(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
H01R 9/24 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
H01R9/24
(21)【出願番号】P 2020209511
(22)【出願日】2020-12-17
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】湯口 洋史
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-095817(JP,A)
【文献】特開2006-210199(JP,A)
【文献】特開2017-135032(JP,A)
【文献】特開2009-158359(JP,A)
【文献】特開2014-222974(JP,A)
【文献】特開2008-218094(JP,A)
【文献】特開2016-092024(JP,A)
【文献】米国特許第5805146(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/58- 4/72
H01R 9/00
H01R 9/15- 9/28
H01M 50/50-50/598
H02M 7/42- 7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂部と
、前記樹脂部と一体化されたバスバーと、を
有する端子台本体と、
前記端子台本体を収容する筐体と、備えた端子台であって、
前記バスバーは、
第1被締結部材が締結される第1締結部と、
第2被締結部材が締結される第2締結部と、
前記第1締結部と前記第2締結部とを連結する連結部と、
前記第1締結部と前記第2締結部との間に設けられ、前記連結部から起立する起立部と、を備え、
前記樹脂部は、前記起立部に設けられた起立樹脂部を備え
、
前記起立部は、前記筐体内を前記第1締結部が設けられる領域と前記第2締結部が設けられる領域に区画するように延設する端子台。
【請求項2】
前記起立部は、第3被締結部材が締結される第3締結部を備える請求項1に記載の端子台。
【請求項3】
前記筐体は、前記第1締結部に対応して設けられた開口部を備える請求項1又は請求項2に記載の端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の被締結部材が締結される端子台としては、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の端子台は、複数のバスバーを備える。複数のバスバーは、ボルトによって被締結部材に締結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バスバーは、複数の被締結部材として、例えば、第1被締結部材と第2被締結部材に締結される。この際、バスバーが第2被締結部材に締結された状態で、バスバーに第1被締結部材を締結する場合、第1被締結部材を締結する際に生じた金属粉が、第2被締結部材に付着し、第2被締結部材内に短絡を生じさせるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する端子台は、樹脂部と、前記樹脂部と一体化されたバスバーと、を備えた端子台であって、前記バスバーは、第1被締結部材が締結される第1締結部と、第2被締結部材が締結される第2締結部と、前記第1締結部と前記第2締結部とを連結する連結部と、前記第1締結部と前記第2締結部との間に設けられ、前記連結部から起立する起立部と、を備え、前記樹脂部は、前記起立部に設けられた起立樹脂部を備える。
【0006】
第1締結部と第2締結部との間には、起立部及び起立樹脂部が設けられている。第1締結部に第1被締結部材を締結する際に金属粉が生じても、起立部及び起立樹脂部を超えて金属粉が移動することを抑制できる。これにより、第2被締結部材に金属粉が到達することを抑制できる。第2被締結部材に金属粉が付着することを抑制でき、第2被締結部材内に短絡を生じさせることを抑制できる。
【0007】
上記端子台について、前記起立部は、第3被締結部材が締結される第3締結部を備えていてもよい。
上記端子台について、筐体を備え、前記筐体は、前記第1締結部に対応して設けられた開口部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、短絡を生じさせることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】樹脂部を省略した状態での端子台本体を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
端子台の一実施形態について説明する。
図1に示すように、接続装置10は、端子台20と、第1接続部材130と、第2接続部材140と、第3接続部材150と、第4接続部材160と、締結部材B1,B2,B3,B4と、を備える。接続装置10は、例えば、車両に搭載される。接続装置10は、複数の装置を接続するために用いられる。
【0011】
端子台20は、端子台本体21と、筐体22と、を備える。
図2及び
図3に示すように、端子台本体21は、2つのバスバー30,60と、ナットN1と、樹脂部100と、を備える。端子台本体21は、2つのバスバー30,60及びナットN1を樹脂部100に一体化したものである。
【0012】
2つのバスバー30,60は、正極バスバー30と、負極バスバー60と、を含む。2つのバスバー30,60は板状である。
図4に示すように、正極バスバー30は、第1正極締結部31と、第1正極連結部34と、第2正極締結部35と、第2正極連結部38と、第3正極締結部41と、第3正極連結部44と、第4正極締結部47と、を備える。
【0013】
第1正極締結部31は、第1正極区画面32を備える。第1正極区画面32は、第1正極締結部31の厚み方向に互いに反対となる両面の間で延びる面である。第1正極区画面32に囲まれる領域は、第1正極貫通孔33である。即ち、第1正極締結部31には、第1正極貫通孔33が設けられており、第1正極区画面32は、第1正極貫通孔33を区画する面であるといえる。
【0014】
第1正極連結部34は、第1正極締結部31と第2正極締結部35とを連結している。第1正極連結部34の厚み方向と第1正極締結部31の厚み方向とは同一方向である。なお、本実施形態において「同一」とは、交差の範囲内での差を許容するものである。
【0015】
図3に示すように、第2正極締結部35は、第2正極区画面36を備える。第2正極区画面36は、第2正極締結部35の厚み方向に互いに反対となる両面の間で延びる面である。第2正極区画面36に囲まれる領域は、第2正極貫通孔37である。即ち、第2正極締結部35には、第2正極貫通孔37が設けられており、第2正極区画面36は、第2正極貫通孔37を区画する面であるといえる。第2正極締結部35の厚み方向と第1正極締結部31の厚み方向とは同一方向である。
【0016】
図4に示すように、第2正極連結部38は、第1正極締結部31と第3正極締結部41とを連結している。第2正極連結部38は、第1部位39と、第2部位40と、を備える。第1部位39は、第1正極締結部31と第2部位40とを連結している。第1部位39は、第1正極連結部34の延びる方向及び第1正極締結部31の厚み方向の両方向に交差する方向に延びている。本実施形態において、第1部位39は、第1正極連結部34の延びる方向及び第1正極締結部31の厚み方向の両方向に直交する方向に延びている。第2部位40は、第1部位39と第3正極締結部41とを連結している。第2部位40は、第1部位39から第3正極締結部41に向けて、第1正極連結部34から離れる方向に傾斜している。第2正極連結部38の厚み方向と第1正極締結部31の厚み方向とは同一方向である。
【0017】
第3正極締結部41は、第3正極区画面42を備える。第3正極区画面42は、第3正極締結部41の厚み方向に互いに反対となる両面の間で延びる面である。第3正極区画面42に囲まれる領域は、第3正極貫通孔43である。即ち、第3正極締結部41には、第3正極貫通孔43が設けられており、第3正極区画面42は、第3正極貫通孔43を区画する面であるといえる。第3正極締結部41の厚み方向と第1正極締結部31の厚み方向とは同一方向である。
【0018】
第3正極連結部44は、第1正極締結部31と第4正極締結部47とを連結している。第3正極連結部44は、第1部位45と、第2部位46と、を備える。第1部位45は、第1正極締結部31と第2部位46とを連結している。第1部位45は、第1正極連結部34の延びる方向及び第1正極締結部31の厚み方向の両方向に交差する方向に延びている。本実施形態において、第1部位45は、第1正極連結部34の延びる方向及び第1正極締結部31の厚み方向の両方向に直交する方向に延びている。第3正極連結部44の第1部位45は、第1正極締結部31から、第2正極連結部38の第1部位39と同一方向に延びている。第1部位45の厚み方向と第1正極締結部31の厚み方向とは同一方向である。
【0019】
第2部位46は、第1部位45から第1部位45の厚み方向に屈曲している部分である。第2部位46の厚み方向と第1部位45の厚み方向とは、互いに交差している。本実施形態において、第1部位45の厚み方向と第2部位46の厚み方向とは直交している。第2部位46は、第1部位45から直角に屈曲しているといえる。
【0020】
第4正極締結部47は、第2部位46から第2部位46の厚み方向に屈曲している。第4正極締結部47は、第4正極区画面48を備える。第4正極区画面48は、第4正極締結部47の厚み方向に互いに反対となる両面の間で延びる面である。第4正極区画面48に囲まれる領域は、第4正極貫通孔49である。即ち、第4正極締結部47には、第4正極貫通孔49が設けられており、第4正極区画面48は、第4正極貫通孔49を区画する面であるといえる。第4正極締結部47の厚み方向と第1正極締結部31の厚み方向とは互いに交差している。本実施形態において、第4正極締結部47の厚み方向と第1正極締結部31の厚み方向とは互いに直交している。第4正極締結部47は、第2部位46から直角に屈曲しているといえる。
【0021】
以上のように、第1部位45と第4正極締結部47とは、第1部位45の厚さ方向に互いに離間するように設けられるとともに、第2部位46によって連結されている。
負極バスバー60は、第1負極締結部61と、第1負極連結部64と、起立部65と、第2負極連結部80と、第2負極締結部84と、第3負極連結部87と、第3負極締結部90と、を備える。
【0022】
第1負極締結部61は、第1負極区画面62を備える。第1負極区画面62は、第1負極締結部61の厚み方向に互いに反対となる両面の間で延びる面である。第1負極区画面62に囲まれる領域は、第1負極貫通孔63である。即ち、第1負極締結部61には、第1負極貫通孔63が設けられており、第1負極区画面62は、第1負極貫通孔63を区画する面であるといえる。
【0023】
第1負極連結部64は、第1負極締結部61と起立部65とを連結している。第1負極連結部64の厚み方向と第1負極締結部61の厚み方向とは同一方向である。
起立部65は、第1負極連結部64から起立している。即ち、起立部65は、第1負極連結部64から第1負極連結部64の厚み方向に屈曲されている。起立部65は、本体部66と、接続部73と、第4負極連結部93と、第4負極締結部94と、を備える。
【0024】
本体部66は、矩形板状である。本体部66は、第1長辺端部67と、第2長辺端部68と、第1短辺端部69と、第2短辺端部70と、本体部66の厚み方向に互いに反対となる両面である第1面71及び第2面72と、を備える。第1長辺端部67と第2長辺端部68とは、本体部66の長辺方向に互いに離間した端部である。第1短辺端部69と第2短辺端部70とは、本体部66の短辺方向に互いに離間した端部である。本体部66の第1短辺端部69における第1長辺端部67側には、接続部73が接続されている。
【0025】
接続部73は、本体部66と第1負極連結部64とを接続している。
起立部65の厚み方向と第1負極連結部64の厚み方向とは互いに交差している。本実施形態において、起立部65の厚み方向と第1負極連結部64の厚み方向とは互いに直交している。起立部65は、第1負極連結部64から直角に屈曲しているといえる。
【0026】
第2負極連結部80は、起立部65と第2負極締結部84とを連結している。第2負極連結部80は、第1部位81と、第2部位82と、第3部位83と、を備える。第1部位81は、円弧状に曲げられた部位であり、起立部65と第2部位82とを連結している。第1部位81は、第1部位81が起立部65を挟んで第1負極連結部64とは反対側に位置するように、一端が本体部66の第2短辺端部70における第1長辺端部67側に接続されている。
【0027】
第2部位82は、第1部位81と第3部位83とを連結している。第2部位82の厚さ方向と接続部73の厚さ方向とは、同じ方向であり、第2部位82と接続部73とは、厚さ方向に離間するとともに、互いに対向するように設けられている。また、第2部位82は、第2短辺端部70から第1短辺端部69に向かう方向に延びている。
【0028】
第3部位83は、第2部位82から第2部位82の厚み方向に屈曲している。第3部位83は、第2部位82から起立部65に沿って延びている。第3部位83は、第1長辺端部67から第2長辺端部68に向かう方向に延びている。
【0029】
図3に示すように、第2負極締結部84は、第2負極区画面85を備える。第2負極区画面85は、第2負極締結部84の厚み方向に互いに反対となる両面の間で延びる面である。第2負極区画面85に囲まれる領域は、第2負極貫通孔86である。即ち、第2負極締結部84には、第2負極貫通孔86が設けられており、第2負極区画面85は、第2負極貫通孔86を区画する面であるといえる。第2負極締結部84と第1負極締結部61とは、起立部65の厚み方向において、起立部65を間に挟んで位置している。
【0030】
図4に示すように、第1負極連結部64は、起立部65及び第2負極連結部80を介して第1負極締結部61と第2負極締結部84とを連結している。
第3負極連結部87は、起立部65と第3負極締結部90とを連結している。第3負極連結部87は、第1部位88と、第2部位89と、を備える。第1部位88は、起立部65と第2部位89とを連結している。第1部位88は、本体部66の第1短辺端部69における第2長辺端部68側に接続されている。第1部位88は、起立部65の厚み方向で、かつ、起立部65から第1負極締結部61に向かう方向に延びている。第2部位89は、第1部位88と第3負極締結部90とを連結している。第2部位89は、第1部位88から第3負極締結部90に向けて、第1負極締結部61から離れる方向に傾斜している。第3負極連結部87の厚み方向と第1負極締結部61の厚み方向とは同一方向である。
【0031】
第3負極締結部90は、第3負極区画面91を備える。第3負極区画面91は、第3負極締結部90の厚み方向に互いに反対となる両面の間で延びる面である。第3負極区画面91に囲まれる領域は、第3負極貫通孔92である。即ち、第3負極締結部90には、第3負極貫通孔92が設けられており、第3負極区画面91は、第3負極貫通孔92を区画する面であるといえる。第3負極締結部90の厚み方向と第1負極締結部61の厚み方向とは同一方向である。
【0032】
第3負極連結部87は、起立部65及び第2負極連結部80を介して第3負極締結部90と第2負極締結部84とを連結しているともいえる。起立部65は、第3負極連結部87から起立しているともいえる。第2負極締結部84と第3負極締結部90とは、起立部65の厚み方向において、起立部65を間に挟んで位置している。
【0033】
第4負極連結部93は、本体部66と第4負極締結部94とを連結している。第4負極連結部93は、本体部66の第2長辺端部68に接続されている。第4負極連結部93の厚み方向と本体部66の厚み方向とは同一方向である。
【0034】
第4負極締結部94は、第4負極区画面95を備える。第4負極区画面95は、第4負極締結部94の厚み方向に互いに反対となる両面の間で延びる面である。第4負極区画面95に囲まれる領域は、第4負極貫通孔96である。即ち、第4負極締結部94には、第4負極貫通孔96が設けられており、第4負極区画面95は、第4負極貫通孔96を区画する面であるといえる。第4負極締結部94の厚み方向と第1負極締結部61の厚み方向とは互いに交差している。本実施形態において、第4負極締結部94の厚み方向と第1負極締結部61の厚み方向とは互いに直交している。
【0035】
本実施形態において、第1負極締結部61及び第3負極締結部90は、第1締結部である。第2負極締結部84は、第2締結部である。第1負極連結部64及び第3負極連結部87は、連結部である。第4負極締結部94は、第3締結部である。
【0036】
図2及び
図3に示すように、正極バスバー30及び負極バスバー60は、樹脂部100によって予め定められた位置関係で一体化されている。
第1正極締結部31の厚み方向と第1負極締結部61の厚み方向とは同一方向である。第1正極締結部31と第1負極締結部61とは、互いに離間するとともに互いに隣り合って配置されている。第1正極締結部31と第1負極締結部61とは、本体部66の長辺方向に隣り合っている。
【0037】
第2正極締結部35の厚み方向と第2負極締結部84の厚み方向とは同一方向である。第2正極締結部35と第2負極締結部84とは、互いに離間するとともに互いに隣り合って配置されている。第2正極締結部35と第2負極締結部84とは、本体部66の長辺方向に隣り合っている。
【0038】
第3正極締結部41の厚み方向と第3負極締結部90の厚み方向とは同一方向である。第3正極締結部41と第3負極締結部90とは、互いに離間するとともに互いに隣り合って配置されている。第3正極締結部41と第3負極締結部90とは、本体部66の長辺方向に交差する方向に隣り合っている。
【0039】
第4正極締結部47の厚み方向と第4負極締結部94の厚み方向とは同一方向である。第4正極締結部47と第4負極締結部94とは、互いに離間するとともに互いに隣り合って配置されている。第4正極締結部47と第4負極締結部94とは、本体部66の短辺方向に隣り合っている。
【0040】
図4に示すように、正極バスバー30は、第1正極締結部31と第2正極締結部35とが起立部65を間に挟んで、起立部65の厚み方向の両側に位置するように配置されている。言い換えれば、起立部65は、第1正極締結部31と第2正極締結部35との間に設けられている。
【0041】
正極バスバー30は、第2正極締結部35と第3正極締結部41とが起立部65を間に挟んで、起立部65の厚み方向の両側に位置するように配置されている。言い換えれば、起立部65は、第2正極締結部35と第3正極締結部41との間に設けられている。
【0042】
図2及び
図3に示すように、樹脂部100は、基部101と、起立樹脂部102と、突出部113と、を備える。樹脂部100は、樹脂製の部材である。
基部101は、第1正極連結部34の少なくとも一部、第2正極連結部38の少なくとも一部、第3正極連結部44の少なくとも一部、第1負極連結部64の少なくとも一部、第2負極連結部80の少なくとも一部、及び第3負極連結部87の少なくとも一部を覆っている。第1正極締結部31、第2正極締結部35、第3正極締結部41、第4正極締結部47、第1負極締結部61、第2負極締結部84、第3負極締結部90及び第4負極締結部94は、樹脂部100から露出している。
【0043】
基部101には、ナットN1が埋め込まれている。本実施形態において、ナットN1は、第1正極貫通孔33、及び第1負極貫通孔63に向かい合う位置に設けられている。
起立樹脂部102は、起立部65に設けられている。起立樹脂部102は、基部101から起立部65に沿って起立している。起立樹脂部102は、2つの被覆部103と、第1延設部111と、第2延設部112と、を備える。
【0044】
2つの被覆部103は、本体部66の長辺方向に互いに離間している。被覆部103は、本体部66の第1長辺端部67と第2長辺端部68とを被覆している。
第1延設部111は、2つの被覆部103同士の間に設けられている。第1延設部111は、2つの被覆部103同士を連結している。第1延設部111は、基部101から本体部66の第2短辺端部70に向けて延びている。基部101から本体部66の第2短辺端部70に向かう方向を起立方向とすると、第1延設部111の起立方向の寸法は、本体部66の短辺方向の寸法よりも短い。第1延設部111は、第1面71の2つの被覆部103に被覆されていない部分のうち、第2短辺端部70以外の部分を被覆する。
【0045】
第2延設部112は、2つの被覆部103同士の間に設けられている。第2延設部112は、2つの被覆部103同士を連結している。第2延設部112は、基部101から本体部66の第2短辺端部70に向けて延びている。第2延設部112の起立方向の寸法は、本体部66の短辺方向の寸法よりも短い。第2延設部112は、第2面72の2つの被覆部103に被覆されていない部分のうち、第2短辺端部70以外の部分を被覆する。
【0046】
突出部113は、起立樹脂部102から突出している。起立樹脂部102は、起立部65の厚み方向に突出している。突出部113は、第2負極連結部80の第1部位81及び第2負極連結部80の第2部位82を覆っている。
【0047】
図1に示すように、筐体22は、端子台本体21、第2接続部材140、及び第4接続部材160を収容している。筐体22は、開口部を備える。開口部は、第1開口部23と、第2開口部24と、を含む。第1開口部23は、第1正極締結部31及び第1負極締結部61に対応して設けられている。第2開口部24は、第3正極締結部41及び第3負極締結部90に対応して設けられている。「対応して設けられている」とは、締結作業を行う際に、開口部23,24を介して締結作業を行うことが可能な位置に開口部23,24が設けられていることを示す。本実施形態では、第1正極締結部31及び第1負極締結部61と第1開口部23とが第1正極締結部31の厚み方向に向かい合うように、第1開口部23は設けられている。第3正極締結部41及び第3負極締結部90と第2開口部24とが第3正極締結部41の厚み方向に向かい合うように、第2開口部24は設けられている。2つの開口部23,24は、それぞれ、第1締結部に対応して設けられている。
【0048】
第1接続部材130は、例えば、バッテリと端子台20とを接続するための配線部材である。第1接続部材130は、第1正極接続部材131と、第1負極接続部材132と、を備える。第1正極接続部材131は、締結部材B1によって第1正極締結部31に締結されている。第1負極接続部材132は、締結部材B1によって第1負極締結部61に締結されている。本実施形態では、締結部材B1としてボルトが用いられている。締結部材B1は、ナットN1に締結されている。
【0049】
第2接続部材140は、筐体22に収容される電気機器である。電気機器としては、例えば、DC/DCコンバータを挙げることができる。第2接続部材140は、第2正極接続部材141と、第2負極接続部材142と、を備える。第2正極接続部材141は、締結部材B2によって第2正極締結部35に締結されている。第2負極接続部材142は、締結部材B2によって第2負極締結部84に締結されている。本実施形態では、締結部材B2としてボルトが用いられている。締結部材B2は、図示しないナットに締結されている。
【0050】
第3接続部材150は、例えば、インバータである。第3接続部材150は、第3正極接続部材151と、第3負極接続部材152と、を備える。第3正極接続部材151は、締結部材B3によって第3正極締結部41に締結されている。第3負極接続部材152は、締結部材B3によって第3負極締結部90に締結されている。本実施形態では、締結部材B3としてボルトが用いられている。締結部材B3は、図示しないナットに締結されている。
【0051】
第4接続部材160は、筐体22に収容されている。第4接続部材160は、電気機器のコネクタが接続される部材である。
図2及び
図3に示すように、第4接続部材160は、第4正極接続部材161と、第4負極接続部材162と、接続樹脂部163と、ナットN2と、を備える。第4正極接続部材161、第4負極接続部材162及びナットN2は、例えば、圧入によって接続樹脂部163と一体化されている。接続樹脂部163は、締結部位164と、コネクタ部165と、を備える。締結部位164には、ナットN2が埋め込まれている。コネクタ部165は、筒状の部材である。コネクタ部165には、例えば、空調装置と端子台20とを接続するためのコネクタが接続される。第4正極接続部材161及び第4負極接続部材162は、締結部位164から、コネクタ部165の内部まで延びている。第4正極接続部材161は、締結部材B4によって第4正極締結部47に締結されている。第4負極接続部材162は、締結部材B4によって第4負極締結部94に締結されている。本実施形態では、締結部材B4としてボルトが用いられている。締結部材B4は、ナットN2に締結されている。
【0052】
本実施形態において、第1接続部材130及び第3接続部材150は第1被締結部材である。第2接続部材140は、第2被締結部材である。第4接続部材160は、第3被締結部材である。
【0053】
本実施形態の作用について説明する。
第1接続部材130、第2接続部材140、第3接続部材150及び第4接続部材160を端子台本体21に締結する際には、まず、第4接続部材160の締結が行われる。次に、第2接続部材140を収容した筐体22に端子台本体21が取り付けられる。そして、第2接続部材140、第3接続部材150、第1接続部材130の順に端子台本体21への締結が行われる。第1接続部材130及び第3接続部材150の締結は、端子台本体21に筐体22が取り付けられた後に行われる。第1接続部材130及び第3接続部材150の締結を行う段階では、第2接続部材140は既に端子台本体21に締結されている。
【0054】
第1接続部材130及び第3接続部材150を締結するための締結作業は、筐体22の開口部23,24を介して行われる。詳細にいえば、締結部材B1,B3の締結に用いる工具、及び締結部材B1,B3を開口部23,24から筐体22の内部に進入させて締結作業が行われる。この際、締結作業で生じる金属粉が異物として第2接続部材140に向けて移動するおそれがある。金属粉が第2接続部材140に向けて移動した場合であっても、起立部65及び起立樹脂部102によって金属粉が第2接続部材140に到達することを抑制できる。
【0055】
本実施形態の効果について説明する。
(1)負極バスバー60は、第1負極締結部61と、第2負極締結部84と、第3負極締結部90と、起立部65と、を備える。起立部65は、第1負極締結部61と第2負極締結部84との間、及び第2負極締結部84と第3負極締結部90との間に設けられている。樹脂部100は、起立部65に設けられた起立樹脂部102を備える。起立部65及び起立樹脂部102により、第2負極締結部84に金属粉が到達することを抑制している。第2接続部材140に金属粉が付着しにくいため、第2接続部材140に金属粉が付着することにより、第2接続部材140内に短絡を生じさせることを抑制できる。
【0056】
(2)起立部65は、負極バスバー60の一部である。負極バスバー60の一部を、第2負極締結部84に金属粉が到達することを抑制するための部材として兼用することができる。
【0057】
(3)起立部65を設けることで起立樹脂部102の強度を補強することができる。第2負極締結部84に金属粉が到達することを抑制するための部材として起立樹脂部102のみを用いる場合に比べて、起立樹脂部102の強度を向上させることができる。
【0058】
(4)起立樹脂部102は、起立部65を覆うように設けられている。締結作業を行う際に、締結部材B1,B2,B3,B4及び工具と起立部65とが接触することを抑制できる。起立部65から金属粉が生じることを抑制できる。
【0059】
(5)起立部65は、第4負極締結部94を備える。起立部65が第4負極締結部94を備えることで、第1負極締結部61の厚み方向と第4負極締結部94の厚み方向とは異なる方向になる。言い換えれば、締結部材B1,B4を締結する方向が、第1負極締結部61と第4負極締結部94とで異なる。第4正極接続部材161及び第4負極接続部材162の形状、端子台本体21や第4接続部材160の配置上の制約によって、締結部材B4を第1負極締結部61の厚み方向に直交する方向から締結する必要が生じる場合がある。このような場合であっても起立部65が第4負極締結部94を備えることで、第4接続部材160と端子台20との接続を行うことができる。
【0060】
(6)筐体22は、開口部23,24を備える。開口部23,24を介して締結作業を行うため、金属粉が発生したことを視認しにくい。すると、金属粉が発生したことの認識を行いにくく、金属粉を筐体22から除去できない場合がある。このような場合であっても、金属粉が第2接続部材140に到達することを抑制できる。
【0061】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○端子台20は、端子台本体21を備えていればよく、筐体22を備えていなくてもよい。
【0062】
○起立部65は、第4負極連結部93及び第4負極締結部94を備えていなくてもよい。
○起立部65は、少なくとも第1負極締結部61と第2負極締結部84との間に設けられていればよい。
【0063】
○本体部66の全体が起立樹脂部102によって覆われるようにしてもよい。
○負極バスバー60は、少なくとも第1負極締結部61、第1負極連結部64、起立部65、第2負極連結部80及び第2負極締結部84を備えていればよい。
【0064】
○正極バスバー30が起立部を備えていてもよい。この場合、第1正極締結部31及び第3正極締結部41と第2正極締結部35との間に起立部は設けられる。
○
図5に示すように、起立部65は、起立樹脂部201の少なくとも一部に設けられていてもよい。
図5に示す例では、起立樹脂部201は、矩形板状である。起立部65は、第1壁部202と、第2壁部203と、を備える。第1壁部202と第2壁部203とは、起立樹脂部201の長辺方向の両端に離間して設けられている。第1壁部202と第2壁部203との間には起立部65が設けられていない。起立樹脂部201のうち第1壁部202と第2壁部203との間には、起立部65が設けられていないといえる。
【符号の説明】
【0065】
20…端子台、22…筐体、23,24…開口部、30…バスバーとしての正極バスバー、60…バスバーとしての負極バスバー、61…第1締結部としての第1負極締結部、64…連結部としての第1負極連結部、65…起立部、84…第2締結部としての第2負極締結部、90…第1締結部としての第3負極締結部、94…第3締結部としての第4負極締結部、100…樹脂部、102…起立樹脂部、130…第1被締結部材としての第1接続部材、140…第2被締結部材としての第2接続部材、150…第1被締結部材としての第3接続部材、160…第3被締結部材としての第4接続部材。