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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】樹脂粒子
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20240409BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20240409BHJP
   C08J 3/16 20060101ALI20240409BHJP
   G03G 9/08 20060101ALI20240409BHJP
   G03G 9/09 20060101ALI20240409BHJP
   G03G 9/087 20060101ALI20240409BHJP
   G03G 9/093 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K5/00
C08J3/16 CER
C08J3/16 CEZ
G03G9/08 391
G03G9/09
G03G9/087
G03G9/093
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020024713
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021127431
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 幸晃
(72)【発明者】
【氏名】高橋 賢
(72)【発明者】
【氏名】兼房 龍太郎
【審査官】中落 臣諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-102413(JP,A)
【文献】特開2010-072643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L1/00-101/14
C08K3/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂、蛍光着色剤A、及び、前記蛍光着色剤A以外の着色剤Bを含む樹脂粒子であって、
前記樹脂粒子において、前記蛍光着色剤Aの含有量が前記着色剤Bよりも多い領域RAと、前記着色剤Bの含有量が前記蛍光着色剤Aよりも多い領域RBとが存在し、前記領域RAと前記領域RBとが海島構造、又は、相互侵入網目構造を形成している
樹脂粒子。
【請求項2】
前記樹脂粒子において、前記領域RAと前記領域RBとが海島構造を形成している請求項に記載の樹脂粒子。
【請求項3】
前記領域RAが島構造を形成し、前記領域RBが海構造を形成している請求項に記載の樹脂粒子。
【請求項4】
前記海島構造における島構造の体積平均粒径VIと前記樹脂粒子の体積平均粒径VTとの比(VI/VT)の値が、0.15以上0.80以下である請求項に記載の樹脂粒子。
【請求項5】
前記海島構造における島構造の体積平均粒径VIと前記樹脂粒子の体積平均粒径VTとの比(VI/VT)の値が、0.30以上0.65以下である請求項に記載の樹脂粒子。
【請求項6】
前記蛍光着色剤Aが、蛍光染料である請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
【請求項7】
前記蛍光染料が、波長580nm~650nmの範囲に極大蛍光波長を有する蛍光染料を含む請求項に記載の樹脂粒子。
【請求項8】
前記着色剤Bが、マゼンタ顔料を含む請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
【請求項9】
前記着色剤Bが、2種以上のマゼンタ顔料を含む請求項に記載の樹脂粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂粒子は様々な応用先があるが、そのひとつとして電子写真法におけるトナーが挙げられる。従来のトナーとしては、特許文献1乃至3に記載されたものが知られている。
特許文献1には、結着樹脂及び着色剤を含有するトナーであって、前記着色剤が、着色顔料と蛍光染料とを含有し、トナー中における、前記着色顔料、前記蛍光染料の質量基準の含有量をそれぞれW、Wとしたとき、前記Wと前記Wとが、下式(1)
×0.5>W>W×0.025 (1)
を満たし、前記着色顔料の吸収ピーク波長をPとし、前記蛍光染料の発光ピーク波長をPとしたとき、前記Pと前記Pとが、下式(2)
<P (2)
を満たすことを特徴とするトナーが開示されている。
【0003】
特許文献2には、ローダミン染料と高酸価樹脂とを熱混練して得たマゼンタ系着色剤に、結着樹脂および必要に応じた他のトナー材料を混練してなることを特徴とする電子写真用負帯電マゼンタトナーが開示されている。
【0004】
特許文献3には、結着樹脂中に塩基性染料と酸価5~120の樹脂との混合熱処理物を着色剤として含むことを特徴とするカラートナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-3818号公報
【文献】特開平11-119742号公報
【文献】特開昭54-5733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、結着樹脂、蛍光着色剤A、及び、前記蛍光着色剤A以外の着色剤Bを含む樹脂粒子において、前記蛍光着色剤Aの含有量が前記着色剤Bよりも多い領域RAと、前記着色剤Bの含有量が前記蛍光着色剤Aよりも多い領域RBとが存在しない場合に比べ、得られる画像の蛍光強度が高い樹脂粒子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
<1> 結着樹脂、蛍光着色剤A、及び、前記蛍光着色剤A以外の着色剤Bを含む樹脂粒子であって、前記樹脂粒子において、前記蛍光着色剤Aの含有量が前記着色剤Bよりも多い領域RAと、前記着色剤Bの含有量が前記蛍光着色剤Aよりも多い領域RBとが存在する樹脂粒子。
<2> 前記樹脂粒子において、前記領域RAと前記領域RBとが海島構造、又は、相互侵入網目構造を形成している<1>に記載の樹脂粒子。
<3> 前記樹脂粒子において、前記領域RAと前記領域RBとが海島構造を形成している<2>に記載の樹脂粒子。
<4> 前記領域RAが島構造を形成し、前記領域RBが海構造を形成している<3>に記載の樹脂粒子。
<5> 前記海島構造における島構造の体積平均粒径VIと前記樹脂粒子の体積平均粒径VTとの比(VI/VT)の値が、0.15以上0.80以下である<4>に記載の樹脂粒子。
<6> 前記海島構造における島構造の体積平均粒径VIと前記樹脂粒子の体積平均粒径VTとの比(VI/VT)の値が、0.30以上0.65以下である<5>に記載の樹脂粒子。
<7> 前記蛍光着色剤Aが、蛍光染料である<1>乃至<6>のいずれか1つに記載の樹脂粒子。
<8> 前記蛍光染料が、波長580nm~650nmの範囲に極大蛍光波長を有する蛍光染料を含む<7>に記載の樹脂粒子。
<9> 前記着色剤Bが、マゼンタ顔料を含む<1>乃至<8>のいずれか1つに記載の樹脂粒子。
<10> 前記着色剤Bが、2種以上のマゼンタ顔料を含む<9>に記載の樹脂粒子。
【発明の効果】
【0008】
前記<1>、<8>又は<9>に係る発明によれば、結着樹脂、蛍光着色剤A、及び、前記蛍光着色剤A以外の着色剤Bを含む樹脂粒子において、前記蛍光着色剤Aの含有量が前記着色剤Bよりも多い領域RAと、前記着色剤Bの含有量が前記蛍光着色剤Aよりも多い領域RBとが存在しない場合に比べ、得られる画像の蛍光強度が高い樹脂粒子が提供される。
前記<2>に係る発明によれば、前記領域RAと前記領域RBとがコアシェル構造を形成している場合に比べ、得られる画像の蛍光強度がより高い樹脂粒子が提供される。
前記<3>に係る発明によれば、前記領域RAと前記領域RBとが相互侵入網目構造を形成している場合に比べ、得られる画像の蛍光強度がより高い樹脂粒子が提供される。
前記<4>に係る発明によれば、前記領域RAが海構造を形成し、前記領域RBが島構造を形成している場合に比べ、得られる画像の蛍光強度がより高い樹脂粒子が提供される。
前記<5>に係る発明によれば、前記海島構造における島構造の体積平均粒径VIと前記樹脂粒子の体積平均粒径VTとの比(VI/VT)の値が、0.15未満又は0.80超である場合に比べ、得られる画像の蛍光強度がより高い樹脂粒子が提供される。
前記<6>に係る発明によれば、前記海島構造における島構造の体積平均粒径VIと前記樹脂粒子の体積平均粒径VTとの比(VI/VT)の値が、0.30未満又は0.65超である場合に比べ、得られる画像の蛍光強度がより高い樹脂粒子が提供される。
前記<7>に係る発明によれば、前記蛍光着色剤Aが、蛍光顔料である場合に比べ、得られる画像の蛍光強度がより高い樹脂粒子が提供される。
前記<10>に係る発明によれば、前記着色剤Bが、マゼンタ顔料を1種のみ含む場合に比べ、得られる画像の蛍光強度がより高い樹脂粒子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来のトナー画像の一例を示す断面模式図である。
図2】本実施形態に係る樹脂粒子を静電荷像現像用トナーとして用いたトナー画像の一例を示す断面模式図である。
図3】本実施形態に用いられる画像形成装置を示す概略構成図である。
図4】本実施形態に用いられるプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
【0011】
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
【0012】
<樹脂粒子>
本実施形態に係る樹脂粒子は、結着樹脂、蛍光着色剤A、及び、前記蛍光着色剤A以外の着色剤Bを含む樹脂粒子であって、前記樹脂粒子において、前記蛍光着色剤Aの含有量が前記着色剤Bよりも多い領域RAと、前記着色剤Bの含有量が前記蛍光着色剤Aよりも多い領域RBとが存在する。
【0013】
近年、デジタル印刷では商業印刷、出版及び紙器パッケージ分野向けの印刷機や特色トナーを訴求した機種が各社から発売されている。蛍光色は通常の特色と同じようにPANTONE社のネオンガイドやDIC社のDICカラーガイド、東洋インキ社のCOLOR FINDERなどの色見本帳やカラーチップを使用して、蛍光感が強い色から淡い色まで様々な色が選択されることが多い。しかしながら、蛍光着色剤と顔料とを含むことにより色味を調整したトナーを用い蛍光色を再現しようとした場合、蛍光顔料の量から期待される蛍光強度よりも低くなることがある。
本発明者らが詳細な検討を行った結果、樹脂粒子において、蛍光着色剤Aと前記蛍光着色剤A以外の着色剤Bが均一に近い状態に混合されている場合、蛍光着色剤Aの蛍光(励起)に必要な光を着色剤Bが吸収してしまうため、蛍光強度が弱くなってしまうことを見出した。
本実施形態に係る樹脂粒子は、上記構成により、得られる画像の蛍光強度が高い。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
樹脂粒子において、前記蛍光着色剤Aの含有量が前記着色剤Bよりも多い領域RAと、前記着色剤Bの含有量が前記蛍光着色剤Aよりも多い領域RBとが存在する場合、蛍光着色剤Aが多く存在する部分のみ光を通過及び反射することもあることから、着色剤Bによる蛍光着色剤Aの蛍光強度の低下が抑制され、得られる画像の蛍光強度が高い。
【0014】
以下、本実施形態に係る樹脂粒子について詳細に説明する。
【0015】
樹脂粒子は、結着樹脂と、蛍光着色剤Aと、前記蛍光着色剤A以外の着色剤Bと、必要に応じて、離型剤と、その他添加剤とを含有し、結着樹脂、蛍光着色剤A、前記蛍光着色剤A以外の着色剤B、及び、離型剤を含有することが好ましい。
また、前記樹脂粒子において、前記蛍光着色剤Aの含有量が前記着色剤Bよりも多い領域RAと、前記着色剤Bの含有量が前記蛍光着色剤Aよりも多い領域RBとが存在する。
図1は、従来のトナー画像の一例を示す断面模式図である。
従来の蛍光着色剤、及び、前記蛍光着色剤以外の着色剤を含むトナーを用いたトナー画像では、記録媒体50上に形成されたトナー画像52は、蛍光着色剤、及び、前記蛍光着色剤以外の着色剤が均一に近い状態に混合した混色領域58となっており、蛍光着色剤の蛍光に対し、着色剤の吸収の影響が大きく生じる。
一方、図2は、本実施形態に係る樹脂粒子を静電荷像現像用トナーとして用いたトナー画像の一例を示す断面模式図である。
本実施形態に係る樹脂粒子を静電荷像現像用トナーとして用いたトナー画像である、記録媒体50上に形成されたトナー画像52は、前記蛍光着色剤Aの含有量が前記着色剤Bよりも多い領域54(領域RA)と、前記着色剤Bの含有量が前記蛍光着色剤Aよりも多い領域56(領域RB)とが存在しており、特に領域54(領域RA)の部分において、蛍光着色剤Aの蛍光に対する着色剤Bの吸収による影響が小さく、全体として、得られる画像の蛍光強度が高くなり、結果的に、全体として、鮮やかさ(彩度)も向上する。
【0016】
前記領域RAは、蛍光強度の観点から、含まれる着色剤の全質量に対し、前記蛍光着色剤Aの含有量が80質量%以上である領域を含むことが好ましく、含まれる着色剤の全質量に対し、前記蛍光着色剤Aの含有量が90質量%以上である領域を含むことがより好ましく、含まれる着色剤として、前記蛍光着色剤Aのみを含む領域を含むことが特に好ましい。
また、前記領域RBは、蛍光強度の観点から、含まれる着色剤の全質量に対し、前記着色剤Bの含有量が80質量%以上である領域を含むことが好ましく、含まれる着色剤の全質量に対し、前記着色剤Bの含有量が90質量%以上である領域を含むことがより好ましく、含まれる着色剤として、前記着色剤Bのみを含む領域を含むことが特に好ましい。
【0017】
蛍光強度の観点から、前記樹脂粒子に含まれる前記蛍光着色剤Aの全質量のうち、80質量%以上が前記領域RAに含まれることが好ましく、90質量%以上が前記領域RAに含まれることがより好ましい。
また、蛍光強度の観点から、前記樹脂粒子に含まれる前記着色剤Bの全質量のうち、80質量%以上が前記領域RBに含まれることが好ましく、90質量%以上が前記領域RBに含まれることがより好ましい。
更に、蛍光強度の観点から、前記樹脂粒子に含まれる前記蛍光着色剤Aの全質量のうち、80質量%以上が前記領域RAに含まれ、かつ、前記着色剤Bの全質量のうち、80質量%以上が前記領域RBに含まれることが好ましく、前記樹脂粒子に含まれる前記蛍光着色剤Aの全質量のうち、90質量%以上が前記領域RAに含まれ、かつ、前記着色剤Bの全質量のうち、90質量%以上が前記領域RBに含まれることがより好ましい。
【0018】
前記樹脂粒子において、前記領域RAと前記領域RBとが形成している構造としては、特に制限はないが、海島構造、相互侵入網目構造、コアシェル構造等の構造が挙げられる。
中でも、前記樹脂粒子において、蛍光強度の観点から、前記領域RAと前記領域RBとが海島構造、又は、相互侵入網目構造を形成していることが好ましく、海島構造を形成していることがより好ましい。
また、前記海島構造としては、蛍光強度の観点から、前記領域RAが島構造を形成し、前記領域RBが海構造を形成していることが特に好ましい。
【0019】
更に、前記海島構造における島構造の体積平均粒径VIと前記樹脂粒子の体積平均粒径VTとの比(VI/VT)の値は、蛍光強度の観点から、0.15以上0.80以下であることが好ましく、0.20以上0.75以下であることがより好ましく、0.30以上0.65以下であることが特に好ましい。
また、前記樹脂粒子として、2以上の海構造を有する樹脂粒子を少なくとも含むことが好ましい。
前記海島構造における島構造の体積平均粒径は、特に制限はないが、1μm以上(樹脂粒子の体積平均粒径)未満であることが好ましく、2μm以上(樹脂粒子の体積平均粒径)未満であることがより好ましく、2.5μm以上(樹脂粒子の体積平均粒径)未満であることが更に好ましく、2.5μm以上(樹脂粒子の体積平均粒径-1μm)以下であることが特に好ましい。
【0020】
樹脂粒子における前記海島構造等の確認方法は、以下の方法により行う。
樹脂粒子を樹脂に包埋し、試料を作製する。ミクロトームにより、作製した試料から切片を作製する。作製した切片を、イオンミリング装置RES101(ライカ社製)で表面平滑化(CP)/エッチング(IM)処理を施す。前記処理を施した切片における樹脂粒子の断面画像を光学顕微鏡で観察し、領域RAと領域RBとの色の差異等により海島構造等を確認する。
また、前記樹脂粒子の海島構造における島構造の体積平均粒径VIは、前記海島構造等の確認方法と同様な方法により、樹脂粒子50個以上の断面観察を行い、海島構造における島構造の円相当径を測定し、円相当径の大きな島構造50個について平均をとり、島構造の体積平均粒径VIとする。
【0021】
また、樹脂粒子の断面において、前記領域RAの割合は、10面積%以上90面積%以下であることが好ましく、20面積%以上80面積%以下であることがより好ましい。
前記領域RAの割合の測定方法は、前記のように、樹脂粒子50個以上の断面観察を行い、平均値をとるものとする。
【0022】
-蛍光着色剤A-
蛍光着色剤Aは、蛍光を示す着色剤であればよいが、可視光領域(波長380nm以上760nm以下)の蛍光を示す着色剤であることが好ましい。また、蛍光着色剤Aを励起させる光は、特に制限はないが、可視光、又は、紫外光を少なくとも含むことが好ましく、紫外光を少なくとも含むことがより好ましい。
更に、蛍光着色剤Aは、蛍光顔料であっても、蛍光染料であってもよいが、蛍光染料であることが好ましい。
なお、本実施形態において、「顔料」とは、23℃の水100gに対する溶解度、及び、23℃のシクロヘキサノン100gに対する溶解度が、それぞれ0.1g未満である着色剤であり、「染料」とは、23℃の水100gに対する溶解度、又は、23℃のシクロヘキサノン100gに対する溶解度が、0.1g以上である着色剤である。
【0023】
また、蛍光着色剤Aの色は、特に制限はなく、所望に応じ適宜選択すればよい。
蛍光着色剤Aとしては、例えば、蛍光ピンク着色剤、蛍光レッド着色剤、蛍光オレンジ着色剤、蛍光イエロー着色剤、蛍光グリーン着色剤、蛍光パープル着色剤等が挙げられる。
中でも、蛍光ピンク着色剤、蛍光レッド着色剤、蛍光オレンジ着色剤、蛍光イエロー着色剤、又は、蛍光グリーン着色剤であることが好ましく、蛍光ピンク着色剤、蛍光イエロー着色剤、又は、蛍光グリーン着色剤であることがより好ましく、蛍光ピンク着色剤であることが特に好ましい。
また、本実施形態に係る樹脂粒子は、蛍光色樹脂粒子であることが好ましく、蛍光ピンク樹脂粒子、蛍光イエロー樹脂粒子、又は、蛍光グリーン樹脂粒子であることがより好ましく、蛍光ピンク樹脂粒子であることが特に好ましい。
【0024】
蛍光着色剤の、分光反射率における蛍光ピーク波長は、所望の色によって適宜選択が可能である。例えば、色として、蛍光のピンクを表現したい場合は、560nm以上670nm以下に有することが好ましく、580nm以上650nm以下に有することがより好ましい。
蛍光色の各色におけるスペクトルの一例を、以下に示す。縦軸は蛍光強度、横軸は波長を示す。なお、“mμ”=“nm”である。
【0025】
【化1】
【0026】
また、蛍光着色剤は、前記蛍光ピーク波長における分光反射率の値が、画像の粒状性の観点から、104%以上であることが好ましく、108%以上であることがより好ましく、112%以上であることが特に好ましい。
【0027】
蛍光着色剤Aとしては、公知の蛍光着色剤を用いることができ、具体的には、例えば、Basic Red 1(ローダミン6G)、Basic Red 1:1、Basic Red 2、Basic Red 12、Basic Red 13、Basic Red 14、Basic Red 15、Basic Red 36、Basic Violet 7、Basic Violet 10(ローダミンB)、Basic Violet 11(ローダミン3B)、Basic Violet 11:1(ローダミンA)、Basic Violet 15、Basic Violet 16、Basic Violet 27、Pigment Yellow 101、Basic Yellow 1、Basic Yellow 2、Basic Yellow 9、Basic Yellow 24、Basic Yellow 40、Basic Orange 15、Basic Orange 22、Basic Blue 1、Basic Blue 3、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 45、Basic Green 1、Acid Yellow 3、Acid Yellow 7、Acid Yellow 73、Acid Yellow 87、Acid Yellow 184、Acid Yellow 245、Acid Yellow 250、Acid Red 51、Acid Red 52、Acid Red 57、Acid Red 77、Acid Red 87、Acid Red 89、Acid Red 92、Acid Blue 9、Acid Black 2、Solvent Yellow 43、Solvent Yellow 44、Solvent Yellow 85、Solvent Yellow 98、Solvent Yellow 116、Solvent Yellow 131、Solvent Yellow 145、Solvent Yellow 160:1、Solvent Yellow 172、Solvent Yellow 185、Solvent Yellow 195、Solvent Yellow 196、Solvent Orange 63、Solvent Orange 112、Solvent Red 49、Solvent Red 149、Solvent Red 175、Solvent Red 196、Solvent Red 197、Solvent Blue 5、Solvent Green 5、Solvent Green 7、Direct Yellow 27、Direct Yellow 85、Direct Yellow 96、Direct Orange 8、Direct Red 2、Direct Red 9、Direct Blue 22、Direct Blue 199、Direct Green 6、Disperse Yellow 11、Disperse Yellow 82、Disperse Yellow 139、Disperse Yellow 184、Disperse Yellow 186、Disperse Yellow 199、Disperse Yellow 202、Disperse Yellow 232、Disperse Orange 11、Disperse Orange 32、Disperse Red 58、Disperse Red 274、Disperse Red 277、Disperse Red 303、Disperse Blue 7、Reactive Yellow 78、Vat Red 41等が挙げられる。
これらは所望の色に応じて、1種又は複数種が選択される。例えば蛍光ピンクを表現したい場合、Basic Red 1(ローダミン6G)、Basic Red 1:1、Basic Red 2、Basic Red 12、Basic Red 13、Basic Red 14、Basic Red 15、Basic Red 36、Basic Violet 7、Basic Violet 10(ローダミンB)、Basic Violet 11(ローダミン3B)、Basic Violet 11:1(ローダミンA)、Basic Violet 15、Basic Violet 16、及び、Basic Violet 27よりなる群から選ばれた少なくとも1種の蛍光着色剤が好ましい。
【0028】
また、蛍光着色剤Aとしては、蛍光強度、及び、色味の観点から、キサンテン構造、ナフタレン構造、又は、トリアリールメタン構造を有する蛍光着色剤を含むことが好ましく、キサンテン構造を有する蛍光着色剤がより好ましい。
また、キサンテン構造は、ローダミン構造、フルオレセイン構造、又は、エオシン構造であることが好ましく、ローダミン構造であることがより好ましい。
【0029】
樹脂粒子は、蛍光着色剤Aを1種単独で含んでいても、2種以上を併用して含んでいてもよい。
蛍光着色剤Aの含有量としては、蛍光強度、及び、色味の観点から、樹脂粒子全体に対して、0.2質量%以上5質量%以下が好ましく、0.2質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上2質量%以下が特に好ましい。
【0030】
-前記蛍光着色剤A以外の着色剤B-
着色剤Bは、前記蛍光着色剤A以外の着色剤であればよく、公知の着色剤を用いることができる。
着色剤Bは、可視光領域において蛍光を示さない着色剤であることが好ましい。
また、着色剤Bは、顔料であっても、染料であってもよいが、顔料であることが好ましい。
【0031】
着色剤Bとして、具体的には例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同14、同15、同16、同17、同18、同21、同22、同23、同31、同32、同38、同41、同48、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49、同52、同53:1、同54、同57:1、同58、同60:1、同63、同64:1、同68、同81:1、同81:4、同83、同88、同89、同112、同114、同122、同123、同144、同146、同149、同150、同166、同170、同176、同177、同178、同179、同184、同185、同187、同202、同206、同207、同208、同209、同210、同220、同221、同238、同242、同245、同253、同254、同255、同256、同258、同264、同266、同269、同282等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同52、同58、同63、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同111、同121、同122、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、レーキレッドC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、各種染料等が挙げられる。また、固溶体顔料(二種以上の顔料を固溶化し結晶構造を変化させたもの)も好適であり、具体的にはキナクリドンの置換基違いの組み合わせ(無置換キナクリドンPV19とPR122、PV19とPR202など)が一例として挙げられる。
【0032】
着色剤Bは、所望の色に応じて適宜選択される。例えば蛍光ピンクを表現したい場合にはマゼンタ顔料を含むことが一例として挙げられる。中でも固溶体顔料は好適である。蛍光色としては、同じ色味でも明るい色が出せたり、濃い色が出せたりすると性能が良いが、固溶体顔料を用いることで性能が上がる傾向がある。
【0033】
着色剤Bは、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤Bは、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
【0034】
着色剤Bの含有量としては、蛍光強度、及び、色味の観点から、樹脂粒子全体に対して、0.1質量%以上2質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下が特に好ましい。
【0035】
樹脂粒子における蛍光着色剤Aの含有量WAと着色剤Bの含有量WBとの比(WB/WA)の値は、蛍光強度、及び、色味の観点から、1.25以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましく、0.5以下であることが特に好ましい。
【0036】
-結着樹脂-
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
中でも、スチレン-アクリル共重合体、又は、ポリエステル樹脂が好適に用いられ、ポリエステル樹脂がより好適に用いられる。
これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
また、結着樹脂としては、着色剤の分散性、蛍光強度、及び、色味の観点から、ポリウレタン樹脂を含むことが好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂等であってもよい。中でも、ポリエステルポリウレタン樹脂が好ましい。ポリエステルポリウレタン樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基及びカルボキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有するポリエステル樹脂(好ましくはポリエステルジオール)にポリイソシアネート化合物(好ましくはジイソシアネート化合物)を反応させてなる樹脂が好ましく挙げられる。
更に、結着樹脂としては、着色剤の分散性、蛍光強度、及び、色味の観点から、ポリウレタン樹脂と、スチレン-アクリル共重合体又はポリエステル樹脂とを含むことが好ましく、ポリウレタン樹脂と、ポリエステル樹脂とを含むことがより好ましい。また、スチレン-アクリル共重合体を含む場合は、相溶性の観点から、アクリル-ポリウレタン樹脂が好ましい。
例えば、前記海島構造において、島構造における結着樹脂として、ポリウレタン樹脂を含み、海構造における結着樹脂として、スチレン-アクリル共重合体又はポリエステル樹脂を含む態様が好ましく挙げられる。
【0038】
結着樹脂としては、非晶性(「非結晶性」ともいう。)樹脂、及び、結晶性樹脂が挙げられる。
結着樹脂は、得られる画像における濃度ムラ抑制性の観点から、結晶性樹脂を含むことが好ましく、非晶性樹脂、及び、結晶性樹脂を含むことがより好ましい。
結晶性樹脂の含有量は、結着樹脂の全質量に対して、2質量%以上40質量%以下であることが好ましく、2質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
【0039】
なお、樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
【0040】
<<ポリエステル樹脂>>
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
【0041】
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
【0042】
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0043】
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0044】
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
【0045】
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上1,000,000以下が好ましく、7,000以上500,000以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000以上100,000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
【0046】
非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
【0047】
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
【0048】
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,14-エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0050】
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
【0051】
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下が更に好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
【0052】
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
【0053】
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、周知の製造方法により得られる。
【0054】
結着樹脂の重量平均分子量(Mw)は、画像のこすり耐性の観点から、5,000以上1,000,000以下が好ましく、7,000以上500,000以下がより好ましく、25,000以上60,000以下であることが特に好ましい。結着樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000以上100,000以下が好ましい。結着樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
結着樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、テトラヒドロフラン(THF)溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
【0055】
結着樹脂の含有量は、樹脂粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
【0056】
-離型剤-
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
【0057】
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
【0058】
離型剤の含有量は、樹脂粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0059】
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤として樹脂粒子に含まれる。
【0060】
-樹脂粒子の特性等-
樹脂粒子は、単層構造の樹脂粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コアシェル構造の樹脂粒子(コアシェル型粒子)であってもよい。コアシェル構造の樹脂粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等を含む芯部と、結着樹脂を含む被覆層と、で構成されている。
中でも、樹脂粒子としては、コアシェル構造を有する樹脂粒子であることが好ましい。蛍光着色剤A又は着色剤Bとして染料を用いる場合、染料は水となじみやすいため、樹脂粒子の表面に染料が存在している場合は、電気特性に何らかの影響を与えるおそれがあるが、染料を含まない樹脂でシェル構造を形成した場合、染料が内側に閉じ込められているためにこのような影響を与えづらく、好適である。
【0061】
樹脂粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましく、5μm以上6μm以下が特に好ましい。
【0062】
樹脂粒子の体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5質量%水溶液2mL中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100mL以上150mL以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子について、各々の粒径を測定する。サンプリングする粒子数は50,000個である。
測定された粒径について、小径側から体積基準の累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vと定義する。
【0063】
本実施形態において樹脂粒子の平均円形度は、特に制限はないが、像保持体におけるクリーニング性を良化する観点からは、0.91以上0.98以下が好ましく、0.94以上0.98以下がより好ましく、0.95以上0.97以下が更に好ましい。
【0064】
本実施形態において樹脂粒子の円形度とは、(粒子投影像と同じ面積をもつ円の周囲長)÷(粒子投影像の周囲長)であり、樹脂粒子の平均円形度とは、円形度の分布において小さい側から累積50%となる円形度である。樹脂粒子の平均円形度は、フロー式粒子像解析装置で樹脂粒子を少なくとも3,000個解析して求める。
【0065】
樹脂粒子の平均円形度は、例えば、樹脂粒子を凝集合一法で製造する場合、融合・合一工程における、分散液の撹拌速度、分散液の温度又は保持時間を調整することによって制御しうる。
【0066】
(外添剤)
樹脂粒子を後述する静電荷像現像用トナーとして用いる場合、樹脂粒子は、必要に応じて、外添剤を含んでいてもよい。
また、樹脂粒子は、外添剤を有しない樹脂粒子であっても、樹脂粒子に外添剤が外添したものであってもよい。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。前記無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
【0067】
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
【0068】
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
【0069】
外添剤の外添量としては、例えば、樹脂粒子に対して、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.01質量%以上6質量%以下がより好ましい。
【0070】
<樹脂粒子の用途>
本実施形態に係る樹脂粒子は、画像形成用樹脂粒子として好適に用いられ、静電荷像現像用トナーとしてより好適に用いられる。
【0071】
また、本実施形態に係る樹脂粒子は、粉体塗料としても好適に用いられる。これを被塗装面に塗装した後、加熱(焼き付け)して粉体を硬化させた塗装膜を形成し、塗装品を製造するために用いることも可能である。このとき、塗装、及び加熱(焼き付け)は、一括して行ってもよい。
【0072】
粉体の塗装は、スプレー塗装、静電粉体塗装、摩擦帯電粉体塗装、流動浸漬等の周知の塗装方法が利用できる。粉体の塗装膜の厚みは、例えば、30μm以上50μm以下が好ましい。
加熱温度(焼付温度)は、例えば、90℃以上250℃以下が好ましく、100℃以上220℃以下がより好ましく、120℃以上200℃以下が更に好ましい。なお、加熱時間(焼付時間)は、加熱温度(焼付温度)により調節する。
【0073】
粉体を塗装する対象物品は、特に、制限はなく、各種の金属部品、セラミック部品、樹脂部品等が挙げられる。これら対象物品は、板状品、線状品等の各物品への成形前の未成形品であってもよいし、電子部品用、道路車両用、建築内外装資材用等に成形された成形品であってもよい。また、対象物品は、被塗装面に、予め、プライマー処理、めっき処理、電着塗装等の表面処理が施された物品であってもよい。
【0074】
他、塗装以外の分野では、本実施形態に係る樹脂粒子は、トナーディスプレイ用樹脂粒子としても好適に用いられる。
帯電した樹脂粒子を媒体(空気であることが多い)中に分散し、電界により樹脂粒子を移動させることによって画像を表示するトナーディスプレイが知られているが、この方式にも問題なく採用される。例えば、2枚の透明電極で挟まれたセル中に樹脂粒子を入れ、電圧を印加して樹脂粒子を移動させることで、画像が表示される。
【0075】
[樹脂粒子の製造方法]
次に、本実施形態に係る樹脂粒子の製造方法について説明する。
本実施形態に係る樹脂粒子は、樹脂粒子を製造後、樹脂粒子に対して、外添剤を外添してもよい。
【0076】
樹脂粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、公知の製法が採用される。これらの中でも、凝集合一法により、樹脂粒子を得ることがよい。
凝集合一法としては、例えば、特開2010-97101号公報又は特開2006-154641号公報に記載された方法が挙げられる。
混練粉砕法としては、例えば、特開2000-267338号公報に記載された方法が挙げられる。
溶解懸濁法としては、特開2000-258950号公報に記載された方法が挙げられる。
【0077】
また、具体的には、例えば、樹脂粒子を凝集合一法により製造する場合、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を加熱し、凝集粒子を融合・合一して、樹脂粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、樹脂粒子を製造する。
【0078】
以下、各工程の詳細について説明する。
以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含む樹脂粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
また、以下の説明において、着色剤としては、前記蛍光着色剤A、及び、前記着色剤Bよりなる群から選ばれた少なくとも1種の着色剤が挙げられる。また、着色剤粒子分散液として、蛍光着色剤A粒子分散液、及び、着色剤B粒子分散液を調製してもよい。更に、前記蛍光着色剤A粒子分散液は、蛍光着色剤Aを含む樹脂粒子分散液として調製することが好ましく、蛍光着色剤Aを含むウレタン樹脂粒子分散液として調製することがより好ましい。また、前記蛍光着色剤Aを含む樹脂粒子分散液は、前記蛍光着色剤Aの代わりに前記着色剤Bを用い、着色剤Bを含む樹脂粒子分散液としてもよい。
【0079】
-樹脂粒子分散液準備工程-
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
【0080】
樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
【0081】
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0082】
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
中でも、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましく、非イオン性界面活性剤とアニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤とを併用することが好ましい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0083】
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、転相乳化法によって分散媒に樹脂粒子を分散させてもよい。転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて中和したのち、水系媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの転相を行い、樹脂を水系媒体中に粒子状に分散する方法である。
【0084】
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下が更に好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
【0085】
樹脂粒子分散液に含まれる結着樹脂粒子の含有量は、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0086】
樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
【0087】
-凝集粒子形成工程-
次に、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とする樹脂粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
【0088】
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度に近い温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度-30℃以上ガラス転移温度-10℃以下)に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで撹拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
【0089】
凝集剤としては、例えば、混合分散液に含まれる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
【0090】
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩;ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体;などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
凝集剤の添加量は、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
【0091】
-融合・合一工程-
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より30℃から50℃高い温度以上)、かつ離型剤の融解温度以上に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、樹脂粒子を形成する。
融合・合一工程では、樹脂粒子のガラス転移温度以上、離型剤の融解温度以上では、樹脂及び離型剤が融和した状態にある。その後、冷却して樹脂粒子を得る。
樹脂粒子中の離型剤のアスペクト比を調整する方法としては、冷却時に離型剤の凝固点周辺温度で一定時間保持することで結晶成長させたり、融解温度の異なる離型剤を2種類以上使用することにより冷却中の結晶成長を促すことができ、調整できる。
【0092】
以上の工程を経て、樹脂粒子が得られる。
凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、前記凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、を更に混合し、凝集粒子の表面に更に樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア・シェル構造の樹脂粒子を形成する工程と、を経て、樹脂粒子を製造してもよい。
【0093】
融合・合一工程終了後、溶液中に形成された樹脂粒子に、公知の洗浄工程、固液分離工程、及び乾燥工程を施して乾燥した状態の樹脂粒子を得る。洗浄工程は、帯電性の観点から、イオン交換水による置換洗浄を充分に施すことがよい。固液分離工程は、生産性の観点から、吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。乾燥工程は、生産性の観点から、凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
【0094】
そして、本実施形態に係る樹脂粒子は、例えば、得られた乾燥状態の樹脂粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造してもよい。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使って樹脂粒子の粗大粒子を取り除いてもよい。
【0095】
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る樹脂粒子を静電荷像現像剤として用いる場合、本実施形態に係る樹脂粒子のみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該樹脂粒子とキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよい。
【0096】
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。磁性粉分散型キャリア及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、この表面に樹脂を被覆したキャリアであってもよい。
【0097】
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;などが挙げられる。
【0098】
被覆用の樹脂及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。被覆用の樹脂及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等の添加剤を含ませてもよい。導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
中でも、得られる画像における濃度ムラ抑制性の観点から、シリコーン樹脂を含む樹脂により表面を被覆したキャリアであることが好ましく、シリコーン樹脂により表面を被覆したキャリアであることがより好ましい。
【0099】
芯材の表面を樹脂で被覆するには、被覆用の樹脂、及び各種添加剤(必要に応じて使用する)を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する樹脂の種類や、塗布適性等を勘案して選択すればよい。具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法;被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法;芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法;ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、その後に溶剤を除去するニーダーコーター法;等が挙げられる。
【0100】
二成分現像剤における樹脂粒子(静電荷像現像用トナー)とキャリアとの混合比(質量比)は、樹脂粒子(静電荷像現像用トナー):キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
【0101】
<画像形成装置、画像形成方法>
本実施形態に係る樹脂粒子を静電荷像現像用トナーとして用いる場合の、画像形成装置/画像形成方法について説明する。
画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
【0102】
画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る樹脂粒子を含む静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法が実施される。
【0103】
画像形成装置としては、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;等の公知の画像形成装置が適用される。
画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
【0104】
画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して着脱するカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る樹脂粒子を含む静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0105】
以下、画像形成装置の一例を説明するが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0106】
図3は、本実施形態に用いられる画像形成装置を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」ともいう)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱するプロセスカートリッジであってもよい。
【0107】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの上方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22及び支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写ベルトクリーニング装置30が備えられている。
【0108】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。
【0109】
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成及び動作を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエローの画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。
【0110】
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
【0111】
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
【0112】
以下、第1のユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0113】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
【0114】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で撹拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして、感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
【0115】
感光体1Y上のイエローのトナー画像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用し、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、第1のユニット10Yでは制御部(図示せず)によって例えば+10μAに制御されている。感光体1Y上に残留したトナーは、感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0116】
第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
【0117】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、中間転写ベルトの内面に接する支持ロール24と、中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0118】
トナー画像が転写された記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0119】
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。定着後における画像表面の平滑性を更に向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0120】
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
本実施形態に係る樹脂粒子を静電荷像現像剤として用いる場合の、プロセスカートリッジは、本実施形態に係る樹脂粒子を含む静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
【0121】
プロセスカートリッジは、現像手段と、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
【0122】
以下、プロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0123】
図4は、本実施形態に用いられるプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
図4に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図4中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
【0124】
次に、トナーカートリッジについて説明する。
トナーカートリッジは、本実施形態に係る樹脂粒子を静電荷像現像用トナーとして収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
【0125】
図3に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の色に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
【実施例
【0126】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
トナー粒子における海島構造の確認は、前述した方法により行った。
【0127】
(実施例1)
<蛍光着色剤A含有粒子(1)の作製>
・ポリエステル樹脂(DIC(株)製、ファインディック M-8020):45部
・ブロックイソシアネート(エボニック社製、VESTAGON BF1358):45部
・蛍光染料(Basic Red 1:1、田岡化学工業(株)製、Rhodamine 6GCP-N):10部
上記成分を加熱混合し(170℃,2時間)、バンバリーミキサーで粗粉砕し、更に、粉砕機AFG100(ホソカワミクロン(株)製)で1.9μmまで粉砕し、ポリエステルポリウレタン樹脂着色粒子(蛍光着色剤A含有粒子(1))を得た。
【0128】
<蛍光着色剤A含有粒子分散液(1)の調製>
・蛍光着色剤A含有粒子(1):200部
・界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):15部(固形分濃度20%)
・純水:785部
上記の材料を混合し、ウルトラタラックスで蛍光着色剤A含有粒子分散液(1)(固形分濃度20%)を作製した。
【0129】
<着色剤B粒子分散液(1)の調製>
・マゼンタ顔料(FASTOGEN SUPER MAGENTA R):70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):30部(固形分濃度20%)
・イオン交換水:200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようイオン交換水を加え、体積平均粒径140nmの着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液(1)を得た。
【0130】
<樹脂粒子分散液(1)の調製>
・テレフタル酸:30モル部
・フマル酸:70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ及び精留塔を備えたフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間かけて温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら30分間かけて230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、ガラス転移温度60℃のポリエステル樹脂を得た。
【0131】
温度調節手段及び窒素置換手段を備えた容器に、酢酸エチル40部及び2-ブタノール25部を投入し、混合溶剤とした後、ポリエステル樹脂100部を徐々に投入し溶解させ、ここに、10質量%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間撹拌した。次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下した。滴下終了後、室温(20℃乃至25℃)に戻し、撹拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2-ブタノールを1,000ppm以下まで低減させた樹脂粒子分散液を得た。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整し、樹脂粒子分散液(1)を得た。
【0132】
<離型剤粒子分散液(1)の調製>
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP-9):100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1部
・イオン交換水:350部
上記の材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社、商品名ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(1)(固形分量20質量%)を得た。
【0133】
<トナー粒子(1)の作製>
・樹脂粒子分散液(1):241部
・蛍光着色剤A含有粒子分散液(1):175部
・着色剤B粒子分散液(1):9部
・離型剤粒子分散液(1):25部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、20%):10部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1N(=mol/L)の硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。次いで、ホモジナイザー(IKA社製、商品名ウルトラタラックスT50)を用いて液温30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液(1)50部を追加し1時間保持し、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、84℃まで加熱し2.5時間保持した。次いで、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、固形分を濾別し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることによりトナー粒子(1)を得た。トナー粒子(1)の体積平均粒径は5.8μmであった。
【0134】
<キャリア1の作製>
・フェライト粒子(平均粒径35μm):100部
・トルエン:14部
・ポリメチルメタクリレート(MMA、重量平均分子量75,000):5部
・カーボンブラック:0.2部(VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下)フェライト粒子を除く上記材料をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリア1を得た。
【0135】
<トナーの作製>
得られたトナー粒子(1)100質量部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製、RY50)を1.5質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル(株)製、T805)を1.0質量部とを、サンプルミルを用いて10,000rpm(revolutions per minute)で30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分して、トナー1(静電荷像現像用トナー)を調製した。得られたトナー1の体積平均粒径は、5.8μmであった。
【0136】
<静電荷像現像剤の作製>
トナー8部とキャリア92部とをVブレンダーにて混合し、現像剤1(静電荷像現像剤)を作製した。
【0137】
(実施例2)
<蛍光着色剤A含有粒子(2)の作製>
・テレフタル酸:30モル部
・フマル酸:70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ及び精留塔を備えたフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間かけて温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら30分間かけて230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、ガラス転移温度60℃のポリエステル樹脂を得た。
【0138】
・上記ポリエステル樹脂:93部
・蛍光染料(Basic Red 1:1、田岡化学工業(株)製、Rhodamine 6GCP-N):7部
上記成分を加熱混合し(170℃,2時間)、バンバリーミキサーで粗粉砕し、更に、粉砕機AFG100(ホソカワミクロン(株)製)で1.0μmまで粉砕し、ポリエステルポリウレタン樹脂着色粒子(蛍光着色剤A含有粒子(2))を得た。
【0139】
<蛍光着色剤A含有粒子分散液(2)の調製>
・蛍光着色剤A含有粒子(2):200部
・界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):15部(固形分濃度20%)
・純水:785部
上記成分を混合し、連続式キーミル(KMC-3)で0.2μmまで粉砕し、蛍光着色剤A含有粒子分散液(2)(固形分濃度20%)を作製した。
【0140】
<着色剤B含有粒子分散液(2)の調製>
・ポリエステル樹脂(DIC(株)製、ファインディック M-8020):47.5部
・ブロックイソシアネート(エボニック社製、VESTAGON BF1358):47.5部
・マゼンタ顔料(FASTOGEN SUPER MAGENTA R):5部
上記成分を加熱混合し(170℃,2時間)、バンバリーミキサーで粗粉砕し、更に、粉砕機AFG100(ホソカワミクロン(株)製)で1.9μmまで粉砕し、ポリエステルポリウレタン樹脂着色粒子(着色剤B含有粒子(2))を得た。
【0141】
<着色剤B含有粒子分散液(2)の調製>
・着色剤B含有粒子(2):200部
・界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):15部(固形分濃度20%)
・純水:785部
上記成分を混合し、ウルトラタラックスで着色剤B含有粒子分散液(2)(固形分濃度20%)を作製した。
【0142】
<トナー粒子(2)の作製>
・蛍光着色剤A含有粒子分散液(2):250部
・着色剤B含有粒子分散液(2):175部
・離型剤粒子分散液(1):25部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、20%):10部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1N(=mol/L)の硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。次いで、ホモジナイザー(IKA社製、商品名ウルトラタラックスT50)を用いて液温30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液(1)50部を追加し1時間保持し、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、84℃まで加熱し2.5時間保持した。次いで、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、固形分を濾別し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることによりトナー粒子()を得た。トナー粒子(2)の体積平均粒径は5.8μmであった。
【0143】
トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0144】
(実施例3)
実施例3は、実施例1の着色剤の顔料をPR202(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4530)に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0145】
(実施例4)
実施例4は、実施例2の着色剤の顔料をPR202(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4530)に変更した以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0146】
(実施例5)
実施例5は、実施例1の着色剤の顔料をPR282(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4400)に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0147】
(実施例6)
実施例6は、実施例2の着色剤の顔料をPR282(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4400)に変更した以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0148】
(実施例7)
実施例7は、実施例1の着色剤の顔料をPR122/PV19固溶体顔料(DIC(株)製、FASTOGEN SUPER MAGENTA RE-05)に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0149】
(実施例8)
実施例8、は実施例2の着色剤の顔料をPR122/PV19固溶体顔料(DIC(株)製、FASTOGEN SUPER MAGENTA RE-05)に変更した以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0150】
(実施例9)
実施例9は、実施例1の着色剤の顔料をPR238(Clariant社製、Permanent Carmine F5B)に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0151】
(実施例10)
実施例10は、実施例2の着色剤の顔料をPR238(Clariant社製、Permanent Carmine F5B)に変更した以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0152】
(実施例11)
実施例11は、実施例1の着色剤の顔料をPR269(東京色材工業(株)製、Pigment Red 269)に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0153】
(実施例12)
実施例12は、実施例2の着色剤の顔料をPR269(東京色材工業(株)製、Pigment Red 269)に変更した以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0154】
(実施例13)
実施例13は、実施例1の着色剤の顔料をPR169(BASF社製、Fanal Pink D 4810)に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0155】
(実施例14)
実施例14は、実施例2の着色剤の顔料をPR169(BASF社製、Fanal Pink D 4810)に変更した以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0156】
(実施例15)
実施例15は、実施例1の着色剤の顔料をPR81:2(BASF社製、Fanal Pink D 4830)に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0157】
(実施例16)
実施例16は、実施例2の着色剤の顔料をPR81:2(BASF社製、Fanal Pink D 4830)に変更した以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0158】
(実施例17)
実施例17は、実施例1の方法で、蛍光着色剤の濃度を表2の組成に合わせた以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0159】
(実施例18)
実施例18は、実施例2の方法で、蛍光着色剤の濃度を表2の組成に合わせた以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0160】
(実施例19)
実施例19は、実施例1の方法で、蛍光着色剤の濃度を表2の組成に合わせた以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0161】
(実施例20)
実施例20は、実施例2の方法で、蛍光着色剤の濃度を表2の組成に合わせた以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0162】
(実施例21)
実施例21は、実施例1の方法で、着色剤の濃度を表3の組成に合わせた以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0163】
(実施例22)
実施例22は、実施例2の方法で、着色剤の濃度を表3の組成に合わせた以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0164】
(実施例23)
実施例23は、実施例1の方法で、着色剤の濃度を表3の組成に合わせた以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0165】
(実施例24)
実施例24は、実施例2の方法で、着色剤の濃度を表3の組成に合わせた以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0166】
(実施例25)
実施例25は、実施例1の方法で、蛍光着色剤及び着色剤の濃度を表3の組成に合わせた以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0167】
(実施例26)
実施例26は、実施例2の方法で、蛍光着色剤及び着色剤の濃度を表3の組成に合わせた以外は、実施例2と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0168】
(実施例27)
実施例27は、実施例25の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0169】
(実施例28)
実施例28は、実施例26の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0170】
(実施例29)
実施例29は、実施例25の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR202(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4530)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0171】
(実施例30)
実施例30は、実施例26の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR202(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4530)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0172】
(実施例31)
実施例31は、実施例25の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR282(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4400)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0173】
(実施例32)
実施例32は、実施例26の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR282(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4400)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0174】
(実施例33)
実施例33は、実施例25の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR122/PV19固溶体顔料(DIC(株)製、FASTOGEN SUPER MAGENTA RE-05)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0175】
(実施例34)
実施例34は、実施例26の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR122/PV19固溶体顔料(DIC(株)製、FASTOGEN SUPER MAGENTA RE-05)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0176】
(実施例35)
実施例35は、実施例25の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR238(Clariant社製、Permanent Carmine F5B)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0177】
(実施例36)
実施例36は、実施例26の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR238(Clariant社製、Permanent Carmine F5B)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0178】
(実施例37)
実施例37は、実施例25の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR269(東京色材工業(株)製、Pigment Red 269)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0179】
(実施例38)
実施例38は、実施例26の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR269(東京色材工業(株)製、Pigment Red 269)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0180】
(実施例39)
実施例39は、実施例25の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR169(BASF社製、Fanal Pink D 4810)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0181】
(実施例40)
実施例40は、実施例26の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR169(BASF社製、Fanal Pink D 4810)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0182】
(実施例41)
実施例41は、実施例25の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)、着色剤をPR81:2(BASF社製、Fanal Pink D 4830)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0183】
(実施例42)
実施例42は、実施例26の蛍光着色剤をBasic Violet11:1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine A)着色剤をPR81:2(BASF社製、Fanal Pink D 4830)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0184】
(実施例43)
実施例43は、実施例33の蛍光着色剤をBasic Red 1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine 6GCP)に変更した以外は、実施例33と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0185】
(実施例44)
実施例44は、実施例34の蛍光着色剤をBasic Red 1(田岡化学工業(株)製、Rhodamine 6GCP)に変更した以外は、実施例34と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0186】
(実施例45)
実施例45は、実施例33の蛍光着色剤をBasic Violet 10(田岡化学工業(株)製、Rhodamine B gran.)に変更した以外は、実施例33と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0187】
(実施例46)
実施例46は、実施例34の蛍光着色剤をBasic Violet 10(田岡化学工業(株)製、Rhodamine B gran.)に変更した以外は、実施例34と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0188】
(実施例47)
実施例47は、実施例33の蛍光着色剤をSolvent Red 49(田岡化学工業(株)製、Rhodamine B base)に変更した以外は、実施例33と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0189】
(実施例48)
実施例48は、実施例34の蛍光着色剤をSolvent Red 49(田岡化学工業(株)製、Rhodamine B base)に変更した以外は、実施例34と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0190】
(実施例49)
実施例49は、実施例25の蛍光着色剤をBasic Yellew 40(Neelikon Food Dyes And Chemicals、Neeliglow Yellow 40)、着色剤をPY74(Clariant社製、HANSA BRILLIANT YELLOW 2GX 70)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0191】
(実施例50)
実施例50は、実施例26の蛍光着色剤をBasic Yellew 40(Neelikon Food Dyes And Chemicals、Neeliglow Yellow 40)、着色剤をPY74(Clariant社製、HANSA BRILLIANT YELLOW 2GX 70)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0192】
(実施例51)
実施例51は、実施例25の蛍光着色剤をSolvent Green 7(Neelikon Food Dyes And Chemicals、Neelink Green 7)、着色剤をPG36(DIC(株)製、FASTOGEN GREEN 2YK)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0193】
(実施例52)
実施例52は、実施例26の蛍光着色剤をSolvent Green 7(Neelikon Food Dyes And Chemicals、Neelink Green 7)、着色剤をPG36(DIC(株)製、FASTOGEN GREEN 2YK)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0194】
(実施例53)
実施例53は、実施例25の蛍光着色剤をSolvent Orange 63(Neelikon Food Dyes And Chemicals、Neelglow Orange 63)、着色剤をPO43(Clariant社製、Hostaperm Orange GR)に変更した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0195】
(実施例54)
実施例54は、実施例26の蛍光着色剤をSolvent Orange 63(Neelikon Food Dyes And Chemicals、Neelglow Orange 63)、着色剤をPO43(Clariant社製、Hostaperm Orange GR)に変更した以外は、実施例26と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0196】
(実施例55)
実施例55は、実施例25の蛍光着色剤粒子を1.4μmまで粉砕した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0197】
(実施例56)
実施例56は、実施例25の着色剤粒子を1.4μmまで粉砕した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0198】
(実施例57)
実施例57は、実施例25の蛍光着色剤粒子を2.5μmまで粉砕した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0199】
(実施例58)
実施例58は、実施例25の着色剤粒子を2.5μmまで粉砕した以外は、実施例25と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0200】
(実施例59)
<スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)の作成>:
・スチレン(和光純薬工業(株)製):65.0部
・n-ブチルアクリレート(和光純薬工業(株)製):30.0部
・界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1.0部
・重合開始剤(過硫酸アンモニウム):1.0部
・DIW:400部
上記の材料をフラスコ内で混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間乳化した。次に、フラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらウォーターバスで85℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を行ったあと30℃になるまで冷却して、固形分濃度20%、180nmのスチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)を得た。
【0201】
<蛍光着色剤含有粒子(59)の作製>
・上記アクリル樹脂を透析膜で不純物を除去し乾燥した物:45部
・ブロックイソシアネート(エボニック社製、VESTAGON BF1358):45部
・蛍光染料(Basic Red 1:1、田岡化学工業(株)製、Rhodamine 6GCP-N):10部
上記成分を加熱混合し(170℃,2時間)、バンバリーミキサーで粗粉砕し、更に、粉砕機AFG100(ホソカワミクロン(株)製)で1.8μmまで粉砕し、ポリエステルポリウレタン樹脂着色粒子(蛍光着色剤A含有粒子(59))を得た。
【0202】
<蛍光着色剤含有粒子分散液(59)の調製>
・蛍光着色剤含有粒子(59):200部
・界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):15部(固形分濃度20%)
・純水:785部
上記成分を混合し、ウルトラタラックスで蛍光着色剤含有粒子分散液(59)(固形分濃度20%)を作製した。
【0203】
<トナー粒子(59)の作製>
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1):346部
・蛍光着色剤含有粒子分散液(59):75部
・着色剤粒子分散液(1):4部
・離型剤粒子分散液(1):25部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、20%):10部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1N(=mol/L)の硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。次いで、ホモジナイザー(IKA社製、商品名ウルトラタラックスT50)を用いて液温30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)50部を追加し1時間保持し、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、84℃まで加熱し2.5時間保持した。次いで、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、固形分を濾別し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることによりトナー粒子(59)を得た。トナー粒子(59)の体積平均粒径は5.8μmであった。
【0204】
トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(59)を用いた以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0205】
(実施例60)
<蛍光着色剤含有粒子(60)の作製>
・スチレン(和光純薬工業(株)製):65.0部
・n-ブチルアクリレート(和光純薬工業(株)製):30.0部
・界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1.0部
・重合開始剤(過硫酸アンモニウム):1.0部
・DIW:400部
上記の材料をフラスコ内で混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間乳化した。次に、フラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内の溶液を撹拌しながらウォーターバスで85℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を行ったあと30℃になるまで冷却して、固形分濃度20%、180nmのスチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)を得た。
【0206】
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)を透析膜で不純物を除去し乾燥した物:98.22部
・蛍光染料(Basic Red 1:1、田岡化学工業(株)製、Rhodamine 6GCP-N):1.78部
上記成分を加熱混合し(170℃,2時間)、バンバリーミキサーで粗粉砕し、更に、粉砕機AFG100(ホソカワミクロン(株)製)で1.0μmまで粉砕し、ポリエステルポリウレタン樹脂着色粒子(蛍光着色剤A含有粒子(60))を得た。
【0207】
<蛍光着色剤含有粒子分散液(60)の調製>
・蛍光着色剤含有粒子(60):200部
・界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):15部(固形分濃度20%)
・純水:785部
上記成分を混合し、連続式キーミル(KMC-3)で0.2μmまで粉砕し、蛍光着色剤A含有粒子分散液(60)(固形分濃度20%)を作製した。
【0208】
<着色剤含有粒子(60)の調製>
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)を透析膜で不純物を除去し乾燥した物:47.5部
・ブロックイソシアネート(エボニック社製、VESTAGON BF1358):47.5部
・マゼンタ顔料(FASTOGEN SUPER MAGENTA R)):5部
上記成分を加熱混合し(170℃,2時間)、バンバリーミキサーで粗粉砕し、更に、粉砕機AFG100(ホソカワミクロン(株)製)で1.9μmまで粉砕し、ポリエステルポリウレタン樹脂着色粒子(着色剤含有粒子(60))を得た。
【0209】
<着色剤含有粒子分散液(60)の調製>
・着色剤含有粒子(60):200部
・界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):15部(固形分濃度20%)
・純水:785部
上記成分を混合し、ウルトラタラックスで着色剤含有粒子分散液(60)(固形分濃度20%)を作製した。
【0210】
<トナー粒子(60)の作製>
・蛍光着色剤含有粒子分散液(60):421部
・着色剤含有粒子分散液(60):4部
・離型剤粒子分散液(1):25部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、20%):10部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1N(=mol/L)の硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。次いで、ホモジナイザー(IKA社製、商品名ウルトラタラックスT50)を用いて液温30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)50部を追加し1時間保持し、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、84℃まで加熱し2.5時間保持した。次いで、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、固形分を濾別し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることによりトナー粒子(60)を得た。トナー粒子(60)の体積平均粒径は5.7μmであった。
【0211】
トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(60)を用いた以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0212】
(比較例1:均一分散)
・樹脂粒子分散液(1)を透析膜で不純物を除去し乾燥した物:48.7部
・ポリエステル樹脂(DIC(株)製、ファインディック M-8020):16部
・ブロックイソシアネート(エボニック社製、VESTAGON BF1358):16部
・蛍光染料(Basic Red 1:1、田岡化学工業(株)製、Rhodamine 6GCP-N):3.5部
・マゼンタ顔料(FASTOGEN SUPER MAGENTA R):0.8部
・離型剤(パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP-9)):5部
上記成分を加熱混合し(170℃、2時間)、バンバリーミキサーで粗粉砕し、更に、粉砕機AFG100(ホソカワミクロン(株)製)で粉砕し、トナー粒子を得た。トナー粒子の体積平均径は5.5μmであった。
【0213】
・上記トナー粒子:90部
・樹脂粒子分散液(1)を透析膜で不純物を除去し乾燥した物:10部
上記成分をノビルタ300(ホソカワミクロン(株)製)で混合し、シェル層がコーティングされたトナー粒子を得た。トナー粒子の体積平均径は5.9μmであった。
【0214】
(比較例2)
比較例2は、マゼンタ顔料をPR202(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4530)に変更した以外は、比較例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0215】
(比較例3)
比較例3は、マゼンタ顔料をPR282(BASF社製、Cinquasia Magenta L 4400)に変更した以外は、比較例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0216】
(比較例4)
比較例4は、マゼンタ顔料をPR122/PV19固溶体顔料(DIC(株)製、FASTOGEN SUPER MAGENTA RE-05)に変更した以外は、比較例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0217】
(比較例5)
比較例5は、マゼンタ顔料をPR238(Clariant社製、Permanent Carmine F5B)に変更した以外は、比較例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0218】
(比較例6)
比較例6は、マゼンタ顔料をPR269(東京色材工業(株)製、Pigment Red 269)に変更した以外は、比較例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0219】
(比較例7)
比較例7は、マゼンタ顔料をPR169(BASF社製、Fanal Pink D 4810)に変更した以外は、比較例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0220】
(比較例8)
比較例8は、マゼンタ顔料をPR81:2(BASF社製、Fanal Pink D 4830)に変更した以外は、比較例1と同様にして、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤を作製した。
【0221】
得られた各実施例1~60、及び、比較例1~8の静電荷像現像用トナー、及び、静電荷像現像剤を用い、以下の評価を行った。評価結果をまとめて表1乃至表7に示す。
【0222】
<蛍光強度評価>
以下の作業、及び、画像形成は、温度23℃/湿度50%RHの環境下で行った。
評価用画像を形成する画像形成装置として、富士ゼロックス(株)製ApeosPortIV C4470を用意し、現像剤を現像器に入れ、補給トナー(現像剤に含まれるトナーと同じトナー)をトナーカートリッジに入れた。続けて、富士ゼロックス(株)製OSコート紙(坪量127g/m)に対して、画像面積率100%の5cm×5cmの画像を形成し、定着温度170℃にて出力し、蛍光強度評価を実施した。
蛍光強度は、X-Rite(X-Rite社製)で可視光領域における分光反射率を測定し、分光反射率における蛍光ピーク強度を蛍光強度とした。
A:112%以上
B:108%以上112%未満
C:104%以上108%未満
D:104%未満
【0223】
【表1】
【0224】
【表2】
【0225】
【表3】
【0226】
【表4】
【0227】
【表5】
【0228】
【表6】
【0229】
【表7】
【0230】
前記表1乃至表7に示す結果から、本実施例の樹脂粒子(静電荷像現像用トナー)は、比較例の樹脂粒子(静電荷像現像用トナー)に比べ、得られる画像の蛍光強度が高いことがわかる。
【0231】
(実施例61)
-塗装品の作製-
実施例1の樹脂粒子を、リン酸亜鉛処理鋼板の10cm×10cmの四角形テストパネルに正面から30cmの距離から旭サナック(株)製コロナガンにより、塗装膜厚30μm以上50μm以下になるようにコロナガンを上下左右にスライドさせて塗布した後、150℃で5分間の焼付条件で焼き付けて塗装品を作製した。
作製した塗装品は、粉体が被塗装品(リン酸亜鉛処理鋼板)に付着し、塗装がなされることを確認した。
【符号の説明】
【0232】
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写ベルトクリーニング装置(中間転写体クリーニング手段の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
【0233】
50 記録媒体
52 トナー画像
54 領域RA
56 領域RB
58 混色領域
【0234】
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
図1
図2
図3
図4