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特許7467801電界放出組立体およびこれを含む電磁波発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】電界放出組立体およびこれを含む電磁波発生装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 1/304 20060101AFI20240409BHJP
   H01J 35/06 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H01J1/304
H01J35/06 B
H01J35/06 E
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022192919
(22)【出願日】2022-12-01
【審査請求日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0136579
(32)【優先日】2022-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521141394
【氏名又は名称】オーエックスオーム レイ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ホン スー
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヤン ベ
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ヒョング
(72)【発明者】
【氏名】リー, ナムキュ
(72)【発明者】
【氏名】チョン, クンスー
(72)【発明者】
【氏名】ギム, セ フン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ソラ
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-196364(JP,A)
【文献】特開2005-166565(JP,A)
【文献】特開2002-146634(JP,A)
【文献】特開2006-008425(JP,A)
【文献】特開2006-294546(JP,A)
【文献】特開2003-315240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 35/00
H01J 1/30
H01J 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素ナノチューブ繊維を含み、電子を放出する線形のエミッタ;および
前記線形のエミッタを固定するホルダを含み、
前記線形のエミッタは両終端が前記ホルダに固定され、山(peak)が形成されるように電子放出方向に膨らむように曲がった部分および山が形成されるように前記電子放出方向に急激に折り曲げられた部分のうち少なくともいずれか一つを含む、電界放出組立体。
【請求項2】
前記線形のエミッタは山が形成されるように前記電子放出方向に膨らむように曲がるか、山が形成されるように前記電子放出方向に急激に折り曲げられる、請求項1に記載の電界放出組立体。
【請求項3】
前記線形のエミッタの前記電子放出方向の前端を基準として、前記線形のエミッタの両側は前記電子放出方向に行くほど互いに近づく、請求項2に記載の電界放出組立体。
【請求項4】
前記線形のエミッタは接線の傾きが連続的に変わる形状である、請求項1に記載の電界放出組立体。
【請求項5】
前記線形のエミッタは前記電子放出方向に膨らむように曲がり、
前記線形のエミッタの前記電子放出方向の前端の曲率半径は前記線形のエミッタの他の部分の曲率半径に比べて小さく形成される、請求項4に記載の電界放出組立体。
【請求項6】
前記線形のエミッタは複数の炭素ナノチューブ単糸(Fiber)が撚れて形成された1次撚糸(Primary Twisted Yarn)で形成される、請求項1に記載の電界放出組立体。
【請求項7】
前記線形のエミッタは2次撚糸(Secondary Twisted Yarn)で形成され、
前記2次撚糸は複数の1次撚糸が互いに撚れて形成され、
前記1次撚糸は複数の炭素ナノチューブ単糸が撚れて形成された、請求項1に記載の電界放出組立体。
【請求項8】
前記線形のエミッタは編組糸(Braided Yarn)で形成される、請求項1に記載の電界放出組立体。
【請求項9】
前記編組糸は複数の炭素ナノチューブ単糸が編組されて形成される、請求項8に記載の電界放出組立体。
【請求項10】
前記編組糸は複数の1次撚糸が互いに編組されて形成され、
前記1次撚糸は複数の炭素ナノチューブ単糸が撚れて形成された、請求項8に記載の電界放出組立体。
【請求項11】
前記編組糸は複数の2次撚糸が互いに編組されて形成され、
前記2次撚糸は複数の1次撚糸が互いに撚れて形成され、
前記1次撚糸は複数の炭素ナノチューブ単糸が撚れて形成された、請求項8に記載の電界放出組立体。
【請求項12】
前記線形のエミッタの両終端は互いに離隔して前記ホルダに固定される、請求項1に記載の電界放出組立体。
【請求項13】
前記ホルダには前記線形のエミッタを固定できる二つの固定ホールが形成され、
前記線形のエミッタの両終端は前記二つの固定ホールに一つずつ固定される、請求項12に記載の電界放出組立体。
【請求項14】
前記二つの固定ホールは前記電子放出方向に直交する方向に配列される、請求項13に記載の電界放出組立体。
【請求項15】
前記線形のエミッタの両終端は互いに隣接して前記ホルダに固定される、請求項1に記載の電界放出組立体。
【請求項16】
前記ホルダには前記線形のエミッタを固定できる一つの固定ホールが形成され、
前記線形のエミッタの両終端はすべて前記固定ホールに固定される、請求項15に記載の電界放出組立体。
【請求項17】
前記ホルダは前記電子放出方向に延びるパイプ状に形成され、
前記固定ホールは前記ホルダの前記電子放出方向の前端に形成される、請求項16に記載の電界放出組立体。
【請求項18】
前記ホルダは前記線形のエミッタの両終端が固定される地点を通る面を基準として分かれる二つの部材と、前記二つの部材を互いに結合する結合部材を含み、
前記線形のエミッタの両終端は前記二つの部材の間に配置された後、前記結合部材が締め付けられることによって前記二つの部材によって加圧されて前記ホルダに固定される、請求項1に記載の電界放出組立体。
【請求項19】
前記ホルダは前記線形のエミッタの前記電子放出方向の後方に配置される、請求項1に記載の電界放出組立体。
【請求項20】
炭素ナノチューブ繊維を含み電子を放出する線形のエミッタと、前記線形のエミッタを固定するホルダを含む電界放出組立体;および
前記電界放出組立体から放出された電子が衝突して電磁波を発生させるアノードを含み、
前記線形のエミッタは両終端が前記ホルダに固定され、山が形成されるように前記アノードに向かって膨らむように曲がった部分および山が形成されるように前記アノードに向かって急激に折り曲げられた部分のうち少なくともいずれか一つを含む、電磁波発生装置。
【請求項21】
前記ホルダは前記線形のエミッタを基準として前記アノードの反対側に配置される、請求項20に記載の電磁波発生装置。
【請求項22】
前記線形のエミッタの電子放出方向の前端を基準として、前記線形のエミッタの両側は前記アノードに向かって行くほど互いに近づくか、互いに近づくものの一部の領域は平行である、請求項20に記載の電磁波発生装置。
【請求項23】
前記電磁波は0.001nm~10nmの波長を有する、請求項20に記載の電磁波発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電界放出組立体およびこれを含む電磁波発生装置に関する。より詳細には、エミッタ(emitter)の構造を通じて電界放出特性を均一化できる、電界放出組立体およびこれを含む電磁波発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近炭素ナノチューブ(carbon nanotube;CNT)関連技術の発達により、既存のフィラメントを利用した熱電子放出方式の既存のX線管の陰極を、電界によって電子が放出され得る炭素ナノチューブを利用した冷陰極で代替する技術が開発されている。
【0003】
一般的に炭素ナノチューブ基盤のX線管は、炭素ナノチューブを含む陰極部、電子の放出を誘導するゲート、電子の集束性能を向上させる集束部および放出された電子の衝突で電磁波(具体的にはX線)を発生させる正極部で構成される。
【0004】
X線は各部分の電圧、幾何学的形態および位置によって放出電子の量と衝突速度および焦点の大きさなどが決定され、これはすなわち、放射線映像の分解能および画質を決定する要素となる。特に炭素ナノチューブを基盤として電子の放出源となるエミッタ(emitter)の場合、その形状または結合構造により電界放出の均一度および性能が左右され得る。
【0005】
従来の炭素ナノチューブを利用した冷陰極X線管では、線形のヤーン(Yarn)を一定の長さで切断し、前記切断面が正極部に向かうようにヤーンをホルダに固定させる構造の電界放出組立体が使われた。このようなX線管に電界(Electronic Field)を発生させると、ヤーンの切断面で電子が放出され得る。
【0006】
しかし、このような従来の電界放出組立体の場合、炭素ナノチューブ繊維の切断面が常に一定ではないという問題があったし、それに伴い、電界放出特性および電磁波発生装置の寿命の均一度が落ちる限界があった。
【0007】
また、電界放出特性の均一度が落ちることにより、電磁波の発生量または強度などを精密に調整することに限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書が解決しようとする課題は、エミッタでの電界放出特性および電磁波発生装置の寿命の均一度を向上させ得る電界放出組立体およびこれを含む電磁波発生装置を提供することである。
【0009】
また、電磁波の発生量または強度などの調整がより精密に遂行され得る電界放出組立体およびこれを含む電磁波発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を達成するための本開示の一側面(aspect)に係る電界放出組立体は、炭素ナノチューブ繊維を含み、電子を放出する線形のエミッタ;および前記エミッタを固定するホルダを含み、前記エミッタは両終端が前記ホルダに固定され、電子放出方向に山(peak)が形成されるように曲がった部分および前記電子放出方向に山が形成されるように折り曲げられた部分のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0011】
これを通じて、エミッタでの電界放出特性および電磁波発生装置の寿命の均一度を向上させることができる。
【0012】
また、電磁波発生量または強度などの調整がより精密に遂行され得る。
【0013】
また、前記エミッタは前記電子放出方向に山が形成されるように膨らむように曲がるか、前記電子放出方向に山が形成されるように折り曲げられ得る。
【0014】
また、前記エミッタの前記電子放出方向の前端を基準として、前記エミッタの両側は前記電子放出方向に行くほど互いに近づくか、互いに近づくものの一部の領域は平行であり得る。
【0015】
また、前記エミッタは接線の傾きが連続的に変わる形状であり得る。
【0016】
また、前記エミッタは前記電子放出方向に膨らむように曲がり、前記エミッタの前記電子放出方向の前端の曲率半径は前記エミッタの他の部分の曲率半径に比べて小さく形成され得る。
【0017】
また、前記エミッタは複数の炭素ナノチューブ単糸(Fiber)が撚れて形成された1次撚糸(Primary Twisted Yarn)で形成され得る。
【0018】
また、前記エミッタは2次撚糸(Secondary Twisted Yarn)で形成され、前記2次撚糸は複数の1次撚糸が互いに撚れて形成され、前記1次撚糸は複数の炭素ナノチューブ単糸が撚れて形成され得る。
【0019】
また、前記エミッタは編組糸(Braided Yarn)で形成され得る。
【0020】
また、前記編組糸は複数の炭素ナノチューブ単糸が編組されて形成され得る。
【0021】
また、前記編組糸は複数の1次撚糸が互いに編組されて形成され、前記1次撚糸は複数の炭素ナノチューブ単糸が撚れて形成され得る。
【0022】
また、前記編組糸は2次撚糸が互いに編組されて形成され、前記2次撚糸は複数の1次撚糸が互いに撚れて形成され、前記1次撚糸は複数の炭素ナノチューブ単糸が撚れて形成され得る。
【0023】
また、前記エミッタの両端部は互いに離隔して前記ホルダに固定され得る。
【0024】
また、前記ホルダには前記エミッタを固定できる二つの固定ホールが形成され、前記エミッタの両終端は前記二つの固定部に一つずつ固定され得る。
【0025】
また、前記二つの固定ホールは前記電子放出方向に直交する方向に配列され得る。
【0026】
また、前記エミッタの両端部は互いに隣接して前記ホルダに固定され得る。
【0027】
また、前記ホルダには前記エミッタを固定できる一つの固定ホールが形成され、前記エミッタの両終端はすべて前記固定ホールに固定され得る。
【0028】
また、前記ホルダは前記電子放出方向に延びるパイプ状に形成され、前記固定ホールは前記ホルダの前記電子放出方向の前端に形成され得る。
【0029】
また、前記ホルダは前記エミッタの両終端が固定される地点を通る面を基準として分かれる二つの部材と、前記二つの部材を互いに結合する結合部材を含み、前記エミッタの両終端は前記二つの部材の間に配置された後、前記結合部材が締め付けられることによって前記二つの部材によって加圧されて前記ホルダに固定され得る。
【0030】
また、前記ホルダは前記エミッタの前記電子放出方向の後方に配置され得る。
【0031】
前記課題を達成するための本開示の一側面(aspect)に係る電磁波発生装置は、炭素ナノチューブ繊維を含み電子を放出する線形のエミッタと、前記エミッタを固定するホルダを含む電界放出組立体;および前記電界放出組立体から放出された電子が衝突して電磁波を発生させるアノード(Anode)を含み、前記エミッタは両終端が前記ホルダに固定され、前記アノードに向かって山が形成されるように曲がった部分および前記アノードに向かって山が形成されるように折り曲げられた部分のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0032】
また、前記ホルダは前記エミッタを基準として前記アノードの反対側に配置され得る。
【0033】
また、前記エミッタの電子放出方向の前端を基準として、前記エミッタの両側は前記アノードに向かって行くほど互いに近づくか、互いに近づくものの一部の領域は平行であり得る。
【0034】
また、前記電磁波は0.001nm~10nmの波長を有することができる。
【発明の効果】
【0035】
本明細書を通じて、エミッタでの電界放出特性および電磁波発生装置の寿命の均一度を向上させることができる。
【0036】
また、電界放出特性の均一度が向上することによって、電磁波発生量または強度などの調整がより精密に遂行され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本明細書の一実施例に係る電界放出組立体を含む電磁波発生装置の概念図である。
図2】本明細書の一実施例に係る電界放出組立体の斜視図である。
図3】本明細書の一実施例に係る電界放出組立体の正面図である。
図4】本明細書の一実施例に係る電界放出組立体のエミッタの多様な様相を図示したものである。
図5】本明細書の一実施例に係る電界放出組立体の線形エミッタを撮影した写真である。
図6】本明細書の一実施例に係る電界放出組立体のエミッタの形成過程を図示したものである。
図7】エミッタが切断繊維方式で備えられる場合と曲げ繊維方式で備えられる場合の電界放出特性を図示したものである。
図8】エミッタが切断繊維方式で備えられる場合と曲げ繊維方式で備えられる場合の電界放出特性を図示したものである。
図9】エミッタを構成するヤーンのタイプによる機械的物性を図示したものである。
図10】エミッタが撚糸(Twisted Yarn)で形成される場合と編組糸(Braided Yarn)で形成される場合の電気的物性を図示したグラフである。
図11】エミッタが撚糸(Twisted Yarn)で形成される場合と編組糸(Braided Yarn)で形成される場合の線密度(Linear Density)を図示したグラフである。
図12】本明細書の他の実施例に係る電界放出組立体の斜視図である。
図13】本明細書の他の実施例に係る電界放出組立体の正面図である。
図14】電界放出組立体のさらに他の実施例を図示したものである。
図15】電界放出組立体のさらに他の実施例を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
実施例で使われる用語は本開示での機能を考慮しつつ、できる限り現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新しい技術の出現などにより変わり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する説明の部分で詳細にその意味を記載するであろう。したがって、本開示で使われる用語は単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本開示の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0039】
以下の説明で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は明細書作成の容易さのみが考慮されて付与または混用されるものであり、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、本開示に含まれた実施例の説明において関連した公知技術に対する具体的な説明が本開示に含まれた実施例の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付された図面は本開示に含まれた実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本開示の技術的思想が制限されるものではなく、本開示の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0040】
第1、第2等のように序数を含む用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されはしない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。
【0041】
或る構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されていたりまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、或る構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0042】
単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0043】
明細書全体で記載された「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0044】
明細書全体で記載された「a、b、およびcのうち少なくとも一つ」の表現は、「a単独」、「b単独」、「c単独」、「aおよびb」、「aおよびc」、「bおよびc」、または「a、b、およびcすべて」を包括することができる。
【0045】
以下では、添付した図面を参照して本開示の実施例に対して本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本開示は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。
【0046】
以下では、図面を参照して本開示の実施例を詳細に説明する。
【0047】
図1は、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体を含む電磁波発生装置の概念図である。
【0048】
本明細書の第1実施例に係る電磁波発生装置100はハウジング110と、電界放出組立体120と、ゲート電極130と、集束部140とアノード(Anode)150を含むことができるが、このうち一部の構成を省略して実施されてもよく、その他の追加的な構成を排除することもない。
【0049】
以下、電子放出方向xは電界放出組立体120からアノード150に向かった方向、すなわち、図1図4を基準として上側方向であるものと理解され得る。
【0050】
図1を参照すると、電磁波発生装置100はハウジング110を含むことができる。ハウジング110は電界放出組立体120と、ゲート電極130と、アノード150などのような構成要素を収容することができる。ハウジング110の内部は真空状態、または真空状態に近く維持され得る。
【0051】
ハウジング110には照射部111が備えられ得る。アノード150で発生した電磁波は照射部111を通じてハウジング110の外部に放出され得る。しかし、これとは異なり、ハウジング110はアノード150で発生した電磁波が通過できるように全体的にガラスなどのような透明な材質で形成されてもよく、この場合、別途の照射部111は設けられなくてもよい。また、発生する電磁波の強度が強い場合には電磁波が不透明な材料を通過することもあり得るため、ハウジング110は照射部111を具備せず、かつ不透明な材料で形成されてもよい。
【0052】
電磁波発生装置100は電界放出組立体120を含むことができる。電界放出組立体120は電界(Electric Field)によって電子が放出される部分であり得る。電界放出組立体120には陽極が印加されるカソード(Cathode)の役割を遂行することができる。
【0053】
電界放出組立体120は電子を放出するエミッタ121と、これを固定するホルダ122を含むことができる。電界放出組立体120の具体的な構造は図2図4と関連して具体的に後述する。
【0054】
本明細書の一実施例に係る電磁波発生装置100の電界放出組立体120は冷陰極であり得る。具体的には、本明細書の一実施例に係る電磁波発生装置100では、エミッタ121に別途の熱を加えずに電界放出組立体120とゲート電極130の間に印加された電圧によってエミッタ121に含まれている電子が放出され得る。
【0055】
電磁波発生装置100はゲート電極130を含むことができる。ゲート電極130はエミッタ121とアノード150の間に配置され得る。より具体的には、ゲート電極130はエミッタ121とアノード150の間でエミッタ121にさらに近くなるように配置され得る。
【0056】
ゲート電極130はエミッタ121での電子放出を誘導することができる。エミッタ121に含まれている電子はゲート電極130とエミッタ121の間に印加された電圧によって放出され得る。ゲート電極130は優先的にエミッタ121から電子を引き出す役割を遂行することができる。
【0057】
しかし、これに限定されず、電磁波発生装置100はゲート電極130を含まなくてもよい。この場合、後述する集束部140と電界放出組立体120の間、またはアノード150と電界放出組立体120の間に印加された電圧によってエミッタ121に含まれた電子が放出され得る。
【0058】
電磁波発生装置100は集束部140を含むことができる。集束部140はゲート電極130とアノード150の間、または電界放出組立体120とアノード150の間に配置され得る。
【0059】
集束部140は電圧が印加されることによってゲート電極130を通過した電子ビームを集束する役割を遂行することができる。集束部140はレンズ(lens)と指称され得る。また、集束部140はゲート電極130を通過した電子ビームをさらに加速させることができる。具体的には、集束部140とゲート電極130の間に電圧が発生すると、ゲート電極130を通過した電子は集束部140とゲート電極130の間に印加された電圧によって形成された電場によって加速され得る。このように、集束部140が備えられるタイプの電磁波発生装置100はトライオードタイプ(Triode type)と指称され得る。
【0060】
しかし、これに限定されず、ゲート電極130自らの集束性能が良好であるか優れている場合、集束部140が備えられなくてもよい。このように、集束部140が備えられない電磁波発生装置100はダイオードタイプ(Diode type)と指称され得る。
【0061】
電磁波発生装置100はアノード150を含むことができる。アノード150はハウジング110の内部空間で電界放出組立体120と反対側に配置され得る。アノード150は電子ビームの進行方向上でゲート電極130および/または集束部140の後方に配置され得る。アノード150には正電圧(+)が印加される部分であり、正極部と指称されてもよく、電子ビームがぶつかる目標物という意味でタケッと指称されてもよい。
【0062】
アノード150では電磁波が形成され得る。具体的には、エミッタ121から放出された電子ビームがゲート電極130および/または集束部140を通過しながら加速された後、アノード150に衝突することができ、このとき電子ビームはアノード150を構成する物質を興奮状態に励起させてから再び元の状態に戻りながら電磁波を発生させることができる。
【0063】
電磁波発生装置100が放出する電磁波は0.001nm~10nmの波長を有することができる。例えば、電磁波発生装置100は0.001nm~10nmの波長を有するX線を放出することができる。より詳細には、電磁波発生装置100は0.01nm~10nmの波長を有するX線を放出することができる。
【0064】
図2は、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体の斜視図である。図3は、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体の正面図である。図4は、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体のエミッタの多様な様相を図示したものである。
【0065】
本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120はエミッタ121とホルダ122を含むことができるが、このうち一部を除いて実施されてもよく、その他の追加的な構成を排除することもない。
【0066】
電界放出組立体120はエミッタ121を含むことができる。エミッタ121は電子が容易に移動できる炭素ナノチューブ繊維を含むことができる。しかし、これに限定されず、エミッタ121は電子を放出できる多様な材料で形成されてもよい。
【0067】
エミッタ121は線形であり得る。具体的には、エミッタ121は炭素ナノチューブ繊維単糸(Fiber)が集まって形成されるヤーン(yarn)で形成され得、このようなヤーンは線形であり得る。
【0068】
エミッタ121は電子放出方向xに山(peak)が形成されるように曲がった部分および電子放出方向xに山が形成されるように折り曲げられた部分のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。換言すると、エミッタ121は電子放出方向xに膨らむように曲がった部分を含むことができ、または電子放出方向xに突出するように折り曲げられた部分を含んでもよく、またはこのような曲がった部分および折り曲げられた部分をすべて含んでもよい。山は電子放出方向xに向かうように形成される峰、すなわち周辺領域より相対的に電子放出方向xに近い地点を意味するものと理解され得る。
【0069】
山が形成される線形のエミッタ121は、以下曲げ繊維(Bent Fiber)と指称され得る。
【0070】
エミッタ121に電界が印加されると、エミッタ121の内部に含まれている電子および/またはホルダ122からエミッタ121に乗り越えてきた電子が、エミッタ121の中で電子放出方向xに突出した部分の山の付近領域に誘導された後、エミッタ121の外部に放出され得る。これは、一の字の形態のエミッタの切断された終端が電子放出方向xの前端に配置されて(すなわち、一の字の形態のエミッタの両終端のうち一方の端部のみホルダに固定された形態)、この切断部から電子が放出される従来の形態と区分される。
【0071】
一例として、エミッタ121は接線の傾きが連続的に変わる形状であり得る。これは、エミッタ121が急激に折れる部分なくソフトに曲がる形状であることを意味し得る。この場合、エミッタ121の内部での電子の移動がより円滑となり得るため、電子放出が効果的になされ得る。
【0072】
他の例として、エミッタ121は折り曲げられた(すなわち、急激に折れる)部分を含むことができる。この時、エミッタ121は電子放出方向xに山が形成されるように折り曲げられることが好ましい。具体的には、エミッタ121に電界が印加されると、電子はエミッタ121から電子放出方向xに突出した部分に誘導された後、エミッタ121の外部に放出され得るが、このとき、エミッタ121が電子放出方向xに山が形成されるように折り曲げられた部分を含むと、電子はエミッタ121の折り曲げっられた地点に容易に集中され得、それにより電子間の反発力が大きくなり得るので電子がエミッタ121の外部に容易に放出され得る。また、電子が折り曲げられた地点に集中されて放出されるので、電子放出点の形成位置を容易に調整することができる。
【0073】
以下、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120について詳しく叙述する。
【0074】
以下、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120で、エミッタ121は一つの峰で形成されるので、山121aはエミッタ121の電子放出方向xの最前方(以下、「前端121a」)と同一の地点であり得る。
【0075】
図2および図3を参照すると、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120のエミッタ121は、電子放出方向xに山121aが形成されるように曲がったり、電子放出方向xに山121aが形成されるように折り曲げられ得る。図1を基準として、エミッタ121はアノード(150、図1に図示)に向かって山121aが形成されるように曲がったり、アノード(150、図1に図示)に向かって山121aが形成されるように折り曲げられ得る。本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120のエミッタ121は、一つの峰を有するように曲がったり一つの峰を有するように折り曲げられるものと理解され得る。峰が一個である形態のエミッタ121はその形状が単純であるため電界放出組立体120を一貫して製造することができ、これを通じて電界放出特性および電磁波発生装置100の寿命の均一度が向上し得る。
【0076】
エミッタ121に電界が印加されると、エミッタ121の内部に含まれている電子および/またはホルダ122からエミッタ121に乗り越えてきた電子がエミッタ121の電子放出方向xの前端121a付近領域(以下、「前方部121b」)に誘導された後、前方部121bからエミッタ121の外部に放出され得る。
【0077】
このような電子放出方式を通じて、エミッタ121の切断による不均一性を除去することができ、それにより電界放出特性および電磁波発生装置100の寿命の均一度が向上し得る。また、電界放出特性の均一度向上による電磁波発生量または強度などの調整がより精密に遂行され得る。また、電子放出のためのThreshold値、電子放出によって形成される電流の最大値であるMax Current値が向上するなど、電界放出性能も向上し得る。
【0078】
エミッタ121の電子放出方向xの前断121aを基準として、エミッタ121の両側は電子放出方向xに行くほど互いに近づき得る。ただし一部の領域は平行であってもよい。図1を参照すると、エミッタ121の電子放出方向xの前断121aを基準として、エミッタ121の両側はアノード(150、図1に図示)に向かって行くほど互いに近づくか、一部の領域は平行であり得る。すなわち、エミッタ121はホルダ122に固定される両終端を基準として、電子放出方向xに行くほど互いに遠ざかる部分が形成されないものと理解され得る。これを通じて、エミッタ121の内部に含まれている電子がエミッタ121の前方部121bにさらに容易に誘導され得る。
【0079】
これとは異なり、エミッタ121の電子放出方向xの前断121aを基準として、エミッタ121の両側は電子放出方向xに行くほど互いに遠ざかる部分を一部含んでもよい(例、リング状)。例えば、二つの固定ホール1223の間隔が固定された状態で、要求される電界放出特性によりエミッタ121の電子放出方向xの前断121aの曲率半径が一定水準以上に大きくなる場合、またはエミッタ121の電子放出方向xの前断121aの曲率半径が固定された状態で、構造的な制約により二つの固定ホール1223の間の間隔が一定水準以上に狭くなる場合、エミッタ121中に二つの固定ホール1223より両側にさらに突出した部分が形成され得、この場合、エミッタ121は電子放出方向xに行くほど互いに遠ざかる部分を含むことができる。
【0080】
エミッタ121は左右対称に形成され得る。具体的には、エミッタ121は電子放出方向xに延びる中心軸を基準として対称に形成され得る。これを通じて、エミッタ121の形状の均一性を向上させることができ、これはすなわち、電界放出特性および電磁波発生装置100の寿命の均一度が向上することを意味し得る。
【0081】
以下、図4の(a)と図4の(b)を通じて、エミッタ121の曲率半径(R)について詳しく説明する。
【0082】
エミッタ121は要求される電界放出特性により折り曲げられるか曲がり得、曲がる場合にはエミッタ121の電子放出方向xの前断121aは多様な曲率半径(R)で形成され得る。
【0083】
例えば、図4の(a)に図示されたように、エミッタ121の電子放出方向xの前断121aが大きい曲率半径(R)を有して曲がる場合、エミッタ121の電子放出方向xの前方部121bは短くて丸い形状で形成され得、この場合、電子が放出され始めるThreshold電圧の差分と、最大電流値であるMax Current値が高くなり得る。
【0084】
反面、エミッタ121の電子放出方向xの前断121aが小さい曲率半径(R)を有して曲がったり、図4の(b)に図示されたように折り曲げられる場合、エミッタ121の電子放出方向xの前方部121bはさらに尖っている形状で形成され得、この場合、電子が放出され始めるThreshold電圧の差分と、放出された電子によって形成される電流の最大値であるMax Current値が低くなり得る。
【0085】
エミッタ121の曲率半径は領域により同一であることを要求しはしない。すなわち、エミッタ121は領域により異なる曲率半径を有することができる。エミッタ121の曲がった形状は、線形エミッタ121の厚さ、長さ、固定された両端間の距離、固定された両端の固定角度、図6で説明する撚糸の類型により決定され得る。さらに、外力による永久変形を起こす場合、それに従う形状を有してもよい。
【0086】
エミッタ121が電子放出方向xに山121aが形成されるように曲がるように形成される場合、エミッタ121の電子放出方向xの前断121aの曲率半径(R)はエミッタ121の他の部分の曲率半径より小さく形成され得る。曲率半径が小さいとは、急激に曲がることを意味し得るが、電界によって電子がエミッタ121の前方部121bに円滑に誘導されるためには、エミッタ121の電子放出方向xの前断121a以外の部分はエミッタ121の電子放出方向xの前断121aに比べてできるだけ緩やかに曲がることが好ましい。
【0087】
以下、図4の(a)と図4の(c)を通じて、エミッタ121の曲げ角度(a)について詳しく説明する。
【0088】
図4を参照すると、エミッタ121はホルダ122に固定される様相により多様な曲げ角度(a)で形成され得る。この時、曲げ角度(a)はエミッタ121のうちホルダ122に結合される両側部分の接線がなす角度であると理解され得る。
【0089】
例えば、図4の(a)に図示されたように、エミッタ121の両終端が互いに十分な間隔を有してホルダ122に固定される場合、曲げ角度(a)は大きくなり得る。
【0090】
反対に、エミッタ121の両終端が互いに近づくようにホルダ122に固定されて、エミッタ121の両終端の間隔が狭い場合は曲げ角度(a)は小さくなり得、さらに、図4の(c)に図示されたように、エミッタ121の両端の接線は互いに平行であるか、平行に近くなり得る。このような構造を通じて、構造的な限界によってホルダ122が小さい大きさで形成されたりエミッタ121の両終端が互いに近づくようにホルダ122に固定されざるを得ない場合でも、エミッタ121は曲げ繊維方式で備えられ得る。
【0091】
図2および図3を参照すると、電界放出組立体120はホルダ122を含むことができる。エミッタ121の両終端はホルダ122に固定され得る。ホルダ122はエミッタ121の電子放出方向xの後方に配置され得る。図1を参照すると、ホルダ122はエミッタ121を基準としてアノード(150、図1に図示)の反対側に配置されるものと理解され得る。
【0092】
ホルダ122は通電が可能な電気伝導性物質で形成され得る。具体的には、ホルダ122は電気伝導性を有し、かつ電界放出組立体120に蓄積される電子の斥力によって変形されない程度の機械的強度を有した物質からなり得る。例えば、ホルダ122はタングステン、亜鉛、ニッケル、銅、銀、アルミニウム、金、白金、錫、ステンレススチールおよび導電性セラミックスからなる群から選択される1種以上の物質からなり得る。電界放出組立体120に電界が印加されると、電子は電気伝導性物質で形成されるホルダ122を通じてエミッタ121に移動した後、エミッタ121の外部に放出され得る。
【0093】
ホルダ122は固定部1221を含むことができる。固定部1221はベース部1222を基準として電子放出方向xの前方に配置され得る。固定部1221はエミッタ121を固定することができる。本明細書の一実施例に係る電磁波発生装置100で、固定部1221の電子放出方向xの前面は電子放出方向xに交差する方向であり、すなわち横方向に延びる前面を含むことができる。エミッタ121の両終端は固定部1221の前面に挿入されてそれぞれ固定され得る。
【0094】
ホルダ122はベース部1222を含むことができる。ベース部1222は電子放出方向xを基準として固定部1221の後方に形成され得る。すなわち、ベース部1222は固定部1221を基準としてアノード150の反対側に形成され得る。ベース部1222は電界放出組立体120の電子放出方向xの後方に配置されるさらに他の固定部材に結合される部分であり得る。本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120でベース部1222は円筒状であり得る。
【0095】
ホルダ122には固定ホール1223が形成され得る。固定ホール1223は二つ形成され得る。固定ホール1223はエミッタ121を固定することができる。具体的には、エミッタ121の両終端は二つの固定ホール1223に一つずつ固定され得る。
【0096】
二つの固定ホール1223は電子放出方向xに直交する方向に配列され得る。これを通じて、エミッタ121が左右対称の形状をなすことができるので、電界放出特性の均一性が向上し得る。
【0097】
ホルダ122は一体に形成され得る。固定ホール1223は固定部1221の電界放出方向xの前面に形成される孔であり得る。この場合、エミッタ121がホルダ122に結合される時、エミッタ121の両終端は固定ホール1223にそれぞれ一つずつ挿入されて、固定部1221の側面に形成されて結合部材123が結合されるホールに重なり得る位置まで配置され得る。この時、前記ホールに別途の結合部材123が結合されながらエミッタ121を加圧すると、エミッタ121がホルダ122に結合され得る。
【0098】
これとは異なり、ホルダ122は複数の部材の結合形態で備えられ得る。例えば、ホルダ122はエミッタ121の両終端が固定される地点を通る面を基準として分かれる二つの部材と、ホルダ122を構成する二つの部材を互いに結合する結合部材を含むことができる。エミッタ121の両終端はホルダ122を構成する二つの部材の間に配置された後、結合部材が締め付けられることによってホルダ122を構成する二つの部材によって加圧されてホルダ122に固定され得る。
【0099】
この時、ホルダ122を構成する二つの部材それぞれには互いに合せられた時に固定ホール1223を形成できる溝が形成され得、このような溝はホルダ122を構成する二つの部材の間にエミッタ121の両端部を位置をガイドすることができる。しかし、これに限定されず、エミッタ121の両端部がホルダ122の他の部分などによってその位置が容易にガイドされ得る場合、ホルダ122の二つの部材には固定ホール1223を形成する溝が形成されなくてもよく、このとき、エミッタ121の両端部は結合部材を締め付けることによって、ホルダ122を構成する二つの部材のうち互いに対向する面によって加圧されて固定され得る。
【0100】
またはホルダ122はエミッタ121の両終端が固定され得る別途の機械的なメカニズムを含んでもよい。また、エミッタ121はホルダ122に接着剤を通じて接着されたり、溶接されるなどの方式で固定されてもよい。このように、エミッタ121が電子放出方向xに膨らむように曲がるか折り曲げられるように固定され得るのであれば、ホルダ122は前述した構造に制限されず、多様な方式で形成され得る。
【0101】
図5は、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体の線形エミッタを撮影した写真である。図6は、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体のエミッタの形成過程を図示したものである。
【0102】
図5を参照すると、エミッタ121は炭素ナノチューブ繊維で形成される線形のヤーン(Yarn)が曲がったり折り曲げられて形成され得る。具体的には、図5の(a)を参照すると、エミッタ121は撚糸(Twisted Yarn)で形成され得る。この場合、エミッタ121をより容易に製造できるため、製造効率性が向上し得る。また、図5の(b)を参照すると、エミッタ121は編組糸(Braided Yarn)で形成されてもよい。この場合、エミッタ121の機械的物性および電気的物性が向上し得るため、電界放出特性も向上し得る。撚糸と編組糸の物性については図9図11と関連して詳しく後述する。
【0103】
図6は、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120のエミッタ121が形成される過程を具体的に図示したものである。
【0104】
図6の(a)を参照すると、エミッタ121は複数の炭素ナノチューブ単糸(Fiber)が撚れて形成された1次撚糸(Primary Twisted Yarn)で形成され得る。
【0105】
図6の(b)を参照すると、エミッタ121は2次撚糸(Secondary Twisted Yarn)で形成され得、このとき2次撚糸(Secondary Twisted Yarn)は複数の1次撚糸(Primary Twisted Yarn)が互いに撚れて形成され得、このような1次撚糸(Primary Twisted Yarn)は複数の炭素ナノチューブ単糸(Fiber)が撚れて形成され得る。この時、1次撚糸(Primary Twisted Yarn)が互いに撚れて2次撚糸(Secondary Twisted Yarn)が形成される過程はダブリング(Doubling)と指称されてもよい。
【0106】
図6の(c)を参照すると、エミッタ121は編組糸(Braided Yarn)で形成され得、このとき編組糸(Braided Yarn)は複数の1次撚糸(Primary Twisted Yarn)が互いに編組されて形成され得、このような1次撚糸(Primary Twisted Yarn)は複数の炭素ナノチューブ単糸(Fiber)が撚れて形成され得る。
【0107】
図6の(d)を参照すると、エミッタ121は編組糸(Braided Yarn)で形成され得、このとき編組糸(Braided Yarn)は複数の2次撚糸(Secondary Twisted Yarn)が互いに編組されて形成され得、2次撚糸(Secondary Twisted Yarn)は複数の1次撚糸(Primary Twisted Yarn)が互いに撚れて形成され得、このような1次撚糸(Primary Twisted Yarn)は複数の炭素ナノチューブ単糸(Fiber)が撚れて形成され得る。この時、1次撚糸(Primary Twisted Yarn)が互いに撚れて2次撚糸(Secondary Twisted Yarn)が形成される過程はダブリング(Doubling)と指称されてもよい。
【0108】
しかし、エミッタ121を線形に形成できるのであれば、エミッタ121が形成される方式は前記図6の(a)~(d)で説明した方式に制限されず、要求される電界放出特性により図6の(a)~(d)に図示された方式の多様な組み合わせで形成されてもよく、図6の(a)~(d)で説明されていない方式で形成されてもよい。例えば、編組糸を形成する時、編組器具を利用するために、一定厚さ以上の厚さを有する撚糸を利用して編組することが好ましいが、非常に高い精密度を有する編組器具を利用する場合、薄い厚さを有する炭素ナノチューブ単糸(Fiber)をすぐに編組して編組糸を形成してもよい。
【0109】
図7および図8は、エミッタが切断繊維方式で備えられる場合と曲げ繊維方式で備えられる場合の電界放出特性を図示したものである。
【0110】
図7の(a)および(b)のグラフは電極に印加される電圧(Voltage)による電子放出量を電流(Current)で表現したもので、それぞれのx軸は電圧である、y軸は電流であるものと理解され得る。
【0111】
図7の(a)は400本の炭素ナノチューブ単糸からなるエミッタを切断した後、切断面がアノード側を向くようにして切断面から電子が放出されるようにする「切断繊維(Cut Fiber)」に対する電界放出特性を3回にわたって測定したものを図示したものであり、図7の(b)は400本の炭素ナノチューブ単糸からなるエミッタがアノードに向かって山が形成されるように曲がるかアノードに向かって山が形成されるように折り曲げられ、山部分で電子が放出される「曲げ繊維(Bent Fiber)」に対する電界放出特性を3回にわたって測定したものを図示したものである。
【0112】
図7の(a)および(b)を参照すると、電圧を増加させても一定の電圧までは電流が検出されず、一定の電圧を越えると電圧が増加するほど電流が増加することが分かる。この時、図7の(a)を参照すると、切断繊維(Cut Fiber)の場合、それぞれのエミッタ別に互いに電子が放出され始める電圧が異なり、電圧の増加による電流の変化量も異なる反面、図7の(b)を参照すると、曲げ繊維(Bent Fiber)の場合、それぞれのエミッタ別に互いに電界放出特性においてほとんど差が発生しないことが分かる。これは、曲げ繊維(Bent Fiber)の場合、電界放出特性の均一性が優秀であるということを意味し得る。
【0113】
一方、図8の(a)は、切断繊維(Cut Fiber)と曲げ繊維(Bent Fiber)のThreshold(エミッタから電子が放出され得る最小限の電圧)平均値および偏差を比較して図示したものである。これを参照すると、曲げ繊維(Bent Fiber)の場合、切断繊維(Cut Fiber)に比べてThreshold平均値がさらに高く、その偏差が小さいことが分かる。
【0114】
また、図8の(b)は、切断繊維(Cut Fiber)と曲げ繊維(Bent Fiber)のF-N plot slope(Flowler-Nordheim plot slope)平均値および偏差を比較して図示したものである。F-N plot slopeの値は電極に印加される電圧の変化による電子放出量の変化の敏感度を示す尺度であり、F-N plot slopeの絶対値が大きいほど敏感度がさらに高いものと理解され得る。これを参照すると、曲げ繊維(Bent Fiber)の場合、切断繊維(Cut Fiber)に比べてF-N plot slople平均値が小さく、その偏差が小さいことが分かる。
【0115】
また、図8の(c)は、切断繊維(Cut Fiber)と曲げ繊維(Bent Fiber)のMax current(エミッタから放出される電子を通じて発生する電流の最大値)平均値および偏差を比較して図示したものである。これを参照すると、曲げ繊維(Bent Fiber)の場合、切断繊維(Cut Fiber)に比べてMax current値が高く、その偏差が小さいことが分かる。
【0116】
図8の(a)~(c)と関連して、前述した切断繊維(Cut Fiber)および曲げ繊維(Bent Fiber)の電界放出特性を数値で表現すると、下記の[表1]の通りである。
【0117】
【表1】
【0118】
[表1]でそれぞれの電界放出特性の偏差(std.p)を参照すると、曲げ繊維(Bent Fiber)の場合、切断繊維(Cut Fiber)に比べてThreshold値の均一度が約46%、F-N plot slope値の均一度が約72%、Max Current値の均一度が約56%だけ向上したことを確認することができる。
【0119】
図8および[表1]の偏差(std.p)値を参照すると、曲げ繊維(Bent Fiber)が切断繊維(Cut Fiber)に比べて電界放出特性の均一性が優秀であることが分かる。
【0120】
一方、[表1]でそれぞれの電界放出特性の平均値(avg)を参照すると、曲げ繊維(Bent Fiber)の場合、切断繊維(Cut Fiber)に比べてThreshold平均値が約40%、F-N plot slope平均値が約32%、Max Current平均値が約161%だけ向上したことを確認することができる。これは曲げ繊維(Bent Fiber)が切断繊維(Cut Fiber)に比べて電界放出特性の均一性だけでなく、電界放出性能も優秀であることを意味し得る。
【0121】
下記の[表2]は線形のエミッタで電子が放出される部分のエミッタの太さに対する統計値である。
【0122】
【表2】
【0123】
[表2]を参照すると、曲げ繊維(Bent Fiber)は切断繊維(Cut Fiber)に比べて製造されるエミッタの太さ値に対する偏差が小さいことが分かる。これは切断繊維(Cut Fibuer)の場合、切断する過程で切断面部分の太さに対する変化が発生し得ることを意味し得る。すなわち、エミッタは曲げ繊維(Bent Fiber)で形成する場合、電子が放出される部分の太さ均一性を確保することができ、これはすなわち、電界放出特性の均一性を向上させることができるものと理解され得る。
【0124】
図9は、エミッタを構成するヤーンのタイプによる機械的物性を図示したものである。
【0125】
図9の(a)~(d)はエミッタを構成するヤーンのタイプによる変形率(Strain)-応力(Stress)カーブを図示したものであり、それぞれの場合に対して複数回の実験を施行した後、そのデータを図示したものである。図9の(a)は64本の炭素ナノチューブ単糸を単純に集めておいたヤーン(Non-Twisted Yarn_64 Fiber)に変形を加えた場合であり、図9の(b)は64本の炭素ナノチューブ単糸を75回撚って形成された撚糸(75 Twisted Yarn_64 Fiber)に変形を加えた場合であり、図9の(c)は64本の炭素ナノチューブ単糸を150回撚って形成された撚糸(150 Twisted Yarn_64 Fiber)に変形を加えた場合であり、図9の(d)は64本の炭素ナノチューブ単糸を編組して形成された編組糸(Braided Yarn_64 Fiber)に変形を加えた場合である。
【0126】
図9の(a)~(c)を参照すると、炭素ナノチューブ単糸を単純に集めておいたもの(Non-Twisted Yarn)と、炭素ナノチューブ単糸を撚って形成した撚糸(Twisted Yarn)に変形を加える時には、毎施行ごとに互いに異なる応力特性を示すことを確認することができる。反面、図9の(d)を参照すると、炭素ナノチューブ単糸を編組して形成した編組糸(Braided Yarn)に変形を加える時には、毎施行ごとに応力特性にほぼ差がないことを確認することができる。
【0127】
前記で詳擦したエミッタを構成するヤーンのタイプによる機械的物性を数値で表現すると、下記の[表3]の通りである。
【0128】
【表3】
【0129】
[表3]を参照すると、エミッタを構成するヤーンが編組糸(Braided Yarn)で形成される場合が他の場合より変形率(Strain)および応力(Stress)の偏差値が確然と低いことを確認することができる。また、変形率による応力の変化比率(Modulus)値を見ても、エミッタを構成するヤーンが編組糸(Braided Yarn)で形成される場合が他の場合に比べて偏差値が最も小さいことを確認することができる。
【0130】
図9および[表3]を参照すると、エミッタを構成するヤーンを編組糸(Braided Yarn)で形成すると、単純に炭素ナノチューブ単糸を集めておいたもの(Non-Twisted Yarn)やヤーンを撚糸で形成するもの(Twisted Yarn)に比べて、機械的な物性の均一性が向上し得、これを通じて電界放出組立体を形成する過程でエミッタの機械的な物性差による誤差を減らすことができるため、電界放出特性の均一性も向上し得る。
【0131】
図10は、エミッタが撚糸(Twisted Yarn)で形成される場合と編組糸(Braided Yarn)で形成される場合の電気的物性を図示したグラフである。
【0132】
具体的には、図10はエミッタを構成するヤーンのタイプによる電気伝導度(Electrical Conductivity)を図示したものである。
【0133】
下記の[表4]は、エミッタが撚糸(Twisted Yarn)で形成される場合と編組糸(Braided Yarn)で形成される場合の電気的物性を数値で表現したものである。
【0134】
【表4】
【0135】
図10および[表4]を参照すると、エミッタが編組糸(Braided Yarn)で形成される場合、撚糸(Twisted Yarn)で形成される場合に比べて電気伝導特性が高く、その偏差が小さいことを確認することができる。すなわち、エミッタを編組糸(Braided Yarn)に基づいて形成する場合、電気伝導道義均一性がより向上し得るため、エミッタの電界放出特性の均一性も向上し得る。
【0136】
図11は、エミッタが撚糸(Twisted Yarn)で形成される場合と編組糸(Braided Yarn)で形成される場合の線密度(Linear Density)を図示したグラフである。
【0137】
下記の[表5]は、エミッタが撚糸(Twisted Yarn)で形成される場合と編組糸(Braided Yarn)で形成される場合の線密度(Linear Density)を数値で表現したものである。
【0138】
【表5】
【0139】
図11および[表5]を参照すると、エミッタが編組糸(Braided Yarn)で形成される場合、撚糸(Twisted Yarn)に比べて線密度(Linear Density)の偏差がさらに小さいことを確認することができる。線密度(Linear Density)が変わると、エミッタを通じて流れる電流の量や抵抗が変わり得るため、線密度(Linear Density)が均一であるほど電気的特性が均一であるものと理解され得る。すなわち、エミッタが編組糸(Braided Yarn)で形成される場合、線密度(Linear Density)の均一性が優秀であることによって電気的特性も均一となり得るため、電界放出特性の均一性も向上し得る。
【0140】
図12は、本明細書の他の実施例に係る電界放出組立体の斜視図である。図13は、本明細書の他の実施例に係る電界放出組立体の正面図である。
【0141】
以下で説明されない本明細書の他の実施例に係る電界放出組立体220の細部構成は、図1図11と関連して説明した本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120の細部構成と同一であり得る。
【0142】
図12および図13を参照すると、エミッタ221は電子放出方向xに膨らむように曲がったり折り曲げられて両終端がホルダ222に固定され得る。エミッタ221の両終端は互いに隣接してホルダ222に固定され得る。
【0143】
エミッタ221の両終端はホルダ222に形成される一つの固定ホール2223にすべて固定され得る。エミッタ221の両終端部分は互いに接触しながら平行に固定ホール2223に固定され得る。すなわち、本明細書の他の実施例に係る電磁波発生装置の電界放出組立体220では、線形のエミッタ221が中間部分が折り畳まれた状態で、折り畳まれた部分が電子放出方向xに向かうようにホルダ222に固定されるものと理解され得る。
【0144】
本明細書の他の実施例に係る電界放出組立体220では、エミッタ221の電子放出方向xの前端221aを基準として、エミッタ221の両側が互いに平行してもよく、電子放出方向xに向かって行くほど互いに遠ざかる部分を含んでもよい。
【0145】
具体的には、エミッタ221の前方部221bが完全に折り畳まれずに若干の曲率が形成される場合、前端221aを基準としてエミッタ221の両側は電子放出方向xに行くほど互いに遠ざかる部分が形成され得る。この場合、前方部221bが短くて丸い形状で形成されるものと理解され得、電子が放出され始める電圧値であるThreshold値と、最大電流値であるMax Current値が高くなり得る。これとは異なり、エミッタ221が完全に折り畳まれる場合、折り畳まれた部分を基準として両側は平行に形成され得る。この場合、エミッタ221の前方部221bは尖っている形状で形成されるものと理解され得、Threshold値とMax Current値が低くなり得る。このような形状の差は要求される電界放出特性に応じて選択され得る。
【0146】
図12および図13を参照すると、電界放出組立体220はホルダ222を含むことができる。本明細書の他の実施例に係る電界放出組立体220のホルダ222は電子放出方向xに延びるパイプの形状であり得る。しかし、これに限定されず、ホルダ222にエミッタ221が固定され得る構造や手段が設けられ得るのであれば、ホルダ222の形状はパイプ状に制限されなくてもよい。
【0147】
ホルダ222には固定ホール2223が形成され得る。固定ホール2223は一つ形成され得る。固定ホール2223はパイプ状に形成されるホルダ222の電子放出方向xの前端に形成され得る。固定ホール2223は円筒状の空いた空間であり得る。しかし、これに限定されず、固定ホール2223は横断面の形状が楕円形、半円形、または多角形からなるなど、エミッタ221の両終端が固定され得る形状であれば多様な形状で形成され得る。
【0148】
固定ホール2223はエミッタ221を固定することができる。具体的には、エミッタ221の両終端はすべて一つの固定ホール2223に固定され得る。エミッタ221の両終端は固定ホール2223に嵌合されてもよく、エミッタ221の両終端が固定ホール2223内に配置された後、ホルダ222の側面を加圧して発生する物理的な変形を通じてホルダ222に固定され得る。
【0149】
具体的には、エミッタ221の両終端が固定ホール2223に嵌合される場合、固定ホール2223の直径はエミッタ221の直径の二倍より小さい直径で形成され得る。この場合、エミッタ221の両終端の形状はエミッタ221が固定ホール2223に差し込まれながら若干の変形が発生し得、この過程で固定ホール2223の内側面とエミッタ221の間の摩擦力によってエミッタ221が固定され得る。
【0150】
一方、エミッタ221の両終端が固定ホール2223内に配置された後、ホルダ222の側面を加圧して固定する場合、固定ホール2223は最初にエミッタ221の直径の二倍より大きい大きさで形成され得る。この場合、エミッタ221の両終端を固定ホール2223の内側に配置させた後、ホルダ222の側面を加圧してホルダ222の形状を変形させると、固定ホール2223内に配置されているエミッタ221が固定ホール2223の内側面によって加圧されながらホルダ222に固定され得る。
【0151】
図14および図15は、電界放出組立体のさらに他の実施例を図示したものである。
【0152】
以下で説明されない電界放出組立体320、420の細部構成は、図1図11と関連して説明した本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120の細部構成と同一であり得る。
【0153】
図14を参照すると、エミッタ321は電子放出方向xに膨らむように曲がったり折り曲げられる部分を含むことができる。この時、エミッタ321は、本明細書の一実施例に係る電界放出組立体120とは異なり、峰が複数(例えば、図14に図示された通り、峰が二つ)の形態で形成され得る。この場合、エミッタ321には電界放出方向xに凹むように曲がったり折り曲げられた部分が形成され得る。
【0154】
エミッタ321が複数の峰を有する形態で形成されると、エミッタ321に電界が印加された時、それぞれの峰の山(peak)が電子放出点321aとなり得る。すなわち、電子放出点321aの個数はエミッタ321が形成する峰の個数に対応することができる。それぞれの峰に形成される電子放出点321aの電界放出特性は、それぞれの電子放出点321aの間の相対的な位置や曲率の差などにより変わり得る。
【0155】
エミッタ321の電子放出点321aを形成する峰は多様な個数で形成され得る。電子放出点321aが多くなると、エミッタ321で電子が放出され得る最小限の電圧であるThreshold平均値が高くなり得る反面、多量の電磁波を発生させることができる。反面、電子放出点321aが少ないと、エミッタ321の形状が単純であり電界放出組立体320を一貫して製造できるため、電界放出特性および電磁波発生装置の寿命の均一度が向上し得る。
【0156】
図15を参照すると、ホルダ422の固定部4221がエミッタ421の両側部に備えられ得る。この場合、エミッタ421の両終端はエミッタ421の両側部に備えられる固定部4221に一つずつ固定され得る。
【0157】
このような電界放出組立体420の構造を通じて、エミッタ421はさらに自由な形態で形成され得る。例えば、エミッタ421は固定部4221に固定される両終端より電子放出方向xの後方に突出する部分を含むことができる。
【0158】
エミッタ421が曲がったり折り曲げられて形成される峰の個数は多様に調整され得る。例えば、図15に図示された通り、エミッタ421は電子放出方向xに突出する峰の形状を一つのみ含んでもよいが、これに限定されず、多数の電子放出点が必要な場合、エミッタ421の屈曲の程度または固定部4221の間の間隔を固定して電子放出方向xに突出する峰を二つ以上形成してもよい。
【0159】
エミッタ421が曲がったり折り曲げられて電子放出方向xに形成される山421aは多様な位置に形成され得る。例えば、図15に図示された通り、山421aはエミッタ421の両終端より電子放出方向xに突出した位置に形成され得る。しかし、これに限定されず、必要に応じて電子が放出される地点をさらに後退させる必要がある場合、山421aはエミッタ421の両終端より電子放出方向xの後方に形成されてもよい。例えば、エミッタ421は図14に図示されたエミッタ321の形状を反対にひっくり返した形状であるものと理解され得る。
【0160】
前述された本明細書のある実施例または他の実施例は、互いに排他的であるか区別されるものではない。前述された本明細書のある実施例または他の実施例はそれぞれの構成または機能が併用されたり組み合わせられ得る。
【0161】
例えば特定実施例および/または図面に説明されたA構成と異なる実施例および/または図面に説明されたB構成が結合され得ることを意味する。すなわち、構成間の結合に対して直接的に説明していない場合であっても、結合が不可能であると説明した場合を除いては結合が可能であることを意味する。
【0162】
前記の詳細な説明はすべての面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものと考慮されるべきである。本明細書の範囲は添付された請求項の合理的解釈によって決定されるべきであり、本明細書の等価的範囲内でのすべての変更は本明細書の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0163】
100:電磁波発生装置
110:ハウジング
111:照射部
120:電界放出組立体
121:エミッタ
121a:前端
121b:前方部
122:ホルダ
1221:固定部
1222:ベース部
1223:固定ホール
123:結合部材
130:ゲート電極
140:集束部
150:アノード
【要約】
【課題】新規な電界放出組立体および電磁波発生装置を提供すること。
【解決手段】本明細書の一側面(aspect)に係る電界放出組立体は、炭素ナノチューブ繊維を含み、電子を放出する線形のエミッタと、前記エミッタを固定するホルダを含み、前記エミッタは両終端が前記ホルダに固定され、電子放出方向に山(peak)が形成されるように曲がった部分および前記電子放出方向に山が形成されるように折り曲げられた部分のうち少なくともいずれか一つを含む。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15