(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】シーブ装置
(51)【国際特許分類】
B66C 23/66 20060101AFI20240409BHJP
B66C 13/00 20060101ALI20240409BHJP
B66D 3/04 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B66C23/66 A
B66C13/00 G
B66D3/04 G
(21)【出願番号】P 2021207206
(22)【出願日】2021-12-21
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】坂井 桂次
(72)【発明者】
【氏名】堀 亮太郎
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04905849(US,A)
【文献】特開2009-023838(JP,A)
【文献】実開昭60-040391(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 19/00-23/94
B66C 13/00-15/06
B66D 1/00- 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに回転可能に取り付けられ、ロープを掛けることが可能に構成されたシーブと、
前記シーブから前記ロープが外れることを抑制するように構成された複数の外れ止めと、
前記フレームに取り付けられたシーブ外側部材と、
を備え、
前記複数の外れ止めは、
前記シーブのシーブ外周部に沿うように配置され、前記シーブ外周部よりもシーブ軸方向外側の一方側に配置された左側外れ止めと、
前記シーブ外周部に沿うように配置され、前記シーブ外周部よりもシーブ軸方向外側両側のうち前記左側外れ止めが設けられる側とは反対側に配置された右側外れ止めと、
を備え、
前記左側外れ止めおよび前記右側外れ止めのそれぞれは、前記フレームに着脱可能に取り付けられ、
前記左側外れ止めおよび前記右側外れ止めは、前記シーブ外周部よりもシーブ径方向外側かつ前記シーブ外周部とシーブ径方向に対向する位置にスペースを形成するように、シーブ軸方向の間隔を互いにあけるように配置され、
前記シーブ外側部材は、前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとのシーブ軸方向における間、かつ、前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとが設けられたシーブ周方向における範囲内に配置さ
れ、
前記外れ止めは、
前記シーブ外周部に沿うように配置された外れ止め本体第1部分と、
前記外れ止め本体第1部分とシーブ軸方向に間隔をあけて配置され、前記外れ止め本体第1部分とシーブ軸方向に対向する位置に配置された外れ止め本体第2部分と、
前記外れ止め本体第1部分と前記外れ止め本体第2部分とをシーブ軸方向に連結する外れ止め本体連結部と、
を備える、
シーブ装置。
【請求項2】
フレームと、
前記フレームに回転可能に取り付けられ、ロープを掛けることが可能に構成されたシーブと、
前記シーブから前記ロープが外れることを抑制するように構成された複数の外れ止めと、
前記フレームに取り付けられたシーブ外側部材と、
前記フレームと前記外れ止めとをシーブ径方向に連結する外れ止め固定ピンと、
を備え、
前記複数の外れ止めは、
前記シーブのシーブ外周部に沿うように配置され、前記シーブ外周部よりもシーブ軸方向外側の一方側に配置された左側外れ止めと、
前記シーブ外周部に沿うように配置され、前記シーブ外周部よりもシーブ軸方向外側両側のうち前記左側外れ止めが設けられる側とは反対側に配置された右側外れ止めと、
を備え、
前記左側外れ止めおよび前記右側外れ止めのそれぞれは、前記フレームに着脱可能に取り付けられ、
前記左側外れ止めおよび前記右側外れ止めは、前記シーブ外周部よりもシーブ径方向外側かつ前記シーブ外周部とシーブ径方向に対向する位置にスペースを形成するように、シーブ軸方向の間隔を互いにあけるように配置され、
前記シーブ外側部材は、前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとのシーブ軸方向における間、かつ、前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとが設けられたシーブ周方向における範囲内に配置さ
れ、
前記外れ止めは、前記外れ止め固定ピンが着脱されることで、前記フレームにシーブ周方向に着脱可能に構成された、
シーブ装置。
【請求項3】
フレームと、
前記フレームに回転可能に取り付けられ、ロープを掛けることが可能に構成されたシーブと、
前記シーブから前記ロープが外れることを抑制するように構成された複数の外れ止めと、
前記フレームに取り付けられたシーブ外側部材と、
を備え、
前記複数の外れ止めは、
前記シーブのシーブ外周部に沿うように配置され、前記シーブ外周部よりもシーブ軸方向外側の一方側に配置された左側外れ止めと、
前記シーブ外周部に沿うように配置され、前記シーブ外周部よりもシーブ軸方向外側両側のうち前記左側外れ止めが設けられる側とは反対側に配置された右側外れ止めと、
を備え、
前記左側外れ止めおよび前記右側外れ止めのそれぞれは、前記フレームに着脱可能に取り付けられ、
前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとは、前記フレームに個別に着脱可能であり、
前記左側外れ止めおよび前記右側外れ止めは、前記シーブ外周部よりもシーブ径方向外側かつ前記シーブ外周部とシーブ径方向に対向する位置にスペースを形成するように、シーブ軸方向の間隔を互いにあけるように配置され、
前記シーブ外側部材は、前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとのシーブ軸方向における間、かつ、前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとが設けられたシーブ周方向における範囲内に配置された、
シーブ装置。
【請求項4】
請求項1
~3のいずれか1項に記載のシーブ装置であって、
前記フレームは、
シーブ軸方向に対向するように配置され、前記シーブよりもシーブ軸方向外側に配置された複数の側部フレームと、
前記複数の側部フレームどうしを連結し、前記シーブよりもシーブ径方向外側に配置されたフレーム連結部と、
を備え、
前記左側外れ止めおよび前記右側外れ止めは、前記フレーム連結部と前記シーブ外周部との間に前記スペースを形成するように構成された、
シーブ装置。
【請求項5】
請求項1
~4のいずれか1項に記載のシーブ装置であって、
前記シーブは、前記フレームのフレーム前側の部分に取り付けられ、
前記複数の外れ止めは、前記シーブのフレーム前側の部分からフレーム上側の部分までの連続した範囲で、前記シーブ外周部に沿うように配置された、
シーブ装置。
【請求項6】
請求項
5に記載のシーブ装置であって、
前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとのシーブ軸方向の間隔は、前記シーブのフレーム前側の部分からフレーム上側の部分までの範囲で、
前記シーブ外周部のシーブ軸方向における幅と同じ大きさである、
シーブ装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか1項に記載のシーブ装置であって、
前記シーブ外側部材は、前記ロープの過巻を検出するためのリミットスイッチを備える、
シーブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームに回転可能に取り付けられたシーブを有するシーブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、従来のシーブ装置が記載されている。同文献に記載のシーブ装置には、シーブからロープが外れることを抑制するための外れ止め(同文献におけるロープガイド)が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シーブ装置では、シーブにロープを配索する作業が行われる。この作業を容易に行えることが望まれている。また、シーブの外周部と対向する位置に、シーブ外側部材(詳細は後述)が設けられる場合がある。フレームに対して外れ止めを着脱する作業が行われるときに、シーブ外側部材をフレームに対して着脱する必要があれば、作業に手間がかかる。そのため、シーブ装置に関する作業を容易に行えることが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、シーブ装置に関する作業を容易に行うことができる、シーブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
シーブ装置は、フレームと、シーブと、複数の外れ止めと、シーブ外側部材と、を備える。前記シーブは、前記フレームに回転可能に取り付けられ、ロープを掛けることが可能に構成される。前記複数の外れ止めは、前記シーブから前記ロープが外れることを抑制するように構成される。前記シーブ外側部材は、前記フレームに取り付けられる。前記複数の外れ止めは、左側外れ止めと、右側外れ止めと、を備える。前記左側外れ止めは、前記シーブのシーブ外周部に沿うように配置され、前記シーブ外周部よりもシーブ軸方向外側の一方側に配置される。前記右側外れ止めは、前記シーブ外周部に沿うように配置され、前記シーブ外周部よりもシーブ軸方向外側両側のうち前記左側外れ止めが設けられる側とは反対側に配置される。前記左側外れ止めおよび前記右側外れ止めのそれぞれは、前記フレームに着脱可能に取り付けられる。前記左側外れ止めおよび前記右側外れ止めは、前記シーブ外周部よりも径方向外側かつ前記シーブ外周部と径方向に対向する位置にスペースを形成するように、シーブ軸方向の間隔を互いにあけるように配置される。前記シーブ外側部材は、前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとのシーブ軸方向における間、かつ、前記左側外れ止めと前記右側外れ止めとが設けられたシーブ周方向における範囲内に配置される。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、シーブ装置に関する作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1に示すシーブ装置30を横方向Yから見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図6を参照して、シーブ装置30を備える作業機械1について説明する。
【0010】
作業機械1は、
図1に示すように、作業を行う機械であり、例えば建設作業を行う建設機械である。作業機械1は、例えばブーム13などを用いて作業を行うクレーンを含んでもよい。作業機械1は、機械本体11と、ブーム13と、ブーム起伏装置15と、吊荷17と、吊上装置20と、シーブ装置30と、を備える。
【0011】
機械本体11は、作業機械1の本体部分である。機械本体11は、下部本体11aと、上部旋回体11bと、を備える。下部本体11aは、上部旋回体11bを支持する。下部本体11aは、走行可能でもよく、地面に対して固定された構造物でもよい。例えば、作業機械1は、移動式クレーンを含んでもよく、固定式クレーンを含んでもよい。下部本体11aが走行可能である場合(下部走行体である場合)、下部本体11aは、クローラを備えてもよく、ホイールを備えてもよい。例えば、作業機械1は、クローラクレーンを含んでもよく、ホイールクレーンを含んでもよい。上部旋回体11bは、下部本体11aに旋回可能に搭載される。
【0012】
ブーム13は、上部旋回体11bに起伏可能に取り付けられる。例えば、ブーム13は、ブーム13の長手方向に分解可能である。ブーム13は、下部ブーム13aと、上部ブーム13bと、を備える。下部ブーム13aは、ブーム13の基端部(上部旋回体11b側の端部)に設けられる。上部ブーム13bは、下部ブーム13aの先端部に連結され、ブーム13の先端部に設けられる。上部ブーム13bは、上部ブームシーブ13bpを備えてもよい。上部ブームシーブ13bpは、フックなどを巻き上げるワイヤロープが掛けられるものである。なお、ブーム13は、下部ブーム13aと上部ブーム13bとの間に設けられる(連結される)中間ブームを備えてもよい。
【0013】
ブーム起伏装置15は、上部旋回体11bに対してブーム13を起伏させる装置である。例えば、ブーム起伏装置15は、ガントリ15aと、下部スプレッダ15bと、上部スプレッダ15cと、ブームガイライン15dと、ブーム起伏ロープ15eと、を備える。ガントリ15aは、上部旋回体11bに取り付けられるコンプレッションメンバ15a1と、コンプレッションメンバ15a1の先端部と上部旋回体11bの後端部とに接続されるテンションメンバ15a2と、を備える。下部スプレッダ15bは、コンプレッションメンバ15a1の先端部に設けられる。上部スプレッダ15cは、コンプレッションメンバ15a1の先端部とブーム13の先端部との間に配置される。ブームガイライン15dは、上部スプレッダ15cとブーム13の先端部とに接続される。ブーム起伏ロープ15eは、下部スプレッダ15bと上部スプレッダ15cとのそれぞれの滑車に掛けられるワイヤロープである。図示しないブーム起伏ウインチが、ブーム起伏ロープ15eを、巻き取りおよび繰り出しする。すると、下部スプレッダ15bと上部スプレッダ15cとの間隔が変わる。上部スプレッダ15cとブーム13の先端部とがブームガイライン15dで接続されているので、下部スプレッダ15bと上部スプレッダ15cとの間隔が変わると、上部旋回体11bに対してブーム13が起伏する。
【0014】
なお、ブーム起伏装置15の構成は、様々に変更可能である。例えば、ガントリ15aに代えてマストが設けられてもよい。この場合、マストは、上部旋回体11bに起伏可能に取り付けられ、コンプレッションメンバ15a1と同様の位置に配置される。ブームガイライン15dは、マストの先端部とブーム13の先端部とに接続される。ブーム起伏ロープ15eは、マストの先端部に設けられた滑車と、上部旋回体11bの後端部に設けられた滑車と、に掛けられる。そして、図示しないブーム起伏ウインチがブーム起伏ロープ15eを、巻き取りおよび繰り出しすることで、マストが上部旋回体11bに対して起伏する結果、ブーム13が上部旋回体11bに対して起伏する。また、作業機械1は、複数のマストを備えてもよく、ガントリ15aとマストとを備えてもよい。
【0015】
吊荷17は、ブーム13に吊り上げられる。例えば、吊荷17は、作業装置でもよく、作業装置でなくてもよい。吊荷17が作業装置の場合、吊荷17は、例えばハンマーグラブなどである。ハンマーグラブは、作業対象物(例えば土など)を捕捉および解放する装置である。吊荷17がハンマーグラブである場合、吊荷17は、ハンマーグラブ本体部17aと、クラウン17bと、を備える。ハンマーグラブ本体部17aは、ロープ23(後述)に吊り上げられる。ハンマーグラブ本体部17aは、シェル17a1を備える。シェル17a1は、ハンマーグラブ本体部17aに対して開閉することで、作業対象物を捕捉および解放する。クラウン17bは、シェル17a1の開閉を切り換えるためのものである。クラウン17bは、ロープ23(後述)に吊り上げられる。クラウン17bは、ハンマーグラブ本体部17aに着脱される。
【0016】
吊上装置20は、吊荷17を吊り上げる装置である。吊上装置20は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。
図1に示す例では、吊上装置20は、2つ設けられる。具体的には例えば、ハンマーグラブ本体部17aに接続される吊上装置20と、クラウン17bに接続される吊上装置20と、が設けられる。例えば、吊上装置20は、ウインチ21と、ロープ23と、ロープ接続部材25と、を備える。
【0017】
ウインチ21は、ロープ23の巻き取りおよび繰り出しを行う装置である。ウインチ21は、上部旋回体11bに搭載されてもよく、ブーム13に搭載されてもよい。
【0018】
ロープ23は、ウインチ21に取り付けられる。ロープ23は、シーブ50(後述)に掛けられる。例えば、吊荷17がハンマーグラブであり、吊上装置20が2つ設けられる場合(ロープ23が2本設けられる場合)は、一方のロープ23は、ハンマーグラブ本体部17aを吊り上げる。他方のロープ23(ハンマーグラブ本体部17aを吊り上げる方とは異なるロープ23)は、クラウン17bを吊り上げる。ロープ23は、ワイヤロープである。ロープ23は、
図2に示すように、ワイヤロープであるロープ本体部23aと、ロープエンド23eを備える。
【0019】
ロープエンド23eは、ロープ23の先端部であり、ウインチ21(
図1参照)に取り付けられる側とは反対側のロープ23の端部である。例えば、ロープ本体部23aの直径方向における、ロープエンド23eの大きさは、ロープ23の径よりも大きい。具体的には例えば、ロープエンド23eは、ソケット23e1を有してもよい。ソケット23e1は、くさびによりロープ本体部23aに固定される部材である。ロープエンド23eは、加締め部23e2を有してもよい。加締め部23e2は、ロープ本体部23aの端部が輪状にされた状態で、ロープ本体部23aの端部を固定するものである。吊荷17(
図1参照)がハンマーグラブである場合は、ロープエンド23eが加締め部23e2である場合が多い。なお、ロープ本体部23aの直径方向における、ロープエンド23eの大きさは、ロープ本体部23aの径と同じでもよい。例えば、ソケット23e1および加締め部23e2がロープエンド23eに設けられなくてもよい。
【0020】
ロープ接続部材25は、
図1に示すように、ロープエンド23eに接続される(連結される)部材である。ロープ本体部23a(
図2参照)の直径方向におけるロープ接続部材25の大きさ(太さ)は、ロープ本体部23aの直径よりも大きい(太い)。ロープ接続部材25は、例えば略円柱状などである。ロープ接続部材25は、シーブ外周部51(
図3参照、後述)に入り込むことが可能に構成されてもよい。ロープ接続部材25は、例えば、スイベルなどである。スイベルは、吊荷17の回転およびロープ23の捻じれを抑制する装置である。
【0021】
シーブ装置30は、シーブ50などを備える装置である。シーブ装置30は、例えばブーム13の先端部に取り付けられ、例えば上部ブーム13bの先端部に取り付けられる。この場合、シーブ装置30は、上部ブームシーブ13bpとは別のシーブ50をブーム13に追加するための装置(補助シーブ装置)である。例えば、シーブ装置30は、低空頭での作業を行うための(低空頭仕様の)作業機械1に設けられる。低空頭とは、作業機械1の上に障害物(例えば橋桁など)があり、ブーム13の先端部の高さが制限された状態である。なお、シーブ装置30は、ブーム13の先端部に追加されるもの(すなわち補助シーブ装置)でなくてもよく、作業機械1のどの位置に配置されてもよい。シーブ装置30は、ブーム13の一部でもよく、例えば上部ブーム13bでもよい。シーブ装置30は、ブーム13以外の起伏装置に設けられてもよく、例えばブーム13に起伏可能に取り付けられるジブなどに設けられてもよく、ジブの一部でもよい。シーブ装置30は、上部旋回体11bなどに設けられてもよい。以下では、主に、シーブ装置30が補助シーブ装置である場合について説明する。
図2に示すように、シーブ装置30は、フレーム40と、シーブ50と、外れ止め60と、
図4に示す外れ止め固定ピン71と、シーブ外側部材80と、を備える。
【0022】
(シーブ装置30に関する方向)
図2に示すように、フレーム40に対するシーブ50の回転軸を、シーブ回転軸αとする。シーブ装置30に関する方向には、軸方向A(シーブ軸方向)と、周方向C(シーブ周方向)と、径方向R(シーブ径方向)と、前後方向X(フレーム前後方向)と、横方向Y(フレーム横方向)と、上下方向Z(フレーム上下方向)と、がある。軸方向Aは、シーブ回転軸αが延びる方向である。周方向Cは、シーブ50の周方向(円周方向)である。径方向Rは、シーブ50の直径方向である。径方向Rにおいて、シーブ回転軸αに近づく側を径方向R内側とし、シーブ回転軸αから遠ざかる側を径方向R外側とする。横方向Yは、軸方向Aである。
図1に示すように、上下方向Zは、シーブ装置30の使用時に、鉛直方向または略鉛直方向となる方向である。「シーブ装置30の使用時」は、作業機械1が作業を行う姿勢(作業姿勢、例えば
図1に示すような姿勢)の時である。上下方向Zにおいて、シーブ装置30の使用時に、鉛直上側または略鉛直上側となる向きを上側Z1(フレーム上側)とし、その逆向きを下側Z2(フレーム下側)とする。前後方向Xは、横方向Yおよび上下方向Zのそれぞれに交差(例えば直交)する方向である。前後方向Xにおいて、フレーム40におけるシーブ50が設けられる側を、前側X1(フレーム前側)とし、その逆側を後側X2(フレーム後側)とする。フレーム40が作業機械1の構造物(例えばブーム13)に取り付けられる場合は、後側X2は、フレーム40における構造物に取り付けられる側である。
【0023】
フレーム40は、シーブ50を支持する。フレーム40は、例えば、ブーム13の先端部に固定され、例えば、上部ブーム13bの先端部に固定される。
図2に示すように、フレーム40は、側部フレーム41と、シーブ支持部43と、フレーム連結部45と、フレーム側外れ止め支持部47と、フレーム側着脱部49と、を備える。
【0024】
側部フレーム41は、
図3に示すように、フレーム40の横方向Y外側の両側部分(左右)に設けられる。複数の(左右の)側部フレーム41・41は、横方向Yに対向するように配置され、シーブ50よりも横方向Y外側に配置される。例えば、
図1に示すように、側部フレーム41は、上部ブーム13bに固定される。この場合、側部フレーム41は、上部ブーム13bとシーブ50とをつなぐように設けられる。例えば、側部フレーム41は、板状でもよく、上下方向Zおよび前後方向Xに延びるように設けられてもよい。側部フレーム41は、板状でなくてもよい。
図1に示す例では、側部フレーム41は、前後方向Xに長い形状を有する。
【0025】
シーブ支持部43は、
図6に示すように、シーブ50を回転可能に支持する。シーブ支持部43は、シーブ50の回転軸となる部分である。シーブ支持部43は、複数の側部フレーム41・41をつなぐように設けられる。シーブ支持部43は、軸方向Aに延びる円柱状などである。シーブ支持部43に、スペーサ43sが差し込まれてもよい。スペーサ43sは、複数のシーブ50どうしの軸方向Aの間隔をあけるための部材である。
【0026】
フレーム連結部45は、
図3に示すように、複数の側部フレーム41どうしを横方向Yに連結する。
図2に示すように、フレーム連結部45は、シーブ50よりも径方向R外側に配置される。フレーム連結部45は、シーブ50との間に径方向Rの間隔をあけるように配置される。フレーム連結部45は、シーブ50と径方向Rに対向する位置に配置される(
図6参照)。フレーム連結部45は、フレーム40の上側Z1の部分に設けられる。例えば、フレーム連結部45の少なくとも一部は、シーブ50よりも上側Z1に配置される。例えば、フレーム連結部45は、板状でもよく、横方向Yおよび略周方向Cに延びるように配置されてもよい。フレーム連結部45は、棒状などでもよい。
【0027】
フレーム側外れ止め支持部47は、フレーム40に対して外れ止め60を支持する部分である。フレーム側外れ止め支持部47は、フレーム40に対して外れ止め60が、横方向Yに延びる回転軸を中心に回転可能となるように、外れ止め60を支持する。フレーム側外れ止め支持部47は、複数の側部フレーム41・41どうしを横方向Yつなぐように設けられる(
図6参照)。フレーム側外れ止め支持部47は、シーブ50よりも径方向R外側に配置される。例えば、フレーム側外れ止め支持部47は、フレーム40の下側Z2部分に設けられる。例えば、フレーム側外れ止め支持部47は、棒状でもよく、横方向Yに延びるように設けられてもよい。
【0028】
フレーム側着脱部49は、
図4に示すように、外れ止め60が着脱可能に取り付けられる部分である。フレーム側着脱部49は、外れ止め固定ピン71が取り付けられる部分である。フレーム側着脱部49は、外れ止め固定ピン71を差し込み可能なピン孔を有する(
図5参照)例えば、フレーム側着脱部49は、フレーム連結部45から周方向Cに突出する。例えば、フレーム側着脱部49は、フレーム連結部45から前側X1および下側Z2に突出する。フレーム側着脱部49は、外れ止め60と同じ数だけ設けられる。
図5に示す例では、フレーム側着脱部49は、3つ設けられる。例えば、
図4に示すように、フレーム側着脱部49は、板状でもよく、周方向Cおよび横方向Yに延びるように設けられてもよい。フレーム側着脱部49は、フレーム連結部45に固定される。フレーム側着脱部49は、締結部材(例えばボルトなど)により着脱可能にフレーム連結部45に固定されてもよい。フレーム側着脱部49は、溶接などにより着脱不能にフレーム連結部45に固定されてもよい。
【0029】
シーブ50は、
図6に示すように、ロープ23を掛けることが可能に構成される。シーブ50は、ロープ23の延びる方向を変える部材である(
図1参照)。シーブ50は、フレーム40に回転可能に取り付けられる。シーブ50は、シーブ支持部43に回転可能に取り付けられる。シーブ50は、フレーム40に対してシーブ回転軸αを中心に回転可能である。
図1に示すように、シーブ50は、フレーム40の前側X1部分に取り付けられる(フレーム40においてシーブ50が取り付けられる側が前側X1である)。
図3に示すように、シーブ50は、複数の側部フレーム41・41の間(横方向Yにおける間)に配置される。シーブ50は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよく、
図3に示す例では2つ設けられる。シーブ50が複数設けられる場合、複数のシーブ50は、軸方向Aに並ぶように配置される。シーブ50は、シーブ外周部51を備える。
【0030】
シーブ外周部51は、
図2に示すように、シーブ50の外周部分(径方向R外側部分)である。
図6に示すように、シーブ外周部51は、凹部51aを備える。凹部51aは、ロープ23が入り込む(掛けられる)部分である。凹部51aは、シーブ外周部51の軸方向A外側部分に対して径方向R内側に凹む(径方向Rについては
図2参照)。凹部51aは、ロープ23の径よりも太いものを収めることが可能に構成されてもよい。例えば、凹部51aは、凹部51aの内側にロープ接続部材25(
図1参照、例えばスイベルなど)を収めることが可能に構成されてもよい。さらに詳しくは、凹部51aの軸方向Aにおける幅は、ロープ接続部材25の直径と略同じでもよく、ロープ接続部材25の直径以上でもよい。
【0031】
外れ止め60は、
図2に示すように、シーブ50からロープ23が外れる(離脱する、脱索する)ことを抑制するように構成される部材(シーブガード、ロープガード、ロープガイド)である。外れ止め60は、フレーム40に取り付けられる。
【0032】
この外れ止め60は、使用状態と非使用状態とに可変である。使用状態は、シーブ50からロープ23が外れることを抑制する機能を有するときの外れ止め60の状態である。例えば、使用状態は、シーブ50に対して外れ止め60が閉じた状態である。非使用状態は、シーブ50からロープ23が外れることを抑制する機能を有さないときの外れ止め60の状態である。
図2において、非使用状態の外れ止め60を、二点鎖線で示す。例えば、非使用状態は、シーブ50に対して外れ止め60が開いた状態である。非使用状態のときの外れ止め60は、使用状態のときの外れ止め60よりも、シーブ50から離れた状態である。具体的には、外れ止め60は、フレーム40に移動可能に取り付けられる。さらに具体的には、外れ止め60は、フレーム40に回転可能に取り付けられる。例えば、外れ止め60は、シーブ50に対して開閉可能となるように、フレーム40に回転可能に取り付けられる。以下では、主に、使用状態の外れ止め60について説明する。
【0033】
この外れ止め60は、
図3に示すように、複数設けられる。複数の外れ止め60は、軸方向Aに並ぶように配置される。外れ止め60の数は、シーブ50の数よりも1だけ多い数である。
図3に示す例では、外れ止め60の数は3である。1つのシーブ50に着目したときに、このシーブ50と軸方向Aに隣り合う2つの外れ止め60・60を、左側外れ止め60L、および右側外れ止め60Rとする。
【0034】
左側外れ止め60Lは、シーブ外周部51に沿うように配置される(
図2および
図3参照)。左側外れ止め60Lは、シーブ50よりも軸方向A外側の一方側(例えば左側)に配置される。右側外れ止め60Rは、シーブ外周部51に沿うように配置される。右側外れ止め60Rは、シーブ外周部51よりも軸方向A外側の両側(左右)のうち、左側外れ止め60Lが設けられる側とは反対側(例えば右側)に配置される。左側外れ止め60Lおよび右側外れ止め60Rは、軸方向Aの間隔を互いにあけるように配置される(後述)。複数の外れ止め60のそれぞれは、互いに同様に構成される。以下では、主に、使用状態の1つの外れ止め60について説明する。
【0035】
この外れ止め60は、
図2に示すように、シーブ外周部51に沿うように、シーブ外周部51よりも径方向R外側に配置される。外れ止め60の径方向Rにおける位置は、ロープ23がシーブ50から外れようとしたときにロープ23が外れ止め60に接触するような位置である。
【0036】
この外れ止め60は、シーブ50の前側X1部分から、シーブ50の上側Z1部分までの連続した範囲で、シーブ50からロープ23が外れることを抑制するように構成される。この「シーブ50の上側Z1部分」は、シーブ50の上下方向Z中央部よりも上側Z1の部分であり、シーブ50の最も上側Z1の部分である必要はない。「シーブ50の前側X1部分」は、シーブ50の前後方向X中央部よりも前側X1の部分であり、シーブ50の最も前側X1の部分である必要はない。外れ止め60は、シーブ50の前側X1部分から、シーブ50の上側Z1部分までの連続した範囲で、シーブ外周部51に沿うように配置される。外れ止め60は、シーブ50の下側Z2部分で、シーブ外周部51に沿うように配置されてもよい。外れ止め60は、シーブ50の後側X2部分で、シーブ外周部51に沿うように配置されてもよい。
【0037】
この外れ止め60の一部は、フレーム連結部45とシーブ外周部51との、径方向Rにおける間に配置されてもよい。外れ止め60のうち、フレーム連結部45とシーブ外周部51との、径方向Rにおける間に配置される部分は、例えば、外れ止め60の上側Z1端部などである。
【0038】
この外れ止め60は、外れ止め支持部61と、外れ止め本体部63と、着脱部支持部65と、外れ止め側着脱部67と、を備える。
【0039】
外れ止め支持部61は、フレーム側外れ止め支持部47に取り付けられる。外れ止め支持部61は、フレーム40に対して外れ止め60が、軸方向Aに延びる回転軸を中心に回転可能となるように、フレーム40に取り付けられる。具体的には例えば、フレーム側外れ止め支持部47が円柱状の場合、外れ止め支持部61は、フレーム側外れ止め支持部47に通される円筒状などである。
【0040】
外れ止め本体部63は、外れ止め60の本体部分である。外れ止め本体部63は、ロープ23がシーブ50から横方向Yに外れようとしたときに、ロープ23が接触可能に構成(配置)される部分である。例えば、
図3に示すように、外れ止め本体部63は、外れ止め本体第1部分63aと、外れ止め本体第2部分63cと、外れ止め本体連結部63eと、を備える。
【0041】
外れ止め本体第1部分63aは、
図2に示すように、シーブ外周部51に沿うように配置される。外れ止め本体第1部分63aは、シーブ外周部51に沿って延びるように設けられる。例えば、外れ止め本体第1部分63aは、棒状でもよく、板状でもよい。外れ止め本体第1部分63aは、シーブ回転軸αを中心とする円弧状または略円弧状である。この場合、外れ止め本体第1部分63aの半径は、シーブ外周部51の半径と略同じである。外れ止め本体第1部分63aの径方向R外側部分(外周部分)の半径は、シーブ外周部51の半径よりも大きい。外れ止め本体第1部分63aは、外れ止め60の周方向Cの一方の端から他方の端にわたって設けられる。具体的には、外れ止め本体第1部分63aは、外れ止め支持部61から、外れ止め60の上側Z1の端部にわたって設けられる。例えば、外れ止め本体第1部分63aの上側Z1端部は、シーブ50とフレーム連結部45との間の位置に設けられる。
【0042】
外れ止め本体第2部分63cは、
図3に示すように、外れ止め本体第1部分63aとほぼ同様に構成される。外れ止め本体第2部分63cは、外れ止め本体第1部分63aと軸方向Aに並ぶように配置される。外れ止め本体第2部分63cは、外れ止め本体第1部分63aと軸方向Aに対向する位置に配置される。外れ止め本体第2部分63cは、軸方向Aから見たときに外れ止め本体第1部分63aと重なるように配置される。外れ止め本体第2部分63cは、外れ止め本体第1部分63aと軸方向Aに間隔をあけて配置される。
【0043】
外れ止め本体連結部63eは、外れ止め本体第1部分63aと外れ止め本体第2部分63cとを軸方向Aに連結する。外れ止め本体連結部63eは、外れ止め本体第1部分63aと外れ止め本体第2部分63cとを一体的に互いに固定する。
図6に示すように、外れ止め本体連結部63eが設けられることにより、周方向Cから見た外れ止め本体部63の断面形状は、外れ止め本体部63の横方向Yの力に対する剛性(横剛性)を向上させることができる形状となる。
【0044】
(横剛性の詳細)
さらに詳しくは、ロープ23がシーブ50から外れようとすると、ロープ23が、外れ止め本体部63に接触し、外れ止め本体部63を横方向Yに押す。すると、外れ止め本体部63は、ロープ23から横方向Yの力を受ける。外れ止め本体部63は、この横方向Yの力を、外れ止め本体第1部分63a、外れ止め本体第2部分63c、および外れ止め本体連結部63eで一体的に受けることができる。よって、外れ止め本体連結部63eが設けられない場合に比べ、外れ止め本体部63の横方向Yへの変形が抑制される。よって、シーブ50からロープ23が外れることが抑制される。
【0045】
この外れ止め本体連結部63eは、外れ止め本体第1部分63aおよび外れ止め本体第2部分63cの、径方向R外側(径方向Rについては
図2を参照)の面どうしを連結してもよい。外れ止め本体連結部63eは、外れ止め本体第1部分63aおよび外れ止め本体第2部分63cの、径方向R内側の面どうしを連結してもよく、径方向R中央部どうしを連結してもよい。例えば、
図2に示す外れ止め本体連結部63eは、板状でもよく、周方向Cおよび横方向Yに延びるように設けられてもよい。外れ止め本体連結部63eは、板状でなくてもよく、ブロック状などでもよい。
【0046】
この外れ止め本体連結部63eの数および配置は、様々に設定可能である。外れ止め本体連結部63eは、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。外れ止め本体連結部63eが複数設けられる場合は、複数の外れ止め本体連結部63eは、周方向Cに間隔をあけて配置されてもよい。
図2に示す例では、外れ止め本体連結部63eは、3つ設けられる。具体的には例えば、外れ止め本体連結部63eは、上部外れ止め本体連結部63e1と、中央外れ止め本体連結部63e2と、下部外れ止め本体連結部63e3と、を備える。
【0047】
上部外れ止め本体連結部63e1は、外れ止め本体部63の上側Z1部分に固定される。例えば、上部外れ止め本体連結部63e1は、フレーム連結部45とシーブ外周部51との、径方向Rにおける間に配置される。中央外れ止め本体連結部63e2は、上部外れ止め本体連結部63e1よりも下側Z2に配置される。例えば、中央外れ止め本体連結部63e2は、外れ止め本体部63の前側X1かつ下側Z2の部分に固定される。下部外れ止め本体連結部63e3は、外れ止め本体部63の下側Z2部分に固定される。例えば、下部外れ止め本体連結部63e3は、外れ止め支持部61の近傍に配置される。
【0048】
着脱部支持部65は、外れ止め本体部63に対して外れ止め側着脱部67を支持する。例えば、着脱部支持部65は、外れ止め本体部63から径方向R外側に突出する。例えば、着脱部支持部65は、外れ止め本体連結部63e(さらに詳しくは上部外れ止め本体連結部63e1)から、径方向R外側に突出する。例えば、着脱部支持部65は、板状部材を組み合わせたものでもよく、ブロック状などでもよい。
図4に示す例では(二点鎖線で示す着脱部支持部65を参照)、着脱部支持部65は、径方向外側突出部65aと、連結板部65bと、を備える。径方向外側突出部65aは、上部外れ止め本体連結部63e1から径方向R外側に突出し、横方向Yに互いに対向する2枚の板(
図3参照)などである。連結板部65bは、径方向外側突出部65aの前側X1および上側Z1部分どうしを連結する1枚の板などである。
【0049】
外れ止め側着脱部67は、フレーム40に着脱可能に(取り付けおよび取り外し可能に)取り付けられる。例えば、外れ止め側着脱部67は、外れ止め固定ピン71が外れ止め側着脱部67に着脱されることで、フレーム40に周方向Cに着脱可能に構成される。外れ止め側着脱部67は、外れ止め固定ピン71を取り付け可能なピン孔を備える(
図5参照)。例えば、外れ止め側着脱部67は、外れ止め60の上側Z1部分に設けられる。外れ止め側着脱部67は、着脱部支持部65から周方向Cに突出し、着脱部支持部65からフレーム連結部45に向かって突出する。外れ止め側着脱部67は、フレーム連結部45に接触可能に配置される。外れ止め側着脱部67は、フレーム連結部45に周方向Cに突き当てることが可能に配置される。外れ止め側着脱部67は、フレーム側着脱部49と対向するように配置される。外れ止め側着脱部67は、フレーム側着脱部49と径方向Rに対向するように配置される。例えば、外れ止め側着脱部67は、板状でもよく、周方向Cおよび横方向Yに延びるように設けられてもよい。外れ止め側着脱部67は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。例えば、2つの外れ止め側着脱部67・67の間(例えば径方向Rにおける間)に、フレーム側着脱部49が配置されてもよい。例えば、2つのフレーム側着脱部49の間(例えば径方向Rにおける間)に、1つの外れ止め側着脱部67が配置されてもよい。
【0050】
外れ止め固定ピン71は、フレーム40と外れ止め60とを着脱可能に連結する。さらに詳しくは、外れ止め固定ピン71は、フレーム側着脱部49と外れ止め側着脱部67とを着脱可能に連結する。外れ止め固定ピン71は、例えば略棒状であり、例えば略円柱状などである。例えば、外れ止め固定ピン71によるフレーム40と外れ止め60とを連結する方向(外れ止め固定ピン71の連結方向)は、径方向Rである。外れ止め固定ピン71の連結方向は、外れ止め固定ピン71の長手方向(中心軸方向)である。さらに詳しくは、外れ止め固定ピン71の連結方向は、フレーム40と外れ止め60との着脱方向(周方向C)に交差する方向である。
図5に示すように、外れ止め固定ピン71の連結方向は、シーブ50からロープ23(
図6参照)が横方向Yに外れようとしたときに、ロープ23から外れ止め60に作用する力の向き(すなわち横方向Y)に交差する方向である。外れ止め固定ピン71は、フレーム側着脱部49および外れ止め側着脱部67のそれぞれのピン孔に差し込まれる。外れ止め固定ピン71には、抜止ピン73が取り付けられてもよい。抜止ピン73は、フレーム側着脱部49および外れ止め側着脱部67から外れ止め固定ピン71が抜けることを防ぐピンである。外れ止め固定ピン71によってフレーム40と外れ止め60とが着脱されるので、この着脱の作業に工具が用いられる必要はない。なお、フレーム40と外れ止め60との着脱の作業に、工具が必要であってもよい。フレーム40と外れ止め60とが、工具が必要な締結部材(例えばボルト、ナットなど)により着脱可能に連結されてもよい。
【0051】
シーブ外側部材80は、
図4に示すように、シーブ50の径方向R外側に配置される部材である。シーブ外側部材80は、フレーム40に取り付けられ、フレーム40に固定される。シーブ外側部材80は、シーブ外周部51よりも径方向R外側、かつ、シーブ外周部51と径方向Rに対向する位置に配置される(
図3参照)。
図3に示すように、シーブ外側部材80は、シーブ外周部51の軸方向A外側の両端部よりも軸方向A内側に収まるように(シーブ外周部51と径方向Rに対向する位置に収まるように)配置される。シーブ外側部材80は、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの軸方向Aにおける間に配置される。シーブ外側部材80は、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rが設けられた周方向Cにおける範囲C60(
図1参照)内に配置される。例えば、
図4に示すように、シーブ外側部材80の一部は、軸方向Aから見たときに外れ止め60に重なる位置に配置されてもよい。なお、シーブ外側部材80は、例えば、フレーム連結部45の径方向R内側の面よりも径方向R内側の範囲R80で、上記のように配置されればよい。シーブ外側部材80は、例えば範囲R80の外側では、どのように配置されてもよい。例えば、シーブ外側部材80は、シーブ外側装置支持部81と、シーブ外側装置83と、を備える。
【0052】
シーブ外側装置支持部81は、フレーム40に対してシーブ外側装置83を支持する。例えば、シーブ外側装置支持部81は、フレーム連結部45に取り付けられ、フレーム連結部45に固定される。シーブ外側装置支持部81は、フレーム連結部45の径方向R外側の面に取り付けられる。例えば、シーブ外側装置支持部81は、板状でもよく、ブロック状などでもよい。
図4に示す例では、シーブ外側装置支持部81は、周方向突出部81aと、径方向内側突出部81bと、を備える。周方向突出部81aは、フレーム連結部45から周方向Cおよび前側X1に突出する。径方向内側突出部81bは、周方向突出部81aの前側X1端部から径方向R内側に延びるように設けられる。
【0053】
シーブ外側装置83は、シーブ50の径方向R外側に配置される装置である。シーブ外側装置83は、シーブ外側装置支持部81に取り付けられる(支持される)。例えば、シーブ外側装置83は、径方向内側突出部81bから径方向R内側に突出する。
【0054】
このシーブ外側装置83は、例えばリミットスイッチであり、例えば過巻防止のためのリミットスイッチである。シーブ外側装置83がリミットスイッチである理由は、例えば次の通りである。
図1に示す作業機械1が低空頭での作業を行う際は、ブーム13の高さが制限され、吊荷17の揚程が制限される。そこで、吊荷17の揚程をできるだけ大きくするために、ロープ接続部材25が、シーブ50の高さまで巻き上げられる場合がある。そのため、ロープ接続部材25の巻き上げすぎ(過巻)を検出し、過巻を防ぐ必要がある。そこで、過巻防止のためのリミットスイッチであるシーブ外側装置83(
図4参照)が設けられる。この場合、ロープ接続部材25が所定高さまで巻き上げられると、リミットスイッチであるシーブ外側装置83にロープ接続部材25が接触し、ロープ接続部材25の過巻が検出される。なお、
図4に示すシーブ外側装置83は、過巻防止のためのリミットスイッチでなくてもよい。以下では、シーブ外側装置83がリミットスイッチである場合について説明する。シーブ外側装置83は、検知部支持部83aと、検知部83bと、を備える。
【0055】
検知部支持部83aは、検知部83bを支持する。検知部支持部83aは、フレーム40に対して固定される。検知部支持部83aは、シーブ外側装置支持部81に固定される。検知部支持部83aは、例えば、径方向内側突出部81bに固定される。
【0056】
検知部83bは、接触を検知する部分である。検知部83bの径方向Rにおける位置は、次のように配置される。検知部83bの径方向Rにおける位置は、ロープ23がシーブ50に適切に掛けられた状態ではロープ23が検知部83bに接触しないように、かつ、巻き上げられ過ぎたロープ接続部材25(
図1参照)は検知部83bに接触するように設定される。検知部83bは、検知部支持部83aに対して可動である。ロープ23がシーブ50に配索される(掛けられる、仕込まれる)際に、ロープエンド23eが検知部83bに接触しても構わない(検知部83bはロープ23の配索を妨げない)。
【0057】
(スペースS)
図6に示すように、左側外れ止め60Lおよび右側外れ止め60Rは、スペースSを形成するように、軸方向Aの間隔を互いにあけるように配置される。右側外れ止め60Rと左側外れ止め60Lとを横方向Yに連結する部材(横渡し材)は、設けられない。
【0058】
スペースSは、ロープ23をシーブ50に配索する作業が行われる際に、この作業の作業スペースとなるような位置に設けられる。スペースSは、外れ止め60が使用状態のままで、ロープ23をシーブ50に配索できるような位置に設けられる。スペースSは、ロープエンド23e(
図2参照)がロープ23の径よりも太い場合でも、外れ止め60が使用状態のままで、ロープ23をシーブ50に配索できるような位置に設けられる。具体的には、スペースSは、左側外れ止め60Lおよび右側外れ止め60Rの横方向Yにおける間に配置される。スペースSは、シーブ外周部51よりも径方向R外側、かつ、シーブ外周部51と径方向Rに対向する位置に設けられる。
【0059】
スペースSの横方向Yの幅を、スペース幅Saとする。スペース幅Saは、右側外れ止め60Rと左側外れ止め60Lとの横方向Yにおける距離(間隔)である。スペース幅Saは、シーブ50からのロープ23の脱落を外れ止め60が抑制でき、かつ、スペースSの広さを確保できるように設定される。具体的には例えば、スペース幅Saは、シーブ50の凹部51aの軸方向Aにおける幅以上に設定される。例えば、スペース幅Saは、シーブ外周部51の軸方向Aにおける幅以上に設定される。例えば、スペース幅Saは、シーブ外周部51の軸方向Aにおける幅と同じ大きさに設定される。
【0060】
スペースSは、例えば、フレーム連結部45とシーブ外周部51との径方向Rにおける間の位置に設けられる。すなわち、左側外れ止め60Lおよび右側外れ止め60Rは、フレーム連結部45とシーブ外周部51との間にスペースSを形成するように構成される。このようにスペースSが設けられる理由の例は、次の通りである。ロープ23のシーブ50への配索時には、ロープ23が、側部フレーム41と、フレーム連結部45と、シーブ外周部51と、に囲まれた領域Tに通される。そして、ロープ23が、シーブ外周部51の、上側Z1および前側X1の部分に掛けられる(
図1参照)。そこで、外れ止め60が使用状態でもロープエンド23e(
図2参照)が領域Tを通ることができるように、領域TにスペースSが設けられる。このとき、
図2に示すソケット23e1がロープ23から取り外されなくても、また、ロープ23に加締め部23e2が設けられていても、
図6に示す領域Tをロープエンド23eが通ることができるように、領域TにスペースSが設けられる。
【0061】
スペースSは、
図4に示すフレーム連結部45とシーブ外周部51との径方向Rにおける間の位置とは異なる位置に設けられてもよい。例えば、スペースS(
図6参照)は、シーブ50の上側Z1部分、および、シーブ50の前側X1部分に設けられる。この場合、シーブ50の上側Z1部分、および、シーブ50の前側X1部分でも、
図5に示す右側外れ止め60Rと左側外れ止め60Lとを横方向Yに連結する部材(横渡し材)は、設けられない。この場合、
図4に示す外れ止め60が使用状態でも、シーブ外周部51の上側Z1部分および前側X1部分に、ロープ23を配索することができる。
【0062】
なお、スペースS(
図6参照)は、
図2に示すシーブ外周部51のうちロープ23が掛けられない部分に設けられる必要はない。具体的には例えば、スペースS(
図6参照)は、シーブ外周部51の下側Z2部分に設けられる必要はない。シーブ外周部51の下側Z2部分では、左側外れ止め60L(
図5参照)と右側外れ止め60R(
図5参照)との間に横渡し材が設けられてもよい。
【0063】
(外れ止め60の使用状態から非使用状態への変化)
例えば以下のように、
図2に示す外れ止め60が使用状態から非使用状態に変えられる。外れ止め固定ピン71が、フレーム40および外れ止め60から取り外される。外れ止め60が、外れ止め支持部61を中心に回転させられる。さらに詳しくは、外れ止め60が、外れ止め支持部61を中心に、軸方向Aに延びる回転軸を中心に、外れ止め60の上側Z1部分が前側X1に移動する向きに、回転させられる。すると外れ止め60が、シーブ50に対して開かれる。さらに詳しくは、外れ止め側着脱部67が、フレーム側着脱部49から、周方向Cおよび前側X1に離れる。すると、外れ止め本体部63の上側Z1部分および前側X1部分が、シーブ外周部51から、前側X1および径方向R外側に離れる。その結果、外れ止め60が非使用状態になる。
【0064】
(外れ止め60とシーブ外側部材80とが干渉しない)
上記のように、
図5に示すように、シーブ外側部材80は、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの軸方向Aにおける間に配置される。さらに詳しくは、シーブ外側部材80は、範囲R80(
図4参照)内では、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの軸方向Aにおける間に収まるように配置される。よって、外れ止め60が使用状態から非使用状態に変化するとき、シーブ外側部材80がフレーム40に取り付けられた状態でも、外れ止め60とシーブ外側部材80とが干渉しない。このとき、外れ止め60は、シーブ外側部材80に対して横方向Yにずれた位置を移動する。よって、外れ止め60を使用状態から非使用状態に変化させる作業を行うために、フレーム40からシーブ外側部材80が取り外される必要が無い。よって、フレーム40からシーブ外側部材80
を取り外す作業工程を省略でき、作業時間を削減することができる。
【0065】
外れ止めが非使用状態から使用状態に変えられる作業は、使用状態から非使用状態に変えられる作業とは逆の手順により行われる。
【0066】
(第1の発明の効果)
図1に示すシーブ装置30による効果は次の通りである。シーブ装置30は、フレーム40と、シーブ50と、
図3に示す複数の外れ止め60と、シーブ外側部材80と、を備える。シーブ50は、フレーム40に回転可能に取り付けられ、ロープ23を掛けることが可能に構成される。複数の外れ止め60は、シーブ50からロープ23が外れることを抑制するように構成される。シーブ外側部材80は、フレーム40に取り付けられる。複数の外れ止め60は、左側外れ止め60Lと、右側外れ止め60Rと、を備える。左側外れ止め60Lは、シーブ50のシーブ外周部51に沿うように配置され(
図2参照)、シーブ外周部51よりも軸方向A(シーブ軸方向)外側の一方側に配置される。右側外れ止め60Rは、シーブ外周部51に沿うように配置され、シーブ外周部51よりも軸方向A外側両側のうち左側外れ止め60Lが設けられる側とは反対側に配置される。
【0067】
[構成1-1]
図2に示すように、左側外れ止め60Lおよび右側外れ止め60Rのそれぞれは、フレーム40に着脱可能に取り付けられる。
【0068】
[構成1-2]
図6に示すように、左側外れ止め60Lおよび右側外れ止め60Rは、スペースSを形成するように、軸方向Aの間隔を互いにあけるように配置される。スペースSは、シーブ外周部51よりも径方向R(シーブ径方向)(径方向Rについては
図2参照)外側かつシーブ外周部51と径方向Rに対向する位置に配置される。
【0069】
[構成1-3]
図3に示すように、シーブ外側部材80は、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの軸方向Aにおける間に配置される。シーブ外側部材80は、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとが設けられた周方向C(シーブ周方向)における範囲C60(
図1参照)内に配置される。
【0070】
上記[構成1-2]により、
図6に示すシーブ50にロープ23が配索される際に、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの間のスペースSにロープ23を容易に通すことができる。このとき、
図4に示す外れ止め60(具体的には外れ止め側着脱部67)がフレーム40に取り付けられた状態でも、
図6に示すスペースSにロープ23を容易に通すことができる。よって、このスペースSが設けられない場合に比べ、シーブ50へのロープ23の配索の作業性を向上させることができる。
【0071】
例えば、
図2に示すロープ本体部23aの直径方向におけるロープエンド23eの大きさが、ロープ23の直径よりも大きい場合がある。この場合に、周方向Cから見たときの、
図6に示すスペースSの大きさを、ロープエンド23eの大きさよりも大きく設定した場合は、外れ止め60がフレーム40に取り付けられた状態でも、スペースSにロープエンド23eを容易に通すことができる。
【0072】
上記[構成1-3]では、
図3に示すように、シーブ外側部材80は、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの軸方向Aにおける間、かつ、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rが設けられた周方向Cにおける範囲C60(
図1参照)内に配置される。そのため、仮に、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの間に横渡し材が設けられていれば、外れ止め60がフレーム40に対して着脱(上記[構成1-1]参照)されたときに、シーブ外側部材80と横渡し材とが干渉する可能性がある。一方、上記[構成1-2]では、左側外れ止め60Lおよび右側外れ止め60Rが、スペースS(
図6参照)を形成するように、軸方向Aの間隔を互いにあけるように配置される。よって、外れ止め60がフレーム40に対して着脱される際に、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの軸方向Aの間に、シーブ外側部材80を配置させることができる。よって、外れ止め60がフレーム40に対して着脱される際の、外れ止め60とシーブ外側部材80との干渉を抑制することができる。よって、シーブ外側部材80がフレーム40から取り外されなくても、フレーム40に対して外れ止め60を着脱することができる。よって、フレーム40に対する外れ止め60の着脱の作業性を向上させることができる。
【0073】
したがって、シーブ装置30では、シーブ装置30に関する作業の作業性を向上させることができる。
【0074】
(第2の発明の効果)
フレーム40は、複数の側部フレーム41・41と、フレーム連結部45と、を備える。複数の側部フレーム41・41は、軸方向Aに対向するように配置され、シーブ50よりも軸方向A外側に配置される。フレーム連結部45は、複数の側部フレーム41・41どうしを連結し、シーブ50よりも径方向R外側に配置される(
図2参照)。
【0075】
[構成2]
図6に示すように、左側外れ止め60Lおよび右側外れ止め60Rは、フレーム連結部45とシーブ外周部51との間にスペースSを形成するように構成される。
【0076】
上記[構成2]により、次の効果が得られる。ロープ23がシーブ50に配索される際には、ロープ23は、側部フレーム41とフレーム連結部45とシーブ外周部51とに囲まれた領域Tに通される。上記[構成2]では、領域TにスペースSが設けられる。よって、ロープ23を、領域TのスペースSに容易に通すことができる。よって、シーブ50へのロープ23の配索の作業性をより向上させることができる。
【0077】
(第3の発明の効果)
[構成3]
図2に示すように、シーブ50は、フレーム40の前側X1(フレーム前側)の部分に取り付けられる。複数の外れ止め60は、シーブ50の前側X1の部分から上側Z1(フレーム上側)の部分までの連続した範囲で、シーブ外周部51に沿うように配置される。
【0078】
上記[構成3]により、次の効果が得られる。ロープ23は、少なくとも、シーブ50の前側X1部分から上側Z1部分までの連続した範囲に掛けられる(
図1参照)。上記[構成3]では、シーブ50のうちロープ23が掛けられる範囲に、外れ止め60が配置される。よって、シーブ50からロープ23が外れることを抑制することができる。
【0079】
(第4の発明の効果)
[構成4]
図6に示すように、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの軸方向Aの間隔(スペース幅Sa)は、シーブ50の前側X1の部分から上側Z1の部分までの範囲で、シーブ外周部51の軸方向Aにおける幅と同じ大きさである。
【0080】
上記[構成4]により、左側外れ止め60Lと右側外れ止め60Rとの軸方向Aの間隔(スペース幅Sa)が広すぎることがない。よって、スペース幅Saが広すぎる場合に比べ、シーブ50からロープ23が外れることを抑制することができる。
【0081】
(第5の発明の効果)
[構成5]
図4に示すシーブ外側部材80は、ロープ23の過巻を検出するためのリミットスイッチを備える。
【0082】
上記[構成5]により、ロープ23の過巻を検出することができる。その結果、ロープ23の過巻による問題を抑制することができる。上記「ロープ23の過巻による問題」には、例えば、ロープ接続部材25(
図1参照)とフレーム連結部45とが干渉し、ロープ接続部材25およびフレーム連結部45の少なくともいずれかが損傷や破損することなどがある。
【0083】
(第6の発明の効果)
[構成6]
図3に示すように、外れ止め60は、外れ止め本体第1部分63aと、外れ止め本体第2部分63cと、外れ止め本体連結部63eと、を備える。外れ止め本体第1部分63aは、シーブ外周部51に沿うように配置される(
図2参照)。外れ止め本体第2部分63cは、外れ止め本体第1部分63aと軸方向Aに間隔をあけて配置され、外れ止め本体第1部分63aと軸方向Aに対向する位置に配置される。
図6に示すように、外れ止め本体連結部63eは、外れ止め本体第1部分63aと外れ止め本体第2部分63cとを軸方向Aに連結する。
【0084】
上記[構成6]により、次の効果が得られる。ロープ23がシーブ50から横方向Yに外れようとすると、ロープ23が外れ止め60に接触する。そのため、外れ止め60は、ロープ23から横方向Yの荷重を受ける。そこで、外れ止め60は、上記[構成6]を備える。よって、ロープ23から受ける横方向Yの荷重を、外れ止め本体第1部分63a、外れ止め本体第2部分63c、および外れ止め本体連結部63eで受けることができる。例えば、ロープ23が外れ止め本体第1部分63aに接触した場合は、ロープ23から受ける横方向Yの荷重を、外れ止め本体第1部分63aだけでなく、外れ止め本体第2部分63cでも支持することができる。よって、外れ止め60の横方向Y力に対する剛性を向上させることができる。よって、外れ止め60の横方向Yへの変形を抑制することができる。その結果、ロープ23がシーブ50から外れることをより抑制することができる。
【0085】
(第7の発明の効果)
[構成7]
図4に示すように、シーブ装置30は、フレーム40と外れ止め60とを径方向Rに連結する外れ止め固定ピン71を備える。外れ止め60は、外れ止め固定ピン71が着脱されることで、フレーム40に周方向Cに着脱可能に構成される。
【0086】
上記[構成7]により、次の効果が得られる。外れ止め60は、フレーム40に周方向Cに着脱可能である。そして、外れ止め固定ピン71は、フレーム40と外れ止め60とを径方向R(周方向Cに交差する方向)に連結する。よって、フレーム40に対して外れ止め60が外れようとする周方向Cの力を、外れ止め固定ピン71が受け止めることができる。
【0087】
また、
図5に示す外れ止め60は、ロープ23から軸方向A(横方向Y)の荷重を受ける(上記「第6の発明の効果」を参照)。ここで、
図4に示すように、外れ止め固定ピン71は、フレーム40と外れ止め60とを径方向R(軸方向Aに交差する方向)に連結する。よって、ロープ23から外れ止め60が受ける軸方向Aの力を、外れ止め固定ピン71が受け止めることができる。
【0088】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要素(変形例を含む)の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、上記実施形態の変形例どうしが様々に組み合わされてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。例えば、各構成要素は、各特徴(作用機能、配置、形状、作動など)の一部のみを有してもよい。
【符号の説明】
【0089】
23 ロープ
30 シーブ装置
40 フレーム
41 側部フレーム
45 フレーム連結部
50 シーブ
51 シーブ外周部
60 外れ止め
60L 左側外れ止め
60R 右側外れ止め
63a 外れ止め本体第1部分
63c 外れ止め本体第2部分
63e 外れ止め本体連結部
71 外れ止め固定ピン
80 シーブ外側部材
A 軸方向(シーブ軸方向)
C 周方向(シーブ周方向)
R 径方向(シーブ径方向)
S スペース
X1 前側(フレーム前側)
Z1 上側(フレーム上側)