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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ケース及び電気装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240409BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240409BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240409BHJP
【FI】
H05K7/20 N
H05K5/02 H
H02M7/48 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020192577
(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公開番号】P2022081189
(43)【公開日】2022-05-31
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】三浦 進一
(72)【発明者】
【氏名】森本 海
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/056880(WO,A1)
【文献】特開2009-115448(JP,A)
【文献】特開2003-101277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H05K 5/02
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる流路(32)が自身の内部空間(21)に沿って延びるように形成されたケース(20)であって、
前記流路を形成する凹部(60)が設けられた本体面(41a)を有し、前記内部空間を区画しているケース本体(40)と、
前記凹部を覆うように前記本体面に取り付けられ、前記凹部と共に前記流路を形成している板状の流路カバー(50)と、を備え、
前記流路カバーは、
接合部(37)により前記本体面に接合され、前記流路の幅方向(Z)において前記流路を介して並べられた一対の接合板部(52,53;521,53;522,53)と、
一対の前記接合板部の間に設けられ、前記幅方向に延びた状態で前記流路を介して前記凹部に対向している流路板部(54,541,542)と、
前記接合板部と前記流路板部との間に設けられ、前記流路板部に接続され、前記流路板部に交差する方向に延びた接続部(55,551~556)と、
を有しており、
前記凹部の内面(61)は、前記流路板部に交差した方向に延びる複数の交差面(63,631,632,64,73,74)を有しており、
前記流路カバーは、前記接続部として、
前記流路板部から前記凹部に向けて延び、前記交差面に接触する位置に設けられた接触接続部(551~554)、を有しており、
少なくとも1つの前記交差面は、
前記凹部の深さ方向(Y)に延びた起立面(67,77)と、
前記深さ方向において前記起立面と前記接合板部との間に設けられ、前記深さ方向に対する傾斜が前記起立面よりも大きい傾斜面(68,78)と、
を有しており、
前記接触接続部は、前記傾斜面に接触する位置に設けられている、ケース。
【請求項2】
前記接触接続部は前記交差面に接触している、請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記交差面は、前記流路の周縁部を形成する周壁面(63,64)を有しており、
前記流路カバーは、前記接触接続部として、
前記接合板部と前記流路板部とを接続し、前記周壁面に接触する位置に設けられた壁側接続部(551,552)、を有している請求項1又は2に記載のケース。
【請求項4】
複数の前記交差面は、前記凹部の内面(61)から前記流路カバーに向けて延びたフィン(70,701,702)の側面であるフィン側面(73,74)が含まれており
前記流路板部は、一対の前記接合板部の間において前記幅方向に複数並べられており、
前記流路カバーは
前記幅方向に隣り合う2つの前記流路板部を接続し、前記フィン側面に接触する位置に設けられたフィン側接続部(553,554)、を有しており、
少なくとも1つの前記接触接続部が前記フィン側接続部である、請求項1~3のいずれか1つに記載のケース。
【請求項5】
前記接続部は、前記流路板部に交差する方向に膨らむように湾曲している、請求項1~4のいずれか1つに記載のケース。
【請求項6】
前記流路は、第1流路(32a)と、前記第1流路に沿って延びている第2流路(32b)と、を有しており、
前記ケース本体は、
前記第1流路と前記第2流路との間に設けられ、前記第1流路と前記第2流路とを仕切っている仕切部(43)、を有しており、
前記流路カバーは、前記第1流路と前記第2流路とが並んだ並び方向(Z)において、前記仕切部を跨いで前記第1流路と前記第2流路とにかけ渡されており、
さらに、前記流路カバーは、
前記接合板部として、
前記第1流路と前記第2流路との間に設けられ、前記仕切部に接合された仕切接合板部(53)と、
前記第1流路を介して前記仕切接合板部とは反対側に設けられた第1接合板部(521)と、
前記第2流路を介して前記仕切接合板部とは反対側に設けられた第2接合板部(522)と、
を有し、
前記流路板部として、
一対の前記接合板部のうち一方である前記第1接合板部と他方である前記仕切接合板部との間に設けられ、前記並び方向に延びた状態で前記第1流路を介して前記凹部に対向している第1流路板部(541)と、
一対の前記接合板部のうち一方である前記第2接合板部と他方である前記仕切接合板部との間に設けられ、前記並び方向に延びた状態で前記第2流路を介して前記凹部に対向している第2流路板部(542)と、
を有し、
記第1接合板部と前記第1流路板部との間に設けられ、前記第1流路板部に接続され、前記第1流路板部に交差する方向に延びた第1接続部(551)と、
前記第2接合板部と前記第2流路板部との間に設けられ、前記第2流路板部に接続され、前記第2流路板部に交差する方向に延びた第2接続部(552)と、
を有し、
少なくとも1つの前記接続部が前記第1接続部であり、
少なくとも1つの前記接続部が前記第2接続部である、請求項1~5のいずれか1つに記載のケース。
【請求項7】
前記凹部は、
前記第1流路を介して前記仕切部とは反対側において前記第1流路の周縁部を形成している第1周壁面(631)と、
前記第2流路を介して前記仕切部とは反対側において前記第2流路の周縁部を形成している第2周壁面(632)と、を有しており、
前記第1接続部は、前記第1接合板部と前記第1流路板部とを接続し、前記第1周壁面に接触する位置に設けられており、
前記第2接続部は、前記第2接合板部と前記第流路板部とを接続し、前記第2周壁面に接触する位置に設けられている、請求項6に記載のケース。
【請求項8】
電気部品(15,16,17)と前記電気部品を自身の内部空間(21)に収容したケース(20)とを備え、流体が流れる流路(32)が前記電気部品に沿って延びるように形成された電気装置(10)であって、
前記ケースは、
前記流路を形成する凹部(60)が設けられた本体面(41a)を有し、前記内部空間を区画しているケース本体(40)と、
前記凹部を覆うように前記本体面に取り付けられ、前記凹部と共に前記流路を形成している板状の流路カバー(50)と、を有しており、
前記流路カバーは、
接合部(37)により前記本体面に接合され、前記流路の幅方向(Z)において前記流路を介して並べられた一対の接合板部(52,53;521,53;522,53)と、
一対の前記接合板部の間に設けられ、前記幅方向に延びた状態で前記流路を介して前記凹部に対向している流路板部(54,541,542)と、
前記接合板部と前記流路板部との間に設けられ、前記流路板部に接続され、前記流路板部に交差する方向に延びた接続部(55,551~556)と、を有しており、
前記凹部の内面(61)は、前記流路板部に交差した方向に延びる複数の交差面(63,631,632,64,73,74)を有しており、
前記流路カバーは、前記接続部として、
前記流路板部から前記凹部に向けて延び、前記交差面に接触する位置に設けられた接触接続部(551~554)、を有しており、
少なくとも1つの前記交差面は、
前記凹部の深さ方向(Y)に延びた起立面(67,77)と、
前記深さ方向において前記起立面と前記接合板部との間に設けられ、前記深さ方向に対する傾斜が前記起立面よりも大きい傾斜面(68,78)と、を有しており、
前記接触接続部は、前記傾斜面に接触する位置に設けられている、電気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、ケース及び電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷媒が流れる流路を有するケースが開示されている。このケースは、内部にリアクトルなどを収容した冷却器を兼ねている。ケースは、流路を構成する側面のうち上面が開放された本体と、流路の開口部を覆うカバーとを有している。カバーは、摩擦撹拌接合によって本体に接合されている。この接合部分は、流路の周囲に沿って延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-125716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、流路が形成されたケースでは、冷媒からケースに加わる圧力である内圧が増加することがあると考えられる。冷媒からの内圧が増加した場合、この内圧による応力が接合部分の内周端など一部に集中してカバーの塑性変形が生じることが懸念される。カバーの塑性変形が生じると、流路において冷媒が適正に流れなくなってしまう。
【0005】
本開示の主な目的は、冷媒が流れる流路を適正な状態に保つことができるケースや電気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
上記目的を達成するため、開示された1つの態様は、
流体が流れる流路(32)が自身の内部空間(21)に沿って延びるように形成されたケース(20)であって、
流路を形成する凹部(60)が設けられた本体面(41a)を有し、内部空間を区画しているケース本体(40)と、
凹部を覆うように本体面に取り付けられ、凹部と共に流路を形成している板状の流路カバー(50)と、
を備え、
流路カバーは、
接合部(37)により本体面に接合され、流路の幅方向(Z)において流路を介して並べられた一対の接合板部(52,53;521,53;522,53)と、
一対の接合板部の間に設けられ、幅方向に延びた状態で流路を介して凹部に対向している流路板部(54,541,542)と、
接合板部と流路板部との間に設けられ、流路板部に接続され、流路板部に交差する方向に延びた接続部(55,551~556)と、
を有しており、
凹部の内面(61)は、流路板部に交差した方向に延びる複数の交差面(63,631,632,64,73,74)を有しており、
流路カバーは、接続部として、
流路板部から凹部に向けて延び、交差面に接触する位置に設けられた接触接続部(551~554)、を有しており、
少なくとも1つの交差面は、
凹部の深さ方向(Y)に延びた起立面(67,77)と、
深さ方向において起立面と接合板部との間に設けられ、深さ方向に対する傾斜が起立面よりも大きい傾斜面(68,78)と、
を有しており、
接触接続部は、傾斜面に接触する位置に設けられている、ケースである。
【0008】
上記ケースによれば、接合板部と流路板部との間において、流路板部に接続された接続部が流路板部に交差する方向に延びている。この構成では、接続部が凹部の内面に接触することや接続部が弾性変形することで、流路の内圧や流路カバーの線膨張などにより生じた応力が流路カバーにおいて接合部の内周端など一部に集中しにくくなっている。このため、流路カバーが局所的に変形して塑性変形が生じる、ということを抑制できる。このように流路カバーの塑性変形を抑制することで、冷媒が流れる流路を適正な状態に保つことができる。
【0009】
開示された1つの態様は、
電気部品(15,16,17)と電気部品を自身の内部空間(21)に収容したケース(20)とを備え、流体が流れる流路(32)が電気部品に沿って延びるように形成された電気装置(10)であって、
ケースは、
流路を形成する凹部(60)が設けられた本体面(41a)を有し、内部空間を区画しているケース本体(40)と、
凹部を覆うように本体面に取り付けられ、凹部と共に流路を形成している板状の流路カバー(50)と、を有しており、
流路カバーは、
接合部(37)により本体面に接合され、流路の幅方向(Z)において流路を介して並べられた一対の接合板部(52,53;521,53;522,53)と、
一対の接合板部の間に設けられ、幅方向に延びた状態で流路を介して凹部に対向している流路板部(54,541,542)と、
接合板部と流路板部との間に設けられ、流路板部に接続され、流路板部に交差する方向に延びた接続部(55,551~556)と、
を有しており、
凹部の内面(61)は、流路板部に交差した方向に延びる複数の交差面(63,631,632,64,73,74)を有しており、
流路カバーは、接続部として、
流路板部から凹部に向けて延び、交差面に接触する位置に設けられた接触接続部(551~554)、を有しており、
少なくとも1つの交差面は、
凹部の深さ方向(Y)に延びた起立面(67,77)と、
深さ方向において起立面と接合板部との間に設けられ、深さ方向に対する傾斜が起立面よりも大きい傾斜面(68,78)と、
を有しており、
接触接続部は、傾斜面に接触する位置に設けられている、電気装置である。
【0010】
上記電気装置によれば、上記ケースと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態における電力変換装置の平面図。
図2図1のII-II線断面図。
図3】電力変換装置の下面図。
図4】電力変換装置の接合部について説明するための図。
図5図2のV-V線断面図。
図6図3のVI-VI線断面図であり、床流路の縦断面図。
図7図6における上流壁側ビード周辺の拡大図。
図8】第2実施形態における床流路の縦断面図。
図9図8における上流フィン側ビード周辺の拡大図。
図10】第3実施形態における床流路の縦断面図。
図11】第4実施形態における床流路の縦断面図。
図12図11における上流壁側ビード周辺の拡大図。
図13】第5実施形態における上流壁側ビード周辺の拡大図。
図14】第6実施形態における床流路の縦断面図。
図15図14における上流フィン側ビード周辺の拡大図。
図16】第7実施形態における上流フィン側ビード周辺の拡大図。
図17】第8実施形態における床流路の縦断面図。
図18】第9実施形態における床流路の縦断面図。
図19】第10実施形態における床流路の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0013】
<第1実施形態>
図1に示す電力変換装置10は、駆動システムに含まれている。駆動システムは、例えば電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)、燃料電池車などの車両に搭載されている。駆動システムは、電力変換装置10に加えて、インバータ装置、バッテリ及びモータを有している。駆動システムは、モータを駆動して車両の駆動輪を駆動するシステムである。
【0014】
バッテリは、充放電可能な2次電池で構成された直流電圧源である。2次電池は、たとえばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池である。駆動システムは、バッテリとして高電圧バッテリ及び低電圧バッテリを有している。高電圧バッテリの電圧は例えば100Vであり、低電圧バッテリの電圧は例えば12Vである。高電圧バッテリは第1電源部と称されることがあり、低電圧バッテリは第2電源部と称されることがある。
【0015】
モータは、3相交流方式の回転電機である。モータは、3相としてU相、V相、W相を有している。モータは、車両の走行駆動源である電動機として機能する。モータは、回生時に発電機として機能する。
【0016】
インバータ装置は、高電圧バッテリとモータとの間で電力変換を行う。インバータ装置は、双方向の電力変換が可能になっている。インバータ装置は、高電圧バッテリからの直流電力を交流電力に変換してモータに供給する。また、インバータ装置は、モータにて発電された交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリに供給する。インバータ装置は、インバータ回路及びコンデンサを有している。インバータ回路は、複数の半導体スイッチを含んで構成されている。コンデンサは、例えば平滑コンデンサであり、高電圧バッテリからインバータ回路に供給される直流電圧を平滑化する。
【0017】
電力変換装置10は、コンバータ装置である。電力変換装置10や後述するコンバータユニット15がDCDCコンバータと称されることがある。電力変換装置10は、双方向の電力変換が可能になっている。電力変換装置10は、直流電圧を異なる電圧の直流電圧に変換する。電力変換装置10は、高電圧バッテリと低電圧バッテリとの間で電力変換を行う。電力変換装置10は、高電圧バッテリからの直流電圧を降圧して低電圧バッテリに供給する。また、電力変換装置10は、インバータ装置と低電圧バッテリとの間で電力変換を行う。電力変換装置10は、インバータ装置からの直流電圧を降圧して低電圧バッテリに供給する。
【0018】
電力変換装置10は、コンバータ回路、コンデンサ及びリアクトルを有している。コンバータ回路は、複数の半導体スイッチを含んで構成されている。コンデンサは、例えばフィルタコンデンサであり、高電圧バッテリからの電源ノイズを除去する。リアクトルは、例えばコンバータ回路での半導体スイッチのスイッチング動作に伴って高電圧バッテリからの電圧を昇圧する。また、電力変換装置10は、コンバータ回路の制御を行う制御装置を有している。制御装置は、ECU等により構成されている。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。なお、制御装置はインバータ装置に含まれていてもよく、電力変換装置10とインバータ装置とで共通の制御装置が設けられていてもよい。
【0019】
次に、電力変換装置10の構造について、図1図2を参照しつつ説明する。
【0020】
図1図2に示すように、電力変換装置10は、コンバータユニット15、コンデンサユニット16、リアクトルユニット17、ケース20を有している。コンバータユニット15、コンデンサユニット16、リアクトルユニット17が電気部品に相当し、電力変換装置10が電気装置に相当する。ケース20は、コンバータケースと称されることがある。なお、図2では、コンバータユニット15及びリアクトルユニット17について断面ではなく側面を図示している。
【0021】
コンバータユニット15、コンデンサユニット16及びリアクトルユニット17はいずれも、全体として直方体状になっており、ケース20に収容されている。コンバータユニット15は、コンバータ回路の半導体スイッチを構成するスイッチング素子と、このスイッチング素子を保護するスイッチケースとを有している。コンデンサユニット16は、フィルタコンデンサを構成するコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を保護するコンデンサケースとを有している。リアクトルユニット17は、リアクトルを構成するリアクトル素子と、このリアクトル素子を保護するリアクトルケースとを有している。
【0022】
ケース20は、全体として矩形筒状に形成されている。ケース20は、内部空間21、ケース開口部22、ケース床部23及びケース外壁24を有している。ケース20においては、ケース開口部22が内部空間21を介してケース床部23とは反対側に設けられている。ケース外壁24は、矩形筒状になっており、ケース開口部22を形成している。
【0023】
本実施形態では、互いに直交した方向をX方向、Y方向、Z方向と称する。ケース20では、ケース開口部22とケース床部23とがY方向に並んでいる。ケース床部23は、Y方向に直交するX方向及びZ方向に延びている。ケース20及びケース床部23はいずれもY方向に薄くなるように扁平しており、これらケース20及びケース床部23の厚さ方向がY方向になる。
【0024】
ケース床部23は、ケース20の内外を仕切っている。ケース床部23の床上面23aは、内部空間21を介してケース開口部22に対向しており、内部空間21にとっての床面になっている。ケース床部23の床下面23bは、ケース開口部22とは反対側を向いており、ケース20の下面になっている。床上面23a及び床下面23bは、Y方向に直交する方向に延びている。ケース外壁24は、Y方向に延びており、ケース床部23と同様に、ケース20の内外を仕切っている。
【0025】
コンバータユニット15、コンデンサユニット16及びリアクトルユニット17はいずれも、ケース20の内部空間21に収容されている。これらコンバータユニット15、コンデンサユニット16及びリアクトルユニット17は、ケース床部23に沿って横並びに設けられている。例えば、リアクトルユニット17とコンバータユニット15とがX方向に並べられ、リアクトルユニット17とコンデンサユニット16とがZ方向に並べられている。
【0026】
電力変換装置10は冷却器30を有している。冷却器30は、冷媒によりケース20の内部空間21やコンバータユニット15、コンデンサユニット16、リアクトルユニット17の冷却を行う。冷却器30は、冷媒が流れる冷媒流路31を形成しており、流路形成部に相当する。冷媒は、水などの液体や空気などの気体といった流体である。冷媒は、冷却器30を介して内部空間21の空気やコンバータユニット15、コンデンサユニット16、リアクトルユニット17との熱交換を行うことで冷却効果を発揮する。冷却器30は、ケース20と、ケース20に取り付けられた配管等の部材とにより形成されている。すなわち、冷却器30は、ケース20を含んで構成されている。
【0027】
なお、電力変換装置10が搭載された車両には、冷却器30を含んで構成された冷却システムが搭載されている。冷媒システムは、冷媒が循環する循環流路と、循環流路にて冷媒を循環させるポンプとを有している。循環流路には冷媒流路31が含まれている。冷却システムにおいては、ポンプが駆動することで冷媒が冷媒流路31を流れる。
【0028】
冷媒流路31は、床流路32、導入路33、排出路34を有している。冷媒流路31においては、上流から下流に向けて導入路33、床流路32、排出路34の順に並んでおり、この並んだ方向を上下流方向と称する。冷媒流路31においては、導入路33及び排出路34と床流路32とが直接的に接続されていてもよく、接続路などを介して間接的に接続されていてもよい。
【0029】
床流路32は、ケース床部23により形成されている。床流路32は、ケース床部23の内部に設けられており、床下面23bに沿って延びている。床流路32にとっての上下流方向は、Y方向に直交した方向になっている。床流路32にとっての幅方向は、Y方向及び上下流方向の両方に直交した方向になっている。上流路32aの幅方向及び下流路32bの幅方向は、いずれもZ方向になっている。床流路32が「流体が流れる流路」に相当する。
【0030】
床流路32は、床下面23bに沿って曲がっている。床流路32は、床下面23bに沿って往復するようにUターンしており、全体としてU字状になっている。床流路32は、上流路32a、下流路32b、湾曲路32cを有している。床流路32の上下流方向においては、湾曲路32cが、上流路32aと下流路32bとの間に設けられており、これら上流路32aと下流路32bとを接続している。床流路32においては、冷媒が上流路32aから湾曲路32cを通って下流路32bに流れ込む。
【0031】
上流路32aと湾曲路32cと下流路32bとが床下面23bに沿って横並びに設けられている。上流路32a及び下流路32bはZ方向に並べられている。上流路32a及び下流路32bと湾曲路32cとはX方向に並べられている。湾曲路32cは、Y方向において上流路32aと下流路32bとにかけ渡された状態になっている。湾曲路32cは、X方向において上流路32a及び下流路32bとは反対側に向けて膨らむように曲がっており、全体として湾曲した形状になっている。X方向においては、上流路32aを流れる冷媒の向きと、下流路32bを流れる冷媒の向きとが互いに逆になっている。
【0032】
床流路32は、コンバータユニット15、コンデンサユニット16及びリアクトルユニット17に沿って延びている。床流路32は、コンバータユニット15及びリアクトルユニット17にY方向に並ぶ位置に設けられている。リアクトルユニット17は、上流路32aと下流路32bとを跨ぐ位置に配置されている。コンバータユニット15は、上流路32aと下流路32bと湾曲路32cとを跨ぐ位置に配置されている。
【0033】
図2図3に示すように、ケース20は、ケース本体40、ロアカバー50を有している。ケース本体40及びロアカバー50は、アルミニウム等の金属材料により形成されている。ケース本体40及びロアカバー50は、例えばアルミダイカストによる成形体である。ケース本体40及びロアカバー50は熱伝導性を有している。
【0034】
ケース本体40は、ケース20の主要部分を形成しており、内部空間21を区画している。本実施形態では、ケース本体40の内面が、ケース20の内面になっており、内部空間21を形成している。ケース本体40は、本体床部41、本体外壁45を有している。本体床部41は、ケース本体40においてケース床部23に含まれている部分である。本体床部41の上面がケース20の床上面23aになっている。本体床部41の下面を本体下面41aと称すると、この本体下面41aがケース20の床下面23bになっている。本体外壁45は、ケース本体40においてケース外壁24に含まれている部分である。本体下面41aが本体面に相当する。
【0035】
ケース床部23は、本体床部41及びロアカバー50により形成されている。ロアカバー50は、本体床部41と共にケース床部23に含まれている。ロアカバー50は、全体として板状になっており、本体床部41に取り付けられている。ロアカバー50は、本体下面41aに重ねられている。ロアカバー50は、Y方向に直交した方向に延びている。Y方向に直交した方向が、ロアカバー50が延びた方向になっている。ロアカバー50の外周縁は、本体下面41aの外周縁から内周側に離間している。このため、本体床部41及びロアカバー50の両方がケース20の床下面23bを形成している。
【0036】
床流路32は、ケース床部23において本体床部41とロアカバー50との間に設けられている。本体床部41の本体下面41aには凹部60が設けられている。凹部60の開口部がロアカバー50により覆われていることで床流路32が形成されている。凹部60は、床流路32を形成しており、床流路32の上下流方向に溝状に延びている。凹部60は、床上面23aとは反対側に向けて開放されている。凹部60は、本体下面41aから床上面23aに向けて凹んでいる。凹部60や床流路32の深さ方向や高さ方向はいずれも、Y方向になっている。
【0037】
ロアカバー50は、凹部60の開口部を床上面23aとは反対側から覆っている。床下面23bが延びる方向において、ロアカバー50は凹部60よりも外側にはみ出した状態になっている。ロアカバー50は、凹部60に対向した部分と、本体下面41aに重ねられた部分とを有している。ロアカバー50のうち本体下面41aに重ねられた部分は、本体下面41aに接合されている。ロアカバー50が流路カバー相当する。ロアカバー50の厚さ方向はY方向になっている。
【0038】
図3図5図6に示すように、床流路32にはフィン70が設けられている。フィン70は、凹部60の凹内面61からロアカバー50に向けて延びている。凹内面61は凹部60の内面である。フィン70は、床流路32の上下流方向に延びている。フィン70は、本体床部41の一部である。フィン70は、床流路32の幅方向に複数並べられている。複数のフィン70は、互いに平行に設けられている。複数のフィン70のそれぞれは、湾曲路32cを介して上流路32aと下流路32bとに跨るように連続的に延びている。床流路32にフィン70が設けられていることで、凹内面61の表面積の拡張が図られている。
【0039】
フィン70の外面であるフィン外面71には、フィン先端面72、フィン側面73,74が含まれている。フィン先端面72は、ロアカバー50に対向している。フィン側面73,74は、フィン先端面72を介して床流路32の幅方向に並べられている。フィン側面73,74は、ロアカバー50に交差する方向に延びている。フィン側面73,74は、凹底面62からロアカバー50に向けて延びている。フィン側面73,74はフィン先端面72により接続されている。
【0040】
フィン70の高さ寸法は、凹部60の深さ寸法と同じになっている。フィン先端面72は、ロアカバー50に沿って本体下面41aに並べられており、本体下面41aと同じ高さ位置にある。
【0041】
凹部60の凹内面61には、凹底面62、凹壁面63,64が含まれている。凹底面62、凹壁面63,64は、床流路32の上下流方向に延び、且つロアカバー50に沿って延びている。凹底面62は、床流路32を介してロアカバー50に対向している。凹壁面63,64は、凹底面62を介して互いに対向している。凹壁面63,64は、床流路32の幅方向に並べられている。凹壁面63,64は、ロアカバー50に交差する方向に延びている。凹壁面63,64は凹部60の深さ方向に延びている。凹壁面63,64は、凹底面62からロアカバー50に向けて延びている。凹壁面63,64は、床流路32の周縁部を形成している。
【0042】
本体床部41は、床壁部42,43を有している。床壁部42,43は、本体床部41のうち、凹壁面63,64を形成している部位である。床壁部42は、本体床部41のうち、ロアカバー50に沿って凹部60に並んだ位置にある部位である。床壁部42,43のうち床壁部42が凹壁面63を形成しており、床壁部43が凹壁面64を形成している。床壁部42,43は本体下面41aを形成いている。
【0043】
フィン外面71は、凹底面62及び凹壁面63,64と共に凹内面61に含まれている。フィン70は、凹底面62からロアカバー50に向けて延びている。フィン先端面72は、凹底面62よりもロアカバー50に近い位置にある。
【0044】
フィン70は、床流路32を幅方向に仕切った状態になっている。フィン先端面72は、ロアカバー50に沿って本体下面41aに横並びに設けられており、本体下面41aと同じ高さ位置にある。ロアカバー50は、本体下面41a及びフィン先端面72の両方に重ねられている。
【0045】
図4に示すように、ケース床部23には接合部37がある。接合部37は、本体床部41とロアカバー50とが接合された部分である。ロアカバー50は、接合部37により本体床部41に固定されている。接合部37は、床流路32の周縁部に沿って延びている。なお、図4においては、接合部37をドットハッチングで図示している。また、図4においては、フィン70の図示を省略している。
【0046】
接合部37には、第1接合部37a~第6接合部37fが含まれている。第1接合部37aは、上流路32aと下流路32bとの間に設けられており、床流路32の周縁部のうち内周縁に沿ってX方向に延びている。第2接合部37b~第6接合部37fは、床流路32の周縁部のうち外周縁に沿って延びている。第2接合部37bは、上流路32aの上流端部に沿ってZ方向に延びている。第3接合部37cは、上流路32aに沿ってX方向に延びている。第4接合部37dは、湾曲路32cの外周縁に沿って延びるように湾曲している。第5接合部37eは、下流路32bに沿ってX方向に延びている。第6接合部37fは、下流路32bの下流端部に沿ってZ方向に延びている。
【0047】
図3図4図6に示すように、ロアカバー50は、接合板部52,53、流路板部54、ビード55を有している。これら接合板部52,53及び流路板部54、ビード55は、本体床部41に沿って並んでいる。接合板部52,53は、接合部37により本体下面41aに接合されている。接合板部52,53は、本体下面41aに重ねられており、この本体下面41aに沿って延びている。接合板部52,53は、床流路32の周縁部に沿って延びている。接合板部52,53の内周端は接合部37の内周端に沿って延びている。接合板部52,53は、床流路32の幅方向に互いに離間した位置にある。接合板部52,53は、床流路32の幅方向において床流路32を介して並べられており、一対になっている。床流路32の幅方向において、接合板部52,53のうち接合板部52は凹壁面63側に設けられており、接合板部53は凹壁面64側に設けられている。
【0048】
ビード55及び流路板部54は、一対の接合板部52,53の間に設けられている。ビード55及び流路板部54は、床流路32を介して凹部60に対向している。流路板部54は、床流路32の幅方向に延びており、凹部60の凹底面62に対向している。流路板部54は、床流路32の幅方向において複数のフィン70にかけ渡された状態になっている。流路板部54は、本体床部41に沿って接合板部52,53に横並びに設けられており、接合板部52,53と同じ高さ位置にある。流路板部54は、フィン先端面72に重ねられており、このフィン先端面72に沿って延びている。
【0049】
ビード55は、接合板部52,53の少なくとも一方と流路板部54との間に設けられている。本実施形態では、ビード55は、接合板部52,53のうち接合板部52と流路板部54との間に設けられており、これら接合板部52と流路板部54とを接続している。ビード55は、接合板部53と流路板部54との間には設けられていない。ビード55は、流路板部54に接続され、この流路板部54に交差する方向に延びており、接続部に相当する。ビード55は、床流路32の周縁部に沿って上下流方向に延びている。
【0050】
図6に示すように、ビード55は、ロアカバー50において凹部60に向けて延びており、凹部60の内部に入り込んだ状態になっている。ビード55は、接合板部52,53及び流路板部54から凹部60の内部に向けて膨らむように突出している。ビード55は、その縦断面が湾曲した形状になっている。
【0051】
図7に示すように、ビード55は、ビード外面56及びビード内面57を有している。ビード外面56は、ビード55の外面であり、凹部60側を向いている。ビード外面56は、凹部60側に向けて膨らむように湾曲した湾曲面になっている。ビード外面56には、ビード先端面56a、ビード側面56b,56cが含まれている。ビード先端面56aは、凹底面62に対向しており、この凹底面62に沿って延びている。ビード側面56b,56cは、接合板部52,53及び流路板部54に交差する方向に延びている。ビード側面56b,56cのうちビード側面56bは、接合板部52,53から凹底面62に向けて延びている。一方、ビード側面56cは、流路板部54から凹底面62に向けて延びている。ビード側面56b,56cは、ビード先端面56aにより接続されている。
【0052】
ビード55は、全体として、Z方向の幅寸法がY方向の高さ寸法より大きくなるように、幅広に扁平した形状になっている。ビード外面56においては、Z方向の幅寸法がY方向の突出寸法よりも大きくなっている。例えば、Z方向においてビード側面56b,56cの離間距離が、Y方向において接合板部52,53及び流路板部54とビード先端面56aとの離間距離より大きくなっている。
【0053】
ビード内面57は、ビード55の内面であり、凹部60とは反対側を向いている。ビード内面57は、凹部60側に向けて凹むように湾曲した湾曲面になっている。ビード内面57は、凹部60とは反対側に向けて開放されている。ビード内面57は、凹部60の内部に入り込んだ状態になっている。Y方向において、ビード内面57の凹み寸法は、接合板部52,53及び流路板部54の厚さ寸法よりも大きくなっている。接合板部52,53及び流路板部54の厚さ寸法は、ロアカバー50を形成している板材の厚さ寸法である。床流路32の上下流方向に直交する方向においては、ビード55の幅寸法がビード55の高さ寸法よりも大きくなっている。
【0054】
本実施形態では、上述したように、図3図6において、床流路32がUターンするように曲がっている。床流路32では、その幅方向において一端が外周端になり、他端が内周端になる。ロアカバー50においては、接合板部52,53のうち外周接合板部52が、流路板部54の外周側に配置されている。内周接合板部53は、流路板部54の内周側に配置されている。ビード55は、流路板部54と外周接合板部52との間に設けられており、これら流路板部54と外周接合板部52とを接続している。一方で、ビード55は、流路板部54と内周接合板部53との間には設けられていない。これら流路板部54と内周接合板部53とはビード55を介さずに直接的に接続されている。
【0055】
図3図6図7に示すように、ビード55においては、ビード側面56b,56cのうち外周ビード側面56bが、ビード先端面56aの外周側に配置されている。内周ビード側面56cは、ビード先端面56aの内周側に配置されている。凹部60においては、凹壁面63,64のうち外周凹壁面63が、凹底面62の外周側に配置されている。内周凹壁面64は、凹底面62の内周側に配置されている。本体床部41においては、床壁部42,43のうち外周床壁部42が、床流路32の外周側に配置されている。内周床壁部43は、床流路32の内周側に配置されている。フィン70においては、フィン側面73,74のうち外周フィン側面73が、フィン先端面72の外周側に配置されている。内周フィン側面74は、フィン先端面72の内周側に配置されている。
【0056】
図6図7に示すように、床流路32の幅方向においては、凹部60の外周凹壁面63とビード55の外周ビード側面56bとが互いに対向している。また、フィン70の外周フィン側面73とビード55の内周ビード側面56cとが互いに対向している。凹部60の深さ方向においては、外周凹壁面63が外周接合板部52に向けて延びており、内周凹壁面64が内周接合板部53に向けて延びている。外周凹壁面63及び内周凹壁面64は、流路板部54に交差する方向に延びている。外周凹壁面63は交差面及び周壁面に相当する。
【0057】
ビード55は、床流路32の幅方向において、凹部60の外周凹壁面63に接触する位置に設けられている。ビード55は、複数のフィン70のうち最も外周側に設けられたフィン70と外周床壁部42との間に設けられている。ビード55の外周ビード側面56bと外周凹壁面63とは、互いに対向しており、互いに接触する。ビード55の内周ビード側面56cと、ビード55の隣にあるフィン70の外周フィン側面73とは、互いに対向しており、床流路32の幅方向において互いに離間している。
【0058】
ビード55は外周凹壁面63に接触している。仮に、ビード55が外周凹壁面63に接触していなかったとしても、ビード55は、冷媒の線膨張に伴って外周凹壁面63に接触するほどに外周凹壁面63に近い位置に設けられている。コンバータユニット15やリアクトルユニット17などの電気部品にて熱が発生した場合、その熱が冷媒に付与されることで冷媒の線膨張が生じることがある。冷媒が線膨張すると、この冷媒がビード55を外周凹壁面63に向けて押すことでロアカバー50が弾性変形し、ビード55が外周凹壁面63に接触することになる。
【0059】
ビード55が外周凹壁面63に接触する位置としては、ビード55が外周凹壁面63に接触している接触位置と、ビード55が外周凹壁面63に接触可能な範囲で離間した接触可能位置とがある。ビード55が接触可能位置に配置された構成では、ロアカバー50の弾性変形に伴ってビード55が外周凹壁面63に接触するほどに、ビード55と外周凹壁面63との離間距離が小さくなっている。本実施形態では、ビード55が接触位置及び接触可能位置のうち一方に設けられている。
【0060】
ビード55は、先端湾曲部58a,58b及び基端湾曲部58c,58dを有している。先端湾曲部58a,58bはビード55の幅方向に並べられている。ビード55において、外周側の先端湾曲部58aは、ビード先端面56aと外周ビード側面56bとを接続している。内周側の先端湾曲部58bは、ビード先端面56aと内周ビード側面56cとを接続している。先端湾曲部58a,58bはいずれも、凹底面62に向けて膨らむように湾曲している。
【0061】
基端湾曲部58c,58dは、ビード55の幅方向に並べられている。ビード55において、外周側の基端湾曲部58cは、外周ビード側面56bと外周接合板部52とを接続している。内周側の基端湾曲部58dは、内周ビード側面56cと流路板部54とを接続している。基端湾曲部58c,58dはいずれも、凹底面62とは反対側に向けて膨らむように湾曲している。
【0062】
ケース20においては、床流路32を流れる冷媒から凹部60やロアカバー50に加えられる内圧が増加することがある。床流路32での内圧が増加する場合としては、例えば、冷媒を流すためのポンプの駆動に伴って冷媒の流れに脈動が生じた場合が挙げられる。また、コンバータユニット15やリアクトルユニット17にて発生した熱により冷媒の線膨張が生じた場合が挙げられる。
【0063】
本実施形態とは異なり、例えば、ロアカバー50において一対の接合板部52,53の間にビード55が設けられていない構成を想定する。この構成では、外周接合板部52と流路板部54とがビード55を介さずに直接的に接続されており、床流路32の内圧増加による応力がロアカバー50において接合部37の内周端など一部に集中することが懸念される。応力がロアカバー50の一部に集中すると、ロアカバー50が局所的に変形して塑性変形が生じることが考えられる。
【0064】
なお、ロアカバー50にビード55が設けられていない構成では、外周接合板部52と流路板部54との境界部が接合部37の内周端付近にある。このため、ロアカバー50において接合部37の内周端あたりで生じる塑性変形は、流路板部54が外周接合板部52に対して相対的に凹部60とは反対側に向けて移動するような態様で生じやすいと考えられる。
【0065】
これに対して、本実施形態では、上述したように、ビード55が外周凹壁面63に接触する位置に設けられている。この構成では、床流路32の内圧増加による応力が、ビード55を外周凹壁面63に押し付けるように働き、ビード55を介して外周凹壁面63に付与される。このように、ロアカバー50から外周凹壁面63に応力が付与されることで、ロアカバー50では、接合部37の内周端など一部に応力が集中するということが生じにくい。このため、ロアカバー50の一部に応力が集中し、ロアカバー50が局所的に変形して塑性変形が生じるということが抑制される。
【0066】
本実施形態では、ビード55が上流路32a及び下流路32bのそれぞれに対して設けられている。上流路32aに対して設けられたビード55を上流壁側ビード551とも称し、下流路32bに対して設けられたビード55を下流壁側ビード552とも称する。外周接合板部52については、上流路32aに対して設けられた部位を上流接合板部521とも称し、下流路32bに対して設けられた部位を下流接合板部522とも称する。流路板部54については、上流路32aに対して設けられた部位を上流流路板部541とも称し、下流路32bに対して設けられた部位を下流流路板部542とも称する。
【0067】
凹部60については、上流路32aを形成する部位を上流凹部601とも称し、下流路32bを形成する部位を下流凹部602とも称する。外周凹壁面63については、上流路32aを形成する部位を上流凹壁面631とも称し、下流路32bを形成する部位を下流凹壁面632とも称する。フィン70については、上流路32aに設けられた部位を上流フィン701とも称し、下流路32bに設けられた部位を下流フィン702とも称する。本体床部41の外周床壁部42については、上流路32aを形成する部位を上流床壁部421とも称し、下流路32bを形成する部位を下流床壁部422とも称する。
【0068】
本体床部41の内周床壁部43は、上流凹部601と下流凹部602との間に設けられている。この内周床壁部43は、上流路32aと下流路32bとを仕切っており、仕切部に相当する。ロアカバー50は、内周床壁部43を跨いで上流路32aと下流路32bとにかけ渡された状態で設けられている。換言すれば、ロアカバー50は、内周床壁部43、上流凹部601及び下流凹部602を跨いで、上流床壁部421と下流床壁部422とにかけ渡されている。ロアカバー50においては、内周接合板部53が上流流路板部541と下流流路板部542との間に設けられている。この内周接合板部53は、上流流路板部541と下流流路板部542とを接続している。
【0069】
上流壁側ビード551は、上流凹部601の外周凹壁面63に接触する位置に設けられている。上流壁側ビード551は、上流路32aの幅方向において、上流接合板部521と上流流路板部541との間に設けられており、これら上流接合板部521と上流流路板部541とを接続している。下流壁側ビード552は、下流凹部602の外周凹壁面63に接触する位置に設けられている。下流壁側ビード552は、下流路32bの幅方向において、下流接合板部522と下流流路板部542との間に設けられており、これら下流接合板部522と下流流路板部542とを接続している。
【0070】
なお、上流路32aが第1流路に相当し、下流路32bが第2流路に相当する。Z方向は、第1流路と第2流路とが並んだ並び方向に相当する。上流接合板部521が接合板部及び第1接合板部に相当し、下流接合板部522が接合板部及び第2接合板部に相当する。内周接合板部53が接合板部及び仕切接合板部に相当する。上流流路板部541が流路板部及び第1流路板部に相当し、下流流路板部542が流路板部及び第2流路板部に相当する。上流壁側ビード551が接続部、接触接続部、壁側接続部及び第1接続部に相当し、下流壁側ビード552が接続部、接触接続部、壁側接続部及び第2接続部に相当する。上流凹壁面631が交差面及び第1周壁面に相当し、下流凹壁面632が交差面及び第2周壁面に相当する。
【0071】
次に、電力変換装置10の製造方法として、ケース20の製造方法について説明する。電力変換装置10を製造する工程には、ケース20を製造する工程と、ケース20の内部にコンバータユニット15等の電気部品を収容する工程とが含まれている。
【0072】
ケース20の製造工程において、作業者は、ケース本体40及びロアカバー50のそれぞれを製造した後、ケース本体40にロアカバー50を仮で取り付ける仮付け工程を行う。この仮付け工程では、図3図6において、上流壁側ビード551が上流凹部601の内部に入り込むように、且つ下流壁側ビード552が下流凹部602の内部に入り込むように、ロアカバー50をケース本体40の本体床部41に仮で取り付ける。この場合、上流壁側ビード551と下流壁側ビード552とが、上流凹壁面631と下流凹壁面632との間に嵌合した状態になっている。このため、壁側ビード551,552が外周凹壁面63に接触することで、Z方向についてケース本体40に対するロアカバー50の位置ずれが抑制される。
【0073】
仮付け工程の後、接合工程を行う。この接合工程では、ケース本体40とロアカバー50とを摩擦撹拌接合により固定する。摩擦撹拌接合は、高速回転する工具をロアカバー50に押し当てて、工具とロアカバー50との摩擦熱によりロアカバー50を本体床部41に接合する方法である。ケース20の製造時においては、凹部60の周縁部に沿って連続的に摩擦撹拌接合を行うことで、第1接合部37a~第6接合部37fの順番で接合部37を形成していく。図4に2点鎖線で示すように、第1接合部37aにおいて最も湾曲路32cに近い始点38Aから摩擦撹拌接合を開始し、第6接合部37fにおいて最も上流路32aに近い終点38Bで摩擦撹拌接合が終わるように、一筆書きで接合部37を形成する。摩擦撹拌接合は、FSWと称されることがある。
【0074】
接合工程においては、摩擦撹拌接合により生じた熱によりケース本体40の本体床部41やロアカバー50が線膨張することがある。本実施形態とは異なり、例えばロアカバー50にビード55が設けられていない構成では、本体床部41やロアカバー50の線膨張が生じた場合、この線膨張による応力がロアカバー50において接合部37の内周端など一部に集中することが懸念される。この場合、完成後の電力変換装置10と同様に、ロアカバー50の一部に応力が集中し、ロアカバー50が局所的に変形して塑性変形が生じることが考えられる。
【0075】
これに対して、接合工程での接合作業が行われる場合、壁側ビード551,552が外周凹壁面63に接触する状態になっている。このため、ロアカバー50などの線膨張により生じた応力が、完成後の電力変換装置10と同様に、壁側ビード551,552から外周凹壁面63に付与されることで、ロアカバー50の塑性変形が抑制される。
【0076】
なお、ケース本体40とロアカバー50とを接合する方法は摩擦撹拌接合でなくてもよい。例えば、溶接や接着材などによりケース本体40とロアカバー50が接合されていてもよい。
【0077】
ここまで説明した本実施形態によれば、流路板部54に交差する方向に延びた壁側ビード551,552と、流路板部54に交差する方向に延びた外周凹壁面63とが互いに接触する。このため、床流路32の内圧増加やロアカバー50の線膨張などにより応力が生じたとしても、この応力が壁側ビード551,552から外周凹壁面63に付与される。したがって、ロアカバー50の一部に応力が集中し、ロアカバー50が局所的に変形して塑性変形が生じる、ということを抑制できる。これにより、ロアカバー50が形成する床流路32を適正な状態に保つことができる。
【0078】
本実施形態によれば、壁側ビード551,552が外周凹壁面63に接触している。このため、床流路32の内圧増加などにより応力が生じたとしても、この応力によるロアカバー50の弾性変形を待つことなく、壁側ビード551,552から外周凹壁面63に応力が付与される。このため、ロアカバー50から外周凹壁面63に応力をより確実に付与できる。
【0079】
本実施形態によれば、壁側ビード551,552に接触する外周凹壁面63が床流路32の周縁部を形成している。この構成では、壁側ビード551,552から外周凹壁面63に付与される応力は、外周凹壁面63を形成する外周床壁部42に加えられることになる。外周床壁部42は、例えばフィン70に比べると、体積が大きいことや本体下面41aを形成していることなどにより強度が高くなっている。このため、壁側ビード551,552から外周凹壁面63に応力が付与されたとしても、この応力により外周床壁部42が変形するということが生じにくくなっている。したがって、外周床壁部42により形成された床流路32を適正な状態に保つことができる。
【0080】
本実施形態によれば、壁側ビード551,552が湾曲しているため、壁側ビード551,552の全体が弾性変形しやすくなっている。このため、壁側ビード551,552から外周凹壁面63に応力を付与しきれない場合などには、壁側ビード551,552の全体が弾性変形することで、残った応力が壁側ビード551,552の一部に集中するということを抑制できる。
【0081】
本実施形態によれば、壁側ビード551,552の外周ビード側面56bと外周凹壁面63とが接触するため、壁側ビード551,552と外周凹壁面63との接触面積が大きくなりやすい。このため、壁側ビード551,552と外周凹壁面63との接触部分において応力が一部に集中するということが生じにくい。したがって、壁側ビード551,552において外周凹壁面63に接触した部分が局所的に変形して壁側ビード551,552の塑性変形が生じる、ということを抑制できる。
【0082】
本実施形態によれば、上流路32aにおいては上流壁側ビード551が上流凹壁面631に接触し、下流路32bにおいては下流壁側ビード552が下流凹壁面632に接触する。このため、床流路32の内圧増加やロアカバー50の線膨張などによる応力が、上流壁側ビード551から上流凹壁面631に付与されるとともに、下流壁側ビード552から下流凹壁面632に付与される。したがって、上流路32a及び下流路32bのいずれにおいても、ロアカバー50の一部に応力が集中し、ロアカバー50が局所的に変形して塑性変形が生じる、ということを抑制できる。これにより、ロアカバー50が形成する上流路32a及び下流路32bのいずれについても適正な状態に保つことができる。
【0083】
本実施形態では、ロアカバー50が内周床壁部43を介して上流路32aと下流路32bとにかけ渡されている。このロアカバー50においては、床流路32の内圧増加やロアカバー50の線膨張などにより生じた応力が、中央側から外周縁に向けて伝わりやすいと考えられる。このため、ロアカバー50では、接合部37の内周端などの一部に応力が集中することが、内周接合板部53よりも外周接合板部52について生じやすい。
【0084】
これに対して、本実施形態によれば、壁側ビード551,552が、外周接合板部52に接続されている。このように、接合部37の内周端などの一部に応力が集中しやすい外周接合板部52については、壁側ビード551,552によりロアカバー50の塑性変形を抑制することが効果的である。
【0085】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、ビード55が凹部60の外周凹壁面63に接触する位置に設けられていた。これに対して、第2実施形態では、ビード55がフィン70の内周フィン側面74に接触する位置に設けられている。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1実施形態と同様である。第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0086】
本実施形態では、図8図9に示すように、ビード55が、床流路32の幅方向において凹部60の凹壁面63,64のいずれからも離間した位置に設けられている。ロアカバー50は、上記第1実施形態とは異なり、流路板部54を複数有している。流路板部54は、ビード55と外周接合板部52との間に設けられているとともに、ビード55と内周接合板部53との間に設けられている。ロアカバー50は、外周接合板部52側に設けられた流路板部54と、内周接合板部53側に設けられた流路板部54との間に設けられており、これら流路板部54を接続している。外周接合板部52側に設けられた流路板部54は、外周接合板部52とビード55とを接続している。内周接合板部53側に設けられた流路板部54は、内周接合板部53とビード55とを接続している。
【0087】
ビード55は、床流路32の幅方向において隣り合う2つの流路板部54の間に設けられており、これら流路板部54を接続している。ビード55は、2つの流路板部54に接続されており、これら流路板部54のいずれに対しても交差する方向に延びている。本実施形態では、ビード55が接合板部52,53のいずれにも直接的には接続されていない。
【0088】
ビード55は、床流路32の幅方向において、フィン70の内周フィン側面74に接触する位置に設けられている。ビード55は、複数のフィン70のうち最も内周側に設けられたフィン70と内周床壁部43との間に設けられている。ビード55の外周ビード側面56bと内周フィン側面74とは、互いに対向した状態で接触している。ビード55の内周ビード側面56cと内周凹壁面64とは、互いに対向した状態で床流路32の幅方向に離間している。なお、内周フィン側面74が交差面及びフィン側面に相当する。
【0089】
本実施形態では、ビード55が内周フィン側面74に接触する位置に設けられているため、床流路32の内圧増加による応力が、ビード55を介して内周フィン側面74に押し付けるように働き、ビード55を介して内周フィン側面74に付与される。このように、ロアカバー50から内周フィン側面74に応力が付与されることで、ロアカバー50では、接合部37の内周端など一部に応力が集中するということが生じにくい。このため、上記第1実施形態と同様に、ロアカバー50の一部に応力が集中し、ロアカバー50が局所的に変形して塑性変形が生じるということが抑制される。
【0090】
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、ビード55が上流路32a及び下流路32bのそれぞれに対して設けられている。上流路32aに対して設けられたビード55を上流フィン側ビード553とも称し、下流路32bに対して設けられたビード55を下流フィン側ビード554とも称する。
【0091】
上流フィン側ビード553は、上流フィン701の内周フィン側面74に接触する位置に設けられている。上流フィン側ビード553は、上流路32aの幅方向において、隣り合う2つの上流流路板部541の間に設けられており、これら上流流路板部541を接続している。下流フィン側ビード554は、下流フィン702の内周フィン側面74に接触する位置に設けられている。下流フィン側ビード554は、下流路32bの幅方向において、隣り合う2つの下流流路板部542の間に設けられており、これら下流流路板部542を接続している。フィン側ビード553,554が接続部、接触接続部及びフィン側接続部に相当する。
【0092】
次に、ケース20の製造方法について説明する。仮付け工程においてロアカバー50をケース本体40に仮で取り付けた場合、上流フィン側ビード553と下流フィン側ビード554とが、上流フィン701と下流フィン702との間に嵌合した状態になっている。この場合、フィン側ビード553,554が内周フィン側面74に接触することで、Z方向についてケース本体40に対するロアカバー50の位置ずれが抑制される。
【0093】
仮付け工程の後、接合作業を行う場合、フィン側ビード553,554が内周フィン側面74に接触する状態になっている。このため、ロアカバー50などの線膨張により生じた応力が、完成後の電力変換装置10と同様に、フィン側ビード553,554から内周フィン側面74に付与されることで、ロアカバー50の塑性変形が抑制される。
【0094】
本実施形態によれば、流路板部54に交差する方向に延びたフィン側ビード553,554と、流路板部54に交差する方向に延びた内周フィン側面74とが互いに接触する。このため、床流路32の内圧増加やロアカバー50の線膨張などにより応力が生じたとしても、この応力がフィン側ビード553,554から内周フィン側面74に付与される。したがって、ロアカバー50が塑性変形することをフィン側ビード553,554により抑制できる。
【0095】
本実施形態によれば、フィン側ビード553,554が内周フィン側面74に接触している。このため、床流路32の内圧増加などにより応力が生じたとしても、この応力によるロアカバー50の弾性変形を待つことなく、フィン側ビード553,554から内周フィン側面74に応力が付与される。このため、ロアカバー50から内周フィン側面74に応力をより確実に付与できる。
【0096】
本実施形態によれば、内周フィン側面74は、フィン70のフィン外面71に含まれている。この構成では、フィン側ビード553,554から内周フィン側面74に付与される応力は、フィン70に加えられることになる。このため、フィン70により、床流路32において凹部60の凹内面61と冷媒との接触面積を拡張して冷媒による冷却効果を高めること、及びロアカバー50の局所的な変形を抑制することの両方を実現できる。
【0097】
本実施形態によれば、フィン側ビード553,554が湾曲しているため、フィン側ビード553の全体が弾性変形しやすくなっている。このため、フィン側ビード553,554から内周フィン側面74に応力を付与しきれない場合などには、フィン側ビード553,554の全体が弾性変形することで、残った応力がフィン側ビード553,554の一部に集中するということを抑制できる。
【0098】
本実施形態によれば、フィン側ビード553,554の外周ビード側面56bとフィン70の内周フィン側面74とが接触するため、フィン側ビード553,554とフィン70との接触面積が大きくなりやすい。このため、フィン側ビード553,554と内周フィン側面74との接触部分において応力が一部に集中するということが生じにくい。したがって、フィン側ビード553,554においてフィン70に接触した部分が局所的に変形してフィン側ビード553,554の塑性変形が生じるということを抑制できる。
【0099】
<第3実施形態>
上記第1実施形態では、ビード55が外周凹壁面63に接触する位置に設けられ、上記第2実施形態では、ビード55が内周フィン側面74に接触する位置に設けられていた。これに対して、第3実施形態では、ビード55が、外周凹壁面63に接触する位置と内周フィン側面74に接触する位置とのそれぞれに設けられている。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1、第2実施形態と同様である。第3実施形態では、上記第1、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0100】
図10に示すように、ビード55が、上流路32a及び下流路32bのそれぞれに対して複数ずつ設けられている。上流路32aにおいては、複数のビード55が上流路32aの幅方向に並べられており、隣り合う2つのビード55の間にはフィン70が設けられている。下流路32bにおいては、複数のビード55が下流路32bの幅方向に並べられており、隣り合う2つのビード55の間にはフィン70が設けられている。複数のビード55には、上記第1実施形態の壁側ビード551,552と、上記第2実施形態のフィン側ビード553,554とが含まれている。
【0101】
上流路32aにおいては、上流フィン側ビード553が複数設けられている。複数の上流フィン側ビード553は、上流路32aの幅方向に並べられており、それぞれ異なる上流フィン701に接触する位置に設けられている。例えば、隣り合う2つの上流フィン側ビード553のうち一方は、内周床壁部43とこの内周床壁部43の隣の上流フィン701との間に設けられており、この上流フィン701の内周フィン側面74に接触する。他方は、隣り合う2つの上流フィン701の間に設けられており、内周床壁部43とは反対側にある上流フィン701の内周フィン側面74に接触する。
【0102】
下流路32bにおいては、下流フィン側ビード554が複数設けられている。複数の下流フィン側ビード554は、下流路32bの幅方向に並べられており、それぞれ異なる下流フィン702に接触する位置に設けられている。例えば、隣り合う2つの下流フィン側ビード554のうち一方は、内周床壁部43とこの内周床壁部43の隣の下流フィン702との間に設けられており、この下流フィン702の内周フィン側面74に接触する。他方は、隣り合う2つの下流フィン702の間に設けられており、内周床壁部43とは反対側にある下流フィン702の内周フィン側面74に接触する。
【0103】
<第4実施形態>
第4実施形態では、凹部60の外周凹壁面63が傾斜面68を有している。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1~第3実施形態と同様である。第4実施形態では、上記第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0104】
図11図12に示すように、凹部60の外周凹壁面63は、起立面67及び傾斜面68を有している。起立面67は、外周凹壁面63において凹底面62側の端部を形成している。起立面67は、ロアカバー50に交差する方向のうち凹部60の深さ方向に延びている。傾斜面68は、凹部60の深さ方向において起立面67を介して凹底面62とは反対側に設けられており、外周凹壁面63において本体下面41a側の端面を形成している。傾斜面68は、起立面67及び本体下面41aの両方に対して傾斜する方向に延びており、起立面67と本体下面41aとを接続している。凹部60の深さ方向に対する傾斜面68の傾斜は、凹部60の深さ方向に対する起立面67の傾斜よりも大きくなっている。凹部60の縦断面は、外周凹壁面63と本体下面41aとの出隅部分が傾斜面68により面取りされたような形状になっている。
【0105】
上流路32a及び下流路32bのそれぞれにおいて、複数のビード55には、外周凹壁面63の傾斜面68に接触する位置に設けられたビード55が含まれている。例えば、上流壁側ビード551及び下流壁側ビード552のそれぞれが、外周凹壁面63の傾斜面68に接触する位置に設けられている。
【0106】
壁側ビード551,552は、凹部60の深さ方向において、起立面67よりも傾斜面68側に設けられている。壁側ビード551,552と起立面67とは、凹部60の深さ方向に並べられている。壁側ビード551,552は、床流路32の幅方向において傾斜面68に横並びに設けられている。壁側ビード551,552においては、ビード外面56の少なくとも一部が傾斜面68に接触する。壁側ビード551,552においては、外周側の先端湾曲部58aが、最も傾斜面68に近い位置にあり、最も傾斜面68に接触しやすい。
【0107】
傾斜面68は、傾斜面68が外周側の先端湾曲部58aに沿って延びるように傾斜している。このため、外周側の先端湾曲部58aと傾斜面68とが接触すると、壁側ビード551,552と外周凹壁面63との接触面積が大きくなりやすい。このため、壁側ビード551,552と外周凹壁面63との接触部分において応力が一部に集中するということが、外周側の先端湾曲部58aと傾斜面68との接触により抑制される。傾斜面68は、壁側ビード551,552の外周ビード側面56b及び内周ビード側面56cに対して傾斜している。
【0108】
本実施形態によれば、外周凹壁面63において、壁側ビード551,552が接触する傾斜面68が凹部60の深さ方向に対して傾斜している。このため、製造誤差などにより、外周凹壁面63に対する壁側ビード551,552の相対的な位置が、床流路32の幅方向に多少ずれていたとしても、壁側ビード551,552が外周凹壁面63の傾斜面68に接触しやすくなっている。
【0109】
床流路32の内圧増加などによりロアカバー50が弾性変形した場合、ビード内面57の開口部が外周凹壁面63側を向くように壁側ビード551,552が傾くことが考えられる。この場合、外周ビード側面56bの傾斜角度が傾斜面68の傾斜角度に近づくことで、壁側ビード551,552においては、外周ビード側面56bが傾斜面68に接触しやすくなる。ロアカバー50については、外周側の先端湾曲部58a及び外周ビード側面56bのいずれが傾斜面68に接触しても、壁側ビード551,552と外周凹壁面63との接触面積が大きくなりやすい。したがって、仮にロアカバー50が変形したとしても、壁側ビード551,552と外周凹壁面63との接触部分において応力が一部に集中するということを傾斜面68により抑制できる。
【0110】
<第5実施形態>
上記第4実施形態では、ビード55の外周ビード側面56bが凹部60の傾斜面68に対して傾斜していた。これに対して、第5実施形態では、外周ビード側面56bが傾斜面68に沿って延びている。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1~4実施形態と同様である。第5実施形態では、上記第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0111】
図13に示すように、壁側ビード551,552は、その縦断面が湾曲した形状になっておらず、全体として直線的な形状になっている。壁側ビード551,552は、上記第4実施形態とは異なり、湾曲部58a~58dを有していない。壁側ビード551,552においては、ビード先端面56aと外周ビード側面56bとが、外周側の先端湾曲部58aを介さずに直接的に接続されている。外周ビード側面56bと外周接合板部52とは、外周側の基端湾曲部58cを介さずに直接的に接続されている。ビード先端面56aと内周ビード側面56cとは、内周側の先端湾曲部58bを介さずに直接的に接続されている。内周ビード側面56cと流路板部54とは、内周側の基端湾曲部58dを介さずに直接的に接続されている。
【0112】
壁側ビード551,552においては、外周ビード側面56b及び内周ビード側面56cが、凹部60の深さ方向に対して傾斜している。外周ビード側面56bは、外周凹壁面63の傾斜面68に沿って延びている。外周ビード側面56bと傾斜面68とは、凹部60の深さ方向に対する傾斜角度がほぼ同じになっている。外周ビード側面56bと傾斜面68とは、互いに平行に延びており、互いに対向している。
【0113】
壁側ビード551,552が外周凹壁面63に接触すると、外周ビード側面56bと傾斜面68とが互いに重なるようにして接触する。このように外周ビード側面56bと傾斜面68とが面接触することで、壁側ビード551,552と外周凹壁面63との接触面積が大きくなる。このため、壁側ビード551,552と外周凹壁面63との接触部分において応力が一部に集中するということが、外周ビード側面56bが傾斜面68に沿って延びていることで抑制される。
【0114】
<第6実施形態>
第6実施形態では、フィン70の内周フィン側面74が傾斜面78を有している。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1~第3実施形態と同様である。第6実施形態では、上記第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0115】
図14図15に示すように、フィン70の内周フィン側面74は、起立面77及び傾斜面78を有している。起立面77は、内周フィン側面74において凹底面62側の端部を形成している。起立面77は、ロアカバー50に交差する方向のうち凹部60の深さ方向に延びている。傾斜面78は、凹部60の深さ方向において起立面77を介して凹底面62とは反対側に設けられており、内周フィン側面74においてフィン先端面72側の端面を形成している。傾斜面78は、起立面77及びフィン先端面72の両方に対して傾斜する方向に延びており、起立面77とフィン先端面72とを接続している。凹部60の深さ方向に対する傾斜面78の傾斜は、凹部60の深さ方向に対する起立面77の傾斜よりも大きくなっている。フィン70の縦断面は、内周フィン側面74とフィン先端面72との出隅部分が傾斜面78により面取りされたような形状になっている。
【0116】
上流路32a及び下流路32bのそれぞれにおいて、複数のビード55には、内周フィン側面74の傾斜面78に接触する位置に設けられたビード55が含まれている。例えば、上流フィン側ビード553及び下流フィン側ビード554のそれぞれが、内周フィン側面74の傾斜面78に接触する位置に設けられている。
【0117】
フィン側ビード553,554は、凹部60の深さ方向において、起立面77よりも傾斜面78側に設けられている。フィン側ビード553,554と起立面77とは、凹部60の深さ方向に並べられている。フィン側ビード553,554は、床流路32の幅方向において傾斜面78に横並びに設けられている。フィン側ビード553,554においては、ビード外面56の少なくとも一部が傾斜面78に接触する。フィン側ビード553,554においては、外周側の先端湾曲部58aが、最も傾斜面78に近い位置にあり、最も傾斜面78に接触しやすい。
【0118】
傾斜面78は、傾斜面78が外周側の先端湾曲部58aに沿って延びるように傾斜している。このため、外周側の先端湾曲部58aと傾斜面78とが接触すると、フィン側ビード553,554と内周フィン側面74との接触面積が大きくなりやすい。このため、ビード55と内周フィン側面74との接触部分において応力が一部に集中するということが、外周側の先端湾曲部58aと傾斜面78との接触により抑制される。傾斜面78は、フィン側ビード553,554の外周ビード側面56b及び内周ビード側面56cに対して傾斜している。
【0119】
本実施形態によれば、内周フィン側面74において、フィン側ビード553,554が接触する傾斜面78が凹部60の深さ方向に対して傾斜している。このため、製造誤差などにより、内周フィン側面74に対するフィン側ビード553,554の相対的な位置が、床流路32の幅方向に多少ずれていたとしても、フィン側ビード553,554が内周フィン側面74の傾斜面78に接触しやすくなっている。
【0120】
床流路32の内圧増加などによりロアカバー50が弾性変形した場合、ビード内面57の開口部が内周フィン側面74側を向くようにフィン側ビード553,554が傾くことが考えられる。この場合、外周ビード側面56bの傾斜角度が傾斜面78の傾斜角度に近づくことで、フィン側ビード553,554においては、外周ビード側面56bが傾斜面78に接触しやすくなる。ロアカバー50については、外周側の先端湾曲部58a及び外周ビード側面56bのいずれが傾斜面78に接触しても、フィン側ビード553,554と内周フィン側面74との接触面積が大きくなりやすい。したがって、仮にロアカバー50が変形したとしても、ビード55と内周フィン側面74との接触部分において応力が一部に集中するということを傾斜面78により抑制できる。
【0121】
<第7実施形態>
上記第6実施形態では、ビード55の外周ビード側面56bがフィン70の傾斜面78に対して傾斜していた。これに対して、第7実施形態では、外周ビード側面56bが傾斜面78に沿って延びている。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1~3、第6実施形態と同様である。第7実施形態では、上記第6実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0122】
本実施形態では、図16に示すように、フィン側ビード553,554の形状が上記第5実施形態の壁側ビード551,552の形状とほぼ同じになっている。フィン側ビード553,554は、湾曲した形状になっておらず、全体として直線的な形状になっている。フィン側ビード553,554は、上記第5実施形態の壁側ビード551,552と同様に、湾曲部58a~58dを有していない。
【0123】
フィン側ビード553,554においては、外周ビード側面56b及び内周ビード側面56cが、凹部60の深さ方向に対して傾斜している。外周ビード側面56bは、内周フィン側面74の傾斜面78に沿って延びている。外周ビード側面56bと傾斜面78とは、凹部60の深さ方向に対する傾斜角度がほぼ同じになっている。外周ビード側面56bと傾斜面78とは、互いに平行に延びており、互いに対向している。
【0124】
フィン側ビード553,554が内周フィン側面74に接触すると、外周ビード側面56bと傾斜面78とが互いに重なるようにして接触する。このように外周ビード側面56bと傾斜面78とが面接触することで、フィン側ビード553,554と内周フィン側面74との接触面積が大きくなる。このため、フィン側ビード553,554と内周フィン側面74との接触部分において応力が一部に集中するということが、外周ビード側面56bが傾斜面78に沿って延びていることで抑制される。
【0125】
<第8実施形態>
上記第1~第3実施形態では、ビード55の外周ビード側面56bが外周凹壁面63や内周フィン側面74に接触する構成になっていた。これに対して、第8実施形態では、ビード55の内周ビード側面56cが内周凹壁面64や外周フィン側面73に接触する構成になっている。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1~第3実施形態と同様である。第8実施形態では、上記第1~第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0126】
図17に示すように、壁側ビード551,552は、凹部60の内周凹壁面64に接触する位置に設けられている。壁側ビード551,552は、床流路32の幅方向において、複数のフィン70のうち最も内周側に設けられたフィン70と内周床壁部43との間に設けられている。壁側ビード551,552の内周ビード側面56cと内周凹壁面64とは、互いに対向しており、互いに接触する。壁側ビード551,552の外周ビード側面56bと、壁側ビード551,552の隣にあるフィン70の外周フィン側面73とは、互いに対向しており、床流路32の幅方向において互いに離間している。なお、内周凹壁面64が交差面及び周壁面に相当する。
【0127】
本実施形態では、壁側ビード551,552が内周凹壁面64に接触することで、床流路32の内圧増加による応力が、壁側ビード551,552を内周凹壁面64に押し付けるように働き、壁側ビード551,552を介して内周凹壁面64に付与される。このように、ロアカバー50から内周凹壁面64に応力が付与されることで、ロアカバー50では、接合部37の内周端など一部に応力が集中するということが生じにくい。このため、上記第1、第3実施形態のように壁側ビード551,552が外周凹壁面63に接触する構成と同様に、ロアカバー50の一部に応力が集中し、ロアカバー50が局所的に変形して塑性変形が生じるということが抑制される。
【0128】
壁側ビード551,552のうち、上流壁側ビード551は、上流凹部601の内周凹壁面64に接触する位置に設けられている。上流壁側ビード551は、上流路32aの幅方向において内周接合板部53と上流流路板部541との間に設けられており、これら内周接合板部53と上流流路板部541とを接続している。下流壁側ビード552は、下流凹部602の内周凹壁面64に接触する位置に設けられている。下流壁側ビード552は、下流路32bの幅方向において内周接合板部53と下流流路板部542とを間に設けられており、これら内周接合板部53と下流流路板部542とを接続している。
【0129】
フィン側ビード553,554は、フィン70の外周フィン側面73に接触する位置に設けられている。フィン側ビード553,554は、床流路32の幅方向に複数ずつ並べて設けられている。複数のフィン側ビード553,554には、複数のフィン70のうち最も外周側のフィン70と外周凹壁面63との間に設けられたフィン側ビード553,554と、隣り合う2つのフィン70の間に設けられたフィン側ビード553,554とが含まれている。フィン側ビード553,554の内周ビード側面56cは、外周フィン側面73に対向しており、その外周フィン側面73に接触する。外周ビード側面56bは、外周凹壁面63や隣のフィン70の内周フィン側面74に対向しており、これら外周凹壁面63や内周フィン側面74からは床流路32の幅方向に離間している。なお、外周フィン側面73が交差面及びフィン側面に相当する。
【0130】
本実施形態では、フィン側ビード553,554が外周フィン側面73に接触することで、床流路32の内圧増加による応力が、フィン側ビード553,554を外周フィン側面73に押し付けるように働く。この応力は、フィン側ビード553,554を介して外周フィン側面73に付与される。このように、ロアカバー50から外周フィン側面73に応力が付与されることで、ロアカバー50では、接合部37の内周端など一部に応力が集中するということが生じにくい。このため、上記第2、第3実施形態のようにフィン側ビード553,554が内周フィン側面74に接触する構成と同様に、ロアカバー50の一部に応力が集中し、ロアカバー50が局所的に変形して塑性変形が生じるということが抑制される。
【0131】
フィン側ビード553,554のうち、上流フィン側ビード553は、上流フィン701の外周フィン側面73に接触する位置に設けられている。下流フィン側ビード554は、下流フィン702の外周フィン側面73に接触する位置に設けられている。
【0132】
次に、第8本実施形態でのケース20の製造方法について説明する。仮付け工程においてロアカバー50をケース本体40に仮で取り付けた場合、上流壁側ビード551と下流壁側ビード552との間に内周床壁部43が嵌合した状態になっている。また、この場合、上流フィン側ビード553と下流フィン側ビード554との間に、上流フィン701と下流フィン702とが嵌合した状態になっている。この状態では、壁側ビード551,552が内周凹壁面64に接触することや、フィン側ビード553,554が外周フィン側面73に接触することで、Z方向についてケース本体40に対するロアカバー50の位置ずれが抑制される。
【0133】
仮付け工程の後、接合作業を行う場合、壁側ビード551,552が内周凹壁面64に接触し、フィン側ビード553,554が外周フィン側面73に接触する状態になっている。このため、ロアカバー50などの線膨張により生じた応力が、完成後の電力変換装置10と同様に、壁側ビード551,552から内周凹壁面64に付与され、フィン側ビード553,554から外周フィン側面73に付与されやすい。これにより、ロアカバー50の塑性変形が抑制される。
【0134】
本実施形態によれば、流路板部54に交差する方向に延びた壁側ビード551,552と、流路板部54に交差する方向に延びた内周凹壁面64とが互いに接触する。このため、床流路32の内圧増加やロアカバー50の線膨張などにより応力が生じたとしても、この応力が壁側ビード551,552から内周凹壁面64に付与される。したがって、ロアカバー50が塑性変形することを壁側ビード551,552により抑制できる。
【0135】
本実施形態によれば、壁側ビード551,552が内周凹壁面64に接触している。このため、床流路32の内圧増加などにより応力が生じたとしても、この応力によるロアカバー50の弾性変形を待つことなく、壁側ビード551,552から内周凹壁面64に応力が付与される。このため、ロアカバー50から内周凹壁面64に応力をより確実に付与できる。したがって、上記第1実施形態と同様に、ロアカバー50の一部に応力が集中することをより確実に抑制できる。
【0136】
本実施形態によれば、壁側ビード551,552に接触する内周凹壁面64が床流路32の周縁部を形成している。この構成では、壁側ビード551,552から内周凹壁面64に付与される応力は、内周凹壁面64を形成する内周床壁部43に加えられることになる。内周床壁部43は、例えばフィン70に比べると、体積が大きいことや本体下面41aを形成していることなどにより強度が高くなっている。このため、壁側ビード551,552から内周凹壁面64に応力が付与されたとしても、この応力により内周床壁部43が変形するということが生じにくくなっている。したがって、内周床壁部43により形成された床流路32を適正な状態に保つことができる。
【0137】
本実施形態によれば、壁側ビード551,552の内周ビード側面56cと内周凹壁面64とが接触するため、壁側ビード551,552と外周ビード側面56bとの接触面積が大きくなりやすい。このため、壁側ビード551,552と内周凹壁面64との接触部分において応力が一部に集中するということが生じにくい。したがって、壁側ビード551,552において内周凹壁面64に接触した部分が局所的に変形して壁側ビード551,552の塑性変形が生じる、ということを抑制できる。
【0138】
本実施形態によれば、流路板部54に交差する方向に延びたフィン側ビード553,554と、流路板部54に交差する方向に延びた外周フィン側面73とが互いに接触する。このため、床流路32の内圧増加やロアカバー50の線膨張などにより応力が生じたとしても、この応力がフィン側ビード553,554から外周フィン側面73に付与される。したがって、上記第2実施形態と同様に、ロアカバー50が塑性変形することを抑制できる。
【0139】
本実施形態によれば、フィン側ビード553,554が外周フィン側面73に接触している。このため、床流路32の内圧増加などにより応力が生じたとしても、この応力によるロアカバー50の弾性変形を待つことなく、フィン側ビード553,554から外周フィン側面73に応力が付与される。このため、ロアカバー50から外周フィン側面73に応力をより確実に付与できる。したがって、上記第2実施形態と同様に、ロアカバー50の一部に応力が集中することをより確実に抑制できる。
【0140】
本実施形態によれば、外周フィン側面73は、フィン70のフィン外面71に含まれている。この構成では、フィン側ビード553,554から外周フィン側面73に付与される応力は、フィン70に加えられることになる。このため、上記第2実施形態と同様に、フィン70により、床流路32において凹部60の凹内面61と冷媒との接触面積を拡張して冷媒による冷却効果を高めること、及びロアカバー50の局所的な変形を抑制することの両方を実現できる。
【0141】
本実施形態によれば、フィン側ビード553,554の内周ビード側面56cとフィン70の外周フィン側面73とが接触するため、フィン側ビード553,554とフィン70との接触面積が大きくなりやすい。このため、フィン側ビード553,554と外周フィン側面73との接触部分において応力が一部に集中するということが生じにくい。したがって、上記第2実施形態と同様に、フィン側ビード553,554においてフィン70に接触した部分が局所的に変形してフィン側ビード553,554の塑性変形が生じるということを抑制できる。
【0142】
上記第4、第6実施形態にて述べたように、床流路32の内圧増加などによりロアカバー50が弾性変形した場合、ビード内面57の開口部が外周凹壁面63側を向くように、壁側ビード551,552やフィン側ビード553,554が傾くことが考えられる。本実施形態では、壁側ビード551,552が傾くと、壁側ビード551,552の内周ビード側面56cや内周側の先端湾曲部58bが内周凹壁面64に押し付けられた状態になりやすい。したがって、壁側ビード551,552が内周凹壁面64に確実に接触する構成を実現できる。同様に、フィン側ビード553,554が傾くと、フィン側ビード553,554の内周ビード側面56cや内周側の先端湾曲部58bが外周フィン側面73に押し付けられた状態になりやすい。したがって、フィン側ビード553,554が外周フィン側面73に確実に接触する構成を実現できる。
【0143】
<第9実施形態>
上記第1実施形態では、壁側ビード551,552が外周凹壁面63に接触する位置に設けられていた。上記第8実施形態では、壁側ビード551,552が内周凹壁面64に接触する位置に設けられていた。これに対して、第9実施形態では、壁側ビード551,552が、外周凹壁面63に接触する位置と、内周凹壁面64に接触する位置とのそれぞれに設けられている。第9実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1、第8実施形態と同様である。第9実施形態では、上記第1、第8実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0144】
図18に示すように、壁側ビード551,552は、床流路32の幅方向に複数ずつ並べられている。本実施形態では、壁側ビード551,552が床流路32の幅方向に2つずつ並べられている。2つの壁側ビード551,552の間には、流路板部54が設けられている。この流路板部54は、2つの壁側ビード551,552を接続している。2つの壁側ビード551,552のうち、外周側の壁側ビード551,552は、外周凹壁面63に接触する位置に設けられている。内周側の壁側ビード551,552は、内周凹壁面64に接触する位置に設けられている。
【0145】
上流路32aにおいては、上流流路板部541が、2つの上流壁側ビード551の間に設けられており、これら上流壁側ビード551を接続している。2つの上流壁側ビード551のうち、外周側の上流壁側ビード551は外周凹壁面63に接触し、内周側の上流壁側ビード551は内周凹壁面64に接触する。
【0146】
下流路32bにおいては、下流流路板部542が、2つの下流壁側ビード552の間に設けられており、これら下流壁側ビード552を接続している。2つの下流壁側ビード552のうち、外周側の下流壁側ビード552は外周凹壁面63に接触し、内周側の下流壁側ビード552は内周壁面に接触する。
【0147】
流路板部54は、凹部60の深さ方向において接合板部52,53とは異なる高さ位置に設けられている。本実施形態では、凹部60の深さ方向において、流路板部54が接合板部52,53よりも凹底面62に近い位置に設けられている。凹部60の深さ方向において、フィン70の高さ寸法は凹部60の深さ寸法より小さくなっている。流路板部54は、上記第1実施形態と同様に、フィン70のフィン先端面72に重ねられた状態になっている。
【0148】
壁側ビード551,552は、接合板部52,53と流路板部54とにかけ渡されるように、凹部60の深さ方向に延びている。壁側ビード551,552は、流路板部54から凹底面62とは反対側に向けて延び、且つ接合板部52,53から凹底面62に向けて延びた状態になっている。
【0149】
壁側ビード551,552は、その全体が湾曲した形状になっている。外周側の壁側ビード551,552は、上記第1実施形態の壁側ビード551,552のうち、外周ビード側面56bと、外周側の先端湾曲部58aと、外周側の基端湾曲部58cとにより形成されたような形状になっている。内周側の壁側ビード551,552は、上記第1実施形態の壁側ビード551,552のうち、内周ビード側面56cと、内周側の先端湾曲部58bと、内周側の基端湾曲部58dとにより形成されたような形状になっている。
【0150】
次に、第9実施形態でのケース20の製造方法について説明する。仮付け工程においてロアカバー50をケース本体40に仮で取り付けた場合、壁側ビード551,552が流路板部54と共に、凹部60の外周凹壁面63と内周凹壁面64との間に嵌合した状態になっている。この場合、壁側ビード551,552が凹壁面63,64に接触することで、Z方向についてケース本体40に対するロアカバー50の位置ずれが抑制される。
【0151】
<第10実施形態>
上記第1、第8実施形態では、ビード55が凹壁面63,64に接触する位置に設けられていた。上記第2、第8実施形態では、ビード55がフィン側面73,74に接触する位置に設けられていた。これに対して、第10実施形態では、ビード55が凹壁面63,64及びフィン側面73,74のいずれからも離間した位置に設けられている。第10実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1、第2、第8実施形態と同様である。第10実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0152】
本実施形態では、図19に示すように、ビード55が、凹壁面63,64に接触する位置、及びフィン側面73,74に接触する位置のいずれにも設けられていない。ビード55は、床流路32の幅方向において、凹壁面63,64及びフィン側面73,74のいずれからも離間した位置に設けられている。すなわち、ビード55は、凹壁面63,64及びフィン側面73,74のいずれにも接触しない位置に設けられている。
【0153】
凹壁面63,64及びフィン側面73,74のいずれにも接触しないビード55を、離間ビード555,556とも称する。離間ビード555,556のうち、上流離間ビード555は上流路32aに対して設けられており、下流離間ビード556は下流路32bに対して設けられている。離間ビード555,556が接続部及び離間接続部に相当する。
【0154】
離間ビード555,556は、床流路32の幅方向において複数ずつ並べられている。床流路32の幅方向において、隣り合う2つの離間ビード555,556の間にはフィン70が設けられている。離間ビード555,556は、接合板部52,53には直接的に接続されておらず、流路板部54を介して接合板部52,53に間接的に接続されている。床流路32の幅方向において隣り合う2つの離間ビード555,556は、流路板部54により接続されている。離間ビード555,556は、上記第1実施形態にてビード55について述べたように、その全体が湾曲した形状になっている。
【0155】
本実施形態によれば、床流路32の内圧増加やロアカバー50の線膨張などにより応力が生じたとしても、この応力により離間ビード555,556が変形しやすくなっている。このように、応力が離間ビード555,556に付与されることで、ロアカバー50では、接合部37の内周端など一部に応力が集中するということが生じにくい。このため、ロアカバー50において接合板部52,53や流路板部54の一部に応力が集中して、これら接合板部52,53や流路板部54が局所的に変形して塑性変形が生じる、ということを抑制できる。
【0156】
本実施形態によれば、離間ビード555,556が湾曲しているため、離間ビード555,556の全体が弾性変形しやすくなっている。このため、離間ビード555,556に応力が付与された場合に、離間ビード555,556の全体が弾性変形することで、離間ビード555,556の一部に応力が集中するということが生じにくい。したがって、離間ビード555,556が局所的に変形して離間ビード555,556の塑性変形が生じるということを抑制できる。
【0157】
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0158】
上記各実施形態において、ビード55は、流路板部54に交差する方向に延びていれば、流路板部54や接合板部52,53から凹部60の内部に向けて延びていてもよく、凹部60とは反対側に向けて延びていてもよい。例えば、上記第1実施形態において、ビード55は、ロアカバー50において凹部60とは反対側に向けて突出していてもよい。また、上記第9実施形態では、ビード55が流路板部54から凹部60側に向けて突出していてもよく、ビード55が接合板部52,53から凹部60とは反対側に向けて突出していてもよい。
【0159】
ただし、ビード55が凹壁面63,64やフィン側面73,74に接触する構成を実現するには、ビード55が接合板部52,53及び流路板部54の少なくとも一方から凹部60側に向けて延びていることが好ましい。例えば、ビード55のビード外面56が凹部60側に向けて延びていれば、ビード55が凹壁面63,64やフィン側面73,74に接触する構成を実現できる。この構成では、ビード55がビード内面57を有していなくてもよく、ビード55が凹部60側及び凹部60とは反対側の両方に向けて突出していてもよい。
【0160】
上記各実施形態において、ビード55は、流路板部54に交差する方向に延びていれば、湾曲していなくてもよい。例えば、上記第5、第7実施形態のように、ビード55の縦断面が直線的な形状になっていてもよい。また、ビード55は、その縦断面において少なくとも一部が湾曲した形状になっていてもよい。例えば、上記第1実施形態において、ビード55が、先端湾曲部58a,58b及び基端湾曲部58c,58dの少なくとも1つを有していれば、その縦断面において少なくとも一部が湾曲した形状になる。
【0161】
上記各実施形態において、ビード55は、幅広に扁平した形状ではなく、縦長に扁平した形状でもよい。例えば、ビード55において、Y方向の高さ寸法がZ方向の幅寸法より大きくなっていてもよい。この構成では、ビード側面56b,56cがY方向に極力長くなることで、ビード側面56b,56cと、凹壁面63,64及びフィン側面73,74との接触面積の拡張を図ることができる。
【0162】
上記各実施形態において、ビード55は、床流路32等の流路において複数設けられていてもよく、1つだけ設けられていてもよい。例えば、上記第1実施形態において、ビード55が湾曲路32cを跨いで上流路32aと下流路32bとにかけ渡された状態になっていてもよい。この構成では、ビード55において、上流路32aに配置された部分が第1接続部に相当し、下流路32bに配置された部分が第2接続部に相当する。また、ビード55は、床流路32の上下流方向に交差する方向に延びていてもよい。
【0163】
上記各実施形態において、フィン70は、床流路32の幅方向において複数設けられていてもよく、1つだけ設けられていてもよい。また、フィン70は、床流路32の上下流方向に複数並べられていてもよい。フィン70は、フィン先端面72がロアカバー50から凹底面62側に離間した形状や大きさになっていてもよい。さらに、フィン70は、床流路32の幅方向において隣り合う2つのビード55の間に配置されていなくてもよい。換言すれば、床流路32の幅方向において隣り合う2つのフィン70の間において、複数のビード55が床流路32の幅方向に並べられていてもよい。
【0164】
上記各実施形態において、床流路32では、第1流路としての上流路32aと、第2流路としての下流路32bとで、冷媒が流れる向きが逆になっていなくてもよい。例えば、上流路32aと下流路32bとで、冷媒が流れる向きが同じになっていてもよい。また、第1流路と第2流路とは、上下流方向に並べられているのではなく、上下流方向に対して並列に配置されていてもよい。この場合、例えば、本体床部41のうち、ロアカバー50が接合部37により接合された部位が仕切部に相当し、ロアカバー50が接合されていない部位がフィンに相当する。
【0165】
上記各実施形態において、床流路32においては、第1流路と第2流路とが横並びに配置されていなくてもよい。例えば、床流路32はX方向に延びた1つの流路だけを有していてもよい。また、流路は、上流路32aや下流路32bのように真っすぐに延びているのではなく、湾曲などして曲がっていてもよい。
【0166】
上記各実施形態において、ケース20は、流体が流れる流路を形成することが可能であれば、樹脂材料などにより形成されていてもよい。
【0167】
上記各実施形態において、ケース床部23では、ロアカバー50等の流路カバーが床下面23bではなく床上面23aを形成していてもよい。すなわち、凹部60の開口部が内部空間21とは反対側を向いているのではなく、内部空間21を向いていてもよい。この場合、ケース本体40においては、本体床部41の上面が本体面に相当する。
【0168】
上記各実施形態において、ケース20においては、内部空間21を区画する部位であれば、流路が設けられた部位がケース外壁24でなくてもよい。例えば、流路がケース外壁24に設けられていてもよい。また、ケース20が、内部空間21を区画する部位として天井部や仕切部を有していれば、これら天井部や仕切部に流路が設けられていてもよい。例えば、ケース外壁24に流路が設けられた構成では、流路カバーがケース外壁24の内壁面や外壁面を形成することになる。
【0169】
上記各実施形態において、ケース20が形成する流路を流れる流体は、ケース20内の空気や電気部品との熱交換を行うことが可能であれば、冷却効果を発揮するのではなく、加熱効果を発揮してもよい。流体が加熱効果を発揮する構成では、ケース20を含んで構成された機器が、冷却器30ではなく加熱器と称されることがある。また、ケース20や電力変換装置10は、この流体にケース20内の空気や電気部品との熱交換を行わせることを目的としていない構成であってもよい。例えば、ケース本体40やロアカバー50の熱伝導性が低くなっていてもよい。
【0170】
上記各実施形態において、ケース20に収容される電気部品としては、コンバータユニット15などの他に、トランスやモータ、バスバー、端子台などが挙げられる。電気部品を備えた電気装置としては、電力変換装置10の他に、トランスを備えた変圧装置や、モータを備えたモータ装置などが挙げられる。なお、電力変換装置10としては、コンバータ装置の他に、インバータ装置や、交流入力直流出力の電源装置、直流入力直流出力の電源装置、交流入力交流出力の電源装置などが挙げられる。
【0171】
上記各実施形態において、電力変換装置10が搭載された車両としては、乗用車やバス、建設作業車、農業機械車両などがある。また、車両は移動体の1つであり、電力変換装置10が搭載される移動体としては、車両の他に電車や飛行機などがある。
【0172】
上記各実施形態において、電力変換装置10及びケース20は、車両等の移動体に搭載される移動型の電気装置及びケースであったが、定置型の電気装置及びケースであってもよい。
【符号の説明】
【0173】
10…電気装置としての電力変換装置、15…電気部品としてのコンバータユニット、16…コンデンサユニット、17…リアクトルユニット、20…ケース、21…内部空間、32…流路としての床流路、32a…第1流路としての上流路、32b…第2流路としての下流路、37…接合部、40…ケース本体、41a…本体面としての本体下面、43…内周床壁部、50…流路カバーとしてのロアカバー、52…接合板部としての外周接合板部、521…接合板部及び第1接合板部としての上流接合板部、522…接合板部及び第2接合板部としての下流接合板部、53…接合板部としての内周接合板部、54…流路板部、541…流路板部及び第1流路板部としての上流流路板部、542…流路板部及び第2流路板部としての下流流路板部、55…接続部としてのビード、551…接続部、接触接続部、壁側接続部及び第1接続部としての上流壁側ビード、552…接続部、接触接続部、壁側接続部及び第2接続部としての下流壁側ビード、553…接続部、接触接続部及びフィン側接続部としての上流フィン側ビード、554…接続部、接触接続部及びフィン側接続部としての下流フィン側ビード、555…接続部及び離間接続部としての上流離間ビード、556…接続部及び離間接続部としての下流離間ビード、60…凹部、61…内面としての凹内面、63…交差面としての外周凹壁面、631…交差面、周壁面及び第1周壁面としての上流凹壁面、632…交差面、周壁面及び第2周壁面としての下流凹壁面、64…交差面としての内周凹壁面、67…起立面、68…傾斜面、70…フィン、701…フィンとしての上流フィン、702…フィンとしての下流フィン、73…交差面及びフィン側面としての外周フィン側面、74…交差面及びフィン側面としての内周フィン側面、77…起立面、78…傾斜面、Y…深さ方向、Z…幅方向及び並び方向。
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