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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】鉛蓄電池の配送箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/52 20060101AFI20240409BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20240409BHJP
【FI】
B65D5/52 D
H01M50/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020008406
(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公開番号】P2021116070
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小坂 星弥
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 辰彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 由紀子
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-141318(JP,U)
【文献】特開2004-043002(JP,A)
【文献】実開平03-100167(JP,U)
【文献】米国特許第08820532(US,B2)
【文献】特開2003-341734(JP,A)
【文献】特開2000-128149(JP,A)
【文献】特開2008-024322(JP,A)
【文献】特開平06-156536(JP,A)
【文献】特開平08-198328(JP,A)
【文献】特開2013-107645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/52
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーターミナルの種類がBタイプの鉛蓄電池が梱包されている梱包箱が収容される配送箱本体であって、前記梱包箱が当該配送箱本体に収容されている状態において、上面視で前記梱包箱の短辺方向における当該配送箱本体の内部空間の幅が前記梱包箱の前記短辺方向の幅より広い配送箱本体と、
前記配送箱本体の内部で前記梱包箱の前記短辺方向の位置を規制する第1の規制部であって、前記配送箱本体に前記梱包箱が収容されている状態において、前記梱包箱を基準に前記短辺方向の両側にそれぞれ配されている第1の規制部と、
を備え、
前記配送箱本体に前記梱包箱が収容されている状態において、前記梱包箱を基準に前記短辺方向の一方の側における前記梱包箱の側壁と前記配送箱本体の側壁との間隔が前記梱包箱の短辺方向の幅の33%以上であり、且つ、前記梱包箱を基準に前記短辺方向の他方の側における前記梱包箱の側壁と前記配送箱本体の側壁との間隔が前記梱包箱の短辺方向の幅の33%以上である、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項2】
請求項1に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
前記配送箱本体は上面視で前記梱包箱の短辺方向に直交する側壁から底壁に亘って延びる2本の切れ込み又は長穴を有し、前記第1の規制部は前記配送箱本体の当該2本の切れ込み又は長穴の間の部分を内側に折り返すことによって形成されている、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項3】
請求項2に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
前記配送箱本体の内部で第1種の前記梱包箱の長辺方向の位置を規制する第2の規制部を備え、
前記配送箱本体は上面視で前記梱包箱の長辺方向に直交する側壁から底壁に亘って延びる2本の切れ込み又は長穴を有し、前記第2の規制部は前記配送箱本体の当該2本の切れ込み又は長穴の間の部分を内側に折り返すことによって形成されている、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項4】
請求項3に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
前記配送箱に前記第1種の前記梱包箱より前記長辺方向の幅が狭い第2種の前記梱包箱が収容される場合に、前記配送箱本体の内部で前記第2種の前記梱包箱の長辺方向の位置を規制する第3の規制部を備え、
前記配送箱本体は上面視で前記梱包箱の長辺方向に直交する側壁から上壁に亘って延びる2本の切れ込み又は長穴を有し、前記第3の規制部は前記配送箱本体の当該2本の切れ込み又は長穴の間の部分を内側に折り返すことによって形成されており、
前記第3の規制部は、上面視で前記第2の規制部より当該配送箱の中心側で前記第2種の前記梱包箱の位置を規制する、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項5】
請求項1に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
前記第1の規制部は前記配送箱本体の内部に収容されて前記梱包箱の前記短辺方向の位置を規制するスペーサである、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項6】
請求項5に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
前記スペーサは、上面視で前記梱包箱の長辺方向の位置を規制する第4の規制部を備える、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項7】
請求項6に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
前記第4の規制部は当該配送箱の底壁から上に離間して前記底壁と平行に延びる板状に形成されており、上面視で当該配送箱の中心側の先端部に前記短辺方向に延びる折り目又はミシン目が形成されており、
前記配送箱本体に第1種の前記梱包箱が収容される場合は、前記折り目で前記先端部が折り曲げられた前記第4の規制部、又は、前記ミシン目で前記先端部が切り離された前記第4の規制部によって前記第1種の前記梱包箱の前記長辺方向の位置が規制され、
前記配送箱本体に前記第1種の前記梱包箱より前記長辺方向の幅が狭い第2種の前記梱包箱が収容される場合は、前記折り目で前記先端部が折り曲げられていない前記第4の規制部、又は、前記ミシン目で前記先端部が切り離されていない前記第4の規制部によって前記第2種の前記梱包箱の前記長辺方向の位置が規制される、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項8】
請求項7に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
前記スペーサは、前記配送箱本体に前記第2種の前記梱包箱より前記長辺方向の幅が狭い第3種の前記梱包箱が収容される場合に、上面視で前記第3種の前記梱包箱の長辺方向の位置を規制する第5の規制部を備え、
前記第5の規制部は前記スペーサの底壁の一部を起こすことによって形成されており、上面視で、前記先端部が折り曲げられていない状態又は前記先端部が切り離されていない状態の前記第4の規制部より当該配送箱の中心側で前記第3種の前記梱包箱の位置を規制する、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項9】
請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
前記スペーサは所定形状に形成された1枚の段ボール板を折り曲げることによって形成されている、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
前記梱包箱の高さと前記配送箱の内部空間の高さとが同じである、鉛蓄電池の配送箱。
【請求項11】
請求項10に記載の鉛蓄電池の配送箱であって、
上面視で前記梱包箱の位置が前記梱包箱の短辺方向及び長辺方向の中央に規制される、鉛蓄電池の配送箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、鉛蓄電池の配送箱に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車に搭載される鉛蓄電池(例えば、特許文献1参照)の場合、従来は搭載されている鉛蓄電池が寿命に近づくと自動車ディーラーや自動車用品店などの販売店舗で新しい鉛蓄電池を購入して交換することが一般的であった。鉛蓄電池を販売店舗へ配送する場合、例えば、配送元は複数の鉛蓄電池をそれぞれ梱包箱(例えば、特許文献2参照)に梱包してパレットに段積みし、その周囲にシートを巻き付けるなどして荷崩れを防止し、複数の鉛蓄電池をまとまった状態で販売店舗に配送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-235055号公報
【文献】特許第6307986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、インターネット通販などの通信販売によって鉛蓄電池をBtoC(Business to Consumer)で販売することが増えてきた。これに伴い、鉛蓄電池を1個単位で配送することが増えてきた。しかしながら、従来は鉛蓄電池を1個単位で配送する場合の課題について十分に検討されていなかった。
【0005】
本明細書では、鉛蓄電池を1個単位で配送する場合の課題を改善する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
鉛蓄電池が梱包されている梱包箱が収容される配送箱本体であって、前記梱包箱が当該配送箱本体に収容されている状態において、上面視で前記梱包箱の短辺方向における当該配送箱本体の内部空間の幅が前記梱包箱の前記短辺方向の幅より広い配送箱本体と、前記配送箱本体の内部で前記梱包箱の前記短辺方向の位置を規制する第1の規制部と、を備える、鉛蓄電池の配送箱。
【発明の効果】
【0007】
鉛蓄電池を1個単位で配送する場合の課題を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る鉛蓄電池の斜視図
図2】梱包箱の斜視図
図3】配送箱の斜視図(第3の規制部が形成されている状態)
図4】短辺方向から見た配送箱の側面図
図5】長辺方向から見た配送箱の側面図
図6】配送箱の展開図
図7】配送箱の斜視図(第3の規制部が形成されていない状態)
図8図4に示すA-A線の断面図
図9図5に示すB-B線の断面図(B24サイズ)
図10図5に示すB-B線の断面図(B20サイズ)
図11図5に示すB-B線の断面図(B19サイズ)
図12】実施形態2に係る配送箱本体及びスペーサの斜視図
図13】スペーサ及び梱包箱の斜視図
図14】配送箱本体の展開図
図15】スペーサの展開図
図16】長辺方向から見た配送箱本体の側面図
図17】スペーサの斜視図(B20サイズ)
図18】スペーサの斜視図(B24サイズ)
図19図16に示すC-C線の断面図(B24サイズ)
図20図16に示すC-C線の断面図(B20サイズ)
図21】スペーサの斜視図(B19サイズ)
図22図16に示すC-C線の断面図(B19サイズ)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)鉛蓄電池が梱包されている梱包箱が収容される配送箱本体であって、前記梱包箱が当該配送箱本体に収容されている状態において、上面視で前記梱包箱の短辺方向における当該配送箱本体の内部空間の幅が前記梱包箱の前記短辺方向の幅より広い配送箱本体と、前記配送箱本体の内部で前記梱包箱の前記短辺方向の位置を規制する第1の規制部と、を備える、鉛蓄電池の配送箱。
【0010】
前述した特許文献1にも記載されているように、鉛蓄電池は内部に電解液が収容されている。通常、鉛蓄電池には内部に発生したガスを抜くガス抜き穴が形成されているので、鉛蓄電池が倒れると電解液がガス抜き穴から液漏れする可能性がある。
【0011】
本願発明者は、鉛蓄電池を1個単位で配送すると、複数まとめて配送する場合に比べて配送の過程で梱包箱が短辺方向に倒れ易くなり、液漏れの可能性が高くなるという課題があることを見出した。
本願発明者は、鉛蓄電池が梱包されている梱包箱を補助部材によって短辺方向に倒れ難くした状態で配送する実験を非公開で行った。その結果、梱包箱をそのまま配送した場合の液漏れの発生率が約3%であったのに対し、短辺方向に倒れ難くした状態で配送した場合の発生率は約1%となり、大幅な改善が見られた。この結果から、梱包箱を短辺方向に倒れ難くした状態で配送すれば液漏れの発生を抑制できることが明らかになった。
【0012】
上記の配送箱によると、上面視で梱包箱の短辺方向における配送箱本体の内部空間の幅を梱包箱の短辺方向の幅より広くしたので、梱包箱をそのまま配送する場合に比べて短辺方向に倒れ難い。このため上記の配送箱によると、鉛蓄電池を1個単位で配送する場合の課題(配送の過程で梱包箱が短辺方向に倒れて液漏れする可能性があるという課題)を改善できる。
【0013】
ただし、配送箱本体の底面の幅を広くすると、そのままでは梱包箱の短辺方向において配送箱と梱包箱との間に隙間ができるため、配送中に配送箱の内部で梱包箱の位置が安定しなくなる。上記の配送箱によると、配送箱の内部に梱包箱の短辺方向の位置を規制する第1の規制部が設けられているので、配送箱の内部で梱包箱の短辺方向の位置を安定させることもできる。
【0014】
(2)前記配送箱本体は上面視で前記梱包箱の短辺方向に直交する側壁から底壁に亘って延びる2本の切れ込み又は長穴を有し、前記第1の規制部は前記配送箱本体の当該2本の切れ込み又は長穴の間の部分を内側に折り返すことによって形成されていてもよい。
【0015】
上記の配送箱によると、第1の規制部が配送箱本体と一体に形成されているので、配送箱本体とは別体の第1の規制部を配送箱本体の内部に収容する場合に比べて配送箱の部品点数を抑制できる。
【0016】
(3)前記配送箱本体の内部で前記梱包箱の長辺方向の位置を規制する第2の規制部を備え、前記配送箱本体は上面視で前記梱包箱の長辺方向に直交する側壁から底壁に亘って延びる2本の切れ込み又は長穴を有し、前記第2の規制部は前記配送箱本体の当該2本の切れ込み又は長穴の間の部分を内側に折り返すことによって形成されていてもよい。
【0017】
上記の配送箱によると、配送箱の内部で梱包箱の長辺方向の位置を規制できる。更に、上記の配送箱によると、第2の規制部が配送箱本体と一体に形成されているので、配送箱本体とは別体の第2の規制部を配送箱本体の内部に収容する場合に比べて配送箱の部品点数を抑制できる。
【0018】
(4)前記配送箱本体の内部で前記梱包箱の長辺方向の位置を規制する第3の規制部を備え、前記配送箱本体は上面視で前記梱包箱の長辺方向に直交する側壁から上壁に亘って延びる2本の切れ込み又は長穴を有し、前記第3の規制部は前記配送箱本体の当該2本の切れ込み又は長穴の間の部分を内側に折り返すことによって形成されており、前記第3の規制部は、上面視で前記第2の規制部より当該配送箱の中心側で前記梱包箱の位置を規制してもよい。
【0019】
鉛蓄電池には長辺方向の幅の違いによって複数のサイズがある場合がある。その場合、長辺方向の幅が広い鉛蓄電池に合わせて第2の規制部を設定すると、長辺方向の幅が狭い鉛蓄電池の場合に梱包箱の長辺方向の位置が第2の規制部によって十分に規制されなくなる。しかしながら、サイズごとに配送箱を用意するのは効率が悪い。
【0020】
上記の配送箱によると、第3の規制部は第2の規制部より配送箱の中心側で梱包箱の位置を規制するので、長辺方向の幅が広い鉛蓄電池の場合は第3の規制部を形成しないことにより、第2の規制部によって長辺方向の位置を規制できる。一方、長辺方向の幅がそれより狭い鉛蓄電池の場合は第3の規制部を形成することにより、長辺方向の位置を規制できる。このためサイズごとに配送箱を用意しなくてよい。
【0021】
(5)前記第1の規制部は前記配送箱本体の内部に収容されて前記梱包箱の前記短辺方向の位置を規制するスペーサであってもよい。
【0022】
梱包箱の位置をより確実に規制するためには第1の規制部の形状をある程度自由に設定できることが望ましい。しかしながら、第1の規制部が配送箱本体と一体である場合は第1の規制部の形状の自由度が制限される。
上記の配送箱によると、第1の規制部が配送箱本体とは別体のスペーサであるので、第1の規制部が配送箱本体と一体である場合に比べて形状の自由度が向上する。このため、第1の規制部の形状を梱包箱の位置がより確実に規制される形状にすることができる。
【0023】
(6)前記スペーサは、上面視で前記梱包箱の長辺方向の位置を規制する第4の規制部を備えてもよい。
【0024】
上記の配送箱によると、短辺方向の位置に加えて長辺方向の位置も規制できる。
【0025】
(7)前記第4の規制部は当該配送箱の底壁から上に離間して前記底壁と平行に延びる板状に形成されており、上面視で当該配送箱の中心側の先端部に折り目又はミシン目が形成されていてもよい。
【0026】
鉛蓄電池には長辺方向の幅の違いによって複数のサイズがある場合がある。例えば長辺方向の幅が広い鉛蓄電池に合わせて第4の規制部を設定すると、長辺方向の幅が狭い鉛蓄電池の場合に、梱包箱の長辺方向の位置が第4の規制部によって十分に規制されなくなる。しかしながら、サイズごとにスペーサを用意するのは効率が悪い。
【0027】
上記の配送箱によると、第4の規制部の先端部に折り目又はミシン目が形成されているので、長辺方向の幅が広い鉛蓄電池の場合は先端部を折り目又はミシン目に沿って上あるいは下に折り曲げることにより(あるいはミシン目に沿って切り離すことにより)、長辺方向の位置を規制できる。一方、長辺方向の幅がそれより狭い鉛蓄電池の場合は先端部を折り曲げないことにより(あるいは切り離さないことにより)、第4の規制部によって長辺方向の位置を規制できる。このためサイズごとに配送箱を用意しなくてよい。
【0028】
(8)前記スペーサは、上面視で前記梱包箱の長辺方向の位置を規制する第5の規制部を備え、前記第5の規制部は前記スペーサの底壁の一部を起こすことによって形成されており、上面視で、前記先端部が折り曲げられていない状態又は前記先端部が切り離されていない状態の前記第4の規制部より当該配送箱の中心側で前記梱包箱の位置を規制してもよい。
【0029】
上述した長辺方向の幅が狭い鉛蓄電池よりも更に長辺方向の幅が狭い鉛蓄電池がある場合、第4の規制部の先端部を折り曲げたり切り離したりしていない状態でも第4の規制部が鉛蓄電池に近接せず、鉛蓄電池の長辺方向の位置を規制できない。
上記の配送箱によると、スペーサの底壁を起こすことによって第5の規制部を形成できるので、更に長辺方向の幅が狭い鉛蓄電池の場合は第5の規制部を形成することにより、第5の規制部によって長辺方向の位置を規制できる。このためサイズごとに配送箱を用意しなくてよい。
【0030】
(9)前記スペーサは所定形状に形成された1枚の段ボール板を折り曲げることによって形成されていてもよい。
【0031】
上記の配送箱によると、1枚の段ボール板を折り曲げることによってスペーサを形成できるので、複数の部材からスペーサを形成する場合に比べて部品点数を低減できる。
【0032】
(10)前記梱包箱の高さと前記配送箱の内部空間の高さとが同じであってもよい。
【0033】
上記の「前記梱包箱の高さと前記配送箱の内部空間の高さとが同じ」は、梱包箱の高さと配送箱の内部空間の高さとが完全に同じである場合に限定されるものではなく、概ね同じである場合を含む。
梱包箱が収容された配送箱は段積みされて倉庫に保管される場合がある。その場合、配送箱に縦方向の強度がないと下の配送箱が潰れる可能性がある。通常、鉛蓄電池は数個段積みした程度では壊れない強度を有している。上記の配送箱によると、梱包箱の高さと配送箱の内部空間の高さとが同じである。言い換えると、配送箱の内部において梱包箱の上面と配送箱の上壁との間に隙間がほぼない。このため、下の配送箱に収容されている鉛蓄電池によって上の配送箱の重さが受けられる。このため、配送箱が段積みされても配送箱が潰れることを抑制できる。
【0034】
(11)上面視で前記梱包箱の位置が前記梱包箱の短辺方向及び長辺方向の中央に規制されてもよい。
【0035】
上記の「短辺方向及び長辺方向の中央」は、完全に中央である場合に限定されるものではなく、概ね中央である場合を含む。
梱包箱が収容された配送箱を段積みする場合、配送箱の内部で梱包箱の位置が前後左右に偏っていると段積みしたときに配送箱が潰れ易くなる。上記の配送箱によると、梱包箱が上面視で配送箱の中央に位置するので、配送箱を段積みしたときにより潰れ難くなる。
【0036】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図11によって説明する。以降の説明では同一の構成要素には一部を除いて図面の符号を省略している場合がある。
【0037】
(1)鉛蓄電池及び梱包箱
図1に示すように、実施形態1に係る鉛蓄電池1は上面視長方形である。以下の表1に示すように、鉛蓄電池1はバッテリーターミナル(外部電極端子)の種類によってBタイプ、Dタイプなどに分けられる。
【表1】
【0038】
表1に示すように、各タイプの鉛蓄電池1には複数のサイズがある。例えばBタイプの鉛蓄電池1には一般車用のサイズとしてB17、B19、B20、B24の4サイズがある。高さは4サイズすべて同じであり、且つ、上面視で短辺方向の幅が同じであるが、上面視で長辺方向の幅が異なっている。具体的には、B17は長辺方向の幅が約17cm、B19は約19cm、B20は約20cm、B24は約24cmである。
鉛蓄電池1のサイズの表し方は一般車用とアイドリングストップ車用とで異なる。アイドリングストップ車用の場合、Bタイプの鉛蓄電池1のサイズはJ、K、M、Nと表される。B17=J、B19=K、B20=M、B24=Nである。
【0039】
Dタイプの鉛蓄電池1にはD20、D23、D26、D31の4サイズがある。高さは4サイズすべて同じであり、且つ、上面視で短辺方向の幅が同じであるが、上面視で長辺方向の幅が異なっている。
以降の説明では主に販売されている鉛蓄電池1としてB19、B20及びB24の3サイズを例に説明する。
【0040】
図2に示すように、鉛蓄電池1は梱包箱2に梱包されて販売される。梱包箱2の大きさはその梱包箱2に梱包される鉛蓄電池1のサイズによって異なる。以降の説明ではB24サイズの鉛蓄電池1が梱包される梱包箱2のことを梱包箱2A、B20サイズの鉛蓄電池1が梱包される梱包箱2のことを梱包箱2B、B19サイズの鉛蓄電池1が梱包される梱包箱2のことを梱包箱2Cといい、これらを区別しない場合は単に梱包箱2という。
【0041】
上面視で梱包箱2の内部空間の短辺方向の幅及び長辺方向の幅はその梱包箱2に梱包される鉛蓄電池1の短辺方向の幅及び長辺方向の幅と略一致している。梱包箱2の内部空間の高さはその梱包箱2に梱包される鉛蓄電池1の高さと略一致している。以降の説明において梱包箱2の短辺方向とは上面視で梱包箱2の短辺方向のことをいい、梱包箱2の長辺方向とは上面視で梱包箱2の長辺方向のことをいう。
【0042】
(2)配送箱の構成
図3から図6を参照して、鉛蓄電池1を宅配便などによって1個単位で配送するときに用いられる段ボール製の配送箱3について説明する。配送箱3は同じタイプの複数のサイズの鉛蓄電池1に共通に用いられる。以降の説明では配送箱3がB19、B20及びB24の3サイズに共通に用いられる場合を例に説明する。
図3から図5に示すように、配送箱3は直方体状に形成されており、上面視で長方形である。以降の説明において配送箱3の短辺方向とは上面視で配送箱3の短辺方向のことをいい、配送箱3の長辺方向とは上面視で配送箱3の長辺方向のことをいう。
【0043】
図3に示すように、配送箱3は、配送箱本体10、第1の規制部11、第2の規制部12及び第3の規制部13を有している。第1の規制部11、第2の規制部12及び第3の規制部13は配送箱本体10と一体に設けられている。
【0044】
梱包箱2は短辺方向が配送箱3の短辺方向と一致し、長辺方向が配送箱3の長辺方向と一致する姿勢で配送箱3に収容される。配送箱3は、B24サイズの鉛蓄電池1が梱包されている梱包箱2Aが上面視で配送箱3の中央に位置しているとき、梱包箱2Aの長辺方向の両側にD2[ミリメートル]の隙間が生じ、且つ、短辺方向の両側にD1[ミリメートル]の隙間が生じる大きさに形成されている。配送箱3の内部空間の高さは梱包箱2の高さと略一致している。
【0045】
すなわち、配送箱3の内部空間の大きさは以下の通りである。
短辺方向の幅:梱包箱2の短辺方向の幅+2×D1
長辺方向の幅:梱包箱2Aの長辺方向の幅+2×D2
高さ:梱包箱2の高さ
上述したD1は適宜に決定可能であるが、配送箱3が短辺方向に倒れ難い値であることが望ましい。配送箱3が短辺方向に倒れ難い値は実験によって適宜に決定できる。D2についても同様である。本願発明者が実験したところ、BタイプではD1を梱包箱2の短辺方向の幅の33%以上とし、D2を梱包箱2Aの長辺方向の幅の11%以上とすることが望ましいという結果になった。
【0046】
図6に示すように、配送箱3は所定形状に形成された1枚の段ボール板14を折り曲げることによって形成される。段ボール板14は2つの長側壁15(梱包箱の短辺方向に直交する側壁の一例)、長側壁15より横幅が短い2つの短側壁16(梱包箱の長辺方向に直交する側壁の一例)、各長側壁15の上側に連なる上側フラップ17(上壁の一例)、各長側壁15の下側に連なる下側フラップ18(底壁の一例)、各短側壁16の上側に連なる上側フラップ19(上壁の一例)、各短側壁16の下側に連なる下側フラップ20(底壁の一例)、長側壁15から下側フラップ18に亘って互いに平行に延びている2本の長穴21、短側壁16から下側フラップ20に亘って互いに平行に延びている2本の長穴22、短側壁16から上側フラップ19に亘って互いに平行に延びている2本の第3の切れ込み23を有している。組み立てを容易にするために、段ボール板14には折り曲げられる位置に予め折り目が付されている。
【0047】
長側壁15の上に連なる上側フラップ17は左右対称の形状であり、上辺の幅が下辺の幅より狭くなっている。具体的には、上側フラップ17の左辺は長側壁15との境界から上に向かって延びた後、右斜め上に向かって傾斜し、その後に再び上に向かって延びている。右辺についても同様である。
長側壁15の下に連なる下側フラップ18も左右対称の形状であり、下辺の幅が上辺の幅より狭くなっている。具体的には、下側フラップ18の左辺は長側壁15との境界から下に向かって延びた後、右斜め下に向かって傾斜し、その後に再び下に向かって延びている。右辺についても同様である。
【0048】
短側壁16の上に連なる上側フラップ19も左右対称の形状であり、上辺の幅が下辺の幅より狭くなっている。具体的には、上側フラップ19の左辺は短側壁16との境界から上に延びた後、右斜め上に向かって傾斜しながら上辺に達している。右辺についても同様である。
短側壁16の下に連なる下側フラップ20も左右対称の形状であり、下辺の幅が上辺の幅より狭くなっている。具体的には、下側フラップ20の左辺は短側壁16との境界から下に向かって延びた後、右斜め下に向かって傾斜し、その後に再び下に向かって延びている。右辺についても同様である。
【0049】
2本の第1の長穴21は長側壁15と下側フラップ18との境界から上にD1+D4、下にD1延びている。2本の第1の長穴21の左右方向の中間位置は長側壁15の左右方向の中心と一致している。以降の説明では2本の第1の長穴21の間の部分のことを第1の折り返し部24という。第1の折り返し部24には一方の第1の長穴21の上端と他方の第1の長穴21の上端とを結ぶ折り目24A、第1の長穴21の上端からD1下がった位置で左右方向に延びている折り目24B、一方の第1の長穴21の下端と他方の第1の長穴21の下端とを結ぶ折り目24Cが形成されている。
【0050】
2本の第2の長穴22は短側壁16と下側フラップ20との境界から上にD2+D5、下にD2延びている。2本の第2の長穴22の左右方向の中間位置は短側壁16の左右方向の中心と一致している。以降の説明では2本の第2の長穴22の間の部分のことを第2の折り返し部25という。第2の折り返し部25には一方の第2の長穴22の上端と他方の第2の長穴22の上端とを結ぶ折り目25A、第2の長穴22の上端からD2下がった位置で左右方向に延びている折り目25B、一方の第2の長穴22の下端と他方の第2の長穴22の下端とを結ぶ折り目25Cが形成されている。
【0051】
2本の第3の切れ込み23は短側壁16と上側フラップ19との境界から上にD3(>D2)、下にD3延びている。2本の第3の切れ込み23の左右方向の中間位置は短側壁16の左右方向の中心と一致している。以降の説明では2本の第3の切れ込み23の間の部分のことを第3の折り返し部27という。第3の折り返し部27には一方の第3の切れ込み23の上端と他方の第3の切れ込み23の上端とを結ぶ折り目27A、短側壁16と上側フラップ19との境界に沿って形成されている折り目27B、一方の第3の切れ込み23の下端と他方の第3の切れ込み23の下端とを結ぶ折り目27Cが形成されている。
【0052】
(3)配送箱への梱包箱の収容
配送箱3に梱包箱2を収容した状態をサイズごとに説明する。
【0053】
(3-1)B24サイズ
図7に示すように、B24サイズの鉛蓄電池1が梱包されている梱包箱2Aを配送箱3に収容する場合は第1の折り返し部24が内側に折り返されて第1の規制部11が形成されるとともに、第2の折り返し部25が内側に折り返されて第2の規制部12が形成される。これに対し、第3の折り返し部27は折り返されない。すなわち第3の規制部13は形成されない。
【0054】
図8に示すように、配送箱3の長辺方向から見たときの第1の規制部11の幅はD1となる。2つの第1の規制部11の間隔は梱包箱2の短辺方向の幅と略一致する。このため、梱包箱2Aを配送箱3に収容すると梱包箱2Aの短辺方向の両側の側面が第1の規制部11に近接する。
図9に示すように、配送箱3の短辺方向から見たときの第2の規制部12の幅はD2となる。形成された2つの第2の規制部12の間隔は梱包箱2Aの長辺方向の幅と略一致する。このため、梱包箱2Aを配送箱3に収容すると梱包箱2Aの長辺方向の両側の側面が第2の規制部12に近接する。これにより梱包箱2Aは配送箱3内において前後左右のほぼ中心に位置した状態で第1の規制部11及び第2の規制部12によって前後左右の位置(短辺方向及び長辺方向の位置)が概ね規制される。
【0055】
(3-2)B20サイズ
図3に示すように、B20サイズの鉛蓄電池1が梱包されている梱包箱2Bを配送箱3に収容する場合は第1の規制部11が形成されるとともに、第3の折り返し部27が折り返されて第3の規制部13が形成される。図3では第2の規制部12も形成されているが、第2の規制部12はB20サイズの梱包箱2Bの位置の規制に寄与しないので形成されなくてもよい。
【0056】
図8に示すように、B20サイズとB24サイズとで短辺方向の長さが同じであることから、梱包箱2Bを配送箱3に収容すると梱包箱2Bの短辺方向の両側の側面が第1の規制部11に近接する。
【0057】
図10に示すように、配送箱3の短辺方向から見たときの第3の規制部13の幅はD3となる。D3>D2であるので、第3の規制部13は上面視で第2の規制部12より配送箱3の中心側まで延びている。2つの第3の規制部13の間隔は梱包箱2Bの長辺方向の幅と略一致する。このため、梱包箱2Bを配送箱3に収容すると梱包箱2Bの長辺方向の両側の側面が第3の規制部13に近接する。これにより梱包箱2Bは配送箱3内において前後左右のほぼ中心に位置した状態で第1の規制部11及び第3の規制部13によって前後左右の位置が概ね規制される。
【0058】
(3-3)B19サイズ
図3に示すように、B19サイズの鉛蓄電池1が梱包されている梱包箱2Cを配送箱3に収容する場合も第1の規制部11及び第3の規制部13が形成される。図3では第2の規制部12も形成されているが、第2の規制部12はB19サイズの梱包箱2Cの位置の規制に寄与しないので形成されなくてもよい。
【0059】
図8に示すように、B19サイズとB24サイズとで短辺方向の長さが同じであることから、梱包箱2Cを配送箱3に収容すると梱包箱2Cの短辺方向の両側の側面が第1の規制部11に近接する。
【0060】
図11に示すように、B19サイズはB20サイズに比べて長辺方向の幅が狭いことから、梱包箱2Cを配送箱3の左右方向の中心に配置したとき、梱包箱2Cの長辺方向の両側の側面は第2の規制部12にも第3の規制部13にも近接しない。しかしながら、B19サイズとB20サイズとの長辺方向の幅の違いは1cmである。このため、梱包箱2Cの長辺方向の側面と第3の規制部13との隙間は5mmであり、その隙間は比較的小さいといえる。このため、B20サイズやB24サイズに比べて長辺方向の位置の規制が緩くなるものの、梱包箱2Cは配送箱3内において前後左右のほぼ中心に位置した状態で第1の規制部11及び第3の規制部13によって前後左右の位置が概ね規制される。
【0061】
(4)配送時の注意事項の表記
図3及び図6に示すように、配送箱3の外面には配送時に配送箱3を倒さないよう注意喚起する注意事項が表記されている。具体的には、配送箱3の外面のうち底面を除く5面に「横倒し厳禁」という注意事項が印刷によって赤色などの目立つ文字で表記されている。配送箱3の上面に上面であることを示す注意事項が印刷によって目立つ文字で表記されている。
上述した注意事項は印刷以外の方法によって表記されてもよい。例えば注意事項が印刷されているシールを配送箱3の外面に貼り付けることによって表記してもよい。
【0062】
(5)配送箱を用いた鉛蓄電池の配送
実施形態1では、鉛蓄電池1は梱包箱2に梱包された状態で配送業者の倉庫に保管されている。購入者が通信販売によって鉛蓄電池1を注文すると、配送業者の作業者によって配送箱3が組み立てられ、保管されている梱包箱2(鉛蓄電池1が梱包されている状態の梱包箱2)が配送箱3に収容される(ステップ1)。
【0063】
次に、配送業者によって、梱包箱2が収容された配送箱3が、購入者が指定した住所に配送される(ステップ2)。具体的には、配送箱3は配送業者の仕分けセンターに配送され、仕分けセンターで作業者によって仕分けされた後、購入者が指定した住所に配送される。
【0064】
(6)実施形態の効果
配送箱3によると、上面視で梱包箱2の短辺方向における配送箱本体10の内部空間の幅を梱包箱2の短辺方向の幅より広くしたので、梱包箱2をそのまま配送する場合に比べて短辺方向に倒れ難い。このため配送箱3によると、鉛蓄電池1を1個単位で配送する場合の課題(配送の過程で梱包箱2が短辺方向に倒れて液漏れする可能性があるという課題)を改善できる。
更に、配送箱3によると、配送箱3の内部に梱包箱2の短辺方向の位置を規制する第1の規制部11が設けられているので、配送箱3の内部で梱包箱2の短辺方向の位置を安定させることもできる。
【0065】
配送箱3によると、第1の規制部11が配送箱本体10と一体に形成されているので、配送箱本体10とは別体の第1の規制部11を配送箱本体10の内部に収容する場合に比べて配送箱3の部品点数を抑制できる。
【0066】
配送箱3によると、第2の規制部12を備えているので、配送箱3の内部で梱包箱2の長辺方向の位置を規制できる。更に、配送箱3によると、第2の規制部12が配送箱本体10と一体に形成されているので、配送箱本体10とは別体の第2の規制部12を配送箱本体10の内部に収容する場合に比べて配送箱3の部品点数を抑制できる。
【0067】
配送箱3によると、第3の規制部13が上面視で第2の規制部12より配送箱3の中心側で梱包箱2の位置を規制するので、B24サイズより長辺方向の幅が狭いB20サイズの梱包箱2BやB19サイズの梱包箱2Cの場合は第3の規制部13を形成することにより、長辺方向の位置を規制できる。このためサイズごとに配送箱3を用意しなくてよい。
【0068】
配送箱3によると、梱包箱2の高さと配送箱3の内部空間の高さとが同じであるので、配送箱3の内部において梱包箱2の上面と配送箱3の上壁との間に隙間がほぼない。このため、複数の配送箱3を段積みした場合に下の配送箱3に収容されている鉛蓄電池1によって上の配送箱3の重さが受けられる。このため、配送箱3が段積みされても配送箱3が潰れることを抑制できる。
【0069】
配送箱3によると、梱包箱2が上面視で配送箱3の中央に位置するので、配送箱3を段積みしたときにより潰れ難くなる。
【0070】
消費者は鉛蓄電池1を通信販売で購入するときにバッテリーチェッカーなどの商品を併せて購入することがある。配送箱3によると、梱包箱2が収容されている状態で内部に隙間D1やD2が生じるので、併せて購入した商品を配送箱3に同梱できるという利点もある。
【0071】
<実施形態2>
実施形態2を図12から図22によって説明する。
【0072】
(1)配送箱の構成
図12に示すように、実施形態2に係る配送箱203は、配送箱本体210と、配送箱本体210の内部に収容される2つのスペーサ40(第1の規制部の一例)とで構成されている。配送箱203の内部空間の大きさは実施形態1に係る配送箱3の内部空間の大きさと同じであり、梱包箱2Aの長辺方向の両側にD2の隙間が生じ、且つ、梱包箱2の短辺方向の両側にD1の隙間が生じる。
図13に示すように、梱包箱2は配送箱本体210の内部で2つのスペーサ40によって前後左右の位置(短辺方向及び長辺方向の位置)が規制される。
【0073】
(1-1)配送箱本体
図14に示すように、配送箱本体210は所定形状に形成された1枚の段ボール板214から形成される。段ボール板214は2つの長側壁215、長側壁215より横幅が短い2つの短側壁216、各長側壁215の上側に連なる上側フラップ217、各長側壁215の下側に連なる下側フラップ218、各短側壁216の上側に連なる上側フラップ219、各短側壁216の下側に連なる下側フラップ220を有している。各フラップの形状は長方形である。
【0074】
短側壁216には第1の手掛け部41が形成されている。第1の手掛け部41は上側の辺を基端として左右方向に延びるレーストラック形状(2本の平行線と2つの半円とで構成される形状)に切り抜かれている。作業者が配送箱203を持つときに作業者によって第1の手掛け部41が内側に折り曲げられることによって第1の手掛け穴41A(図12参照)が形成される。
組み立てを容易にするために、段ボール板214には折り曲げられる位置に予め折り目が付されている。
【0075】
(1-2)スペーサ
図15に示すように、スペーサ40は1枚の段ボール板42を折り曲げることによって形成される。段ボール板42の前後方向の幅は上面視で配送箱203の内部空間の短辺方向の幅と略一致している。
【0076】
段ボール板42は前後対称の形状であり、左側から第1の凸部43、前後に離間している2つの第1の矩形穴44、第2の手掛け穴45、第1の差し込み穴46、挿入穴47、挿入穴47の前後に設けられている2つの第2の差し込み穴48、第2の矩形穴49、段ボール板42の右端から左側に凹んでいる凹部50、凹部50の前後両側において段ボール板42の右端から右側に張り出している2つの第2の凸部51、複数の切れ込み52~57及び59、複数の折り目61~68、並びに、複数のミシン目58,69,70を有している。
【0077】
第1の凸部43、第2の手掛け穴45、第1の差し込み穴46、挿入穴47、第2の矩形穴49及び凹部50の前後方向の中心は段ボール板42の前後方向の中心と一致している。
第1の凸部43は段ボール板42の左端から左側に張り出している。第1の凸部43は右側が上底、左側が下底となる台形状に形成されている。上底(第1の凸部43の右側の辺)は段ボール板42の左辺から概ね段ボール板42の厚み分だけ右側に位置している。
【0078】
後側の第1の矩形穴44の後辺44Aと前側の第1の矩形穴44の前辺44Dとの間隔は梱包箱2の短辺方向の幅と略一致している。
第2の手掛け穴45の形状は配送箱本体210に形成されている第1の手掛け部41の形状と略一致している。図16に示すように、第2の手掛け穴45は、配送箱本体210にスペーサ40が収容された状態のとき、配送箱本体210において第1の手掛け部41が形成されている壁面に垂直な方向から見て、第1の手掛け穴41Aと重なる位置に形成されている。
【0079】
図15に示す第1の差し込み穴46は、後述する第3の凸部56及び第4の凸部60が差し込まれる矩形状の穴である。第1の差し込み穴46の前後方向の幅は第3の凸部56の前後方向の幅及び第4の凸部60の前後方向の幅と略一致している。第1の差し込み穴46の左右方向の幅は段ボール板42の厚みの約2倍である。
【0080】
挿入穴47は第1の凸部43が挿入される穴である。挿入穴47は第6の折り目66を跨いで形成されている。具体的には、挿入穴47の右辺の位置は第6の折り目66から概ね段ボール板42の厚み分だけ右側に位置している。挿入穴47の前後方向の幅は第1の凸部43の上底(右側の辺)の幅より広く、下底(左側の辺)の幅より狭い。
【0081】
2つの第2の差し込み穴48は挿入穴47を挟んで前後に設けられている。2つの第2の差し込み穴48は第2の凸部51が差し込まれる穴である。第2の差し込み穴48の左辺は第6の折り目66と重なっている。
第2の矩形穴49は左側の小さい矩形穴49Aと右側の大きい矩形穴49Bとが連なった形状である。小さい矩形穴49Aの前後方向の幅は2つの第1の切れ込み53の間隔と略一致している。大きい矩形穴49Bの前後方向の幅は梱包箱2の短辺方向の幅と略一致している。
【0082】
凹部50は第1の差し込み穴46に挿入された第1の凸部43をスペーサ40の内側の空間に逃がすためのものである。凹部50は段ボール板42の右端から左側に凹んでいる。凹部50の前後方向の幅は第1の凸部43の下底の幅と同じか下底の幅より広い。
2つの第2の凸部51はそれぞれ第2の差し込み穴48に差し込まれるものである。第2の凸部51の前後方向の位置及び前後方向の幅は第2の差し込み穴48の前後方向の位置及び前後方向の幅と略一致している。第2の凸部51の左右方向の幅は第2の差し込み穴48の深さ(段ボール板42の厚み)と略一致している。
【0083】
次に、複数の切れ込み52~57及び59について説明する。
2つの第1の切れ込み52のうち後側の第1の切れ込み52は第1の凸部43の上底(右側の辺)の後端から段ボール板42の左端まで台形に沿って形成されている。同様に、前側の第1の切れ込み52は第1の凸部43の上底(右側の辺)の前端から段ボール板42の左端まで台形に沿って形成されている。
【0084】
2つの第2の切れ込み53のうち後側の第2の切れ込み53は後側の第1の矩形穴44の前辺44Bに沿って左側に延びている。前側の第2の切れ込み53は前側の第1の矩形穴44の後辺44Cに沿って左側に延びている。
2つの第3の切れ込み54のうち後側の第2の切れ込み54は後側の第1の矩形穴44の後辺44Aに沿って右側に延びている。前側の第3の切れ込み54は前側の第1の矩形穴44の前辺44Dに沿って右側に延びている。第3の切れ込み54の右端は第1の差し込み穴46の近傍まで延びている。
【0085】
第4の切れ込み55は後側の第3の切れ込み54の右端から左側に所定距離離間した位置から前に延びており、所定の位置で右側に向かって段ボール板42の厚み分だけ延びた後に再び前側に延び、その後に所定の位置で左側に向かって延びた後に前に延びている。第4の切れ込み55がこのような形状に形成されていることにより、段ボール板42に第3の凸部56が形成されている。第3の凸部56の前後方向の幅は第1の差し込み穴46の前後方向の幅と略一致している。
【0086】
2つの第5の切れ込み57のうち後側の第5の切れ込み57は大きい矩形穴49Bの後辺から概ね段ボール板42の厚み分だけ左側に延びている。前側の第5の切れ込み57も同様である。
第6の切れ込み59は第4の凸部60を形成するためのものである。第4の凸部60の形状は第3の凸部56の形状と同じである。段ボール板42を折り曲げたとき、第4の凸部60は第1の差し込み穴46に差し込まれる。
【0087】
次に、複数の折り目61~68及び71について説明する。複数の折り目は段ボール板42の組み立てを容易にするためのものである。
第1の折り目61は第1の凸部43の上底(右側の辺)と一致している。
第2の折り目62は後側の第2の切れ込み53の左端から前に向かって前側の第2の切れ込み53の左端まで延びている。
【0088】
2つの第3の折り目63のうち後側の第3の折り目63は後側の第1の矩形穴44の左後ろの角から後に延びている。前側の第3の折り目63は前側の第1の矩形穴44の左前の角から前に延びている。
後側の第4の折り目64は後側の第2の切れ込み54の右端から左側に所定距離離間した位置で後に延びている。前側の第4の折り目64は前側の第2の切れ込み54の右端から左側に所定距離離間した位置で前に延びている。
【0089】
後側の第5の折り目65は後側の第2の切れ込み54の右端から後に延びている。前側の第5の折り目65は前側の第2の切れ込み54の右端から前に延びている。
第6の折り目66は段ボール板42の右端から左側に所定距離離間した位置で前後に延びている。
【0090】
2つの第7の折り目67のうち後側の第7の折り目67は後側の第5の切れ込み57の左端から後に延びている。前側の第7の折り目67は前側の第5の切れ込み57の左端から前に延びている。
2つの第8の折り目68のうち後側の第8の折り目68は大きい矩形穴49Bの後辺の左端から右側に所定距離離間した位置で後に延びている。前側の第8の折り目68は大きい矩形穴49Bの前辺の左端から右側に所定距離離間した位置で前に延びている。
第9の折り目71は後側の第1の矩形穴44の右前の角から前に向かって前側の第1の矩形穴44の右後ろの角まで延びている。
【0091】
次に、複数のミシン目58、69、70について説明する。これらのミシン目は梱包箱2のサイズに応じて段ボール板42を折り曲げる又は一部を切り離すためのものである。
【0092】
2つの第1のミシン目58のうち後側の第1のミシン目58は大きい矩形穴49Bの後辺から右側に延びている。前側の第1のミシン目58も同様である。第1のミシン目58は段ボール板42の一部を切り離すためのものである。
第2のミシン目69は2つの第1のミシン目58の右端同士を結ぶように形成されている。第2のミシン目69は段ボール板42を折り曲げるためのものである。第2のミシン目69に替えて折り目が形成されていてもよい。
2つの第3のミシン目70のうち後側の第3のミシン目70は第6の切れ込み59の後側の終端から後に延びている。前側の第3のミシン目70は第6の切れ込み59の前側の終端から前に延びている。第3のミシン目70は段ボール板42を折り曲げるためのものである。第3のミシン目70に替えて折り目が形成されていてもよい。
【0093】
(1-3)スペーサの形成、及び、スペーサの形状
図15及び図17を参照して、段ボール板42からスペーサ40を形成する手順について説明する。
【0094】
先ず、図15に示す段ボール板42が第7の折り目67、第8の折り目68、及び、第3のミシン目70で90度(図15において紙面に垂直な方向の手前側に90度、以下同様)折り曲げられ、二つの第2の凸部51がそれぞれ第2の差し込み穴48に差し込まれる。
【0095】
次に、第6の折り目66で段ボール板42の左側が90度折り曲げられる。段ボール板42の左側が第6の折り目66で90度折り曲げられると第4の凸部60が第1の差し込み穴46に挿入される。次に、第5の折り目65、第4の折り目64、第3の折り目63でそれぞれ段ボール板42が90度折り曲げられる。次に、第1の凸部43が90度以上折り曲げられて挿入穴47に下から挿入される。
【0096】
図17に示すように、形成されたスペーサ40は底壁80、2つのガイド部81、縦壁82、底壁80から上側に離間して底壁80と平行に延びる板状の第4の規制部83を有する形状となる。2つのガイド部81はそれぞれ前後方向から見て矩形の環状であり、互いに前後方向に離間している。縦壁82は壁面が左右方向に直交する姿勢で底壁80の縁部から板状に立ち上がっている。見かけ上、第4の規制部83は縦壁82から左に水平に延びている。図17では省略しているが、第4の規制部83は前述した第2のミシン目69を有している。
【0097】
(2)配送箱への梱包箱の収容
配送箱203に梱包箱2を収容した状態をサイズごとに説明する。
【0098】
(2-1)B24サイズ
図18に示すように、B24サイズの鉛蓄電池1が梱包されている梱包箱2Aを配送箱203に収容する場合は第4の規制部83の先端部を2つの第1のミシン目58で切り離し、第2のミシン目69で下(あるいは上)に折り曲げる。第4の規制部83の先端部は第2のミシン目69で切り離されてもよい。
図19に示すように、梱包箱2Aを配送箱203に収容する場合は配送箱203の内部で2つのスペーサ40の底壁80が一部重なった状態となる。この状態で梱包箱2Aを配送箱203に収容すると梱包箱2が2つのスペーサ40の底壁80の上に乗った状態となる。
【0099】
2つのガイド部81の前後方向の間隔は梱包箱2の短辺方向の間隔と一致しているので、梱包箱2を収容すると梱包箱2の左側部分が左側のスペーサ40の2つのガイド部81によって前後方向(梱包箱2の短辺方向)から挟まれた状態になるとともに、梱包箱2の右側部分が右側のスペーサ40の2つのガイド部81によって前後方向から挟まれた状態になる。これにより梱包箱2の短辺方向の位置が規制される。
【0100】
一方のスペーサ40の第4の規制部83の第2のミシン目69と他方のスペーサ40の第4の規制部83の第2のミシン目69との間隔は梱包箱2Aの長辺方向の幅と一致する。このため、梱包箱2Aを収容すると、梱包箱2Aが2つの第4の規制部83によって長辺方向から挟まれた状態になる。これにより梱包箱2Aは配送箱203内において前後左右のほぼ中心に位置した状態で2つのスペーサ40によって前後左右の位置(短辺方向及び長辺方向の位置)が概ね規制される。
【0101】
(2-2)B20サイズ
前述した図17に示すように、B20サイズの鉛蓄電池1が梱包されている梱包箱2Bを配送箱203に収容する場合は、第4の規制部83は第2のミシン目69で折り曲げない。
B20サイズとB24サイズとは短辺方向の長さが同じであることから、梱包箱2Bを配送箱203に収容した場合も、梱包箱2Bは各スペーサ40の2つのガイド部81によって前後方向から挟まれた状態となる。これにより梱包箱2Bの短辺方向の位置が規制される。
【0102】
図20に示すように、第4の規制部83が第2のミシン目69で折り曲げられていない場合は、配送箱203に梱包箱2Bを収容すると、梱包箱2Bの左側の側面が左側のスペーサ40の第4の規制部83の右端に近接する。梱包箱2の右側も同様である。これにより梱包箱2Bは配送箱203内において前後左右のほぼ中心に位置した状態でスペーサ40によって前後左右の位置が概ね規制される。
【0103】
(2-3)B19サイズ
図21に示すように、B19サイズの鉛蓄電池1が梱包されている梱包箱2Cを配送箱203に収容する場合も、梱包箱2Bと同様に第4の規制部83は第2のミシン目69で折り曲げられない。梱包箱2Cの場合はスペーサ40の底壁80の一部が起こされて第5の規制部90が形成される。第5の規制部90は、上面視で、折り曲げられていない状態の第4の規制部83より配送箱203の中心側に位置している。
【0104】
B19サイズとB20サイズとは短辺方向の長さが同じであることから、梱包箱2Cを配送箱203に収容すると、梱包箱2Cは左右のスペーサ40の2つのガイド部81によって前後方向から挟まれた状態となる。
図22に示すように、第5の規制部90を形成した場合は、配送箱203に梱包箱2Cを収容すると、梱包箱2Cの左側の側面が左側のスペーサ40の第5の規制部90に近接する。梱包箱2Cの右側も同様である。これにより梱包箱2Cは配送箱203内において前後左右のほぼ中心に位置した状態でスペーサ40によって前後左右の位置が概ね規制される。
【0105】
(3)配送時の注意事項の表記
図12及び図14に示すように、配送箱203の外面にも配送時に配送箱203を倒さないよう注意喚起する注意事項が表記されている。
【0106】
(4)実施形態の効果
配送箱203によると、第1の規制部が配送箱本体10とは別体のスペーサ40であるので、第1の規制部が配送箱本体10と一体である場合に比べて形状の自由度が向上する。このため、第1の規制部の形状を梱包箱2の位置がより確実に規制される形状にすることができる。
【0107】
配送箱203によると、スペーサ40は、上面視で梱包箱2の長辺方向の位置を規制する第4の規制部83を備えているので、短辺方向の位置に加えて長辺方向の位置も規制できる。
【0108】
配送箱203によると、第4の規制部83の先端部に第2のミシン目69が形成されているので、梱包箱2Aの場合は先端部を上あるいは下に折り曲げることにより、長辺方向の位置を規制できる。一方、梱包箱2Bの場合は先端部を折り曲げないことによって長辺方向の位置を規制できる。このためサイズごとに配送箱203を用意しなくてよい。
【0109】
配送箱203によると、スペーサ40の底壁80を起こすことによって第5の規制部90を形成できるので、梱包箱2Cの場合は第5の規制部90を形成することにより、第5の規制部90によって長辺方向の位置を規制できる。このためサイズごとに配送箱203を用意しなくてよい。
【0110】
配送箱203によると、1枚の段ボール板214を折り曲げることによってスペーサ40を形成できるので、複数の部材からスペーサ40を形成する場合に比べて部品点数を低減できる。
【0111】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0112】
(1)上記実施形態1では梱包箱2が配送箱3に収容された状態のときに長辺方向にも隙間D2が生じる場合を例に説明したが、長辺方向の隙間は生じないようにしてもよい。
【0113】
(2)上記実施形態1では段ボール板14が2本の長穴21、2本の長穴22及び2本の第3の切れ込み23を有している場合を例に説明したが、長穴21や長穴22は切れ込みであってもよい。切れ込み23は長穴であってもよい。
【0114】
(3)上記実施形態1では鉛蓄電池1の3つのサイズに対して配送箱3が共通に用いられる場合を例に説明したが、配送箱3は鉛蓄電池1のサイズごとに用意されてもよい。その場合、不要な規制部は形成されないようにしてもよい。例えばB24サイズの梱包箱2A専用の配送箱3の場合、第3の規制部13は用いられないので不要である。このため第3の規制部13は形成されないようにしてもよい。B20サイズの梱包箱2B専用の配送箱3やB19サイズの梱包箱2C専用の配送箱3の場合、第2の規制部12は梱包箱2Bや梱包箱2Cの位置の規制に寄与しないので不要である。このため第2の規制部12は形成されないようにしてもよい。
【0115】
(4)上記実施形態2では梱包箱2が配送箱203に収容された状態のときに長辺方向にも隙間D2が生じる場合を例に説明したが、長辺方向の隙間は生じないようにしてもよい。
【0116】
(5)上記実施形態2ではスペーサ40の第4の規制部83に第2のミシン目69が形成されている場合を例に説明したが、B24サイズの梱包箱2Aが収容されない場合は第2のミシン目69は形成しなくてもよい。
【0117】
(6)上記実施形態2ではスペーサ40の底壁80を起こすことによって第5の規制部90が形成される場合を例に説明したが、B19サイズの梱包箱2Cを収容しない場合は第5の規制部90は形成できなくてもよい。
【0118】
(7)上記実施形態1及び2では梱包箱2の高さと配送箱3の内部空間の高さとが同じである場合を例に説明したが、これらは必ずしも同じでなくてもよい。
【0119】
(8)上記実施形態1及び2では上面視で梱包箱2の位置が梱包箱2の短辺方向及び長辺方向の中央に規制される場合を例に説明したが、梱包箱2は必ずしも中央に規制されなくてもよい。
【0120】
(9)上記実施形態1及び2では「横倒し厳禁」という注意事項が配送箱3や配送箱203の底面を除く全ての外面に表記されている場合を例に説明したが、注意事項は必ずしも底面を除く全ての外面に表記されなくてもよい。ただし、底面を除く5面のうち少なくとも2面以上に注意事項を表記するのが好ましい。
【0121】
(10)上記実施形態1及び2では配送箱3や配送箱203がBタイプの3サイズの鉛蓄電池1に適用される場合を例に説明したが、配送箱3や配送箱203の寸法を変えることで他のタイプや他のサイズの鉛蓄電池1に適用してもよい。上記実施形態1及び2では配送箱3や配送箱203が一般車用の鉛蓄電池1に適用される場合を例に説明したが、アイドリングストップ車用の鉛蓄電池1に適用されてもよい。
【0122】
(11)上記実施形態2では配送時に第1の手掛け穴41Aに手を掛けて持つよう促す注意事項は表記されていないが、この注意事項を更に表記してもよい。配送業者によっては手掛け穴に手を掛けて運ぶことが禁止されている場合があるが、配送箱203は配送専用の箱であるので、第1の手掛け穴41Aに手を掛けても問題ないからである。
【符号の説明】
【0123】
1…鉛蓄電池
2…梱包箱
3…配送箱
10…配送箱本体
11…第1の規制部
12…第2の規制部
13…第3の規制部
15…長側壁(梱包箱の短辺方向に直交する側壁の一例)
17…上側フラップ(上壁の一例)
18…下側フラップ(底壁の一例)
19…上側フラップ(上壁の一例)
20…下側フラップ(底壁の一例)
21…第1の長穴(切れ込み又は長穴の一例)
22…第2の長穴(切れ込み又は長穴の一例)
23…第3の切れ込み(切れ込み又は長穴の一例)
40…スペーサ(第1の規制部の一例)
69…第2のミシン目(折り目又はミシン目の一例)
80…底壁
83…第4の規制部
90…第5の規制部
203…配送箱
210…配送箱本体
214…段ボール板
図1
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