(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】電池ユニット保持台及び電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20240409BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240409BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20240409BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20240409BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240409BHJP
H01M 10/6561 20140101ALI20240409BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20240409BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20240409BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/617
H01M10/625
H01M10/6561
H01M10/6568
H01M50/20
(21)【出願番号】P 2020019769
(22)【出願日】2020-02-07
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】大岩 俊之
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-110003(JP,A)
【文献】特開2019-145460(JP,A)
【文献】特開2012-084314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52 - 10/667
H01M 50/20 - 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池ユニットを載置する平面状の載置面と、前記載置面と平行に配置された流体の通流路とが形成された、金属製で板状の座部を備え、
前記通流路の内面には、金属が露出した熱伝導面と樹脂が露出した樹脂面とが形成されている電池ユニット保持台。
【請求項2】
前記熱伝導面は、前記載置面に対向して配置され、
前記樹脂面は、前記熱伝導面よりも前記載置面から離間して配置されている請求項1に記載の電池ユニット保持台。
【請求項3】
前記通流路の延在方向に沿う形状に形成された嵌め込み部を有する樹脂製のスペーサ部材を更に備え、
前記嵌め込み部は、前記通流路内に嵌め込まれており、
前記樹脂面は前記嵌め込み部により構成されている請求項1又は2に記載の電池ユニット保持台。
【請求項4】
前記通流路は貫通孔であり、
前記スペーサ部材は、前記通流路を複数の流路に区画する区画部を有する請求項3に記載の電池ユニット保持台。
【請求項5】
前記通流路は、延在方向に垂直な断面が四角形状の複数の貫通孔であり、
それぞれの前記通流路の内面を構成する四面のうち前記載置面に対向している面は、前記載置面と平行であり、
前記スペーサ部材は、それぞれの前記通流路の内面を構成する四面のうち前記載置面に対向している面を除く三面に接するように嵌め込まれた四角柱状である請求項3又は4に記載の電池ユニット保持台。
【請求項6】
前記スペーサ部材は、前記座部と係合する係合部を有し、
前記係合部は、前記スペーサ部材における前記延在方向の移動を規制する請求項3から5の何れか一項に記載の電池ユニット保持台。
【請求項7】
前記スペーサ部材は、前記座部と係合する係合部を有し、
前記係合部は、前記スペーサ部材における前記熱伝導面と近接離間する方向の移動を規制する請求項3から6の何れか一項に記載の電池ユニット保持台。
【請求項8】
前記嵌め込み部において前記樹脂面を構成する面は、前記嵌め込み部と前記熱伝導面との間の距離が延在方向において変動するように形成されている請求項3から7の何れか一項に記載の電池ユニット保持台。
【請求項9】
前記嵌め込み部において前記樹脂面を構成する面は、前記嵌め込み部と前記熱伝導面との間の距離が延在方向において漸次減少するように形成されている請求項8に記載の電池ユニット保持台。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一項に記載の電池ユニット保持台と、
前記電池ユニット保持台に配列された複数の前記電池ユニットと、を備え、
前記通流路は、複数の前記電池ユニットの配列方向に沿い形成されている電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池ユニット保持台及び電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の角形電池セル(本願の電池ユニット)を積層してなる電池積層体と、電池積層体の一面に熱結合状態に配置され、内部に冷媒を流すことで該電池積層体と熱交換を行うための冷却パイプ(本願の通流路)とを備えた電源装置が記載されている。この電源装置では、冷却パイプが、電池積層体の一面で複数本が互いに離間して配置されている。そして、離間された冷却パイプ同士の間には、樹脂部材が配置されている。電池積層体の一面は、断熱部材で冷却パイプを密閉状態にするように被覆されている。冷却パイプは、電池積層体と対向させる上面を平坦とした扁平型に形成されており、角型電池セルとの接触面積を増やして電池積層体との熱結合を確実なものとしている。これらより、電池積層体を冷却パイプで一面から冷却している。
【0003】
特許文献2には、充放電可能な2つ以上の電池セル(本願の電池ユニット)が積層されている電池セル積層体を含んでいる1つ以上の電池モジュールと、電池モジュールの外部を取り囲んでいるパックケースとを含んだ電池パックが記載されている。この電池パックでは、電池セルから伝導された熱を、パックケースの冷却によって除去している。パックケースは、パックケースの内部空間から隔離した液状冷媒で冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2012/133707号パンフレット
【文献】特表2016-511509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電池ユニットを流体で冷却もしくは加温(以下、単に温調と記載する場合がある)する場合、流体の熱伝達率を十分に確保する必要がある。熱伝達率を十分に確保するためには、例えば特許文献1に際されるように、流体の通流路を扁平形状とするとよい。ここで、通流路をより薄い扁平形状とすれば、熱伝達率を向上させることができるが、単に薄い扁平形状とするのみでは、通流路の加工難易度が上昇する場合や、流路の各部における熱伝達率の調整ができない場合がある。
【0006】
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、簡易に流体の熱伝達率を向上させた電池ユニット保持台及び電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る電池ユニット保持台の特徴構成は、電池ユニットを載置する平面状の載置面と、前記載置面と平行に配置された流体の通流路とが形成された、金属製で板状の座部を備え、前記通流路の内面には、金属が露出した熱伝導面と樹脂が露出した樹脂面とが形成されている点にある。
【0008】
上記構成によれば、電池ユニット保持台は、座部の載置面を介した熱伝導により電池ユニットを温調可能である。この際、電池ユニットは、座部の通流路を流れる流体で温調されるが、通流路の内面を、金属が露出して熱伝導率が高い熱伝導面と樹脂が露出して熱伝導率が低い樹脂面とで形成することで、座部と流体との熱伝導の方向を調整することができる。すなわち、流体から熱伝導面へ向かう方向への熱伝導を大きくすることができる。これにより、簡易に流体の熱伝達率を向上させることができる。なお、例えば通流路の内壁の一部を樹脂で形成するなどすれば、通流路の内面を樹脂面とすることができる。以下では、通流路の内面を、単に内面と記載する場合がある。
【0009】
本発明に係る電池ユニット保持台の更なる特徴構成は、前記熱伝導面は、前記載置面に対向して配置され、前記樹脂面は、前記熱伝導面よりも前記載置面から離間して配置されている点にある。
【0010】
上記構成によれば、内面における、熱伝導率の高い熱伝導面を電池ユニットに対向させて、流体と電池ユニットとの捏伝達率を向上させることができるとともに、電池ユニットに対向していない内面を介した、流体と電池ユニット以外との伝熱を阻害ないし抑制して、流体による電池ユニットの温調効率(冷却効率)を向上させることができる。
【0011】
本発明に係る電池ユニット保持台の更なる特徴構成は、前記通流路の延在方向に沿う形状に形成された嵌め込み部を有する樹脂製のスペーサ部材を更に備え、前記嵌め込み部は、前記通流路内に嵌め込まれており、前記熱伝導面から離間しており、前記樹脂面は前記嵌め込み部により構成されている点にある。
【0012】
上記構成によれば、スペーサ部材の嵌め込み部を通流路に嵌め込むという簡易な加工で、樹脂面を形成しつつ、通流路における熱伝導面とスペーサ部材との間を薄い扁平形状の流路とすることができる。例えば、薄い扁平形状の流路を、金属板への穴あけ加工や引き抜き加工で得るのは加工難易度が高いが、大きな貫通孔(通流路)を形成した後、これをスペーサ部材で狭めて薄く形成する加工は容易なものである。
【0013】
また、上記のようにして通流路を薄い扁平形状の流路とすることで電池ユニットと流体との熱伝達率を向上させることができる。また、スペーサ部材は樹脂で形成されており金属に比べて熱伝導率の低いものであるから、流体と電池ユニット以外との伝熱を阻害ないし抑制して、流体による電池ユニットの温調効率を向上させることができる。
【0014】
本発明に係る電池ユニット保持台の更なる特徴構成は、前記通流路は貫通孔であり、前記スペーサ部材は、前記通流路を複数の流路に区画する区画部を有する点にある。
【0015】
上記構成によれば、貫通孔としての1つの通流路を区画部で区画して複数の流路を形成できる。
【0016】
前記通流路は、延在方向に垂直な断面が四角形状の複数の貫通孔であり、それぞれの前記通流路の内面を構成する四面のうち前記載置面に対向している面は、前記載置面と平行であり、前記スペーサ部材は、それぞれの前記通流路の内面を構成する四面のうち前記載置面に対向している面を除く三面に接するように嵌め込まれた四角柱状である点にある。
【0017】
上記構成によれば、簡易な構造で熱伝導面とスペーサ部材との間を薄い扁平形状の流路とすることができる。
【0018】
本発明に係る電池ユニット保持台の更なる特徴構成は、前記スペーサ部材は、前記座部と係合する係合部を有し、前記係合部は、前記スペーサ部材における前記延在方向の移動を規制する点にある。
【0019】
上記構成によれば、係合部による係合によりスペーサ部材における通流路の延在方向への移動を防止可能である。
【0020】
本発明に係る電池ユニット保持台の更なる特徴構成は、前記スペーサ部材は、前記座部と係合する係合部を有し、前記係合部は、前記スペーサ部材における前記熱伝導面と近接離間する方向の移動を規制する点にある。
【0021】
上記構成によれば、係合部による係合によりスペーサ部材と熱伝導面との距離を一定に保つことができる。
【0022】
本発明に係る電池ユニット保持台の更なる特徴構成は、前記嵌め込み部において前記樹脂面を構成する面は、前記嵌め込み部と前記熱伝導面との距離が延在方向において変動するように形成されている点にある。
【0023】
上記構成によれば、スペーサ部材の嵌め込み部の嵌め込みにより通流路を扁平形状の流路とした際の当該流路の厚みを、通流路の延在方向の各部において異ならせることができる。これにより、通流路の延在方向各部における熱伝達率を任意に調整可能となる。例えば、通流路における熱伝達率を向上させたい部分は嵌め込み部の樹脂面と前記熱伝導面との距離が短くなるように嵌め込み部を形成し、熱伝達率を抑制させたい部分は嵌め込み部の樹脂面と前記熱伝導面との距離が長くなるように嵌め込み部を形成する。
【0024】
本発明に係る電池ユニット保持台の更なる特徴構成は、前記嵌め込み部において前記樹脂面を構成する面は、前記嵌め込み部と前記熱伝導面との距離が延在方向において漸次減少するように形成されている点にある。
【0025】
上記構成によれば、通流路の一方(例えば、流体の入口側)から他方(例えば、流体の出口側)に向けて、熱伝達率を漸次大きくすることができる。流体は、入口から出口に向けてその温度が上昇するため、流体の入口側から出口側に向けて漸次熱伝達率が大きくなるように設計すれば、結果として、通流路各部における電池ユニットの温調状態を均質化して、電池の温調を適切に行える。
【0026】
上記目的を達成するための本発明に係る電池システムの特徴構成は、上記の電池ユニット保持台と、前記電池ユニット保持台に配列された複数の前記電池ユニットと、を備え、前記通流路は、複数の前記電池ユニットの配列方向に沿い形成されている点にある。
【0027】
上記構成によれば、電池システムは、二以上の電池ユニットが電池ユニット保持台上に配列され、当該電池ユニットの配列方向に沿い通流路が形成される。これにより、配列された二以上の電池ユニットを一群として通流路と対応させて、電池ユニットの一群ごとに温調制御を行える。
【発明の効果】
【0028】
流体の熱伝達率を向上させた電池ユニット保持台及び電池システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】保持台を含む電池システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図1に示す電池システムのII-II断面図である。
【
図3】山部における突起部の構成を示す電池システムの断面図である。
【
図4】山部における傾斜部の構成を示す電池システムの断面図である。
【
図5】複数の電池システムを並列配置して車両に搭載した場合のレイアウトを示す平面図である。
【
図10】貫通孔の別の構成を説明する断面図である。
【
図11】貫通孔の別の構成を説明する断面図である。
【
図12】貫通孔の別の構成を説明する断面図である。
【
図13】保持台の別の構成を説明する断面図である。
【
図14】電池システムの別の構成を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面に基づいて、本発明の実施形態に係る電池ユニット保持台及び電池システムについて説明する。以下で説明する電池システムは、例えば、電気自動車(いわゆるEV)や、ハイブリッド車(いわゆるHV)などの蓄電装置として利用される。
【0031】
図1、
図2には、電池ユニット保持台100(以下、保持台100と記載する)上に複数の電池ユニット9を直線上に配列して載置した電池システムSを示している。保持台100と電池ユニット9との間には伝熱媒体3が敷設されている。以下では、鉛直方向における上方を単に上、その逆を単に下と記載する。
図1は、電池システムSを、斜め上から見た斜視図である。
図2は、
図1におけるII-II矢視断面図である。
【0032】
保持台100は、内部を通流する流体(冷媒や熱媒となる液体や流体)により、載置された電池ユニット9を冷却もしくは加温(以下、単に温調と記載する場合がある)する。保持台100は、電池ユニット9に設置した温度センサの検出温度などを参照しつつ、充放電により発熱した電池ユニット9を冷却し、また、例えば外気温の影響を受けて、充放電を行うには低温すぎる電池ユニット9を加温する。これにより、電池ユニット9を充放電に適した温度範囲に保持可能となる。
【0033】
保持台100に用いる流体は、熱を吸収ないし放出可能なものであればよく、液体(例えば、水)や気体(例えば、空気)なども用いることができるが、液体であればLLCなどの不凍液、気体であればフロンガスなどのエアコンガスを用いると便宜である。これら流体の温調については後述する。
【0034】
保持台100は、流体を通流させる貫通孔2(通流路の一例)が内部に形成されており、伝熱媒体3を介して電池ユニット9を載置する座部1と、貫通孔2に嵌め込まれるスペーサ5(スペーサ部材の一例)を備えている。
【0035】
電池ユニット9は、例えば直方体状にパッケージされた蓄電池(例えば、リチウムイオン電池)のユニットである。電池ユニット9は、一つ、もしくは複数の電池セルを有してよく、当該電池セルの充放電を制御する制御回路等を有してもよい。本実施形態では、パッケージとして一体に形成されたものを一つの電池ユニット9と定義している。
【0036】
電池ユニット9は、座部1(保持台100)上に敷設された伝熱媒体3上に載置されており、電池ユニット9の少なくとも一面(本実施形態では鉛直方向における下面)が伝熱媒体3と密に接している。それぞれの電池ユニット9は、最も大きな表面積を有する面同士を対向させた状態で隣接させて配置されている。電池ユニット9は、後述するように、座部1の長手方向に沿い、例えば一列に配列されている。
【0037】
伝熱媒体3は、例えば弾力性と高い熱伝導性を有するゲル状、且つ、シート状の熱伝導シートなどであり、保持台100と電池ユニット9との間の空隙を埋めて熱伝導性を向上させている。伝熱媒体3は、熱伝導シートに代えて伝熱グリスなどを用いてもよい。
【0038】
座部1は、
図2に示すように、上下方向が厚み方向となる平面視(上面視)が矩形状の板状の部材である。座部1は、電池ユニット9を載置する平面状の載置面10と、載置面10と平行に配置された貫通孔2とが形成された金属製で板状の部材である。座部1は、例えば押し出し工法により形成されている。
【0039】
載置面10は、貫通孔2の上面28(熱伝導面の一例)側の板面である。載置面10は、平面状に形成されている。載置面10には、上記のごとく伝熱媒体3が敷設される。載置面10は、伝熱媒体3を介して電池ユニット9を下方から支持している。
【0040】
貫通孔2は、載置面10に沿い形成されている。貫通孔2は、矩形状の座部1における長手方向の一端から他端に向けて貫通して形成されている。貫通孔2は、その延在方向に沿って見た場合の断面形状が略矩形状(矩形状の内周の一部に凹凸が形成された形状)の孔である。また、貫通孔2の当該断面形状は、板状の座部1を長手方向で見た場合の外側形状に沿うものである。貫通孔2の上面28に複数のリブ21が形成されている。貫通孔2における、幅方向(座部1の短手方向に同じ)両側面には、当該幅方向外側に向けて凹む溝(以下、孔溝22と記載する)が形成されている。
図2では、座部1に一つの貫通孔2が形成されており、さらにその貫通孔2にリブ21が6つ、孔溝22が2つ形成されている場合を図示している。
【0041】
リブ21は、貫通孔2の上面28(熱伝導面の一例)から下方に向けて垂下し、貫通孔2の延在方向(座部1の長手方向)に沿い形成されている。リブ21は、例えば、貫通孔2の延在方向における一端から他端に至るまでの全範囲に形成されている。
【0042】
孔溝22は、貫通孔2の延在方向に沿い形成されている。孔溝22は、例えば、貫通孔2の延在方向における一端から他端に至るまでの全範囲に形成されている。
【0043】
スペーサ5は、吸水率が小さい素材で形成された、上下方向が厚み方向となる、上面視で矩形状の板状の部材である。スペーサ5は、本実施形態では樹脂製であるが、アルミやアルミ合金などの他の金属や金属合金で形成してもよい。スペーサ5は、例えば一体成型されている。スペーサ5の長手方向の長さは、貫通孔2の延在方向の長さと同じである。スペーサ5は、その下面を貫通孔2の下面に沿わせて貫通孔2に挿通される。
【0044】
本実施形態では、一つの貫通孔2に対して一つのスペーサ5が挿通される態様で嵌め込まれる。スペーサ5の挿通により、貫通孔2は複数の流体流路20に区画される。これにより、流体流路20の延在方向(貫通孔2の延在方向に同じ)に沿って見た断面が、上下方向の厚みが薄い扁平形状の矩形状に形成される。
【0045】
貫通孔2の内面、すなわち流体流路20の内面は、金属が露出し、且つ、載置面10に対向する上面28(熱伝導面の一例)と、上面28よりも載置面10から離間しており、且つ、樹脂製のスペーサ5の上面58(樹脂面の一例)とを含んで構成される。流体流路20の詳細は後述する。
【0046】
スペーサ5の上面視における長手方向は座部1の長手方向(貫通孔2の延在方向)に沿っており、スペーサ5の上面視における短手方向は座部1の短手方向(貫通孔2の幅方向)に沿っている。スペーサ5の上面側にはリブ状の山部50(嵌め込み部の一例)と溝状の谷部51(係合部の一例、区画部の一例)とがスペーサ5の短手方向において交互に複数形成されている。スペーサ5の短手方向両側面には、短手方向外側に向けて凸になるリブ状のレール52(係合部の他の一例)が形成されている。
【0047】
谷部51は、貫通孔2の延在方向に沿い延在するように形成されている。谷部51は、貫通孔2の延在方向に沿い形成されている。谷部51は、例えば、スペーサ5の長手方向における一端から他端に至るまでの全範囲に形成されている。
【0048】
谷部51には、貫通孔2のリブ21が嵌り、谷部51の底面にリブ21の下面が当接している。これにより、貫通孔2は複数の流体流路20に区画される。
【0049】
山部50は、貫通孔2の延在方向に沿い形成されている。山部50は、例えば、スペーサ5の長手方向における一端から他端に至るまでの全範囲に形成されている。山部50は、隣接する2つの谷部51により、又は谷部51とレール52とにより形成されている。
【0050】
山部50の上面はおよそ平面状に形成されているが、一部の区間(例えば、
図1の区間Aや区間B)においては、山部50の上面の一部を隆起させた突起部55(
図3参照)や、当該上面の一部を陥没させて一方向の傾斜を設けた傾斜部59(
図4参照)が形成されていてもよい。突起部55や傾斜部59については後述する。なお、
図3、
図4は、流体流路20(貫通孔2)の延在方向に沿い、且つ、載置面10に交差する、流体流路20を含む断面図である。
【0051】
図2に示すように、山部50の幅は、流体流路20の幅と略同一に形成されており、山部50は流体流路20に嵌るようになっている。この際、山部50の上面は、貫通孔2の上面28と離間している。これにより、流体流路20は、厚み方向が薄い扁平形状の流路となり、流体流路20を通流する流体から座部1を介した電池ユニット9への熱伝達率を増大させることができる。なお、流体流路20の厚みは、山部50の高さを変更することで調整可能である。具体的には、山部50の高さを低くすれば流体流路20の厚みが厚くなり、山部50の高さを高くすれば流体流路20の厚みが薄くなる。
【0052】
レール52は、貫通孔2の延在方向に沿い形成されている。レール52は、貫通孔2の延在方向に沿い形成されている。レール52は、例えば、スペーサ5の長手方向における一端から他端に至るまでの全範囲に形成されている。レール52は、孔溝22に密に嵌るようになっている。
【0053】
本実施形態では、レール52の上下面をそれぞれ、孔溝22の上下面と当接させている。これにより、スペーサ5が座部1に対し、上下方向において固定支持される。そのため、スペーサ5が貫通孔2の上面28と近接離間する動きを規制して座部1に固定することができ、流体流路20を通流する流体の熱伝達率の変動を抑制できる。
【0054】
また本実施形態では、レール52の側面(スペーサ5における短手方向に向く面)を、孔溝22の底面(貫通孔2における幅方向に向く面)と当接させている。これにより、スペーサ5が座部1に対し、短手方向において固定支持される。そのため、スペーサ5の幅方向のがたつきを防止できる。
【0055】
加えて、上記のごとくレール52の上下面及び側面が、それぞれ孔溝22の上下面及び側面と当接することで、それぞれの面に摩擦力が生じ、スペーサ5における、その長手方向(貫通孔2の延在方向)への移動を規制して座部1に固定することができる。
【0056】
なお、スペーサ5の座部1への固定をさらに確実ならしめるために、レール52に加えて、もしくはレール52に代えて、スペーサ5に、座部1ないし貫通孔2に引っ掛ける構造(例えば、スナップフィット構造)を設けるなどしてもよい。
【0057】
図3に示すように、突起部55は、流体流路20を通流する流体に渦流などの乱流を生じさせるための障害物(いわゆる邪魔板)である。突起部55は、例えば、流体の通流方向における後方側(上流側)が単調、且つ、前方側に向かうにつれて緩やかに立ち上がる傾斜面で、前方側(下流側)が単調、且つ、前方側に向かうにつれて急激に下る傾斜面を有し、その陵部が流体の通流方向に交差する向きに配置される山状に形成される。流体流路20において、流体が突起部55を超えて通流する際に、流体の通流方向における突起部55の前方側で乱流が生じることで、流体流路20を通流する流体から座部1を介した電池ユニット9への熱伝達率を増大させることができる。突起部55は、その高さを高くするほどより激しい乱流が生じて熱伝達率が増大する。突起部55は、その高さが低い場合には緩やかな乱流しか生じないが熱伝達率が微増する。
【0058】
突起部55は、流体流路20における、熱伝達率を高めたい位置に設けるとよい。突起部55は、例えば、
図1、
図5に示すような、流体の通流方向(座部1の長手方向)における保持台100の中間部分(
図1及び
図5の区間B)の流体流路20に配置するとよい。保持台100の中間部分上に載置された電池ユニット9は、両面を他の電池ユニット9に挟み込まれており、最も自然冷却されにくく昇温しやすい(熱がこもりやすい)ことから、区間Bの熱伝達率を増大させることで、それぞれの電池ユニット9の冷却状態を均質化することができる。これにより、電池ユニット9を良好に温調できる。
【0059】
図4に示すように、傾斜部59は、流体流路20における上下方向の厚みを増大させるために設ける。傾斜部59は、流体流路20における、流体の入口側(
図1及び
図5の区間A)に配置し、流体の通流方向前方(下流側)に向かうにつれて単調に立ち上がる傾斜面とする。これにより、流体流路20の入口近傍における流体流路20の厚みを増大させて、当該入口近傍における、流体流路20を通流する流体から座部1を介した電池ユニット9への熱伝達率を減少させることができる。電池ユニット9を冷却ないし加温する場合は、流体流路20における入口側の流体の温度が最も低く、もしくは高く、出口側の流体の温度が最も高く、もしくは低くなることから、流体流路20の入口近傍における熱伝達率を減少させることで、流体の通流方向の各部における流体から座部1を介した電池ユニット9への熱伝達率を均質化することができる。これにより、電池ユニット9を良好に温調できる。
【0060】
図5には、車両(たとえば、EV)の車体Cに電池システムSを搭載した場合における、保持台100へ流体を供給排出するための配管等に関する配置の一例を示している。
図5では、車体Cの長手方向(車両の走行方向)に、複数の電池システムSの長手方向側面を隣接させて、一列に配列している。それぞれの電池システムSは、車体Cの長手方向と交差する方向に電池システムSの電池ユニット9が配列される位置関係で、車体Cに搭載されている。
【0061】
電池システムSは、流体を温調する温調装置T(
図6参照)と接続されており、温調された流体が循環する循環路6が接続されている。温調装置Tは、循環路6を循環する流体を冷却もしくは加温することで、電池ユニット9を冷却もしくは加温する。
【0062】
図5に示すように、循環路6は、第一導入ヘッダパイプ61と、第二導入ヘッダパイプ62と、電池システムSのそれぞれの流体流路20に接続されており、電池システムSに流体を供給する導入路63と、それぞれの流体流路20に接続されており、電池システムSから流体を排出される排出路64と、第二排出ヘッダパイプ65と、第一排出ヘッダパイプ66とを備えている。
【0063】
第二導入ヘッダパイプ62は、それぞれの電池システムS(保持台100)毎に設けられ、その保持台100に接続された複数の導入路63のそれぞれに流体を分配する分岐配管ユニットである。
【0064】
第一導入ヘッダパイプ61は、それぞれの電池システムS(保持台100)毎に設けられた第二導入ヘッダパイプ62のそれぞれに流体を分配する分岐配管ユニットである。
【0065】
第二排出ヘッダパイプ65は、それぞれの電池システムS(保持台100)毎に設けられ、その保持台100に接続された複数の排出路64のそれぞれから流体を集約する分岐配管ユニットである。
【0066】
第一排出ヘッダパイプ66は、それぞれの電池システムS(保持台100)毎に設けられた第二排出ヘッダパイプ65のそれぞれから流体を集約する分岐配管ユニットである。
【0067】
エアコンやラジエータで温調された流体は、循環路6の上流側から第一導入ヘッダパイプ61へ供給されて、それぞれの第二導入ヘッダパイプ62に分配される。更に流体は、第二導入ヘッダパイプ62からそれぞれの導入路63に分配される。更に流体は、導入路63から流体流路20へ供給されて、それぞれの電池ユニット9と熱交換した後、排出路64へ排出される。排出された流体は、第二排出ヘッダパイプ65及び第一排出ヘッダパイプ66で集約されて循環路6の下流側へ戻されて、再びエアコンやラジエータで温調される。
【0068】
なお、
図1、
図2などに示すように、流体流路20における下面側に熱伝導率の小さい樹脂製のスペーサ5が配置されているため、
図5に示すように電池システムSを車両の車体Cに搭載した状態では、路面(地面)から電池システムSへの輻射熱の伝熱や、電池システムSから車体の底面を介した車外への放熱(外気による冷却)を抑制することができる。これにより、電池ユニット9の温調の効率が向上する。
【0069】
図6には、保持台100(循環路6)を循環させる流体(
図6ではLLC)の温調機構Tを示している。
図6では、ポンプPにより流体を循環路6に循環させている。
【0070】
ポンプPの下流側には第一導入ヘッダパイプ61(
図5参照)を介して複数の電池システムSが接続されており、以下順に下流側に向けて、切換え弁V、ラジエータR、ヒートポンプシステムHP、及びヒータHが接続されている。ヒータHの下流側はポンプPの上流側に接続されており、循環路流路としての循環路6を構成している。
【0071】
ヒートポンプシステムHPは、環状の流路であって、内部にフロンガスなどの流体(以下、冷媒ガスと記載する)を循環させる循環路7と、循環路7上に直列に接続されたコンプレッサCPと、コンデンサCDと、及び膨張弁BVとをこの順に備える。コンプレッサCPで断熱圧縮された冷媒ガスは、コンデンサCDで冷却されて凝縮し、膨張弁BVへ供給されて減圧される。膨張弁BVで減圧された冷媒ガスは、エバポレータEで断熱膨張してその温度を低下させ、循環路6を通流する流体を冷却(熱交換)する。この熱交換により温度上昇した冷媒ガスはコンプレッサCPへ戻される。
【0072】
切換え弁Vは、ラジエータRを迂回してヒートポンプシステムHPに接続されたバイパス路6bと接続されており、電池システムSから排出された流体を、ラジエータRもしくはヒートポンプシステムHPに供給する。切換え弁Vは、上流側から供給された流体を下流側の2つの流路のいずれか一方に供給するように流路を切替え可能な弁(本実施形態ではいわゆる三方弁)である。
【0073】
電池システムSから排出された流体を冷却する場合は、切換え弁Vの流路を、流体がラジエータRに供給されるように設定する。ラジエータRでは、流体を外気と熱交換させて冷却する。その後、流体はヒートポンプシステムHPで冷却される。
【0074】
電池システムSから排出された流体を加温する場合は、切換え弁Vにより、流体をヒートポンプシステムHPに直接供給する。この場合、ヒートポンプシステムHPのコンプレッサCPは動作させず、流体はそのまま(ヒートポンプシステムHPで熱交換せず)ヒータHに供給し、ヒータHで加温する。
【0075】
以上のようにして、流体の熱伝達率を向上させた電池ユニット保持台及び電池システムを提供することができる。
【0076】
〔別実施形態〕
(1)上記第実施形態では、保持台100は、座部1に一つの貫通孔2が形成されている場合を説明したが、貫通孔2は座部1に複数形成可能である。この場合、それぞれの貫通孔2に対してそれぞれ別個のスペーサ5が嵌め込まれる。個々の貫通孔2の形状は、同一でなくてもよい。例えば、幅の異なる複数の貫通孔2を座部1に形成してもよい。
【0077】
(2)上記実施形態では、保持台100は、貫通孔2の上面28にリブ21が6つ(複数)形成されている場合を説明したが、リブ21は、
図7に示すように、例えば貫通孔2の幅が狭い場合は設けない場合もある。
図7には、リブ21を有さない4つ(複数)の幅の狭い貫通孔2(貫通孔2A~2D)が座部1に形成されており、それぞれの貫通孔2に別個のスペーサ5(スペーサ5A~5D)が嵌め込まれている場合を示している。この場合では、一つの貫通孔2に対して一つの流体流路20が形成される。
図7に示すスペーサ5は、谷部51が形成されていない。
【0078】
図7に示す保持台100の変形例として、例えば、リブ21を複数有する貫通孔2と、リブ21を有さない貫通孔2とを混在させて座部1に形成してもよい。例えば、流体流路20を5つ形成する場合、リブ21を3つ有する1つの貫通孔2と、リブ21を有さない一つの貫通孔2とを混在させてもよい。
【0079】
(3)上記実施形態では、保持台100は、スペーサ5の短手方向両側面にレール52が形成されている場合を説明したが、
図8に示すように、レール52が省略してもよい。なお、レール52が省略する場合は、
図8に示すように、貫通孔2の孔溝22も省略可能である。
【0080】
(4)上記実施形態では、保持台100は、スペーサ5の短手方向両側面にレール52が形成されている場合を説明したが、
図8に示すように、レール52が省略してもよい。なお、レール52が省略する場合は、
図8に示すように、貫通孔2の孔溝22も省略可能である。
【0081】
(5)上記実施形態では、保持台100における座部1の一つの貫通孔2に対して一つのスペーサ5が挿通される場合を説明した。また、スペーサ5が一体成型されている場合を説明した。しかし、一つの貫通孔2に対して、分割されたスペーサ5を挿通してもよい。
図9には、スペーサ5がピース5a~5dの集合で構成されており、一つの貫通孔2に対してピース5a~5dがスペーサ5として嵌め込まれている場合を図示している。
図9では、スペーサ5の長手方向で見たピース5a~5dの断面形状が同一である場合を図示しているが、ピース5a~5dの断面形状は異ならせてもよい。
【0082】
(6)上記実施形態では、保持台100における座部1の貫通孔2は、その延在方向で見た場合の断面形状が略矩形状の穴であり、また、板状の座部1を長手方向で見た場合の外側形状に沿うものである場合を説明した。しかし、貫通孔2の断面形状は矩形状に限られず、また、座部1の外側形状に沿うものでなくてもよい。
【0083】
貫通孔2は、例えば
図10や
図11に示すような、その延在方向で見た場合の断面形状が、長径方向が載置面10と平行になる長円形状(
図10)や楕円形状(
図11)であってもよい。なお、
図10、
図11には、一つの貫通孔2に対して一つの流体流路20が形成される場合を示しており、一つの貫通孔2に対して一つのスペーサ5が挿通されている。
【0084】
図10、
図11に示すスペーサ5は、レール52を省略する代わりに、スペーサ5の上下方向における厚みを貫通孔2の鉛直方向による厚みの半分よりも厚く形成されている。更に、スペーサ5の幅方向における両端部を貫通孔2の長円形状もしくは楕円形状の頂部(幅方向におけるもっとも幅が広くなる部分)に当接させている。これにより、スペーサ5は、座部1に対して上下方向において固定支持されている。
【0085】
また、貫通孔2は、例えば
図12に示すような、その延在方向で見た場合の断面形状が、短辺が載置面10と平行になる台形状であってもよい。なお、
図12には、一つの貫通孔2に対して一つの流体流路20が形成される場合を示しており、一つの貫通孔2に対して一つのスペーサ5が挿通されている。
【0086】
図12に示すスペーサ5は、レール52を省略する代わりに、スペーサ5の下方側(
図11の場合は、スペーサ5の底辺)の幅が上方側の幅よりも幅広に形成されている。更に、スペーサ5の底辺の両端部を貫通孔2の幅方向における両方の頂部に当接させいる。これにより、スペーサ5は、座部1に対して上下方向において固定支持されている。
【0087】
(7)上記実施形態では、保持台100が流体を通流させる貫通孔2が形成された座部1を備えている場合を説明した。しかし、座部1は、貫通孔2に代えて、
図13に示すように、流路溝2X(通流路の他の一例)を備えてもよい。
【0088】
図13には、座部1における、載置面10と反対側の面(以下、下面と記載する)に、流路溝2Xが複数形成されている場合を示している。この場合、スペーサ5は、その上面58の内、短手方向における両側部の上面(レール52の上面)を座部1の下面に対して密に当接させた状態で、その山部50をリブ21に沿わせて流路溝2Xに嵌め込むことで、厚み方向が薄い扁平形状の流体流路20を形成することができる。
図12では、レール52と座部1との間にガスケットなどのシール材Gを挟み込むことで、スペーサ5の上面58を座部1の下面に密に当接させてシール(封を)して、流路溝2Xからの流体の漏れを防止している。
【0089】
(8)上記実施形態では、保持台100における座部1の貫通孔2の上面28にリブ21が6つ(複数)形成されており、且つ、貫通孔2における、幅方向(座部1の短手方向に同じ)両側面には、当該幅方向外側に向けて凹む孔溝22が形成されている場合を説明した。しかしながら、
図13に示すように、孔溝22を設けない場合もある。
【0090】
図14には、リブ21及び孔溝22を有さない4つ(複数)の幅の狭い貫通孔2(貫通孔2α~2δ)が座部1に形成されており、それぞれの貫通孔2に別個のスペーサ5(スペーサ5α~5δ)が嵌め込まれている場合を示している。この場合では、一つの貫通孔2に対して一つの流体流路20が形成される。
【0091】
それぞれの貫通孔2は、その延在方向に垂直な断面が四角形状(矩形状)である。貫通孔2の内面を構成する四面のうち載置面10に対向している上面28は、載置面10と平行である。スペーサ5は、貫通孔2の内面を構成する四面のうち載置面10に対向している上面28を除く三面に接するように嵌め込まれた四角柱状である。
【0092】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、電池ユニット保持台及び電池システムに適用できる。
【符号の説明】
【0094】
1 :座部
2 :貫通孔(通流路)
2A :貫通孔(通流路)
2B :貫通孔(通流路)
2C :貫通孔(通流路)
2D :貫通孔(通流路)
2X :流路溝(通流路)
2α :貫通孔(通流路)
2β :貫通孔(通流路)
2γ :貫通孔(通流路)
2δ :貫通孔(通流路)
3 :伝熱媒体
5 :スペーサ
5α :スペーサ
5β :スペーサ
5γ :スペーサ
5δ :スペーサ
6 :循環路
9 :電池ユニット
10 :載置面
20 :流体流路(流路)
28 :上面(熱伝導面)
50 :山部(嵌め込み部)
51 :谷部(係合部、区画部)
52 :レール(係合部)
55 :突起部
58 :上面(樹脂面)
100 :保持台
S :電池システム