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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】通信端末および位置検出システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20240409BHJP
【FI】
G06F21/32
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020080277
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021174434
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 明美
【審査官】上島 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-048470(JP,A)
【文献】特開2015-121904(JP,A)
【文献】国際公開第2019/017440(WO,A1)
【文献】特開2019-053445(JP,A)
【文献】特開2017-005292(JP,A)
【文献】特開2018-010470(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0004926(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末であって、
ユーザーに関連付けられた識別情報を格納するメモリーと、
前記ユーザーの身体に前記通信端末を装着するための部材と、
前記ユーザーについてユーザー認証を実行する機器から当該ユーザー認証の結果を取得するコントローラーと、
前記識別情報を含む信号を発信する通信インターフェースと、を備え、
前記機器は、前記部材とは異なる部材によって前記ユーザーに装着され、
前記コントローラーは、
取得した前記結果に基づき、前記ユーザーの認証が成功したと判断される間は、前記通信端末を、前記通信インターフェースが前記信号を発信可能な状態にし、
取得した前記結果に基づき、前記ユーザーの認証が成功したと判断される間以外は、前記通信端末を、前記通信インターフェースが前記信号を発信不能な状態にする、通信端末。
【請求項2】
記コントローラーは、前記通信端末がユーザーの身体から取り外された場合に、前記通信インターフェースが前記信号を発信不能な状態にする、請求項に記載の通信端末。
【請求項3】
前記通信端末は、腕時計型、ネックレス型、または、サングラス型の端末である、請求項1または請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
ユーザーの生体情報を計測するセンサーを備え、
前記コントローラーは、前記センサーの検出出力を用いて、前記通信端末がユーザーの身体に装着されているか否かを判断する、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項5】
前記センサーは、体温および心拍の少なくとも一方を検出する、請求項に記載の通信端末。
【請求項6】
前記通信インターフェースは、
前記信号を発信可能な状態で、前記信号を発信し、
前記信号を発信不能な状態で、前記信号の発信を停止する、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項7】
前記コントローラーは、前記通信インターフェースへの電力供給の有無を切り替えることにより、前記通信端末を、前記通信インターフェースが前記信号を発信可能な状態または発信不能な状態にする、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項8】
前記通信インターフェースは、RF(Radio Frequency)ID(Identifier)デバイス、ビーコン発信器、および、WiFiモジュールの中の少なくとも1つによって構成される、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項9】
電源から前記通信インターフェースへの電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチをさらに備え、
前記コントローラーは、前記スイッチによる電力供給のオン/オフを切り替えることによって、前記通信インターフェースが前記信号を発信可能な状態または発信不能な状態にする、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項10】
第1の通信端末と、
前記第1の通信端末と通信可能な第2の通信端末と、
前記第1の通信端末と通信可能な第3の通信端末と、
サーバー装置とを備え、
前記第1の通信端末は、
ユーザーに関連付けられた識別情報を格納する第1のメモリーと、
前記ユーザーの身体に前記第1の通信端末を装着するための第1の部材と、を含み、
前記第3の通信端末は、
前記ユーザーの身体に前記第3の通信端末を装着するための部材であって、前記第1の部材とは異なる、第2の部材を含み、
前記ユーザーの認証を実行し、
前記第1の通信端末は、
前記第3の通信端末から前記ユーザーの認証の結果を取得するコントローラーと、
前記識別情報を含む信号を発信する通信インターフェースと、を含み、
前記コントローラーは、
前記結果に基づき、前記ユーザーの認証に成功したと判断される間は、前記第1の通信端末を、前記通信インターフェースが前記信号を発信可能な状態にし、
前記結果に基づき、前記ユーザーの認証に成功したと判断される間以外は、前記第1の通信端末を、前記通信インターフェースが前記信号を発信不能な状態にし、
前記第2の通信端末は、
前記第2の通信端末を識別する装置情報を格納する第2のメモリーと、
前記第1の通信端末から前記識別情報を受信したことに応じて、前記識別情報と前記装置情報とを前記サーバー装置へ送信し、
前記サーバー装置は、
前記第2の通信端末から前記識別情報と前記装置情報とを受信したことに応じて、前記識別情報によって特定されるユーザーが前記装置情報によって特定される前記第2の通信端末に対応する場所に位置していたことを特定する、位置検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザーが携帯する通信端末、および、当該通信端末を利用したユーザーの位置を検出するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RF(Radio Frequency)ID(Identifier)タグなどの識別情報を提供する通信端末が、人または物体の位置検出に利用されている。たとえば、特表2008-541244号公報(特許文献1)は、個人にRFIDタグを埋め込まれた衣類を提供し、識別情報を含むRFIDタグの位置を検出することにより、上記個人の位置を検出する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2008-541244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、RFIDタグが意図された個人によって身に付けられているか否かは検討されていない。一方で意図された個人であるかの特定には一般に認証技術を用いられる。こうした認証技術としてはIDやパスワードの入力による認証や指紋等の生体認証が挙げられる。このことから、RFIDタグに認証部を付加し、認証結果をRFIDタグの識別情報と紐づけることで特定された位置が意図された個人の位置であることの信頼性を高めることが考えられる。
【0005】
しかしながら、ある時点でRFIDタグとユーザーを紐づけしたとしても、認証後にRFIDタグを誰かに渡したり、落として他のユーザーに拾われたり、あるいは盗まれたり、といった場合に、データだけではその事実が検出できず、本来特定すべきユーザーとは異なるユーザーの位置をRFIDタグで検出することになってしまっていた。
【0006】
本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、位置検出システムの検出結果の信頼性を高めるための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従うと、通信端末であって、ユーザーに関連付けられた識別情報を格納するメモリーと、ユーザーの認証を実行するコントローラーと、識別情報を含む信号を発信する通信インターフェースと、を備え、コントローラーは、ユーザーの認証が成功したと判断される間は、通信端末を、通信インターフェースが信号を発信可能な状態にし、ユーザーの認証が成功したと判断される間以外は、通信端末を、通信インターフェースが信号を発信不能な状態にする、通信端末が提供される。
【0008】
好ましくは、通信端末は、ユーザーの身体に装着可能であり、コントローラーは、通信端末がユーザーの身体から取り外された場合に、認証を実行する。
【0009】
本開示の他の局面に従うと、通信端末であって、ユーザーに関連付けられた識別情報を格納するメモリーと、ユーザーについてユーザー認証を実行する機器から当該ユーザー認証の結果を取得するコントローラーと、識別情報を含む信号を発信する通信インターフェースと、を備え、コントローラーは、取得した結果に基づき、ユーザーの認証が成功したと判断される間は、通信端末を、通信インターフェースが信号を発信可能な状態にし、取得した結果に基づき、ユーザーの認証が成功したと判断される間以外は、通信端末を、通信インターフェースが信号を発信不能な状態にする、通信端末が提供される。
【0010】
好ましくは、通信端末は、ユーザーの身体に装着可能であり、コントローラーは、通信端末がユーザーの身体から取り外された場合に、機器から結果を取得する。
【0011】
好ましくは、通信端末は、ユーザーの身体に通信端末を装着させるための部材をさらに備える。
【0012】
さらに好ましくは、通信端末は、腕時計型、ネックレス型、または、サングラス型の端末である。
【0013】
好ましくは、通信端末は、ユーザーの生体情報を計測するセンサーを備え、コントローラーは、センサーの検出出力を用いて、通信端末がユーザーの身体に装着されているか否かを判断する。
【0014】
さらに好ましくは、センサーは、体温および心拍の少なくとも一方を検出する。
【0015】
好ましくは、通信インターフェースは、信号を発信可能な状態で、信号を発信し、信号を発信不能な状態で、信号の発信を停止する。
【0016】
好ましくは、コントローラーは、通信インターフェースへの電力供給の有無を切り替えることにより、通信端末を、通信インターフェースが信号を発信可能な状態または発信不能な状態にする。
【0017】
好ましくは、通信インターフェースは、RF(Radio Frequency)ID(Identifier)デバイス、ビーコン発信器、および、WiFiモジュールの中の少なくとも1つによって構成される。
【0018】
好ましくは、通信端末は、電源から通信インターフェースへの電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチをさらに備え、コントローラーは、スイッチによる電力供給のオン/オフを切り替えることによって、通信インターフェースが信号を発信可能な状態または発信不能な状態にする。
【0019】
本開示のさらに他の局面に従うと、第1の通信端末と、第1の通信端末と通信可能な第2の通信端末と、サーバー装置とを備え、第1の通信端末は、ユーザーに関連付けられた識別情報を格納する第1のメモリーと、ユーザーの認証を実行するコントローラーと、識別情報を含む信号を発信する通信インターフェースと、を含み、コントローラーは、ユーザーの認証が成功している間は、第1の通信端末を、通信インターフェースが信号を発信可能な状態にし、ユーザーの認証が成功している間以外は、第1の通信端末を、通信インターフェースが信号を発信不能な状態にし、第2の通信端末は、第2の通信端末を識別する装置情報を格納する第2のメモリーと、第1の通信端末から識別情報を受信したことに応じて、識別情報と装置情報とをサーバー装置へ送信し、サーバー装置は、第2の通信端末から識別情報と装置情報とを受信したことに応じて、識別情報によって特定されるユーザーが装置情報によって特定される第2の通信端末に対応する場所に位置していたことを特定する、位置検出システムが提供される。
【0020】
本開示のさらに他の局面に従うと、第1の通信端末と、第1の通信端末と通信可能な第2の通信端末と、第1の通信端末と通信可能な第3の通信端末と、サーバー装置とを備え、第1の通信端末は、ユーザーに関連付けられた識別情報を格納する第1のメモリーを含み、第3の通信端末は、ユーザーの認証を実行し、第1の通信端末は、第3の通信端末からユーザーの認証の結果を取得するコントローラーと、識別情報を含む信号を発信する通信インターフェースと、を含み、コントローラーは、結果に基づき、ユーザーの認証に成功したと判断される間は、第1の通信端末を、通信インターフェースが信号を発信可能な状態にし、結果に基づき、ユーザーの認証に成功したと判断される間以外は、第1の通信端末を、通信インターフェースが信号を発信不能な状態にし、第2の通信端末は、第2の通信端末を識別する装置情報を格納する第2のメモリーと、第1の通信端末から識別情報を受信したことに応じて、識別情報と装置情報とをサーバー装置へ送信し、サーバー装置は、第2の通信端末から識別情報と装置情報とを受信したことに応じて、識別情報によって特定されるユーザーが装置情報によって特定される第2の通信端末に対応する場所に位置していたことを特定する、位置検出システムが提供される。
【0021】
本開示のさらに他の局面に従うと、コンピューターのプロセッサーによって実行されることにより、コンピューターに、ユーザーの認証を実行するステップと、ユーザーの認証が成功したか否かを判断するステップと、ユーザーの認証が成功したと判断される間は、コンピューターを、コンピューターの通信インターフェースがユーザーに関連付けられた識別情報を含む信号を発信可能な状態に制御するステップと、ユーザーの認証が成功したと判断される間以外は、コンピューターを、通信インターフェースが信号を発信不能な状態に制御するステップと、を実行させる、プログラムが提供される。
【0022】
本開示のさらに他の局面に従うと、コンピューターのプロセッサーによって実行されることにより、コンピューターに、他の機器からユーザーの認証の結果を取得するステップと、結果がユーザーの認証が成功したものであるか否かを判断するステップと、結果に基づき、ユーザーの認証が成功したと判断される間は、コンピューターを、コンピューターの通信インターフェースがユーザーに関連付けられた識別情報を含む信号を発信可能な状態に制御するステップと、結果に基づき、ユーザーの認証が成功したと判断される間以外は、コンピューターを、通信インターフェースが信号を発信不能な状態に制御するステップと、を実行させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0023】
本開示によれば、通信端末は、ユーザー認証を実行し、当該ユーザー認証が成功した場合に、上記通信端末または上記ユーザーに関連付けられた識別情報を発信する。これにより、通信端末が識別情報を発信するときに通信端末が意図されたユーザーによって携帯されていることの信頼度が高められ、発信された識別情報を利用する位置検出システムの検出結果の信頼性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】位置検出システムの第1の実施の形態の構成の一例を示す図である。
図2】位置検出システムが利用される場面の一例を示す図である。
図3】認証端末10のハードウェアブロックの一例を示す図である。
図4】認証端末10の機能的な構成の一例を示す図である。
図5】認証端末10において実行される処理の一例のフローチャートである。
図6】位置検出システムの第2の実施の形態の構成の一例を示す図である。
図7】通信端末10Aのハードウェアブロックの一例を示す図である。
図8】通信端末10Aの機能的な構成の一例を示す図である。
図9】通信端末10Aにおいて実行される処理の一例のフローチャートである。
図10図3の認証端末10のハードウェア構成の変形例を示す図である。
図11図4の認証端末10の機能的な構成の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照しつつ、位置検出システムの実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0026】
<第1の実施の形態>
[1.位置検出システムの構成]
図1は、位置検出システムの第1の実施の形態の構成の一例を示す図である。
【0027】
図1に示されるように、位置検出システムは、認証端末10と、RFIDリーダー20と、位置情報検出用サーバー30と、ユーザー情報管理サーバー40と、位置検出統合サーバー50とを含む。
【0028】
位置検出システムは、2以上の認証端末10を含むことができる。認証端末10は、通信端末の一例であり、当該認証端末10を識別する情報(端末ID)を含む信号を発信する。
【0029】
認証端末10は、ベルト112を含む。これにより、ユーザーは、当該ユーザーの身体に認証端末10を装着し得る。第1の実施の形態では、認証端末10は、ウェアラブル端末によって実現されるが、必ずしもユーザーの身体に装着されるための構成を含む必要はない。認証端末10は、本明細書において説明されるような機能を実現するためのアプリケーションプログラムをインストールされたスマートフォンなどの端末によって実現されてもよい。
【0030】
認証端末10は、ユーザー認証に利用される第1センサー120(たとえば、指紋センサー)と、ユーザーによる認証端末10の装着の継続の検出に利用される第2センサー130(たとえば、体温センサー)とを含む。認証端末10の構成の詳細は、図3等を参照して後述される。
【0031】
位置検出システムは、2以上のRFIDリーダー20を含むことができる。各RFIDリーダー20は、認証端末10から上記信号を受信すると、各RFIDリーダー20を識別する情報(RFID)と上記信号に含まれる端末IDとを、互いに関連付けて位置情報検出用サーバー30へ送信する。RFIDリーダー20は、さらに認証端末10から上記信号を受信した時刻を特定する情報を、位置情報検出用サーバー30へ送信してもよい。
【0032】
位置情報検出用サーバー30は、各RFIDリーダー20から受信した情報を、位置検出統合サーバー50へ送信する。
【0033】
ユーザー情報管理サーバー40は、2以上のユーザー名のそれぞれと、2以上の認証端末10のそれぞれの端末IDとを、一対一で関連付ける情報(ユーザーデータベース)を管理する。ユーザー情報管理サーバー40は、ユーザーデータベースを位置検出統合サーバー50へ送信する。
【0034】
以上より、位置検出統合サーバー50は、位置情報検出用サーバー30から、RFIDに関連付けられた端末IDを取得し、また、ユーザー情報管理サーバー40から、ユーザーデーターベース(各端末IDに関連付けられたユーザー名)を取得する。
【0035】
位置検出統合サーバー50は、ユーザーデータベースを参照することにより、位置情報検出用サーバー30から取得したRFIDに関連付けられた端末IDについて、当該端末IDに関連付けられたユーザーIDを取得する。これにより、各RFIDリーダー20と通信可能な範囲に位置したユーザーのユーザー名を特定し得る。
【0036】
認証端末10による信号の発信は、認証端末10におけるユーザー認証が成功した場合に実施される。したがって、認証端末10は、正当なユーザーによって携帯されていることを条件として、上記信号を発信できる。
【0037】
[2.位置検出システムの利用例]
図2は、位置検出システムが利用される場面の一例を示す図である。図2の例において、ユーザー900は、腕に認証端末10を装着している。
【0038】
図2の例において、ユーザーの位置検出の対象となる領域が、領域ARとして示されている。領域AR内の複数箇所のそれぞれに、RFIDリーダー20が設置されている。図2では、各RFIDリーダー20に、互いに異なる符号(20-A,20-B,20-C,20-D)が付されている。
【0039】
図2に示された状態では、ユーザー900は、RFIDリーダー20-Aの近傍に位置している。認証端末10は、ユーザー900の認証に成功すると、当該認証端末10の端末IDを含む信号を発信する。RFIDリーダー20-Aは、当該信号を受信し、RFIDリーダー20-AのIDとともに位置情報検出用サーバー30へ送信する。位置情報検出用サーバー30は、受信した信号を位置検出統合サーバー50へ送信し、位置検出統合サーバー50は、位置情報検出用サーバー30から受信した信号を利用して、ユーザー900がRFIDリーダー20-Aの近傍に位置することを特定する。
【0040】
図2に示されたように、位置検出システムは、たとえば、セキュリティーエリアにどのユーザーが位置しているかを特定したり、あるユーザーの位置履歴を生成したりするのに利用され得る。ただし、これらは、位置検出システムの利用方法の単なる一例である。
【0041】
[3.ハードウエア構成]
図3は、認証端末10のハードウェアブロックの一例を示す図である。図3に示されるように、認証端末10は、コントローラー110、メモリー111、第1センサー120、バッテリー140、第1通信I/F150、第2通信I/F160、表示装置170、および入力装置180を含む。
【0042】
コントローラー110は、認証端末10の動作を制御する。一実現例では、コントローラー110は、CPU(Central Processing Unit)を含み、コントローラー110は、当該CPUに所与のプログラムを実行させることによって、認証端末10の動作を制御する。他の実現例では、コントローラー110は、制御用の回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field-Programmable Gate Array)を含み、コントローラー110は、このような回路の動作に基づいて、認証端末10の動作を制御する。
【0043】
メモリー111は、認証端末10の制御に利用される種々のデータを格納する。
【0044】
第1センサー120は、認証端末10がユーザー認証に生体情報などのデータの検出を必要とする場合に、当該データの検出に利用される。例えば認証端末10は、心拍パターン認証によりユーザーを認証してもよく、この場合、第1センサー120は、心拍センサーによって実現され得る。また認証端末10は、手首や指などにおける静脈パターンを用いてユーザーを認証してもよく、この場合、第1センサー120は、近赤外光センサーによって実現され得る。
【0045】
バッテリー140は、種々の形式の電池によって実現されることができ、認証端末10内の種々の要素に電力を供給し得る。
【0046】
第1通信I/F150は、認証端末10がアクティブRFIDタグとして機能するために電波を発信するための通信インターフェース(インターフェースは、「I/F」とも表記され得る)である。
【0047】
第2通信I/F160は、無線LANやBluetooth(登録商標)によるデータ通信のためのインターフェースであり、たとえば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4無線モジュールまたはBluetooth通信用のインターフェースによって実現される。
【0048】
表示装置170は、認証端末10の状態などを表示する。表示装置170は、液晶表示装置などの表示用のユニットによって実現されてもよいし、LED(Light Emitting Diode)などの要素によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
【0049】
入力装置180は、認証端末10への情報の入力を受け付ける。入力装置180は、ハードウェアキーによって実現されてもよいし、表示装置170に表示されるソフトウェアキーによって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
【0050】
[4.機能的構成]
図4は、認証端末10の機能的な構成の一例を示す図である。図4に示されるように、認証端末10は、その機能として、認証部11、認証用生体情報取得部12、電源制御部14、電波制御部15、スイッチ16、電波発信部17、および、通信部18を含む。
【0051】
認証部11は、認証端末10を装着しているユーザーが認証端末10の本来のユーザーであることを特定するために、ユーザー認証を実行する。認証部11は、コントローラー110によって実現される。認証端末10には、ユーザー認証に利用される照合用情報が登録されており、認証部11は、認証用に入力された情報と照合用情報とを照合し、当該照合の結果に基づいて、ユーザー認証が成功したか否かを判断する。
【0052】
一実現例では、ユーザー認証としてユーザの心拍による生体認証が実行される。この場合、認証端末10には、予め照合用情報として特定ユーザーの心拍パターン情報が登録される。認証部11は、入力された心拍情報と照合用情報として登録されている心拍パターン情報とを照合することによりこれらの一致度を特定し、一致度が予め定められた閾値以上となった場合に、ユーザー認証が成功したと判断し、一致度が上記閾値未満であればユーザー認証が失敗したと判断する。
【0053】
認証用生体情報取得部12は、認証部11が生体情報によってユーザー認証を実行する場合に、認証用の生体情報を取得し、認証部11へ出力する。認証用生体情報取得部12は、第1センサー120によって実現される。なお、認証部11がユーザー認証に生体情報を利用しない場合(たとえば、ユーザーをパスワードで認証する場合)、認証用生体情報取得部12は省略され得、その代わりに、認証端末10は、パスワードなどの認証用の情報を取得する機能を含む。当該機能は、たとえば、入力装置180によって実現され得る。
【0054】
電源制御部14は、バッテリー140から認証端末10内の各要素への電力の供給を制御(電圧調整など)する。電源制御部14は、たとえば、コントローラー110に含まれる電気回路によって実現される。
【0055】
電波制御部15は、RFIDタグとして機能する認証端末10が送信する電波を制御する。電波制御部15は、たとえば、コントローラー110に含まれる電気回路によって実現される。一実現例では、認証端末10には、認証端末10を識別する端末IDが登録されている。電波制御部15は、認証端末10がRFIDタグとして発信する信号に、端末IDを特定する情報を含める。
【0056】
スイッチ16は、バッテリー140から後述される電波発信部17への電力の供給のON/OFFを切り替える。スイッチ16は、たとえば、バッテリー140と第1通信I/F150との間の接続状態(接続/切断)を物理的に切り替えるスイッチによって実現される。一実現例では、認証部11がユーザー認証に成功した場合には、スイッチ16は、バッテリー140と第1通信I/F150とを接続させる。これにより、第1通信I/F150は、電波を発信する。一方、認証部11がユーザー認証に失敗した場合には、スイッチ16は、第1通信I/F150をバッテリー140から切り離す。これにより、第1通信I/F150は、電波を発信しない。
【0057】
電波発信部17は、RFIDタグの主な機能を実現し、たとえば、第1通信I/F150によって実現される。一実現例では、電波発信部17は、認証端末10に登録されている端末IDを含む信号を発信する。
【0058】
第1の実施の形態の位置検出システムでは、電波発信部17から発信された電波を、RFIDリーダー20が受信する。
【0059】
通信部18は、端末ID等の、認証端末10に登録されるデータを受信する。通信部18は、たとえば、第2通信I/F160、第1通信I/F150、またはこれらの双方によって、実現される。
【0060】
第1の実施の形態の位置検出システムでは、通信部18は、ユーザー情報管理サーバー40からネットワークを介してデータを受信する。なお、通信部18への端末ID等のデータの登録は、ユーザー情報管理サーバー40以外の装置から行われても良いし、認証端末10が操作されることによって認証端末10に直接登録されてもよい。
【0061】
[5.登録される情報の種類]
位置検出システムの各要素において登録される情報の種類の一例を説明する。
【0062】
(1)ユーザー情報管理サーバー40
ユーザー情報管理サーバー40は、ユーザーごとに、ユーザー名と、端末IDと、照合用情報とが登録される。
【0063】
一実現例では、位置検出システムの管理者は、各ユーザーに端末を貸与する際に、各ユーザーのユーザー名と端末IDとを関連付けてユーザー情報管理サーバー40に登録する。各ユーザーは、照合用情報を管理者に申請する。管理者は、ユーザー情報管理サーバー40に、さらに、各ユーザーのユーザー名に関連付けて、照合用情報を登録する。
【0064】
(2)認証端末10
認証端末10は、端末IDと照合用情報とが登録される。
【0065】
一実現例では、認証端末10には、その製造時に端末IDが登録される。位置検出システムの管理者は、認証端末10をユーザーに貸与する際に、ユーザーから申請された照合用情報を認証端末10に登録する。これにより、ユーザーは、当該ユーザーが申請した照合用情報を格納した認証端末10を貸与される。
【0066】
[6.処理の流れ]
図5は、認証端末10において実行される処理の一例のフローチャートである。認証端末10は、たとえば、コントローラー110のプロセッサーに所与のプログラムを実行させることによって、図5の処理を実行する。
【0067】
図5を参照して、認証端末10は、ステップS10にて、認証端末10を利用したユーザーの位置検出が開始されるか否かを判断する。認証端末10が当該認証端末10への電源投入開始と同時に位置検出に利用されるように構成されている場合、認証端末10は、電源投入時の起動処理が終了したことに応じて、位置検出が開始されると判断する。認証端末10が所定の操作によって位置検出に利用されるように構成されている場合、認証端末10は、当該所定の操作がなされたことに応じて、位置検出が開始されると判断する。
【0068】
認証端末10は、位置検出が開始されると判断すると(ステップS10にてYES)、ステップS12へ制御を進め、そうでなければ(ステップS10にてNO)、ステップS10に制御を留める。
【0069】
ステップS12にて、認証端末10は、ユーザー認証を実行する。ユーザー認証が生体情報認証によって実現される場合、ステップS12にて、認証端末10は、第1センサー120(心拍センサー)を介して、認証用の情報として心拍を検出し、照合用情報として登録された心拍パターンと照合する。
【0070】
ステップS14にて、認証端末10は、ステップS12における認証の結果が成功であるか否かを判断する。認証端末10は、認証が成功したと判断すると(ステップS14にてYES)、ステップS16へ制御を進め、そうでなければ(ステップS14にてNO)、ステップS12へ制御を戻す。
【0071】
ステップS16にて、認証端末10は、スイッチ16に第1通信I/F150をバッテリー140と接続させ、第1通信I/F150(電波発信部17)に端末IDを含む電波を発信させる。
【0072】
位置検出システムでは、認証端末10を携帯(または装着)するユーザーが領域AR(図2)に位置する場合、ユーザーの近傍に位置するRFIDリーダー20(図1のRFIDリーダー20-A~20-Dのいずれか)が認証端末10から発信された信号を受信する。
【0073】
ステップS18にて、認証端末10は、ステップS12と同様に、ユーザー認証を実行する。
【0074】
ステップS20にて、認証端末10は、ステップS18のユーザー認証が失敗したか否かを判断する。認証端末10は、ユーザー認証に失敗したと判断すると(ステップS20にてYES)、ステップS22へ制御を進め、そうでなければ(ステップS20にてNO)、ステップS18へ制御を戻す。
【0075】
ステップS22にて、認証端末10は、スイッチ16に第1通信I/F150をバッテリー140から切断する。これにより、第1通信I/F150(電波発信部17)への通電が停止され、第1通信I/F150(電波発信部17)は電波の発信を停止する。
【0076】
ステップS24にて、認証端末10は、認証端末10を利用したユーザーの位置検出が終了するか否かを判断する。一実現例では、認証端末10は、当該認証端末10の電源オフを指示されたことに応じて、上記位置検出が終了すると判断する。他の実現例では、認証端末10は、認証端末10において位置検出用のアプリケーションの終了指示が入力されると、上記位置検出が終了すると判断する。
【0077】
認証端末10は、上記位置検出が終了すると判断すると(ステップS24にてYES)、図5の処理を終了させ、そうでなければ(ステップS24にてNO)、ステップS12へ制御を戻す。
【0078】
以上説明された第1の実施の形態では、認証端末10は、ユーザー認証に成功している期間中のみ、端末IDを含む信号を発信し、それ以外の期間、すなわちユーザー認証に成功している期間以外には端末IDを含む信号の発信を停止する。
【0079】
すなわち、ユーザが認証端末10を取り外した場合はこうした生体情報が取得できず、ユーザ認証も成功しないため信号の発信は停止させられる。
【0080】
また他のユーザが認証端末10を装着しても取得される生体情報は上記登録された照合用情報とは異なるため、ユーザー認証が成功することはなく、信号の発信は停止させられる。
【0081】
それによって認証装置が本来のユーザと離れた場合や、他のユーザのなりすまし、等による誤った位置検出を防ぐことができる。
【0082】
<第2の実施の形態>
[1.位置検出システムの構成]
図6は、位置検出システムの第2の実施の形態の構成の一例を示す図である。
【0083】
位置検出システムの第2の実施の形態では、ユーザーは、通信端末10Aと認証端末10Bとを携帯する。たとえば、ユーザーは、通信端末10Aを一方の腕に装着し、認証端末10Bを他方の腕に装着する。通信端末10Aは、RFIDタグとして機能し、当該通信端末10Aの端末IDを含む信号を発信する。認証端末10Bは、ユーザー認証を実行し、ユーザー認証の結果を通信端末10Aに通知する。
【0084】
すなわち、第2の実施の形態では、通信端末10Aが通信端末の一例であり、また、通信端末10Aと認証端末10Bとによって、第1の実施の形態の認証端末10の機能が実現され得る。
【0085】
[2.ハードウェア構成]
図7は、通信端末10Aのハードウェアブロックの一例を示す図である。図3に示された認証端末10のハードウェアブロックと比較して、通信端末10Aは、ユーザー認証を実行する必要がないため、第1センサー120を含まず、第2センサー130を含む。その他の点については、通信端末10Aは、認証端末10と同様の構成を有する。
【0086】
第2センサー130は、ユーザーが認証端末10を装着しているか否かを検出するためのデータの検出を必要とする場合に、当該データの検出に利用される。一実現例では、認証端末10は、第2センサー130によって検出される温度が人間の体温に相当する温度であるか否かによって、認証端末10がユーザーに装着されているか否かを判断し得る。この場合、第2センサー130は、温度センサーによって実現され得る。他の実現例では、認証端末10は、第2センサー130が人間の心拍数に相当する心拍数を検出しているか否かによって、認証端末10がユーザーに装着されているか否かを判断し得る。この場合、第2センサー130は、心拍センサーによって実現される。
【0087】
認証端末10Bは、ユーザー認証を実行する要素(たとえば、CPU等のプロセッサー、および、生体情報等を取得するためのセンサーまたはパスワードの入力を受け付けるための入力装置)と、通信端末10Aにユーザー認証の結果を通知する要素(通信インターフェース)とを含む。
【0088】
[3.機能的構成]
図8は、通信端末10Aの機能的な構成の一例を示す図である。図4に示された認証端末10の機能的な構成と比較して、通信端末10Aは、認証部11、認証用生体情報取得部12、および、通信部18を含まず、装着状態取得部13、および、認証結果取得部19を含む。
【0089】
認証端末10Bの装着状態取得部13は、認証端末10がユーザーによって装着されているか否かを表すデータを取得し、当該データを認証部11へ出力する。装着状態取得部13は、第2センサー130によって実現される。
【0090】
認証結果取得部19は、認証端末10Bからユーザー認証の結果を取得する。認証結果取得部19は、第1通信I/F150または第2通信I/F160によって実現される。
【0091】
一方、認証端末10Bは、認証部11、認証用生体情報取得部12、および、通信部18に相当する機能を有し、さらに、認証部11によるユーザー認証の結果を通信端末10Aへ通知するための要素(通知用要素)を含む。認証部11は、通信端末10Aからの要求に応じて、ユーザー認証を実行してもよい。上記通知用要素は、たとえば、認証端末10Bに設けられた通信インターフェースによって実現される。
【0092】
[4.登録される情報の種類]
第2の実施の形態では、第1の実施の形態の認証端末10に登録された種類の情報のうち、RFIDタグとして出力される信号に含まれる情報は通信端末10Aに登録され、ユーザー認証に利用される情報は認証端末10Bに登録される。すなわち、一実現例では、ユーザー情報管理サーバー40において管理される(ユーザー名と関連付けられる)端末IDは、通信端末10Aに登録され、ユーザー認証に利用される照合用情報は、認証端末10Bに登録される。
【0093】
[5.処理の流れ]
図9は、通信端末10Aにおいて実行される処理の一例のフローチャートである。通信端末10Aは、たとえば、コントローラー110のプロセッサーに所与のプログラムを実行させることによって、図9の処理を実行する。
【0094】
図5の処理と比較して、図9の処理は、ユーザー認証およびユーザー認証の結果に対する判断の制御の内容が異なる。より具体的には、図9の処理は、図5の処理におけるステップS12,S14,S18,S20の代わりに、ステップS12X,S14X,S18X,S20Xを含む。
【0095】
ステップS12Xにて、通信端末10Aは、認証端末10Bに対してユーザー認証の実行を要求し、当該要求に応じて実行されたユーザー認証の結果を認証端末10Bから取得する。
【0096】
ステップS14Xにて、通信端末10Aは、ステップS12Xにおいて取得した結果がユーザー認証が成功したものであるか否かを判断し、成功したものであれば(ステップS14XにおいてYES)、ステップS16へ制御を進め、そうでなければ(ステップS14XにおいてNO)、ステップS12Xへ制御を戻す。
【0097】
ステップS18Xにて、通信端末10Aは、ステップS12Xと同様に、認証端末10Bに対してユーザー認証の実行を要求し、当該要求に応じて実行されたユーザー認証の結果を認証端末10Bから取得する。
【0098】
ステップS20Xにて、通信端末10Aは、ステップS18Xにおいて取得した結果がユーザー認証が失敗したものであるか否かを判断し、失敗したものであれば(ステップS20XにおいてYES)、ステップS22へ制御を進め、そうでなければ(ステップS20XにおいてNO)、ステップS18Xへ制御を戻す。
【0099】
以上説明された第2の実施の形態では、通信端末10Aは、認証端末10Bがユーザー認証に成功したことに応じて、端末IDを含む信号を発信し、認証端末10Bがユーザー認証に失敗したことに応じて、端末IDを含む信号の発信を停止する。
【0100】
<実施の形態のまとめ>
[1]
第1の実施の形態では、認証端末10は、ユーザー認証を実行し、認証が成功すると、スイッチ16に第1通信I/F150をバッテリー140と接続させ、認証が失敗すると、スイッチ16に第1通信I/F150をバッテリー140から切断させる。
【0101】
[2]
認証端末10は、ユーザーの身体に装着中に常時認証を行うことが可能であるが、所定の時間間隔でユーザー認証を行っても良い。すなわち、認証端末10では、ユーザー認証が定期的に実行され、ある回のユーザー認証の成功による信号発信は次回のユーザー認証の実行まで維持され得るが、ユーザーの身体から取り外されると、ある回のユーザー認証の成功による信号発信の維持が解消され得る。
【0102】
[3]
第2の実施の形態では、通信端末10Aは、認証端末10Bから、ユーザー認証の結果を取得する。当該結果がユーザー認証が成功したものであれば、通信端末10Aは、スイッチ16に第1通信I/F150をバッテリー140と接続させる。当該結果がユーザー認証が失敗したものであれば、通信端末10Aは、スイッチ16に第1通信I/F150をバッテリー140から切断させる。
【0103】
[4]
認証端末10は、ユーザーの身体に装着中に常時認証を行うことが可能であるが、所定の時間間隔でユーザー認証結果の取得を実行しても良い。すなわち、認証端末10では、ユーザー認証結果の取得が定期的に実行され、ある回のユーザー認証の成功による信号発信は次回のユーザー認証の実行まで維持され得るが、ユーザーの身体から取り外されると、ある回のユーザー認証の成功による信号発信の維持が解消され得る。
【0104】
[5]
認証端末10(または通信端末10A)は、ベルト112を含む。ベルト112は、ユーザーが認証端末10(または通信端末10A)を装着するための部材の一例である。
【0105】
[6]
認証端末10(または通信端末10A)は、ベルト112をユーザーの腕に装着する腕時計型の端末装置である。なお、認証端末10(または通信端末10A)がユーザーが装着するタイプの端末であっても、その形態は腕時計型に限定されない。認証端末10(または通信端末10A)は、ネックレス型であってもよいし、サングラス型であってもよい。ネックレス型である場合、認証端末10(または通信端末10A)は、上記部材として、ユーザーの首にかけるための紐状の部分を含む。サングラス型である場合、認証端末10(または通信端末10A)は、上記部材として、ユーザーの顔面に装着されるための要素を含む。
【0106】
[7]
図10は、図3の認証端末10のハードウェア構成の変形例を示す図である。図11は、図4の認証端末10の機能的な構成の変形例を示す図である。
【0107】
図10に示されるように、認証端末10(または通信端末10A)は、ユーザが認証端末10を装着しているか否かを検知するためのセンサー(例えば、物理的な着脱検知やユーザーの体温を計測するセンサー(第2センサー130))を含むこともできる。このとき、図11に示されるように、認証端末10には、装着状態取得部13が含まれる。
【0108】
図10および図11に示された例では、認証端末10では、第2センサー130によりユーザーが認証端末10を装着し続けている状態を示す装着継続情報、および、装着開始あるいは装着中のある時点で第1センサー120によるユーザーの認証成功の情報によって、ユーザーの認証が成功したと判断される。これらの双方の情報が取得された期間が、ユーザーの認証が成功したと判断される期間とされ、認証端末10は、その期間にのみ、識別情報を含む信号送信し得る。
【0109】
[8]
ユーザーが認証端末10(または通信端末10A)を装着しているか否かを判断するためのセンサーは、体温および心拍の少なくとも一方を検出するものであってもよい。
【0110】
[9]
認証端末10(または通信端末10A)では、第1通信I/F150がバッテリー140と接続されると、第1通信I/F150(電波発信部17)は端末IDを含む電波を発信する。一方、第1通信I/F150がバッテリー140から切断されると、第1通信I/F150(電波発信部17)への通電が停止され、第1通信I/F150(電波発信部17)は電波の発信を停止する。
【0111】
端末IDは、ユーザーに関連付けられた識別情報の一例である。すなわち、位置検出システムでは、端末IDは、ユーザー情報管理サーバー40においてユーザー名と関連付けられ、ユーザー名は各ユーザーを識別する情報である。したがって、位置検出システムでは、端末IDは、各ユーザーに関連付けられた情報の一例になり得る。なお、認証端末10(または通信端末10A)には、ユーザー名またはユーザーID等、ユーザーを識別する他の種類の情報が格納されていてもよい。認証端末10(または通信端末10A)は、端末IDの代わりに、または、端末IDに加えて、ユーザーの位置検出用に当該他の種類の情報を含む信号を発信してもよい。
【0112】
[10]
すなわち、認証端末10(または通信端末10A)は、バッテリー140から第1通信I/F150への電力供給の有無の切替によって、第1通信I/F150が電波を発信可能な状態と発信不能な状態とを切り替える。なお、スイッチ16が第1通信I/F150とバッテリー140と接続させる状態は、第1通信I/F150が電波を発信可能な状態の一例であり、スイッチ16が第1通信I/F150をバッテリー140から切断させる状態は、第1通信I/F150が電波を発信不能な状態の一例である。認証端末10(または通信端末10A)は、バッテリー140から第1通信I/F150への通電の有無の切替以外の方法で、第1通信I/F150が電波を発信可能な状態と発信不能な状態とを切り替えても良い。
【0113】
[11]
第1通信I/F150は、たとえば、RFIDタグとして機能するRFIDデバイスによって実現されるが、これに限定されない。第1通信I/F150は、端末IDを含むビーコンを発信するビーコン発信器であってもよいし、WiFi規格に従って端末IDを含む信号を発信するWiFiモジュールであってもよい。
【0114】
[12]
認証端末10(または通信端末10A)は、バッテリー140から第1通信I/F150への電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチ16を含んでいても良く、スイッチ16によるオン/オフの状態の制御によって、電波発信部17による信号送信のオン/オフを切り替えてもよい。なお、認証端末10(または通信端末10A)は、認証の結果に応じて電波発信部17による信号送信のオン/オフを制御できればよく、電波発信部17による信号送信のオン/オフの切替は、スイッチ16を用いたものに限定されない。
【0115】
なお、スイッチ16は、ユーザー認証が失敗したときだけでなく、認証端末10(または通信端末10A)がユーザーの位置検出に利用されないときにも、第1通信I/F150(電波発信部17)への通電をオフするように構成されていてもよい。たとえば、コントローラー110は、入力装置180に対する操作などによってユーザーの位置検出を停止することを指示された場合、スイッチ16に、第1通信I/F150をバッテリー140から切断させてもよい。これにより、バッテリー140の無駄な消費が抑制され得る。
【0116】
[13]
第1の実施の形態において、認証端末10は第1の通信端末の一例であり、RFIDリーダー20(20-A~20D)は第2の通信端末の一例であり、位置検出統合サーバー50はサーバー装置の一例である。
【0117】
[14]
第2の実施の形態において、通信端末10Aは第1の通信端末の一例であり、RFIDリーダー20(20-A~20D)は第2の通信端末の一例であり、認証端末10Bは第3の通信端末の一例であり、位置検出統合サーバー50はサーバー装置の一例である。
【0118】
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0119】
10,10B 認証端末、10A 通信端末、20,20A~20D RFIDリーダー、30 位置情報検出用サーバー、40 ユーザー情報管理サーバー、50 位置検出統合サーバー、111 メモリー、112 ベルト、120 第1センサー、130 第2センサー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11