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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】制御装置、測定器、及び防露方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/53 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
G01N21/53 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022057653
(22)【出願日】2022-03-30
(65)【公開番号】P2023149214
(43)【公開日】2023-10-13
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217113
【弁理士】
【氏名又は名称】高坂 晶子
(72)【発明者】
【氏名】客野 智彦
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-232507(JP,A)
【文献】特開平10-88935(JP,A)
【文献】特開2015-31415(JP,A)
【文献】特開2016-217886(JP,A)
【文献】特開2021-6755(JP,A)
【文献】特開2010-8617(JP,A)
【文献】特開2010-175364(JP,A)
【文献】特開2009-48316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/61
G01J 1/00-G01J 1/60
G01J 11/00
F24F 11/00-F24F 11/89
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一層構造の窓を有するチャンバであって、前記チャンバの外の空間に存在する測定対象の試料を経由して前記窓から前記チャンバの中に入射した光を受光する受光素子又は前記窓を通して前記試料に光を照射する光源を収容するチャンバの室内温湿度及び前記窓の、前記チャンバの内側における表面温度に応じて、前記窓の結露を防止するための防露処理を実行する制御部を備え、
前記制御部は、前記防露処理として、前記チャンバの内側に設置された防露装置を制御し、前記防露装置の稼働を開始する処理を実行し、
前記制御部は、前記防露処理として、前記窓の前記表面温度について前記防露装置を停止するための停止条件を設定し、前記防露処理を実行した後の、前記窓の、前記チャンバの内側における表面温度が前記停止条件を満たした場合に、前記防露装置を制御し、前記防露装置の稼働を停止する処理を実行し、
前記制御部は、前記チャンバの前記室内温湿度に基づいて、前記チャンバの内側の露点温度を算出し、前記停止条件として、前記表面温度に、前記防露処理が開始されてから効果があらわれるまでの時間内に前記表面温度が何度下降するかに応じて決定された余裕温度を加算した温度、あるいは前記露点温度の算出値に予め定められた比率を乗じた値を設定し、
前記制御部は、前記防露装置に含まれる部品の累積稼働時間をカウントし、カウントされた累積稼働時間が予め定義された部品の寿命時間に達したかどうかを判定した結果に応じて、交換が必要な部品が発生したことを通知するデータ又は当該部品の交換をユーザに促すデータを生成して出力する制御を行う、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記露点温度を前記窓の前記表面温度と比較することで、前記結露の予兆の有無又は前記結露の発生の有無を判定し、前記結露の予兆があるか又は前記結露が発生したと判定すると、前記防露処理を実行する請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記防露処理として、前記結露の予兆があること若しくは前記結露が発生したことをユーザに通知するデータ、又は前記結露を防止する対策を講じることを前記ユーザに促すデータを出力する処理を実行する請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記窓の前記表面温度から前記露点温度を引いた差分値が0より大きく閾値以下である場合に、前記結露の予兆があると判定し、前記差分値が前記閾値より大きい場合に、前記結露の予兆がないと判定する、請求項2又は請求項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記窓の前記表面温度が前記露点温度以下である場合に、前記結露が発生したと判定し、前記窓の前記表面温度が前記露点温度より大きい場合に、前記結露が発生していないと判定する、請求項2又は請求項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記チャンバの室内気圧に更に基づいて、前記露点温度を算出する、請求項から請求項のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記チャンバと、
前記受光素子又は前記光源と、
前記チャンバの前記室内温湿度及び前記窓の前記表面温度を測定するセンサ群と
を備える測定器。
【請求項8】
前記制御装置は、前記受光素子により受光された光に基づいて前記試料の濁度を測定する、請求項に記載の測定器。
【請求項9】
一層構造の窓を有するチャンバであって、前記チャンバの外の空間に存在する測定対象の試料を経由して前記窓から前記チャンバの中に入射した光を受光する受光素子又は前記窓を通して前記試料に光を照射する光源を収容するチャンバの内側で室内温湿度及び前記窓の表面温度を測定することと、
前記室内温湿度及び前記窓の表面温度の各測定値に応じて、前記窓の結露を防止するための防露処理を実行することと
を含む防露方法であって、
前記防露処理を実行することは、前記チャンバの内側に設置された防露装置を制御し、前記防露装置の稼働を開始する処理を実行することと、前記窓の前記表面温度について前記防露装置を停止するための停止条件を設定し、前記防露処理を実行した後の、前記窓の、前記チャンバの内側における表面温度が前記停止条件を満たした場合に、前記防露装置を制御し、前記防露装置の稼働を停止する処理を実行することとを含み、
前記防露方法は、
前記チャンバの前記室内温湿度に基づいて、前記チャンバの内側の露点温度を算出し、前記停止条件として、前記表面温度に、前記防露処理が開始されてから効果があらわれるまでの時間内に前記表面温度が何度下降するかに応じて決定された余裕温度を加算した温度、あるいは前記露点温度の算出値に予め定められた比率を乗じた値を設定することと、
前記防露装置に含まれる部品の累積稼働時間をカウントし、カウントされた累積稼働時間が予め定義された部品の寿命時間に達したかどうかを判定した結果に応じて、交換が必要な部品が発生したことを通知するデータ又は当該部品の交換をユーザに促すデータを生成して出力する制御を行うこととを更に含む、防露方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、測定器、及び防露方法に関する。
【背景技術】
【0002】
測定対象の試料を光学的に測定する測定器が知られている。そのような測定器として、例えば、工業用水などの被測定液を試料とし、当該試料の濁度を光学的に測定する濁度計が知られている。濁度は水の濁りの程度を表す指標である。濁度計に用いられる測定方式は、例えば、透過光方式、散乱光方式、透過散乱光方式、表面散乱光方式、及び積分球方式などに分類される。透過散乱光方式では、光源から被測定液に入射した光を、透過光と散乱光とに分けて検出する。表面散乱光方式では、被測定液面に光を当て、被測定液面からの散乱光を測定する。積分球方式では、透過光(又は全入射光)と、散乱光との強度の比を演算する。
【0003】
特許文献1には、透過散乱光方式の濁度計に関する技術が記載されている。特許文献2には、積分球式濁度計などの光学式水質測定装置に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-329629号公報
【文献】特開2006-153739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
濁度計などの測定器では、測定対象の試料と測定器が備える受光素子とは、例えば、ガラス又は樹脂などによって形成された窓によって分離される。試料を経由した光は、窓を介して受光素子に入射する。この窓に結露が発生すると、透過光及び散乱光などの光の光量が正確に測定されず、得られる濁度の測定値に誤差を生じる場合がある。
【0006】
これに対し、濁度が変化した場合に、その原因が濁質によるものか結露によるものかを特定して、測定誤差を修正することが考えられる。特許文献1に記載の技術では、濁度が変化した場合に、その原因が濁質によるものか結露によるものかを特定するには、例えば設備管理者などのユーザが窓を目視により観察する必要がある。
【0007】
特許文献2に記載の技術では、結露の発生状況にかかわらず窓の結露を防止するための防露対策が講じられる。よって、結露の発生していないときに講じられた防露対策が無駄になる。
【0008】
本開示の目的は、防露対策の効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
幾つかの実施形態に係る制御装置は、窓を有するチャンバであって、チャンバの外の空間に存在する測定対象の試料を経由して窓からチャンバの中に入射した光を受光する受光素子又は窓を通して試料に光を照射する光源を収容するチャンバの室内温湿度及び窓の、チャンバの内側における表面温度に応じて、窓の結露を防止するための防露処理を実行する制御部を備える。このような制御装置においては、結露の発生状況に影響を与えるチャンバの室内温湿度及び窓の表面温度に応じて防露処理が実行される。よって、窓を目視により観察しなくても、必要に応じて防露対策が講じられるので、防露対策の効率が向上する。
【0010】
一実施形態において、制御装置の制御部は、チャンバの室内温湿度に基づいて、チャンバの内側の露点温度を算出し、算出された露点温度を窓の表面温度と比較することで、結露の予兆の有無又は結露の発生の有無を判定し、結露の予兆があるか又は結露が発生したと判定すると、防露処理を実行する。このような実施形態によれば、結露の発生を前もって予測することができ、結露が発生する前に防露対策が講じられるので、結露の発生を防止することができる。よって、結露に起因する光学的測定の測定誤差の発生を防止することができる。あるいは、窓を目視により観察しなくても、結露の発生の有無を判定することができ、必要に応じて防露対策が講じられるので、防露対策の効率が向上する。
【0011】
一実施形態において、制御装置の制御部は、防露処理として、結露の予兆があること若しくは結露が発生したことをユーザに通知するデータ、又は結露を防止する対策を講じることをユーザに促すデータを出力する処理を実行する。このような実施形態によれば、ユーザは結露が発生することを前もって認識することができる。例えば、ユーザ自ら防露対策を講じることにより、チャンバの内側に防露装置が設置されていない場合でも、結露を防止することができる。あるいは、ユーザは窓を目視により観察しなくても、結露が発生したことを認識することができる。例えば、ユーザ自ら防露対策を講じることにより、チャンバの内側に防露装置が設置されていない場合でも、結露を除去することができる。
【0012】
一実施形態において、制御装置の制御部は、防露処理として、チャンバの内側に設置された防露装置を制御し、防露装置の稼働を開始する処理を実行する。このような実施形態によれば、結露が発生する前に自動的に防露対策が講じられるか、又は結露が発生すると自動的に防露対策が講じられるので、ユーザ自ら防露対策を講じる必要がない。さらに、必要に応じて防露装置が稼働するので、結露の発生状況にかかわらず防露処理を実行した場合と比べて、防露装置の稼働の無駄を抑制することができる。よって、防露対策の効率が向上する。
【0013】
一実施形態において、制御装置の制御部は、窓の表面温度について防露装置を停止するための停止条件を設定し、防露処理を実行した後の、窓の、チャンバの内側における表面温度が停止条件を満たした場合に、防露装置を制御し、防露装置の稼働を停止する処理を実行する。このような実施形態によれば、防露装置の無駄な稼働を抑制して運用コストを下げることができる。防露装置の稼働を停止することで防露装置の稼働時間を短縮することができ、防露装置で使用される消耗品の寿命を延命することができる。
【0014】
一実施形態において、制御装置の制御部は、窓の表面温度から露点温度を引いた差分値が0より大きく閾値以下である場合に、結露の予兆があると判定し、差分値が閾値より大きい場合に、結露の予兆がないと判定する。このような実施形態によれば、結露の予兆の有無が閾値との比較により判定されるため、複雑な処理が不要であり、処理効率が向上する。
【0015】
一実施形態において、制御装置の制御部は、窓の表面温度が露点温度以下である場合に、結露が発生したと判定し、窓の表面温度が露点温度より大きい場合に、結露が発生していないと判定する。このような実施形態によれば、結露の発生の有無が温度の比較により判定されるため、複雑な処理が不要であり、処理効率が向上する。
【0016】
一実施形態において、制御装置の制御部は、チャンバの室内気圧に更に基づいて、露点温度を算出する。このような実施形態によれば、チャンバの室内気圧の変動の影響を加味して露点温度が算出されるので、露点温度を更に精度よく算出することができる。
【0017】
幾つかの実施形態に係る測定器は、制御装置と、チャンバと、受光素子又は光源と、チャンバの室内温湿度及び窓の表面温度を測定するセンサ群とを備える。このような測定器においては、窓を目視により観察しなくても、必要に応じて防露対策を講じることができる。よって、防露対策の効率が向上する。
【0018】
一実施形態において、制御装置は、受光素子により受光された光に基づいて試料の濁度を測定する。このような実施形態によれば、必要に応じて防露対策を講じることができるので、防露対策の効率を向上させつつ、得られる濁度の測定値に誤差を生じさせうる結露の発生を抑制して、より精度よく濁度を測定することができる。
【0019】
幾つかの実施形態に係る防露方法は、窓を有するチャンバであって、チャンバの外の空間に存在する測定対象の試料を経由して窓からチャンバの中に入射した光を受光する受光素子又は窓を通して試料に光を照射する光源を収容するチャンバの内側で室内温湿度及び窓の表面温度を測定することと、室内温湿度及び窓の表面温度の各測定値に応じて、窓の結露を防止するための防露処理を実行することとを含む。このような防露方法においては、結露の発生状況に影響を与えるチャンバの室内温湿度及び窓の表面温度の各測定値に応じて防露処理が実行される。よって、窓を目視により観察しなくても、必要に応じて防露対策が講じられるので、防露対策の効率が向上する。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、防露対策の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の一態様としての測定器の外観例を示す図である。
図2】本開示の一態様としての測定器の構成例を示す図である。
図3】本開示の一態様としての測定器におけるチャンバの構成例を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
図5】本開示の実施形態に係る測定器の動作を示すフローチャートである。
図6】本開示の実施形態に係る露点温度の算出手順を説明するための換算表である。
図7】本開示の実施形態に係る防露方法により制御される防露装置の動作の例を示す図である。
図8】本開示の実施形態の変形例に係る測定器の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示について、図を参照して説明する。
【0023】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本開示の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0024】
図1から図3を参照して、本開示の一態様としての測定器10の構成例を説明する。
【0025】
本開示の一態様としての測定器10は、測定対象の試料41を経由して受光された光に基づいて濁度を測定する装置である。以下では、測定器10は、透過散乱光方式の濁度計であるとして説明する。
【0026】
測定器10は、本体40と、制御装置20と、チャンバERと、チャンバERに収容されている受光装置30、センサ群70、及び防露装置80と、光源装置50とを備える。本体40は、試料41としての被測定液が本体40の内部に流入する試料入口402と、流入した試料41が流出する試料出口401とを有する。
【0027】
光源装置50は、光源51及びレンズ52を備える。光源51は、例えば電球又はLEDである。「LED」は、light emitting diodeの略語である。
【0028】
受光装置30は、受光素子実装基板32と、受光素子実装基板32上に設置された1つ以上の受光素子31とを備える。図2において、3つの受光素子31が示されているが、受光素子31の数は、これに限定されず、受光信号の数及び種類に応じて任意に選択することができる。受光素子31は、受光した光を電流信号に変換する。受光素子31は、例えばフォトダイオードである。
【0029】
制御装置20は、コンピュータである。制御装置20は、図1の例では専用機器であるが、別の例として、モバイル機器若しくはPCなどの汎用機器、又はクラウドコンピューティングシステム若しくはその他のコンピューティングシステムに属するサーバ機器でもよい。「PC」は、personal computerの略語である。モバイル機器には、携帯電話機、スマートフォン、又はタブレットが含まれる。
【0030】
制御装置20は、例えば、受光装置30又はセンサ群70から取得した信号に基づく算出処理及び測定器10全体の制御処理などを行う。制御装置20は、例えば、受光装置30と通信を行い、受光装置30によって検出された光に基づく検出信号を受光装置30から取得する。制御装置20は、センサ群70と通信を行い、センサ群70により得られた測定値を取得する。制御装置20は、防露装置80と通信を行い、防露装置80の動作を制御する。通信は、図1の例ではケーブル11を介して行われるが、別の例として、無線で行われてもよいし、又はLAN若しくはインターネットなどのネットワークを介して行われてもよい。「LAN」は、local area networkの略語である。例えば、通信は、LTE、4G規格、若しくは5G規格などの移動通信規格、IEEE802.11などの無線LAN通信規格、又はEthernet(登録商標)などの有線LAN通信規格に対応した通信インタフェースを使用して行われてよい。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。「IEEE」は、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略称である。
【0031】
制御装置20は、測定器10の本体40を介して、受光装置30、センサ群70、及び防露装置80と接続されているが、本開示は、この構成に限定されず、制御装置20は、チャンバER内に収容され、受光装置30、センサ群70、及び防露装置80と直接接続されてもよい。あるいは、制御装置20は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータとして構成されて、遠隔に設置されてもよい。
【0032】
図2を参照して、測定器10の動作原理について説明する。
【0033】
測定器10において、本体40の内部を試料41が矢印Xの方向に通過する。光源装置50の光源51により試料41に対して照射された光は、レンズ52及び試料41を経由して受光装置30の受光素子31のそれぞれにより受光される。ここで、試料41に入射した光は、試料41を直線的に透過した透過光TL及び試料41に混入した物質によって散乱した散乱光SLとして、受光素子31により受光される。受光素子31により受光された光は、光の強度に応じた電流値を持つ電流信号に変換される。この電流信号は、例えばTIAなどの光受信機によって光の強度に応じた電圧値を持つ電圧信号に変換される。「TIA」はTransimpedance Amplifierの略語である。この電圧信号は、更にデジタル信号に変換されて制御装置20に出力される。制御装置20は、出力された信号に基づいて試料41の濁度を測定する。
【0034】
図3を参照して、チャンバERの構成例を説明する。
【0035】
図3において、チャンバERは、窓60を有し、受光素子実装基板32と、受光素子実装基板32上に設置された受光素子31とを備える受光装置30を収容する電気室として構成される。チャンバERの内側には、更に、センサ群70及び防露装置80が設置される。センサ群70は、チャンバERの室内温湿度を測定する温湿度センサ71及び窓60の、チャンバERの内側における表面温度を測定する温度センサ72を含む。図3において、温湿度センサ71は、受光素子実装基板32上に設置されているが、本開示は、この構成に限定されず、チャンバERの室内温湿度を測定可能であれば任意の構成を採用することができる。温湿度センサ71としては、例えば、汎用のデバイスを用いることができる。あるいは、温湿度センサ71として専用のデバイスを用いてもよい。窓60の表面温度を測定する温度センサ72は窓60の表面上に設置されているが、本開示は、この構成に限定されず、窓60の表面温度を測定可能であれば任意の構成を採用することができる。温度センサ72としては、例えば、接触型センサ又は非接触型センサなどの任意のセンサを用いることができ、本開示では、2種類の異なる金属導体で構成された熱電対を用いることができる。温湿度センサ71により得られた室内温湿度の測定値及び温度センサ72により得られた窓60の表面温度の測定値は、センサ群70から制御装置20に送信される。
【0036】
本開示において、窓60は、測定用の光学窓であり、チャンバERと試料41との境界に設けられる。この窓60がないと、チャンバERの内部に収容された受光装置30、センサ群70、及び防露装置80などの各電子機器は、試料41としての被測定液の水分若しくは水道水に含まれる塩素、又は周囲の腐食性ガスによって、劣化が加速する。よって、窓60を設けて、各電子機器が被測定液雰囲気に晒されないように隔離する。窓60は、試料41からの光をチャンバER内に入射可能とするものであれば、任意の構成を採用することができ、例えば、ガラス又は樹脂などを用いて形成することができる。
【0037】
図3において、受光素子31は、チャンバERの外の空間に存在する測定対象の試料41を経由して窓60からチャンバERの中に入射した光を受光する。図3では、受光素子31は1つのみ図示されているが、実際には受光素子31は3つ設けられている。ただし、上述のように、受光素子31の数はこれに限定されず、受光信号の数及び種類に応じて任意に選択することができる。
【0038】
防露装置80は、窓60の表面上に発生する結露を防止可能であれば任意のものを採用することができる。防露装置80としては、例えば、窓60に乾燥空気を吹き付ける機能を有する結露防止用ヒータ、窓60上に配線して発熱し、窓60の表面温度を上昇させることにより結露の発生を防止する熱線ヒータ、あるいは窓60に設けた熱源部である膜ヒータなどを用いることができる。膜ヒータの構成は、例えば、特開2022-012984号公報に記載されている。本開示において、防露装置80は制御装置20により制御され、窓60の表面温度を上昇させることにより結露を防止する。
【0039】
以下では、本開示の具体例としての一実施形態について説明する。
【0040】
図3を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0041】
センサ群70は、チャンバERの内側で室内温湿度及び窓60の表面温度を測定する。制御装置20は、センサ群70から室内温湿度及び窓60の表面温度の各測定値を取得する。制御装置20は、取得された各測定値に応じて、窓60の結露を防止するための防露処理を実行する。すなわち、制御装置20は、チャンバERの室内温湿度及び窓60の、チャンバERの内側における表面温度に応じて、窓60の結露を防止するための防露処理を実行する。
【0042】
測定器10において、試料41の温度とチャンバER内の温度との間に差がある場合、特に、試料41の温度がチャンバER内の温度よりも低い場合には、試料41によって窓60が冷やされて表面温度が低下する。窓60の表面温度が低下すると、チャンバER内の空気中の水分によって窓60の表面に結露が発生する虞がある。窓60に結露が発生した場合、透過光TL又は散乱光SLの光量を正確に測定できず、測定された濁度に誤差が生じることとなる。これは、窓60に付着した結露が濁質の一部として捉えられてしまうからである。濁度値が上昇した場合に、例えば作業者などのユーザが窓60を目視により観察して結露に起因する誤差が生じたかどうかを判断することが考えられるが、手間がかかる。ユーザが経験則に従って結露に起因する誤差が生じたかどうかを判断することも考えられるが、正確な判断が難しい。
【0043】
また、防露対策にはコストがかかるものもあり、結露が発生していないのに防露対策を行えば、コストが無駄になる。また、防露装置80に含まれている部品又は材料の寿命を無駄に削ることとなる。
【0044】
本実施形態では、チャンバERの室内温湿度及び窓60の表面温度に応じて防露処理が実行される。つまり、必要に応じて防露装置80が動作する。本実施形態によれば、窓60を目視により観察しなくても、必要に応じて防露対策が講じられるので、手間が省けるとともに防露対策の効率が向上する。
【0045】
図4を参照して、本実施形態に係る制御装置20の構成を説明する。
【0046】
制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25とを備える。
【0047】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。専用回路は、例えば、ASICである。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、制御装置20の各部を制御しながら、制御装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0048】
記憶部22は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM、ROM、又はSSDである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。「SSD」は、solid state driveの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。磁気メモリは、例えば、HDDである。「HDD」は、hard disk driveの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、制御装置20の動作に用いられるデータと、制御装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0049】
通信部23は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格などの移動通信規格に対応したインタフェース、IEEE802.11などの無線LAN通信規格、又はEthernet(登録商標)などの有線LAN通信規格に対応したインタフェースである。通信部23は、制御装置20の動作に用いられるデータを受信し、また制御装置20の動作によって得られるデータを送信する。
【0050】
入力部24は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラ、又はマイクロフォンである。入力部24は、制御装置20の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部24は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの規格に対応したインタフェースを用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0051】
出力部25は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力部25は、制御装置20の動作によって得られるデータを出力する。出力部25は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の出力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの規格に対応したインタフェースを用いることができる。接続用インタフェースとして、工業用無線規格ISA100又はLoRaWAN(登録商標)に対応したインタフェースを用いてもよい。「ISA」は、International Society of Automationの略称である。「LoRaWAN」はLong Range Wide Area Networkの略語である。
【0052】
制御装置20の機能は、本実施形態に係るプログラムを、制御部21としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0053】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSDカード、DVD、又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「SD」は、Secure Digitalの略語である。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0054】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムは、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものを含む。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0055】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0056】
図5を参照して、本実施形態に係る測定器10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る防露方法に相当する。
【0057】
測定器10が起動されるか、起動後に測定開始の操作が行われると、光源装置50の光源51が駆動され、光源51は、試料41に対して光を照射する。光源51により照射された光は試料41に入射する。試料41に入射した光は、試料41を透過するか、又は試料41に混入した物質で反射される。受光装置30の受光素子31は、試料41を経由して窓60からチャンバERの中に入射した光を受光する。具体的には、受光素子31は、試料41を透過して窓60からチャンバERへ入射した透過光TL、及び試料41に混入した物質で反射されて窓60からチャンバERへ入射した散乱光SLを受光する。受光素子31は、受光された光を電流信号に変換する。受光素子31からの電流信号は電圧信号に変換され、更にデジタル信号に変換されて、制御装置20に出力される。
【0058】
ステップS101において、センサ群70に含まれる温湿度センサ71及び温度センサ72は、チャンバERの内側で室内温湿度及び窓60の表面温度をそれぞれ測定する。制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、センサ群70から室内温湿度及び窓60の表面温度の各測定値を取得する。すなわち、制御部21は、通信部23を介して、温湿度センサ71により得られたチャンバERの室内温湿度の測定値及び温度センサ72により得られた窓60の、チャンバERの内側における表面温度の測定値を取得する。
【0059】
ステップS102において、制御装置20の制御部21は、チャンバERの内側の露点温度を算出する。露点温度は任意の手順で算出されてよいが、例えば、JIS Z8806:2001に記載の計算式などの公知の式を用いて算出することができる。「JIS」はJapan Industrial Standardsの略称である。あるいは、露点温度は、例えば、クラウジウス・クラペイロンの式で求められる水蒸気圧など、別の指標値を用いて算出してもよい。露点温度は、チャンバER内部の特徴を盛り込んだ計算、又はその実測値から求めてもよい。チャンバER内部の特徴には、例えば、防露装置80以外の発熱体の有無、窓60へ吹く風量、乾燥剤の性能、気圧、又はその他の物理現象が含まれる。
【0060】
本実施形態では、雰囲気温度と雰囲気湿度とに基づいて露点温度が予め算出されている。そして、算出された露点温度と、雰囲気温度と雰囲気湿度との組合せとを対応付けて定義するテーブルが換算表として準備されており、ステップS102で利用される。本実施形態において、換算表は記憶部22に記憶される。あるいは、換算表は、外部のシステムに格納されてもよい。
【0061】
図6に、雰囲気相対温湿度に対して算出された露点温度の換算表の例を示す。換算表の横軸は雰囲気相対湿度を表し、2%の列を除く、5%から100%までの列が5%刻みで定義されている。相対湿度は、空気中に、飽和水蒸気量に比べて、どの程度の水分が含まれているかを示す値である。換算表の縦軸は雰囲気温度を表し、0℃から100℃までの行が5℃刻みで定義されている。図6の換算表においてそれぞれ破線で囲まれた行及び列で示す通り、例えば、雰囲気温度が30.0℃であり、雰囲気相対湿度が60.0%である場合に、両者が交差する位置の露点温度が21.6℃であることがわかる。窓60の表面温度がこの露点温度以下である場合に結露が発生すると考えられる。
【0062】
本実施形態では、制御装置20の制御部21は、図6に示す換算表を参照し、ステップS101においてセンサ群70から取得された各測定値のうち、室内温湿度の測定値に対応する露点温度を、チャンバERの内側の露点温度として算出する。一例として、温湿度センサ71により測定された室内温度が30.0℃であり、室内湿度が60.0%であるとする。この場合、制御部21は、図6の換算表を参照することにより、露点温度を21.6℃と算出する。
【0063】
ステップS103において、制御装置20の制御部21は、結露の予兆の有無を判定する。具体的には、制御部21は、ステップS102で得られた露点温度の算出値を、ステップS101で取得された窓60の表面温度の測定値と比較することにより、結露の予兆の有無を判定する。より具体的には、制御部21は、温度センサ72により得られた窓60の表面温度の測定値から、温湿度センサ71により得られたチャンバERの室内温湿度の測定値に対応する露点温度の算出値を引いた差分値を求める。制御部21は、求められた差分値が0より大きく閾値TH以下である場合に、結露の予兆があると判定する。これは、窓60が徐々に冷やされて表面温度が露点温度に近づいていると考えられるからである。一方、制御部21は、求められた差分値が閾値THより大きい場合に、結露の予兆がないと判定する。これは、窓60の表面温度が十分に高く、露点温度に達するにはまだ余裕があると考えられるからである。
【0064】
ステップS103において結露の予兆があると判定されると、ステップS104の処理が行われる。一方、ステップS103において結露の予兆がないと判定されると、ステップS101の処理が再び行われる。
【0065】
ステップS104において、制御装置20の制御部21は、窓60の結露を防止するための防露処理を実行する。具体的には、制御部21は、通信部23を介して、チャンバERの内側に設置された防露装置80を制御し、防露装置80の稼働を開始する処理を実行する。例えば、制御部21により防露装置80に電源を投入する制御が行われて、防露装置80の稼働が開始される。
【0066】
本実施形態によれば、結露の発生を前もって予測することができ、結露が発生する前に防露対策が講じられるので、結露の発生を防止することができる。よって、結露に起因する光学的測定の測定誤差の発生を防止することができる。
【0067】
本実施形態の一変形例として、制御装置20の制御部21は、ステップS104における防露処理として、結露の予兆があることをユーザに通知するデータD1、又は結露を防止する対策を講じることをユーザに促すデータD2を出力してもよい。一例として、制御部21は、データD1として、「結露が発生しそうです」というメッセージを、出力部25としてのディスプレイに表示させる。あるいは、制御部21は、データD2として、「乾燥剤を投入してください」というメッセージを、出力部25としてのディスプレイに表示させる。データD1又はデータD2は、音声で出力されてもよい。具体的には、制御部21は、データD1又はデータD2としてのメッセージを、出力部25としてのスピーカに出力させてもよい。制御部21は、データD1又はデータD2を音声で出力する場合、メッセージの代わりに警報音をスピーカに出力させてもよい。データD1又はデータD2として出力されたメッセージ又は警報音を受けたユーザは、例えば、チャンバER内に乾燥剤を投入するなど、窓60の結露を防止する対策を講じることができる。本変形例によれば、ユーザは結露が発生することを前もって認識することができる。例えば、ユーザ自ら防露対策を講じることにより、チャンバERの内側に防露装置80が設置されていない場合でも、結露を防止することができる。
【0068】
閾値THを設定する際の考え方について説明する。結露の予兆があると判定された場合に防露処理を実行するのは、窓60の表面温度が露点温度に達する前に防露処理を行えば、結露の発生をより確実に防止することができると考えられるからである。例えば、防露処理が開始されてから効果があらわれるまでに時間がかかる場合を想定する。この場合、閾値THを、防露処理が開始されてから効果があらわれるまでに窓60の表面温度が何℃下降するかに応じて決定する。一例として、防露処理が開始されてから10秒後に効果があらわれるとする。また、10秒間に窓60の表面温度が5℃下降するとする。この場合、閾値THを5℃に設定すれば、表面温度が露点温度に達する前に防露処理が実行されることになり、結露の発生をより確実に防止することができる。以下、このような考え方で閾値THとして設定された温度を「第1余裕温度」ともいう。閾値THは、固定値でなくてもよく、例えば、ステップS102で得られた露点温度の算出値に予め定められた比率を乗じた値に設定されてもよい。
【0069】
ステップS105において、制御装置20の制御部21は、窓60の表面温度について、防露装置80を停止するための停止条件を設定する。具体的には、制御部21は、防露装置80の稼働を開始する直前にステップS101で取得された窓60の表面温度の測定値V0に、「第1余裕温度」とは別個に設定された「第2余裕温度」を単純加算した値を停止条件としての窓60の表面温度の条件値V1として設定する。例えば、防露装置80の稼働を開始する直前に取得された窓60の表面温度の測定値V0が26.6℃であり、「第2余裕温度」が「第1余裕温度」と同じ5℃であるとすると、制御部21は、停止条件としての窓60の表面温度の条件値V1を31.6℃と設定する。あるいは、制御部21は、「第2余裕温度」を単純加算する代わりに、例えば、防露装置80の稼働を開始する直前に取得された窓60の表面温度の測定値V0、又はステップS102で得られた露点温度の算出値に予め定められた比率を乗じた値を算出し、算出された値を停止条件としての窓60の表面温度の条件値V1として設定してもよい。「第2余裕温度」は、「第1余裕温度」とは異なる温度に設定されてもよい。
【0070】
ステップS106において、温度センサ72は、チャンバERの内側で窓60の表面温度を新たに測定する。制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、温度センサ72から窓60の表面温度の測定値を新たに取得する。すなわち、制御部21は、通信部23を介して、温度センサ72により得られた、防露処理を実行した後の、窓60の、チャンバERの内側における測定値V2を取得する。
【0071】
ステップS107において、制御装置20の制御部21は、ステップS106で取得された測定値V2が停止条件を満たすかどうかを判定する。具体的には、制御部21は、ステップS106で取得された窓60の表面温度の測定値V2と、ステップS105で設定された停止条件としての窓60の表面温度の条件値V1とを比較する。制御部21は、測定値V2が条件値V1以上である場合に、停止条件を満たすと判定し、測定値V2が条件値V1未満である場合に、停止条件を満たさないと判定する。
【0072】
ステップS107において停止条件を満たすと判定されると、ステップS108の処理が行われる。ステップS107において停止条件を満たさないと判定されると、ステップS104に戻り、防露処理が継続される。
【0073】
ステップS108において、制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、防露装置80を制御し、防露装置80の稼働を停止する処理を実行する。例えば、制御部21により防露装置80への電源を遮断する制御が行われて、防露装置80の稼働が停止される。
【0074】
本実施形態において、ステップS105からステップS108の処理が行われることで、防露装置80の無駄な稼働を抑制して運用コストを下げることができる。防露装置80の稼働を停止することで防露装置80の稼働時間を短縮することができ、防露装置80で使用される消耗品の寿命を延命することができる。
【0075】
本実施形態に係る防露方法を用いて行われる防露装置80の制御の例について、図6及び図7を参照して具体的に説明する。
【0076】
一例として、ステップS101においてセンサ群70に含まれる温湿度センサ71から取得された室内温湿度の測定値が30.0℃及び60.0%であるとする。ステップS102において、制御装置20の制御部21は、図6の換算表を参照して、露点温度を21.6℃と算出する。
【0077】
本実施形態に係る防露方法では、上述のように、ステップS101で取得された窓60の表面温度の測定値からステップS102で得られた露点温度の算出値を引いた差分値が0より大きく、かつ閾値THとして設定された「第1余裕温度」以下である場合に防露装置80の稼働が開始される。よって、本例では、算出された露点温度に「第1余裕温度」を単純加算した温度が起動温度T1に相当する。起動温度T1は、防露装置80を起動する温度である。本例では、「第1余裕温度」を5℃とする。算出された露点温度である21.6℃に「第1余裕温度」である5℃を単純加算すると、起動温度T1は26.6℃となる。あるいは、起動温度T1は、「第1余裕温度」を露点温度に単純加算した値の代わりに、例えば、露点温度に予め定められた比率を乗じた値でもよい。
【0078】
本実施形態に係る防露方法では、上述のように、防露装置80の稼働を開始する直前にステップS101で取得された窓60の表面温度の測定値V0に、「第1余裕温度」とは別個に設定された「第2余裕温度」を単純加算した値を窓60の表面温度の条件値V1として設定し、ステップS106で取得された、防露処理を実行した後の、窓60の表面温度の測定値V2が条件値V1以上である場合に防露装置80の稼働が停止される。よって、本例では、設定された起動温度T1に「第2余裕温度」を単純加算した温度が停止温度T2に相当する。停止温度T2は、防露装置80を停止する温度である。本例では、「第2余裕温度」を5℃とする。設定された起動温度T1である26.6℃に「第2余裕温度」である5℃を単純加算すると、停止温度T2は31.6℃となる。あるいは、停止温度T2は、「第2余裕温度」を起動温度T1に単純加算した値の代わりに、例えば、起動温度T1又は露点温度に予め定められた比率を乗じた値でもよい。
【0079】
図7を参照して、本実施形態に係る防露方法を用いて制御される防露装置80の起動及び停止のタイミングについて説明する。ここでは説明の便宜上、防露装置80を比例制御する例を示すが、防露装置80の制御は比例制御に限られない。すなわち、必要に応じて防露装置80の起動及び停止を制御するものであれば、例えば、オンオフ制御又は帰還制御などの制御方法を任意に用いることができる。また、単純化のため、露点温度は一定であるとして説明する。図7において、縦軸は窓60の表面温度[℃]を表し、横軸は時間[秒]を表す。また、露点温度は21.6℃、起動温度T1は26.6℃、停止温度T2は31.6℃であるとする。測定器10が起動され、測定が開始されると、試料41により窓60が冷やされて窓60の表面温度が下降する。窓60の表面温度が起動温度T1である26.6℃になると、露点温度と窓60の表面温度との差分値が閾値TH以下となり、ステップS103で結露の予兆があると判定されて、ステップS104の防露処理が行われる。その結果、防露装置80が起動する。防露装置80が稼働すると、窓60の表面温度が上昇する。
【0080】
窓60の表面温度が停止温度T2である31.6℃になると、ステップS107で防露装置80の稼働を停止する停止条件を満たすと判定されて、ステップS108の処理が行われる。その結果、防露装置80が停止する。測定器10の動作が終了するまで、ステップS101からステップS108までの一連の処理が繰り返され、必要に応じて防露装置80が稼働する。
【0081】
上述のように、本実施形態では、制御装置20の制御部21は、窓60を有するチャンバERであって、チャンバERの外の空間に存在する測定対象の試料41を経由して窓60からチャンバERの中に入射した光を受光する受光素子31を収容するチャンバERの室内温湿度及び窓60の、チャンバERの内側における表面温度に応じて、窓60の結露を防止するための防露処理を実行する。したがって、窓60を目視により観察しなくても、必要に応じて防露処理が実行されるので、防露対策の効率が向上する。
【0082】
本実施形態の一変形例として、センサ群70は、チャンバERの室内気圧を測定する気圧センサを更に含んでもよい。制御装置20の制御部21は、ステップS101において、通信部23を介して、気圧センサにより得られた室内気圧の測定値をセンサ群70から取得し、取得された室内気圧の測定値に更に基づいて、露点温度を算出してもよい。具体的には、制御部21は、雰囲気温湿度と気圧とに基づいて算出された露点温度の換算表などを参照して、露点温度を算出してもよい。
【0083】
本変形例によれば、チャンバERの室内気圧の変動の影響を加味して露点温度が算出されるので、露点温度を更に精度よく算出することができる。
【0084】
本実施形態の一変形例として、ステップS105の処理が省略されてもよい。ステップS107において、制御装置20の制御部21は、ステップS106で取得された測定値V2が停止条件を満たすかどうかを判定する代わりに、結露の予兆の有無を新たに判定してもよい。具体的には、制御部21は、ステップS102で得られた露点温度の算出値を、ステップS106で取得された窓60の表面温度の測定値V2と比較することにより、結露の予兆の有無を判定してもよい。より具体的には、制御部21は、温度センサ72により得られた窓60の表面温度の測定値V2から、温湿度センサ71により得られたチャンバERの室内温湿度の測定値に対応する露点温度の算出値を引いた差分値を求め、求められた差分値が0より大きく閾値TH以下である場合に、結露の予兆があると判定し、求められた差分値が閾値THより大きい場合に、結露の予兆がないと判定してもよい。制御部21は、ステップS106で、窓60の表面温度の測定値V2に加えて、温湿度センサ71により得られた、防露処理を実行した後の、チャンバERの室内温湿度の測定値V3を取得し、取得された測定値V3に対応する露点温度を算出して新たに得られた露点温度の算出値をステップS107で用いてもよい。ステップS107において結露の予兆がなくなったと判定されると、ステップS108の処理が行われる。ステップS107において結露の予兆がまだあると判定されると、ステップS104に戻り、防露処理が継続される。
【0085】
本実施形態の一変形例として、制御装置20の制御部21は、結露の予兆の有無を判定する代わりに、結露の発生の有無を判定してもよい。図8を参照して、本変形例に係る測定器10の動作を説明する。この動作は、本変形例に係る防露方法に相当する。
【0086】
ステップS201及びステップS202の処理については、ステップS101及びステップS102の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0087】
ステップS203において、制御装置20の制御部21は、結露の発生の有無を判定する。具体的には、制御部21は、ステップS202で得られた露点温度の算出値を、ステップS201で取得された窓60の表面温度の測定値と比較することにより、結露の発生の有無を判定する。より具体的には、制御部21は、温度センサ72により得られた窓60の表面温度の測定値が、温湿度センサ71により得られたチャンバERの室内温湿度の測定値に対応する露点温度の算出値以下である場合に、結露が発生したと判定する。一方、制御部21は、温度センサ72により得られた窓60の表面温度の測定値が、温湿度センサ71により得られたチャンバERの室内温湿度の測定値に対応する露点温度の算出値より大きい場合に、結露が発生していないと判定する。
【0088】
ステップS203において結露が発生したと判定されると、ステップS204の処理が行われる。一方、ステップS203において結露が発生していないと判定されると、ステップS201の処理が再び行われる。
【0089】
ステップS204において、制御装置20の制御部21は、ステップS104と同様の防露処理を実行する。具体的には、制御部21は、通信部23を介して、チャンバERの内側に設置された防露装置80を制御し、防露装置80の稼働を開始する処理を実行する。例えば、制御部21により防露装置80に電源を投入する制御が行われて、防露装置80の稼働が開始される。
【0090】
本変形例によれば、窓60を目視により観察しなくても、結露の発生の有無を判定することができ、必要に応じて防露対策が講じられるので、防露対策の効率が向上する。
【0091】
本変形例のさらなる変形例として、制御装置20の制御部21は、ステップS204における防露処理として、結露が発生したことをユーザに通知するデータD3、又は結露を除去する対策を講じることをユーザに促すデータD4を出力してもよい。一例として、制御部21は、データD3として、「結露が発生しました」というメッセージを、出力部25としてのディスプレイに表示させる。あるいは、制御部21は、データD4として、「乾燥剤を投入してください」というメッセージを、出力部25としてのディスプレイに表示させる。データD3又はデータD4は、音声で出力されてもよい。具体的には、制御部21は、データD3又はデータD4としてのメッセージを、出力部25としてのスピーカに出力させてもよい。制御部21は、データD3又はデータD4を音声で出力する場合、メッセージの代わりに警報音をスピーカに出力させてもよい。データD3又はデータD4として出力されたメッセージ又は警報音を受けたユーザは、例えば、チャンバER内に乾燥剤を投入するなど、窓60の結露を除去する対策を講じることができる。本変形例によれば、ユーザは窓60を目視により観察しなくても、結露が発生したことを認識することができる。例えば、ユーザ自ら防露対策を講じることにより、チャンバERの内側に防露装置80が設置されていない場合でも、結露を除去することができる。
【0092】
ステップS205において、制御装置20の制御部21は、窓60の表面温度について、防露装置80を停止するための停止条件を設定する。具体的には、制御部21は、防露装置80の稼働を開始する直前にステップS201で取得された窓60の表面温度の測定値V0に、予め設定された「余裕温度」を単純加算した値を停止条件としての窓60の表面温度の条件値V4として設定する。例えば、防露装置80の稼働を開始する直前に取得された窓60の表面温度の測定値V0が21.6℃であり、「余裕温度」が5℃であるとすると、制御部21は、停止条件としての窓60の表面温度の条件値V4を26.6℃と設定する。あるいは、制御部21は、「余裕温度」を単純加算する代わりに、例えば、防露装置80の稼働を開始する直前に取得された窓60の表面温度の測定値V0、又はステップS202で得られた露点温度の算出値に予め定められた比率を乗じた値を算出し、算出された値を停止条件としての窓60の表面温度の条件値V4として設定してもよい。
【0093】
ステップS206の処理については、ステップS106の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0094】
ステップS207において、制御装置20の制御部21は、ステップS206で取得された測定値V2が停止条件を満たすかどうかを判定する。具体的には、制御部21は、ステップS206で取得された窓60の表面温度の測定値V2と、ステップS205で設定された停止条件としての窓60の表面温度の条件値V4とを比較する。制御部21は、測定値V2が条件値V4以上である場合に、停止条件を満たすと判定し、測定値V2が条件値V4未満である場合に、停止条件を満たさないと判定する。
【0095】
ステップS207において停止条件を満たすと判定されると、ステップS208の処理が行われる。ステップS207において停止条件を満たさないと判定されると、ステップS204に戻り、防露処理が継続される。
【0096】
ステップS208において、制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、防露装置80を制御し、防露装置80の稼働を停止する処理を実行する。例えば、制御部21により防露装置80への電源を遮断する制御が行われて、防露装置80の稼働が停止される。
【0097】
本変形例において、ステップS205からステップS208の処理が行われることで、防露装置80の無駄な稼働を抑制して運用コストを下げることができる。防露装置80の稼働を停止することで防露装置80の稼働時間を短縮することができ、防露装置80で使用される消耗品の寿命を延命することができる。
【0098】
本変形例のさらなる変形例として、ステップS105の処理が省略されてもよい。ステップS207において、制御装置20の制御部21は、ステップS206で取得された測定値V2が停止条件を満たすかどうかを判定する代わりに、結露の発生の有無を新たに判定してもよい。具体的には、制御部21は、ステップS202で得られた露点温度の算出値を、ステップS206で取得された窓60の表面温度の測定値V2と比較することにより、結露の発生の有無を判定してもよい。より具体的には、制御部21は、温度センサ72により得られた窓60の表面温度の測定値V2が、温湿度センサ71により得られたチャンバERの室内温湿度の測定値に対応する露点温度の算出値以下である場合に、結露がまだ発生していると判定し、温度センサ72により得られた窓60の表面温度の測定値V2が、温湿度センサ71により得られたチャンバERの室内温湿度の測定値に対応する露点温度の算出値より大きい場合に、結露がもう発生していないと判定してもよい。制御部21は、ステップS206で、窓60の表面温度の測定値V2に加えて、温湿度センサ71により得られた、防露処理を実行した後の、チャンバERの室内温湿度の測定値V3を取得し、取得された測定値V3に対応する露点温度を算出して新たに得られた露点温度の算出値をステップS207で用いてもよい。ステップS207において結露がもう発生していないと判定されると、ステップS208の処理が行われる。ステップS207において結露がまだ発生していると判定されると、ステップS204に戻り、防露処理が継続される。
【0099】
本実施形態の一変形例として、制御装置20の制御部21は、防露装置80に含まれる部品などの消耗が一定値に達した場合に、通報を行ってもよい。そのような変形例において、制御部21は、防露装置80に含まれる部品の累積稼働時間をカウントし、カウントされた累積稼働時間が予め定義された部品の寿命時間に達したかどうかを判定する。累積稼働時間が寿命時間以上になったと判定された場合に、制御部21は、交換が必要な部品が発生したことをユーザに通知するデータD5、又は部品の交換をユーザに促すデータD6を出力する。例えば、制御部21は、データD5として、「交換が必要な部品があります」というメッセージを、出力部25としてのディスプレイに表示させる。あるいは、制御部21は、データD6として、「部品を交換してください」というメッセージを出力部25としてのディスプレイに表示させる。データD5又はデータD6は、音声で出力されてもよい。具体的には、制御部21は、データD5又はデータD6としてのメッセージを出力部25としてのスピーカに出力させてもよい。制御部21は、データD5又はデータD6を音声で出力する場合、メッセージの代わりに警報音をスピーカに出力させてもよい。
【0100】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0101】
例えば、本開示の一態様として、チャンバER内に受光装置30を収容した場合を例に挙げて説明したが、別の態様として、チャンバERと同様の別のチャンバERa内に、窓60と同様の窓を通して試料41に光を照射する光源装置50を収容し、受光装置30を除いて、チャンバERと同様の内部構成を適用してもよい。そのような態様において、チャンバERa内のセンサ群は、チャンバERaの内側で室内温湿度及び窓の表面温度を測定する。制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、室内温湿度及び窓の表面温度の各測定値をチャンバERa内のセンサ群から取得する。制御部21は、取得された各測定値に応じて、チャンバERaの窓の結露を防止するための防露処理を実行する。制御装置20の具体的な動作については、チャンバERの窓60に対するものと同様であるため、説明を省略する。
【0102】
例えば、本開示の一態様として、透過散乱光方式の濁度計である測定器10を例に挙げて説明したが、上記の実施形態は測定対象の試料41の状態を光学的に測定する装置であれば、測定器10に限られず、例えば、透過光方式、散乱光方式(例えば直角散乱型)、透過散乱光方式、表面散乱光方式、又は積分球方式などの任意の方式による濁度計に適用可能である。
【0103】
また、本開示の一態様としての測定器10として、濁度計を例に挙げて説明したが、上記の実施形態は試料41の状態を光学的に測定する装置であれば、濁度計に限られず、例えば、残留塩素計、pH計、差圧・圧力計、流量計、又は色度計などの任意の装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0104】
10 測定器
11 ケーブル
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 出力部
30 受光装置
31 受光素子
32 受光素子実装基板
40 本体
41 試料
401 試料出口
402 試料入口
50 光源装置
51 光源
52 レンズ
60 窓
70 センサ群
71 温湿度センサ
72 温度センサ
80 防露装置
ER チャンバ
TL 透過光
SL 散乱光
図1
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図3
図4
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図8