(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】表示プログラム、表示方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20240409BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20240409BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G06F30/10
G06F3/04842
G09G5/373 100
(21)【出願番号】P 2020112067
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山根 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】相松 秀典
(72)【発明者】
【氏名】田口 輝敏
【審査官】堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-316832(JP,A)
【文献】特開平09-190456(JP,A)
【文献】特開2017-215797(JP,A)
【文献】国際公開第2009/004692(WO,A1)
【文献】特開2008-41007(JP,A)
【文献】特開2006-121551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00-30/398
G06F 3/01
G06F 3/048ー3/04895
G09G 5/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を含む組立品のうち一又は複数の部品の選択を受け付けると、表示領域における前記組立品の表示の拡縮率に基づいて、前記一又は複数の部品を囲み前記一又は複数の部品の表示位置を示す選択枠のサイズを特定し、
特定された前記選択枠のサイズの前記表示領域のサイズに対する第1の割合が閾値以下か否かを判定し、
前記第1の割合が前記閾値以下と判定された場合、前記表示領域に対する割合が前記閾値より大きいサイズを有する新たな選択枠を表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
【請求項2】
前記選択枠は、
選択された前記一又は複数の部品を包含する最小の直方体である、ことを特徴とする請求項1記載の表示プログラム。
【請求項3】
前記選択枠が表示される場合の前記選択枠の表示態様と、表示される前記新たな選択枠の表示態様と、は異なる、
ことを特徴する請求項1記載の表示プログラム。
【請求項4】
コンピュータによる表示方法であって、
複数の部品を含む組立品のうち一又は複数の部品の選択を受け付けると、表示領域における前記組立品の表示の拡縮率に基づいて、前記一又は複数の部品を囲み前記一又は複数の部品の表示位置を示す選択枠のサイズを特定し、
特定された前記選択枠のサイズの前記表示領域のサイズに対する第1の割合が閾値以下か否かを判定し、
前記第1の割合が前記閾値以下と判定された場合、前記表示領域に対する割合が前記閾値より大きいサイズを有する新たな選択枠を表示する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする表示方法。
【請求項5】
複数の部品を含む組立品のうち一又は複数の部品の選択を受け付けると、表示領域における前記組立品の表示の拡縮率に基づいて、前記一又は複数の部品を囲み前記一又は複数の部品の表示位置を示す選択枠のサイズを特定するサイズ特定部と、
特定された前記選択枠のサイズの前記表示領域のサイズに対する第1の割合が閾値以下か否かを判定する割合判定部と、
前記第1の割合が前記閾値以下と判定された場合、前記表示領域に対する割合が前記閾値より大きいサイズを有する新たな選択枠を表示する表示制御部と、
を有することを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示プログラム、表示方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、3次元モデルを用いて複数の部品を含む組立品を表示させる技術が知られている。この技術の1つとして、表示範囲の指定が行われると、指定された表示範囲の3D形状が表示されることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-101420号公報
【文献】特開2014-174708号公報
【文献】国際公開第2014/188565号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術では、組立品に含まれる部品が選択されると、選択された部品の位置を示す選択枠が表示される場合があるが、選択された部品の表示の大きさによっては、視認性良く選択枠を表示させることができない。
【0005】
1つの側面では、本発明は、組立品から選択された部品の選択枠の視認性を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、複数の部品を含む組立品のうち一又は複数の部品の選択を受け付けると、表示領域における前記組立品の表示の拡縮率に基づいて、前記一又は複数の部品を囲み前記一又は複数の部品の表示位置を示す選択枠のサイズを特定し、特定された前記選択枠のサイズの前記表示領域のサイズに対する第1の割合が閾値以下か否かを判定し、前記第1の割合が前記閾値以下と判定された場合、前記表示領域に対する割合が前記閾値より大きいサイズを有する新たな選択枠を表示する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
組立品から選択された部品の選択枠の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】表示処理部による表示について説明する図である。
【
図3】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】ユニット情報データベースの一例を示す図である。
【
図5】部品情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】表示処理部の処理を説明するフローチャートである。
【
図8】表示処理部の処理を説明する第一の図である。
【
図9】表示処理部の処理を説明する第二の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、表示装置の概要を説明する図である。
【0010】
本実施形態の情報処理装置100は、ユニット情報データベース110、部品情報データベース120、表示処理部130を有する。
【0011】
本実施形態の情報処理装置100は、複数の部品を含む組立品の3次元モデルを用いて、組立品の形状や、部品の組み立て方等を表示させるものであり、例えば、製造業等において活用される。
【0012】
尚、本実施形態の組立品は、複数の部品を組み立てたものであり、複数の部品を含むユニットであってもよいし、複数のユニットを含む製品であってもよい。言い換えれば、実施形態の組立品には、製品全体と、製品に含まれるユニットとが含まれる。
【0013】
本実施形態において、ユニット情報データベース110は、製品に含まれるユニットの構成を示すユニット情報が格納される。部品情報データベース120は、ユニットに含まれる部品毎の情報を示す部品情報が格納される。
【0014】
本実施形態の表示処理部130は、製品毎のユニット情報と、ユニット毎の部品情報とに基づき、製品やユニットの3次元モデルを表示させる。つまり、本実施形態の情報処理装置100は、表示装置の一例である。
【0015】
また、本実施形態の表示処理部130は、例えば、3次元モデルの表示領域に表示された組立品において、着目する部品が選択されると、選択された部品の表示位置を示す選択枠を特定する。このとき、表示処理部130は、表示領域に表示された組立品の拡縮率に基づき、選択枠のサイズを特定する。
【0016】
そして、本実施形態の表示処理部130は、表示領域のサイズに対する選択枠のサイズの割合が閾値以下であるか否か判定し、割合が閾値以下である場合、表示領域のサイズに対する割合が閾値よりも大きいサイズの選択枠を作成し、表示させる。
【0017】
また、表示処理部130は、割合が閾値より大きい場合は、表示領域に表示された組立品の拡縮率に基づき特定されたサイズの選択枠を表示させる。
【0018】
尚、表示処理部130により表示される画面は、情報処理装置100の有するディスプレイ等に表示されてもよいし、情報処理装置100と通信が可能な端末装置のディスプレイに表示されてもよい。
【0019】
また、
図1の例では、ユニット情報データベース110、部品情報データベース120、表示処理部130を情報処理装置100が有するものとしたが、これに限定されない。情報処理装置100は、例えば、複数の装置で実現されてもよい。
【0020】
具体的には、例えば、情報処理装置100は、ユニット情報データベース110と部品情報データベース120を有し、表示処理部130は、情報処理装置100と通信が可能な端末装置が有してもよい。この場合、端末装置は、ユニット情報データベース110と部品情報データベース120から、選択された組立品のユニット情報と部品情報を取得し、表示処理部130による処理を行ってもよい。
【0021】
以下に、
図2を参照して表示処理部130による表示について説明する。
図2は、表示処理部による表示について説明する図である。
【0022】
図2に示す画面201は、表示処理部130によって表示される画面の一例である。画面201は、表示欄202、203を有する。
【0023】
表示欄202は、3次元モデルが示す組立品に含まれるユニットと部品を階層構造で表現したツリーが表示される。
【0024】
表示欄203は、表示欄202に表示されたツリーで選択された組立品や部品の3次元モデルが表示される。
【0025】
図2の例では、表示欄202には、組立品であるプリンタの3次元モデルを示す「プリンタモデル300」に関するツリーが表示されている。このツリーから、プリンタモデル300には、少なくとも、ユニットAとユニットBが含まれ、ユニットBには複数の部品が含まれることがわかる。
【0026】
また、表示欄203には、プリンタモデル300が表示される。つまり、表示欄203は、3次元モデルの表示領域の一例である。
【0027】
本実施形態の表示処理部130は、表示欄202のツリーにおいて、1又は複数の部品が選択されると、表示欄203に表示されたプリンタモデル300における、選択された部品の表示態様を、個他の部品の表示態様と異ならせる。具体的には、表示処理部130は、
図2に示すように、選択された部品の色を、他の部品の色と異ならせてもよい。
【0028】
また、本実施形態では、部品が選択されると、表示欄203に表示されたプリンタモデル300(組立品)における部品の表示位置を示す選択枠が表示される。
【0029】
このとき、表示処理部130は、表示領域に表示されたプリンタモデル300の拡縮率に基づき、選択された部品の選択枠のサイズ(大きさ)を特定し、表示領域のサイズに対する選択枠のサイズが閾値より大きい場合は、特定されたサイズの選択枠を表示させる。
【0030】
また、表示処理部130は、表示領域のサイズに対する選択枠のサイズが閾値以下の場合は、特定されたサイズを変更した選択枠を表示させる。具体的には、表示処理部130は、特定されたサイズよりも大きいサイズの選択枠を表示させる。
【0031】
以下の説明では、選択枠のサイズの表示領域のサイズに対する割合が閾値以下となる部品を微小要素と表現する場合がある。
【0032】
図2では、例えば、表示欄202のツリーにおいて、プリンタモデル300に含まれる部品301が選択されたとする。その場合、表示処理部130は、プリンタモデル300における部品301の表示態様を、プリンタモデル300の他の部品と異なる態様とする。
【0033】
また、表示処理部130は、プリンタモデル300の拡縮率に基づき、部品301の表示位置を示す選択枠の大きさを特定する。部品301の場合、微小要素ではないため、プリンタモデル300の拡縮率に基づき特定された大きさの選択枠302が表示される。
【0034】
また、例えば、表示欄202のツリーにおいて、プリンタモデル300に含まれる部品303が選択されたとする。
【0035】
表示処理部130は、プリンタモデル300の拡縮率に基づき特定された大きさに基づき、部品303の選択枠の大きさを特定し、部品303を微小要素と判定する。したがって、表示処理部130は、部品303の選択枠として、プリンタモデル300の拡縮率に基づき大きさが特定された大きさよりも大きいサイズの選択枠304を表示させる。
【0036】
本実施形態の以下の説明では、選択された部品が微小要素である場合の選択枠を、微小要素用の選択枠と表現する場合がある。
【0037】
また、本実施形態では、通常の選択枠と、微小要素用の選択枠とで、表示態様を異ならせてもよい。
【0038】
具体的には、例えば、通常の選択枠は破線で表示し、微小要素用の選択枠は実線で表示させてもよい。また、微小要素用の選択枠の線の太さを、通常の選択枠の線の太さよりも太くしてもよいし、微小要素用の選択枠の色と、通常の選択枠の色とを異ならせてもよい。
【0039】
図2の例では、通常の選択枠302は破線で表示され、微小要素用の選択枠304は、実線で表示されている。
【0040】
このように、本実施形態では、通常の選択枠は表示された組立品を示す線と、微小要素用の選択枠とを区別可能に表示することで、表示処理部130によって拡大された選択枠の視認性をより良くすることができる。
【0041】
本実施形態では、このように、選択された部品の表示位置を示す選択枠を表示させることで、選択された部品の大きさに関わらず、3次元モデルにおける部品の表示位置を、画面201の閲覧者に容易に把握させることができる。
【0042】
言い換えれば、本実施形態では、表示処理部130のこの処理により、選択された部品が微小要素であっても、この部品の表示位置を示す選択枠の視認性を向上させることができる。
【0043】
尚、
図2の例では、表示欄203には、通常の選択枠302と、微小要素用の選択枠304とが表示されているが、これらの選択枠は、選択された部品に応じて選択されるものであってよい。つまり、部品301が選択されている場合には、選択枠304は表示されず、部品303が選択されている場合には、選択枠302は表示されなくてもよい。
【0044】
以下に、
図3乃至
図6を参照して、本実施形態の情報処理装置100について説明する。
図3は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0045】
本実施形態の情報処理装置100は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置101、出力装置102、ドライブ装置103、補助記憶装置104、メモリ装置105、演算処理装置106及びインタフェース装置107を含むコンピュータである。
【0046】
入力装置101は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置102は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インタフェース装置107は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0047】
表示処理部130を実現する表示プログラムは、情報処理装置100を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。表示プログラムは、例えば記憶媒体108の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。表示プログラムを記録した記憶媒体108は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0048】
また、表示プログラムは、これらのプログラムを記録した記憶媒体108がドライブ装置103にセットされると、記憶媒体108からドライブ装置103を介して補助記憶装置104にインストールされる。ネットワークからダウンロードされたこのプログラムは、インタフェース装置107を介して補助記憶装置104にインストールされる。
【0049】
補助記憶装置104は、ユニット情報データベース110、部品情報データベース120等の情報処理装置100の有する各記憶部等を実現するものであり、情報処理装置100にインストールされた表示プログラムを格納すると共に、情報処理装置100による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置105は、情報処理装置100の起動時に補助記憶装置104から表示プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置106はメモリ装置105に格納された表示プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0050】
次に、
図4及び
図5を参照して、情報処理装置100の有する各データベースについて説明する。
【0051】
図4は、ユニット情報データベースの一例を示す図である。本実施形態のユニット情報データベース110は、情報の項目として、ユニット番号、部品数/ユニット数、親ユニット名、部品名/ユニット名、配置情報(座標)、配置情報(姿勢)を有する。
【0052】
ユニット情報データベース110において、項目「ユニット番号」と、その他の項目とが対応付けられている。以下の説明では、ユニット情報データベース110において、項目「ユニット番号」の値と、その他の項目の値とを含む情報をユニット情報と呼ぶ場合がある。
【0053】
また、ユニット情報は、ヘッダー情報と、モデル情報とを含む。ユニット情報において、項目「ユニット番号」、「部品数/ユニット数」、「親ユニット名」の値は、ヘッダー情報となる。また、ユニット情報において、項目「部品名/ユニット名」、「配置情報(座標)」、「配置情報(姿勢)」の値は、モデル情報となる。
【0054】
ユニット情報において、モデル情報は、ユニット番号で特定されるユニットに含まれるユニット毎または部品毎の情報であり、各モデル情報はユニット番号と対応付けられる。
【0055】
また、
図4に示すユニット情報は、ユニット番号毎に、ユニット情報データベース110に格納される。したがって、例えば、ある組立品に複数のユニットが存在する場合には、各ユニットのユニット情報がユニット情報データベース110に格納されることになる。
【0056】
項目「ユニット番号」の値は、文字列で表される情報であり、ユニットを特定するための情報である。尚、本実施形態では、ユニットを特定する情報として、ユニット名を用いてもよい。
【0057】
項目「部品数/ユニット数」の値は、整数で表される情報であり、ツリーにおいて、ユニット番号によって特定されるユニットに含まれるユニット数、又は、ユニット番号によって特定されるユニットに含まれる部品数を示す。
【0058】
項目「親ユニット名」の値は、文字列で表される情報であり、ユニット番号で特定されるユニットが属するユニット(親ユニット)の名称を示す。尚、親ユニット名の代わりに、親ユニットのユニット番号を用いてもよい。
【0059】
項目「部品名/ユニット名」の値は、文字列で表される情報であり、ユニット番号で特定されるユニットに含まれるユニットの名前、又は、ユニット番号で特定されるユニットに含まれる部品の名前を示す。尚、項目「部品名/ユニット名」の値は、部品又はユニットを特定するための情報であるため、部品名またはユニット名の代わりに、部品番号またはユニット番号を用いてもよい。
【0060】
項目「配置情報(座標)」の値は、3次元の座標で示される情報であり、親ユニットの原点を原点とする座標系における、部品名又はユニット名で特定される部品又はユニットの原点の座標を示す。
【0061】
項目「配置情報(姿勢)」の値は、3×3の行例で示される情報であり、親ユニットの姿勢から導出される、部品名又はユニット名で特定される部品又はユニットの姿勢を示す。
【0062】
図4の例では、ユニット名「ユニットA」で特定されるユニットのユニット情報の一例を示している。ユニットAは、ヘッダー情報から、ユニットAに含まれる部品数は2であり、プリンタモデルに属するユニットであることがわかる。
【0063】
また、ユニットAに含まれる2つの部品は、ユニット情報のモデル情報から、構成モデル_Aと、構成モデル_Bであることがわかる。
【0064】
図5は、部品情報データベースの一例を示す図である。本実施形態の部品情報データベース120は、情報の項目として、部品番号、形状、座標、姿勢を有し、項目「部品番号」とその他の項目とが対応付けられている。以下の説明では、部品情報データベース120において、項目「部品番号」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、部品情報と呼ぶ場合がある。
【0065】
また、本実施形態の部品情報データベース120には、部品毎に部品情報が格納される。
【0066】
項目「部品番号」の値は、部品を特定するための番号を示す。尚、項目「部品番号」の値は、部品を特定できる情報であればよく、部品番号の代わりに部品名を用いてもよい。
【0067】
項目「形状」の値は、部品の形状を表現するポリゴンデータであり、具体的には、ポリゴンを構成する3頂点の座標値と、3つの頂点部の法線ベクトルとで示される。本実施形態では、部品の形状は、ポリゴン(面)の集合体で、表現される。ポリゴンデータとは、立体を表現する際に用いられる多角形の平面データである。
【0068】
項目「座標」の値と、項目「姿勢」の値とは、ユニット情報に含まれるモデル情報の項目「配置情報(座標)」の値と、項目「配置情報(姿勢)」の値と同様であるから、説明を省略する。
【0069】
図5の例では、部品名「構成モデル_B」の形状は、頂点1、頂点2、頂点3のそれぞれを示す座標値v11、v12、v13と、法線ベクトルVec1で示される第1の面から、点1、頂点2、頂点3のそれぞれを示す座標値vn1、vn2、vn3と、法線ベクトルVecnで示される第nの面までの面の集合によって表現される。
【0070】
尚、座標値vn1は、座標(x1、y1、z1)であり、座標値vn2は、座標(x2、y2、z2む)であり、座標値vn3は、座標(x3、y3、z3)である。
【0071】
次に、
図6を参照して、本実施形態の情報処理装置100の表示処理部130の機能について説明する。
【0072】
図6は、表示処理部の機能構成を説明する図である。本実施形態の表示処理部130は、入力受付部131、サイズ特定部132、半径取得部133、割合判定部134、比率算出部135、長さ算出部136、頂点特定部137、選択枠作成部138、表示制御部139を有する。
【0073】
入力受付部131は、情報処理装置100に対する各種の入力を受け付ける。具体的には、例えば、表示処理部130が表示した組立品の選択等を受け付ける。
【0074】
サイズ特定部132は、部品の選択を受け付けて、組立品の表示領域における拡縮率に基づき、選択された部品の表示位置を示す選択枠のサイズを特定する。
【0075】
具体的には、サイズ特定部132は、選択された部品又は組立品を包含する最小の直方体の稜線を、選択枠として特定する。また、サイズ特定部132は、特定した選択枠の対角線の長さを示す値を、特定された選択枠のサイズとして取得する。
【0076】
以下の説明では、サイズ特定部132によって特定された選択枠を、通常の選択枠と表現する場合がある。
【0077】
半径取得部133は、表示領域全体に包含される球の半径を示す値を取得する。半径取得部133の詳細は後述する。
【0078】
割合判定部134は、半径取得部133が取得した半径の値に対する選択枠の対角線の割合が、閾値以下であるか否かを判定する。本実施形態の閾値は、予め設定された値であり、割合判定部134は、割合の閾値を示す閾値情報140を保持している。本実施形態の閾値情報140が示す割合の閾値は、例えば、5%とした。
【0079】
比率算出部135は、サイズ特定部132が特定した選択枠の対角線の長さに対する、xyz成分のそれぞれの長さの比率を算出する。言い換えれば、比率算出部135は、サイズ特定部132が特定した選択枠(通常の選択枠)の対角線に対する、x軸方向の辺の長さの比率、y軸方向の辺の長さの比率、z軸方向の辺の長さの比率を算出する。
【0080】
長さ算出部136は、半径取得部133が取得した半径に対する割合が、閾値情報140が示す閾値となる長さを算出する。具体的には、長さ算出部136は、半径取得部133が取得した半径の5%の長さを算出する。
【0081】
また、長さ算出部136は、半径の5%の長さに対し、比率算出部135が算出した各比率を乗算し、拡大した選択枠のx軸方向の辺の長さ、y軸方向の辺の長さ、z軸方向の辺の長さを算出する。
【0082】
頂点特定部137は、長さ算出部136により算出された各辺の長さに基づき、拡大した選択枠の8つの頂点の座標を特定する。具体的には、頂点特定部137は、選択された部品の部品情報を参照し、この部品を示す形状の中心点の座標を取得し、中心点の座標と、長さ算出部136により算出された各辺の長さとから、8つの頂点を特定する。
【0083】
選択枠作成部138は、頂点特定部137によって特定された頂点の座標に基づき、選択枠の画像を作成する。
【0084】
表示制御部139は、選択枠作成部138が作成した選択枠を、表示領域において、選択された部品を包含するように表示させる。
【0085】
次に、
図7を参照して、本実施形態の情報処理装置100の表示処理部130の処理について説明する。
図7は、表示処理部の処理を説明するフローチャートである。
【0086】
本実施形態の情報処理装置100において、表示処理部130の入力受付部131は、表示領域に表示された3次元モデルにおいて、部品の選択を受け付ける(ステップS701)。
【0087】
続いて、表示処理部130は、サイズ特定部132により、選択された部品の選択枠のサイズを特定する(ステップS702)。言い換えれば、サイズ特定部132は、通常の選択枠のサイズを特定する。
【0088】
具体的には、サイズ特定部132は、選択された部品を包含する最小の直方体の稜線を、選択枠として特定し、特定した選択枠の対角線の長さを示す値を、通常の選択枠のサイズとして取得する。このとき、サイズ特定部132は、A=通常の選択枠のサイズとする。
【0089】
次に、表示処理部130は、半径取得部133により、表示領域全体に包含される球の半径を取得する(ステップS703)。このとき、半径取得部133は、B=取得した半径の値とする。
【0090】
続いて、表示処理部130は、割合判定部134により、半径の値に対する、通常の選択枠の対角線の長さの割合を算出する(ステップS704)。言い換えれば、割合判定部134は、A/Bの値を算出する。ここで算出される割合を、第1の割合と表現する場合がある。
【0091】
続いて、割合判定部134は、選択された部品が微小要素であるか否かを判定する(ステップS705)。具体的には、割合判定部134は、閾値情報140が示す閾値を5%とし、A/Bの値が、閾値以下であるか否かを判定する。
【0092】
ステップS705において、A/Bの値が、閾値より大きい場合、表示処理部130は、後述するステップS712に進む。
【0093】
ステップS705において、A/Bの値が、閾値以下である場合、表示処理部130は、比率算出部135により、ステップS702で取得された対角線の長さに対する、通常の選択枠のx軸方向の辺の長さ、y軸方向の辺の長さ、z軸方向の辺の長さのそれぞれの比率を算出する(ステップS706)。ここでは、C=x軸方向の辺の長さ、y軸方向の辺の長さ、z軸方向の辺の長さ/Aとする。
【0094】
続いて、表示処理部130は、長さ算出部136により、ステップS703で取得した半径における、閾値が示す割合の長さを算出する(ステップS707)。具体的には、長さ算出部136は、半径の値の5%の長さを算出する。ここで、D=半径の値の5%の長さとする。
【0095】
続いて、長さ算出部136は、微小要素用の選択枠のx軸方向、y軸方向、z軸方向のそれぞれの辺の長さを算出する(ステップS708)。具体的には、長さ算出部136は、ステップS707で求めたDの値と、ステップS706で求めた各軸方向のCの値とを乗算する。
【0096】
続いて、表示処理部130は、頂点特定部137により、ステップS708で算出した各軸方向の辺の長さから、微小要素用の選択枠を示す直方体の8つの頂の座標を特定する(ステップS709)。具体的には、頂点特定部137は、選択された部品の部品情報から、部品の中心点を示す座標を取得し、この座標と、各軸方向の辺の長さを用いて、8つの頂点の座標を特定する。
【0097】
続いて、表示処理部130は、選択枠作成部138により、8つの頂点を結ぶ直方体を作成する(ステップS710)。
【0098】
続いて、表示処理部130は、表示制御部139により、作成した選択枠を、微小要素用の線属性で、選択枠を描画し(ステップS711)、処理を終了する。
【0099】
微小要素用の線属性とは、例えば、実線、太線、線の色等を示す。微小要素用の線属性は、通常の選択枠の線属性と異なるものであってよい。
【0100】
また、ステップS705において、特定された選択枠のサイズが閾値より大きい場合、表示処理部130は、頂点特定部137により、通常の選択枠の各頂点を示す座標を取得する(ステップS712)。具体的には、頂点特定部137は、選択された部品の部品情報を参照して、通常の選択枠の各頂点の座標を取得してもよい。
【0101】
続いて、表示処理部130は、選択枠作成部138により、通常の選択枠を作成し(ステップS713)、表示制御部139により、通常の線属性で、選択枠を描画して(ステップS714)、処理を終了する。
【0102】
通常の線属性とは、例えば、破線等であり、微小要素用の線属性と異なるものであってよい。
【0103】
以下に、
図8、
図9を参照して、本実施形態の表示処理部130の処理について、さらに説明する。
図8は、表示処理部の処理を説明する第一の図である。
【0104】
図8では、
図7のステップS702からステップS705までの処理を説明する。
図8の例では、プリンタモデル300に含まれるユニット310が、3次元モデルの表示欄である表示領域203Aに表示された状態において、部品305が選択された状態を示す。
【0105】
表示処理部130は、部品305の選択を受け付けると、部品305の部品情報から、部品305を包含する最小の直方体306の対角線R2の長さを算出する。また、表示処理部130は、表示領域203Aに包含される球400の半径R1を算出する。尚、球400は、表示領域203Aに内接し、且つ、表示領域203Aに表示される3次元モデルであるユニット310を含む球である。
【0106】
そして、表示処理部130は、半径R1に対する対角線R2の長さの割合が、閾値以下であるか否かを判定する。
【0107】
尚、本実施形態では、閾値を5%としたが、閾値はこれに限定されず、任意の値に設定されてよい。
【0108】
図9は、表示処理部の処理を説明する第二の図である。
図9(A)は、
図7のステップS712~ステップS714までの処理について説明する図であり、
図9(B)は、
図7のステップS706~ステップS711までの処理について説明する図である。
【0109】
図9(A)では、
図8と同様に、ユニット310において部品305が選択された場合の選択枠の表示例を示す。
【0110】
表示領域203Aに包含される球400の半径R1に対する部品305を包含する直方体306の対角線R2の長さの割合は、閾値より大きく、部品305は微小要素ではない。
【0111】
このため、表示処理部130は、部品305を包含する直方体306を、通常の選択枠の線属性で表示させる。
図9(A)の例では、通常の選択枠の線属性を破線とし、直方体306が、各辺を破線で描画した選択枠として表示される。
【0112】
図9(B)では、ユニット310において部品307が選択された場合の選択枠の表示例を示す。
【0113】
部品307は、球400の半径R1に対する部品307を包含する直方体の対角線の長さの割合が、閾値以下となる微小要素である。
【0114】
したがって、表示処理部130は、対角線の長さが、球400の半径R1の5%の長さとなる直方体を作成する。
【0115】
具体的には、部品307を包含する直方体の対角線の長さに対する、X軸、Y軸、Z軸方向の各辺の長さの比率を算出する。そして、表示処理部130は、球400の半径R1の5%の値に各軸の比率を乗算して、X軸、Y軸、Z軸方向の各辺の長さを算出する。この各辺の長さは、対角線の長さが半径R1の5%の長さとなる直方体のX軸、Y軸、Z軸方向の辺の長さとなる。
【0116】
次に、表示処理部130は、算出した各軸方向の辺の長さと、部品307を包含する直方体の中心点を示す座標とから、対角線の長さが半径R1の5%の長さとなる直方体の8つの頂点を特定する。
【0117】
そして、表示処理部130は、特定した8つの頂点を、微小要素用の線属性で表示させることで、微小要素用の選択枠308を表示させる。
図9(B)の例では、微小要素の線属性は、実線とした。
【0118】
このように、本実施形態では、通常の選択枠と、微小要素用の選択枠とで、線の属性を異ならせることで、選択された部品が、表示領域に表示された組立品における微小要素であるか否かを容易に把握させることができる。
【0119】
尚、
図9(B)の例では、部品307は微小要素と判定されるが、例えば、表示領域において、ユニット310における部品307の周辺が拡大され、半径R1に対する、部品307を包含する直方体の対角線の長さの割合が閾値より大きくなった場合には、部品307は、微小要素ではなくなる。
【0120】
次に、
図10を参照して、微小要素用の選択枠の表示例について説明する。
図10は、表示例を示す図である。
【0121】
図10に示す画面201Aでは、表示欄202に表示されたツリーにおいて、ユニットBの部品312が選択されている。
【0122】
この部品312を包含する直方体の対角線の長さは、表示欄203に包含される球の半径の5%の長さ以下であり、微小要素である。
【0123】
このため、部品312の表示位置を示す選択枠313は、微小要素用の選択枠の線属性で表示されている。
【0124】
図11は、比較例を示す図である。
図11の画面201Bでは、表示欄203に、微小要素である部品312の選択枠を、通常の選択枠313Aとして表示した場合を示している。つまり、選択枠313Aは、対角線の長さが、表示欄203に包含される球の半径の5%の長さ以下の直方体として表示される。
【0125】
図10に示す選択枠313は、
図11に示す選択枠313Aと比較すると、大きい直方体であり、視認性が向上している。
【0126】
以上のように、本実施形態によれば、組立品から選択された部品の選択枠の視認性を向上させることができる。
【0127】
尚、本実施形態では、選択された部品が微小要素である否かを判定する際に、選択された部品を含む直方体の対角線の長さを用いて判定するものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、部品のサイズに基づき、表示領域において選択された部品が微小要素であるか否かを判定してもよい。この場合には、例えば、選択された部品の表示領域における面積等を用いて、選択された部品が微小要素であるか否かを判定してもよい。
【0128】
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
複数の部品を含む組立品のうち一又は複数の部品の選択を受け付けると、表示領域における前記組立品の表示の拡縮率に基づいて、前記一又は複数の部品を囲み前記一又は複数の部品の表示位置を示す選択枠のサイズを特定し、
特定された前記選択枠のサイズの前記表示領域のサイズに対する第1の割合が閾値以下か否かを判定し、
前記第1の割合が前記閾値以下と判定された場合、前記表示領域に対する割合が前記閾値より大きいサイズを有する新たな選択枠を表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
(付記2)
前記選択枠は、
選択された前記一又は複数の部品を包含する最小の直方体である、ことを特徴とする付記1記載の表示プログラム。
(付記3)
前記選択枠のサイズは、前記最小の直方体の対角線の長さで示され、
前記表示領域のサイズは、前記表示領域に包含される球の半径で示され、
前記第1の割合は、前記球の半径に対する前記最小の直方体の対角線の長さの割合を示す、ことを特徴とする付記2記載の表示プログラム。
(付記4)
前記選択枠が表示される場合の前記選択枠の表示態様と、表示される前記新たな選択枠の表示態様とは異なる、
ことを特徴する付記1記載の表示プログラム。
(付記5)
コンピュータによる表示方法であって、
複数の部品を含む組立品のうち一又は複数の部品の選択を受け付けると、表示領域における前記組立品の表示の拡縮率に基づいて、予め設定された前記一又は複数の部品の表示位置を示す選択枠のサイズを特定し、
特定された前記選択枠のサイズの前記表示領域のサイズに対する第1の割合が閾値以下か否かを判定し、
前記第1の割合が前記閾値以下と判定された場合、前記表示領域に対する割合が前記閾値より大きいサイズを有する新たな選択枠を表示する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする表示方法。
(付記6)
複数の部品を含む組立品のうち一又は複数の部品の選択を受け付けると、表示領域における前記組立品の表示の拡縮率に基づいて、前記一又は複数の部品を囲み前記一又は複数の部品の表示位置を示す選択枠のサイズを特定するサイズ特定部と、
特定された前記選択枠のサイズの前記表示領域のサイズに対する第1の割合が閾値以下か否かを判定する割合判定部と、
前記第1の割合が前記閾値以下と判定された場合、前記表示領域に対する割合が前記閾値より大きいサイズを有する新たな選択枠を表示する表示制御部と、
を有することを特徴とする表示装置。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0129】
100 情報処理装置
110 ユニット情報データベース
120 部品情報データベース
130 表示処理部
131 入力受付部
132 サイズ特定部
133 半径取得部
134 割合判定部
135 比率算出部
136 長さ算出部
137 頂点特定部
138 選択枠作成部
139 表示制御部