IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図1
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図2
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図3
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図4
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図5
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図6
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図7
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図8
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図9
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図10
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図11
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図12
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図13
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図14
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図15
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図16
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図17
  • 特許-電気光学装置、および電子機器 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】電気光学装置、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240409BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240409BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240409BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/13 505
G02F1/133 550
G09G3/20 611A
G09G3/20 611D
G09G3/20 611E
G09G3/20 611J
G09G3/20 621M
G09G3/20 623R
G09G3/20 680G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020038522
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021140056
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】藤川 紳介
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-134509(JP,A)
【文献】特開平06-349294(JP,A)
【文献】特開2007-240830(JP,A)
【文献】特開2005-084128(JP,A)
【文献】特開2017-120300(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0261180(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0018237(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106444192(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133
G09G3/00-3/08
3/12
3/16-3/26
3/30
3/34-3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループ化されたm(mは2以上の整数)本のデータ線を含む複数のデータ線と、
画素の階調に応じたデータ信号を前記m本のデータ線に対応して出力するデータ信号線と、
正論理の選択信号が供給されるm本の正論理選択信号線と、
前記正論理の選択信号と対をなす負論理の選択信号が供給されるm本の負論理選択信号線と、
入力端が前記データ信号線に接続され、出力端が前記m本のデータ線のいずれかに接続され、前記正論理の選択信号および前記負論理の選択信号に基づいて前記入力端と前記出力端との間における導通状態が規定されるトランスミッションゲートと、
を備え、
前記トランスミッションゲートは、前記正論理の選択選号がゲート電極に供給される少なくとも2つの第1導電型トランジスタと、前記負論理の選択信号がゲート電極に供給される第2導電型トランジスタと、を含み、
前記複数のデータ線の配列方向を第1方向とし、前記複数のデータ線の延在方向を第2方向としたとき、
前記第1導電型トランジスタ、および前記第2導電型トランジスタは各々、前記第2方向に沿って配置されており、
前記第2導電型トランジスタは、前記第1方向からみたとき、前記2つの第1導電型トランジスタの間に配置され、
前記トランスミッションゲートでは、前記第2導電型トランジスタが複数設けられており、
前記第1方向からみたとき、前記第1導電型トランジスタと前記第2導電型トランジスタとが交互に配置され、
前記第1導電型トランジスタと前記第2導電型トランジスタとは、前記第2方向からみたとき、前記第1方向で同一の位置に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項に記載の電気光学装置において、
前記トランスミッションゲートでは、前記第1導電型トランジスタと前記第2導電型トランジスタが同数設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気光学装置において、
前記m本の正論理選択信号線、および前記m本の負論理選択信号線は各々、前記第1方向に延在する主線部分と、前記主線部分から前記第2方向に延在して前記トランスミッションゲートに電気的に接続された支線部分と、を備え、
前記m本の正論理選択信号線の前記支線部分、および前記m本の負論理選択信号線の前記支線部分は各々、前記正論理選択信号線と前記負論理選択信号線との交差を回避するように前記第2方向の途中部分で屈曲して前記第2方向に延在していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
グループ化されたm(mは2以上の整数)本のデータ線を含む複数のデータ線と、
画素の階調に応じたデータ信号を前記m本のデータ線に対応して出力するデータ信号線と、
正論理の選択信号が供給されるm本の正論理選択信号線と、
前記正論理の選択信号と対をなす負論理の選択信号が供給されるm本の負論理選択信号線と、
入力端が前記データ信号線に接続され、出力端が前記m本のデータ線のいずれかに接続され、前記正論理の選択信号および前記負論理の選択信号に基づいて前記入力端と前記出力端との間における導通状態が規定されるトランスミッションゲートと、
を備え、
前記トランスミッションゲートは、前記正論理の選択選号がゲート電極に供給される少なくとも2つの第1導電型トランジスタと、前記負論理の選択信号がゲート電極に供給される第2導電型トランジスタと、を含み、
前記複数のデータ線の配列方向を第1方向とし、前記複数のデータ線の延在方向を第2方向としたとき、
前記第1導電型トランジスタ、および前記第2導電型トランジスタは各々、前記第2方向に沿って配置されており、
前記第2導電型トランジスタは、前記第1方向からみたとき、前記2つの第1導電型トランジスタの間に配置され、
前記トランスミッションゲートでは、前記第2導電型トランジスタが複数設けられており、
前記第1方向からみたとき、前記第1導電型トランジスタと前記第2導電型トランジスタとが交互に配置され、
前記m本の正論理選択信号線、および前記m本の負論理選択信号線は各々、前記第1方向に延在する主線部分と、前記主線部分から前記第2方向に延在して前記トランスミッションゲートに電気的に接続された支線部分と、を備え、
前記m本の正論理選択信号線の前記支線部分、および前記m本の負論理選択信号線の前記支線部分の少なくとも一方は、前記第2方向の途中部分で突出して前記データ線と平面視で重なる突出部を有していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項からまでの何れか一項に記載の電気光学装置において、
前記トランスミッションゲートと、前記トランスミッションゲートに前記第1方向で隣り合うトランスミッションゲートとでは、前記第2方向における前記第1導電型トランジスタおよび前記第2導電型トランジスタの配列順序が同一であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
グループ化されたm(mは2以上の整数)本のデータ線を含む複数のデータ線と、
画素の階調に応じたデータ信号を前記m本のデータ線に対応して出力するデータ信号線と、
正論理の選択信号が供給されるm本の正論理選択信号線と、
前記正論理の選択信号と対をなす負論理の選択信号が供給されるm本の負論理選択信号線と、
入力端が前記データ信号線に接続され、出力端が前記m本のデータ線のいずれかに接続され、前記正論理の選択信号および前記負論理の選択信号に基づいて前記入力端と前記出力端との間における導通状態が規定されるトランスミッションゲートと、
を備え、
前記トランスミッションゲートは、前記正論理の選択選号がゲート電極に供給される少なくとも2つの第1導電型トランジスタと、前記負論理の選択信号がゲート電極に供給される第2導電型トランジスタと、を含み、
前記複数のデータ線の配列方向を第1方向とし、前記複数のデータ線の延在方向を第2方向としたとき、
前記第1導電型トランジスタ、および前記第2導電型トランジスタは各々、前記第2方向に沿って配置されており、
前記第2導電型トランジスタは、前記第1方向からみたとき、前記2つの第1導電型トランジスタの間に配置され、
前記トランスミッションゲートでは、前記第2導電型トランジスタが複数設けられており、
前記第1方向からみたとき、前記第1導電型トランジスタと前記第2導電型トランジスタとが交互に配置され、
前記トランスミッションゲートと、前記トランスミッションゲートに前記第1方向で隣り合うトランスミッションゲートとでは、前記第2方向における前記第1導電型トランジスタおよび前記第2導電型トランジスタの配列順序が逆であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
グループ化されたm(mは2以上の整数)本のデータ線を含む複数のデータ線と、
画素の階調に応じたデータ信号を前記m本のデータ線に対応して出力するデータ信号線と、
正論理の選択信号が供給されるm本の正論理選択信号線と、
前記正論理の選択信号と対をなす負論理の選択信号が供給されるm本の負論理選択信号線と、
入力端が前記データ信号線に接続され、出力端が前記m本のデータ線のいずれかに接続され、前記正論理の選択信号および前記負論理の選択信号に基づいて前記入力端と前記出力端との間における導通状態が規定されるトランスミッションゲートと、
を備え、
前記トランスミッションゲートは、前記正論理の選択選号がゲート電極に供給される少なくとも2つの第1導電型トランジスタと、前記負論理の選択信号がゲート電極に供給される第2導電型トランジスタと、を含み、
前記複数のデータ線の配列方向を第1方向とし、前記複数のデータ線の延在方向を第2方向としたとき、
前記第1導電型トランジスタ、および前記第2導電型トランジスタは各々、前記第2方向に沿って配置されており、
前記第2導電型トランジスタは、前記第1方向からみたとき、前記2つの第1導電型トランジスタの間に配置され、
前記トランスミッションゲートでは、前記第2導電型トランジスタが複数設けられており、
前記第1方向からみたとき、前記第1導電型トランジスタと前記第2導電型トランジスタとが交互に配置され、
前記複数の第1導電型トランジスタ、および前記複数の第2導電型トランジスタのうちの少なくとも一方には、ゲート電極面積が異なるトランジスタが含まれていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
グループ化されたm(mは2以上の整数)本のデータ線を含む複数のデータ線と、
画素の階調に応じたデータ信号を前記m本のデータ線に対応して出力するデータ信号線と、
正論理の選択信号が供給されるm本の正論理選択信号線と、
前記正論理の選択信号と対をなす負論理の選択信号が供給されるm本の負論理選択信号線と、
入力端が前記データ信号線に接続され、出力端が前記m本のデータ線のいずれかに接続され、前記正論理の選択信号および前記負論理の選択信号に基づいて前記入力端と前記出力端との間における導通状態が規定されるトランスミッションゲートと、
を備え、
前記トランスミッションゲートは、前記正論理の選択選号がゲート電極に供給される少なくとも2つの第1導電型トランジスタと、前記負論理の選択信号がゲート電極に供給される第2導電型トランジスタと、を含み、
前記複数のデータ線の配列方向を第1方向とし、前記複数のデータ線の延在方向を第2方向としたとき、
前記第1導電型トランジスタ、および前記第2導電型トランジスタは各々、前記第2方向に沿って配置されており、
前記第2導電型トランジスタは、前記第1方向からみたとき、前記2つの第1導電型トランジスタの間に配置され、
前記トランスミッションゲートでは、前記第2導電型トランジスタが複数設けられており、
前記第1方向からみたとき、前記第1導電型トランジスタと前記第2導電型トランジスタとが交互に配置され、
前記m本の正論理選択信号線、および前記m本の負論理選択信号線は各々、前記第1方向に延在する主線部分と、前記第2方向に延在して前記トランスミッションゲートに電気的に接続された支線部分と、を備え、
前記複数の第1導電型トランジスタ、および前記複数の第2導電型トランジスタのうちの少なくとも一方には、前記第2方向で前記主線部分に近い位置に設けられたトランジスタより前記第2方向で前記主線部分から遠い位置に設けられたトランジスタの方がゲート電極面積が小さいトランジスタが含まれていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項1からまでの何れか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CMOS方式のトランスミッションゲートを備えた電気光学装置、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デマルチプレクサー方式の電気光学装置においては、データ線を複数列毎にブロック化し、各ブロックに対応して設けられたデータ信号線から供給されたデータ信号をトランスミッションゲートによって各データ線に分配する。かかる電気光学装置において、データ線に対するデータ信号の書き込み速度を向上することを目的にトランスミッションゲートをCMOS方式とする構成がある(特許文献1参照)。特許文献1の図9には、正論理選択信号線および負論理選択信号線の各主線部分がトランスミッションゲートに対して同一の側で第1方向(特許文献1におけるX方向)に延在し、正論理選択信号線および負論理選択信号線の各支線部分がトランスミッションゲートに向けて第2方向(特許文献1におけるY方向)に延在する態様が開示されている。また、特許文献1の図6には、正論理選択信号線および負論理選択信号線の各主線部分がトランスミッションゲートに対して互いに逆側で第1方向に延在し、正論理選択信号線の支線部分がトランスミッションゲートに向けて第2方向に延在する一方、負論理選択信号線の支線部分がトランスミッションゲートに向けて第2方向とは反対側に延在する態様が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-240830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の図6に示す態様では、正論理選択信号線および負論理選択信号線がトランスミッションゲートに対して互いに反対側に配置される。詳細にはデータ信号の入力配線と負論理選択信号線が交差し、データ線と正論理選択信号線が交差する。それぞれの交差部では配線交差による寄生容量が形成される。この寄生容量が正論理選択信号線と負論理選択信号線で異なっているから、それぞれの信号の鈍りが異なる旨が特許文献1の段落[0026]等に記載されている。このような波形鈍りの差異は画素数の増加により顕著となる。
【0005】
一方、特許文献1の図9に示すトランスミッションゲートでは第1導電型トランジスタおよび第2導電型トランジスタが第2方向に沿って配置されるため、正論理選択信号線の支線部分と負論理選択信号線の支線部分とでは配線長が大きく相違することになる。また、支線部分にはトランスミッションゲートのゲート容量以外に隣接配線間や配線交差による寄生容量が形成される。従って、正論理選択信号線と負論理選択信号線とにおいて信号の鈍りに大きな差が発生する。支線部部分の配線長差に起因する抵抗差を考慮すると支線部分だけでも正論理選択信号線と負論理選択信号線とにおいて信号の鈍りの差異が発生することにもなる。つまり、特許文献1の図6図9のいずれの態様であっても、正論理選択信号線と負論理選択信号線で寄生容量が異なっているから、それぞれの信号の鈍りが異なり、その差異は画素数の増加により顕著となる。このようになるとデータ線へのデータ信号書き込み終了時、すなわちトランスミッションゲートをオフする際に発生するフィードスルー電圧が、正論理選択信号線や負論理選択信号線の入力側のデータ線と、終端側のデータ線とで異なる。そのような場合、最適コモン電圧を調整する際に、例えば画面中心に対して最適コモン電圧にすると表示端部では最適コモン電圧でないためにフリッカーが生じるといった問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る電気光学装置は、グループ化されたm(mは2以上の整数)本のデータ線を含む複数のデータ線と、画素の階調に応じたデータ信号を前記m本のデータ線に対応して出力するデータ信号線と、正論理の選択信号が供給されるm本の正論理選択信号線と、前記正論理の選択信号と対をなす負論理の選択信号が供給されるm本の負論理選択信号線と、入力端が前記データ信号線に接続され、出力端が前記m本のデータ線のいずれかに接続され、前記正論理の選択信号および前記負論理の選択信号に基づいて前記入力端と前記出力端との間における導通状態が規定されるトランスミッションゲートと、を備え、前記トランスミッションゲートは、前記正論理の選択選号がゲート電極に供給される少なくとも2つの第1導電型トランジスタと、前記負論理の選択信号がゲート電極に供給される第2導電型トランジスタと、を含み、前記複数のデータ線の配列方向を第1方向とし、前記複数のデータ線の延在方向を第2方向としたとき、前記第1導電型電型トランジスタ、および前記第2導電型トランジスタは各々、前記第2方向に沿って配置されており、前記第2導電型トランジスタは、前記第1方向からみたとき、前記2つの第1導電型トランジスタの間に配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る電気光学装置は、直視型表示装置や投射型表示装置等の各種電子機器に用いることができる。電子機器が投射型表示装置である場合、投射型表示装置は、電気光学装置に供給される光を出射する光源部と、電気光学装置によって変調された光を投射する投射光学系と、を有している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明を適用した電気光学装置の一態様を模式的に示す説明図。
図2図1に示す電気光学装置の電気的構成を示す説明図。
図3図2に示す画素等の構成を示す説明図。
図4図1に示す電気光学装置の動作例を示すタイミングチャート。
図5図4に示すトランスミッションゲートの説明図。
図6図4に示すトランスミッションゲートのレイアウトを示す説明図。
図7図6に示すトランジスタのレイアウトを示す説明図。
図8】本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の説明図
図9図8に示すトランジスタのレイアウトを示す説明図。
図10】本発明の実施の形態2の変形例1に係る電気光学装置の説明図。
図11】本発明の実施の形態2の変形例2に係る電気光学装置の説明図。
図12】本発明の実施の形態3に係る電気光学装置の説明図。
図13図12に示すトランジスタのレイアウトを示す説明図。
図14図13に示すトランジスタ等の平面構成を示す説明図。
図15】本発明の実施の形態4に係る電気光学装置の説明図。
図16】本発明の実施の形態4の変形例に係る電気光学装置の説明図。
図17】本発明の実施の形態5に係る電気光学装置の説明図。
図18】本発明を適用した電気光学装置を用いた投射型表示装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各部材等を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならしめてある。以下の説明において、複数のデータ線114の配列方向を第1方向Xとし、データ線114の延在方向を第2方向Yとしてある。
【0010】
[実施形態1]
1.気光学装置1の基本構成
図1は、本発明を適用した電気光学装置1の一態様を模式的に示す説明図である。図1に示す電気光学装置1は、後述するライトバルブ等として用いられる液晶装置であり、電気光学装置1は、電気光学パネル100として液晶パネルを備えている。電気光学パネル100は、画素電極118等が形成された第1基板10に対して、共通電極(図示せず)等が形成された第2基板20がシール材(図示せず)によって貼り合わされている。電気光学パネル100において、シール材で囲まれた領域には液晶層(図示せず)が設けられている。電気光学パネル100は、例えば、透過型液晶パネルである。従って、矢印Laで示すように、第2基板20の側から入射した光は、第1基板10の側に出射される間に変調される。第1基板10には、駆動用IC2が実装されたフレキシブル配線基板3が接続されている。駆動用IC2は、外部の上位回路(図示せず)から、フレキシブル配線基板3を介して入力されるクロック信号、制御信号、および画像データ等に基づいて、電気光学パネル100に表示させる画像を示す画像信号を出力する。
【0011】
2.電気光学装置1の電気的構成
図2は、図1に示す電気光学装置1の電気的構成を示す説明図である。図2に示すように、電気光学パネル100は、以下に説明する表示領域110、走査線駆動回路130、データ線選択回路150、複数本のデータ信号線160、複数本の選択信号線140、および定電圧線174、175、176が設けられており、これらの要素は、図1に示す第1基板10に形成されている。また、第1基板10には、表示領域110の周辺部の一辺に沿ってデータ線選択回路150が形成され、データ線選択回路150が形成された辺と交差する他の辺に沿って走査線駆動回路130が形成されている。
【0012】
表示領域110は、走査線駆動回路130から行方向である第1方向Xに延在するk本の走査線112と、データ線選択回路150から列方向である第2方向Yに延在する複数本のデータ線114と、複数個の画素111とを有する。kは、1以上の整数である。画素111は、走査線112とデータ線114との交差に対応して設けられ、マトリクス状に配列される。走査線112は、走査信号Y[1]、Y[2]、Y[3]…を伝送する信号線である。データ線114は、各画素111に画像信号S[1]、S[2]、S[3]…を伝送する信号線である。
【0013】
データ線114は、m本毎にn個にグループ化されている。従って、m本のデータ線114に対応する(m×k)個の画素111が1つのグループを形成している。同一のグループに属する画素111は、データ線選択回路150を介して同一のデータ信号線160に接続されている。従って、データ信号線160はn本であり、画素111の数は、k×(m×n)個である。nは、1以上の整数であり、mは2以上の整数である。本形態において、m=4の場合を中心に説明する。
【0014】
走査線駆動回路130は、マトリクス状に配置された複数の画素111の中から、データを書き込む行を選択する。具体的には、走査線駆動回路130は、複数の走査線112の中から1本の走査線112を選択するための走査信号を出力する。走査線駆動回路130は、第1行、第2行、第3行、…の走査線112に、走査信号Y1、Y2、Y3、…を供給する。走査信号Y1、Y2、Y3、…は、例えば、順次排他的にハイレベルとなる信号である。
【0015】
データ信号線160は、データ信号VIDをデータ線選択回路150に伝送する信号線であり、n個のグループの各々に対応して、n本設けられている。データ信号VIDは、画素111に書き込まれるデータを示す信号であり、画素111の階調に応じた信号である。ここで、「画像」は静止画または動画をいう。1本のデータ信号線160は、データ線選択回路150を介してm本のデータ線114に接続される。従って、データ信号VIDには、m本のデータ線114に供給されるデータが時分割多重されている。
【0016】
選択信号線140は、選択信号SELを伝送する信号線である。データ線選択回路150は、n個のグループの各々に対応してn個のデマルチプレクサー151を有しており、各グループにおいて、画像信号を書き込む画素111の列を選択する。具体的には、データ線選択回路150は、選択信号SELに基づいて1つのグループに属するm本のデータ線114の中から1本のデータ線114を選択する。その結果、データ線114は、データ線選択回路150により、対応する1本のデータ信号線160に電気的に接続される。デマルチプレクサー151および画素111の詳細な構成は、図3を参照して後述する。
【0017】
電気光学パネル100には、フレキシブル配線基板3を介して電源電圧が供給される定電圧線174、175、176が設けられている。電源電圧とは、電気光学パネル100において電源として用いられる直流電圧である。定電圧線174は、共通電圧LCCOMを供給するための配線であり、定電圧線174は低電圧側の電圧VSSYを供給するための配線であり、定電圧線175は高電圧側の電圧VDDYを供給するための配線である。なお、走査線駆動回路130は、表示領域110に対して左右両側に1つずつ設けられる場合がある。
【0018】
3.デマルチプレクサー151および画素111の構成
図3は、図2に示す画素111等の構成を示す説明図である。図3には、表示領域110の第i行の第(m×j-3)列~第(m×j)列の画素111と、それらに対応するデマルチプレクサー151が示されている。iは、1≦i≦kを満たす整数であり、jは、1≦j≦nを満たす整数である。本形態では、mが4であることから、図3には、表示領域110の第i行の第(4j-3)列~第(4j)列の画素111を示してある。
【0019】
画素111は、TFT(Thin Film Transistor)等からなる画素スイッチング素子116と、画素電極118と、液晶層120と、共通電極108と、保持容量117とを有する。画素スイッチング素子116は、画素電極118へのデータ信号の書き込みを制御するスイッチング素子であり、本形態において、画素スイッチング素子116は、nチャネル型の電界効果トランジスタである。画素スイッチング素子116のゲート電極は走査線112に接続され、ソース電極はデータ線114に接続され、ドレイン電極は画素電極118に接続されている。走査線112にハイレベルの走査信号が供給されると画素スイッチング素子116はオン状態になり、画素電極118に画像信号が供給される。走査線112にローレベルの走査信号が供給されると画素スイッチング素子116はオフ状態になる。共通電極108はすべての画素111について共通である。共通電極108には共通電圧LCCOMが印加される。液晶層120には、画素電極118と共通電極108との電圧差に相当する電圧が印加され、印加された電圧に応じて光学的特性が変化する。保持容量117は、画素電極118と共通電圧LCCOMとの電圧差に相当する電荷を保持する。
【0020】
デマルチプレクサー151は、各グループにおいて、選択信号SELに基づいて選択されたデータ線114に、データ信号VIDを供給する回路である。1つのデマルチプレクサー151は、m個のトランスミッションゲート152を有している。m個のトランスミッションゲート152は各々、入力端156がデータ信号線160に接続され、出力端157が4本のデータ線114のいずれかに接続されている。また、m個のトランスミッションゲート152は各々、選択信号SELに応じて、入力端156と出力端157との間における導通状態が規定され、その結果、データ線114が選択される。本形態では、mが4であるため、1つのデマルチプレクサー151には、4個のトランスミッションゲート152[1]、152[2]、152[3]、152[4]が設けられている。
【0021】
本形態において、トランスミッションゲート152は、CMOS回路を有している。従って、トランスミッションゲート152には、4本の正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]を介して正論理の選択信号SEL[1]、SEL[2]、SEL[3]、SEL[4]が供給される。また、トランスミッションゲート152には、4本の負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]を介して負論理の選択信号SEL[1B]、SEL[2B]、SEL[3B]、SEL[4B]が供給される。ここで、負論理の選択信号SEL[1B]、SEL[2B]、SEL[3B]、SEL[4B]は各々、正論理の選択信号SEL[1]、SEL[2]、SEL[3]、SEL[4]と対応している。典型的には正論理の選択信号SEL[x]の反転信号が負論理の選択信号SEL[xB]である。
【0022】
正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]は各々、第1方向Xに延在する主線部分141と、主線部分141から第2方向Yに延在してトランスミッションゲート152[1]、152[2]、152[3]、152[4]のゲート電極に電気的に接続された支線部分142とを備えている。データ信号線160は、各ブロックに対応する第1配線部分161と、第1配線部分161から分岐して各トランスミッションゲート152に向けて第2方向Yに延在する複数の第2配線部分162とを有している。本形態では、選択信号線140の主線部分141に対して第2方向Yで隣り合う位置では、複数の第2配線部分162を互いに短絡させる短絡用配線163が第1方向に延在している。
【0023】
トランスミッションゲート152は、正論理の選択選号がゲート電極に供給される第1導電型トランジスタと、負論理の選択信号がゲート電極に供給される第2導電型トランジスタとを含んでおり、第1導電型トランジスタと第2導電型トランジスタとは並列に電気的に接続されている。
【0024】
ここで、第1導電型トランジスタおよび第2導電型トランジスタは、一方がnチャネル型トランジスタであり、他方がpチャネル型トランジスタである。本形態では、第1導電型トランジスタがnチャネル型トランジスタ15nであり、第2導電型トランジスタがpチャネル型トランジスタ15pの場合を例示してある。
【0025】
4.動作
図4は、図1に示す電気光学装置1の動作例を示すタイミングチャートである。図4では、水平同期信号Hsync、走査信号Y1、Y2、Y3…Yk、走査信号Y1、Y2、Y3、…Ykがハイレベルのタイミングに対応した選択信号SEL、およびデータ信号VIDを図示している。データ信号VIDには、対応する4つの画素111に書き込まれるデータが時分割多重されている。従って、選択信号SELに基づいて、トランスミッションゲート152がオン・オフするので、対応するデータ線114に所定のデータ信号VIDが供給される。例えば、正論理の選択信号SEL[1]がハイレベルとなる一方、負論理の選択信号SEL[1B]がローレベルとなったタイミングで、図3に示すトランスミッションゲート152[1]がオン状態となるので、第[4j-3]列のデータ線114にデータ信号VID[1]に含まれる画像信号S[4j-3]が供給される。また、正論理の選択信号SEL[2]がハイレベルとなる一方、負論理の選択信号SEL[2B]がローレベルとなったタイミングで、図3に示すトランスミッションゲート152[2]がオン状態となるので、第[4j-2]列のデータ線114にデータ信号VID[4j-2]が供給される。
【0026】
なお、電気光学装置1では、1つの水平走査期間H毎に、全てのデータ線114に対して、データ線選択回路150を介してプリチャージ電圧が供給され、その後、データ信号VIDが供給されることもある。また、電気光学装置1では、1フレーム毎にデータ信号VIDの極性が反転する駆動方式が採用されることもある。
【0027】
5.トランスミッションゲート152の構成
図5は、図4に示すトランスミッションゲート152の説明図であり、トランスミッションゲート152に用いたCMOS回路の平面構成の一例を示してある。図6は、図4に示すトランスミッションゲート152のレイアウトを示す説明図である。図7は、図6に示すトランジスタのレイアウトを示す説明図である。なお、図6および図7では、nチャネル型トランジスタ15nについては、「N」を付した四角で示し、pチャネル型トランジスタ15pについては、「P」を付した四角で示し、トランジスタと配線との電気的な接続は、説明の容易化のために簡易的に黒丸で示してある。
【0028】
図5に示すように、トランスミッションゲート152において、nチャネル型トランジスタ15n(第1導電型トランジスタ)、およびpチャネル型トランジスタ15p(第2導電型トランジスタ)は、TFTである。従って、nチャネル型トランジスタ15n、およびpチャネル型トランジスタ15pは、半導体層11を有しており、選択信号線140の支線部分142の一部は、ゲート電極12として、半導体層11にゲート絶縁層(図示せず)を介して重なっている。データ線114、およびデータ信号線160は各々、コンタクトホール14aを介して半導体層11のソース領域およびドレイン領域に電気的に接続されている。選択信号線140では、主線部分141と支線部分142とが異なる層に形成されており、主線部分141と支線部分142とはコンタクトホール14bを介して電気的に接続されている。また、データ信号線160のうち、少なくとも選択信号線140と交差する部分は、選択信号線140と異なる層に設けられる。より詳細には、支線部分142はデータ信号線160やデータ線114が形成された配線層13より下層に形成され、主線部分141はデータ信号線160やデータ線114が形成された配線層13より上層に形成されている。従って、コンタクトホール14bは、例えばスタックコンタクト構造であって、主線部分141と支線部分142は配線層13を中継して接続される。言うまでもなくコンタクトホール14bはスタックコンタクト構造でなくてもよい。
【0029】
図6および図7に示すように、本形態において、トランスミッションゲート152は、少なくとも2つのnチャネル型トランジスタ15nと、pチャネル型トランジスタ15pとを含んでおり、少なくとも2つのnチャネル型トランジスタ15n、およびpチャネル型トランジスタ15pは、支線部分142が延在する第2方向Yに沿って配置されている。ここで、pチャネル型トランジスタ15pは、第1方向Xからみたとき、2つのnチャネル型トランジスタ15nの間に配置されている。
【0030】
本形態において、pチャネル型トランジスタ15pは、nチャネル型トランジスタ15nと同様、複数設けられており、第1方向Xからみたとき、nチャネル型トランジスタ15nとpチャネル型トランジスタ15pとが交互に配置されている。また、nチャネル型トランジスタ15nとpチャネル型トランジスタ15pが同数設けられている。より具体的には、nチャネル型トランジスタ15n、およびpチャネル型トランジスタ15pは各々、2つずつ設けられている。従って、主線部分141から第2方向Yに沿う領域を順に第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3、第4領域A4としたとき、nチャネル型トランジスタ15nは、第1領域A1、および第3領域A3の各々に配置され、pチャネル型トランジスタ15pは、第2領域A2、および第4領域A4の各々に配置されている。それ故、トランスミッションゲート152では、主線部分141が位置する側から第2方向Yに沿って、nチャネル型トランジスタ15n、pチャネル型トランジスタ15p、nチャネル型トランジスタ15n、およびpチャネル型トランジスタ15pに順に配置されている。また、第1方向Xで隣り合う2つのトランスミッションゲート152では、第2方向Yにおけるトランジスタの導電型の配列順序が同一である。
【0031】
また、nチャネル型トランジスタ15nとpチャネル型トランジスタ15pとは、第2方向Yからみたとき、第1方向Xでずれた位置に配置されている。このため、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の各支線部分142、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の各支線部分142は、互いに平行に第2方向Yに直線的に延在している。また、データ線114、およびデータ信号線160の第2配線部分162も、第2方向Yに直線的に延在している。なお、主線部分141と支線部分142の結合部から第1領域A1までの、支線部分142にはデータ信号線160の第2配線部分162が並行するように配置されている。この構成により、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142とデータ信号線160の第2配線部分162との隣接配線間容量と、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142とデータ信号線160の第2配線部分162との隣接配線間容量との差を小さくしている。さらに、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142は第3領域A3を超えて、第4領域A4のpチャネル型トランジスタ15pの負論理選択信号線140の支線部分142と略同じ長さになるように延在させている。この構成により、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142に関する寄生容量と、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142に関する寄生容量との差を小さくしている。同様にしてデータ信号線160についても第3領域A3を超えて、第4領域のpチャネル型トランジスタ15pの際にも配置させている。この構成により、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142に関する寄生容量と、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142に関する寄生容量との差を小さくしている。
【0032】
このように本形態では、複数のトランスミッションゲート152のいずれにおいても、少なくとも2つのnチャネル型トランジスタ15nと、pチャネル型トランジスタ15pとを含んでおり、pチャネル型トランジスタ15pは、第1方向Xからみたとき、2つのnチャネル型トランジスタ15nの間に配置されている。例えば、本形態では、第2方向Yにおいて、nチャネル型トランジスタ15nと、pチャネル型トランジスタ15pとが交互に配置されている。従って、本形態のトランスミッションゲート152では、nチャネル型トランジスタ15nおよびpチャネル型トランジスタ15pを第1領域A1および第2領域A2のみに配置した比較例のトランスミッションゲートより、nチャネル型トランジスタ15nを制御する支線部分142の配線長と、pチャネル型トランジスタ15pを制御する支線部分142の配線長との比を1に近づけることができる。すなわち、以下に示すように、配線長の比を比較すると、本形態の配線長の比の方が1に近い。
本形態における配線長の比=(L2+L4)/(L1+L3)
比較例における配線長の比=L2/L1
L1=第1領域A1のnチャネル型トランジスタ15n
を制御する支線部分142の配線長
L2=第2領域A1のpチャネル型トランジスタ15p
を制御する支線部分142の配線長
L3=第3領域A3のnチャネル型トランジスタ15n
を制御する支線部分142の配線長
L4=第4領域A4のpチャネル型トランジスタ15p
を制御する支線部分142の配線
【0033】
このため、本形態によれば、正論理の選択信号SELの支線部分142と、負論理の選択信号SELの支線部分142とにおける配線長の比を比較例のものより1に近づけることができるので、正論理の選択信号SELの支線部分142と、負論理の選択信号SELの支線部分142とにおける寄生抵抗の比および寄生容量の比を1に近づけることができる。ここで、選択信号SELの駆動負荷は支線部分142が支配的である。本形態によれば、支線部分142における隣接配線間や配線交差による寄生容量の差異を縮小できるから、正論理の選択信号SELと、負論理の選択信号SELの波形の鈍りの差異を小さくできる。波形の鈍りの差異が小さくなるから主線部分141の入力側から終端側までの(換言すれば全データ線に対する)フィールドスルー電圧のバランスが崩れにくいので、全表示領域について共通電圧LCCOMを適正に設定することができる。また、支線部分142にnチャネル型トランジスタ15nおよびpチャネル型トランジスタ15pを分割して交互に配置したので、支線部分142の配線抵抗と容量負荷が分散されている。従って、支線部分142の正論理の選択信号SELと、負論理の選択信号SELは互いに近しい時定数になる。つまり正論理の選択信号SEL、および負論理の選択信号SELについて、支線部分142の入力側と支線部分142の終端側でのフィールドスルー電圧のバランスが崩れにくいので、共通電圧LCCOMを適正に設定することができる。換言すれば、トランスミッションゲート152によるフィードスルー電圧が、共通電圧LCCOMを基準にして大きくプラス側やマイナス側に偏ることを抑制する。フィードスルー電圧が大きくなることを抑制するから、外部回路によるデータ信号や共通電圧LCCOM電圧の可変範囲を小さくし、回路規模や消費電力の増加を回避できる。
【0034】
[実施の形態2]
図8は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置1の説明図であり、図8には、トランスミッションゲート152のレイアウトを示してある。図9は、図8に示すトランジスタのレイアウトを示す説明図である。本形態、および後述する形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分に同一の符号を付してそれらの説明を省略する。また、図8図9、および後述する図面では、nチャネル型トランジスタ15nについては、「N」を付した四角で示し、pチャネル型トランジスタ15pについては、「P」を付した四角で示してある。
【0035】
図8および図9に示すように、本形態では、実施の形態1と同様、第1方向Xからみたとき、nチャネル型トランジスタ15nとpチャネル型トランジスタ15pとが交互に配置されている。
【0036】
ここで、実施の形態1では、図6に示すように、nチャネル型トランジスタ15nとpチャネル型トランジスタ15pとは、第2方向Yからみたとき、第1方向Xでずれた位置に配置されている。このため、図6に示すように、ブロック内では、第1方向Xで隣り合うトランジスタの間隔がd1であるが、第1方向Xで隣り合うブロックに属するトランジスタの間隔はd2であり、ブロック内でのトランジスタの間隔d1より広い。これは、ブロック境界のトランジスタを構成する半導体膜間に配線を2本配置する部分があるためである。これに対して、本形態では、図8および図9に示すように、ブロック内で第1方向Xで隣り合うトランジスタの間隔、および第1方向Xで隣り合うブロックに属するトランジスタの間隔はいずれもd1である。これはブロック境界のトランジスタを構成する半導体膜間に配線を1本配置すればよいからである。このため、トランジスタを構成する半導体層を第1方向Xで等間隔に配置すればよい等、トランジスタのレイアウトの簡素化や効率的な配置を実現することができる。
【0037】
かかる構成を実現するために、本形態では、第2方向Yに沿って交互に配置された2つのnチャネル型トランジスタ15n、および2つのpチャネル型トランジスタ15pは、第2方向Yに沿って直線状に配置されている。このため、nチャネル型トランジスタ15nおよびpチャネル型トランジスタ15pは、第2方向Yからみたとき、第1方向Xで同一の位置に配置されている。かかるレイアウトに対応して、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の各支線部分142、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の各支線部分142は、互いの交差を回避するように第2方向Yの途中部分で屈曲して第2方向Yに延在している。より具体的には、支線部分142は、第1領域A1と第2領域A2との間で第1方向Xに屈曲し、第2領域A2と第3領域A3との間で第1方向Xと逆方向に屈曲し、第3領域A3と第4領域A4との間では第1方向Xに屈曲している。
【0038】
ここで、第1方向Xで隣り合うトランスミッションゲート152では、第2方向Yに沿って配列されたトランジスタの導電型の順序が逆である。例えば、第1方向Xにおいて奇数番目のトランスミッションゲート152では、第2方向Yに沿って、nチャネル型トランジスタ15n、pチャネル型トランジスタ15p、nチャネル型トランジスタ15n、およびpチャネル型トランジスタ15pの順に配置されている。これに対して、第1方向Xにおいて偶数番目のトランスミッションゲート152では、第2方向Yに沿って、pチャネル型トランジスタ15p、nチャネル型トランジスタ15n、pチャネル型トランジスタ15p、およびnチャネル型トランジスタ15nの順に配置されている。このため、本形態では、データ線114と交差する支線部分142は、図9に点線の円Cnで示すように、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142であり、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142は、データ線114と交差していない。従って、フィードスルー電圧については全トランスミッションゲート152について、正論理の選択信号の影響が負論理の選択信号の影響より大きくなるように統一されている。つまり全トランスミッションゲート152について、フィードスルー電圧の向きを共通電圧LCCOMを基準にして同じにできる。このため、例えば奇数番目のトランスミッションゲート152と偶数番目のトランスミッションゲート152に分けてデータ信号を補正する必要もなくなる。結果として縦スジムラ等になりにくく良好な表示にできる。なお点線の円Cnに示す配線交差部の寄生容量による影響の改善実施例については後述する。
【0039】
さらに、本形態では、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]において、支線部分142は、それ自身が電気的に接続する主線部分141より第2方向Yとは反対側に向けて延在している。このため、図9に点線の四角Csで示すように、いずれの支線部分142も、それ自身が電気的に接続する主線部分141以外の5本の主線部分141と交差している。それ故、選択信号線140のいずれにおいても、他の選択信号線140との交差に起因する寄生容量を同等とすることができる。また、各支線部分142には並行してデータ信号線160の第2配線部分162を配置する。このため第1領域A1までの、支線部分142の隣接配線間容量とデータ信号線160の第2配線部分162の隣接配線間容量の値を近しくしている。従ってこの支線部分142において、正論理の選択信号によるフィードスルー電圧と負論理の選択信号によるフィードスルー電圧は良好に相殺し合う。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0040】
[実施の形態2の変形例1]
図10は、本発明の実施の形態2の変形例1に係る電気光学装置1の説明図であり、図10には、トランスミッションゲート152におけるトランジスタのレイアウトを示してある。
【0041】
図10に示すように、本形態では、実施の形態2と同様、第2方向Yに沿って交互に配置された2つのnチャネル型トランジスタ15n、および2つのpチャネル型トランジスタ15pは、第2方向Yに沿って直線状に配置されている。従って、nチャネル型トランジスタ15nおよびpチャネル型トランジスタ15pは、第2方向Yからみたとき、第1方向Xで同一の位置に配置されている。従って、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の各支線部分142、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の各支線部分142は、互いの交差を回避するように第2方向Yの途中部分で屈曲して第2方向Yに延在している。
【0042】
本形態において、複数のトランスミッションゲート152のいずれにおいても、第2方向Yに沿って配列されたトランジスタの導電型の順序が同一である。このため、第1方向Xにおいて奇数番目のトランスミッションゲート152では、図10に点線の円Cnで示すように、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142がデータ線114と交差し、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142は、データ線114と交差していない。これに対して、第1方向Xにおいて偶数番目のトランスミッションゲート152では、図10に点線の円Cpで示すように、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142がデータ線114と交差し。正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142は、データ線114と交差していない。
【0043】
かかる構成でも、実施の形態1と同様、第1方向Xからみたとき、nチャネル型トランジスタ15nとpチャネル型トランジスタ15pとが交互に配置されているので、nチャネル型トランジスタ15nを制御する支線部分142の配線長と、pチャネル型トランジスタ15pを制御する支線部分142の配線長の比を1に近づけることができる。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0044】
「実施の形態2の変形例2]
図11は、本発明の実施の形態2の変形例2に係る電気光学装置1の説明図であり、図11には、トランスミッションゲート152のレイアウトを示してある。
【0045】
nチャネル型トランジスタ15nとpチャネル型トランジスタ15pとが交互に配置されている。また、本形態においては、第2方向Yからみたとき、nチャネル型トランジスタ15n、およびpチャネル型トランジスタ15pは、第1方向Xにずれている。従って、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の各支線部分142、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の各支線部分142は、第2方向Yに直線的に延在している。支線部分142が直線状に配置されているので、支線部分142の配線長は短くなる。そのため、支線部分142の寄生容量は縮小するから高速駆動に適している。
【0046】
また、第1方向Xで隣り合うトランスミッションゲート152では、第2方向Yに沿って配列されたトランジスタの導電型の順序が逆である。例えば、第1方向Xにおいて奇数番目のトランスミッションゲート152では、第2方向Yに沿って、nチャネル型トランジスタ15n、pチャネル型トランジスタ15p、nチャネル型トランジスタ15n、およびpチャネル型トランジスタ15pの順に配置されている。これに対して、第1方向Xにおいて偶数番目のトランスミッションゲート152では、第2方向Yに沿って、pチャネル型トランジスタ15p、nチャネル型トランジスタ15n、pチャネル型トランジスタ15p、およびnチャネル型トランジスタ15nの順に配置されている。このため、本形態では、データ線114と交差する支線部分142は、図9に点線の円Cnで示すように、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142であり、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142は、データ線114と交差していない。従って、フィードスルー電圧については、全トランスミッションゲート152について正論理の選択信号の影響が負論理の選択信号による影響より大きくなるように統一されている。つまり全トランスミッションゲート152について、フィードスルー電圧の向きは共通電圧LCCOMを基準にして同じにできる。このため、例えば奇数番目のトランスミッションゲート152と偶数番目のトランスミッションゲート152に分けてデータ信号を補正する必要もなくなる。結果として縦スジムラ等になりにくく良好な表示にできる。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0047】
[実施の形態3]
図12は、本発明の実施の形態3に係る電気光学装置1の説明図であり、図12には、トランスミッションゲート152のレイアウトを示してある。図13は、図12に示すトランジスタのレイアウトを示す説明図である。図14は、図13に示すトランジスタ等の平面構成を示す説明図である。
【0048】
図12および図13に示すように、本形態では、実施の形態1と同様、第1方向Xからみたとき、nチャネル型トランジスタ15nとpチャネル型トランジスタ15pとが交互に配置されている。また、本形態では、実施の形態2と同様、nチャネル型トランジスタ15nおよびpチャネル型トランジスタ15pは、第2方向Yからみたとき、第1方向Xで同一の位置に配置されている。従って、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の各支線部分142、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の各支線部分142は、互いの交差を回避するように第2方向Yの途中部分で屈曲して第2方向Yに延在している。
【0049】
実施例2の変形例1では第1方向Xにおいて奇数番目のトランスミッションゲート152では、図10に点線の円Cnで示すように、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142がデータ線114と交差し、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142は、データ線114と交差していなかった。本形態では、図14に示すように、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142には、データ線114と交差するように突出した突出部145pが形成されている。従って、奇数番目のトランスミッションゲート152では、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]とのデータ線114との間、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]とデータ線114との間には同等の寄生容量が存在する。従って、第1方向Xにおいて奇数番目のトランスミッションゲート152では正論理の選択信号SELと、負論理の選択信号SELとおいて、寄生容量の差を縮小することができる。
【0050】
一方、実施例2の変形例1では第1方向Xにおいて偶数番目のトランスミッションゲート152では、図10に点線の円Cpで示すように、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142がデータ線114と交差し、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142は、データ線114と交差していなかった。本形態では、図14に示すように、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142には、データ線114と交差するように突出した突出部145nが形成されている。従って、偶数番目のトランスミッションゲート152では、奇数番目のトランスミッションゲート152と同様、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]とのデータ線114との間、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]とデータ線114との間には同等の寄生容量が存在する。従って、第1方向Xにおいて偶数番目のトランスミッションゲート152でも、奇数番目のトランスミッションゲート152と同様、正論理の選択信号SELと、負論理の選択信号SELとおいて、寄生容量の差を縮小することができる。
【0051】
また、実施例2の変形例1では第1方向Xにおいて奇数番目のトランスミッションゲート152では、図10のように、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142がデータ信号線160と交差し、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142は、データ線114と交差していなかった。本形態では、図14に示すように、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142には、データ信号線160と交差するように突出した突出部146nが形成されている。従って、奇数番目のトランスミッションゲート152では、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]とのデータ信号線160との間、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]とデータ信号線160との間には同等の寄生容量が存在する。
【0052】
一方、実施例2の変形例1では第1方向Xにおいて偶数番目のトランスミッションゲート152では、図10のように、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]の支線部分142がデータ信号線160と交差し、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142は、データ信号線160と交差していなかった。本形態では、図14に示すように、負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]の支線部分142には、データ信号線160と交差するように突出した突出部146pが形成されている。従って、偶数番目のトランスミッションゲート152では、奇数番目のトランスミッションゲート152と同様、正論理選択信号線140[1]、140[2]、140[3]、140[4]とのデータ信号線160との間、および負論理選択信号線140[1B]、140[2B]、140[3B]、140[4B]とデータ信号線160との間には同等の寄生容量が存在する。
【0053】
[実施の形態4]
図15は、本発明の実施の形態4に係る電気光学装置1の説明図であり、トランスミッションゲート152のレイアウトを示してある。図15に示すように、2つのnチャネル型トランジスタ15nの間にpチャネル型トランジスタ15pを配置するにあたって、本形態では、2つのnチャネル型トランジスタ15nの間に2つのpチャネル型トランジスタ15pが配置されている。かかる構成でも、正論理の選択信号SELと、負論理の選択信号SELとおいて、隣接配線間や配線交差による寄生容量の差異を縮小できる。
【0054】
[実施の形態4の変形例]
図16は、本発明の実施の形態4の変形例に係る電気光学装置1の説明図であり、トランスミッションゲート152のレイアウトを示してある。実施の形態4では、2つのnチャネル型トランジスタ15nの間に2つのpチャネル型トランジスタ15pが配置されていたが、図16に示すように、1つのpチャネル型トランジスタ15pが配置されている態様であってよい。かかる構成でも、正論理の選択信号SELと、負論理の選択信号SELとおいて、隣接配線間や配線交差による寄生容量の差異を縮小できる。
【0055】
[実施の形態5]
図17は、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置1の説明図である。図17に示すように、トランスミッションゲート152にnチャネル型トランジスタ15n、およびpチャネル型トランジスタ15pが各々、複数配置されている場合、複数のnチャネル型トランジスタ15n、および複数のpチャネル型トランジスタ15pのうちの少なくとも一方には、ゲート電極面積が異なるトランジスタが含まれている態様であってもよい。例えば、複数のnチャネル型トランジスタ15n、および複数のpチャネル型トランジスタ15pのうちの少なくとも一方には、ゲート電極面積が異なるトランジスタが含まれ、第2方向Yで主線部分141に近い位置に設けられたトランジスタより第2方向Yで本支線部分142から遠い位置に設けられたトランジスタの方が、ゲート電極面積が小さいトランジスタが含まれている態様であってもよい。かかる態様によれば、大きいゲート容量を有するトランジスタが、選択信号線140の主線部分141に近い側に配置されるから、支線部分142に属するトランジスタのスイッチングが早くできるので高速駆動に適している。支線部分142は、例えばポリシリコン膜やポリシリコン膜とWSi膜との積層等で形成されるので抵抗値が大きい。従って、ゲート電極面積が大きいためにゲート容量が大きいトランジスタを主線部分141に近い側に配置すると、小さい時定数でスイッチングすることができる。例えば、トランスミッションゲート152に、nチャネル型トランジスタ15n、およびpチャネル型トランジスタ15pが各々、3個ずつ用いられている構成の場合、主線部分141に近い側からトランジスタのチャネル幅が200μm、100μm、50μmと漸減する構成にする。
【0056】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、第1導電型トランジスタがnチャネル型トランジスタ15nであり、第2導電型トランジスタがpチャネル型トランジスタ15pの場合を例示したが、第1導電型トランジスタがpチャネル型トランジスタ15pであり、第2導電型トランジスタがnチャネル型トランジスタ15nの場合に本発明を適用してもよい。上記実施形態では第1基板10の一方から選択信号線140を延在させる場合を例示したが、第1基板10の左右から延在させる態様としてもよい。上記実施形態では、駆動用IC2がフレキシブル配線基板3に実装されている態様を例示したが、第1基板10に駆動用IC2が実装されている場合に本発明を適用してもよい。上記実施形態では、電気光学装置1が透過型の液晶装置の場合を例示したが、電気光学装置1が反射型の液晶装置や、電気光学装置1が有機エレクトロルミネッセンス装置等である場合に本発明を適用してもよい。
【0057】
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る電気光学装置1を用いた電子機器について説明する。図18は、本発明を適用した電気光学装置1を用いた投射型表示装置(電子機器)の概略構成図である。
【0058】
図18に示す投射型表示装置2100は、電気光学装置1を用いた電子機器の一例である。投射型表示装置2100において、電気光学装置1がライトバルブとして用いられ、装置を大きくすることなく高精細で明るい表示が可能である。この図に示されるように、投射型表示装置2100の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源を有するランプユニット2102(光源部)が設けられている。ランプユニット2102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によってR(赤)色、G(緑)色、B(青)色の3原色に分離される。分離された投射光は、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれる。なお、B色の光は、他のR色やG色と比較すると光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124を有するリレーレンズ系2121を介して導かれる。
【0059】
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、ダイクロイックプリズム2112において、R色およびB色の光は90度に反射し、G色の光は透過する。従って、各原色の画像が合成された後、スクリーン2120には、投射レンズ群2114(投射光学系)によってカラー画像が投射される。
【0060】
[他の投射型表示装置]
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0061】
[他の電子機器]
本発明を適用した電気光学装置1を備えた電子機器は、上記実施形態の投射型表示装置2100に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHKD(ヘッドマウントディスプレイ)、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ等の電子機器に用いてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…電気光学装置、2…駆動用IC、3…フレキシブル配線基板、10…第1基板、11…半導体層、15n…nチャネル型トランジスタ(第1導電型トランジスタ)、15p…pチャネル型トランジスタ(第2導電型トランジスタ)、20…第2基板、100…電気光学パネル、100B、100G、100R…ライトバルブ、111…画素、112…走査線、114…データ線、116…画素スイッチング素子、118…画素電極、120…液晶層、140…選択信号線、141…主線部分、142…支線部分、145n、145p、146n、146p…突出部、150…データ線選択回路、151…デマルチプレクサー、152…トランスミッションゲート、156…入力端、157…出力端、160…データ信号線、2100…投射型表示装置、2102…ランプユニット(光源部)、2114…投射レンズ群(投射光学系)、A1…第1領域、A2…第2領域、A3…第3領域、A4…第4領域、S1、S2、S3…画像信号、SEL…選択信号、LCCOM…共通電圧、X…第1方向、Y…第2方向、Y1、Y2、Y3…走査信号、VID…データ信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18