(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】全固体用二次電池高温加圧システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/058 20100101AFI20240409BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240409BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20240409BHJP
【FI】
H01M10/058
H01M10/052
H01M10/0562
(21)【出願番号】P 2022186626
(22)【出願日】2022-11-22
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0004393
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522457128
【氏名又は名称】ハナ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オー、テ ボン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ソウク ウー
(72)【発明者】
【氏名】クォン、オー チュル
【審査官】福井 晃三
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-034002(JP,A)
【文献】特開2020-092007(JP,A)
【文献】国際公開第2012/164723(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/168959(US,A1)
【文献】国際公開第2012/160661(WO,A1)
【文献】特開2010-198933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05-10/0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスケットを前後方向に沿って移送させる移送部と、
内部空間に全固体用二次電池を収容するバスケットと、
一側が加圧チャンバ部と連結されて前記加圧チャンバ部の内部空間へ側方移動する或いは待機位置へ逆方向移動し、前記移送部によってバスケットが投入される入口部、及び前記投入されたバスケットを排出する出口部を有するベッセルと、
前記ベッセルが投入されるように内部空間を有する加圧チャンバ部と、
液体類圧力伝達用媒質を貯蔵する貯蔵タンクと、
一端が貯蔵タンクに連結され、他端が加圧チャンバ部に連結される配管部と、を含む、全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項2】
前記加圧チャンバ部は、
前記投入されたベッセルの入口部を開閉する第1蓋部と、
前記投入されたベッセルの出口部を開閉する第2蓋部と、を含む、請求項1に記載の全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項3】
前記加圧チャンバ部は、
前記液体類圧力伝達用媒質が前記加圧チャンバ部の内部空間に供給及び排出されるようにする第1貫通孔と、
前記液体類圧力伝達用媒質が前記加圧チャンバ部の内部空間から供給及び排出されるようにする第2貫通孔と、をさらに含み、
前記配管部は、
一端が貯蔵タンクと連通し、他端が第1貫通孔と連通する第1配管と、
一端が貯蔵タンクと連通し、他端が第2貫通孔と連通する第2配管と、を含む、請求項2に記載の全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項4】
前記第1配管の一側には、
前記加圧チャンバ部の内部空間への流体供給及び前記加圧チャンバ部からの流体排出のためのポンプが設けられ、
前記第2配管の一側には、
加圧工程時に前記加圧チャンバ部の内部空間を増圧させる増圧ポンプが設けられる、請求項3に記載の全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項5】
前記加圧チャンバ部は、
前記加圧チャンバ部の内部に設置されることにより、前記貯蔵タンクから投入される媒質に熱を伝達する第1ヒーティングブロックをさらに含む、請求項2に記載の全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項6】
前記加圧チャンバ部は、
加圧工程の終了後に残留媒質が排出される貫通孔である流体流動孔をさらに含み、
前記配管部は、
一端が貯蔵タンクと連通し、他端が流体流動孔と連通する残留物排出部をさらに含む、請求項3に記載の全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項7】
前記貯蔵タンクは、
前記貯蔵タンクの一側に設置され、貯蔵された媒質に熱を伝達する第2ヒーティングブロックを含む、請求項5に記載の全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項8】
前記第1配管と第2配管は、
前記貯蔵タンクと連通する共通配管から分岐し、
前記配管部は、
一側の外面上のヒーティングジャケットをさらに含む、請求項3に記載の全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項9】
バスケットを前後方向に沿って移送させ、加圧チャンバ部を基準として左右側に第1移送部と第2移送部をそれぞれ含む移送部;
内部空間に全固体用二次電池が投入され、前記第1移送部上の第1バスケットと前記第2移送部上の第2バスケットを含むバスケット;
一側が加圧チャンバ部と連結され、前記加圧チャンバ部の内部空間に側方移動する或いは逆方向移動し、前記第1バスケットが投入される、前記加圧チャンバ部の左側の第1ベッセルと、第2バスケットが投入される、前記加圧チャンバ部の右側の第2ベッセルとを含むベッセル;
投入された第1ベッセル又は第2ベッセルが投入される内部空間を有する加圧チャンバ部;
液体類圧力伝達用媒質を貯蔵する貯蔵タンク;及び
一端が貯蔵タンクと連結され、他端が加圧チャンバ部と連結される配管構成である配管部;を含む、全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項10】
前記第1ベッセル及び第2ベッセルは、
選択的に前記加圧チャンバ部の内部空間に投入され、
前記加圧チャンバ部から第1ベッセル及び第2ベッセルのうちのいずれか一つが排出されるとき、前記第1ベッセル及び第2ベッセルのうちの残りの1つが前記加圧チャンバ部の内部空間に投入される、請求項9に記載の全固体用二次電池高温加圧システム。
【請求項11】
バスケットを前後方向に沿って移送させ、加圧チャンバ部を基準として左右側に第1移送部と第2移送部をそれぞれ含む移送部;内部空間に全固体用二次電池が投入され、前記第1移送部上の第1バスケットと前記第2移送部上の第2バスケットとを含むバスケット;一側が加圧チャンバ部と連結されて前記加圧チャンバ部の内部空間へ側方移動する或いは逆方向移動し、前記第1バスケットが投入される、前記加圧チャンバ部の左側の第1ベッセルと、第2バスケットが投入される、前記加圧チャンバ部の右側の第2ベッセルとを含むベッセル;投入された第1ベッセル又は第2ベッセルが配置される内部空間を有する加圧チャンバ部;液体類圧力伝達用媒質を貯蔵する貯蔵タンク;及び一端が貯蔵タンクに連結され、他端が加圧チャンバ部に連結される配管構成である配管部;を含み、
内側に全固体用二次電池が配置された第1バスケットが、第1移送部を介して待機位置にある前記第1ベッセルの内部空間に挿入されるステップと、
内側に全固体用二次電池が配置された第2バスケットが、第2移送部を介して待機位置にある第2ベッセルの入口部を介して前記第2ベッセルの内部空間に挿入されるステップと、を含む、全固体用二次電池高温加圧方法。
【請求項12】
前記加圧チャンバ部は、
前記投入された第1ベッセルの入口部を開閉する第1蓋部と、前記投入されたベッセルの出口部を開閉する第2蓋部と、を含み、
前記第1ベッセルが加圧チャンバ部の内部空間に投入されるステップと
、
前記第1蓋部が第1ベッセルの入口部を密閉し
、前記第2蓋部が第1ベッセルの出口部を密閉するステップと、
前記貯蔵タンク内の液体類媒質が配管部を介して加圧チャンバ部の内部空間へ供給されるステップと、
前記第1バスケット内の全固体用二次電池が加圧されるステップと、をさらに含む、請求項11に記載の全固体用二次電池高温加圧方法。
【請求項13】
前記全固体用二次電池に対する加圧の完了後に、前記加圧チャンバ部の内部空間の媒質を配管部を介して貯蔵タンクへ排出するステップと
、
前記第1蓋部が入口部を開放し
、前記第2蓋部が出口部を開放するステップと、
前記第1ベッセルが待機位置に戻るステップと、をさらに含む、請求項12に記載の全固体用二次電池高温加圧方法。
【請求項14】
前記第1ベッセルの内部空間から第1バスケットが第1移送部側へ排出されるステップと、
第2ベッセルが加圧チャンバ部の内部空間に投入されるステップと、をさらに含む、請求項13に記載の全固体用二次電池高温加圧方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体用二次電池高温加圧システム1及び方法に関し、より詳細には、 固体電解質と活物質との接触界面の極大化及び界面抵抗の最小化のための高温加圧工程が行われる加圧チャンバ部40の左右両側一対の移送部10側に、二次電池の収容されたバスケット20が投入された状態で前記加圧チャンバ部40の内部空間に投入される或いは内部空間から排出されるベッセル(Vessel)30をそれぞれ形成して、高温加圧工程の終了後、いずれか一つのベッセル30が加圧チャンバ部40から排出され次第に残りのベッセル30がチャンバ部40の内部空間に投入されるようにすることにより、タクトタイム(Tact Time)の短縮による工程効率の向上を図るようにする全固体用二次電池高温加圧システム1及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返し充放電が可能な高性能バッテリーである二次電池に関する研究が盛んに行われている。現在市販されている二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、これらの中でも、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど発生しないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという利点により脚光を浴びている。
【0003】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板とがセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収納する外装材であるポーチと、を備える。
【0004】
その中でも、全固体用二次電池は、主要素材がすべて固体からなる二次電池であって、固体電解質を使用することにより火災及び爆発の危険が著しく減少して活用範囲が広くなり、性能が格段に優れるにも拘らず、火災及び爆発の危険により活用できなかったリチウム金属を負極材として使用可能であって、エネルギー密度を飛躍的に高めることができる。これらの利点により、現在全固体用二次電池に関する開発が盛んに行われている状態である。
【0005】
このような全固体用二次電池における固体電解質は、イオンが固体格子の間で移動するので、活物質と電解質との接触界面を最大化しながらも界面抵抗を最小化しなければならない。このために、固体電解質層を積層した後など、水圧プレス装備で圧力を加える方式で製作されてきたが、当該方式の全固体用二次電池は量産に適さないという問題点がある。
【0006】
かかる問題点を解決するために、本発明の発明者は、改善された構造/方式を有する新規の全固体用二次電池高温加圧システムを提示し、詳細な内容は後述する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0069523号公報「全固体二次電池及び全固体二次電池の製造方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、内部にバスケットが投入されたベッセルが側方移動して加圧チャンバ部の内部空間で高温加圧工程が行われるようにすることにより、全固体用二次電池の接触界面の最大化及び界面抵抗の最小化を可能にする全固体用二次電池高温加圧システム及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、一対のベッセルが左右両側に形成されることにより、いずれか一方のベッセルに対する加圧工程の終了後に加圧チャンバ部の内部空間から排出されて待機位置に戻ると、待機中の残りのベッセルが前記加圧チャンバ部の内部空間に直ちに投入されるようにすることにより、工程時間の短縮及びそれによる工程効率の上昇を図るようにする全固体用二次電池高温加圧システム及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、加圧チャンバ部の一側に第1ヒーティングブロックを形成することにより、前記加圧チャンバ部の内部空間への圧力伝達媒質の供給時に前記媒質の熱損失を最小限に抑えるようにする全固体用二次電池高温加圧システム及び方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、圧力伝達媒質を貯蔵する貯蔵タンクの一側にも第2ヒーティングブロックを形成することにより、前記媒質が高温を維持した状態で加圧チャンバ部側へ供給されて工程効率の上昇を図るようにする全固体用二次電池高温加圧システム及び方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、配管部の外面又は外周面上にヒーティングジャケットを形成することにより、圧力伝達媒質が貯蔵タンクから加圧チャンバ部側へ流動するときに発生可能な熱損失を最小限に抑えるようにする全固体用二次電池高温加圧システム及び方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、残留物排出部が第2連通孔を介して加圧チャンバ部の内部空間と連通するようにすることにより、加圧工程後に前記内部空間に残留する媒質が容易に排出されるようにする全固体用二次電池高温加圧システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明は、次の構成を有する実施形態によって実現できる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムは、バスケットを前後方向に沿って移送させる移送部と、内部空間に全固体用二次電池を収容するバスケットと、一側が加圧チャンバ部と連結されて前記加圧チャンバ部の内部空間へ側方移動する或いは待機位置へ逆方向移動し、前記移送部によってバスケットが投入される入口部、及び前記投入されたバスケットを排出する出口部を有するベッセルと、前記ベッセルが投入されるように内部空間を有する加圧チャンバ部と、液体類圧力伝達用媒質を貯蔵する貯蔵タンクと、一端が貯蔵タンクに連結され、他端が加圧チャンバ部に連結される配管部と、を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の他の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムにおける前記加圧チャンバ部は、前記投入されたベッセルの入口部を開閉する第1蓋部と、前記投入されたベッセルの出口部を開閉する第2蓋部と、を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムにおける前記加圧チャンバ部は、前記媒質が前記加圧チャンバ部の内部空間へ供給及び排出されるようにする第1貫通孔と、前記媒質が前記加圧チャンバ部の内部空間から供給及び排出されるようにする第2貫通孔と、をさらに含み、前記配管部は、一端が貯蔵タンクと連通し、他端が第1貫通孔と連通する第1配管と、一端が貯蔵タンクと連通し、他端が第2貫通孔と連通する第2配管と、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムにおける前記第1配管の一側には、前記加圧チャンバ部の内部空間への流体供給及び前記加圧チャンバ部からの流体排出のためのポンプが設けられ、前記第2配管の一側には、加圧工程時に前記加圧チャンバ部の内部空間を増圧させる増圧ポンプが設けられることを特徴とする。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムにおける前記加圧チャンバ部は、前記加圧チャンバ部の内部に設置され、前記貯蔵タンクから投入される媒質に熱を伝達する第1ヒーティングブロックをさらに含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムにおける加圧チャンバ部は、加圧工程の終了後に残留媒質が排出される貫通孔である流体流動孔をさらに含み、前記配管部は、一端が貯蔵タンクと連通し、他端が流体流動孔と連通する残留物排出部をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムにおける前記貯蔵タンクは、前記貯蔵タンクの一側に設置され、貯蔵された媒質に熱を伝達する第2ヒーティングブロックを含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムにおける前記第1配管と第2配管は、前記貯蔵タンクと連通する共通配管から分岐し、前記配管部は、一側の外面上のヒーティングジャケットをさらに含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムは、バスケットを前後方向に沿って移送させ、加圧チャンバ部を基準として左右側に第1移送部と第2移送部をそれぞれ含む移送部;内部空間に全固体用二次電池が投入され、前記第1移送部上の第1バスケットと第2移送部上の第2バスケットを含むバスケット;一側が加圧チャンバ部に連結され、前記加圧チャンバ部の内部空間に側方移動する或いは逆方向移動し、前記第1バスケットが投入される、前記加圧チャンバ部の左側の第1ベッセルと、第2バスケットが投入される、前記加圧チャンバ部の右側の第2ベッセルとを含むベッセル;投入された第1ベッセル又は第2ベッセルが配置される内部空間を有する加圧チャンバ部;液体類圧力伝達用媒質を貯蔵する貯蔵タンク;及び一端が貯蔵タンクに連結され、他端が加圧チャンバ部に連結される配管構成である配管部;を含むことを特徴とする。
【0024】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧システムにおける前記第1ベッセル及び第2ベッセルは、選択的に前記加圧チャンバ部の内部空間に投入され、前記加圧チャンバ部から第1ベッセル及び第2ベッセルのうちのいずれか一つが排出されるとき、残りの1つが前記加圧チャンバ部の内部空間に投入されることを特徴とする。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧方法は、バスケットを前後方向に沿って移送させ、加圧チャンバ部を基準として左右側に第1移送部と第2移送部をそれぞれ含む移送部;内部空間に全固体用二次電池が投入され、前記第1移送部上の第1バスケットと前記第2移送部上の第2バスケットとを含むバスケット;一側が加圧チャンバ部と連結されて前記加圧チャンバ部の内部空間に側方移動する或いは逆方向移動し、前記第1バスケットが投入される、前記加圧チャンバ部の左側の第1ベッセルと、第2バスケットが投入される、前記加圧チャンバ部の右側の第2ベッセルとを含むベッセル;投入された第1ベッセル又は第2ベッセルが配置される内部空間を有する加圧チャンバ部;液体類圧力伝達用媒質を貯蔵する貯蔵タンク;及び一端が貯蔵タンクに連結され、他端が加圧チャンバ部に連結される配管構成である配管部;を含み、内部に全固体用二次電池が配置された第1バスケットが、第1移送部を介して、待機位置にある前記第1ベッセルの内部空間に挿入されるステップと、内側に全固体用二次電池が配置された第2バスケットが、第2移送部を介して、待機位置にある第2ベッセルの入口部を介して前記第2ベッセルの内部空間に挿入されるステップと、を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明の他の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧方法における前記加圧チャンバ部は、前記投入された第1ベッセルの入口部を開閉する第1蓋部と、前記投入されたベッセルの出口部を開閉する第2蓋部と、を含み、前記第1ベッセルが加圧チャンバ部の内部空間に投入されるステップと、前記第1カバー部が第1ベッセルの入口部を密閉し、前記第2カバー部が第1ベッセルの出口部を密閉するステップと、前記貯蔵タンク内の液体類媒質が配管部を介して加圧チャンバ部の内部空間へ供給されるステップと、前記第1バスケット内の全固体用二次電池が加圧されるステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧方法は、前記全固体用二次電池に対する加圧の完了後に、前記加圧チャンバ部の内部空間の媒質を配管部を介して貯蔵タンクへ排出するステップと、前記第1カバー部が入口部を開放し、前記第2カバー部が出口部を開放するステップと、前記第1ベッセルが待機位置に戻るステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による全固体用二次電池加圧方法は、前記第1ベッセルの内部空間から第1バスケットが第1移送部側へ排出されるステップと、第2ベッセルが加圧チャンバ部の内部空間に投入されるステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、上述した構成によって次の効果を有する。
【0030】
本発明は、内部にバスケットが投入されたベッセルが側方移動して加圧チャンバ部の内部空間で高温加圧工程が行われるようにすることにより、全固体用二次電池の接触界面の最大化及び界面抵抗の最小化を可能にするという効果がある。
【0031】
また、本発明は、一対のベッセルが左右両側に形成されることにより、いずれか一方のベッセルに対する加圧工程の終了後に加圧チャンバ部の内部空間から排出されて待機位置に戻ると、待機中の残りのベッセルが前記加圧チャンバ部の内部空間へ直ちに投入されるようにすることにより、工程時間の短縮及びそれによる工程効率の上昇を図るようにするという効果がある。
【0032】
また、本発明は、加圧チャンバ部の一側に第1ヒーティングブロックを形成することにより、前記加圧チャンバ部の内部空間への圧力伝達媒質の供給時に前記媒質の熱損失を最小限に抑えるようにするという効果がある。
【0033】
また、本発明は、圧力伝達媒質を貯蔵する貯蔵タンクの一側にも第2ヒーティングブロックを形成することにより、前記媒質が高温を維持した状態で加圧チャンバ部側に供給されて工程効率の上昇を図るようにするという効果がある。
【0034】
また、本発明は、配管部の外面又は外周面上にヒーティングジャケットを形成することにより、圧力伝達媒質が貯蔵タンクから加圧チャンバ部側へ流れるときに発生可能な熱損失を最小限に抑えるようにするという効果がある。
【0035】
また、本発明は、残留物排出部を第2連通孔を介して加圧チャンバ部の内部空間と連通するようにすることにより、加圧工程後に前記内部空間に残留する媒質が容易に排出されるようにするという効果がある。
【0036】
一方、ここで明示的に言及されていない効果であっても、本発明の技術的特徴によって期待される、以下の明細書に記載された効果及びその暫定的な効果は、本発明の明細書に記載されているように扱われることを付け加える。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の一実施形態による全固体用二次電池加圧システムの全体的な概念図である。
【
図2】
図1による全固体用バスケットの斜視図である。
【
図3】
図1による加圧チャンバ部の概略参考図である。
【
図5】本発明の一実施形態による全固体用二次電池高温加圧方法を説明するための参考図である。
【
図6】本発明の一実施形態による全固体用二次電池高温加圧方法を説明するための参考図である。
【
図7】本発明の一実施形態による全固体用二次電池高温加圧方法を説明するための参考図である。
【
図8】本発明の一実施形態による全固体用二次電池高温加圧方法を説明するための参考図である。
【
図9】本発明の一実施形態による全固体用二次電池高温加圧方法を説明するための参考図である。
【
図10】本発明の一実施形態による全固体用二次電池高温加圧方法を説明するための参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照してさらに詳細に説明する。本発明の実施形態は様々な形態に変形することができ、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されるものと解釈されてはならず、特許請求の範囲に記載された事項に基づいて解釈されるべきである。また、本実施形態は、当該分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために参考として提供されるものに過ぎない。
【0039】
本明細書で使用されているように、単数形は、文脈上異なる場合を明らかに指摘するものではない限り、複数形を含むことができる。また、本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」及び/又は「含む(comprising」は、言及した形状、数字、ステップ、動作、部材、要素、及び/又はこれらのグループの存在を特定するものであり、1つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素、及び/又はグループの存在又は付加を排除するものではない。
【0040】
以下では、ある構成要素(又は層)が他の構成要素(又は層)上に配置されると説明される場合、ある構成要素が他の構成要素上に直接配置されることもあり、或いは当該構成要素の間に別の構成要素又は層が介在することもあることに留意すべきである。また、ある構成要素が他の構成要素上に直接配置されると表現される場合、当該構成要素の間に別の構成要素が位置しない。また、ある構成要素の「上」、「上部」、「下部」、「上側」、「下側」、 「一側」又は「側面」に位置するというのは、相対的な位置関係を意味するものである。
【0041】
以下では、バスケットの移送方向(又は移送部の延長方向)が前後方向であることを基準に説明すると理解する。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態による全固体用二次電池加圧システムの全体的な概念図である。
【0043】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による全固体用二次電池高温加圧システム1について詳細に説明する。
【0044】
図1を参照すると、本発明は、全固体用二次電池高温加圧システム1及び方法に関し、より詳しくは、固体電解質と活物質との接触界面の極大化及び界面抵抗の最小化のための高温加圧工程が行われる加圧チャンバ部40の左右両側一対の移送部10側に、二次電池の収容されたバスケット20が投入された状態で前記加圧チャンバ部40の内部空間に投入される或いは内部空間から排出されるベッセル(Vessel)30をそれぞれ形成して、高温加圧工程の終了後、いずれか一つのベッセル30が加圧チャンバ部40から排出され次第に残りのベッセル30がチャンバ部40の内部空間に投入されるようにすることにより、タクトタイム(Tact Time)の短縮による工程効率の向上を図るようにする全固体用二次電池高温加圧システム1及び方法に関する。
【0045】
このために、前記加圧システム1は、移送部10、バスケット20、ベッセル30、加圧チャンバ部40、貯蔵タンク50及び配管部60を含むことができる。
【0046】
移送部10は、全固体用二次電池Sの収容されたバスケット20が加圧チャンバ部40の一側面(又はベッセル30の待機位置)と隣接する側に移送されるようにする構成であり、例えばコンベヤー構成であってもよく、これに限定されるものではない。
【0047】
前記移送部10は、加圧チャンバ部40を基準として両側面に一対が形成されていることが好ましく、説明の便宜上、前記加圧チャンバ部40の一側面と隣接する移送部を第1移送部110と呼び、他側面と隣接する移送部を第2移送部130と呼ぶ。以下で詳細に説明するが、第1移送部110と第2移送部130とを介して、一対のバスケット20が対応するベッセル30の待機位置へそれぞれ移送されることができる。前記移送部10は、待機位置にあるそれぞれのベッセル30の入口部まで前後方向に沿って延び、個別のベッセル30の出口部から再び前後方向に沿って延びることができる。
【0048】
すなわち、個別の第1移送部110と第2移送部130とは、一対のベッセル30の待機位置と対応する側では切れているように形成されることが好ましい。すなわち、第1移送部110を基準に説明すると、前記第1移送部110は、待機位置における第1ベッセル310の入口部までのみ延び、前記第1ベッセル310の出口部から再び延びるように形成できる。ただし、本発明の範囲は、これに限定されるものではない。
【0049】
図2は、
図1による全固体用バスケットの斜視図である。
【0050】
図1及び
図2を参照すると、バスケット20は、内部に全固体用二次電池Sを収容した状態で、移送部10によって、隣接するベッセル30の内部空間に収容される構成である。前記バスケット20は、第1移送部110上の第1バスケット210と、第2移送部130上の第2バスケット230とを含むことができる。さらに、個別のバスケット210、230は、例えば、その外面が略円筒形に形成されるが、一側に二次電池Sが投入されるようにするための開放領域211、231を含むことができる。前記開放領域211、231は、例えばバスケット20の前面及び背面に形成できる。
【0051】
また、前記バスケット210、230には、その外面又は外周面に多数の貫通孔213、233が形成され、後述する圧力伝達媒質である流体が内部空間に流入して二次電池Sを高温加圧するようにすることが好ましい。前記バスケット210、230の内部空間には、異なる高さに形成される多数の二次電池Sの着座板215、235が形成されることにより、一度に複数の二次電池Sが内部空間に積層される構造で収容されるようにすることが好ましい。また、全固体用二次電池Sをバスケット20の内部空間へ供給する過程は、作業者の手作業によって、又はロボットアーム(図示せず)などの自動工程によって行われることができ、これに別途の制限があるものではない。
【0052】
図3は、
図1による加圧チャンバ部に対する概略参考図であり、
図4は、ベッセルが投入された加圧チャンバ部に対する水平断面図である。
【0053】
図1及び
図4を参照すると、ベッセル30は、一側が加圧チャンバ部40と連結されて前記加圧チャンバ部40の内部空間へ側方移動するか或いは逆方向移動し、前後方向に形成される貫通孔に沿って近接するバスケット20が挿入されるようにする構成である。前記ベッセル30は、第1移送部110側に形成される第1ベッセル310と、第2移送部130側に形成される第2ベッセル330とを含むことができる。このようなベッセル310、330は、例えば加圧チャンバ部40の内部空間と、例えばレールRの構成によって互いに連結されて前記レールR上で側方移動するようにすることが好ましい。すなわち、個別のベッセル30は、対応する移送部10と連結されるように待機位置にあるか、或いは側方移動を介して加圧チャンバ部40の内部空間に位置することができる。
【0054】
また、個別のベッセル310、330は、前面には入口部311、331が形成され、背面には出口部313、333が形成され得る。例えば、第1バスケット210は、第1移送部110の駆動によって、待機位置にある第1ベッセル310の入口部311を介して前記第1ベッセル310の内部空間へ投入できる。その後、前記第1ベッセル310は、レールR上で加圧チャンバ部40の内部空間へ投入されて全固体用二次電池Sに対する高温加圧工程が行われるようにすることができる。
【0055】
その後、工程が終了すると、第1ベッセル310は、再び加圧チャンバ部40の外側へ側方移動して再び待機位置に戻り、前記第1ベッセル310内の第1バスケット210は、出口部313から排出されて第1移送部110に沿って移送されることができる。前記入口部311、331と出口部313、333とは、貫通孔によって互いに連通し、前記貫通孔は、個別のバスケット210、230と対応する垂直断面形状を持つように形成されることが好ましい。また、入口部311、331と出口部313、333は、第1及び第2ベッセル310、330とはその断面積サイズが実質的に同じか或いはそれより少し大きく形成できる。
【0056】
図1、
図3及び
図4を参照すると、加圧チャンバ部40は、内部空間へ供給される第1ベッセル310又は第2ベッセル330の入口部311、333と出口部313、333をカバーした状態で、供給される圧力伝達媒質としての流体(例えば、液体)を介して、前記第1ベッセル310又は第2ベッセル330内に収容された全固体用二次電池Sが高温加圧されるようにする構成である。
【0057】
上述したように、前記加圧チャンバ部40の内部空間は、レールRと連結されて前記ベッセル30が挿入及び排出されるようにすることができる。したがって、前記加圧チャンバ部40の内部空間は、ベッセル30が挿入されるのに適したサイズに形成できる。また、前記加圧チャンバ部40は、第1ベッセル310が挿入される第1側面と、第2ベッセル330が挿入される第2側面とが全て開放された側を有するように形成できる。
【0058】
このために、前記加圧チャンバ部40は、第1ヒーティングブロック410、第1蓋部330、第2蓋部450、流体流動孔470及び残留流体排出孔490を含むことができる。
【0059】
第1ヒーティングブロック410は、加圧チャンバ部40の内部空間上に設置され、圧力伝達用媒質である流体(例えば、液体)に高温の熱を伝達する構成である。前記第1ヒーティングブロック410は、例えば、投入されたベッセル30の外周面を包み込む形態であり、その内部を介して熱伝達用流体が流れることにより、ベッセル30の内側へ熱を伝達することができるが、これに別途の制限があるものではなく、加圧チャンバ部40の内側へ供給される圧力伝達媒質である流体に熱エネルギーを伝達することができる、公知された又は公知される任意の構成であればよい。上記の例示の場合、第1ヒーティングブロック410内に流体を供給するための別個の供給装置(図示せず)が前記第1ヒーティングブロック410の一側と連結されることができる。
【0060】
第1蓋部430は、投入されたベッセル310又は330の入口部311、331を開閉する構成であって、所定の距離前後方向に往復運動可能に設計できる。例えば、第1蓋部430は、例えば、油空圧シリンダ(図示せず)などの駆動手段に連結されて往復運動可能であるが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。また、第1蓋部430は、入口部311、331に挿入される側断面形状が前記入口部311、331と相補的な形状に形成できる。
【0061】
第2蓋部450は、投入されたベッセル310又は330の出口部313、333を開閉する構成であって、所定の距離前後方向に往復運動可能に設計できる。前記第2蓋部450は、第1蓋部430と実質的に同じ形状に形成され、同じ方式で往復運動することができ、その詳細な説明は省略する。
【0062】
流体流動孔470は、圧力伝達用媒質である流体が流れる経路である貫通孔の構成であって、加圧チャンバ部40の一側に形成できる。前記流体流動孔470は、加圧チャンバ部40の内部空間に流体が供給される側である第1貫通孔471と、高温加圧工程の終了後に流体が排出される側である第2貫通孔473と、を含むことができる。別途の制限があるのではないが、前記第1貫通孔471は第1蓋部430及び第2蓋部450のうちのいずれか一つに形成され、第2貫通孔473は残りの一つに形成されることが好ましい。前記第1貫通孔471は後述する第1配管610に連結され、第2貫通孔473は第2配管630に連結され得る。
【0063】
図1を参照すると、残留流体排出孔490は、加圧チャンバ部40の内部空間に形成され、第1ベッセル310及び第2ベッセル330のうちのいずれか一つに対する加圧工程の終了後、第2貫通孔473を介して流体が抜け出した後に、前記内部空間に残留する流体がチャンバ部40の外部へ排出されるようにする貫通孔の構成である。このために、前記残留流体排出孔490は、加圧チャンバ部40の内部空間の底部に形成され、残留流体が自然に外部へ排出されるようにすることが好ましい。前記残留流体排出孔490は、後述する残留物排出部650に連結されることができる。
【0064】
図1を参照すると、貯蔵タンク50は、圧力伝達用媒質である流体を貯蔵した状態で加圧チャンバ部40の内部空間へ前記流体を供給する構成である。前記貯蔵タンク50は、流体を貯留する内部空間が第1配管610、第2配管630及び残留物排出部650と連通することができる。したがって、貯蔵タンク50は、流体を貯蔵した状態で、加圧工程の際に第1配管610及び第2配管630を介して加圧チャンバ部40へ供給し、加圧工程後に前記配管610、630を介して再び加圧チャンバ部40内の流体の供給を受ける。そして、前記加圧チャンバ部40から加圧工程済みのベッセル310又は330が排出されると、前記チャンバ部40の内部空間に残留する流体の伝達を残留物排出部650を介して受ける。
【0065】
前記貯蔵タンク50が貯蔵する流体は、液体類であることが好ましく、例えば、水又は、公知された又は公知される様々な熱媒体油のうちの少なくとも1つを含むことができ、これに別途の制限があるものではない。一般に、熱媒体油が水よりも相対的に高い使用温度を有するので、高温及び高圧に有利な熱媒体油を使用することが好ましい。また、前記貯蔵タンク50上には、第1配管610及び第2配管630と連通する第1連通孔510、及び残留物排出部650と連通する第2連通孔530がそれぞれ異なる位置に形成されることができる。
【0066】
また、前記貯蔵タンク50は、一側に第2ヒーティングブロック550を備えて、流体に高温の熱を伝達することが好ましい。一般に、全固体用二次電池Sにおける固体電解質は、イオンが固体格子の間で移動するので、活物質と電解質との接触界面を最大化しながらも界面抵抗を最小限に抑えなければならず、これにより高温/高圧の加圧工程を行わなければならない。このために、前記貯蔵タンク50は、加圧チャンバ部40に流体が高温の状態で供給されるようにするために第2ヒーティングブロック550を備えることが好ましい。前記第2ヒーティングブロック550は、第1ヒーティングブロック410と実質的に同じ構造で形成でき、これについての詳細な説明は省略する。
【0067】
配管部60は、一端が貯蔵タンク50に連結され、他端が加圧チャンバ部40に連結されることにより、両構成の間における流体の供給及び排出経路を提供する構成である。このために、前記配管部60は、第1配管610、第2配管630、残留物排出部650、ヒーティングジャケット670及び共通配管690を含むことができる。
【0068】
第1配管610は、一端が第1連通孔510と連通し、他端が第1貫通孔471と連通して、貯蔵タンク50に貯蔵された流体が加圧チャンバ部40の内部空間へ供給されるように、或いは逆方向に流れるように流路を提供する配管構成である。前記第1配管610の一側には、加圧チャンバ部40への流体供給又は前記加圧チャンバ部40からの流体排出のためのプレフィル(Pre-Fill)ポンプ611が形成できる。前記第1配管610は、第2配管630との共通配管690から互いに分岐することができ、共通配管690が第1連通孔510と連結される。
【0069】
第2配管630は、一端が第1連通孔510と連結され、他端が第2貫通孔473と連結されることにより、加圧チャンバ部40の内部空間に投入された流体が貯蔵タンク50へ再供給されるように或いは逆方向に流れるように流路を提供する配管構成である。前記第2配管630の一側には、増圧ポンプ(Intensifier Pump)631が形成できる。第1配管610及び第2配管630を介して加圧チャンバ部40の内部空間への流体供給が完了すると、増圧ポンプ631を介して前記加圧チャンバ部40の内部空間を増圧させることができる。前記第2配管630は、第1配管610の共通配管690から互いに分岐することができ、共通配管690が第1連通孔510と連結される。
【0070】
前記配管構成である第1配管610及び/又は第2配管630の外面には、流動中の流体に対する熱損失を最小限に抑えるためのヒーティングジャケット670が形成できる。前記ヒーティングジャケット670は、共通配管690側に、さらに第1及び第2配管610、630側に形成でき、これに別途の制限があるものではない。前記ヒーティングジャケット670は、配管の外面上に形成される、公知された又は公知される対応構成のうちの任意のものであってもよく、これに別途の制限があるものではない。
【0071】
残留物排出部650は、一端が第2連通孔530と連結され、他端が残留流体排出孔490と連結されることにより、高温加圧工程の終了後に、加圧チャンバ部40内に残留する流体が貯蔵タンク50側へ流れるように流路を提供する配管構成である。
【0072】
図5から
図10は、本発明の一実施形態による全固体用二次電池高温加圧方法を説明するための参考図である。
【0073】
以下では、添付図面を参照して本発明の一実施形態による全固体用二次電池加圧方法について詳細に説明する。
【0074】
図5を参照すると、内側に全固体用二次電池Sが配置された第1バスケット210が第1移送部110の駆動によって、待機中の第1ベッセル310の入口部311を介して前記第1ベッセル310の内部空間へ挿入される。このとき、第2移送部130上の第2バスケット230は、初期位置で待機中であってもよく、第2ベッセル330の内部空間に挿入されてもよいが、工程効率上、後者であることが好ましい。
【0075】
その後、
図6を参照すると、前記第1ベッセル310は、例えばレールRを介して加圧チャンバ部40の内部空間へ側方移動する。そして、前記第1ベッセル310の移動完了後、第1蓋部430が入口部311を密閉し、第2蓋部450が出口部313を密閉する(
図4参照)。
【0076】
その後、
図7を参照すると、ポンプ611の動作で、貯蔵タンク50内の液体類圧力伝達媒質が共通配管690から第1配管610と第2配管630を介して加圧チャンバ部40の内部空間に供給される。このとき、第1バスケット210は、外面に多数の貫通孔313が形成されているので、全固体用二次電池Sが圧力伝達媒質に浸漬された形態で置かれることができる。
【0077】
その後、
図8を参照すると、増圧ポンプ631の動作によって、加圧チャンバ部40の内部空間を増圧させる。このとき、圧力伝達媒質は、第1ヒーティングブロック410の動作によって高温状態を維持して熱損失を最大化することにより、全固体用二次電池Sに対する高温加圧工程を行うことができる。
【0078】
工程終了後、
図9を参照すると、ポンプ611の動作で、加圧チャンバ部40の内部空間の圧力伝達媒質が第1配管610と第2配管630を介して貯蔵タンク50に向かって流れる。そして、
図10を参照すると、第1蓋部430及び第2蓋部450がそれぞれ入口部311及び出口部313を開放し、第1ベッセル310は、レールRを介して加圧チャンバ部40の内部空間から第1移送部110と隣接する待機位置へ排出される。このとき、加圧チャンバ部40内から未だ抜け出していない液体類媒質は、残留物排出部650を介して流れることができる。
【0079】
以後、前記第1ベッセル310は、第1バスケット210を第1移送部110側へ排出する。そして、第2移送部130を介して第2バスケット230が挿入された状態で待機中の第2ベッセル330は、加圧用チャンバ40の内部空間へ移動し、前述したステップを再び繰り返し行う。
【0080】
このように第1ベッセル310内の二次電池Sに対する加圧工程中に、第2ベッセル330が、第2バスケット230が挿入された状態で待機中の状態を維持するので、再び第1バスケット210が第1ベッセル310内に挿入される工程時間だけ短縮して工程効率を上昇させることができる。
【0081】
以上の詳細な説明は、本発明を例示するものである。また、前述した内容は、本発明の好適な実施形態を示して説明するものであり、本発明は、多様な他の組み合わせ、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、開示内容と均等な範囲、及び/又は当業分野における技術又は知識の範囲内で変更及び修正が可能である。前述した実施形態は、本発明の技術的思想を実現するための最善の状態を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。よって、以上の発明の詳細な説明は、開示された実施状態に本発明を制限しようとするものではない。
【符号の説明】
【0082】
1 全固体用二次電池高温加圧システム
10 移送部
110 第1移送部
130 第2移送部
20 バスケット
210 第1バスケット
211 開放領域
213 貫通孔
215 着座板
230 第2バスケット
231 開放領域
233 貫通孔
235 着座板
30 ベッセル
310 第1ベッセル
311 入口部
313 出口部
330 第2ベッセル
331 入口部
333 出口部
40 加圧チャンバ部
410 第1ヒーティングブロック
430 第1蓋部
450 第2蓋部
470 流体流動孔
471 第1貫通孔
473 第2貫通孔
490 残留流体排出孔
50 貯蔵タンク
510 第1連通孔
530 第2連通孔
550 第2ヒーティングブロック
60 配管部
610 第1配管
630 第2配管
650 残留物排出部
670 ヒーティングジャケット
690 共通配管
S 全固体用二次電池
R レール