(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像読取装置の制御装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20240409BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H04N1/387
G06T1/00 430J
(21)【出願番号】P 2020046870
(22)【出願日】2020-03-17
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 健二
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-092560(JP,A)
【文献】特開2019-080152(JP,A)
【文献】特開2019-080153(JP,A)
【文献】特開2015-015599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
副走査方向に沿って搬送される原稿を読み取る読取手段と、
前記副走査方向と交差する主走査方向における前記原稿の端部の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記端部の位置を含む前記主走査方向の端部の探索範囲を設定する設定手段と、
前記読取手段が前記原稿を読み取って得た読取画像データに対し、前記設定手段が設定した前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索する探索手段と
、
前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できた場合に、前記読取画像データに対し、当該探索手段が探索した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行い、当該探索手段が当該端部の探索範囲にて当該端部の位置を探索できなかった場合に、当該読取画像データに対し、前記検出手段が検出した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段と
を含む画像読取装置。
【請求項2】
前記切取手段は、前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できなかった場合に、前記検出手段が検出した当該端部の位置に基づいて決定された位置と、あらかじめ定められた原稿サイズとに基づいてデータの切り取りを行うことを特徴とする請求項
1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記切取手段は、前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できなかった場合に、前記読取画像データに光学文字認識処理を施してなる光学文字認識処理データに基づき、データの切り取りを行うことを特徴とする請求項
1記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記切取手段は、前記光学文字認識処理データで文字が存在するとした範囲よりも、あらかじめ定められた分だけ外側でデータの切り取りを行うことを特徴とする請求項
3記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記読取画像データに前記光学文字認識処理を行う範囲は、前記検出手段によって検出された原稿の位置に基づき決定されることを特徴とする請求項
3記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記原稿の前記主走査方向の中央となる部位を基準として、当該原稿を前記副走査方向に沿って搬送する搬送手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記端部の位置として、前記主走査方向における一端の位置と他端の位置とを検出し、
前記設定手段は、前記端部の探索範囲として、前記一端の位置を含む第1の探索範囲と前記他端の位置を含む第2の探索範囲とを設定し、
前記探索手段は、前記設定手段が設定した前記第1の探索範囲にて前記一端の位置を探索するとともに、当該設定手段が設定した前記第2の探索範囲にて前記他端の位置を探索すること
を特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項7】
原稿台に積載される原稿を副走査方向に沿って搬送する搬送手段と、
前記副走査方向に沿って搬送される前記原稿を読み取る読取手段と、
前記原稿台に積載される前記原稿に関し、前記副走査方向と交差する主走査方向の長さが異なる複数種の原稿に対してあらかじめ定められた当該主走査方向の複数の端部の位置の中から、いずれか1つの端部の位置を選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した前記端部の位置を含む前記主走査方向の端部の探索範囲を設定する設定手段と、
前記読取手段が前記原稿を読み取って得た読取画像データに対し、前記設定手段が設定した前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索する探索手段と
、
前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できた場合に、前記読取画像データに対し、当該探索手段が探索した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行い、当該探索手段が当該端部の探索範囲にて当該端部の位置を探索できなかった場合に、当該読取画像データに対し、前記選択手段が選択した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段と
を含む画像読取装置。
【請求項8】
副走査方向に沿って搬送される原稿に関し、当該副走査方向と交差する主走査方向における当該原稿の端部の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記端部の位置を含む前記主走査方向の端部の探索範囲を設定する設定手段と、
前記副走査方向に沿って搬送される前記原稿を読み取って得た読取画像データに対し、前記設定手段が設定した前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索する探索手段と
、
前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できた場合に、前記読取画像データに対し、当該探索手段が探索した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行い、当該探索手段が当該端部の探索範囲にて当該端部の位置を探索できなかった場合に、当該読取画像データに対し、前記検出手段が検出した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段と
を含む画像読取装置の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取装置の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動原稿送り装置のトレイに置かれた原稿のサイズを判定するための光学センサと、トレイから搬送されてくる原稿の画像をCCDで読み取るスキャナ部とを備えた画像処理装置が記載されている。また、この特許文献1には、光学センサによる検知結果に基づいて検知された原稿のサイズが正しくないと判断された場合に、ユーザに適切なサイズ設定を促すような表示を行わせることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
副走査方向に沿って搬送される原稿を読み取って得た読取画像データに対し、主走査方向の全域にわたって原稿の端部の検出を行う構成を採用した場合には、ゴミ等に起因して読取画像データに含まれることとなったスジ(黒線)を、原稿の端部として検出してしまうことがあった。
本発明は、読取画像データに対し、主走査方向の全域にわたって原稿の端部の検出を行う構成を採用した場合と比較して、原稿の主走査方向における端部の位置の誤検出を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、副走査方向に沿って搬送される原稿を読み取る読取手段と、前記副走査方向と交差する主走査方向における前記原稿の端部の位置を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した前記端部の位置を含む前記主走査方向の端部の探索範囲を設定する設定手段と、前記読取手段が前記原稿を読み取って得た読取画像データに対し、前記設定手段が設定した前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索する探索手段と、前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できた場合に、前記読取画像データに対し、当該探索手段が探索した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行い、当該探索手段が当該端部の探索範囲にて当該端部の位置を探索できなかった場合に、当該読取画像データに対し、前記検出手段が検出した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段とを含む画像読取装置である。
請求項2記載の発明は、前記切取手段は、前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できなかった場合に、前記検出手段が検出した当該端部の位置に基づいて決定された位置と、あらかじめ定められた原稿サイズとに基づいてデータの切り取りを行うことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置である。
請求項3記載の発明は、前記切取手段は、前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できなかった場合に、前記読取画像データに光学文字認識処理を施してなる光学文字認識処理データに基づき、データの切り取りを行うことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置である。
請求項4記載の発明は、前記切取手段は、前記光学文字認識処理データで文字が存在するとした範囲よりも、あらかじめ定められた分だけ外側でデータの切り取りを行うことを特徴とする請求項3記載の画像読取装置である。
請求項5記載の発明は、前記読取画像データに前記光学文字認識処理を行う範囲は、前記検出手段によって検出された原稿の位置に基づき決定されることを特徴とする請求項3記載の画像読取装置である。
請求項6記載の発明は、前記原稿の前記主走査方向の中央となる部位を基準として、当該原稿を前記副走査方向に沿って搬送する搬送手段をさらに備え、前記検出手段は、前記端部の位置として、前記主走査方向における一端の位置と他端の位置とを検出し、前記設定手段は、前記端部の探索範囲として、前記一端の位置を含む第1の探索範囲と前記他端の位置を含む第2の探索範囲とを設定し、前記探索手段は、前記設定手段が設定した前記第1の探索範囲にて前記一端の位置を探索するとともに、当該設定手段が設定した前記第2の探索範囲にて前記他端の位置を探索することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置である。
請求項7記載の発明は、原稿台に積載される原稿を副走査方向に沿って搬送する搬送手段と、前記副走査方向に沿って搬送される前記原稿を読み取る読取手段と、前記原稿台に積載される前記原稿に関し、前記副走査方向と交差する主走査方向の長さが異なる複数種の原稿に対してあらかじめ定められた当該主走査方向の複数の端部の位置の中から、いずれか1つの端部の位置を選択する選択手段と、前記選択手段が選択した前記端部の位置を含む前記主走査方向の端部の探索範囲を設定する設定手段と、前記読取手段が前記原稿を読み取って得た読取画像データに対し、前記設定手段が設定した前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索する探索手段と、前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できた場合に、前記読取画像データに対し、当該探索手段が探索した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行い、当該探索手段が当該端部の探索範囲にて当該端部の位置を探索できなかった場合に、当該読取画像データに対し、前記選択手段が選択した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段とを含む画像読取装置である。
請求項8記載の発明は、副走査方向に沿って搬送される原稿に関し、当該副走査方向と交差する主走査方向における当該原稿の端部の位置を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した前記端部の位置を含む前記主走査方向の端部の探索範囲を設定する設定手段と、前記副走査方向に沿って搬送される前記原稿を読み取って得た読取画像データに対し、前記設定手段が設定した前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索する探索手段と、前記探索手段が前記端部の探索範囲にて前記端部の位置を探索できた場合に、前記読取画像データに対し、当該探索手段が探索した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行い、当該探索手段が当該端部の探索範囲にて当該端部の位置を探索できなかった場合に、当該読取画像データに対し、前記検出手段が検出した当該端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段とを含む画像読取装置の制御装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、読取画像データに対し、主走査方向の全域にわたって原稿の端部の検出を行う構成を採用した場合と比較して、原稿の主走査方向における端部の位置の誤検出を抑制することができ、探索手段が探索した端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段を設けない場合と比較して、画像データの容量を削減することができる。
請求項2記載の発明によれば、探索手段が探索した端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段を設けない場合と比較して、画像データの容量をさらに削減することができる。
請求項3記載の発明によれば、探索手段が探索した端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段を設けない場合と比較して、画像データの容量をさらに削減することができる。
請求項4記載の発明によれば、光学文字認識処理データで文字が存在するとした範囲でデータの切り取りを行う場合と比較して、文字情報の欠落を抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、読取画像データに光学文字認識処理を行う範囲を、検出手段によって検出された原稿の位置に基づき決定しない場合と比較して、文字情報の探索範囲をより狭くすることができる。
請求項6記載の発明によれば、探索手段が、設定手段が設定した第1の探索範囲にて一端の位置を探索するとともに、設定手段が設定した第2の探索範囲にて他端の位置を探索する構成を採用しない場合と比較して、原稿の主走査方向の端部の位置をより容易に探索することができる。
請求項7記載の発明によれば、読取画像データに対し、主走査方向の全域にわたって原稿の端部の検出を行う構成を採用した場合と比較して、原稿の主走査方向における端部の位置の誤検出を抑制することができ、探索手段が探索した端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段を設けない場合と比較して、画像データの容量を削減することができる。
請求項8記載の発明によれば、読取画像データに対し、主走査方向の全域にわたって原稿の端部の検出を行う構成を採用した場合と比較して、原稿の主走査方向における端部の位置の誤検出を抑制することができ、探索手段が探索した端部の位置に基づいてデータの切り取りを行う切取手段を設けない場合と比較して、画像データの容量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態が適用される画像処理システムの構成例を示した図である。
【
図3】読取対象となる原稿の構成を説明するための図である。
【
図4】原稿幅センサの取付位置を説明するための図である。
【
図5】原稿収容部に収容される原稿のサイズおよび向きと原稿幅検知センサのON/OFFとの関係を説明するための図である。
【
図6】制御・画像処理ユニットの機能構成を説明するための図である。
【
図7】搬送読取モードにおける画像処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【
図8】取得される原稿幅検知結果と、仮決定される原稿左端Mlおよび原稿右端Mrの各位置との関係を説明するための図である。
【
図9】(a)~(f)は、原稿の読取動作の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像処理システム>
図1は、本実施の形態が適用される画像処理システムの構成例を示す図である。
図示するように、この画像処理システムは、画像読取装置1とサーバ装置2とOCR(Optical Character Recognition/Reader、光学的文字認識)装置3とが、ネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されることにより構成されている。
これらのうち、画像読取装置1は、原稿の画像を読み取る。また、サーバ装置2は、画像読取装置1から送られてくる画像データを記憶する。さらに、OCR装置3は、画像読取装置1による要求に基づき、画像読取装置1から送られてくる画像データにOCR処理を施し、その結果を画像読取装置1に返送する。なお、サーバ装置2およびOCR装置3は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを有するコンピュータ装置で構成することができる。
【0009】
<画像読取装置>
図2は、画像読取装置1の構成を示した図である。
この画像読取装置1は、積載された原稿束から原稿Mを順次搬送する原稿送り装置10と、スキャンによって原稿の画像を読み取るスキャナ装置40とを備えている。
【0010】
[原稿送り装置]
原稿送り装置10は、複数枚の原稿Mからなる原稿束を積載する原稿収容部11、この原稿収容部11の下方に設けられ、読み取りが終了した原稿Mを積載する排紙収容部12を備える。また、原稿送り装置10は原稿収容部11の原稿Mを取り出して搬送する取出ロール13を備える。さらに、取出ロール13の原稿搬送方向下流側には、原稿Mを1枚ずつに捌く捌き機構14が設けられる。原稿Mが搬送される搬送路15には、複数(この例では4組)の搬送ロール16(搬送手段の一例)が設けられる。
【0011】
また、読取位置には、図中手前側から奥側に向かって伸び白色の板状部材にて構成され、読取位置を通過する原稿Mの背景ともなる反射板17が設けられている。この反射板17は、シェーディング補正用の白基準としても用いられる。
【0012】
また、原稿台の一例としての原稿収容部11には、原稿収容部11に収容される原稿Mの幅方向(主走査方向)の両端を突き当てることで原稿Mの主走査方向の位置を揃える揃え部材18が設けられている。
【0013】
また、原稿収容部11における原稿Mの搬送方向の先端側であって取出ロール13の下方となる部位には、原稿収容部11に収容される原稿Mの幅(主走査方向の長さ)を検知する原稿幅検知センサ20が設けられている。
【0014】
また、搬送路15と対峙する部位には、搬送路15内を搬送される原稿Mの長さ(副走査方向の長さ)を検知する原稿長検知センサ30が設けられている。
【0015】
[スキャナ装置]
一方、スキャナ装置40は、上述した原稿送り装置10を開閉可能に支持するとともに、この原稿送り装置10を装置フレーム41によって支え、また、原稿送り装置10によって搬送される原稿Mの画像読み取りを行う。このスキャナ装置40は、筐体を形成する装置フレーム41、画像を読み込むべき原稿Mが静止させた状態で置かれる第1プラテンガラス42A、反射板17の下方に設けられ、原稿送り装置10によって搬送される原稿Mを読み取るための光の開口部を構成する第2プラテンガラス42Bを備えている。
【0016】
また、スキャナ装置40は、第2プラテンガラス42Bの下に静止し、あるいは第1プラテンガラス42Aの全体にわたってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ43、フルレートキャリッジ43から得られた光を結像部へ供給するハーフレートキャリッジ45を備えている。ここで、フルレートキャリッジ43は、原稿Mに光を照射する光源装置44A(白色光源)および光源装置44Aからの光を原稿Mに向けて反射する光源ミラー44Bと、原稿Mから得られた反射光を受光する第1ミラー46Aとを備えている。一方、ハーフレートキャリッジ45は、第1ミラー46Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー46Bおよび第3ミラー46Cを有している。
【0017】
さらにまた、スキャナ装置40は、結像用レンズ47および受光部48を備えている。これらのうち、結像用レンズ47は、第3ミラー46Cから得られた光学像を光学的に縮小する。また、受光部48は、結像用レンズ47によって結像された光学像を光電変換する。つまり、スキャナ装置40では、所謂縮小光学系を用いて受光部48に像を結像させている。また、本実施の形態では、受光部48として、主走査方向に沿って設けられた赤色用、緑色用および青色用の各撮像素子列を、副走査方向に並べて配置したものを用いている。これにより、読取手段の一例としての受光部48を用いて、原稿Mに形成された画像をフルカラー画像として読み取るようになっている。
【0018】
そして、スキャナ装置40は、制御・画像処理ユニット50をさらに備える。この制御・画像処理ユニット50は、受光部48から入力される原稿Mの画像データに各種画像処理を施す。また、制御・画像処理ユニット50は、画像読取装置1の画像読取動作における各部の動作を制御する。
【0019】
例えば第1プラテンガラス42Aに置かれた原稿Mの画像を読み取る『固定読み取りモード』では、フルレートキャリッジ43とハーフレートキャリッジ45とが、2:1の割合で矢印方向に移動する。このとき、フルレートキャリッジ43に設けられた光源装置44Aからの光が、原稿Mの被読み取り面に照射される。そして、原稿Mからの反射光が第1ミラー46A、第2ミラー46B、および第3ミラー46Cの順に反射されて結像用レンズ47に導かれる。結像用レンズ47に導かれた光は、受光部48の受光面に結像される。受光部48を構成する各色用の撮像素子列はそれぞれ1次元のセンサで構成されており、1ライン分を同時に処理している。このライン方向(読み取りの主走査方向)と交差する方向(読み取りの副走査方向)にフルレートキャリッジ43およびハーフレートキャリッジ45を移動させ、原稿Mの次の1ラインを読み取る。これを原稿Mの全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
【0020】
一方、原稿送り装置10によって搬送される原稿Mの画像を読み取る『搬送読み取りモード』では、副走査方向に搬送される原稿Mがこの第2プラテンガラス42Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ43およびハーフレートキャリッジ45は、
図1に示す実線の位置に停止した状態におかれる。そして、搬送されてくる原稿Mの1ライン目の反射光が、第1ミラー46A、第2ミラー46B、および第3ミラー46Cを経て結像用レンズ47にて結像され、受光部48によって画像が読み込まれる。すなわち、受光部48によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、原稿送り装置10によって搬送される原稿Mの次の主走査方向の1ライン分が読み込まれる。そして、原稿Mの先端が第2プラテンガラス42Bの読み取り位置に到達した後、この原稿Mの後端が第2プラテンガラス42B上の読み取り位置を通過することによって、原稿Mを主走査方向1ラインずつ順次読み取ることで、副走査方向に亘って1ページの原稿読み取りが完了する。
【0021】
<原稿>
図3は、
図1に示す画像読取装置1において読取対象となる原稿Mの構成を説明するための図である。
この例において、原稿Mは長方形状を呈するようになっており、原稿Mの短辺側が主走査方向FSに沿い、且つ、原稿Mの長辺側が副走査方向SSに沿うようになっている。ただし、原稿Mの長辺側が主走査方向FSに沿い、且つ、原稿Mの短辺側が副走査方向SSに沿う場合もあり得る。なお、以下の説明では、前者を「タテ」と称し、後者を「ヨコ」と称することがある。また、以下の説明においては、原稿Mのうち、副走査方向SSの上流側となる辺を原稿前端Mtと呼び、副走査方向SSの下流側となる辺を原稿後端Mbと呼び、原稿Mの被読み取り面(図中手前側を向く面)の左側となる辺を原稿左端Mlと呼び、原稿Mの被読み取り面の右側となる辺を原稿右端Mrと呼ぶ。また、原稿Mの副走査方向SS(搬送方向)の長さを原稿長Lと呼び、原稿Mの主走査方向FSの長さを原稿幅Wと呼ぶ。なお、上述した「タテ」の場合は、原稿長L>原稿幅Wとなり、上述した「ヨコ」の場合は、原稿長L<原稿幅Wとなる。
【0022】
<原稿幅検知センサ>
図4は、原稿幅検知センサ20の取付位置を説明するための図である。なお、
図4には、原稿幅検知センサ20とともに、揃え部材18と、原稿収容部11に収容され得る各種原稿Mのサイズおよび向きとの関係も示している。
【0023】
本実施の形態の画像読取装置1では、原稿Mの主走査方向の中央を基準線Sとして原稿Mを搬送する、所謂センターレジ方式を採用している。このため、本実施の形態の揃え部材18は、基準線Sを中心とし主走査方向FSにおいて左右対称に配置されており、両者が連動して主走査方向FSに移動するようになっている。
【0024】
また、本実施の形態の画像読取装置1は、上述した『搬送読取モード』において、「名刺タテ」から「A3タテ、A4ヨコ」に至るまで、各種サイズおよび向きの原稿Mの搬送および読み取りが可能となっている。より具体的に説明すると、この画像読取装置1では、原稿幅Wが小さい順に、「名刺タテ」、「名刺ヨコ」、「A5タテ」、「A4タテ、A5ヨコ」、「A3タテ、A4ヨコ」という、計5種類の原稿幅Wの原稿M(原稿Mの種別でいえば、「名刺」、「A5」、「A4」、「A3」の4種類)を、搬送読取モードで読み取ることが可能となっている。なお、本実施の形態では、名刺の大きさが、所謂東京4号である場合を例としている。
【0025】
したがって、「A3タテ、A4ヨコ」の原稿幅Wは297mmである。また、「A4タテ、A5ヨコ」の原稿幅Wは210mmである。さらに、「A5タテ」の原稿幅Wは148mmである。さらにまた、「名刺ヨコ」の原稿幅Wは91mmである。そして、「名刺タテ」の原稿幅Wは55mmである。
【0026】
また、検出手段あるいは選択手段の一例としての原稿幅検知センサ20は、主走査方向FSに沿って並べられた第1センサ21、第2センサ22および第3センサ23を有している。より具体的に説明すると、基準線Sを中心とするセンターレジ基準において、第1センサ21は最も外側(基準線Sから遠い側)となる位置に配置されており、第3センサ23は最も内側(基準線Sに近い側)となる位置に配置されており、第2センサ22は第1センサ21と第3センサ23との間となる位置に配置されている。さらに説明すると、第1センサ21は、「A3タテ、A4ヨコ」の原稿Mを検知できるが、「A4タテ、A5ヨコ」、「A5タテ」、「名刺ヨコ」および「名刺タテ」の原稿Mを検知できない位置に取り付けられている。また、第2センサ22は、「A3タテ、A4ヨコ」、「A4タテ、A5ヨコ」の原稿Mを検知できるが、「A5タテ」、「名刺ヨコ」、「名刺タテ」の原稿Mを検知できない位置に取り付けられている。さらに、第3センサ23は、『搬送読取モード』で読み取り可能な全サイズ(「A3タテ、A4ヨコ」、「A4タテ、A5ヨコ」、「A5タテ」、「名刺ヨコ」および「名刺タテ」)の原稿Mを検知できる位置に取り付けられている。
【0027】
図5は、原稿収容部11に収容される原稿Mのサイズおよび向きと原稿幅検知センサのON/OFFとの関係を説明するための図である。以下では、
図4に加えて
図5も参照しつつ、『搬送読取モード』での読み取りが可能な原稿Mのサイズおよび向きと、原稿幅検知センサ20の出力との関係について説明を行う。
【0028】
まず、原稿収容部11に「A3タテ」あるいは「A4ヨコ」の原稿M(原稿幅Wはともに297mm)がセットされた場合、第1センサ21、第2センサ22および第3センサ23の三者がすべて「ON」となる(以下では、「第1の状態」と称する)。また、原稿収容部11に「A4タテ」あるいは「A5ヨコ」の原稿M(原稿幅Wはともに210mm)がセットされた場合、第2センサ22および第3センサ23の二者が「ON」となる一方、第1センサ21が「OFF」となる(以下では、「第2の状態」と称する)。これに対し、原稿収容部11に「A5タテ」、「名刺ヨコ」あるいは「名刺タテ」の原稿Mがセットされた場合、第3センサ23は「ON」となる一方、第1センサ21および第2センサ22の二者が「OFF」となる(以下では、「第3の状態」と称する)。
【0029】
ここで、「A5タテ」の原稿幅Wは148mm、「名刺ヨコ」(東京4号)の場合の原稿幅Wは91mm、「名刺タテ」(東京4号)の原稿幅Wは55mmであり、それぞれの原稿幅Wは異なる。したがって、原稿幅検知センサ20による検知結果が「第1の状態」または「第2の状態」となった場合、原稿収容部11に収容される原稿Mの原稿幅Wを、一義的に決めることが可能である。すなわち、「第1の状態」では、原稿幅Wが297mmであると確定させることができ、「第2の状態」では、原稿幅Wが210mmであると確定させることができる。これに対し、原稿幅検知センサ20による検知結果が「第3の状態」となった場合、原稿収容部11に収容される原稿Mの原稿幅Wを、一義的に決めることはできない。すなわち、「第3の状態」が生じた場合には、原稿幅Wが148mm、91mmあるいは55mmのうちのいずれかとなる可能性がある。換言すれば、「第3の状態」が生じたというだけでは、原稿Mの原稿幅Wを確定させることができない。
【0030】
<制御・画像処理ユニット>
図6は、制御・画像処理ユニット50の機能構成を説明するための図である。ただし、
図6には、画像読取装置1の画像処理に関連する機能構成のみを示しており、画像読取装置1の画像読取動作の制御に関連する機能構成については、その記載を省略している。
【0031】
この制御・画像処理ユニット50は、出力先設定部51と、読取画像データ記憶部52と、原稿幅決定部53と、原稿端部決定部54と、原稿画像データ切取部55と、原稿画像データ記憶部56と、原稿解析データ記憶部57と、原稿画像データ修正部58とを備えている。以下、制御・画像処理ユニット50を構成する各部について説明を行う。
【0032】
出力先設定部51は、受光部48から送られてくる原稿Mの読取結果を、主走査方向FSの1ライン分ずつ受け取る。そして、出力先設定部51は、受け取った原稿Mの主走査方向FSの1ライン分の読取結果に関し、原稿Mの搬送方向先端側のデータについては読取画像データ記憶部52と原稿端部決定部54とに出力を行い、同じ原稿Mの搬送方向後端側のデータについては原稿端部決定部54に出力を行う。その結果、出力先設定部51は、主走査方向FSの1ライン分の読取結果を原稿M1枚(1頁)分まとめてなる読取画像データDsを、読取画像データ記憶部52に出力することになる。また、出力先設定部51は、主走査方向FSの1ライン分の読取結果を副走査方向SSの複数ライン分(1頁分未満)まとめてなる先端側画像データDtを、原稿端部決定部54に出力することになる。なお、詳細は後述するが、実際の読取画像データDsは、原稿M1枚分の読取結果に加えて、原稿Mの各端部(原稿前端Mt、原稿左端Ml、原稿右端Mrおよび原稿後端Mb)よりも外側となる領域の読取結果も含むものとなっている。したがって、本実施の形態の読取画像データDsは、1枚の原稿Mよりも大きい読み取り対象領域を読み取ったものとなっている。
【0033】
読取画像データ記憶部52は、RAM(Random Access Memory)等のメモリからなり、出力先設定部51から送られてくる読取画像データDsを受け取って記憶する。また、読取画像データ記憶部52は、原稿画像データ切取部55からの要求に従い、自身が記憶する読取画像データDsを原稿画像データ切取部55に出力する。
【0034】
設定手段の一例としての原稿幅決定部53は、原稿幅検知センサ20を構成する第1センサ21~第3センサ23から送られてくる原稿Mの検知結果を受け取る。そして、原稿幅決定部53は、受け取った検知結果に基づき、原稿Mにおける原稿左端Mlおよび原稿右端Mrを仮決定する。また、原稿幅決定部53は、仮決定した原稿左端Mlから、原稿左端Mlを含む左側探索範囲Rlを仮決定するとともに、仮決定した原稿右端Mrから、原稿右端Mrを含む右側探索範囲Rrを仮決定する。そして、原稿幅決定部53は、自身で仮決定した原稿左端Ml、原稿右端Mr、左側探索範囲Rlおよび右側探索範囲Rrを、原稿端部決定部54に出力する。本実施の形態において、左側探索範囲Rlおよび右側探索範囲Rrは、端部の探索範囲の一例である。また、左側探索範囲Rlは第1の探索範囲の一例であり、右側探索範囲Rrは第2の探索範囲の一例である。
【0035】
探索手段の一例としての原稿端部決定部54は、出力先設定部51から送られてくる先端側画像データDtを受け取る。また、原稿端部決定部54は、原稿幅決定部53から、原稿左端Ml、原稿右端Mr、左側探索範囲Rlおよび右側探索範囲Rrを受け取る。さらに、原稿端部決定部54は、原稿長検知センサ30から送られてくる原稿Mの検知結果を受け取る。そして、原稿端部決定部54は、受け取った各データに基づき、読取対象となる原稿Mにおける各端部の位置と、原稿Mの読取結果である読取画像データDsにおける原稿Mの各端部の位置との、仮の対応付けを行う。より具体的に説明すると、原稿端部決定部54は、受け取った各データに基づき、読取画像データDsにおける、原稿前端Mtに対応する前端位置Pt、原稿左端Mlに対応する左端位置Pl、原稿右端Mrに対応する右端位置Pr、原稿後端Mbに対応する後端位置Pbを仮決定する。そして、原稿端部決定部54は、仮決定した前端位置Pt、左端位置Pl、右端位置Prおよび後端位置Pbを、原稿画像データ切取部55に出力する。本実施の形態において、左端位置Plおよび右端位置Prは、端部の位置の一例である。また、左端位置Plは一端の位置の一例であり、右端位置Prは他端の位置の一例である。
【0036】
切取手段の一例としての原稿画像データ切取部55は、読取画像データ記憶部52から送られてくる読取画像データDsを受け取る。また、原稿画像データ切取部55は、原稿端部決定部54から送られてくる前端位置Pt、左端位置Pl、右端位置Prおよび後端位置Pbを受け取る。そして、原稿画像データ切取部55は、受け取った各データに基づき、読取画像データDsにおいて原稿Mを読み取って得た領域と原稿M以外(具体的には反射板17)を読み取って得た領域とを判別し、原稿Mの読取結果に対応するデータの抽出および出力を行う。換言すれば、原稿画像データ切取部55は、読取画像データDsに、前端位置Pt、左端位置Pl、右端位置Prおよび後端位置Pbに基づく切取処理を施し、得られた原稿画像データDmを、原稿画像データ記憶部56に出力する。
【0037】
原稿画像データ記憶部56は、原稿画像データ切取部55から送られてくる原稿画像データDmを受け取って記憶する。また、原稿画像データ記憶部56は、必要に応じて、自身が記憶する原稿画像データDmを、外部に設けられた機器(この例ではOCR装置3)に出力する。さらに、原稿画像データ記憶部56は、原稿画像データ修正部58からの要求に従い、自身が記憶する原稿画像データDmを、原稿画像データ修正部58に出力する。
【0038】
原稿解析データ記憶部57は、外部に設けられた機器(この例ではOCR装置3)から送られてくる、原稿画像データDmにOCR処理を施して得られた原稿解析データDaを受け取って記憶する。また、原稿解析データ記憶部57は、原稿画像データ修正部58からの要求に従い、自身が記憶する原稿解析データDaを、原稿画像データ修正部58に出力する。本実施の形態において、原稿解析データDaは、光学文字認識処理データの一例である。
【0039】
原稿画像データ修正部58は、原稿画像データ記憶部56から原稿画像データDmを受け取る。また、原稿画像データ修正部58は、原稿解析データ記憶部57から上記原稿画像データDmと同じ原稿Mを解析して得た原稿解析データDaを受け取る。そして、原稿画像データ修正部58は、受け取った原稿画像データDmに対し、必要に応じて、原稿解析データDaに基づく原稿Mの端部位置の修正を行う。したがって、原稿画像データ修正部58は、原稿画像データDmに対する修正を行わないこともあり得る。それから、原稿画像データ修正部58は、修正済みあるいは未修正の原稿画像データDmと、原稿解析データDaとを対応付けしてなる出力データDo(=原稿画像データDm+原稿解析データDa)を、外部に設けられた機器(この例ではサーバ装置2)に出力する。
【0040】
<搬送読取モードにおける画像処理の手順>
図7は、搬送読取モードにおける画像処理の手順を説明するためのフローチャートである。なお、初期状態において、画像読取装置1の原稿収容部11には、あるサイズ(名刺、A5、A4、A3のいずれか)の原稿Mが、「タテ」また「ヨコ」の向き(ただし、A3サイズの場合は「タテ」のみが可能)で収容(積載)されているものとする。
【0041】
まず、画像読取装置1が、使用者から搬送読取モードによる「読取指示」を受け付ける(ステップ10)。これに伴い、原稿幅決定部53は、第1センサ21~第3センサ23による原稿Mの検知結果である原稿幅検知結果を取得する(ステップ20)。続いて、原稿幅決定部53は、取得した原稿幅検知結果に基づき、原稿収容部11に収容されている原稿Mの原稿幅W、原稿左端Mlの位置、原稿右端Mrの位置、原稿左端Mlの位置を含む左側探索範囲Rl、そして、原稿右端Mrの位置を含む右側探索範囲Rrを仮決定する(ステップ30)。
【0042】
続いて、原稿収容部11に収容される原稿Mの搬送動作が開始されるとともに、受光部48を用いた原稿Mの読取動作が開始される。本実施の形態の場合、原稿Mは、上述したように、主走査方向FSの中央に位置する基準線Sを中心とする所謂センターレジ方式で搬送される。また、これに伴い、出力先設定部51は、受光部48による読取結果の取得を開始する。すなわち、出力先設定部51は、搬送されている原稿Mに関する読取画像データDsの取得を開始する(ステップ40)。このとき、出力先設定部51は、読取画像データ記憶部52および原稿端部決定部54に対し並列にデータの出力を行い、その結果、読取画像データ記憶部52には読取画像データDsが出力され、原稿端部決定部54には先端側画像データDtが出力される。この例では、原稿端部決定部54に対する先端側画像データDtの出力が終了した後、読取画像データ記憶部52に対する読取画像データDsの出力が終了する。そして、読取画像データ記憶部52は、送られてきた読取画像データDsを記憶する。
【0043】
次に、原稿端部決定部54は、出力先設定部51から受け取った原稿Mの先端側画像データDtに対し、ステップ30で仮決定された左側探索範囲Rl、右側探索範囲Rrにてエッジを探索する(ステップ50)。より具体的に説明すると、原稿端部決定部54は、先端側画像データDtに対し、左側探索範囲Rlの範囲内で原稿左端Mlに対応する左端位置Plの探索を行うとともに、右側探索範囲Rrの範囲内で原稿右端Mrに対応する右端位置Prの探索を行う。
【0044】
そして、原稿端部決定部54は、上記両端のエッジが見つかったか否かを判断する(ステップ60)。より具体的に説明すると、先端側画像データDtにおいて左端位置Plおよび右端位置Prの両者を検出できたか否かを判断する。なお、主走査方向FSにおける左端位置Plの検出は、上記左側探索範囲Rlの範囲内に、副走査方向SSに沿って延びる直線状のスジが存在するか否かに基づいて行われる。また、主走査方向FSにおける右端位置Prの検出は、上記右側探索範囲Rrの範囲内に、副走査方向SSに沿って延びる直線状のスジが存在するか否かに基づいて行われる。
【0045】
なお、上述したステップ50において、原稿端部決定部54は、原稿長検知センサ30による原稿Mの検知結果である原稿長検知結果を取得している。そして、原稿端部決定部54は、取得した原稿長検知結果に基づき、搬送および読み取りを行っている原稿Mの原稿長L、原稿前端Mtおよび原稿後端Mbを決定している。
【0046】
ステップ60で肯定の判断(YES)を行った場合、原稿端部決定部54は、先端側画像データDtに基づき、左端位置Pl、右端位置Prを決定する(ステップ70)。原稿端部決定部54は、受光部48による受光結果である先端側画像データDtで見つけた主走査方向FSの両端エッジを、そのまま左端位置Plおよび右端位置Prに決定する。
【0047】
そして、原稿画像データ切取部55は、読取画像データ記憶部52から読み出した読取画像データDsに対し、原稿端部決定部54が決定した前端位置Pt、左端位置Pl、右端位置Prおよび後端位置Pbを境界とするデータの抜き出しを行う。換言すれば、原稿画像データ切取部55は、読取画像データDsから、これら各端部位置に基づいて原稿画像データDmを切り取る(ステップ80)。このようにして切り取られた原稿画像データDmは、原稿画像データ記憶部56に記憶されるとともに、原稿画像データ記憶部56から読み出され、ネットワーク4を介してOCR装置3に送信される(ステップ90)。
【0048】
ここで、OCR装置3は、受け取った原稿画像データDmに対し、公知のOCR処理を施す。本実施の形態のOCR装置3は、原稿画像データDmにOCR処理を施すことにより、原稿解析データDaを作成する。この原稿解析データDaには、複数の文字(文字コード)をデータ化してなる文字データDcと、各文字の配置をデータ化してなる位置データDpとが含まれている(後述する
図9(c)、(f)参照)。そして、OCR装置3は、作成した原稿解析データDaを、ネットワーク4を介して画像読取装置1へと送信(返送)する。
【0049】
画像読取装置1は、上述した原稿解析データDaを受信し(ステップ100)、受信した原稿解析データDaは、原稿解析データ記憶部57に記憶される。そして、原稿画像データ修正部58は、共通(同一)の原稿Mに基づいて得られた、原稿画像データ記憶部56から読み出した原稿画像データDmと、原稿解析データ記憶部57から読み出した原稿解析データDaとを紐付けして出力データDoを作成し、ネットワーク4を介してサーバ装置2に送信する(ステップ170)。このように、ステップ60で肯定の判断(YES)を行った場合、原稿画像データ修正部58は、原稿画像データDmに対し特に修正を施すことなく、そのまま出力を行う。
【0050】
これに対し、上記ステップ60で否定の判断(NO)を行った場合、原稿端部決定部54は、先端側画像データDtではなく、ステップ20で取得した原稿幅検知結果に基づき、左端位置Pl、右端位置Prを決定する(ステップ120)。換言すれば、原稿端部決定部54は、原稿Mの読取結果ではなく、原稿幅検知センサ20(第1センサ21~第3センサ23)による検知結果から、先端側画像データDtにおける左端位置Plおよび右端位置Prを決定する。
【0051】
そして、原稿画像データ切取部55は、読取画像データ記憶部52から読み出した読取画像データDsに対し、原稿端部決定部54が決定した前端位置Pt、左端位置Pl、右端位置Prおよび後端位置Pbを境界とするデータの抜き出しを行う。換言すれば、原稿画像データ切取部55は、読取画像データDsから、これら各端部位置に基づいて原稿画像データDmを切り取る(ステップ130)。このようにして切り取られた原稿画像データDmは、原稿画像データ記憶部56に記憶されるとともに、原稿画像データ記憶部56から読み出され、ネットワーク4を介してOCR装置3に送信される(ステップ140)。
【0052】
画像読取装置1は、OCR装置3から原稿解析データDaを受信し(ステップ150)、受信した原稿解析データDaは、原稿解析データ記憶部57に記憶される。次に、原稿画像データ修正部58は、原稿画像データ記憶部56から読み出した原稿画像データDmに対し、原稿解析データ記憶部57から読み出した原稿解析データDaに基づく修正を施す。より具体的に説明すると、原稿画像データ修正部58は、原稿解析データDaを構成する位置データDpに基づき、原稿画像データDmに対し各端部(特に左端位置Plおよび右端位置Pr)に関する再切取を行う。そして、原稿画像データ修正部58は、原稿画像データ記憶部56から読み出し且つ自身で修正を施した原稿画像データDmと、原稿解析データ記憶部57から読み出した原稿解析データDaとを紐付けして出力データDoを作成し、ネットワーク4を介してサーバ装置2に送信する(ステップ170)。なお、出力データDoを受信したサーバ装置2では、受け取った出力データDoを記憶する。
【0053】
<具体例>
では、上述した搬送読取モードにおける画像処理について、具体例を挙げて説明を行う。
図8は、ステップ20で取得される原稿幅検知結果と、ステップ30で仮決定される原稿左端Mlおよび原稿右端Mrの各位置との関係を説明するための図である。ただし、
図8には、原稿左端Mlに基づいて決まる左側探索範囲Rl、および、原稿右端Mrに基づいて決まる右側探索範囲Rrについても、括弧書きで示している。
【0054】
(第1の状態)
まず、第1センサ21、第2センサ22および第3センサ23がすべて「ON」である「第1の状態」の場合、原稿幅決定部53は、原稿収容部11に収容されるとともに読取対象となる原稿Mの原稿幅Wが「297mm」であるとの仮決定を行う。
次に、原稿幅決定部53は、この原稿Mに関し、原稿左端Mlが「-148.5mm」であり、原稿右端Mrが「+148.5mm」であるとの仮決定を行う。
そして、原稿幅決定部53は、原稿左端Mlを含み且つ原稿左端Ml±5mmとなる「-153.5mm~-143.5mm」を左側探索範囲Rlに、原稿右端Mrを含み且つ原稿右端Mr±5mmとなる「+143.5mm~+153.5mm」を右側探索範囲Rrに、それぞれ仮決定する。
【0055】
この例では、所謂センターレジ方式にて原稿Mを搬送している。このため、原稿左端Mlおよび原稿右端Mrの位置(主走査方向FSの座標)は、原稿Mの原稿幅Wを、基準線Sを原点とし、主走査方向FSにおいて2等分することによって得られる。また、この例では、左側探索範囲Rlを原稿左端Ml±5mmとし、右側探索範囲Rrを原稿右端±5mmとしているが、大きさは5mm以外であってもよく、また、例えば+10mm且つ-5mmなど、正方向と負方向とで大きさが異なっていてもよい。そして、これらのことについては、以下に示す第2の状態および第3の状態においても同じである。
【0056】
(第2の状態)
また、第1センサ21が「OFF」であり、第2センサ22および第3センサ23が「ON」である「第2の状態」の場合、原稿幅決定部53は、原稿収容部11に収容されるとともに読取対象となる原稿Mの原稿幅Wが「210mm」であるとの仮決定を行う。
次に、原稿幅決定部53は、この原稿Mに関し、原稿左端Mlが「-105mm」であり、原稿右端Mrが「+105mm」であるとの仮決定を行う。
そして、原稿幅決定部53は、原稿左端Mlを含み且つ原稿左端Ml±5mmとなる「-110.0mm~-100.0mm」を左側探索範囲Rlに、原稿右端Mrを含み且つ原稿右端Mr±5mmとなる「+100.0mm~+110.0mm」を右側探索範囲Rrに、それぞれ仮決定する。
【0057】
(第3の状態)
さらに、第1センサ21および第2センサ22が「OFF」であり、第3センサ23が「ON」である「第3の状態」の場合、原稿幅決定部53は、原稿収容部11に収容されるとともに読取対象となる原稿Mの原稿幅Wが「148mm」であるとの仮決定を行う。
次に、原稿幅決定部53は、この原稿Mに関し、原稿左端Mlが「-74mm」であり、原稿右端Mrが「+74mm」であるとの仮決定を行う。
そして、原稿幅決定部53は、原稿左端Mlを含み且つ原稿左端Ml±5mmとなる「-79.0mm~-69.0mm」を左側探索範囲Rlに、原稿右端Mrを含み且つ原稿右端Mr±5mmとなる「+69.0mm~+79.0mm」を右側探索範囲Rrに、それぞれ仮決定する。
【0058】
ここで、上記「第1の状態」~「第3の状態」のうち、「第1の状態」および「第2の状態」を検知した場合、実際の原稿Mの原稿幅Wと、ステップ20で仮決定した原稿幅Wとが略一致することになる。このため、ステップ60において肯定の判断(YES)が行われ、その後、ステップ70~ステップ100およびステップ170の処理が順番に実行されることになる。
【0059】
これに対し、「第3の状態」を検知した場合、実際の原稿Mの原稿幅Wと、ステップ20で仮決定した原稿幅Wとが略一致するケース(原稿Mが「A5タテ」だった場合)と、全く一致しないケース(原稿Mが「名刺ヨコ」または「名刺タテ」だった場合)とが存在し得る。これらのうち、原稿幅W同士が略一致する前者の場合は、上記「第1の状態」および「第2の状態」と同様に、ステップ60において肯定の判断(YES)が行われ、その後、ステップ70~ステップ100およびステップ170の処理が順番に実行されることになる。これに対し、原稿幅W同士が全く一致しない後者の場合は、ステップ60において否定の判断(NO)が行われ、その後、ステップ120~ステップ170の処理が順番に行われることになる。
【0060】
以下では、上記「第3の状態」のうち、原稿Mが「A5タテ」であった場合(以下では「第1の例」と呼ぶ)と「名刺ヨコ」であった場合(以下では「第2の例」と呼ぶ)とについて、より具体的に説明を行う。
【0061】
[第1の例]
最初に、第1の例すなわち「A5タテ」の場合(ステップ60で肯定の判断(YES)が行われる場合)について説明を行う。
図9(a)~(c)は「第1の例」を説明するための図である。ここで、
図9(a)は、読取画像データDsおよび先端側画像データDtと、左側探索範囲Rlおよび右側探索範囲Rrと、原稿前端Mt、原稿後端Mb、原稿左端Mlおよび原稿右端Mrとの関係を示している。また、
図9(b)は、原稿画像データDmと、原稿前端Mt、原稿後端Mb、原稿左端Mlおよび原稿右端Mrと、前端位置Pt、後端位置Pb、左端位置Plおよび右端位置Prとの関係を示している。さらに、
図9(c)は、出力データDoを構成する原稿画像データDmおよび原稿解析データDaの関係を示している。なお、
図9(c)は、原稿解析データDaを構成する文字データDcおよび位置データDpの関係も示している。
【0062】
原稿Mが「A5タテ」の場合、原稿幅検知センサ20の検知結果に基づいて仮決定された、左側探索範囲Rlの中に原稿左端Mlが存在し、且つ、右側探索範囲Rrの中に原稿右端Mrが存在する(
図9(a)参照)。これに伴い、ステップ60において肯定の判断(YES)が行われる。また、原稿長検知センサ30による検知結果に基づいて、原稿前端Mtおよび原稿後端Mbが決定される。
【0063】
この場合、受光部48による原稿Mの先端側の読取結果である先端側画像データDtに基づき、原稿左端Mlから左端位置Plが決まるとともに、原稿右端Mrから右端位置Prが決まる(ステップ70)。また、上述した原稿前端Mtから前端位置Ptが決まるとともに、原稿後端Mbから後端位置Pbが決まる。したがって、「第1の例」の場合には、原稿前端Mtおよび前端位置Ptが一致し、原稿後端Mbおよび後端位置Pbが一致し、原稿左端Mlおよび左端位置Plが一致し、原稿右端Mrおよび右端位置Prが一致する。このように、「第1の例」の場合、4つの端部位置のすべてが一致する。
【0064】
そして、原稿Mの全体の読取結果である読取画像データDsに対し、これら前端位置Pt、後端位置Pb、左端位置Plおよび右端位置Prにて切り取りを行う(ステップ80、
図9(b)参照)。なお、この例では、「A5タテ」の原稿Mの読み取り対象面に、文字列(図に示す例では、「あいうえお かきくけこ さしすせそ たちつてと なにぬねの はひふへほ」を、行毎に5段に配列したもの)が記載されているものとする。
【0065】
その後、上記原稿画像データDmをOCR装置3に送信する(ステップ90)とともに、原稿画像データDmに対するOCR処理結果である原稿解析データDaをOCR装置3から受信する(ステップ100)。ここで、原稿解析データDaは、上述した文字列をデータ化してなる文字データDcと、各文字の配列をデータ化してなる位置データDpとを含んでいる(
図9(c)参照)。
【0066】
ここで、「第1の例」の場合は、原稿解析データDaと、
図9(b)に示す未修正の原稿画像データDmとを紐付けしてなる出力データDo(
図9(c)参照)を、ステップ170においてサーバ装置2に送信し、一連の処理を完了する。
【0067】
[第2の例]
続いて、第2の例すなわち「名刺ヨコ」の場合(ステップ60で否定の判断(NO)が行われる場合)について説明を行う。
図9(d)~(f)は、「第2の例」を説明するための図である。ここで、
図9(d)は、読取画像データDsおよび先端側画像データDtと、左側探索範囲Rlおよび右側探索範囲Rrと、原稿前端Mt、原稿後端Mb、原稿左端Mlおよび原稿右端Mrとの関係を示している。また、
図9(e)は、原稿画像データDmと、原稿前端Mt、原稿後端Mb、原稿左端Mlおよび原稿右端Mrと、前端位置Pt、後端位置Pb、左端位置Plおよび右端位置Prとの関係を示している。さらに、
図9(f)は、出力データDoを構成する原稿画像データDmおよび原稿解析データDaの関係を示している。なお、
図9(f)は、原稿解析データDaを構成する文字データDcおよび位置データDpの関係も示している。
【0068】
原稿Mが「名刺ヨコ」の場合、原稿幅検知センサ20の検知結果に基づいて仮決定された、左側探索範囲Rlの中に原稿左端Mlが存在せず、且つ、右側探索範囲Rrの中に原稿右端Mrが存在しないことになる(
図9(d)参照)。これに伴い、ステップ60において否定の判断(NO)が行われる。また、原稿長検知センサ30による検知結果に基づいて、原稿前端Mtおよび原稿後端Mbが決定される。
【0069】
この場合、原稿幅検知センサ20による原稿Mの検知結果である原稿幅検知結果に基づき、左端位置Plおよび右端位置Prが決まる(ステップ120)。より具体的に説明すると、実際の原稿M(名刺ヨコ)よりも原稿幅Wが大きい、「A5タテ」の原稿左端Mlから左端位置Plが決まり、同じく「A5タテ」の原稿右端Mrから右端位置Prが決まる。このとき、左端位置Plは、実際の原稿M(名刺ヨコ)における原稿左端Mlよりも左側(外側)に位置し、また、右端位置Prは、実際の原稿M(名刺ヨコ)における原稿右端Mrよりも右側(外側)に位置する(
図9(e)参照)。また、「A5タテ」に合わせて前端位置Ptおよび後端位置Pbが決まる。したがって、「第2の例」の場合には、原稿前端Mtおよび前端位置Ptは一致するものの、原稿後端Mbおよび後端位置Pb、原稿左端Mlおよび左端位置Pl、原稿右端Mrおよび右端位置Prは一致しない。このように、「第2の例」の場合、1つの端部位置は一致するものの他の3つの端部位置はすべて一致しない。
【0070】
そして、原稿Mの全体の読取結果である読取画像データDsに対し、これら前端位置Pt、後端位置Pb、左端位置Plおよび右端位置Prにて切り取りを行う(ステップ130、
図9(e)参照)。これに伴い、原稿Mよりも広い領域を読み取って得られた読取画像データDsは、より小サイズとなる原稿画像データDmに加工される。なお、この例では、「名刺ヨコ」の原稿Mの読み取り対象面に、文字列(図に示す例では、「○○○株式会社 富士 太郎 電話番号(詳細省略) Eメールアドレス(詳細省略)」を4段に配列したもの)が記載されているものとする。ただし、「第2の例」の場合、実際の原稿Mの領域に比べて原稿画像データDmの領域が著しく大きいことから、読取画像データDsに切り取りを施した状態においても、原稿画像データDmには余白となる領域が広く存在している。
【0071】
その後、上記原稿画像データDmをOCR装置3に送信する(ステップ140)とともに、原稿画像データDmに対するOCR処理結果である原稿解析データDaをOCR装置3から受信する(ステップ150)。ここで、原稿解析データDaは、上述した文字列をデータ化してなる文字データDcと、各文字の配列をデータ化してなる位置データDpとを含んでいる(
図9(f)参照)。
【0072】
ここで、「第2の例」の場合は、原稿画像データDmをそのまま出力するのではなく、原稿解析データDaに基づく修正(再切取)を行う(ステップ160)。より具体的に説明すると、ステップ160では、原稿解析データDa(特に位置データDp)に基づき、原稿画像データDmにおいて文字列が存在する領域の抽出を行い、この文字列がすべて含まれるように、端部位置(前端位置Pt、後端位置Pb、左端位置Plおよび右端位置Pr)の再設定および再設定に基づく再切取を行う。ここで、再設定する端部位置については、4つの端部位置すべてを対象とすることが望ましいが、
図9(f)に例示したように、少なくとも左端位置Plおよび右端位置Prの2者を対象とすることが好ましい。これに伴い、原稿Mよりも広い領域を切り取って得られた原稿画像データDm(
図9(e)参照)は、より小サイズとなる原稿画像データDmに再加工される(
図9(f)参照)。
【0073】
そして、「第2の例」の場合は、原稿解析データDaと、上記ステップ160による修正済みの原稿画像データDmとを紐付けしてなる出力データDo(
図9(f)参照)を、ステップ170においてサーバ装置2に送信し、一連の処理を完了する。
【0074】
<その他>
なお、本実施の形態では、ステップ60において原稿Mの主走査方向FSの両端のエッジ(原稿左端Mlおよび原稿右端Mr)が見つからなかった場合に、原稿幅検知センサ20による原稿幅検知結果に基づいて左端位置Plおよび右端位置Prを決定していたが、これに限られない。例えば、ステップ60で否定の判断(NO)を行った場合に、読取画像データDsそのものをOCR装置3に送信し、得られた原稿解析データDaに基づいて左端位置Plおよび右端位置Prを含む端部位置を決定してもよい。この場合は、読取画像データDsに対し、原稿解析データDaに基づく切り取りを施すことにより、原稿画像データDmを得ることになる。
【0075】
また、本実施の形態では、ステップ60において原稿Mの主走査方向FSの両端のエッジ(原稿左端Mlおよび原稿右端Mr)が見つからなかった場合に、原稿幅検知センサ20による原稿幅検知結果のみに基づいて左端位置Plおよび右端位置Prを決定していたが、これに限られない。例えば、ユーザによる入力によって受け付けた原稿Mのサイズ情報(「A4タテ」等)や、揃え部材18の位置情報を、さらに判断基準に加えるようにしてもかまわない。
【符号の説明】
【0076】
1…画像読取装置、2…サーバ装置、3…OCR装置、4…ネットワーク、10…原稿送り装置、11…原稿収容部、12…排紙収容部、13…取出ロール、14…捌き機構、15…搬送路、16…搬送ロール、17…反射板、18…揃え部材、20…原稿幅検知センサ、21…第1センサ、22…第2センサ、23…第3センサ、30…原稿長検知センサ、40…スキャナ装置、48…受光部、50…制御・画像処理ユニット、51…出力先設定部、52…読取画像データ記憶部、53…原稿幅決定部、54…原稿端部決定部、55…原稿画像データ切取部、56…原稿画像データ記憶部、57…原稿解析データ記憶部、58…原稿画像データ修正部、M…原稿、L…原稿長、W…原稿幅