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特許7467899画像形成装置、画像形成方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20240409BHJP
   B41F 15/10 20060101ALI20240409BHJP
   B41J 25/20 20060101ALI20240409BHJP
   D06H 1/02 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B41F15/08 301C
B41F15/08 305A
B41F15/10
B41J25/20
D06H1/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019220152
(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公開番号】P2021088129
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 暢彦
【審査官】山本 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-093609(JP,A)
【文献】特開2019-089302(JP,A)
【文献】特開2019-188764(JP,A)
【文献】特開2017-162118(JP,A)
【文献】特開2015-128847(JP,A)
【文献】特開2006-285189(JP,A)
【文献】特開2018-118417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/08
B41F 15/02
B41J 2/01-2/215
H05K 3/34
H05K 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部と、
前記取得したジョブの内容に応じて、前記媒体の前記画像形成部により画像が形成される面と同じ面スクリーン画像をスクリーン印刷するスクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への前記画像形成部による印刷を制御する制御部と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記スクリーン印刷部と、
前記媒体に印刷されたマーカーの画像を検出する画像検出部と、を備え、
前記制御部は、前記マーカーの検出結果に応じて、前記スクリーン印刷部の駆動の制御を行う請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記画像形成部を制御する第1の制御部と、前記スクリーン印刷部を制御する第2の制御部とを含み、
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの内容に対応するマーカーの当該媒体への印刷を制御し、
前記第2の制御部は、前記マーカーの検出結果に基づいて、前記スクリーン印刷部のスクリーン印刷のオンオフを制御する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの内容に応じて、前記画像形成部によるスクリーン印刷を行う旨のマーカーの印刷の有無を制御し、
前記第2の制御部は、前記検出されたマーカーの有無に基づいて、前記スクリーン印刷部のオンオフを制御する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの内容に応じて、前記画像形成部によるスクリーン印刷の要否で異なる種類のマーカーの印刷を制御し、
前記第2の制御部は、前記検出されたマーカーの種類に基づいて、前記スクリーン印刷部のオンオフを制御する請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記スクリーン印刷部は、複数であり、
前記マーカーは、前記複数のスクリーン印刷部のうち、駆動するスクリーン印刷部の指定情報を含み、
前記第2の制御部は、前記検出されたマーカーに基づいて、指定されたスクリーン印刷部のオンオフを制御する請求項3から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部と、
スクリーン画像を前記媒体にスクリーン印刷するスクリーン印刷部と、
前記取得したジョブの内容に応じて、 前記スクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への前記画像形成部による印刷を制御する制御部と、
前記媒体に印刷されたマーカーの画像を検出する画像検出部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像形成部を制御する第1の制御部と、前記スクリーン印刷部を制御する第2の制御部とを含み、
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの内容に対応するマーカーの当該媒体への印刷を制御し、
前記第2の制御部は、前記マーカーの検出結果に基づいて、前記スクリーン印刷部のスクリーン印刷のオンオフを制御するものであり、
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの画像データの内容が、ベタがある、前記スクリーン印刷部のスクリーン幅に合ったサイズ又はスクリーン印刷でしか表現が難しいデザインである場合に、前記画像形成部により前記スクリーン印刷部をオンさせる旨のマーカーを前記媒体へ印刷させる画像形成装置。
【請求項8】
前記画像検出部は、光軸センサー、カメラ又はラインセンサーである請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部と、
前記取得したジョブの内容に応じて、スクリーン画像を前記媒体にスクリーン印刷するスクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への前記画像形成部による印刷を制御する制御部と、を備え、
前記ジョブの画像データは、テストチャートである画像形成装置。
【請求項10】
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成工程と、
前記画像形成工程において、前記取得したジョブの内容に応じて、前記媒体の前記画像形成工程で画像が形成される面と同じ面へのスクリーン画像のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への印刷を制御する制御工程と、を含む画像形成方法。
【請求項11】
コンピューターを、
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部、
前記取得したジョブの内容に応じて、前記媒体の前記画像形成部により画像が形成される面と同じ面スクリーン画像をスクリーン印刷するスクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記画像形成部による前記媒体への印刷を制御する制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成工程と、
前記画像形成工程において、前記取得したジョブの内容に応じて、スクリーン画像の前記媒体へのスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への印刷を制御する制御工程と、を含み、
前記ジョブの画像データはテストチャートである画像形成方法。
【請求項13】
コンピューターを、
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部、
前記取得したジョブの内容に応じて、スクリーン画像を前記媒体にスクリーン印刷するスクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記画像形成部による前記媒体への印刷を制御する制御部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記ジョブの画像データは、テストチャートであるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、布帛に画像形成(印刷)する画像形成装置として、インクジェット(印刷)方式のインクジェットプリンター、又はスクリーン(印刷)方式のフラットスクリーン捺染機が知られている。インクジェット方式は、複数の細かいノズルからインクを吐出して布帛に画像形成を行う方式であり、細かい図柄及び模様の表現に優れている。スクリーン方式は、印刷する模様に穴があけられ染め糊が付与されたスクリーンが布帛に押し付けられ、色糊を布帛に擦りつける方式であり、インクジェット方式と比較して、高濃度の画像において均一な濃度の画像を形成しやすい。
【0003】
画像形成対象の布帛には、継ぎ目を介して長尺状とされたものがある。この場合、継ぎ目部分が他の部分よりも厚くなることから、当該継ぎ目をスクリーンに押し付けるのは好ましくない。このため、布帛の継ぎ目を検知し、布帛の継ぎ目がインクジェットノズルヘッド又はスクリーンの捺染機構を通過するとき、布帛を空送りして捺染しない捺染装置が知られている(特許文献1参照)。また、インクジェット部と、スクリーン部と、を組み合わせた装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平5-212851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インクジェット部と、スクリーン部と、を組み合わせた装置において、ジョブの画像データは、ベタがない画像などのように、インクジェット印刷のみを行う方が好ましい画像データと、ベタがある画像などのように、インクジェット印刷及びスクリーン印刷を行うことが好ましい画像データと、がある。
【0006】
しかし、特許文献1の捺染装置では、布帛の継ぎ目を検知できるものの、インクジェット印刷と、スクリーン印刷とを行うことができない。
【0007】
また、上記従来のインクジェット部と、スクリーン部と、を組み合わせた装置は、取得したジョブの内容に応じてスクリーン印刷を制御できなかった。
【0008】
本発明の課題は、ジョブの内容に応じて、スクリーン印刷を制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部と、
前記取得したジョブの内容に応じて、前記媒体の前記画像形成部により画像が形成される面と同じ面スクリーン画像をスクリーン印刷するスクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への前記画像形成部による印刷を制御する制御部と、を備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記スクリーン印刷部と、
前記媒体に印刷されたマーカーの画像を検出する画像検出部と、を備え、
前記制御部は、前記マーカーの検出結果に応じて、前記スクリーン印刷部の駆動の制御を行う。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、
前記画像形成部を制御する第1の制御部と、前記スクリーン印刷部を制御する第2の制御部とを含み、
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの内容に対応するマーカーの当該媒体への印刷を制御し、
前記第2の制御部は、前記マーカーの検出結果に基づいて、前記スクリーン印刷部のスクリーン印刷のオンオフを制御する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの内容に応じて、前記画像形成部によるスクリーン印刷を行う旨のマーカーの印刷の有無を制御し、
前記第2の制御部は、前記検出されたマーカーの有無に基づいて、前記スクリーン印刷部のオンオフを制御する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の画像形成装置において、
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの内容に応じて、前記画像形成部によるスクリーン印刷の要否で異なる種類のマーカーの印刷を制御し、
前記第2の制御部は、前記検出されたマーカーの種類に基づいて、前記スクリーン印刷部のオンオフを制御する。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項3から5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記スクリーン印刷部は、複数であり、
前記マーカーは、前記複数のスクリーン印刷部のうち、駆動するスクリーン印刷部の指定情報を含み、
前記第2の制御部は、前記検出されたマーカーに基づいて、指定されたスクリーン印刷部のオンオフを制御する。
【0015】
請求項7に記載の発明画像形成装置
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部と、
スクリーン画像を前記媒体にスクリーン印刷するスクリーン印刷部と、
前記取得したジョブの内容に応じて、 前記スクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への前記画像形成部による印刷を制御する制御部と、
前記媒体に印刷されたマーカーの画像を検出する画像検出部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像形成部を制御する第1の制御部と、前記スクリーン印刷部を制御する第2の制御部とを含み、
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの内容に対応するマーカーの当該媒体への印刷を制御し、
前記第2の制御部は、前記マーカーの検出結果に基づいて、前記スクリーン印刷部のスクリーン印刷のオンオフを制御するものであり、
前記第1の制御部は、前記取得したジョブの画像データの内容が、ベタがある、前記スクリーン印刷部のスクリーン幅に合ったサイズ又はスクリーン印刷でしか表現が難しいデザインである場合に、前記画像形成部により前記スクリーン印刷部をオンさせる旨のマーカーを前記媒体へ印刷させる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記画像検出部は、光軸センサー、カメラ又はラインセンサーである。
【0017】
請求項9に記載の発明画像形成装置
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部と、
前記取得したジョブの内容に応じて、スクリーン画像を前記媒体にスクリーン印刷するスクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への前記画像形成部による印刷を制御する制御部と、を備え、
前記ジョブの画像データは、テストチャートである。
【0018】
請求項10に記載の発明の画像形成方法は、
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成工程と、
前記画像形成工程において、前記取得したジョブの内容に応じて、前記媒体の前記画像形成工程で画像が形成される面と同じ面へのスクリーン画像のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への印刷を制御する制御工程と、を含む。
【0019】
請求項11に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部、
前記取得したジョブの内容に応じて、前記媒体の前記画像形成部により画像が形成される面と同じ面スクリーン画像をスクリーン印刷するスクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記画像形成部による前記媒体への印刷を制御する制御部、
として機能させる。
請求項12に記載の発明の画像形成方法は、
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成工程と、
前記画像形成工程において、前記取得したジョブの内容に応じて、スクリーン画像の前記媒体へのスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記媒体への印刷を制御する制御工程と、を含み、
前記ジョブの画像データはテストチャートである。
請求項13に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体に印刷する画像形成部、
前記取得したジョブの内容に応じて、スクリーン画像を前記媒体にスクリーン印刷するスクリーン印刷部のスクリーン印刷の要否を示すマーカーの前記画像形成部による前記媒体への印刷を制御する制御部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記ジョブの画像データは、テストチャートである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ジョブの内容に応じて、スクリーン印刷を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態の画像形成装置の全体構成を示す概略正面図である。
図2】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】画像形成装置における全ての印刷部を駆動する場合の画像形成例を示す図である。
図4】第1の印刷制御処理を示すフローチャートである。
図5】第2の印刷制御処理を示すフローチャートである。
図6】第1、第2の印刷制御処理でスクリーン印刷を行う場合の画像形成例を示す図である。
図7】第1、第2の印刷制御処理でスクリーン印刷を行わない場合の画像形成例を示す図である。
図8】第3の印刷制御処理を示すフローチャートである。
図9】第4の印刷制御処理を示すフローチャートである。
図10】第3、第4の印刷制御処理でスクリーン印刷を行わない場合の画像形成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照して本発明に係る第1、第2の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1図7を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。まず、図1図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態の画像形成装置1の全体構成を示す概略正面図である。図2は、画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図3は、画像形成装置1における全ての印刷部を駆動する場合の画像形成例を示す図である。
【0024】
図1に示すように、画像形成装置1では、インクジェット方式の画像形成と、スクリーン方式の画像形成と、が併用される。画像形成装置1は、媒体Mの繰り出しローラー11と、搬送ベルト10及び搬送ベルト10の搬送ローラーとしての駆動ローラー12、従動ローラー13と、ガイドローラー14と、押圧ローラー15と、剥離ローラー16と、振り落としローラー17と、インクジェット印刷部30と、画像検出部64と、スクリーン処理部40と、乾燥部19と、洗浄部20と、糊付部21と、などを備える。
【0025】
媒体Mは、布帛などの連続した媒体であり、繰り出しローラー11に巻回されている。繰り出しローラー11の回転に応じて媒体Mが繰り出され、ガイドローラー14の回転に応じて、媒体Mが搬送ベルト10へ案内されて送り出される。ガイドローラー14は、媒体Mが皺にならないようにテンションを与えるよう、その数及び配置が設定されている。そして、媒体Mは、押圧ローラー15により搬送ベルト10に対して押し付けられて搬送ベルト10の表面の糊により接着して載置される。
【0026】
搬送ベルト10は、駆動ローラー12及び従動ローラー13の間に架け渡されており、駆動ローラー12の回転に従って所定方向に周回移動する。従動ローラー13は、搬送ベルト10の移動に応じて回転する。
【0027】
剥離ローラー16は、搬送ベルト10から離隔して位置し、適宜な張力で搬送ベルト10の外周面から媒体Mを引き上げることで糊付けされた媒体Mを搬送ベルト10から剥離させる。乾燥部19は、剥離ローラー16で剥離された媒体Mのインク、色糊を乾燥する。振り落としローラー17は、乾燥部19で乾燥された画像形成済の媒体Mをつづら折り状に振り落として排出し台車18に格納させる。
【0028】
これら、繰り出しローラー11、駆動ローラー12、従動ローラー13、押圧ローラー15、剥離ローラー16、振り落としローラー17及び搬送ベルト10は、搬送部に含まれる。搬送部は、全体として同期した速度で媒体Mを搬送するよう制御される。また、搬送部は、ここでは、インクジェット印刷部30及びスクリーン処理部40の画像形成動作に合わせて媒体Mの搬送を一時停止する間欠的(断続的)な搬送動作を行う。
【0029】
洗浄部20は、搬送ベルト10の表面に付着した色糊などを洗浄する。糊付部21は、媒体Mが搬送ベルト10の表面に適宜な強度で接着するように糊付けを行う。なお、洗浄動作と糊付け動作とは、毎周期おこなわれなくてもよい。
【0030】
媒体Mの搬送ベルト10に接着している区間(上面側)において、搬送ベルト10(媒体M)に対向して、上流側から順に、インクジェット印刷部30、画像検出部64及びスクリーン処理部40が位置している。画像検出部64は、インクジェット印刷部30の下流かつスクリーン処理部40の上流に配置され、媒体Mの上面の画像を検出し、検出情報を生成する。
【0031】
インクジェット印刷部30は、下面側(搬送ベルト10に対向する側)の吐出面に配列されたノズルの開口からインクを各々吐出させて媒体Mに着弾させることで媒体M上に画像(インクジェット画像)を形成する(インクジェット印刷する)。インクジェット印刷部30は、複数の色のインクを吐出可能なノズルをそれぞれ有するインクジェットヘッド32(後述)と、インクジェットヘッド32を移動するキャリッジ33と、を有し、カラー画像を形成可能である。ここでは、インクジェット印刷部30は、搬送方向に所定の幅でノズルが配列されたノズル列を幅方向に走査させながらインクを吐出することで二次元画像を形成可能な走査型(スキャン型)のものである。幅方向についての走査幅は、媒体Mへの画像形成可能幅に対応し、搬送方向についての幅(1回の搬送距離)は、ここでは、例えば、スクリーン処理部40のオートスクリーンとしてのスクリーン印刷部の搬送方向についての幅L(すなわち、スクリーン印刷部による画像生成エリアの幅)と等しい。あるいは、幅Lより短い幅ごとに複数回走査させることで画像を形成するものであってもよい。
【0032】
スクリーン処理部40は、それぞれ特定色の色糊を所定の画像パターンで媒体Mに付着させるためのスクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oを有し、各スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oにより各色の色糊を媒体Mに順に付着させて各画像パターンに応じた画像(スクリーン画像)を形成する(スクリーン印刷する)。各スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oは、例えば、それぞれ、赤、緑、青、グレー、金(金粉入り)の色糊が用いられ、搬送方向に上述の幅L(画像形成長)の赤、緑、青、グレー、金の色の画像を出力可能である。
【0033】
また、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oの版の間隔も幅Lに設定されている。ただし、スクリーン処理部40のスクリーン印刷部の数、色糊の色、版の穴の所定の画像パターン、間隔は、上述の例に限定されない。
【0034】
図2に示すように、画像形成装置1は、主として、インクジェット部50と、スクリーン部60と、を備え、インクジェット部50及びスクリーン部60が通信接続された構成を有する。インクジェット部50は、第1の制御部としての制御部51と、操作部52と、表示部53と、画像形成部としてのインクジェット印刷部30と、通信部54と、を備え、各部がバス55を介して接続されている。
【0035】
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備える。CPUは、インクジェット部50の全体動作を統括制御する。特に、制御部51は、CPUにより、ROMに記憶されたプログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。制御部51は、インクジェット印刷部30を制御して、媒体M上にインクジェット画像を形成させる。RAMは、揮発性のメモリーであり、各種情報及び各種プログラムを一時的に記憶する。ROMは、情報の読み出しを可能に記憶するメモリーであり、各種データ及びプログラムを記憶している。特に、ROMは、後述する第1の印刷制御処理を実行するための第1の印刷制御プログラムを記憶している。
【0036】
操作部52は、ユーザーからの操作入力を受け付け、操作入力に応じた操作情報を制御部51に出力する。操作部52は、例えば、表示部53の表示パネルに重ねて設けられたタッチパネルと、各種キーと、を有する。
【0037】
表示部53は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなどの表示パネルを有し、制御部51の制御に基づいて、表示パネルに各種表示情報の表示を行う。表示情報の内容としては、例えば、インクジェット画像形成に係るステータス画面、メニュー画面、設定画面などである。
【0038】
インクジェット印刷部30は、ヘッド駆動部31、インクジェットヘッド32、キャリッジ33、走査駆動部34を有する。ヘッド駆動部31は、制御部51の制御に基づき、インクジェットヘッド32の圧電素子を所望のパターンで変形させるための電圧信号を出力する。電圧信号の波形パターンなどは予め設定されて保持されていてよい。
【0039】
インクジェットヘッド32は、例えば、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(黒)などの複数色の各色に設けられ、それぞれ、インクのタンク、流路、圧電素子、複数のノズルなどを有する。圧電素子は、ノズルからインクを吐出させるためにノズル内のインクに圧力変動を付与するアクチュエーターである。なお、アクチュエーターとしては、圧電素子に限られるものではなく、他のもの、例えば、ノズル内のインクを加熱して気泡を生じさせる電熱線などであってもよい。
【0040】
キャリッジ33は、インクジェットヘッド32が搭載され、インクジェットヘッド32を移動させる部材である。キャリッジ33は、例えば、モーター(図示略)により回転動作する2つのプーリー間に架け渡されたベルトなどを有し、走査駆動部34が出力する駆動信号に基づくモーターの回転動作によりヘッド駆動部31、インクジェットヘッド32を移動させる。走査駆動部34は、制御部51の制御に基づき、駆動信号を生成してキャリッジ33に出力して駆動し、ヘッド駆動部31、インクジェットヘッド32を主走査方向(搬送方向に垂直な方向)に走査させる。ここでは、キャリッジ33のモーターは逆回転可能であり、走査駆動部34は、モーターをいずれの方向にも回転可能に駆動信号を出力することができるものとする。
【0041】
通信部54は、所定の通信方式によりスクリーン部60との通信を行うとともに、所定の通信方式によりネットワークを介した外部機器としてのPC(Personal Computer)2との通信を行う通信部である。通信部54(インクジェット部50)とスクリーン部60との間の通信方式は、例えば、入出力信号線通信、シリアル通信又は有線若しくは無線のLAN(Local Area Network)である。通信部54(インクジェット部50)とPC2(外部機器)との間の通信方式は、例えば、有線又は無線のLANである。
【0042】
PC2は、画像形成装置1のインクジェット部50に通信接続されたPCである。特に、PC2は、印刷させる画像データを含むジョブデータを送信して、画像形成装置1に印刷を行わせる。
【0043】
スクリーン部60は、第2の制御部としての制御部61と、操作部62と、表示部63と、スクリーン処理部40と、画像検出部64と、搬送駆動部65と、乾燥駆動部66と、洗浄駆動部67と、糊付駆動部68と、通信部69と、を備え、各部がバス70を介して接続されている。制御部Cは、制御部51,61を有するものとする。
【0044】
制御部61は、CPU、RAM、ROMなどを備える。CPUは、スクリーン部60の全体動作を統括制御する。制御部61は、CPUにより、ROMに記憶されたプログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。制御部61は、スクリーン処理部40を制御して、媒体M上のインクジェット画像と同一範囲に重ねてスクリーン画像を形成させる。特に、ROMは、後述する第2の印刷制御処理を実行するための第2の印刷制御プログラムを記憶している。
【0045】
操作部62は、ユーザーからの操作入力を受け付け、操作入力に応じた操作情報を制御部61に出力する。操作部62は、例えば、表示部63の表示パネルに重ねて設けられたタッチパネルと、各種キーと、を有する。
【0046】
表示部63は、LCD、ELディスプレイなどの表示パネルを有し、制御部61の制御に基づいて、表示パネルに各種表示情報の表示を行う。表示情報の内容としては、例えば、スクリーン画像形成に係るステータス画面、メニュー画面、設定画面などである。
【0047】
スクリーン処理部40は、スクリーン駆動部41と、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oと、を有する。スクリーン駆動部41は、制御部61の制御に基づき、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oのスキージ(ヘラ)の駆動部を駆動させる。スクリーン印刷部42Rは、スキージ(ヘラ)及びその駆動部と、所定の画像パターンが穴としてあけられた版と、赤色の色糊と、を有する。あらかじめ、スクリーン印刷部42Rの版の上に赤色の色糊が付与される。スクリーン印刷部42Rは、スクリーン駆動部41からの駆動信号に応じて、スキージの駆動部を駆動し、スクリーン印刷部の上面側からスキージを移動させながら加圧することで、版の穴を透過した色糊を媒体Mに付着することで、媒体Mに上記所定の画像パターンの形状の赤色のスクリーン画像を形成する。スクリーン印刷部42G,42B,42A,42Oも、スクリーン印刷部42Rと同様にして、媒体Mに緑、青、グレー、金のスクリーン画像を形成する。
【0048】
また、スクリーン処理部40において、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oは、ユーザー(技術者)により、それらの少なくとも一つの設置、位置調整、取り外し又は交換が可能である。
【0049】
画像検出部64は、光軸センサー、カメラ、ラインセンサーなどで構成され、インクジェット印刷部30の下流かつスクリーン処理部40の上流を搬送される媒体Mの上面の画像を検出して、その検出情報(画像データ)を制御部61に出力する。
【0050】
搬送駆動部65は、制御部61の制御に基づいて、搬送部の各部に駆動信号を出力して、各部を動作させる。搬送駆動部65は、ここでは、少なくとも繰り出しローラー11、ガイドローラー14、押圧ローラー15、駆動ローラー12及び剥離ローラー16、振り落としローラー17を同期して回転させ、繰り出しローラー11から送出された媒体Mを搬送ベルト10上に接着移動させ、更に搬送ベルト10から剥離して排出させる。各ローラー間の同期にずれが生じた場合には、搬送駆動部65は、各部の回転速度を個別に微調整してよい。
【0051】
乾燥駆動部66は、制御部61の制御に基づいて、乾燥部19の内部で媒体M上のインクや色糊を乾燥可能に所定の動作を行わせる。所定の動作としては、例えば、ヒーターなどの発熱体の発熱動作若しくはファンなどの回転による送風動作、又はこれらの組み合わせであるが、これらに限定されない。
【0052】
洗浄駆動部67は、制御部61の制御に基づいて、洗浄部20を動作させて、洗浄動作を行わせる。洗浄動作としては、洗剤塗布や払拭動作などが挙げられる。洗浄部20の動作を継続的に行わない場合には、洗浄駆動部67は、洗浄部20を一時的に搬送ベルト10から離隔させることが可能であってもよい。
【0053】
糊付駆動部68は、制御部61の制御に基づいて、糊付部21を動作させて、搬送ベルト10の表面に適切に媒体Mを接着させる糊材を塗布する。
【0054】
通信部69は、所定の通信方式によりインクジェット部50との通信を行う通信部である。通信部69(スクリーン部60)とインクジェット部50との間の通信方式は、例えば、入出力信号通信、シリアル通信、又は有線若しくは無線のLANである。
【0055】
図3に示すように、画像形成装置1において、スクリーン処理部40として、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42Aが搬送ベルト10上に配置されている構成例を考える。図3において、図示及び説明を簡単にするため、簡略的に、インクジェット画像を円形画像で表し、スクリーン画像を「A」、「B」、「C」、ベタ塗で表すものとし、図6図7図10でも同様とする。
【0056】
図3の構成の画像形成装置1において、インクジェット印刷部30と、スクリーン処理部40に設置されたスクリーン印刷部42R,42G,42B,42Aと、の全てで、画像形成を行う場合を説明する。まず、インクジェット印刷部30により、円形画像で図示したインクジェット画像が媒体Mの所定範囲に形成され、スクリーン印刷部42Rにより「A」で図示したスクリーン画像が同じ範囲に形成され、スクリーン印刷部42Gにより「B」で図示したスクリーン画像が同じ範囲に形成され、スクリーン印刷部42Bにより「C」で図示したスクリーン画像が同じ範囲に形成され、スクリーン印刷部42Bによりベタ塗のスクリーン画像が同じ範囲に形成される。このように、円形画像のインクジェット画像、A,B,C、ベタ塗のインクジェット画像が媒体Mの同じ範囲に順に重ね合わされる。
【0057】
つぎに、図4図7を参照して、本実施の形態における画像形成装置1の動作を説明する。図4は、第1の印刷制御処理を示すフローチャートである。図5は、第2の印刷制御処理を示すフローチャートである。図6は、第1、第2の印刷制御処理でスクリーン印刷を行う場合の画像形成例を示す図である。図7は、第1、第2の印刷制御処理でスクリーン印刷を行わない場合の画像形成例を示す図である。
【0058】
画像形成装置1のインクジェット部50において、例えば、通信部54を介して、インクジェット印刷する画像データを含む少なくとも一つのジョブ(データ)をPC2から受信し制御部51のRAMに記憶したことをトリガーとして、制御部51は、ROMに記憶されている第1の印刷制御プログラムに従い、第1の印刷制御処理を実行する。また、スクリーン部60において、ユーザーからの操作部62を介する指示情報の入力に応じて、制御部61は、搬送駆動部65、乾燥駆動部66、洗浄駆動部67、糊付駆動部68を制御して、媒体Mを繰り出しローラー11から繰り出し、ガイドローラー14、押圧ローラー15、駆動ローラー12、剥離ローラー16、乾燥部19、振り落としローラー17、洗浄部20、糊付部21を駆動して、各部及び搬送ベルト10を介して、台車18に排出させる駆動を開始するものとする。
【0059】
図4に示すように、まず、制御部51は、RAMに記憶されているジョブの一覧情報を表示部53に表示し、操作部52を介して、ユーザーからのジョブの選択入力を受け付ける(ステップS11)。そして、制御部51は、インクジェット印刷部30により、ステップS11で選択されたジョブに含まれる通常の画像データを媒体M上にインクジェット印刷開始させる(ステップS12)。そして、制御部51は、ステップS11で選択されたジョブがスクリーン印刷を行う第1のジョブ種であるか否かを判別する(ステップS13)。例えば、ジョブの画像データの内容が、ベタがある、スクリーン幅に合ったサイズ、金粉入りの色などスクリーン印刷でしか表現が難しいデザイン、などの場合に、インクジェット印刷に加えて、スクリーン印刷を行う第1のジョブ種とし、ジョブの画像データの内容が、ベタがない、スクリーン幅に合ったサイズでない、インクジェット印刷でしか表現が難しいデザイン、などの場合に、スクリーン印刷を行わない第2のジョブ種とする。
【0060】
選択されたジョブが第1のジョブ種である場合(ステップS13;YES)、制御部51は、インクジェット印刷部30により、インクジェット画像の位置に対応してスクリーン印刷を行う旨のマーカーを媒体Mの主走査方向の端部位置にインクジェット印刷させ(ステップS14)、第1の印刷制御処理を終了する。
【0061】
選択されたジョブが第2のジョブ種である場合(ステップS13;NO)、マーカーのインクジェット印刷を行うことなく、第1の印刷制御処理が終了する。
【0062】
画像形成装置1のスクリーン部60において、第2の印刷制御処理が所定周期で実行されるものとする。スクリーン部60において、前回の第2の印刷制御処理の実行から所定周期が経過したことをトリガーとして、制御部61は、ROMに記憶されている第2の印刷制御プログラムに従い、第2の印刷制御処理を実行する。
【0063】
図5に示すように、まず、制御部61は、画像検出部64により、媒体Mの上面のインクジェット画像を読み取り、検出結果を取得する(ステップS21)。そして、制御部61は、ステップS21で取得された検出結果にマーカーの画像があるか否かを判別する(ステップS22)。
【0064】
マーカーがある場合(ステップS22;YES)、制御部61は、スクリーン駆動部41により、スクリーン処理部40として設置されている全てのスクリーン印刷部を駆動して、スクリーン画像を媒体Mにスクリーン印刷させ(ステップS23)、第2の印刷制御処理を終了する。
【0065】
例えば、図6に示すように、スクリーン処理部40としてスクリーン印刷部42R,42Gが設置されている画像形成装置1を考える。画像形成装置1において、ステップS21に対応して、インクジェット印刷部30により、テストチャートのインクジェット画像(図の円形画像)及びマーカー(図の「●」)が媒体Mにインクジェット印刷され、スクリーン印刷部42Rにより、テストチャートの赤色のスクリーン画像(図の「A」)が媒体Mのインクジェット画像と同じ範囲にスクリーン印刷され、スクリーン印刷部42Gにより、テストチャートの緑色のスクリーン画像(図の「B」)が媒体Mのインクジェット画像と同じ範囲にスクリーン印刷される。
【0066】
マーカーがない場合(ステップS22;NO)、制御部61は、スクリーン駆動部41により、媒体MのステップS21で検出されたインクジェット画像がスクリーン処理部40(又は指定したスクリーン印刷部)を通り過ぎるまで、スクリーン処理部40として設置されている全てのスクリーン印刷部を駆動せず(オフし)(ステップS24)、第2の印刷制御処理を終了する。このように、インクジェット画像がインクジェット印刷された媒体Mにスクリーン印刷されない。
【0067】
例えば、図7に示すように、図6と同様の画像形成装置1において、ステップS11に対応して、インクジェット印刷部30により、テストチャートのインクジェット画像(図の円型画像)のみが媒体Mにインクジェット印刷される。ステップS24に対応して、媒体Mは、スクリーン印刷されない。
【0068】
以上、本実施の形態によれば、画像形成装置1は、取得したジョブに基づいて生成された画像を媒体Mに印刷するインクジェット印刷部30と、取得したジョブの内容に応じて、スクリーン画像を媒体Mにスクリーン印刷するスクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oのスクリーン印刷の要否を示すマーカーのインクジェット印刷部30による媒体Mへの印刷を制御する制御部Cと、を備える。
【0069】
このため、ジョブの内容に応じて、マーカーを印刷制御でき、スクリーン印刷を制御できる。
【0070】
また、画像形成装置1は、インクジェット印刷部30と、インクジェット印刷部30により媒体Mに印刷されたマーカーの画像を検出する画像検出部64と、を備える。制御部Cは、マーカーの検出結果に応じて、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oの駆動の制御を行う。このため、マーカーの検出により、適切にスクリーン印刷を行うことができる。特に、不必要なスクリーン印刷を防ぐことができるので、色糊の無駄な消費を防ぐことができる。また、各スクリーン印刷部にスクリーン印刷のオンオフボタンを設けなくてもよく、装置構成を簡単にできる。また、誤ったスクリーン印刷部のスクリーン印刷による他のスクリーン印刷部への色糊の付着を防ぐことができる。さらに、インクジェット部とスクリーン部とを組み合わせた装置に、印刷モードとして、インクジェット印刷のみを行うインクジェット印刷モード、スクリーン印刷のみを行うスクリーン印刷モード、インクジェット印刷及びスクリーン印刷を行うインクジェット印刷+スクリーン印刷モードを用意した場合であっても、画像形成装置1では、ユーザーが印刷モードを意識しなくてよく、ユーザーの負担を低減できる。
【0071】
また、制御部Cは、インクジェット印刷部30を制御する制御部51と、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oを制御する制御部61とを含む。画像形成装置1は、インクジェット部50及びスクリーン部60を備える。制御部51は、取得したジョブの内容に対応するマーカーの媒体Mへの印刷を制御する。制御部61は、前記マーカーの検出結果に基づいて、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oのスクリーン印刷のオンオフを制御する。このため、ジョブの内容に応じて、適切にスクリーン印刷を行うことができる。
【0072】
また、制御部51は、取得したジョブの内容に応じて、インクジェット印刷部30によるスクリーン印刷を行う旨のマーカーのインクジェット印刷の有無を制御する。制御部61は、検出されたマーカーの有無に基づいて、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oのオンオフを制御する。このため、ジョブの画像データの内容に対応するマーカーの有無に応じて、確実かつ適切にスクリーン印刷を行うことができる。
【0073】
また、制御部51は、取得したジョブの画像データの内容が、ベタがある、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oのスクリーン幅に合ったサイズ又はスクリーン印刷でしか表現が難しいデザインである場合に、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oをオンさせる旨のマーカーをインクジェット印刷部30に媒体Mへインクジェット印刷させる。このため、ジョブの画像データの内容に応じて、より適切にスクリーン印刷を行うことができる。
【0074】
また、画像検出部64は、光軸センサー、カメラ又はラインセンサーである。このため、マーカーを容易かつ確実に検出できる。
【0075】
(第2の実施の形態)
図8図10を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。図8は、第3の印刷制御処理を示すフローチャートである。図9は、第4の印刷制御処理を示すフローチャートである。図10は、第3、第4の印刷制御処理でスクリーン印刷を行わない場合の画像形成例を示す図である。
【0076】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、画像形成装置1を用いるものとする。ただし、制御部51のROMには、第1の印刷制御プログラムに代えて、後述する第3の印刷制御処理を実行するための第3の印刷制御プログラムが記憶されているものとする。また、制御部61のROMには、第2の印刷制御プログラムに代えて、後述する第4の印刷制御処理を実行するための第4の印刷制御プログラムが記憶されているものとする。
【0077】
つぎに、図8図10を参照して、本実施の形態の画像形成装置1の動作を説明する。
【0078】
画像形成装置1のインクジェット部50において、例えば、通信部54を介して、インクジェット印刷する画像データを含む少なくとも一つのジョブ(データ)をPC2から受信してRAMに記憶したことをトリガーとして、制御部51は、ROMに記憶されている第3の印刷制御プログラムに従い、第3の印刷制御処理を実行する。また、スクリーン部60において、ユーザーからの操作部62を介する指示情報の入力に応じて、制御部61は、搬送駆動部65、乾燥駆動部66、洗浄駆動部67、糊付駆動部68を制御して、媒体Mを繰り出しローラー11から繰り出し、ガイドローラー14、押圧ローラー15、駆動ローラー12、剥離ローラー16、乾燥部19、振り落としローラー17、洗浄部20、糊付部21を駆動して、各部及び搬送ベルト10を介して、台車18に排出させる駆動を開始するものとする。
【0079】
図8に示すように、まず、ステップS31が実行される。ステップS31,S32,S33は、図5の第1の印刷制御処理のステップS11,S12,S13と同様である。
【0080】
選択されたジョブが第1のジョブ種である場合(ステップS33;YES)、制御部51は、インクジェット印刷部30により、インクジェット画像の位置に対応してスクリーン印刷を行う旨の第1のマーカーを媒体Mの主走査方向の端部位置にインクジェット印刷させ(ステップS34)、第3の印刷制御処理を終了する。
【0081】
選択されたジョブが第2のジョブ種である場合(ステップS33;NO)、制御部51は、インクジェット印刷部30により、インクジェット画像の位置に対応してスクリーン印刷を行わない旨の第2のマーカーを媒体Mの主走査方向の端部位置にインクジェット印刷させ(ステップS35)、第3の印刷制御処理を終了する。
【0082】
画像形成装置1のスクリーン部60において、第4の印刷制御処理が所定周期で実行されるものとする。スクリーン部60において、前回の第4の印刷制御処理の実行から所定周期が経過したことをトリガーとして、制御部61は、ROMに記憶されている第4の印刷制御プログラムに従い、第4の印刷制御処理を実行する。
【0083】
図9に示すように、まず、ステップS41が実行される。ステップS41は、図5の第2の印刷制御処理のステップS21と同様である。そして、制御部61は、ステップS31で取得された検出結果に第1のマーカーの画像があるか否かを判別する(ステップS42)。
【0084】
第1のマーカーがある場合(ステップS42;YES)、制御部61は、ステップS43を実行し、第4の印刷制御処理を終了する。ステップS43は、図5のステップS23と同様である。
【0085】
例えば、図6に示すように、スクリーン処理部40としてスクリーン印刷部42R,42Gが設置されている画像形成装置1を考える。画像形成装置1において、ステップS21に対応して、インクジェット印刷部30により、テストチャートのインクジェット画像(図の円形画像)及び第1のマーカー(図の「●」)が媒体Mにインクジェット印刷され、スクリーン印刷部42Rにより、テストチャートの赤色のスクリーン画像(図の「A」)が媒体Mのインクジェット画像と同じ範囲にスクリーン印刷され、スクリーン印刷部42Gにより、テストチャートの緑色のスクリーン画像(図の「B」)が媒体Mのインクジェット画像と同じ範囲にスクリーン印刷される。
【0086】
第2のマーカーがある又はマーカーがない場合(ステップS42;NO)、制御部61は、ステップS44を実行し、第4の印刷制御処理を終了する。ステップS44は、図5のステップS24と同様である。
【0087】
例えば、図10に示すように、図6と同様の画像形成装置1において、ステップS11に対応して、インクジェット印刷部30により、テストチャートのインクジェット画像(図の円型画像)及び第2のマーカー(図の「×」)が媒体Mにインクジェット印刷される。ステップS44に対応して、媒体Mは、スクリーン印刷されない。
【0088】
以上、本実施の形態によれば、制御部51は、取得したジョブの内容に応じて、インクジェット印刷部30による、スクリーン印刷の要否で異なる種類のマーカーの印刷を制御する。制御部61は、検出されたマーカーの種類に基づいて、スクリーン印刷部42R,42G,42B,42A,42Oのオンオフを制御する。このため、ジョブの画像データの内容に対応するマーカーの種類に応じて、確実かつ適切にスクリーン印刷を行うことができる。
【0089】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置、画像形成方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0090】
上記各実施の形態では、画像形成部の一例として、インクジェット印刷部としたが、取得したジョブに基づいて生成された画像をオンデマンドに印刷を行う画像形成部であればよくインクジェット印刷に限定されない。
【0091】
例えば、上記各実施の形態では、スクリーン印刷をする場合には、スクリーン処理部40として設置された全てのスクリーン印刷部の駆動によりスクリーン印刷を行う構成としたが、これに限定されるものではない。
【0092】
第1の実施の形態において、駆動するスクリーン印刷部を指定可能であり、図4のステップS14において、スクリーン印刷をする旨のマーカーが、スクリーン処理部40のうち指定されるスクリーン印刷部のパターンに応じた表現形式(形状、色など)のものとされる構成としてもよい。図5のステップS23では、制御部61は、読み取られたマーカーの表現形式に応じて、指定されたスクリーン印刷部を駆動して、テストチャートを媒体Mにスクリーン印刷させる。このため、任意の必要なスクリーン印刷部のみを駆動してスクリーン印刷できる。
【0093】
なお、マーカーをバーコード、QR(Quick Response)コード(登録商標)などの二次元コードなどのシンボルとし、シンボルに、駆動するスクリーン印刷部の指定情報を含ませる構成としてもよい。制御部61は、読み取られたマーカーの画像をデコードして指定情報を取得し、指定情報で指定されたスクリーン印刷部を駆動して、スクリーン画像を媒体Mにスクリーン印刷させる。この構成では、画像検出部64をシンボルのリーダーとしてもよい。
【0094】
同様に、第2の実施の形態において、駆動するスクリーン印刷部を指定可能であり、図8のステップS34において、スクリーン印刷をする旨の第1のマーカーが、スクリーン処理部40のうち指定されるスクリーン印刷部のパターンに応じた表現形式(形状、色など)のものとされる構成としてもよい。図9のステップS43では、制御部61は、読み取られたマーカーの表現形式に応じて、指定されたスクリーン印刷部を駆動して、スクリーン画像を媒体Mにスクリーン印刷させる。
【0095】
また、上記各実施の形態では、画像形成装置1が、インクジェット印刷部30に通常のインクジェット画像をインクジェット印刷させる構成としたが、これに限定されない。インクジェット印刷部30にインクジェット印刷させる画像は、調整用途のテストチャートとしてもよい。テストチャートは、ノズルチェックチャート、主走査調整チャートなどである。ノズルチェックチャートは、インクジェットヘッド32のノズルの状態を確認するためのテストチャートである。ノズルチェックチャートにおいて、欠ノズルやノズルに異物があると、そのノズルでインクの弱吐出やそもそも吐出されなく、欠部分の画像となる。主走査調整チャートは、主走査方向に吐出する位置の調整を行うためのテストチャートである。主走査調整チャートは、ある基準ヘッドと、ある色のヘッドとの線同士の重なりを見て、その値を調整値としてユーザーが操作部52に入力し、制御部51が、インクジェット印刷部30を調整する。この手順を繰り返し、最終的には、調整値が0になるように調整される。この構成では、インクジェット画像のテストチャートにスクリーン印刷がなされない。
【0096】
また、テストチャートが、インクジェット印刷部30の位置調整と、スクリーン処理部40の位置調整と、を行うためのインクジェット印刷及びスクリーン印刷を伴うものとしてもよい。このテストチャートは、媒体Mの端部位置などに配置された十字マーク、あるいは媒体Mの4点の端部位置を通る対角線を有する矩形画像を含むインクジェット画像と、十字マークあるいは対角線を有する矩形画像を含むスクリーン画像と、を印刷させるためのテストチャートとなる。ただし、このスクリーン画像は、スクリーン処理部40の各スクリーン印刷部の版に予め形成されているものである。
【0097】
また、上記実施の形態において、インクジェット部50が、画像検出部64を有する構成としてもよい。この構成では、上記第1の実施の形態の図4の第1の印刷制御処理において、ステップS11の後、図5のステップS21と同様に、制御部51が、画像検出部64によりインクジェット画像を読み取りってマーカーの画像を解析し、通信部54を介して、マーカーの位置情報及び解析結果をスクリーン部60に送信する。スクリーン部60の制御部61は、受信したマーカーの位置情報及び解析結果を用いて、図5のステップS22、S23と同様の処理を行う。あるいは、この構成において、制御部51が、通信部54を介して、画像検出部64によりインクジェット画像を読み取った画像データをスクリーン部60に送信し、制御部61が、受信したインクジェット画像の画像データを用いて、図5のステップS21~S23と同様の処理を行う構成としてもよい。第2の実施の形態で、インクジェット部50が画像検出部64を有する構成も上記と同様である。
【0098】
また、以上の実施の形態における画像形成装置1を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成装置
10 搬送ベルト
12 駆動ローラー
13 従動ローラー
14 ガイドローラー
15 押圧ローラー
16 剥離ローラー
17 振り落としローラー
18 台車
19 乾燥部
20 洗浄部
21 糊付部
50 インクジェット部
C,51 制御部
52 操作部
53 表示部
54 通信部
55 バス
30 インクジェット印刷部
31 ヘッド駆動部
32 インクジェットヘッド
33 キャリッジ
34 走査駆動部
60 スクリーン部
61 制御部
62 操作部
63 表示部
64 画像検出部
65 搬送駆動部
66 乾燥駆動部
67 洗浄駆動部
68 糊付駆動部
69 通信部
70 バス
40 スクリーン処理部
41 スクリーン駆動部
42R,42G,42B,42A,42O スクリーン印刷部
M 媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10