(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20240409BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20240409BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20240409BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20240409BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240409BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240409BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240409BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H01L29/80 U
H01L21/28 301B
H01L29/50 J
H01L29/44 L
H01L21/88 J
(21)【出願番号】P 2020017252
(22)【出願日】2020-02-04
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】美濃浦 優一
(72)【発明者】
【氏名】多木 俊裕
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-033690(JP,A)
【文献】特開2019-169552(JP,A)
【文献】特開2011-060950(JP,A)
【文献】特開2016-058546(JP,A)
【文献】特開2010-016093(JP,A)
【文献】特表2009-523324(JP,A)
【文献】特開2007-266475(JP,A)
【文献】特開2008-072028(JP,A)
【文献】米国特許第9159612(US,B2)
【文献】国際公開第2004/061973(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 21/28
H01L 29/417
H01L 29/41
H01L 21/3205
H01L 29/778
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
第1方向で前記基板に積層された第1半導体層と、
前記第1半導体層内に設けられ
、前記第1半導体層よりも導電性が高い第2半導体層と、
前記基板に形成された第1開口部と、
前記第1開口部内に形成され、前記
第2半導体層に接する第1金属層と、
を有し
、
前記基板と前記第1半導体層との第1界面は、前記
第2半導体層と前記第1金属層との第2界面と同一平面内にあ
り、
前記第1半導体層に前記第1方向からの平面視で前記第1開口部に包囲される第2開口部が形成されており、
前記第2半導体層は前記第2開口部内に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1半導体層上に形成されたゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有し、
前記
第2半導体層は、前記ソース電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1開口部は前記第1方向からの平面視で前記第2半導体層を包囲するようにして形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
基板に第1方向で第1半導体層を積層する工程と、
前記第1半導体層内に前記第1半導体層よりも導電性が高い第2半導体層を設ける工程と、
前記基板を、前記第1半導体層が形成された面とは反対側の面から前記第2半導体層が露出するまでエッチングして、第1開口部を前記基板に形成する工程と、
前記第1開口部内に、前記第2半導体層に接する第1金属層を形成する工程と、
を有し、
前記第1半導体層を形成する工程と前記第2半導体層を設ける工程との間に、前記第1方向からの平面視で前記第1開口部に包囲される第2開口部を前記第1半導体層に形成する工程を有し、
前記第2半導体層は前記第2開口部内に形成され、
前記基板と前記第1半導体層との第1界面は、前記第2半導体層と前記第1金属層との第2界面と同一平面内にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1開口部は前記第1方向からの平面視で前記第2半導体層を包囲するようにして形成されることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高出力かつ高耐圧の動作が可能なGaN系高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor:HEMT)は無線通信やレーダー等における送信側素子に用いられることがある。GaN系HEMTを含むモノリシックマイクロ波集積回路(monolithic microwave integrated circuit:MMIC)は、一つの半導体チップ内にGaN系HEMTに加えて、コンデンサ、抵抗及び配線等を含んでいる。このようなGaN-MMICは、小サイズで高性能なデバイスの実現を可能とする。
【0003】
一般に、GaN-MMICにおいては、基板の表面にHEMTが設けられ、基板にビアホールが形成され、HEMTのソースがビアホール内及び基板の裏面に設けられたビア配線に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-108690号公報
【文献】特開2010-27703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビア配線を備えた従来の半導体装置では、ビア配線に断線が生じたり、電気抵抗が高くなったりすることがある。このため、予め定められた電気的特性が得られず、十分な歩留まりを得ることが困難である。
【0006】
本開示の目的は、歩留まりを向上することができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態によれば、基板と、第1方向で前記基板に積層された第1半導体層と、前記第1半導体層内に設けられ、前記第1半導体層よりも導電性が高い第2半導体層と、前記基板に形成された第1開口部と、前記第1開口部内に形成され、前記第2半導体層に接する第1金属層と、を有し、前記基板と前記第1半導体層との第1界面は、前記第2半導体層と前記第1金属層との第2界面と同一平面内にあり、前記第1半導体層に前記第1方向からの平面視で前記第1開口部に包囲される第2開口部が形成されており、前記第2半導体層は前記第2開口部内に形成されている半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、歩留まりを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】参考例に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図2】参考例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図3】参考例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図4】参考例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図5】参考例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図6】参考例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図7】参考例におけるシード層の未形成部を示す断面図である。
【
図9】第1実施形態における基板を貫通するビアホール及びその周辺の構成を示す上面図である。
【
図10】第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図12】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図(その1)である。
【
図13】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図(その2)である。
【
図14】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す下面図である。
【
図15】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図16】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図17】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図18】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図19】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図20】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その6)である。
【
図21】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その7)である。
【
図22】第1実施形態におけるシード層の未形成部を示す断面図である。
【
図23】第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図24】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図25】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図26】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図27】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図28】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図29】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その6)である。
【
図30】第3実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図31】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図32】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図33】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図34】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図35】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図36】第4実施形態における基板を貫通するビアホール及びその周辺の構成を示す上面図である。
【
図37】第4実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図38】第5実施形態に係るディスクリートパッケージを示す図である。
【
図39】第6実施形態に係るPFC回路を示す結線図である。
【
図40】第7実施形態に係る電源装置を示す結線図である。
【
図41】第8実施形態に係る増幅器を示す結線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0011】
(参考例)
本願発明者らは、ビア配線の断線等の原因を究明すべく鋭意検討を行った。ここで、検討の際に参考にした参考例について説明する。
図1は、参考例に係る半導体装置を示す断面図である。
【0012】
参考例に係る半導体装置900は、
図1に示すように、基板901と、基板901半導体層910と、ソース電極921と、ドレイン電極922と、ゲート電極923とを有する。基板901は炭化珪素(SiC)の基板である。半導体層910は、基板901上に積層された複数のGaN系半導体層を含む。
【0013】
基板901及び半導体層910を貫通するビアホール941が基板101及び半導体層910に形成されている。半導体層910上にビアホール941を塞ぐようにしてエッチングストッパ932が形成されている。ソース電極921、ドレイン電極922、ゲート電極923及びエッチングストッパ932を覆う絶縁膜933が半導体層910上に形成されている。絶縁膜933に、エッチングストッパ932の上面の一部を露出する開口部934及びソース電極921の上面の一部を露出する開口部935が形成されている。開口部934を通じてエッチングストッパ932に接し、かつ開口部935を通じてソース電極921に接する金属層936が形成されている。ビア配線944が、基板901の下面901A上、ビアホール941の側壁面941C上及びエッチングストッパ932の下面932A上に形成されている。ビア配線944は、シード層942と、シード層942上のめっき層943との積層体を含む。ビア配線944は、エッチングストッパ932及び金属層936を介してソース電極921に電気的に接続されている。例えば、ビア配線944が接地され、ソース電極921に接地電位が付与される。
【0014】
次に、参考例に係る半導体装置900の製造方法について説明する。
図2~
図6は、参考例に係る半導体装置900の製造方法を示す断面図である。
【0015】
まず、
図2に示すように、基板901上に半導体層910を形成し、半導体層910上にソース電極921、ドレイン電極922及びゲート電極923を形成する。
【0016】
次いで、
図3に示すように、半導体層110上にエッチングストッパ932及び絶縁膜933を形成し、絶縁膜933に開口部934及び935を形成する。その後、開口部934を通じてエッチングストッパ932に接し、かつ開口部935を通じてソース電極921に接する金属層936を形成する。この結果、ソース電極921とエッチングストッパ932とが電気的に接続される。エッチングストッパ932の材料としては、ビアホール941を形成する際に用いるエッチングガスに耐性を有する材料を用いる。例えば、ビアホール941を形成する際にフッ素系ガス及びO
2ガスの混合ガスを用いる場合、Al又はNiを用いる。
【0017】
続いて、
図4に示すように、基板901及び半導体層910にビアホール941を形成する。ビアホール941の形成では、基板901及び半導体層910を下面901Aからエッチングする。ビアホール941の形成では、例えばエッチングガスとしてフッ素系ガス及びO
2ガスの混合ガスを用いる。フッ素系ガス及びO
2ガスの混合ガスによりSiCの基板901をエッチングすることができるが、エッチングストッパ932をエッチングすることはできない。このため、フッ素ガス及びO
2ガスの混合ガスを用いたエッチングは、エッチングストッパ932の下面932Aで停止する。
【0018】
次いで、
図5に示すように、基板901の下面901A上、ビアホール941の側壁面941C上及びエッチングストッパ932の下面932A上にシード層942を形成する。
【0019】
その後、
図6に示すように、シード層942上にめっき層943を形成する。
【0020】
このようにして、半導体装置900を製造することができる。
【0021】
ところが、スパッタ法によりシード層942をビアホール941の深部の隅に良好に形成することは困難である。
図7は、参考例におけるシード層942の未形成部を示す断面図である。
【0022】
図7(a)に示すように、ビアホール941の深部の隅では、シード層942のカバレッジが不足し、シード層942が形成されないことがある。つまり、シード層942の形成後に、シード層942の未形成部942Xが存在し、半導体層910とエッチングストッパ932との界面がビアホール941の内部の空間に繋がっていることがある。この状態でめっき層943を形成すると、めっき層943の形成に用いられるめっき液が未形成部942Xを通じて半導体層910とエッチングストッパ932との界面に接する。
【0023】
めっき液が半導体層910とエッチングストッパ932との界面に接すると、半導体層910とエッチングストッパ932との間で剥離が生じることがある。一旦、剥離が生じると、半導体層910とエッチングストッパ932との間の隙間にめっき液が浸透し、剥離が進行しやすくなる。この結果、
図7(b)に示すように、エッチングストッパ932がシード層942及び半導体層910から離間してしまう。
【0024】
エッチングストッパ932の剥離は、めっき液だけでなくレジストの現像液によって引き起こされることもある。例えば、めっき層943の形成前に、めっき層943を形成する領域を限定するためにレジストパターンが形成される場合もある。レジストパターンが形成される場合、レジストの露光後に現像液を用いた現像が行われる。現像液が未形成部942Xを通じて半導体層910とエッチングストッパ932との界面に接したときにも、半導体層910とエッチングストッパ932との間で剥離が生じることがある。
【0025】
エッチングストッパ932は、ビア配線944とソース電極921とを互いに電気的に接続する機能も備えている。このため、エッチングストッパ932がシード層942から離間すると、ビア配線944とソース電極921との間で電気抵抗の上昇や断線が生じる。この結果、予め定められた電気的特性が得られず、歩留まりが低下してしまう。
【0026】
本願発明者らは、これらの新たな知見に基づき、めっき液等の浸透に伴う剥離を抑制すべく鋭意検討を行った。この結果、下記の実施形態に想到した。
【0027】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。第1実施形態は、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)に好適な高電子移動度トランジスタ(HEMT)を含む半導体装置に関する。
図8は、電極等のレイアウトを示す模式図である。
図9は、第1実施形態における基板を貫通するビアホール及びその周辺の構成を示す上面図である。
図10は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図10は、
図8中のX-X線に沿った断面図に相当する。
図10は、
図9中のX-X線に沿った断面図に相当する部分を含む。
【0028】
第1実施形態に係る半導体装置100は、
図8~
図10に示すように、基板101と、半導体層110と、ソース電極121と、ドレイン電極122と、ゲート電極123とを有する。基板101は下面101A及び上面101Bを有し、半導体層110は下面110A及び上面110Bを有する。基板101の上面101Bと半導体層110の下面110Aとが接している。基板101は、例えばSiCの基板である。詳細は後述するが、半導体層110は、基板101上に積層された複数のGaN系半導体層を含む。半導体層110はZ方向(第1方向)で基板101に積層されている。ソース電極121、ドレイン電極122及びゲート電極123は半導体層110上に形成されている。
図8に示すように、例えば、Z方向に直交するX方向(第2方向)に延びる複数のソース電極121が、X方向及びZ方向に直交するY方向(第3方向)に並んで配置され、Y方向で隣り合う2個のソース電極121の間に、X方向に延びるドレイン電極122が配置されている。また、Y方向で隣り合うソース電極121とドレイン電極122との間にゲート電極123が配置されている。ソース電極121及びドレイン電極122は、例えば、Ti層と、Ti層上のAl層との積層体を含む。ゲート電極123は、例えば、Ni層と、Ni層上のAu層との積層体を含む。半導体層110は第1半導体層の一例である。
【0029】
半導体装置100は、複数のソース電極121に共通に接続されたソース配線124と、複数のドレイン電極122に共通に接続されたドレイン配線125と、複数のゲート電極123に共通に接続されたゲート配線126とを有する。例えば、ソース電極121とソース配線124とを一体化した金属層、ドレイン電極122とドレイン配線125とを一体化した金属層、ゲート電極123とゲート配線126とを一体化した金属層は、いずれもZ方向からの平面視で櫛歯状に形成されている。
【0030】
図9及び
図10に示すように、半導体層110を貫通する開口部131が半導体層110に形成され、基板101を貫通するビアホール141が基板101に形成されている。ビアホール141は、Z方向からの平面視で、開口部131を包囲するようにして形成されている。すなわち、ビアホール141は、ビアホール141の全周において、ビアホール141と開口部131との間に半導体層110の下面110Aが露出するようにして形成されている。ビアホール141は第1開口部の一例であり、開口部131は第2開口部の一例である。
【0031】
開口部131内に金属層132が形成されている。金属層132は、開口部131の縁から半導体層110上にせり上がるように形成されていてもよい。金属層132は、例えばNi、Al又はCu等の層である。ソース電極121、ドレイン電極122、ゲート電極123及び金属層132を覆う絶縁膜133が半導体層110上に形成されている。絶縁膜133は、例えば窒化シリコン膜である。絶縁膜133に、金属層132の上面の一部を露出する開口部134及びソース電極121の上面の一部を露出する開口部135が形成されている。開口部134を通じて金属層132に接し、かつ開口部135を通じてソース電極121に接する金属層136が形成されている。金属層136は、例えばAu等の層である。ビア配線144が、基板101の下面101A上、ビアホール141の側壁面141C上、半導体層110の下面110A上及び金属層132の下面132A上に形成されている。ビア配線144は、シード層142と、シード層142上のめっき層143との積層体を含む。シード層142は、例えば、Ti層と、Ti層上のAu層との積層体を含む。めっき層143は、例えばAu等の層である。ソース配線124は、金属層136、金属層132及びビア配線144を有する。ビア配線144は、金属層132及び金属層136を介してソース電極121に電気的に接続されている。例えば、ビア配線144が接地され、ソース電極121に接地電位が付与される。ビア配線144は第1金属層の一例であり、金属層132は導電層及び第2金属層の一例である。
【0032】
半導体装置100では、基板101と半導体層110とが互いに接し、ビア配線144と金属層132とが互いに接し、基板101と半導体層110との界面は、ビア配線144と金属層132との界面と同一平面内にある。基板101と半導体層110との界面が第1界面の一例であり、ビア配線144と金属層132との界面が第2界面の一例である。第1界面に、基板101の上面101B及び半導体層110の下面110Aが含まれる。第2界面に、金属層132の下面132Aが含まれる。
【0033】
ドレイン配線125は基板101の上面101Bの上方にドレインパッド125Pを有してもよく、ゲート配線126は基板101の上面101Bの上方にゲートパッド126Pを有してもよい。
【0034】
ここで、半導体層110について説明する。半導体層110は、例えばGaN系の半導体層である。つまり、半導体層110は、例えば窒化物半導体層である。
図11は、半導体層110の一例を示す断面図である。
【0035】
図11に示すように、半導体層110は、例えば、基板101上に積層されたバッファ層111、電子走行層(チャネル層)112、スペーサ層113、電子供給層(バリア層)114及びキャップ層115を有する。バッファ層111は、例えばAlGaN層である。バッファ層111が超格子構造を有していてもよい。電子走行層112は、例えば厚さが2μm~4μmで不純物の意図的なドーピングが行われていないGaN層(i-GaN層)である。スペーサ層113は、例えば厚さが4nm~6nmで不純物の意図的なドーピングが行われていないAlGaN層(i-AlGaN層)である。電子供給層114は、例えば厚さが25nm~35nmのn型のAlGaN層(n-AlGaN層)である。電子供給層114には、n型不純物として、例えばSiがドーピングされている。キャップ層115は、例えば厚さが1nm~10nmのGaN層である。キャップ層115に開口部115S及び115Dが形成されており、開口部115S内にソース電極121が形成され、開口部115D内にドレイン電極122が形成されている。ゲート電極123は、ソース電極121とドレイン電極122との間でキャップ層115上に形成されている。電子走行層112の表面近傍に二次元電子ガス(2DEG)が生成されている。
【0036】
次に、第1実施形態に係る半導体装置100の製造方法について説明する。
図12~
図13は、第1実施形態に係る半導体装置100の製造方法を示す上面図である。
図14は、第1実施形態に係る半導体装置100の製造方法を示す下面図である。
図15~
図21は、第1実施形態に係る半導体装置100の製造方法を示す断面図である。
図12~
図14には、ビアホール141及びその周辺のみを示す。
【0037】
まず、
図15に示すように、基板101上に、バッファ層111、電子走行層112、スペーサ層113、電子供給層114及びキャップ層115を含む半導体層110を形成する(
図11参照)。半導体層110は、例えば有機金属化学気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法等の結晶成長法により形成することができる。電子走行層112の表面近傍に、2DEGが生成する。次いで、半導体層110上に、ソース電極121、ドレイン電極122及びゲート電極123を形成する。
【0038】
半導体層110の形成に際しては、例えば、Al源であるトリメチルアルミニウム(TMA)ガス、Ga源であるトリメチルガリウム(TMG)ガス、及びN源であるアンモニア(NH3)ガスの混合ガスを用いる。このとき、成長させる半導体層の組成に応じて、トリメチルアルミニウムガス及びトリメチルガリウムガスの供給の有無及び流量を適宜設定する。各半導体層に共通の原料であるアンモニアガスの流量は、例えば100ccm~10LM程度とする。また、例えば、成長圧力は50Torr~300Torr程度、成長温度は1000℃~1200℃程度とする。また、n型の半導体層(例えば電子供給層114)を成長させる際には、例えば、Siを含むSiH4ガスを所定の流量で混合ガスに添加し、半導体層にSiをドーピングする。Siの濃度は、例えば平均で1×1018cm-3程度とする。
【0039】
ソース電極121、ドレイン電極122及びゲート電極123の形成に際しては、キャップ層115に開口部115S及び115Dを形成し、開口部115S内にソース電極121を形成し、開口部115D内にドレイン電極122を形成する。ソース電極121及びドレイン電極122の形成後に、ソース電極121とドレイン電極122との間でキャップ層115上にゲート電極123を形成する。ソース電極121、ドレイン電極122及びゲート電極123は、例えば蒸着及びリフトオフにより形成することができる。
【0040】
ソース電極121、ドレイン電極122及びゲート電極123の形成後、
図12(a)及び
図16に示すように、半導体層110に開口部131を形成する。開口部131の形成では、例えばエッチングガスとして塩素系ガスを用いる。塩素系ガスとしては、例えば、Cl
2ガスを用いてもよく、Cl
2及びBCl
3の混合ガスを用いてもよい。塩素系ガスを用いたエッチングにおいて、GaN系半導体層は、Ga塩化物やAl塩化物とN
2とに分解される。Ga塩化物及びAl塩化物は、これらの飽和蒸気圧が低いため、エッチングチャンバ内で気体になる。従って、塩素系ガスを用いることで、GaN系半導体層を化学的にエッチングすることができる。その一方で、SiCは、O
2ガスがエッチングガスに含まれていなければ分解することができない。このように、塩素系ガスにより、GaN系半導体の半導体層110をエッチングすることができるが、SiCの基板101をエッチングすることはできない。このため、塩素系ガスを用いたエッチングは、SiCの基板101の上面101Bで停止する。つまり、基板101がエッチングストッパとして機能する。この結果、開口部131の底面は基板101の上面101Bと一致する。
【0041】
次いで、
図12(b)及び
図17に示すように、金属層132を開口部131内に形成する。金属層132は、開口部131の縁から半導体層110上にせり上がるように形成してもよい。金属層132の材料としては、ビアホール141を形成する際に用いるエッチングガスに耐性を有する材料を用いる。例えば、ビアホール141を形成する際にフッ素系ガス及びO
2ガスの混合ガスを用いる場合、Ni、Al又はCu等を用いることができる。金属層132は、例えば蒸着及びリフトオフにより形成することができる。
【0042】
その後、
図13(a)及び
図18に示すように、ソース電極121、ドレイン電極122、ゲート電極123及び金属層132を覆う絶縁膜133を形成する。絶縁膜133としては、例えば窒化シリコン膜を形成する。続いて、絶縁膜133に、金属層132の上面の一部を露出する開口部134及びソース電極121の上面の一部を露出する開口部135を形成する。次いで、開口部134を通じて金属層132に接し、かつ開口部135を通じてソース電極121に接する金属層136を形成する。この結果、ソース電極121と金属層132とが電気的に接続される。金属層136としては、例えばAu層を形成する。金属層136は、例えばめっき法又はスパッタ法等により形成することができる。
【0043】
その後、
図13(b)及び
図19に示すように、基板101にビアホール141を形成する。ビアホール141の形成では、基板101を下面101Aからエッチングする。ビアホール141は、Z方向からの平面視で、開口部131を包囲するようにして形成する。すなわち、ビアホール141は、ビアホール141の全周において、ビアホール141と開口部131との間に半導体層110の下面110Aが露出するようにして形成する。開口部131内に金属層132が形成されている。このため、
図14に示すように、ビアホール141の形成の結果、Z方向からの平面視で、ビアホール141の内側において、金属層132の下面132Aの周囲に環状に半導体層110の下面110Aが露出するようになる。
【0044】
ビアホール141の形成では、例えばエッチングガスとしてフッ素系ガス及び酸素(O2)ガスの混合ガスを用いる。フッ素系ガスとしては、例えば、SF6ガスを用いてもよい。この混合ガスにはO2ガスが含まれているため、SiCを分解することができる。その一方で、フッ素系ガスを用いたエッチングでは、Gaフッ化物やAlフッ化物が生成したとしても、これらの飽和蒸気圧が高いため、エッチングチャンバ内で気体にならない。従って、フッ素系ガスを用いてGaN系半導体層を化学的にエッチングすることはできない。同様に、フッ素系ガスを用いて金属層132を化学的にエッチングすることはできない。このように、フッ素系ガス及びO2ガスの混合ガスにより、SiCの基板101をエッチングすることができるが、金属層132及び半導体層110をエッチングすることはできない。このため、フッ素系ガス及びO2ガスの混合ガスを用いたエッチングは、金属層132の下面132A及び半導体層110の下面110Aで停止する。つまり、金属層132及び半導体層110がエッチングストッパとして機能する。
【0045】
基板101のエッチング時間の短縮のためにはエッチングを高パワーで行うことが好ましい。ただし、ビアホール141が半導体層110の下面110Aに達する前に、パワーを下げることが好ましい。これは、高パワーでのエッチングを半導体層110の下面110Aが露出するまで継続すると、物理的に半導体層110がエッチングされるおそれがあるためである。
【0046】
ビアホール141の形成後、
図20に示すように、基板101の下面101A上、ビアホール141の側壁面141C上、半導体層110の下面110A上及び金属層132の下面132A上にシード層142を形成する。シード層142の形成では、例えば、Ti層を形成し、Ti層上にAu層を形成する。Ti層及びAu層は、スパッタ法により形成することができる。
【0047】
次いで、
図21に示すように、シード層142上にめっき層143を形成する。めっき層143としては、例えばAu層を形成する。めっき層143としてCu層を形成してもよい。
【0048】
ドレイン配線125及びゲート配線126を、めっき層143の形成後に形成してもよい。ドレイン配線125及びゲート配線126を、絶縁膜133の形成後で金属層136の形成前に形成してもよい。
【0049】
このようにして、半導体装置100を製造することができる。
【0050】
ここで、半導体装置100の作用効果について説明する。
図22は、第1実施形態におけるシード層142の未形成部を示す断面図である。
【0051】
上述のように、シード層142はスパッタ法により形成されるが、
図22(a)に示すように、ビアホール141の深部の隅では、シード層142のカバレッジが不足し、シード層142が形成されないことがある。つまり、シード層142の形成後に、シード層142の未形成部142Xが存在し、基板101と半導体層110との界面がビアホール141の内部の空間に繋がっていることがある。この状態でめっき層143を形成すると、めっき層143の形成に用いられるめっき液が未形成部142Xを通じて基板101と半導体層110との界面に接する。第1実施形態では、基板101にSiCが用いられ、半導体層110にGaN系半導体が用いられているため、基板101と半導体層110との間の密着性は強固である。従って、めっき液が基板101と半導体層110との界面に接したとしても、この界面での剥離は極めて生じにくい。また、めっき層143を形成する領域を限定するためにレジストパターンが形成される場合にレジストの現像液が基板101と半導体層110との界面に接したとしても、この界面での剥離は極めて生じにくい。
【0052】
また、基板101と半導体層110との界面に剥離が生じていなければ、ビアホール141の深部の隅に未形成部142Xが存在していても、
図22(b)に示すように、めっき層143は、未形成部142Xを埋めるようにして形成される。従って、ビア配線144とソース電極121との間に導通を確保することができ、歩留まりを向上することができる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、エッチングストッパとして機能する導電層の構成の点で第1実施形態と相違する。
図23は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【0054】
第2実施形態に係る半導体装置200は、
図23に示すように、第1実施形態と同様に、基板101と、半導体層110と、ソース電極121と、ドレイン電極122と、ゲート電極123とを有する。
【0055】
Z方向からの平面視で、半導体層110の一部に、半導体層110の他の部分よりも導電性が高い半導体層210が形成されている。半導体層210は半導体層110の他の部分よりもn型不純物を高濃度に含有する。例えば、半導体層110(半導体層210を除く)におけるn型不純物の最大の濃度は1×1018cm-3程度であり、半導体層210におけるn型不純物の濃度は平均で1×1019cm-3以上である。半導体層210は半導体層110の上面110B及び下面110Aから露出するように形成されている。半導体層210の上面210Bは上面110Bと面一であり、半導体層210の下面210Aは下面110Aと面一である。基板101を貫通するビアホール141が基板101に形成されている。ビアホール141は、Z方向からの平面視で、半導体層210を包囲するようにして形成されている。すなわち、ビアホール141は、ビアホール141の全周において、ビアホール141と半導体層210との間に半導体層110の下面110Aが露出するようにして形成されている。半導体層210は導電層及び第2半導体層の一例である。
【0056】
半導体層210上に金属層232が形成されている。金属層232は、半導体層210上に広がるように形成されていてもよい。金属層232は、例えばTi又はTa等の仕事関数が小さい金属の層である。金属層232と半導体層210とが互いにオーミック接触していることが好ましい。ソース電極121、ドレイン電極122、ゲート電極123及び金属層232を覆う絶縁膜133が半導体層110上に形成されている。絶縁膜133に、金属層232の上面の一部を露出する開口部134及びソース電極121の上面の一部を露出する開口部135が形成されている。開口部134を通じて金属層232に接し、かつ開口部135を通じてソース電極121に接する金属層136が形成されている。ビア配線144が、基板101の下面101A上、ビアホール141の側壁面141C上、半導体層110の下面110A上及び半導体層210の下面210A上に形成されている。ビア配線144と半導体層210とが互いにオーミック接触していることが好ましい。ソース配線124は、金属層136、金属層232、半導体層210及びビア配線144を有する。ビア配線144は、半導体層210、金属層232及び金属層136を介してソース電極121に電気的に接続されている。例えば、ビア配線144が接地され、ソース電極121に接地電位が付与される。
【0057】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0058】
次に、第2実施形態に係る半導体装置200の製造方法について説明する。
図24~
図29は、第2実施形態に係る半導体装置200の製造方法を示す断面図である。
【0059】
まず、
図24に示すように、第1実施形態と同様に、基板101上に、バッファ層111、電子走行層112、スペーサ層113、電子供給層114及びキャップ層115を含む半導体層110を形成する(
図11参照)。次いで、半導体層110の一部に、半導体層110の他の部分よりもn型不純物を高濃度に含有する高導電性の半導体層210を形成する。半導体層210の形成に際しては、半導体層210を形成しようとする領域に開口部を有するレジストマスクを半導体層110上に形成し、n型不純物のイオン注入を行う。n型不純物としては、例えばSi又はGeを用いることができる。Siが用いられる場合、例えば、半導体層210におけるSiの濃度が平均で1×10
19cm
-3以上となるように、ドーズ量及びパワーを制御することが好ましい。イオン注入後にレジストマスクを除去し、N
2雰囲気で1000℃~1300℃の温度でアニールを行うことでn型不純物を活性化させる。アニールの際には、酸化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜等の絶縁膜で半導体層110及び210の上面を覆い、アニール中のGaNの解離及び脱離を防止する。そして、アニール後に、絶縁膜を化学的にエッチングして除去する。イオン注入において、n型不純物が基板101に達して、基板101の表層部にイオン注入領域101Xが形成されてもよい。
【0060】
その後、
図25に示すように、金属層232を半導体層210上に形成する。金属層232は、半導体層210上に広がるように形成してもよい。金属層232の材料としては、仕事関数が小さい金属を用いる。例えば、金属層232の材料としては、Ti又はTa等を用いることができる。金属層232は、例えば蒸着及びリフトオフにより形成することができる。金属層232と半導体層210とが互いにオーミック接触していることが好ましい。
【0061】
続いて、
図26に示すように、第1実施形態と同様にして、ソース電極121、ドレイン電極122及びゲート電極123を形成する。次いで、第1実施形態と同様にして、ソース電極121、ドレイン電極122、ゲート電極123及び金属層232を覆う絶縁膜133を形成する。その後、絶縁膜133に、金属層232の上面の一部を露出する開口部134及びソース電極121の上面の一部を露出する開口部135を形成する。次いで、開口部134を通じて金属層232に接し、かつ開口部135を通じてソース電極121に接する金属層136を形成する。この結果、ソース電極121と金属層232とが電気的に接続される。
【0062】
その後、
図27に示すように、基板101にビアホール141を形成する。ビアホール141の形成では、基板101を下面101Aからエッチングする。ビアホール141は、Z方向からの平面視で、半導体層210を包囲するようにして形成する。すなわち、ビアホール141は、ビアホール141の全周において、ビアホール141と半導体層210との間に半導体層110の下面110Aが露出するようにして形成する。ビアホール141の形成の結果、Z方向からの平面視で、ビアホール141の内側において、半導体層210の下面210Aの周囲に環状に半導体層110の下面110Aが露出するようになる。基板101の表層部にイオン注入領域101Xが形成されている場合、ビアホール141の形成に伴ってイオン注入領域101Xは除去される。
【0063】
ビアホール141の形成では、第1実施形態と同様に、例えばエッチングガスとしてフッ素系ガス及びO2ガスの混合ガスを用いる。フッ素系ガスとしては、例えば、SF6ガスを用いてもよい。フッ素系ガス及びO2ガスの混合ガスにより、SiCの基板101をエッチングすることができるが、半導体層110及び210をエッチングすることはできない。このため、フッ素系ガス及びO2ガスの混合ガスを用いたエッチングは、半導体層210の下面210A及び半導体層110の下面110Aで停止する。つまり、半導体層110及び210がエッチングストッパとして機能する。
【0064】
第1実施形態と同様に、基板101のエッチング時間の短縮のためにはエッチングを高パワーで行うことが好ましく、ビアホール141が半導体層110の下面110A及び半導体層210の下面210Aに達する前に、パワーを下げることが好ましい。これは、高パワーでのエッチングを半導体層110の下面110A及び半導体層210の下面210Aが露出するまで継続すると、物理的に半導体層110及び210がエッチングされるおそれがあるためである。
【0065】
ビアホール141の形成後、
図28に示すように、基板101の下面101A上、ビアホール141の側壁面141C上、半導体層110の下面110A上及び半導体層210の下面210A上にシード層142を形成する。シード層142の形成では、第1実施形態と同様に、例えば、Ti層を形成し、Ti層上にAu層を形成する。Ti層及びAu層は、スパッタ法により形成することができる。
【0066】
次いで、
図29に示すように、シード層142上にめっき層143を形成する。めっき層143としては、例えばAu層を形成する。めっき層143としてCu層を形成してもよい。
【0067】
このようにして、半導体装置200を製造することができる。
【0068】
第2実施形態においてシード層142の未形成部142Xが存在しても、めっき液等の浸透に伴う基板101と半導体層110との界面での剥離を抑制することができる。従って、ビア配線144とソース電極121との間に導通を確保することができ、歩留まりを向上することができる。
【0069】
なお、第2実施形態において、ビアホール141は、Z方向からの平面視で、半導体層210を包囲していなくてもよい。例えば、Z方向からの平面視で、ビアホール141の縁と半導体層210との縁が重なっていてもよく、ビアホール141の縁が半導体層210の縁より内側にあってもよい。このような構成であっても、めっき液等の浸透に伴う基板101と半導体層110又は半導体層210との界面での剥離を抑制することができる。
【0070】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、エッチングストッパとして機能する導電層の構成の点で第2実施形態と相違する。
図30は、第3実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【0071】
第3実施形態に係る半導体装置300は、
図30に示すように、第1実施形態と同様に、基板101と、半導体層110と、ソース電極121と、ドレイン電極122と、ゲート電極123とを有する。
【0072】
半導体層110を貫通する開口部131が半導体層110に形成され、基板101を貫通するビアホール141が基板101に形成されている。ビアホール141は、Z方向からの平面視で、開口部131を包囲するようにして形成されている。すなわち、ビアホール141は、ビアホール141の全周において、ビアホール141と開口部131との間に半導体層110の下面110Aが露出するようにして形成されている。
【0073】
開口部131内に、半導体層110よりも導電性が高い半導体層310が形成されている。半導体層310は半導体層110よりもn型不純物を高濃度に含有する。半導体層310は、例えばn型不純物としてSi又はGeを含有するGaN層である。例えば、半導体層110におけるn型不純物の最大の濃度は1×1018cm-3程度であり、半導体層310におけるn型不純物の濃度は平均で1×1019cm-3以上である。半導体層310は導電層及び第2半導体層の一例である。
【0074】
半導体層310上に金属層232が形成されている。第2実施形態と同様に、金属層232は、半導体層210上に広がるように形成されていてもよい。金属層232と半導体層310とが互いにオーミック接触していることが好ましい。第2実施形態と同様に、絶縁膜133及び金属層136が形成されている。ビア配線144が、基板101の下面101A上、ビアホール141の側壁面141C上、半導体層110の下面110A上及び半導体層310の下面310A上に形成されている。ビア配線144と半導体層310とが互いにオーミック接触していることが好ましい。ソース配線124は、金属層136、金属層232、半導体層310及びビア配線144を有する。ビア配線144は、半導体層310、金属層232及び金属層136を介してソース電極121に電気的に接続されている。例えば、ビア配線144が接地され、ソース電極121に接地電位が付与される。
【0075】
他の構成は第2実施形態と同様である。
【0076】
次に、第3実施形態に係る半導体装置300の製造方法について説明する。
図31~
図35は、第3実施形態に係る半導体装置300の製造方法を示す断面図である。
【0077】
まず、
図31に示すように、第1実施形態と同様に、基板101上に、バッファ層111、電子走行層112、スペーサ層113、電子供給層114及びキャップ層115を含む半導体層110を形成する(
図11参照)。次いで、半導体層110に開口部131を形成する。開口部131の形成では、例えば、第1実施形態と同様に、エッチングガスとして塩素系ガスを用いる。
【0078】
次いで、
図32に示すように、半導体層310を開口部131内に形成する。半導体層310の形成に際しては、半導体層310を形成しようとする領域に開口部を有する窒化シリコンのマスクを半導体層110上に形成し、例えばMOCVD法等の結晶成長法により半導体層310を成長させる。半導体層310の成長後に窒化シリコンのマスクを除去する。
【0079】
その後、
図33に示すように、金属層232を半導体層310上に形成する。金属層232は、半導体層310上に広がるように形成してもよい。金属層232と半導体層310とが互いにオーミック接触していることが好ましい。
【0080】
続いて、同じく
図33に示すように、第1実施形態と同様にして、ソース電極121、ドレイン電極122、ゲート電極123及び絶縁膜133を形成する。その後、絶縁膜133に開口部134及び135を形成する。次いで、開口部134を通じて金属層232に接し、かつ開口部135を通じてソース電極121に接する金属層136を形成する。この結果、ソース電極121と金属層232とが電気的に接続される。
【0081】
その後、
図34に示すように、基板101にビアホール141を形成する。ビアホール141の形成では、基板101を下面101Aからエッチングする。ビアホール141は、Z方向からの平面視で、半導体層310を包囲するようにして形成する。すなわち、ビアホール141は、ビアホール141の全周において、ビアホール141と半導体層310との間に半導体層110の下面110Aが露出するようにして形成する。ビアホール141の形成の結果、Z方向からの平面視で、ビアホール141の内側において、半導体層310の下面310Aの周囲に環状に半導体層110の下面110Aが露出するようになる。
【0082】
ビアホール141の形成では、第1実施形態と同様に、例えばエッチングガスとしてフッ素系ガス及びO2ガスの混合ガスを用いる。フッ素系ガスとしては、例えば、SF6ガスを用いてもよい。フッ素系ガス及びO2ガスの混合ガスにより、SiCの基板101をエッチングすることができるが、半導体層110及び310をエッチングすることはできない。このため、フッ素系ガス及びO2ガスの混合ガスを用いたエッチングは、半導体層310の下面310A及び半導体層110の下面110Aで停止する。つまり、半導体層110及び310がエッチングストッパとして機能する。
【0083】
第1実施形態と同様に、基板101のエッチング時間の短縮のためにはエッチングを高パワーで行うことが好ましく、ビアホール141が半導体層110の下面110A及び半導体層310の下面310Aに達する前に、パワーを下げることが好ましい。これは、高パワーでのエッチングを半導体層110の下面110A及び半導体層310の下面310Aが露出するまで継続すると、物理的に半導体層110及び310がエッチングされるおそれがあるためである。
【0084】
ビアホール141の形成後、
図35に示すように、基板101の下面101A上、ビアホール141の側壁面141C上、半導体層110の下面110A上及び半導体層310の下面310A上にシード層142を形成する。シード層142の形成では、第1実施形態と同様に、例えば、Ti層を形成し、Ti層上にAu層を形成する。Ti層及びAu層は、スパッタ法により形成することができる。
【0085】
次いで、同じく
図35に示すように、シード層142上にめっき層143を形成する。めっき層143としては、例えばAu層を形成する。めっき層143としてCu層を形成してもよい。
【0086】
このようにして、半導体装置300を製造することができる。
【0087】
第3実施形態においてシード層142の未形成部142Xが存在しても、めっき液等の浸透に伴う基板101と半導体層110との界面での剥離を抑制することができる。従って、ビア配線144とソース電極121との間に導通を確保することができ、歩留まりを向上することができる。
【0088】
なお、第3実施形態において、ビアホール141は、Z方向からの平面視で、半導体層310を包囲していなくてもよい。例えば、Z方向からの平面視で、ビアホール141の縁と半導体層310との縁が重なっていてもよく、ビアホール141の縁が半導体層310の縁より内側にあってもよい。このような構成であっても、めっき液等の浸透に伴う基板101と半導体層110又は半導体層310との界面での剥離を抑制することができる。
【0089】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、エッチングストッパとして機能する導電層とビアホールとの関係の点で第1実施形態と相違する。
図36は、第4実施形態における基板を貫通するビアホール及びその周辺の構成を示す上面図である。
図37は、第4実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図37は、
図36中のXXXVII-XXXVII線に沿った断面図に相当する。
【0090】
第4実施形態に係る半導体装置400では、平面形状が円形のビアホール141に代えて、平面形状が角丸長方形のビアホール441が形成されている。各ビアホール441の側壁面441Cは、第1実施形態におけるビアホール141の側壁面141Cより広く形成されている。半導体層110に複数個の開口部131が形成されており、ビアホール441は、Z方向からの平面視で、複数個の開口部131を包囲するようにして形成されている。ビアホール441が複数形成されていてもよい。例えば、10個の開口部131が半導体層110に形成され、5個のビアホール441が基板101に形成され、各ビアホール441は、Z方向からの平面視で、2個の開口部131を包囲するようにして形成されている。
【0091】
他の構成は第1実施形態と同様である。第4実施形態に係る半導体装置400は、マスクパターンを変更することで第1実施形態と同様の方法により製造することができる。
【0092】
第4実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、第4実施形態によれば、信頼性を向上することができる。めっき層143には、第1実施形態では側壁面141C上で、第4実施形態では側壁面441C上で薄い部分が生じることがある。めっき層143に極端に薄い部分が含まれる場合、その部分を流れる電流密度が著しく高くなることがある。そして、電流密度が許容電流密度を超えると、ビア配線144が破壊に至るおそれがある。第4実施形態では、側壁面441Cが広く形成され、1個のビアホール441に対して複数個、例えば2組の金属層132及び136の組が設けられているため、めっき層143に薄い部分が生じても、十分な厚さを有する部分を電流が流れやすい。このため、ビア配線144の破壊を抑制し、信頼性を向上することができる。
【0093】
なお、1個のビアホール441に対して設けられる金属層132及び136の組の数が多いほど、ビアホール441のサイズが大きくなる。そして、ビアホール441のサイズが大きくなるほど、基板101の体積が小さくなり、放熱性が低下したり、機械的強度が低下したりするおそれがある。このため、1個のビアホール441に対して設けられる金属層132及び136の組の数は、2組又は3組であることが好ましい。
【0094】
第4実施形態の構造を、第2又は第3実施形態に適用してもよい。
【0095】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、HEMTのディスクリートパッケージに関する。
図38は、第5実施形態に係るディスクリートパッケージを示す図である。
【0096】
第5実施形態では、
図38に示すように、第1~第4実施形態のいずれかと同様の構造を備えた化合物半導体装置1210の裏面がはんだ等のダイアタッチ剤1234を用いてランド(ダイパッド)1233に固定されている。また、ドレイン電極122が接続されたドレインパッド1226d(例えばドレインパッド125P)に、Alワイヤ等のワイヤ1235dが接続され、ワイヤ1235dの他端が、ランド1233と一体化しているドレインリード1232dに接続されている。ソース電極121に接続されたソースパッド1226s(例えばビア配線144)にAlワイヤ等のワイヤ1235sが接続され、ワイヤ1235sの他端がランド1233から独立したソースリード1232sに接続されている。ゲート電極123に接続されたゲートパッド1226g(ゲートパッド126P)にAlワイヤ等のワイヤ1235gが接続され、ワイヤ1235gの他端がランド1233から独立したゲートリード1232gに接続されている。そして、ゲートリード1232gの一部、ドレインリード1232dの一部及びソースリード1232sの一部が突出するようにして、ランド1233及び化合物半導体装置1210等がモールド樹脂1231によりパッケージングされている。
【0097】
このようなディスクリートパッケージは、例えば、次のようにして製造することができる。先ず、化合物半導体装置1210をはんだ等のダイアタッチ剤1234を用いてリードフレームのランド1233に固定する。次いで、ワイヤ1235g、1235d及び1235sを用いたボンディングにより、ゲートパッド1226gをリードフレームのゲートリード1232gに接続し、ドレインパッド1226dをリードフレームのドレインリード1232dに接続し、ソースパッド1226sをリードフレームのソースリード1232sに接続する。その後、トランスファーモールド法にてモールド樹脂1231を用いた封止を行う。続いて、リードフレームを切り離す。
【0098】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態は、HEMTを備えたPFC(Power Factor Correction)回路に関する。
図39は、第6実施形態に係るPFC回路を示す結線図である。
【0099】
PFC回路1250には、スイッチ素子(トランジスタ)1251、ダイオード1252、チョークコイル1253、コンデンサ1254及び1255、ダイオードブリッジ1256、並びに交流電源(AC)1257が設けられている。そして、スイッチ素子1251のドレイン電極と、ダイオード1252のアノード端子及びチョークコイル1253の一端子とが接続されている。スイッチ素子1251のソース電極と、コンデンサ1254の一端子及びコンデンサ1255の一端子とが接続されている。コンデンサ1254の他端子とチョークコイル1253の他端子とが接続されている。コンデンサ1255の他端子とダイオード1252のカソード端子とが接続されている。また、スイッチ素子1251のゲート電極にはゲートドライバが接続されている。コンデンサ1254の両端子間には、ダイオードブリッジ1256を介してAC1257が接続される。コンデンサ1255の両端子間には、直流電源(DC)が接続される。そして、本実施形態では、スイッチ素子1251に、第1~第4実施形態のいずれかと同様の構造を備えた化合物半導体装置が用いられている。
【0100】
PFC回路1250の製造に際しては、例えば、はんだ等を用いて、スイッチ素子1251をダイオード1252及びチョークコイル1253等に接続する。
【0101】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。第7実施形態は、サーバ電源に好適な、HEMTを備えた電源装置に関する。
図40は、第7実施形態に係る電源装置を示す結線図である。
【0102】
電源装置には、高圧の一次側回路1261及び低圧の二次側回路1262、並びに一次側回路1261と二次側回路1262との間に配設されるトランス1263が設けられている。
【0103】
一次側回路1261には、第6実施形態に係るPFC回路1250、及びPFC回路1250のコンデンサ1255の両端子間に接続されたインバータ回路、例えばフルブリッジインバータ回路1260が設けられている。フルブリッジインバータ回路1260には、複数(ここでは4つ)のスイッチ素子1264a、1264b、1264c及び1264dが設けられている。
【0104】
二次側回路1262には、複数(ここでは3つ)のスイッチ素子1265a、1265b及び1265cが設けられている。
【0105】
本実施形態では、一次側回路1261を構成するPFC回路1250のスイッチ素子1251、並びにフルブリッジインバータ回路1260のスイッチ素子1264a、1264b、1264c及び1264dに、第1~第4実施形態のいずれかと同様の構造を備えた化合物半導体装置が用いられている。一方、二次側回路1262のスイッチ素子1265a、1265b及び1265cには、シリコンを用いた通常のMIS型FET(電界効果トランジスタ)が用いられている。
【0106】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。第8実施形態は、HEMTを備えた増幅器に関する。
図41は、第8実施形態に係る増幅器を示す結線図である。
【0107】
増幅器には、ディジタル・プレディストーション回路1271、ミキサー1272a及び1272b、並びにパワーアンプ1273が設けられている。
【0108】
ディジタル・プレディストーション回路1271は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー1272aは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号とをミキシングする。パワーアンプ1273は、第1~第4実施形態のいずれかと同様の構造を備えた化合物半導体装置を備えており、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅する。なお、本実施形態では、例えば、スイッチの切り替えにより、出力側の信号をミキサー1272bで交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路1271に送出できる。この増幅器は、高周波増幅器、高出力増幅器として使用することができる。高周波増幅器は、例えば、携帯電話基地局用送受信装置、レーダー装置及びマイクロ波発生装置に用いることができる。
【0109】
本開示において、半導体層の組成は、上記の実施形態に記載されたものに限定されない。例えば、InAlN、InGaAlN等の窒化物半導体層が用いられてもよい。
【0110】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0111】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0112】
(付記1)
基板と、
第1方向で前記基板に積層された第1半導体層と、
前記第1半導体層内に設けられた導電層と、
前記第1方向からの平面視で前記導電層を包囲するようにして前記基板に形成された第1開口部と、
前記第1開口部内に形成され、前記導電層に接する第1金属層と、
を有し、
前記基板と前記第1半導体層との第1界面は、前記導電層と前記第1金属層との第2界面と同一平面内にあることを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記第1方向からの平面視で前記第1開口部に包囲されるようにして前記第1半導体層に形成された第2開口部を有し、
前記導電層は、前記第2開口部内に形成されていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記導電層は、第2金属層を含むことを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記導電層は、前記第1半導体層よりも導電性が高い第2半導体層を含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記5)
基板と、
第1方向で前記基板に積層された第1半導体層と、
前記第1半導体層内に設けられた導電層と、
前記基板に形成された第1開口部と、
前記第1開口部内に形成され、前記導電層に接する第1金属層と、
を有し、
前記導電層は、前記第1半導体層よりも導電性が高い第2半導体層を含み、
前記基板と前記第1半導体層との第1界面は、前記導電層と前記第1金属層との第2界面と同一平面内にあることを特徴とする半導体装置。
(付記6)
前記第1半導体層上に形成されたゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有し、
前記導電層は、前記ソース電極に電気的に接続されていることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記7)
前記第1金属層は、
シード層と、
前記シード層上に形成されためっき層と、
を有することを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記8)
前記基板は炭化珪素基板であり、
前記第1半導体層は窒化物半導体層であることを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記9)
基板に第1方向で第1半導体層を積層する工程と、
前記第1半導体層内に導電層を設ける工程と、
前記基板を、前記第1半導体層が形成された面とは反対側の面から前記導電層が露出するまでエッチングして、前記第1方向からの平面視で前記導電層を包囲する第1開口部を前記基板に形成する工程と、
前記第1開口部内に、前記導電層に接する第1金属層を形成する工程と、
を有し、
前記基板と前記第1半導体層との第1界面は、前記導電層と前記第1金属層との第2界面と同一平面内にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記導電層を設ける工程は、
前記第1方向からの平面視で前記第1開口部に包囲される第2開口部を前記第1半導体層に形成する工程と、
前記第2開口部内に第2金属層を形成する工程と、
を有することを特徴とする付記9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記導電層を設ける工程は、
前記第1方向からの平面視で前記第1開口部に包囲される第2開口部を前記第1半導体層に形成する工程と、
前記第2開口部内に前記第1半導体層よりも導電性が高い第2半導体層を形成する工程と、
を有することを特徴とする付記9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記導電層を設ける工程は、前記第1半導体層に不純物をイオン注入して、前記第1半導体層よりも導電性が高い第2半導体層を形成する工程を有することを特徴とする付記9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
基板に第1方向で第1半導体層を積層する工程と、
前記第1半導体層内に前記第1半導体層よりも導電性が高い第2半導体層を設ける工程と、
前記基板を、前記第1半導体層が形成された面とは反対側の面から前記第2半導体層が露出するまでエッチングして、第1開口部を前記基板に形成する工程と、
前記第1開口部内に、前記第2半導体層に接する第1金属層を形成する工程と、
を有し、
前記基板と前記第1半導体層との第1界面は、前記第2半導体層と前記第1金属層との第2界面と同一平面内にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記基板は炭化珪素基板であり、前記第1半導体層は窒化物半導体層であり、
前記第1開口部を形成する工程は、フッ素系ガス及び酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングを行う工程を有することを特徴とする付記9乃至13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0113】
100、200、300、400:半導体装置
101:基板
110、210、310:半導体層
121:ソース電極
124:ソース配線
131:開口部
132、136、232:金属層
141、441:ビアホール
142:シード層
143:めっき層
144:ビア配線