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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】デスク
(51)【国際特許分類】
   A47B 9/14 20060101AFI20240409BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20240409BHJP
   A47B 17/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A47B9/14
A47B13/00 Z
A47B17/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020137599
(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公開番号】P2022033611
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】千田 啓資
(72)【発明者】
【氏名】徳山 洋
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-46873(JP,A)
【文献】特開2016-159052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 9/14
A47B 7/00
A47B 17/04
A47B 13/00-13/02
A47B 17/00
A47B 83/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に高さ位置の異なる第1の取付箇所と第2の取付箇所とを有する脚体と、この脚体に直接又は間接的に支持される天板と、前記脚体の第1、第2の取付箇所のいずれかに選択的に取付けられる天面形成板と、この天面形成板の後縁から垂下させた幕板とを備えたものであって、
少なくとも前記天面形成板と前記幕板とを一体に構成するとともに、その天面形成部材の前に前記天板を上面同士が面一に連続するように配置しているデスク。
【請求項2】
前記幕板の下部に棚板を一体に設けている請求項1記載のデスク。
【請求項3】
前記天面形成板を第1の取付箇所に取り付けた状態における前記天板は、使用者が起立姿勢で使用するのに適したハイレベル位置に保持されるものである請求項1又は2記載のデスク。
【請求項4】
前記天面形成板を第2の取付箇所に取り付けた状態における前記天板は、使用者が着座姿勢で使用するのに適したローレベル位置に保持されるものである請求項1又は2記載のデスク。
【請求項5】
少なくとも前記天面形成板と前記幕板とが、共通の板金素材により一体に形成された折曲加工品である請求項1又は2記載のデスク。
【請求項6】
前記天面形成板と前記幕板と前記棚板とが、共通の板金素材により一体に形成された折曲加工品である請求項2記載のデスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の高さ位置を変更可能なデスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種のデスクとして、一対の脚体間に天板を高さ位置変更可能に支持させた什器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、この種の什器における天板は、後端が脚体の後端近傍に位置するとともに前端側が前記脚体の前端よりも使用者側に延出する大きな形態をなしている。そのため、天板を比較的大きな素材を用いて製作することが必要であり、製造に要する加工ラインの大型化を招くとともに、素材の調達や運搬等にも制約を受け易い。
【0004】
また、この種の什器で天板下の下肢空間を隠す必要がある場合には、別途幕板を用意する必要があるが、幕板を天板から独立した態様で設けると部品点数が増加し、組立工数や天板の高さ位置を変更する際の作業工数などが多くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-201740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述したような課題を解消することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係るデスクは、相互に高さ位置の異なる第1の取付箇所と第2の取付箇所とを有する脚体と、この脚体に直接又は間接的に支持される天板と、前記脚体の第1、第2の取付箇所のいずれかに選択的に取付けられる天面形成板と、この天面形成板の後縁から垂下させた幕板とを備えたものであって、少なくとも前記天面形成板と前記幕板とを一体に構成するとともに、その天面形成部材の前に前記天板を上面同士が面一に連続するように配置しているものである。
【0008】
請求項2記載の発明に係るデスクは、請求項1記載のものであって、前記幕板の下部に棚板を一体に設けている。
【0009】
請求項3記載の発明に係るデスクは、請求項1又は2記載のものであって、前記天面形成板を第1の取付箇所に取り付けた状態における前記天板は、使用者が起立姿勢で使用するのに適したハイレベル位置に保持されるものである。
【0010】
請求項4記載の発明に係るデスクは、請求項1又は2記載のものであって、前記天面形成板を第2の取付箇所に取り付けた状態における前記天板は、使用者が着座姿勢で使用するのに適したローレベル位置に保持されるものである。
【0011】
請求項5記載の発明に係るデスクは、請求項1又は2記載のものであって、少なくとも前記天面形成板と前記幕板とが、共通の板金素材により一体に形成された折曲加工品である。
【0012】
請求項6記載の発明に係るデスクは、請求項2記載のものであって、前記天面形成板と前記幕板と前記棚板とが、共通の板金素材により一体に形成された折曲加工品である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使い勝手を低下させることなく天板の小型化を図ることができる上に、部品点数の増加も抑制することができ、前述した課題をことごとく解消することが可能となるデスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施形態に係るデスクを示す斜視図。
図2】同実施形態に係るデスクを示す底面側斜視図。
図3】同実施形態に係るデスクを示す正面図。
図4図3におけるA-A線に沿った断面図。
図5】同実施形態に係るデスクを示す分解斜視図。
図6】同実施形態に係るデスクを示す分解斜視図。
図7】同実施形態に係るデスクを示す背面側斜視図。
図8図7に示す使用態様のデスクを示す中央側断面図。
図9】本発明の第二実施形態に係るデスクを示す斜視図。
図10】同実施形態に係るデスクを示す底面側斜視図。
図11】同実施形態に係るデスクを示す正面図。
図12図11におけるB-B線に沿った断面図。
図13】同実施形態に係るデスクを示す分解斜視図。
図14】同実施形態に係るデスクを示す背面側斜視図。
図15図14に示す使用態様のデスクを示す中央側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第一実施形態を図1図8を参照して説明する。
【0016】
この実施形態のデスクD1は、図1図4及び図7図8に示すように、相互に高さ位置の異なる第1の取付箇所1aと第2の取付箇所1bとを有する左右一対の脚体1と、この脚体1に支持される天板2と、脚体1の第1、第2の取付箇所1a、1bのいずれかに選択的に取付けられる天面形成板3と、この天面形成板3の後縁から垂下させた幕板4とを備えたものであって、天面形成板3と幕板4とを一体に構成するとともに、その天面形成板3の前に天板2を上面2a、3a同士が面一に連続するように配置している。そして、この実施形態においては、幕板4の下部、より具体的には垂下端4xに棚板5を一体に設けており、天面形成板3と幕板4と棚板5とが、共通の板金素材により一体に形成された折曲加工品となっている。なお、この明細書では、天板2と一定の相対位置関係を保つ前述の棚板5を「従属タイプの棚板5」と称し、他の棚板6を「独立タイプの棚板6」と称する場合がある。
【0017】
詳述すれば、図1図2図4図6図7及び図8に示すように、各脚体1は、前脚柱11と、後脚柱12と、これら前脚柱11及び後脚柱12の上端間を連結する上連結部材13と、前脚柱11及び後脚柱12の下端近傍部間を連結する下連結部材14とを具備してなる。前脚柱11は後傾姿勢をなすとともに後脚柱12は略鉛直姿勢をなしており、上下の連結部材13、14は水平姿勢をなしている。第1の取付箇所1aは、脚体1の上端部に設定されたもので、各第1の取付箇所1aには、例えば、天板取付用の3つのナットn1と、独立タイプの棚板6を取付けるための2つのナットn3がそれぞれ配されている。具体的には、各ナットn1、n3は、ねじ孔を脚体1の内側面側に開口させて、前後の脚柱11、12に埋設されている。第2の取付箇所1bは、第1の取付箇所1aよりも一定距離だけ下方に位置させて設定されたもので、各第2の取付箇所1bには、例えば、天板取付用の3つのナットn2が配されている。具体的には、各ナットn2は、第1の取付箇所1aに配された3つのナットn1と同様に、ねじ孔を脚体1の内側面側に開口させて、前後の脚柱11、12に埋設されている。さらに、この脚体1は、天板2及び天面形成板3が第1の取付箇所1aに取り付けられている状態で独立タイプの棚板6を下端近傍部の位置に取り付けるための第3の取付箇所1cを備えている。この第3の取付箇所1cには、脚体1の下連結部材14の内面側にねじ孔を開口させたナットn4が配されている。そして、前述したように、第1、第2の取付箇所1a、1bのいずれかに天板2及び天面形成板3が選択的に取り付けられるようになっている。なお、前脚柱11及び後脚柱12は、断面長方形状をなす扁平な角柱パイプ状のもので、左右方向の厚み寸法が前後方向の幅寸法よりも小さく設定されている。そして、前述した上連結部材13及び下連結部材14は、脚柱11、12の外側面11x、12xから突出しない形状をなしており、これら脚柱11、12の外側面11x、12xに同一構造をなす他のデスクD2の脚柱11、12の外側面11x、12xを密着させることができるようになっている。
【0018】
天板2は、図1図8に示すように、矩形状をなす木製の天板本体21を主体に構成されたもので、この天板本体21の下面21cにおける左右両端部にブラケット22が止着されている。ブラケット22は、図2図4図5及び図8に示すように、天板本体21の側方に配されるブラケット本体221と、このブラケット本体221の上縁から延出し天板本体21の下面21cに止着される取付部222とを備えている。ブラケット本体221には、脚体1の第1、第2の取付箇所1a、1bにおける天板取付用のナットn1、n2に対応させてねじ挿通孔22aが設けられている。そして、このねじ挿通孔22aを通過させた図示しないボルトを天板取付用のナットn1、n2に螺着することにより、天板2が第1、第2の取付箇所1a、1bのいずれかに着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0019】
第1の取付箇所1aに取付けられた天板2は、使用者が起立姿勢で使用するのに適した図1図4に示すようなハイレベル位置(H)に保持されるものであり、第2の取付箇所1bに取付けられた天板2は、使用者が着座姿勢で使用するのに適した図7図8に示すようなローレベル位置(L)に保持されるものである。この実施形態の場合には、ハイレベル位置(H)に保持された天板2の上面2aは、床面から900mm離間した高さ位置に保持され、ローレベル位置(L)に保持された天板2の上面2aは、床面から720mm離間した高さ位置に保持されるようになっている。これらの数値は一例であり、適宜設計変更が可能である。なお、木製の天板本体21は、ブラケット22の前半部に取着されている。そして、ブラケット22の後半部には天面形成板3が配されており、この天面形成板3もブラケット22を介して脚体1の第1、第2の取付箇所1a、1bのいずれかに選択的に取付けられるようになっている。
【0020】
天面形成板3は、平面視矩形状をなす板金製のものであり、図2図4図5及び図8に示すように、前縁に天板本体21の後面に沿って垂下する垂下板31と、この垂下板31の下縁から前方に延出し天板本体21の下面にねじ止めされる天板受板32と、左右両側縁から垂下する側板33とを一体に備えている。天面形成板3の後縁には幕板4が垂設されており、この幕板4の垂下端4xには従属タイプの棚板5が設けられている。
【0021】
幕板4は天面形成板3と一体をなす平板状のもので、図2図4図5及び図8に示すように、左右両側縁には、脚体1の後脚柱12にねじ止めされる側板41が一体に設けられている。幕板4は、その外面4aが脚体1の後脚柱12の後端面12yと面一に連続するように配置されており、図示しないねじを用いて脚体1に着脱可能にねじ止めされている。41aは、幕板4の側板41を脚体1に止着するためのねじを挿通させるためのねじ挿通孔である。
【0022】
従属タイプの棚板5は天板2及び天面形成板3と平行をなす平板状のもので、図2図4及び図8に示すように、左右両側縁に側板51が一体に垂設されているとともに、前縁に前枠52が一体に形成されている。なお、相互に直交する幕板4と棚板5との連続部分は、例えば、垂直部71と水平部72とを有する補強板7により補強されている。補強板7の垂直部71は幕板4の側板41の内面に密着状態で剛結されており、水平部72は棚板5の側板51の外面に密着状態で剛結されている。71aは、幕板4の側板41と補強板7の垂直部71とを脚体1に止着するための図示しないねじを挿通させるためのねじ挿通孔である。
【0023】
そして、天板2及び天面形成板3が第1の取付箇所1aに取り付けられている状態では、図1図4に示すように、独立タイプの棚板6が第3の取付箇所1cに取り付けられるようになっており、天板2及び天面形成板3が第2の取付箇所1bに取り付けられている状態では、図7図8に示すように、独立タイプの棚板6が第1の取付箇所1aに取り付けられるようになっている。なお、第3の取付箇所1cに取り付けられた独立タイプの棚板6は、本来の棚板機能だけでなく、足置きとしての機能を発揮させることも可能である。その場合には、棚板3の上面3a側に図示しない断面コ字型をなすカバーを装着するのが望ましい。
【0024】
独立タイプの棚板6は、平面視矩形状をなす板金製のものである。この棚板6の前縁及び後縁には、図4及び図8に示すように、下方に延出した前枠61及び後枠62がそれぞれ設けられているともに、この棚板6の左右両側縁には下方に延出した側板63が設けられている。側板63にはねじ挿通用の切欠63aが形成されている。図8に示すように、天板2及び天面形成板3が第2の取付箇所1bに取り付けられている状態では、このねじ挿通用の切欠63aを通過させた図示しないボルトを第1の取付箇所1aにおける棚板取付用の2つのナットn3に螺着することにより、この棚板6を第1の取付箇所1aに着脱可能に取り付けられるようになっている。一方、天板2及び天面形成板3が第1の取付箇所1aに取り付けられている状態では、図4に示すように、ねじ挿通用の切欠63aを通過させた図示しないボルトを下連結部材14のナットn4にそれぞれ螺着することにより、この棚板6を第3の取付箇所1cに着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0025】
ここで、図1は、天板2を脚体1の第1の取付箇所1aに取り付けた状態を示す上面側からの全体斜視図であり、図2は、同底面側からの全体斜視図である。図3は、同正面図であり、図4は、図3におけるA-A線に沿った断面図である。図5は、天板本体21、ブラケット22、天面形成板3、幕板4及び従属タイプの棚板5を示す分解斜視図である。図6は、天板2、天面形成板3、幕板4及び従属タイプの棚板5を脚体1に取り付ける態様を示す分解斜視図である。図7は、天板2を脚体1の第2の取付箇所1bに取り付けた状態を示す背面側からの全体斜視図である。図8は、同状態を示す中央側断面図である。
【0026】
このような構成のものであれば、天板2の上面2aと天面形成板3の上面3aとが連続しているため、これらの上面2a、3aを従来の天板における天板面と同等に使用することができる。そのため、天板2を従来の天板に比べて小型化することができ、小型化しても使い勝手が低下することもない。このように天板2を小型化することができれば、天板2を製造するための製造設備も無理なくコンパクト化することができ、また、天板2を作るための素材の調達や運搬等もより容易なものとなる。
【0027】
また、この実施形態では、天面形成板3と幕板4と従属タイプの棚板5とを一体に形成しているので、部品点数を大幅に削減することができ、製造に要する工数や組立あるいは組み替えに要する工数を無理なく削減することができる。
【0028】
しかして、このデスクD1は、天板2及び天面形成板3を左右の脚体1における第1の取付位置1aに取り付けることによって、天板2の上面2a及び天面形成板の上面3aがハイレベル位置(H)に保持されることになり、例えば、使用者が起立姿勢で天板2に向き合うことが可能となる。この場合、棚板3は、脚体1における第3の取付位置1cに取り付けることができる。そのため、この棚板3は、幕板4と一体化されて脚体1に取り付けられる従属タイプの棚板5の下方に位置することになり、独立タイプの棚板6及び従属タイプの棚板5の両方にファイル等の保管物を載置して使用することができる。この場合、棚板5と天板2との間に形成される空間の背面は幕板4により隠されるため、棚板5上に載置した保管物を後方から他人に見られるのを防止することができる。なお、着座面がオフィスに通常用いられる椅子よりも高いハイタイプの椅子を別途用意し、天板2の上面2a及び天面形成板の上面3aがハイレベル位置(H)に保持されたデスクD1とともに用いれば、このデスクD1を着座姿勢でも使用できる、その際の着座者の起立及び着座が容易である、着座者と起立している人とのコミュニケーションにも適している、足下にA4サイズのファイルを2段収納できる、といったメリットを得ることもできる。
【0029】
一方、天板2を左右の脚体1における第2の取付位置1bに取り付けることによって、天板2の上面2a及び天面形成板3の上面3aがローレベル位置(L)に保持されることになり、使用者が通常の事務用椅子等を使用して着座姿勢で天板2に向き合うのに適したものとなる。この場合、独立タイプの棚板6は、第3の取付箇所1cから取り外し、第1の取付箇所1aに取り付けることができる。この場合には、棚板6の上面6aがローレベル位置(L)に保持されている天板2の上面2aより高いハイレベル位置(H)に保持されることになる。幕板4は天板2及び天面形成板3とともに移動させてローレベル位置(L)にある天面形成板3から垂下する姿勢で脚体1に取り付けることができる。従属タイプの棚板5は、天面形成板3及び幕板4と共に下方に移動させて新たな位置に取り付けることができ、この取付状態における従属タイプの棚板5と天板2及び天面形成板3との相対位置は同じになる。したがって、サブ棚板5の上には、常に一定の空間が形成されることになり、この空間の背面は幕板4により隠される。そのため、天板2がローレベル位置(L)に保持された状態においてもサブ棚板5上に載置した保管物を後方から他人に見られるのを防止することができる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態を図9図15を参照して説明する。なお、第二実施形態のデスクD2を説明するにあたり、前述した第一実施形態のデスクD1と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
【0030】
このデスクD2は、図9図12及び図14図15に示すように、相互に高さ位置の異なる第1の取付箇所1aと第2の取付箇所1bとを有する左右一対の脚体1と、この脚体1に支持される天板2と、脚体1の第1、第2の取付箇所1a、1bのいずれかに選択的に取付けられる天面形成板3と、この天面形成板3の後縁から垂下させた幕板104とを備えたものであって、天面形成板3と幕板104とを一体に構成するとともに、その天面形成板3の前に天板2を上面2a、3a同士が面一に連続するように配置している。天面形成板3と幕板104とは、共通の板金素材により一体に形成された折曲加工品となっている。そして、この実施形態においては、幕板104の垂下端104xの近傍に、幕板104とは別体をなし天板2と一定の相対位置関係を保つ従属タイプの棚板105が配されている。
【0031】
ここで、脚体1と、天板2と、天板形成板3と、独立タイプの棚板6は、前述した第一実施形態のものと全く同一又は略同一のものでよいが、幕板104と、従属タイプの棚板105は、第一実施形態のものとは構成を異にしている。
【0032】
幕板104は、天面形成板3と一体をなす平板状のもので、図9図10図12図13及び図15に示すように、左右両側縁には、脚体1の後脚柱12にねじ止めされる側板141が一体に設けられているとともに、その下部、より具体的には垂下端104xには下枠142が一体に形成されている。側板141には、当該幕板104を脚体1にねじ止めするためのねじ挿通孔141aが形成されている。また、側板141の上端部には、天板2のブラケット22との干渉を避けるための切欠部141bが形成されているとともに、垂下端104xの近傍には従属タイプの棚板105との干渉を避けるための切欠部141cが設けられている。
【0033】
従属タイプの棚板105は、前後両縁部及び左右両側縁部を下方に延出させた板金製のものである。この棚板105の前縁及び後縁には、図9図13に示すように、下方に延出した前枠151及び後枠152がそれぞれ設けられているともに、この棚板105の左右両側縁には下方に延出した側板153が設けられている。側板153にはねじ挿通用の切欠153aが形成されている。この棚板105は、ブラケット154を介して脚体1の後脚柱12に着脱可能にねじ止めされている。ブラケット154は、棚板105を支持する水平部155と、脚支柱12にねじ止めされる垂下部156とを備えた板金製のものである。水平部155は、棚板105の下面を支持する支持板155aと、この支持板155aの外縁から起立し棚板105の側板153の外面に添接する端板155bとを備えたもので、端板155bには、側板105の切欠153aに係合する図示しないピンが植設されている。垂下部156には、幕板104の下枠142が係合する凹陥部分156aが形成されているとともに、当該ブラケット154を脚体1にねじ止めするためのねじ挿通孔156bが穿設されている。この実施形態の場合、垂下部156は、水平部と一体をなす外板金156xと、この外板金156xの内側に添接された内板金156yとを備えた二重構造をなしているが、必ずしもこのようなものに限られない。
【0034】
ここで、図9は、天板2を脚体1の第1の取付箇所1aに取り付けた状態を示す上面側からの全体斜視図であり、図10は、同底面側からの全体斜視図である。図11は、同正面図であり、図12は、図11におけるB-B線に沿った断面図である。図13は、天面形成板3、幕板104及び従属タイプの棚板105を示す分解斜視図である。図14は、天板2を脚体1の第2の取付箇所1bに取り付けた状態を示す背面側からの全体斜視図である。図15は、同状態を示す中央側断面図である。
【0035】
このような構成のデスクD2においても、天板2の上面2aと天面形成板3の上面3aとが連続しているため、これらの上面2a、3aを従来の天板における天板面と同等に使用することができる。そのため、天板2を従来の天板に比べて小型化することができ、小型化しても使い勝手が低下することもない。このように天板2を小型化することができれば、天板2を製造するための製造設備も無理なくコンパクト化することができ、また、天板2を作るための素材の調達や運搬等もより容易なものとなる。
【0036】
また、この実施形態でも、天面形成板3と幕板4とを一体に形成しているので、部品点数を削減することができ、製造に要する工数や組立あるいは組み替えに要する工数も無理なく削減することができる。
【0037】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0038】
たとえば、棚板の数すなわち天板を取り付け可能な箇所の数は2箇所以上であれば任意に設定してよく、各天板の高さ位置も任意に設定してよい。脚体の形状も、上述した各実施形態のようなものに限らず、任意に設定してよい。
【0039】
また、天板は木製のものに限らず、例えば板金製のものであってもよい。
【0040】
さらに、天面形成板と幕板とを共通の板金素材により一体に形成する態様以外に、例えばそれぞれ別体に形成した天面形成板及び幕板を溶接や止着具により相互に固定して一体のものとする態様を採用してもよい。また、板金素材も、ステンレスその他の鋼材やアルミ板等、種々のものを採用してよい。
【0041】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0042】
D1、D2…デスク
1…脚体
1a…第1の取付箇所
1b…第2の取付箇所
2…天板
2a…(天板の)上面
3…天面形成板
3a…(天面形成板の)上面
4、104…幕板
5、105…(従属タイプの)棚板
(H)…ハイレベル位置
(L)…ローレベル位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15