(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】画像形成制御装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20240409BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240409BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240409BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B41J29/00 A
B41J29/38
G03G21/00 370
B41J11/42
(21)【出願番号】P 2020072286
(22)【出願日】2020-04-14
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥澤 翔
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-172421(JP,A)
【文献】特開2015-208890(JP,A)
【文献】特開2016-120702(JP,A)
【文献】特開2006-343726(JP,A)
【文献】特開2017-181937(JP,A)
【文献】特開2008-087186(JP,A)
【文献】特開2017-102292(JP,A)
【文献】米国特許第06256474(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
B41J 29/38
G03G 21/00
B41J 11/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に形成された検知用画像を検知する第1検知部と、
前記記録媒体の搬送方向における前記第1検知部の下流側において、前記記録媒体に形成された検知用画像を検知する第2検知部と、
前記第1検知部での検知後に
、動作を停止していた画像形成処理
に関する機器について、当該機器の安定化を含む準備動作を開始し、前記第2検知部での検知タイミングに基づいて前記記録媒体に印刷用画像を形成するよう画像形成装置を制御する制御部と、
を備える画像形成制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1検知部での検知後、所定時間以内に前記第2検知部での検知がない場合、前記印刷用画像の形成処理を停止するよう前記画像形成装置を制御する、
請求項1に記載の画像形成制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1検知部での検知がなく、前記第2検知部での検知があった場合、前記印刷用画像の形成処理を停止するよう前記画像形成装置を制御する、
請求項1に記載の画像形成制御装置。
【請求項4】
前記第2検知部は、前記第1検知部より、前記検知用画像を検知する検知精度が高い、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成制御装置。
【請求項5】
記録媒体に形成された検知用画像を検知する第1検知部と、
前記記録媒体の搬送方向における前記第1検知部の下流側において、前記記録媒体に形成された検知用画像を検知する第2検知部と、
前記第1検知部での検知後に画像形成処理の準備動作を開始し、前記第2検知部での検知タイミングに基づいて前記記録媒体に印刷用画像を形成するよう画像形成装置を制御する制御部と、
を備え、
前記第2検知部は、前記第1検知部より、前記検知用画像を検知する検知精度が高い、
画像形成制御装置。
【請求項6】
前記第1検知部は、前記第2検知部より、前記検知用画像を検知可能な検知範囲が広い、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の画像形成制御装置。
【請求項7】
記録媒体に形成された検知用画像を検知する第1検知部と、
前記記録媒体の搬送方向における前記第1検知部の下流側において、前記記録媒体に形成された検知用画像を検知する第2検知部と、
前記第1検知部での検知後に画像形成処理の準備動作を開始し、前記第2検知部での検知タイミングに基づいて前記記録媒体に印刷用画像を形成するよう画像形成装置を制御する制御部と、
を備え、
前記第1検知部は、前記第2検知部より、前記検知用画像を検知可能な検知範囲が広い、
画像形成制御装置。
【請求項8】
前記第1及び第2検知部は、同一の前記検知用画像を検知する、
請求項1から
7のいずれか一項に記載の画像形成制御装置。
【請求項9】
前記第1検知部と前記第2検知部とを連動して、前記搬送方向に直交する搬送直交方向に移動させる移動部を備える、
請求項1から
8のいずれか一項に記載の画像形成制御装置。
【請求項10】
記録媒体に形成された検知用画像を検知する第1検知部と、
前記記録媒体の搬送方向における前記第1検知部の下流側において、前記記録媒体に形成された検知用画像を検知する第2検知部と、
前記第1検知部での検知後に画像形成処理の準備動作を開始し、前記第2検知部での検知タイミングに基づいて前記記録媒体に印刷用画像を形成するよう画像形成装置を制御する制御部と、
を備え、
前記第1検知部と前記第2検知部とを連動して、前記搬送方向に直交する搬送直交方向に移動させる移動部を備える、
画像形成制御装置。
【請求項11】
前記第1検知部から前記第2検知部まで前記記録媒体を搬送する搬送時間が、前記画像形成処理の準備動作を開始してから完了するまでの完了時間より長くなるように、前記記録媒体を搬送する搬送速度を変更する速度変更部を備える、
請求項1から
10のいずれか一項に記載の画像形成制御装置。
【請求項12】
前記速度変更部は、前記搬送時間が前記完了時間より短い場合、前記搬送時間が前記完了時間より長い場合より前記搬送速度を遅くする、
請求項
11に記載の画像形成制御装置。
【請求項13】
前記速度変更部は、前記搬送時間が前記完了時間より短い場合、前記記録媒体の搬送を停止する、
請求項
12に記載の画像形成制御装置。
【請求項14】
前記第1及び第2検知部の少なくとも一方での検知の前後で、前記記録媒体を搬送する搬送速度を変更する速度変更部を備える、
請求項1から
10のいずれか一項に記載の画像形成制御装置。
【請求項15】
前記速度変更部は、前記第1検知部での検知後に、前記第1検知部での検知前の所定の搬送速度より前記搬送速度を遅くする、
請求項
14に記載の画像形成制御装置。
【請求項16】
前記速度変更部は、前記第1検知部での検知があるまで、前記第1検知部での検知後の所定の搬送速度より前記搬送速度を速くする、
請求項
14に記載の画像形成制御装置。
【請求項17】
前記速度変更部は、前記第1検知部での検知後であって、前記第2検知部での検知前に、前記搬送速度を前記所定の搬送速度に戻す、
請求項
15又は
16に記載の画像形成制御装置。
【請求項18】
請求項1から
17のいずれか一項に記載の画像形成制御装置と、
前記画像形成制御装置の制御に基づいて、記録媒体に印刷用画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成制御装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機、プリンターなどの画像形成装置において、画像が予め形成された記録媒体(例えば、連続紙)に対して、印刷用画像(追い刷り画像)を形成する追い刷り印刷が行われる場合がある。追い刷り印刷を行う場合には、アイマークと呼ばれる画像が記録媒体に予め形成される。アイマークは、追い刷り印刷を行う際に、追い刷り画像の形成を開始するタイミングのトリガーとなるものであり、通常は黒い四角形が用いられる。
【0003】
例えば、記録媒体としての連続紙に追い刷り印刷を行う場合には、画像とアイマークが連続紙に予め形成される。追い刷り印刷のため、連続紙が搬送されると、連続紙のアイマークをアイマーク検知部で検知し、この検知タイミングをトリガーとして、追い刷り画像の形成が開始される。例えば、この検知タイミングが、画像形成装置における画像形成部の感光体に対する追い刷り画像の書き出しタイミングとなり、これにより、追い刷り画像を連続紙の所望の位置に形成することができる。この結果、予め印刷された画像に合わせた位置に追い刷り画像を形成することができる。
【0004】
このような画像形成装置として、特許文献1には、帯状で等間隔にアイマークが設けられた用紙に印字を行う印字手段、用紙を搬送する用紙搬送手段、印字手段の上流側で用紙のアイマークを検知するアイマーク検知部などを備える印字装置が開示されている。また、特許文献1には、アイマーク検知部が用紙の搬送方向又はその逆方向に移動可能なことも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像形成装置において、アイマークを検出して印刷を行う場合は、上述したように、アイマークを検知したタイミングをトリガーとして画像形成処理を開始する。そのため、いつアイマークを検知しても対応できるように、常に画像形成処理を開始できる装置状態で待機していなければいけない。
【0007】
画像形成装置において、画像形成処理に関係する部品、例えば、画像形成部の感光体などは、回転駆動を開始してから安定するまでに時間を要するため、待機時においても、画像形成時と同様に回転駆動させておく必要がある。そのため、待機する時間が長くなると、回転駆動する部品の摩耗(消耗)が進み、部品寿命に影響が出てくる。
【0008】
そこで、例えば、特許文献1に記載されているように、アイマーク検知部の位置を移動して、アイマーク検知部から画像形成部までの連続紙の搬送距離を長くして、感光体が安定するまでの準備時間を十分に確保することが考えられる。このようにして、アイマーク検知部から画像形成部までの搬送距離を長くすれば、アイマーク検知部がアイマークを検知してから感光体の回転駆動を開始しても、画像形成処理までに感光体の回転駆動を安定させることができる。
【0009】
しかしながら、連続紙を搬送する搬送手段においては、例えば、ローラーのスリップなどにより、連続紙を搬送する搬送時間にばらつきが生じることがある。搬送時間のばらつきは、短い搬送距離では影響が小さくても、搬送距離が長くなると、その影響が大きくなり、連続紙の所望の位置からずれた位置に追い刷り画像を形成する可能性がある。特に、電子写真方式の画像形成装置では、感光体などが安定するまでの準備時間が長いため、この準備時間に合わせて、搬送距離を長くすると、連続紙の所望の位置からずれた位置に追い刷り画像を形成する可能性が高くなる。
【0010】
本発明の目的は、画像形成処理に関係する部品の消耗を抑制可能であると共に、画像を形成する位置の位置ずれを防止可能な画像形成制御装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像形成制御装置は、
記録媒体に形成された検知用画像を検知する第1検知部と、
前記記録媒体の搬送方向における前記第1検知部の下流側において、前記記録媒体に形成された検知用画像を検知する第2検知部と、
前記第1検知部での検知後に、動作を停止していた画像形成処理に関する機器について、当該機器の安定化を含む準備動作を開始し、前記第2検知部での検知タイミングに基づいて前記記録媒体に印刷用画像を形成するよう画像形成装置を制御する制御部と、
を備える。
また、本発明に係る画像形成制御装置は、
記録媒体に形成された検知用画像を検知する第1検知部と、
前記記録媒体の搬送方向における前記第1検知部の下流側において、前記記録媒体に形成された検知用画像を検知する第2検知部と、
前記第1検知部での検知後に画像形成処理の準備動作を開始し、前記第2検知部での検知タイミングに基づいて前記記録媒体に印刷用画像を形成するよう画像形成装置を制御する制御部と、
を備え、
前記第2検知部は、前記第1検知部より、前記検知用画像を検知する検知精度が高い。
また、本発明に係る画像形成制御装置は、
記録媒体に形成された検知用画像を検知する第1検知部と、
前記記録媒体の搬送方向における前記第1検知部の下流側において、前記記録媒体に形成された検知用画像を検知する第2検知部と、
前記第1検知部での検知後に画像形成処理の準備動作を開始し、前記第2検知部での検知タイミングに基づいて前記記録媒体に印刷用画像を形成するよう画像形成装置を制御する制御部と、
を備え、
前記第1検知部は、前記第2検知部より、前記検知用画像を検知可能な検知範囲が広い。
また、本発明に係る画像形成制御装置は、
記録媒体に形成された検知用画像を検知する第1検知部と、
前記記録媒体の搬送方向における前記第1検知部の下流側において、前記記録媒体に形成された検知用画像を検知する第2検知部と、
前記第1検知部での検知後に画像形成処理の準備動作を開始し、前記第2検知部での検知タイミングに基づいて前記記録媒体に印刷用画像を形成するよう画像形成装置を制御する制御部と、
を備え、
前記第1検知部と前記第2検知部とを連動して、前記搬送方向に直交する搬送直交方向に移動させる移動部を備える。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、
前記画像形成制御装置と、
前記画像形成制御装置の制御に基づいて、記録媒体に印刷用画像を形成する画像形成部と、
を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像形成処理に関係する部品の消耗を抑制可能であると共に、画像を形成する位置の位置ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置において、画像形成時の動作の一例を説明するタイムチャートである。
【
図4A】本発明の実施の形態に係る画像形成装置において、その変形例(変形例1)となる位置調整部を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置において、その変形例(変形例2)となる位置調整部を示す図である。
【
図6A】本発明の実施の形態に係る画像形成装置において、その変形例(変形例3)を説明する図であって、上流側検知部及び下流側検知部の検知範囲の位置が正常な場合を示す図である。
【
図6B】本発明の実施の形態に係る画像形成装置において、その変形例(変形例3)を説明する図であって、上流側検知部及び下流側検知部の検知範囲の位置が異常な場合を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る画像形成装置において、その変形例(変形例4)を説明する図であって、画像形成時の動作の一例を説明するタイムチャートである。
【
図8】本発明の実施の形態に係る画像形成装置において、その変形例(変形例5)を説明する図であって、画像形成時の動作の一例を説明するタイムチャートである。
【
図9】本発明の実施の形態に係る画像形成装置において、その変形例(変形例6)を説明する図であって、画像形成時の動作の一例を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。また、
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示すブロック図である。
【0017】
画像形成装置1は、枚葉紙に限らず、連続紙P(ロール紙、長尺紙)などの記録媒体に画像を形成可能なものである。そのため、画像形成装置1は、
図1に示すように、画像形成装置本体100と連続紙供給部70と連続紙回収部80とを備える。連続紙供給部70は、連続紙Pの給紙を行い、連続紙回収部80は、連続紙Pの回収を行う。
【0018】
画像形成装置本体100は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。即ち、画像形成装置本体100は、感光体上に形成されたCMYKの各色のトナー像を中間転写体に一次転写し、中間転写体上で4色のトナー像を重ね合わせた後、枚葉紙や連続紙Pに二次転写することにより、画像を形成する。なお、CMYKは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のことである。
【0019】
画像形成装置本体100には、CMYKの4色に対応する感光体を中間転写体の走行方向に直列配置し、中間転写体に一回の手順で各色のトナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
【0020】
画像形成装置1は、
図2に示すように、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、連続紙供給部70、連続紙回収部80、制御部200、通信部211、記憶部212などを備える。また、画像形成装置1は、下流側検知部91(第2検知部)、上流側検知部92(第1検知部)、位置調整部93(移動部)などを備える。
【0021】
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202及びRAM(Random Access Memory)203などを備える。CPU201は、ROM202から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM203に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部212に格納されているLUT(Look Up Table)などの各種データが参照される。記憶部212は、例えば、不揮発性の半導体メモリ(所謂、フラッシュメモリ)又はハードディスクドライブで構成される。
【0022】
制御部200は、通信部211を介して、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークに接続された外部の装置(例えば、パーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部200は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙に画像を形成する。通信部211は、例えば、LANカードなどの通信制御カードで構成される。
【0023】
制御部200には、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、連続紙供給部70、連続紙回収部80、通信部211、記憶部212が、それぞれ接続されている。また、制御部200には、下流側検知部91、上流側検知部92、位置調整部93も、それぞれ接続されている。これらは、制御部200の指示に基づいて所定の処理を実行する。
【0024】
図1に示すように、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)などを備える。
【0025】
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿の画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
【0026】
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサーに結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
【0027】
操作表示部20は、例えば、タッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部200から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況などの表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキーなどの各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部200に出力する。
【0028】
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じた画像処理を行う回路などを備える。画像処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
【0029】
画像形成部40は、画像形成ユニット41、中間転写ユニット42、二次転写ユニット43などを備える。画像処理部30からの画像データに基づいて、画像形成ユニット41Yは、Y成分の有色トナーによる画像を形成する。同様に、画像形成ユニット41Mは、M成分の有色トナーによる画像を形成し、画像形成ユニット41Cは、C成分の有色トナーによる画像を形成し、画像形成ユニット41Kは、K成分の有色トナーによる画像を形成する。
【0030】
画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。具体的には、画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、各々、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、ドラムクリーニング装置415などを有する。なお、
図1において、画像形成ユニット41M、41C、41Kにおける露光装置、現像装置、感光体ドラム、帯電装置、ドラムクリーニング装置への符号は省略する。また、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、ドラムクリーニング装置415としては、公知の技術を採用することができるため、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0031】
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421などを備える。中間転写ベルト421は、図示省略した複数の支持ローラーにループ状に張架され、矢印A方向に走行する。支持ローラーとしては、バックアップローラー、一次転写ローラー、駆動ローラーなどのローラーを有しているが、ここでは、これらの図示を省略する。中間転写ベルト421は感光体ドラム413に圧接されており、これにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写する。
【0032】
なお、中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421の表面に摺接する板状のベルトクリーニングブレードなどを有するベルトクリーニング装置を備えた構成でもよい。ベルトクリーニング装置は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーなどを除去する。
【0033】
二次転写ユニット43は、二次転写ローラー431などを備える。二次転写ローラー431は、中間転写ベルト421に圧接されている。これにより、中間転写ベルト421と二次転写ローラー431との間に二次転写ニップが形成される。
【0034】
二次転写ユニット43においては、二次転写ニップに枚葉紙や連続紙Pが搬送されると、中間転写ベルト421に担持されている各色のトナー像が枚葉紙や連続紙P上に一括転写される。トナー像が転写された枚葉紙や連続紙Pは、二次転写ローラー431によって、定着部60に向けて搬送される。
【0035】
なお、二次転写ユニット43としては、二次転写ローラー431などを有するローラー式の二次転写ユニットに代えて、複数の支持ローラーに張架された二次転写ベルトなどを有するベルト式の二次転写ユニットでもよい。
【0036】
用紙搬送部50は、枚葉紙供給部51、給紙搬送部52、搬送経路部53、排紙搬送部54などを備える。枚葉紙供給部51は、複数の給紙トレイ、例えば、給紙トレイ511、512を有する。各給紙トレイ511、512には、坪量やサイズなどに基づいて識別された枚葉紙(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。
【0037】
給紙トレイ511、512に収容されている枚葉紙は、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。画像形成部40、定着部60を経て画像形成された枚葉紙は、排紙搬送部54により機外に排紙される。
【0038】
給紙搬送部52、搬送経路部53、排紙搬送部54は、例えば、複数の搬送ローラーと、これらを回転駆動する駆動モーターなどから構成される。給紙搬送部52は、連続紙供給部70から送り出された連続紙Pを搬送経路部53に搬送する。搬送経路部53は、枚葉紙や連続紙Pを画像形成部40へ搬送する。排紙搬送部54は、定着部60で定着処理された枚葉紙や連続紙Pを搬送し、連続紙Pの場合には、連続紙Pを連続紙回収部80に搬送する。
【0039】
定着部60は、定着ローラー61、加圧ローラー62などを備える。定着ローラー61は、所定の定着温度に加熱されており、加圧ローラー62は、定着ローラー61との間で枚葉紙や連続紙Pを挟持して搬送する定着ニップを形成している。この定着部60では、トナー像が二次転写されて搬送されてきた枚葉紙や連続紙Pを定着ニップで加熱、加圧することにより、枚葉紙や連続紙Pにトナー像を定着させている。
【0040】
連続紙供給部70は、連続紙Pを搬送する搬送方向Tにおいて、画像形成装置本体100よりも上流側に配置され、支持軸を含む装着部71を有している。装着部71は、巻回された連続紙Pを回転可能に支持し、画像形成処理の開始指示に基づいて、画像形成装置本体100の給紙搬送部52に連続紙Pを送り出して供給する。
【0041】
連続紙回収部80は、搬送方向Tにおいて、画像形成装置本体100よりも下流側に配置され、支持軸を含む巻取部81を有している。巻取部81は、画像形成装置本体100の排紙搬送部54から排出された連続紙Pを支持軸周りに巻き取って回収する。なお、連続紙Pは、必ずしもロール状に巻き取る必要はなく、ページごとにカットして収容してもよい。
【0042】
連続紙供給部70と画像形成装置本体100との間には、連続紙Pに予め形成された検知用画像を検知する下流側検知部91が設けられている。下流側検知部91としては、ラインセンサーやカメラなどが使用可能であり、検知用画像、例えば、アイマークなどを検知できるものであればよい。
【0043】
下流側検知部91で検知用画像を検知した際の詳細な処理については、後述するが、制御部200(
図2参照)は、下流側検知部91で検知用画像を検知したタイミングに基づいて、画像形成部40で画像形成処理を開始させる。これにより、画像を形成する位置が確定し、連続紙Pの所望の位置に印刷用画像を形成することができる。例えば、追い刷り印刷の場合には、予め連続紙Pに印刷された画像(以降、事前画像)に合わせた位置に追い刷り画像となる印刷用画像を形成することができる。
【0044】
ところで、画像形成装置1において、画像形成部40の部品が安定動作するまでの準備時間を考慮すると、下流側検知部91の位置を移動して、下流側検知部91から画像形成部40までの連続紙Pの搬送距離を長くすることが考えられる。しかしながら、この場合は、連続紙Pを搬送する搬送時間のばらつきにより、連続紙Pにおいて、所望の位置からずれた位置に追い刷り画像などの印刷用画像を形成する可能性が高くなる。
【0045】
そこで、本実施の形態において、画像形成装置1は、搬送方向Tにおける下流側検知部91の上流側において、連続紙Pに形成された検知用画像を検知する上流側検知部92を備える。上流側検知部92で検知用画像を検知した際の詳細な処理についても、後述するが、上流側検知部92での検知用画像の検知後に、画像形成処理に関係する部品を安定化させるため、画像形成処理の準備動作を開始するようにしている。
【0046】
上流側検知部92としては、下流側検知部91と同様に、ラインセンサーやカメラなどが使用可能であり、検知用画像を検知できるものであればよい。
【0047】
ここで、下流側検知部91は、その検知が画像形成処理を開始するタイミングのトリガーとなり、その検知タイミングのずれが連続紙Pにおける画像形成位置に影響するので、時間的な検知精度が高いものが望ましい。そのため、下流側検知部91は、上流側検知部92と比較して、検知に要する時間間隔である時間分解能が高いものが望ましい。例えば、下流側検知部91としては、検知のサンプリング間隔が短いものが、時間分解能が高く、好適である。また、例えば、下流側検知部91として、カメラを用いる場合には、画素数が多いものは、隣接する画素間のサンプリング間隔が短くなるので、時間分解能が高くなり、好適である。
【0048】
一方、上流側検知部92は、その検知が画像形成処理の準備動作を開始するタイミングのトリガーとなり、その検知タイミングのずれが準備動作に与える影響は小さいので、時間的な検知精度は高くなくてもよい。そのため、上流側検知部92としては、時間分解能が低い安価なものを使用可能である。このように、上流側検知部92は、時間分解能は低いものでもよいが、検知用画像が連続紙Pのどこに形成されていても検知できるように、検知用画像を感知可能な検知範囲が広いものが望ましい。
【0049】
また、上流側検知部92は、検知用画像の有無の検知だけでなく、検知用画像の画像情報を検知可能なもの、例えば、カメラやバーコードリーダーなどであってもよい。この場合、検知用画像としては、QRコード(登録商標)、バーコード、数字、文字などを用いる。つまり、上流側検知部92は、下流側検知部91とは異なる検知用画像を検知してもよい。
【0050】
例えば、上流側検知部92をカメラとし、検知用画像をQRコードとする場合、QRコードが、用紙情報(連続紙Pの厚さ、坪量、長さ、幅など)や印刷情報(印刷用画像に関する情報、印刷部数など)を含むように作成される。また、上流側検知部92をバーコードリーダーとし、検知用画像をバーコードとする場合、バーコードが、上記の用紙情報や印刷情報を含むように作成される。
【0051】
そして、制御部200は、上流側検知部92が検知した画像情報、つまり、用紙情報や印刷情報に基づいて、画像形成処理の準備動作を行う。例えば、QRコードやバーコードが印刷用画像に関する情報を含む場合、制御部200は、当該情報に基づいて、画像処理部30において、印刷用画像を準備する画像処理を行わせることで、準備動作を行う。
【0052】
下流側検知部91、上流側検知部92は、通常、同一の検知用画像を検知するようにしているが、上述したように、互いに異なる検知用画像を検知してもよい。下流側検知部91及び上流側検知部92が同一の検知用画像を検知する場合には、下流側検知部91及び上流側検知部92のそれぞれに対応する検知用画像を設ける必要はなく、印刷作業の効率化につながる。
【0053】
また、下流側検知部91及び上流側検知部92は、搬送方向Tに直交する搬送直交方向Cにおいて、下流側検知部91及び上流側検知部92の検知範囲を検知用画像が通過するように配置される。上述したように、下流側検知部91及び上流側検知部92が同一の検知用画像を検知する場合には、下流側検知部91及び上流側検知部92は、搬送方向Tに沿う同一線上に配置される。
【0054】
また、上流側検知部92は、搬送方向Tにおいて、下流側検知部91の上流側であって、画像形成処理の準備動作が完了する時間を確保できる位置であれば、どの位置に配置されてもよい。例えば、
図1では、上流側検知部92は、連続紙供給部70と下流側検知部91との間に配置されているが、連続紙供給部70に配置されてもよい。
【0055】
また、下流側検知部91は、搬送方向Tにおいて、上流側検知部92の下流側であって、画像形成部40で画像形成処理が開始されるタイミングとなる位置に配置されている。つまり、下流側検知部91は、上流側検知部92のように、画像形成部40から離れた位置に配置する必要はない。
【0056】
ここで、画像形成処理の準備動作について説明する。
【0057】
画像形成部40では、上流側検知部92が検知用画像を検知したタイミング(上流側検知タイミング)をトリガーとして、画像形成処理の準備動作を開始する。このとき、画像形成部40を構成する全ての機器の準備動作を開始するようにしてもよいし、一部の機器の準備動作を開始するようにしてもよい。一部の機器の準備動作を開始する場合、準備動作を開始する機器以外の機器は、上流側検知タイミングとは異なるタイミングで準備動作を開始すればよい。例えば、電気機器には、通電すると、直ちに動作可能な状態になるものもあるので、そのような電気機器は、上流側検知タイミングより遅いタイミングで準備動作を開始してもよい。更に、以下に説明するように、画像形成処理に関係する部位として、画像処理部30や定着部60も含め、これらを構成する機器も、画像形成部40と同様に、準備動作を開始するようにしてもよい。
【0058】
上流側検知タイミングで準備動作を開始するものとしては、例えば、部品の消耗を考慮して、動作を停止していた機器などが対象となる。例えば、露光装置411のポリゴンミラー、感光体ドラム413、中間転写ベルト421、定着部60の定着ローラー61、加圧ローラー62、ファンなどの回転体を駆動するモーターが準備動作の対象となり、その回転を開始することで、準備動作が開始される。また、中間転写ユニット42の一次転写ローラー、二次転写ユニット43の二次転写ローラー431、定着部60の定着ローラー61、加圧ローラー62などの圧接離間動作する機器も準備動作の対象となり、その圧接動作を行うことで、準備動作が開始される。
【0059】
また、物理的な動作を行う機器に限らず、電力の消費を考慮して、通電を停止していた機器などを準備動作の対象としてもよい。例えば、帯電極や除電極などの電極への通電を開始したり、画像処理部30、画像形成部40、定着部60を制御するCPUをスリープ状態からアイドル状態へ移行して、画像形成処理を制御可能な状態にしたりすればよい。
【0060】
次に、上述した下流側検知部91、上流側検知部92を備える画像形成装置1において実施する画像形成処理について、
図1、
図2と共に、
図3も参照して説明する。
図3は、画像形成装置1において、画像形成時の動作の一例を示すタイムチャートである。
【0061】
以下に説明する画像形成処理の前に、連続紙Pには、事前画像と検知用画像が予め形成されている。検知用画像としては、例えば、後述する
図4Aなどに示すように、黒い四角形のアイマークが形成される。
【0062】
事前画像とアイマークが予め形成された連続紙Pを、連続紙供給部70の装着部71に装着する。その後、操作表示部20の操作部22において、ユーザーがスタートボタンを押下するなどして、画像形成装置1の制御部200に印刷指示が入力される。
【0063】
制御部200は、印刷指示が入力されると、用紙搬送部50、連続紙供給部70及び連続紙回収部80に用紙搬送を指示して、連続紙Pの用紙搬送が開始される。
【0064】
連続紙Pの用紙搬送が開始されると、まず、上流側検知部92がアイマークを検知する。制御部200は、上流側検知部92での上流側検知タイミングをトリガーとして、上述した画像形成処理の準備動作を画像処理部30、画像形成部40、定着部60で開始させる。
【0065】
上流側検知部92がアイマークを検知した後、下流側検知部91がアイマークを検知する。制御部200は、下流側検知部91がアイマークを検知したタイミング(下流側検知タイミング)をトリガーとして、画像形成部40で画像形成処理を開始させる。
【0066】
上述したように、上流側検知部92は、画像形成部40などで画像形成処理の準備動作が完了する時間を確保できる位置に配置されており、上流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成部40などは画像形成処理の準備動作を開始する。そのため、下流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成部40などで画像形成処理を開始する際には、例えば、感光体ドラム413の回転なども安定した状態であり、問題なく、画像形成処理を実行できる状態となっている。
【0067】
また、下流側検知部91は、画像形成部40で画像形成処理が開始されるタイミングとなる位置に配置されており、上流側検知部92のように、画像形成部40から離れた位置に配置する必要はない。そのため、下流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成部40で画像形成処理を開始すれば、画像を形成する位置が確定し、連続紙Pの所望の位置に画像を形成することができる。例えば、追い刷り印刷の場合には、予め形成された事前画像に合わせた位置に追い刷り画像を形成することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置1は、連続紙Pに形成された検知用画像を検知する上流側検知部92と、搬送方向Tにおける上流側検知部92の下流側において、連続紙Pに形成された検知用画像を検知する下流側検知部91と、を備える。加えて、本実施の形態の画像形成装置1は、上流側検知部92での検知後に画像形成処理の準備動作を開始し、下流側検知部91での下流側検知タイミングに基づいて、連続紙Pに印刷用画像を形成するよう制御する制御部200を備える。
【0069】
このように構成した本実施の形態の画像形成装置1によれば、上流側検知部92での検知後に画像形成処理の準備動作を開始するので、常時、部品を駆動状態とする必要はなく、画像形成処理に関係する部品の消耗を抑制することができる。加えて、下流側検知部91での検知タイミングに基づいて、連続紙Pに印刷用画像を形成しており、下流側検知部91を画像形成部40から離れた位置に配置する必要はないため、画像を形成する位置の位置ずれを防止することができる。検知用画像として用いるアイマークは、連続紙Pに周期的に形成されることが多いが、本実施の形態では、アイマークが連続紙Pに非周期的に形成された場合においても、上記効果を得ることができる。
【0070】
<変形例1>
上述した画像形成装置1において、下流側検知部91と上流側検知部92は、互いに連動して搬送直交方向Cに移動して、それらの位置を調整可能な構成であってもよい。このような位置調整を行う位置調整部93について、
図1、
図2と共に、
図4A、
図4Bを参照して説明を行う。
【0071】
図4Aは、位置調整部93を示す図である。また、
図4Bは、
図4Aに示した位置調整部93を示す斜視図である。
【0072】
位置調整部93は、固定板931などを備える。下流側検知部91と上流側検知部92との間が1つの固定板931で固定できる距離である場合、下流側検知部91と上流側検知部92を同一の固定板931の同一の面に固定する。この固定板931は、その長手方向が搬送方向Tとなるように配置される。これにより、下流側検知部91と上流側検知部92は、搬送方向Tに沿う同一線上に配置される。そして、固定板931は、図示省略した駆動機構を用いて、例えば、手動で搬送直交方向Cに移動可能である。なお、この駆動機構は、制御部200による制御により駆動してもよい。
【0073】
また、
図4A及び
図4Bに示すように、連続紙Pには、検知用画像の一例として、黒い四角形のアイマークMが予め形成されている。アイマークMは、連続紙Pの一部の領域となる側端部(搬送方向Tの下流側に向かって右側の側端部)に、搬送方向Tに沿う同一線上に配置されている。アイマークMの配置については、後述する
図5、
図6A、
図6Bにおいても同様である。
【0074】
そして、駆動機構を用いて、固定板931を搬送直交方向Cに移動することにより、下流側検知部91と上流側検知部92とを連動して搬送直交方向Cに移動して、それらの位置を調整する。この調整により、下流側検知部91及び上流側検知部92は、同一のアイマークMを検知可能となる。
【0075】
以上説明したように、本変形例の画像形成装置1は、下流側検知部91と上流側検知部92とを連動して搬送直交方向Cに移動させる位置調整部93を備える。
【0076】
このように構成した本変形例によれば、位置調整部93により、下流側検知部91と上流側検知部92とを連動して位置調整するので、同一のアイマークMを確実に検知することができる。
【0077】
<変形例2>
上述した画像形成装置1において、
図4A及び
図4Bに示した位置調整部93に代えて、
図5に示す位置調整部94、95(移動部)を用いてもよい。
図5は、位置調整部94、95を示す図である。
【0078】
位置調整部94は、モーター941、ローラー942、943、ベルト944、支持板945などを有する。モーター941は、制御部200により制御されて、ローラー942を回転駆動する。ローラー942とローラー943とは、搬送直交方向Cにおいて、連続紙Pを挟んだ対向する位置に配置されている。ベルト944は、ローラー942、943にループ状に張架されている。ベルト944に支持板945が支持されると共に、支持板945に下流側検知部91が支持されている。
【0079】
位置調整部95は、位置調整部94と同様の構成であり、モーター951、ローラー952、953、ベルト954、支持板955などを有する。モーター951は、制御部200により制御されて、ローラー952を回転駆動する。ローラー952とローラー953とは、搬送直交方向Cにおいて、連続紙Pを挟んだ対向する位置に配置されている。ベルト954は、ローラー952、953にループ状に張架されている。ベルト954に支持板955が支持されると共に、支持板955に上流側検知部92が支持されている。
【0080】
下流側検知部91と上流側検知部92との間の距離が離れるなどして、これらを上述した1つの固定板931で固定できない場合、
図5に示す位置調整部94、95を用いる構成は好適である。
【0081】
制御部200による制御により、モーター941が駆動され、ローラー942が回転駆動されることで、ベルト944がローラー942とローラー943との間を周回走行して、支持板945が搬送直交方向Cに移動することになる。また、制御部200による制御により、モーター951が駆動され、ローラー952が回転駆動されることで、ベルト954がローラー952とローラー953との間を周回走行して、支持板955が搬送直交方向Cに移動することになる。
【0082】
支持板945を移動する際には、これに連動して、支持板955を移動することにより、支持板945に支持される下流側検知部91と支持板955に支持される上流側検知部92が、搬送方向Tに沿う同一線上となるように、これらの位置調整を行う。これにより、下流側検知部91及び上流側検知部92は、同一のアイマークMを検知可能となる。
【0083】
以上のようにして、下流側検知部91及び上流側検知部92は、搬送直交方向Cに連動して移動可能であり、これにより、それらの検知範囲をアイマークMが通過するように、位置を調整可能である。なお、位置調整の際、アイマークMの少なくとも一部が、下流側検知部91及び上流側検知部92の検知範囲を通過するように、それらの位置を調整してもよい。
【0084】
以上説明したように、本変形例の画像形成装置1は、下流側検知部91と上流側検知部92とを連動して搬送直交方向Cに移動させる位置調整部94、95を備える。
【0085】
このように構成した本変形例によれば、位置調整部94、95により、下流側検知部91と上流側検知部92とを連動して位置調整するので、同一のアイマークMを確実に検知することができる。
【0086】
<変形例3>
上述した画像形成装置1において、下流側検知部91、上流側検知部92に不具合が起こる可能性が考えられる。また、例えば、上述した変形例2においては、位置調整部94、95などの不具合により、下流側検知部91及び上流側検知部92の位置調整が正常に実施されない可能性も考えられる。このような不具合がある場合について、
図5と共に、
図6A及び
図6Bも参照して説明を行う。
【0087】
図6Aは、下流側検知部91及び上流側検知部92の検知範囲R91、R92の位置が正常な場合を示す図である。また、
図6Bは、下流側検知部91及び上流側検知部92の検知範囲R91、R92の位置が異常な場合を示す図である。
【0088】
図5で説明したように、下流側検知部91、上流側検知部92の位置は調整されて、
図6Aに示すように、それらの検知範囲R91、R92をアイマークMが通過するように、調整される。下流側検知部91、上流側検知部92の位置が正しく調整された場合には、
図6Aに示すように、アイマークMが検知範囲R91、R92を通過することになる。これにより、下流側検知部91及び上流側検知部92は、同一のアイマークMを各々検知して、上流側検知タイミング及び下流側検知タイミングを取得することができる。
【0089】
一方、下流側検知部91、上流側検知部92の位置が正しく調整されなかった場合には、例えば、
図6Bに実線で示すように、アイマークMが、検知範囲R92は通過するが、検知範囲R91は通過しないことがある(第1エラー)。また、
図6Bに点線で示すように、アイマークMが、検知範囲R91は通過するが、検知範囲R92は通過しないことがある(第2エラー)。
【0090】
上記第1エラーの場合について説明する。下流側検知部91に不具合や位置ずれがあった場合、第1エラーが発生する。この場合、制御部200は、上流側検知部92でのアイマークMの検知後、所定時間以内に下流側検知部91でのアイマークMの検知がない場合に、第1エラーが発生したと判断して、印刷用画像の形成処理を停止させる。
【0091】
ここで、制御部200は、連続紙Pの用紙搬送速度を把握できるため、連続紙Pが上流側検知部92から下流側検知部91へ搬送される検知部搬送時間を求めることができ、この検知部搬送時間を上記の所定時間として利用する。例えば、この所定時間によるタイマーを用いて、所定時間以内に下流側検知部91のアイマークMの検知があるかどうかを判断すればよい。
【0092】
上記第2エラーの場合について説明する。上流側検知部92に不具合や位置ずれがあった場合、第2エラーが発生する。この場合、制御部200は、上流側検知部92でのアイマークMの検知がなく、下流側検知部91でのアイマークMの検知があった場合、第2エラーが発生したと判断して、印刷用画像の形成処理を停止させる。
【0093】
なお、図示はしていないが、アイマークMが、検知範囲R91も検知範囲R92も通過しないエラーもありうる。制御部200においては、連続紙Pの搬送を開始してから、アイマークMが検知範囲R91、検知範囲R92を通過する時間を予測可能な場合もある。この場合、制御部200は、アイマークMが検知範囲R91、検知範囲R92を通過すると予測される時間が経過しても、上流側検知部92、下流側検知部91でのアイマークMの検知がない場合、印刷用画像の形成処理を停止させればよい。
【0094】
いずれのエラーの場合も、制御部200は、印刷用画像の形成処理を停止させるが、更に、用紙搬送部50、連続紙供給部70及び連続紙回収部80による連続紙Pの搬送を停止させたり、操作表示部20の表示部21にメッセージを表示させたりしてもよい。表示部21にメッセージを表示させる場合には、例えば、ユーザーに下流側検知部91、上流側検知部92の位置の確認をするよう促すメッセージを表示させてもよい。
【0095】
以上説明したように、本変形例の画像形成装置1において、制御部200は、上流側検知部92でのアイマークMの検知後、所定時間以内に下流側検知部91でのアイマークMの検知がない場合、印刷用画像の形成処理を停止させる。また、制御部200は、上流側検知部92でのアイマークMの検知がなく、下流側検知部91でのアイマークMの検知があった場合、印刷用画像の形成処理を停止させる。
【0096】
このように構成した本変形例によれば、下流側検知部91、上流側検知部92のアイマークMの検知状況に応じて、印刷用画像の形成処理を停止させる。そのため、下流側検知部91、上流側検知部92での不具合を印刷前に検出して、印刷ミスを防止することができる。
【0097】
<変形例4>
上流側検知部92は、上述したように、搬送方向Tにおいて、下流側検知部91の上流側であって、画像形成処理の準備動作が完了する時間を確保できる位置に配置される。しかしながら、例えば、装置状態や画像形成処理の内容などによっては、準備動作に時間を要し、準備動作が間に合わない可能性もある。
【0098】
このような場合に対処する処理について、
図1、
図2と共に、
図7も参照して説明する。
図7は、画像形成装置1において、画像形成時の動作の一例を示すタイムチャートである。
【0099】
図3で説明したように、画像形成処理の前に、連続紙Pには、事前画像と検知用画像(例えば、アイマーク)が予め形成されている。
【0100】
事前画像とアイマークが予め形成された連続紙Pを、連続紙供給部70の装着部71に装着する。その後、操作表示部20の操作部22において、ユーザーがスタートボタンを押下するなどして、画像形成装置1の制御部200に印刷指示が入力される。
【0101】
制御部200は、印刷指示が入力されると、用紙搬送部50、連続紙供給部70及び連続紙回収部80に用紙搬送を指示して、連続紙Pの用紙搬送が開始される。このとき、用紙搬送部50、連続紙供給部70及び連続紙回収部80は、第1速度(所定の搬送速度)で連続紙Pを搬送する。第1速度は、例えば、画像形成部40で画像を形成する際に連続紙Pを搬送する速度(印刷速度)であるが、任意の速度でもよい。
【0102】
連続紙Pの用紙搬送が開始されると、まず、上流側検知部92がアイマークを検知する。制御部200は、上流側検知部92がアイマークを検知した上流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成処理の準備動作を画像形成部40で開始させる。この準備動作については、上述した通りであるが、ここでは、制御部200は、画像形成処理の準備動作に時間を要すると判断する。
【0103】
そのため、制御部200は、
図7に示すように、上流側検知部92がアイマークを検知した上流側検知タイミングをトリガーとして、連続紙Pの用紙搬送速度を下げ、第1速度より遅い第2速度にして、連続紙Pを搬送する。
【0104】
このとき、制御部200は、上流側検知部92から下流側検知部91まで連続紙Pを搬送する検知部搬送時間と、画像形成処理の準備動作を開始してから完了するまでの完了時間とを比較し、検知部搬送時間が完了時間より長くなるように、第2速度を設定する。つまり、検知部搬送時間が完了時間より長い場合には、第1速度を使用するが、検知部搬送時間が完了時間より短い場合には、第1速度より遅い第2速度を使用する。
【0105】
例えば、定着部60の定着ローラー61の定着温度が、周囲の環境の影響を受けて、低下して、定着温度まで昇温するのに時間を要する場合がある。このような場合、制御部200は、準備動作に時間を要すると判断して、連続紙Pの用紙搬送速度を第2速度に下げて、連続紙Pを搬送する。
【0106】
また、連続紙Pへの印刷中に、画像形成部40などにおいて、機器の動作安定化のための調整モード(例えば、クリーニングなど)が実施された場合には、画像形成部40などの準備動作に時間を要する場合がある。このような場合、制御部200は、準備動作に時間を要すると判断して、連続紙Pの用紙搬送速度を第2速度に下げて、連続紙Pを搬送する。
【0107】
上流側検知部92がアイマークを検知した後、下流側検知部91がアイマークを検知する。制御部200は、下流側検知部91がアイマークを検知した下流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成部40で画像形成処理を開始させる。
【0108】
上述したように、上流側検知部92がアイマークを検知した上流側検知タイミングをトリガーとして、連続紙Pの用紙搬送速度を下げている。これにより、連続紙Pが画像形成部40に搬送されるまでの時間を長くして、画像形成処理の準備動作が完了する時間を確保している。そのため、下流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成部40で画像形成処理を開始する際には、例えば、感光体ドラム413の回転なども安定した状態であり、問題なく、画像形成処理を実行できる状態となっている。
【0109】
なお、
図7中に一点鎖線で示すように、第2速度まで下げた用紙搬送速度を、第1速度に戻すようにしてもよい。これは、用紙搬送速度を一時的に第2速度まで下げることにより、画像形成処理の準備動作が完了する時間を確保できる場合に実施可能である。
【0110】
用紙搬送速度を第2速度から第1速度に戻す場合には、下流側検知部91でアイマークを検知する前に、第1速度に戻すことが望ましい。もし、下流側検知部91でアイマークを検知した後に、用紙搬送速度を変更すると、下流側検知部91から画像形成部40までの搬送経路の途中で用紙搬送速度を変更することになる。この場合、搬送経路途中での速度変更により、下流側検知部91から画像形成部40まで連続紙Pを搬送する搬送時間にばらつきが生じる可能性がある。このため、下流側検知部91でアイマークを検知する前に、第1速度に戻すことが望ましい。これにより、下流側検知部91から画像形成部40までの搬送経路の途中で用紙搬送速度を変更する必要がなくなり、下流側検知部91から画像形成部40まで連続紙Pを搬送する搬送時間にばらつきが生じないようにすることができる。
【0111】
以上説明したように、本変形例の画像形成装置1は、下流側検知部91及び上流側検知部92の少なくとも一方での検知の前後で、連続紙Pを搬送する搬送速度を変更する速度変更部となる制御部200を備える。
【0112】
このように構成した本変形例によれば、画像形成処理の準備動作に時間を要する場合、連続紙Pを搬送する搬送速度を遅くするので、画像形成処理の準備動作に要する時間を確実に確保することができる。
【0113】
<変形例5>
上記の変形例4は、画像形成処理の準備動作に要する時間を制御部200が算出可能な場合であるが、画像形成処理の準備動作に要する時間を制御部200が算出できない場合も考えられる。また、上記の変形例4は、用紙搬送速度を遅くすることで、画像形成処理の準備動作に要する時間を確保しているが、用紙搬送速度を遅くするだけでは、画像形成処理の準備動作に要する時間を確保できない場合も考えられる。
【0114】
このような場合に対処する処理について、
図1、
図2と共に、
図8も参照して説明する。
図8は、画像形成装置1において、画像形成時の動作の一例を示すタイムチャートである。
【0115】
図3で説明したように、画像形成処理の前に、連続紙Pには、事前画像と検知用画像(例えば、アイマーク)が予め形成されている。
【0116】
事前画像とアイマークが予め形成された連続紙Pを、連続紙供給部70の装着部71に装着する。その後、操作表示部20の操作部22において、ユーザーがスタートボタンを押下するなどして、画像形成装置1の制御部200に印刷指示が入力される。
【0117】
制御部200は、印刷指示が入力されると、用紙搬送部50、連続紙供給部70及び連続紙回収部80に用紙搬送を指示して、連続紙Pの用紙搬送が開始される。このとき、用紙搬送部50、連続紙供給部70及び連続紙回収部80は、第1速度となる用紙搬送速度で連続紙Pを搬送する。
【0118】
連続紙Pの用紙搬送が開始されると、まず、上流側検知部92がアイマークを検知する。制御部200は、上流側検知部92がアイマークを検知した上流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成処理の準備動作を画像形成部40で開始させる。この準備動作については、上述した通りであるが、ここでは、制御部200は、例えば、画像形成処理の準備動作に要する時間が予測不能と判断する。
【0119】
そのため、制御部200は、
図8に示すように、上流側検知部92がアイマークを検知した上流側検知タイミングをトリガーとして、連続紙Pの用紙搬送を一時的に停止する。
【0120】
このとき、制御部200は、上流側検知部92から下流側検知部91まで連続紙Pを搬送する検知部搬送時間と、画像形成処理の準備動作を開始してから完了するまでの完了時間とを比較する。そして、検知部搬送時間が完了時間より長くなるように、用紙搬送を一時的に停止する。つまり、検知部搬送時間が完了時間より短い場合には、用紙搬送を一時的に停止する。
【0121】
例えば、上流側検知部92をカメラとし、検知用画像をQRコードとし、QRコードが印刷用画像に関する情報を含む場合、画像処理部30で印刷用画像を準備する画像処理に時間を要することがある。具体的には、画像処理部30において、印刷用画像を準備する画像処理に非常に時間がかかったり、また、画像処理の処理時間が予測できなかったりすることがある。このような場合、制御部200は、連続紙Pの用紙搬送を一時的に停止する。
【0122】
そして、連続紙Pの用紙搬送を一時的に停止した場合、制御部200は、準備動作に時間を要している処理の終了をもって、連続紙Pの用紙搬送を再開する。例えば、画像処理部30での画像処理に時間を要する場合には、画像処理部30での画像処理の終了をもって、連続紙Pの用紙搬送を再開する。この場合、例えば、第1速度となる用紙搬送速度で再開する。
【0123】
用紙搬送の再開後、下流側検知部91がアイマークを検知する。制御部200は、下流側検知部91がアイマークを検知した下流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成部40で画像形成処理を開始させる。
【0124】
上述したように、上流側検知部92がアイマークを検知した上流側検知タイミングをトリガーとして、連続紙Pの用紙搬送を一時的に停止する。これにより、連続紙Pが画像形成部40に搬送されるまでの時間を長くして、画像形成処理の準備動作が完了する時間を確保している。そのため、下流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成部40で画像形成処理を開始する際には、例えば、感光体ドラム413の回転なども安定した状態であり、問題なく、画像形成処理を実行できる状態となっている。
【0125】
以上説明したように、本変形例の画像形成装置1は、下流側検知部91及び上流側検知部92の少なくとも一方での検知の前後で、連続紙Pを搬送する搬送速度を変更する速度変更部となる制御部200を備える。
【0126】
このように構成した本変形例によれば、準備動作に時間を要する場合、準備動作が完了するまで、連続紙Pの搬送を停止するので、準備動作に要する時間を確実に確保することができる。
【0127】
<変形例6>
上述した画像形成装置1において、連続紙Pの搬送速度を変更することにより、印刷に要する時間を短縮するようにしてもよい。印刷時間を短縮する処理について、
図1、
図2と共に、
図9も参照して説明する。
図9は、画像形成装置1において、画像形成時の動作の一例を示すタイムチャートである。
【0128】
図3で説明したように、画像形成処理の前に、連続紙Pには、事前画像と検知用画像(例えば、アイマーク)が予め形成されている。
【0129】
事前画像とアイマークが予め形成された連続紙Pを、連続紙供給部70の装着部71に装着する。その後、操作表示部20の操作部22において、ユーザーがスタートボタンを押下するなどして、画像形成装置1の制御部200に印刷指示が入力される。
【0130】
制御部200は、印刷指示が入力されると、用紙搬送部50、連続紙供給部70及び連続紙回収部80に用紙搬送を指示して、連続紙Pの用紙搬送が開始される。このとき、用紙搬送部50、連続紙供給部70及び連続紙回収部80は、第1速度より速い用紙搬送速度となる第3速度で連続紙Pを搬送する。
【0131】
連続紙Pの搬送速度は、上流側検知部92でアイマークを検知するまでは、制約がない。そのため、上流側検知部92でアイマークを検知するまでは、第1速度より速い第3速度で連続紙Pを搬送することで、連続紙Pの用紙搬送時間が短縮され、連続紙Pにおいて印刷に要する時間を短縮することができる。
【0132】
連続紙Pの用紙搬送が第3速度で開始されると、まず、上流側検知部92がアイマークを検知する。制御部200は、上流側検知部92がアイマークを検知した上流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成処理の準備動作を画像形成部40で開始させる。この準備動作については、上述した通りである。
【0133】
加えて、制御部200は、
図9に示すように、上流側検知部92がアイマークを検知した上流側検知タイミングをトリガーとして、連続紙Pの用紙搬送速度を第1速度に戻して、連続紙Pを搬送する。なお、連続紙Pの用紙搬送速度を第1速度に戻すタイミングは、上流側検知部92での検知後であって、下流側検知部91での検知前あれば、どのタイミングでもよい。
【0134】
上流側検知部92がアイマークを検知した後、下流側検知部91がアイマークを検知する。制御部200は、下流側検知部91がアイマークを検知した下流側検知タイミングをトリガーとして、画像形成部40で画像形成処理を開始させる。
【0135】
以上説明したように、本変形例の画像形成装置1は、下流側検知部91及び上流側検知部92の少なくとも一方での検知の前後で、連続紙Pを搬送する搬送速度を変更する速度変更部となる制御部200を備える。
【0136】
このように構成した本変形例によれば、上流側検知部92でアイマークを検知するまでは、第1速度より速い第3速度で連続紙Pを搬送するので、連続紙Pにおいて印刷に要する時間を短縮することができる。
【0137】
<その他の変形例>
上記実施の形態及びその変形例においては、画像形成装置1の制御部200が、下流側検知部91、上流側検知部92での検知に基づいて、画像形成部40などの制御を行っているが、これらを独立した装置として構成してもよい。即ち、下流側検知部91と、上流側検知部92と、これらでの検知に基づいて、画像形成装置1を制御する制御部とからなる画像形成制御装置として構成してもよい。
【0138】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、連続紙Pでの追い刷り印刷を例示したが、アイマークなどの検知用画像を検知して印刷を行うものであれば、連続紙P以外の用紙でもよいし、また、追い刷り印刷方式以外の印刷方式でもよい。
【0139】
また、上記実施の形態及びその変形例において、連続紙供給部70での連続紙Pの搬送速度と画像形成装置本体100での連続紙Pの搬送速度との速度差などを吸収するための調整装置(バッファ)を設けてもよい。また、画像形成装置本体100での連続紙Pの搬送速度と連続紙回収部80での連続紙Pの搬送速度との速度差などを吸収するための調整装置を設けてもよい。これらの調整装置は、連続紙供給部70や連続紙回収部80側に設けてもよいし、画像形成装置本体100側に設けてもよい。
【0140】
なお、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、又は、その主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部
70 連続紙供給部
80 連続紙回収部
91 下流側検知部
92 上流側検知部
93、94、95 位置調整部
100 画像形成装置本体
200 制御部