IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20240409BHJP
   G03G 15/22 20060101ALI20240409BHJP
   G03G 13/22 20060101ALI20240409BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20240409BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240409BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20240409BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G15/22 101Z
G03G13/22
G03G15/20 505
G03G15/00 303
G03G21/14
G03G15/01 K
G03G15/01 114
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019185475
(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公開番号】P2021060527
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】八木 昌隆
(72)【発明者】
【氏名】日當 大我
(72)【発明者】
【氏名】園山 将士
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-266304(JP,A)
【文献】特開2007-293134(JP,A)
【文献】特開2005-031312(JP,A)
【文献】特開2005-234292(JP,A)
【文献】特開平09-171306(JP,A)
【文献】特開2006-251288(JP,A)
【文献】特開平08-220899(JP,A)
【文献】特開2012-203178(JP,A)
【文献】特開2007-065348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 15/22
G03G 13/22
G03G 15/20
G03G 15/00
G03G 21/14
G03G 15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体にトナー像を形成する作像手段と、
前記作像手段により形成された前記トナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、
前記トナー像が加熱されている状態で前記トナー像を構成する複数のトナー間の接触面積を非接触で増大させる加圧手段と、を備え、
前記トナー像を構成する複数のトナーは帯電しており、
前記加圧手段は、前記トナー像が移動する経路中に電場を発生させ、
前記加圧手段が発生する前記電場の方向は、前記トナー像を担持する転写定着部材に前記トナーが向かう方向に前記トナーが力を受ける方向であり、
前記加圧手段は、前記トナー像を構成するトナーの量が多いほど前記電場の強さを大きくする、画像形成装置。
【請求項2】
前記トナー像を構成するトナーの帯電量を決定する帯電量決定手段を、さらに備え、
前記加圧手段は、前記帯電量に応じて前記電場の強さを変更する、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
像担持体にトナー像を形成する作像手段と、
前記作像手段により形成された前記トナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、
前記トナー像が加熱されている状態で前記トナー像を構成する複数のトナー間の接触面積を非接触で増大させる加圧手段と、を備え、
前記トナー像を構成する複数のトナーは帯電しており、
前記加圧手段は、前記トナー像が移動する経路中に電場を発生させ、
前記加圧手段が発生する前記電場の方向は、前記トナー像を担持する転写定着部材に前記トナーが向かう方向に前記トナーが力を受ける方向であり、
前記トナー像を構成するトナーの帯電量を決定する帯電量決定手段を、さらに備え、
前記加圧手段は、前記トナー像を構成する複数のトナーの帯電量が小さいほど前記電場の強さを大きくする、画像形成装置。
【請求項4】
湿度を検知する湿度検知手段を、さらに備え、
前記帯電量決定手段は、湿度に基づいて前記トナーの帯電量を決定する、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記帯電量決定手段は、前記作像手段の稼働履歴に基づいて前記トナーの帯電量を決定する、請求項2~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記加圧手段は、前記トナー像を構成するトナーの種類の数に応じて前記電場の強さを変更する、請求項1~5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
像担持体にトナー像を形成する作像手段と、
前記像担持体からトナー像が転写される1次中間転写部材と、
前記1次中間転写部材からトナー像が転写される2次中間転写部材と、
前記2次中間転写部材からトナー像が転写され、前記作像手段により形成された前記トナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、
前記定着手段に設けられ、前記トナー像が加熱されている状態で前記トナー像を構成する複数のトナー間の接触面積を非接触で増大させる加圧手段と、を備え、
前記トナー像を構成する複数のトナーは磁性を有し、
前記加圧手段は、前記トナー像が移動する経路中に磁場を発生させる、画像形成装置。
【請求項8】
像担持体にトナー像を形成する作像手段と、
前記作像手段により形成された前記トナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、
前記トナー像は、磁性を有する複数のトナーで構成され、
前記トナー像が加熱されている状態で、前記トナー像が移動する経路中に磁場を発生させる加圧手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項9】
前記加圧手段は、前記トナー像を構成するトナーの量に応じて、前記磁場の磁力を変更する、請求項7または8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記加圧手段は、前記トナー像を構成するトナーの量が多いほど磁力を大きくする、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記加圧手段は、前記トナー像を構成するトナーの種類の数に応じて前記磁場の強さを変更する、請求項7~10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
前記画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、
前記像担持体からトナー像が転写される1次中間転写部材と、
前記1次中間転写部材からトナー像が転写される2次中間転写部材と、
前記2次中間転写部材からトナー像が転写され、前記作像手段により形成された前記トナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、
前記トナー像は、帯電した複数のトナーで構成され、
前記定着手段に設けられ、前記トナー像が加熱されている状態で、前記トナー像が移動する経路中に電場を発生させる加圧手段と、を備え、
前記加圧手段が発生する前記電場の方向は、前記トナー像を担持する転写定着部材に前記トナーが向かう方向に前記トナーが力を受ける方向であり、
前記トナー像を構成するトナーの量が多いほど前記加圧手段が発生させる前記電場の強度を大きくするステップを含む画像形成方法。
【請求項13】
前記2次中間転写部材を第1ニップ部で前記1次中間転写部材と当接させるとともに第2ニップ部で前記定着手段と当接された当接状態と、前記2次中間転写部材を前記1次中間転写部材および前記定着手段から離間させた離間状態とに状態を切り換える切換ステップを、さらに含む、請求項12に記載の画像形成方法。
【請求項14】
画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
前記画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、
前記作像手段により形成された前記トナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、
前記トナー像は、磁性を有する複数のトナーで構成され、
前記トナー像が加熱されている状態で、前記トナー像が移動する経路中に磁場を発生させる加圧手段と、を備え、
前記加圧手段が発生させる前記磁場の強度を制御するステップを含む画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置および画像形成方法に関し、特に、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置、その画像形成装置で実行される画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機(MFP)で代表される画像形成装置は、トナーを用紙等の記録媒体に定着させるための定着装置を備えている。この定着装置は、トナーで構成されるトナー像が転写された記録媒体が供給され、その記録媒体に熱および圧を加えることにより、トナーを溶融しつつ記録媒体に定着させる。しかしながら、この定着装置においては、トナーを溶融するために記録媒体にも同時に熱が加えられるので、不要な熱エネルギーが使用され、エネルギー損失が大きい。
【0003】
このエネルギー損失を少なくする転写定着同時方式と呼ばれる定着装置が知られている。例えば、特開2007-65348号公報には、一次加圧工程として像担持体上に形成された粉体粒子状の像形成物質を該像担持体上で熱エネルギーを付与しながら押圧する第一ニップ部と、二次加圧工程として該第一ニップの下流側で該像形成物質を記録媒体に転写定着を行う第二ニップ部とを有する定着装置が記載されている。この定着装置は、トナー像を記録媒体に転写させる前にトナー像に熱を加えた後に、トナー像を記録媒体に転写するので、記録媒体に熱および圧を加える方式に比較して、記録媒体と接触する面積および時間を短くすることができる。
【0004】
一方、記録媒体と接触する面積および時間を短くすると、トナーが軟化温度に達していても、トナーが粘弾性を有するために用紙の凹凸に変形できない場合がある。このため、画質が低下するといった問題がある。この問題に対応するために特開2007-65348号公報においては、像担持体上で熱エネルギーを付与しながら押圧するために、第一ニップ部は、一次加圧バネによって一次加圧ローラが転写定着ベルトを介してバックアップローラに押圧されることにより形成される。
【0005】
しかしながら、特開2007-65348号公報に記載の定着装置は、一次加圧ローラおよびバックアップローラが転写定着ベルトと接触するので、一次加圧ローラおよびバックアップローラに熱が伝導する。このため、不要な熱エネルギーが使用され、エネルギー損失が大きいといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-65348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的の1つは、画質を維持しつつ熱エネルギーの損失を少なくすることが可能な画像形成装置を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、画質を維持しつつ熱エネルギーの損失を少なくすることが可能な画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この発明のある局面によれば、画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、作像手段により形成されたトナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、トナー像が加熱されている状態でトナー像を構成する複数のトナー間の接触面積を非接触で増大させる加圧手段と、を備え、トナー像を構成する複数のトナーは帯電しており、加圧手段は、トナー像が移動する経路中に電場を発生させ、加圧手段が発生する電場の方向は、トナー像を担持する転写定着部材にトナーが向かう方向にトナーが力を受ける方向であり、加圧手段は、トナー像を構成するトナーの量が多いほど電場の強さを大きくする。
【0026】
好ましくは、トナー像を構成するトナーの帯電量を決定する帯電量決定手段を、さらに備え、加圧手段は、帯電量に応じて電場の強さを変更する。
【0027】
この局面に従えば、トナーの帯電量が変化する場合であっても複数のトナーそれぞれに所定の力以上の力を加えることができる。
【0028】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、作像手段により形成されたトナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、トナー像が加熱されている状態でトナー像を構成する複数のトナー間の接触面積を非接触で増大させる加圧手段と、を備え、トナー像を構成する複数のトナーは帯電しており、加圧手段は、トナー像が移動する経路中に電場を発生させ、加圧手段が発生する電場の方向は、トナー像を担持する転写定着部材にトナーが向かう方向にトナーが力を受ける方向であり、トナー像を構成するトナーの帯電量を決定する帯電量決定手段を、さらに備え、加圧手段は、トナー像を構成する複数のトナーの帯電量が小さいほど電場の強さを大きくする。
【0029】
好ましくは、湿度を検知する湿度検知手段を、さらに備え、帯電量決定手段は、湿度に基づいてトナーの帯電量を決定する。
【0030】
この局面に従えば、湿度に基づいてトナーの帯電量が決定されるので、トナーの帯電量を容易に決定することができる。
【0031】
好ましくは、帯電量決定手段は、作像手段の稼働履歴に基づいてトナーの帯電量を決定する。
【0032】
この局面に従えば、可動履歴に基づいてトナーの帯電量が決定されるので、トナーの帯電量を容易に決定することができる。
【0033】
好ましくは、加圧手段は、トナー像を構成するトナーの種類の数に応じて電場の強さ変更する。
【0034】
この局面に従えば、トナーの種類の数に応じて電場の強さが変更されるので、トナー像を構成する複数のトナーの種類の数が変化する場合であっても複数のトナーそれぞれに所定の力以上の力を加えることができる。
【0035】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、像担持体からトナー像が転写される1次中間転写部材と、1次中間転写部材からトナー像が転写される2次中間転写部材と、2次中間転写部材からトナー像が転写され、作像手段により形成された、トナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、定着手段に設けられ、トナー像が加熱されている状態で、トナー像を構成する複数のトナー間の接触面積を非接触で増大させる加圧手段と、を備え、トナー像を構成する複数のトナーは磁性を有し、加圧手段は、トナー像が移動する経路中に磁場を発生させる。
【0036】
この局面に従えば、トナー像が移動する経路中に磁場が発生するので、トナー像を構成する複数のトナーに非接触で所定の力を加えることができる。
【0037】
この発明のさらに他の局面によれば、画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、作像手段により形成されたトナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、トナー像は、磁性を有する複数のトナーで構成され、トナー像が加熱されている状態で、トナー像が移動する経路中に磁場を発生させる加圧手段と、を備える。
【0038】
この局面に従えば、磁場を通過する磁性を有する複数のトナーに非接触で所定の力が加わる。このため、複数のトナー間の接触面積が非接触で増大される。その結果、画質を維持しつつ熱エネルギーの損失を少なくすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0039】
好ましくは、加圧手段は、トナー像を構成するトナーの量に応じて、磁場の磁力を変更する。
【0040】
この局面に従えば、トナーの量に応じて磁力を変更するので、トナーの量が変化する場合であってもトナーそれぞれに所定の力以上の力を加えることができる。
【0041】
好ましくは、加圧手段は、トナー像を構成するトナーの量が多いほど磁力の絶対値を大きくする。
【0042】
好ましくは、加圧手段は、トナー像を構成するトナーの種類の数に応じて磁場の強さ変更する。
【0043】
この局面に従えば、トナーの種類の数に応じて磁場の強さが変更されるので、トナー像を構成する複数のトナーの種類の数が変化する場合であっても複数のトナーそれぞれに所定の力以上の力を加えることができる。
【0044】
この発明の他の局面によれば、画像形成方法は、画像形成装置で実行される画像形成方法であって、画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、像担持体からトナー像が転写される1次中間転写部材と、1次中間転写部材からトナー像が転写される2次中間転写部材と、2次中間転写部材からトナー像が転写され、作像手段により形成されたトナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、定着手段に設けられ、トナー像は、帯電した複数のトナーで構成され、トナー像が加熱されている状態で、トナー像が移動する経路中に電場を発生させる加圧手段と、を備え、加圧手段が発生する電場の方向は、トナー像を担持する転写定着部材にトナーが向かう方向にトナーが力を受ける方向であり、トナー像を構成するトナーの量が多いほど加圧手段が発生させる電場の強度を大きくするステップを含む。
【0045】
この局面に従えば、画質を維持しつつ熱エネルギーの損失を少なくすることが可能な画像形成方法を提供することができる。
好ましくは、2次中間転写部材を第1ニップ部で1次中間転写部材と当接させるとともに第2ニップ部で定着手段と当接された当接状態と、2次中間転写部材を1次中間転写部材および定着手段から離間させた離間状態とに状態を切り換える切換ステップを、さらに含む。
【0046】
この発明のさらに他の局面によれば、画像形成方法は、画像形成装置で実行される画像形成方法であって、画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、作像手段により形成されたトナー像を加熱した後に記録媒体に定着させる定着手段と、トナー像は、磁性を有する複数のトナーで構成され、トナー像が加熱されている状態で、トナー像が移動する経路中に磁場を発生させる加圧手段と、を備え、加圧手段が発生させる磁場の強度を制御するステップを含む。
【0047】
この局面に従えば、画質を維持しつつ熱エネルギーの損失を少なくすることが可能な画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第1の斜視図である。
図2】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3】MFPの内部構成の一例を模式的に示す断面図である。
図4】転写定着装置の詳細な構成を模式的に示す図である。
図5】加圧部を模式的に示す図である。
図6】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図7】第1電圧テーブルの一例を示す図である。
図8】第1の実施の形態における画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】第1の変形例における加圧部を模式的に示す図である。
図10】第2の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図11】第2電圧テーブルの一例を示す図である。
図12】第3の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図13】第3電圧テーブルの一例を示す図である。
図14】第4の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図15】第4電圧テーブルの一例を示す図である。
図16】第2の実施の形態におけるMFPが備える加圧部を模式的に示す図である。
図17】第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図18】第1グリッド電圧テーブルの一例を示す図である。
図19】第5の変形例におけるMFPが備える加圧部を模式的に示す図である。
図20】第6の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図21】第2グリッド電圧テーブルの一例を示す図である。
図22】第7の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図23】第3グリッド電圧テーブルの一例を示す図である。
図24】第8の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図25】第4グリッド電圧テーブルの一例を示す図である。
図26】第3の実施の形態におけるMFPが備える加圧部を模式的に示す図である。
図27】第3の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図28】第1磁束密度テーブルの一例を示す図である。
図29】第9の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図30】第2磁束密度テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0050】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第1の斜視図である。図2は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図1および図2を参照して、MFP(Multi Function Peripheral)100は、画像形成装置の一例であり、メイン回路110と、画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0051】
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0052】
給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。画像形成部140は、CPU111により制御され、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、CPU111から入力される画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像を形成した用紙を排紙トレイ39に排出する。CPU111が画像形成部140に出力する画像データは、外部のパーソナルコンピューター等から受信されるプリントデータ等の画像データを含む。
【0053】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0054】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0055】
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。
【0056】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターと通信する。なお、通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0057】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0058】
外部記憶装置117は、CPU111により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)118、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置117を制御して、CD-ROM118からCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0059】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM118に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0060】
図3は、MFPの内部構成の一例を模式的に示す断面図である。以下、説明のため、図3の左右の方向を左右方向といい、表裏の方向を奥行方向という。左右方向で左から右に向かう方向を右側面方向といい、右から左に向かう方向を左側面方向という。奥行方向の表から裏に向かう方向を正面方向といい、裏から表に向かう方向を背面方向という。
【0061】
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備える。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。
【0062】
画像形成ユニット20Yは、イエローの印字用データが入力される露光装置21Yと、像担持体である感光体ドラム23Yと、感光体ドラム23Yの表面を一様に帯電するための帯電ローラー22Yと、現像器24Yと、感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像を電界力の作用で像担持体である1次中間転写ベルト30上に転写するための1次転写ローラー25Yと、感光体ドラム23Y上の転写残トナーを除去するためドラム清掃ブレード27Yと、トナーボトル41Yと、トナーホッパー42Yと、を備える。
【0063】
トナーボトル41Yは、イエローのトナーを収容する。トナーボトル41Yは、トナーボトルモーターを駆動源として回転し、トナーを外部に排出する。トナーボトル41Yから排出されたトナーは、トナーホッパー42Yに供給される。トナーホッパー42Yは、現像器24Yに収容されたトナーの残量が予め定められた下限値以下になることに応じて現像器24Yにトナーを供給する。
【0064】
感光体ドラム23Yの周辺に、帯電ローラー22Y、露光装置21Y、現像器24Y、1次転写ローラー25Y、ドラム清掃ブレード27Yが、感光体ドラム23Yの回転方向に沿って順に配置される。
【0065】
感光体ドラム23Yは、帯電ローラー22Yによって帯電された後、露光装置21Yが発光するレーザー光が照射され、感光体ドラム23Yを走査する。露光装置21Yは、感光体ドラム23Yの表面の画像対応部を露光して静電潜像を形成する。これにより、感光体ドラム23Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器24Yが、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像を帯電したトナーで現像する。感光体ドラム23Yに形成された静電潜像上に電界力の作用でトナーが載せられる。具体的には、現像器24Yに現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス電圧はトナーの帯電電位と感光体ドラム23Yの露光電位との間に設定される。これにより、現像バイアス電圧と露光電位との電位差により、トナー像が感光体ドラム23Yに形成される。このように、現像器24Yは、感光体ドラム23Yにトナー像を作像する。
【0066】
感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像は、像担持体である1次中間転写ベルト30上に1次転写ローラー25Yにより電界力の作用で転写される。具体的には、1次転写ローラー25Yに正の1次転写バイアス電圧が印加される。1次転写ローラー25Yと感光体ドラム23Yとの間に発生する電界により、感光体ドラム23Y上のトナー像は1次中間転写ベルト30に転写される。感光体ドラム23Y上で転写されずに残ったトナーは、ドラム清掃ブレード27Yにより感光体ドラム23Yから除去される。
【0067】
一方、1次中間転写ベルト30は、駆動ローラー33と従動ローラー34とにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー33が図3中で反時計回りに回転すると、1次中間転写ベルト30が所定の速度で図中反時計回りに回転する。1次中間転写ベルト30の回転に伴って、従動ローラー34が、反時計回りに回転する。
【0068】
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが、順に1次中間転写ベルト30上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれが、1次中間転写ベルト30上にトナー像を転写するタイミングは、1次中間転写ベルト30に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が1次中間転写ベルト30上に重畳される。
【0069】
MFP100は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。なお、ここでは、MFP100は、用紙に4色のトナーそれぞれを形成する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備えたタンデム方式を採用する例について説明するが、1つの感光体ドラムで4色のトナーを順に用紙に転写する4サイクル方式を採用してもよい。
【0070】
1次中間転写ベルト30により担持されるトナー像は、転写定着装置50に転写される。1次中間転写ベルト30の画像形成ユニット20Yの上流に、ベルト清掃ブレード28が設けられている。ベルト清掃ブレード28は、転写定着装置50に転写されずに1次中間転写ベルト30に残ったトナーを除去する。
【0071】
給紙カセット35には、複数枚の用紙がセットされている。給紙カセット35に収容された用紙は、給紙カセット35に取付けられている取出ローラー36により、1枚ずつ順に搬送経路へ供給され、給紙ローラー37によりタイミングローラー31へ送られる。また、手差カセット35Aに、1以上の用紙がセットされる場合、手差カセット35Aにセットされた1以上の用紙は、手差カセット35Aに取付けられている取出ローラー36Aにより、1枚ずつ順に搬送経路へ供給され、給紙ローラー37によりタイミングローラー31へ送られる。
【0072】
タイミングローラー31は、給紙カセット35または手差カセット35Aから搬送される用紙を転写定着装置50に搬送する。転写定着装置50は、タイミングローラー31により搬送される用紙に、トナー像を転写すると同時に定着する。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。タイミングローラー31は、転写定着装置50がトナー像を用紙に転写する位置に転写定着装置50に転写されたトナー像が到達するタイミングに合わせて用紙の搬送を開始する。これにより用紙にトナー像が転写される位置が調整される。転写定着装置50は、トナー像を転写および定着した用紙を排紙トレイ39に排出する。
【0073】
図4は、転写定着装置の詳細な構成を模式的に示す図である。図4を参照して、転写定着装置50は、中間転写部51と、転写同時定着部61と、加圧ローラー71と、を含む。中間転写部51は、像担持体である2次転写ローラー53と、離脱機構59と、を含む。2次転写ローラー53は、中空円筒形状のローラーである。
【0074】
2次転写ローラー53の回転軸は、回転対称軸である。2次転写ローラー53は、中間転写フレーム10に軸支されている。離脱機構59は、中間転写フレーム10を本体フレームに対して摺動させることにより、2次転写ローラー53の回転軸を駆動位置と離脱位置とのいずれかに移動させる。離脱機構59は、2次転写ローラー53が駆動位置に位置する状態で2次転写ローラー53の回転軸を駆動ローラー33に向かう方向および加熱ローラー63に向かう方向に付勢する。離脱機構59は、2次転写ローラー53の回転軸を付勢するために、バネ等の弾性体を有する。
【0075】
2次転写ローラー53が駆動位置に位置する場合において、2次転写ローラー53と駆動ローラー33との間に第1ニップ部N1が形成される。2次転写ローラー53には第2転写バイアス電圧が印加されており、1次中間転写ベルト30に担持されるトナー像は第1ニップ部N1において2次転写ローラー53に転写される。2次転写バイアス電圧は、1次転写バイアス電圧よりも絶対値が大きい。また、2次転写ローラー53が駆動位置に位置する場合において、2次転写ローラー53と後述する加熱ローラー63との間に第2ニップ部N2が形成される。加熱ローラー63には第3転写バイアス電圧が印加されており、2次転写ローラー53により担持されるトナー像は第2ニップ部N2において転写定着ベルト67に転写される。3次転写バイアス電圧は、2次転写バイアス電圧よりも絶対値が大きい。第1ニップ部N1は、2次転写ローラー53と駆動ローラー33との間で2次転写ローラー53が1次中間転写ベルト30と接触する部分である。第2ニップ部N2は、2次転写ローラー53と加熱ローラー63との間で2次転写ローラー53が転写定着ベルト67と接触する部分である。
【0076】
2次転写ローラー53が離脱位置に位置する場合において、2次転写ローラー53は、駆動ローラー33から離間するとともに、加熱ローラー63から離間する。
【0077】
転写同時定着部61は、加熱ローラー63と、従動ローラー65と、像担持体である無端状の転写定着ベルト67と、加圧部69と、を含む。加熱ローラー63は、中空円筒形状の部材であり、内部に熱源66を内蔵する。加熱ローラー63の内径は、熱源66が接触しないサイズに設定されている。加熱ローラー63はステンレス製である。加熱ローラー63をステンレス製とするので、強度があり、加工性も良い。熱源66は、例えば、ハロゲンヒーターである。本実施の形態においては、熱源66として、発光長の異なる2本のハロゲンヒーターが用いられる。なお、熱源66はハロゲンヒーターに限定されず、抵抗発熱体またはIH(Induction Heating)が用いられてもよい。
【0078】
熱源66が発熱することにより、加熱ローラー63が加熱され、加熱ローラー63の温度が上昇する。加熱ローラー63を薄肉化することで、加熱ローラー63の熱容量が小さくなる。このため、加熱ローラー63の昇温速度が速くなるので、加熱ローラー63が所定の温度に達するまでのウォームアップ時間を短くすることができる。また、熱源66の消費電力量を低減することができる。
【0079】
加熱ローラー63の外周および従動ローラー65の外周に無端状の転写定着ベルト67が架けられている。加熱ローラー63は、モーターによって所定の回転速度で回転される。加熱ローラー63の回転に伴って転写定着ベルト67および従動ローラー65が従動回転する。転写定着ベルト67は、加熱ローラー63と接触する間に熱せられる。
【0080】
加熱ローラー63の外側に、加熱ローラー63と非接触の状態でサーミスタが配置されている。このサーミスタにより加熱ローラー63により熱が伝達した転写定着ベルト67の表面温度が検知され、熱源66の発熱量が制御される。具体的には、転写定着ベルト67の表面温度が所定の温度になるように熱源66の発熱量が制御される。
【0081】
なお、加熱ローラー63が備える熱源66が、加熱ローラー63の内部ではなく、従動ローラー65の内部に設けられてもよい。
【0082】
従動ローラー65と対向する位置に加圧ローラー71が配置される。加圧ローラー71は、円柱形状の部材である。加圧ローラー71の回転軸が本体フレームに摺動可能に軸支されている。加圧ローラー71の回転軸は、バネなどの弾性体により加熱ローラー63側に付勢され、加圧ローラー71と従動ローラー65との間に第3ニップ部N3が形成される。第3ニップ部N3は、加圧ローラー71が転写定着ベルト67と接触する部分である。ばねの長さを変えることにより加圧ローラー71に加わる付勢力が調整される。第3ニップ部N3の長さは0mm以上~1mm以下とするのが好ましい。また、加圧ローラー71は、従動ローラー65に向かう方向に付勢された付勢状態と、従動ローラー65から離間して転写定着ベルト67と接触しない待機状態とに状態を変化させる移動機構が設けられる。
【0083】
付勢状態においては、加圧ローラー71は転写定着ベルト67に接触するので、熱源66で発生した熱が伝導するが、待機状態においては、加圧ローラー71は転写定着ベルト67に接触しないので熱は伝導しない。このため、待機状態において、熱源66で発生した熱が加圧ローラー71に伝導しないので、転写定着ベルト67の温度を所定の値にするまでの時間を短くすることができる。このため、無駄に熱エネルギーが消費されないようにできる。
【0084】
また、2次転写ローラー53が離脱位置に位置する場合において、2次転写ローラー53は、駆動ローラー33から離間するとともに、加熱ローラー63から離間する。このため、2次転写ローラー53が離脱位置に位置する場合は、熱源66で発生した熱が1次中間転写ベルト30に伝導しない。このため、1次中間転写ベルト30および画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの温度の上昇を抑えることができる。これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K内に収容されるトナーの固化を防止することができ、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの破壊を防ぐことができる。また、1次中間転写ベルト30にトナーが固着するのを防止してベルト清掃ブレード28が破損するのを防止することができる。
【0085】
加圧部69は、第2ニップ部N2で転写定着ベルト67に転写されたトナー像が加熱されている状態でトナー像を構成する複数のトナー間の接触面積を増大させる。転写定着ベルト67に転写されたトナー像は、転写定着ベルト67により担持される。転写定着ベルト67に担持されたトナー像は、第2ニップ部N2から第3ニップ部N3に移動する間に転写定着ベルト67により加熱される。
【0086】
図5は、加圧部を模式的に示す図である。図5を参照して、加圧部69は、転写定着ベルト67の第2ニップ部N2と第3ニップ部N3との間に電場を発生させる。具体的には、加圧部69は、第2ニップ部N2と第3ニップ部N3との間で転写定着ベルト67を挟むように配置された第1電極板81および第2電極板83と、第1電極板81と第2電極板83とに電位差を発生させる電圧印加部85とを含む。第1電極板81は、転写定着ベルト67のトナー像が担持される側と逆の内側に配置され、第2電極板83は転写定着ベルト67の外側に配置される。電圧印加部85は、第1電極板81の電位が第2電極板83の電位よりも大きくなるように、第1電極板81と第2電極板83とに電圧を印加する。したがって、電場の方向は、第1電極板81から第2電極板83に向かう方向である。
【0087】
転写定着ベルト67により担持されるトナー像を構成するトナーはマイナスに帯電している。したがって、トナー像が第2ニップ部N2から第3ニップ部N3に移動する間に加圧部69により発生された電場を通過するので、トナー像を構成するトナーは転写定着ベルト67に押し付けられる。
【0088】
転写定着ベルト67により担持されるトナーは、表面張力により転写定着ベルト67に吸着される。しかしながら、表面張力だけではトナーが変形するには不十分である。加圧部69がトナーに付与する力は、表面張力以上の力である。これにより、トナー像を構成するトナー間の空間が少なくなり、トナー間の接触面積が増大する。このように、加圧部69は、転写定着ベルト67により担持されるトナー像が加熱されている状態でトナー像を構成する複数のトナー間の接触面積を非接触で増大させる。なお、転写定着ベルト67により担持されるトナー像を構成するトナーがプラスに帯電する場合は、電圧印加部85は、第1電極板81の電位が第2電極板83の電位よりも大きな電圧を印加する。
【0089】
また、第1電極板81および第2電極板83の素材は、アルミニウムとするのが好ましい。この場合、第2電極板83が輻射熱を反射するのでトナーを昇温させることができ、第1電極板81が輻射熱を反射するので転写定着ベルト67の温度低下を少なくすることができる。
【0090】
加圧部69は、CPU111により制御される。CPU111は、加圧部69の電圧印加部85を制御し、転写定着ベルト67に担持されるトナーの量が多いほど、電場を大きくする。CPU111は、転写定着ベルト67に担持されるトナーの量が多いほど、電圧印加部85に電位差の大きな電圧を印加させる。これにより、トナーの量が変動する場合であってもトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。本実施の形態におけるMFP100は、トナー量が多いほど電圧印加部85が第1電極板81および第2電極板83に印加する電圧の絶対値を大きくするので、トナー量が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。
【0091】
図6は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。MFP100が備えるCPU111が有する機能は、CPU111が画像形成制御プログラムを実行することによりCPU111により実現される機能である。図6を参照して、CPU111は、トナー量決定部201と、電圧決定部203と、電圧制御部205と、を含む。
【0092】
トナー量決定部201は、画像形成部140で画像形成の対象となる画像データに基づいて、トナーの付着量を決定する。付着量は、転写定着ベルト67に担持されるトナーの量である。具体的には、トナー量決定部201は、画像データに含まれる複数の画素の画素値に基づいて付着量を算出する。電圧決定部203は、第1電圧テーブルを参照して、トナー量決定部201により決定された付着量に対して第1電圧テーブルにより定められた電圧を決定する。なお、ここでは第1電圧テーブルを用いる例を説明するが、トナー量から電圧値を求める演算式を用いてもよい。電圧制御部205は、電圧印加部85を制御して、電圧決定部203により決定された電圧を電圧印加部85に印加させる。
【0093】
図7は、第1電圧テーブルの一例を示す図である。第1電圧テーブルは、付着量に対する電圧を定める。第1電圧テーブルは、実験により求められる。第1電圧テーブルは、付着量が多いほど絶対値が大きな電圧を定める。
【0094】
図8は、第1の実施の形態における画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成処理は、MFP100が備えるCPU111が画像形成制御プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、加圧ローラー71を離間させる(ステップS01)。移動機構を制御して、加圧ローラー71を待機状態に状態を変化させる。
【0095】
次のステップS02においては、CPU111は、2次転写ローラー53を離間させる。具体的には、CPU111は、離脱機構59を制御して、2次転写ローラー53を離脱位置に移動させる。
【0096】
ステップS03においては、転写同時定着部61の準備動作が開始される。具体的には、CPU111は、熱源66に発熱させるとともに、加熱ローラー63を回転させる。これにより、転写定着ベルト67が加熱ローラー63と従動ローラー65との周りを回転しながら、加熱ローラー63により加熱される。
【0097】
ステップS04においては、転写定着ベルト67の温度が所定温度か否かが判断される。サーミスタにより検知される転写定着ベルト67の表面の温度が所定温度になるまで待機状態となり(ステップS04でNO)、所定温度ならば処理はステップS05に進む。
【0098】
ステップS05においては、プリントデータが受信されたか否かが判断される。例えば、外部のコンピューターからプリントデータが受信されるまで待機状態となり(ステップS05でNO)、プリントデータが受信されたならば(ステップS05でYES)、処理はステップS06に進む。
【0099】
ステップS06においては、トナー量が決定される。プリントデータに含まれる画像形成の対象となる画像データに基づいて、画像形成することにより用いられるトナー量が決定される。例えば、画像データの1ラインごとにトナー量が決定される。1ラインは、主走査方向に並ぶ複数の画素を含む。主走査方向は、露光装置21Yが感光体ドラム23Yを走査する方向であり、奥行方向に平行である。1ラインに含まれる複数の画素ごとに使用されるトナー量を予測し、それらの総和をそのラインに対するトナー量とすればよい。画像データに含まれる複数ラインそれぞれのトナー量が決定される。
【0100】
ステップS07においては、電圧パターンが決定される。第1電圧テーブルを用いて、複数ラインそれぞれに対して決定された複数のトナー量それぞれに対して、第1電圧テーブルにより定められる電圧が決定される。そして、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが画像を形成する画像形成速度に合わせて時系列に電圧を定めた電圧パターンが決定される。
【0101】
ステップS08においては、画像形成が開始される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが制御され、1次中間転写ベルト30にトナー像が形成される。次のステップS09においては、2次転写ローラー53が付勢される。CPU111は、離脱機構59を制御して、2次転写ローラー53を駆動位置に移動させる。これにより、1次中間転写ベルト30により担持されるトナー像が第1ニップ部N1において2次転写ローラー53に転写され、2次転写ローラー53により担持されるトナー像が第2ニップ部N2において転写定着ベルト67に転写される。
【0102】
ステップS10においては、電場が発生される。CPU111は、電圧印加部85を制御して、ステップS07において決定された電圧パターンで定まる電圧を第1電極板81と第2電極板83に印加する。これにより、転写定着ベルト67により担持されるトナー像を構成する複数のトナーはマイナスに帯電しているので、トナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に向かう方向の力を受ける。したがって、トナー像を構成する複数のトナー間の接触面性が増大する。電圧パターンは、転写定着ベルト67により担持されるトナー像のトナー量に対応した電圧を定めるので、トナー量が変化する場合であっても、転写定着ベルト67により担持されるトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に向かう方向の力を所定の値以上にすることができる。
【0103】
ステップS11においては、第3ニップ部N3に用紙が供給されるタイミングか否かが判断される。用紙が第3ニップ部N3に搬送されるタイミングはタイミングローラー31によりが調整されるので、タイミングローラー31が用紙を開始するタイミングに基づいて、第3ニップ部N3に用紙が供給されるタイミングが決定される。第3ニップ部N3に用紙が供給されるタイミングになるまで待機状態となり(ステップS11でNO)、第3ニップ部N3に用紙が供給されるタイミングならば処理はステップS12に進む。
【0104】
ステップS12においては、加圧ローラー71が付勢され、処理はステップS13に進む。CPU111は、移動機構を制御して、加圧ローラー71を付勢状態に状態を変化させる。これにより、加圧ローラー71が従動ローラー65に向かう方向に付勢されるので、第3ニップ部N3に搬送される用紙に、転写定着ベルト67により担持されるトナー像が用紙に転写されるとともに定着される。
【0105】
ステップS13においては、画像形成部140による画像形成が終了したか否かが判断される。画像形成が終了するまで待機状態となり(ステップS13でNO)、画像形成が終了したならば(ステップS13でYES)、処理はステップS14に進む。
【0106】
ステップS14においては、電場を発生させる動作が終了され、処理はステップS15に進む。CPU111は、電圧印加部85を制御して、第1電極板81と第2電極板83に電圧が印加されないようにする。
【0107】
ステップS15においては、CPU111は、ステップS01と同様に加圧ローラー71を離間させる。次いで、CPU111は、ステップS16において、ステップS02と同様に2次転写ローラー53を離間させ、処理を終了する。
【0108】
なお、2次転写ローラー53の回転軸が駆動位置に位置する場合に、第1ニップ部N1において、2次転写ローラー53が1次中間転写ベルト30と接触し、第2ニップ部N2において2次転写ローラー53が転写定着ベルト67と接触する例を示したが、第1ニップ部N1において、電界力の作用でトナー像を転写可能な場合は、2次転写ローラー53が1次中間転写ベルト30から所定の距離だけ離間し、第2ニップ部N2において2次転写ローラー53が転写定着ベルト67から所定の距離だけ離間するようにしてもよい。
【0109】
<第1の変形例>
図9は、第1の変形例における加圧部を模式的に示す図である。図9を参照して、図5に示した加圧部69と異なる点は、第1電極板81が削除された点である。その他の構成は図9に示した構成と同じなのでここでは説明を繰り返さない。加熱ローラー63は、第2転写バイアス電圧が印加されている。このため、転写定着ベルト67の電位は第2転写バイアス電圧により定まる。電圧印加部85は、第2電極板83の電位が転写定着ベルト67の電位よりも小さくなるように第2電極板83に電圧を印加する。したがって、電場の方向は、転写定着ベルト67から第2電極板83に向かう方向である。
【0110】
転写定着ベルト67により担持されるトナー像を構成するトナーはマイナスに帯電している。したがって、トナー像が第2ニップ部N2から第3ニップ部N3に移動する間に加圧部69により発生された電場を通過するので、トナー像を構成するトナーは転写定着ベルト67に押し付けられる。
【0111】
<第2の変形例>
上述したように、トナー像は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kによりイエローのトナー、マゼンタのトナー、シアンのトナー、ブラックのトナーの順にトナーが積層されることにより形成される。したがって、トナーの種類が多いほど、トナーが積層される回数が多くなるので、トナー像の転写定着ベルト67からの高さが大きくなる。第2の変形例におけるMFP100は、トナーの種類の数に応じて、電圧印加部85に印加する電圧を決定する。
【0112】
図10は、第2の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図10を参照して、図6に示した機能と異なる点は、トナー量決定部201がトナー種類数決定部201Aに変更された点、電圧決定部203が電圧決定部203Aに変更された点である。その他の機能は図6に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0113】
トナー種類数決定部201Aは、転写定着ベルト67に担持されるトナーの種類の数を決定する。具体的には、トナー種類数決定部201Aは、画像データに含まれる複数の画素の画素値に基づいてトナーの種類の数を算出する。画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つの色に対応して4つのビットマップデータを含む。トナーの種類の数は、1つの画素に適用される色の数を示す。数ラインに含まれる複数の画素で用いられる色の数を、トナーの種類の数とすればよい。
【0114】
電圧決定部203Aは、第2電圧テーブルを参照して、トナー種類数決定部201Aにより決定されたトナーの種類の数に対して第2電圧テーブルにより定められた電圧を決定する。なお、ここでは第2電圧テーブルを用いる例を説明するが、トナーの種類の数から電圧値を求める演算式を用いてもよい。
【0115】
図11は、第2電圧テーブルの一例を示す図である。第2電圧テーブルは、トナーの種類の数に対する電圧値を定める。第2電圧テーブルは、実験により求められる。第2電圧テーブルは、トナーの種類の数が多いほど絶対値が大きな電圧を定める。
【0116】
第2の変形例におけるMFP100は、トナーの種類の数が多いほど電圧印加部85に印加する電圧の絶対値を大きくするので、トナーの種類の数が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。
【0117】
第2の変形例においては、図8に示した画像形成処理のステップS06およびステップS07を変更した画像形成処理が実行される。ステップS06において、複数のラインごとに使用されるトナーの種類の数が決定される。ステップS07においては、第2電圧テーブルを用いて、複数ラインそれぞれに対して、トナーの種類の数に対して第2電圧テーブルにより定められる電圧が決定される。そして、画像形成速度に合わせて時系列に電圧を定めた電圧パターンが決定される。なお、トナー量とトナーの種類の数とを組み合わせて、電圧を決定してもよい。
【0118】
<第3の変形例>
図12は、第3の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図12を参照して、図6に示した機能と異なる点は、トナー量決定部201が帯電量検出部201Bに変更された点、電圧決定部203が電圧決定部203Bに変更された点である。その他の機能は図6に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0119】
帯電量検出部201Bは、転写定着ベルト67の近傍に配置された電位センサの出力値に基づいて、転写定着ベルト67に担持されたトナーの帯電量を検出する。電圧決定部203は、第3電圧テーブルを参照して、帯電量検出部201Bにより検出されたトナーの帯電量に対して第3電圧テーブルにより定められた電圧を決定する。なお、ここでは第3電圧テーブルを用いる例を説明するが、トナーの帯電量から電圧値を求める演算式を用いてもよい。
【0120】
図13は、第3電圧テーブルの一例を示す図である。第3電圧テーブルは、トナーの帯電量に対する電圧を定める。第3電圧テーブルは、実験により求められる。第3電圧テーブルは、トナーの帯電量が小さいほど絶対値が大きな電圧を定める。
【0121】
第3の変形例におけるMFP100は、トナーの帯電量が小さいほど電圧印加部85に印加する電圧の絶対値を大きくするので、トナーの帯電量が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。
【0122】
第3の変形例においても図8に示した画像形成処理のステップS06およびステップS07が削除され、ステップS10が変更された画像形成処理が実行される。ステップS10においては、電位センサの出力値に基づいて、転写定着ベルト67に担持されたトナーの帯電量が検出され、そして、検出された帯電量に対して第3電圧テーブルにより定められる電圧が決定され、決定された電圧が第1電極板81と第2電極板83とに印加されるように、電圧印加部85が制御される。
【0123】
<第4の変形例>
トナーの帯電量は、絶対湿度によって変動することが実験により判っている。また、トナーの帯電量は、画像形成部140により画像が形成された用紙の枚数により変動することが実験により判っている。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kにより画像が形成される用紙の総印字枚数が増加すると、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kがそれぞれ備える現像器24Y,24M,24C,24K内のキャリアが摩耗する。キャリアが摩耗するとトナーが静電帯電しにくくなる。画像形成ユニット20Yの総印字枚数は、MFP100が製造されてから画像を形成した用紙の枚数である。
【0124】
第4の変形例におけるMFP100は、絶対湿度と画像形成部140の総印字枚数とからトナーの帯電量を決定する。
【0125】
図14は、第4の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図14を参照して、図12に示した機能と異なる点は、帯電量検出部201Bが削除された点、電圧決定部203が電圧決定部203Cに変更された点、湿度検知部207、温度検知部209および稼働履歴取得部211が追加された点である。その他の機能は図12に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0126】
湿度検知部207は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの周辺に配置された湿度計を制御し、湿度を検知する。温度検知部209は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの周辺に配置された温度計を制御し、温度を検知する。
【0127】
可動履歴取得部213は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれの稼働履歴を取得する。稼働履歴は、ここでは、画像形成部140により画像が形成された用紙の枚数である総印字枚数としている。
【0128】
電圧決定部203Cは、温度検知部209により検知された温度と、湿度検知部207により検知された湿度とから絶対温度を決定する。そして、電圧決定部203Cは、絶対温度と総印字枚数に対して第4電圧テーブルで定められた電圧を決定する。電圧制御部205は、決定された電圧を電圧印加部85に印加させる。
【0129】
図15は、第4電圧テーブルの一例を示す図である。第4電圧テーブルは、絶対湿度と総印字枚数トナーとの組に対する電圧を定める。なお、単位kpは、1000枚を示す。第4電圧テーブルは、実験により求められる。第4電圧テーブルは、絶対湿度が高いほど絶対値が大きな電圧を定め、かつ、総印字枚数が大きいほど絶対値が大きな電圧を定める。
【0130】
第4の変形例におけるMFP100は、絶対湿度が大きいほど電圧の絶対値を大きくし、総印字枚数が大きいほど電圧の絶対値を大きくすることによって、トナーの帯電量が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力が所定値以上にできる。
【0131】
第4の変形例においても図8に示した画像形成処理のステップS06およびステップS07を変更した画像形成処理が実行される。ステップS06において、絶対温度が検出されるとともに、総印字枚数が取得される。ステップS07においては、第4電圧テーブルを用いて、絶対温度と印字枚数との組に対して第4電圧テーブルにより定められる電圧が決定される。
【0132】
なお、総印字枚数に代えて、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kがそれぞれ備える現像器24Y,24M,24C,24Kの総回転数を用いてもよい。
【0133】
また、電圧決定部203Cは、第4電圧テーブルに代えて、絶対温度と総印字枚数との組に対するトナーの帯電量を定めるテーブルを用いてトナーの帯電量を求め、さらに、第3電圧テーブルを用いて、トナーの帯電量から電圧印加部85に印加させる電圧を求めてもよい。
【0134】
また、電圧決定部203Cは、第4電圧テーブルに代えて、絶対温度に対する電圧を定めるテーブルを用いて絶対温度から電圧印加部85に印加させる電圧を求めてもよい。また、電圧決定部203Cは、第4電圧テーブルに代えて、総印字枚数に対する電圧を定めるテーブルを用いて総印字枚数から電圧印加部85に印加させる電圧を求めてもよい。
【0135】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態におけるMFP100は、第1の実施の形態におけるMFP100の加圧部69を変更したものである。
【0136】
図16は、第2の実施の形態におけるMFPが備える加圧部を模式的に示す図である。図16を参照して、第2の実施の形態におけるMFP100が備える加圧部69Aは、転写定着ベルト67により担持されるトナー像の電荷とは異符号の電荷で転写定着ベルト67を帯電させる。具体的には、加圧部69は、転写定着ベルト67に放電する帯電器82と、帯電器82の出力を制御する帯電制御部84とを含む。帯電器82は、第2ニップ部N2よりも上流側で、転写定着ベルト67のトナー像が担持される側の外側の近傍に配置される。帯電制御部84は、CPU111により制御され、転写定着ベルト67をプラスに帯電されるように、帯電器82にプラスの電荷を放電させる。これにより、転写定着ベルト67がプラスに帯電する。帯電制御部84は、グリッド電圧Vgを調整することにより、帯電器82の放電量を変更する。なお、転写定着ベルト67の電位が、2次転写ローラー53の電位より高い場合には、加熱ローラー63に第2転写バイアス電圧が印加されない。
【0137】
転写定着ベルト67により担持されるトナー像を構成するトナーはマイナスに帯電している。転写定着ベルト67は、第2ニップ部N2よりも上流でプラスに帯電するので、トナー像が第2ニップ部N2から第3ニップ部N3に移動する間に、トナー像を構成するトナーは転写定着ベルト67に押し付けられる。
【0138】
転写定着ベルト67により担持されるトナーは、表面張力により転写定着ベルト67に吸着される。しかしながら、表面張力だけではトナーが変形するには不十分である。プラスに帯電する転写定着ベルト67がトナーを引き付ける力は、表面張力以上の力となるように、転写定着ベルト67の電位が決定される。これにより、トナー像を構成するトナー間の空間が少なくなり、トナー間の接触面積が増大する。なお、転写定着ベルト67により担持されるトナー像を構成するトナーがプラスに帯電する場合は、帯電制御部84は、帯電器82にマイナスの電荷を放電させる。
【0139】
加圧部69Aは、CPU111により制御される。CPU111は、加圧部69の帯電制御部84を制御し、転写定着ベルト67に担持されるトナーの量が多いほど、グリッド電圧Vgの絶対値を大きくする。これにより、トナーの量が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。
【0140】
図17は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。第2の実施の形態におけるMFP100が備えるCPU111が有する機能は、CPU111が画像形成制御プログラムを実行することによりCPU111により実現される機能である。図17を参照して、CPU111は、トナー量決定部201と、グリッド電圧決定部221と、出力制御部223と、を含む。
【0141】
トナー量決定部201は、画像形成部140で画像形成の対象となる画像データに基づいて、トナーの付着量を決定する。グリッド電圧決定部221は、第1グリッド電圧テーブルを参照して、トナー量決定部201により決定された付着量に対して第1グリッド電圧テーブルにより定められた電圧を決定する。なお、ここでは第1グリッド電圧テーブルを用いる例を説明するが、トナー量からグリッド電圧Vgを求める演算式を用いてもよい。出力制御部223は、帯電制御部84を制御して、グリッド電圧決定部221により決定されたグリッド電圧Vgで帯電器82に放電させる。
【0142】
図18は、第1グリッド電圧テーブルの一例を示す図である。第1グリッド電圧テーブルは、付着量に対するグリッド電圧Vgを定める。第1グリッド電圧テーブルは、実験により求められる。第1グリッド電圧テーブルは、付着量が多いほど絶対値が大きなグリッド電圧Vgを定める。
【0143】
<第5の変形例>
図19は、第5の変形例におけるMFPが備える加圧部を模式的に示す図である。図19を参照して、図16に示した加圧部69Aと異なる点は、帯電器82が、第2ニップ部N2よりも下流側で、転写定着ベルト67のトナー像が担持される側と反対の内側の近傍に配置される。帯電制御部84が帯電器82にプラスの電荷を放電させる場合、転写定着ベルト67がプラスに帯電する。
【0144】
<第6の変形例>
上述したように、トナーの種類が多いほど、トナーが積層される回数が多くなるので、トナー像の転写定着ベルト67からの高さが大きくなる。第6の変形例におけるMFP100は、トナーの種類の数に応じて、グリッド電圧Vgを決定する。
【0145】
図20は、第6の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図20を参照して、図17に示した機能と異なる点は、トナー量決定部201がトナー種類数決定部201Aに変更された点、グリッド電圧決定部221がグリッド電圧決定部221Aに変更された点である。その他の機能は図17に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0146】
トナー種類数決定部201Aは、転写定着ベルト67に担持されるトナーの種類の数を決定する。具体的には、トナー種類数決定部201Aは、画像データに含まれる複数の画素の画素値に基づいてトナーの種類の数を算出する。グリッド電圧決定部221Aは、第2グリッド電圧テーブルを参照して、トナー種類数決定部201Aにより決定されたトナーの種類の数に対して第2グリッド電圧テーブルにより定められたグリッド電圧Vgを決定する。なお、ここでは第1グリッド電圧テーブルを用いる例を説明するが、トナーの種類の数から電圧値を求める演算式を用いてもよい。
【0147】
図21は、第2グリッド電圧テーブルの一例を示す図である。第2グリッド電圧テーブルは、トナーの種類の数に対するグリッド電圧Vgを定める。第2グリッド電圧テーブルは、実験により求められる。第2グリッド電圧テーブルは、トナーの種類の数が多いほど絶対値が大きなグリッド電圧Vgを定める。
【0148】
第6の変形例におけるMFP100は、トナーの種類の数が多いほど帯電制御部84のグリッド電圧Vgの絶対値を高くするので、トナーの種類の数が変動する場合であってもトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。なお、トナー量とトナーの種類の数とを組み合わせて、グリッド電圧Vgを決定してもよい。
【0149】
<第7の変形例>
図22は、第7の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図22を参照して、図17に示した機能と異なる点は、トナー量決定部201が帯電量検出部201Bに変更された点、グリッド電圧決定部221がグリッド電圧決定部221Bに変更された点である。その他の機能は図17に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0150】
帯電量検出部201Bは、転写定着ベルト67の近傍に配置された電位センサの出力値に基づいて、転写定着ベルト67に担持されたトナーの帯電量を検出する。グリッド電圧決定部221Bは、第3グリッド電圧テーブルを参照して、帯電量検出部201Bにより検出されたトナーの帯電量に対して第3グリッド電圧テーブルにより定められたグリッド電圧Vgを決定する。なお、ここでは第3グリッド電圧テーブルを用いる例を説明するが、トナーの帯電量からグリッド電圧Vgを求める演算式を用いてもよい。
【0151】
図23は、第3グリッド電圧テーブルの一例を示す図である。第3グリッド電圧テーブルは、トナーの帯電量に対するグリッド電圧Vgを定める。第3グリッド電圧テーブルは、実験により求められる。第3グリッド電圧テーブルは、トナーの帯電量が小さいほど絶対値が大きなグリッド電圧Vgを定める。
【0152】
第7の変形例におけるMFP100は、トナー像を構成する複数のトナーの帯電量が小さいほど帯電制御部84のグリッド電圧Vgの絶対値を高くするので、トナー像を構成する複数のトナーの帯電量が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。
【0153】
<第8の変形例>
トナー像を構成する複数のトナーの帯電量は、絶対湿度によって変動することが実験により判っている。また、トナーの帯電量は、画像形成部140により画像が形成された用紙の枚数により変動することが実験により判っている。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kにより画像が形成される用紙の総印字枚数が増加すると、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kがそれぞれ備える現像器24Y,24M,24C,24K内のキャリアが摩耗する。キャリアが摩耗するとトナーが静電帯電しにくくなる。
【0154】
第8の変形例におけるMFP100は、絶対湿度と画像形成部140の総印字枚数とからトナーの帯電量を決定する。
【0155】
図24は、第8の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図24を参照して、図22に示した機能と異なる点は、帯電量検出部201Bが削除された点、グリッド電圧決定部221Bがグリッド電圧決定部221Cに変更された点、湿度検知部207、温度検知部209および稼働履歴取得部211が追加された点である。その他の機能は図22に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0156】
湿度検知部207は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの周辺に配置された湿度計を制御し、湿度を検知する。温度検知部209は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの周辺に配置された温度計を制御し、温度を検知する。
【0157】
稼働履歴取得部211は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれの稼働履歴を取得する。稼働履歴は、ここでは、画像形成部140により画像が形成された用紙の枚数としている。
【0158】
グリッド電圧決定部221Cは、温度検知部209により検知された温度と、湿度検知部207により検知された湿度とから絶対温度を決定する。そして、グリッド電圧決定部221Cは、絶対温度と総印字枚数に対して第4グリッド電圧テーブルで定められたグリッド電圧Vgを決定する。出力制御部223は、決定されたグリッド電圧Vgを電圧印加部85に印加させる。
【0159】
図25は、第4グリッド電圧テーブルの一例を示す図である。第4グリッド電圧テーブルは、絶対湿度と総印字枚数トナーとの組に対するグリッド電圧Vgを定める。第4グリッド電圧テーブルは、実験により求められる。第4グリッド電圧テーブルは、絶対湿度が高いほど絶対値が大きなグリッド電圧Vgを定め、かつ、総印字枚数が大きいほど絶対値が大きなグリッド電圧Vgを定める。
【0160】
第8の変形例におけるMFP100は、絶対湿度が大きいほどグリッド電圧Vgの絶対値を大きくし、かつ、総印字枚数が大きいほどグリッド電圧Vgの絶対値を大きくすることによって、トナーの帯電量が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力が所定値以上にできる。
【0161】
なお、総印字枚数に代えて、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kがそれぞれ備える現像器24Y,24M,24C,24Kの総回転数を用いてもよい。
【0162】
また、グリッド電圧決定部221Cは、第4グリッド電圧テーブルに代えて、絶対温度と総印字枚数との組に対するトナーの帯電量を定めるテーブルを用いてトナーの帯電量を求め、さらに、第3グリッド電圧テーブルを用いて、トナーの帯電量から帯電制御部84に印加させるグリッド電圧Vgを求めてもよい。
【0163】
また、グリッド電圧決定部221Cは、第4グリッド電圧テーブルに代えて、絶対温度に対するグリッド電圧Vgを定めるテーブルを用いて絶対温度から帯電制御部84に印加させるグリッド電圧Vgを求めてもよい。また、グリッド電圧決定部221Cは、第4グリッド電圧テーブルに代えて、総印字枚数に対する電圧を定めるテーブルを用いて総印字枚数から帯電制御部84に印加させるグリッド電圧Vgを求めてもよい。
【0164】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態におけるMFP100は、第1の実施の形態におけるMFP100の加圧部69を変更したものである。第3の実施の形態におけるMFP100において使用されるトナーは磁性を有する磁性トナーが用いられる。このため、トナーは、公知の磁性を有する物質を含有する。磁性を有する物資としては、公知の磁性体であればよい。
【0165】
図26は、第3の実施の形態におけるMFPが備える加圧部を模式的に示す図である。図26を参照して、第3の実施の形態におけるMFP100が備える加圧部69Bは、転写定着ベルト67の第2ニップ部N2と第3ニップ部N3との間に磁場を発生させる。具体的には、加圧部69Bは、磁場を発生させるコイル82Bと、コイル82Bにより発生する磁場の磁束密度を制御する磁場制御部84Bとを含む。コイル82Bは、第2ニップ部N2と第3ニップ部N3との間の転写定着ベルト67のトナー像が担持される側と反対の内側の近傍に配置される。磁場制御部84Bは、CPU111により制御され、転写定着ベルト67の第2ニップ部N2と第3ニップ部N3との間に磁場を発生させる。磁場の向きは、いずれであってもよい。磁場制御部84Bは、コイル82Bに印加する電圧を調整することにより、コイル82Bが発生する磁場の磁束密度を変更する。
【0166】
転写定着ベルト67により担持されるトナー像を構成するトナーは磁性を有するので、トナー像が第2ニップ部N2から第3ニップ部N3に移動する間に、トナー像を構成するトナーはコイル82Bによる発生する磁力により転写定着ベルト67に押し付けられる。
【0167】
転写定着ベルト67により担持されるトナーは、表面張力により転写定着ベルト67に吸着される。しかしながら、表面張力だけではトナーが変形するには不十分である。コイル82Bがトナーを引き付ける磁力は、表面張力以上の磁力となる磁束密度が決定される。磁束密度は、コイル82Bに印加される電圧により定まる。これにより、トナー像を構成するトナー間の空間が少なくなり、トナー間の接触面積が増大する。
【0168】
加圧部69Bは、CPU111により制御される。CPU111は、加圧部69Bの磁場制御部84Bを制御し、転写定着ベルト67に担持されるトナーの量が多いほど、磁束密度を大きくする。これにより、トナーの量が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。
【0169】
図27は、第3の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。第3の実施の形態におけるMFP100が備えるCPU111が有する機能は、CPU111が画像形成制御プログラムを実行することによりCPU111により実現される機能である。図27を参照して、CPU111は、トナー量決定部201と、磁束密度決定部225と、磁束密度制御部227と、を含む。
【0170】
トナー量決定部201は、画像形成部140で画像形成の対象となる画像データに基づいて、トナーの付着量を決定する。磁束密度決定部225は、第1磁束密度テーブルを参照して、トナー量決定部201により決定された付着量に対して第1磁束密度テーブルにより定められた磁束密度を決定する。なお、ここでは第1磁束密度テーブルを用いる例を説明するが、トナー量から磁束密度を求める演算式を用いてもよい。磁束密度制御部227は、磁場制御部84Bを制御して、磁束密度決定部225により決定された磁束密度がコイル82Bから発生するように、その磁束密度に対応する電圧をコイル82Bに印加させる。
【0171】
図28は、第1磁束密度テーブルの一例を示す図である。第1磁束密度テーブルは、付着量に対する磁束密度を定める。第1磁束密度テーブルは、実験により求められる。第1磁束密度テーブルは、付着量が多いほど大きな磁束密度を定める。
【0172】
第3の実施の形態におけるMFP100は、付着量が多いほどコイル82Bが発生する磁場の磁束密度を大きくするので、トナーの付着郎が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。
【0173】
<第9の変形例>
上述したように、トナーの種類が多いほど、トナーが積層される回数が多くなるので、トナー像の転写定着ベルト67からの高さが大きくなる。第9の変形例におけるMFP100は、トナーの種類の数に応じて、磁束密度を決定する。
【0174】
図29は、第9の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図29を参照して、図27に示した機能と異なる点は、トナー量決定部201がトナー種類数決定部201Aに変更された点、磁束密度決定部225が磁束密度決定部225Aに変更された点である。その他の機能は図27に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0175】
トナー種類数決定部201Aは、転写定着ベルト67に担持されるトナーの種類の数を決定する。具体的には、トナー種類数決定部201Aは、画像データに含まれる複数の画素の画素値に基づいてトナーの種類の数を算出する。磁束密度決定部225Aは、第2磁束密度テーブルを参照して、トナー種類数決定部201Aにより決定されたトナーの種類の数に対して第2磁束密度テーブルにより定められた磁束密度を決定する。なお、ここでは第2磁束密度テーブルを用いる例を説明するが、トナーの種類の数から磁束密度を求める演算式を用いてもよい。
【0176】
図30は、第2磁束密度テーブルの一例を示す図である。第2磁束密度テーブルは、トナーの種類の数に対する磁束密度を定める。第2磁束密度テーブルは、実験により求められる。第2磁束密度テーブルは、トナーの種類の数が多いほど大きな磁束密度を定める。
【0177】
第9の変形例におけるMFP100は、トナーの種類の数が多いほどコイル82Bが発生する磁場の磁束密度を大きくするので、トナーの種類の数が変動する場合であってもトナー像を構成する複数のトナーが転写定着ベルト67に押し付けられる力を所定値以上にできる。
【0178】
なお、本実施の形態においては、画像形成装置の一例としてMFP100を例に説明したが、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ装置等であってもよい。
【0179】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0180】
100 MFP、20Y,20M,20C,20K 画像形成ユニット、21Y,21M,21C,21K 露光装置、22Y,22M,22C,22K 帯電ローラー、23Y,23M,23C,23K 感光体ドラム、24Y,24M,24C,24K 現像器、25Y,25M,25C,25K 1次転写ローラー、27Y,27M,27C,27K ドラム清掃ブレード、28 ベルト清掃ブレード、30 1次中間転写ベルト、31 タイミングローラー、33 駆動ローラー、34 従動ローラー、35 給紙カセット、39 排紙トレイ、41Y,41M,41C,41K トナーボトル、42Y、42M,42C,42K トナーホッパー、50 転写定着装置、51 中間転写部、53 2次転写ローラー、59 離脱機構、61 転写同時定着部、63 加熱ローラー、65 従動ローラー、66 熱源、67 転写定着ベルト、69,69A,69B 加圧部、71 加圧ローラー、82 帯電器、82B コイル、84 帯電制御部、84B 磁場制御部、85 電圧印加部、201 トナー量決定部、201A トナー種類数決定部、201B 帯電量検出部、203,203A,203B,203C 電圧決定部、205 電圧制御部、207 湿度検知部、209 温度検知部、211 可動履歴取得部、213 可動履歴取得部、221,221A,221B,221C グリッド電圧決定部、223 出力制御部、225,225A 磁束密度決定部、227 磁束密度制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30