(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240409BHJP
B41J 3/54 20060101ALI20240409BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240409BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G03G21/00 502
B41J3/54 B
B41J29/38
B41J29/38 301
H04N1/00 567M
(21)【出願番号】P 2020092735
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】西潟 拓未
(72)【発明者】
【氏名】内山 一信
(72)【発明者】
【氏名】和井田 瑛一
(72)【発明者】
【氏名】近 雄介
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-078942(JP,A)
【文献】特開2014-184686(JP,A)
【文献】特開2007-168227(JP,A)
【文献】特開2012-091323(JP,A)
【文献】特開2018-075775(JP,A)
【文献】特開2012-101400(JP,A)
【文献】特開2015-098101(JP,A)
【文献】特開2013-173253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01
2/165-2/20
2/21-2/215
3/01-3/54
3/62
29/00-29/70
G03G 13/34
15/00
15/36
21/00-21/02
21/14
21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する搬送装置と、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサと、
前記搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部を制御する第2プロセッサと、
を1つの筐体内に備え、
前記第1プロセッサは、前記筐体の外部
に設けられた装置から画像形成指示を受信して、前記第1画像形成部にて画像形成を行うことを決定した場合には、前記搬送装置にて用紙を搬送するための搬送準備を行うとともに、当該筐体の内部
の接続線を介して前記第2プロセッサに対して送信した前記第2画像形成部
が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作である画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの完了通知を受信した後に、
当該第1画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作を行い、当該搬送装置にて用紙を搬送するとともに当該第1画像形成部にて画像形成を行い、当該第1画像形成部にて画像を形成しないが当該第2画像形成部にて画像を形成する単独処理を行うことを把握した場合には、当該完了通知を受信する前に、当該搬送準備を行い、当該完了通知を受信した後に、当該搬送装置に用紙を搬送させる
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1プロセッサは、前記筐体の外部
に設けられた装置から前記単独処理の画像形成指示を受信することで当該単独処理を行うことを把握する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2プロセッサは、前記筐体の外部
に設けられた装置から、前記単独処理に関する画像形成指示であって、前記第1プロセッサが受信した当該単独処理の画像形成指示とは異なる画像形成指示を受信することで、前記準備指示の送信の要求を当該第1プロセッサに送信し、
前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサから前記要求を受信した場合には、前記準備指示を当該第2プロセッサに送信する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1プロセッサは、前記画像形成指示を受信した後に、前記第1画像形成部にて画像形成を行わないことを決定することで前記単独処理を行うことを把握する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1プロセッサは、前記第1画像形成部にて画像形成を行わないことを決定した場合には、前記筐体の外部
に設けられた装置に対して、
前記単独処理を行うべき旨の指示を前記第2プロセッサに送信する
ように指示する
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1プロセッサは、前記第1画像形成部に異常が生じている場合に、当該第1画像形成部にて画像形成を行わないと判断する
請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
用紙を搬送する搬送装置と、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサと、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部を制御する第2プロセッサと、を1つの筐体内に備える画像形成装置と、
前記第1画像形成部および前記第2画像形成部にて画像を形成する必要がある場合には、前記第1プロセッサに当該第1画像形成部にて画像を形成するべき旨の指示を送信するとともに、前記第2プロセッサに当該第2画像形成部にて画像を形成するべき旨の指示を送信し、当該第1画像形成部にて画像を形成する必要はないが当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がある場合には、当該第1プロセッサに当該第1画像形成部にて画像を形成する必要がないが当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がある旨の指示を送信するとともに、当該第2プロセッサに当該第2画像形成部にて画像を形成するべき旨の指示を送信する、端末装置と、
を備え
、
前記第1プロセッサは、前記筐体の外部に設けられた装置から画像形成指示を受信して、前記第1画像形成部にて画像形成を行うことを決定した場合には、前記搬送装置にて用紙を搬送するための搬送準備を行うとともに、当該筐体の内部の接続線を介して前記第2プロセッサに対して送信した前記第2画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作である画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの完了通知を受信した後に、当該第1画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作を行い、当該搬送装置にて用紙を搬送するとともに当該第1画像形成部にて画像形成を行い、当該第1画像形成部にて画像を形成しないが当該第2画像形成部にて画像を形成する単独処理を行うことを把握した場合には、当該完了通知を受信する前に、当該搬送準備を行い、当該完了通知を受信した後に、当該搬送装置に用紙を搬送させる
画像形成システム。
【請求項8】
用紙を搬送する搬送装置と当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサに、
筐体の外部
に設けられた装置から画像形成指示を受信して、前記第1画像形成部にて画像形成を行うことを決定した場合には、前記搬送装置にて用紙を搬送するための搬送準備を行うとともに、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部を制御する第2プロセッサに対して当該筐体の内部
の接続線を介して送信した当該第2画像形成部
が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作である画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの完了通知を受信した後に、
当該第1画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作を行い、当該搬送装置にて用紙を搬送するとともに当該第1画像形成部にて画像形成を実行させる機能と、
前記第1画像形成部にて画像を形成しないが前記第2画像形成部にて画像を形成する単独処理を行うことを把握した場合には、前記完了通知を受信する前に、前記搬送準備を行い、当該完了通知を受信した後に、前記搬送装置に用紙を搬送させる機能と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1枚の用紙に対して、2つの画像形成部が画像を形成する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、以下のように構成された画像形成システムが記載されている。すなわち、画像形成システムは、第1の画像形成装置および第2の画像形成装置を備えて構成される。第1の画像形成装置は、画像処理コントローラー、第1の制御部、画像形成部等を備えて構成される。第2の画像形成装置は、第2の制御部、画像形成部等を備えて構成される。そして、画像形成システムは、両面印刷する場合、給紙部から用紙を給紙し第1の画像形成装置により用紙の表面を印刷する。その後、画像形成システムは、反転機構により用紙を反転させて、用紙を第2の画像形成装置に搬送する。そして、画像形成システムは、第2の画像形成装置により用紙の裏面を印刷する。画像形成システムは、用紙の裏面を印刷した後、用紙を排紙トレイに排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、1つの筐体を有する1台の画像形成装置において、1つの筐体の中に、1つの用紙にともに画像を形成する2つの画像形成部と、これら2つの画像形成部それぞれを制御する2つの制御部と、を備え、一方の制御部で用紙を搬送する制御を行う構成とすることが考えられる。かかる構成において、2つの画像形成部にて画像を形成する必要がある場合には、2つの制御部は、それぞれ、2つの画像形成部にて画像を形成する必要がある画像形成指示を受信する。これに対して、2つの画像形成部の内の、他方の制御部が制御を行う他方の画像形成部にて画像を形成する必要があるが、一方の画像形成部にて画像を形成する必要がない画像形成指示の場合は、他方の制御部は受信するが、一方の制御部は受信しないことが考えられる。かかる場合において、一方の制御部が、他方の制御部から画像形成準備が完了したことの通知を受け取ってから、自身が制御する用紙の搬送等の画像形成に伴う準備を開始するのでは、画像形成指示受信から画像形成が完了するまでに要する時間が長くなってしまう。
本発明は、第2画像形成部では画像形成を行うが第1画像形成部では画像形成を行わない画像形成処理において、一方の制御部が他方の制御部から完了通知を受信するまで画像形成に伴う準備を行わない場合よりも、画像形成指示受信から画像形成完了までに要する時間を短くすることができる画像形成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、用紙を搬送する搬送装置と、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサと、前記搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部を制御する第2プロセッサと、を1つの筐体内に備え、前記第1プロセッサは、前記筐体の外部に設けられた装置から画像形成指示を受信して、前記第1画像形成部にて画像形成を行うことを決定した場合には、前記搬送装置にて用紙を搬送するための搬送準備を行うとともに、当該筐体の内部の接続線を介して前記第2プロセッサに対して送信した前記第2画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作である画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの完了通知を受信した後に、当該第1画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作を行い、当該搬送装置にて用紙を搬送するとともに当該第1画像形成部にて画像形成を行い、当該第1画像形成部にて画像を形成しないが当該第2画像形成部にて画像を形成する単独処理を行うことを把握した場合には、当該完了通知を受信する前に、当該搬送準備を行い、当該完了通知を受信した後に、当該搬送装置に用紙を搬送させる画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記第1プロセッサは、前記筐体の外部に設けられた装置から前記単独処理の画像形成指示を受信することで当該単独処理を行うことを把握する請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第2プロセッサは、前記筐体の外部に設けられた装置から、前記単独処理に関する画像形成指示であって、前記第1プロセッサが受信した当該単独処理の画像形成指示とは異なる画像形成指示を受信することで、前記準備指示の送信の要求を当該第1プロセッサに送信し、前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサから前記要求を受信した場合には、前記準備指示を当該第2プロセッサに送信する請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記第1プロセッサは、前記画像形成指示を受信した後に、前記第1画像形成部にて画像形成を行わないことを決定することで前記単独処理を行うことを把握する請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記第1プロセッサは、前記第1画像形成部にて画像形成を行わないことを決定した場合には、前記筐体の外部に設けられた装置に対して、前記単独処理を行うべき旨の指示を前記第2プロセッサに送信するように指示する請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第1プロセッサは、前記第1画像形成部に異常が生じている場合に、当該第1画像形成部にて画像形成を行わないと判断する請求項4または5に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、用紙を搬送する搬送装置と、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサと、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部を制御する第2プロセッサと、を1つの筐体内に備える画像形成装置と、前記第1画像形成部および前記第2画像形成部にて画像を形成する必要がある場合には、前記第1プロセッサに当該第1画像形成部にて画像を形成するべき旨の指示を送信するとともに、前記第2プロセッサに当該第2画像形成部にて画像を形成するべき旨の指示を送信し、当該第1画像形成部にて画像を形成する必要はないが当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がある場合には、当該第1プロセッサに当該第1画像形成部にて画像を形成する必要がないが当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がある旨の指示を送信するとともに、当該第2プロセッサに当該第2画像形成部にて画像を形成するべき旨の指示を送信する、端末装置と、を備え、前記第1プロセッサは、前記筐体の外部に設けられた装置から画像形成指示を受信して、前記第1画像形成部にて画像形成を行うことを決定した場合には、前記搬送装置にて用紙を搬送するための搬送準備を行うとともに、当該筐体の内部の接続線を介して前記第2プロセッサに対して送信した前記第2画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作である画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの完了通知を受信した後に、当該第1画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作を行い、当該搬送装置にて用紙を搬送するとともに当該第1画像形成部にて画像形成を行い、当該第1画像形成部にて画像を形成しないが当該第2画像形成部にて画像を形成する単独処理を行うことを把握した場合には、当該完了通知を受信する前に、当該搬送準備を行い、当該完了通知を受信した後に、当該搬送装置に用紙を搬送させる画像形成システムである。
請求項8に記載の発明は、用紙を搬送する搬送装置と当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサに、筐体の外部に設けられた装置から画像形成指示を受信して、前記第1画像形成部にて画像形成を行うことを決定した場合には、前記搬送装置にて用紙を搬送するための搬送準備を行うとともに、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部を制御する第2プロセッサに対して当該筐体の内部の接続線を介して送信した当該第2画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作である画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの完了通知を受信した後に、当該第1画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作を行い、当該搬送装置にて用紙を搬送するとともに当該第1画像形成部にて画像形成を実行させる機能と、前記第1画像形成部にて画像を形成しないが前記第2画像形成部にて画像を形成する単独処理を行うことを把握した場合には、前記完了通知を受信する前に、前記搬送準備を行い、当該完了通知を受信した後に、前記搬送装置に用紙を搬送させる機能と、を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、第2画像形成部では画像形成を行うが第1画像形成部では画像形成を行わない単独処理において、第1プロセッサが第2プロセッサから完了通知を受信するまで画像形成に伴う準備を行わない場合よりも、画像形成指示受信から画像形成完了までに要する時間を短くすることができる。
請求項2の発明によれば、第1プロセッサが第2プロセッサから通知を受信することで単独処理を行うことを把握する場合よりも、確度高く単独処理を行うことを把握することができる。
請求項3の発明によれば、単独処理を行う場合であっても、搬送装置を制御する第1プロセッサと、第2画像形成部を制御する第2プロセッサとが連携して、単独処理を実現することができる。
請求項4の発明によれば、例えば第1プロセッサが第1画像形成部にて画像形成を行わない旨を外部の装置に送信し、当該外部の装置が第1プロセッサに対して送信した単独処理を行う旨を受信することで把握する場合よりも、早期に把握することができる。
請求項5の発明によれば、例えば第1プロセッサが筐体の内部に設けられた第2プロセッサとの接続線を介して第2プロセッサに送信する場合であって当該接続線を介して送信可能な情報量が外部の装置と第2プロセッサとの接続線よりも少ない場合と比べて、早期に単独処理を行うべき旨の指示を送信することができる。
請求項6の発明によれば、例えば第1画像形成部10に異常が生じている場合には単独処理を行わない構成よりも、ユーザの利便性を向上させることができる。
請求項7の発明によれば、単独処理において、第1プロセッサが第2プロセッサから完了通知を受信するまで画像形成に伴う準備を行わない場合よりも、画像形成指示受信から画像形成完了までに要する時間を短くすることができる。
請求項8の発明によれば、単独処理において、第1プロセッサが第2プロセッサから完了通知を受信するまで画像形成に伴う準備を行わない場合よりも、画像形成指示受信から画像形成完了までに要する時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態に係る画像形成システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】画像形成装置の内部構造の概略構成の一例を示す図である。
【
図4】第1制御部および第2制御部のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【
図5】第1制御部および第2制御部が行う処理手順の一例を示す図である。
【
図6】第1主制御部および第2主制御部が第2単独指示を受信した場合における、第1制御部および第2制御部が行う処理手順の一例を示す図である。
【
図7】第1主制御部が第1単独指示を受信し、単独処理を行うと判断した場合における、第1制御部および第2制御部が行う処理手順の一例を示す図である。
【
図8】第1主制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1主制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第2主制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態に係る画像形成システム1の概略構成の一例を示す図である。
図2は、端末装置8のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3は、画像形成装置2の内部構造の概略構成の一例を示す図である。
画像形成システム1は、画像形成装置2と、画像形成装置2と通信回線9を介して接続された端末装置8と、を備えている。なお、
図1には、1つの画像形成装置2、端末装置8を示しているが、複数の画像形成装置2、端末装置8を備えていても良い。
画像形成装置2は、1つの筐体3の中に、1つの用紙にともに画像を形成する2つの画像形成部である第1画像形成部10および第2画像形成部20と、第1画像形成部10を制御する第1制御部100と、第2画像形成部20を制御する第2制御部200と、を備える。また、画像形成装置2においては、第1制御部100が、用紙を搬送する用紙搬送装置40の制御を行う。画像形成装置2の詳細については、後で詳述する。
【0009】
(端末装置)
端末装置8は、装置全体を制御する制御部81と、データ等の記憶に用いられる記憶部82と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部83と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部84と、外部装置との通信に用いられる通信部85とを備えている。
【0010】
制御部81は、CPU(Central Processing Unit)81a、ROM(Read Only Memory)81b、RAM(Random Access Memory)81cにより構成される。ROM81bには、CPU81aにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPU81aは、RAM81cを作業エリアに使用し、ROM81bや記憶部82から読み出したアプリケーションプログラム等を実行する。CPU81aがプログラムを実行することにより、端末装置8の各部が制御される。
【0011】
記憶部82は、半導体メモリなどの記憶装置であることを例示することができる。記憶部82には、例えば文書作成アプリケーション等のアプリケーションプログラム、プリンタードライバおよびスプーラ等を記憶する。例えば文書作成アプリケーションは、文書の画像を用紙に形成するための指示を生成する。プリンタードライバは、文書作成アプリケーションから出力された画像形成の指示を取得し、画像形成装置2で解析可能な形式のコマンドに変換する。スプーラは、プリンタードライバから出力された変換済みのコマンドを一時的に記憶し、画像形成装置2による画像形成の処理完了を待って次のコマンドを出力する。
【0012】
より具体的には、プリンタードライバは、例えば文書作成アプリケーションから出力された画像形成の指示を取得した後、第1画像形成部10および第2画像形成部20のそれぞれの特性を考慮し、第1制御部100で解析可能な形式のコマンドと、第2制御部200で解析可能な形式のコマンドとに変換する。また、スプーラは、第1制御部100用のコマンドを第1制御部100に対して出力し、第2制御部200用のコマンドを第2制御部200に対して出力する。以下では、スプーラから出力された変換済みのコマンドを、「画像形成指示」と称する場合がある。
【0013】
表示部83は、静止画像や動画像等を表示するディスプレイ装置である。表示部83は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであることを例示することができる。
操作部84は、ユーザからの操作を受け付ける入力装置である。操作部84は、ボタン、スイッチ、タッチパネルであることを例示することができる。
通信部85は、通信インターフェースであることを例示することができる。
【0014】
以上のように構成された端末装置8は、ノートPC、デスクトップPC、タブレットPC、タブレット端末、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(PDA)等であることを例示することができる。
【0015】
(画像形成装置)
画像形成装置2は、記録材の一例としての用紙に画像を形成する第1画像形成部10と、用紙に画像を形成する第2画像形成部20と、を備えている。また、画像形成装置2は、用紙を保持する用紙保持部30と、用紙保持部30に保持された用紙を第1画像形成部10等に搬送する用紙搬送装置40と、を備えている。また、画像形成装置2は、用紙上に形成されたトナー像を加熱および加圧して定着する定着装置50と、定着装置50にてトナー像が定着されることで画像が形成された用紙を積載する用紙積載部60と、情報の表示等を行うユーザインタフェース(以下、「UI」と称する場合がある。)70と、を備えている。また、画像形成装置2は、第1画像形成部10、用紙搬送装置40、定着装置50等を制御する第1制御部100と、第2画像形成部20を制御する第2制御部200と、を備えている。
【0016】
第1画像形成部10は、一定の間隔をおいて並列的に配置され、収納されたトナーの色のトナー像を形成する4つの画像形成ユニット11を備えている。各画像形成ユニット11は、トナー像を保持する感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を帯電する帯電器13と、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を各色画像データに基づき露光して感光体ドラム12上に静電潜像を形成するLED(Light Emitting Diode)プリントヘッド14と、を備えている。また、各画像形成ユニット11には、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12を清掃するドラムクリーナ16と、を備えている。本実施の形態に係る4つの画像形成ユニット11は、それぞれ現像器15が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナーを収納しており、それぞれの色のトナー像を形成する。
【0017】
さらに、第1画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト17を備えている。また、第1画像形成部10は、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト17に順次転写(一次転写)する一次転写ロール18と、中間転写ベルト17上に重畳して転写された各色トナー像を用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール19と、を備えている。
【0018】
第2画像形成部20は、第1画像形成部10と同様に、4つの画像形成ユニット21と、中間転写ベルト27と、一次転写ロール28と、二次転写ロール29と、を備えている。各画像形成ユニット21は、画像形成ユニット11と同様に、感光体ドラム22と、帯電器23と、LEDプリントヘッド24と、現像器25と、ドラムクリーナ26と、を備えている。本実施の形態に係る4つの画像形成ユニット21は、それぞれ現像器25が、白、金、銀、クリアのトナーを収納しており、それぞれの色のトナー像を形成する。なお、各画像形成ユニット21の現像器25が収納するトナーの色は、上記色に限定されない。例えば、赤、青、緑であっても良い。
【0019】
用紙搬送装置40は、上下方向に離れて配置された上ロール41および下ロール42と、上ロール41および下ロール42に架け渡された搬送ベルト43と、を備えている。また、用紙搬送装置40は、用紙保持部30に保持された用紙を搬送ベルト43の方へ供給する供給ロール44と、供給ロール44と搬送ベルト43との間に配置された搬送ロール45と、を備えている。また、用紙搬送装置40は、搬送する用紙の通過を検出するセンサ46を複数備えている。
【0020】
定着装置50は、搬送されてきた用紙を加熱する加熱ロール51と、加熱ロール51に押し当てられ加熱ロール51との間に加圧部を形成するベルトモジュール52と、を備えている。定着装置50は、トナー像が形成された用紙を加圧部にて加圧および加熱することにより、トナー像を用紙に定着させる。
また、UI70は、表示パネル等により構成され、ユーザからの情報を受け付けるとともに、ユーザに対して情報を表示する。
【0021】
以上のように構成された画像形成装置2は以下のように作動する。
第1画像形成部10の画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された4色のトナー像は、一次転写ロール18によって、中間転写ベルト17上に一次転写され、中間転写ベルト17上には、4色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。そして、中間転写ベルト17上のこの重畳トナー像は、中間転写ベルト17の移動に伴って二次転写ロール19が配置された二次転写部に搬送される。
第1画像形成部10の重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、そのタイミングに合わせて用紙保持部30から用紙が二次転写部に供給される。そして、重畳トナー像は、二次転写部にて、二次転写ロール19が形成する転写電界により、搬送されてきた用紙上に一括して二次転写される。
【0022】
一方、第2画像形成部20の画像形成ユニット21の感光体ドラム22に形成された、他の4色のトナー像は、一次転写ロール28によって、中間転写ベルト27上に一次転写され、中間転写ベルト27上には、他の4色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。そして、中間転写ベルト27上のこの重畳トナー像は、中間転写ベルト27の移動に伴って二次転写ロール29が配置された二次転写部に搬送される。
第2画像形成部20の重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、そのタイミングに合わせて、第1画像形成部10にて重畳トナー像が静電転写された用紙がこの二次転写部に供給される。そして、第2画像形成部20の重畳トナー像は、二次転写部にて、二次転写ロール29が形成する転写電界により、搬送されてきた第1画像形成部10にて重畳トナー像が静電転写された用紙における重畳トナー像上に一括して二次転写される。
【0023】
その後、第1画像形成部10の重畳トナー像と、第2画像形成部20の重畳トナー像とが重畳された重畳トナー像が静電転写された用紙は、定着装置50まで搬送される。定着装置50に搬送された用紙上のトナー像は、定着装置50によって加熱および加圧され、用紙上に定着される。そして、定着画像が載った用紙は、画像形成装置2の用紙積載部60へ搬送される。
【0024】
図4は、第1制御部100および第2制御部200のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
(第1制御部100)
第1制御部100は、第1画像形成部10、用紙搬送装置40、定着装置50等の動作を制御する第1主制御部110と、第1主制御部110の制御のもとこれらの装置の動作を制御する第1従制御部120と、を備えている。
【0025】
第1主制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、半導体メモリ等の記憶部114と、外部装置との通信に用いられる通信部115と、を備えている。通信部115は、通信インターフェース(通信I/F)であることを例示することができる。
ROM112には、CPU111により実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPU111は、RAM113を作業エリアに使用し、ROM112や記憶部114から読み出したプログラムを実行する。CPU111がプログラムを実行することにより、以下に述べる、第1主制御部110の機能が実現される。
【0026】
第1主制御部110は、通信部115を介して、第1従制御部120、第2制御部200およびUI70と、情報の送受信を行う。
また、第1主制御部110は、通信部115を介して、外部、例えば端末装置8からの画像形成指示を受信する。第1主制御部110は、受信した画像形成指示を解析する。画像形成指示は、形成すべき画像のデータである画像データおよび指示された画像形成の設定が含まれる。なお、画像形成の設定は、画像を形成すべき用紙のサイズや材質、使用する色材の色の指定であることを例示することができる。
【0027】
また、第1主制御部110は、受信した画像データに対し予め定めた画像処理を施す。第1主制御部110は、第1画像形成部10の再現色、つまり、第1画像形成部10の色材であるトナーの色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K))であるYMCKデータに変換して出力する。このYMCKデータは、色毎に分離されたY色データ、M色データ、C色データ、K色データで構成される。
また、第1主制御部110は、受信した画像形成指示に係る用紙のサイズや材質を第1従制御部120に通知する。
【0028】
第1従制御部120は、第1主制御部110と同様に、CPU121と、ROM122と、RAM123と、記憶部124と、通信部125と、を備えている。CPU121は、RAM123を作業エリアに使用し、ROM122や記憶部124から読み出したプログラムを実行することにより、以下に述べる、第1従制御部120の機能が実現される。
第1従制御部120は、第1主制御部110との間で制御情報の受け渡しを行って、第1画像形成部10における露光、現像、転写の各プロセスや、用紙搬送装置40による転写タイミングに合わせた用紙の繰出しおよび搬送、定着装置50によるトナー画像の定着等の制御を行う。
【0029】
また、第1従制御部120は、第1画像形成部10が有するトナーのトナー切れや、用紙搬送装置40における紙詰まりの発生等の、エラーが発生していることの情報を取得する。第1従制御部120は、これらのエラー情報を、第1主制御部110に通知する。第1主制御部110は、これらのエラー情報を、UI70の表示パネルに表示させることでユーザに報知する。そして、例えば、エラーがトナー切れである場合には、トナーが補充されると、第1従制御部120は、発生していたエラーが解消したことの情報を取得する。また、例えば、エラーが紙詰まりである場合には、紙詰まりが解消されると、第1従制御部120は、発生していたエラーが解消したことの情報を取得する。そして、第1従制御部120は、エラーが解消したことを、第1主制御部110に通知する。第1主制御部110は、エラーが解消したことを、UI70の表示パネルに表示させることでユーザに報知する。
【0030】
(第2制御部200)
第2制御部200は、第2画像形成部20の動作を制御する第2主制御部210と、第2主制御部210の制御のもと第2画像形成部20の動作を制御する第2従制御部220と、を備えている。第2主制御部210は、第1主制御部110と、接続線150を介して、情報の送受信を行う。
【0031】
第2主制御部210は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、半導体メモリ等の記憶部214と、外部装置との通信に用いられる通信部215と、を備えている。
ROM212には、CPU211により実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPU211は、RAM213を作業エリアに使用し、ROM212や記憶部214から読み出したプログラムを実行する。CPU211がプログラムを実行することにより、以下に述べる、第2主制御部210の機能が実現される。
【0032】
第2主制御部210は、通信部215を介して、第2従制御部220、第1制御部100およびUI70と、情報の送受信を行う。
また、第2主制御部210は、通信部215を介して、例えばユーザ端末(例えばPC)からの画像形成指示を受信する。第2主制御部210は、受信した画像形成指示を解析する。画像形成指示には、形成すべき画像のデータである画像データや、指示された画像形成の設定などが含まれている。
【0033】
また、第2主制御部210は、受信した画像データに対し予め定めた画像処理を施す。第2主制御部210は、第2画像形成部20の再現色、つまり、第2画像形成部20の色材であるトナーの色(白、金、銀、クリア)である、白色データ、金色データ、銀色データ、クリアデータに変換して出力する。
また、第2主制御部210は、受信した画像形成指示に係る用紙のサイズや材質を第2従制御部220に通知する。
【0034】
第2従制御部220は、CPU221と、ROM222と、RAM223と、記憶部224と、通信部225と、を備えている。CPU221は、RAM223を作業エリアに使用し、ROM222や記憶部224から読み出したプログラムを実行することにより、以下に述べる、第2従制御部220の機能が実現される。
第2従制御部220は、第2主制御部210との間で制御情報の受け渡しを行って、第2画像形成部20における露光、現像、転写等の制御を行う。
また、第2従制御部220は、第2画像形成部20が有するトナーのトナー切れのエラーが発生していることの情報を取得する。第2従制御部220は、エラー情報を、第2主制御部210に通知する。第2主制御部210は、これらのエラー情報を、UI70の表示パネルに表示させることでユーザに報知する。そして、例えば、エラーがトナー切れである場合には、トナーが補充されると、第2従制御部220は、発生していたエラーが解消したことの情報を取得する。そして、第2従制御部220は、エラーが解消したことを、第2主制御部210に通知する。第2主制御部210は、エラーが解消したことを、UI70の表示パネルに表示させることでユーザに報知する。
【0035】
(第1制御部100と第2制御部200との連携について)
第1制御部100と第2制御部200とは、起動後、相互に情報を送受信し、第1制御部100の制御のもと作動する用紙搬送装置40が搬送する用紙に対して、第1画像形成部10が4色の重畳トナー像を二次転写させるとともに、第2画像形成部20が他の4色の重畳トナー像を二次転写させる。以下、第1画像形成部10が用紙に4色の重畳トナー像を二次転写することを、「第1画像形成部10が画像を形成する」と称する場合がある。また、以下、第2画像形成部20が用紙に他の4色の重畳トナー像を二次転写することを、「第2画像形成部20が画像を形成する」と称する場合がある。
【0036】
以下に、第1制御部100および第2制御部200が行う処理手順について説明する。
ここで、端末装置8のプリンタードライバは、例えば文書作成アプリケーションから出力された画像形成の指示を取得した後、第1画像形成部10および第2画像形成部20にて画像を形成する必要がある指示である場合には、第1主制御部110および第2主制御部210用のコマンドに変換する。そして、スプーラは、第1主制御部110および第2主制御部210それぞれに対して、コマンドを出力する。このようにして、端末装置8は、第1主制御部110および第2主制御部210それぞれに対して、画像形成指示を送信する。以下では、第1画像形成部10および第2画像形成部20にて画像を形成する必要がある画像形成指示を、「協同指示」と称する場合がある。端末装置8は、第1主制御部110および第2主制御部210それぞれに対して、協同指示を送信する。
【0037】
他方、端末装置8のプリンタードライバは、例えば文書作成アプリケーションから出力された指示が、第1画像形成部10にて画像を形成する必要があるが第2画像形成部20にて画像を形成する必要がない指示である場合(例えば、第2画像形成部20が有するトナーを用いることなく、第1画像形成部10が有するトナーを用いて画像を形成する指示である場合や、ユーザが端末装置8上で、プリンタドライバを介して、第1画像形成部10での画像形成のみを指定する場合)には、第1主制御部110用のコマンドに変換する。そして、スプーラは、第1主制御部110に対して、そのコマンドを出力する。このようにして、端末装置8は、第1主制御部110に対して、画像形成指示を送信する。以下では、第1画像形成部10にて画像を形成する必要があるが第2画像形成部20にて画像を形成する必要がない画像形成指示を、「第1単独指示」と称する場合がある。端末装置8は、第1主制御部110に対してのみ、第1単独指示を送信する。端末装置8は、第1単独指示に、第1画像形成部10にて画像を形成する必要があるが第2画像形成部20にて画像を形成する必要がない旨の情報を含ませる。
【0038】
また、端末装置8のプリンタードライバは、例えば文書作成アプリケーションから出力された指示が、第2画像形成部20にて画像を形成する必要があるが第1画像形成部10にて画像を形成する必要がない指示である場合(例えば、第1画像形成部10が有するトナーを用いることなく、第2画像形成部20が有するトナーを用いて画像を形成する指示である場合や、ユーザが端末装置8上で、プリンタドライバを介して、第2画像形成部20での画像形成のみを指定する場合)には、第2主制御部210用のコマンドに変換する。そして、スプーラは、第2主制御部210に対して、そのコマンドを出力する。第1画像形成部10にて画像を形成する必要がなくても、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がある場合には、第1主制御部110は、用紙搬送装置40や定着装置50等を制御する必要があることから、プリンタードライバは、例えば文書作成アプリケーションから出力された指示を、第1主制御部110が用紙搬送装置40や定着装置50等を制御するためのコマンドに変換する。そして、スプーラは、第1主制御部110に対して、そのコマンドを出力する。このようにして、端末装置8は、第1主制御部110および第2主制御部210に対して、画像形成指示を送信する。以下では、第2画像形成部20にて画像を形成する必要があるが第1画像形成部10にて画像を形成する必要がない画像形成指示を、「第2単独指示」と称する場合がある。端末装置8は、第1主制御部110および第2主制御部210それぞれに対して、第2単独指示を送信する。端末装置8は、第2単独指示に、第2画像形成部20にて画像を形成する必要があるが第1画像形成部10にて画像を形成する必要がない旨の情報を含ませる。
【0039】
図5は、第1制御部100および第2制御部200が行う処理手順の一例を示す図である。
図5には、第1制御部100および第2制御部200が協同指示を受信した場合の処理を示している。
第1主制御部110は、通信部115を介して、例えば端末装置8から画像形成指示を受信する(S501)と、第1従制御部120に対して、指示された画像形成の設定を通知する(S502)。これにより、第1従制御部120は、画像形成の設定を取得するとともに、画像形成に伴う準備を指示する(S503)。画像形成に伴う準備としては、例えば用紙搬送装置40が用紙を搬送することができるようにするのに必要な準備(以下、「搬送準備」と称する場合がある。)の動作であり、供給ロール44等の各種ロールを回転させるモータを起動することを例示することができる。また、定着装置50がトナー像を用紙に定着させるのに必要な準備の動作であり、加熱ロール51の温度を上昇させることを例示することができる。
その後、第1主制御部110は、第1画像形成部10のトナー切れや紙詰まり等のエラーが発生しているか否かを判断する(S504)。エラーが発生していない場合(S504でno)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信する(S505)。一方、エラーが発生している場合(S504でyes)、第1主制御部110は、エラーが解消するまで待機する。
【0040】
第2主制御部210は、第1主制御部110が送信した準備指示を受信する(S506)。その後、第2主制御部210は、通信部215を介して、例えば端末装置8から画像形成指示を受信している(S507)ことを条件に、第2従制御部220に対して、画像形成の設定を通知する(S508)。これにより、第2従制御部220は、画像形成の設定を取得する(S509)。なお、画像形成指示の受信(S507)は、第1主制御部110からの準備指示の受信(S506)よりも先であっても良い。
【0041】
その後、第2主制御部210は、第2画像形成部20にトナー切れ等のエラーが発生しているか否かを判断する(S510)。エラーが発生していない場合(S510でno)、第2主制御部210は、第2従制御部220に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S511)。第2従制御部220は、準備指示を取得(S512)後、第2画像形成部20に画像形成準備を指示する(S513)。画像形成準備は、第2画像形成部20が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作であり、現像器25等のウォームアップ、画質調整処理、劣化したトナーの自発的な廃棄動作等であることを例示することができる。いずれも、電力消費を伴う動作であり、トナーの消費を伴う動作もある。そして、第2画像形成部20は、画像形成準備が完了次第、待機状態となる。一方、エラーが発生している場合(S510でyes)、第2主制御部210は、エラーが解消するまで待機する。
【0042】
第2主制御部210は、第2画像形成部20の画像形成準備が完了した場合に、第1主制御部110に対して、準備が完了した旨の完了通知を送信する(S514)。なお、第2主制御部210は、第2従制御部220が、画像形成準備を指示した(S513)後、第2画像形成部20から、準備が完了した旨の通知を受けた場合に第2画像形成部20の画像形成準備が完了したと判断しても良い。また、第2主制御部210は、第2従制御部220が、画像形成準備を指示した(S513)後、予め定められた期間が経過したときに第2画像形成部20の画像形成準備が完了したと判断しても良い。
第1主制御部110は、第2主制御部210からの完了通知を受信(S515)後に、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S516)。第1従制御部120は、準備指示を取得(S517)後、第1画像形成部10に画像形成準備を指示する(S518)。画像形成準備は、現像器15等のウォームアップ、画質調整処理、劣化したトナーの自発的な廃棄動作等であることを例示することができる。そして、第1画像形成部10は、画像形成準備が完了次第、待機状態となる。
【0043】
第1従制御部120は、第1画像形成部10の画像形成準備が完了した場合に、用紙搬送装置40に用紙を搬送開始させる(S519)とともに、第1画像形成部10に、搬送されてきた用紙に画像を形成させる(S520)。なお、第1主制御部110は、画像形成準備を指示した(S516)後、第1画像形成部10から、準備が完了した旨の通知を受けた場合に第1画像形成部10の画像形成準備が完了したと判断しても良い。また、第1主制御部110は、画像形成準備を指示した(S516)後、予め定められた期間が経過したときに第1画像形成部10の画像形成準備が完了したと判断しても良い。
【0044】
第2従制御部220は、第2画像形成部20に、搬送されてきた用紙に画像を形成させる(S521)。
そして、第1従制御部120は、定着装置50に、搬送された用紙上のトナー像を定着させるとともに、定着後の用紙を用紙積載部60に排出し、画像形成を完了させる(S522)。
その後、第1従制御部120は、画像形成が完了した旨を第1主制御部110に通知する(S523)。第1主制御部110は、完了通知を取得(S524)後、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信する(S525)。
第2主制御部210は、完了通知を受信(S526)後、完了通知を受信した旨を、第1主制御部110に対して送信する(S527)。
【0045】
第1主制御部110は、完了通知を受信した旨を受信(S528)後、画像形成動作を終了する(S529)。なお、この画像形成動作の終了には、第1画像形成部10におけるトナー像の形成動作の終了と、RAM113や記憶部114に保持された、今回の画像形成に伴う情報の消去処理と、が含まれる。
第2主制御部210は、完了通知を受信した旨を、第1主制御部110に対して送信した(S527)後、画像形成動作を終了する(S530)。なお、この画像形成動作の終了には、第2画像形成部20におけるトナー像の形成動作の終了と、RAM213や記憶部214に保持された、今回の画像形成に伴う情報の消去処理と、が含まれる。
【0046】
このように、本実施の形態においては、第1制御部100と第2制御部200とを連携させて画像形成を行う。
例えば、第1主制御部110は、自身の制御対象である第1画像形成部10や用紙搬送装置40にエラーが発生していない場合に、第2主制御部210に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信する(S505)。第2主制御部210は、この準備指示を受信した(S506)後、自身の制御対象である第2画像形成部20にエラーが発生していない場合に、第2従制御部220に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S511)。また、第2主制御部210は、第2画像形成部20の画像形成準備が完了した場合に、第1主制御部110に対して、準備が完了した旨の完了通知を送信する(S514)。第1主制御部110は、この完了通知を受信した(S515)後、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示等を通知する(S516)。
【0047】
これにより、例えば第1制御部100と第2制御部200とを連携させずに、ともに独立して動作させることに起因して、第1画像形成部10による画像形成動作開始時期と、第2画像形成部20による画像形成動作開始時期とがずれることを抑制する。例えば、第2画像形成部20の画像形成準備が完了していないにも関わらず、用紙搬送装置40による用紙搬送や第1画像形成部10による画像形成動作が開始されてしまい、第2画像形成部20による画像形成動作が間に合わないことを抑制する。
また、第1画像形成部10や用紙搬送装置40にエラーが発生しているにも関わらず、第2画像形成部20が長時間に亘って待機状態であることに起因して電力が無駄に消費されることを抑制する。また、第2画像形成部20にエラーが発生しているにも関わらず、第1画像形成部10が長時間に亘って待機状態であることに起因して電力が無駄に消費されることを抑制する。
【0048】
また、本実施の形態においては、画像形成が完了した後、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信する(S525)。そして、第2主制御部210は、完了通知を受信(S526)後、完了通知を受信した旨を、第1主制御部110に対して送信する(S527)。
これにより、第1制御部100と第2制御部200とをともに独立して動作させる第2制御部200が、定着装置50による定着も終了し、画像形成が完了したことを把握できないことを抑制する。
【0049】
また、端末装置8は、例えば文書作成アプリケーションから出力された指示が、第2画像形成部20にて画像を形成する必要があるが第1画像形成部10にて画像を形成する必要がない指示である場合に、第1主制御部110および第2主制御部210それぞれに対して、第2単独指示を送信する。これにより、第1主制御部110は、第1画像形成部10にて画像を形成しないが第2画像形成部20にて画像を形成する単独処理を行うことを把握する。そして、これにより、端末装置8が、単独処理の場合に、第2主制御部210に対してのみ第2単独指示を送信することに起因して、画像形成装置2が画像形成指示受信から画像形成完了までに要する時間が長くなることを抑制する。
以下、このことについて詳細に説明する。
【0050】
図6は、第1主制御部110および第2主制御部210が第2単独指示を受信した場合における、第1制御部100および第2制御部200が行う処理手順の一例を示す図である。
図6においては、第1主制御部110が第2単独指示を受信したときをS600、第2主制御部210が第2単独指示を受信したときをS601とする。
図6において、
図5に示した処理と同じ処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0051】
第1主制御部110は、第2単独指示を受信した(S600)後に、第1従制御部120に対して、第2単独指示に対応する設定を通知する(S602)。第1従制御部120は、第2単独指示に対応する設定を取得するとともに、画像形成に伴う準備を指示する(S603)。これにより、用紙搬送装置40や定着装置50が、用紙搬送や定着の準備等、画像形成に伴う準備を行う。
【0052】
第2主制御部210は、第2単独指示を受信した(S601)後に、第1主制御部110に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信することを要求する(S604)。
第1主制御部110は、準備指示送信の要求を受信した(S605)後に、エラーが発生しているか否かを判断する(S504)。エラーが発生している場合(S504でyes)、第1主制御部110は、エラーが解消するまで待機する。一方、エラーが発生していない場合(S504でno)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、準備指示を送信する(S505)。
【0053】
第2主制御部210および第2従制御部220は、準備指示を受信した(S506)後、
図5を用いて説明したS508~S514の処理を行う。
第1主制御部110は、完了通知を受信した(S515)後、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行うことなく、第2画像形成部20での画像形成に伴い、用紙搬送や定着を行う旨の通知である、準備しない旨を通知する(S616)。第1従制御部120は、準備しない旨の通知を取得(S617)後、用紙搬送装置40に用紙を搬送開始させる(S619)。
【0054】
第2従制御部220は、第2画像形成部20に、搬送されてきた用紙に画像を形成させる(S521)。
そして、第1従制御部120は、定着装置50に、搬送された用紙上のトナー像を定着させるとともに、定着後の用紙を用紙積載部60に排出し、画像形成を完了させ(S522)、画像形成が完了した旨を第1主制御部110に通知する(S523)。
その後、第1主制御部110および第2主制御部210は、
図5を用いて説明したS524~S530の処理を行う。
【0055】
ここで、比較構成を、第1主制御部110が、第2単独指示を受信せずに、第2主制御部210から完了通知を受信した(S515)後に、用紙搬送装置40や定着装置50の準備を指示するべく、第1従制御部120に対して準備指示を通知する態様とする。
図6を用いて説明した本実施の形態においては、第2主制御部210が第2単独指示を受信するのと同様のタイミングにて第1主制御部110が第2単独指示を受信したことを契機として、用紙搬送装置40や定着装置50が画像形成に伴う準備を開始する。これにより、第1主制御部110が第2主制御部210から完了通知を受信した(S515)後、早期に、用紙搬送装置40が用紙搬送を開始することが可能になる。その結果、本実施の形態によれば、比較構成よりも、画像形成装置2が画像形成指示(第2単独指示)を受信してから画像形成完了までに要する時間が短くなる。
【0056】
次に、第1主制御部110が、第1単独指示を受信した場合であって、第1画像形成部10では画像形成を行わないと判断し、第1画像形成部10にて画像を形成しないが第2画像形成部20にて画像を形成する単独処理を行うと判断する場合の処理について説明する。第1画像形成部10では画像形成を行わないと判断する場合としては、第1画像形成部10が有するトナーのトナー切れが生じている場合であることを例示することができる。例えば、第1単独指示に、第1画像形成部10が有するトナーを用いる指示であるが、トナー切れが生じている場合には第2画像形成部20が有するトナーを用いて画像形成をしても良いとの情報が含まれている場合には、第1主制御部110は、トナー切れが生じている場合に第1画像形成部10では画像形成を行わないと判断し、第2画像形成部20にて画像を形成する単独処理を行うと判断する。かかる場合には、第1主制御部110は、受信した第1単独指示を、第2単独指示に加工した上で第2主制御部210に送信する。なお、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、通信回線9を介して筐体3の外部から送信しても良いし、接続線150を介して筐体3の内部から送信しても良い。
【0057】
図7は、第1主制御部110が第1単独指示を受信し、単独処理を行うと判断した場合における、第1制御部100および第2制御部200が行う処理手順の一例を示す図である。
図7において、
図6に示した処理と同じ処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。
第1主制御部110は、第1単独指示を受信すると(S701)、上記単独処理、言い換えれば、第2単独指示に対応する処理とするか否かを判断する(S702)。単独処理とする場合(S702でyes)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、接続線150を介して第2単独指示を送信する(S703)。そして、第1主制御部110は、第1従制御部120に対して、第2単独指示に対応する設定を通知する(S602)。第1従制御部120は、第2単独指示に対応する設定を取得するとともに、画像形成に伴う準備を指示する(S603)。これにより、用紙搬送装置40や定着装置50が、用紙搬送や定着の準備等、画像形成に伴う準備を行う。
第2主制御部210は、第1主制御部110から送信された第2単独指示を受信する(S704)と、第1制御部100および第2制御部200は、上述したS604以降の処理を行う。
【0058】
図7を用いて説明した本実施の形態においては、第1主制御部110が単独処理を行うと判断したことを契機として、用紙搬送装置40や定着装置50が画像形成に伴う準備を開始する。これにより、第1主制御部110が第2主制御部210から完了通知を受信した(S515)後、早期に、用紙搬送装置40が用紙搬送を開始することが可能になる。その結果、本実施の形態によれば、比較構成よりも、画像形成装置2が画像形成指示(第2単独指示)を受信してから画像形成完了までに要する時間が短くなる。
【0059】
以下に、第1主制御部110が行う処理を、フローチャートを用いて説明する。
図8、
図9は、第1主制御部110の処理の一例を示すフローチャートである。第1主制御部110は、この処理を、予め設定された一定時間(例えば1ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
第1主制御部110は、例えば端末装置8から画像形成指示を受信したか否かを判断する(S801)。画像形成指示を受信した場合(S801でyes)、第1主制御部110は、例えば端末装置8から第2単独指示を受信したか否かを判断する(S802)。第2単独指示を受信していない場合(S802でno)、第1主制御部110は、例えば端末装置8から第1単独指示を受信したか否かを判断する(S803)。第1単独指示を受信していない場合(S803でno)、S801にて受信した画像形成指示は協同指示であることから、第1主制御部110は、第1従制御部120に対して、協同指示に対応する画像形成の設定を通知する(S804)。このS804の処理は、
図5を用いて説明したS502の処理に相当する。
【0060】
その後、第1主制御部110は、エラーが発生しているか否かを判断する(S805)。エラーが発生している場合(S805でyes)、第1主制御部110は、エラーが解消するまで待機する。他方、エラーが発生していない場合(S805でno)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信する(S806)。これら、S805、S806の処理は、それぞれ、
図5を用いて説明した、S504、S505の処理に相当する。
【0061】
その後、第1主制御部110は、第2主制御部210からの完了通知を受信したか否かを判断する(S807)。完了通知を受信していない場合(S807でno)、第1主制御部110は、完了通知を受信するまで待機する。他方、完了通知を受信した場合(S807でyes(この処理が、
図5を用いて説明したS515の処理に相当する))、第1主制御部110は、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S808)。このS808の処理は、
図5を用いて説明したS516の処理に相当する。
【0062】
その後、第1主制御部110は、第1従制御部120から、画像形成が完了した旨の完了通知を取得したか否かを判断する(S809)。そして、完了通知を取得した場合(S809でyes)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信する(S810)。このS810の処理は、
図5を用いて説明したS525の処理に相当する。
その後、第1主制御部110は、第2主制御部210から、完了通知を受信した旨を受信したか否かを判断する(S811)。完了通知を受信した旨を受信していない場合(S811でno)、第1主制御部110は、受信するまで待機する。他方、完了通知を受信した旨を受信した場合(S812でyes(この処理が、
図5を用いて説明したS528の処理に相当する))、第1主制御部110は、画像形成動作を終了する(S812)。
【0063】
一方、S802の処理において、第2単独指示を受信している場合(S802でyes)、第1主制御部110は、第1従制御部120に対して、第2単独指示に対応する画像形成の設定を通知する(S813)。このS813の処理は、
図6を用いて説明したS602の処理に相当する。その後、第1主制御部110は、準備指示送信の要求を受信したか否かを判断する(S814)。準備指示送信の要求を受信していない場合(S814でno)、第1主制御部110は、受信するまで待機する。他方、準備指示送信の要求を受信した場合(S814でyes(この処理が、
図6を用いて説明したS605の処理に相当する))、エラーが発生しているか否かを判断する(S815)。エラーが発生している場合(S815でyes)、第1主制御部110は、エラーが解消するまで待機する。他方、エラーが発生していない場合(S815でno)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信する(S816)。これら、S815、S816の処理は、それぞれ、
図6の、S504、S505の処理に相当する。
【0064】
その後、第1主制御部110は、第2主制御部210からの完了通知を受信したか否かを判断する(S817)。完了通知を受信していない場合(S817でno)、第1主制御部110は、完了通知を受信するまで待機する。他方、完了通知を受信した場合(S817でyes(この処理が、
図6のS515の処理に相当する))、第1主制御部110は、第1従制御部120に対して、上述した準備しない旨を送信し(S818)、S809以降の処理を行う。このS818の処理が、
図6のS616の処理に相当する。
【0065】
一方、S803の処理において、第1単独指示を受信している場合(S803でyes)、第1主制御部110は、第2単独指示に対応する処理を行うか否かを判断する(S819)。このS819の処理は、
図7を用いて説明したS702の処理に相当する。第2単独指示に対応する処理を行うと判断した場合(S819でyes)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して第2単独指示を送信する(S820)。このS820の処理は、
図7を用いて説明したS703の処理に相当する。他方、第2単独指示に対応する処理を行わないと判断した場合(S819でno)、第1主制御部110は、S804以降の処理を行う。
【0066】
以下に、第2主制御部210が行う処理を、フローチャートを用いて説明する。
図10は、第2主制御部210の処理の一例を示すフローチャートである。第2主制御部210は、この処理を、予め設定された一定時間(例えば1ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
第2主制御部210は、例えば端末装置8から画像形成指示を受信したか否かを判断する(S1001)。画像形成指示を受信した場合(S1001でyes)、第2主制御部210は、第2単独指示を受信したか否かを判断する(S1002)。第2単独指示を受信していない場合(S1002でno)、第2主制御部210は、第1主制御部110から、準備指示を受信したか否かを判断する(S1003)。準備指示を受信していない場合(S1003でno)、第2主制御部210は、受信するまで待機する。他方、準備指示を受信した場合(S1003でyes(この処理が、
図5を用いて説明したS506の処理に相当する))、第2主制御部210は、第2従制御部220に対して、指示された画像形成の設定を通知する(S1004)。このS1004の処理が、
図6のS508の処理に相当する。
【0067】
その後、第2画像形成部20にエラーが発生しているか否かを判断する(S1005)。このS1005の処理は、
図5のS510の処理に相当する。エラーが発生している場合(S1005でyes)、第2主制御部210は、エラーが解消するまで待機する。他方、エラーが発生していない場合(S1005でno)、第2主制御部210は、第2従制御部220に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S1006)。このS1006の処理が、
図6のS511の処理に相当する。その後、第2主制御部210は、第1主制御部110に対して、完了通知を送信する(S1007)。このS1007の処理は、
図6のS514の処理に相当する。
【0068】
その後、第2主制御部210は、第1主制御部110から、画像形成が完了した旨の完了通知を受信したか否かを判断する(S1008)。そして、完了通知を受信していない場合(S1008でno)、第2主制御部210は、受信するまで待機する。他方、完了通知を受信した場合(S1008でyes(この処理が、
図5のS526の処理に相当する))、第2主制御部210は、第1主制御部110に対して、完了通知を受信した旨を送信する(S1009)。このS1009の処理が、
図5のS527の処理に相当する。そして、第2主制御部210は、画像形成動作を終了する(S1010)。
【0069】
一方、S1001の処理で、画像形成指示を受信していない場合(S1001でno)、第2主制御部210は、第1主制御部110から、準備指示を受信したか否かを判断する(S1011)。準備指示を受信した場合(S1011でyes)、第2主制御部210は、例えば端末装置8から画像形成指示を受信したか否かを判断する(S1012)。画像形成指示を受信していない場合(S1012でno)、第2主制御部210は、受信するまで待機する。他方、画像形成指示を受信した場合(S1012でyes)、第2主制御部210は、第2単独指示を受信したか否かを判断する(S1013)。第2単独指示を受信していない場合(S1013でno)、第2主制御部210は、S1003以降の処理を行う。
【0070】
一方、S1002またはS1013にて、第2単独指示を受信した場合(S1002でyesまたはS1013でyes)、第2主制御部210は、第1主制御部110に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信することを要求する(S1014)。このS1014の処理は、
図6または
図7のS604の処理に相当する。
【0071】
なお、上述した実施の形態においては、第1制御部100の機能を、第1主制御部110のCPU111と、第1従制御部120のCPU121とが協働して実行しているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、第1制御部100の機能を1つのプロセッサにて実現しても良いし、3つ以上の複数のプロセッサを用いて実現しても良い。同様に、上述した実施の形態においては、第2制御部200の機能を、第2主制御部210のCPU211と、第2従制御部220のCPU221とが協働して実行しているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、第2制御部200の機能を1つのプロセッサにて実現しても良いし、3つ以上の複数のプロセッサを用いて実現しても良い。なお、プロセッサは、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU(Graphical Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、プログラム論理デバイス等)を含む。
【0072】
上述した画像形成装置2は、用紙を搬送する搬送装置の一例としての用紙搬送装置40と、用紙搬送装置40が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部10とを制御する第1プロセッサの一例としてのCPU111およびCPU121と、用紙搬送装置40が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部20を制御する第2プロセッサの一例としてのCPU211およびCPU221と、を備える。
そして、第1プロセッサは、筐体3の外部から画像形成指示を受信して、第1画像形成部10にて画像形成を行うことを決定した場合には、用紙搬送装置40にて用紙を搬送するための搬送準備を行うとともに、筐体3の内部の接続線150を介して第2プロセッサに対して送信した第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた第2プロセッサからの完了通知を受信した(S515)後に、用紙搬送装置40にて用紙を搬送するとともに第1画像形成部10にて画像形成を行う。
【0073】
また、第1プロセッサは、第1画像形成部10にて画像を形成しないが第2画像形成部20にて画像を形成する単独処理を行うことを把握した場合には、完了通知を受信する(S515)前に、搬送準備を行い(S603)、完了通知を受信した(S515)後に、用紙搬送装置40に用紙を搬送させる(S519)。
以上のように構成された画像形成装置2によれば、単独処理において、第1プロセッサが完了通知を受信するまで、画像形成に伴う準備を行わない場合よりも、画像形成指示受信から画像形成完了までに要する時間が短くなる。
【0074】
ここで、第1プロセッサは、筐体3の外部から単独処理の画像形成指示の一例としての第2単独指示を受信する(S600)ことで当該単独処理を行うことを把握する。
第2プロセッサは、筐体3の外部から、単独処理に関する画像形成指示であって、第1プロセッサが受信した当該単独処理の画像形成指示とは異なる画像形成指示の一例としての第2単独指示を受信する(S601)ことで、準備指示の送信の要求を第1プロセッサに送信し(S604)、第1プロセッサは、第2プロセッサから要求を受信した場合(S605)には、準備指示を当該第2プロセッサに送信する(S505)。
【0075】
また、第1プロセッサは、画像形成指示の一例としての第1単独指示を受信した(S701)後に、第1画像形成部10にて画像形成を行わないことを決定する(S701でyes)ことで単独処理を行うことを把握する。例えば第1プロセッサが第1画像形成部10にて画像形成を行わない旨を端末装置8に送信し、端末装置8が第1プロセッサに対して単独処理を行う旨を送信する態様よりも、第1プロセッサは、早期に把握することが可能となる。
第1プロセッサは、第1画像形成部10にて画像形成を行わないことを決定した(S701でyes)場合には、単独処理を行うべき旨の指示の一例としての第2単独指示を、筐体3の外部を介して、第2プロセッサに送信する(S703)。これにより、例えば第1プロセッサが筐体3の内部に設けられた第2プロセッサとの接続線150を介して第2プロセッサに送信する場合であって接続線150を介して送信可能な情報量が通信回線9よりも少ない場合と比べて、早期に単独処理を行うべき旨の指示を送信することが可能となる。
第1プロセッサは、第1画像形成部10に異常(例えば第1画像形成部10が有するトナーのトナー切れ)が生じている場合に、第1画像形成部10にて画像形成を行わないと判断することを例示することができる。
【0076】
また、上述した画像形成システム1は、用紙を搬送する用紙搬送装置40と、用紙搬送装置40が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部10とを制御する第1プロセッサと、用紙搬送装置40が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部20を制御する第2プロセッサと、を1つの筐体3内に備える画像形成装置を備える。
また、上述した画像形成システム1は、第1画像形成部10および第2画像形成部20にて画像を形成する必要がある場合には、第1プロセッサに第1画像形成部10にて画像を形成するべき旨の指示を送信するとともに、第2プロセッサに第2画像形成部20にて画像を形成するべき旨の指示を送信し、第1画像形成部10にて画像を形成する必要はないが第2画像形成部20にて画像を形成する必要がある場合には、第1プロセッサに第1画像形成部10にて画像を形成する必要がないが当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がある旨の指示の一例としての第2単独指示を送信するとともに、第2プロセッサに第2画像形成部20にて画像を形成するべき旨の指示の一例としての第2単独指示を送信する、端末装置8を備える。
【0077】
このように、端末装置8は、第1画像形成部10にて画像を形成する必要はないが第2画像形成部20にて画像を形成する必要がある場合に、第1プロセッサおよび第2プロセッサに対して第2単独指示を送信する。つまり、端末装置8は、画像を形成する必要がある第2画像形成部20を制御する第2プロセッサに対して、第2画像形成部20にて画像を形成するための第2単独指示を送信する。加えて、端末装置8は、画像を形成する必要がない第1画像形成部10を制御する第1プロセッサに対して、第1画像形成部10にて画像を形成する必要がない旨の第2単独指示を送信する。これにより、第1プロセッサは、第2単独指示を受信したときに、第2画像形成部20にて画像を形成するべく、画像形成に伴う準備を行うことができるので、第2プロセッサから完了通知を受信するまで、画像形成に伴う準備を行わない場合よりも、画像形成指示受信から画像形成完了までに要する時間が短くなる。
【0078】
なお、第1主制御部110のCPU111、第1従制御部120のCPU121、第2主制御部210のCPU211、第2従制御部220のCPU221によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネット等の通信手段を用いてダウンロードされても良い。
【0079】
そして、本発明を構成するプログラムは、用紙を搬送する用紙搬送装置40と用紙搬送装置40が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部10とを制御する第1プロセッサに、筐体3の外部から画像形成指示を受信して、第1画像形成部10にて画像形成を行うことを決定した場合には、用紙搬送装置40にて用紙を搬送するための搬送準備を行うとともに、用紙搬送装置40が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部20を制御する第2プロセッサに対して筐体3の内部にある接続線150を介して送信した第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの完了通知を受信した後に、用紙搬送装置40にて用紙を搬送するとともに第1画像形成部10にて画像形成を実行させる機能を実行させる。
また、本発明を構成するプログラムは、第1画像形成部10にて画像を形成しないが第2画像形成部20にて画像を形成する単独処理を行うことを把握した場合には、完了通知を受信する前に、搬送準備を行い、当該完了通知を受信した後に、用紙搬送装置40に用紙を搬送させる機能を実行させる。
【符号の説明】
【0080】
1…画像形成システム、2…画像形成装置、8…端末装置、9…通信回線、10…第1画像形成部、20…第2画像形成部、40…用紙搬送装置、100…第1制御部、110…第1主制御部、120…第1従制御部、150…接続線、200…第2制御部、210…第2主制御部、220…第2従制御部