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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】端子アセンブリ及び充電用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/66 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
H01R13/66
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020211819
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022098335
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】杉野 広樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】村田 茉奈美
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-075333(JP,A)
【文献】特開2018-156896(JP,A)
【文献】実開昭58-150276(JP,U)
【文献】特開2017-216218(JP,A)
【文献】実開平03-044637(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第3644455(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/24- 4/46
H01R 4/58- 4/72
H01R 9/00
H01R 9/15- 9/28
H01R 13/56-13/72
H05K 7/12
F16B 5/00- 5/12
F16B 23/00-43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるバッテリを充電するための充電用コネクタに取り付けられる端子アセンブリであって、
端子と、
前記端子に固定された金属製の接続部材と、
前記接続部材に固定された温度センサ部材と、
前記接続部材を前記端子に固定する金属製の固定部材と、を備え、
前記接続部材は、前記端子に接触する被固定部を有し、
前記固定部材は、前記被固定部を前記端子に固定しており、
前記端子は、
相手方端子に接続可能な第1電気接続部と、
導電部材に接続可能な第2電気接続部と、
前記第1電気接続部と前記第2電気接続部との間に設けられた中間部と、を有し、
前記接続部材は、前記温度センサ部材が固定されるセンサ固定部を有し、
前記センサ固定部は、前記中間部に接触しており、
前記中間部は、前記接続部材に対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記接続部材は、前記センサ固定部から延出する延出部を有し、
前記センサ固定部は、前記第1面に接触しており、
前記延出部は、前記第2面に接触しており、
前記温度センサ部材の延びる方向と、前記延出部と前記端子とが対向する方向は異なっている、
端子アセンブリ。
【請求項2】
前記中間部は、前記接続部材に対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、前記第1面から窪む固定穴と、を有し、
前記接続部材は、前記第1面の側から前記第2面の側に向かって延出する第1延出部を有し、
前記固定部材は、前記固定穴に固定されるねじであり、
前記被固定部は、前記ねじによって前記中間部に固定されており、
前記第1延出部は、前記ねじの固定側への回転方向において前記端子に対向している、
請求項に記載の端子アセンブリ。
【請求項3】
前記接続部材は、前記第1延出部から延出する第2延出部を有し、
前記第2延出部は、前記第2面に対向し、前記第2面に接触可能である、
請求項に記載の端子アセンブリ。
【請求項4】
前記接続部材は、前記第1面の側から前記第2面の側に向かって延出する第3延出部を有し、
前記第3延出部は、前記回転方向とは反対方向において前記端子に対向している、
請求項または請求項に記載の端子アセンブリ。
【請求項5】
前記接続部材は、前記第3延出部から延出する第4延出部を有し、
前記第4延出部は、前記第2面に対向し、前記第2面に接触可能である、
請求項に記載の端子アセンブリ。
【請求項6】
前記温度センサ部材を前記接続部材に接着する接着剤を備え、
前記接着剤は、熱硬化性樹脂である、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の端子アセンブリ。
【請求項7】
車両に搭載されるバッテリを充電するための充電用コネクタであって、
端子を有する端子アセンブリと、
前記端子を収容するコネクタハウジングと、を備え、
前記端子アセンブリは、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の端子アセンブリである、
充電用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子アセンブリ及び充電用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、車両に搭載されるバッテリを充電するための充電用コネクタが開示されている。充電用コネクタに取り付けられた端子アセンブリは、端子と、端子の温度を測定可能な温度センサ部材とを備える。温度センサ部材から得られる端子の温度情報は、バッテリの充電に関する制御に用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-114517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、上記のような端子アセンブリにおいて、温度センサ部材による端子の温度検知を如何に向上させるかを検討していた。
そこで、端子の温度検知の精度を向上可能とした端子アセンブリ及び充電用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の端子アセンブリは、車両に搭載されるバッテリを充電するための充電用コネクタに取り付けられる端子アセンブリであって、端子と、前記端子に固定された金属製の接続部材と、前記接続部材に固定された温度センサ部材と、前記接続部材を前記端子に固定する金属製の固定部材と、を備え、前記接続部材は、前記端子に接触する被固定部を有し、前記固定部材は、前記被固定部を前記端子に固定している。
【0006】
また、本開示の充電用コネクタは、車両に搭載されるバッテリを充電するための充電用コネクタであって、端子を有する端子アセンブリと、前記端子を収容するコネクタハウジングと、を備え、前記端子アセンブリは、前記端子に固定された金属製の接続部材と、前記接続部材に固定された温度センサ部材と、前記接続部材を前記端子に固定する金属製の固定部材と、を備え、前記接続部材は、前記端子に接触する被固定部を有し、前記固定部材は、前記被固定部を前記端子に固定している。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、端子の温度検知の精度を向上可能とした端子アセンブリ及び充電用コネクタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の充電用コネクタが搭載された車両を示す模式図である。
図2図2は、同形態の充電用コネクタを模式的に示す模式図である。
図3図3は、同形態における端子アセンブリの斜視図である。
図4図4は、同形態の端子アセンブリにおける接続部材及び温度センサ部材の斜視図である。
図5図5は、同形態における端子アセンブリの断面図である。
図6図6は、変更例の端子アセンブリにおける接続部材及び温度センサ部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の端子アセンブリは、
[1]車両に搭載されるバッテリを充電するための充電用コネクタに取り付けられる端子アセンブリであって、端子と、前記端子に固定された金属製の接続部材と、前記接続部材に固定された温度センサ部材と、前記接続部材を前記端子に固定する金属製の固定部材と、を備え、前記接続部材は、前記端子に接触する被固定部を有し、前記固定部材は、前記被固定部を前記端子に固定している。
【0010】
この構成によれば、金属製の固定部材によって、金属製の接続部材の被固定部を端子に固定している。このため、金属製の接続部材及び金属製の固定部材によって、端子から温度センサ部材まで、熱を効率的に伝達させることが可能となる。その結果、充電用コネクタに取り付けられる端子アセンブリにおいて、端子の温度検知の精度を向上させることが可能となる。
【0011】
[2]前記端子は、相手方端子に接続可能な第1電気接続部と、導電部材に接続可能な第2電気接続部と、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部との間に設けられた中間部と、を有し、前記接続部材は、前記温度センサ部材が固定されるセンサ固定部を有し、前記センサ固定部は、前記中間部に接触している。
【0012】
この構成によれば、接続部材のセンサ固定部が端子の中間部に接触している。このため、端子から温度センサ部材まで、熱をより効率的に伝達させることが可能となる。その結果、端子の温度検知の精度をより向上させることが可能となる。
【0013】
[3]前記中間部は、前記接続部材に対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、前記接続部材は、前記センサ固定部から延出する延出部を有し、前記センサ固定部は、前記第1面に接触しており、前記延出部は、前記第2面に接触している。
【0014】
この構成によれば、接続部材は、センサ固定部と延出部とによって端子の中間部を第1面側と第2面側から挟んでいる。このため、接続部材が端子の中間部に強固に固定され、その結果、接続部材の取付状態を安定させることが可能となる。また、延出部が中間部の第2面に接触することで、センサ固定部が中間部の第1面から離れることを抑制できる。すなわち、センサ固定部が第1面に接触する状態を延出部によって維持することが可能となる。その結果、端子の温度検知の精度をより向上させることが可能となる。
【0015】
[4]前記中間部は、前記接続部材に対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、前記第1面から窪む固定穴と、を有し、前記接続部材は、前記第1面の側から前記第2面の側に向かって延出する第1延出部を有し、前記固定部材は、前記固定穴に固定されるねじであり、前記被固定部は、前記ねじによって前記中間部に固定されており、前記第1延出部は、前記ねじの固定側への回転方向において前記端子に対向している。
【0016】
この構成によれば、接続部材の被固定部をねじの螺着によって端子に固定する際に、接続部材の第1延出部を端子に接触させることが可能となる。従って、接続部材がねじと連れ回りして位置ずれすることを第1延出部によって抑制できる。
【0017】
[5]前記接続部材は、前記第1延出部から延出する第2延出部を有し、前記第2延出部は、前記第2面に対向し、前記第2面に接触可能である。
この構成によれば、第2延出部が中間部の第2面に接触することで、センサ固定部が中間部の第1面から離れることを抑制できる。すなわち、センサ固定部が第1面に接触する状態を第2延出部によって維持することが可能となる。その結果、端子の温度検知の精度をより向上させることが可能となる。
【0018】
[6]前記接続部材は、前記第1面の側から前記第2面の側に向かって延出する第3延出部を有し、前記第3延出部は、前記回転方向とは反対方向において前記端子に対向している。
【0019】
この構成によれば、ねじが緩む側の回転方向において接続部材の第3延出部を端子に接触させることが可能となる。従って、第3延出部によって、ねじの緩みを抑制することが可能となる。
【0020】
[7]前記接続部材は、前記第3延出部から延出する第4延出部を有し、前記第4延出部は、前記第2面に対向し、前記第2面に接触可能である。
この構成によれば、第4延出部が中間部の第2面に接触することで、センサ固定部が中間部の第1面から離れることを抑制できる。すなわち、センサ固定部が第1面に接触する状態を第4延出部によって維持することが可能となる。その結果、端子の温度検知の精度をより向上させることが可能となる。
【0021】
[8]前記端子アセンブリは、前記温度センサ部材を前記接続部材に接着する接着剤を備え、前記接着剤は、熱硬化性樹脂である。
この構成によれば、温度センサ部材は、接着剤としての熱硬化性樹脂によって接続部材と一体化されている。このため、高温になり得る充電用コネクタの端子アセンブリとしてより好適である。
【0022】
また、本開示の充電用コネクタは、
[9]車両に搭載されるバッテリを充電するための充電用コネクタであって、端子を有する端子アセンブリと、前記端子を収容するコネクタハウジングと、を備え、前記端子アセンブリは、前記端子に固定された金属製の接続部材と、前記接続部材に固定された温度センサ部材と、前記接続部材を前記端子に固定する金属製の固定部材と、を備え、前記接続部材は、前記端子に接触する被固定部を有し、前記固定部材は、前記被固定部を前記端子に固定している。
【0023】
この構成によれば、金属製の固定部材によって、金属製の接続部材の被固定部を端子に固定している。このため、金属製の接続部材及び金属製の固定部材によって、端子から温度センサ部材まで、熱を効率的に伝達させることが可能となる。その結果、充電用コネクタに取り付けられる端子アセンブリにおいて、端子の温度検知の精度を向上させることが可能となる。
【0024】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の端子アセンブリ及び充電用コネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。また、本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用ならびに効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0025】
なお、本明細書の説明で使用される「筒状」は、周方向全周にわたって連続して周壁が形成されたものだけではなく、複数の部品を組み合わせて筒状をなすものや、C字状のように周方向の一部に切り欠きなどを有するものも含む。また、「筒状」の形状には、円形、楕円形、及び、尖ったまたは丸い角を有する多角形が含まれる。
【0026】
また、本明細書における「対向」とは、面同士又は部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方を含む。
【0027】
図1に示す車両10は、例えば、電気自動車やプラグインハイブリッド車である。車両10は、充電インレット11と、充電器12と、バッテリ13と、パワーコントロールユニット14と、を含む。
【0028】
充電インレット11は、図示しない外部電源に接続された外部コネクタと接続可能である。充電器12は、充電インレット11及びバッテリ13に接続されている。充電器12は、例えば、充電インレット11から供給される交流電力を直流電力に変換して、バッテリ13に供給する。バッテリ13は、二次電池であり、たとえば、リチウムイオン電池などである。パワーコントロールユニット14は、インバータおよびコンバータを含む。パワーコントロールユニット14は、例えば、車輪駆動用の図示しないモータジェネレータを制御する。
【0029】
図2に示すように、充電インレット11は、充電用コネクタ15を含む。充電用コネクタ15は、コネクタハウジング16と、端子アセンブリ17とを備えている。端子アセンブリ17は、端子20を有している。コネクタハウジング16は、端子20を収容する収容部18を有している。なお、図面では端子アセンブリ17を1つのみ図示しているが、充電用コネクタ15は、複数の端子アセンブリ17を有している。
【0030】
(端子アセンブリ17の構成)
図2及び図3に示すように、端子アセンブリ17は、端子20と、接続部材30と、温度センサ部材40と、固定部材50と、を備えている。
【0031】
図4に示すように、温度センサ部材40は、センサ本体部41と、センサ本体部41から引き出された信号線42とを備えている。センサ本体部41は、信号線42に接続された図示しないセンサ素子が例えば樹脂製のハウジングに収容されて構成されている。センサ本体部41は、例えば略直方体状をなす。前記センサ素子は、温度変化に応じた信号を、信号線42を介して出力する。信号線42は、前記センサ素子からの信号に基づいてバッテリ13の充電に関する制御を行う図示しない制御部に電気的に接続される。なお、温度センサ部材40としては、例えば、NTCサーミスタや、PTCサーミスタや、PTセンサなどを用いることができる。
【0032】
(端子20の構成)
端子20は導体にて構成されている。端子20は、例えば、金属板をプレス加工することによって形成されている。端子20は、第1電気接続部21と、第2電気接続部22と、中間部23とを有している。第1電気接続部21は、例えば、端子20の長さ方向の一端に設けられている。第2電気接続部22は、例えば、端子20の長さ方向の他端に設けられている。中間部23は、第1電気接続部21と第2電気接続部22との間に設けられている。
【0033】
第1電気接続部21は、図2に示す相手方端子Tに接続可能である。相手方端子Tは、前記外部コネクタが備えるものである。第1電気接続部21が相手方端子Tに電気的に接続されることで、前記外部電源の電力がバッテリ13に供給可能となる。なお、第1電気接続部21は、例えば、略筒状をなす。そして、当該第1電気接続部21にピン状をなす相手方端子Tが差し込まれて機械的に接続される。
【0034】
第2電気接続部22は、導電部材Cに接続可能である。導電部材Cとしては、例えば、端子付き電線や、端子を有しない電線や、バスバなどを用いることができる。第2電気接続部22は、導電部材Cを介して充電器12に電気的に接続される。
【0035】
図5に示すように、中間部23は、接続部材30に対向する第1面23aと、第1面23aと反対側の第2面23bとを有している。第1面23a及び第2面23bの各々は、例えば、互いに平行をなす平面状をなしている。また、中間部23は、固定穴24を有している。固定穴24は、第1面23aから窪む穴である。本実施形態の固定穴24は、例えば、第1面23aから第2面23bまで、中間部23を板厚方向に貫通する。
【0036】
また、中間部23は、図3に示す一対の側面23cを有している。各側面23cは、第1面23aと第2面23bとを連結する面である。側面23cは、中間部23の幅方向両縁にそれぞれ設けられている。
【0037】
(接続部材30の構成)
接続部材30は金属製である。接続部材30は、例えば、金属板をプレス加工することによって形成されている。接続部材30は、被固定部31と、センサ固定部32と、第1延出部33と、第2延出部34と、を有している。
【0038】
図5に示すように、被固定部31は、固定部材50によって中間部23に固定されている。被固定部31は、例えば、被固定部31を貫通する貫通孔31aを有している。
固定部材50は金属製である。また、固定部材50は、例えばねじである。すなわち、固定部材50は、外周面にねじ山を有するねじ部51を有している。一方、中間部23の固定穴24の内周面には、例えば、図示しないねじ溝が形成されている。ねじ部51は、被固定部31の貫通孔31aを挿通するとともに、固定穴24に螺合されている。これにより、被固定部31は、中間部23の第1面23aに接触する状態で固定されている。
【0039】
センサ固定部32は、被固定部31に繋がっている。センサ固定部32には、温度センサ部材40のセンサ本体部41が固定されている。センサ固定部32は、第3面32aと、第3面32aとは反対側の第4面32bとを有している。第3面32aには、センサ本体部41が固定される。第4面32bは、中間部23の第1面23aに直接接触している。
【0040】
図3に示すように、接続部材30が端子20に固定された状態において、被固定部31とセンサ固定部32とは、例えば、端子20の長さ方向に並んでいる。また、被固定部31が第1電気接続部21側に位置し、センサ固定部32が第2電気接続部22側に位置している。
【0041】
図4に示すように、センサ固定部32は、例えば、第3面32aから突出する壁部35を有している。壁部35は、例えば一対設けられている。一対の壁部35は、端子20の長さ方向に直交する幅方向において、互いに対向している。センサ本体部41は、一対の壁部35の間に収容される。
【0042】
端子アセンブリ17は、センサ本体部41を接続部材30に接着する接着剤60を備えている。センサ本体部41は、接着剤60によってセンサ固定部32に接着されている。接着剤60は、例えば、熱硬化性樹脂である。接着剤60としては、例えば、エポキシ樹脂などを用いることができる。
【0043】
接着剤60は、例えば、センサ固定部32の第3面32a、または、センサ本体部41において第3面32aに対向する面に塗布される。各壁部35は、センサ本体部41と第3面32aとの間から押し出された接着剤60を堰き止める役割をなす。また、各壁部35は、センサ固定部32に対してセンサ本体部41を位置決めする役割をなす。
【0044】
また、壁部35は、例えば、図5に示す位置決め部36を有している。位置決め部36は、例えば、壁部35における被固定部31側の端部から延出している。位置決め部36は、端子20の長さ方向において、センサ本体部41に接触する。これにより、センサ本体部41が、端子20の長さ方向において位置決めされる。なお、位置決め部36は、例えば、各壁部35に設けられる。
【0045】
図4及び図5に示すように、第1延出部33は、例えば、センサ固定部32から延出している。第1延出部33は、例えば、センサ固定部32における第3面32aと第4面32bとを連結する側面から延出している。また、第1延出部33は、センサ固定部32における被固定部31とは反対側の端部に設けられている。
【0046】
第1延出部33は、中間部23における第1面23aの側から第2面23bの側に向かって延出している。第1延出部33は、ねじとしての固定部材50の固定側への回転方向において、中間部23の一方の側面23cに対向している。固定部材50の固定側への回転方向は、例えば、ねじの頭側から見て固定部材50の軸線を中心とした時計回り方向D1である。第1延出部33は、中間部23の一方の側面23cに接触可能である。
【0047】
第2延出部34は、第1延出部33から延出している。第2延出部34は、例えば屈曲形成された部位である。第2延出部34は、例えば、第1延出部33の先端部から中間部23の第2面23bに沿って延出している。第2延出部34は、第2面23bに対向し、第2面23bに接触可能である。センサ固定部32の第4面32bが中間部23の第1面23aに接触する状態において、例えば、中間部23の第2面23bと第2延出部34との間には隙間が生じていてもよい。なお、接続部材30を端子20から外した状態においては、第2延出部34は、センサ固定部32の第4面32bに対向する。
【0048】
本実施形態の作用について説明する。
例えば、温度センサ部材40の信号線42の配策経路が中間部23の第1面23aから離れる方向に設定される場合、センサ本体部41及び接続部材30が信号線42に引っ張られて、接続部材30には第1面23aから離れる方向への力がかかる。このとき、本実施形態では、接続部材30の第2延出部34が中間部23の第2面23bに接触することで、センサ固定部32が第1面23aから離れることが抑制される。これにより、センサ固定部32が第1面23aに接触する状態が維持される。
【0049】
接続部材30を端子20に固定する際には、ねじとしての固定部材50を時計回り方向D1に取り付ける。このとき、接続部材30が時計回り方向D1に固定部材50と連れ回りするおそれがあるが、本実施形態では、中間部23の側面23cに接触可能な第1延出部33がストッパとして機能する。これにより、固定部材50の固定時に接続部材30が連れ回りすることが抑制されている。
【0050】
本実施形態の効果について説明する。
(1)温度センサ部材40を保持する接続部材30は金属製である。そして、金属製の固定部材50によって、接続部材30の被固定部31を端子20に固定している。すなわち、金属製の接続部材30及び金属製の固定部材50によって、端子20から温度センサ部材40まで、熱を効率的に伝達させることが可能となる。その結果、充電用コネクタ15に取り付けられる端子アセンブリ17において、端子20の温度検知の精度を向上させることが可能となる。
【0051】
(2)端子20は、相手方端子Tに接続可能な第1電気接続部21と、導電部材Cに接続可能な第2電気接続部22と、第1電気接続部21と第2電気接続部22との間に設けられた中間部23と、を有する。接続部材30は、温度センサ部材40が固定されるセンサ固定部32を有する。そして、センサ固定部32は中間部23に接触している。この構成によれば、接続部材30のセンサ固定部32が端子20の中間部23に接触している。このため、端子20から温度センサ部材40まで、熱をより効率的に伝達させることが可能となる。その結果、端子20の温度検知の精度をより向上させることが可能となる。
【0052】
(3)中間部23は、接続部材30に対向する第1面23aと、第1面23aと反対側の第2面23bと、第1面23aから窪む固定穴24とを有している。固定部材50は、固定穴24に固定されるねじである。被固定部31は、ねじとしての固定部材50によって中間部23に固定されている。接続部材30は、第1面23aの側から第2面23bの側に向かって延出する第1延出部33を有している。そして、第1延出部33は、固定部材50の固定側への回転方向において端子20に対向している。この構成によれば、接続部材30の被固定部31をねじの螺着によって端子20に固定する際に、接続部材30の第1延出部33を端子20に接触させることが可能となる。従って、接続部材30がねじと連れ回りして位置ずれすることを第1延出部33によって抑制できる。
【0053】
また、第1延出部33は、センサ固定部32における被固定部31とは反対側の端部に設けられている。これにより、第1延出部33を被固定部31からより離れた位置に設定できる。従って、固定部材50の固定時において、接続部材30が固定部材50と連れ回りしようとするとき、その連れ回りの力に対して第1延出部33が好適に抵抗する構成となる。
【0054】
(4)接続部材30は、第1延出部33から延出する第2延出部34を有している。そして、第2延出部34は、第2面23bに対向し、第2面23bに接触可能である。この構成によれば、第2延出部34が中間部23の第2面23bに接触することで、センサ固定部32が中間部23の第1面23aから離れることを抑制できる。すなわち、センサ固定部32が第1面23aに接触する状態を第2延出部34によって維持することが可能となる。その結果、端子20の温度検知の精度をより向上させることが可能となる。
【0055】
(5)端子アセンブリ17は、温度センサ部材40を接続部材30に接着する接着剤60を備える。接着剤60は、熱硬化性樹脂である。この構成によれば、温度センサ部材40は、接着剤60としての熱硬化性樹脂によって接続部材30と一体化されている。このため、高温になり得る充電用コネクタ15の端子アセンブリ17としてより好適である。
【0056】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・センサ固定部32の第4面32bが中間部23の第1面23aに接触する状態において、第2延出部34が中間部23の第2面23bに接触する構成としてもよい。この構成によれば、センサ固定部32と第2延出部34とによって、端子20の中間部23が第1面23a側と第2面23b側から挟持される。これにより、接続部材30が中間部23に強固に固定される。その結果、接続部材30ならびに温度センサ部材40の取付状態を安定させることが可能となる。
【0057】
・上記実施形態の第1延出部33は、中間部23の側面23cに接触可能に構成されたが、これに特に限定されるものではない。例えば、中間部23を貫通する貫通孔に第1延出部が挿通される構成としてもよい。この構成では、第1延出部が当該貫通孔に接触することで、固定部材50の固定時に接続部材30が連れ回りすることを抑制可能となる。
【0058】
・上記実施形態の接続部材30において、第2延出部34を省略してもよい。また、上記実施形態の接続部材30において、第1延出部33を省略してもよい。第2延出部34を省略する場合、センサ固定部32が端子20から離れた状態になりやすくなるおそれがある。しかしながら、接続部材30及び固定部材50が金属製であり、かつ、固定部材50にて端子20に固定される被固定部31が端子20に接触することから、端子20から温度センサ部材40まで、被固定部31を通じて熱を効率的に伝達させることが可能である。
【0059】
・上記実施形態の接続部材30において、例えば図6に示す第3延出部71及び第4延出部72を追加で設けてもよい。
図6に示すように、第3延出部71は、例えば、センサ固定部32から延出している。第3延出部71は、例えば、センサ固定部32における第3面32aと第4面32bとを連結する側面から延出している。第3延出部71は、センサ固定部32において第1延出部33が設けられた側面とは反対側の側面から延出している。また、第3延出部71は、センサ固定部32における被固定部31とは反対側の端部に設けられている。
【0060】
第3延出部71は、中間部23における第1面23aの側から第2面23bの側に向かって延出している。第3延出部71は、固定部材50が緩む側への回転方向において、中間部23の一方の側面23cに対向している。固定部材50が緩む側への回転方向は、例えば、ねじの頭側から見て固定部材50の軸線を中心とした反時計回り方向D2である。第3延出部71は、中間部23の一方の側面23cに接触可能である。なお、第3延出部71が接触可能な側面23cは、第1延出部33が接触可能な側面23cとは反対側の側面23cである。
【0061】
第4延出部72は、第3延出部71から延出している。第4延出部72は、例えば屈曲形成された部位である。第4延出部72は、例えば、第3延出部71の先端部から中間部23の第2面23bに沿って延出している。第4延出部72は、第2面23bに対向し、第2面23bに接触可能である。
【0062】
図6に示すような構成によれば、固定部材50が緩む側の回転方向において接続部材30の第3延出部71を端子20に接触させることが可能となる。従って、第3延出部71によって、ねじの緩みを抑制することが可能となる。また、第4延出部72が中間部23の第2面23bに接触することで、センサ固定部32が中間部23の第1面23aから離れることを抑制できる。その結果、端子20の温度検知の精度をより向上させることが可能となる。なお、図6に示す構成において、第2延出部34または第4延出部72を省略可能である。
【0063】
・センサ固定部32に対するセンサ本体部41の固定態様は接着剤60による接着に限定されるものではなく、接着以外の固定態様であってもよい。
・上記実施形態では、固定部材50のねじ部51が端子20の固定穴24に螺合されることで、接続部材30の被固定部31が端子20の中間部23に固定される。しかしながら、これ以外に例えば、固定穴24がねじ溝を有しない構成とし、貫通孔31a及び固定穴24に挿通されたねじ部51に対し中間部23の第2面23b側からナットを螺合することで、被固定部31を中間部23に固定する構成としてもよい。なお、固定部材50は金属製であれば、ねじやボルト以外の例えばリベットなどに変更可能である。
【0064】
・上記実施形態では、センサ固定部32が端子20の中間部23に接触する構成としたが、これに限らず、例えば、センサ固定部32が第1電気接続部21に接触する構成としてもよい。
【0065】
・上記実施形態では、接続部材30の被固定部31が端子20の中間部23に固定されるが、これ以外に例えば、被固定部31が端子20の第1電気接続部21に固定される構成としてもよい。
【0066】
・上記実施形態の端子アセンブリ17は、車両10の充電用コネクタ15に用いられるが、これに限らず、車両10における充電用コネクタ15以外のコネクタに用いることができる。
【0067】
・今回開示された実施形態及び変更例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0068】
10 車両
11 充電インレット
12 充電器
13 バッテリ
14 パワーコントロールユニット
15 充電用コネクタ
16 コネクタハウジング
17 端子アセンブリ
18 収容部
20 端子
21 第1電気接続部
22 第2電気接続部
23 中間部
23a 第1面
23b 第2面
23c 側面
24 固定穴
30 接続部材
31 被固定部
31a 貫通孔
32 センサ固定部
32a 第3面
32b 第4面
33 第1延出部
34 第2延出部(延出部)
35 壁部
36 位置決め部
40 温度センサ部材
41 センサ本体部
42 信号線
50 固定部材
51 ねじ部
60 接着剤
71 第3延出部
72 第4延出部
C 導電部材
D1 方向
D2 方向
T 相手方端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6