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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】コネクタ及びカバーユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20240409BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H01R13/6581
H05K5/03 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021049384
(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公開番号】P2022147915
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 康雄
(72)【発明者】
【氏名】大森 弘之
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-035617(JP,A)
【文献】特開2020-053280(JP,A)
【文献】特開平07-320816(JP,A)
【文献】特開2002-033161(JP,A)
【文献】特開2018-063795(JP,A)
【文献】特開2014-154500(JP,A)
【文献】特開2002-198662(JP,A)
【文献】特開平08-008571(JP,A)
【文献】特開2016-143648(JP,A)
【文献】特開2016-072067(JP,A)
【文献】特開2006-147353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56-13/72
H05K 5/00- 5/06
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製のハウジングと、
前記ハウジング内に収容される金属製の端子と、
前記ハウジングの外周に配置される金属製のシールド部材と、
前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、
前記シールド部材は、一対の側部と、一対の前記側部同士を連結させる架設部と、を有し、
前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部と、幅方向に間隔をあけて設けられた一対の側板と、一対の前記側板同士を連結させる天板と、を有し、
前記シールド部材及び前記カバー部材には、前記架設部及び前記天板とは反対側において、前記ハウジングが進入可能な開口が形成されているコネクタ。
【請求項2】
合成樹脂製のハウジングと、
前記ハウジング内に収容される金属製の端子と、
前記ハウジングの外周に配置される金属製のシールド部材と、
前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部と、前記ハウジングの前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記ハウジングを係止するハウジング係止部と、を有し、
前記ハウジング係止部は、前記シールド部材係止部とは別に設けられるコネクタ。
【請求項3】
前記カバー部材の前記ハウジング係止部は、弾性変形可能であり、
前記ハウジングは、前記ハウジング係止部が係止される突部を有する請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
合成樹脂製のハウジングと、
前記ハウジング内に収容される金属製の端子と、
前記ハウジングの外周に配置される金属製のシールド部材と、
前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部と、幅方向に間隔をあけて設けられた一対の側板と、一対の前記側板同士を連結させる天板と、を有し、
前記シールド部材は、一対の前記側板の前後両端部において内側から外側にかけて折り返した屈曲形状の止め部を有し、
前記カバー部材の前記シールド部材係止部は、前記止め部を係止するコネクタ。
【請求項5】
ハウジングに取り付けられるカバーユニットであって、
シールド部材と、
前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、
前記シールド部材は、一対の側部と、一対の前記側部同士を連結させる架設部と、を有し、
前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部と、幅方向に間隔をあけて設けられた一対の側板と、一対の前記側板同士を連結させる天板と、を有し、
前記シールド部材及び前記カバー部材には、前記架設部及び前記天板とは反対側において、前記ハウジングが進入可能な開口が形成されているカバーユニット。
【請求項6】
ハウジングに取り付けられるカバーユニットであって、
シールド部材と、
前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部と、前記ハウジングの前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記ハウジングを係止するハウジング係止部と、を有し、
前記ハウジング係止部は、前記シールド部材係止部とは別に設けられるカバーユニット。
【請求項7】
ハウジングに取り付けられるカバーユニットであって、
シールド部材と、
前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部と、幅方向に間隔をあけて設けられた一対の側板と、一対の前記側板同士を連結させる天板と、を有し、
前記シールド部材は、一対の前記側板の前後両端部において内側から外側にかけて折り返した屈曲形状の止め部を有し、
前記カバー部材の前記シールド部材係止部は、前記止め部を係止するカバーユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ及びカバーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワイヤーハーネスが開示されている。このワイヤーハーネスは、第1UTPケーブルと、第1UTPケーブルの端部に接続された雄コネクタと、を備える。第1UTPケーブルの端部に接続された雄端子は、雄コネクタ内に配置される。雄コネクタには、下方に開口する嵌合溝が形成されている。嵌合溝内には、シールド部材が挿入される。シールド部材は、圧入等によって雄コネクタに固定される。この構成では、シールド部材の外面が外部に露出した状態となるため、汚れや指紋が付着しやすい。
【0003】
特許文献2には、シールド側電気コネクタ組立体が開示されている。このシールド側電気コネクタ組立体では、電気端子が内部ハウジング内に配置され、内部ハウジングは、上側シールド及び下側シールドによってシールドされる。更に、互いに嵌合する上側カバー及び下側カバーによって上側シールド及び下側シールドの外周が覆われる。この構成によれば、シールド部材の外面に汚れや指紋が付着することを抑制することができる。なお、この種のコネクタは、特許文献3にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-145083号公報
【文献】特開平6-196224号公報
【文献】特開平7-320816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コネクタの製造段階ではシールド部材及びカバー部材を取り付けず、施工段階(例えば車両に搭載する段階)において必要に応じてシールド部材及びカバー部材を取り付けたい場合がある。しかし、特許文献2及び特許文献3の構成では、シールド部材及びカバー部材の取付作業が面倒である。
【0006】
そこで、本開示は、ハウジングに対するシールド部材及びカバー部材の取付作業を容易にすることが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のコネクタは、合成樹脂製のハウジングと、前記ハウジング内に収容される金属製の端子と、前記ハウジングの外周に配置される金属製のシールド部材と、前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部を有するコネクタである。
【0008】
本開示のカバーユニットは、ハウジングの外周に取り付けられるカバーユニットであって、前記ハウジングの外周に配置されるシールド部材と、前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部を有するカバーユニットである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ハウジングに対するシールド部材及びカバー部材の取付作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1のコネクタが相手側コネクタに嵌合された状態をあらわす斜視図である。
図2図2は、実施形態1のコネクタが相手側コネクタに嵌合された状態をあらわす平断面図である。
図3図3は、ハウジングの斜視図である。
図4図4は、シールド部材の斜視図である。
図5図5は、カバー部材を斜め上方から見た斜視図である。
図6図6は、カバー部材を斜め下方から見た斜視図である。
図7図7は、カバーユニットの斜視図である。
図8図8は、カバーユニットを含むコネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)合成樹脂製のハウジングと、前記ハウジング内に収容される金属製の端子と、前記ハウジングの外周に配置される金属製のシールド部材と、前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部を有するコネクタである。
【0012】
この構成によれば、カバー部材が有するシールド部材係止部によって、シールド部材がカバー部材から脱落することを規制することができる。このため、カバー部材とシールド部材をカバーユニットとして一部品として扱うことができ、ハウジングに対する取付作業が容易になる。
【0013】
(2)前記カバー部材は、前記ハウジングの前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記ハウジングを係止するハウジング係止部を有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、樹脂ロックとして構成されるハウジング係止部をハウジングに係止させることによって、カバーユニットをハウジングに連結させることができる。このため、ハウジングに傷が付くことを抑制しつつ、カバーユニットをハウジングに連結させることができる。
【0015】
(3)前記カバー部材の前記ハウジング係止部は、弾性変形可能であり、前記ハウジングは、前記ハウジング係止部が係止される突部を有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、ハウジングの形状が複雑になることを抑制しつつ、ハウジングに対する取付作業を容易にすることができる。
【0017】
(4)前記カバー部材は、幅方向に間隔をあけて設けられた一対の側板と、一対の前記側板同士を連結させる天板と、を有し、前記シールド部材は、一対の前記側板の前後両端部において内側から外側にかけて折り返した屈曲形状の止め部を有し、前記カバー部材の前記シールド部材係止部は、前記止め部を係止することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、シールド部材の形状が複雑になることを抑制しつつ、ハウジングに対する取付作業を容易にすることができる。
【0019】
本開示のカバーユニットは、
(5)ハウジングに取り付けられるカバーユニットであって、シールド部材と、前記シールド部材を覆う合成樹脂製のカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記シールド部材の前記カバー部材からの脱落を規制した状態で前記シールド部材を係止するシールド部材係止部を有するカバーユニットである。
【0020】
この構成によれば、カバー部材が有するシールド部材係止部によって、シールド部材がカバー部材から脱落することを規制することができる。このため、カバー部材とシールド部材をカバーユニットとして一部品として扱うことができ、ハウジングに対する取付作業が容易になる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0022】
<実施形態1>
実施形態1のコネクタ10は、図1に示すように、相手側コネクタ80に嵌合される。なお、以下の説明では、コネクタ10及び相手側コネクタ80が嵌合される際に互いに向き合う側を前側とする。また、図1図3から図8にあらわれる上下方向をそのまま上下方向とする。また、図2における上下方向を幅方向とする。
【0023】
コネクタ10と嵌合する相手側コネクタ80は、図2に示すように、相手側ハウジング81と、相手側端子82と、電線91と、を備える。相手側ハウジング81は、合成樹脂製である。相手側端子82は、金属製であり、例えば金属板を曲げ加工等して形成される。相手側端子82は、雌型である。電線91は、相手側端子82の後端部には、電線91が接続される。電線91は、シールドされていない電線であり、例えばUTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブルである。相手側端子82は、後方への抜けが規制された状態で、相手側ハウジング81内に配置される。
【0024】
コネクタ10は、図2に示すように、ハウジング11と、端子12と、カバーユニット13と、を備える。
【0025】
ハウジング11は、合成樹脂製である。ハウジング11は、図3に示すように、ハウジング本体20と、第1突部21と、第2突部22と、を有する。
【0026】
ハウジング本体20は、図3に示すように、前後方向に沿って延びる筒状、より具体的には角筒状をなしている。ハウジング本体20の前後両端面は開口している。
【0027】
第1突部21及び第2突部22は、ハウジング本体20の幅方向の両側に設けられ、幅方向外側に突出した形態をなしている(図3では、片側のみ表れている)。第1突部21及び第2突部22は、前後方向に間隔をあけて配置されている。第1突部21は、ハウジング本体20の前端側に配置され、第2突部22は、ハウジング本体20の後端側に配置されている。第1突部21の下面は、幅方向及び前後方向に沿った平坦面である。第1突部21の上面は、幅方向外側に向かうにつれて下方に傾斜している。第2突部22の上面及び下面は、幅方向及び前後方向に沿った平坦面である。
【0028】
端子12は、金属製であり、例えば金属板を曲げ加工等して形成される。端子12は、図2に示すように、雄型である。端子12の後端部には、電線90が接続される。電線90は、シールドされていない電線であり、例えばUTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブルである。端子12は、後方への抜けが規制された状態で、ハウジング11内に配置される。
【0029】
カバーユニット13は、図2に示すように、シールド部材14と、カバー部材15と、を備える。
【0030】
シールド部材14は、金属製であり、例えば金属板を曲げ加工等して形成される。シールド部材14は、図4に示すように、側部30と、架設部31と、開口部32と、止め部33と、を有する。
【0031】
側部30は、図4に示すように、対をなし、幅方向に間隔をあけて配置される。側部30は、板状をなしており、幅方向に板面を向けて配置される。架設部31は、一対の側部30の上端部同士を連結させる。架設部31は、前後方向に間隔をあけて対をなして設けられている。開口部32は、一対の側部30と一対の架設部31に囲まれて形成され、シールド部材14の上面に開口している。なお、開口部を有するシールド部材のシールド性能については、特許文献1に例示されている。
【0032】
止め部33は、カバー部材15に係止される部位である。止め部33は、図4に示すように、内側板部34と、折り返し部35と、外側板部36と、を有する。内側板部34、折り返し部35、及び外側板部36は、カバー部材15の後述するシールド部材係止部42に接触するように曲げ加工して形成される。内側板部34は、側部30の下端側の前後両側に設けられる。内側板部34及び外側板部36は、幅方向に対向して配置される。折り返し部35は、内側板部34及び外側板部36の前後方向外側の端部同士をつなぐ。
【0033】
内側板部34の上側には、図4に示すように、側部30を凹状に切り欠くようにして切欠部38が形成されている。
【0034】
カバー部材15は、合成樹脂製である。カバー部材15は、シールド部材14を覆う部材である。カバー部材15は、図5及び図6に示すように、側板40と、天板41と、を有する。側板40は、対をなし、幅方向に間隔をあけて配置される。側板40は、板状をなしており、幅方向に板面を向けて配置される。天板41は、一対の側板40の上端部同士をつないでいる。天板41は、板状をなしており、上下方向に板面を向けて配置される。
【0035】
カバー部材15は、図5及び図6に示すように、シールド部材係止部42と、第1ハウジング係止部43と、第2ハウジング係止部44と、を有する。
【0036】
シールド部材係止部42は、シールド部材14の止め部33を係止する部位である。シールド部材係止部42は、図5及び図6に示すように、各側板40の下端側の前後両端部に配置されている。シールド部材係止部42は、段差部47と、張出部48と、を有する。段差部47は、側板40の前後両端において前後方向の内側に段差状に凹んだ形態をなしている。段差部47は、下方に向けて段差状に凹んでいる。張出部48は、段差部47の下側から幅方向外側に張り出した形態をなしている。
【0037】
第1ハウジング係止部43は、ハウジング11の第1突部21を係止する部位である。第1ハウジング係止部43は、図5及び図6に示すように、アーム部50と、連結部51と、を有する。アーム部50は、対をなし、側板40の下端部から下方に突出し、前後方向に間隔をあけて配置される。連結部51は、一対のアーム部50の下端部同士を連結する。連結部51は、幅方向内側面に誘導面52を有する。誘導面52は、連結部51の下端から上方に向けて幅方向内側に傾斜している。
【0038】
第2ハウジング係止部44は、ハウジング11の第2突部22を係止する部位である。第2ハウジング係止部44は、図5及び図6に示すように、カバー部材15の後端部において後方に突出した形態をなしている。より具体的には、第2ハウジング係止部44は、前後2つの段差部47のうち後側の段差部47の下側から後方に突出した形態をなしている。第2ハウジング係止部44は、シールド部材係止部42の張出部48と一体化されている。
【0039】
シールド部材14は、図7に示すように、カバー部材15に係止される。具体的には、シールド部材14の側部30及び架設部31がカバー部材15の内側に配置される。そして、止め部33が段差部47を幅方向に挟むように、段差部47の内側から外側にかけて折り返した形態で配置される。前後の止め部33のうち少なくとも一方は、他方がカバー部材15に取り付けられた後に曲げ加工される。止め部33の内側板部34及び外側板部36は、カバー部材15の側板40を幅方向に挟んで圧着される。止め部33の外側板部36は、張出部48の上側に配置され、張出部48によって下方への脱落が規制される。このようにして、一体として取り扱うことが可能なカバーユニット13が構成される。
【0040】
カバーユニット13は、ハウジング11に対して上方から被せるようにして取り付けられる。具体的には、カバー部材15の後側の段差部47に、ハウジング11の第2突部22が嵌め込まれ、第2突部22を軸としてカバーユニット13が回動される。そして、カバー部材15の第1ハウジング係止部43がハウジング11の第1突部21から幅方向外側に押されて撓み、第1突部21を乗り越えて自身の弾性力によって元の形状に復帰する。これにより、図8に示すように、第1ハウジング係止部43が第1突部21を係止した状態となり、第2ハウジング係止部44が第2突部22を係止した状態となる。また、止め部33の外側板部36は、段差部47と第2突部22との間に挟まれて保持される。取り外しの際は、第1ハウジング係止部43を幅方向外側に撓ませることで、カバーユニット13を取り外すことができる。
【0041】
コネクタ10は、図2に示すように、相手側コネクタ80に嵌合される。コネクタ10が相手側コネクタ80に嵌合された状態では、コネクタ10の端子12と、相手側コネクタ80の相手側端子82とが接続される。
【0042】
以上のように、コネクタ10のカバー部材15は、シールド部材14のカバー部材15からの脱落を規制した状態でシールド部材14を係止するシールド部材係止部42を有する。このため、コネクタ10は、カバー部材15が有するシールド部材係止部42によって、シールド部材14がカバー部材15から脱落することを規制することができる。このため、カバー部材15とシールド部材14をカバーユニット13として一部品として扱うことができ、ハウジング11に対する取付作業が容易になる。
【0043】
また、カバーユニット13がハウジング11に対して着脱可能であるため、作業者は、施工時(例えば車両搭載時)において必要に応じてカバーユニット13を着脱させることができる。例えば、隣接して別の電線が配置される場合には、カバーユニット13を取り付けることで、隣接する電線に起因したノイズの発生を抑制することができる。逆に、別の電線が隣接しない場合には、カバーユニット13を取り付けない構成で使用することができる。
【0044】
更に、コネクタ10は、カバー部材15は、ハウジング11のカバー部材15からの脱落を規制した状態でハウジング11を係止する第1ハウジング係止部43及び第2ハウジング係止部44を有する。このため、コネクタ10は、樹脂ロックとして構成される第1ハウジング係止部43及び第2ハウジング係止部44をハウジング11の第1突部21及び第2突部22にそれぞれに係止させることによって、カバーユニット13をハウジング11に連結させることができる。したがって、ハウジング11に傷が付くことを抑制しつつ、カバーユニット13をハウジング11に連結させることができる。
【0045】
更に、カバー部材15の第1ハウジング係止部43及び第2ハウジング係止部44は、弾性変形可能である。そして、ハウジング11は、第1ハウジング係止部43が係止される第1突部21と、第2ハウジング係止部44が係止される第2突部22と、を有する。このため、コネクタ10は、ハウジング11の形状が複雑になることを抑制しつつ、ハウジング11に対する取付作業を容易にすることができる。
【0046】
更に、カバー部材15は、幅方向に間隔をあけて設けられた一対の側板40と、一対の側板40同士を連結させる天板41と、を有する。そして、シールド部材14は、一対の側板40の前後両端部において内側から外側にかけて折り返した屈曲形状の止め部33を有する。そして、カバー部材15のシールド部材係止部42は、止め部33を係止する。このため、コネクタ10は、シールド部材14の形状が複雑になることを抑制しつつ、ハウジング11に対する取付作業を容易にすることができる。
【0047】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
(1)上記実施形態では、カバー部材をハウジングに係止させる構成としたが、シールド部材をハウジングに係止させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10…コネクタ
11…ハウジング
12…端子
13…カバーユニット
14…シールド部材
15…カバー部材
20…ハウジング本体
21…第1突部(突部)
22…第2突部(突部)
30…側部
31…架設部
32…開口部
33…止め部
34…内側板部
35…折り返し部
36…外側板部
38…切欠部
40…側板
41…天板
42…シールド部材係止部
43…第1ハウジング係止部(ハウジング係止部)
44…第2ハウジング係止部(ハウジング係止部)
47…段差部
48…張出部
50…アーム部
51…連結部
52…誘導面
80…相手側コネクタ
81…相手側ハウジング
82…相手側端子
90,91…電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8