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  • 特許-分取液体クロマトグラフ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】分取液体クロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/80 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
G01N30/80 Z
G01N30/80 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021044357
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022143697
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003993
【氏名又は名称】弁理士法人野口新生特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100205981
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】玉置 宗一朗
(72)【発明者】
【氏名】山崎 智之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祥平
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-266738(JP,A)
【文献】国際公開第2018/185872(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/021008(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0121468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00- 30/96
G01N 35/00- 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動相が流れる分析流路と、
前記移動相中に試料を注入するインジェクタと、
前記分析流路上における前記インジェクタの下流に設けられ、前記移動相中に注入された試料中の成分を分離させるための分離カラムと、
前記分離カラムにより分離された成分のピークを検出するための検出器と、
前記検出器の下流において前記検出器により検出されるピークを捕集容器に分画して捕集する複数のフラクションコレクタと、
前記検出器の出口と前記複数のフラクションコレクタとの間に介在し、前記検出器の出口に接続するフラクションコレクタを前記複数のフラクションコレクタのうちで切り替える切替バルブと、
前記複数のフラクションコレクタ及び前記切替バルブの動作を制御するためのコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記検出器の出口に接続されている使用中のフラクションコレクタの残りの未使用の捕集容器の数が2以上の整数であるバッファ数を下回った場合に、前記使用中のフラクションコレクタがピークの捕集動作を実行していない時間帯に前記切替バルブを切り替えるように構成されている、分取液体クロマトグラフ。
【請求項2】
前記コントローラは、前記使用中のフラクションコレクタが前記捕集動作を実行している間に前記未使用の捕集容器の数が前記バッファ数を下回った場合に、前記使用中のフラクションコレクタが実行している前記捕集動作が完了した直後に前記切替バルブを切り替えるように構成されている、請求項1に記載の分取液体クロマトグラフ。
【請求項3】
前記コントローラは、ユーザにより設定された2以上の整数を前記バッファ数として記憶する記憶部を備えている、請求項1又は2に記載の分取液体クロマトグラフ。
【請求項4】
前記コントローラは、前記検出器からの出力信号に基づいて作成されるクロマトグラムのピーク波形に基づいて各ピークの開始点及び終了点を検出し、検出した各ピークの開始点及び終了点に基づいて前記複数のフラクションコレクタ及び前記切替バルブの動作を制御するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の分取液体クロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分取液体クロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0002】
試料中の成分を分画して捕集する分取液体クロマトグラフが知られている(特許文献1参照)。分取液体クロマトグラフは、分析流路を流れる移動相中に注入された試料中の成分を分離カラムによって分離し、分離された成分のピークを検出器の信号に基づいて検出し、検出したピークを検出器の後段に設けられたフラクションコレクタにより個別の捕集容器に分画して捕集するシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/185872号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
分取液体クロマトグラフは、製薬/CRO分野など様々な分野で使用されるが、一度に分取する成分数が多い分野では、一度に多数の捕集容器を使用したいという要求がある。しかし、1つのフラクションコレクタに設置可能な捕集容器の数には限界があるため、複数のフラクションコレクタを分取液体クロマトグラフのシステムに導入することが考えられる。複数のフラクションコレクタをシステムに導入する方法としては、検出器の出口に複数のフラクションコレクタを直列的に接続する方法と、複数のフラクションコレクタを並列的に設けてピークの分取に使用するフラクションコレクタを切替バルブによって切り替える方法とが考えられる。
【0005】
複数のフラクションコレクタを検出器の出口に直列的に接続すると、フラクションコレクタの位置が下流になるにしたがって検出器からフラクションコレクタまでの流路長が長くなる。そうすると、下流に位置しているフラクションコレクタに到達する間にピークが移動相中に拡散して、フラクションコレクタに到達したときのピーク幅が検出器で検出されたときのピーク幅よりも広がるため、下流のフラクションコレクタでピークを正確に捕集することが困難になるという問題がある。
【0006】
一方で、複数のフラクションコレクタを並列的に設けると、検出器から各フラクションコレクタまでの流路長を揃えることができるため、上記のようなピークの拡散の問題は生じない。しかし、使用中のフラクションコレクタ(検出器の出口に接続されているフラクションコレクタ)以外のフラクションコレクタには移動相が流れないため、いずれかのフラクションコレクタがピークの捕集動作を行なっている最中に切替バルブが切り替えられると、切替バルブが切り替えられる直前に捕集動作を行なっていたフラクションコレクタと切替バルブとの間の流路内にピークの一部が取り残されて捕集できなくなるという問題が生じる。このような問題は、あるピークを捕集している間に使用中のフラクションコレクタの未使用の捕集容器が不足して別のフラクションコレクタに切り替えざるを得なくなったような場合に生じる。
【0007】
そこで、本発明は、分取液体クロマトグラフにおいて複数のフラクションコレクタを並列的に設けながら、ピークの一部が流路内に取り残されることを防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る分取液体クロマトグラフは、移動相が流れる分析流路と、前記移動相中に試料を注入するインジェクタと、前記分析流路上における前記インジェクタの下流に設けられ、前記移動相中に注入された試料中の成分を分離させるための分離カラムと、前記分離カラムにより分離された成分のピークを検出するための検出器と、前記検出器の下流において前記検出器により検出されるピークを捕集容器に分画して捕集する複数のフラクションコレクタと、前記検出器の出口と前記複数のフラクションコレクタとの間に介在し、前記検出器の出口に接続するフラクションコレクタを前記複数のフラクションコレクタのうちで切り替える切替バルブと、前記複数のフラクションコレクタ及び前記切替バルブの動作を制御するためのコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記検出器の出口に接続されている使用中のフラクションコレクタの残りの未使用の捕集容器の数が2以上の整数であるバッファ数を下回った場合に、前記使用中のフラクションコレクタがピークの捕集動作を実行していない時間帯に前記切替バルブを切り替えるように構成されている。なお、フラクションコレクタが実行する「ピークの捕集動作」とは、検出器により検出されたピークが到達するタイミングで、当該フラクションコレクタに設けられているプローブを検出器の出口と連通させてプローブの先端から捕集容器へピークを含む溶出液を滴下することによって、捕集容器にピークを含む溶出液を捕集する動作を意味する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る分取液体クロマトグラフによれば、使用中のフラクションコレクタの未使用の捕集容器の数が2以上の整数であるバッファ数を下回ったことが切替バルブの切替えのトリガーとなっている。これは、使用中のフラクションコレクタにおける残りの未使用の捕集容器がゼロになって初めてフラクションコレクタが切り替えられるという事態が生じ得ないことを意味する。これにより、ピークの捕集動作を実行している最中に使用中のフラクションコレクタの未使用の捕集容器がゼロになるという事態の発生が抑制される。そして、使用中のフラクションコレクタがピークの捕集動作を実行していない時間帯に切替バルブが切り替えられるので、ピークの捕集動作を実行中のフラクションコレクタの未使用の捕集容器の数がバッファ数を下回っても、実行中の捕集動作が完了するまではフラクションコレクタの切替えが行われない。これにより、ピークの一部が流路内に取り残されることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】分取液体クロマトグラフの一実施例を示す概略構成図である。
図2】同実施例の動作の一例を示すフローチャートである。
図3】同実施例におけるフラクションコレクタの切替えを説明するための図であり、(A)はクロマトグラム、(B)はピークの捕集前の捕集容器の空き状態を示す図、(C)はピーク捕集後の捕集容器の空き状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る分取液体クロマトグラフの一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1に示されているように、分取液体クロマトグラフは、分析流路2、送液ポンプ4(PUM)、インジェクタ6(INJ)、分離カラム8(COL)、検出器10(DET)、切替バルブ12(VAL)、複数のフラクションコレクタ14-1~14-n(FRA)、及びコントローラ16を備えている。なお、フラクションコレクタ14の数nは任意である。
【0013】
送液ポンプ4は分析流路2中で移動相を送液する。インジェクタ6は、分析流路2を流れる移動相中に試料を注入する装置である。分離カラム8は分析流路2上におけるインジェクタ6の下流に設けられており、インジェクタ6により移動相中に注入された試料の各成分が分離カラム8において互いに分離される。検出器10は分析流路2上における分離カラム8の下流に設けられており、検出器10の出力信号に基づき、分離カラム8において互いに分離された各成分のピークが検出される。
【0014】
複数のフラクションコレクタ14-1~14-nは、検出器10の下流に切替バルブ12を介して並列的に設けられている。すなわち、切替バルブ12は、検出器10の出口とフラクションコレクタ14-1~14-nの間に介在し、フラクションコレクタ14-1~14-nのうちのいずれか1つを選択的に検出器10の出口に接続するように設けられている。フラクションコレクタ14-1~14-nのそれぞれは、移動式のプローブ18と、切替バルブ12の下流側の流路をプローブ18に接続するかドレインへ接続するかを切り替えるための電磁弁20と、を備えている。また、フラクションコレクタ14-1~14-nのそれぞれには、分離カラム8において分離された成分のピークを捕集するための複数の捕集容器22が設けられている。
【0015】
コントローラ16は、CPU(中央演算装置)及び記憶装置を備えたコンピュータ装置により実現されるものであって、インジェクタ6、切替バルブ12及びフラクションコレクタ14-1~14-nの動作を制御する。特に、コントローラ16は、分離カラム8で分離された各成分のピークが捕集容器22に分画捕集されるように、検出器10からの出力信号に基づいて切替バルブ12及びフラクションコレクタ14-1~14-nの動作を制御するように構成されている。
【0016】
コントローラ16には、予め設定されたバッファ数を記憶する記憶部が設けられている。バッファ数は、規定値であってもよいし、ユーザが任意に設定した2以上の整数であってもよい。コントローラ16は、試料中の各成分のピークの分画捕集に関する一連の動作において、使用中のフラクションコレクタにおける未使用の捕集容器22の数がバッファ数を下回ったことを切替バルブ12の切替えのトリガーとして検知し、切替バルブ12を切り替えながらフラクションコレクタ14-1~14-nを所定の順で使用するように構成されている。コントローラ16は、切替バルブ12の切替えのトリガーを検知したときは、例えばピークの捕集動作が完了した直後など、ピークの捕集動作が実行されていない時間帯にのみ、次のフラクションコレクタを使用するように切替バルブ12を切り替える。なお、「使用中のフラクションコレクタ」とは、検出器10の出口に接続されているフラクションコレクタを意味する。
【0017】
この実施例における試料中の成分の分取に関する一連の動作について、図1とともに図2のフローチャートを用いて説明する。
【0018】
インジェクタ6による試料注入が実行されて分取が開始される際、コントローラ16は、切替バルブ12を制御し、最初に使用するように設定されているフラクションコレクタ14-1(最初のフラクションコレクタ)を検出器10の出口に接続する(ステップ101)。コントローラ16は、検出器10からの出力信号に基づいて得られるクロマトグラムを用いて分画捕集すべき成分のピークを検出し(ステップ102)、検出したピークを捕集容器22に捕集する捕集動作をフラクションコレクタ14-1に実行させる(ステップ103)。ピークの検出には、例えば、クロマトグラムにおける傾きを予め設定されたしきい値と比較してピークの開始点及び終了点を検出する方法を使用することができる。
【0019】
コントローラ16は、使用中のフラクションコレクタ14-1に設けられている各捕集容器22の空き状況を監視しており、使用中のフラクションコレクタ14-1における残りの未使用の捕集容器22の数を検知することができる。コントローラ16は、ピークの捕集動作が実行されている最中に、又は、ピークの捕集動作が完了した後で、使用中のフラクションコレクタ14-1における残りの未使用の捕集容器22の数がバッファ数を下回っているか否かを判定する。使用中のフラクションコレクタ14-1における未使用の捕集容器22の数がバッファ数を下回った場合、ピークの捕集動作が完了した後で、次のフラクションコレクタ14-2が検出器10の出口に接続されるように、切替バルブ12を切り替える(ステップ105:Yes)。一方で、フラクションコレクタ14-1における未使用の捕集容器22の数が予め設定されたバッファ数以上であれば、切替バルブ12を切り替えずに次のピークの捕集動作も引き続き同じフラクションコレクタ14-1に実行させる(ステップ105:No)。このように、使用中のフラクションコレクタにおける未使用の捕集容器22の数がバッファ数を下回る度に、使用中のフラクションコレクタが捕集動作を実行していないタイミングで切替バルブ12を切り替えていく。
【0020】
上記のように、コントローラ16は、使用中のフラクションコレクタにおける未使用の捕集容器22の数がバッファ数を下回っているか否かを判定することによる切替バルブ12の切替えのトリガー検知を、捕集動作の実行中に行なうことができる。そして、捕集動作の実行中に切替バルブ12の切替えのトリガーを検知した場合、実行中の捕集動作が完了した直後に切替バルブ12を切り替えることができる。
【0021】
図3の例を用いて具体的に説明する。図3の(A)は、試料中のある成分のクロマトグラム上のピーク波形を示し、(B)はこのピークを捕集する前の時点での使用中のフラクションコレクタの捕集容器22の使用状況を示しており、(C)はこのピークを捕集した後の使用中のフラクションコレクタの捕集容器22の使用状況を示している。(B)及び(C)において、ハッチングが施されている捕集容器22Uは使用済み(ピークを捕集済み)の捕集容器であり、ハッチングの施されていない捕集容器22Eは未使用の捕集容器である。
【0022】
図3の例において、バッファ数が2に設定されていたとする。ピークを捕集する前の時点において、使用中のフラクションコレクタには、未使用の捕集容器22Eの数が3であるため、コントローラ16は切替バルブ12の切替えのトリガーを検知していない。この状態から使用中のフラクションコレクタにおいてピークの捕集動作が開始されると、未使用の捕集容器22Eの数は2に減少するが、バッファ数を下回っていないため、コントローラ16は、切替バルブ12の切替えのトリガーを検知しない。
【0023】
その後、ピークの前半部分「α」を捕集したところで1つ目の捕集容器での捕集量が規定値に達すると、ピークの後半部分「β」を捕集するために次の未使用の捕集容器22Eが使用される。そうすると、(C)に示されているように、未使用の捕集容器22Eの数は1となってバッファ数を下回る。このとき、コントローラ16は切替バルブ12の切替えのトリガーを検知するが、即時に切替バルブ12を切り替えるのではなく、実行中の捕集動作が完了した後、すなわち、ピークの後半部分「β」の捕集が完了した後で切替バルブ12を切り替える。
【0024】
なお、コントローラ16は、フラクションコレクタがピークの捕集動作を完了した直後に、そのフラクションコレクタにおける未使用の捕集容器22の数がバッファ数を下回っているか否かの判定を実施し、未使用の捕集容器22の数がバッファ数を下回っていれば即時に切替バルブ12を切り替えるように構成されていてもよい。いずれにせよ、切替バルブ12の切替えは、フラクションコレクタ14-1~14-nにおいてピークの捕集動作が実行されていない時間帯に実行されるので、切替バルブ12とフラクションコレクタ14-1~14-nとの間の流路内にピークが取り残されることがなく、ピークの回収率の低下を防止できる。
【0025】
以上において説明した実施例は本発明に係る分取液体クロマトグラフの実施形態の一例に過ぎない。本発明に係る分取液体クロマトグラフの実施形態は以下のとおりである。
【0026】
本発明に係る分取液体クロマトグラフの一実施形態では、移動相が流れる分析流路と、前記移動相中に試料を注入するインジェクタと、前記分析流路上における前記インジェクタの下流に設けられ、前記移動相中に注入された試料中の成分を分離させるための分離カラムと、前記分離カラムにより分離された成分のピークを検出するための検出器と、前記検出器の下流において前記検出器により検出されるピークを捕集容器に分画して捕集する複数のフラクションコレクタと、前記検出器の出口と前記複数のフラクションコレクタとの間に介在し、前記検出器の出口に接続するフラクションコレクタを前記複数のフラクションコレクタのうちで切り替える切替バルブと、前記複数のフラクションコレクタ及び前記切替バルブの動作を制御するためのコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記検出器の出口に接続されている使用中のフラクションコレクタの残りの未使用の捕集容器の数が2以上の整数であるバッファ数を下回った場合に、前記使用中のフラクションコレクタがピークの捕集動作を実行していない時間帯に前記切替バルブを切り替えるように構成されている。
【0027】
上記一実施形態の第1態様では、前記コントローラは、前記使用中のフラクションコレクタが前記捕集動作を実行している間に前記未使用の捕集容器の数が前記バッファ数を下回った場合に、前記使用中のフラクションコレクタが実行している前記捕集動作が完了した直後に前記切替バルブを切り替えるように構成されている。このような態様により、使用中のフラクションコレクタにおける捕集動作が完了して切替バルブを切り替えることが可能になった直後に次に使用すべきフラクションコレクタを検出器の出口に接続でき、次のピークの捕集を行なうための準備を迅速に行なうことができる。
【0028】
上記一実施形態の第2態様では、前記コントローラは、ユーザにより設定された2以上の整数を前記バッファ数として記憶する記憶部を備えている。このような態様により、ユーザは、試料に含まれる成分量や分析条件等に応じて任意にバッファ数を設定することができる。
【0029】
上記一実施形態の第3態様では、前記コントローラは、前記検出器からの出力信号に基づいて作成されるクロマトグラムのピーク波形に基づいて各ピークの開始点及び終了点を検出し、検出した各ピークの開始点及び終了点に基づいて前記複数のフラクションコレクタ及び前記切替バルブの動作を制御するように構成されている。
【符号の説明】
【0030】
2 分析流路
4 送液ポンプ
6 インジェクタ
8 分離カラム
10 検出器
12 切替バルブ
14-1~14-n フラクションコレクタ
16 コントローラ
18 プローブ
20 電磁弁
22 捕集容器
22E 未使用の捕集容器
22U 使用済みの捕集容器
図1
図2
図3