(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】現像剤補給装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
G03G15/08 341
(21)【出願番号】P 2020054231
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 誠悟
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-065251(JP,A)
【文献】特開2011-053391(JP,A)
【文献】特開2008-268783(JP,A)
【文献】特開2011-053393(JP,A)
【文献】特開2007-102176(JP,A)
【文献】特開2012-226127(JP,A)
【文献】特開2005-195659(JP,A)
【文献】特開2005-352042(JP,A)
【文献】特開2018-040907(JP,A)
【文献】特開平10-063074(JP,A)
【文献】特開平05-061349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容し、装置本体に対し着脱可能なトナー収容部と、
前記トナー収容部からトナーを受け取り、トナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像保持体に形成された静電潜像を現像する現像装置にトナーを補給するトナー補給部と、
キャリアを収容し、装置本体に対し着脱可能なキャリア収容部と、
前記トナー補給部と比べて容積が小さく、前記キャリア収容部からキャリアを受け取り、前記現像装置にキャリアを補給するキャリア補給部と
を備え
、
前記トナー補給部は、前記現像装置に接続されるトナー投入口にトナーを落下させて当該現像装置にトナーを補給し、
前記キャリア補給部は、前記トナー補給部の前記トナー投入口よりも鉛直上方に位置するキャリア投入口にキャリアを落下させ、当該トナー投入口を介して前記現像装置にキャリアを補給することを特徴とする
現像剤補給装置。
【請求項2】
前記トナー補給部は、前記トナー収容部の着脱方向に沿ってトナーを搬送した後に前記現像装置にトナーを補給し、
前記キャリア補給部は、前記着脱方向に沿ってキャリアを搬送した後に前記現像装置にキャリアを補給し、
前記キャリア補給部の前記着脱方向に沿った長さは、前記トナー補給部の当該着脱方向に沿った長さより短いことを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給装置。
【請求項3】
前記トナー補給部は、前記トナー収容部におけるトナーの搬送方向とは逆方向にトナーを搬送することを特徴とする請求項2に記載の現像剤補給装置。
【請求項4】
前記キャリア補給部は、前記キャリア収容部におけるキャリアの搬送方向と同じ方向にキャリアを搬送することを特徴とする請求項2または3に記載の現像剤補給装置。
【請求項5】
前記トナー補給部は、前記トナー収容部の着脱方向に沿ってトナーを搬送した後に前記現像装置にトナーを補給し、
前記キャリア補給部は、前記着脱方向に沿ってキャリアを搬送した後に前記現像装置にキャリアを補給し、
前記キャリア補給部の前記着脱方向に垂直な断面積は、前記トナー補給部の当該着脱方向に垂直な断面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給装置。
【請求項6】
前記キャリア補給部においてキャリアを搬送する搬送部材の搬送量は、前記トナー補給部においてトナーを搬送する搬送部材の搬送量より少ないことを特徴とする請求項5に記載の現像剤補給装置。
【請求項7】
前記キャリア収容部は、前記装置本体に対する着脱方向に沿った長さが、前記トナー収容部の当該着脱方向に沿った長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給装置。
【請求項8】
前記キャリア収容部における鉛直方向の最下部は、前記トナー収容部における鉛直方向の最下部よりも鉛直下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給装置。
【請求項9】
前記キャリア収容部における中心軸または鉛直方向の最上部は、前記トナー収容部における中心軸または鉛直方向の最上部よりも鉛直下方に位置していることを特徴とする
請求項8に記載の現像剤補給装置。
【請求項10】
画像を保持する像保持体と、
トナーとキャリアとを含む現像剤を用いて前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、
トナーを収容し、装置本体に対し着脱可能なトナー収容部と、
前記トナー収容部からトナーを受け取り、前記現像装置にトナーを補給するトナー補給部と、
キャリアを収容し、装置本体に対し着脱可能なキャリア収容部と、
前記トナー補給部と比べて容積が小さく、前記キャリア収容部からキャリアを受け取り、前記現像装置にキャリアを補給するキャリア補給部と
を備え
、
前記トナー補給部は、前記現像装置に接続されるトナー投入口にトナーを落下させて当該現像装置にトナーを補給し、
前記キャリア補給部は、前記トナー補給部の前記トナー投入口よりも鉛直上方に位置するキャリア投入口にキャリアを落下させ、当該トナー投入口を介して前記現像装置にキャリアを補給することを特徴とする
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤補給装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1には、トナーを収容するトナー収容空間を有する容器本体と、キャリアを収容するキャリア収容空間を有するキャリアタンクとを備え、現像装置にキャリアおよびトナーを供給する現像剤容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、現像装置にキャリアを補給するキャリア補給部の容積が現像装置にトナーを補給するトナー補給部の容積と等しい場合と比べて、キャリア補給部とトナー補給部とを合わせた容積を小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、トナーを収容し、装置本体に対し着脱可能なトナー収容部と、前記トナー収容部からトナーを受け取り、トナーとキャリアとを含む現像剤を用いて像保持体に形成された静電潜像を現像する現像装置にトナーを補給するトナー補給部と、キャリアを収容し、装置本体に対し着脱可能なキャリア収容部と、前記トナー補給部と比べて容積が小さく、前記キャリア収容部からキャリアを受け取り、前記現像装置にキャリアを補給するキャリア補給部とを備え、前記トナー補給部は、前記現像装置に接続されるトナー投入口にトナーを落下させて当該現像装置にトナーを補給し、前記キャリア補給部は、前記トナー補給部の前記トナー投入口よりも鉛直上方に位置するキャリア投入口にキャリアを落下させ、当該トナー投入口を介して前記現像装置にキャリアを補給することを特徴とする現像剤補給装置である。
請求項2に記載の発明は、前記トナー補給部は、前記トナー収容部の着脱方向に沿ってトナーを搬送した後に前記現像装置にトナーを補給し、前記キャリア補給部は、前記着脱方向に沿ってキャリアを搬送した後に前記現像装置にキャリアを補給し、前記キャリア補給部の前記着脱方向に沿った長さは、前記トナー補給部の当該着脱方向に沿った長さより短いことを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給装置である。
請求項3に記載の発明は、前記トナー補給部は、前記トナー収容部におけるトナーの搬送方向とは逆方向にトナーを搬送することを特徴とする請求項2に記載の現像剤補給装置である。
請求項4に記載の発明は、前記キャリア補給部は、前記キャリア収容部におけるキャリアの搬送方向と同じ方向にキャリアを搬送することを特徴とする請求項2または3に記載の現像剤補給装置である。
請求項5に記載の発明は、前記トナー補給部は、前記トナー収容部の着脱方向に沿ってトナーを搬送した後に前記現像装置にトナーを補給し、前記キャリア補給部は、前記着脱方向に沿ってキャリアを搬送した後に前記現像装置にキャリアを補給し、前記キャリア補給部の前記着脱方向に垂直な断面積は、前記トナー補給部の当該着脱方向に垂直な断面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給装置である。
請求項6に記載の発明は、前記キャリア補給部においてキャリアを搬送する搬送部材の搬送量は、前記トナー補給部においてトナーを搬送する搬送部材の搬送量より少ないことを特徴とする請求項5に記載の現像剤補給装置である。
請求項7に記載の発明は、前記キャリア収容部は、前記装置本体に対する着脱方向に沿った長さが、前記トナー収容部の当該着脱方向に沿った長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給装置である。
請求項8に記載の発明は、前記キャリア収容部における鉛直方向の最下部は、前記トナー収容部における鉛直方向の最下部よりも鉛直下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給装置である。
請求項9に記載の発明は、前記キャリア収容部における中心軸または鉛直方向の最上部は、前記トナー収容部における中心軸または鉛直方向の最上部よりも鉛直下方に位置していることを特徴とする請求項8に記載の現像剤補給装置である。
請求項10に記載の発明は、画像を保持する像保持体と、トナーとキャリアとを含む現像剤を用いて前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、トナーを収容し、装置本体に対し着脱可能なトナー収容部と、前記トナー収容部からトナーを受け取り、前記現像装置にトナーを補給するトナー補給部と、キャリアを収容し、装置本体に対し着脱可能なキャリア収容部と、前記トナー補給部と比べて容積が小さく、前記キャリア収容部からキャリアを受け取り、前記現像装置にキャリアを補給するキャリア補給部とを備え、前記トナー補給部は、前記現像装置に接続されるトナー投入口にトナーを落下させて当該現像装置にトナーを補給し、前記キャリア補給部は、前記トナー補給部の前記トナー投入口よりも鉛直上方に位置するキャリア投入口にキャリアを落下させ、当該トナー投入口を介して前記現像装置にキャリアを補給することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、現像装置にキャリアを補給するキャリア補給部の容積が現像装置にトナーを補給するトナー補給部の容積と等しい場合と比べて、キャリア補給部とトナー補給部とを合わせた容積を小さくすることができる。
請求項2の発明によれば、キャリア補給部の着脱方向に沿った長さがトナー補給部の着脱方向に沿った長さ以上である場合と比べて、キャリア補給部の容積を小さくしやすくなる。
請求項3の発明によれば、トナー補給部がトナー収容部におけるトナーの搬送方向と同じ方向にトナーを搬送する場合と比べて、トナー補給部の容積を大きくしやすくなる。
請求項4の発明によれば、キャリア補給部がキャリア収容部におけるキャリアの搬送方向と逆方向にキャリアを搬送する場合と比べて、キャリア補給部の搬送方向に沿った長さを短くしやすくなる。
請求項5の発明によれば、キャリア補給部の断面積がトナー補給部の断面積以上である場合と比べて、キャリア補給部の容積を小さくしやすくなる。
請求項6の発明によれば、キャリア補給部における搬送量がトナー補給部における搬送量以上である場合と比べて、キャリア補給部の容積を小さくしやすくなる。
請求項7の発明によれば、ユーザがトナー収容部を着脱する際にトナー収容部を着脱方向に動かす長さよりも、ユーザがキャリア収容部を着脱する際にキャリア収容部を着脱方向に動かす長さを短くすることができる。
請求項8の発明によれば、ユーザが、トナー収容部を着脱する位置よりも鉛直下方でキャリア収容部を着脱することができる。
請求項9の発明によれば、ユーザが、より確実にトナー収容部を着脱する位置よりも鉛直下方でキャリア収容部を着脱することができる。
請求項10の発明によれば、現像装置にキャリアを補給するキャリア補給部の容積が現像装置にトナーを補給するトナー補給部の容積と等しい場合と比べて、キャリア補給部とトナー補給部とを合わせた容積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。
【
図2】本実施の形態が適用される現像剤補給装置の斜視図である。
【
図3】現像剤補給装置を
図2におけるIII方向から見た図である。
【
図4】現像剤補給装置を
図2におけるIV方向から見た図である。
【
図6】
図4におけるVI-VI部での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示した概略構成図である。
同図に示す画像形成装置100は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置である。この画像形成装置100には、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kが設けられている。
【0009】
また、画像形成装置100には、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順に一次転写させる一次転写部10が設けられている。さらに、画像形成装置100には、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を用紙50に一括して二次転写させる二次転写部20が設けられている。
【0010】
また、画像形成装置100には、二次転写されたトナー像を用紙50上に定着させる定着装置60が設けられている。さらに、画像形成装置100には、プログラム制御されたCPUにより構成され、画像形成装置100内の各部を制御する制御部40が設けられている。また、画像形成装置100には、表示パネル等により構成されユーザからの情報を受け付けるとともにユーザに対して情報を表示するUI(User Interface)45が設けられている。
【0011】
さらに、画像形成装置100には、それぞれの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの後述する現像装置14に対して現像剤を補給する現像剤補給装置70Y、70M、70C、70Kが設けられている。詳細については後述するが、現像剤補給装置70Y、70M、70C、70Kは、それぞれの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの現像装置14に対して、現像剤として、磁性を有するキャリアと、それぞれの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kに対応する色に着色されたトナーとを補給する。この例では、キャリアは正の帯電極性を有し、トナーは負の帯電極性を有する。
なお、現像剤補給装置70Y、70M、70C、70Kは、トナーの色以外は互いに同様の構成を有している。以下では、現像剤補給装置70Y、70M、70C、70Kを互いに区別しない場合には、単に現像剤補給装置70と表記する。
【0012】
画像形成部の一部として機能する画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各々には、次のような電子写真用デバイスが設けられている。まず、像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、感光体ドラム11を帯電する帯電器12が設けられている。また、感光体ドラム11上に静電潜像を書き込むレーザ露光器13が設けられている。なお、レーザ露光器13による露光ビームを
図1に符号Bmで示す。
【0013】
さらに、キャリアとトナーとを含む現像剤が収容され、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14が設けられている。また、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。また、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17が設けられている。
【0014】
中間転写ベルト15は、不図示のモータにより駆動される駆動ロール31によって
図1に示す矢印B方向に予め定められた速度で循環移動する。一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで対向配置される一次転写ロール16を含んで構成されている。そして、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成される。
【0015】
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とを含んで構成される。二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25を押圧するように配置されている。さらに、二次転写ロール22は、接地されるとともに、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙50上にトナー像が二次転写される。また、中間転写ベルト15上の残留トナーを除去するベルトクリーナ27が設けられている。
【0016】
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、画像形成装置100の装置本体に対して、画像形成装置100の前後方向に着脱可能に構成されている。より具体的には、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、画像形成装置100の前方へ引き出すことで、画像形成装置100から取り外される。
【0017】
画像形成装置100の基本的な画像形成処理について説明する。
画像形成装置100では、図示しない画像読取装置等から画像データが出力される。そして、この画像データは図示しない画像処理装置により画像処理が施され、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0018】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各々の感光体ドラム11に照射する。各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、レーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。そして現像装置14により感光体ドラム11上にトナー像が形成された後、このトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。
【0019】
トナー像が中間転写ベルト15の表面に一次転写された後、中間転写ベルト15の移動によりトナー像が二次転写部20に搬送される。二次転写部20では、二次転写ロール22が中間転写ベルト15を介してバックアップロール25に押圧される。このとき、第1用紙収容部53や第2用紙収容部54から搬送ロール52等により搬送された用紙50が、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。
【0020】
そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着のトナー像は、二次転写部20において、用紙50上に一括して静電転写される。その後、トナー像が静電転写された用紙50は、中間転写ベルト15から剥離された後、二次転写ロール22よりも用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へ搬送される。そして搬送ベルト55は、用紙50を定着装置60まで搬送する。
定着装置60に搬送された用紙50上のトナー像は、定着装置60によって熱および圧力を受け、用紙50上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙50は、画像形成装置100から排出される。
一方、一次転写後に感光体ドラム11に付着しているトナーは、ドラムクリーナ17によって除去され、二次転写後に中間転写ベルト15に付着しているトナーは、ベルトクリーナ27によって除去される。
このようにして、画像形成装置100での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
【0021】
(現像剤補給装置の構成)
続いて、本実施の形態の現像剤補給装置70について説明する。
図2は、本実施の形態が適用される現像剤補給装置70の斜視図である。現像剤補給装置70は、画像形成装置100(
図1参照)に対し、
図2における右下が画像形成装置100の前方、
図2における左上が画像形成装置100の後方となるように、取り付けられている。
図3は、現像剤補給装置70を
図2におけるIII方向から見た図であり、
図4は、現像剤補給装置70を
図2におけるIV方向(すなわち、前方)から見た図である。また、
図5は、
図4におけるV-V部での断面図であり、
図6は、
図4におけるVI-VI部での断面図である。さらに、
図7は、
図6におけるVII部の拡大図である。
【0022】
本実施の形態の現像剤補給装置70は、トナーを内部に収容する2つのトナーカートリッジ81と、それぞれのトナーカートリッジ81からトナーを受け取り、トナーを現像装置14(
図1参照)に補給するトナーディスペンサ82とを有している。2つのトナーカートリッジ81は、互いに同じ構成を有している。トナーカートリッジ81がトナー収容部の一例である。
また、現像剤補給装置70は、キャリアを内部に収容するキャリアカートリッジ91と、キャリアカートリッジ91からキャリアを受け取り、キャリアを現像装置14に補給するキャリアディスペンサ92とを有している。この例では、キャリアカートリッジ91は、トナーカートリッジ81とは異なり、現像剤補給装置70に1つ設けられている。キャリアカートリッジ91がキャリア収容部の一例である。
【0023】
それぞれのトナーカートリッジ81は、現像剤補給装置70の前後方向に中心軸を有する円筒状の形状を有している。また、それぞれのトナーカートリッジ81は、現像剤補給装置70の装置本体に対して、現像剤補給装置70の前後方向に着脱可能に構成されている。より具体的には、トナーカートリッジ81は、現像剤補給装置70の前方へ引き出すことで、現像剤補給装置70から取り外される。また、トナーカートリッジ81は、現像剤補給装置70に対し後方に押し込むことで、現像剤補給装置70に取り付けられる。
【0024】
また、それぞれのトナーカートリッジ81は、内部に、トナーを攪拌するトナー攪拌部材811を有している。トナー攪拌部材811は、不図示の駆動モータにより回転駆動され、トナーカートリッジ81の内部でトナーを攪拌するとともに、トナーをトナーカートリッジ81の前方から後方へ搬送する。付言すると、トナーカートリッジ81におけるトナーの搬送方向は、現像剤補給装置70に対してトナーカートリッジ81を着脱する着脱方向に沿った方向となっている。なお、本実施の形態の説明において、「着脱方向に沿う」とは、必ずしも着脱方向に平行である必要はなく、搬送方向が少なくとも着脱方向の成分を有していればよい。
また、トナーカートリッジ81は、外周面に、トナー攪拌部材811により搬送されたトナーをトナーディスペンサ82の後述するトナーリザーブタンク83に向けて排出するトナー排出部813を有している。この例では、トナー排出部813は、トナーカートリッジ81の外周面のうち、トナーカートリッジ81の後方であって、トナーリザーブタンク83に対向する下側の面に設けられている。そして、トナー排出部813は、トナーリザーブタンク83に向けてトナーを下方に排出する。
【0025】
トナーディスペンサ82は、それぞれのトナーカートリッジ81から受け取ったトナーを収容する2つのトナーリザーブタンク83と、2つのトナーリザーブタンク83からトナーを受け取って、現像装置14に向けて搬送するトナー搬送部84と、トナー搬送部84を搬送されたトナーを現像装置14に投入するトナー投入部85とを有している。2つのトナーリザーブタンク83は、互いに同じ構成を有している。トナーリザーブタンク83がトナー補給部の一例である。
【0026】
それぞれのトナーリザーブタンク83は、現像剤補給装置70の前後方向に延びる長尺の箱状の形状を有している。また、それぞれのトナーリザーブタンク83は、それぞれのトナーカートリッジ81の鉛直下方に設けられている。
トナーリザーブタンク83は、内部に、トナーを攪拌しながら搬送するトナー搬送部材831を有している。トナー搬送部材831は、不図示の駆動モータにより回転駆動され、トナーリザーブタンク83の内部でトナーを攪拌するとともに、トナーをトナーリザーブタンク83の後方から前方へ搬送する。本実施の形態では、トナーリザーブタンク83におけるトナーの搬送方向は、トナーカートリッジ81におけるトナーの搬送方向とは逆方向になっている。付言すると、トナーリザーブタンク83におけるトナーの搬送方向は、現像剤補給装置70に対してトナーカートリッジ81を着脱する着脱方向に沿った方向となっている。
トナー搬送部材831としては、例えば、トナーリザーブタンク83の前後方向に延びる回転軸と、回転軸の周囲にらせん状に形成された羽根部材とを有するスクリューオーガを用いることができる。
また、トナーリザーブタンク83の内部には、トナー検知部834を設けている。トナー検知部834は、トナーリザーブタンク83内部のトナーの有無を検知する。また、トナー検知部834は、トナー排出部833よりもトナー受取部832に近い位置に設けられている。トナー検知部834には、磁気センサ、圧電センサ、光電センサ等、公知の技術を用いることができる。
【0027】
また、トナーリザーブタンク83は、外周面に、トナーカートリッジ81のトナー排出部813から排出されたトナーを受け取るトナー受取部832と、トナー搬送部材831により搬送されたトナーをトナー搬送部84の後述するトナー合流部841に排出するトナー排出部833とを有している。
この例では、トナー受取部832は、トナーカートリッジ81のトナー排出部813に対向する位置に設けられている。付言すると、トナー受取部832は、トナーリザーブタンク83の外周面のうち、トナーリザーブタンク83の後方であって、トナーカートリッジ81のトナー排出部813に対向する上側の面に設けられている。
また、トナー排出部833は、トナーリザーブタンク83の外周面のうち、トナーリザーブタンク83の前方であって、トナー搬送部84のトナー合流部841に対向する下側の面に設けられている。そして、トナー排出部833は、トナー合流部841に向けてトナーを下方に排出する。
【0028】
トナー搬送部84は、2つのトナーリザーブタンク83のトナー排出部833から排出されたトナーが合流するトナー合流部841と、トナー合流部841を通過したトナーをトナー投入部85に向けて搬送するトナー搬送路842とを有している。
トナー搬送路842は、現像剤補給装置70の前後方向に延びる円筒状の形状を有している。また、トナー搬送路842は、内部に、トナーを攪拌しながら搬送するトナー搬送部材843を有している。トナー搬送部材843は、不図示の駆動モータにより回転駆動され、トナー搬送路842の内部でトナーを攪拌するとともに、トナーをトナー搬送路842の前方から後方へ搬送する。付言すると、トナー搬送部84におけるトナーの搬送方向は、現像剤補給装置70に対してトナーカートリッジ81を着脱する着脱方向に沿った方向となっている。
【0029】
トナー投入部85は、トナー搬送路842を搬送されたトナーを、現像装置14(
図1参照)へ投入する。本実施の形態では、トナー投入部85は、現像装置14の鉛直上方に位置している。そして、トナー投入部85は、トナーを重力により下方へ落下させることで、現像装置14に対しトナーを投入する。
【0030】
キャリアカートリッジ91は、現像剤補給装置70の前後方向に中心軸を有する円筒状の形状を有している。また、キャリアカートリッジ91は、現像剤補給装置70の装置本体に対して、現像剤補給装置70の前後方向に着脱可能に構成されている。より具体的には、キャリアカートリッジ91は、現像剤補給装置70の前方へ引き出すことで、現像剤補給装置70から取り外される。また、キャリアカートリッジ91は、現像剤補給装置70に対し後方に押し込むことで、現像剤補給装置70に取り付けられる。
【0031】
詳細については後述するが、本実施の形態のキャリアカートリッジ91は、現像剤補給装置70に対する着脱方向に沿った長さ(この例では、前後方向の長さ)が、トナーカートリッジ81の現像剤補給装置70に対する着脱方向に沿った長さと比べて短くなっている。また、キャリアカートリッジ91の後方の端部(以下、後端と表記する場合がある。)は、トナーカートリッジ81の後端と比べて、現像剤補給装置70の前方に位置している。
【0032】
キャリアカートリッジ91は、内部に、キャリアを攪拌するキャリア攪拌部材911を有している。キャリア攪拌部材911は、不図示の駆動モータにより回転駆動され、キャリアカートリッジ91の内部でキャリアを攪拌するとともに、キャリアをキャリアカートリッジ91の前方から後方へ搬送する。付言すると、キャリアカートリッジ91におけるトナーの搬送方向は、現像剤補給装置70に対してキャリアカートリッジ91を着脱する着脱方向に沿った方向となっている。
【0033】
また、キャリアカートリッジ91は、外周面に、キャリア攪拌部材911により搬送されたキャリアをキャリアディスペンサ92の後述するキャリアリザーブタンク93に向けて排出するキャリア排出部913を有している。この例では、キャリア排出部913は、キャリアカートリッジ91の外周面のうち、キャリアカートリッジ91の後方であって、キャリアリザーブタンク93に対向する下側の面に設けられている。そして、キャリア排出部913は、キャリアリザーブタンク93に向けてキャリアを下方に排出する。
【0034】
キャリアディスペンサ92は、キャリアカートリッジ91から受け取ったキャリアを収容するキャリア補給部の一例としてのキャリアリザーブタンク93と、キャリアリザーブタンク93に収容されるキャリアを現像装置14に投入するキャリア投入部95とを有している。
【0035】
キャリアリザーブタンク93は、現像剤補給装置70の前後方向に延びる長尺の筒状の形状を有している。また、キャリアリザーブタンク93は、キャリアカートリッジ91の鉛直下方に設けられている。
詳細については後述するが、本実施の形態のキャリアリザーブタンク93の容積は、トナーリザーブタンク83の容積と比べて小さい。また、キャリアリザーブタンク93を、現像剤補給装置70に対するキャリアカートリッジ91の着脱方向(前後方向)に垂直な断面で切断した断面積が、トナーリザーブタンク83と比べて小さい。本実施の形態では、キャリアリザーブタンク93の断面積をトナーリザーブタンク83より小さくすることで、現像剤補給装置70においてキャリアリザーブタンク93が占めるスペースを小さくすることができる。
【0036】
また、キャリアリザーブタンク93は、内部に、キャリアを攪拌しながら搬送するキャリア搬送部材931を有している。キャリア搬送部材931は、不図示の駆動モータにより回転駆動され、キャリアリザーブタンク93の内部でキャリアを攪拌するとともに、キャリアをキャリアリザーブタンク93の前方から後方へ搬送する。本実施の形態では、キャリアリザーブタンク93におけるキャリアの搬送方向は、キャリアカートリッジ91におけるキャリアの搬送方向と等しくなっている。付言すると、キャリアカートリッジ91におけるトナーの搬送方向は、現像剤補給装置70に対してキャリアカートリッジ91を着脱する着脱方向に沿った方向となっている。
キャリア搬送部材931としては、例えば、キャリアリザーブタンク93の前後方向に延びる回転軸と、回転軸の周囲にらせん状に形成された羽根部材とを有するスクリューオーガを用いることができる。
また、キャリアリザーブタンク93の内部には、キャリア検知部934を設けている。キャリア検知部934は、キャリアリザーブタンク93内部のキャリアの有無を検知する。また、キャリア検知部934は、キャリア投入部95よりもキャリア受取部932に近い位置に設けられている。キャリア検知部934には、磁気センサ、圧電センサ、光電センサ等、公知の技術を用いることができる。
【0037】
キャリアリザーブタンク93のキャリア搬送部材931による搬送量は、トナーリザーブタンク83のトナー搬送部材831による搬送量と比べて少ない。キャリア搬送部材931による搬送量をトナー搬送部材831による搬送量と比べて少なくする方法としては、例えば、キャリア搬送部材931を構成するスクリューオーガの径をトナー搬送部材831より小さくしたり、キャリア搬送部材931を構成するスクリューオーガの羽根部材の間隔をトナー搬送部材831より小さくしたりすることが挙げられる。
【0038】
また、キャリアリザーブタンク93は、外周面に、キャリアカートリッジ91のキャリア排出部913から排出されたキャリアを受け取るキャリア受取部932を有している。キャリア受取部932は、キャリアカートリッジ91のキャリア排出部913に対向する位置に設けられている。付言すると、キャリア受取部932は、キャリアリザーブタンク93の外周面のうち、キャリアリザーブタンク93の前方であって、キャリアカートリッジ91のキャリア排出部913に対向する上側の面に設けられている。
【0039】
キャリア投入部95は、キャリアリザーブタンク93に収容されるキャリアを、現像装置14(
図1参照)へ投入する。本実施の形態では、キャリア投入部95は、現像装置14の鉛直上方に位置している。付言すると、キャリア投入部95は、トナーディスペンサ82のトナー投入部85よりも鉛直上方に位置している。そして、キャリア投入部95は、キャリアを重力により下方へ落下させることで、現像装置14に対しキャリアを投入する。より具体的には、キャリア投入部95は、トナー投入部85よりも鉛直上方からキャリアを落下させることで、現像装置14に対しキャリアを投入する。
【0040】
(現像剤補給装置の動作)
続いて、現像剤補給装置70の動作について説明する。
現像剤補給装置70は、現像装置14でトナーおよびキャリアが減少するのに伴って、現像装置14に対して、トナーおよびキャリアを補給する。ここで、現像装置14では、感光体ドラム11上にトナー像を形成する際にトナーを消費することで、トナーが減少する。また、現像装置14では、帯電性能が低下したキャリア等を含む現像剤を排出することで、トナーおよびキャリアが減少する。通常、現像装置14の単位時間あたりのキャリアの減少量は、トナーの減少量と比べて少ない。
【0041】
例えば、現像装置14におけるトナー濃度が予め定められた基準値を下回った場合、現像剤補給装置70は、現像装置14にトナーを補給する。
具体的には、現像剤補給装置70は、トナーカートリッジ81のトナー攪拌部材811、トナーリザーブタンク83のトナー搬送部材831およびトナー搬送路842のトナー搬送部材843を回転駆動する。これにより、それぞれのトナーカートリッジ81では、トナーが、トナー攪拌部材811によりトナーカートリッジ81の前方から後方へ搬送され、トナーディスペンサ82のトナーリザーブタンク83に流入する。また、それぞれのトナーリザーブタンク83では、トナーが、トナー搬送部材831によりトナーリザーブタンク83の後方から前方へ搬送され、トナー搬送部84に流入する。さらに、トナー搬送部84では、トナーが、トナー搬送部材843によりトナー搬送路842を前方から後方へ搬送され、トナー投入部85に流入する。そして、トナー投入部85から現像装置14へトナーが落下することで、現像装置14に対しトナーが補給される。
【0042】
また、現像剤補給装置70では、それぞれのトナーカートリッジ81に収容されるトナーの量が予め定められた基準値を下回った場合(例えば、トナーカートリッジ81が空になった場合)、トナーカートリッジ81を現像剤補給装置70の装置本体から取り外して、新たなトナーカートリッジ81に交換する。
本実施の形態の現像剤補給装置70では、トナーディスペンサ82のトナーリザーブタンク83が、トナーカートリッジ81から受け取ったトナーを収容している。このため、例えばトナーカートリッジ81の交換のためにトナーカートリッジ81を現像剤補給装置70から取り外した場合であっても、トナーリザーブタンク83に収容されるトナーを用いて、現像装置14に対するトナーの補給を継続して行うことができる。
【0043】
上述したように、現像装置14では、トナーの減少量がキャリアの減少量よりも多い。このため、現像剤補給装置70では、現像装置14へのトナーの補給に伴うトナーカートリッジ81やトナーリザーブタンク83におけるトナーの消費量が、現像装置14へのキャリアの補給に伴うキャリアカートリッジ91やキャリアリザーブタンク93におけるキャリアの消費量と比べて多い。
これに対し、本実施の形態の現像剤補給装置70では、トナーカートリッジ81およびトナーリザーブタンク83をそれぞれ2つずつ有している。これにより、例えば一方のトナーカートリッジ81やトナーリザーブタンク83のトナーが消費されて空になった場合であっても、他方のトナーカートリッジ81やトナーリザーブタンク83を用いて、現像装置14に対するトナーの補給を継続して行うことができる。
【0044】
また、本実施の形態の現像剤補給装置70では、上述したように、トナーカートリッジ81におけるトナーの搬送方向と、トナーリザーブタンク83におけるトナーの搬送方向とが逆方向になっている。これにより、例えば、トナーカートリッジ81におけるトナーの搬送方向と、トナーリザーブタンク83におけるトナーの搬送方向とが互いに等しい場合と比べて、現像剤補給装置70の大型化を抑制しながら、トナーカートリッジ81およびトナーリザーブタンク83の容量を大きくすることが可能になる。これにより、トナーカートリッジ81の交換頻度が低減される。また、トナーリザーブタンク83に収容されるトナーによる現像装置14に対するトナーの補給が途切れることが抑制される。
【0045】
トナーカートリッジ81を交換する前にトナーリザーブタンク83のトナーが空となっている場合、新たにトナーカートリッジ81を装着した後、装着されたトナーカートリッジ81のトナーがトナーリザーブタンク83を経由して現像装置14に補給されるまでの間に時間差が生じることとなる。ここで、新たにトナーカートリッジ81を装着したときに、トナー検知部834がトナーを検知するまでの間、トナーカートリッジ81およびトナーリザーブタンク83の内部でトナーを搬送させる動作を行う。この動作は、画像形成装置100がユーザによるプリント指示を受け付ける前に行われることが好ましい。トナー検知部834は、トナー排出部833よりもトナー受取部832に近い位置に設けられているので、トナーカートリッジ81のトナーが空となっているか否かを精度よく検知することができる。
【0046】
一方、現像装置14におけるキャリアの量が予め定められた基準値を下回った場合、現像剤補給装置70は、現像装置14にキャリアを補給する。
具体的には、現像剤補給装置70は、キャリアカートリッジ91のキャリア攪拌部材911、およびキャリアリザーブタンク93のキャリア搬送部材931を回転駆動する。これにより、キャリアカートリッジ91では、キャリアが、キャリア攪拌部材911によりキャリアカートリッジ91の前方から後方へ搬送され、キャリアディスペンサ92のキャリアリザーブタンク93に流入する。また、キャリアリザーブタンク93では、キャリアが、キャリア搬送部材931によりキャリアリザーブタンク93の前方から後方へ搬送され、キャリア投入部95に流入する。そして、キャリア投入部95から現像装置14へキャリアが落下することで、現像装置14に対し、キャリアが補給される。
【0047】
また、現像剤補給装置70では、キャリアカートリッジ91に収容されるキャリアの量が予め定められた基準値を下回った場合(例えば、キャリアカートリッジ91が空になった場合)、キャリアカートリッジ91を現像剤補給装置70から取り外して、新たなキャリアカートリッジ91に交換する。
本実施の形態では、キャリアディスペンサ92のキャリアリザーブタンク93が、キャリアカートリッジ91から受け取ったキャリアを収容している。このため、例えばキャリアカートリッジ91の交換のためにキャリアカートリッジ91を現像剤補給装置70から取り外した場合であっても、キャリアリザーブタンク93に収容されるキャリアを用いて、現像装置14に対するキャリアの補給を継続して行うことができる。
【0048】
キャリアカートリッジ91を交換する前にキャリアリザーブタンク93のキャリアが空となっている場合、新たにキャリアカートリッジ91を装着した後、装着されたキャリアカートリッジ91のキャリアがキャリアリザーブタンク93を経由して現像装置14に補給されるまでの間に時間差が生じることとなる。ここで、新たにキャリアカートリッジ91を装着したときに、キャリア検知部934がキャリアを検知するまでの間、キャリアカートリッジ91およびキャリアリザーブタンク93の内部でキャリアを搬送させる動作を行う。この動作は、画像形成装置100がユーザによるプリント指示を受け付ける前に行われることが好ましい。キャリア検知部934は、キャリア投入部95よりもキャリア受取部932に近い位置に設けられているので、キャリアカートリッジ91のキャリアが空となっているか否かを精度よく検知することができる。
【0049】
本実施の形態の現像剤補給装置70では、キャリアリザーブタンク93の容積は、トナーリザーブタンク83の容積と比べて小さい。
ここで、上述したように、現像剤補給装置70では、現像装置14へのキャリアの補給に伴うキャリアリザーブタンク93におけるキャリアの消費量が、現像装置14へのトナーの補給に伴うトナーリザーブタンク83におけるトナーの消費量と比べて少ない。
このため、本実施の形態の現像剤補給装置70では、キャリアリザーブタンク93の容積を、トナーリザーブタンク83の容積と比べて小さくした場合であっても、現像装置14に対するキャリアの補給が中断されるなどの問題は生じにくい。
【0050】
また、現像剤補給装置70では、キャリアリザーブタンク93の容積をトナーリザーブタンク83の容積と比べて小さくすることで、キャリアディスペンサ92全体の体積を小さくすることができる。これにより、現像剤補給装置70の小型化が実現される。
【0051】
さらに、本実施の形態のキャリアリザーブタンク93は、現像剤補給装置70に対するトナーカートリッジ81またはキャリアカートリッジ91の着脱方向に沿った長さが、トナーリザーブタンク83と比べて短い。これにより、例えば、キャリアリザーブタンク93の着脱方向に沿った長さがトナーリザーブタンク83以上である場合と比べて、キャリアリザーブタンク93におけるキャリアの搬送距離を短くすることができるとともに、キャリアディスペンサ92全体の体積を小さくすることができる。
【0052】
また、本実施の形態のキャリアリザーブタンク93のキャリア搬送部材931による搬送量は、トナーリザーブタンク83のトナー搬送部材831による搬送量と比べて少ない。
上述したように、現像装置14に対するキャリアの補給量は、現像装置14に対するトナーの補給量より少ないことから、キャリアリザーブタンク93のキャリア搬送部材931による搬送量を、トナーリザーブタンク83のトナー搬送部材831による搬送量より少なくした場合であっても、現像装置14に対するキャリアの補給量が不十分になるなどの問題は生じにくい。また、キャリアリザーブタンク93のキャリア搬送部材931による搬送量を、トナーリザーブタンク83のトナー搬送部材831による搬送量より少なくすることで、キャリアリザーブタンク93を小型化しやすくなる。
【0053】
さらに、本実施の形態の現像剤補給装置70では、上述したように、キャリアカートリッジ91におけるキャリアの搬送方向と、キャリアリザーブタンク93におけるキャリアの搬送方向とが同じ方向になっている。これにより、例えば、キャリアカートリッジ91におけるキャリアの搬送方向と、キャリアリザーブタンク93におけるキャリアの搬送方向とが逆方向である場合と比べて、キャリアリザーブタンク93におけるキャリアの搬送距離を短くすることができる。
【0054】
さらにまた、本実施の形態の現像剤補給装置70では、キャリアカートリッジ91の現像剤補給装置70に対する着脱方向に沿った長さが、トナーカートリッジ81の現像剤補給装置70に対する着脱方向に沿った長さよりも短くなっている。また、キャリアカートリッジ91の後端は、トナーカートリッジ81の後端と比べて、現像剤補給装置70の前方に位置している。
これにより、例えばキャリアカートリッジ91とトナーカートリッジ81との長さの差分領域(すなわち、キャリアカートリッジ91の後方)にキャリアディスペンサ92を設けることが可能となり、現像剤補給装置70を小型化することができる。
また、一般に、キャリアは、トナーと比べて比重が大きい。このため、比重が大きいキャリアを収容するキャリアカートリッジ91の着脱方向に沿った長さを、比重が小さいトナーを収容するトナーカートリッジ81の着脱方向に沿った長さより短くすることで、ユーザがトナーカートリッジ81を着脱する際にトナーカートリッジ81を着脱方向に動かす長さよりも、ユーザがキャリアカートリッジ91を着脱する際にキャリアカートリッジ91を着脱方向に動かす長さを短くすることができる。
【0055】
また、本実施の形態の現像剤補給装置70では、キャリアカートリッジ91が、トナーカートリッジ81と比べて、鉛直下方に位置している。具体的には、キャリアカートリッジ91において鉛直方向の最も下に位置する部分(以下、最下部と表記する。)が、トナーカートリッジ81の最下部よりも鉛直下方に位置している。さらに、キャリアカートリッジ91における中心軸、またはキャリアカートリッジ91において鉛直方向の最も上に位置する部分(以下、最上部と表記する。)が、トナーカートリッジ81における中心軸、またはトナーカートリッジ81の最上部よりも鉛直下方に位置することがより好ましい。
このように、比重が大きいキャリアを収容するキャリアカートリッジ91が、比重が小さいトナーを収容するトナーカートリッジ81と比べて鉛直下方に位置することで、ユーザは、トナーカートリッジ81を着脱する位置よりも鉛直下方でキャリアカートリッジ91を着脱することができる。
【0056】
さらにまた、本実施の形態の現像剤補給装置70では、キャリア投入部95が、トナー投入部85よりも鉛直上方からキャリアを落下させることで、現像装置14に対しキャリアを投入する。
このように、比重が大きいキャリアを、比重が小さいトナーよりも鉛直上方から投入する構成とすることで、トナー投入部85において鉛直上方から落下するキャリアによりトナーが押されて現像装置14へ案内されやすくなり、トナー投入部85におけるトナーの詰まりが抑制される。また、トナーとキャリアとが混ざりやすくなり、現像装置14におけるトナー濃度のむらが低減される。
【0057】
なお、本実施の形態では、トナー投入部85によりトナーを現像装置14に直接投入し、キャリア投入部95によりキャリアを現像装置14に直接投入する構成としたが、これに限られるものではない。
例えば、トナーおよびキャリアを現像装置14に向けて搬送する搬送路(不図示)に対し、トナー投入部85によりトナーを供給するとともにキャリア投入部95によりキャリアを投入し、搬送路を介して現像装置14に対してトナーおよびキャリアを投入してもよい。この場合、例えば、トナー投入部85により搬送路に対してトナーを投入した後、搬送路を搬送されるトナーに対し、キャリア投入部95により鉛直上方からキャリアを投入することが好ましい。
【0058】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、本発明の目的を損なわない限り、上記の実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0059】
本実施の形態では、トナーカートリッジ81は、現像剤補給装置70の前方へ引き出すことで、現像剤補給装置70から取り外され、現像剤補給装置70に対し後方に押し込むことで、現像剤補給装置70に取り付けられる。しかし、トナーカートリッジ81は、現像剤補給装置70の後方へ引き出すことで、現像剤補給装置70から取り外され、現像剤補給装置70に対し前方に押し込むことで、現像剤補給装置70に取り付けられるように構成してもよい。また、キャリアカートリッジ91は、現像剤補給装置70の前方へ引き出すことで、現像剤補給装置70から取り外され、現像剤補給装置70に対し後方に押し込むことで、現像剤補給装置70に取り付けられる。しかし、キャリアカートリッジ91は、現像剤補給装置70の後方へ引き出すことで、現像剤補給装置70から取り外され、現像剤補給装置70に対し前方に押し込むことで、現像剤補給装置70に取り付けられるように構成してもよい。この場合、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kを着脱するとともにトナーカートリッジ81やキャリアカートリッジ91を着脱するとき、画像形成装置100の前方と後方で同時に作業することが可能となる。
【0060】
本実施の形態では、それぞれのトナーカートリッジ81は、内部に、トナーを攪拌するトナー攪拌部材811を有している。しかし、トナーカートリッジ81を構成する容器の内周面にらせん状の突起を設けるとともに、その容器を不図示の駆動モータにより回転駆動させることでトナーを搬送してもよい。また、キャリアカートリッジ91は、内部に、キャリアを攪拌するキャリア攪拌部材911を有している。しかし、キャリアカートリッジ91を構成する容器の内周面にらせん状の突起を設けるとともに、その容器を不図示の駆動モータにより回転駆動させることでキャリアを搬送してもよい。
【0061】
本実施の形態では、トナー検知部834は、トナー排出部833よりもトナー受取部832に近い位置に設けられている。しかし、トナー検知部834は、トナー受取部832よりもトナー排出部833に近い位置に設けられていてもよい。この場合、トナーリザーブタンク83のトナー排出部833に近い位置までトナーを補給することが容易となる。また、キャリア検知部934は、キャリア投入部95よりもキャリア受取部932に近い位置に設けられている。しかし、キャリア検知部934は、キャリア受取部932よりもキャリア投入部95に近い位置に設けられていてもよい。この場合、キャリアリザーブタンク93のキャリア投入部95に近い位置までキャリアを補給することが容易となる。
【符号の説明】
【0062】
1Y、1M、1C、1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像装置、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、27…ベルトクリーナ、70…現像剤補給装置、81…トナーカートリッジ、82…トナーディスペンサ、83…トナーリザーブタンク、84…トナー搬送部、85…トナー投入部、91…キャリアカートリッジ、92…キャリアディスペンサ、93…キャリアリザーブタンク、95…キャリア投入部、100…画像形成装置