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特許7468136サイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法
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  • 特許-サイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法 図1
  • 特許-サイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法 図2
  • 特許-サイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法 図3
  • 特許-サイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法 図4
  • 特許-サイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法 図5
  • 特許-サイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】サイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法
(51)【国際特許分類】
   B04C 5/22 20060101AFI20240409BHJP
   B04C 5/12 20060101ALI20240409BHJP
   B04C 5/04 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B04C5/22
B04C5/12 Z
B04C5/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020087195
(22)【出願日】2020-05-19
(65)【公開番号】P2021181051
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】弁理士法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 伯昭
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特表平05-501830(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第3915457(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04C 1/00-11/00
B01D 45/00-45/18
F23C 10/00-10/32
F23C 15/00
F23G 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を含む気体が旋回流となるよう導入される旋回導入部と、
該旋回導入部の下端に設けられ且つ下方へ向け縮径される粒子分離回収部と、
前記旋回導入部の上端に接続される出口ダクトと、
粒子が分離された気体を前記出口ダクトへ導くよう前記旋回導入部の内部に設けられた内筒とを備えたサイクロンの出口ダクト構造において、
前記出口ダクトの天井部に形成され且つ内筒が通過自在な開口部と、
該開口部を閉塞し且つ内面に耐火材が設けられた天井蓋と
を備えたサイクロンの出口ダクト構造。
【請求項2】
前記天井蓋の表面に設けられ且つ前記天井蓋の開放時に撓み量が設定値以下となるよう保持する補強材を備えた請求項1記載のサイクロンの出口ダクト構造。
【請求項3】
前記天井蓋の耐火材は、前記出口ダクトの内周面に設けられる耐火材の周縁部に係合する段部を備えた請求項1又は2記載のサイクロンの出口ダクト構造。
【請求項4】
前記天井蓋の周縁部に形成され且つ流動化させた耐火材が供給される注入孔を備えた請求項1~3の何れか一項に記載のサイクロンの出口ダクト構造。
【請求項5】
前記気体は、循環流動層ボイラの火炉から排出される燃焼ガスである請求項4記載のサイクロンの出口ダクト構造。
【請求項6】
粒子を含む気体が旋回流となるよう導入される旋回導入部と、
該旋回導入部の下端に設けられ且つ下方へ向け縮径される粒子分離回収部と、
前記旋回導入部の上端に接続される出口ダクトと、
粒子が分離された気体を前記出口ダクトへ導くよう前記旋回導入部の内部に設けられた内筒と、
前記出口ダクトの天井部に形成され且つ内筒が通過自在な開口部と、
該開口部を閉塞し且つ内面に耐火材が設けられた天井蓋と、
該天井蓋の周縁部に形成され且つ流動化させた耐火材が供給される注入孔と
を備え、
前記天井蓋の耐火材は、前記出口ダクトの内周面に設けられる耐火材の周縁部に係合する段部を備えたサイクロンの内筒更新方法であって、
前記天井蓋を開口部から取り外す撤去工程と、
古い内筒を開口部から抜き出して新しい内筒に取り換える交換工程と、
前記段部が係合する出口ダクトの耐火材の周縁部の一部を除去するハツリ工程と、
前記天井蓋を開口部に再度取り付ける復旧工程と、
前記注入孔から流動化させた耐火材を前記ハツリ工程で除去された部分に供給する注入工程と
を含むサイクロンの内筒更新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、サイクロンは、筒体の接線方向へ粒子を含む気体を導入して旋回させることにより、該気体に遠心力を付与し、気体中の粒子を分離捕集するものであって、さまざまな分野において広く採用され、循環流動層ボイラにも設けられている。
【0003】
そして、前記サイクロンの内部には内筒が設置され、循環流動層ボイラの火炉から排出される燃焼ガスに含まれる砂や灰等の粒子を分離する役割を担っている。
【0004】
前記サイクロンの内筒は、運転中、高温の燃焼ガスに曝されており、経年的に劣化するため、定期的に交換し更新する必要がある。
【0005】
前記サイクロンの出口ダクトは、金属板と形鋼からなるダクトケーシングの内面に耐火材が取り付けられた構造を有している。前記内筒を交換する際には、前記出口ダクトの天井部分における撤去すべき箇所の耐火材のハツリが行われ、ダクトケーシングに孔を開けて、古い内筒が搬出され、新しい内筒が搬入される。この後、前記ダクトケーシングの復旧と耐火材の復旧が行われる。
【0006】
尚、循環流動層ボイラのサイクロンの一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第3897508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記出口ダクトのダクトケーシングの内面に取り付けられた耐火材は非常に硬く、該耐火材のハツリを行うのに時間が掛かっていた。
【0009】
又、前記出口ダクトの復旧時に耐火材を施工するためには、型枠を組んで流動化させた液状の耐火材を流し込む必要があり、現場での工期が長くなるという欠点を有していた。
【0010】
しかも、新たに耐火材を施工した場合には、再起動時に乾燥焚きが必要であり、このように乾燥焚きが必要となる点も現場での工期が長くなる要因となっていた。
【0011】
そこで、本開示においては、上記従来の問題点に鑑み、現場工期の短縮化を図り得るサイクロンの出口ダクト構造及び該サイクロンの内筒更新方法を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、粒子を含む気体が旋回流となるよう導入される旋回導入部と、
該旋回導入部の下端に設けられ且つ下方へ向け縮径される粒子分離回収部と、
前記旋回導入部の上端に接続される出口ダクトと、
粒子が分離された気体を前記出口ダクトへ導くよう前記旋回導入部の内部に設けられた内筒とを備えたサイクロンの出口ダクト構造において、
前記出口ダクトの天井部に形成され且つ内筒が通過自在な開口部と、
該開口部を閉塞し且つ内面に耐火材が設けられた天井蓋と
を備えたサイクロンの出口ダクト構造に係るものである。
【0013】
前記サイクロンの出口ダクト構造においては、前記天井蓋の表面に設けられ且つ前記天井蓋の開放時に撓み量が設定値以下となるよう保持する補強材を備えることが好ましい。
【0014】
前記サイクロンの出口ダクト構造において、前記天井蓋の耐火材は、前記出口ダクトの内周面に設けられる耐火材の周縁部に係合する段部を備えることが好ましい。
【0015】
又、前記サイクロンの出口ダクト構造においては、前記天井蓋の周縁部に形成され且つ流動化させた耐火材が供給される注入孔を備えることが好ましい。
【0016】
更に又、前記サイクロンの出口ダクト構造において、前記気体は、循環流動層ボイラの火炉から排出される燃焼ガスであることが好ましい。
【0017】
一方、本開示は、粒子を含む気体が旋回流となるよう導入される旋回導入部と、
該旋回導入部の下端に設けられ且つ下方へ向け縮径される粒子分離回収部と、
前記旋回導入部の上端に接続される出口ダクトと、
粒子が分離された気体を前記出口ダクトへ導くよう前記旋回導入部の内部に設けられた内筒と、
前記出口ダクトの天井部に形成され且つ内筒が通過自在な開口部と、
該開口部を閉塞し且つ内面に耐火材が設けられた天井蓋と、
該天井蓋の周縁部に形成され且つ流動化させた耐火材が供給される注入孔と
を備え、
前記天井蓋の耐火材は、前記出口ダクトの内周面に設けられる耐火材の周縁部に係合する段部を備えたサイクロンの内筒更新方法であって、
前記天井蓋を開口部から取り外す撤去工程と、
古い内筒を開口部から抜き出して新しい内筒に取り換える交換工程と、
前記段部が係合する出口ダクトの耐火材の周縁部の一部を除去するハツリ工程と、
前記天井蓋を開口部に再度取り付ける復旧工程と、
前記注入孔から流動化させた耐火材を前記ハツリ工程で除去された部分に供給する注入工程と
を含むサイクロンの内筒更新方法に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明のサイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法によれば、現場工期の短縮化を図り得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の実施例によるサイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法の形態を説明する要部側断面図であって、図5のI部拡大図である。
図2】本開示の実施例によるサイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法の形態を説明する要部平面図であって、図1のII-II矢視図である。
図3】本開示の実施例によるサイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法の形態を説明する要部側断面図であって、天井蓋を開放した状態を示す図である。
図4】本開示の実施例によるサイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法の形態を説明する要部側断面図であって、天井蓋を閉じて流動化させた耐火材を注入する状態を示す図である。
図5】本開示の実施例によるサイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法が適用される循環流動層ボイラを示す全体図である。
図6】本開示の実施例によるサイクロンの内筒更新方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示における本発明の実施例の形態を添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1図6は本開示の実施例によるサイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法の形態を示している。
【0022】
本開示の実施例によるサイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法は、例えば、循環流動層ボイラに適用される。循環流動層ボイラは、図5に示す如く、火炉100と、サイクロン200と、ループシール300と、後部伝熱部400とを備えている。
【0023】
前記火炉100は、空気分散ノズル110から吹き出される空気により燃料を砂や石灰石等からなるベッド材と共に流動化させながら燃焼させるようになっている。
【0024】
前記サイクロン200は、前記火炉100の上部に接続され、前記火炉100内での燃焼により発生した燃焼ガスに含まれる砂や灰等の粒子を捕集するようになっている。因みに、前記サイクロン200は、旋回導入部210と、粒子分離回収部220と、出口ダクト230と、内筒240とを備えている。前記旋回導入部210は、粒子を含む気体が旋回流となるよう導入される部位である。前記粒子分離回収部220は、旋回導入部210の下端に設けられ且つ下方へ向け縮径される部位である。前記出口ダクト230は、前記旋回導入部210の上端に接続され、ダクトケーシング230aの内面に耐火材231(図1参照)が設けられている。前記内筒240は、粒子が分離された気体を前記出口ダクト230へ導くよう前記旋回導入部210の内部に設けられている。尚、前記サイクロン200は、支持脚250によって支えられている。
【0025】
前記ループシール300は、前記サイクロン200で捕集された砂や灰等の粒子が粒子分離回収部220下端に接続された脚管260から内筒310を介して導入され、該粒子を空気分散ノズル320から吹き出される空気により流動化させつつ返戻管330を介して前記火炉100の底部に戻すようになっている。尚、前記ループシール300は、一般的にサイクロン200下部の圧力よりも火炉100内下部の圧力の方が高くなっていることを考慮し、この状態において、火炉100内の燃焼ガスがサイクロン200側に逆流することを防止し、且つサイクロン200で分離された砂や灰等の粒子を火炉100内に安定して戻せるようになっている。
【0026】
前記後部伝熱部400は、前記サイクロン200で砂や灰等の粒子が捕集された燃焼ガスが導入され、内部に過熱器、再熱器、節炭器等を構成する伝熱管群410が配設され、前記燃焼ガスの熱を回収して発電に利用するようになっている。
【0027】
そして、本実施例の場合、図1及び図2に示す如く、前記出口ダクト230の天井部からの内筒240(図5参照)の搬出入が円滑に行われるよう、開口部500と、天井蓋600と、補強材610とを備えた点を特徴としている。
【0028】
前記開口部500は、前記出口ダクト230の天井部に、搬出入される内筒240が通過自在となるよう形成されている。
【0029】
前記天井蓋600は、前記開口部500を閉塞し、内面(下面)に耐火材620が設けられている。
【0030】
前記補強材610は、前記天井蓋600の表面(上面)に設けられ、前記天井蓋600の開放時に撓み量が設定値以下となるよう保持する部材である。前記補強材610は、図1及び図2に示す如く、I形鋼で形成されている。但し、前記補強材610は、山形鋼や溝形鋼、或いは金属板材を曲げて形成される部材で構成しても良いことは言うまでもない。
【0031】
前記天井蓋600の耐火材620は、前記出口ダクト230の内周面に設けられる耐火材231の周縁部に係合する段部630を備えている。前記段部630は、図1に示す如く、耐火材620の外径を上下二段で上段より下段の方が小さくなるようにして形成されている。但し、前記段部630の段数は、上下二段に限らず、それ以上としても良い。
【0032】
前記天井蓋600の周縁部には、図2図3及び図4に示す如く、複数の注入孔640が形成されている。前記注入孔640は、前記内筒240の搬出入後における前記天井蓋600の復旧時に、流動化させた耐火材232が供給される孔である。
【0033】
一方、本開示の実施例によるサイクロン200の出口ダクト構造を用いた内筒更新方法は、図6に示す如く、撤去工程と、交換工程と、ハツリ工程と、復旧工程と、注入工程とを含んでいる。
【0034】
前記撤去工程は、前記天井蓋600を開口部500から取り外す工程である。
【0035】
前記交換工程は、古い内筒240を開口部500から抜き出して新しい内筒240に取り換える工程である。
【0036】
前記ハツリ工程は、前記段部630が係合する出口ダクト230の耐火材231の周縁部の一部を除去する工程である。
【0037】
前記復旧工程は、前記天井蓋600を開口部500に再度取り付ける工程である。
【0038】
前記注入工程は、前記注入孔640から流動化させた耐火材232を前記ハツリ工程で除去された部分に供給する工程である。
【0039】
次に、上記実施例の作用を説明する。
【0040】
サイクロン200の内筒240を更新する際には、先ず、天井蓋600が、図1に示す状態から図3に示す如く、開口部500から取り外される(図6の撤去工程参照)。因みに、前記天井蓋600の外周は、出口ダクト230に対しシール溶接されているが、グラインダ等の工具により溶接部分は容易に除去できる。
【0041】
ここで、前記天井蓋600の内面には耐火材620が設けられているが、前記天井蓋600の表面には補強材610が設けられているため、前記天井蓋600を耐火材620と共に開口部500から取り外して移動させても、撓み量は設定値以下に保持される。これにより、前記天井蓋600が撓んで耐火材620が損傷する心配はない。
【0042】
続いて、古い内筒240が開口部500から抜き出されて新しい内筒240に取り換えられる(図6の交換工程参照)。
【0043】
この後、前記段部630が係合する出口ダクト230の耐火材231の周縁部の一部(図3の仮想線のハッチングで示される部分)が除去される(図6のハツリ工程参照)。
【0044】
次に、図4に示す如く、前記天井蓋600が開口部500に再度取り付けられる(図6の復旧工程参照)。前記天井蓋600の外周は、出口ダクト230に対しシール溶接される。
【0045】
更に、前記天井蓋600の周縁部に形成された注入孔640から、流動化させた耐火材232が、前記ハツリ工程で除去された部分に供給される(図6の注入工程参照)。このようにハツリ工程であえて除去した部分に耐火材232を流し込むことにより、前記天井蓋600の耐火材620と出口ダクト230の耐火材231との隙間をなくして施工することが可能となる。
【0046】
この結果、前記出口ダクト230のダクトケーシング230aの内面に取り付けられた非常に硬い耐火材231のハツリを広範囲に亘って行う必要がなくなる。
【0047】
又、従来のように前記出口ダクト230の復旧時に型枠を組んで耐火材231を施工しなくて済み、再起動時の乾燥焚きも不要となり、現場での工期を大幅に短くすることが可能となる。
【0048】
前記天井蓋600の外周は、出口ダクト230溶接される。
【0049】
こうして、現場工期の短縮化を図り得る。
【0050】
そして、本実施例の場合、前記天井蓋600の表面に設けられ且つ前記天井蓋600の開放時に撓み量が設定値以下となるよう保持する補強材610を備えている。このように構成すると、前記天井蓋600を耐火材620と共に開口部500から取り外して移動させても、撓み量は前記補強材610により設定値以下に保持される。このため、前記天井蓋600が撓んで耐火材620が損傷することを防止できる。
【0051】
又、前記天井蓋600の耐火材620は、前記出口ダクト230の内周面に設けられる耐火材231の周縁部に係合する段部630を備えている。このように構成すると、ガスが直接、天井蓋600や出口ダクト230のダクトケーシング230aに当たらないようにすることができる。
【0052】
又、前記天井蓋600の周縁部に形成され且つ流動化させた耐火材232が供給される注入孔640を備えている。このように構成すると、前記天井蓋600の耐火材620と出口ダクト230の耐火材231との隙間を埋めて気密性を高めることができる。
【0053】
更に又、前記気体は、循環流動層ボイラの火炉100から排出される燃焼ガスである。このように構成すると、特に、循環流動層ボイラに設けられるサイクロン200の内筒240の搬出入を円滑に行うことができる。
【0054】
一方、本実施例のサイクロンの内筒更新方法の場合、前記天井蓋600を開口部500から取り外す撤去工程と、古い内筒240を開口部500から抜き出して新しい内筒240に取り換える交換工程と、前記段部630が係合する出口ダクト230の耐火材231の周縁部の一部を除去するハツリ工程と、前記天井蓋600を開口部500に再度取り付ける復旧工程と、前記注入孔640から流動化させた耐火材232を前記ハツリ工程で除去された部分に供給する注入工程とを含んでいる。このような工程を行ってサイクロン200の内筒240を更新すると、現場工期を大幅に短縮化する上できわめて有効となる。
【0055】
尚、本発明のサイクロンの出口ダクト構造及び内筒更新方法は、本開示にて説明した上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
100 火炉
110 空気分散ノズル
200 サイクロン
210 旋回導入部
220 粒子分離回収部
230 出口ダクト
230a ダクトケーシング
231 耐火材
232 耐火材
240 内筒
250 支持脚
260 脚管
300 ループシール
310 内筒
320 空気分散ノズル
330 返戻管
400 後部伝熱部
410 伝熱管群
500 開口部
600 天井蓋
610 補強材
620 耐火材
630 段部
640 注入孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6