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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
E03D9/08 L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020157791
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022051358
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 恒太
(72)【発明者】
【氏名】黒木 潤二
(72)【発明者】
【氏名】寺田 祐太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤田 恵亮
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-74575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08-9/16
A47K 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の局部を乾燥させる温風乾燥ユニットを有するトイレ装置であって、
前記温風乾燥ユニットは、
温風を送り出す送風部と、
使用者の局部に向けて前記温風を吹き出す吹出部と
を備え、
前記吹出部は、
先端に形成される第1吹出口から前記温風を吹き出す第1ノズルと、
前記第1ノズルの外周に沿って前記温風を吹き出す第2吹出口が形成される第2ノズルと
を備えることを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記第1ノズルの外周壁は、前記送風部側から前記第1吹出口に向かうにつれて、前記第1ノズルに形成される流路の中心軸との距離が短くなる傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記第1ノズルに形成される流路の断面積は、前記送風部側から前記第1吹出口に向かうにつれて小さくなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記第1ノズルの前記送風部側の端部は、前記第2ノズルに挿入され、
前記第2ノズルと、前記第2ノズルに挿入される前記第1ノズルとによって、前記第2吹出口へ前記温風を導く流路が形成される
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記第1吹出口は、縦長の楕円形状である
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記第1吹出口は、正面視において、長軸の上方側がトイレ装置の左右方向の中央寄りに傾斜するように形成される
ことを特徴とする請求項5に記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の局部に向けて温風を吹き出すトイレ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-178412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記トイレ装置は、外気を出口開口部に導入する外気導入路をダクトの先端に設け、導入された外気を、ヒータによって加熱された温風とともに吹き出している。
【0005】
しかし、上記トイレ装置は、吹き出された温風が拡散するおそれがある。吹き出された温風が拡散すると、局部における風速が低下し、局部の乾燥時間が長くなるおそれがある。
【0006】
実施形態の一態様は、温風の拡散を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係るトイレ装置は、使用者の局部を乾燥させる温風乾燥ユニットを有する。前記温風乾燥ユニットは、温風を送り出す送風部と、使用者の局部に向けて前記温風を吹き出す吹出部とを備える。前記吹出部は、先端に形成される第1吹出口から前記温風を吹き出す第1ノズルと、前記第1ノズルの外周に沿って前記温風を吹き出す第2吹出口が形成される第2ノズルとを備える。
【0008】
これにより、トイレ装置は、第2吹出口から吹き出される温風によって、第1吹出口から吹き出される温風が拡散することを抑制することができる。そのため、トイレ装置は、使用者の局部に当たる温風の風速が低下することを抑制し、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。また、トイレ装置は、小型の送風部を用いることができ、温風乾燥ユニットを小型化することができる。そのため、トイレ装置のデザイン性を向上させることができる。
【0009】
前記第1ノズルの外周壁は、前記送風部側から前記第1吹出口に向かうにつれて、前記第1ノズルに形成される流路の中心軸との距離が短くなる傾斜面を有する。
【0010】
これにより、トイレ装置は、第2吹出口から吹き出された温風を第1ノズルの傾斜面に沿って流すことによって、第1吹出口から吹き出される温風が拡散することをさらに抑制することができる。そのため、トイレ装置は、使用者の局部に当たる温風の風速が低下することを抑制し、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。
【0011】
前記第1ノズルに形成される流路の断面積は、前記送風部側から前記第1吹出口に向かうにつれて小さくなる。
【0012】
これにより、トイレ装置は、第1吹出口から吹き出される温風の風速を大きくすることができる。そのため、トイレ装置は、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。
【0013】
前記第1ノズルの前記送風部側の端部は、前記第2ノズルに挿入される。前記第2ノズルと、前記第2ノズルに挿入される前記第1ノズルとによって、前記第2吹出口へ前記温風を導く流路が形成される。
【0014】
これにより、トイレ装置は、流路によって第2吹出口から吹き出される温風を整流することができる。そのため、トイレ装置は、第2吹出口から吹き出される温風が拡散することを抑制し、第2吹出口から吹き出された温風によって、第1吹出口から吹き出される温風が拡散することを抑制することができる。そのため、トイレ装置は、使用者の局部に当たる温風の風速が低下することを抑制し、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。また、トイレ装置は、第2吹出口を簡易な構成によって形成することができ、温風乾燥ユニットをコンパクトにすることができる。
【0015】
前記第1吹出口は、縦長の楕円形状である。
【0016】
これにより、トイレ装置は、第1吹出口から吹き出された温風を使用者の臀部に沿って流すことができる。そのため、トイレ装置は、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。また、第1吹出口から吹き出された温風は、短軸方向に拡散し、使用者の局部に温風が当たる際には、円形に近い形状の温風となる。そのため、トイレ装置は、温風が使用者の局部に当たる際に使用者の触感を向上させることができる。
【0017】
前記第1吹出口は、正面視において、長軸の上方側がトイレ装置の左右方向の中央寄りに傾斜するように形成される。
【0018】
これにより、トイレ装置は、第1吹出口から吹き出された温風を使用者の臀部に沿って流すことができる。そのため、トイレ装置は、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。
【発明の効果】
【0019】
実施形態の一態様によれば、温風の拡散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態に係るトイレ装置の斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る衛生洗浄装置の組み立て斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る本体部の一部を示す概略平面図である。
図4図4は、実施形態に係る温風乾燥ユニットの斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る温風乾燥ユニットの平面図である。
図6図6は、図5のVI-VI断面図である。
図7図7は、図5の矢視A図である。
図8図8は、実施形態に係る吹出部による温風の流れを示す図である。
図9図9は、変形例に係る温風乾燥装置の一部を前方から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するトイレ装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0022】
<トイレ装置>
まず、図1を参照して実施形態に係るトイレ装置1について説明する。図1は、実施形態に係るトイレ装置1の斜視図である。なお、図1には、説明の便宜上、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。直交座標系は、他の図においても図示している場合がある。
【0023】
直交座標系は、X軸の正方向を「右方」と規定し、X軸の負方向を「左方」と規定し、Y軸の正方向を「後方」と規定し、Y軸の負方向を「前方」と規定している。また、直交座標系は、Z軸の正方向を「上方」と規定し、Z軸の負方向を「下方」と規定している。このため、以下の説明では、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という場合がある。
【0024】
図1に示すように、トイレ装置1は、トイレルーム100内に設置される。トイレ装置1は、洋式便器(以下、便器という)2と、衛生洗浄装置10とを備える。便器2は、たとえば、陶器製である。便器2には、便鉢2aが形成される。便鉢2aは、下方に凹んだ形状であり、使用者の排泄物を受ける部位である。なお、便器2は、図示のような床置き式に限らず、壁掛け式でもよい。
【0025】
なお、トイレ装置1は、たとえば、便器2の後部に洗浄水を貯留する洗浄水タンクが設置されてもよいし、洗浄水タンクが設置されない、いわゆるタンクレス式でもよい。また、トイレ装置1は、たとえば、サイホン作用を利用して便鉢2a内の汚物を引き込んでトラップ管路から排出する、いわゆるサイホン式でもよいし、たとえば、便鉢2a内の洗浄水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる洗い落し式でもよい。
【0026】
衛生洗浄装置10は、便器2の上面後部に取り付けられ、本体部11と、便座12と、便蓋13とを備える。なお、衛生洗浄装置10は、便器2と一体化するように取り付けられてもよいし、便器2に対して着脱可能に取り付けられてもよい。衛生洗浄装置10は、トイレルーム100の壁面に設置された操作部51が使用者によって操作されると、たとえば、便蓋13を開閉し、また後述する機能部の各種機能を動作させる。
【0027】
衛生洗浄装置10では、図2に示すように、便座12および便蓋13は、それぞれの後部が本体部11に軸支され、本体部11に対して上下方向に揺動可能に取り付けられる。なお、便蓋13は、衛生洗浄装置10に必要に応じて取り付けられ、省略可能である。図2は、実施形態に係る衛生洗浄装置10の組み立て斜視図である。
【0028】
本体部11は、ケーシング14と、洗浄ユニット15と、温風乾燥ユニット16(図3参照)とを備える。
【0029】
ケーシング14は、洗浄ユニット15、および温風乾燥ユニット16を収容する。なお、本体部11は、洗浄ユニット15、および温風乾燥ユニット16の他に、脱臭ユニットや、便座暖房ユニットなどを有してもよい。脱臭ユニットは、便鉢2a(図1参照)内およびトイレルーム100(図1参照)内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気に含まれる臭気を吸収または分解し、ケーシング14の外部(トイレルーム100内)へ排出する。便座暖房ユニットは、便座12の着座面を適温に温める。
【0030】
洗浄ユニット15は、洗浄ノズル15aを進退させて、洗浄ノズルから使用者の局部に向けて水を噴出させて局部を洗浄する。洗浄ノズル15aは、ケーシング14の左右方向の中央に設けられる。
【0031】
<温風乾燥ユニット>
次に、実施形態に係る温風乾燥ユニット16について、図3図7を参照し説明する。図3は、実施形態に係る本体部11の一部を示す概略平面図である。図4は、実施形態に係る温風乾燥ユニット16の斜視図である。図5は、実施形態に係る温風乾燥ユニット16の平面図である。図6は、図5のVI-VI断面図である。図7は、図5の矢視A図である。
【0032】
温風乾燥ユニット16は、使用者の局部に向けて温風を吹き出して局部を乾燥させる。温風乾燥ユニット16は、洗浄ノズル15aの右方に設けられる。温風乾燥ユニット16は、前方側が洗浄ノズル15a寄りとなるように、前後方向に対して傾斜して設けられる。
【0033】
温風乾燥ユニット16は、送風部20と、吹出部21とを備える。送風部20は、電動モータによってファンが回転し、空気を送り出す。送風部20は、例えば、シロッコファンである。また、送風部20は、ヒータを含んでもよい。
【0034】
送風部20は、ヒータによって温められた空気を送り出す。すなわち、送風部20は、温風を送り出す。なお、送風部20は、ヒータによって空気を温めずに、空気を送り出してもよい。ここでは、ヒータによる空気の温めの有無にかかわらず、送風部20から送り出される空気を「温風」として説明する。
【0035】
吹出部21は、送風部20によって送り出された温風を、使用者の局部に向けて吹き出す。吹出部21は、第1ノズル22と、第2ノズル23とを備える。
【0036】
第1ノズル22は、筒状であり、内部に温風を流す流路30が形成される。第1ノズル22の前方の端部には、第1吹出口31が形成される。すなわち、第1ノズル22の先端には、第1吹出口31が形成される。第1ノズル22は、第1吹出口31から使用者の局部に向けて温風を吹き出す。
【0037】
第1ノズル22の外周壁32は、送風部20側から第1吹出口31に向かうにつれて、流路30の中心軸Pとの距離が短くなる傾斜面を有する。第1ノズル22の外周壁32は、全周にわたり傾斜面によって構成される。すなわち、第1ノズル22は、先端となるにつれて細くなる。
【0038】
第1ノズル22に形成される流路30の断面積は、先端となるにつれて小さくなる。流路30を形成する内壁33は、送風部20側から第1吹出口31に向かうにつれて、流路30の中心軸Pとの距離が短くなる傾斜面である。第1ノズル22の送風部20側の端部は、第2ノズル23に挿入される。
【0039】
第1吹出口31は、縦長の楕円形状である。すなわち、第1吹出口31は、左右方向よりも上下方向の長さが長い楕円形状である。
【0040】
第2ノズル23は、筒状であり、内部に温風を流す流路40が形成される。第2ノズル23には、第1ノズル22の一部が挿入される。第2ノズル23は、送風部20に取り付けられる。第2ノズル23は、支持部41によって第1ノズル22を支持する。支持部41は、複数設けられる。例えば、支持部41は、第2ノズル23の周方向に所定の間隔を空けて4つ設けられる。
【0041】
第2ノズル23には、第1ノズル22の外周に沿って温風を吹き出す第2吹出口42が形成される。第2吹出口42は、第2ノズル23の前方の端部に形成される。すなわち、第2吹出口42は、第2ノズル23の先端に形成される。
【0042】
第2吹出口42は、第1ノズル22の外周壁32と第2ノズル23の前方の端部との間に形成される。第2吹出口42は、正面視において、複数のスリット状に形成される。例えば、第2吹出口42は、正面視において、支持部41によって4つのスリット状に区切られる。スリット状の第2吹出口42は、第1ノズル22、および第2ノズル23の形状に対応して湾曲している。すなわち、第2吹出口42は、正面視において、リング状の吹出口が支持部41によって区切られた形状となる。
【0043】
第2ノズル23には、第1ノズル22の一部が挿入されることによって、第2吹出口42に温風を導く流路43が形成される。
【0044】
次に、温風乾燥ユニット16における温風の流れについて図8を参照し説明する。図8は、実施形態に係る吹出部21による温風の流れを示す図である。
【0045】
送風部20によって送り出された温風は、第2ノズル23に流入する。
【0046】
第2ノズル23に流入した温風の大部分は、第1ノズル22の流路30に流入し、第1ノズル22の第1吹出口31から使用者の局部に向けて吹き出される。第1ノズル22に流入した温風は、第1ノズル22によって絞られるため、風速が大きくなる。
【0047】
また、第2ノズル23に流入した温風の一部は、第2ノズル23に挿入された第1ノズル22の外周壁32と、第2ノズル23との間に形成される流路43に流入する。流路43に流入した温風は、流路43によって整流される。流路43に流入した温風は、第2吹出口42から第1ノズル22の外周壁32に沿って吹き出される。すなわち、第2吹出口42は、流路43によって整流された温風を、第1ノズル22の外周壁32に沿って吹き出す。
【0048】
第2吹出口42から吹き出された温風は、コアンダ効果によって第1ノズル22の外周壁32に沿って第1ノズル22の先端側に向けて流れる。第2吹出口42から吹き出された温風は、第1ノズル22の先端から、第1ノズル22の外周壁32の延長上に向けて流れる。すなわち、第2吹出口42から吹き出された温風は、第1ノズル22の第1吹出口31から吹き出された温風の外周を流れる。これによって、第1吹出口31から吹き出された温風は、第2吹出口42から吹き出された温風によって囲まれた状態となり、外周側への拡散が抑制される。
【0049】
第1ノズル22の外周壁32は、送風部20側から第1吹出口31に向かうにつれて、流路30の中心軸Pとの距離が短くなる傾斜面である。そのため、第1ノズル22の外周壁32に沿って流れる温風は、外周側に拡散することが抑制された流れとなる。従って、第1吹出口31から吹き出された温風は、第1ノズル22の外周壁32に沿って流れる温風によって外周側への拡散がさらに抑制される。
【0050】
また、第1吹出口31を縦長の楕円形状にすることで、第1吹出口31から吹き出される温風は、縦長の楕円形状となる。縦長の楕円形状となる温風は使用者の臀部の形状に沿って流れ、使用者の局部に当たる。また、縦長に吹き出される温風は、進行することで、円形に近い形状となり、使用者の局部では円形状に近い形状の温風が当たる。
【0051】
<効果>
次に、実施形態に係るトイレ装置1の効果について説明する。
【0052】
トイレ装置1は、使用者の局部を乾燥させる温風乾燥ユニット16を有する。温風乾燥ユニット16は、送風部20と、吹出部21とを備える。送風部20は、温風を送り出す。吹出部21は、使用者の局部に向けて温風を吹き出す。吹出部21は、第1ノズル22と、第2ノズル23とを備える。第1ノズル22は、先端に形成される第1吹出口31から温風を吹き出す。第2ノズル23には、第1ノズル22の外周に沿って温風を吹き出す第2吹出口42が形成される。
【0053】
これにより、トイレ装置1は、第2吹出口42から吹き出される温風によって、第1吹出口31から吹き出される温風が拡散することを抑制することができる。そのため、トイレ装置1は、使用者の局部に当たる温風の風速が低下することを抑制し、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。また、トイレ装置1は、小型の送風部20を用いることができ、温風乾燥ユニット16を小型化することができる。そのため、トイレ装置1は、トイレ装置1のデザイン性を向上させることができる。
【0054】
第1ノズル22の外周壁32は、送風部20側から第1吹出口31に向かうにつれて、第1ノズル22に形成される流路30の中心軸Pとの距離が短くなる傾斜面を有する。
【0055】
これにより、トイレ装置1は、第2吹出口42から吹き出された温風を第1ノズル22の傾斜面に沿って流すことによって、第1吹出口31から吹き出される温風が拡散することをさらに抑制することができる。そのため、トイレ装置1は、使用者の局部に当たる温風の風速が低下することを抑制し、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。
【0056】
第1ノズル22に形成される流路30の断面積は、送風部20側から第1吹出口31に向かうにつれて小さくなる。
【0057】
これにより、トイレ装置1は、第1吹出口31から吹き出される温風の風速を大きくすることができる。そのため、トイレ装置1は、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。
【0058】
第1ノズル22の送風部20側の端部は、第2ノズル23に挿入される。第2ノズル23と、第2ノズル23に挿入される第1ノズル22とによって、第2吹出口42へ温風を導く流路43が形成される。
【0059】
これにより、トイレ装置1は、流路43によって第2吹出口42から吹き出される温風を整流することができる。そのため、トイレ装置1は、第2吹出口42から吹き出される温風が拡散することを抑制し、第2吹出口42から吹き出された温風によって、第1吹出口31から吹き出される温風が拡散することを抑制することができる。そのため、トイレ装置1は、使用者の局部に当たる温風の風速が低下することを抑制し、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。また、トイレ装置1は、第2吹出口42を簡易な構成によって形成することができ、温風乾燥ユニット16をコンパクトにすることができる。
【0060】
第1吹出口31は、縦長の楕円形状である。
【0061】
これにより、トイレ装置1は、第1吹出口31から吹き出された温風を使用者の臀部に沿って流すことができる。そのため、トイレ装置1は、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。また、第1吹出口から吹き出された温風は、短軸方向に拡散し、使用者の局部に温風が当たる際には、円形に近い形状の温風となる。そのため、トイレ装置1は、温風が使用者の局部に当たる際に使用者の触感を向上させることができる。
【0062】
変形例に係るトイレ装置1の温風乾燥ユニット16は、図9に示すように、前方側から見た正面視において、第1吹出口31の長軸Qが上下方向に対して傾斜するように形成されてもよい。具体的には、第1吹出口31は、長軸Qの上方側がトイレ装置1の左右方向の中央寄りに傾斜するように形成される。換言すると、第1吹出口31は、長軸の上方側が、洗浄ノズル15a側に傾斜するように形成される。図9は、変形例に係る温風乾燥ユニット16の一部を前方から見た概略図である。
【0063】
これにより、トイレ装置1は、第1吹出口31から吹き出された温風を使用者の臀部に沿って流すことができる。そのため、トイレ装置1は、使用者の局部を素早く乾燥させることができる。
【0064】
変形例に係るトイレ装置1の温風乾燥ユニット16は、第1ノズル22を円筒状に形成してもよい。すなわち、第1ノズル22の外周壁32は、上記する傾斜面を有さずに形成されてもよい。また、変形例に係るトイレ装置1の温風乾燥ユニット16は、第1吹出口31を円状としてもよい。また、変形例に係るトイレ装置1の温風乾燥ユニット16は、第1ノズル22の一部を第2ノズル23に挿入せずに第2吹出口42を形成してもよい。
【0065】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 トイレ装置
10 衛生洗浄装置
11 本体部
15 洗浄ユニット
16 温風乾燥ユニット
20 送風部
21 吹出部
22 第1ノズル
23 第2ノズル
30 流路
31 第1吹出口
32 外周壁
33 内壁
40 流路
42 第2吹出口
43 流路
P 中心軸
Q 長軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9