(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240409BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240409BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06T7/00 300F
(21)【出願番号】P 2019164488
(22)【出願日】2019-09-10
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】冨永 慎
(72)【発明者】
【氏名】仙田 裕三
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-006675(JP,A)
【文献】特開2011-002407(JP,A)
【文献】特開2011-220726(JP,A)
【文献】特開2009-075927(JP,A)
【文献】特開2017-079811(JP,A)
【文献】特開2002-288330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、前記検査において使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成する画像生成手段と、
前記顔画像を用いて、前記人物の顔を認証する顔認証手段と、
前記人物の顔認証結果と、前記検査機器画像とを含む検査記録を生成する記録生成手段とを備え、
前記画像生成手段は、前記対象物と紐付いた識別子を撮影した識別子画像をさらに生成し、
前記記録生成手段は、前記人物の顔認証結果と、前記検査機器画像と、前記識別子画像とを含む検査記録を生成し、
前記画像生成手段は、前記対象物を識別するQR(Quick Response)コードを撮影した前記識別子画像を生成する
情報処理装置。
【請求項2】
前記検査記録を含む監視データを管理者端末へ送信する送信手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記管理者端末において、前記監視データが所定期間にわたって閲覧または開封されない場合、アラートを前記管理者端末へ送信するアラート手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが、
対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、前記検査において使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成し、
前記顔画像を用いて、前記人物の顔を認証し、
前記対象物と紐付いた識別子を撮影した識別子画像をさらに生成し、
前記人物の顔認証結果と、前記検査機器画像と、前記識別子画像とを含む検査記録を生成する
ことを含み、
前記識別子画像をさらに生成するとき、前記対象物を識別するQR(Quick Response)コードを撮影した前記識別子画像を生成する
ことを含む方法。
【請求項5】
対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、前記検査において使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成することと、
前記顔画像を用いて、前記人物の顔を認証することと、
前記対象物と紐付いた識別子を撮影した識別子画像をさらに生成することと、
前記人物の顔認証結果と、前記検査機器画像と、前記識別子画像とを含む検査記録を生成することと
をコンピュータに実行させ、
前記コンピュータに、
前記識別子画像をさらに生成させるとき、前記対象物を識別するQR(Quick Response)コードを撮影した前記識別子画像を生成させる
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、方法、およびプログラムに関し、特に、対象物の検査に係わる処理を実行する情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車メーカは、製造した個々の自動車が排ガス値等の基準を達成しているどうかの検査(いわゆる完成検査)を行っている。特許文献1には、自動車の点検(検査)後の処理の流れが記載されている。具体的には、特許文献1には、作業者(検査員)が、検査された自動車の車種および使用者名を入力し、点検作業の結果およびその他の必要項目を入力した後、点検作業および入力作業をもとにして、点検整備記録簿を出力する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「適切な完成検査を確保するためのタスクフォース 中間とりまとめ」(国土交通省、平成30年3月20日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載されているように、自動車の検査の現場において、不正がなされる場合がある。例えば、検査員が、故意または不注意により、実測値とは異なる誤った排ガス値を記入する。自動車メーカの経営者は、このような現場の実態を把握できていない場合がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査において不正が行われることを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係わる情報処理装置は、対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、前記検査において使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成する画像生成手段と、前記顔画像を用いて、前記人物の顔を認証する顔認証手段と、前記人物の顔認証結果と、前記検査機器画像とを含む検査記録を生成する記録生成手段とを備えている。
【0008】
本発明の一態様に係わる方法は、対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、前記検査において使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成し、前記顔画像を用いて、前記人物の顔を認証し、前記人物の顔認証結果と、前記検査機器画像とを含む検査記録を生成することを含む。
【0009】
本発明の一態様に係わるプログラムは、対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、前記検査において使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成することと、前記顔画像を用いて、前記人物の顔を認証することと、前記人物の顔認証結果と、前記検査機器画像とを含む検査記録を生成することとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、検査において不正が行われることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係わる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係わる情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態2に係わる検査システムの構成を示す概略図である。
【
図4】実施形態2に係わる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態2に係わる情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態3に係わる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態3に係わる情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態1から3に係わる情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
図1~
図2を参照して、実施形態1について説明する。
【0013】
(情報処理装置1)
図1は、本実施形態1に係わる情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理装置1は、画像生成部10、顔認証部20、および記録生成部30を備えている。
【0014】
画像生成部10は、対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、検査に使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成する。画像生成部10は、画像生成手段の一例である。
【0015】
例えば、画像生成部10は、対象物(一例では自動車または自動二輪車)の検査が行われている現場に設置されたカメラから、カメラが撮影した映像(以下では、カメラ映像と呼ぶ)を受信する。カメラ映像は複数のフレーム画像で構成された動画であってもよいし、一定の時間ごとに撮影された時系列の複数の静止画であってもよい。
【0016】
画像生成部10は、受信したカメラ映像の各画像から、対象物の検査を実施した人物の顔を含む画像の領域を検出する。例えば、画像生成部10は、機械学習した識別器を用いて、人物の顔を含む画像の領域を検出する。画像生成部10は、検出した人物の領域を含む画像(以下では、顔画像と呼ぶ)を生成する。
【0017】
また画像生成部10は、カメラ映像から、検査に使用された検査機器の一部または全部を含む画像の領域を検出する。特に、画像生成部10は、検査の結果を示す画面を含む画像の領域を検出する。画像生成部10は、検出した検査機器の一部または全部の領域を含む画像(以下では、検査機器画像と呼ぶ)を生成する。
【0018】
画像生成部10は、このように生成した顔画像のデータを、顔認証部20へ送信する。また画像生成部10は、検査機器画像のデータを、記録生成部30へ送信する。
【0019】
顔認証部20は、顔画像を用いて、人物の顔を認証する。顔認証部20は、顔認証手段の一例である。
【0020】
例えば、顔認証部20は、画像生成部10から、顔画像のデータを受信する。上述したように、顔画像は、対象物の検査を実施した人物(以下では、検査実施者と呼ぶ場合がある)の顔を含む画像の領域である。
【0021】
顔認証部20は、受信した顔画像を用いて、検査実施者の顔を認証する。例えば、顔認証部20は、図示しない人員管理サーバに予め格納された登録画像のデータを取得する。登録画像は、正式な検査員として登録された人物の顔画像である。人員管理サーバには、1または複数の顔画像が、登録画像としてあらかじめ格納されている。
【0022】
顔認証部20は、検査実施者の顔画像と、登録画像とを比較することにより、検査実施者が正式な検査員として登録されているかどうかを判別する。人員管理サーバに、複数の登録画像が格納されている場合、顔認証部20は、検査実施者の顔画像と、それぞれの登録画像とを順番に比較する。
【0023】
例えば、顔認証部20は、検査実施者の顔画像から抽出した特徴量と、登録画像から抽出した特徴量との間で、類似度(例えばユークリッド距離)を計算する。計算した類似度が閾値よりも大きい場合、顔認証部20は、検査実施者が正式な検査員として登録された人物であると判別する。一方、計算した類似度が閾値以下である場合、顔認証部20は、検査実施者が正式な検査員として登録された人物ではないと判別する。人員管理サーバに、複数の正式な検査員の複数の登録画像が格納されている場合、顔認証部20は、検査実施者の顔画像と、それぞれの登録画像とを順番に比較する。
【0024】
顔認証部20は、検査実施者が正式な検査員として登録された人物である場合、検査実施者の認証に成功したことを、顔認証結果として、記録生成部30に通知する。一方、顔認証部20は、検査実施者が正式な検査員として登録された人物でない場合、検査実施者の認証に失敗したことを、顔認証結果として、記録生成部30に通知する。この場合、顔認証部20は、検査機器に対し、検査の工程を停止または中断するように指示してもよい。
【0025】
記録生成部30は、人物の顔認証結果と、検査機器画像とに紐付く検査記録を生成する。記録生成部30は、記録生成手段の一例である。
【0026】
具体的には、記録生成部30は、画像生成部10から、検査機器画像のデータを受信する。上述したように、検査機器画像は、検査に使用された検査機器の一部または全部の領域を含む画像である。また記録生成部30は、顔認証部20から、顔認証結果を受信する。
【0027】
また記録生成部30は、検査記録を生成する。検査記録は、対象物の検査に係わる記録である。例えば、検査記録は、検査の日時、対象物の種別、および検査の内容を含む。記録生成部30は、図示しない入力装置からの入力データを用いて、検査記録を生成してもよい。入力データは、検査実施者が検査機器から読み取った測定値(例えば排ガス値)のデータである。検査実施者は、図示しない入力装置に測定値を入力する。記録生成部30は、入力装置から、入力データとして、測定値等を受信する。また、記録生成部30は、検査の日時、対象物の種別、および検査の内容に関する情報を、任意のネットワーク上のサーバから収集する。記録生成部30は、入力装置から受信した入力データ、および、ネットワークから収集した情報を用いて、上述した検査記録を生成する。
【0028】
そして、記録生成部30は、人物の顔認証結果と、検査機器画像とを、生成した検査記録に紐付ける。こうして、人物の顔認証結果と、検査機器画像とに紐付く検査記録が生成される。記録生成部30は、生成した検査記録を、後に表示または印刷できるように、図示しない検査記録管理サーバ等に格納してもよい。
【0029】
(情報処理装置1の動作)
図2を参照して、本実施形態1に係わる情報処理装置1の動作を説明する。
図2は、情報処理装置1の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
図2に示すように、画像生成部10は、カメラ映像から、顔画像および検査機器画像を生成する(S1)。カメラ映像はリアルタイムであってもよいし、あらかじめ録画されて、記録媒体に格納されていてもよい。
【0031】
画像生成部10は、生成した顔画像のデータを、顔認証部20へ送信する。また画像生成部10は、検査機器画像のデータを、記録生成部30へ送信する。
【0032】
顔認証部20は、画像生成部10から受信した顔画像のデータを用いて、検査実施者の顔認証を実行する(S2)。顔認証の方法についての説明を、ここでは省略する。
【0033】
顔認証部20は、顔認証結果、すなわち検査実施者の顔の認証に成功したか否かを示す情報を、記録生成部30へ送信する。
【0034】
記録生成部30は、画像生成部10から、検査機器画像のデータを受信する。また記録生成部30は、顔認証部20から、顔認証結果を受信する。記録生成部30は、検査実施者が入力装置から入力した測定値等の入力データを用いて、検査記録を生成する。
【0035】
そして、記録生成部30は、顔認証結果および検査機器画像に紐付いた検査記録を生成する(S3)。
【0036】
以上で、情報処理装置1の動作は終了する。
【0037】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、画像生成部10は、対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、検査に使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成し、顔認証部20は、顔画像を用いて、人物の顔を認証し、記録生成部30は、人物の顔認証結果と、検査機器画像とに紐付く検査記録を生成する。これにより、検査記録に紐付いた顔認証結果および検査機器画像に基づいて、検査実施者(対象物の検査を実施した人物)を特定できるので、検査実施者は、実測値を無視した不正な入力を行いづらくなる。したがって、検査において不正が行われることを抑制できる。
【0038】
さらに、管理者、責任者、または経営者は、検査記録に紐付けられた顔認証結果を閲覧することにより、正式な検査員が実際に検査を行っているのかどうかを簡単に確認できる。これにより、検査において不正が行われることをさらに抑制できる。
【0039】
〔実施形態2〕
図3~
図5を参照して、実施形態2について説明する。
【0040】
(検査システム1000)
図3は、本実施形態2に係わる検査システム1000の構成を示す概略図である。
図3に示すように、検査システム1000は、情報処理装置2、管理者端末500、QR(Quick Response)コードリーダ600、顔認証カメラ700(以下、単にカメラ700と呼ぶ)、中継器800、および人員管理サーバ400を含む。
【0041】
QRコードリーダ600は、対象物と紐付いたQRコード(登録商標)を読み取る装置である。
【0042】
情報処理装置2、人員管理サーバ400、および、管理者端末500は、中継器800を介して、カメラ700、およびQRコードリーダ600と通信可能である。また情報処理装置2と管理者端末500と人員管理サーバ400との間は、任意のネットワーク回線(NW)(例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット)を介して接続されている。
【0043】
(情報処理装置2)
図4は、本実施形態2に係わる情報処理装置2の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、情報処理装置2は、画像生成部10、顔認証部20、記録生成部30、および送信部40を備えている。本実施形態2に係わる情報処理装置2は、送信部40をさらに備えている点で、前記実施形態1に係わる情報処理装置1とは構成が異なる。本実施形態2では、画像生成部10、顔認証部20、および記録生成部30に関して、説明を省略する。
【0044】
送信部40は、検査記録を含む監視データを管理者端末500へ送信する。送信部40は送信手段の一例である。監視データは、管理者、責任者、または経営者が検査の実態を適宜に確認するための情報である。監視データは、検査記録に加えて、現場のカメラ700が撮影したカメラ映像のデータをさらに含んでいてもよい。あるいは、監視データは、検査実施者(対象物の検査を実施した人物)の顔を撮影した顔画像のデータ、および、検査に使用された検査機器を撮影した検査機器画像のデータの一方または両方を含んでいてもよい。
【0045】
具体的には、送信部40は、記録生成部30から、検査記録のデータを受信する。検査記録は、対象物の検査に係わる記録(例えば、検査の日時、および、検査の内容)である。送信部40は、検査記録のデータと、上述したカメラ映像のデータ等を紐づけて、監視データとして、管理者端末500へ送信する。管理者端末500は、管理者、責任者、または経営者が閲覧可能な端末である。
【0046】
(情報処理装置2の動作)
図5を参照して、本実施形態2に係わる情報処理装置2の動作を説明する。
図5は、情報処理装置2の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
図5に示すように、画像生成部10は、カメラ映像から、顔画像および検査機器画像を生成する(S101)。カメラ映像は、リアルタイムで撮影されていてもよいし、あらかじめ録画されて、記録媒体に格納されていてもよい。
【0048】
画像生成部10は、生成した顔画像のデータを、顔認証部20へ送信する。また画像生成部10は、検査機器画像のデータを、記録生成部30へ送信する。
【0049】
顔認証部20は、画像生成部10から受信した顔画像のデータを用いて、検査実施者の顔認証を実行する(S102)。
【0050】
顔認証部20は、顔認証結果、すなわち検査実施者の顔の認証に成功したか否かを示す情報を、記録生成部30へ送信する。
【0051】
記録生成部30は、画像生成部10から、検査機器画像のデータを受信する。また記録生成部30は、顔認証部20から、顔認証結果を受信する。記録生成部30は、検査実施者が入力装置から入力した測定値等の入力データを用いて、検査記録を生成する。
【0052】
そして記録生成部30は、顔認証結果および検査機器画像に紐付いた検査記録を生成する(S103)。記録生成部30は、生成した検査記録のデータを、送信部40へ送信する。
【0053】
送信部40は、記録生成部30から、検査記録のデータを受信する。送信部40は、検査記録を含む監視データを管理者端末500へ送信する(S104)。
【0054】
以上で、情報処理装置2の動作は終了する。
【0055】
(変形例)
一変形例において、画像生成部10は、対象物と紐付いたQRコード(識別子の一例である)を撮影した識別子画像をさらに生成する。画像生成部10は、検査機器画像とともに、識別子画像も、記録生成部30へ送信する。
【0056】
記録生成部30は、人物の顔認証結果と、検査機器画像と、識別子画像とを含む検査記録を生成する。記録生成部30は、生成した検査記録のデータを送信部40へ送信する。
【0057】
送信部40は、検査記録を含む監視データを、管理者端末500へ送信する。管理者端末500は、受信した監視データに含まれるQRコードを提示する。これにより、管理者等は、対象物と紐付いたQRコードに基づいて、不正な検査が行われた可能性がある対象物を容易に特定することができる。
【0058】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、画像生成部10は、対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、検査に使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成し、顔認証部20は、顔画像を用いて、人物の顔を認証し、記録生成部30は、人物の顔認証結果と、検査機器画像とに紐付く検査記録を生成する。これにより、検査記録に紐付いた顔認証結果および検査機器画像に基づいて、検査実施者を特定できるので、検査実施者は、実測値を無視した不正な入力を行いづらくなる。したがって、検査において不正が行われることを抑制できる。
【0059】
さらに、送信部40は、検査記録を含む監視データを管理者端末500へ送信する。これにより、管理者等は、管理者端末500を用いて、検査の実態をより容易に確認することができる。
【0060】
〔実施形態3〕
図6~
図7を参照して、実施形態3について説明する。
【0061】
(情報処理装置3)
図6は、本実施形態3に係わる情報処理装置3の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、情報処理装置3は、画像生成部10、顔認証部20、記録生成部30、送信部40、およびアラート部50を備えている。本実施形態3に係わる情報処理装置3は、アラート部50をさらに備えている点で、前記実施形態2に係わる情報処理装置2とは構成が異なる。本実施形態3では、画像生成部10、顔認証部20、記録生成部30、及び送信部40に関して、説明を省略する。
【0062】
アラート部50は、管理者端末500(
図3)において、監視データが所定期間にわたって閲覧または開封されない場合、アラートを管理者端末500へ送信する。アラート部50は、アラート手段の一例である。
【0063】
具体的には、アラート部50は、送信部40から、送信情報を受信する。送信情報は、送信部40が管理者端末500へ監視データを送信したことを示す。アラート部50は、送信情報を受信したときから、例えば図示しないタイマーを用いて、経過時間を計測する。
【0064】
管理者端末500において、監視データが管理者等によって閲覧または開封されたとき、管理者端末500は、アラート部50へ、閲覧情報を送信する。閲覧情報を受信したとき、アラート部50は、タイマーを停止させる。
【0065】
アラート部50は、送信情報を受信したときから、所定期間にわたって、閲覧情報を受信しなかった場合、管理者端末500に対し、アラートを送信する。
【0066】
管理者端末500は、アラート部50からアラートを受信したとき、音声、発光、あるいは、メール配信等の予め定められた手段によって、管理者等へ警告する。
【0067】
(情報処理装置3の動作)
図7を参照して、本実施形態3に係わる情報処理装置3の動作を説明する。
図7は、情報処理装置3の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態3では、ステップS101からステップS104までの説明を省略する。
【0068】
図7に示すように、ステップS104(検査記録の送信)の後、アラート部50は、送信情報を受信した時点からの経過時間を計測する。
【0069】
アラート部50は、上述した所定期間よりも短い一定の時間ごとに、検査記録が閲覧(開封)されたかどうかを判定する(S105)。具体的には、アラート部50は、管理者端末500から、閲覧情報を既に受信したかどうかを判定する。
【0070】
管理者端末500において、検査記録が既に閲覧(開封)されていた場合(S105でYes)、フローは終了する。一方、管理者端末500において、検査記録はまだ閲覧(開封)されていない場合(S105でNo)、アラート部50は、送信情報を受信したときから、所定期間が経過したかどうかを判定する(S106)。
【0071】
送信情報を受信したときから、所定期間がまだ経過していない場合(S106でNo)、フローはステップS105へ戻る。
【0072】
送信情報を受信したときから、所定期間が経過した場合(S106でYes)、アラート部50は、管理者端末500に対し、アラートを送信する(S107)。
【0073】
以上で、情報処理装置3の動作は終了する。
【0074】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、画像生成部10は、対象物の検査を実施した人物の顔を撮影した顔画像、および、検査に使用された検査機器を撮影した検査機器画像を生成し、顔認証部20は、顔画像を用いて、人物の顔を認証し、記録生成部30は、人物の顔認証結果と、検査機器画像とに紐付く検査記録を生成する。これにより、検査記録に紐付いた顔認証結果および検査機器画像に基づいて、検査実施者を特定できるので、検査実施者は、実測値を無視した不正な入力を行いづらくなる。したがって、検査において不正が行われることを抑制できる。
【0075】
さらに、アラート部50は、管理者端末500において、監視データが所定期間にわたって閲覧または開封されない場合、アラートを管理者端末500へ送信する。これにより、管理者等が監視データを閲覧し忘れる(あるいは閲覧しないままでいる)ことを防止できる。
【0076】
(ハードウェア構成について)
前記実施形態1~3で説明した情報処理装置1~3の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば
図8に示すような情報処理装置900により実現される。
図8は、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0077】
図8に示すように、情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0078】
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
前記実施形態1~3で説明した情報処理装置1~3の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が読み込んで実行することで実現される。各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0079】
以上のように、前記実施形態1~3において説明した情報処理装置1~3が、
図8に例示するハードウェアとして実現される。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理装置
2 情報処理装置
3 情報処理装置
10 画像生成部
20 顔認証部
30 記録生成部
40 送信部
50 アラート部