78 614
H01L29/78 619B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023505287
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 JP2022007937
(87)【国際公開番号】W WO2022190904
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2021037461
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道用 守
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-008150(JP,A)
【文献】特開2017-120295(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0122827(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0033127(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
H01L 29/786
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の信号線と、
前記複数の信号線に接続されたスイッチ回路と、
第1方向に沿って延伸し、第2方向に並んで配列する、前記スイッチ回路に接続される複数の選択線と、
を備え、
前記スイッチ回路は、前記複数の信号線に接続される、複数のトランジスタを有し、
前記複数のトランジスタは、複数のゲート電極と、前記複数のゲート電極に重畳する複数の遮光層とを有し、
前記複数の選択線のそれぞれに、前記複数のゲート電極のそれぞれが接続され、
前記複数のゲート電極の少なくとも一つのゲート電極は、前記第2方向に沿って延伸する第1線状部と、前記第1線状部から突出し、前記第1方向に沿って延伸する第1突出部と、を有し、
前記複数の遮光層の少なくとも一つの遮光層は、前記第2方向に沿って延伸する第2線状部と、前記第2線状部から突出し、前記第1方向に沿って延伸する第2突出部と、を有し、
前記第1線状部は、前記第2線状部に重畳し、
前記第1突出部は、前記第2突出部に重畳し、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記複数の選択線の少なくとも一つの選択線に重畳
前記遮光層は、前記トランジスタのバックゲートであり、フローティング状態で駆動される、表示装置。
【請求項2】
前記複数の遮光層のそれぞれは、前記重畳するゲート電極と接触しない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数のトランジスタのソース同士を接続する接続配線と、
をさらに備え、
前記複数の選択線のそれぞれに、前記複数のゲート電極のそれぞれが接続され、
前記第1突出部を備える前記ゲート電極は、前記第1線状部から突出し、前記第1方向に沿って延伸する第3突出部と、を有し、
前記第2突出部を備える前記遮光層は、前記第2線状部から突出し、前記第1方向に沿って延伸する第4突出部と、を有し、
前記接続配線及び前記選択線のうち1つとの間において、前記第3突出部と前記第4突出部が重畳する、請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記トランジスタは、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタとを含むトランスミッションゲートである、請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遮光層をバックゲートとして用いる液晶装置が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-221738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、信号線スイッチ回路の特性が向上可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、
複数の信号線と、
前記複数の信号線に接続されたスイッチ回路と、
第1方向に沿って延伸し、第2方向に並んで配列する、前記スイッチ回路に接続される複数の選択線と、
を備え、
前記スイッチ回路は、前記複数の信号線に接続される、複数のトランジスタを有し、
前記複数のトランジスタは、複数のゲート電極と、前記複数のゲート電極に重畳する複数の遮光層とを有し、
前記複数の選択線のそれぞれに、前記複数のゲート電極のそれぞれが接続され、
前記複数のゲート電極の少なくとも一つのゲート電極は、前記第2方向に沿って延伸する第1線状部と、前記第1線状部から突出し、前記第1方向に沿って延伸する第1突出部と、を有し、
前記複数の遮光層の少なくとも一つの遮光層は、前記第2方向に沿って延伸する第2線状部と、前記第2線状部から突出し、前記第1方向に沿って延伸する第2突出部と、を有し、
前記第1線状部は、前記第2線状部に重畳し、
前記第1突出部は、前記第2突出部に重畳し、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記複数の選択線の少なくとも一つの選択線に重畳する。
【発明の効果】
【0006】
本実施形態により、信号線スイッチ回路の特性が向上可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、表示装置の回路図である。
図2A図2Aは、表示装置に設けられる画素を説明する図である。
図2B図2Bは、表示装置に設けられる画素を説明する図である。
図3図3は、実施形態の信号線スイッチ回路のより詳細な回路図である。
図4図4は、信号線スイッチ回路の平面図である。
図5図5は、図4に示すゲート電極の平面図である。
図6図6は、遮光層の平面図である。
図7図7は、トランジスタの断面図である。
図8図8は、図4の一部を拡大した平面図である。
図9図9は、図4の一部を拡大した平面図である。
図10図10は、ゲート電極及び遮光層を示す平面図である。
図11図11は、実施形態の他の構成例を示す平面図である。
図12図12は、図11に示す信号線スイッチ回路の回路図である。
図13図13は、図11に示すゲート電極の平面図である。
図14図14は、図11に示す遮光層の平面図である。
図15図15は、図11の一部を拡大した図である。
図16図16は、図11の一部を拡大した図である。
図17図17は、比較例の構成例を示す平面図である。
図18A図18Aは、図17の信号線スイッチ回路のうち、ゲート電極を示す平面図である。
図18B図18Bは、図17の信号線スイッチ回路のうち、遮光層を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る表示装置について詳細に説明する。
【0009】
本実施形態においては、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。
【0010】
また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0011】
また、第3方向Zの矢印の先端側に表示装置を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面、あるいは第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置の断面を見ることを断面視という。
【0012】
図1は、表示装置の回路図である。図2A及び図2Bは、表示装置に設けられる画素を説明する図である。図2Aは、図1に示す副画素SXの回路図である。図2Bは、図1に示す副画素SXを含む表示装置DSPの断面図である。
【0013】
図1に示すように、表示装置DSPの表示領域DAは、複数の画素PXを有する。複数の画素PXの各々は、R(赤)、G(緑)及びB(青)それぞれの色を表示する副画素SXR、SXG、及びSXBを含む。なお、副画素SXR、SXG、及びSXBを区別しない場合は、単に副画素SXという。上述したように、複数の副画素SXのそれぞれは、走査線GLのそれぞれ及び信号線SLのそれぞれの交点に設けられている。換言すると、副画素SXはそれぞれ、隣り合う2本の走査線GLと、隣り合う2本の信号線SLとに囲まれた領域に設けられている。
【0014】
複数の走査線GLは、第1方向Xに延伸し、第2方向Yに並んで配列されている。複数の信号線SLは、第2方向Yに延伸し、第1方向Xに並んで配列されている。副画素SXは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状(行列状)に配置される。
【0015】
図2Aに示すように、副画素SXはそれぞれ、スイッチング素子PSW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線GL及び信号線SLと電気的に接続されている。走査線GLは、第1方向Xに並んだ副画素SXの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。信号線SLは、第2方向Yに並んだ副画素SXの各々におけるスイッチング素子PSWと接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子PSWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、上述のように画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって、液晶層LCを駆動している。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0016】
副画素SXのスイッチング素子PSWのソース電極は、信号線SLと一体形成されている。また、複数の信号線SLの各々は、表示データに対応し、各副画素SXに供給される映像信号が入力される信号線駆動回路SLCに接続される。すなわち、複数の信号線SLは、複数の副画素SXと信号線駆動回路SLCとを接続する。
【0017】
また、副画素SXのゲート電極GEは、走査線GLと一体形成されている。また、各走査線GLは、1水平走査時間、各副画素SXに供給される走査信号を供給する走査線駆動回路GLCに接続されている。
【0018】
ここで図1に戻り、信号線SLと信号線スイッチ回路ASWの接続関係について説明する。図1に示す例では、副画素SXのそれぞれに接続される信号線SLとして、信号線SLR、SLG及びSLBが設けられている。信号線SLR、SLG及びSLBは、信号線スイッチ回路ASWに接続されている。信号線SLRは、赤(R)の色を表示する副画素SXRと接続された信号線である。信号線SLGは、緑(G)の色を表示する副画素SXGと接続された信号線である。信号線SLBは、青(B)の色を表示する副画素SXBと接続された信号線である。
【0019】
具体的には、信号線SLRは、第2方向Yに配列された複数の副画素SXRを含む副画素列と接続されている。信号線SLGは、第2方向Yに配列された複数の副画素SXGを含む副画素列と接続されている。信号線SLBは、第2方向Yに配列された複数の副画素SXBを含む副画素列と接続されている。
【0020】
信号線スイッチ回路ASWは、画素回路としての表示領域DAに画像に関する信号を供給する制御回路である。信号線スイッチ回路ASWは、スイッチング素子としてのトランジスタSTR、STG及びSTB、並びに、選択線SSR、SSG、及びSSBを有する。トランジスタSTR、STG及びSTBの各々は、例えば薄膜トランジスタである。なおトランジスタSTR、STG及びSTBを特に区別する必要がない場合には、単にトランジスタSTと呼ぶ。また信号線スイッチ回路ASWを、単にスイッチ回路と呼ぶこともある。
【0021】
トランジスタSTRは、信号線SLRと接続されている。トランジスタSTGは、信号線SLGと接続されている。トランジスタSTBは、信号線SLBと接続されている。
【0022】
図1に示す駆動素子DDは、表示装置の外部から送信されてくる表示データ、クロック信号、及びディスプレイタイミング信号等の表示制御信号に基づいて、信号線駆動回路SLC、走査線駆動回路GLC、及び信号線スイッチ回路ASWを制御する。
【0023】
トランジスタSTR、STG及びSTBは、それぞれ、駆動素子DDから選択線SSR、SSG、及びSSBを介して出力されるスイッチ切替信号により、オン及びオフが制御される。トランジスタSTRは選択線SSRを介して入力されるスイッチ切替信号により、オン及びオフが制御される。トランジスタSTGは選択線SSGを介して入力されるスイッチ切替信号により、オン及びオフが制御される。トランジスタSTBは選択線SSBを介して入力されるスイッチ切替信号により、オンオフが制御される。
【0024】
駆動素子DDは、信号線駆動回路SLCが赤の映像信号、緑の映像信号、及び青の映像信号を1水平期間内に時分割で出力するように制御するのに合わせ、信号線スイッチ回路ASWのトランジスタSTR、トランジスタSTG、及びトランジスタSTBのオン及びオフを制御する。すなわち、信号線スイッチ回路ASWに含まれる各トランジスタST(STR、STG、STB)は、時分割で駆動される関係にある。より詳細には、トランジスタSTR、STG、及びSTBのうち、オン状態のトランジスタSTに接続された信号線SLには、引出配線WLを介して、信号線駆動回路SLCからの映像信号が入力される。また、駆動素子DDは、各色の映像信号を出力している期間、映像信号が書き込まれる副画素SXのスイッチング素子PSWのオン状態を維持するように走査線駆動回路GLCを制御する。
【0025】
なお、信号線スイッチ回路ASWは、単にRGBスイッチ、時分割スイッチ、アナログスイッチ、またはセレクタと呼称することもある。また、本実施形態では、赤、緑、及び青の副画素に接続された3本の信号線に信号線スイッチ回路が1つ設けられているが、2つの副画素に接続された2本の信号線に信号線スイッチ回路を設ける構成であってもよい。あるいは、2画素、つまり、6つの副画素に接続された6本の信号線に1つの信号線スイッチ回路を設けてもよい。この場合、信号線駆動回路は1水平期間に映像信号を6回出力することになる。各副画素への映像信号の書き込み状況や信号線駆動回路の処理能力によって時分割数は任意に設定することが可能である。
【0026】
なお上記水平期間を含む表示期間において、共通電極駆動回路CDからスイッチ回路MUXに、配線VDCLを介して、一定の直流電圧が供給される。スイッチ回路MUXは、当該一定の直流電圧を、共通配線CMLを介して、全ての共通電極CEに供給する。これにより、上述のように画素電極PE及び共通電極CEとの間に、液晶層LCを駆動する電界が発生する。
【0027】
ここで図2Bを用いて、副画素SXを含む表示装置DSPの断面構造について説明する。第1基板SUB1は、基材BA1、遮光層LS、絶縁層UC、走査線GL、信号線SL、スイッチング素子PSW、絶縁層HRC1、絶縁層HRC2、共通電極CE、絶縁層PAS、画素電極PE、配向膜AL1を備えている。スイッチング素子PSWは、半導体層SC、絶縁層GI、走査線GLと一体形成されているゲート電極GE、絶縁層ILI、信号線SLと一体形成されているソース電極SE及びドレイン電極DEを有しており、それぞれこの順に積層されている。
【0028】
基材BA1は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの光透過性を有する基板である。絶縁層UCは、基材BA1の上に位置している。絶縁層GIは、絶縁層UCの上に位置している。絶縁層ILIは、絶縁層GIの上に位置している。
【0029】
遮光層LSは、基材BA1及び絶縁層UCとの間に形成されている。遮光層LSは、半導体層SCを挟んで走査線GL(ゲート電極)に重畳している。遮光層LSの端部は、半導体層SCの端部と概略一致している。これにより、半導体層SCの下方から照射される光を遮光することができ、スイッチング素子PSWの光リークを防ぐことが可能である。
【0030】
絶縁層UCは、遮光層LSを覆っている。半導体層SCは、絶縁層UCを挟んで遮光層LSと対向している。
絶縁層UC、GI、ILI、及びPASは、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁層である。絶縁層UC、GI、及びILIは、当該無機絶縁材料を用いた単層構造を有していてもよいし、当該無機絶縁材料を複数積層した多層構造を有していてもよい。
一方絶縁層HRC1及びHRC2は、例えば、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁層である。
【0031】
半導体層SCは、絶縁層UC上に設けられている。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されている。しかし本実施形態の半導体層SCはこれに限定されない。半導体層SCは、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていてもよい。
【0032】
走査線GL(ゲート電極GE)は、半導体層SC及び絶縁層GI上に設けられている。走査線GLは、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、走査線GLは、モリブデン-タングステン合金によって形成されている。
【0033】
遮光層LSも、遮光性を有する金属材料で形成されていればよい。より具体的には、走査線GLと同様の材料で形成されていることが好適であるが、走査線GLと異なる金属材料で形成されるものであっても良い。
【0034】
信号線SL(ソース電極SE)及びドレイン電極DEは、絶縁層ILIの上に位置している。信号線SLは、絶縁層GI及びILIに設けられたコンタクトホールを介して、半導体層SCに接続されている。ドレイン電極DEは、絶縁層GI及びILIに設けられたコンタクトホールを介して、半導体層SCに接続されている。信号線SL(ソース電極SE)及びドレイン電極DEは、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、信号線SL(ソース電極SE)及びドレイン電極DEは、チタン(Ti)を含む第1層、アルミニウム(Al)を含む第2層、及び、チタン(Ti)を含む第3層がこの順に積層された積層体である。
【0035】
絶縁層HRC1は、信号線SL、ドレイン電極DE、絶縁層ILIを覆っている。引出電極TEは、絶縁層HRC1上に設けられており、絶縁層HRC1に設けられたコンタクトホールを介して、ドレイン電極DEに接続されている。
【0036】
引出電極TEは、上記の金属材料や、上記の金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、引出電極TEは、チタン(Ti)を含む第1層、アルミニウム(Al)を含む第2層、及び、チタン(Ti)を含む第3層がこの順に積層された積層体、あるいは、モリブデン(Mo)を含む第1層、アルミニウム(Al)を含む第2層、及び、モリブデン(Mo)を含む第3層がこの順に積層された積層体である。引出電極TEは、共通配線CMLと同層の配線層で形成されている。
【0037】
絶縁層HRC1及び引出電極TEを覆って、絶縁層HRC2が設けられている。
共通電極CE及び中継電極REは、絶縁層HRC2の上に位置している。中継電極REは、引出電極TEと重なる位置において、絶縁層HRC1に形成されたコンタクトホールを介して、引出電極TEに接している。共通電極CE及び中継電極REは、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。
【0038】
絶縁層PASは、共通電極CE及び中継電極REを覆っている。
画素電極PEは、絶縁層PASの上に位置し、絶縁層PASに形成されたコンタクトホールを介して中継電極REに接続されている。また画素電極PEは、配向膜AL1によって覆われている。すなわち画素電極PEは、絶縁層PASと配向膜AL1との間に設けられている。画素電極PEは、共通電極CEと同様、上述の透明な導電材料によって形成された透明電極である。
配向膜AL1は、絶縁層PASも覆っている。
【0039】
第2基板SUB2は、基材BA2、遮光層BM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、配向膜AL2を備えている。
基材BA2は、基材BA1と同様に、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタCFは、基材BA2の第1基板SUB1と対向する側に位置している。
【0040】
カラーフィルタCFは、赤色のカラーフィルタCFR、緑色のカラーフィルタCFG、青色のカラーフィルタCFBを有している。
オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。
配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL1及び配向膜AL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。
【0041】
上述した第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、配向膜AL1及び配向膜AL2が対向するように配置されている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、所定のセルギャップが形成された状態でシールによって接着されている。液晶層LCは、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
【0042】
偏光板PL1は、基材BA1に接着されている。偏光板PL2は、基材BA2に接着されている。なお、偏光板PL1及びPL2に加えて、位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。
また表示装置DSPは、第1基板SUB1の下方に、図示しない照明装置を備えている。
【0043】
図3は、実施形態の信号線スイッチ回路のより詳細な回路図である。図3に示す信号線スイッチ回路ASWは、選択線SSR、SSG、及びSSBとして、選択線SSR1、SSG1、SSB1、SSR2、SSG2、SSB2、xSSR1、xSSG1、xSSB1、xSSR2、xSSG2、及びxSSB2を有している。選択線xSSR1、xSSG1、xSSB1、xSSR2、xSSG2、及びxSSB2には、選択線SSR1、SSG1、SSB1、SSR2、SSG2、及びSSB2とは、逆極性の信号が入力される。なお、選択線SSR1、SSG1、SSB1、SSR2、SSG2、SSB2、xSSR1、xSSG1、xSSB1、xSSR2、xSSG2、及びxSSB2を特に区別する必要がない場合は、単に選択線SSともいう。選択線SSは、第1方向Xに沿って延伸し、第2方向Yに並んで配列される。
【0044】
図3に示す信号線スイッチ回路ASWは、トランジスタSTR、STG、及びSTBとして、トランスミッションゲートTGR11、TGG11、TGB11、TGR12、TGG12、TGB12、TGR21、TGG21、TGB21、TGR22、TGG22、及びTGB22が設けられている。なお上記トランスミッションゲートを個々に区別する必要がない場合は、トランスミッションゲートTGと呼ぶ。トランスミッションゲートTGそれぞれは、nチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタのソース同士、及びドレイン同士が接続されたCMOSのトランジスタである。
【0045】
トランスミッションゲートTGR11のドレインは、信号線SLR11のソースとして信号線SLR11に接続されている。トランスミッションゲートTGR11のソースは、接続配線CNW1に接続されている。トランスミッションゲートTGR11のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GERp11は、選択線xSSR1に接続されている。トランスミッションゲートTGR11のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GERn11は、選択線SSR1に接続されている。
【0046】
トランスミッションゲートTGG11のドレインは、信号線SLG11のソースとして信号線SLG11に接続されている。トランスミッションゲートTGG11のソースは、接続配線CNW1に接続されている。トランスミッションゲートTGG11のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEGp10は、選択線xSSG1に接続されている。トランスミッションゲートTGG11のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEGn11は、選択線SSG1に接続されている。
【0047】
トランスミッションゲートTGB11のドレインは、信号線SLB11のソースとして信号線SLB11に接続されている。トランスミッションゲートTGB11のソースは、接続配線CNW1に接続されている。トランスミッションゲートTGB11のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEBp11は、選択線xSSB1に接続されている。トランスミッションゲートTGB11のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEBn11は、選択線SSB1に接続されている。
【0048】
トランスミッションゲートTGR21のドレインは、信号線SLR21のソースとして信号線SLR21に接続されている。トランスミッションゲートTGR21のソースは、接続配線CNW1に接続されている。トランスミッションゲートTGR21のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GERp21は、選択線xSSR2に接続されている。トランスミッションゲートTGR21のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GERn21は、選択線SSR2に接続されている。
【0049】
トランスミッションゲートTGG21のドレインは、信号線SLG21のソースとして信号線SLG21に接続されている。トランスミッションゲートTGG21のソースは、接続配線CNW1に接続されている。トランスミッションゲートTGG21のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEGp21は、選択線xSSG2に接続されている。トランスミッションゲートTGG21のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEGn21は、選択線SSG2に接続されている。
【0050】
トランスミッションゲートTGB21のドレインは、信号線SLB21のソースとして信号線SLB21に接続されている。トランスミッションゲートTGB21のソースは、接続配線CNW1に接続されている。トランスミッションゲートTGB21のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEBp21は、選択線xSSB2に接続されている。トランスミッションゲートTGB21のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEBn21は、選択線SSB2に接続されている。
【0051】
トランスミッションゲートTGR12のドレインは、信号線SLR12のソースとして信号線SLR12に接続されている。トランスミッションゲートTGR12のソースは、接続配線CNW2に接続されている。トランスミッションゲートTGR12のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GERp12は、選択線xSSR1に接続されている。トランスミッションゲートTGR12のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GERn12は、選択線SSR1に接続されている。
【0052】
トランスミッションゲートTGG12のドレインは、信号線SLG12のソースとして信号線SLG12に接続されている。トランスミッションゲートTGG12のソースは、接続配線CNW2に接続されている。トランスミッションゲートTGG12のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEGp10は、選択線xSSG1に接続されている。トランスミッションゲートTGG12のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEGn12は、選択線SSG1に接続されている。
【0053】
トランスミッションゲートTGB12のドレインは、信号線SLB12のソースとして信号線SLB12に接続されている。トランスミッションゲートTGB12のソースは、接続配線CNW2に接続されている。トランスミッションゲートTGB12のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEBp12は、選択線xSSB1に接続されている。トランスミッションゲートTGB12のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEBn12は、選択線SSB1に接続されている。
【0054】
トランスミッションゲートTGR22のドレインは、信号線SLR22のソースとして信号線SLR22に接続されている。トランスミッションゲートTGR22のソースは、接続配線CNW2に接続されている。トランスミッションゲートTGR22のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GERp22は、選択線xSSR2に接続されている。トランスミッションゲートTGR22のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GERn22は、選択線SSR2に接続されている。
【0055】
トランスミッションゲートTGG22のドレインは、信号線SLG22のソースとして信号線SLG22に接続されている。トランスミッションゲートTGG22のソースは、接続配線CNW2に接続されている。トランスミッションゲートTGG22のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEGp22は、選択線xSSG2に接続されている。トランスミッションゲートTGG22のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEGn22は、選択線SSG2に接続されている。
【0056】
トランスミッションゲートTGB22のドレインは、信号線SLB22のソースとして信号線SLB22に接続されている。トランスミッションゲートTGB22のソースは、接続配線CNW2に接続されている。トランスミッションゲートTGB22のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEBp22は、選択線xSSB2に接続されている。トランスミッションゲートTGB22のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEBn22は、選択線SSB2に接続されている。
【0057】
接続配線CNW1は、引出配線WL1に接続されている。接続配線CNW2は、引出配線WL2に接続されている。なお接続配線CNW1及びCNW2を特に区別する必要がない場合は、単に接続配線CNWと呼ぶ。また引出配線WL1及びWL2を特に区別する必要がない場合は、単に引出配線WLと呼ぶ。またなお図3において、上記ゲート電極を区別する必要がない場合は、単にゲート電極GEと呼ぶ。
【0058】
図3に示す信号線スイッチ回路ASWでは、1つの引出配線WLに対して、6個のトランスミッションゲートが電気的に接続されている。すなわち、1つの引出配線WLを介して、6本の信号線SLに映像信号が入力される。
【0059】
図4は、信号線スイッチ回路の平面図である。図4及び図3に示す信号線スイッチ回路ASWにおいて、トランスミッションゲートTGR11及びTGB11それぞれのnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn1を用いて形成される。トランスミッションゲートTGG21及びTGR21それぞれのnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn2を用いて形成される。トランスミッションゲートTGB21及びTGG11それぞれのnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn3を用いて形成される。
【0060】
トランスミッションゲートTGG12及びTGB22それぞれのnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn4を用いて形成される。トランスミッションゲートTGR22及びTGG22それぞれのnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn5を用いて形成される。トランスミッションゲートTGR12及びTGB12それぞれのnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn6を用いて形成される。
【0061】
トランスミッションゲートTGR11及びTGB11それぞれのpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp1を用いて形成される。トランスミッションゲートTGG21及びTGR21それぞれのpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp2を用いて形成される。トランスミッションゲートTGB21及びTGG11それぞれのpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp3を用いて形成される。
【0062】
トランスミッションゲートTGG12及びTGB22それぞれのpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp4を用いて形成される。トランスミッションゲートTGR22及びTGG22それぞれのpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp5を用いて形成される。トランスミッションゲートTGR12及びTGB12それぞれのpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp6を用いて形成される。
【0063】
図4に示す信号線スイッチ回路ASWにおいて、それぞれのゲート電極GEに重畳して、遮光層LSが設けられている。遮光層LSは、対応するゲート電極GEとほぼ同様の形状を有する。図5は、図4に示すゲート電極及び遮光層の平面図である。図5は、ゲート電極GEの平面図であり、図5に示す信号線スイッチ回路ASWのゲート電極GEは、図2Bで示すゲート電極GEと同層の配線層である。図6は、遮光層LSの平面図であり、信号線スイッチ回路ASWの遮光層LSは、図2Bで示す遮光層LSと同層の配線層である。図6の遮光層LSは、それぞれ、図5のゲート電極GEに対応している。一例として、図6の遮光層LSGp21は、図5のゲート電極GEGp21と対応している。遮光層LSGp21は、ゲート電極GEGp21と同様の形状を有しており、平面視で重畳している。なお他の遮光層LS及びゲート電極GEについてもそれぞれ同様の形状を有し、それぞれ平面視で重畳している。
【0064】
ゲート電極GE及び重畳する遮光層LSを同形状に形成すると、ゲート電極GEに生じる容量と遮光層LSに生じる容量を同じ容量にすることができる。これにより、トランスミッションゲート及びそれを構成するトランジスタの特性を向上させることが可能である。
【0065】
またトランジスタ(各トランスミッションゲートTG)において、nチャネル型トランジスタのゲート電極GE同士の面積は同じ面積であることが好ましい。またpチャネル型トランジスタのゲート電極GE同士の面積は同じ面積であることが好ましい。例えば、トランスミッションゲートTGR11のpチャネル型トランジスタのゲート電極GERp11、及び、トランスミッションゲートTGB22のpチャネル型トランジスタのゲート電極GEBp11の面積は、同じ面積であることが好ましい。ゲート電極GEの面積が異なると、ゲート電極GEに生じる容量が異なってしまい、トランジスタそれぞれの特性が異なる恐れが生じる。ゲート電極GEの面積を同じ面積にすることにより、トランジスタの特性を均一化することが可能である。遮光層LSに関しても、それぞれ同じ面積であることが好ましい。
【0066】
信号線スイッチ回路ASWでは、pチャネル型トランジスタのゲート電極GE同士が同じ面積、又は遮光層LS同士が同じ面積であることが好適である。nチャネル型トランジスタのゲート電極GE及び遮光層LSのそれぞれが全て同じ面積であることが好ましい。nチャネル型トランジスタのゲート電極GE同士が同じ面積、又は遮光層LS同士が同じ面積であることが好適である。pチャネル型トランジスタのゲート電極GE及び遮光層LSのそれぞれが全て同じ面積であることが好ましい。さらに、nチャネル型トランジスタのゲート電極GE及び遮光層LSのそれぞれ、pチャネル型トランジスタのゲート電極GE及び遮光層LSのそれぞれがすべて同じ面積であると、より好適である。
【0067】
ただし、ゲート電極GEGp10及び遮光層LSGp10のように、2つのトランジスタに共通して形成されている場合は、他のゲート電極GE及び遮光層LSそれぞれの面積の2倍であればよい。例えば、ゲート電極GEGp10の面積は、ゲート電極GERp11の面積の2倍である。これにより、ゲート電極GEに生じる容量もトランジスタによらず同じ容量にすることが可能である。
【0068】
なお図4において、図面を分かり易くするために、トランスミッションゲートTGのそれぞれのソース電極を信号線SLとして示している。ソース電極SE及び信号線SLの位置関係の詳細は後述する。
【0069】
図4において、引出配線WL1は、第1部分WL1s及び第2部分WL1gを有している。引出配線WL2は、第1部分WL2s及び第2部分WL2gを有している。引出配線WL1の第1部分WL1s、及び、引出配線WL2の第1部分WL2sは、それぞれ、選択線SS、接続配線CNWと同層の配線層(図2Bに示す信号線SL及びドレイン電極DEと同層の配線層)で形成されている。引出配線WL1の第2部分WL1g、及び、引出配線WL2の第2部分WL2gは、それぞれ、ゲート電極GEと同層の配線層(図2Bに示すゲート電極GEと同層の配線層)で形成されている。なお第1部分WL1s及びWL2sを特に区別する必要がない場合は、第1部分WLsと呼ぶ。第2部分WL1g及びWL2gを特に区別する必要がない場合は、第2部分WLgと呼ぶ。
【0070】
接続配線CNW及び引出配線WLの第1部分WLsとの間には、選択線xSS(xSSR1、xSSG1、xSSB1、xSSR2、xSSG2、及びxSSB2)が配置されている。接続配線CNW及び引出配線WLの第1部分WLsは、上述のように同層の配線層で形成されている。そのため、接続配線CNW及び引出配線WLの第1部分WLsの間は、別の層の配線層でブリッジする必要が生じる。そのため、接続配線CNW及び引出配線WLの第1部分WLsの間は、ゲート電極GEと同層の第2部分WLgで接続している。
【0071】
ここでトランスミッションゲートTGを構成するトランジスタについて説明する。トランスミッションゲートTGのnチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタは、同様な断面構造を有するトランジスタである。当該トランジスタを、トランジスタTTとする。図7は、トランジスタTTの断面図である。
【0072】
図7に示すトランジスタTTは、図2Bに示した副画素SXのスイッチング素子PSWと同様の断面構造を有している。ただし図7に示すトランジスタTTの遮光層LSは、上述のようにゲート電極GEと同様の形状を有している。すなわち、図7に示す例では、遮光層LSの端部とゲート電極GEの端部は一致しており、整合している。
【0073】
また遮光層LSとゲート電極GEは、物理的には接続されていない。つまり、遮光層LSとゲート電極GEは互いに接触しない。本実施形態において、遮光層LSは、いわゆるバックゲートとして機能するが、ゲート電極GE(及び走査線GL)とは物理的に接続されておらず、フローティング状態で駆動される。
【0074】
トランジスタTTにバックゲートである遮光層LSを設けることにより、トランジスタTTに流れる電流を高くすることが可能である。これにより、トランジスタの特性を向上させることができる。
【0075】
バックゲートである遮光層LSをフローティング状態で駆動する場合、ゲート電極GE、ドレイン電極DE(接続配線CNW)、ソース電極SE(信号線SL)の電位を変えることにより、遮光層LSに印加される電位をより容易に制御することが可能である。
【0076】
またバックゲートとして機能する遮光層LSを、ゲート電極GEや選択線SSと物理的に接触させるコンタクト構造を採用しないため、信号線スイッチ回路ASWの形成領域を小さくすることが可能となる。
【0077】
ここで図4に戻って、ゲート電極GE、選択線SS、及び接続配線の位置関係について説明する。図4に示すゲート電極GEは、選択線SSに重畳して設けられている。さらにゲート電極GEは、隣り合う選択線SSとの間に設けられている。ゲート電極GEは、隣り合う選択線SS及び接続配線CNWとの間にも設けられていてもよい。図8は、図4の一部を拡大した平面図である。
【0078】
図8において、図面を分かり易くするために、遮光層LSの表示を省略している。しかしながら図4で説明したように、信号線スイッチ回路ASWには、ゲート電極GEと平面視で重畳し、ゲート電極GEと同形状の遮光層LSが設けられている。図8は、信号線スイッチ回路ASWのうちのトランスミッションゲートTGのうち、pチャネル型トランジスタのゲート電極GE及びそれらに接続される選択線SSを示している。図8においてTHは絶縁層ILIに形成されたコンタクトホールであり、コンタクトホールTHを介してゲート電極GEと選択線SSが接続されている。図示はしないがnチャネル型トランジスタの選択線SSとゲート電極GEも同様にコンタクトホールTHにより接続されている。
【0079】
図8に示すゲート電極GEは、例えば、第2方向Yに沿って延伸する線状部、及び、線状部から突出し、第1方向Xに沿って延伸する突出部を有している。具体的には、ゲート電極GERp11は、線状部LRp11、及び突出部BRp11を有している。線状部LRp11は、上述のように第2方向Yに沿って延伸している。突出部BRp11は、線状部LRp11から第1方向Xに沿って延伸している。突出部BRp11は、平面視で選択線xSSR1と重畳している。
【0080】
突出部BRp11の第2方向Yにおける長さ(幅)は、線状部LRp11の第1方向Xにおける長さ(幅)より長くてもよい。
【0081】
ゲート電極GEBp11は、第2方向Yに沿って延伸する線状部LBp11、線状部LGp11から第1方向Xの逆方向に沿って延伸する突出部BBp11a、線状部LGp21から第1方向Xの逆方向に沿って延伸する突出部BBp11bを有している。突出部BBp11aは、接続配線CNW1及び選択線xSSR1の間に配置されている。突出部BBp11bは、選択線xSSB1に重畳している。
【0082】
突出部BBp11bの第2方向Yにおける長さ(幅)は、突出部BBp11aの第2方向Yにおける長さ(幅)より長くてもよい。突出部BBp11bの第2方向Yにおける長さ(幅)は、線状部LBp11の第1方向Xにおける長さ(幅)より長くてもよい。
【0083】
ゲート電極GEGp21は、第2方向Yに沿って延伸する線状部LGp21、線状部LGp21から第1方向Xの逆方向に沿って延伸する突出部BGp21a、線状部LGp21から第1方向Xに沿って延伸する突出部BGp21b、及び線状部LGp1の先端から第1方向Xに沿って延伸する突出部BGp21cを有している。突出部BGp21a及びBGp21bは、接続配線CNW1及び選択線xSSR1の間に配置されている。突出部BGp21cは、選択線xSSG2に重畳している。
【0084】
突出部BGp21cの第2方向Yにおける長さ(幅)は、突出部BGp21a及びBGp21bの第2方向Yにおける長さ(幅)より長くてもよい。突出部BGp21cの第2方向Yにおける長さ(幅)は、線状部LGp21の第1方向Xにおける長さ(幅)より長くてもよい。
【0085】
ゲート電極GERp21は、第2方向Yに沿って延伸する線状部LRp2、及び線状部LRp21の先端から第1方向Xに沿って延伸する突出部BRp21を有している。突出部BRp21は、選択線xSSR2と重畳している。
突出部BRp21の第2方向Yにおける長さ(幅)は、線状部LRp21の第1方向Xにおける長さ(幅)より長くてもよい。
【0086】
ゲート電極GEBp21は、第2方向Yに沿って延伸する線状部LBp21、線状部LBp21の先端から第1方向Xの逆方向に沿って延伸する突出部BBp21a、及び線状部LBp21の先端から第1方向Xに沿って延伸する突出部BBp21bを有している。突出部BBp21a及びBBp21bは、選択線xSSB2と重畳している。
突出部BBp21a及びBBp21bの第2方向Yにおける長さ(幅)は、線状部LBp21の第1方向Xにおける長さ(幅)より長くてもよい。
【0087】
ゲート電極GEGp10は、第2方向Yに沿って延伸する線状部LGp10a及びLGp10b、線状部LGp10a及びLGp10bの端部同士を接続し、第1方向Xに平行に延伸する突出部BGp10aを有している。ゲート電極GEG10は、第2方向Yに沿って延伸する線状部LGp10c、線状部LGp10c先端から第1方向Xの逆方向に沿って延伸する突出部BGp10b、及び、線状部LGp10cの先端から第1方向Xに沿って延伸する突出部BGp10cを有している。突出部BGp10b及びBGp10cは、選択線xSSG1と重畳している。
【0088】
突出部BGp10b及びBGp10cの第2方向Yにおける長さ(幅)は、線状部LGp10cの第1方向Xにおける長さ(幅)より長くてもよい。
【0089】
説明は省略するが、ゲート電極GERp22、GEBp2、GEGp22、GERp12、及びGEBp12についても、それぞれ、上記と同様に線状部及び突出部を有している。
【0090】
また図4及び図6にも示されたように、ゲート電極GE及び遮光層LSは同様の形状を有しているので、遮光層LSRp11、LSBp11、LSGp21、LSRp21、LSBp21、LSGp10、LSBp22、LSRp22、LSGp22、LSBp12、及びLSBp12についても、それぞれ、図8と同様に線状部及び突出部を有している。
【0091】
例えば、ゲート電極GEGp21の線状部LGp10cを第1線状部、突出部BGp10b及びBGp10cを第1突出部とする。遮光層LSGp10のうち、線状部LGp10cに重畳する領域を第2線状部、突出部BGp10b及びBGp10cに重畳する領域を第2突出部とする。第1突出部及び第2突出部は、少なくとも1つの選択線である選択線xSSGに重畳している。
【0092】
第1線状部である線状部LGp10cから第1方向Xに平行に延伸する突出部BGp10aを第3突出部とする。遮光層LSGp10のうち、突出部BGp10aと重畳する領域を第4突出部とする。第3突出部及び第4突出部は、接続電極CNW1(又は接続電極CNW2)、及び、選択線xSSB2との間に配置されている。
【0093】
図9は、図4の一部を拡大した平面図である。図9は、信号線スイッチ回路ASWのトランスミッションゲートTGのうち、nチャネル型トランジスタのゲート電極GE及びそれらに接続される選択線SSを示している。
【0094】
図9に示すnチャネル型トランジスタのゲート電極GEと遮光層LSは、ほぼ同形状を有している。しかし、一部のゲート電極GEと遮光層LSの形状は、異なる部分を有している。図10は、ゲート電極及び遮光層を示す平面図である。なお図10において、ゲート電極GEは実線のみ、遮光層LSは点線かつ斜めの斜線で示している。
【0095】
図10に示す信号線スイッチ回路ASWでは、ゲート電極GEGn21及び遮光層LSGn21、ゲート電極GERn21及び遮光層LSRn21、ゲート電極GEBn21及び遮光層LSBn21、ゲート電極GEBn22及び遮光層LSBn22、ゲート電極GERn22及び遮光層LSRn22、並びに、ゲート電極GEGn22及び遮光層LSGn22は、それぞれ同じ形状を有している。
【0096】
一方、ゲート電極GERn11及び遮光層LSRn11、ゲート電極GEBn21及び遮光層LSBn21、ゲート電極GEGn11及び遮光層LSGn11、ゲート電極GERn22及び遮光層LSRn22、並びに、ゲート電極GEBn12及び遮光層LSBn12は、それぞれ、類似形状を有するものの完全な同形状とはなっていない。
【0097】
しかしながら、例えば図10のゲート電極GE及び遮光層LSであっても、ゲート電極GE及び遮光層LSの面積を、トランジスタTTによらず、同じ面積としている。例えば、ゲート電極GERn11と遮光層LSRn11は完全な同形状ではないものの、ゲート電極GRRn11及び遮光層LSRn11の線幅などを調整することで、ゲート電極GERn11及び遮光層LSRn11の面積を同じにすることができる。そのため、ゲート電極GETn11はゲート電極GEGn11と同じ面積であり、また遮光層LSRn11と遮光層LSGn11は同じ面積であり、ゲート電極GE及び遮光層LSの面積は、トランジスタTTによらず、同じ面積である。
【0098】
ここで信号線SLについて説明する。図9に示す信号線SLは、第1部分SLs、第2部分SLg、及びソース電極SEを有している。図4において信号線SLとして記したソース電極は、図9におけるソース電極SEである。
【0099】
図9において、信号線SLR11は、第1部分SLR11s、第2部分SLR11g、及びトランスミッションゲートTGR11のドレインでもあるソース電極SER11を有している。第1部分SLR11s及びソース電極SER11は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLR11gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0100】
信号線SLR11の第1部分SLR11s及びソース電極SER11は、上述のように選択線SSと同層の配線層で形成されている。そのため、選択線SSが配置される領域では、別の配線層によりブリッジする必要が生じる。そのため、選択線SSが配置される領域では、信号線SLR11の第1部分SLR11s及びソース電極SER11と間に、ゲート電極GEと同層の第2部分SLR11gで接続している。なお他の信号線SLについても同様である。
【0101】
信号線SLB11は、第1部分SLB11s、第2部分SLB11g、及びソース電極SEB11を有している。第1部分SLB11s及びソース電極SEB11は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLB11gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0102】
信号線SLG21は、第1部分SLG21s、第2部分SLG21g、及びソース電極SEG21を有している。第1部分SLG21s及びソース電極SEG21は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLG21gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0103】
信号線SLR21は、第1部分SLR21s、第2部分SR21g、及びソース電極SER21を有している。第1部分SLR21s及びソース電極SER21は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLR21gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0104】
信号線SLB21は、第1部分SLB21s、第2部分SLB21g、及びソース電極SEB21を有している。第1部分SLB21s及びソース電極SEB21は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLB21gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0105】
信号線SLG11は、第1部分SLG11s、第2部分SLG11g、及びソース電極SEG11を有している。第1部分SLG11s及びソース電極SEG11は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLG11gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0106】
信号線SLG12は、第1部分SLG12s、第2部分SLG12g、及びソース電極SEG12を有している。第1部分SLG12s及びソース電極SEG12は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLG12gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0107】
信号線SLB22は、図示しない第1部分、第2部分SLB22g、及びソース電極SEB22を有している。図示しない第1部分及びソース電極SEB22は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLB22gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0108】
信号線SLR22は、第1部分SLR22s、第2部分SLR22g、及びソース電極SER22を有している。第1部分SLR22s及びソース電極SER22は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLR22gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0109】
信号線SLG22は、図示しない第1部分、第2部分SLG22g、及びソース電極SEG22を有している。図示しない第1部分及びソース電極SEG22は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLG22gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0110】
信号線SLR12は、第1部分SLR12s、第2部分SLR12g、及びソース電極SER12を有している。第1部分SLR12s及びソース電極SER12は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLR12gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0111】
信号線SLB12は、第1部分SLB12s、第2部分SLB12g、及びソース電極SEB12を有している。第1部分SLB12s及びソース電極SEB12は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLB12gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0112】
以上ゲート電極GE及び遮光層LSの線状部及び突出部の形状及び配置の例について述べたが、本実施形態はこれに限定されない。ゲート電極GE及び遮光層LSは、線状部から突出する突出部を有していればよい。突出部は、選択線SSに重なる位置、隣り合う接続配線CNW及び選択線SSとの間、又は、隣り合う選択線SSとの間に配置されていることが好ましい。突出部をこのように配置することにより、ゲート電極GEと遮光層LSの容量を大きく取ることが可能となるこれにより、トランジスタ特性の向上を図ることが可能である。
【0113】
ただし、上述したように、各トランジスタ(各トランスミッションゲートTG)において、ゲート電極GE同士の面積は同じ面積であることが好ましい。pチャネル型トランジスタにおけるゲート電極GE同士、又は遮光層同士は同じ面積であることが好ましい。またnチャネル型トランジスタにおけるゲート電極GE同士、又は遮光層同士は同じ面積であることが好ましい。nチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタそれぞれにおいて、ゲート電極GE同士、又は遮光層同士は同じ面積であることが好適である。
【0114】
ゲート電極GE及び遮光層LSの面積が同じであると、ゲート電極GE及び遮光層LSに生じる容量も同じとなる。そのためトランジスタそれぞれの特性も均一化される。
【0115】
以上本実施形態により、ゲート電極GEに生じる容量と遮光層LSに生じる容量を同じ容量にすることができる。ゲート電極GE及び遮光層LSそれぞれに、線状部及び突出部を設けることにより、遮光層LSをバックゲートとして用いることにより、トランジスタTT(トランスミッションゲートTG)に流れる電流を増やすことが可能である。またトランジスタTTそれぞれのゲート電極GE及び遮光層LSの面積同士を同じ面積にすることにより、トランジスタTTのバラツキを抑制可能である。よって信号線スイッチ回路ASWの特性を向上させることができる。さらに表示装置DSPの表示品質を向上させることが可能である。
【0116】
<構成例>
図11は、実施形態の他の構成例を示す平面図である。図11に示す構成例では、図4に示した構成例と比較して、信号線スイッチ回路に含まれるトランジスタが異なるという点で異なっている。
【0117】
図11に示す信号線スイッチ回路ASWは、1つの引出配線WLに対して、3個のトランスミッションゲートが電気的に接続されている。すなわち、1つの引出配線WLを介して、3本の信号線SLに映像信号が入力される。
【0118】
図12は、図11に示す信号線スイッチ回路の回路図である。図11及び図12において、トランスミッションゲートTGR1のドレインは、信号線SLR1のソースとして信号線SLR1に接続されている。トランスミッションゲートTGR1のソースは、接続配線CNW1に接続されている。トランスミッションゲートTGR1のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GERn1は、選択線SSRに接続されている。トランスミッションゲートTGR1のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GERp1は、選択線xSSRに接続されている。
【0119】
トランスミッションゲートTGG1のドレインは、信号線SLG1のソースとして信号線SLG1に接続されている。トランスミッションゲートTGG1のソースは、接続配線CNW1に接続されている。トランスミッションゲートTGG1のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEGn1は、選択線SSGに接続されている。トランスミッションゲートTGG1のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEGp1は、選択線xSSGに接続されている。
【0120】
トランスミッションゲートTGB1のドレインは、信号線SLB1のソースとして信号線SLB1に接続されている。トランスミッションゲートTGB1のソースは、接続配線CNW1に接続されている。トランスミッションゲートTGB1のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEBn1は、選択線SSBに接続されている。トランスミッションゲートTGB1のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEBp1は、選択線xSSBに接続されている。
【0121】
トランスミッションゲートTGR2のドレインは、信号線SLR2のソースとして信号線SLR2に接続されている。トランスミッションゲートTGR2のソースは、接続配線CNW2に接続されている。トランスミッションゲートTGR2のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GERn2は、選択線SSRに接続されている。トランスミッションゲートTGR2のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GERp2は、選択線xSSRに接続されている。
【0122】
トランスミッションゲートTGG2のドレインは、信号線SLG2のソースとして信号線SLG2に接続されている。トランスミッションゲートTGG2のソースは、接続配線CNW2に接続されている。トランスミッションゲートTGG2のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEGn2は、選択線SSGに接続されている。トランスミッションゲートTGG2のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEGp2は、選択線xSSGに接続されている。
【0123】
トランスミッションゲートTGB2のドレインは、信号線SLB2のソースとして信号線SLB2に接続されている。トランスミッションゲートTGB2のソースは、接続配線CNW2に接続されている。トランスミッションゲートTGB2のうちnチャネル型トランジスタのゲート電極GEBn2は、選択線SSBに接続されている。トランスミッションゲートTGB2のうちpチャネル型トランジスタのゲート電極GEBp2は、選択線xSSBに接続されている。
【0124】
トランスミッションゲートTGR1及びTGG11それぞれのnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn1を用いて形成される。トランスミッションゲートTGB1のnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn2を用いて形成される。トランスミッションゲートTGR2及びTGG2それぞれのnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn3を用いて形成される。トランスミッションゲートTGB2のnチャネル型トランジスタは、半導体層SCn4を用いて形成される。
【0125】
トランスミッションゲートTGR1及びTGG11それぞれのpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp1を用いて形成される。トランスミッションゲートTGB1のpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp2を用いて形成される。トランスミッションゲートTGR2及びTGG2それぞれのpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp3を用いて形成される。トランスミッションゲートTGB2のpチャネル型トランジスタは、半導体層SCp4を用いて形成される。
【0126】
図11に示す信号線スイッチ回路ASWには、実施形態と同様、ゲート電極GEと重畳して遮光層LSが設けられている。本構成例においても、重畳するゲート電極GE及び遮光層LSは、同じ形状であることが好ましい。
【0127】
また、nチャネル型トランジスタのゲート電極GE同士の面積は同じ面積であることが好ましい。またpチャネル型トランジスタのゲート電極GE同士の面積は同じ面積であることが好ましい。また遮光層LSに関しても、それぞれ同じ面積であることが好ましい。
【0128】
図13は、図11に示すゲート電極の平面図である。図14は、図11に示す遮光層LSの平面図である。pチャネル型トランジスタについて、それぞれ重畳するゲート電極GEと遮光層LSは、同じ形状であり、同じ面積を有している。
【0129】
図15は、図11の一部を拡大した図である。より具体的には、図15はpチャネル型トランジスタが配置される領域の拡大図である。図15において、図面を分かり易くするために、遮光層LSの表示を省略している。
図15に示すように、ゲート電極GEは、例えば、第2方向Yに沿って延伸する線状部、及び、線状部から突出し、第1方向Xに沿って延伸する突出部を有している。
【0130】
図15に示すゲート電極GERp1は、第2方向Yに沿って延伸する線状部LGp1、及び線状部LRp1に接続する突出部BRp1を有している。突出部BRp1は、第1方向Xと逆方向に沿って延伸している。突出部BRp1は、平面視で選択線xSSRと重畳している。
【0131】
ゲート電極GEGp1は、線状部LGp1、並びに突出部BGp1a及びBGp1bを有している。線状部LGp1は、第2方向Yに沿って延伸している。突出部BGp1aは、線状部LGp1から第1方向Xの逆方向に沿って延伸している。突出部BGp1bは、突出部BGp1aに接続され、突出部BGp1aから第1方向Xの逆方向に沿って延伸している。突出部BGp1aの第2方向Yにおける長さ(幅)は、突出部BGp1bの第2方向Yにおける長さ(幅)よりも長い。突出部BGp1a及びBGp1bは、平面視で選択線xSSR1と重畳している。
【0132】
ゲート電極GEBp1は、第2方向Yに沿って延伸する線状部LBp1、及び線状部LBp1に接続する突出部BBp1を有している。突出部BBp1は、第1方向Xと平行に延伸している。突出部BBp1は、平面視で選択線xSSRと重畳している。
【0133】
なおゲート電極GERp2、GEGp2、及びGEBp2は、それぞれ、ゲート電極GERp1、GEGp1、及びGEBp1と同様の形状を有しており、同様に配置される。そのため、ゲート電極GERp2、GEGp2、及びGEBp2についての説明は、ゲート電極GERp1、GEGp1、及びGEBp1の説明を援用し、詳細は省略する。
【0134】
図16は、図11の一部を拡大した図である。より具体的には、図16はnチャネル型トランジスタが配置される領域の拡大図である。図16においても、図面を分かり易くするために、遮光層LSの表示を省略している。ただし、図11図13、及び図14に示したように、遮光層LSは、ゲート電極GEとほぼ同形状を有している。
【0135】
図16において、信号線SLR1は、図示しない第1部分、第2部分SLR1g、及びソース電極SER1を有している。図示しない第1部分は、第2部分SLR1gに接続されている。第1部分及びソース電極SER1は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLR1gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0136】
信号線SLG1は、第1部分SLG1s、第2部分SLG1g1、第3部分SLG1g2、及びソース電極SEG1を有している。第1部分SLG1sは、第2部分SLG1g1及び第3部分SLG1g2を接続している。第1部分SLG1s及びソース電極SEG1は、択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLG1g1及び第3部分SLG1g2は、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。なお第3部分SLG1g2は、さらに第1部分SLG1sと同層の配線層である第4部分(非表示)と接続されている。
【0137】
信号線SLB1は、図示しない第1部分、第2部分SLB1g、及びソース電極SEB1を有している。図示しない第1部分は、第2部分SLB1gに接続されている。第1部分及びソース電極SEB1は、選択線SS、接続配線CNW、及び引出配線WLのうち第1部分WLsと同層の配線層で形成されている。第2部分SLB1gは、ゲート電極GEと同層の配線層で形成されている。
【0138】
なお信号線SLR2、SLG2、及びSLB2は、それぞれ、信号線SLR1、SLG1、及びSLB1と同様の接続関係を有している。そのため、信号線SLR2、SLG2、及びSLB2についての説明は、信号線SLR1、SLG1、及びSLB1の説明を援用し、詳細は省略する。
【0139】
図16に示す例においても、図9に示す例と同様、信号線SLは、選択線SSをブリッジするために、ゲート電極GEと同層の配線層で置き換える部分を有している。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0140】
<比較例>
図17は、比較例の構成例を示す平面図である。図17に示した比較例では、図4に示した構成例と比較して、遮光層がゲート電極と同形状でない点、ゲート電極及び遮光層それぞれにおいてトランジスタごとに面積が異なる点、及びゲート電極及び遮光層それぞれに突出部が設けられていない点で異なっている。
【0141】
図17と併せて図18A及び図18Bを用いて、比較例を説明する。図18A及び図18Bは、それぞれ、図17の信号線スイッチ回路のうち、ゲート電極及び遮光層を示す平面図である。図18Aは、比較例のゲート電極GEの平面図であり、図18Bは、比較例の遮光層LSの平面図である。図示しないが、遮光層LSは、平面視で対応する半導体層SC及びゲート電極GEに重畳している。ただし図17図18A、及び図18Bでは、pチャネル型トランジスタが配置される領域を説明している。
【0142】
図17図18A、及び図18Bに示すように、比較例の信号線スイッチ回路ASWは、遮光層LSがゲート電極GEとは異なる形状を有している。また、図17図18A、及び図18Bに示す信号線スイッチ回路ASWでは、ゲート電極GE同士の面積は異なっている。さらに、ゲート電極GE又は遮光層LSのいずれも、突出部を有していない。
【0143】
なお図18Bに示すように、ゲート電極GEGp10に対応する遮光層は、遮光層LSGp11及びLSGp12である。
【0144】
図17図18A、及び図18Bに示す比較例と比較して、上述した実施形態では、ゲート電極GEに生じる容量と遮光層LSに生じる容量を同じにすることが可能である。ゲート電極GE及び遮光層LSそれぞれに、線状部及び突出部を設けることにより、トランジスタTTに流れる電流を増やすことができる。またトランジスタTTそれぞれのゲート電極GEの面積同士を同じ面積にすることにより、トランジスタTTの均一化が可能である。よって信号線スイッチ回路ASWの特性を向上させることが可能である。さらに実施形態の表示装置DSPでは、表示品質を向上させることができる。
【0145】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0146】
ASW…信号線スイッチ回路、BBp11a…突出部、BBp11b…突出部、BBp21a…突出部、BBp21b…突出部、BGp10b…突出部、BGp10c…突出部、BGp21a…突出部、BGp21b…突出部、BGp21c…突出部、BRp11…突出部、BRp21…突出部、CNW…接続配線、CNW1…接続配線、CNW2…接続配線、GE…ゲート電極、GEBp11…ゲート電極、GEBp21…ゲート電極、GEG10…ゲート電極、GEGp21…ゲート電極、GERp11…ゲート電極、GERp21…ゲート電極、LBp11…線状部、LBp21…線状部、LGp10c…線状部、LGp11…線状部、LGp21…線状部、LRp11…線状部、LRp21…線状部、LS…遮光層、SL…信号線、SS…選択線、TG…トランスミッションゲート、xSS…選択線、xSSB1…選択線、xSSB2…選択線、xSSG1…選択線、xSSG2…選択線、xSSR1…選択線、xSSR2…選択線。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B