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特許7468002異常箇所表示装置、異常箇所表示システム、異常箇所表示方法、及び異常箇所表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】異常箇所表示装置、異常箇所表示システム、異常箇所表示方法、及び異常箇所表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/86 20200101AFI20240409BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20240409BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20240409BHJP
【FI】
G01S17/86
G01S17/89
G06F3/04842
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020041198
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021143875
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂央
(72)【発明者】
【氏名】田邉 泰祐
(72)【発明者】
【氏名】松本 浩
(72)【発明者】
【氏名】重田 考徳
(72)【発明者】
【氏名】安部 淳一
(72)【発明者】
【氏名】辻 聡
(72)【発明者】
【氏名】小野 善将
(72)【発明者】
【氏名】安倍 次朗
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-124659(JP,A)
【文献】特開2003-032589(JP,A)
【文献】特開平10-318805(JP,A)
【文献】特開2019-023568(JP,A)
【文献】特開2004-212129(JP,A)
【文献】国際公開第2019/031386(WO,A1)
【文献】特開2018-136340(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110458177(CN,A)
【文献】特開2016-037808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51,
G01S 17/00-17/95,
G06F 3/04842
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ測距機器を用いて対象物を測定した前記対象物の点群データと、撮影機器を用いて前記対象物を撮影した前記対象物の撮影画像と、を取得する取得部と、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示する表示部と、
前記表示部に表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御する制御部と、
を備え
前記制御部は、第1時刻に測定された前記点群データと前記第1時刻から所定の時間だけ過去の第2時刻に撮影された前記撮影画像とを前記表示部に表示し、
前記レーザ測距機器はレーザを前記対象物に照射し、照射による反射輝度を測定して前記対象物までの距離データを3次元的に取得し、
取得した前記距離データと、通常状態の測定の結果得られる前記距離データと、の差分が所定差分以上の場合、前記対象物の表面に異常箇所が有ることが検出される、
異常箇所表示装置。
【請求項2】
前記レーザ測距機器が前記対象物を測定した測定位置と、前記撮影機器が前記対象物を撮影した撮影位置と、の間の距離は、所定距離以内である、
請求項1に記載の異常箇所表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記レーザ測距機器が前記対象物を測定した複数の前記測定位置と前記撮影機器が前記対象物を撮影した複数の前記撮影位置とを前記表示部に表示し、
複数の前記測定位置の中から所定の測定位置が選択され、複数の前記撮影位置の中から所定の撮影位置が選択された場合、前記所定の測定位置から前記レーザ測距機器が測定した前記点群データと、前記所定の撮影位置から前記撮影機器が測定した前記撮影画像と、を前記表示部に表示し、
複数の前記測定位置は、前記対象物に前記異常箇所が現れる前後における前記レーザ測距機器の測定位置を示し、
複数の前記撮影位置は、前記対象物に前記異常箇所が現れる前後における前記撮影機器の撮影位置を示す、
請求項2に記載の異常箇所表示装置。
【請求項4】
前記第1時刻は、夜間の時刻であり、前記第2時刻は、昼間の時刻である、
請求項1に記載の異常箇所表示装置。
【請求項5】
前記撮影機器は、カメラである、
請求項1から4のいずれか1つに記載の異常箇所表示装置。
【請求項6】
レーザ測距機器と撮影機器と異常箇所表示装置とを備え、
前記レーザ測距機器は、
対象物を測定して前記対象物の点群データを取得し、
前記撮影機器は、
前記対象物を撮影して前記対象物の撮影画像を取得し、
前記異常箇所表示装置は、
前記レーザ測距機器が測定した前記対象物の前記点群データと、前記撮影機器が撮影した前記対象物の前記撮影画像と、を取得する取得部と、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示する表示部と、
前記表示部に表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、第1時刻に測定された前記点群データと前記第1時刻から所定の時間だけ過去の第2時刻に撮影された前記撮影画像とを前記表示部に表示し、
前記レーザ測距機器はレーザを前記対象物に照射し、照射による反射輝度を測定して前記対象物までの距離データを3次元的に取得し、
取得した前記距離データと、通常状態の測定の結果得られる前記距離データと、の差分が所定差分以上の場合、前記対象物の表面に異常箇所が有ることが検出される、
異常箇所表示システム。
【請求項7】
対象物を測定した前記対象物の点群データと、前記対象物を撮影した前記対象物の撮影画像と、を取得することと、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示することと、
前記表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御することと、
第1時刻に測定された前記点群データと前記第1時刻から所定の時間だけ過去の第2時刻に撮影された前記撮影画像とを前記所定の画面上に表示することと、
レーザを前記対象物に照射し、照射による反射輝度を測定して前記対象物までの距離データを3次元的に取得することと、
取得した前記距離データと、通常状態の測定の結果得られる前記距離データと、の差分が所定差分以上の場合、前記対象物の表面に異常箇所が有ると検出することと、
を備える方法。
【請求項8】
対象物を測定した前記対象物の点群データと、前記対象物を撮影した前記対象物の撮影画像と、を取得することと、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示することと、
前記表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御することと、
第1時刻に測定された前記点群データと前記第1時刻から所定の時間だけ過去の第2時刻に撮影された前記撮影画像とを前記所定の画面上に表示することと、
レーザを前記対象物に照射し、照射による反射輝度を測定して前記対象物までの距離データを3次元的に取得することと、
取得した前記距離データと、通常状態の測定の結果得られる前記距離データと、の差分が所定差分以上の場合、前記対象物の表面に異常箇所が有ると検出することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異常箇所表示装置、異常箇所表示システム、異常箇所表示方法、及び異常箇所表示プログラムに関するものであり、特に、対象物の異常箇所の視認性を向上させることが可能な異常箇所表示装置、異常箇所表示システム、異常箇所表示方法、及び異常箇所表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物の異常箇所を特定するため、ユーザは、レーザ測距(LiDAR:Light Detection and Ranging)装置を用いて対象物の点群データを取得し、点群データはデータ処理された後、例えば、パソコン等の端末の画面上に表示される。ユーザはこれを閲覧することにより、対象物の異常箇所を特定していた。
【0003】
特許文献1には、「部材の点群データ及び3次元CADデータを取得する。点群データ及び3次元CADデータを複数のセグメントに分割する。点群データを分割したセグメントをノードとした第1のグラフ及び3次元CADデータを分割したセグメントをノードとした第2のグラフを生成する。第1のグラフと第2のグラフとをマッチングする。マッチング結果に基づいて、点群データの基となる部材を3次元CADデータが存在する部品としない部品とに分類する。分類結果に基づいて点群データに基づいた3次元モデルを生成する。点群データの基となる部材の3次元CADデータが存在する場合には、3次元CADデータを参照して3次元モデルを生成する。」ことが記載されている。特許文献1には、「レーザ測距機器が測定した対象物の点群データと、撮影機器が撮影した撮影画像と、を所定の画面上(同じ画面上)に表示すること」は記載されていない。
【0004】
特許文献2には、「距離測定装置は、光源部からの赤外光を含む光を対象物の点に照射して反射を含む光を入射する光学系における光軸において波長選択ミラーで赤外光と可視光とを分離する。距離測定装置は、分離された赤外光を光検出器で検出して距離測定の信号とし、分離された可視光を色センサで検出して色情報の信号とする。距離測定装置は、対象物の複数の対象点を走査するための旋回部と、同じ対象点に関する、距離測定の信号、色情報の信号、及び走査の状態を表す信号を、同期して取得する集約器とを有し、当該信号を用いて対象点との距離を計算し、色付き点群データを得る。」ことが記載されている。特許文献2には、「レーザ測距機器が測定した対象物の点群データと、撮影機器が撮影した撮影画像と、を所定の画面上(同じ画面上)に表示すること」は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2014/091837号
【文献】特開2015-175629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、ユーザは、レーザ測距機器を用いて対象物の異常箇所を特定していた。しかしながら、異常箇所を特定するための点群データは対象物の形状の情報は有するが、色の情報が乏しいため、ユーザが画面上に表示された点群データを閲覧した際、視認性が良くないという問題があった。すなわち、画面上に何が表示されているのかが直感的に分かりにくいという問題があった。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題のいずれかを解決する異常箇所表示装置、異常箇所表示システム、異常箇所表示方法、及び異常箇所表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る異常箇所表示装置は、
レーザ測距機器を用いて対象物を測定した前記対象物の点群データと、撮影機器を用いて前記対象物を撮影した前記対象物の撮影画像と、を取得する取得部と、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示する表示部と、
前記表示部に表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御する制御部と、
を備える。
【0009】
本開示に係る異常箇所表示システムは、
レーザ測距機器と撮影機器と異常箇所表示装置とを備え、
前記レーザ測距機器は、
対象物を測定して前記対象物の点群データを取得し、
前記撮影機器は、
前記対象物を撮影して前記対象物の撮影画像を取得し、
前記異常箇所表示装置は、
前記レーザ測距機器が測定した前記対象物の前記点群データと、前記撮影機器が撮影した前記対象物の前記撮影画像と、を取得する取得部と、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示する表示部と、
前記表示部に表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御する制御部と、を有する。
【0010】
本開示に係る異常箇所表示方法は、
対象物を測定した前記対象物の点群データと、前記対象物を撮影した前記対象物の撮影画像と、を取得することと、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示することと、
前記表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御することと、
を備える。
【0011】
本開示に係る異常箇所表示プログラムは、
対象物を測定した前記対象物の点群データと、前記対象物を撮影した前記対象物の撮影画像と、を取得することと、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示することと、
前記表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、対象物の異常箇所の視認性を向上させることが可能な異常箇所表示装置、異常箇所表示システム、異常箇所表示方法、及び異常箇所表示プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態に係る異常箇所表示装置を例示するブロック図である。
図2】実施の形態に係る異常箇所表示装置の表示部の画面を例示する図である。
図3】実施の形態に係る異常箇所表示システムのデータフローを例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明を省略する。
【0015】
[実施の形態]
実施の形態に係る異常箇所表示装置の構成を説明する。
図1は、実施の形態に係る異常箇所表示装置を例示するブロック図である。
図2は、実施の形態に係る異常箇所表示装置の表示部の画面を例示する図である。
【0016】
図1に示すように、実施の形態に係る異常箇所表示システム10は、レーザ測距機器12と撮影機器13と異常箇所表示装置11とを備える。
【0017】
レーザ測距機器12は、対象物を測定して対象物の点群データを取得する。具体的には、レーザ測距機器12は、レーザを対象物に照射し、その反射輝度を測定して対象物までの距離データを3次元的に取得し、通常状態(異常箇所が無い状態)の測定結果と比較し、それらの差分を求めることにより対象物の異常箇所を検出する。レーザ測距機器12が検出した異常箇所は、点群データとして表示部112に表示される。レーザ測距機器12は、ユーザが対象物に行って直接異常箇所を確認できない場合や夜間で人が行けない場合でも対象物の異常箇所を検出することができる。
【0018】
撮影機器13は、対象物を撮影して対象物の撮影画像を取得する。撮影機器13は、例えば、カメラである。レーザ測距機器12と撮影機器13とは、基本的には同一の位置から対象物を測定又は撮影することが望ましいが、実際には同一の位置から測定又は撮影することは難しい。よって、レーザ測距機器12が対象物を測定した測定位置と、撮影機器13が対象物を撮影した撮影位置と、の間の距離は、所定距離以内を許容範囲として測定又は撮影が行われる。撮影画像をカメラ画像と称することもある。
【0019】
異常箇所表示装置11は、取得部111と表示部112と制御部113とを有する。取得部111は、レーザ測距機器12が測定した対象物の点群データと、撮影機器13が撮影した対象物の撮影画像と、を取得する。
【0020】
表示部112は、点群データと撮影画像とを所定の画面上に表示する。具体的には、図2に示すように、点群データを表示する画面範囲の一部と撮影画像を表示する画面範囲とを重ね、点群データと撮影画像とを表示する。このように、点群データと撮影画像とを所定の画面上(同一画面上)に表示することにより、点群データだけを表示した場合に比べて視認性が向上する。尚、図2は、点群データと撮影画像とを表示する1つの例であり、これには限定されない。
【0021】
制御部113は、表示部112に表示する点群データと撮影画像とを制御する。
【0022】
例えば、制御部は、レーザ測距機器12が対象物を測定した複数の測定位置と撮影機器13が対象物を撮影した複数の撮影位置とを表示部112に表示するように制御してもよい。そして、ユーザが表示部112に表示された内容に基づき、複数の測定位置の中から所定の測定位置を選択し、複数の撮影位置の中から所定の撮影位置を選択した場合、制御部113は、所定の測定位置からレーザ測距機器12が測定した点群データと、所定の撮影位置から撮影機器13が測定した撮影画像と、を表示部112に表示してもよい。
【0023】
尚、制御部113は、レーザ測距機器12が対象物の表面に異常箇所が有ることを検出した場合、異常箇所を含む所定領域内の点群データと所定領域内の撮影画像とを表示部112に表示してもよい。
【0024】
制御部113は、レーザ測距機器12が対象物の表面に異常箇所が有ることを検出した場合、異常箇所を選択するための選択画面を表示部112に表示してもよい。そして、ユーザが選択画面に基づいて所定の異常箇所を選択した場合、所定の異常箇所を含む所定領域内の点群データと所定領域内の撮影画像とを表示してもよい。これにより、ユーザは、自身が希望する異常箇所を選択し、選択された異常箇所の点群データと撮影画像とが表示される。
【0025】
制御部113は、レーザ測距機器12が対象物の表面に異常箇所が有ることを検出した場合、点群データと共に表示部112に表示する撮影画像を、撮影画像の撮影時の明るさに基づいて決定してもよい。
【0026】
具体的には、制御部113は、撮影時の明るさが所定の明るさ以上の時に撮影した撮影画像を、点群データと共に表示部112に表示する撮影画像としてもよい。明るさは、例えば、照度計で測定した照度で決めてもよい。
【0027】
制御部113は、点群データと共に表示部112に表示する撮影画像を、天気予報の情報に基づいて決定してもよい。
【0028】
具体的には、制御部113は、撮影時の天気が晴れの時に撮影した撮影画像を、点群データと共に表示部112に表示する撮影画像としてもよい。また、撮影時の天気が雨の時以外に撮影した撮影画像を、点群データと共に表示部112に表示する撮影画像としてもよい。
【0029】
制御部113は、撮影画像が逆光時に撮影した画像の場合、逆光時以外の時に撮影した撮影画像を、点群データと共に表示部112に表示する撮影画像としてもよい。
【0030】
制御部113は、レーザ測距機器12が対象物の表面に異常箇所が有ることを検出した場合、点群データと共に表示部112に表示する撮影画像を、撮影画像の輝度、又は、明度に基づいて決定してもよい。
【0031】
具体的には、制御部113は、撮影画像の輝度が所定輝度値以上、又は、明度が所定明度以上の撮影画像を、点群データと共に表示部112に表示する撮影画像としてもよい。
【0032】
制御部113は、第1時刻に測定された点群データと第1時刻から所定の時間だけ過去の第2時刻に撮影された撮影画像とを表示部112に表示してもよい。第1時刻は、例えば、夜間の時刻であり、第2時刻は、例えば、昼間の時刻である。
【0033】
このように、夜間に撮影された撮影画像の代わりに、適切な過去の撮影画像である昼間に撮影された撮影画像を用いることで、ユーザにとって視認性が向上する。
【0034】
以上、説明したように、異常箇所表示装置11は、レーザ測距機器12を用いて対象物を測定した対象物の点群データと、撮影機器13を用いて対象物を撮影した対象物の撮影画像(カメラ画像)と、を表示部112の所定の画面上に並べて表示する。
【0035】
点群データは撮影画像よりも視認性が悪いので、点群データにと撮影画像とを並べて表示することにより、点群データだけを表示する場合と比べて、ユーザの視認性が向上する。そして、対象物に異常箇所があれば、ユーザは異常箇所をより明確に特定することができる。
【0036】
その結果、実施の形態によれば、対象物の異常箇所の視認性を向上させることが可能な異常箇所表示装置、及び異常箇所表示システムを提供することができる。
【0037】
実施の形態に係る異常箇所表示システムのデータフローを説明する。
図3は、実施の形態に係る異常箇所表示システムのデータフローを例示するブロック図である。
図3においては、簡単のため、取得部111と制御部113とを省略している。
【0038】
図3に示すように、レーザ測距機器12の分析部は、所定の時刻に所定の測定位置で、レーザ測距機器12のLiDARセンサが測定した点群データを、LiDARセンサから取得する(ステップS101)。尚、取得する時刻(採取タイミング)は、所定のタイミングを設定することができる。
【0039】
撮影機器13のカメラデータ管理部は、所定の時刻に所定の測定位置(LiDARセンサと同じ時刻で同じ位置)で、撮影機器13のカメラが撮影した撮影画像を、カメラから取得する(ステップS102)。カメラデータ管理部は、取得した撮影画像を記憶部に記憶し、必要に応じて記憶部から取り出す。
【0040】
異常箇所表示装置11の表示部112は、LiDARセンサが測定した点群データと、カメラが撮影した撮影画像と、を表示する(ステップS103)。このとき、レーザ測距機器12が対象物の異常箇所を検出した場合に、点群データと撮影画像とを表示するようにしてもよい。
【0041】
撮影画像(カメラ画像)が夜間等で視認性が悪い場合、記憶部に記憶された過去の撮影画像を代わりに表示する(ステップS104)。すなわち、撮影画像の履歴を遡り、過去の適切な撮影画像を表示する。また、撮影画像は、ユーザが指定した所定の時刻や所定の位置で撮影されたものを任意に切り替えて表示するようにしてもよい。
【0042】
尚、上記の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、各構成要素の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0043】
上記の実施の形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実態のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(具体的にはフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(具体的には光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(具体的には、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM))、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0044】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0045】
尚、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0046】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
レーザ測距機器を用いて対象物を測定した前記対象物の点群データと、撮影機器を用いて前記対象物を撮影した前記対象物の撮影画像と、を取得する取得部と、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示する表示部と、
前記表示部に表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御する制御部と、
を備える異常箇所表示装置。
(付記2)
前記レーザ測距機器が前記対象物を測定した測定位置と、前記撮影機器が前記対象物を撮影した撮影位置と、の間の距離は、所定距離以内である、
付記1に記載の異常箇所表示装置。
(付記3)
前記制御部は、
前記レーザ測距機器が前記対象物を測定した複数の前記測定位置と前記撮影機器が前記対象物を撮影した複数の前記撮影位置とを前記表示部に表示し、
複数の前記測定位置の中から所定の測定位置が選択され、複数の前記撮影位置の中から所定の撮影位置が選択された場合、前記所定の測定位置から前記レーザ測距機器が測定した前記点群データと、前記所定の撮影位置から前記撮影機器が測定した前記撮影画像と、を前記表示部に表示する、
付記2に記載の異常箇所表示装置。
(付記4)
前記制御部は、前記レーザ測距機器が前記対象物の表面に異常箇所が有ることを検出した場合、前記異常箇所を含む所定領域内の前記点群データと前記所定領域内の前記撮影画像とを前記表示部に表示する、
付記1から3のいずれか1つに記載の異常箇所表示装置。
(付記5)
前記制御部は、
前記レーザ測距機器が前記対象物の表面に異常箇所が有ることを検出した場合、前記異常箇所を選択するための選択画面を前記表示部に表示し、
前記選択画面に基づいて所定の異常箇所が選択された場合、前記所定の異常箇所を含む所定領域内の前記点群データと前記所定領域内の前記撮影画像とを表示する、
付記1から3のいずれか1つに記載の異常箇所表示装置。
(付記6)
前記制御部は、前記レーザ測距機器が前記対象物の表面に異常箇所が有ることを検出した場合、前記点群データと共に前記表示部に表示する前記撮影画像を、前記撮影画像の撮影時の明るさに基づいて決定する、
付記1から3のいずれか1つに記載の異常箇所表示装置。
(付記7)
前記制御部は、前記撮影時の明るさが所定の明るさ以上の時に撮影した前記撮影画像を、前記点群データと共に前記表示部に表示する前記撮影画像とする、
付記6に記載の異常箇所表示装置。
(付記8)
前記制御部は、前記レーザ測距機器が前記対象物の表面に異常箇所が有ることを検出した場合、前記点群データと共に前記表示部に表示する前記撮影画像を、前記撮影画像の輝度、又は、明度に基づいて決定する、
付記1から3のいずれか1つに記載の異常箇所表示装置。
(付記9)
前記制御部は、前記撮影画像の前記輝度が所定輝度値以上、又は、前記明度が所定明度以上の前記撮影画像を、前記点群データと共に前記表示部に表示する前記撮影画像とする、
付記8に記載の異常箇所表示装置。
(付記10)
前記制御部は、第1時刻に測定された前記点群データと前記第1時刻から所定の時間だけ過去の第2時刻に撮影された前記撮影画像とを前記表示部に表示する、
付記1から3のいずれか1つに記載の異常箇所表示装置。
(付記11)
前記第1時刻は、夜間の時刻であり、前記第2時刻は、昼間の時刻である、
付記10に記載の異常箇所表示装置。
(付記12)
前記撮影機器は、カメラである、
付記1から11のいずれか1つに記載の異常箇所表示装置。
(付記13)
レーザ測距機器と撮影機器と異常箇所表示装置とを備え、
前記レーザ測距機器は、
対象物を測定して前記対象物の点群データを取得し、
前記撮影機器は、
前記対象物を撮影して前記対象物の撮影画像を取得し、
前記異常箇所表示装置は、
前記レーザ測距機器が測定した前記対象物の前記点群データと、前記撮影機器が撮影した前記対象物の前記撮影画像と、を取得する取得部と、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示する表示部と、
前記表示部に表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御する制御部と、を有する、
異常箇所表示システム。
(付記14)
対象物を測定した前記対象物の点群データと、前記対象物を撮影した前記対象物の撮影画像と、を取得することと、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示することと、
前記表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御することと、
を備える方法。
(付記15)
対象物を測定した前記対象物の点群データと、前記対象物を撮影した前記対象物の撮影画像と、を取得することと、
前記点群データと前記撮影画像とを所定の画面上に表示することと、
前記表示する前記点群データと前記撮影画像とを制御することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0047】
10:異常箇所表示システム
11:異常箇所表示装置
111:取得部
112:表示部
113:制御部
12:レーザ測距機器
13:撮影機器
図1
図2
図3