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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】部品実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
H05K13/04 M
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023522076
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(86)【国際出願番号】 JP2021018973
(87)【国際公開番号】W WO2022244138
(87)【国際公開日】2022-11-24
【審査請求日】2023-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀和
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/100717(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/068993(WO,A1)
【文献】特開2014-135425(JP,A)
【文献】特開2013-033791(JP,A)
【文献】特開2003-042968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を供給する部品供給処理を行うフィーダーと、前記部品を吸着する部品吸着処理を行う吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載する部品搭載処理を行うことで部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含む実装機と、
前記実装機とデータ通信可能に接続される管理装置と、を備え、
前記管理装置は、
前記部品吸着処理における前記吸着ノズルに対する前記部品の吸着位置のずれ量を示す吸着位置ずれデータと、前記部品搭載処理における基板に対する前記部品の搭載位置のずれ量を示す搭載位置ずれデータと、前記部品供給処理、前記部品吸着処理、及び前記部品搭載処理の各処理で用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドをそれぞれ特定するための各パラメータ情報と、を取得する管理通信部と、
前記吸着位置ずれデータと、前記搭載位置ずれデータと、前記各パラメータ情報とを関連付けた管理データを蓄積して記憶する管理記憶部と、
前記管理データの情報を表示する管理表示部と、
前記管理表示部の表示形態に関する指令が入力される管理操作部と、
前記管理操作部に入力された指令に応じて前記管理表示部を制御する管理制御部と、を含み、
前記管理制御部は、
前記各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記一のパラメータ情報に着目した前記吸着位置ずれデータのデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布と、前記搭載位置ずれデータのデータ群の分布を示す搭載位置ずれ分布とが同時に表示されるように、前記管理表示部を制御し、
前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とが前記管理表示部に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、他方の位置ずれ分布のデータ群において前記特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、前記管理表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項2】
前記管理制御部は、前記各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記吸着位置ずれデータのデータ群の時間的な推移を示す吸着位置ずれ推移グラフと、前記搭載位置ずれデータのデータ群の時間的な推移を示す搭載位置ずれ推移グラフとの少なくとも一方の推移グラフが、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と同時に表示されるように、前記管理表示部を制御する、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記管理制御部は、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と、前記吸着位置ずれ推移グラフ及び前記搭載位置ずれ推移グラフの少なくとも一方の推移グラフとが前記管理表示部に同時に表示された状態で、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布のうちの一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、他方の位置ずれ分布と、前記吸着位置ずれ推移グラフ及び前記搭載位置ずれ推移グラフのうちで前記管理表示部に表示されている推移グラフとの各データ群において、前記特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、前記管理表示部を制御する、請求項2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記管理制御部は、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と、前記吸着位置ずれ推移グラフ及び前記搭載位置ずれ推移グラフの少なくとも一方の推移グラフとが前記管理表示部に同時に表示された状態で、前記管理表示部に表示されている推移グラフのデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記管理操作部による指令の対象の推移グラフとは別の推移グラフが前記管理表示部に表示されているときには当該推移グラフと、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布との各データ群において、前記特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、前記管理表示部を制御する、請求項2又は3に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記管理通信部は、前記部品吸着処理における前記吸着ノズルによる前記部品の吸着レベルを示す吸着レベルデータを前記実装機から取得するように構成され、
前記管理記憶部は、前記管理データとして、前記吸着レベルデータを更に関連付けたデータを蓄積して記憶するように構成され、
前記管理制御部は、前記各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記吸着レベルデータで示される前記吸着レベルのデータ群の時間的な推移を示す吸着レベル推移グラフが、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と同時に表示されるように、前記管理表示部を制御する、請求項1~4のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記管理制御部は、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と、前記吸着レベル推移グラフとが前記管理表示部に同時に表示された状態で、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布のうちの一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、他方の位置ずれ分布、及び前記吸着レベル推移グラフの各データ群において前記特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、前記管理表示部を制御する、請求項5に記載の部品実装システム。
【請求項7】
前記管理通信部は、前記部品吸着処理における前記吸着ノズルによる前記部品の吸着状態が正常であるか否かを示す吸着状態データを前記実装機から取得するように構成され、
前記管理記憶部は、前記管理データとして、前記吸着状態データを更に関連付けたデータを蓄積して記憶するように構成され、
前記管理制御部は、
前記吸着状態データに基づいて、前記各パラメータ情報で示される前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの各々について、指定期間において使用された総回数に対する前記吸着状態が正常である場面で使用された回数の割合を示す正常吸着率を算出し、
前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とが前記管理表示部に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記特定の位置ずれデータに対応した前記各パラメータ情報で示される前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの各々における前記正常吸着率が表示されるように、前記管理表示部を制御する、請求項1~6のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に部品が搭載された部品搭載基板を得る実装機を備えた部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント基板等の基板上に電子部品(以下、単に「部品」という)を搭載して部品搭載基板を得る実装機を備えた部品実装システムが知られている。この種の部品実装システムにおいて実装機は、部品を供給する部品供給処理を行うフィーダーと、フィーダーにより供給された部品を吸着する部品吸着処理を行う吸着ノズルを有し、部品を基板に搭載する部品搭載処理を行う搭載ヘッドと、を備える。搭載ヘッドは、基板に予め設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して、前記部品搭載処理を行う。
【0003】
搭載ヘッドの部品搭載処理において、吸着ノズルによる部品の実際の吸着位置(実吸着位置)と、目標吸着位置との間に位置ずれが生じる場合がある。このような吸着位置の位置ずれは、基板上における部品の実際の搭載位置(実搭載位置)の目標搭載位置に対する位置ずれの発生要因となり得る。基板上において部品の実搭載位置の位置ずれが生じた場合には、実装機によって得られる部品搭載基板の品質に影響を与える。
【0004】
特許文献1には、基板上における部品の実搭載位置の位置精度を高めるための技術が開示されている。特許文献1に開示される技術では、吸着ノズル(治具)によって部品を吸着保持した搭載ヘッド(ヘッド部)が、基板上の目標搭載位置(実装位置)に停止した状態で、部品を撮像して画像認識する。この画像認識によって、吸着ノズルに吸着保持された部品の中心位置と目標搭載位置との位置の差が求められる。そして、当該位置の差を用いて、基板上における部品の実搭載位置の位置精度を高めるための実装機のキャリブレーションが行われる。
【0005】
ところで、吸着ノズルの経年劣化などにより、部品の実吸着位置の位置ずれが許容範囲を超えて大きくなる場合がある。この場合、特許文献1に開示される技術のように、吸着ノズルに吸着保持された部品の中心位置と目標搭載位置との位置の差に基づき実装機のキャリブレーションを行ったとしても、基板上における部品の実搭載位置の位置ずれの不良を解消することができない虞がある。特許文献1に開示される技術では、吸着ノズルによる部品の実吸着位置の位置ずれの発生要因を特定することが困難であるため、基板上における部品の実搭載位置の位置ずれの不良を解消するための適切な対策を講じることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-223499号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸着ノズルによる部品の吸着位置の位置ずれの発生状況を確認し、当該位置ずれの発生要因を特定することが可能な部品実装システムを提供することにある。
【0008】
本発明の一の局面に係る部品実装システムは、部品を供給する部品供給処理を行うフィーダーと、前記部品を吸着する部品吸着処理を行う吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載する部品搭載処理を行うことで部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含む実装機と、前記実装機とデータ通信可能に接続される管理装置と、を備える。前記管理装置は、前記部品吸着処理における前記吸着ノズルに対する前記部品の吸着位置のずれ量を示す吸着位置ずれデータと、前記部品搭載処理における基板に対する前記部品の搭載位置のずれ量を示す搭載位置ずれデータと、前記部品供給処理、前記部品吸着処理、及び前記部品搭載処理の各処理で用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドをそれぞれ特定するための各パラメータ情報と、を取得する管理通信部と、前記吸着位置ずれデータと、前記搭載位置ずれデータと、前記各パラメータ情報とを関連付けた管理データを蓄積して記憶する管理記憶部と、前記管理データの情報を表示する管理表示部と、前記管理表示部の表示形態に関する指令が入力される管理操作部と、前記管理操作部に入力された指令に応じて前記管理表示部を制御する管理制御部と、を含む。前記管理制御部は、前記各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記一のパラメータ情報に着目した前記吸着位置ずれデータのデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布と、前記搭載位置ずれデータのデータ群の分布を示す搭載位置ずれ分布とが同時に表示されるように、前記管理表示部を制御する。更に、前記管理制御部は、前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とが前記管理表示部に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、他方の位置ずれ分布のデータ群において前記特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、前記管理表示部を制御する。
【0009】
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る部品実装システムの全体構成を示す図である。
図2】部品実装システムに備えられる実装機のブロック図である。
図3】実装機における実装機本体の構成を示す平面図である。
図4】実装機本体のヘッドユニットの部分を拡大して示す図である。
図5】部品実装システムに備えられる搭載検査装置のブロック図である。
図6】部品実装システムに備えられる管理装置のブロック図である。
図7】管理装置に備えられる管理表示部の表示画面を示す図であって、吸着位置ずれ分布が表示された状態を示す図である。
図8】管理表示部の表示画面を示す図であって、搭載位置ずれ分布が表示された状態を示す図である。
図9】管理表示部の表示画面を示す図であって、吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布とが同時に表示された状態を示す図である。
図10】管理表示部の表示画面を示す図であって、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布と、吸着位置ずれ推移グラフ及び搭載位置ずれ推移グラフとが同時に表示された状態を示す図である。
図11】吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布と吸着位置ずれ推移グラフ及び搭載位置ずれ推移グラフとが同時に表示される場合における、表示態様の他の例を示す図である。
図12】管理表示部の表示画面を示す図であって、吸着レベル推移グラフが表示された状態を示す図である。
図13】管理表示部の表示画面を示す図であって、正常吸着率表が表示された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る部品実装システムについて図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に示されるように、本実施形態に係る部品実装システム100は、パターン形成装置10と、パターン検査装置11と、実装機12と、搭載検査装置13と、リフロー装置14と、リフロー検査装置15と、管理装置16とを備えている。
【0013】
パターン形成装置10、パターン検査装置11、実装機12、搭載検査装置13、リフロー装置14、及びリフロー検査装置15は、この順に直線状に並ぶように連結されて、部品実装ラインを構成する。管理装置16は、パターン検査装置11、実装機12、搭載検査装置13、及びリフロー検査装置15とデータ通信可能に接続されている。
【0014】
パターン形成装置10は、半田ペーストのパターンが形成されたパターン形成基板PPを得るための装置である。このパターン形成基板PPは、パターン検査装置11に搬入される。パターン検査装置11は、パターン形成基板PPを撮像する撮像部を備えている。パターン検査装置11は、撮像部の撮像によって得られたパターン形成基板PPの画像を示すパターン基板画像G1に基づいて、当該パターン形成基板PPを検査する。パターン基板画像G1は、パターン形成基板PPにおける半田ペーストのパターンに対応した画素群からなる領域を含む画像である。パターン基板画像G1は、例えば、パターン形成基板PPにおける半田ペーストのパターンの形成状態などを確認することが可能な画像である。パターン検査装置11は、パターン基板画像G1に所定の画像処理を施すことにより、パターン形成基板PPにおける半田ペーストのパターンの形成状態を検査する。パターン検査装置11による検査後のパターン形成基板PPは、実装機12に搬入される。
【0015】
実装機12は、パターン形成基板PP上に電子部品(以下、「部品」と称する)が搭載された部品搭載基板PPAを生産するための装置である。この実装機12について、図1に加えて図2図4を参照しながら説明する。なお、図3では、水平面上において互いに直交するXY直交座標を用いて方向関係が示されている。
【0016】
実装機12は、実装機本体2と、実装制御部4と、実装通信部40と、実装記憶部40Mとを備える。実装機本体2は、部品搭載基板PPAの生産時において、パターン形成基板PPに部品を搭載する部品搭載処理等を行う構造部分を構成する。実装通信部40は、管理装置16とデータ通信を行うためのインターフェースであり、各種のデータ及び情報を管理装置16に向けて出力する機能を有する。実装制御部4は、実装記憶部40Mに記憶された基板データD25に従って実装機本体2の部品搭載処理等を制御するとともに、実装通信部40のデータ通信を制御する。
【0017】
実装機本体2は、本体フレーム21と、コンベア23と、部品供給ユニット24と、ヘッドユニット25と、基板支持ユニット28とを備える。
【0018】
本体フレーム21は、実装機本体2を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向(鉛直方向)から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア23は、X軸方向に延び、本体フレーム21に配置される。コンベア23は、パターン形成基板PPをX軸方向に搬送する。コンベア23上を搬送されるパターン形成基板PPは、所定の作業位置(パターン形成基板PP上に部品が搭載される部品搭載位置)に、基板支持ユニット28によって位置決めされるようになっている。基板支持ユニット28は、パターン形成基板PPを下方側から支持することによって、当該パターン形成基板PPをコンベア23上において位置決めする。
【0019】
部品供給ユニット24は、本体フレーム21におけるY軸方向の両端部のそれぞれの領域部分に、コンベア23を挟んで配置される。部品供給ユニット24は、本体フレーム21において、フィーダー24Fが複数並設された状態で装着される領域であって、後述のヘッドユニット25に備えられる搭載ヘッド251による保持対象の部品毎に、各フィーダー24Fのセット位置が区画されている。フィーダー24Fは、部品供給ユニット24に着脱自在に装着される。フィーダー24Fは、部品を供給する部品供給処理を行う装置である。フィーダー24Fは、複数の部品を保持し、その保持した部品をフィーダー内に設定された所定の部品供給位置に供給できるものであれば特に限定されず、例えばテープフィーダーである。テープフィーダーは、部品を所定間隔おきに収納した部品収納テープが巻回されたリールを備え、そのリールから部品収納テープを送出することにより、部品を供給するように構成されたフィーダーである。
【0020】
ヘッドユニット25は、移動フレーム27に保持されている。本体フレーム21上には、Y軸方向に延びる固定レール261と、Y軸サーボモータ263により回転駆動されるボールねじ軸262とが配設されている。移動フレーム27は固定レール261上に配置され、この移動フレーム27に設けられたナット部分271がボールねじ軸262に螺合している。また、移動フレーム27には、X軸方向に延びるガイド部材272と、X軸サーボモータ274により駆動されるボールねじ軸273とが配設されている。このガイド部材272にヘッドユニット25が移動可能に保持され、このヘッドユニット25に設けられたナット部分がボールねじ軸273に螺合している。そして、Y軸サーボモータ263の作動により移動フレーム27がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ274の作動によりヘッドユニット25が移動フレーム27に対してX軸方向に移動するようになっている。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム27の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム27に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給ユニット24と基板支持ユニット28に支持されたパターン形成基板PPとの間で移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給ユニット24とパターン形成基板PPとの間で移動することにより、部品をパターン形成基板PPに搭載する部品搭載処理を実行する。
【0021】
図4に示されるように、ヘッドユニット25は、複数の搭載ヘッド251を備えている。各搭載ヘッド251は、その先端(下端)に装着された吸着ノズル2511を有する。吸着ノズル2511は、フィーダー24Fにより供給された部品の吸着保持が可能なノズルである。吸着ノズル2511は、部品を吸着する部品吸着処理を行う。吸着ノズル2511は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル2511に負圧が供給されることで当該吸着ノズル2511による部品の吸着保持が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。各搭載ヘッド251は、吸着ノズル2511により吸着保持された部品をパターン形成基板PPに搭載する部品搭載処理を、パターン形成基板PPに設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して行う。各搭載ヘッド251は、パターン形成基板PPに対する部品搭載処理を行うことにより、部品搭載基板PPAを得る。
【0022】
各搭載ヘッド251は、ヘッドユニット25のフレームに対してZ軸方向(鉛直方向)に昇降可能であるとともに、Z軸方向に延びるヘッド軸回りの回転が可能とされている。各搭載ヘッド251は、吸着ノズル2511による部品の吸着保持が可能な吸着可能位置と、吸着可能位置に対して上方側の退避位置との間で、Z軸方向に沿って昇降可能である。つまり、吸着ノズル2511によって部品を吸着保持するときには、各搭載ヘッド251は、退避位置から吸着可能位置へ向かって下降し、当該吸着可能位置において部品を吸着保持する。一方、部品の吸着保持後の各搭載ヘッド251は、吸着可能位置から退避位置へ向かって上昇する。更に、各搭載ヘッド251は、吸着ノズル2511によって吸着保持された部品をパターン形成基板PP上の予め定められた目標搭載位置に搭載することが可能な搭載可能位置と、前記退避位置との間で、Z軸方向に沿って昇降可能である。
【0023】
図2及び図3に示されるように、実装機本体2は、実装撮像部3を更に備える。実装撮像部3は、撮像対象を撮像する撮像動作を行って撮像画像を取得する。実装撮像部3は、第1撮像部31と、第2撮像部32と、第3撮像部33とを含む。
【0024】
第1撮像部31は、本体フレーム21上において部品供給ユニット24とコンベア23との間に設置され、例えばCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)やCCD(Charged-coupled device)等の撮像素子を備えた撮像カメラである。第1撮像部31は、各搭載ヘッド251が前記部品搭載処理を実行しているときに、部品供給ユニット24から基板支持ユニット28により支持されたパターン形成基板PPへ向かってヘッドユニット25が移動している間において、各搭載ヘッド251の吸着ノズル2511によって吸着保持された部品を、下方側から撮像して吸着処理画像G24を取得する。
【0025】
吸着処理画像G24は、吸着ノズル2511の吸着保持面に対応した画素群からなる領域と、吸着ノズル2511に吸着されている部品に対応した画素群からなる領域とを含む画像である。なお、吸着ノズル2511が部品を吸着保持していない場合には、吸着処理画像G24は、吸着ノズル2511の吸着保持面に対応した画素群からなる領域のみを含み、部品に対応した画素群からなる領域を含まない画像となる。吸着処理画像G24は、吸着ノズル2511による部品吸着処理の処理状態を示す画像であり、実装機12において取得される処理状態画像G2に含まれる。吸着処理画像G24は、部品吸着処理の処理状態として、例えば、吸着ノズル2511に吸着された部品の姿勢、吸着ノズル2511に対する部品の吸着位置のずれ量などを確認することが可能な画像である。吸着処理画像G24は、後記の実装制御部4に入力され、データ算出部46による吸着位置ずれの算出の際に参照される。また、吸着処理画像G24は、実装通信部40を介して管理装置16に送られる。
【0026】
第2撮像部32は、ヘッドユニット25に配置され、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えた撮像カメラである。第2撮像部32は、フィーダー24Fに設定された部品供給位置の直上に吸着ノズル2511が位置するようにヘッドユニット25が配置された状態で、フィーダー24Fの部品供給位置を斜め上方から撮像する。具体的には、第2撮像部32は、吸着ノズル2511が吸着動作を行う前に、フィーダー24Fにより部品供給位置に供給された部品を斜め上方から撮像して第1供給処理画像G21を取得する。更に、第2撮像部32は、フィーダー24Fにより部品供給位置に供給された部品に対して吸着ノズル2511が吸着動作を行っている最中の部品供給位置の状態を撮像して、第2供給処理画像G22を取得する。また、第2撮像部32は、吸着ノズル2511による吸着動作の終了後における部品供給位置の状態を撮像して、第3供給処理画像G23を取得する。
【0027】
第1供給処理画像G21は、フィーダー24Fの部品供給位置に対応した画素群からなる領域と、部品供給位置に供給された部品に対応した画素群からなる領域とを含む画像である。第2供給処理画像G22は、フィーダー24Fの部品供給位置に対応した画素群からなる領域と、部品供給位置に供給された部品に対応した画素群からなる領域と、吸着ノズル2511に対応した画素群からなる領域とを含む画像である。第3供給処理画像G23は、吸着ノズル2511による吸着動作の終了後におけるフィーダー24Fの部品供給位置に対応した画素群からなる領域を含む画像である。第1供給処理画像G21、第2供給処理画像G22、及び第3供給処理画像G23は、フィーダー24Fによる部品供給処理の処理状態を示す画像であり、実装機12において取得される処理状態画像G2に含まれる。第1供給処理画像G21、第2供給処理画像G22、及び第3供給処理画像G23は、部品供給処理の処理状態として、例えば、フィーダー24Fの部品供給位置に供給された部品の姿勢、部品供給位置における吸着ノズル2511による部品の吸着性などを確認することが可能な画像である。第1供給処理画像G21、第2供給処理画像G22、及び第3供給処理画像G23は、実装通信部40を介して管理装置16に送られる。
【0028】
また、第2撮像部32は、部品を吸着保持した吸着ノズル2511がパターン形成基板PPに設定された目標搭載位置の直上に位置するようにヘッドユニット25が配置された状態で、目標搭載位置を斜め上方から撮像する。具体的には、第2撮像部32は、搭載ヘッド251が吸着ノズル2511により吸着された部品をパターン形成基板PPに搭載する前に、パターン形成基板PP上の目標搭載位置を斜め上方から撮像して第1搭載処理画像G25を取得する。更に、第2撮像部32は、搭載ヘッド251による部品搭載動作の終了後における目標搭載位置の状態を撮像して、第2搭載処理画像G26を取得する。
【0029】
第1搭載処理画像G25は、パターン形成基板PP上の目標搭載位置に対応した画素群からなる領域と、当該目標搭載位置の周辺に対応した画素群からなる領域とを含む画像である。第2搭載処理画像G26は、搭載ヘッド251による部品搭載動作の終了後における目標搭載位置に対応した画素群からなる領域を含む画像である。第1搭載処理画像G25及び第2搭載処理画像G26は、搭載ヘッド251による部品搭載処理の処理状態を示す画像であり、実装機12において取得される処理状態画像G2に含まれる。第1搭載処理画像G25及び第2搭載処理画像G26は、部品搭載処理の処理状態として、例えば、パターン形成基板PP上の目標搭載位置に搭載された部品の姿勢などを確認することが可能な画像である。第1搭載処理画像G25及び第2搭載処理画像G26は、実装通信部40を介して管理装置16に送られる。
【0030】
第3撮像部33は、ヘッドユニット25に配置され、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えた撮像カメラである。第3撮像部33は、各搭載ヘッド251が部品搭載処理を実行しているときに、基板支持ユニット28により支持されたパターン形成基板PPの上面に付設されている各種マークを認識するために、当該マークを上方側から撮像する。第3撮像部33によるパターン形成基板PP上のマークの認識によって、パターン形成基板PPの原点座標に対する位置ずれ量が検知される。
【0031】
実装記憶部40Mは、実装制御部4によって参照される基板データD25を記憶する。基板データD25は、実装制御部4による実装機本体2の部品搭載処理等の制御に必要な複数のパラメータ情報D2と、目標吸着位置情報DAPと、目標搭載位置情報DPPとによって構成されるデータである。パラメータ情報D2は、部品情報D21と、ヘッド情報D22と、ノズル情報D23と、フィーダー情報D24とを含む。
【0032】
部品情報D21には、部品の種別を特定するためのパラメータとして、部品の種類を示す部品名、部品のX軸方向及びY軸方向の外形寸法、部品の厚みなどが登録されている。ヘッド情報D22は、搭載ヘッド251の種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。ヘッド情報D22には、搭載ヘッド251の種別を特定するためのパラメータとして、搭載ヘッド251の番号などが登録されている。ノズル情報D23は、吸着ノズル2511の種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。ノズル情報D23には、吸着ノズル2511の種別を特定するためのパラメータとして、吸着ノズル2511の種類、吸着ノズル2511の識別子などが登録されている。フィーダー情報D24は、フィーダー24Fの種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。フィーダー情報D24には、フィーダー24Fの種別を特定するためのパラメータとして、フィーダー24Fの種類、フィーダー24Fの部品供給ユニット24におけるセット位置などが登録されている。
【0033】
目標吸着位置情報DAPは、吸着ノズル2511による部品の吸着時における目標の吸着位置(目標吸着位置)がパラメータとして登録された情報である。目標吸着位置情報DAPには、吸着ノズル2511に対する部品の目標吸着位置のX軸方向及びY軸方向の各座標がパラメータとして登録されている。目標吸着位置は、通常、部品の被吸着面上の中心位置に設定される。目標搭載位置情報DPPは、パターン形成基板PPに設定された部品の目標搭載位置がパラメータとして登録された情報である。目標搭載位置情報DPPには、パターン形成基板PP上における目標搭載位置のX軸方向及びY軸方向の各座標がパラメータとして登録されている。
【0034】
実装制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。実装制御部4は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、実装機本体2の各構成要素の動作を制御するとともに、実装通信部40のデータ通信動作を制御し、更には各種演算処理を実行する。実装制御部4は、実装記憶部40Mに記憶された基板データD25に従って実装機本体2の各構成要素の動作を制御する。図2に示されるように、実装制御部4は、主たる機能構成として、通信制御部41と、基板搬送制御部42と、部品供給制御部43と、ヘッド制御部44と、撮像制御部45と、データ算出部46とを含む。
【0035】
通信制御部41は、実装通信部40を制御することにより、実装機12と管理装置16との間のデータ通信を制御する。通信制御部41によって制御された実装通信部40は、後記のデータ算出部46によって取得される吸着位置ずれデータD1、吸着レベルデータD3及び吸着状態データD4と、実装記憶部40Mに記憶された基板データD25に含まれるパラメータ情報D2と、第1撮像部31及び第2撮像部32により取得された処理状態画像G2と、を管理装置16に送る。なお、実装通信部40を介して管理装置16に送られるパラメータ情報D2は、部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23及びフィーダー情報D24から構成されている。また、実装通信部40を介して管理装置16に送られる処理状態画像G2は、第1供給処理画像G21、第2供給処理画像G22、第3供給処理画像G23、吸着処理画像G24、第1搭載処理画像G25、及び第2搭載処理画像G26から構成されている。
【0036】
詳細については後述するが、吸着位置ずれデータD1、吸着レベルデータD3及び吸着状態データD4は、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎にデータ算出部46によって取得されるデータである。搭載ヘッド251による1回の部品搭載処理の実行時においては、複数種の部品の中から1種の部品が使用され、複数の搭載ヘッド251の中から1つの搭載ヘッド251が使用され、複数の吸着ノズル2511の中から1つの吸着ノズル2511が使用され、複数のフィーダー24Fの中から1つのフィーダー24Fが使用される。つまり、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に、使用される部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル2511、及びフィーダー24Fが一義的に決まる。更には、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に、第1撮像部31及び第2撮像部32により各処理状態画像G2が取得される。このため、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎にデータ算出部46によって取得される吸着位置ずれデータD1、吸着レベルデータD3及び吸着状態データD4と、各パラメータ情報D2と、各処理状態画像G2とは、互いに関連付けられたものとなる。
【0037】
基板搬送制御部42は、コンベア23によるパターン形成基板PPの搬送動作を制御する。部品供給制御部43は、基板データD25の部品情報D21及びフィーダー情報D24に従って、部品供給ユニット24に配列された複数のフィーダー24Fの各々の部品供給処理を制御する。ヘッド制御部44は、基板データD25の部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23、目標吸着位置情報DAP、及び目標搭載位置情報DPPに従って、ヘッドユニット25を制御することにより搭載ヘッド251を制御する。これにより、ヘッド制御部44は、吸着ノズル2511により吸着保持された部品をパターン形成基板PPに搭載する部品搭載処理を、パターン形成基板PPに設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して、搭載ヘッド251に実行させる。撮像制御部45は、実装撮像部3を構成する第1撮像部31、第2撮像部32及び第3撮像部33による撮像動作を制御する。
【0038】
データ算出部46は、第1撮像部31によって取得された吸着処理画像G24に基づいて、吸着ノズル2511による部品の実吸着位置を認識し、認識した実吸着位置の、目標吸着位置情報DAPで示される目標吸着位置に対する位置ずれを算出する。そして、データ算出部46は、実吸着位置と目標吸着位置との間の位置ずれの量を示す吸着位置ずれデータD1を、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に取得する。このデータ算出部46により取得される吸着位置ずれデータD1は、部品吸着処理における吸着ノズル2511に対する部品の吸着位置のずれ量を示すデータとなる。
【0039】
また、データ算出部46は、吸着ノズル2511に接続された負圧発生装置の負圧レベルのデータを、部品吸着処理における吸着ノズル2511による部品の吸着レベルを示す吸着レベルデータD3として取得する。この際、データ算出部46は、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に吸着レベルデータD3を取得する。
【0040】
また、データ算出部46は、吸着ノズル2511に接続された負圧発生装置の負圧レベルのデータに基づいて、部品吸着処理における吸着ノズル2511による部品の吸着状態が正常であるか否かを示す吸着状態データD4を、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に取得する。吸着ノズル2511による部品吸着処理の処理中に、負圧発生装置の負圧レベルが許容範囲内に収まっている場合には、データ算出部46は、吸着ノズル2511による部品の吸着状態が正常であることを示す吸着正常情報が付加された吸着状態データD4を取得する。一方、負圧発生装置の負圧レベルが許容範囲から外れている場合には、データ算出部46は、吸着ノズル2511による部品の吸着状態が正常ではなく異常であることを示す吸着異常情報が付加された吸着状態データD4を取得する。
【0041】
データ算出部46によって取得された部品搭載処理毎の各吸着位置ずれデータD1、各吸着レベルデータD3、及び各吸着状態データD4は、各パラメータ情報D2及び各処理状態画像G2と関連付けられた状態で、実装通信部40を介して管理装置16に送られる。
【0042】
図1に戻って、搭載ヘッド251の部品搭載処理により得られた部品搭載基板PPAは、搭載検査装置13に搬入される。搭載検査装置13は、部品搭載基板PPAの画像を示す搭載基板画像G3に基づいて、部品搭載基板PPAを検査するための装置である。この搭載検査装置13について、図1に加えて図5を参照しながら説明する。搭載検査装置13は、検査通信部131と、検査撮像部132と、検査制御部133とを備える。
【0043】
検査通信部131は、管理装置16とデータ通信を行うためのインターフェースであり、各種のデータ及び情報を管理装置16に向けて出力する機能を有する。検査通信部131は、後記のデータ算出部1333によって取得される搭載位置ずれデータD5と、検査撮像部132によって取得される搭載基板画像G3と、を管理装置16に送る。
【0044】
検査撮像部132は、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えた撮像カメラである。検査撮像部132は、実装機12から搬送された部品搭載基板PPAを上方から撮像して搭載基板画像G3を取得する。搭載基板画像G3は、部品搭載基板PPA上の部品に対応した画素群からなる領域を含む画像である。搭載基板画像G3は、例えば、実装機12から搬出された後の部品搭載基板PPA上における部品の姿勢、部品の搭載位置のずれ量などを確認することが可能な画像である。
【0045】
検査制御部133は、CPU、制御プログラムを記憶するROM、CPUの作業領域として使用されるRAM等から構成されている。検査制御部133は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、検査通信部131及び検査撮像部132を制御するとともに、各種演算処理を実行する。検査制御部133は、主たる機能構成として、通信制御部1331と、撮像制御部1332と、データ算出部1333とを含む。
【0046】
通信制御部1331は、検査通信部131を制御することにより、搭載検査装置13と管理装置16との間のデータ通信を制御する。撮像制御部1332は、検査撮像部132による撮像動作を制御する。
【0047】
データ算出部1333は、検査撮像部132によって取得された搭載基板画像G3に基づいて、部品搭載基板PPAにおける複数の部品の各々の実際の搭載位置(実搭載位置)を認識し、認識した複数の実搭載位置と、目標搭載位置情報DPPで示される複数の目標搭載位置との各々の位置ずれをそれぞれ算出する。そして、データ算出部1333は、実搭載位置と目標搭載位置との間の位置ずれの量を示す搭載位置ずれデータD5を、パターン形成基板PPに設定された複数の目標搭載位置毎に取得する。このデータ算出部1333により取得される搭載位置ずれデータD5は、搭載ヘッド251による部品搭載処理におけるパターン形成基板PPに対する部品の搭載位置のずれ量を示すデータとなる。
【0048】
データ算出部1333によって取得された搭載位置ずれデータD5は、検査撮像部132によって取得された搭載基板画像G3と関連付けられた状態で、検査通信部131を介して管理装置16に送られる。
【0049】
図1に戻って、搭載検査装置13による検査後の部品搭載基板PPAは、リフロー装置14に搬入される。リフロー装置14は、部品搭載基板PPA上の半田を溶融させた後に硬化させるリフロー処理を行うことで、リフロー基板PPBを得るための装置である。
【0050】
リフロー装置14により得られたリフロー基板PPBは、リフロー検査装置15に搬入される。リフロー検査装置15は、リフロー基板PPBを撮像する撮像部を備えている。リフロー検査装置15は、撮像部の撮像によって得られたリフロー基板PPBの画像を示すリフロー基板画像G4に基づいて、当該リフロー基板PPBを検査する。リフロー基板画像G4は、リフロー基板PPB上における部品に対応した画素群からなる領域を含む画像である。リフロー基板画像G4は、例えば、リフロー処理後のリフロー基板PPB上における部品の姿勢などを確認することが可能な画像である。リフロー検査装置14は、リフロー基板画像G4に所定の画像処理を施すことにより、リフロー基板PPB上における部品の状態などを検査する。
【0051】
管理装置16は、パターン検査装置11、実装機12、搭載検査装置13、及びリフロー検査装置15とデータ通信可能に接続され、例えばマイクロコンピュータによって構成される。管理装置16には、パターン検査装置11からのパターン基板画像G1が入力されるとともに、実装機12からの吸着位置ずれデータD1、パラメータ情報D2、吸着レベルデータD3、吸着状態データD4、及び処理状態画像G2が入力される。また、管理装置16には、搭載検査装置13からの搭載位置ずれデータD5及び搭載基板画像G3が入力されるとともに、リフロー検査装置15からのリフロー基板画像G4が入力される。管理装置16は、オペレータによって操作される。
【0052】
管理装置16の構成について、図6のブロック図を参照しながら説明する。管理装置16は、管理通信部161と、管理表示部162と、管理操作部163と、管理記憶部164と、管理制御部165とを備える。
【0053】
管理通信部161は、パターン検査装置11、実装機12、搭載検査装置13、及びリフロー検査装置15とデータ通信を行うためのインターフェースである。管理通信部161は、パターン基板画像G1をパターン検査装置11から取得するとともに、吸着位置ずれデータD1、パラメータ情報D2、吸着レベルデータD3、吸着状態データD4、及び処理状態画像G2を実装機12から取得する。更に、管理通信部161は、搭載位置ずれデータD5及び搭載基板画像G3を搭載検査装置13から取得するとともに、リフロー基板画像G4をリフロー検査装置15から取得する。
【0054】
管理記憶部164は、管理通信部161により取得された各種データ、情報及び画像を蓄積して記憶する。管理記憶部164は、吸着位置ずれデータD1、パラメータ情報D2、吸着レベルデータD3、吸着状態データD4、搭載位置ずれデータD5、パターン基板画像G1、処理状態画像G2、搭載基板画像G3、及びリフロー基板画像G4をそれぞれ関連付けた管理データDMを蓄積して記憶する。
【0055】
管理表示部162は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成される。管理表示部162は、管理記憶部164に記憶される管理データDMの情報を表示する。管理表示部162の表示動作は、管理制御部165によって制御される。
【0056】
管理操作部163は、キーボード、マウス、または、管理表示部162に設けられたタッチパネル等によって構成される。管理操作部163は、オペレータによる管理表示部162の表示形態に関する各種指令の入力操作を受け付ける。
【0057】
管理制御部165は、管理操作部163に入力された指令に応じて管理表示部162を制御する。
【0058】
吸着ノズル2511に対する部品の吸着位置の位置ずれ状況を表示させる吸着ずれ表示指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、図7に示されるような表示画面DS1を管理表示部162に表示させる。具体的には、管理制御部165は、管理記憶部164に蓄積して記憶された各管理データDMに基づいて、各管理データDMに含まれる各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布ADを管理表示部162の表示画面DS1に表示させる。吸着位置ずれ分布ADは、例えば、各吸着位置ずれデータD1で示される吸着ノズル2511に対する部品の実吸着位置の目標吸着位置に対する位置ずれ量について、X座標及びY座標の位置ずれの分布を示す「XYずれ分布」で表される。
【0059】
オペレータは、管理表示部162に表示された吸着位置ずれ分布ADに基づいて、吸着ノズル2511による部品の実吸着位置の位置ずれの発生状況を視覚的に確認することができる。
【0060】
この際、管理制御部165は、各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群の統計を示す吸着位置ずれ統計情報ASTが、吸着位置ずれ分布ADと同時に表示されるように、管理表示部162を制御してもよい。吸着位置ずれ統計情報ASTは、各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群について、位置ずれ量の平均、データの散らばりの大きさの指標となる分散や標準偏差(3σ)、位置ずれ量の最大や最小、などの情報を含む。このような吸着位置ずれ統計情報ASTには、吸着位置ずれ量の許容範囲の上限値及び下限値や、工程能力指標となるCP及びCPKなどの情報が関連付けられていてもよい。
【0061】
また、管理制御部165は、管理操作部163を介した入力操作が可能な日付選択領域B1、Line選択領域B2、部品選択領域B3、ヘッド選択領域B4、ノズル選択領域B5、及びフィーダー選択領域B6が表示画面DS1に設定されるように、管理表示部162を制御する。
【0062】
オペレータは、管理操作部163を用いて日付選択領域B1を操作することによって、吸着位置ずれ分布ADを構成する各吸着位置ずれデータD1の、実装制御部4のデータ算出部46による取得日又は取得期間を選択することができる。例えば、日付選択領域B1に対する入力操作によって所定の日付又は期間が選択された場合、管理制御部165は、当該所定日又は所定期間において実装制御部4のデータ算出部46によって取得された各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布ADを、管理表示部162に表示させる。
【0063】
また、オペレータは、管理操作部163を用いてLine選択領域B2を操作することによって、吸着位置ずれ分布ADを構成する各吸着位置ずれデータD1の出力元となる実装機12の選択などを行うことができる。例えば、Line選択領域B2に対する入力操作によって所定の実装機12が選択された場合、管理制御部165は、当該所定の実装機12の実装通信部40から出力された各吸着位置ずれデータD1で構成されるデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布ADを、管理表示部162に表示させる。
【0064】
表示画面DS1に設定された部品選択領域B3、ヘッド選択領域B4、ノズル選択領域B5、及びフィーダー選択領域B6は、吸着位置ずれデータD1と関連付けられたパラメータ情報D2を構成する部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23、及びフィーダー情報D24の中から一のパラメータ情報を選択する指令を入力するための領域である。オペレータは、管理操作部163を用いて部品選択領域B3を操作することによって、パラメータ情報D2の中から部品情報D21を選択する指令を入力することができる。同様に、オペレータは、管理操作部163を用いてヘッド選択領域B4を操作することによって、パラメータ情報D2の中からヘッド情報D22を選択する指令を入力することができる。また、オペレータは、管理操作部163を用いてノズル選択領域B5を操作することによって、パラメータ情報D2の中からノズル情報D23を選択する指令を入力することができる。また、オペレータは、管理操作部163を用いてフィーダー選択領域B6を操作することによって、パラメータ情報D2の中からフィーダー情報D24を選択する指令を入力することができる。
【0065】
管理制御部165は、パラメータ情報D2の中から選択される一の情報に着目した吸着位置ずれ分布ADを、パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に管理表示部162に表示させる。具体的には、管理制御部165は、パラメータ情報D2の中から部品情報D21を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、部品情報D21で特定される部品に着目した吸着位置ずれ分布ADが表示されるように、管理表示部162を制御する。同様に、パラメータ情報D2の中からヘッド情報D22を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、ヘッド情報D22で特定される搭載ヘッド251に着目した吸着位置ずれ分布ADが表示されるように、管理表示部162を制御する。また、パラメータ情報D2の中からノズル情報D23を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、ノズル情報D23で特定される吸着ノズル2511に着目した吸着位置ずれ分布ADが表示されるように、管理表示部162を制御する。また、パラメータ情報D2の中からフィーダー情報D24を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、フィーダー情報D24で特定されるフィーダー24Fに着目した吸着位置ずれ分布ADが表示されるように、管理表示部162を制御する。
【0066】
ここで、吸着位置ずれ分布ADの吸着位置ずれデータD1と関連付けられたパラメータ情報D2を構成する部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23及びフィーダー情報D24の各々によって特定される部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル2511及びフィーダー24Fは、吸着ノズル2511による部品の吸着位置ずれの発生要因となり得る。つまり、フィーダー24Fによって供給された部品の姿勢や部品の形状は、吸着ノズル2511による部品の吸着保持性に影響を与える。また、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251の動作特性や経年劣化の状況についても、吸着ノズル2511による部品の吸着保持性に影響を与える。
【0067】
そこで、管理制御部165による管理表示部162の制御に基づいて、パラメータ情報D2の中から管理操作部163を介して選択された一の情報に着目した吸着位置ずれ分布ADが管理表示部162に表示される。これにより、オペレータは、吸着ノズル2511による部品の吸着位置ずれの発生状況を視覚的に確認しつつ、吸着位置ずれの発生要因を特定することが可能となる。
【0068】
また、吸着位置ずれ分布ADにおいて、吸着ノズル2511に対する部品の吸着位置のずれ量の許容範囲を示す吸着ずれ許容範囲AATを超える吸着位置ずれデータD1が存在する場合を想定する。この場合、管理制御部165は、吸着ずれ許容範囲AATを超えた吸着位置ずれデータD1がそれ以外の位置ずれデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部162を制御してもよい。例えば、管理制御部165は、吸着ずれ許容範囲AATを超えた吸着位置ずれデータD1のプロットの表示色が他の位置ずれデータの表示色とは異なるように、管理表示部162を制御する。
【0069】
図7に示されるように、吸着位置ずれ分布ADが管理表示部162に表示された状態で、吸着位置ずれ分布ADを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータD1Sを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。この場合、管理制御部165は、特定の位置ずれデータD1Sに対応した処理状態画像G2を構成する第1供給処理画像G21、第2供給処理画像G22、第3供給処理画像G23、吸着処理画像G24、第1搭載処理画像G25及び第2搭載処理画像G26を含む画像群GGが吸着位置ずれ分布ADと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。図7では、吸着位置ずれ分布ADを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群の中から所定の選択領域PRに含まれる2つの特定の位置ずれデータD1Sが選択された例が示されている。この場合、管理制御部165は、2つの特定の位置ずれデータD1Sの各々に対応した2組の画像群GGが吸着位置ずれ分布ADと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。
【0070】
処理状態画像G2を構成する各画像は、吸着位置ずれデータD1と関連付けられた画像であって、フィーダー24Fの部品供給処理、吸着ノズル2511の部品吸着処理、及び搭載ヘッド251の部品搭載処理の各処理の処理状態を示す画像である。オペレータは、管理操作部163を介した特定の位置ずれデータD1Sの選択指令に応じて管理表示部162に吸着位置ずれ分布ADと同時に表示される処理状態画像G2を構成する各画像を確認することにより、部品供給処理、部品吸着処理、及び部品搭載処理の各処理の吸着位置ずれに与える影響を的確に把握することができる。このため、オペレータは、吸着位置ずれの発生要因をより的確に特定することが可能となる。オペレータは、吸着位置ずれの発生要因を特定した後、当該発生要因に対して適切な対策を講じることができ、これによって吸着位置ずれに起因したパターン形成基板PP上における部品の搭載位置の位置ずれの不良を解消することができる。
【0071】
吸着位置ずれの発生要因として部品が特定された場合、オペレータは、例えば、基板データD25の部品情報D21に登録されている部品の外形寸法などのパラメータの入力値を確認する。そして、オペレータは、部品情報D21のパラメータが誤入力されている場合などに、吸着位置ずれの発生要因に対する対策として、部品情報D21のデータを変更するデータ変更作業を行う。
【0072】
吸着位置ずれの発生要因として搭載ヘッド251が特定された場合、オペレータは、例えば、吸着ノズル2511による部品の吸着時における、搭載ヘッド251の下降位置として設定された吸着可能位置が適正であるかを確認する。そして、オペレータは、搭載ヘッド251に設定された吸着可能位置が適正ではない場合などに、吸着位置ずれの発生要因に対する対策として、搭載ヘッド251に設定された吸着可能位置を調整する作業を行う。また、搭載ヘッド251に経年劣化が認められた場合には、オペレータは、搭載ヘッド251を交換する作業などを行う。
【0073】
吸着位置ずれの発生要因として吸着ノズル2511が特定された場合、オペレータは、例えば、吸着位置ずれの発生要因に対する対策として、吸着ノズル2511の洗浄や交換などの作業を行う。
【0074】
吸着位置ずれの発生要因としてフィーダー24Fが特定された場合、オペレータは、例えば、吸着位置ずれの発生要因に対する対策として、フィーダー24Fを交換する作業などを行う。
【0075】
また、本実施形態では、特定の位置ずれデータD1Sを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、処理状態画像G2を構成する各画像に加えて搭載基板画像G3を含む画像群GGが吸着位置ずれ分布ADと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。オペレータは、管理表示部162に吸着位置ずれ分布ADと同時に表示される処理状態画像G2及び搭載基板画像G3を確認することにより、吸着ノズル2511による部品の吸着位置の位置ずれが、パターン形成基板PP上における部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを確認することができる。また、オペレータは、処理状態画像G2を構成する各画像と搭載基板画像G3とを比較することで、実装機12から搬出された部品搭載基板PPAが搭載検査装置13に向けて搬送される途中で、部品の位置ずれが生じたか否かを確認することもできる。
【0076】
更に、本実施形態では、特定の位置ずれデータD1Sを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、処理状態画像G2及び搭載基板画像G3に加えてパターン基板画像G1、リフロー基板画像G4を含む画像群GGが吸着位置ずれ分布ADと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。オペレータは、管理表示部162に吸着位置ずれ分布ADと同時に表示されるパターン基板画像G1を確認することにより、半田ペーストのパターンの形成状況が吸着位置ずれに与える影響を確認することができる。また、オペレータは、管理表示部162に吸着位置ずれ分布ADと同時に表示されるリフロー基板画像G4を確認することにより、リフロー処理後のリフロー基板PPBにおける部品の位置ずれ状況などを確認することができる。
【0077】
部品搭載基板PPAにおける部品の搭載位置の位置ずれ状況を表示させる搭載ずれ表示指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、図8に示されるような表示画面DS2を管理表示部162に表示させる。具体的には、管理制御部165は、管理記憶部164に蓄積して記憶された各管理データDMに基づいて、各管理データDMに含まれる各搭載位置ずれデータD5で構成されるデータ群の分布を示す搭載位置ずれ分布PDを管理表示部162の表示画面DS2に表示させる。搭載位置ずれ分布PDは、例えば、各搭載位置ずれデータD5で示される部品搭載基板PPAにおける部品の実搭載位置の目標搭載位置に対する位置ずれ量について、X座標及びY座標の位置ずれの分布を示す「XYずれ分布」で表される。
【0078】
オペレータは、管理表示部162に表示された搭載位置ずれ分布PDに基づいて、実装機1により生産された部品搭載基板PPSにおける、部品の実搭載位置の位置ずれの発生状況を視覚的に確認することができる。また、オペレータは、管理表示部162に表示される上記の吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとを比較することにより、吸着ノズル2511による部品の実吸着位置の位置ずれが、部品搭載基板PPA上における部品の実搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを確認することができる。
【0079】
この際、管理制御部165は、各搭載位置ずれデータD5で構成されるデータ群の統計を示す搭載位置ずれ統計情報PSTが、搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御してもよい。
【0080】
また、管理制御部165は、管理操作部163を介した入力操作が可能な日付選択領域B1、Line選択領域B2、部品選択領域B3、ヘッド選択領域B4、ノズル選択領域B5、及びフィーダー選択領域B6が表示画面DS2に設定されるように、管理表示部162を制御する。オペレータは、管理操作部163を用いて日付選択領域B1を操作することによって、搭載位置ずれ分布PDを構成する各搭載位置ずれデータD5の、検査制御部133のデータ算出部1333による取得日又は取得期間を選択することができる。また、オペレータは、管理操作部163を用いてLine選択領域B2を操作することによって、搭載位置ずれ分布PDを構成する各搭載位置ずれデータD5に対応した実装機12の選択などを行うことができる。表示画面DS2に設定された部品選択領域B3、ヘッド選択領域B4、ノズル選択領域B5、及びフィーダー選択領域B6は、上記の表示画面DS1の場合と同様に、搭載位置ずれデータD5と関連付けられたパラメータ情報D2を構成する部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23、及びフィーダー情報D24の中から一のパラメータ情報を選択する指令を入力するための領域である。
【0081】
管理制御部165は、パラメータ情報D2の中から選択される一の情報に着目した搭載位置ずれ分布PDを、パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に管理表示部162に表示させる。具体的には、管理制御部165は、パラメータ情報D2の中から部品情報D21を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、部品情報D21で特定される部品に着目した搭載位置ずれ分布PDが表示されるように、管理表示部162を制御する。同様に、パラメータ情報D2の中からヘッド情報D22を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、ヘッド情報D22で特定される搭載ヘッド251に着目した搭載位置ずれ分布PDが表示されるように、管理表示部162を制御する。また、パラメータ情報D2の中からノズル情報D23を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、ノズル情報D23で特定される吸着ノズル2511に着目した搭載位置ずれ分布PDが表示されるように、管理表示部162を制御する。また、パラメータ情報D2の中からフィーダー情報D24を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、フィーダー情報D24で特定されるフィーダー24Fに着目した搭載位置ずれ分布PDが表示されるように、管理表示部162を制御する。
【0082】
このように、管理制御部165による管理表示部162の制御に基づいて、パラメータ情報D2の中から管理操作部163を介して選択された一の情報に着目した搭載位置ずれ分布PDが管理表示部162に表示される。これにより、オペレータは、部品搭載基板PPAにおける部品の搭載位置ずれの発生状況を視覚的に確認しつつ、搭載位置ずれの発生要因を特定することが可能となる。
【0083】
また、搭載位置ずれ分布PDにおいて、部品搭載基板PPAにおける部品の搭載位置のずれ量の許容範囲を示す搭載ずれ許容範囲PATを超える搭載位置ずれデータD5が存在する場合を想定する。この場合、管理制御部165は、搭載ずれ許容範囲PATを超えた搭載位置ずれデータD5がそれ以外の位置ずれデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部162を制御してもよい。例えば、管理制御部165は、搭載ずれ許容範囲PATを超えた搭載位置ずれデータD5のプロットの表示色が他の位置ずれデータの表示色とは異なるように、管理表示部162を制御する。
【0084】
図8に示されるように、搭載位置ずれ分布PDが管理表示部162に表示された状態で、搭載位置ずれ分布PDを構成する搭載位置ずれデータD5のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータD5Sを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。この場合、管理制御部165は、特定の位置ずれデータD5Sに対応した処理状態画像G2を構成する第1供給処理画像G21、第2供給処理画像G22、第3供給処理画像G23、吸着処理画像G24、第1搭載処理画像G25及び第2搭載処理画像G26と、搭載基板画像G3とを含む画像群GGが搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。図8では、搭載位置ずれ分布PDを構成する搭載位置ずれデータD5のデータ群の中から所定の選択領域PRに含まれる2つの特定の位置ずれデータD5Sが選択された例が示されている。この場合、管理制御部165は、2つの特定の位置ずれデータD5Sの各々に対応した2組の画像群GGが搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。
【0085】
オペレータは、管理操作部163を介した特定の位置ずれデータD5Sの選択指令に応じて管理表示部162に搭載位置ずれ分布PDと同時に表示される処理状態画像G2を構成する各画像と搭載基板画像G3とを確認することにより、吸着ノズル2511による部品の吸着位置の位置ずれが、部品搭載基板PPAにおける部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを確認することができる。
【0086】
また、本実施形態では、特定の位置ずれデータD5Sを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、処理状態画像G2及び搭載基板画像G3に加えてパターン基板画像G1、リフロー基板画像G4を含む画像群GGが搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。オペレータは、管理表示部162に搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるパターン基板画像G1を確認することにより、半田ペーストのパターンの形成状況が搭載位置ずれに与える影響を確認することができる。また、オペレータは、管理表示部162に搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるリフロー基板画像G4を確認することにより、リフロー処理後のリフロー基板PPBにおける部品の位置ずれ状況などを確認することができる。
【0087】
吸着位置及び搭載位置の各位置ずれ状況を同時に表示させる同時表示指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、図9に示されるような表示画面DS3を管理表示部162に表示させる。具体的には、管理制御部165は、管理記憶部164に蓄積して記憶された各管理データDMに基づいて、各管理データDMに含まれる各吸着位置ずれデータD1の吸着位置ずれ分布ADと、各管理データDMに含まれる各搭載位置ずれデータD5の搭載位置ずれ分布PDとを、管理表示部162の表示画面DS3に同時に表示させる。オペレータは、管理表示部162に表示された情報に基づいて、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとの比較を容易に行うことができる。このため、オペレータは、吸着ノズル2511による部品の吸着位置の位置ずれが、部品搭載基板PPA上における部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、容易に確認することができる。
【0088】
この際、管理制御部165は、吸着位置ずれ統計情報AST及び搭載位置ずれ統計情報PSTが、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御してもよい。
【0089】
また、管理制御部165は、管理操作部163を介した入力操作が可能な日付選択領域B1、Line選択領域B2、部品選択領域B3、ヘッド選択領域B4、ノズル選択領域B5、及びフィーダー選択領域B6が表示画面DS3に設定されるように、管理表示部162を制御する。オペレータは、管理操作部163を用いて日付選択領域B1を操作することによって、吸着位置ずれ分布ADを構成する各吸着位置ずれデータD1、搭載位置ずれ分布PDを構成する各搭載位置ずれデータD5の取得日又は取得期間を選択することができる。また、オペレータは、管理操作部163を用いてLine選択領域B2を操作することによって、吸着位置ずれ分布ADを構成する各吸着位置ずれデータD1、搭載位置ずれ分布PDを構成する各搭載位置ずれデータD5に対応した実装機12の選択などを行うことができる。表示画面DS3に設定された部品選択領域B3、ヘッド選択領域B4、ノズル選択領域B5、及びフィーダー選択領域B6は、上記の表示画面DS1,DS2の場合と同様に、吸着位置ずれデータD1及び搭載位置ずれデータD5と関連付けられたパラメータ情報D2を構成する部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23、及びフィーダー情報D24の中から一のパラメータ情報を選択する指令を入力するための領域である。
【0090】
管理制御部165は、パラメータ情報D2の中から選択される一の情報に着目した吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとを、パラメータの選択の変更に応じて切り替え可能に管理表示部162に同時に表示させる。具体的には、管理制御部165は、パラメータ情報D2の中から部品情報D21を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、部品情報D21で特定される部品に着目した吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。同様に、パラメータ情報D2の中からヘッド情報D22を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、ヘッド情報D22で特定される搭載ヘッド251に着目した吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。また、パラメータ情報D2の中からノズル情報D23を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、ノズル情報D23で特定される吸着ノズル2511に着目した吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。また、パラメータ情報D2の中からフィーダー情報D24を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、フィーダー情報D24で特定されるフィーダー24Fに着目した吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。
【0091】
このように、管理制御部165による管理表示部162の制御に基づいて、パラメータ情報D2の中から管理操作部163を介して選択された一の情報に着目した吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが管理表示部162に同時に表示される。これにより、オペレータは、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとの比較を容易に行うことができる。
【0092】
図9に示されるように、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが管理表示部162に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。図9では、吸着位置ずれ分布ADを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群の中から所定の選択領域PRに含まれる2つの特定の位置ずれデータD1Sが選択された例が示されている。この場合、管理制御部165は、特定の位置ずれデータD1Sに対応した処理状態画像G2を構成する第1供給処理画像G21、第2供給処理画像G22、第3供給処理画像G23、吸着処理画像G24、第1搭載処理画像G25及び第2搭載処理画像G26と、搭載基板画像G3とを含む画像群GGが、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御してもよい。なお、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが管理表示部162に同時に表示された状態で、管理制御部165は、画像群GGを同時に表示させなくてもよい。
【0093】
吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に画像群GGが管理表示部162に表示された場合には、オペレータは、管理操作部163を介した特定の位置ずれデータD1Sの選択指令に応じて管理表示部162に表示される処理状態画像G2を構成する各画像と搭載基板画像G3とを確認することにより、吸着ノズル2511による部品の吸着位置の位置ずれが、部品搭載基板PPAにおける部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを確認することができる。また、本実施形態では、特定の位置ずれデータD1Sを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合、管理制御部165は、処理状態画像G2及び搭載基板画像G3に加えてパターン基板画像G1、リフロー基板画像G4を含む画像群GGが、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。オペレータは、管理表示部162表示されるパターン基板画像G1を確認することにより、半田ペーストのパターンの形成状況が吸着位置ずれ及び搭載位置ずれに与える影響を確認することができる。また、オペレータは、管理表示部162に表示されるリフロー基板画像G4を確認することにより、リフロー処理後のリフロー基板PPBにおける部品の位置ずれ状況などを確認することができる。
【0094】
更に、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが管理表示部162に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。上記の通り図9では、一方の位置ずれ分布としての吸着位置ずれ分布ADを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群の中から所定の選択領域PRに含まれる2つの特定の位置ずれデータD1Sが選択された例が示されている。この場合、管理制御部165は、他方の位置ずれ分布としての搭載位置ずれ分布PDのデータ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データD5Aが残余のデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部162を制御する。例えば、管理制御部165は、搭載位置ずれ分布PDを構成する搭載位置ずれデータD5のデータ群において、注目データD5Aのプロットの明るさやコントラストが残余のデータとは異なるように、管理表示部162を制御する。
【0095】
これにより、管理表示部162に同時に表示された吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとにおいて、特定の位置ずれデータD1Sと注目データD5Aとの対応関係が明確となる。このため、オペレータは、管理操作部163を介して選択した特定の位置ずれデータD1Sと注目データD5Aとの対応関係を的確に確認することができる。この結果、オペレータは、吸着ノズル2511による部品の吸着位置の位置ずれが、部品搭載基板PPA上における部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、より容易に確認することができる。
【0096】
また、管理制御部165は、パラメータ情報D2の中から一の情報を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合に、図10に例示される表示画面DS4を管理表示部162に表示させるように構成されていてもよい。具体的には、管理制御部165は、画像群GGに加えて、吸着位置ずれ推移グラフAGと搭載位置ずれ推移グラフPGとの少なくとも一方の推移グラフが吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。吸着位置ずれ推移グラフAGは、吸着位置ずれデータD1のデータ群の時間的な推移を示すグラフである。吸着位置ずれ推移グラフAGは、吸着ノズル2511に対する部品の吸着位置のずれ量に関し、X方向のずれ量の時間的な推移を示すグラフと、Y方向のずれ量の時間的な推移を示すグラフと、R方向(回転方向)のずれ量の時間的な推移を示すグラフと、を含む。搭載位置ずれ推移グラフPGは、搭載位置ずれデータD5のデータ群の時間的な推移を示すグラフである。搭載位置ずれ推移グラフPGは、搭載ヘッド251による部品搭載処理におけるパターン形成基板PPに対する部品の搭載位置のずれ量に関し、X方向のずれ量の時間的な推移を示すグラフと、Y方向のずれ量の時間的な推移を示すグラフと、R方向(回転方向)のずれ量の時間的な推移を示すグラフと、を含む。
【0097】
これにより、管理制御部165は、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に、吸着位置ずれデータD1と搭載位置ずれデータD5との時間的な推移をグラフとして視覚化した状態で管理表示部162に表示させることができる。このため、オペレータは、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDに基づき位置ずれの発生状況を視覚的に確認しつつ、吸着位置ずれ推移グラフAG及び搭載位置ずれ推移グラフPGに基づき位置ずれの時間的な推移を確認することができる。
【0098】
この際、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと、吸着位置ずれ推移グラフAG及び搭載位置ずれ推移グラフPGとが管理表示部162に同時に表示された状態で、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDのうちの一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。図10では、一方の位置ずれ分布としての吸着位置ずれ分布ADを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群の中から所定の選択領域PRに含まれる2つの特定の位置ずれデータD1Sが選択された例が示されている。この場合、管理制御部165は、他方の位置ずれ分布としての搭載位置ずれ分布PD、吸着位置ずれ推移グラフAG、及び搭載位置ずれ推移グラフPGの各データ群において特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部162を制御する。
【0099】
具体的には、搭載位置ずれ分布PDを構成する搭載位置ずれデータD5のデータ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データD5Aが残余のデータとは異なる表示態様とされる。同様に、吸着位置ずれ推移グラフAGを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データD1Aが残余のデータとは異なる表示態様とされる。また、搭載位置ずれ推移グラフPGを構成する搭載位置ずれデータD5のデータ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データD5Aが残余のデータとは異なる表示態様とされる。例えば、管理制御部165は、搭載位置ずれ分布PDにおける注目データD5A、吸着位置ずれ推移グラフAGにおける注目データD1A、搭載位置ずれ推移グラフPGにおける注目データD5Aのプロットの明るさやコントラストが残余のデータとは異なるように、管理表示部162を制御する。
【0100】
これにより、管理表示部162に同時に表示された吸着位置ずれ分布AD、搭載位置ずれ分布PD、吸着位置ずれ推移グラフAG、及び搭載位置ずれ推移グラフPGにおいて、各位置ずれデータの対応関係が明確となる。このため、オペレータは、吸着位置ずれデータD1と搭載位置ずれデータD5との対応関係を、時間的な推移状況も含めて的確に確認することができる。この結果、オペレータは、吸着ノズル2511による部品の吸着位置の位置ずれが、部品搭載基板PPA上における部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、時間的な因子も含めて容易に確認することができる。
【0101】
吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと、吸着位置ずれ推移グラフAG及び搭載位置ずれ推移グラフPGの少なくとも一方の推移グラフとが管理表示部162に同時に表示された状態で、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDのうちの一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。この場合、管理制御部165は、他方の位置ずれ分布としての搭載位置ずれ分布PDと、吸着位置ずれ推移グラフAG及び搭載位置ずれ推移グラフPGのうちで管理表示部162に表示されている推移グラフとの各データ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部162を制御する。
【0102】
また、図11に例示される表示画面DS5のように、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと、吸着位置ずれ推移グラフAG及び搭載位置ずれ推移グラフPGとが管理表示部162に同時に表示された状態で、吸着位置ずれ推移グラフAG及び搭載位置ずれ推移グラフPGのうちの一方の位置ずれ推移グラフのデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。図11では、一方の位置ずれ推移グラフとしての吸着位置ずれ推移グラフAGを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群の中から所定の選択領域PRに含まれる2つの特定の位置ずれデータD1Sが選択された例が示されている。この場合、管理制御部165は、他方の位置ずれ推移グラフとしての搭載位置ずれ推移グラフPG、吸着位置ずれ分布AD、及び搭載位置ずれ分布PDの各データ群において特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部162を制御する。
【0103】
具体的には、搭載位置ずれ推移グラフPGを構成する搭載位置ずれデータD5のデータ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データD5Aが残余のデータとは異なる表示態様とされる。同様に、吸着位置ずれ分布ADを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データD1Aが残余のデータとは異なる表示態様とされる。また、搭載位置ずれ分布PDを構成する搭載位置ずれデータD5のデータ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データD5Aが残余のデータとは異なる表示態様とされる。例えば、管理制御部165は、搭載位置ずれ推移グラフPGにおける注目データD5A、吸着位置ずれ分布ADにおける注目データD1A、搭載位置ずれ分布PDにおける注目データD5Aのプロットの明るさやコントラストが残余のデータとは異なるように、管理表示部162を制御する。
【0104】
これにより、管理表示部162に同時に表示された吸着位置ずれ分布AD、搭載位置ずれ分布PD、吸着位置ずれ推移グラフAG、及び搭載位置ずれ推移グラフPGにおいて、各位置ずれデータの対応関係が明確となる。このため、オペレータは、吸着位置ずれデータD1と搭載位置ずれデータD5との対応関係を、時間的な推移状況も含めて的確に確認することができる。
【0105】
吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと、吸着位置ずれ推移グラフAG及び搭載位置ずれ推移グラフPGの少なくとも一方の推移グラフとが管理表示部162に同時に表示された状態で、管理表示部162に表示されている推移グラフのデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。この場合、管理制御部165は、管理操作部163による指令の対象の推移グラフとは別の推移グラフが管理表示部162に表示されているときには当該推移グラフと、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDとの各データ群において、特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部162を制御する。
【0106】
また、管理制御部165は、パラメータ情報D2の中から一の情報を選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合に、図12に例示される表示画面DS6を管理表示部162に表示させるように構成されていてもよい。具体的には、管理制御部165は、画像群GGに加えて、吸着レベル推移グラフALGが吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御する。吸着レベル推移グラフALGは、管理記憶部164に蓄積して記憶される各管理データDMに含まれる吸着レベルデータD3のデータ群の時間的な推移を示すグラフである。なお、管理制御部165は、吸着位置ずれ推移グラフAG、搭載位置ずれ推移グラフPG、及び吸着レベル推移グラフALGが、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御してもよい。
【0107】
これにより、管理制御部165は、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に、吸着ノズル2511による部品の吸着レベルを示す吸着レベルデータD3の時間的な推移をグラフとして視覚化した状態で管理表示部162に表示させることができる。このため、オペレータは、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDに基づき位置ずれの発生状況を視覚的に確認しつつ、吸着レベル推移グラフALGに基づき吸着レベルデータD3の時間的な推移を確認することができる。
【0108】
この際、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと吸着レベル推移グラフALGとが管理表示部162に同時に表示された状態で、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDのうちの一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。図12では、一方の位置ずれ分布としての吸着位置ずれ分布ADを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群の中から所定の選択領域PRに含まれる2つの特定の位置ずれデータD1Sが選択された例が示されている。この場合、管理制御部165は、他方の位置ずれ分布としての搭載位置ずれ分布PD及び吸着レベル推移グラフALGの各データ群において特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部162を制御する。
【0109】
具体的には、搭載位置ずれ分布PDを構成する搭載位置ずれデータD5のデータ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データD5Aが残余のデータとは異なる表示態様とされる。同様に、吸着レベル推移グラフALGを構成する吸着レベルデータD3のデータ群において、特定の位置ずれデータD1Sに対応した注目データD3Aが残余のデータとは異なる表示態様とされる。例えば、管理制御部165は、搭載位置ずれ分布PDにおける注目データD5A、吸着レベル推移グラフALGにおける注目データD3Aのプロットの明るさやコントラストが残余のデータとは異なるように、管理表示部162を制御する。
【0110】
これにより、管理表示部162に同時に表示された吸着位置ずれ分布AD、搭載位置ずれ分布PD、及び吸着レベル推移グラフALGにおいて、各位置ずれデータD1,D5と吸着レベルデータD3との対応関係が明確となる。このため、オペレータは、各位置ずれデータD1,D5と吸着レベルデータD3との対応関係を的確に確認することができる。この結果、オペレータは、吸着ノズル2511による部品の吸着位置の位置ずれが、部品搭載基板PPA上における部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、吸着ノズル2511による部品の吸着レベルに着目して確認することができる。
【0111】
また、管理制御部165は、管理記憶部164に蓄積して記憶される各管理データDMに含まれる吸着状態データD4に基づいて、正常吸着率を算出するように構成されていてもよい。具体的には、管理制御部165は、パラメータ情報D2を構成する部品情報D21、ヘッド情報D22、ノズル情報D23及びフィーダー情報D24の各々で示される部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル2511及びフィーダー24Fについて、正常吸着率を算出する。この正常吸着率は、部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル2511及びフィーダー24Fの各々について、所定の指定期間において使用された総回数に対する、吸着状態データD4で示される吸着状態が正常である場面で使用された回数の割合を示す。つまり、部品の種類ごと、搭載ヘッド251の種類ごと、吸着ノズル2511の種類ごと、及びフィーダー24Fの種類ごとに見た場合において、正常吸着率が高くなるに従って、吸着ノズル2511による部品の吸着状態が正常である場面で使用された回数が多くなる。このため、正常吸着率が高いほど、吸着位置ずれ及び搭載位置ずれの発生要因とは考え難くなる。
【0112】
図13に例示される表示画面DS7のように、管理制御部165は、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが管理表示部162に同時に表示された状態で、正常吸着率を表形式で示した正常吸着率表ARTが表示されるように、管理表示部162を制御する。具体的には、吸着位置ずれ分布ADと搭載位置ずれ分布PDとが管理表示部162に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部163を介して入力された場合を想定する。図13では、一方の位置ずれ分布としての吸着位置ずれ分布ADを構成する吸着位置ずれデータD1のデータ群の中から所定の選択領域PRに含まれる2つの特定の位置ずれデータD1Sが選択された例が示されている。この場合、管理制御部165は、特定の位置ずれデータD1Sに対応したパラメータ情報D2で示される部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル2511及びフィーダー24Fの各々における正常吸着率が含まれる正常吸着率表ARTが表示されるように、管理表示部162を制御する。なお、管理制御部165は、画像群GGに加えて、吸着位置ずれ推移グラフAG、搭載位置ずれ推移グラフPG、及び正常吸着率表ARTが、吸着位置ずれ分布AD及び搭載位置ずれ分布PDと同時に表示されるように、管理表示部162を制御してもよい。
【0113】
オペレータは、管理表示部162に表示された正常吸着率表ARTに基づいて、部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル2511及びフィーダー24Fの各々における正常吸着率を確認することができる。これにより、オペレータは、吸着位置ずれ及び搭載位置ずれの発生要因を容易に特定することが可能となる。
【0114】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0115】
本発明の一の局面に係る部品実装システムは、部品を供給する部品供給処理を行うフィーダーと、前記部品を吸着する部品吸着処理を行う吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載する部品搭載処理を行うことで部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含む実装機と、前記実装機とデータ通信可能に接続される管理装置と、を備える。前記管理装置は、前記部品吸着処理における前記吸着ノズルに対する前記部品の吸着位置のずれ量を示す吸着位置ずれデータと、前記部品搭載処理における基板に対する前記部品の搭載位置のずれ量を示す搭載位置ずれデータと、前記部品供給処理、前記部品吸着処理、及び前記部品搭載処理の各処理で用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドをそれぞれ特定するための各パラメータ情報と、を取得する管理通信部と、前記吸着位置ずれデータと、前記搭載位置ずれデータと、前記各パラメータ情報とを関連付けた管理データを蓄積して記憶する管理記憶部と、前記管理データの情報を表示する管理表示部と、前記管理表示部の表示形態に関する指令が入力される管理操作部と、前記管理操作部に入力された指令に応じて前記管理表示部を制御する管理制御部と、を含む。前記管理制御部は、前記各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記一のパラメータ情報に着目した前記吸着位置ずれデータのデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布と、前記搭載位置ずれデータのデータ群の分布を示す搭載位置ずれ分布とが同時に表示されるように、前記管理表示部を制御する。更に、前記管理制御部は、前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とが前記管理表示部に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、他方の位置ずれ分布のデータ群において前記特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、前記管理表示部を制御する。
【0116】
この部品実装システムによれば、各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が管理操作部を介して入力された場合、管理制御部は、当該一のパラメータ情報に着目した吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布とを同時に管理表示部に表示させる。これにより、オペレータは、吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布との比較を容易に行うことができる。このため、オペレータは、吸着ノズルによる部品の吸着位置の位置ずれが、基板上における部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、容易に確認することができる。
【0117】
また、吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布とが管理表示部に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部を介して入力された場合を想定する。この場合、管理制御部は、他方の位置ずれ分布のデータ群において特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように管理表示部を制御する。これにより、管理表示部に同時に表示された吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布とにおいて、吸着位置ずれデータと搭載位置ずれデータとの対応関係が明確となる。このため、オペレータは、吸着位置ずれデータと搭載位置ずれデータとの対応関係を的確に確認することができる。この結果、オペレータは、吸着ノズルによる部品の吸着位置の位置ずれが、基板上における部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、より容易に確認することができる。
【0118】
上記の部品実装システムにおいて、前記管理制御部は、前記各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記吸着位置ずれデータのデータ群の時間的な推移を示す吸着位置ずれ推移グラフと、前記搭載位置ずれデータのデータ群の時間的な推移を示す搭載位置ずれ推移グラフとの少なくとも一方の推移グラフが、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と同時に表示されるように、前記管理表示部を制御する構成であってもよい。
【0119】
この態様では、各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が管理操作部を介して入力された場合、管理制御部は、吸着位置ずれ推移グラフと搭載位置ずれ推移グラフとが、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布と同時に表示されるように、管理表示部を制御する。これにより、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布と同時に、吸着位置ずれデータと搭載位置ずれデータとの時間的な推移をグラフとして視覚化した状態で管理表示部に表示させることができる。このため、オペレータは、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布に基づき位置ずれの発生状況を視覚的に確認しつつ、吸着位置ずれ推移グラフ及び搭載位置ずれ推移グラフに基づき位置ずれの時間的な推移を確認することができる。
【0120】
上記の部品実装システムにおいて、前記管理制御部は、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と、前記吸着位置ずれ推移グラフ及び前記搭載位置ずれ推移グラフの少なくとも一方の推移グラフとが前記管理表示部に同時に表示された状態で、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布のうちの一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、他方の位置ずれ分布と、前記吸着位置ずれ推移グラフ及び前記搭載位置ずれ推移グラフのうちで前記管理表示部に表示されている推移グラフとの各データ群において、前記特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、前記管理表示部を制御する構成であってもよい。
【0121】
この態様では、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布と、吸着位置ずれ推移グラフ及び搭載位置ずれ推移グラフの少なくとも一方の推移グラフとが管理表示部に同時に表示された状態で、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布のうちの一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部を介して入力された場合を想定する。この場合、管理制御部は、他方の位置ずれ分布と、管理表示部に表示されている推移グラフとの各データ群において、特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部を制御する。これにより、管理表示部に同時に表示された吸着位置ずれ分布、搭載位置ずれ分布、吸着位置ずれ推移グラフ、及び搭載位置ずれ推移グラフにおいて、各位置ずれデータの対応関係が明確となる。このため、オペレータは、吸着位置ずれデータと搭載位置ずれデータとの対応関係を、時間的な推移状況も含めて的確に確認することができる。この結果、オペレータは、吸着ノズルによる部品の吸着位置の位置ずれが、基板上における部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、時間的な因子も含めて容易に確認することができる。
【0122】
上記の部品実装システムにおいて、前記管理制御部は、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と、前記吸着位置ずれ推移グラフ及び前記搭載位置ずれ推移グラフの少なくとも一方の推移グラフとが前記管理表示部に同時に表示された状態で、前記管理表示部に表示されている推移グラフのデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記管理操作部による指令の対象の推移グラフとは別の推移グラフが前記管理表示部に表示されているときには当該推移グラフと、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布との各データ群において、前記特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、前記管理表示部を制御する構成であってもよい。
【0123】
この態様では、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布と、吸着位置ずれ推移グラフ及び搭載位置ずれ推移グラフの少なくとも一方の推移グラフとが管理表示部に同時に表示された状態で、管理表示部に表示されている推移グラフのデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部を介して入力された場合を想定する。この場合、管理制御部は、管理操作部による指令の対象の推移グラフとは別の推移グラフが管理表示部に表示されているときには当該推移グラフと、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布との各データ群において、特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部を制御する。これにより、管理表示部に同時に表示された吸着位置ずれ分布、搭載位置ずれ分布、吸着位置ずれ推移グラフ、及び搭載位置ずれ推移グラフにおいて、各位置ずれデータの対応関係が明確となる。このため、オペレータは、吸着位置ずれデータと搭載位置ずれデータとの対応関係を、時間的な推移状況も含めて的確に確認することができる。
【0124】
上記の部品実装システムにおいて、前記管理通信部は、前記部品吸着処理における前記吸着ノズルによる前記部品の吸着レベルを示す吸着レベルデータを前記実装機から取得するように構成され、前記管理記憶部は、前記管理データとして、前記吸着レベルデータを更に関連付けたデータを蓄積して記憶するように構成されていてもよい。この場合、前記管理制御部は、前記各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記吸着レベルデータで示される前記吸着レベルのデータ群の時間的な推移を示す吸着レベル推移グラフが、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と同時に表示されるように、前記管理表示部を制御する。
【0125】
この態様では、各パラメータ情報の中から一のパラメータ情報を選択する指令が管理操作部を介して入力された場合、管理制御部は、吸着レベル推移グラフが吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布と同時に表示されるように、管理表示部を制御する。これにより、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布と同時に、吸着ノズルによる部品の吸着レベルを示す吸着レベルデータの時間的な推移をグラフとして視覚化した状態で管理表示部に表示させることができる。このため、オペレータは、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布に基づき位置ずれの発生状況を視覚的に確認しつつ、吸着レベル推移グラフに基づき吸着レベルデータの時間的な推移を確認することができる。
【0126】
上記の部品実装システムにおいて、前記管理制御部は、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布と、前記吸着レベル推移グラフとが前記管理表示部に同時に表示された状態で、前記吸着位置ずれ分布及び前記搭載位置ずれ分布のうちの一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、他方の位置ずれ分布、及び前記吸着レベル推移グラフの各データ群において前記特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、前記管理表示部を制御する構成であってもよい。
【0127】
この態様では、吸着位置ずれ分布、搭載位置ずれ分布、及び吸着レベル推移グラフが管理表示部に同時に表示された状態で、吸着位置ずれ分布及び搭載位置ずれ分布のうちの一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部を介して入力された場合を想定する。この場合、管理制御部は、他方の位置ずれ分布及び吸着レベル推移グラフの各データ群において特定の位置ずれデータに対応した注目データが残余のデータとは異なる表示態様となるように、管理表示部を制御する。これにより、管理表示部に同時に表示された吸着位置ずれ分布、搭載位置ずれ分布、及び吸着レベル推移グラフにおいて、各位置ずれデータと吸着レベルデータとの対応関係が明確となる。このため、オペレータは、各位置ずれデータと吸着レベルデータとの対応関係を的確に確認することができる。この結果、オペレータは、吸着ノズルによる部品の吸着位置の位置ずれが、基板上における部品の搭載位置の位置ずれに影響を与えているかを、吸着ノズルによる部品の吸着レベルに着目して確認することができる。
【0128】
上記の部品実装システムにおいて、前記管理通信部は、前記部品吸着処理における前記吸着ノズルによる前記部品の吸着状態が正常であるか否かを示す吸着状態データを前記実装機から取得するように構成され、前記管理記憶部は、前記管理データとして、前記吸着状態データを更に関連付けたデータを蓄積して記憶するように構成されていてもよい。この場合、前記管理制御部は、前記吸着状態データに基づいて、前記各パラメータ情報で示される前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの各々について、指定期間において使用された総回数に対する前記吸着状態が正常である場面で使用された回数の割合を示す正常吸着率を算出する。そして、前記管理制御部は、前記吸着位置ずれ分布と前記搭載位置ずれ分布とが前記管理表示部に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が前記管理操作部を介して入力された場合、前記特定の位置ずれデータに対応した前記各パラメータ情報で示される前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの各々における前記正常吸着率が表示されるように、前記管理表示部を制御する。
【0129】
この態様では、吸着位置ずれ分布と搭載位置ずれ分布とが管理表示部に同時に表示された状態で、一方の位置ずれ分布のデータ群の中から1又は複数の特定の位置ずれデータを選択する指令が管理操作部を介して入力された場合を想定する。この場合、管理制御部は、特定の位置ずれデータに対応した各パラメータ情報で示される部品、フィーダー、吸着ノズル、及び搭載ヘッドの各々における正常吸着率が表示されるように、管理表示部を制御する。管理表示部に表示された部品、フィーダー、吸着ノズル、及び搭載ヘッドの各々における正常吸着率を確認することにより、オペレータは、吸着位置ずれ及び搭載位置ずれの発生要因を容易に特定することが可能となる。
【0130】
以上説明した通り、本発明によれば、吸着ノズルによる部品の吸着位置の位置ずれの発生状況を確認し、当該位置ずれの発生要因を特定することが可能な部品実装システムを提供することができる。
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