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特許7468615撮像システム、撮像方法および撮像プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】撮像システム、撮像方法および撮像プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/19 20220101AFI20240409BHJP
   A61B 5/1171 20160101ALI20240409BHJP
【FI】
G06V40/19
A61B5/1171 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022502727
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 JP2020008099
(87)【国際公開番号】W WO2021171501
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】蝶野 慶一
【審査官】新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-526997(JP,A)
【文献】特開平10-040386(JP,A)
【文献】特開2007-159762(JP,A)
【文献】特開2002-259981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/19
A61B 5/1171
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の眼を撮像する撮像部と、
前記対象者の位置を測定する測距部と、
前記撮像部の光軸方向において前記撮像部から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、前記撮像部から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードと、を含む撮像モードのいずれかを選択し、選択された撮像モードと、前記測距部が測定した前記対象者の位置とに基づいて対象者が移動に必要な歩数を算出する、モード制御部と、
前記キャプチャボリューム内に前記対象者が位置するように前記キャプチャボリュームを移動させる駆動部と、
を備え、
前記第2距離は、前記第1距離よりも長い
撮像システム。
【請求項2】
前記第1撮像モードで撮像された前記眼に含まれる画素数は、前記第2撮像モードで撮像された前記眼に含まれる画素数よりも多い
請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記撮像部の視野範囲より広い視野範囲で撮像する全体撮像部をさらに備え、
前記モード制御部は、前記全体撮像部の画像に基づいて、前記撮像モードを決定する
請求項1または2に記載の撮像システム。
【請求項4】
撮像部が、対象者の眼を撮像する段階と、
測距部が、前記対象者の位置を測定する段階と、
モード制御部が、前記撮像部の光軸方向において前記撮像部から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、前記撮像部から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードと、を含む撮像モードのいずれかを選択し、選択された撮像モードと、前記測距部が測定した前記対象者の位置とに基づいて対象者が移動に必要な歩数を算出する段階と、
駆動部が、前記キャプチャボリューム内に前記対象者が位置するように前記キャプチャボリュームを移動させる段階と
を備え、
前記第2距離は、前記第1距離よりも長い
撮像方法。
【請求項5】
撮像部に対象者の眼を撮像する処理を実行させる撮像機能と、
測距部に前記対象者の位置を測定させる測距機能と、
前記撮像部の光軸方向において前記撮像部から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、前記撮像部から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードと、を含む撮像モードのいずれかを選択し、選択された撮像モードと、前記測距部が測定した前記対象者の位置とに基づいて対象者が移動に必要な歩数を算出するモード制御機能であって、前記第2距離は、前記第1距離よりも長い、モード制御機能と、
前記キャプチャボリューム内に前記対象者が位置するように前記キャプチャボリュームを移動させる機能と
をコンピュータに実現させる撮像プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、撮像システム、撮像方法および非一時的なコンピュータ可読媒体に関し、特に対象者の眼の撮像に用いられる撮像システム、撮像方法および非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
眼に含まれる虹彩を用いる生体認証(虹彩認証)が知られている。この生体認証では、撮像システムを用いて対象者の虹彩が撮像され、虹彩情報が抽出される。この撮像システムは、使用目的に応じた複数の撮像モードを有する。たとえば撮像システムは、登録モードにおいて、抽出された虹彩情報をデータベースに追加して、対象者を登録する。一方撮像システムは、認証モードにおいて、抽出された虹彩情報をデータベースに登録された虹彩情報と照合して、対象者を認証する。このような撮像システムにおいては、使用目的に応じて要求される画像品質が異なり、画像品質を確保しつつ、撮影時間を短縮化することが求められている。
【0003】
特許文献1には、被写体との距離に基づいて被写体を誘導し、被写体の眼を含む領域を撮像する撮像システムが開示されている。
特許文献2には、撮像モードの種類に応じて焦点制御方法を切り替えることで、使用目的に応じて撮影時間を短縮させる撮像システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-159762号公報
【文献】特開2004-226729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この開示は、上記従来技術を改善するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の第1の態様に係る撮像システムは、対象者の眼を撮像する撮像部と、前記撮像部の光軸方向において前記撮像部から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、前記撮像部から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードと、を含む撮像モードのいずれかを選択するモード制御部とを備え、前記第2距離は、前記第1距離よりも長い。
【0007】
この開示の第2の態様に係る撮像方法は、撮像部が、対象者の眼を撮像する段階と、モード制御部が、前記撮像部の光軸方向において前記撮像部から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、前記撮像部から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードと、を含む撮像モードのいずれかを選択する段階とを備え、前記第2距離は、前記第1距離よりも長い。
【0008】
この開示の第3の態様に係る非一時的なコンピュータ可読媒体は、撮像部に対象者の眼を撮像する処理を実行させる撮像機能と、前記撮像部の光軸方向において前記撮像部から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、前記撮像部から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードと、を含む撮像モードのいずれかを選択するモード制御機能であって、前記第2距離は、前記第1距離よりも長い、モード制御機能と、をコンピュータに実現させる撮像プログラムが格納される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1の概要にかかる撮像システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施形態2にかかる撮像システムの構成を示すブロック図である。
図3】実施形態2にかかる撮像システムの概略構成図である。
図4】実施形態2にかかる撮像システムの処理を示すフローチャートである。
図5】実施形態3にかかる撮像システムの第1撮像モードのキャプチャボリュームを説明するための図である。
図6】実施形態3にかかる撮像システムの第2撮像モードのキャプチャボリュームを説明するための図である。
図7】実施形態4にかかる撮像システムの構成を示すブロック図である。
図8】実施形態4にかかる撮像システムの概略構成図である。
図9】実施形態4にかかる撮像システムの処理を示すフローチャートである。
図10】実施形態5にかかる撮像システムの誘導表示の一例を説明するための図である。
図11】実施形態5にかかる撮像システムの誘導表示の一例を説明するための図である。
図12】実施形態5にかかる撮像システムの誘導表示の一例を説明するための図である。
図13】実施形態6にかかる撮像システムの構成を示すブロック図である。
図14】実施形態6にかかる撮像システムの概略構成図である。
図15】実施形態6にかかる撮像システムの処理を示すフローチャートである。
図16】実施形態7にかかる撮像システムの構成を示すブロック図である。
図17】実施形態7にかかる撮像システムの処理を示すフローチャートである。
図18】本実施形態にかかるコンピュータの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0011】
(実施形態1)
図1は、実施形態1にかかる撮像システム1の構成を示すブロック図である。撮像システム1は、撮像部2と、モード制御部4とを備える。
撮像部2は、対象者の眼を撮像するためのものである。
モード制御部4は、撮像モードのいずれかを選択する。撮像モードは、撮像部2の光軸方向において撮像部2から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、上記撮像部2から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードとを含む。ここで第2距離は、第1距離よりも長い。
【0012】
上述の特許文献1では、撮像モードに関わらず被写体を所定の位置に誘導して撮影を行うため、使用目的に応じた撮影ができないという問題がある。
また上述の特許文献2では、撮像システムが複数の焦点制御方法を有する必要があり、機構が複雑になるという問題がある。
【0013】
しかし本実施形態1の構成によれば、撮像システム1は、撮像モードに応じてキャプチャボリューム、特に撮像部2から最も離れた距離を変化させる。したがって、要求される画像品質が高い使用目的に対応する撮像モードに対しては、当該距離を小さくすることで、より高画質な画像を取得することができる。また要求される画像品質が比較的低い使用目的に対応する撮像モードに対しては、当該距離を大きくすることで、対象者Pの位置の調整を省略し、または調整する時間を短縮し、撮影時間を短縮することが可能となる。このように撮像システム1によれば、使用目的に応じた画像品質と撮影時間とのバランスをより容易にとることが可能となる。また、複数の撮像モードによる撮像を単一の撮像部2で実現するため、省スペース化につながる。
【0014】
(実施形態2)
以下、図2~4を用いて、この開示の実施形態2について説明する。図2は、撮像システム10の構成を示すブロック図である。撮像システム10は、生体認証を行うコンピュータ等であり、対象者Pの眼を含む注視領域を撮像し、撮像された画像に含まれる生体認証情報を抽出し、使用目的に応じた処理を行う。ここで生体認証は、本実施形態2では虹彩認証である。撮像システム10は、撮像部12と、モード制御部14と、データベース15とを備える。
【0015】
このような撮像システム10の各種構成の詳細について、図3を用いて説明する。図3は、実施形態2にかかる撮像システム10の概略構成図である。
【0016】
なお本図においては、後述する撮像システム10の撮像部12の光軸方向をY軸方向とし、対象者Pの高さ方向をZ軸方向とし、Y軸およびZ軸方向に直交する方向をX軸方向とする。また便宜上、X-Y平面上の方向を水平方向、Z軸方向を垂直方向と呼ぶ。
また本実施形態2では、後述する撮像部12の撮像面と、対象者Pの顔との間の距離を被写体距離dと呼ぶ。
【0017】
撮像システム10の撮像部12は、対象者Pの眼、特に虹彩を撮像するためのカメラである。撮像部12は、CCD(電荷結合素子)およびCMOS(相補型金属酸化膜半導体)素子等の撮像素子を有する。撮像部12の撮像面は、対象者Pの光学像を電気信号に変換する不図示の光電変換部が二次元的に配列された画素アレイを含む。撮像部12の撮像面は、X軸方向に平行であり、その法線方向がY軸方向に平行となるように設置される。
本実施形態2で撮像部12は、産業用カメラなどで普及品となりつつある、12M画素(水平4000画素、垂直3000画素)かつ60fpsの汎用カメラで構成されてよい。
【0018】
撮像部12は、キャプチャボリュームCV内に位置する対象者Pの眼を含む注視領域を好適に撮像可能なように設置されている。ここでキャプチャボリュームCVは、撮像対象を生体認証に使用可能なレベルで正常に捕捉することできる領域である。本実施形態2で水平方向のキャプチャボリュームCVは、撮像部12の水平画角と、最前方距離DFおよび最後方距離DBとにより画定される領域である。
【0019】
最前方距離DFは、水平方向のキャプチャボリュームCVのうち、撮像部12の光軸方向(すなわち、Y軸方向)において撮像部12から最も近い距離である。本実施形態2で最前方距離DFは、撮像部12の視野が対象者P1人の両眼をカバーするときの被写体距離であってよい。
最後方距離DBは、水平方向のキャプチャボリュームCVのうち、Y軸方向において撮像部12から最も離れた距離である。
【0020】
撮像部12は、モード制御部14から出力された制御信号に応じて、対象者Pを撮像する。
【0021】
モード制御部14は、撮像モードのいずれかを選択し、撮像部12に対して撮像モードに応じた撮像動作の制御を行う。ここで撮像モードは、第1撮像モードと、第2撮像モードと、を含む。第1および第2撮像モードには、それぞれ異なるキャプチャボリュームCVが設定されている。
第1撮像モードには、本図に示すように、最後方距離DBが第1距離(DB1)であるキャプチャボリュームCVが設定されている。本実施形態2で第1撮像モードは、対象者Pを登録する登録モードであってよい。
また第2撮像モードには、本図に示すように、最後方距離DBが第2距離(DB2)であるキャプチャボリュームCVが設定されている。第2距離(DB2)は、第1距離(DB1)よりも長い。本実施形態2で第2撮像モードは、対象者Pを認証する認証モードであってよい。
【0022】
またモード制御部14は、取得した虹彩パターンから虹彩情報(本実施形態2では、虹彩の特徴量)を抽出する特徴量抽出処理を行う。またモード制御部14は、データベース15に接続され、撮像モードに応じてデータベース15との間で各種情報の入出力を行う。
たとえば撮像モードが第1撮像モード(登録モード)である場合、新規の虹彩情報をデータベース15に登録する。
また撮像モードが第2撮像モード(認証モード)である場合、モード制御部14は、取得した虹彩情報をデータベース15に登録されている虹彩情報と照合して、対象者Pを認証する。
【0023】
データベース15は、虹彩情報等の各種情報を記憶する記憶媒体である。
なお本実施形態2では、データベース15は撮像システム10に含まれるとしたが、含まれていなくてもよい。この場合データベース15は、通信可能に接続された他の装置(不図示)等に含まれていてよい。このとき撮像システム10は、任意の通信手段(不図示)を備え、モード制御部14は、当該通信手段を介して他の装置との間で各種情報の送受信を行ってよい。
【0024】
図4は、実施形態2にかかる撮像システム10の処理を示すフローチャートである。
まずS10において、モード制御部14は、撮像モードを選択する。このときモード制御部14は、撮像システム10の入力手段(不図示)によりユーザからの入力を受け付けたことに応じて、撮像モードを選択してよい。
【0025】
次にS12において、モード制御部14は、選択された撮像モードに応じてキャプチャボリュームCVを決定する。たとえばモード制御部14は、第1撮像モードが選択された場合、キャプチャボリュームCVの最後方距離DBを第1距離DB1に決定し、第2撮像モードが選択された場合、キャプチャボリュームCVの最後方距離DBを第2距離DB2に決定する。
【0026】
次にS14において、モード制御部14は、撮像部12を制御し、撮像部12に対象者Pの眼を撮像する動作を実行させる。本実施形態2では、撮像部12は対象者Pの両眼を撮像する。そしてモード制御部14は、対象者Pの虹彩の撮像画像を取得する。
【0027】
次にS16において、モード制御部14は、取得した虹彩の撮像画像を用いて、撮像された対象者Pの眼に含まれる虹彩のパターンから特徴量を抽出し、撮像モードに応じた処理(登録処理または認証処理)を行う。すなわち撮像モードが第1撮像モード(登録モード)である場合、抽出した特徴量を新規の虹彩情報としてデータベース15に登録する。また撮像モードが第2撮像モード(認証モード)である場合、モード制御部14は、抽出した特徴量を、データベース15に登録されている特徴量と照合し、照合スコアに基づいて一致するか否かの判定を行う。
【0028】
次にS18において、モード制御部14は、次の対象者Pがいるか否か、あるいは再認証若しくは再登録を行うか否かを判定する。モード制御部14は、次の対象者Pがいる、または再認証若しくは再登録を行うと判断した場合(S18でY)、処理をS10に戻し、そうでない場合(S18でN)、処理を終了する。
【0029】
このように本実施形態2によれば、撮像システム10は、撮像モードに応じてキャプチャボリュームCV、特に最後方距離DBを変化させる。したがって、要求される画像品質が高い使用目的に対応する第1撮像モード(登録モード)に対しては、最後方距離DBを小さくすることで、より高画質な画像を取得することができる。また要求される画像品質が比較的低い使用目的に対応する第2撮像モード(認証モード)に対しては、最後方距離DBを大きくすることで、被写体距離dの調整を省略し、または調整時間を短縮し、撮影時間を短縮することが可能となる。このように撮像システム10によれば、使用目的に応じた画像品質と撮影時間とのバランスをより容易にとることが可能となる。また複数の撮像モードによる撮像を単一の撮像部12で実現するため、省スペース化につながる。
【0030】
なお、本実施形態2では撮像システム10は対象者Pの両眼を撮像するとしたが、これに代えて片眼のみを撮像してもよい。この場合、最前方距離DFは、撮像部12の視野が対象者P1人の片眼をカバーするときの被写体距離であってよい。
【0031】
(実施形態3)
次に、図5~6を用いて、この開示の実施形態3について説明する。なお実施形態3にかかる撮像システム10は、実施形態2にかかる撮像システム10と同様であるため、説明は省略する。図5は、実施形態3にかかる撮像システム10の第1撮像モード(登録モード)のキャプチャボリュームCVを説明するための図である。
【0032】
ここで撮像部12の解像度をS×Sとし、撮像面の画素アレイに結像される対象者Pの両眼の虹彩に含まれるX軸方向の画素数、すなわち撮像した画像において被写体距離dに位置する対象者Pの両眼の虹彩に含まれるX軸方向の画素数をnとする。画素数nは、撮像部12の解像度、画素サイズ、撮像部12のレンズの焦点距離および被写体距離dに依存する。本実施形態3では撮像システム10は、撮像モードに関わらず、撮像部12の解像度、画素サイズおよび撮像部12のレンズの焦点距離を変化させなくてよい。したがって画素数nは、実質的に被写体距離dに依存することとなる。
ここで本図では、右眼および左眼の虹彩に含まれるX軸方向の画素数をそれぞれ、nおよびnとし、nはnおよびnの和とする。そして第1撮像モードで要求される両眼の虹彩に含まれるX軸方向の画素数をN1とする。なお、S、S、n、n、nおよびN1は、いずれも自然数である。
【0033】
第1撮像モード(登録モード)のキャプチャボリュームCVは、本図の斜線で囲まれた領域である。
本図に示す通り、対象者Pが第1撮像モードのキャプチャボリュームCV内に位置する場合、被写体距離dは、最前方距離DF以上であり、第1距離DB1以下である。
【0034】
最前方距離DFは、結像される対象者Pの両眼の虹彩全体が撮像面の画素アレイ内に含まれる場合、すなわち撮像された画像に対象者Pの両眼の虹彩全体が収容される場合の、被写体距離dの最小値である。
最後方距離DBである第1距離DB1は、最前方距離DFよりも長く、かつ画素数nと画素数N1との間の差が最小となる場合(ただし、n<N1)の被写体距離dである。
【0035】
図6は、実施形態3にかかる撮像システム10の第2撮像モードのキャプチャボリュームCVを説明するための図である。
ここで第2撮像モードで要求される両眼の虹彩に含まれるX軸方向の画素数をN2とする。なおN2は、自然数である。
【0036】
第2撮像モード(認証モード)のキャプチャボリュームCVは、本図の斜線で囲まれた領域である。
本図に示す通り、対象者Pが第2撮像モードのキャプチャボリュームCV内に位置する場合、被写体距離dは、最前方距離DF以上であり、第2距離DB2以下である。第2撮像モードの最前方距離DFは、第1撮像モードの最前方距離DFと等しくてよい。
ここで第2距離DB2は、最前方距離DFよりも長く、かつ画素数nと画素数N2との間の差が最小となる場合(ただし、n<N2)の被写体距離dである。
【0037】
一般に、認証モードにおいて要求される画像品質は、登録モードにおいて要求される画像品質よりも低くてよい。すなわち画素数N2は、画素数N1よりも小さくてよい。したがって、第1撮像モードで撮像された両眼に含まれる画素数nは、第2撮像モードで撮像された両眼に含まれる画素数nよりも多くてよい。
なお、画素数n、N1およびN2は、ライン(X軸方向)における画素数に代えて、エリア(X-Z平面)における画素数であってもよい。
【0038】
なお、本実施形態3では撮像システム10が対象者Pの両眼を撮像するとしたが、これに代えて片眼のみを撮像してもよい。この場合、最前方距離DFは、結像される対象者Pの右眼(または左眼)の虹彩が撮像面の画素アレイ内に含まれる場合の被写体距離dの最小値であってよい。そして画素数N1およびN2はそれぞれ、第1および第2撮像モードに要求される右眼(または左眼)の虹彩に含まれるX軸方向の画素数であってよい。また第1距離DB1および第2距離DB2は、画素数nに代えて、画素数nまたはnを用いて定義されてよい。
【0039】
(実施形態4)
次に図7~9を用いて、この開示の実施形態4について説明する。実施形態4は、撮像システム20が対象者Pの位置を誘導する誘導部を備えることに特徴を有する。撮像システム20は、生体認証、特に虹彩認証を行うコンピュータ等であり、対象者Pの眼を含む注視領域を撮像し、撮像された画像に含まれる生体認証情報を抽出し、使用目的に応じた処理を行う。
図7は、実施形態4にかかる撮像システム20の構成を示すブロック図である。撮像システム20は、実施形態2の撮像システム10と基本的に同様の構成および機能を有する。ただし撮像システム20は、モード制御部14に代えて、モード制御部24および誘導部27を備える点で撮像システム10と相違する。
【0040】
このような撮像システム20の相違点の詳細について、図8を用いて説明する。図8は、実施形態4にかかる撮像システム20の概略構成図である。
誘導部27は、選択された撮像モードに対応するキャプチャボリュームCV内に、対象者Pを誘導する。誘導部27は、ディスプレイ等の表示装置、プロジェクタ等の投影装置、音声出力装置またはその他の任意の出力装置を有してよい。
モード制御部24は、モード制御部14と基本的に同様の構成および機能を有するが、これに加えて誘導部27による誘導動作の制御を行う。
【0041】
図9は、実施形態4にかかる撮像システム20の処理を示すフローチャートである。図9に示すステップは、実施形態2にかかる撮像システム10の図4に示すステップに加えて、S24を有する。なお、図4に示すステップと同様のステップについては、同一の記号を付して説明を省略する。
【0042】
S24において、誘導部27は、S12でモード制御部14がキャプチャボリュームCVを決定したことに応じて、モード制御部14による制御に基づいて、対象者Pを撮像モードに応じたキャプチャボリュームCV内に誘導する。そしてモード制御部14は、処理をS14に進める。
【0043】
このように実施形態4によれば、撮像システム20の誘導部27が撮像モードに応じたキャプチャボリュームCV内に対象者Pを誘導するため、対象者Pを撮像モードに応じた位置に適切に移動させることができる。また撮像システム20は撮像モードに応じてキャプチャボリュームCVが異なるため、使用目的に応じて対象者Pの移動を省略または短縮することができる。これにより、使用目的に応じた撮影画像の品質と撮影時間とのバランスをより容易にとることができる。
【0044】
なお本実施形態4では、S12においてモード制御部24がキャプチャボリュームCVを決定したことに応じて、誘導部27が対象者Pを撮像モードに応じたキャプチャボリュームCV内に誘導するとした。しかしこれに代えて、S12においてモード制御部24がキャプチャボリュームCVを決定したことに応じて、モード制御部24は、被写体距離dに基づいて、対象者Pが撮像モードに応じたキャプチャボリュームCV内に位置するか否かを判定してよい。
たとえば第1撮像モード(登録モード)の場合、モード制御部24は、被写体距離dが最前方距離DF以上であり、第1距離DB1以下であるとき、対象者Pが撮像モードに応じたキャプチャボリュームCV内に位置すると判定してよい。なお第2撮像モード(認証モード)の場合は、第1距離DB1を第2距離DB2に読み替える。
モード制御部24は、対象者PがキャプチャボリュームCV内に位置すると判定した場合(、処理をS14に進め、そうでない場合、処理をS24に進めてよい。
この場合、撮像システム20は、モード制御部24の制御に基づいて被写体距離dを測定する測距センサを有し測定結果をモード制御部24に出力する測距部(不図示)を備えてよい。
これにより、誘導部27は対象者PがキャプチャボリュームCV内に位置しない場合に対象者Pを誘導するため、過剰な誘導を回避することができ、撮影時間を短縮させることができる。
【0045】
(実施形態5)
次に図10~12を用いて、この開示の実施形態5について説明する。なお実施形態5にかかる撮像システム20は、実施形態4にかかる撮像システム20と同様であるため、説明は省略する。実施形態5の撮像システム20の誘導部27は、各種表示により対象者PをキャプチャボリュームCV内に誘導案内する。図10~12は、実施形態5にかかる撮像システム20の誘導表示の一例を説明するための図である。
【0046】
図10は、撮像システム20の誘導部27が、キャプチャボリュームCVの位置をディスプレイへ表示する場合の表示の一例である。たとえば、撮像部12付近の床等に予め撮像モードに応じたキャプチャボリュームCVの位置を示す複数の目印が設置されているとする。たとえば誘導部27は、撮像モードが選択されたことに応じて、撮像モードに対応する目印がいずれの目印であるかをディスプレイ上に表示し、対象者PにキャプチャボリュームCVへの移動を促してよい。また誘導部27は、キャプチャボリュームCVがどの位置であるかをディスプレイ上で視覚的に表示させてよい。これにより対象者Pは、撮影の立ち位置を容易に把握することができる。
【0047】
図11は、撮像システム20の誘導部27が、キャプチャボリュームCVの位置を床等に投影させる場合の一例を示す。たとえば誘導部27は、撮像モードが選択されたことに応じて、プロジェクタ等の投影装置を用いて、撮像モードに対応するキャプチャボリュームCVの位置を投影してよい。これにより対象者Pは、撮影の立ち位置を容易に把握することができる。
【0048】
図12は、撮像システム20の誘導部27が、移動に必要な歩数または距離を対象者Pに報知する場合の表示の一例を示す。この場合、撮像システム20は、モード制御部24の制御に基づいて被写体距離dを測定する測距センサを有する測距部(不図示)を備える。モード制御部24は、測定した被写体距離dと、選択された撮像モードに対応するキャプチャボリュームCVとに基づいて、対象者Pが移動に必要な歩数または距離を算出する。そして誘導部27は、モード制御部24による制御に基づいて、ディスプレイ上に算出した歩数または距離を表示し、対象者Pに移動を促す。これにより対象者Pは、適切な立ち位置に容易に移動することができる。
【0049】
なお本実施形態5では誘導部27がディスプレイまたは投影装置等を用いて対象者Pを視覚的に誘導案内する例を説明したが、これに代えてまたは加えて、誘導部27は音声またはその他の出力方法を用いて対象者Pを誘導してよい。
【0050】
(実施形態6)
次に図13~15を用いて、この開示の実施形態6について説明する。実施形態6は、撮像システム30が対象者Pの全体撮像画像に基づいて、撮像モードを選択することに特徴を有する。
図13は、実施形態6にかかる撮像システム30の構成を示すブロック図である。撮像システム30は、生体認証、特に虹彩認証を行うコンピュータ等であり、対象者Pの眼を含む注視領域を撮像し、撮像された画像に含まれる生体認証情報を抽出し、使用目的に応じた処理を行う。撮像システム30は、実施形態4の撮像システム20と基本的に同様の構成および機能を有する。ただし撮像システム30は、モード制御部24およびデータベース15に代えて、モード制御部34、データベース35および全体撮像部38を備える点で撮像システム20と相違する。
【0051】
このような相違点の詳細について、図14を用いて説明する。図14は、実施形態6にかかる撮像システム30の概略構成図である。
【0052】
全体撮像部38は、対象者Pの全体を撮像するためのカメラである。全体撮像部38は、身長が高い場合から低い場合までカバーできるように、撮像部12の視野範囲より広い視野範囲で対象者Pを撮像する。本実施形態6で全体撮像部38は、対象者Pを顔で認証できる程度の解像度を備える。全体撮像部38は、モード制御部34から出力された制御信号に応じて、対象者Pの顔を撮像する。
【0053】
モード制御部34は、モード制御部24と基本的に同様の構成および機能を有するが、これに加えて、全体撮像部38による全体撮像動作の制御と、顔登録および顔認証処理とを行う。またモード制御部34は、全体撮像部38の画像に基づいて、撮像モードを決定する。なおモード制御部34は、データベース15に代えて、データベース35との間で各種情報の入出力を行う。
【0054】
データベース35は、データベース15と基本的に同様の構成および機能を有するが、これに加えて、顔認証処理に用いる対象者Pの顔の特徴量等の各種情報を記憶する記憶媒体である。
【0055】
図15は、実施形態6にかかる撮像システム30の処理を示すフローチャートである。図15に示すステップは、実施形態4にかかる撮像システム20の図9に示すS10に代えて、S30~S36を有する。なお、図9に示すステップと同様のステップについては、同一の記号を付して説明を省略する。
まずS30において、モード制御部34は、全体撮像部38を制御し、全体撮像部38に対象者Pの顔を撮像する動作を実行させる。そしてモード制御部14は、対象者Pの顔の撮像画像を取得する。
【0056】
次にS32において、モード制御部34は、対象者Pが新規であるか否かを判定する。このときモード制御部34は、全体撮像部38により撮像された対象者Pの顔の特徴量を抽出し、抽出した顔の特徴量と、データベース35に登録されている顔の特徴量とを照合し、照合スコアに基づいて一致するか否かの判定を行う。モード制御部34は、対象者Pが新規であると判定した場合(すなわち一致する特徴量がなかった場合)(S32でY)、処理をS33に進め、そうでない場合(S32でN)、処理をS36に進める。
【0057】
S34において、モード制御部34は、S32において対象者Pが新規であると判定されたことに応じて、第1撮像モード(登録モード)を選択する。そしてモード制御部34は、処理をS12に進める。
【0058】
S36において、モード制御部34は、S32において対象者Pが新規でないと判定されたことに応じて、第2撮像モード(認証モード)を選択する。そしてモード制御部34は、処理をS12に進める。
【0059】
このように実施形態6によれば、撮像システム30の全体撮像部38が対象者Pの全体(顔)を撮像し、モード制御部34がこれに基づいて撮像モードを決定する。これにより、撮像モードの選択を自動化することができ、撮影に要する時間をさらに短くすることができる。
【0060】
なお実施形態6では、モード制御部34は、顔認証が成功しなかった場合にS34において第1撮像モード(登録モード)を選択するとした。しかしこれに代えて、モード制御部34はS34において、たとえば撮像システム30の任意の表示入力手段(不図示)に対象者Pが新規か否かの質問を表示させ、回答の入力を受け付けることによって、対象者Pが新規か否かの追加の判定を行ってよい。この場合であっても、たとえば対象者Pの新規登録が少ない用途においては、最初に顔認証を行うことで撮像モードの大まかなスクリーニングを自動的に行うことができるため、撮影の効率は向上する。
【0061】
なお、モード制御部34は、S32で対象者Pが新規であると判定した場合、抽出した対象者Pの顔の特徴量を新規の顔情報として、データベース35に登録してもよい。これにより、認証のために複数の生体情報を用いることが可能となり、認証方法のバリエーションを増やすことができる。
またモード制御部34は、S32で対象者Pが新規でないと判定した場合に、データベース35中の対象者Pのレコードにおける顔の特徴量を、抽出した対象者Pの顔の特徴量に更新してもよい。これにより、データベース35は、最新の顔情報を保持することが可能となる。
(実施形態7)
次に図16~17を用いて、この開示の実施形態7について説明する。実施形態7は、撮像システム40が、撮像モードに応じたキャプチャボリュームCV内に対象者Pが位置するように、キャプチャボリュームCVの位置を移動させる点に特徴を有する。撮像システム40は、生体認証、特に虹彩認証を行うコンピュータ等であり、対象者Pの眼を含む注視領域を撮像し、撮像された画像に含まれる生体認証情報を抽出し、使用目的に応じた処理を行う。
【0062】
図16は、実施形態7にかかる撮像システム40の構成を示すブロック図である。撮像システム20は、実施形態2の撮像システム10と基本的に同様の構成および機能を有する。ただし撮像システム40は、モード制御部14に代えて、モード制御部44、測距部46および駆動部49を備える点で撮像システム10と相違する。
【0063】
測距部46は、対象者の位置を測定する測距センサである。測距部46は、測定結果をモード制御部44に出力する。
駆動部49は、撮像部12または撮像システム40本体の位置または向きを移動させ、キャプチャボリュームCVの位置を移動させる駆動ユニット等である。
モード制御部44は、モード制御部14と基本的に同様の構成および機能を有するが、これに加えて測距部46による測定動作の制御および駆動部49による駆動動作の制御を行う。
【0064】
図17は、実施形態7にかかる撮像システム40の処理を示すフローチャートである。図17に示すステップは、実施形態2にかかる撮像システム10の図4に示すステップに加えて、S40~42を有する。なお、図4に示すステップと同様のステップについては、同一の記号を付して説明を省略する。
【0065】
S40において、測距部46は、モード制御部44がS12においてキャプチャボリュームCVを決定したことに応じて、モード制御部44による制御に基づいて、対象者の位置を測定する。測距部46は、測定した対象者の位置をモード制御部44に出力する。
【0066】
S42において、駆動部49は、モード制御部44による制御に基づいて、キャプチャボリュームCV内に対象者Pが位置するようにキャプチャボリュームCVを移動させる。このとき駆動部49は、撮像部12の位置を上下および/または前後に駆動させてキャプチャボリュームCVの位置を変化させてよい。また駆動部49は、撮像部12の撮像面の向きを変化させ、左右に光軸を振ることによりキャプチャボリュームCVの位置を変化させてよい。また駆動部49は、車輪等の地上移動手段および/またはドローン等の空中移動手段を有し、撮像部12または撮像システム40本体を移動させてもよい。そしてモード制御部44は、処理をS14に進める。
【0067】
このように実施形態7によれば、撮像モードに応じたキャプチャボリュームCV内に対象者Pが位置するように、駆動部49がキャプチャボリュームCVの位置を移動させるため、対象者Pは撮影にあたって移動する必要がなくなる。
【0068】
(実施形態8)
以上撮像システム10~40について説明したが、これらの撮像システムは、単一の端末でなくてもよい。実施形態8では、撮像システム10~40は、撮像モード毎に異なる複数の端末を有する。異なる複数の端末は、ネットワークを介して管理サーバ(不図示)または撮像システム本体等と通信可能であってよい。
たとえば撮像システム10~40は、登録モードにおいて使用されるキオスク端末と、認証モードにおいて使用されるキオスク端末とを有してよい。また撮像システム40は、登録モードにおいて使用される、車輪等の地上移動手段および/またはドローン等の空中移動手段を有する移動端末と、認証モードにおいて使用されるキオスク端末とを有してもよい。
【0069】
上述の実施形態1~8ではコンピュータは、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等を含むコンピュータシステムで構成される。しかしこれに限らず、コンピュータは、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)のサーバ、コンピュータ(パソコン)通信のホスト、インターネット上に接続されたコンピュータシステム等によって構成されることも可能である。また、ネットワーク上の各機器に機能分散させ、ネットワーク全体でコンピュータを構成することも可能である。
【0070】
なお上述の実施形態1~8では、この開示をハードウェアの構成として説明したが、この開示は、これに限定されるものではない。この開示は、上述の撮像制御処理、撮像モード選択処理、登録および認証処理、測定制御処理、誘導制御処理並びに全体撮像制御処理等の各種処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0071】
図18は、実施形態1~8にかかるコンピュータ1900の構成図の一例である。図18に示すように、コンピュータ1900は、システム全体を制御するための制御部1000を備えている。この制御部1000には、データバス等のバスラインを介して、入力装置1050、記憶装置1200、記憶媒体駆動装置1300、通信制御装置1400、および入出力I/F1500が接続されている。
【0072】
制御部1000は、プロセッサ1010と、ROM1020と、RAM1030とを備えている。
プロセッサ1010は、ROM1020や記憶装置1200等の各種記憶部に記憶されたプログラムに従って、各種の情報処理や制御を行う。
ROM1020は、プロセッサ1010が各種制御や演算を行うための各種プログラムやデータが予め格納されたリードオンリーメモリである。
【0073】
RAM1030は、プロセッサ1010にワーキングメモリとして使用されるランダムアクセスメモリである。このRAM1030には、本実施形態1~8による各種処理を行うための各種エリアが確保可能になっている。
【0074】
入力装置1050は、キーボード、マウスおよびタッチパネル等のユーザからの入力を受け付ける入力装置である。たとえばキーボードは、テンキー、各種機能を実行するための機能キーおよびカーソルキー等の各種キーが配置されている。マウスは、ポインティングデバイスであり、表示装置1100に表示されたキーやアイコン等をクリックすることで対応する機能の指定を行う入力装置である。タッチパネルは、表示装置1100の表面に配置される入力機器で、表示装置1100に画面表示された各種操作キーに対応した、ユーザのタッチ位置を特定し、当該タッチ位置に対応して表示された操作キーの入力を受け付ける。
【0075】
表示装置1100は、例えばCRTや液晶ディスプレイ等が使用される。この表示装置には、キーボードやマウスによる入力結果が表示されたり、最終的に検索されたイメージ情報が表示されたりするようになっている。また表示装置1100は、コンピュータ1900の各種機能に応じて、タッチパネルから必要な各種操作を行うための操作キーを画像表示する。
【0076】
記憶装置1200は、読み書き可能な記憶媒体と、その記憶媒体に対してプログラムやデータ等の各種情報を読み書きするための駆動装置で構成されている。
この記憶装置1200に使用される記憶媒体は、主としてハードディスク等が使用されるが、後述の記憶媒体駆動装置1300で使用される非一時的なコンピュータ可読媒体を使用するようにしてもよい。
記憶装置1200は、データ格納部1210、プログラム格納部1220および図示しないその他の格納部(例えば、この記憶装置1200内に格納されているプログラムやデータ等をバックアップするための格納部)等を有している。プログラム格納部1220には、本実施形態1~8における各種処理を実現するためのプログラムが格納されている。データ格納部1210には、本実施形態1~8にかかる各種データベースの各種データを格納する。
【0077】
記憶媒体駆動装置1300は、プロセッサ1010が外部の記憶媒体(外部記憶媒体)からコンピュータプログラムや文書を含むデータ等を読み込むための駆動装置である。
ここで、外部記憶媒体とは、コンピュータプログラムやデータ等が記憶される非一時的なコンピュータ可読媒体をいう。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また各種プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路並びに記憶媒体駆動装置1300を介して、各種プログラムをコンピュータに供給できる。
【0078】
つまりコンピュータ1900は、制御部1000のプロセッサ1010が、記憶媒体駆動装置1300にセットされた外部の記憶媒体から各種プログラムを読み込んで、記憶装置1200の各部に格納する。
【0079】
そして、コンピュータ1900が各種処理を実行する場合、記憶装置1200から該当プログラムをRAM1030に読み込み、実行するようになっている。但しコンピュータ1900は、記憶装置1200からではなく、記憶媒体駆動装置1300により外部の記憶媒体から直接RAM1030にプログラムを読み込んで実行することも可能である。また、コンピュータによっては各種プログラム等を予めROM1020に記憶させておき、これをプロセッサ1010が実行するようにしてもよい。さらに、コンピュータ1900は、各種プログラムやデータを、通信制御装置1400を介して他の記憶媒体からダウンロードし、実行するようにしてもよい。
【0080】
通信制御装置1400は、コンピュータ1900と他のパーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の各種外部電子機器との間をネットワーク接続するための制御装置である。通信制御装置1400は、これら各種外部電子機器からコンピュータ1900にアクセスすることを可能とする。
【0081】
入出力I/F1500は、パラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続するためのインターフェースである。
【0082】
なお、プロセッサ1010として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(digital signal processor)およびASIC(application specific integrated circuit)等が用いられてもよい。また、これらのうち複数個を並列に用いてもよい。
【0083】
請求の範囲、明細書、および図面中において示したシステムおよび方法における各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのではない限り、任意の順序で実現しうる。請求の範囲、明細書および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0084】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記)
(項目1)
対象者の眼を撮像する撮像部と、
前記撮像部の光軸方向において前記撮像部から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、前記撮像部から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードと、を含む撮像モードのいずれかを選択するモード制御部と
を備え、
前記第2距離は、前記第1距離よりも長い
撮像システム。
(項目2)
選択された前記撮像モードに対応するキャプチャボリューム内に、前記対象者を誘導する誘導部を備える
項目1に記載の撮像システム。
(項目3)
前記第1撮像モードで撮像された前記眼に含まれる画素数は、前記第2撮像モードで撮像された前記眼に含まれる画素数よりも多い
項目1または2に記載の撮像システム。
(項目4)
前記撮像部の視野範囲より広い視野範囲で撮像する全体撮像部をさらに備え、
前記モード制御部は、前記全体撮像部の画像に基づいて、前記撮像モードを決定する
項目1から3のいずれか一項に記載の撮像システム。
(項目5)
撮像部が、対象者の眼を撮像する段階と、
モード制御部が、前記撮像部の光軸方向において前記撮像部から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、前記撮像部から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードと、を含む撮像モードのいずれかを選択する段階と
を備え、
前記第2距離は、前記第1距離よりも長い
撮像方法。
(項目6)
撮像部に対象者の眼を撮像する処理を実行させる撮像機能と、
前記撮像部の光軸方向において前記撮像部から最も離れた距離が第1距離であるキャプチャボリュームが設定されている第1撮像モードと、前記撮像部から最も離れた距離が第2距離であるキャプチャボリュームが設定されている第2撮像モードと、を含む撮像モードのいずれかを選択するモード制御機能であって、前記第2距離は、前記第1距離よりも長い、モード制御機能と、
をコンピュータに実現させる撮像プログラムが格納された、
非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0085】
1,10,20,30,40 撮像システム、2,12 撮像部、4,14,24,34,44 モード制御部、15,35 データベース、46 測距部、27 誘導部、38 全体撮像部、49 駆動部、P 対象者、CV キャプチャボリューム、DF 最前方距離、DB 最後方距離、DB1
第1距離、DB2 第2距離、1000 制御部、1010 プロセッサ、1020 ROM、1030 RAM、1050 入力装置、1100 表示装置、1200 記憶装置、1210 データ格納部、1220 プログラム格納部、1300 記憶媒体駆動装置、1400 通信制御装置、1500 入出力I/F、1900 コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18