(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ネットワーク装置、端末装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 52/54 20090101AFI20240409BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240409BHJP
H04W 52/18 20090101ALI20240409BHJP
【FI】
H04W52/54
H04W16/28
H04W52/18
(21)【出願番号】P 2022553135
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(86)【国際出願番号】 CN2020077825
(87)【国際公開番号】W WO2021174458
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユーカイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/034442(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0387547(US,A1)
【文献】国際公開第2019/196114(WO,A1)
【文献】Institute for Information Industry (III),Power control for multi-TRP uplink transmission[online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1907372,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1907372.zip>,2019年05月04日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク装置により実行される方法であって、前記方法は、
第1送信電力制御(TPC)コマンドと第2TPCコマンドとを含むダウンリンク制御情報(DCI)を生成することと、
前記第1TPCコマンドと前記第2TPCコマンドとを端末装置に送信することと、を含み、
前記第1TPCコマンドと前記第2TPCコマンドとのうち
の1つのTPCコマンドは、
SRSリソースインジケータ(SRI)フィールドに基づき決定され、前記DCIによってスケジューリングされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信に関連付けられている複数の電力制御調整状態のうちの1つの電力制御調整状態のために、適用される、
方法。
【請求項2】
前記DCIは、
複数のTPCコマンドを示すための前記SRSリソースインジケータ(SRI)フィールド又は送信設定インジケータ(TCI)フィールドを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
端末装置により実行される方法であって、前記方法は、
第1送信電力制御(TPC)コマンドと第2TPCコマンドとを含むダウンリンク制御情報(DCI)を、ネットワーク装置から受信することと、
前記第1送信電力制御(TPC)コマンドと前記第2TPCコマンドのうちの1つを、SRSリソースインジケータ(SRI)フィールドに基づき決定することと、
前記DCIによってスケジューリングされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信に関連付けられている複数の電力制御調整状態のうちの1つの電力制御調整状態のために、前記第1TPCコマンドと前記第2TPCコマンド
の前記1つのTPCコマンドを適用することと、
前記PUSCH送信の電力を決定することと、
を含む、方法。
【請求項4】
前記DCIは、複数のTPCコマンドを示すための
前記SRSリソースインジケータ(SRI)フィールド又は送信設定インジケータ(TCI)フィールドを含み、
前記複数のTPCコマンドは、前記DCIの中の前記SRIフィールド又は前記TCIフィールドから決定されることを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1送信電力制御(TPC)コマンドと第2TPCコマンドとを含むダウンリンク制御情報(DCI)を生成する装置と、
前記第1TPCコマンドと前記第2TPCコマンドとを端末装置に送信する装置と、を備えるネットワーク装置であって、
前記第1TPCコマンドと前記第2TPCコマンドとのうち
の1つのTPCコマンドは、
SRSリソースインジケータ(SRI)フィールドに基づき決定され、前記DCIによってスケジューリングされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信に関連付けられている複数の電力制御調整状態のうちの1つの電力制御調整状態のために、適用される、ネットワーク装置。
【請求項6】
前記DCIは、
複数のTPCコマンドを示すための
前記SRSリソースインジケータ(SRI)フィールド又は送信設定インジケータ(TCI)フィールドを含む、
請求項5に記載のネットワーク装置。
【請求項7】
第1送信電力制御(TPC)コマンドと第2TPCコマンドとを含むダウンリンク制御情報(DCI)を、ネットワーク装置から受信する装置と、
前記第1送信電力制御(TPC)コマンドと前記第2TPCコマンドのうちの1つを、SRSリソースインジケータ(SRI)フィールドに基づき決定する装置と、
前記DCIによってスケジューリングされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信に関連付けられている複数の電力制御調整状態のうちの1つの電力制御調整状態のために、前記第1TPCコマンドと前記第2TPCコマン
ドのうちの
前記1つのTPCコマンドを適用する装置と、
前記PUSCH送信の電力を決定する装置と、
を備える端末装置。
【請求項8】
前記DCIは、複数のTPCコマンドを示すための
前記SRSリソースインジケータ(SRI)フィールド又は送信設定インジケータ(TCI)フィールドを含み、
前記複数のTPCコマンドは、前記DCIの中の前記SRIフィールド又は前記TCIフィールドから決定される、
請求項7に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に電気通信の分野に関し、特に、通信のための方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPの会議RAN#86では、マルチ送受信点(multi-TRP)の展開へのサポート強化が検討されてきた。例えば、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)以外のチャネル(物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)及び/又は物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)等)について、マルチTRP及び/又はマルチパネルを用いて、リリース16の信頼性機能をベースに、信頼性と堅牢性を向上させるための機能を特定・規定することが提案されている。また、セル間のマルチTRPの運用を有効にするための機能を特定・規定することも提案されている。さらに、マルチパネル受信によるマルチTRP同時送信の強化について評価し規定することも提案されている。
【0003】
アップリンク送信について、アップリンクチャネル(PUSCH又はPUCCH等)のための繰り返しが信頼性及び/又は堅牢性のために有効とされる場合、繰り返しは、異なるTRP又はアンテナパネルに関連付けられている異なるビームを介して送信される場合がある。異なるTRP又はアンテナパネルに関連付けられている伝送環境は、異なる可能性がある。この場合、異なる繰り返しに対する電力制御の調整が異なるはずである。しかし、現在の3GPP仕様では、アップリンクチャネルに対して1つの電力制御の調整値しかサポートされていない。また、現在の3GPP仕様では、PDCCH、PUCCH及び/又はPUSCHのための繰り返しに関する設定について詳細が記載されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、本開示の例示的な実施形態は、通信のための方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、通信方法が提供される。方法は、ネットワーク装置において、端末装置から前記ネットワーク装置への送信の電力制御のための複数の送信電力制御(TPC)コマンドを示すダウンリンク制御情報(DCI)を生成することと、前記端末装置から前記ネットワーク装置への前記送信をスケジューリングするための、前記生成されたDCIを、前記ネットワーク装置から前記端末装置に送信することと、を含む。
【0006】
第2の態様では、通信方法が提供される。方法は、端末装置において、前記端末装置からネットワーク装置への送信の電力制御のための複数の送信電力制御(TPC)コマンドを示すダウンリンク制御情報(DCI)を、前記ネットワーク装置から受信することと、前記DCIから前記複数のTPCコマンドを決定することと、前記複数のTPCコマンドに基づいて前記送信の電力を制御しながら、前記端末装置から前記ネットワーク装置への前記送信を実行することと、を含む。
【0007】
第3の態様では、通信方法が提供される。方法は、ネットワーク装置と端末装置との間の物理チャネルのための繰り返しに関する設定を、前記ネットワーク装置から前記端末装置に送信することと、前記設定に基づき、前記物理チャネルのための前記繰り返しを前記端末装置と通信することと、を含む。
【0008】
第4の態様では、通信方法が提供される。方法は、端末装置において、ネットワーク装置と前記端末装置との間の物理チャネルのための繰り返しに関する設定を、前記ネットワーク装置から受信することと、前記設定に基づき、前記物理チャネルのための前記繰り返しを前記ネットワーク装置と通信することと、を含む。
【0009】
第5態様では、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリには命令が格納され、前記命令は前記プロセッサによって実行される場合、前記ネットワーク装置に本開示の第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0010】
第6の態様では、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリには命令が格納され、前記命令は前記プロセッサによって実行される場合、前記端末装置に本開示の第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0011】
第7の態様では、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリには命令が格納され、前記命令は前記プロセッサによって実行される場合、前記ネットワーク装置に本開示の第3の態様にかかる方法を実行させる。
【0012】
第8の態様では、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリには命令が格納され、前記命令は前記プロセッサによって実行される場合、前記端末装置に本開示の第4の態様にかかる方法を実行させる。
【0013】
第9の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の上記第1、第2、第3又は第4の態様にかかる方法を実行させる。
【0014】
第10の態様では、コンピュータ可読媒体に格納され、マシン可読命令を含む、コンピュータプログラム製品が提供される。前記マシン可読命令は、実行される場合に、マシンに、本開示の上記第1、第2、第3又は第4の態様にかかる方法を実行させる。
【0015】
理解されるように、発明の概要部分は、本開示の実施形態の重要な又は必須の特徴を特定することを意図したものではなく、本開示の範囲を限定するために用いることを意図したものでもない。本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
添付図面における本開示のいくつかの実施形態のより詳細な説明を通じて、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点がより明らかになるはずである。
【0017】
【
図1A】本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す。
【
図1B】本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す。
【0018】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態にかかる通信の例示的プロセスのシグナリングチャートを示す。
【0019】
【0020】
【0021】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法のフローチャートを示す。
【0022】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法のフローチャートを示す。
【0023】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法のフローチャートを示す。
【0024】
【
図8】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法のフローチャートを示す。
【0025】
【
図9】本開示の実施形態を実施するのに好適な装置の概略ブロック図である。
【0026】
図面全体において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の原理について、いくつかの例示的な実施形態を参照しながら説明する。これらの実施形態は、単に説明を目的として説明されるもので、当業者が本開示を理解し実施する際に役立つものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を示唆するものではないことを理解されたい。本明細書で説明する本開示は、以下で説明するもの以外にも様々な方法で実施することができる。
【0028】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0029】
本明細書で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「上記(the)」は、文脈で別途明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味する開放式の用語として解釈される。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」と解釈される。「いくつかの実施形態」及び「一実施形態」という用語は、「少なくともいくつかの実施形態」と解釈される。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」と解釈される。「第1」、「第2」等の用語は、異なる対象又は同じ対象を指してもよい。以下の内容には、明示的及び暗黙的な他の定義が含まれることがある。
【0030】
いくつかの例において、値、プロセス又は装置は、「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解すべき点として、こうした説明は、使用される複数の機能的代替の中から、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又はより好ましかったりする必要はない。
【0031】
図1Aは、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100を示す。ネットワーク100は、ネットワーク装置110と、ネットワーク装置110がサービスを提供する端末装置120とを含む。ネットワーク100は、端末装置120にサービスを提供するために、1つ又は複数のサービングセル102を提供してもよい。ネットワーク装置、端末装置、及び/又はサービングセルの数は、単に例示のためであり、本開示に対する何らかの限定を示唆するものではないことを理解されたい。ネットワーク100は、本開示の実施に適合する任意の適切な数のネットワーク装置、端末装置、及び/又はサービングセルを含むことができる。
【0032】
本明細書において、「端末装置」という用語は、無線又は有線の通信機能を有する任意の装置を指す。端末装置の例としては、ユーザ端末(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブル装置、IoT(internet of things)装置、IoE(internet of everything)装置、マシンタイプ通信(MTC)機器、V2X通信用の車両搭載機器(ここでXは歩行者、車両又はインフラ/ネットワークを意味する)、デジタルカメラ等の撮像装置、ゲーム機器、音楽保存・再生装置、無線/有線でのインターネットアクセス及び閲覧を可能にするインターネット装置等が挙げられるが、それらに限定されない。以下では、議論を目的として、端末装置120の一例としてUEを参照しながら、いくつかの実施形態を説明する。
【0033】
本明細書で使用する場合、「ネットワーク装置」又は「基地局」(BS)という用語は、端末装置が通信できるセル又はカバレッジを提供又はホストすることが可能な装置を指す。ネットワーク装置の例としては、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送受信ポイント(TRP)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノード等の低電力ノード等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
一実施形態において、端末装置120は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置(
図1Aには示されていない)と接続されてもよい。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置の一方はマスターノードに、他方はセカンダリーノードに存在してもよい。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。一実施形態では、第1ネットワーク装置は第1RAT装置であってもよく、第2ネットワーク装置は第2RAT装置であってもよい。一実施形態では、第1RAT装置はeNBであってもよく、第2RAT装置はgNBである。異なるRATに関連する情報は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置120に送信されてもよい。一実施形態において、第1情報が第1ネットワーク装置から端末装置120に送信されてもよく、第2情報が第2ネットワーク装置から端末装置120に直接送信されるか、又は第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。一実施形態において、第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の設定に関連する情報が、第2ネットワーク装置から第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の再設定に関連する情報が、第2ネットワーク装置から端末装置に直接送信されるか、又は第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。当該情報は、無線リソース制御(RRC)シグナリング、メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)、又はダウンリンク制御情報(DCI)のうちのいずれかを介して送信されてもよい。
【0035】
図1に示す通信ネットワーク100において、ネットワーク装置110は、端末装置120にデータ及び制御情報を通信することができ、端末装置120も、ネットワーク装置110にデータ及び制御情報を通信することができる。ネットワーク装置110から端末装置120へのリンクはダウンリンク(DL)と称され、端末装置120からネットワーク装置110へのリンクはアップリンク(UL)と称される。
【0036】
いくつかの実施形態において、ダウンリンク送信のために、ネットワーク装置110は端末装置120に対して、PDCCHを介して制御情報を送信し、且つ/又はPDSCHを介してデータを送信してもよい。さらに、ネットワーク装置110は、1つ又は複数の参照信号(RS)を端末装置120に送信してもよい。ネットワーク装置110から端末装置120に送信されるRSは、「DL RS」とも称される場合がある。DL RSの例としては、復調参照信号(DMRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)、測定用参照信号(SRS)、位相トラッキング参照信号(PTRS)、微細時間‐周波数トラッキング参照信号(TRS)等を挙げてもよいが、これらに限定されない。
【0037】
いくつかの実施形態において、アップリンク送信のために、端末装置120は、制御情報、チャネル状態情報(CSI)フィードバック、レイヤ1参照信号受信電力(L1-RSRP)フィードバック、レイヤ1信号対雑音干渉比(L1-SINR)フィードバック、及び/又は肯定応答(ACK)若しくは否定応答(NACK)フィードバックを、PUCCHを介してネットワーク装置110に送信してもよい。端末装置120は、PUSCHを介してデータをネットワーク装置110に送信してもよい。さらに、端末装置120は、1つ又は複数のRSをネットワーク装置110に送信してもよい。端末装置120からネットワーク装置110に送信されるRSは、「UL RS」とも称される場合がある。UL RSの例としては、DMRS、CSI-RS、SRS、PTRS、微細時間‐周波数TRS等を挙げてもよいが、これらに限定されない。
【0038】
ネットワーク100における通信は、任意の適切な規格に準拠してもよく、規格は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション(LTE-Evolution)、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、マシンタイプ通信(MTC)等を含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
ネットワーク装置110(例えば、gNB)は、1つ又は複数のTRP又はアンテナパネルを含んでもよい。本明細書において、「TRP」という用語は、特定の地理的位置にあるネットワーク装置が利用できるアンテナアレイ(1つ又は複数のアンテナ素子を有する)を指す。例えば、ネットワーク装置は、より適切なカバレッジを実現するために、異なる地理的位置にある複数のTRPと結合されてもよい。1つ又は複数のTRPは、同じサービングセルに含まれてもよいし、異なるサービングセルに含まれてもよい。
【0040】
TRPはパネルでもあり、パネルは(1つ又は複数のアンテナ素子を持つ)アンテナアレイを指すこともできることは理解されるはずである。本開示のいくつかの実施形態は、例えば複数のTRPを参照して説明されているが、これらの実施形態は、単に説明を目的としたもので、当業者が本開示を理解し実施する際に役立つものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を示唆するものではない。なお、本明細書で説明する本開示は、以下に説明するもの以外にも様々な方法で実施できることを理解されたい。
【0041】
図1Bは、
図1Aに示すネットワーク100の例示的シナリオを示す。
図1Bに示すように、例えば、ネットワーク装置110は、TRP130-1、130-2を介して、端末装置120と通信してもよい。なお、以下の文中では、TRP130-1を第1TRPと称し、TRP130-2を第2TRPと称する場合もある。第1及び第2TRP130-1、130-2は、ネットワーク装置110が提供する同じサービングセル(例えば、
図1Aに示すセル102)か、異なるサービングセルに含まれてもよい。本開示のいくつかの実施形態は、ネットワーク装置110によって提供される同じサービングセル内の第1及び第2TRP130-1、130-2を参照して説明されているが、これらの実施形態は、単に説明を目的としたもので、当業者が本開示を理解し実施する際に役立つものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を示唆するものではない。なお、本明細書で説明する本開示は、以下に説明するもの以外にも様々な方法で実施できることを理解されたい。
【0042】
上述したように、3GPPの会議RAN#86では、マルチTRPの展開へのサポート強化が検討されてきた。例えば、PDSCH以外のチャネル(PDCCH、PUSCH及び/又はPUCCH等)について、マルチTRP及び/又はマルチパネルを用いて、リリース16の信頼性機能をベースに、信頼性と堅牢性を向上させるための機能を特定・規定することが提案されている。また、セル間のマルチTRPの運用を有効にするための機能を特定・規定することも提案されている。さらに、マルチパネル受信によるマルチTRP同時送信の強化について強化し規定することも提案されている。
【0043】
アップリンク送信において、アップリンクチャネル(PUSCH又はPUCCH等)のための繰り返しが信頼性及び/又は堅牢性のために有効とされる場合、繰り返しは、異なるビームを介して、且つ/又は異なる空間関係情報、異なる送信設定インジケータ(TCI)状態若しくは異なる疑似コロケーション(QCL)パラメータに基づいて送信されてもよい。例えば、異なるビーム、異なる空間関係情報、異なるTCI状態、及び/又は異なるQCLパラメータは、異なるTRP又はアンテナパネルに関連付けられてもよい。異なるTRP又はアンテナパネルに関連付けられている伝送環境は、異なる可能性がある。この場合、異なる繰り返しに対する電力制御の調整は、異なるはずである。しかし、現在の3GPP仕様では、アップリンクチャネルに対して1つの電力制御の調整値しかサポートされていない。
【0044】
本開示の実施形態は、上記の問題点、及び/又は他の1つ以上の潜在的な問題点を解決するための解決手段を提供する。この解決手段により、異なるPUSCH又はPUCCHのための繰り返しに対して、異なる電力制御の調整が可能になる。
【0045】
図2は、本開示のいくつかの実施形態にかかる通信の例示的プロセス200のシグナリングチャートを示す。プロセス200は、
図1A及び/又は
図1Bに示すネットワーク装置110及び端末装置120に関わる。
【0046】
図2に示すように、ネットワーク装置110は、端末装置120からネットワーク装置110への送信の電力制御のための複数のTPCコマンドを示すDCIを生成する(201)。いくつかの実施形態において、送信は、PUSCHの繰り返し又はPUCCHの繰り返しであってもよい。ネットワーク装置110は、生成したDCIを端末装置120に送信する(202)。DCIを受信したことに応じて、端末装置120は、DCIから複数のTPCコマンドを決定する(203)。そして、端末装置は、複数のTPCコマンドに基づいてPUSCHの繰り返し又はPUCCHの繰り返しの送信電力を制御/調整しながら、PUSCHの繰り返し又はPUCCHの繰り返しをネットワーク装置110に送信する(204)。
【0047】
いくつかの実施形態では、異なるビームを介して、且つ/又は異なる空間関係情報、異なるTCI状態、若しくは異なるQCLパラメータに基づいて送信されるPUSCH又はPUCCHの繰り返しが有効とされる場合、PUSCH又はPUCCHの繰り返しをスケジューリングするためのDCIが、複数のTPCコマンドを示してもよく、各TPCコマンドは少なくとも1つの対応するPUSCH又はPUCCHの繰り返しに適用されてもよい。
【0048】
図3は、かかる実施形態の一例を示す。
図3に示すように、例えば、ネットワーク装置110は、端末装置120からネットワーク装置110へのUL送信320及び330(例えば、PUSCH又はPUCCHのための繰り返し)のスケジューリングのために、DCI310を端末装置120に送信してもよい。例えば、UL送信320及び330は、異なるビーム、異なる空間関係情報、異なるTCI状態、又は異なるQCLパラメータに関連付けられてもよい。いくつかの実施形態において、DCI310は、TPCコマンドA及びBを示してもよい。TPCコマンドAはUL送信320に適用され、TPCコマンドBはUL送信330に適用される。
【0049】
いくつかの実施形態において、PUSCH又はPUCCHの繰り返しをスケジューリングするためのDCIは、複数のTPCコマンドを示すための複数のフィールドを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、PUSCH又はPUCCHの繰り返しをスケジューリングするためのDCIは、第1電力制御調整状態lに関連付けられている第1のTPCコマンドを示すための第1フィールド(例えば、2ビット)と、第2電力制御調整状態1-lに関連付けられている第2のTPCコマンドを示すための第2フィールド(例えば、2ビット)とを含んでもよく、l∈{0,1}である。lの値は、従来の解決手段(legacy solutions)のように端末装置120に設定/提供することができる。別の例として、いくつかの実施形態では、PUSCH又はPUCCHの繰り返しをスケジューリングするためのDCIは、第1電力制御調整状態0に関連付けられている第1のTPCコマンドを示すための第1フィールド(例えば、2ビット)と、第2電力制御調整状態1に関連付けられている第2のTPCコマンドを示すための第2フィールド(例えば、2ビット)とを含んでもよい。
【0050】
PUSCHの電力制御調整について、3GPP仕様TS38.213第7.1.1節に規定されているように、UEにtwoPUSCH-PC-AdjustmentStatesが設定されている場合はl∈{0、1}であり、UEにtwoPUSCH-PC-AdjustmentStatesが設定されていない場合、又はPUSCH送信がランダムアクセスリソース(RAR)ULグラントによりスケジューリングされている場合はl=0である。ConfiguredGrantConfigによって設定されたPUSCHの(再)送信では、l∈{0、1}の値は、powerControlLoopToUseによってUEに提供される。UEにSRI-PUSCH-PowerControlが提供される場合、UEは、DCIフォーマット0_1のSRIフィールドの値のセットと、sri-PUSCH-ClosedLoopIndexによって提供されるlの値との間のマッピングを取得する。PUSCH送信がDCIフォーマット0_1によってスケジューリングされ、DCIフォーマット0_1がSRIフィールドを含む場合、UEは、SRIフィールドの値にマッピングされるlの値を決定する。PUSCH送信が、DCIフォーマット0_0、若しくはSRIフィールドを含まないDCIフォーマット0_1によってスケジューリングされる場合、又はUEにSRI-PUSCH-PowerControlが提供されない場合、l=0である。UEが、TPC-PUSCH-RNTI(TPC-PUSCH-Radio Network Temporary Identifier)によってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマット2_2から、1つのTPCコマンドを取得する場合、lの値はDCI フォーマット2_2の閉ループインジケータフィールド(closed loop indicator field)により提供される。
【0051】
PUCCHの電力制御調整について、3GPP仕様TS38.213の第7.2.1節に規定されているように、UEにtwoPUCCH-PC-AdjustmentStatesとPUCCH-SpatialRelationInfoが提供される場合、l∈{0、1}であり、UEにtwoPUCCH-PC-AdjustmentStates又はPUCCH-SpatialRelationInfoが提供されない場合、l=0である。UEがDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1からTPCコマンドの値を取得し、UEにPUCCH-SpatialRelationInfoが提供される場合、UEは、p0-PUCCH-Idによって提供されるインデックスによって、pucch-SpatialRelationInfoIdの値のセットと、lの値を提供するclosedLoopIndexの値のセットとの間のマッピングを取得する。UEは、pucch-SpatialRelationInfoIdの値を示すアクティブ化コマンドを受信すると、対応するp0-PUCCH-Idインデックスへのリンクによって、lの値を提供する値closedLoopIndexを決定する。UEが、TPC-PUCCH-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマット2_2から1つのTPCコマンドを取得する場合、lの値は、DCIフォーマット2_2の閉ループインジケータフィールドによって提供される。
【0052】
いくつかの実施形態において、PUSCH又はPUCCHの繰り返しをスケジューリングするためのDCIは、複数のTPCコマンドを示すためのSRIフィールド又はTCIフィールドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、追加のTPCコマンドがSRIフィールドと併せて符号化されてもよい。表1Aは、本開示のいくつかの実施形態にかかるSRIフィールドの値の例を示す。表1Aでは、PUSCH送信のために最大2つのSRSリソース(「0」及び「1」でインデックス付けされる)が設定されている。
【0053】
いくつかの実施形態では、SRI又はTCIのフィールドにK個の値があってもよく、Kは整数で1≦K≦8であり、例えばK=4である。いくつかの実施形態において、K個の値は、同じSRSリソース又は同じTCI状態を示してもよい。例えば、K個の値は、同じSRSリソースインデックス、同じSRSリソースセットインデックス、同じSRSリソース数、及び/又は同じTCI状態インデックスを示してもよい。さらに、K個の値は異なるTPCコマンドの値を示してもよい。表1Bは、本開示のいくつかの実施形態にかかるSRI/TCIフィールドの値の例を示す。表1Bでは、PUSCH送信のために4つのTPCコマンドの値が使用可能である。例えば、Wは整数であり、0≦W≦63である。SRSリソースYは、1つ又は複数のSRSリソースを含んでもよく、TCI状態Zは、1つ又は複数のTCI状態を含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、PDCCHの繰り返しが有効とされ、且つ、異なるビームを介して、異なる空間関係情報、異なるTCI状態、又は異なるQCLパラメータに基づいて送信されるPUSCH又はPUCCHの繰り返しが有効とされる場合、ネットワーク装置110は、DCIの複数の繰り返し(つまりPDCCHの繰り返し)を端末装置120に送信してもよい。複数のPDCCHの繰り返しは、PUSCH又はPUCCHの繰り返しに適用される複数のTPCコマンドをそれぞれ示していてもよい。
【0055】
図4は、かかる実施形態の一例を示す。
図4に示すように、例えば、ネットワーク装置110は、端末装置120からネットワーク装置110へのUL送信430及び440(例えば、PUSCH又はPUCCHのための繰り返し)をスケジューリングするために、PDCCHの繰り返し410及び420を端末装置120に送信してもよい。例えば、UL送信430及び440は、異なるビーム、異なる空間関係情報、異なるTCI状態、又は異なるQCLパラメータに関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、PDCCHの繰り返し410はTPCコマンドAを示してもよく、PDCCHの繰り返し420はTPCコマンドBを示してもよい。TPCコマンドAはUL送信430に適用され、TPCコマンドBはUL送信440に適用される。
【0056】
いくつかの実施形態では、N個のTPCコマンドがPDCCHの繰り返しによって示されてもよく、Nは整数であり、1≦N≦8である。例えば、N=2である。N個のTPCコマンドのそれぞれは1つの電力制御調整状態に対応してもよい。いくつかの実施形態において、UL送信の電力は、UL送信に適用される、対応するTPCコマンド及び対応する電力制御調整状態に基づいて、端末装置120によって制御/調整することができる。一実施形態において、インデックスnを有するTPCコマンドは、電力制御調整状態lに対応してもよく、l=n mod 2であり、n∈{0、1...N-1}である。一実施形態において、インデックスnを有するTPCコマンドは、電力制御調整状態(l+n mod 2)mod 2に対応してもよく、lは、上述のように従来の解決手段に基づいて決定することができ、n∈{0、1...N-1}である。一実施形態において、インデックスnを有するTPCコマンドは、電力制御調整状態lに対応してもよく、n∈{0、1・・・N-1}であり、n<N/2の場合l=0、そうでなければl=1である。一実施形態において、インデックスnを有するTPCコマンドは、n<N/2であれば電力制御調整状態lに対応してもよく、そうでなければTPCコマンドは電力制御調整状態1-lに対応してもよく、lは、上述のように従来の解決手段に基づいて決定することができ、n∈{0、1・・N-1}である。
【0057】
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法500のフローチャートを示す。方法500は、
図1A、
図1B及び/又は
図2に示すネットワーク装置110で実行することができる。方法500は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0058】
ブロック510において、ネットワーク装置110は、端末装置120からネットワーク装置110への送信の電力制御のための複数のTPCコマンドを示すDCIを生成する。
【0059】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、複数のTPCコマンドを示すための複数のフィールドを含むDCIを生成してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、複数のTPCコマンドを示すためのSRSリソースインジケータ(SRI)フィールド又は送信設定インジケータ(TCI)フィールドを含むDCIを生成してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、DCIの複数の繰り返しを生成してもよく、複数の繰り返しは、複数のTPCコマンドをそれぞれ示す。
【0062】
ブロック520において、ネットワーク装置110は、端末装置120からネットワーク装置110への送信をスケジューリングするための、生成されたDCIを、端末装置120に送信する。
【0063】
いくつかの実施形態において、生成されたDCIによってスケジューリングされる送信は、PUSCH送信又はPUCCH送信を含んでもよい。
【0064】
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法600のフローチャートを示す。方法600は、
図1A、
図1B及び/又は
図2に示す端末装置120で実行することができる。方法600は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0065】
ブロック610において、端末装置120は、端末装置120からネットワーク装置110への送信の電力制御のための複数のTPCコマンドを示すDCIを、ネットワーク装置110から受信する。
【0066】
ブロック620において、端末装置120は、DCIから複数のTPCコマンドを決定する。
【0067】
いくつかの実施形態において、DCIは、複数のTPCコマンドを示すための複数のフィールドを含んでもよく、端末装置120は、DCIの中の複数のフィールドから複数のTPCコマンドを決定してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、DCIは、複数のTPCコマンドを示すためのSRIフィールド又は送信設定インジケータ(TCI)フィールドを含んでもよい。端末装置120は、DCIの中のSRIフィールド又はTCIフィールドから複数のTPCコマンドを決定してもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、ネットワーク装置110からDCIの複数の繰り返しを受信し、複数の繰り返しから複数のTPCコマンドをそれぞれ決定してもよい。
【0070】
ブロック630において、端末装置120は、複数のTPCコマンドに基づいて送信の電力を制御しながら、ネットワーク装置110に送信を実行する。
【0071】
いくつかの実施形態において、送信は、PUSCH送信又はPUCCH送信を含んでもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、複数のTPCコマンドから、送信のうち1つの送信の電力を制御するために使用されるTPCコマンドを決定してもよい。端末装置120は、TPCコマンドに対応する電力制御調整状態を決定してもよい。そして、端末装置120は、電力制御調整状態及びTPCコマンドに基づいて、当該1つの送信の電力を制御してもよい。
【0073】
上述したように、現在の3GPP仕様では、PDCCH、PUCCH及び/又はPUSCHのための繰り返しに関する設定について詳細が記載されていない。本開示の実施形態は、PDCCH、PUCCH及び/又はPUSCHのための繰り返しを設定するための解決手段を提供する。
【0074】
図7は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法700のフローチャートを示す。方法700は、
図1A、
図1B及び/又は
図2に示すネットワーク装置110で実行することができる。方法700は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0075】
ブロック710において、ネットワーク装置110は、ネットワーク装置と端末装置との間の物理チャネルのための繰り返しに関する設定を、端末装置120に送信する。ブロック720において、ネットワーク装置110は、設定に基づき、端末装置120と、物理チャネルのための繰り返しを通信する。
【0076】
いくつかの実施形態において、物理チャネルはPDCCHであってもよい。また、設定は、PDCCHの繰り返しが有効とされているか否か、PDCCHの繰り返し数、PDCCHのために使用される少なくとも1つの制御リソースセット(CORESET)、及び、同じデータ又は同じ制御情報の送信をスケジューリングするためにPDCCHの繰り返しが使用されるか否かのうち、少なくとも1つを示してもよい。例えば、設定は、無線リソース制御(RRC)シグナリング、メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)又はDCIのいずれかを介して、ネットワーク装置110から端末装置120に送信されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、設定は、複数のQCLパラメータ及び/又はTCI状態が設定されたCORESETを示してもよい。複数のQCLパラメータ及び/又はTCI状態は、2つのセットに分割されてもよく、一方のセットはPDCCHの繰り返しの少なくとも一部に適用されてもよく、他方のセットはPDCCHの繰り返しの残りの部分に適用されてもよい。例えば、PDCCHの繰り返し数がNr_pdcchであり、Nr_pdcchが正の整数(例えば、2≦Nr_pdcch≦16)であり、CORESETに2セットのQCLパラメータ及び/又は2つのTCI状態が設定されている場合、一方のセットのQCLパラメータ及び/又は1つのTCI状態は、floor(Nr_pdcch/2)又はceil(Nr_pdcch/2)のPDCCHの繰り返しに適用されてもよく、他方のセットのQCLパラメータ及び/又はもう1つのTCI状態は、残りのPDCCHの繰り返しに適用されてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、設定は、第1のCORESET(又は第1サーチスペース)と第2のCORESET(又は第2サーチスペース)を示してもよい。第1のCORESET(又は第1サーチスペース)はPDCCHの繰り返しの少なくとも一部に適用されてもよく、第2のCORESET(又は第2サーチスペース)はPDCCHの繰り返しの残りの部分に適用されてもよい。例えば、PDCCHの繰り返し数がNr_pdcchであり、Nr_pdcchが正の整数(例えば、2≦Nr_pdcch≦16)である場合、第1のCORESET(又は第1サーチスペース)は、floor(Nr_pdcch/2)又はceil(Nr_pdcch/2)のPDCCHの繰り返しに適用されてもよく、第2のCORESET(又は第2サーチスペース)は、残りのPDCCHの繰り返しに適用されてもよい。いくつかの実施形態では、2つのCORESET又は2つのサーチスペースが、同じデータの送信をスケジューリングするために使用されるように設定されてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、物理チャネルはPUSCHであってもよい。また、設定は、PUSCHの繰り返しが有効とされているか否か、PUSCHの繰り返し数、及び、PUSCHの繰り返しごとの最大レイヤ数のうち、少なくとも1つを示してもよい。例えば、設定は、RRCシグナリング、MAC CE又はDCIのいずれかを介して、ネットワーク装置110から端末装置120に送信されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、DCIを介して端末装置120に設定を送信してもよい。DCIは、PUSCHのために使用されるSRSリソースを示すためのSRIフィールドを含んでもよい。いくつかの実施形態において、SRIフィールドの値(「SRIコードポイント」とも称される)は、異なるビーム、異なる空間関係情報、又は異なるQCLパラメータに関連付けられている複数のSRSリソース又はSRSリソースセットを示してもよい。PUSCHの繰り返しは、異なるビームを介して、又は異なる空間関係情報若しくは異なるQCLパラメータに基づいて、端末装置120からネットワーク装置110に送信されてもよい。例えば、PUSCHの繰り返し数がNr_puschであり、Nr_puschが正の整数(例えば、1≦Nr_pusch≦16))であり、1つのSRIコードポイントが第1空間関係情報及び第2空間関係情報に関連付けられている場合、第1空間関係情報はfloor(Nr_pusch/2)又はceil(Nr_pusch/2)のPUSCHの繰り返しに適用されてもよく、第2空間関係情報は残りのPUSCHの繰り返しに適用されてもよい。
【0081】
表2Aは、本開示のいくつかの実施形態にかかるSRIフィールドの値の例を示す。表2Aでは、異なるビーム又は異なる空間関係情報に関連付けられている最大2つのSRSリソース(「0」及び「1」でインデックス付けされる)が、PUSCH送信のために使用される。
【0082】
いくつかの実施形態では、SRI又はTCIのフィールドにK個の値があってもよく、Kは整数で1≦K≦8であり、例えばK=2である。いくつかの実施形態において、K個の値は、同じSRSリソース又は同じTCI状態を示してもよい。例えば、K個の値は、同じSRSリソースインデックス、同じSRSリソースセットインデックス、同じSRSリソース数、及び/又は同じTCI状態インデックスを示してもよい。例えば、K個の値のそれぞれは、PUSCHのための異なる送信レイヤ数を示してもよい。別の例として、K個の値のそれぞれは、PUSCHの繰り返しが有効とされているか無効とされているかを示してもよい。また、別の例として、K個の値のそれぞれは、PUSCH送信/繰り返しの異なる数を示していてもよい。表2Bは、本開示のいくつかの実施形態にかかるSRI/TCIフィールドの値の例を示す。表2Bでは例えば、Wは整数であり、0≦W≦63である。SRSリソースYは、1つ又は複数のSRSリソースを含んでもよく、TCI状態Zは、1つ又は複数のTCI状態を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、SRI又はTCIのフィールドにK個の値があってもよく、Kは整数で1≦K≦8であり、例えばK∈{2,4,8}である。いくつかの実施形態において、K個の値は、同じSRSリソース又は同じTCI状態を示してもよい。例えば、K個の値は、同じSRSリソースインデックス、同じSRSリソースセットインデックス、同じSRSリソース数、及び/又は同じTCI状態インデックスを示してもよい。例えば、K個の値のそれぞれは、PUSCHのための異なる送信レイヤ数を示してもよい。別の例として、K個の値のそれぞれは、PUSCHの繰り返しが有効とされているか無効とされているかを示してもよい。また、別の例として、K個の値のそれぞれは、PUSCH送信/繰り返しの異なる数を示してもよい。表2Cは、本開示のいくつかの実施形態にかかるSRI/TCIフィールドの値の例を示す。表2Cにおいて、例えば、Wは整数であり、0≦W≦63である。SRSリソースYは、1つ又は複数のSRSリソースを含んでもよく、TCI状態Zは、1つ又は複数のTCI状態を含んでもよい。例えば、RとSはともに整数で、1≦R≦16、1≦S≦16であり、R≠Sである。
【0083】
表3は、本開示のいくつかの実施形態にかかるSRIフィールドの値の例を示す。表3では、異なるビーム又は異なる空間関係情報に関連付けられている最大3つのSRSリソース(「0」、「1」及び「2」でインデックス付けされる)が、PUSCH送信のために使用される。
【0084】
表4は、本開示のいくつかの実施形態にかかるSRIフィールドの値の例を示す。表4では、異なるビーム又は異なる空間関係情報に関連付けられている最大4つのSRSリソース(「0」、「1」、「2」及び「3」でインデックス付けされる)が、PUSCH送信のために使用される。
【0085】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、DCIを介して端末装置120に設定を送信してもよい。DCIは複数のSRIフィールドを含んでもよい。また、各SRIフィールドの値は、PUSCHの繰り返しの少なくとも一部に適用される対応するビーム、対応する空間関係情報、又は対応するQCLパラメータセットに関連付けられているSRSリソース又はSRSリソースセットを示してもよい。例えば、PUSCHの繰り返し数がNr_puschであり、Nr_puschが正の整数(例えば、1≦Nr_pusch≦16)であり、DCIが第1のSRIフィールド及び第2のSRIフィールドを含む場合、第1のSRIフィールドはfloor(Nr_pusch/2)又はceil(Nr_pusch/2)のPUSCHの繰り返しに適用されてもよく、第2のSRIフィールドは残りのPUSCHの繰り返しに適用されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、DCIを介して端末装置120に設定を送信してもよい。DCIは送信設定インジケータ(TCI)フィールドを含んでもよい。また、TCIフィールドの値(「TCIコードポイント」とも称される)は、異なるビーム、異なる空間関係情報、又は異なるQCLパラメータに関連付けられている複数のTCI状態を示してもよい。PUSCHの繰り返しは、異なるビームを介して、又は異なる空間関係情報に基づいて、端末装置120からネットワーク装置110に送信されてもよい。例えば、PUSCHの繰り返し数がNr_puschであり、Nr_puschが正の整数、例えば1≦Nr_pusch≦16であり、1つのTCIコードポイントが第1のTCI状態(又は第1のQCLパラメータセット)及び第2のTCI状態(又は第2のQCLパラメータセット)を示す場合、第1のTCI状態(又は第1のQCLパラメータセット)はfloor(Nr_pusch/2)又はceil(Nr_pusch/2)のPUSCHの繰り返しに適用されてもよく、第2のTCI状態(又は第2のQCLパラメータセット)は残りのPUSCHの繰り返しに適用されてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、物理チャネルはPUCCHであってもよい。また、設定は、PUCCHの繰り返しが有効とされているか否か、PUCCHの繰り返し数、及び、PUCCHの繰り返しのために使用される少なくとも1つのPUCCHリソースのうち、少なくとも1つを示してもよい。例えば、設定は、RRCシグナリング、MAC CE又はDCIのいずれかを介して、ネットワーク装置110から端末装置120に送信されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、1つのPDCCHが1つのPUCCHリソースをスケジューリングしてもよく、PUCCHリソースには、PUCCHの繰り返しに適用される異なる空間関係情報、異なるQCLパラメータ、及び/又は異なるTCI状態が設定されてもよい。例えば、PUCCHの繰り返し数がNr_pucchであり、Nr_pucchが正の整数(例えば、1≦Nr_pucch≦16)であり、PUCCHの繰り返しのためのPUCCHリソースが、第1空間関係情報及び第2空間関係情報に関連付けられている場合、第1空間関係情報はfloor(Nr_pucch/2)又はceil(Nr_pucch/2)のPUCCHの繰り返しに適用されてもよく、第2空間関係情報は残りのPUCCHの繰り返しに適用されてもよい。別の例として、PUCCHの繰り返し数がNr_pucchであり、Nr_pucchが正の整数(例えば、1≦Nr_pucch≦16)であり、PUCCHの繰り返しのためのPUCCHリソースが第1のTCI状態(又は第1のQCLパラメータセット)及び第2のTCI状態(又は第2のQCLパラメータセット)に関連付けられる場合、第1のTCI状態(又は第1のQCLパラメータセット)がfloor(Nr_pucch/2)又はceil(Nr_pucch/2)のPUCCHの繰り返しに適用されてよく、第2のTCI状態(又は第2のQCLパラメータセット)が残りのPUCCHの繰り返しに適用されてよい。
【0089】
また、いくつかの実施形態において、PUCCHの繰り返しのための設定は、2つの隣り合うPUCCHの繰り返しの間の時間間隔を示してもよい。時間間隔は、M個のシンボルであってもよく、Mは整数であり、0≦M≦13である。例えば、Mは、RRCシグナリング、MAC CE、又はDCIのいずれかを介して端末装置120に設定されてもよい。例えば、Mはデフォルトで0であってもよい。
【0090】
いくつかの実施形態において、1つのPDCCHは、PUCCHの繰り返しに適用される、異なる空間関係情報、異なるQCLパラメータ及び/又は異なるTCI状態が設定されたQ個のPUCCHリソースをスケジューリングしてもよい。ここで、Qは整数であり、1≦Q≦4である。例えば、Q=2である。例えば、PUCCHの繰り返し数がNr_pucchであり、Nr_pucchが正の整数(例えば、1≦Nr_pucch≦16)であり、PUCCHの繰り返しのための第1のPUCCHリソース及び第2のPUCCHリソースがある場合、第1のPUCCHリソースはfloor(Nr_pucch/2)又はceil(Nr_pucch/2)のPUCCHの繰り返しのために使用されてもよく、第2のPUCCHリソースは残りのPUCCHの繰り返しのために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、Q個のPUCCHリソースは、同じACK/NACKフィードバック、同じデータ、同じCSIフィードバック、同じL1-RSRPフィードバック及び/又は同じL1-SINRフィードバックの送信のために使用されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、PDCCH、PUSCH及び/又はPUCCHの繰り返しが有効とされている場合、繰り返し数は、TRP(ビーム/TCI状態/QCLパラメータ/空間関係情報)ごとに設定されてもよい。例えば、X個のTRP(例えば、X個のビーム、X個のTCI状態、X個のQCLパラメータ、又はX個の空間関係情報の設定)があってもよく、Xは整数であり、1≦X≦4である。i番目のTRP(ビーム/TCI状態/QCLパラメータ/空間関係情報)については、繰り返し数がNiであってもよく、Niは整数で1≦Ni≦4、iは整数で1≦i≦Xである。異なるTRP又はビームに対し、それぞれの繰り返し数は異なっていてもよい。例えば、i≠j、Ni≠Njであり、i及びjが共に整数である場合、1≦i≦X、1≦j≦Xである。いくつかの実施形態において、TRP(ビーム/TCI状態/QCLパラメータ/空間関係情報)ごとの繰り返し数は、RRCシグナリング、MAC CE又はDCIのいずれを介して端末装置120に設定されてもよい。
【0092】
図8は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法800のフローチャートを示す。方法800は、
図1A、
図1B及び/又は
図2に示す端末装置120で実行することができる。方法800は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0093】
ブロック810において、端末装置120は、ネットワーク装置110と端末装置120との間の物理チャネルのための繰り返しに関する設定を、ネットワーク装置110から受信する。ブロック820において、端末装置120は、設定に基づき、物理チャネルのための繰り返しをネットワーク装置110と通信する。
【0094】
いくつかの実施形態において、設定は、RRCシグナリング、MAC CE又はDCIのいずれかを介して、ネットワーク装置110から受信されてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態において、物理チャネルはPDCCHであってもよい。また、設定は、PDCCHの繰り返しが有効とされているか否か、PDCCHの繰り返し数、PDCCHのために使用される少なくとも1つのCORESET、及び、同じデータ又は同じ制御情報の送信をスケジューリングするためにPDCCHの繰り返しが使用されるか否かのうち、少なくとも1つを示してもよい。
【0096】
いくつかの実施形態において、設定は、複数のQCLパラメータセットを有するCORESETを示してもよく、各QCLパラメータセットは、PDCCHの繰り返しの少なくとも一部に適用される。
【0097】
いくつかの実施形態において、設定は複数のCORESETを示してもよく、各CORESETはPDCCHの繰り返しの少なくとも一部に適用される。
【0098】
いくつかの実施形態において、物理チャネルはPUSCHであってもよい。また、設定は、PUSCHの繰り返しが有効とされているか否か、PUSCHの繰り返し数、及び、PUSCHの繰り返しごとの最大レイヤ数のうち、少なくとも1つを示してもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、設定は、DCIを介してネットワーク装置110から受信されてもよい。DCIは、SRIフィールドを含んでもよく、SRIフィールドの値は、PUSCHの繰り返しに適用される異なる空間関係情報を示してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、設定は、DCIを介してネットワーク装置110から受信されてもよい。DCIは、複数のSRIフィールドを含んでもよく、各SRIフィールドの値は、PUSCHの繰り返しの少なくとも一部に適用される空間関係情報を示してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、設定は、DCIを介してネットワーク装置110から受信されてもよい。DCIは、複数のTCIフィールドを含んでもよく、各TCIフィールドの値は、PUSCHの繰り返しの少なくとも一部に適用される空間関係情報を示してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、物理チャネルはPUCCHであってもよい。また、設定は、PUCCHの繰り返しが有効とされているか否か、PUCCHの繰り返し数、及び、PUCCHの繰り返しのために使用される少なくとも1つのPUCCHリソースのうち、少なくとも1つを示してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、設定は、PUCCHの繰り返しに適用される異なる空間関係情報に関連付けられているPUCCHリソースを示してもよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、設定は、異なる空間関係情報に関連付けられている複数のPUCCHリソースを示してもよい。各PUCCHリソースは、PUCCHの繰り返しの少なくとも一部のために使用されてもよい。
【0105】
図9は、本開示の実施形態を実施するのに適した装置900の概略ブロック図である。装置900は、
図1A及び/又は
図1Bに示すネットワーク装置110、端末装置120、又はTRP130の別の例示的な実施であるとみなすことができる。したがって、装置900は、
図1A及び/又は
図1Bに示すネットワーク装置110、端末装置120、又はTRP130において、又は少なくともその一部として実施することができる。
【0106】
図に示すように、装置900は、プロセッサ910、プロセッサ910に結合されるメモリ920、プロセッサ910に結合された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)940、並びにTX/RX940に結合された通信インタフェースを含む。メモリ910は、プログラム930の少なくとも一部を格納する。TX/RX940は、双方向通信用である。TX/RX940は、通信を促進する少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有してもよい。通信インタフェースは、他のネットワーク要素と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、eNB間の双方向通信用のX2インタフェース、Mobility Management Entity(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信用のS1インタフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はeNBと端末装置との間の通信用のUuインタフェースを表してもよい。
【0107】
プログラム930はプログラム命令を含むと見なされ、プログラムは、関連付けられているプロセッサ910によって実行されると、本明細書で
図1A~
図8を参照して論じたように、本開示の実施形態に従って装置900が動作することを可能にする。本明細書の実施形態は、装置900のプロセッサ910が実行可能なコンピュータソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実施してもよい。プロセッサ910は、本開示の様々な実施形態を実施するように設定され得る。また、プロセッサ910及びメモリ920の組合せは、本開示の各実施形態を実施するのに適した処理手段950を設定してもよい。
【0108】
メモリ920は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプとしてもよく、任意の適切なデータ記憶技術(例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体ベースの記憶装置、磁気記憶装置及びシステム、光学記憶装置及びシステム、固定メモリ及び移動可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない)により実施してもよい。装置900には1つのメモリ920しか示されていないが、装置900には複数の物理上異なるメモリモジュールを設置してもよい。プロセッサ910は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ設定に基づくプロセッサのうち、1つ又は複数を含んでもよいが、これらに限定されない。装置900は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサと同期するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0109】
通常、本開示の各実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、論理又はそれらの任意の組合せにより実施してもよい。いくつかの態様はハードウェアによって実施し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティング装置が実行し得るファームウェア又はソフトウェアによって実施してもよい。本開示の実施形態の各態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他の何らかの絵画的表現によって示されているが、理解すべき点として、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくは論理、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピューティング装置、又はそれらの組合せによって実施してもよいが、これらに限定されない。
【0110】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に、有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。当該コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令のような、コンピュータが実行可能な命令を含む。当該命令は、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上の装置において実行され、例えば
図2、
図5、
図6、
図7及び/又は
図8を参照して上述したプロセス又は方法を実行する。通常、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。各実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じてプログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割してもよい。プログラムモジュールのマシン可読命令は、ローカル又は分散型装置において実行してもよい。分散型装置において、プログラムモジュールはローカル及びリモートの記憶媒体のどちらに置いてもよい。
【0111】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1種類又は複数のプログラミング言語の任意の組合せにより記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されてもよく、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定された機能/操作が実施される。プログラムコードは全てマシン上で実行するか、部分的にマシン上で実行するか、独立したソフトウェアパッケージとして実行するか、マシン上で部分的に実行するとともにリモートのマシン上で部分的に実行するか、又は全てリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0112】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で具現化されてもよく、当該マシン可読媒体は、命令実行システム、装置若しくは装置により使用されるプログラム、又は、それらと結合して使用されるプログラムを含むか又は格納する任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置(apparatus)若しくは装置(device)、又は前述の任意の適切な組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のさらにより具体的な例には、1つ若しくは複数のワイヤ、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は前述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0113】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を示された特定の順序で実行するか若しくは順に実行するか、又は、示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論には、いくつかの具体的な実施の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する限定ではなく、特定の実施形態に特定され得る特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈において説明したいくつかの特徴は、ある1つの実施形態において組み合わせて実施されてもよい。逆に、1つの実施形態の文脈において説明された各種特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切な副次的な組合せにより、実施されてもよい。
【0114】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法論的な動作に特有の言葉で説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないと理解されるべきである。上述の特定の特徴や動作はむしろ、特許請求の範囲を実施する例示的形態として開示されている。