(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】定着装置およびそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20240409BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240409BHJP
H05B 3/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G03G15/20 555
G03G21/00 370
H05B3/00 310D
H05B3/00 335
(21)【出願番号】P 2020102824
(22)【出願日】2020-06-15
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 昭浩
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-003167(JP,A)
【文献】特開2008-003297(JP,A)
【文献】特開2008-298877(JP,A)
【文献】特開2013-037068(JP,A)
【文献】特開平08-016009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 21/00
H05B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向の一部に反射部材が設けられる被加熱回転体と、
前記被加熱回転体を加熱する加熱部と、
前記被加熱回転体に圧接され、前記被加熱回転体との間で、記録媒体上の未定着トナー像を溶融定着する定着ニップ部を形成する加圧回転体と、
前記加圧回転体を回転駆動する駆動部と、
前記被加熱回転体に向けて赤外光を発光する発光部と、
前記発光部から発光され、前記被加熱回転体の前記反射部材で反射された前記赤外光を、前記被加熱回転体の回転によって周期的に受光するとともに、前記被加熱回転体の発熱による放射光を受光する受光部と、
前記受光部での検出結果に基づいて、前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備え、
前記受光部は、前記放射光の受光に基づいて、前記被加熱回転体の温度を検出し、
前記駆動制御部は、前記受光部での前記赤外光の受光周期と、前記被加熱回転体の前記温度に応じて決まる周長とに基づいて、前記被加熱回転体の回転速度を求め、求めた前記回転速度に基づいて、前記駆動部を制御することを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記反射部材を介して前記発光部からの前記赤外光を前記受光部が周期的に受光するときの前記赤外光の受光期間以外の期間を、赤外光非受光期間としたとき、
前記受光部は、前記赤外光非受光期間での前記放射光の受光に基づいて、前記被加熱回転体の温度を検出することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記発光部は、前記赤外光の発光および停止を所定の周期で繰り返し、
前記赤外光非受光期間は、前記発光部が前記赤外光の発光を停止する発光停止期間を含み、
前記受光部は、前記発光停止期間での前記放射光の受光に基づいて、前記被加熱回転体の温度を検出することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記被加熱回転体の温度と周長との関係を示すテーブルを記憶する記憶部をさらに備え、
前記駆動制御部は、前記テーブルに基づいて、前記受光部で検出された前記被加熱回転体の前記温度に応じた周長を求めることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
【請求項5】
前記駆動制御部は、前記被加熱回転体の回転速度に基づいて、前記駆動部を制御して前記加圧回転体の回転速度を調整することにより、前記定着ニップ部を通過する前記記録媒体の搬送速度を所定の範囲内に収めることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。
【請求項6】
前記受光部は、前記赤外光と前記放射光との両方の波長域に感度を有する赤外線センサーで構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
【請求項7】
前記被加熱回転体は、定着ベルトであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の定着装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の定着装置と、
前記定着装置に搬送される前記記録媒体に前記未定着のトナー像を形成する画像形成部と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いられる定着装置と、その定着装置を備えた画像形成装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機等の画像形成装置において、定着装置が広く用いられている。定着装置は、記録媒体としての用紙上の未定着トナー像を、加熱および加圧によって溶融定着させる。このような定着装置として、例えば、加熱される無端状の定着ベルト(被加熱回転体)と、加圧ローラー(加圧回転体)とを圧接して定着ニップ部を形成し、定着ニップ部にて未定着トナー像を用紙に定着させる構成が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-311744号公報
【文献】特開2008-298877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、定着ベルトは加熱により膨張する。定着ベルトが熱膨張すると、定着ベルトの周長が基準の長さよりも長くなる。この場合、定着ベルトの1周の回転に要する時間と、予め決められた定着ベルトの周長の値とを用いて定着ベルトの回転速度を求めても、上記回転速度には、定着ベルトの熱膨張による周長の変化分の誤差が含まれる。このため、定着ベルトの回転速度に基づいて、定着ベルトに圧接する加圧ローラーの回転速度を調整する場合でも、その調整を精度よく行うことができなくなる。したがって、加圧ローラーの回転速度の調整を精度よく行うためには、定着ベルトの熱膨張を考慮して定着ベルトの回転速度を正確に求めることが必要となる。しかし、このような技術については、特許文献1および2も含めて未だ提案されていない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、被加熱回転体が熱膨張しても、被加熱回転体の回転速度を正確に求めることができ、これによって、加圧回転体の回転速度の調整を精度よく行うことができる定着装置と、その定着装置を備えた画像形成装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る定着装置は、周方向の一部に反射部材が設けられる被加熱回転体と、前記被加熱回転体を加熱する加熱部と、前記被加熱回転体に圧接され、前記被加熱回転体との間で、記録媒体上の未定着トナー像を溶融定着する定着ニップ部を形成する加圧回転体と、前記加圧回転体を回転駆動する駆動部と、前記被加熱回転体に向けて赤外光を発光する発光部と、前記発光部から発光され、前記被加熱回転体の前記反射部材で反射された前記赤外光を、前記被加熱回転体の回転によって周期的に受光するとともに、前記被加熱回転体の発熱による放射光を受光する受光部と、前記受光部での検出結果に基づいて、前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備える。前記受光部は、前記放射光の受光に基づいて、前記被加熱回転体の温度を検出する。前記駆動制御部は、前記受光部での前記赤外光の受光周期と、前記被加熱回転体の前記温度に応じて決まる周長とに基づいて、前記被加熱回転体の回転速度を求め、求めた前記回転速度に基づいて、前記駆動部を制御する。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、被加熱回転体が熱膨張しても、被加熱回転体の回転速度を正確に求めることができ、これによって、加圧回転体の回転速度の調整を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る定着装置が搭載される画像形成装置の内部構造を示す概略断面図である。
【
図2】上記定着装置の概略の構成を示す断面図である。
【
図3】上記定着装置の定着ベルトの概略の構成を示す断面図である。
【
図4】上記定着装置の制御系の概略の構成を示すブロック図である。
【
図5】上記定着ベルトの温度と周長との関係を示すグラフである。
【
図6】上記定着ベルトの回転を制御する動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】赤外光の発光、上記定着ベルトの反射部材での赤外光の反射、受光部における赤外光の受光の各タイミングの例を模式的に示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔1.画像形成装置の構成〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る定着装置13が搭載される画像形成装置100の内部構造を示す概略断面図である。画像形成装置100(ここでは例えばカラープリンター)の本体内には、4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、一方向に順に(
図1では左側から右側に向かって)配設されている。これらの画像形成部Pa~Pdは、異なる4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの画像を順次形成する。
【0010】
これらの画像形成部Pa~Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1cおよび1dが配設されている。さらに、
図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が、各画像形成部Pa~Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a~1d上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム1a~1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写されて重畳される。その後、中間転写ベルト8上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー9により、記録媒体の一例としての用紙S上に二次転写される。上記用紙Sは、定着装置13においてトナー像が定着された後、画像形成装置100の本体から排出される。メインモーター(図示せず)により感光体ドラム1a~1dを
図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a~1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0011】
トナー像が二次転写される用紙Sは、画像形成装置100の本体下部に配置された用紙カセット16内に収容されている。用紙カセット16内の用紙Sは、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して、二次転写ローラー9と中間転写ベルト8の駆動ローラー11とのニップ部へと搬送される。中間転写ベルト8には、誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。二次転写ローラー9の下流側には、中間転写ベルト8の表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
【0012】
次に、画像形成部Pa~Pdについて説明する。回転可能に配設された感光体ドラム1a~1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a~1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a~1dを画像データに基づいて露光する露光装置5と、感光体ドラム1a~1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a~1d上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dとが設けられている。
【0013】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a~2dによって感光体ドラム1a~1dの表面が一様に帯電される。次いで露光装置5により、各感光体ドラム1a~1dの表面に画像データに応じて光が照射され、これによって各感光体ドラム1a~1d上に画像データに応じた静電潜像が形成される。現像装置3a~3dには、それぞれシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色のトナーを含む現像剤(例えば二成分現像剤)が所定量充填されている。現像剤中のトナーは、現像装置3a~3dにより感光体ドラム1a~1d上に供給され、静電的に付着する。これにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。なお、各現像装置3a~3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が、上記トナー像の形成によって規定値を下回った場合には、トナーコンテナ4a~4dから各現像装置3a~3dにトナーが補給される。
【0014】
一次転写ローラー6a~6dにより、一次転写ローラー6a~6dと感光体ドラム1a~1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与されると、感光体ドラム1a~1d上のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a~1dの表面に残留したトナー等が、クリーニング装置7a~7dによって除去される。
【0015】
中間転写ベルト8は、上流側の従動ローラー10と、下流側の駆動ローラー11とに掛け渡されている。ベルト駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い、中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、用紙Sがレジストローラー対12bから所定のタイミングで駆動ローラー11と二次転写ローラー9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送される。そして、上記ニップ部において、中間転写ベルト8上のフルカラー画像が用紙S上に二次転写される。トナー像が二次転写された用紙Sは、定着装置13へと搬送される。
【0016】
定着装置13に搬送された用紙Sは、定着ベルト21および加圧ローラー22(
図2参照)によって加熱および加圧される。これにより、トナー像が用紙Sの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Sは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(あるいは、両面搬送路18に送られて両面に画像が形成された後に)、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0017】
〔2.定着装置の構成〕
図2は、上記した定着装置13の概略の構成を示す断面図である。なお、
図2の上方が定着装置13に対する用紙挿通方向(搬送方向)の下流側であり、下方が定着装置13に対する用紙挿通方向の上流側である。定着装置13は、定着ベルト21(被加熱回転体)と、加圧ローラー22(加圧回転体)と、加熱部23と、ニップ形成部材24と、ベルトガイド25と、フレーム部材26と、を備える。
【0018】
定着ベルト21は、定着装置13の筐体部(図示せず)に、水平な軸芯回りに回転可能に支持される。定着ベルト21は、無端状であって、例えば外径20mm~50mmの円筒形状で構成され、加圧ローラー22とほぼ同じ軸線方向長さ(用紙Sの幅方向長さ)を有する。定着ベルト21は、記録媒体である用紙Sの搬送方向に沿って
図2の反時計回り方向に回転する。なお、定着ベルト21の回転方向を、ここでは周方向とも称する。
【0019】
図3は、定着ベルト21の概略の構成を示す断面図である。定着ベルト21は、基材層である発熱層21aの外周側に、弾性層21bと、離型層21cとが内側からこの順で設けられた積層構造を有する。発熱層21aは、例えば厚さ30μm~50μmのニッケル等の金属製フィルムや、例えば銅、銀、アルミニウム等の金属粉末を混入した厚さ50μm~100μmのポリイミドフィルムで構成される。弾性層21bは、例えば厚さ100μm~500μmのシリコンゴム等で構成される。離型層21cは、例えば厚さ30μm~50μmのPFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素系樹脂で構成される。
【0020】
定着ベルト21は、
図2に示す反射部材21Rを有している。反射部材21Rは、例えばアルミニウム箔で構成されており、定着ベルト21の外周面上(例えば離型層21c上)で、定着ベルト21の軸線方向(ベルト幅方向、周方向と垂直な方向)の一端部に設けられている。また、定着ベルト21の周方向においては、反射部材21Rは上記周方向の一部に設けられている。反射部材21Rは、後述する発光部51から出射される赤外光を反射させて受光部52に導く。
【0021】
加圧ローラー22は、定着装置13の筐体部に、水平な軸芯回りに回転可能に支持される。加圧ローラー22は円柱形状であり、定着ベルト21とほぼ同じ軸線方向長さ(用紙Sの幅方向長さ)を有する。
【0022】
加圧ローラー22は、芯金22aの外周側に弾性層および離型層がこの順で積層された積層構造を有する。芯金22aは、例えば直径20mm程度のアルミニウム等の金属で構成される。芯金22aは、弾性層および離型層よりも軸方向に長い。弾性層は、例えば厚さ8mm程度のシリコンゴム等で構成される。離型層は、例えば厚さ10μm~50μm程度のPFA等のフッ素系樹脂で構成される。
【0023】
加圧ローラー22には、加圧機構30により、定着ベルト21に向けて所定の圧力が付与される。加圧ローラー22の外周面は、定着ベルト21を介してニップ形成部材24を押圧することにより、定着ベルト21の外周面に圧接されて定着ニップ部Nを形成する。つまり、加圧ローラー22は、定着ベルト21に圧接され、定着ベルト21との間で、用紙S上の未定着トナー像IMを溶融定着する定着ニップ部Nを形成する。
【0024】
加圧機構30は、棒状の加圧レバー31と、加圧ばね32とを有して構成される。加圧レバー31は、支軸31sの軸方向の両端部に設けられる。支軸31sは、加圧ローラー22の回転軸(芯金22aの中心軸)と平行に延び、加圧ローラー22と離間して位置する。加圧レバー31の一方の端部(
図2では下端部)31aは、支軸31sに接続されている。これにより、加圧レバー31は、支軸31sを中心に回動する。また、加圧レバー31は、一方の端部31aと、他方の端部(
図2では上端部)31bとの間で、芯金22aと接触する。
【0025】
加圧ばね32は、加圧レバー31の他方の端部31bを押圧することにより、加圧レバー31を芯金22aの方向に付勢する付勢部材である。加圧ばね32の付勢力により、加圧レバー31が支軸31aを中心に
図2の反時計回り方向に回動する。これにより、加圧ローラー22を定着ベルト21に向けて押し付けて加圧することができる。
【0026】
加圧ローラー22は、後述する駆動部41(
図4参照)により、
図2において時計回り方向に回転する。加圧ローラー22は、定着ベルト21の外周面に接触し、定着ベルト21に反時計回り方向の回転駆動力を付与する。これにより、定着ベルト21を従動回転させることができる。
【0027】
加熱部23は、定着ベルト21に対して加圧ローラー22が配置された側とは反対側の領域に、所定の間隙を隔てて定着ベルト21の外周面に対向配置される。加熱部23は、定着ベルト21の軸線方向に沿って、定着ベルト21よりもやや長く延びる。加熱部23は、定着ベルト21の発熱層21aを誘導加熱によって発熱させることで、定着ベルト21を加熱する。
【0028】
加熱部23は、励磁コイル23aと、不図示の保持部材、コア等と、を備える。励磁コイル23aおよびコアは、保持部材によって所定位置に保持される。励磁コイル23aは、複数本の導線を束ねたリッツ線で構成され、定着ベルト21の軸線方向に沿って延びるように巻き回されている。励磁コイル23aは、定着ベルト21の周方向において、定着ベルト21の外周面に沿って円弧形状に構成される。
【0029】
ニップ形成部材24は、定着ベルト21を隔てて加圧ローラー22と対向して定着ベルト21の内側に配置される。ニップ形成部材24は、定着ベルト21の内周面に接触し、定着ベルト21と加圧ローラー22との間に定着ニップ部Nを形成する。
【0030】
ニップ形成部材24は、定着ベルト21の軸線方向に沿って、定着ベルト21とほぼ同じ長さで延びる略直方体形状を有する。ニップ形成部材24は、例えばアルミニウム等の金属や、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂で構成される基材を有する。ニップ形成部材24は、当該基材の定着ベルト21との対向側に、例えばエラストマー、シリコンゴム等で構成される弾性層を有する構成であってもよい。さらに、ニップ形成部材24は、定着ベルト21との対向領域に、例えばPFA等のフッ素系樹脂で構成されたシート材(離型層)を有する。シート材は、定着ニップ部Nにおいて定着ベルト21の内周面に接触し、定着ニップ部Nよりも定着ベルト21の回転方向上流側および下流側の、定着ベルト21とは接触しない領域まで延びる。
【0031】
ベルトガイド25は、定着ベルト21を隔てて加熱部23と対向して定着ベルト21の内側に配置される。ベルトガイド25は、定着ニップ部N以外の定着ベルト21の内周面に接触し、定着ベルト21を内側から支持する。ベルトガイド25は、定着ベルト21の軸線方向に沿って、定着ベルト21とほぼ同じ長さで延びる板金で構成される。ベルトガイド25は、例えば厚さ0.1mm~0.5mmのSUS430等の弾性を有する磁性金属で構成される。ベルトガイド25は、接触部25aおよび接続部25bを備える。
【0032】
接触部25aは、定着ベルト21の径方向中心部に対して、定着ニップ部Nとは反対側に配置される。接触部25aは、定着ベルト21の内周面に沿って円弧状に湾曲する。接触部25aは、外周面のほぼ全域に亘って定着ベルト21の内周面に接触する。接触部25aは、定着ベルト21を隔てて励磁コイル23aと対向する。
【0033】
接続部25bは、定着ベルト21の回転方向に対して接触部25aの下流側に配置される。接続部25bは、接触部25aの周方向一端部に連結される。接続部25bは、接触部25aの周方向一端部から定着ベルト21の径方向内側に向かって屈曲して延び、さらにフレーム部材26に隣接して定着ニップ部Nに向かって屈曲する。接続部25bは、定着ベルト21と接触しない。
【0034】
フレーム部材26は、定着ベルト21の径方向略中心部であって、ベルトガイド25の接触部25aと、ニップ形成部材24との間に配置される。フレーム部材26は、定着ベルト21の軸線方向に沿って、定着ベルト21よりもやや長く延びる。
【0035】
フレーム部材26は、ニップ形成部材24およびベルトガイド25を保持する。ニップ形成部材24は、フレーム部材26の、定着ニップ部Nと対向するニップ側壁部26aに固定される。ベルトガイド25の接続部25bは、フレーム部材26の、定着ニップ部Nの定着ベルト21の回転方向上流側の側壁部26bに固定される。
【0036】
定着ニップ部Nに対して用紙搬送方向の下流側(
図2の上側)には、セパレーター29が配置される。セパレーター29は、定着ニップ部Nを通過した用紙Sを定着ベルト21の外周面から分離する。
【0037】
〔3.定着装置の制御系について〕
図4は、定着装置13の制御系の概略の構成を示すブロック図である。定着装置13は、上述の構成に加えて、駆動部41と、発光部51と、受光部52と、制御装置60と、を備えている。駆動部41は、モーター、ギア列等を含んで構成され、加圧ローラー22を回転駆動する。加圧ローラー22は、上記モーター等から動力を得て回転する。
【0038】
発光部51は、定着ベルト21に向けて赤外光(赤外線)を発光する光源であり、例えば赤外光を出射するLED(発光ダイオード)またはレーザー光源で構成される。本実施形態では、発光部51は、一定の周期で赤外光を発光するように、制御装置60の後述する主制御部60aによって制御される。
【0039】
受光部52は、発光部51から発光され、定着ベルト21の反射部材21Rで反射された赤外光を、定着ベルト21の回転によって周期的に受光するとともに、定着ベルト21の発熱(加熱部23の加熱によって発せられる熱)による放射光を受光する。特に、受光部52は、定着ベルト21からの放射光の受光によって定着ベルト21の温度を検出する。このような受光部52は、赤外光と放射光との両方の波長域に感度を有する赤外線センサーで構成されている。本実施形態では、発光部51および受光部52は、定着ベルト21の周囲において、定着ニップ部Nよりも下流側に位置しているが(
図2参照)、上流側に位置していてもよい。
【0040】
制御装置60は、例えばCPU(Central Processing Unit)とメモリとを含んで構成される。具体的には、制御装置60は、主制御部60aと、駆動制御部60bと、記憶部60cと、を有する。
【0041】
主制御部60aは、定着装置13をはじめ、画像形成装置100の各部の動作を制御する。また、主制御部60aは、受光部52で検出される定着ベルト21の温度に基づいて加熱部23を制御する。これにより、定着ベルト21の温度を、定着に好適な所定の温度範囲に収まるように制御することができる。
【0042】
駆動制御部60bは、受光部52での検出結果に基づいて、駆動部41を制御し、加圧ローラー22の回転を制御する。これにより、加圧ローラー22の回転によって従動回転する定着ベルト21の回転を間接的に制御することができる。なお、駆動部41の駆動制御による定着ベルト21の回転制御の詳細については後述する。
【0043】
記憶部60cは、制御装置60の動作プログラムを記憶するとともに、各種の情報を記憶するメモリであり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどを含んで構成される。特に、記憶部60cには、定着ベルト21の温度と定着ベルト21の周方向の長さ(周長)との関係を示すテーブルが記憶されている。
【0044】
図5は、定着ベルト21の温度BT(℃)と周長L(mm)との関係を示すグラフである。同図のように、定着ベルト21の温度BTの変化に伴って、定着ベルト21の周長Lは変化する。例えば、定着ベルト21の温度BTが常温(例えば23℃)から定着に必要な温度(例えば160℃)まで上昇すると、定着ベルト21の熱膨張により、定着ベルト21の周長LがL0(mm)からL1(mm)に延びる。定着ベルト21の温度BTと周長Lとの関係は、用いる定着ベルト21の層構成、各層を形成する材料等により異なるが、記憶部60cには、用いる定着ベルト21に固有の温度BTと周長Lとの関係が、テーブルの状態で記憶される。
【0045】
〔4.定着ベルトの回転制御について〕
次に、本実施形態における定着ベルト21の回転制御について説明する。
図6は、定着ベルト21の回転を制御する動作の流れを示すフローチャートである。また、
図7は、発光部51における赤外光の発光、定着ベルト21の反射部材21Rでの赤外光の反射、受光部52における赤外光の受光の各タイミングの例を模式的に示すタイミングチャートである。
【0046】
まず、制御装置60の駆動制御部60b(
図4参照)は、駆動部41を制御して、加圧ローラー22を
図2で時計回り方向に回転させる(S1)。これにより、加圧ローラー22が圧接される定着ベルト21が、
図2で反時計回り方向に回転する(S2)。なお、駆動制御部60bによる加圧ローラー22の回転開始のタイミングは、画像形成部Pa~Pdでの画像形成動作に応じて決まるタイミングで適切に制御される。
【0047】
続いて、主制御部60aは加熱部23を制御して、定着ベルト21の発熱層21aを発熱させ、定着ベルト21を所定温度(例えば160℃)に加熱する(S3)。なお、定着ベルト21の加熱は、S2と並行して行われてもよいし、S1で加圧ローラー22を回転させる前に行われてもよい。
【0048】
次に、制御装置60の主制御部60aは、発光部51を制御して、赤外光の発光および停止を実行させる(S4)。この制御により、発光部51は、
図7で示す規定の周期TL(sec)内で赤外光の発光および停止をそれぞれ行うとともに、上記周期TLで赤外光の発光および停止を繰り返す。なお、1周期TL内で、発光部51が赤外光を発光する期間を、発光期間T1(sec)とし、赤外光の発光を停止する期間を、発光停止期間T2(sec)とすると、TL=T1+T2である。また、発光部51での赤外光の発光タイミングは、発光期間T1内に、上記赤外光が定着ベルト21の反射部材21Rで反射されて受光部52で受光される後述の期間T3(sec)が含まれるように制御される。
【0049】
次に、受光部52は、定着ベルト21の温度BTを検出する(S5)。より詳しくは、以下の通りである。
【0050】
発光部51から出射された赤外光は、定着ベルト21に向かって進行し、定着ベルト21に照射される。ここで、赤外光が発光部51から出射される発光期間T1のうち、定着ベルト21の回転に伴って周回する反射部材21Rに赤外光が入射する期間T3では、赤外光が反射部材21Rで反射されて受光部52に導かれ、受光部52で受光される。したがって、期間T3は、反射部材21Rを介して発光部51からの赤外光を受光部52が周期的に受光するときの赤外光受光期間を構成する。以下、期間T3のことを、赤外光受光期間T3とも称する。
【0051】
一方、発光期間T1のうち、定着ベルト21の回転によって反射部材21R以外の部位に赤外光が照射される期間T4(=T1-T3)では、上記赤外光は反射部材21Rで反射されないため、受光部52で受光されない。また、発光停止期間T2では、そもそも発光部51で赤外光が発光されないため、受光部52で上記赤外光が受光されることはない。したがって、発光停止期間T2および期間T4は、発光部51からの赤外光が受光されない期間を構成する。以下、発光停止期間T2と期間T4とを足し合わせた期間を、赤外光非受光期間Toff(sec)とも称する(Toff=T2+T4)。
【0052】
ただし、赤外光非受光期間Toffでは、定着ベルト21の加熱によって発生する赤外光が、定着ベルト21から放射される。定着ベルト21の加熱によって発生する上記の赤外光を、発光部51で発光される赤外光と区別するために、ここでは放射光とも呼ぶ。赤外光非受光期間Toffでは、定着ベルト21からの放射光のみが受光部52で受光される。このため、受光部52は、赤外光非受光期間Toffにおいて、上記放射光の受光に基づいて、定着ベルト21の温度BTを検出することができる。
【0053】
なお、赤外光受光期間T3でも、定着ベルト21は発熱によって放射光を出射しており、受光部52は上記放射光を受光する。しかし、赤外光受光期間T3での受光部52の検出光量は、上記放射光の光量に、発光部51から反射部材21Rを介して受光した赤外光の光量が上乗せされた光量となる。このため、受光部52は、検出光量に基づいて、赤外光と放射光とを両方受光する赤外光受光期間T3と、上記放射光のみを受光する赤外光非受光期間Toffとを確実に区別して検出することができる。そして、受光部52は、赤外光非受光期間Toffでの放射光の検出光量に基づいて、定着ベルト21の温度BTを検出することができる。
【0054】
次に、駆動制御部60bは、受光部52での赤外光の受光に基づいて、定着ベルト21の回転に伴う上記赤外光の受光周期Tc(sec)、つまり、定着ベルト21の1周(1回転)に要する時間を検出する(S6)。上記のように、受光部52は赤外光受光期間T3と、赤外光を受光せずに放射光のみを受光する赤外光非受光期間Toffとを区別して検出することができる。このため、駆動制御部60bは、受光部52の赤外光受光期間T3における赤外光の受光開始タイミングに基づいて、赤外光の受光周期Tcを求めることができる。
【0055】
続いて、駆動制御部60bは、記憶部60cに記憶されたテーブルに基づいて、S5で検出された定着ベルト21の温度BTに応じた周長Lを求める(S7)。そして、駆動制御部60bは、赤外光の受光周期Tcと、S7で求めた定着ベルト21の周長Lとに基づいて、定着ベルト21の回転速度V(mm/sec)を求める(S8)。例えば、定着ベルト21の回転速度Vは、L/Tcで表される。
【0056】
そして、駆動制御部60bは、S8で求めた定着ベルト21の回転速度Vに基づいて、駆動部41(例えばモーター)を制御し、加圧ローラー22の回転速度を調整する(S9)。例えば、駆動制御部60bは、定着ベルト21の熱膨張によって定着ベルト21の回転速度Vが予め設定された速度範囲よりも速くなったと判断した場合、駆動部41によって加圧ローラー22の回転速度を遅くして、用紙Sが所定の搬送速度の範囲内に収まるようにする。
【0057】
以上のように、本実施形態の定着装置13において、受光部52は、定着ベルト21の発熱による放射光の受光により、定着ベルト21の温度BTそのものを検出する(S5)。これにより、駆動制御部60bは、定着ベルト21が熱膨張した場合でも、熱膨張時の温度BTに応じた周長Lを求めることが可能となる(S7)。つまり、定着ベルト21の熱膨張時点での周長L(基準長さ+熱膨張による延び分)を求めることができる。そして、駆動制御部60bは、発光部51から出射された赤外光の受光部52での受光周期Tcと、定着ベルト21の上記周長Lとに基づいて、定着ベルト21の回転速度Vを求める(S8)。上記のように、定着ベルト21の周長Lは、定着ベルト21の熱膨張による長さの変化分を考慮して求められるため、受光周期Tcと上記周長Lとに基づいて、定着ベルト21の回転速度Vを正確に求めることが可能となる。
【0058】
したがって、駆動制御部60bは、求めた回転速度Vに基づいて、駆動部41を制御することにより、S9において、定着ベルト21に圧接される加圧ローラー22の回転速度の調整を精度よく行うことが可能となる。その結果、定着ベルト21と加圧ローラー22との間の定着ニップ部Nを通過する用紙Sの搬送速度を、所定の範囲内に精度よく収めることが可能となる。
【0059】
特に、反射部材21Rを介して発光部51からの赤外光を受光部52が周期的に受光するときの赤外光受光期間T3以外の期間を、赤外光非受光期間Toffとしたとき、受光部52は、S5において、赤外光非受光期間Toffでの放射光の受光に基づいて、定着ベルト21の温度BTを検出する。
【0060】
赤外光非受光期間Toffでは、発光部51からの赤外光が反射部材21Rを介して受光部52で受光されず、定着ベルト21から出射される放射光が受光部52で受光される。これにより、受光部52は、受光した上記放射光の光量に基づいて、定着ベルト21の温度を正確に検出することが可能となる。
【0061】
特に、
図7で示したように、発光部51が赤外光の発光および停止を所定の周期TLで繰り返し、赤外光非受光期間Toffが赤外光の発光停止期間T2を含むとき、発光停止期間T2では、発光部51からの赤外光の出射自体が行われないため、例えば筐体内での乱反射等によって受光部52が上記赤外光を誤検知する心配が全くない。したがって、受光部52は、赤外光非受光期間Toffの中でも、発光停止期間T2での放射光の受光に基づいて定着ベルト21の温度BTを検出することが望ましい。この場合、受光部52は、受光した放射光の光量に基づいて、定着ベルト21の温度を正確に検出することが確実に可能となる。
【0062】
また、記憶部60cには、定着ベルト21の温度BTと周長Lとの関係を示すテーブルが予め記憶されている。駆動制御部60bは、上記テーブルに基づいて、受光部52で検出された定着ベルト21の温度BTに応じた周長Lを求める(S7)。上記関係を予め設定したテーブルを利用することにより、S5で求めた定着ベルト21の温度BTに応じた周長Lを容易に求めることができる。
【0063】
また、駆動制御部60bは、S8で求めた定着ベルト21の回転速度Vに基づいて、駆動部41を制御して加圧ローラー22の回転速度を調整することにより、定着ニップ部Nを通過する用紙Sの搬送速度を所定の範囲内に収める(S9)。定着ベルト21が熱膨張して周長Lが変化しても、加圧ローラー22の回転速度の調整により、用紙Sの搬送速度が所定の範囲内に収められるため、用紙Sの良好な搬送を実現することができる。
【0064】
また、受光部52は、発光部51から出射される赤外光と、定着ベルト21から出射される放射光との両方の波長域に感度を有する赤外線センサーで構成されている。この場合、単一の受光部52(赤外線センサー)で赤外光と放射光との両方を検出できるため、赤外光と放射光とを別々のセンサーで検知する構成に比べて、定着装置13の構成を簡素化することができる。
【0065】
また、本実施形態では、加熱部23によって加熱される被加熱回転体として、定着ベルト21を用いている。定着ベルト21は、温度BTによって周長Lが変化しやすいため、定着ベルト21の回転速度Vを正確に求めて加圧ローラー22の回転速度の調整を精度よく行うことができる本実施形態の効果が非常に有効となる。
【0066】
また、本実施形態の画像形成装置100は、上述した構成の定着装置13と、定着装置13に搬送される用紙Sに未定着のトナー像IMを形成する画像形成部Pa~Pdと、を備えている。定着ベルト21が熱膨張して周長Lが変化しても、定着ベルト21の正確な回転速度Vに基づいた加圧ローラー22の回転駆動により、画像形成部Pa~Pdから搬送される用紙Sを所定の範囲内の搬送速度で搬送して、定着装置13から排出することが可能となる。
【0067】
なお、本発明は本実施形態の構成に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本実施形態においては、被加熱回転体として無端状の定着ベルト21を備えたベルト加熱方式の定着装置13を例示したが、例えば定着ローラー等の、定着ベルト21以外の被加熱回転体を備えた定着装置にも同様に適用できることは勿論である。また、加熱部23も励磁コイルとコアとを備える誘導加熱方式に限定されず、例えばハロゲンヒーターを用いることも可能である。
【0068】
なお、本実施形態では、
図5の関係を示すテーブルを制御装置60の記憶部60c(
図4参照)に記憶させる例について説明したが、この例に限定されるわけではない。例えば、定着装置13内で制御装置60の外部にメモリを設け、上記メモリに上記テーブルを記憶させてもよい。また、画像形成装置100内で定着装置13の外部にメモリを設け、上記メモリに上記テーブルを記憶させてもよい。さらに、画像形成装置100の外部のサーバー(例えばクラウドサーバー)に上記テーブルを記憶させ、制御装置100が上記サーバーと通信して上記テーブルを参照する構成であってもよい。
【0069】
また、本実施形態では、用紙Sが定着ニップ部Nを下方から上方に向かって通過する垂直搬送式の定着装置13について説明したが、用紙Sが定着ニップ部Nを水平に通過する水平搬送式の定着装置においても本実施形態で説明した構成を適用することは可能である。
【0070】
また、画像形成装置100は、
図1に示したようなタンデム型のカラープリンターに限らず、モノクロ複写機やデジタル複合機、ファクシミリやレーザープリンター等、定着装置を備えた種々の画像形成装置に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、例えば複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置の定着装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0072】
13 定着装置
21 定着ベルト(被加熱回転体)
21R 反射部材
22 加圧ローラー(加圧回転体)
23 加熱部
41 駆動部
51 発光部
52 受光部
60b 駆動制御部
60c 記憶部
IM 未定着トナー像
N 定着ニップ部
Pa~Pd 画像形成部
S 用紙(記録媒体)