IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TOTO株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-便座装置 図1
  • 特許-便座装置 図2
  • 特許-便座装置 図3
  • 特許-便座装置 図4A
  • 特許-便座装置 図4B
  • 特許-便座装置 図4C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】便座装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/24 20060101AFI20240409BHJP
   E03D 9/08 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A47K13/24
E03D9/08 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020157792
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022051359
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安形 壮史
(72)【発明者】
【氏名】稲田 大輔
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-175522(JP,A)
【文献】特開2018-15311(JP,A)
【文献】実開平6-26692(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0316250(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0114233(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/24
E03D 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座本体と、
前記便座本体が開閉可能となるように軸支される便座開閉軸部と、
前記便座開閉軸部の動作を検出するセンサと
を備え、
前記センサは、
着座時と便座開閉時とで異なる前記便座開閉軸部の動作を検出し、検出結果に基づいて着座検知および便座開閉検知を行う
ことを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記センサは、加速度センサであり、
前記加速度センサは、着座時および便座開閉時における前記便座開閉軸部の回動に伴う自身の傾きの変化を検出することで、着座検知および便座開閉検知を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の便座装置。
【請求項3】
前記加速度センサは、前後方向の一方側への自身の傾きを検知することで着座検知を行い、前後方向の他方側への自身の傾きを検知することで便座開閉検知を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の便座装置。
【請求項4】
前記便座開閉軸部は、着座時および/または便座開閉時に前記加速度センサの傾きを変化させる出力部を有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の便座装置。
【請求項5】
前記便座開閉軸部を軸支する軸孔が、上下方向の長さが前後方向の長さよりも長い長孔である
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の便座装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便座本体を備える便座装置において、便座本体への使用者の着座検知および便座本体の開閉の有無の検知(以下、便座開閉検知という)には、それぞれ異なるセンサが用いられる(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなセンサとして、着座検知には、たとえば、便座開閉軸部に配置された機械式スイッチを用いる方法や、便座本体の内部に配置された静電センサを用いる方法があり、便座開閉検知には、たとえば、便座開閉軸部を軸支する軸受け部に配置された磁気センサを用いる方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-334133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、製品の小型化や低コスト化の観点からは、センサの数量を削減することが好ましい。より具体的には、着座検知と便座開閉検知とを共通のセンサで行えることが好ましい。
【0006】
しかしながら、上記したような従来技術のうち、機械式スイッチや静電センサのような着座検知のためのセンサでは、便座開閉検知に兼用させることが困難であった。同様に、磁気センサのような便座開閉検知のためのセンサでは、着座検知に兼用させることが困難であった。
【0007】
実施形態の一態様は、着座検知と便座開閉検知とを共通のセンサで行うことができ、小型化および低コスト化を図ることができる便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係る便座装置は、便座本体と、前記便座本体が開閉可能となるように軸支される便座開閉軸部と、前記便座開閉軸部の動作を検出するセンサとを備え、前記センサは、着座時と便座開閉時とで異なる前記便座開閉軸部の動作を検出し、検出結果に基づいて着座検知および便座開閉検知を行うことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、着座検知および便座開閉検知を共通する1つのセンサで行うことができるため、たとえば、別々にセンサを備えるものに比べて、小型化および低コスト化を図ることができる。
【0010】
また、上記した便座装置では、前記センサは、加速度センサであり、前記加速度センサは、着座時および便座開閉時における前記便座開閉軸部の回動に伴う自身の傾きの変化を検出することで、着座検知および便座開閉検知を行うことを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、着座検知および便座開閉検知を行うセンサに加速度センサを用いることで、加速度センサの動作を検出すればよいことから必ずしもセンサを便座開閉軸部の近傍に配置しなくてもよいため、センサの取り付け位置の自由度を向上させることができる。
【0012】
また、上記した便座装置では、前記加速度センサは、前後方向の一方側への自身の傾きを検知することで着座検知を行い、前後方向の他方側への自身の傾きを検知することで便座開閉検知を行うことを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、加速度センサによる着座検知の傾きと便座開閉検知の傾きとを異なる方向とすることで、誤検知を防止することができる。
【0014】
また、上記した便座装置では、前記便座開閉軸部は、着座時および/または便座開閉時に前記加速度センサの傾きを変化させる出力部を有することを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、出力部によって便座開閉軸部の動作(回動)を増幅して加速度センサへ伝達することができるため、検知手段の大型化を抑制することができる。
【0016】
また、上記した便座装置では、前記便座開閉軸部を軸支する軸孔が、上下方向の長さが前後方向の長さよりも長い長孔であることを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、着座時と便座開閉時とで便座開閉軸部の動作を異なる動作とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
実施形態の一態様によれば、着座検知と便座開閉検知とを共通のセンサで行うことができ、小型化および低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態に係る便座装置を示す概略平面図である。
図2図2は、図1におけるA-A線断面斜視図である。
図3図3は、図1におけるB-B線断面斜視図である。
図4A図4Aは、便座開閉軸部および加速度センサの動作説明図(その1)である。
図4B図4Bは、便座開閉軸部および加速度センサの動作説明図(その2)である。
図4C図4Cは、便座開閉軸部および加速度センサの動作説明図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する便座装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
<便座装置の概要>
まず、図1を参照して実施形態に係る便座装置1の概要について説明する。図1は、実施形態に係る便座装置1を示す概略平面図である。
【0022】
なお、図1を含む各図には、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している。以下では、説明の便宜上、X軸の正方向を左方、X軸の負方向を右方、Y軸の正方向を前方、Y軸の負方向を後方と規定している。このため、以下では、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という場合がある。
【0023】
便座装置1は、図示しない洋式大便器(以下、便器という)の上部に取り付けられる。なお、便座装置1は、便器に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器と一体化するように取り付けられてもよい。
【0024】
図1に示すように、便座装置1は、本体部2と、便座部3とを備える。本体部2は、便器の上部において、汚物を受けるボウル部の後方に載置される。本体部2は、ケーシング21を備える。ケーシング21には、ボウル部に向けて進出可能な図示しない洗浄ノズルを含む機能部が収容される。なお、洗浄ノズルは、ボウル部に向けて進出して、後述する便座本体31に着座した使用者の人体局部に向けて洗浄水を吐出する。
【0025】
便座部3は、便座本体31と、便座開閉軸部32とを備える。便座本体31は、本体部2の前方に配置され、便座部3における使用時に使用者が着座する部位である。便座開閉軸部32は、便座本体31の後方に配置され、便座部3の左右の基端部となる部位である。
【0026】
便座開閉軸部32は、後述する開閉軸33を備える。便座開閉軸部32では、開閉軸33がケーシング21の左右の端部において回動可能に軸支される。このように、便座部3は、開閉軸33がケーシング21に軸支されることで、開閉軸33を回動中心として、ケーシング21に対して上下方向に開閉可能である。
【0027】
なお、便座装置1は、便蓋を備えてもよい。この場合、便蓋は、便座部3と同様、開閉軸がケーシング21の左右の端部において回動可能に軸支され、開閉軸を回動中心として、ケーシング21に対して上下方向に開閉可能である。
【0028】
<ケーシングの軸受け部>
次に、図2および図3を参照してケーシング21の軸受け部22について説明する。図2は、図1におけるA-A線断面斜視図である。図3は、図1におけるB-B線断面斜視図である。なお、図2には、ケーシング21の軸受け部22の外観(外部構造)を示し、図3には、ケーシング21の軸受け部22の内部構造を示している。
【0029】
図2および図3に示すように、本体部2は、便座本体31が前方に配置された状態で、ケーシング21の左右の端部において便座開閉軸部32を軸支する。この場合、ケーシング21の左右の側面に形成された軸孔34(図4B参照)に対して、円筒形状に形成された開閉軸33が左右方向に挿通される。
【0030】
図2に示すように、ケーシング21は、軸受け部22を備える。軸受け部22は。軸孔34に挿通された開閉軸33を軸支する。軸受け部22は、筐体23と、第1軸受け構成部材24と、第2軸受け構成部材25と、第3軸受け構成部材26と、第4軸受け構成部材27と、付勢部材28(図3参照)とを備える。
【0031】
図3に示すように、筐体23は、後述する第1~第4軸受け構成部材24~27の下方に配置される。筐体23は、第3軸受け構成部材26、第4軸受け構成部材27および後述する付勢部材28を収容するとともに、これらを収容した状態でケーシング21の内面に取り付けられる。
【0032】
筐体23は、第2軸受け構成部材25を前後方向に回動可能に支持する。また、筐体23は、規制部231を有する。規制部231は、前後方向の前方側に設けられる。
【0033】
第1軸受け構成部材24は、円筒形状に形成され、便座開閉軸部32の開閉軸33が嵌入される。これにより、第1軸受け構成部材24は、開閉軸33の回動と共に回動する。このため、第1軸受け構成部材24は、便座開閉軸部32に含まれる。
【0034】
第1軸受け構成部材24は、出力部241を有する。出力部241は、第1軸受け構成部材24の外周面から外方に突出するように設けられる。出力部241は、第1軸受け構成部材24の外周面においてカム状に形成される。
【0035】
第2軸受け構成部材25は、側面視において略直角に屈曲された鉤形状に形成される。第2軸受け構成部材25は、縦長部251と、横長部252と、揺動軸253とを有する。縦長部251は、上下方向に延伸している。横長部252は、前後方向に延伸している。縦長部251と横長部252とは、それぞれの一方の端部同士が接続されている。
【0036】
揺動軸253は、縦長部251と横長部252との接続部分に設けられる。揺動軸253は、軸方向が縦長部251および横長部252のそれぞれと直交するように左右方向に沿って設けられる。第2軸受け構成部材25は、第1軸受け構成部材24の後方に配置されるとともに、横長部252が第1軸受け構成部材24の下方に配置される。
【0037】
第3軸受け構成部材26は、矩形箱状に形成され、上記したように、筐体23に収容される。第3軸受け構成部材26は、その底面が開放されている。第3軸受け構成部材26は、第2軸受け構成部材25の横長部252の下方に配置される。第3軸受け構成部材26は、凸部261と、鉤部262とを有する。凸部261は、第3軸受け構成部材26の内部における上面から下方に向けて突出して設けられる。
【0038】
鉤部262は、第3軸受け構成部材26の前後方向に並んだ2つの側面の底部において、2つの側面からそれぞれ外方に突出するように設けられる。
【0039】
第4軸受け構成部材27は、矩形箱状に形成され、第3軸受け構成部材26を収容しつつ、上記したように、筐体23に収容される。第4軸受け構成部材27は、凸部271と、第1規制片272と、第2規制片273とを有する。凸部271は、第4軸受け構成部材27の底面から上方に向けて突出するように設けられる。凸部271は、第3軸受け構成部材26の凸部261と対向する。
【0040】
第1規制片272は、第3軸受け構成部材26の前後方向の2つの側面の外方にこれら2つの側面を挟み込むように設けられる。第2規制片273は、前後方向の前方側に設けられる。
【0041】
付勢部材28は、たとえば、コイルばねであり、第3軸受け構成部材26の凸部261と第4軸受け構成部材27の凸部271との間に配置される。付勢部材28は、第3軸受け構成部材26を付勢する。
【0042】
また、筐体23の規制部231と、第4軸受け構成部材27の第2規制片273とは、第2軸受け構成部材25の横長部252の先端部252aに当接することで、第2軸受け構成部材25の揺動を規制する。また、第4軸受け構成部材27の第1規制片272は、第3軸受け構成部材26の鉤部262と当接することで、第3軸受け構成部材26の上下方向の直動を規制する。
【0043】
また、図2および図3に示すように、ケーシング21の内部には、便座開閉軸部32の動作を検出するセンサ4が設けられる。センサ4は、第2軸受け構成部材25の縦長部251に取り付けられる。センサ4は、たとえば、センサ自身の傾きを検出することが可能な加速度センサ(以下、センサを加速度センサという)である。
【0044】
また、加速度センサ4の近傍には、加速度センサ4に信号を入力し、加速度センサ4から信号を出力する入出力コネクタ41が設けられる。入出力コネクタ41は、ケーシング21に収容された図示しない制御部に接続される。
【0045】
なお、制御部は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などにより、記憶部(図示せず)に記憶されているプログラムを、RAM(Random Access Memory)を作業領域として実行することで実現される。また、図示しない記憶部は、たとえば、RAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリ素子などによって実現される。
【0046】
ここで、便座装置1においては、着座検知を行う。すなわち、使用者が便座本体31に着座したか否かの検知を行う。また、便座装置1においては、便座開閉検知を行う。すなわち、便座本体31の開閉の有無の検知を行う。本実施形態では、従前は別々のセンサで行っていた着座検知および便座開閉検知を、共通のセンサ(加速度センサ)4で行うことができる。具体的には、センサ4は、着座時と便座開閉時とで異なる便座開閉軸部32の動作を検出し、検出結果に基づいて着座検知および便座開閉検知を行う。
【0047】
<加速度センサを用いた着座検知および便座開閉検知>
次に、図4A図4Cを参照して加速度センサ4を用いた着座検知および便座開閉検知について説明する。図4A図4Cは、便座開閉軸部32および加速度センサ4の動作説明図である。なお、図4A図4Cには、ケーシング21の軸受け部22の概略側断面を示している。
【0048】
また、図4Aには、便座本体31が閉状態で、かつ、使用者が便座本体31に着座していない状態を示し、図4Bには、使用者が便座本体31に着座した状態を示し、図4Cには、便座本体31が開状態を示している。
【0049】
図4Aに示すように、便座本体31が閉状態で、かつ、使用者が便座本体31に着座していない状態では、第2軸受け構成部材25は、縦長部251が上下方向に沿って略垂直姿勢であるとともに、横長部252が前後方向に沿って略水平姿勢である。この場合、縦長部251の姿勢に基づく略垂直な基準線L1と、横長部252の姿勢に基づく略水平な基準線L2とが揺動軸253の中心点Pで交わる。なお、基準線L1と基準線L2との間の角θは、略直角(90°程度)である。
【0050】
図4Bに示すように、使用者が便座本体31に着座した状態では、便座本体31および開閉軸33に使用者の体重などの荷重Mが加わる。この場合、開閉軸33が挿通されている軸孔34が、上下方向の長さが前後方向の長さよりも長い長孔であるため、開閉軸33が荷重Mによって下方に沈み込む。
【0051】
開閉軸33が下方に沈み込むことで、開閉軸33と共に沈み込む第1軸受け構成部材24の出力部241によって、第2軸受け構成部材25の横長部252が付勢部材(コイルばね)28の付勢力に抗して下方に向けて押圧される。横長部252が下方に押圧されると、第2軸受け構成部材25が揺動軸253(中心点P)を中心として前方に向けて揺動(回動)する。縦長部251が基準線L1に対して前方に回動し、加速度センサ4が前方に傾き、基準線L11となる。この場合、出力部241によって加速度センサ4の傾きが変化する。
【0052】
そして、加速度センサ4は、自身の前方側への傾きの変化(Δθ)を検出する。加速度センサ4が前後方向の一方側である前方側に傾いたことで、便座本体31への着座として検知する。このように、加速度センサ4は、開閉軸33の回動に伴う自身の前方側への傾きの変化を検出することで、着座検知を行う。
【0053】
図4Cに示すように、便座本体31が開状態では、便座本体31の回動量R1に対応する回動量R2で開閉軸33が回動している。このため、第2軸受け構成部材25が、付勢部材(コイルばね)28によって押し上げられることで、揺動軸253(中心点P)を中心として後方に向けて揺動(回動)する。縦長部251が基準線L1に対して後方に回動し、加速度センサ4が着座検知とは異なる後方に傾き、基準線L11となる。この場合、出力部241が前方側に逃げることで、加速度センサ4の傾きが顕著に変化する。
【0054】
そして、加速度センサ4は、自身の後方側への傾きの変化(Δθ)を検出する。加速度センサ4が前後方向の他方側である後方側に傾いたことで、便座本体31の開状態として検知する。このように、加速度センサ4は、開閉軸33の回動に伴う自身の後方側への傾きの変化を検出することで、便座開閉検知を行う。
【0055】
以上説明したように、実施形態に係る便座装置によれば、着座検知および便座開閉検知を共通する1つのセンサ4で行うことができるため、たとえば、別々にセンサを備えるものに比べて、小型化および低コスト化を図ることができる。
【0056】
また、着座検知および便座開閉検知を行うセンサ4に加速度センサを用いることで、加速度センサ4の動作を検出すればよいことから、必ずしもセンサ4を便座開閉軸部32の近傍に配置しなくてもよいため、センサ4の取り付け位置の自由度を向上させることができる。
【0057】
また、加速度センサ4による着座検知の傾きと便座開閉検知の傾きとを異なる方向とすることで、誤検知を防止することができる。
【0058】
また、出力部241によって便座開閉軸部32の動作(回動)を増幅して加速度センサ4へ伝達することができるため、検知手段の大型化を抑制することができる。また、便座開閉軸部32の動作を増幅して加速度センサ4へ伝達するために、たとえば、便座開閉軸部32の開閉軸33を大径化するなどの必要もないため、便座装置1の大型化も抑制することができる。
【0059】
また、便座開閉軸部32の開閉軸33を軸支する軸孔34の上下方向の長さが前後方向の長さよりも長い長孔であるため、着座時と便座開閉時とで便座開閉軸部32の動作を異なる動作とすることができる。
【0060】
なお、上記した実施形態では、着座検知および便座開閉検知を行うセンサ4として加速度センサを用いているが、これに限定されず、加速度センサ以外の傾斜センサや、ジャイロセンサなどの角速度センサを用いてもよい。
【0061】
また、上記した実施形態では、第2軸受け構成部材25における縦長部251と横長部252との間の角を略直角(90°程度)としているが、加速度センサ4の傾きの変化が検出できればよいため、縦長部251と横長部252との間の角を、たとえば、60°程度や120°程度など、加速度センサ4を配置するスペースに応じて変更してよい。
【0062】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 便座装置
4 センサ(加速度センサ)
31 便座本体
32 便座開閉軸部
34 軸孔
241 出力部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C