(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 25/20 20060101AFI20240409BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240409BHJP
B41J 21/16 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B41J25/20
B41J29/42 F
B41J21/16
(21)【出願番号】P 2019165543
(22)【出願日】2019-09-11
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 蒔
(72)【発明者】
【氏名】宮腰 邦生
(72)【発明者】
【氏名】松月 優人
(72)【発明者】
【氏名】田口 義之
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 力
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-175840(JP,A)
【文献】特開2008-149657(JP,A)
【文献】特開2007-171862(JP,A)
【文献】特開2012-083668(JP,A)
【文献】特開2006-126283(JP,A)
【文献】特開2015-051506(JP,A)
【文献】特開2019-142232(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0089704(US,A1)
【文献】特開平10-166566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 25/20
B41J 29/42
B41J 29/38
G03G 13/01
B41J 21/16
G03G 21/00
H04N 1/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1の色で画像形成され、前記第1の色の画像形成後に画像形成される第2の色の画像位置の基準となる基準画像の記録媒体の搬送方向における画像位置を、前記記録媒体の特定のページの任意の位置に設定し、
前記特定のページに画像形成された前記基準画像の画像情報を用いて、前記特定のページの前記搬送方向の上流側に隣接する隣接ページにおける前記第2の色の画像位置を調整し、
予め画像形成された特定画像を検知した場合に、前記特定のページに画像形成される前記基準画像と、前記隣接ページにおいて前記基準画像とは別に前記第1の色で画像形成される通常画像とを
画像形成させるための吐出信号を送信する画像処理装置。
【請求項2】
画像を表示する表示部を備え、
前記プロセッサは、前記任意の位置を設定可能な入力画面を前記表示部に表示させる請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記入力画面に対する操作により入力された位置を前記任意の位置として設定できない場合、前記任意の位置として設定可能な位置を前記表示部に表示させる請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の色を画像形成する第1画像形成部と、
前記第1画像形成部の前記搬送方向の下流側に配置され、前記第2の色を画像形成する第2画像形成部と、
前記第1画像形成部の前記搬送方向の上流側に配置され、前記特定画像を検知する第1検知部と、
前記第1画像形成部の前記搬送方向の下流側かつ前記第2画像形成部の前記搬送方向の上流側に配置され、前記第1画像形成部により画像形成された前記基準画像を検知する第2検知部と、
を備え、
前記プロセッサは、
前記第1検知部が前記特定画像を検知した場合、前記特定のページに画像形成される前記基準画像と前記隣接ページに画像形成される前記通常画像との画像形成指示を前記第1画像形成部に対して出力し、
前記第2検知部が前記特定のページに画像形成された前記基準画像を検知した場合、検知した前記基準画像の前記画像情報を用いて、前記隣接ページにおいて前記第2画像形成部が画像形成する前記第2の色の画像位置を調整する請求項1から3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1の色を画像形成する第1画像形成部と、
前記第1画像形成部の前記搬送方向の下流側に配置され、前記第2の色を画像形成する第2画像形成部と、
前記第1画像形成部の前記搬送方向の上流側に配置され、前記特定画像を検知する第1検知部と、
前記第1画像形成部の前記搬送方向の下流側かつ前記第2画像形成部の前記搬送方向の上流側に配置され、前記第1画像形成部により画像形成された前記基準画像を検知する第2検知部と、
を備え、
前記プロセッサは、
前記第1検知部が前記特定画像を検知した場合、前記特定のページに画像形成される前記基準画像の画像形成指示を前記第1画像形成部に対して少なくとも出力し、
前記第2検知部が前記特定のページに画像形成された前記基準画像を検知した場合、検知した前記基準画像の前記画像情報と予め取得した前記基準画像の基準情報とを用いて、前記隣接ページにおいて前記第2画像形成部が画像形成する前記第2の色の画像位置を調整する請求項1から4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
第1の色で画像形成され、前記第1の色の画像形成後に画像形成される第2の色の画像位置の基準となる基準画像の記録媒体の搬送方向における画像位置を、前記記録媒体の特定のページの任意の位置に設定し、
前記特定のページに画像形成された前記基準画像の画像情報を用いて、前記特定のページの前記搬送方向の上流側に隣接する隣接ページにおける前記第2の色の画像位置を調整し、
予め画像形成された特定画像を検知した場合に、前記特定のページに画像形成される前記基準画像と、前記隣接ページにおいて前記基準画像とは別に前記第1の色で画像形成される通常画像とを
画像形成させるための吐出信号を送信する、
処理を実行させるための画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カラーレジズレが発生するのを抑制することができるのは勿論のこと、カラーレジ検知用のマークが用紙等の記録媒体上に残るのを防止する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記録媒体に画像形成される画像の画像位置を調整する場合において、ページの先頭に画像形成された基準画像を検知し、基準画像と同一ページに画像形成される画像の画像位置を調整する構成に比べて、基準画像の配置位置の制約を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様の画像処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、第1の色で画像形成され、前記第1の色の画像形成後に画像形成される第2の色の画像位置の基準となる基準画像の記録媒体の搬送方向における画像位置を、前記記録媒体の特定のページの任意の位置に設定し、前記特定のページに画像形成された前記基準画像の画像情報を用いて、前記特定のページの前記搬送方向の上流側に隣接する隣接ページにおける前記第2の色の画像位置を調整する。
【0006】
第2の態様の画像処理装置は、第1の態様の画像処理装置であって、画像を表示する表示部を備え、前記プロセッサは、前記任意の位置を設定可能な入力画面を前記表示部に表示させる。
【0007】
第3の態様の画像処理装置は、第2の態様の画像処理装置であって、前記プロセッサは、前記入力画面に対する操作により入力された位置を前記任意の位置として設定できない場合、前記任意の位置として設定可能な位置を前記表示部に表示させる。
【0008】
第4の態様の画像処理装置は、第1から第3の何れかの態様の画像処理装置であって、前記プロセッサは、前記特定のページに画像形成される前記基準画像と、前記隣接ページにおいて前記基準画像とは別に前記第1の色で画像形成される通常画像とを1つの纏まりとして画像形成処理を行う。
【0009】
第5の態様の画像処理装置は、第4の態様の画像処理装置であって、前記第1の色を画像形成する第1画像形成部と、前記第1画像形成部の前記搬送方向の下流側に配置され、前記第2の色を画像形成する第2画像形成部と、前記第1画像形成部の前記搬送方向の上流側に配置され、予め画像形成された特定画像を検知する第1検知部と、前記第1画像形成部の前記搬送方向の下流側かつ前記第2画像形成部の前記搬送方向の上流側に配置され、前記第1画像形成部により画像形成された前記基準画像を検知する第2検知部と、を備え、前記プロセッサは、前記第1検知部が前記特定画像を検知した場合、前記特定のページに画像形成される前記基準画像と前記隣接ページに画像形成される前記通常画像との画像形成指示を前記第1画像形成部に対して出力し、前記第2検知部が前記特定のページに画像形成された前記基準画像を検知した場合、検知した前記基準画像の前記画像情報を用いて、前記隣接ページにおいて前記第2画像形成部が画像形成する前記第2の色の画像位置を調整する。
【0010】
第6の態様の画像処理装置は、第1から第5の何れかの態様の画像処理装置であって、前記第1の色を画像形成する第1画像形成部と、前記第1画像形成部の前記搬送方向の下流側に配置され、前記第2の色を画像形成する第2画像形成部と、前記第1画像形成部の前記搬送方向の上流側に配置され、予め画像形成された特定画像を検知する第1検知部と、前記第1画像形成部の前記搬送方向の下流側かつ前記第2画像形成部の前記搬送方向の上流側に配置され、前記第1画像形成部により画像形成された前記基準画像を検知する第2検知部と、を備え、前記プロセッサは、前記第1検知部が前記特定画像を検知した場合、前記特定のページに画像形成される前記基準画像の画像形成指示を前記第1画像形成部に対して少なくとも出力し、前記第2検知部が前記特定のページに画像形成された前記基準画像を検知した場合、検知した前記基準画像の前記画像情報と予め取得した前記基準画像の基準情報とを用いて、前記隣接ページにおいて前記第2画像形成部が画像形成する前記第2の色の画像位置を調整する。
【0011】
第7の態様の画像処理プログラムは、コンピュータに、第1の色で画像形成され、前記第1の色の画像形成後に画像形成される第2の色の画像位置の基準となる基準画像の記録媒体の搬送方向における画像位置を、前記記録媒体の特定のページの任意の位置に設定し、前記特定のページに画像形成された前記基準画像の画像情報を用いて、前記特定のページの前記搬送方向の上流側に隣接する隣接ページにおける前記第2の色の画像位置を調整する、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
第1の態様によれば、記録媒体に画像形成される画像の画像位置を調整する場合において、ページの先頭に画像形成された基準画像を検知し、基準画像と同一ページに画像形成される画像の画像位置を調整する構成に比べて、基準画像の配置位置の制約が少なくなる。
【0013】
第2の態様によれば、ユーザにより任意の位置が設定される。
【0014】
第3の態様によれば、入力画面に対する操作により入力された位置を任意の位置として設定できない場合に設定可能な位置が入力されるまで操作を継続する必要がある構成に比べて、任意の位置の設定に要する時間が減少する。
【0015】
第4の態様によれば、特定のページに画像形成される基準画像と、隣接ページに画像形成される通常画像とを異なるデータとして処理する構成に比べて、搬送方向における第1の色と第2の色との画像位置の位置ずれが抑制される。
【0016】
第5の態様によれば、第1検知部が特定画像を検知した場合に基準画像及び通常画像を画像形成させるための同一の画像形成指示が第1画像形成部に対して出力される構成に比べて、搬送方向における第1の色と第2の色との画像位置の位置ずれが抑制される。
【0017】
第6の態様によれば、基準画像の画像情報又は基準画像の基準情報の一方を用いて隣接ページにおける第2の色の画像位置を調整する構成に比べて、搬送方向における第1の色と第2の色との画像位置の位置ずれが抑制される。
【0018】
第7の態様によれば、記録媒体に画像形成される画像の画像位置を調整する場合において、ページの先頭に画像形成された基準画像を検知し、基準画像と同一ページに画像形成される画像の画像位置を調整する構成に比べて、基準画像の配置位置の制約が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施形態における画像形成装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態における連帳紙の特定のページ及び隣接ページを示す概念図である。
【
図4】第1の実施形態における表示部の表示例である。
【
図5】第1の実施形態における表示部の表示例である。
【
図6】第2及び第3の実施形態における画像形成装置の構成の一例を示す図である。
【
図7】第2の実施形態における連帳紙の特定のページ及び隣接ページを示す概念図である。
【
図8】第3の実施形態における検知部による検知結果の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本実施の形態におけるインクジェット方式の画像形成装置10について説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、画像処理装置の一例としての画像形成装置10は、ヘッドユニット12、搬送ロール14,16、及び検知部18を備えている。
【0021】
ヘッドユニット12は、記録媒体としての連帳紙(=ロール紙)Pにインク滴を吐出して連帳紙Pに画像形成するものである。このヘッドユニット12は、K(=ブラック)色の画像を形成するヘッド12Kと、C(=シアン)色の画像を形成するヘッド12Cと、M(=マゼンタ)色の画像を形成するヘッド12Mと、Y(=イエロー)色の画像を形成するヘッド12Yとを備えている。第1の実施形態では、ヘッド12Kは、K色で画像形成され、C色、M色、及びY色の画像位置の基準となるKマークを連帳紙Pに画像形成する。この詳細については後述する。なお、K色は、第1の色の一例であり、C色、M色、及びY色は、第2の色の一例であり、Kマークは、基準画像の一例である。
【0022】
各ヘッドユニット12は、連帳紙Pの搬送方向Sに沿ってK→C→M→Yの順番で配置されている。なお、各ヘッドユニット12の配置順は、特に限定されない。また、以後の説明では、C、M、Y、Kを区別しない場合には、符号に付しているC、M、Y、Kを省略する。なお、ヘッド12Kは、第1画像形成部の一例であり、ヘッド12C、ヘッド12M及びヘッド12Yは、第2画像形成部の一例である。
【0023】
ここで、第1の実施形態では、各ヘッドユニット12の各ノズルを識別するために、各ノズルに1、2、・・・と1から順番にノズル番号が付与されている。そして、第1の実施形態では、各ヘッドユニット12のノズルが連帳紙Pの幅方向(以下、「用紙幅方向」とする)に沿って配列されている。
【0024】
搬送ロール14,16は、図示しないフレーム部材に回転可能に支持されている。搬送ロール14,16には、連帳紙Pが巻き付けられている。そして、図示しない巻取ロールが図示しないモータから回転力を受けて回転することで連帳紙Pが巻き取られ、連帳紙Pが搬送方向Sに沿って搬送される。
【0025】
検知部18は、ヘッド12Kの搬送方向Sの上流側に配置された第1検知部18A、ヘッド12Kとヘッド12Cとの間に配置された第2検知部18B、ヘッド12Cとヘッド12Mとの間に配置された第3検知部18C、及びヘッド12Mとヘッド12Yとの間に配置された第4検知部18Dを備えている。この検知部18は、連帳紙Pに画像形成されたKマークを検知するものである。例えば、検知部18は、連帳紙Pに画像形成されたKマークに光を照射して当該Kマークからの反射光を受光素子が受光することで、当該Kマークの画像位置を検知する。そして、検知部18は、検知したKマークの画像位置を後述する制御部20へ送信する。
【0026】
次に、画像形成装置10のハードウェア構成について説明する。
図2は、画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置10は、画像形成装置10の動作を制御する制御部20を備えている。この制御部20は、CPU22(=Central Processing Unit)、ROM24(=Read Only Memory)、RAM26(=Random Access Memory)、及び入出力インターフェース(=I/O28)がバスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU22は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU22は、ROM24からプログラムを読み出し、RAM26を作業領域としてプログラムを実行する。CPU22は、ROM24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0028】
ROM24は、各種プログラム及び各種データを格納する。この各種プログラムには、少なくとも、コンピュータを画像形成装置10のCPU22として機能させるための画像処理プログラムが含まれている。なお、画像処理プログラムは、画像形成装置10に予めインストールされていてもよいし、不揮発性の記憶媒体に記憶したり、又は、ネットワークを介して配布したりして、画像形成装置10に適宜インストールしてもよい。不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD(=Hard Disk Drive)、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0029】
RAM26は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
I/O28には、ヘッドユニット12、検知部18、記憶部30、表示部32、操作部34、及び通信部36が接続されている。
記憶部30としては、例えば、HDD、SSD(=Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。
【0030】
表示部32には、例えば、液晶ディスプレイ(=LCD:Liquid Crystal Display)や、有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。この表示部32は、タッチパネルを一体的に有している。
操作部34には、画像形成装置10のユーザから各種の指示を受け付けるための操作キー群が設けられている。
【0031】
表示部32及び操作部34は、ユーザから各種の指示を受け付ける。表示部32は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
通信部36は、図示しないパーソナルコンピュータ等の端末装置とネットワークを介して通信を行う。このネットワークには、例えば、インターネット、LAN(=Local Area Network)、WAN(=Wide Area Network)等が適用される。
【0032】
次に、
図3から
図5を用いて連帳紙Pに画像が形成される流れについて説明する。
第1の実施形態では、ヘッド12Kにより特定のページに画像形成されたKマークの画像情報を用いて、特定のページの搬送方向Sの上流側に隣接する隣接ページにおけるヘッド12C、ヘッド12M、及びヘッド12Yの搬送方向Sにおける画像位置を調整する。
【0033】
図3は、連帳紙Pにおける特定のページ及び隣接ページを示す概念図である。なお、
図3を用いた以下の説明では、特定のページを「Nページ目」と記載し、隣接ページを「N+1ページ目」と記載することもある。また、
図3から
図5では、基準画像としてのKマークを黒塗りの長方形の図形マークで示すとともに、符号「40K」を付している。
【0034】
CPU22は、連帳紙PにおけるKマーク40Kの画像位置の設定(以下、「画像位置設定」とする)を受け付ける。例えば、CPU22は、表示部32に表示された図示しない画像位置設定ボタンがユーザにより操作された場合に、画像位置設定を受け付ける。
【0035】
ここで、
図3に示すように、連帳紙Pの各ページは、一点鎖線で示す印刷ジョブに応じた印刷画像が形成される領域の「印刷画像領域P1」と、破線で示す連帳紙Pの用紙幅方向の端部の領域の「端部領域P2」とに区分されている。この端部領域P2は、出荷前に連帳紙Pから切断される部分である。そして、Kマーク40Kは、端部領域P2には形成できるが、印刷画像領域P1には形成できないよう予め設定されている。
【0036】
CPU22は、画像位置設定を受け付けた場合、
図4に示すKマーク40Kの画像位置の入力画面を表示部32に表示させる。
図4に示すように、表示部32は、画像位置設定として、「プレビュー32A」、「座標値の入力画面32B」、及び「決定ボタン32C」を表示している。このように、座標値の入力画面32Bを表示して座標値を入力させることで、Kマーク40Kの画像位置が搬送方向Sにおける任意の位置に設定可能となる。また、座標値の入力画面32Bは、数値を入力するための数値部32Dと、数値部32Dに入力された数値を上下に変動させる変動部32Eと、で構成されている。
【0037】
CPU22は、ユーザにより、X座標値及びY座標値が入力され、決定ボタン32Cが操作された場合に、当該入力された座標値に対応する画像位置が端部領域P2内にあれば、当該画像位置をKマーク40Kの画像位置に設定する。
【0038】
一方、CPU22は、ユーザにより入力された座標値に対応する画像位置が端部領域P2内にない場合、すなわち、当該画像位置をKマーク40Kの画像位置に設定できない場合、Kマーク40Kの画像位置として設定可能な位置を表示部32に表示させる。
【0039】
図5(A)に示すように、例えば、ユーザにより入力された座標値に対応する画像位置が印刷画像領域P1内にある場合、CPU22は、当該画像位置をKマーク40Kの画像位置に設定できない旨を示す注意表示32Fを表示部32に表示させる。その後、CPU22は、
図5(B)に示すように、プレビュー32Aの端部領域P2内にKマーク40Kを表示させるとともに、注意表示32Fに代えて、ユーザにより入力された座標値に対応する画像位置を変更した旨を示す変更表示32Gを表示部32に表示させる。このとき、
図5(B)でプレビュー32Aの端部領域P2内に表示されたKマーク40Kの位置は候補位置であり、ユーザにより再度座標値が入力されることで、Kマーク40Kの位置が移動可能となっている。
【0040】
上記の画像位置設定の終了後、通信部36を介して制御部20に印刷ジョブが入力された場合は、以下のように連帳紙Pに画像が形成される。
ここで、画像形成装置10は、搬送ロール14,16の回転軸に設けられ、搬送ロール14,16が予め定められた角度回転する毎にクロック信号を出力する図示しないロータリエンコーダを備えている。そして、各ヘッドユニット12は、ロータリエンコーダから出力されるクロック信号を基準に駆動される。
【0041】
まず、
図3に示すように、ヘッド12Kは、Nページ目の端部領域P2における上記の画像位置設定で設定された画像位置にKマーク40Kを画像形成する。
また、ヘッド12Kは、N+1ページ目の印刷画像領域P1にK色の画像(以下、「K画像45K」とする)を画像形成する。ここで、ヘッド12Kは、K画像45Kとして、
図3に示す黒塗りの正方形の図形マークを画像形成する。さらに、ヘッド12Kは、N+1ページ目の端部領域P2における上記の画像位置設定で設定された画像位置にKマーク40Kを画像形成する。このN+1ページ目のKマーク40Kは、N+1ページ目の搬送方向Sの上流側に隣接するN+2ページ目におけるヘッド12C、ヘッド12M、及びヘッド12Yの搬送方向Sにおける画像位置を調整するために用いられる。なお、この場合は、N+1ページ目が「特定のページ」に相当し、N+2ページ目が「隣接ページ」に相当する。
【0042】
第2検知部18Bは、連帳紙Pの搬送により、Nページ目のKマーク40Kが検知範囲に到達した場合に当該Kマーク40Kを検知し、当該検知したKマーク40Kの検知結果を実測情報として制御部20へ送信する。この「実測情報」とは、ON又はOFFに波形が切り替わることでKマーク40Kの画像位置を特定し得る情報である。このONとOFFとは、検知部18の受光素子が受光する反射光の強弱に基づき切り替わる。なお、実測情報は画像情報の一例である。
【0043】
次に、CPU22は、第2検知部18Bから送信された実測情報と、ROM24に記憶されている当該実測情報に対応する基準情報とを比較し、搬送方向Sのずれ量が閾値以上である場合には、N+1ページ目におけるヘッド12Cの搬送方向Sにおける画像位置を調整する。このとき、CPU22は、「調整」としてノズルからのインク滴の吐出タイミングを前後させる。つまり、CPU22は、想定よりも検知部18の検知タイミングが早いときには、この相当分だけインク滴の吐出タイミングを早くし、想定よりも検知部18の検知タイミングが遅いときには、この相当分だけインク滴の吐出タイミングを遅くする。
【0044】
ここで、基準情報は、実測時とは別の契機の基準時において検知部18により検知されたKマーク40Kの情報である。この基準情報は、各検知部18によるKマーク40Kの検知後、制御部20へ送信され、連帳紙Pにおける各ヘッドユニット12の基準となる画像位置を示す基準情報としてROM24に予め記憶されている。
【0045】
そして、ヘッド12Cは、N+1ページ目の印刷画像領域P1にC色の画像(以下、「C画像45C」とする)を画像形成する。ここで、ヘッド12Cは、C画像45Cとして、
図3に示す左下がり斜線が施された正方形の図形マークを画像形成する。このとき、ヘッド12Cは、第2検知部18Bによる検知結果を踏まえて、CPU22により調整された吐出タイミングでインク滴を吐出する。つまり、ヘッド12Cは、生じた搬送方向Sにおける画像位置の位置ずれに対応させるべく、インク滴を吐出する吐出タイミングを基準からずらしている。なお、この「画像位置の位置ずれ」とは、各ヘッドユニット12で画像形成された画像との相対位置のずれ、所謂カラーレジずれである。
なお、以降の流れは上記と同様のため、記載を省略する。
【0046】
(作用効果)
従来、連帳紙Pに画像形成される画像の画像位置を調整する場合において、ページの先頭に画像形成されたKマークを検知し、当該Kマークと同一ページに画像形成される画像の画像位置を調整する構成(以下、「比較構成A」とする)が存在する。
【0047】
しかし、比較構成Aでは、同一ページにおけるカラーレジずれを調整する都合上、当該同一ページの先頭、すなわち、搬送方向Sの上流端部にKマークを画像形成する必要があり、Kマークの配置位置の制約が生じていた。
【0048】
これに対し、第1の実施形態は、CPU22が、Kマークの搬送方向Sにおける画像位置を連帳紙Pの特定のページの任意の位置に設定し、特定のページのKマークを用いて特定のページの搬送方向Sの上流側に隣接する隣接ページにおけるC色、M色、及びY色の画像位置を調整する。これにより、第1の実施形態では、同一ページにおけるカラーレジ調整を間に合わせるべく、当該同一ページの先頭にKマークを画像形成する必要がない。つまり、第1の実施形態では、特定のページの搬送方向Sにおける任意の位置にKマークを画像形成することができる。
そのため、第1の実施形態によれば、比較構成Aに比べて、Kマークの配置位置の制約が少なくなる。
【0049】
また、第1の実施形態は、CPU22により、特定のページの搬送方向Sにおける任意の位置を設定可能な入力画面が表示部32に表示される。そのため、第1の実施形態によれば、ユーザが表示部32に対する操作をすることにより任意の位置が設定される。
【0050】
また、第1の実施形態は、CPU22により、特定のページの搬送方向Sにおける任意の位置を設定可能な入力画面に対する操作により入力された位置をKマークの画像位置として設定できない場合、Kマークの画像位置として設定可能な位置が表示部32に表示される。そのため、第1の実施形態によれば、特定のページの搬送方向Sにおける任意の位置を設定可能な入力画面に対する操作により入力された位置をKマークの画像位置として設定できない場合に設定可能な位置が入力されるまで操作を継続する必要がある構成に比べて、Kマークの画像位置の設定に要する時間が減少する。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
図6は、第2の実施形態における画像形成装置10の構成の一例を示す図である。この画像形成装置10は、所謂重連構成となっており、重連1台目の第1画像形成装置50と、重連2台目の第2画像形成装置60と、第1画像形成装置50と第2画像形成装置60との間に配置され、連帳紙Pの表裏を反転させる図示しない反転装置と、を備えている。
【0052】
ここで、
図6に示す第1画像形成装置50及び第2画像形成装置60の構成は、
図1に示す第1の実施形態の画像形成装置10の構成と同様だが、第1画像形成装置50及び第2画像形成装置60のそれぞれにおいて、第1の実施形態の画像形成装置10の構成とは異なる符号を付す。
【0053】
第1画像形成装置50は、ヘッドユニット52、搬送ロール54,56、及び検知部58を備えており、各ヘッドユニット52として、ヘッド52K、ヘッド52C、ヘッド52M、及びヘッド52Yを備え、各検知部58として、第1検知部58A、第2検知部58B、第3検知部58C、及び第4検知部58Dを備えている。
【0054】
第2画像形成装置60は、ヘッドユニット62、搬送ロール64,66、及び検知部68を備えており、各ヘッドユニット62として、ヘッド62K、ヘッド62C、ヘッド62M、及びヘッド62Yを備え、各検知部68として、第1検知部68A、第2検知部68B、第3検知部68C、及び第4検知部68Dを備えている。ここで、第1検知部68Aは、連帳紙Pの一方の面(以下、「表面」とする)に画像形成されたKマーク(以下、「表面Kマーク」とする)を検知するものである。表面Kマークは、予め画像形成された特定画像の一例である。
【0055】
なお、第2の実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成は、
図2に示す第1の実施形態の画像形成装置10のハードウェア構成と同様のため、第1の実施形態と同様の符号を付す。
【0056】
ここで、画像形成装置10は、第1画像形成装置50で連帳紙Pの表面へ画像形成を行い、反転装置で連帳紙Pの表裏を反転させた後、第2画像形成装置60で連帳紙Pの他方の面(以下、「裏面」とする)へ画像形成を行う。
【0057】
このとき、第1画像形成装置50では、連帳紙Pの表面に表面Kマークを画像形成し、第2画像形成装置60では、第1検知部68Aが当該表面Kマークを検知し、その検知結果を実測情報として制御部20へ送信している。そして、CPU22は、表面Kマークの実測情報に基づく画像形成タイミングでヘッド62Kを駆動させ、連帳紙Pの裏面にKマーク(以下、「裏面Kマーク)及びK画像を画像形成させる。その後、第2画像形成装置60では、第2検知部68B、第3検知部68C、及び第4検知部68Dがそれぞれ裏面Kマークを検知し、その検知結果を実測情報として制御部20へ送信する。そして、CPU22は、裏面Kマークの実測情報に基づく画像形成タイミングでヘッド62C、ヘッド62M、又はヘッド62Yを駆動させ、連帳紙Pの裏面にC画像、M画像、又はY画像を画像形成させる。なお、M画像はヘッド62Mで画像形成されるM色の画像であり、Y画像はヘッド62Yで画像形成されるY色の画像である。
【0058】
つまり、第2の実施形態では、前提として、連帳紙Pの裏面に画像形成する場合、ロータリエンコーダから出力されるクロック信号を基準に駆動される第1の実施形態と異なり、ヘッド62Kは表面Kマークの実測情報に基づき裏面Kマーク及びK画像を画像形成し、ヘッド62C、ヘッド62M、及びヘッド62Yは裏面Kマークの実測情報に基づきC画像、M画像、又はY画像を画像形成する。そして、この前提構成を備えつつ、特定のページに画像形成される裏面Kマークと、隣接ページに画像形成されるK画像とを異なるデータとして処理する構成(以下、「比較構成B」とする)が存在する。この比較構成Bでは、特定のページの裏面Kマークの画像データと、隣接ページのK画像の画像データとが異なるページの画像データとして扱われている。
【0059】
また、比較構成Bでは、第1検知部68Aが表面Kマークを検知した場合、裏面Kマーク及びK画像を画像形成させるための同一の吐出信号がヘッド62Kに対して送信される。そして、比較構成Bでは、連帳紙Pの裏面の先頭ページには、裏面Kマークのみが画像形成され、2ページ目以降には、裏面Kマーク、K画像、C画像、M画像、及びY画像が画像形成される。この場合、ヘッド62Kは、第1検知部68Aによる1回目の表面Kマークの検知に基づき先頭ページに裏面Kマークを画像形成し、第1検知部68Aによる2回目の表面Kマークの検知に基づき2ページ目に裏面Kマーク及びK画像を画像形成する。また、ヘッド62C、ヘッド62M、及びヘッド62Yは、第2検知部68B、第3検知部68C、又は第4検知部68Dによる先頭ページの裏面Kマークの検知に基づき2ページ目にC画像、M画像、及びY画像を画像形成する。なお、「連帳紙Pの裏面の先頭ページ」とは、対応する連帳紙Pの表面に印刷ジョブに応じた印刷画像が存在しない部分を意味する。
【0060】
以上のように構成された比較構成Bでは、例えば、第1検知部68Aによる表面Kマークの読み取り精度に基づき、K画像とC画像、M画像、及びY画像との間でカラーレジずれが生じるおそれがある。例えば、比較構成Bでは、連帳紙Pの裏面の先頭ページを「特定のページ」とし、2ページ目を「隣接ページ」とした場合、1回目の表面Kマークの実測情報に対して2回目の表面Kマークの実測情報が揺らいだ場合、その差分だけ、隣接ページにおいてK画像とC画像、M画像、及びY画像との間の搬送方向Sにおけるカラーレジずれが生じてしまう。
【0061】
そこで、第2の実施形態では、上記課題を解決すべく、CPU22により、連帳紙Pの裏面の特定のページに画像形成される裏面Kマークと、連帳紙Pの裏面の隣接ページに画像形成されるK画像とを1つの纏まりとして画像形成処理が行われる。ここでは、裏面Kマークが基準画像の一例となり、K画像が通常画像の一例となる。
【0062】
以下、
図7を用いて、第2の実施形態で行われる画像形成処理について説明する。
図7は、連帳紙Pの裏面における特定のページ及び隣接ページを示す概念図である。なお、
図7を用いた以下の説明では、特定のページを「Nページ目」と記載し、隣接ページを「N+1ページ目」と記載することもある。なお、
図7に示す特定のページ、すなわち、Nページ目は、連帳紙Pの裏面における先頭ページとなっている。また、
図7において「裏面Kマーク」には、符号「70K」を付し、「K画像」には符号「80K」を付している。なお、
図7に示すK画像やC画像は、第2の実施形態の説明で用いるために簡略化した一例であり、この一例とは異なる画像をK画像やC画像としてもよい。
【0063】
CPU22は、上記の画像形成処理として、Nページ目の裏面Kマーク70Kと、N+1ページ目のK画像80Kとを1つのデータとして処理する。第2の実施形態では、各ページにおける画像領域を印刷画像領域P1と端部領域P2とに分割し、各ページにおける印刷画像領域P1と端部領域P2との画像データを分割している。これにより、第2の実施形態では、CPU22により、連続する2ページ分のK色の画像データを跨いで、特定のページの端部領域P2と隣接ページの印刷画像領域P1とを同一ページとして扱うことが可能となる。例えば、
図7に示す場合、CPU22は、Nページ目の端部領域P2とN+1ページ目の印刷画像領域P1とを同一ページとして扱い、Nページ目のKマーク70Kの画像データとN+1ページ目のK画像80Kの画像データとを1つのデータとして処理する。この場合、Nページ目のKマーク70Kの画像データとN+1ページ目のK画像80Kの画像データとは、画像データの画像位置を決定するために用いる座標が共通している、ともいえる。
【0064】
ここで、第1検知部68Aは、連帳紙Pの搬送により、表面Kマークが検知範囲に到達した場合に当該表面Kマークを検知し、当該検知した表面Kマークの検知結果を実測情報として制御部20へ送信する。
【0065】
次に、CPU22は、当該取得した表面Kマークの実測情報に基づく画像形成タイミングで、Nページ目に画像形成される裏面Kマーク70Kと、N+1ページ目に画像形成されるK画像80Kとの画像形成指示としての吐出信号をヘッド62Kに対して送信する。具体的には、CPU22は、Nページ目の端部領域P2に裏面Kマーク70Kを画像形成させるための第1K色吐出信号と、N+1ページ目の印刷画像領域P1にK画像80Kを画像形成させるための第2K色吐出信号とに分割した吐出信号をヘッド62Kに対して送信する。
【0066】
第1K色吐出信号を取得したヘッド62Kは、Nページ目の端部領域P2に裏面Kマーク70Kを画像形成する。また、第2K色吐出信号を取得したヘッド62Kは、N+1ページ目の印刷画像領域P1にK画像80Kを画像形成する。
【0067】
なお、第1検知部68Aは、表面Kマークを検知する都度、当該検知した表面Kマークの実測情報を制御部20へ送信する。CPU22は、表面Kマークの実測情報を取得する都度、当該取得した表面Kマークの実測情報に基づく画像形成タイミングで、ヘッド62Kに対して、特定のページに裏面Kマーク70Kを画像形成させ、隣接ページにK画像80Kを画像形成させるための吐出信号を送信する。ヘッド62Kは、第1K色吐出信号を取得する都度、当該取得した第1K色吐出信号に基づき特定のページの端部領域P2に裏面Kマーク70Kを画像形成する。また、ヘッド62Kは、第2K色吐出信号を取得する都度、当該取得した第2K色吐出信号に基づき隣接ページの印刷画像領域P1にK画像80Kを画像形成する。
【0068】
そのため、
図7では図示を省略しているが、上記で説明した1回目の検知に続いて第1検知部68Aが2回目の表面Kマークを検知した場合は、ヘッド62Kによる以下の画像形成が行われる。この場合、ヘッド62Kは、特定のページとしてN+1ページ目の端部領域P2に裏面Kマークを画像形成し、隣接ページとしてN+2ページ目の印刷画像領域P1にK画像を画像形成する。
【0069】
このように、第2の実施形態では、連帳紙Pの裏面のNページ目、すなわち、先頭ページには、裏面Kマーク70Kのみが画像形成され、N+1ページ目以降には、裏面Kマーク70K及びK画像80Kが画像形成される。
【0070】
次に、第2検知部68Bは、連帳紙Pの搬送により、Nページ目の裏面Kマーク70Kが検知範囲に到達した場合に当該裏面Kマーク70Kを検知し、当該検知した裏面Kマーク70Kの検知結果を実測情報として制御部20へ送信する。
【0071】
次に、CPU22は、第2検知部68BがNページ目の裏面Kマーク70Kを検知した場合、当該検知した裏面Kマーク70Kの実測情報を用いて、N+1ページ目においてヘッド62Cが画像形成するC画像の画像位置を調整する。具体的には、CPU22は、当該取得した裏面Kマーク70Kの実測情報に基づく画像形成タイミングでヘッド62Cに対し、N+1ページ目の印刷画像領域P1にC画像を画像形成させるためのC色吐出信号を送信する。
【0072】
C色吐出信号を取得したヘッド62Cは、N+1ページ目の印刷画像領域P1にC画像80Cを画像形成する。なお、
図7において「C画像」には、符号「80C」を付している。
なお、以降の流れは上記と同様のため、記載を省略する。
【0073】
以上のように構成された第2の実施形態では、比較構成Bに比べて、搬送方向Sにおけるカラーレジずれが抑制される。
具体的には、第2の実施形態では、1回目の表面Kマークの実測情報を用いて、ヘッド62Kにより、特定のページに裏面Kマークが画像形成され、隣接ページにK画像が画像形成される。また、第2の実施形態では、特定のページの裏面Kマークの実測情報を用いて、ヘッド62C、ヘッド62M、及びヘッド62Yにより、隣接ページにC画像、M画像、及びY画像が画像形成される。
【0074】
つまり、第2の実施形態では、1回目の表面Kマークの実測情報に基づき、隣接ページにおけるK画像、C画像、M画像、及びY画像の画像形成タイミングを図っている。そのため、第2の実施形態によれば、1回目の表面Kマークの検知タイミングが前後しても、隣接ページにおけるK画像、C画像、M画像、及びY画像の画像位置がそれぞれ同量だけ搬送方向Sにずれることとなり、カラーレジずれが抑制される。
【0075】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
第3の実施形態は、第2の実施形態と前提構成が共通しているが、第2の実施形態の要部構成を置換した構成で第2の実施形態で示した課題を解決する形態である。以下、
図8を用いて、第3の実施形態の構成について説明する。
【0076】
第1検知部68Aは、連帳紙Pの搬送により、表面Kマークが検知範囲に到達した場合に当該表面Kマークを検知し、当該検知した表面Kマークの検知結果を実測情報として制御部20へ送信する。
【0077】
CPU22は、当該取得した表面Kマークの実測情報に基づく画像形成タイミングで、特定のページに画像形成される裏面Kマーク及び隣接ページに画像形成されるK画像の吐出信号をヘッド62Kに対して送信する。
吐出信号を取得したヘッド62Kは、特定のページの端部領域に裏面Kマークを画像形成し、隣接ページの印刷画像領域にK画像を画像形成する。
【0078】
次に、第2検知部68Bは、連帳紙Pの搬送により、特定のページの裏面Kマークが検知範囲に到達した場合に当該裏面Kマークを検知し、当該検知した裏面Kマークの検知結果を実測情報として制御部20へ送信する。
図8(A)には、第2検知部68B、第3検知部68C及び第4検知部68Dにより検知された裏面Kマークの実測情報が破線の波形で示されている。
【0079】
次に、CPU22は、第2検知部68Bから送信された実測情報と、ROM24に記憶されている当該実測情報に対応する基準情報とを比較し、搬送方向Sのずれ量が閾値以上である場合には、隣接ページにおけるヘッド62Cの搬送方向Sにおける画像位置を調整する。この基準情報は、基準時における各検知部68による裏面Kマークの検知後、制御部20へ送信され、連帳紙Pにおける各ヘッドユニット62の基準となる画像位置を示す基準情報としてROM24に予め記憶されている。
図8(B)には、ROM24に記憶されている第2検知部68B、第3検知部68C及び第4検知部68Dで検知された裏面Kマークの基準情報が実線の波形で示されている。なお、実測情報は基準画像の画像情報の一例であり、基準情報は基準画像の基準情報の一例である。
【0080】
CPU22は、第2検知部68Bから実測情報を取得すると、当該実測情報と、当該実測情報に対応する基準情報とを比較する。例えば、CPU22は、第2検知部68Bの実測情報のON時間の開始地点と、当該実測情報に対応する基準情報のON時間の開始地点との差分α1をとり、基準となる画像位置からの搬送方向Sのずれ量及びずれの方向を算出する。このとき、
図8では、上記の搬送方向Sのずれ量が閾値以上であるものとする。そのため、CPU22は、当該ずれ量に対応させるべく、隣接ページにおけるヘッド62Cの搬送方向Sにおける画像位置の調整を行い、ノズルからのインク滴の吐出タイミングを前後させる。
【0081】
ヘッド62Cは、隣接ページの印刷画像領域にC画像を画像形成する。このとき、ヘッド62Cは、上記の調整が行われたため、ノズルからのインク滴の吐出タイミングが基準時から前後している。
なお、以降の流れは上記と同様のため、記載を省略する。
【0082】
第3の実施形態では、特定のページに画像形成された裏面Kマークが検知された場合、CPU22により、当該検知された裏面Kマークの実測情報と裏面Kマークの基準情報とを用いて、隣接ページにおけるC画像、M画像、及びY画像の画像位置が調整される。
つまり、第3の実施形態では、実測情報と基準情報との差分を用いて搬送方向Sのずれ量及びずれの方向を算出し、ヘッド62C、ヘッド62M、及びヘッド62Yの各々の画像形成前に隣接ページにおけるインク滴の吐出タイミングを前後させることで、C画像、M画像、及びY画像の画像位置を調整している。
【0083】
そのため、第3の実施形態によれば、裏面Kマークの実測情報又は基準情報の一方を用いて隣接ページにおけるC画像、M画像、及びY画像の画像位置を調整する構成に比べて、搬送方向Sにおけるカラーレジずれが抑制される。
【0084】
(その他)
上記の実施形態では、「搬送方向Sにおける画像位置の調整」として、ノズルからのインク滴の吐出タイミングを前後させることとした。しかし、これに限らず、上記の調整として、調整対象となるヘッドユニットを搬送方向Sに移動させてもよい。この場合、CPU22は、各検知部の検知結果を用いて、調整対象となるヘッドユニットにおける搬送方向Sの移動量を算出する。そして、アクチュエータ等の移動部を駆動させ、CPU22により算出された移動量だけ補正対象となるヘッドユニットを搬送方向Sに移動させる。
【0085】
上記の実施形態では、画像形成装置10をインクジェット方式としたが、画像形成装置10はインクジェット方式に限定されるものではない。
【0086】
上記の実施形態では、画像処理装置の一例を画像形成装置10としたが、これに限らず、別のパーソナルコンピュータ等の端末装置を画像処理装置の一例としてもよい。つまり、上記の端末装置が備えるプロセッサが、上記の実施形態の画像形成装置10が備えるCPU22の処理を行ってもよい。
【0087】
上記の実施形態では、第1の実施形態の画像形成装置10において、座標値の入力画面32BでX座標値及びY座標値の入力が可能とされていたが、これに限らず、用紙幅方向のKマークの画像位置を設定するX座標値の入力は不可能とし、搬送方向SのKマークの画像位置を設定するY座標値の入力のみ可能としてもよい。
【0088】
上記の実施形態では、第1の実施形態の画像形成装置10において、実測情報と当該実測情報に対応する基準情報とを比較することで隣接ページにおけるヘッド12C、12M、及び12Yの搬送方向Sにおける画像位置を調整することとした。しかし、これに限らず、連帳紙Pの表面にのみ画像形成される第1の実施形態の画像形成装置10では、基準情報を用いずに実測情報のみを用いて上記の調整を行ってもよい。
【0089】
上記の実施形態では、第1の実施形態の画像形成装置10、並びに第2の実施形態及び第3の実施形態の第1画像形成装置50においては、第2の実施形態又は第3の実施形態で説明したCPU22の画像形成処理を行っていないが、これに限らず、当該画像形成処理を行ってもよい。当該画像形成処理を行うことで、特定のマークがプレプリントされた連帳紙Pを用いた場合に、当該特定のマークの検知に基づきヘッドKの画像形成を行ってもカラーレジずれが生じることを抑制できる。
【0090】
上記の実施形態では、第3の実施形態を第2の実施形態の構成を置換した構成とした。しかし、これに限らず、第3の実施形態において、第2の実施形態におけるCPU22の画像形成処理を行ってもよい。すなわち、上記の実施形態で示した第2の実施形態及び第3の実施形態におけるCPU22の双方の画像形成処理を行ってもよい。
【0091】
上記の実施形態では、第3の実施形態において、特定のページに画像形成された裏面Kマークが検知された場合、CPU22により、当該検知された裏面Kマークの実測情報と裏面Kマークの基準情報とを用いて、隣接ページにおけるC画像、M画像、及びY画像の画像位置が調整されることとした。
【0092】
しかし、これに限らず、CPU22は、第1検知部68Aが表面Kマークを検知した場合に、検知した表面Kマークの実測情報と予め取得した表面Kマークの基準情報とを用いて、隣接ページにおけるC画像、M画像、及びY画像の画像位置を調整してもよい。この場合、表面Kマークの基準情報は、基準時における第1検知部68Aによる表面Kマークの検知に基づき制御部20へ送信され、ROM24に予め記憶されている。
【0093】
上記の実施形態において、画像形成装置10が備えるCPU22は、プロセッサの一例である。そして、このプロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:=Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:=Graphics Processing Unit、ASIC:=Application Specific Integrated Circuit、FPGA:=Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0094】
また、上記のプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。さらに、上記のプロセッサの各動作の順序は上記の実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0095】
上記の実施形態では、K色を第1の色の一例とし、C色、M色、及びY色を第2の色の一例とした。つまり、上記の実施形態では、第1の色と第2の色とを異色として、フルカラー印刷を行う画像形成装置10を例に説明した。しかし、第2の色による画像形成が、第1の色の画像形成後に行われれば、第1の色と第2の色とを異色とすることに限らず、同色としてもよい。つまり、K色で単色印刷を行う画像形成装置10において、上記の実施形態で説明した構成を適用してもよい。この場合、同色であるK色が第1の色及び第2の色の一例となる。
【符号の説明】
【0096】
10 画像形成装置(画像処理装置の一例)
12K ヘッド(第1画像形成部の一例)
12C ヘッド(第2画像形成部の一例)
12M ヘッド(第2画像形成部の一例)
12Y ヘッド(第2画像形成部の一例)
22 CPU(プロセッサの一例)